JPWO2010143466A1 - ウエハレンズの製造方法、中間型、光学部品、成形型及び成形型の製造方法 - Google Patents

ウエハレンズの製造方法、中間型、光学部品、成形型及び成形型の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、基板に形成されたレンズ部等の樹脂部分を不必要に厚くすることなく、小型化可能なウエハレンズの製造方法、中間型、光学部品及び成形型を提供すると供に、形状が良好で、離型性の優れた成形型の製造方法を提供する。ウエハレンズ1の製造方法は、金型7から第1中間型8を製造する第1中間型製造工程と、第1中間型8から第2中間型9を製造する第2中間型製造工程と、第2中間型9からウエハレンズ1を製造するウエハレンズ製造工程とを備える。第1中間型基板80の金型7と対向する面に、金型7の成形部71の頂部71a又は周辺部77の、少なくとも第1中間型基板80に近い方が配置される凹部85を形成し、光硬化性樹脂84Aを押圧する際に、金型7の頂部71a又は周辺部77の少なくとも第1中間型基板80に近い方を、凹部85内に配置すると共に、凹部85の凹面85aに対して接触しないよう所定の隙間を設ける。

Description

本発明は、ウエハレンズの製造方法、中間型、光学部品、成形型及び成形型の製造方法に関する。
従来、光学レンズの製造分野においては、ガラス基板に対し硬化性樹脂からなるレンズ部を設けることで、耐熱性の高い光学レンズを得る技術が検討されている。この技術を適用した光学レンズの製造方法の一例として、ガラス基板の表面に対し硬化性樹脂の成形品としてレンズ部、例えば屈折レンズ部を複数形成したいわゆる「ウエハレンズ」を形成し、その後にレンズ部ごとにガラス基板をカットする方法も提案されている。
ウエハレンズを製造する方法として、例えば、金型(マスター)から樹脂製の第1中間型(サブマスター)を作成し、続いて第1中間型から同じく樹脂製の第2中間型(サブサブマスター)を作成し、第2中間型を利用して樹脂製のウエハレンズを製造するといった2つの中間型を使用する場合がある(例えば、特許文献1、2参照)。特に特許文献2では、大径のガラス基板に対してレンズ部を順次形成していくといった、いわゆるステップアンドリピート方式について開示されている。
以下に、2つの中間型を使用してウエハレンズを製造する方法について説明する。
図28(a),(b)は金型7Gから第1中間型8Gを成形する方法を示している。まず、図28(a)に示す通り、ウエハレンズ1Gの凸レンズ部11G(図30(b)参照)の光学面形状に対応するネガ形状の成形部71Gを有する金型7Gの上面に樹脂84Hを滴下し(ディスペンス工程)、金型7Gの上方に第1中間型基板80Gの一部である第1の領域を位置させて吸引・固定しておく。その後、第1中間型基板80Gを、下方に配置された金型7Gに向けて下降させ、樹脂84Hを第1中間型基板80Gの第1の領域部分に押圧する(インプリント工程)。このとき、金型7Gの成形部71Gの周辺で成形部71Gに続いて設けられた平坦部72Gと第1中間型基板80Gとの衝突を避けるため、金型7Gと第1中間型基板80Gとは一定の隙間S4を設けるようにして第1中間型基板80Gを停止させている。この隙間S4の量は、図28(a)ではΔHとする。ΔHは機械的に衝突を防止するために必要な量だけではなく、樹脂84Hの成形上、最低限必要な隙間を確保することも考慮して決定される。その後、第1中間型基板80Gの高さ位置をそのまま保持しながら、成形部71Gに充填された樹脂84Hに対し第1中間型基板80Gの上方から光照射し、樹脂84Hを光硬化させる(露光工程)。そして、第1中間型基板80Gを上昇させながら樹脂84Hを金型7Gから離型する(離型工程)。その後、金型7Gを図2のように所定量ずらし、その所定位置(第1中間型基板80Gの第2の領域部分に対応)で上述したディスペンス工程、インプリント工程、露光工程を行い、以後これらを繰り返して成形する、所謂ステップアンドリピート方式での成形を行う。このような構成をとることにより、小さな金型から、広い面積での成形型を形成できる、というメリットがある。
ところがこのようなステップアンドリピート方式での成形の場合、図2で示すように第1の領域での成形後、隣接する第2の領域との間には所定量の隙間Xが生ずる。これは第1の位置と隣接する第2の位置の位置精度をぴったり合わせる事ができないため生ずるものである。
その結果、図28(b)に示す通り、第1中間型基板80Gの下面に、第1中間型基板80Gの素地が露出した溝部86Gを有する第1中間型8が製造される。これは、樹脂84Hが回らないためである。
そしてこのようなステップアンドリピート方式を採用して金型から第1中間型、第1中間型から第2中間型、第2中間型で光学素子を成形する場合には以下のような構成になる。
図29(a),(b)は、第1中間型8Gから第2中間型9Gを成形する方法を示している。図29(a)に示す通り、第1中間型8Gの上面に樹脂94Hを滴下し(ディスペンス工程)、第1中間型8Gの上方に第2中間型基板90Gを吸引・固定しておく。その後、第2中間型基板90Gを、下方に配置された第1中間型8Gに向けて下降させ、樹脂94Hを第2中間型基板90Gに押圧する(インプリント工程)。このとき、第1中間型8Gの樹脂部84Gのうち最も突出した部分と第2中間型基板90Gとの衝突を避けるため、第1中間型8Gと第2中間型基板90GとはΔHの隙間S5を設けるようにして第1中間型8Gを停止させる。その後、同様にして露光工程、離型工程を行い、図29(b)に示す通り第2中間型基板90Gの下面に、成形部91Gを有する第2中間型9Gを製造することができる。ここで、符号93Gは、第1中間型8Gの溝部86Gに入った樹脂94Hが硬化した部分で、第2中間型9Gの樹脂部94Gで最も高くなっている。
図30(a),(b)は、第2中間型9Gから最終製品であるウエハレンズ1Gを成形する方法を示している。図30(a)に示す通り、第2中間型9Gの上面に樹脂4Hを滴下し(ディスペンス工程)、第2中間型9Gの上方にウエハレンズ用のガラス基板2Gを吸引・固定しておく。その後、ガラス基板2Gを、下方に配置された第2中間型9Gに向けて下降させ、樹脂4Hをガラス基板2Gに押圧する(インプリント工程)。このとき、第2中間型9Gの樹脂部94Gのうち最も突出した部分とガラス基板2Gとの衝突を避けるため、第2中間型9Gとガラス基板2GとはΔHの隙間S6を設けるようにして第2中間型9Gを停止させる。その後、同様にして露光工程、離型工程を行い、図30(b)に示す通りウエハレンズ1Gを製造することができる。結果として、ウエハレンズ1Gの凸レンズ部11Gの周辺で凸レンズ部11Gに続く平坦部12Gのガラス基板2Gからの高さは2ΔHとなり、上述の一回の成形における衝突防止に必要な隙間ΔHの2倍となる。
つまり第1中間型の溝部86Gが形成される事により、第1中間型から第2中間型を作る際に必要な隙間ΔHが最終的に第2中間型からレンズを作る際に2倍の隙間となって形成される原因となる。
特表2006−519711号公報 米国特許出願公開2006/0259546号公報
上述のように、金型から第1中間型及び第2中間型を成形し、その後、ウエハレンズを成形した場合、インプリント工程時に各成形型の突出した部分と各基板との衝突を避けるため、成形型と基板との間に適切な距離ΔHを設ける必要が生じ、2つの中間型を使用する場合には、ウエハレンズとして本来成形するために必要な厚さに対して、2ΔHだけ余計に厚く成形する必要が生じる。その結果、ウエハレンズを上下に積層させてウエハレンズユニットとした場合に、光軸方向に厚くなり、小型化に対して不利となる。
また、上記特許文献2に記載のステップアンドリピート方式の場合、大径のガラス基板上にレンズの成形材料をディスペンスした後、1つの成形部を有する1つの成形型を基板上の成形材料に対して押圧して1つのレンズ部を成形し、その後、同様の方法で順次、レンズ部を複数成形していく。つまり、複数の成形部を有するアレイマスター型を使用してステップアンドリピート方式を行っているわけではなく、1つの成形型は1つの成形部のみ有するので、1つの成形部内の成形材料を硬化させて離型してから、次の成形材料を成形部内にディスペンスして硬化させていく。このように1つずつレンズ部を硬化成形していくので、隣接するレンズ部同士の間が繋がってしまうことは想定されず、問題とはならなかった。
一方、複数の成形部を有するアレイマスター型を使用した場合、各成形部に個別に成形材料をディスペンスして成形するので、ディスペンス量によって、ある成形部から成形材料があふれると、その成形部に隣接する成形部内の成形材料も未硬化で液体であるので、硬化した際に繋がってしまうという問題がある。また、一度、成形材料同士が繋がると、硬化収縮した場合にその応力が複数倍となって非常に大きくなり、後段の中間型や転写型の形状が悪化したり、離型性が悪化するといった問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、基板に形成されたレンズ部等の樹脂部分を不必要に厚くすることなく、小型化を図ることのできるウエハレンズの製造方法、中間型、光学部品及び成形型を提供すると供に、形状が良好で、離型性の優れた成形型の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂のレンズ部を複数設けたウエハレンズの製造方法であって、
該製造方法は、
前記レンズ部の光学面形状に対応したネガ形状の成形部を有する金型と、第1中間型基板との間に光硬化性樹脂を充填して押圧し、光照射により硬化させることによって前記光学部材の光学面形状に対応したポジ形状のレンズ部を有する第1中間型を製造する第1中間型製造工程であって、当該第1中間型製造工程は、以下のi)〜vii)
i)第1中間型基板を準備し、
ii)前記金型に光硬化性樹脂をディスペンスし、前記第1中間型基板表面の一部である第1の領域を前記金型に対して押圧する事により光硬化性樹脂を前記金型の成形部内に充填し、
iii)前記充填した光硬化性樹脂に光を照射して硬化を進め、
iv)前記硬化の後、前記金型を光硬化性樹脂から離型し、
v)離型した金型に光硬化性樹脂をディスペンスし、第1中間型基板表面の内、前記第1の領域とは所定間隔を以って配置された第2の領域を前記金型に対して押圧する事により光硬化性樹脂を前記金型の成形部内に充填し、
vi)前記充填した光硬化性樹脂に光を照射して硬化を進め、
vii)前記硬化の後、前記金型を光硬化性樹脂から離型する、
のサブ工程を含む工程と、
前記第1中間型製造工程で得られた第1中間型と、前記第1中間型とは異なる第2中間型基板との間に光硬化性樹脂を充填して押圧し、光照射により硬化させることによって前記レンズ部の光学面形状に対応したネガ形状の成形部を有する第2中間型を製造する第2中間型製造工程と、
前記第2中間型と、前記基板との間に光硬化性樹脂を充填して押圧し、光照射により硬化させることによって前記レンズ部を複数備えたウエハレンズを製造するウエハレンズ製造工程と、を備えるものであり、
前記第1中間型基板の前記金型と対向する面に、前記金型の前記成形部の頂部又は前記成形部に続く周辺部の、少なくとも前記第1中間型基板に近い方が配置される凹部を形成しておき、
前記金型と前記第1中間型基板との間に充填した光硬化性樹脂を押圧する際に、前記金型の前記頂部又は前記周辺部の少なくとも前記第1中間型基板に近い方を、前記凹部内に配置するとともに、前記凹部を形成する凹面に対して接触しないよう所定の隙間を設けることを特徴とするウエハレンズの製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂の光学部材を設けたウエハレンズを製造するために使用され、中間型基板と、前記中間型基板に設けられて前記光学部材の光学面形状に対応したポジ形状又はネガ形状の成形部と、を有する中間型であって、
前記中間型基板には、前記成形部の頂部又は前記成形部に続く周辺部の、少なくとも前記中間型基板に近い方が配置される凹部が形成され、
前記成形部の前記頂部又は前記周辺部の少なくとも前記中間型基板に近い方が、前記凹部内に配置されるとともに、前記凹部を形成する凹面に対して接触しないよう所定の隙間が設けられていることを特徴とする中間型が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板と、前記基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂を硬化して得られる、凹又は凸の屈折レンズ部を一部に含む樹脂成形部を形成した光学部品であって、
前記基板の少なくとも一方の面には凹部が設けられ、前記樹脂成形部は前記凹又は凸の屈折レンズ部と、当該屈折レンズ部と接続している樹脂平坦部とを少なくとも当該基板の凹部が形成された側の面に備え、前記屈折レンズ部は、前記屈折レンズ部は、当該屈折レンズ部を光軸と平行な方向から前記基板へ投影した場合の領域が前記基板の凹部内に収まるように構成されている事を特徴とする光学部品が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂製の屈折レンズ部を複数設けたウエハレンズを製造するために使用され、前記レンズ部の光学面形状に対応したポジ形状又はネガ形状の成形部と、前記成形部の周囲を形成する周辺形成部を有する成形型であって、
前記成形部及び前記周辺形成部に、前記光硬化性樹脂を硬化させる特定波長の吸収作用を有する物質が含まれていることを特徴とする成形型が提供される。
本発明の一態様によれば、複数組のレンズ成形部及び当該レンズ成形部の周囲に続くフランジ成形部が、凹部を介して区画化された金型を複数回使用していき、基板上に硬化性樹脂製の成形型を製造する成形型の製造方法であって、
前記基板の第1位置と、前記金型に形成された複数組の前記レンズ成形部及び前記フランジ成形部とのそれぞれの間に個別に硬化性樹脂をディスペンスするディスペンス工程と、
前記ディスペンス工程後、前記金型と前記基板との間の硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、
前記硬化工程後、前記硬化性樹脂から前記金型を離型する離型工程と、
前記基板の第1位置とは異なる第2位置と、前記金型に形成された複数組のレンズ成形部及びフランジ成形部とのそれぞれの間に個別に硬化性樹脂をディスペンスするディスペンス工程と、
前記ディスペンス工程後、前記金型と前記基板との間の硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、
前記硬化工程後に前記硬化性樹脂から前記金型を離型する離型工程と、を有し、
前記金型の各フランジ成形部及び、当該フランジ成形部に続いて設けられて前記凹部を形成する段差面には、離型処理が施されるとともに、
前記ディスペンス工程において、前記基板と前記金型の各レンズ成形部及びフランジ成形部との間にディスペンスされる硬化性樹脂のディスペンス容量は、前記基板と前記金型の各レンズ成形部及びフランジ成形部との間に形成される形成空間体積よりも大きいことを特徴とする成形型の製造方法が提供される。
本発明によれば、ステップアンドリピート方式を採用して金型から第1中間型、第2中間型、ウエハレンズを製造する場合であっても、当該ステップアンドリピート方式を採用する事によって不可避的に生ずる第1中間型の溝部に起因する隙間の厚みを低減できるため、第1中間型の成形部及び周辺部等の樹脂部分を不必要に厚くすることがなくなり、第1中間型を小型化することができる。また、このような第1中間型を使用して製造するウエハレンズも小型化を図ることができる。
また、本発明によれば、各フランジ成形部及び段差面に施した離型処理によって、硬化した硬化性樹脂を金型から容易に離型することができる。
また、硬化性樹脂のディスペンス容量を、基板と金型の各レンズ成形部及びフランジ成形部との間に形成される形成空間体積よりも大きくするので、硬化性樹脂の硬化収縮時に発生するヒケを防止して、良好な形状の成形型を製造することができる。
さらに、金型は、複数組のレンズ成形部及びフランジ成形部が凹部を介して区画化されており、フランジ成形部と凹部との間には段差面を有する構成であるので、互いに隣接するレンズ成形部内にディスペンスされた硬化性樹脂同士が互いに繋がって硬化するのを防げる。しかも、硬化性樹脂は基板側に向けて幅広となるようにテーパー形状となって硬化することから、この点においても金型に対する離型性が良好となる。
ウエハレンズの概略構成を示す平面図である。 ウエハレンズの概略構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態におけるウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、第1中間型を製造する場合である。 本発明の第1の実施形態におけるウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、図3の状態から第2中間型を製造する場合である。 本発明の第1の実施形態におけるウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、図4の状態からウエハレンズを製造する場合である。 製造装置の概略構成を示す斜視図である。 図6の製造装置の平面図である。 X軸移動機構の概略構成を示す図面であって、図7のA−A線に沿う断面図である。 Y軸移動機構の概略構成を示す図面であって、図7のB−B線に沿う断面図である。 XYステージと定盤内との概略構成を示す断面図である。 図10のC−C線に沿う断面図である。 金型部の概略構成を示す断面図である。 図12の概略構成を示す平面図である。 金型に対しディスペンサを対向配置した際の概略構成を示す断面図である。 概略的な制御構成を示すブロック図である。 ウエハレンズの製造方法を経時的に説明するための概略的なフローチャートである。 図16のディスペンス工程から離型工程にかけての圧力状態を概略的に示すタイミングチャートである。 ガラス基板と金型との平行度を調整するための構成を概略的に説明する図面である。 金型の2次元平面上の座標軸変換を概略的に説明する図面である。 本発明の第2の実施形態におけるウエハレンズの概略構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態におけるウエハレンズの概略構成を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態におけるウエハレンズの概略構成を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態におけるウエハレンズの概略構成を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態におけるウエハレンズの概略構成を示す側面図である。 ウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、中間型を製造する場合である。 ウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、図25の状態から転写型を製造する場合である。 ウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、図26の状態からウエハレンズを製造する場合である。 従来例におけるウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、第1中間型を製造する場合である。 従来例におけるウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、図5の状態から第2中間型を製造する場合である。 従来例におけるウエハレンズの製造方法の一部を示した側面図であり、図29の状態からウエハレンズを製造する場合である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1,図2に示す通り、ウエハレンズ1は円形状のガラス基板2と、ガラス基板2の一方の面に形成された樹脂部4と、を備えている。
樹脂部4は、図5(b)に示す通り、凸状の光学面となる凸レンズ部11と、凸レンズ部11の周辺で凸レンズ部11に続いて形成された周辺部17と、を有する。周辺部17は、凸レンズ部11に続いて形成されたリング状の平坦部12と、この平坦部12に続いて形成された凸状部13と、を有する。凸レンズ部11は屈折レンズである事が好ましいが、必ずしもこれに限定されず光学面の表面回折溝や段差等の微細構造が形成されていても良い。
樹脂部4は光硬化性樹脂で形成されている。当該光硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂やアリルエステル樹脂などを用いることができ、これら樹脂はラジカル重合により反応硬化させることができる。
凸状部13は、凸レンズ部11とは異なり、頂部13aが平坦な面となっている。凸状部13の頂部13aの高さは、凸レンズ部11の頂部11aの高さより高く形成されている。
また、凸レンズ部11と凸状部13との間及び隣接する凸状部13同士の間に形成されたリング状の平坦部(薄肉部分)12のガラス基板2からの高さはΔHとされ、特に凸レンズ部11と凸状部13との間の平坦部12の高さは従来に比べて半分の高さとなっている。
ウエハレンズ1は、図3〜図5に示す通り、凸レンズ部11の光学面形状に対応したネガ形状(凹状)の成形部71を有する金型7からポジ形状(凸形状)の成形部81を有する第1中間型8を成形し、第1中間型8からネガ形状(凹状)の成形部91を有する第2中間型9を成形し、成形した第2中間型9によって成形される。本実施形態では、1枚のガラス基板2に対し第2中間型9単位で樹脂部4(凸レンズ部11)が順次形成されていくようになっており(図1,図2矢印参照)、最終的には凸レンズ部11ごとにガラス基板2が切断され個片化される。
なお、図1,図2は製造工程の途中段階を示しているため、ガラス基板2の表面の一部にのみ樹脂部4が形成されている。また、図1、図2の樹脂部4の形状は図面の関係上、図5(b)に示すものを簡略化している。
次に、ウエハレンズ1を製造する方法について説明する。
〈第1中間型製造工程〉
図3(a),(b)は、金型7から第1中間型8を成形する方法を示している。図3(a)に示す通り、金型7の上面に樹脂84Aを滴下し(ディスペンス工程)、金型7の上方にガラス基板である第1中間型基板80を吸引・固定しておく。ここで、使用する第1中間型基板80の下面のうち、金型7の成形部71の頂部71a、成形部71に続いて設けられた周辺部77(平坦部72及び凹状部73の一部)に対向する位置に凹部85を予め形成しておく。
その後、金型7を、上方に配置された第1中間型基板80に向けて上昇させ、樹脂84Aを第1中間型基板80に押圧する(インプリント工程)。本実施形態では、第1中間型基板80の下面と金型7の平坦部72とが同じ高さ位置で金型7の上昇を停止する。このとき、金型7の平坦部72が第1中間型基板80の凹部85内に配置され、凹部85を形成する凹面85aに対して接触しないよう所定の隙間S1が形成される。つまり、金型7の第1中間型基板80側に最も突出している平坦部72と第1中間型基板80の下面との衝突が防止される。
そして、金型7の高さ位置をそのまま保持しながら、成形部71に充填された樹脂84Aに対して第1中間型基板80の上方から光照射し、樹脂84Aを光硬化させる(露光工程)。光照射後、金型7を下降させ、これによって樹脂84Aを金型7から離型する(離型工程)。その結果、図3(b)に示す通り、第1中間型基板80の下面にウエハレンズ1の凸レンズ部11の光学面形状に対応したポジ形状の成形部81を有する第1中間型8が製造される。
製造された第1中間型8の成形部81の周辺には、成形部81に続いて周辺部87が設けられている。周辺部87は、成形部81に続く平坦部82と、平坦部82に続く凸状部83である。そして、成形部81、平坦部82及び凸状部83から構成される樹脂部84,84同士の間には溝部86が形成されており、樹脂84Aが回らず第1中間型基板80の素地が露出している。また、第1中間型8の平坦部82は、第1中間型基板80の下面と同一の高さとなる。なお、凸状部83の高さは成形部81の高さよりも高くなっている。
〈第2中間型製造工程〉
図4(a),(b)は、第1中間型8から第2中間型9を成形する方法を示している。図4(a)に示す通り、第1中間型8の上面に樹脂94Aを滴下し(ディスペンス工程)、第1中間型8の上方にガラス基板である第2中間型基板90を吸引・固定しておく。
その後、第1中間型8を、上方に配置された第2中間型基板90に向けて上昇させ、樹脂94Aを第2中間型基板90に押圧する(インプリント工程)。ここでは、第1中間型8の凸状部83が第2中間型基板90の下面に衝突することを防止するため、第1中間型8の凸状部83と第2中間型基板90とは一定の隙間S2を設けるようにして第1中間型8を停止する。
そして、第1中間型8の高さ位置をそのまま保持しながら、成形部81に充填された樹脂94Aに対して第2中間型基板90の上方から光照射し、樹脂94Aを光硬化させる(露光工程)。光照射後、第1中間型8を下降させ、これによって樹脂94Aを第1中間型8から離型する(離型工程)。その結果、図4(b)に示す通り、第2中間型基板90の下面にウエハレンズ1の凸レンズ部11の光学面形状に対応したネガ形状の成形部91を有する第2中間型9が製造される。
製造された第2中間型9の成形部91の周辺には、成形部91に続いて周辺部97が設けられている。周辺部97は、成形部91に続く平坦部92と、平坦部92に続く凹状部96と、凹状部96に続く凸状部93である。また、第2中間型9の凸状部93は、第1中間型8の溝部86に充填された樹脂94Aが硬化した部分で、第2中間型9の平坦部92と同一の高さとなっている。
〈ウエハレンズ製造工程〉
図5(a),(b)は、第2中間型9からウエハレンズ1を成形する方法を示している。図5(a)に示す通り、第2中間型9の上面に樹脂4Aを滴下し(ディスペンス工程)、第2中間型9の上方にウエハレンズ用のガラス基板2を吸引・固定しておく。
その後、第2中間型9を、上方に配置されたガラス基板2に向けて上昇させ、樹脂4Aをガラス基板2に押圧する(インプリント工程)。ここでは、第2中間型9の平坦部92及び凸状部93がガラス基板2の下面に衝突することを防止するため、第2中間型9の平坦部92及び凸状部93とガラス基板2とは一定の隙間S3を設けるようにして第2中間型9を停止する。
そして、第2中間型9の高さ位置をそのまま保持しながら、成形部91に充填された樹脂4Aに対してガラス基板2の上方から光照射し、樹脂4Aを光硬化させる(露光工程)。光照射後、第2中間型9を下降させ、これによって樹脂4Aを第2中間型9から離型する(離型工程)。その結果、図5(b)に示す通り、ガラス基板2の下面に凸レンズ部11を備えたウエハレンズ1が製造される。
製造されたウエハレンズ1の凸レンズ部11の周辺には、凸レンズ部11に続いて平坦部12及び凸状部13を有する周辺部17が設けられている。また、ウエハレンズ1の平坦部12のガラス基板2の下面からの高さはΔHとなっている。これは、従来の一回の成形における衝突防止に必要な隙間ΔHと等しく、図30(b)の従来のウエハレンズ1Gの平坦部12Gのガラス基板2Gの下面からの高さ2ΔHの半分となる。
次に、上述のウエハレンズ1を製造する際に使用する製造装置10について説明する。なお、ここでは図3(a),(b)で説明したように金型7から第1中間型8を製造する場合に使用する装置を例に挙げて説明するが、第1中間型8から第2中間型9を製造する場合や、第2中間型9からウエハレンズ1を製造する場合にも同様の製造装置を使用することができる。
図6,図7に示す通り、製造装置10は、主には、直方体状を呈した定盤20と、定盤20上に設けられたXYステージ30と、XYステージ30をX軸方向に沿って移動させるためのX軸移動機構100と、XYステージ30をY軸方向に沿って移動させるための1対のY軸移動機構200と、を備えている。
図7,図8に示す通り、X軸移動機構100はX軸方向に延在するX軸ガイド102を有している。図5に示す通り、X軸ガイド102の下方にはXYステージ30が配置されている。XYステージ30にはX軸方向に延在する1対の突条部31が形成されており、突条部31間にX軸ガイド102が配置されている。
図8に示す通り、X軸移動機構100はXYステージ30を実際にX軸方向に沿って移動させるリニアモータ110を有している。リニアモータ110は主には固定子112,可動子114,スケール116,センサ118で構成された公知の機構を有している。固定子112はX軸ガイド102に固定されている。
XYステージ30の一方の突条部31に固定されている可動子114が設けられており、X軸ガイド102に沿って移動可能となっている。スケール116はX軸ガイド102に固定されている。センサ118はXYステージ30の他方の突条部31に固定されている。
X軸移動機構100ではセンサ118によりスケール116を検出しながら可動子114が固定子112に沿って移動し、これによってXYステージ30がX軸ガイド102に沿ってX軸方向に所定の距離だけ移動可能となっている。
XYステージ30の各突条部31にはエアスライドガイド機構120が設けられている。エアスライドガイド機構120はエアを噴出する噴出孔122を有している。エアスライドガイド機構120は、各噴出孔122からX軸ガイド102に向けてエアを噴出してXYステージ30をガイドに沿ってスライドできるようになっている。
XYステージ30の下部には複数のエアスライドガイド機構130が設けられている。各エアスライドガイド機構130はエアを噴出する2つの噴出孔132,136と、エアを吸引する1つの吸引孔134とを、有している。エアスライドガイド機構130は、各噴出孔132,136から定盤20に向けてエアを噴出しながら吸引孔134からエアを吸引して、XYステージ30を定盤20に対し一定の高さ位置で浮動させるようになっている。
図6,図7に示す通り、Y軸移動機構200はY軸方向に延在する1対のY軸ガイド202を有している。Y軸ガイド202上には1対のY軸移動体210が設けられている。
各Y軸移動体210にはX軸ガイド102の両端が固定されており、Y軸移動体210はX軸ガイド102(XYステージ30)を支持した状態でY軸ガイド202に沿ってY軸方向に移動するようになっている。
詳しくは、Y軸移動機構200にはリニアモータ210が設けられている。リニアモータ210はX軸移動機構100のリニアモータ110の構成と同様に、主には固定子222,可動子224,スケール226,センサ(図示略)で構成されており、センサがスケール226を検出しながら可動子224が固定子222に沿って移動し、これによってY軸移動体210がY軸ガイド202に沿ってY軸方向に所定の距離だけ移動可能となっている。
図9に示す通り、Y軸移動体210の端部にはフック状を呈したフック部212,214が形成されており、各フック部212,214の内側にY軸ガイド202の端部204,206が嵌合するように埋設されている。
フック部212にはエアスライドガイド機構230が設けられており、フック部214にはエアスライドガイド機構240が設けられている。エアスライドガイド機構230は3方向(上方,側方,下方)からエアを噴出する噴出孔232,234,236を有している。エアスライドガイド機構240も3方向(上方,側方,下方)からエアを噴出する噴出孔242,244,246を有している。
エアスライドガイド機構230は各噴出孔232,234,236からY軸ガイド202の端部204に向けてエアを噴出し、他方、エアスライドガイド機構240は各噴出孔242,244,246からY軸ガイド202の端部206に向けてエアを噴出し、Y軸移動体210をエアスライドさせるようになっている。
図6,図7に示す通り、XYステージ30上には、金型7上に樹脂を滴下するディスペンサ32、金型7の平面度(傾き)や高さ位置などを測定するレーザー測長器34、金型7と、第1中間型基板80とのアライメント時に使用する顕微鏡36が設置されている。
図6に示す通り、XYステージ30には、上下面を貫通する平面視円形状の貫通孔40が形成されており、貫通孔40に対し第1中間型基板80が設置されている。
詳しくは貫通孔40には段差が形成されておりその段に第1中間型基板80が不図示のばねで固定されている。XYステージ30上には、貫通孔40を塞ぐように平面視四角状の蓋部42が設けられている。蓋部42は石英板等の光透過性の部材で構成されており、蓋部42の上方には光源44が設置されている。
図10に示す通り、定盤20には、金型部50と、金型部50をZ軸方向に沿って移動させるためのZ軸移動機構300と、が埋設されている。金型部50は、Z軸移動機構300(Zステージ304)の上部に設置されている。
Z軸移動機構300は、主には、上部にフランジを有する4角筒状のZ軸ガイド302と、Z軸ガイド302内をZ軸方向に移動するZステージ304と、Zステージ304をZ軸方向(上下方向)に移動させるモータ306と、を備えている。
モータ306はポテンショメータを内蔵し、モータにはシャフト308が連結されている。Z軸移動機構300では、モータ306の作動によりシャフト308が上下に伸縮するようになっており、これに伴ってZステージ304及び金型部50が上下に移動する。
図11(a)に示す通り、Z軸ガイド302の内周面とZステージ304の側面との間には隙間310が設けられている。
Z軸ガイド302にはエアスライドガイド機構320が設けられている。エアスライドガイド機構320はエアを噴出する噴出孔322,324,326,328を有している。エアスライドガイド機構320は各噴出孔322,324,326,328からZステージ304に向けてエアを噴出してZステージ304をエアスライドさせるようになっている。
なお、図10に示す通り、Z軸ガイド302のフランジを形成する内周面にはシリコングリスやオイルシール、オーリング等のシーリング部材330によってシーリングされており、隙間310内のエアがZ軸ガイド302の上方に漏れない(抜けない)ようにZ軸ガイド302とZステージ304との間が密閉されている。
また、図示していないが、上下動するZステージ304の周囲にフランジ部を設けて、固定配置されているZ軸ガイド302のフランジ部との間を金属製のベローズで覆う事で同様に密閉するのが上記効果を得るには更に好ましい。
図10に示す通り、XYステージ30,定盤20,Z軸ガイド302によって、上面が開口した収容体が構成されている。そして、収容体の上面開口が蓋部42によって塞がれることにより、蓋部42,XYステージ30,定盤20,Z軸ガイド302で囲まれた領域には空間部400が形成されている。空間部400は、XYステージ30に設置された第1中間型基板80によって、第1中間型基板80と蓋部42との間で構成される上部空間部402と、第1中間型基板80とZ軸移動機構300との間で構成される下部空間部404とに区画されている。
ここで、第1中間型基板80の周縁部には、上下面を貫通し、上部空間部402及び下部空間部404に互いに連通する連通孔3が形成され、両空間部402,404の差圧がなくなる構造となっている。下部空間部404は真空ポンプなどの減圧機構410に連結されており、減圧機構410の作動により空間部400が減圧状態とされる。
なお、第1中間型基板80に形成した連通孔3に代えて、例えば図10に示す通り、XYステージ30に連通孔38を形成してもよい。
また、減圧機構410は下部空間部404に連結したが、上部空間部402に連結しても良い。
図12に示す通り、金型部50は、主には、Zステージ304上に順に設けられた第1の支持台52と、ピエゾアクチュエータ54と、第2の支持台56と、圧力センサ58と、第3の支持台60と、金型7(又は図示しないが第1中間型8や第2中間型9)と、を備えている。
第1の支持台52と第2の支持台56とは予圧用のネジ66によって連結され互いに近接するように付勢されている。第1の支持台52と第2の支持台56との間には3つのピエゾアクチュエータ54とL字状の板バネ68とが設置されている(図13参照)。第2の支持台56と第3の支持台60とはネジNによって連結されており、第2の支持台56と第3の支持台60との間に圧力センサ58が設置されている。第3の支持台60と金型7との間には金型7を回動させるためのθステージ62が設置されている。
図13に示す通り、3つのピエゾアクチュエータ54は、第1の支持台52上の3つの角部にそれぞれ設けられ、第2の支持台56を3点で支持している。金型部50では、圧力センサ58の出力値に基づいて各ピエゾアクチュエータ54の作動を制御し、第2の支持台56、第1の支持台60及び金型7の傾きが調整される。その結果、金型7と第1中間型基板80との平行出しが行われたり、金型7に樹脂を充填後、樹脂への荷重を所望の圧力に制御しながら型締めや転写成形を行うことができる。なお、本実施例では3つのピエゾアクチュエータで構成されているが、前述した平行だしのための煽り、荷重制御が行えるのに適した配置、個数であれば良く、個数はこれに限定されない。
金型7には、上述の図3(a)に示すように、凹状の成形部71と、成形部71に続く平坦部72と、さらに平坦部72に続いて設けられた凹状部73とが形成されている(図12では簡略化している)。成形部71の表面(成形面)形状はウエハレンズ1における凸レンズ部11に対応するネガ形状となっている。
図14に示す通り、ディスペンサ32は、樹脂を滴下する針部33を有し、針部33がXYステージ30を貫通している。XYステージ30のディスペンサ32と金型部50とを対向配置させた状態においては、XYステージ30,定盤20,Z軸移動機構300で囲まれた領域に空間部406が形成され、ディスペンサ32の針部33の先端が空間部406に配置される。この状態においては、減圧機構410の作動により空間部406が減圧状態とされる。
なお、図14中の他の構成は、図10と同様のため同様の構成部分には同様の符号を付してその説明を省略する。
以上の構成を有する製造装置10は制御装置500を備えている。制御装置500にはディスペンサ32,レーザー測長器34,顕微鏡36,光源44,金型部50(ピエゾアクチュエータ54,圧力センサ58,θステージ62など),X軸移動機構100,Y軸移動機構200,Z軸移動機構300,エアスライドガイド機構120,130,230,240,320,減圧機構410などが接続されており、制御装置500は、これら部材の検出結果を受けたりその動作(作動や停止など)を制御したりするようになっている。
なお、上記製造装置10において第2中間型9を製造する場合には、金型7を第1中間型8に交換して、第1中間型基板80を第2中間型基板90に交換して使用することができる。また、ウエハレンズ1を製造する場合には、金型7を第2中間型9に交換して、第2中間型基板90をウエハレンズ用ガラス基板2に交換して使用することができる。
次に、図16,図17を参照しながら、上記製造装置10の動作について説明する。なお、ここでも金型7から第1中間型8を製造する場合(第1中間型製造工程)を例に挙げて説明する。
まず、第1中間型基板80をXYステージ30に設置し(ウエハロード工程S1)、XYステージ30の貫通孔40を蓋部42で覆う(図10参照)。第1中間型基板80の下面には、予め上述した凹部85を形成しておく。
その後、X軸移動機構100(リニアモータ110),Y軸移動機構200(リニアモータ220),エアスライドガイド機構120,130,230,240などを制御して、XYステージ30をX軸方向及びY軸方向にエアでスライド移動させ、ディスペンサ32が金型7の上方に位置するように位置合わせを行う(プリアライメント工程S2)。
この場合において、定盤20の所定位置には事前にアライメントマークが付されており、プリアライメント工程では当該アライメントマークを顕微鏡36で確認しながら、ディスペンサ32の位置合わせをおこなう。
ディスペンサ32の位置合わせを行ったら、少なくともエアスライドガイド機構130の作動を停止させてXYステージ30と定盤20とを密着させた状態とし、ディスペンサ32の針部33から金型部50の金型7上に所定量の樹脂84Aを滴下する(ディスペンス工程S3,図3(a)、図14参照)。
このとき、図17の実線部分に示す通り、減圧機構410を制御して、空間部406を減圧しておく。減圧とは、基本的には空間部406を真空状態とすることであり、具体的には10−2MPa以下とする。
減圧状態下でディスペンス工程S3の処理を行うことによって、樹脂84A内への気泡の巻き込みを防止することができる。
なお、本実施形態ではディスペンス工程S3から離型工程S7までを、基本的には減圧状態下にしておくものとし、減圧の定義は上記にしたがうものとする。
その後、X軸移動機構100(リニアモータ110),Y軸移動機構200(リニアモータ220),エアスライドガイド機構120,130,230,240などを制御して、XYステージ30をX軸方向及びY軸方向にエアでスライド移動させ、予め設置しておいた第1中間型基板80が金型部50の金型7の上方に位置するように位置合わせを行う(アライメント工程S4,図10参照)。
その後は、
(1)図18に示す通り、周知のレーザー測長器34を金型7の直上に配置して、エアスライドガイド機構120,130,230,240の作動を停止させて第1中間型基板80をその位置でロックし、XYステージ30と定盤20とを密着させた状態とする。
同時に、エアスライドガイド機構320を制御して、図11(b)に示す通り、例えば噴出孔322,328のみからエアを噴出させ、Zステージ304をZ軸ガイド302の内壁に一部接触させる。これにより、金型部50の位置をロックする(位置決めする)とともに、Zステージ304とZ軸ガイド302との間の摩擦力で金型部50の位置を一定に保持することができる。
(2)その後、レーザー測長器によって3点以上の高さ測定を行って、その結果から金型上面の傾きと、金型の高さ位置を算出し出力値(角度αのズレ値)に基づき、ピエゾアクチュエータ54を制御して、第1中間型基板80の下面と金型7の上面とを互いに平行にする。
ロック状態を解除し、顕微鏡を金型7の直上に配置する。エアスライドガイド機構120,130,230,240の作動を停止させて第1中間型基板80をその位置でロックし、XYステージ30と定盤20とを密着させた状態とする。
同時に、エアスライドガイド機構320を制御して、図11(b)に示す通り、例えば噴出孔322,328のみからエアを噴出させ、Zステージ304をZ軸ガイド302の内壁に一部接触させる。これにより、金型部50の位置をロックする(位置決めする)とともに、Zステージ304とZ軸ガイド302との間の摩擦力で金型部50の位置を一定に保持する。
このようにガイド302とZステージ304との当接により、その上に取り付けられる金型はガイドに対して常に決まった位置・角度で保持する事が可能となる。その結果、ロックを解除した状態ではステージ及び金型はスムーズに動作する事ができると同時に、ロックされた状態では、繰り返し調整時と同じ姿勢での成形動作を行う事が可能となる、というメリットがある。
(3)その後、顕微鏡36で金型を検出してその検出結果に基づき金型7の現実の配置位置を把握し、その現実の配置位置に合わせて、制御装置500において軸座標として予め設定しておいた金型7の初期位位置の軸座標を変換する。
詳しくは、金型7の上方から顕微鏡36で少なくとも2点の位置を認識し、その一方の位置を原点と、他方の位置を補正点として認識する。例えば、金型7に対し事前にアライメントマークを対角に付しておき、一方のアライメントマークを原点と、他方のアライメントマークを補正点として認識する。なお、本実施形態では顕微鏡36を金型7の配置位置を検出する位置検出器の一例として使用している。
その後、原点から補正点に向かう座標変換用の直線を算出してその算出した直線と、予め設定していた軸座標と、のズレ(角度θのズレ値)を算出し、そのズレから軸座標を変換する。すなわち、制御装置500において金型7の平面上の配置位置を軸座標として予め設定しておき、その設定していた軸座標に対して、顕微鏡36で認識して算出した座標変換用の直線とのズレを把握し、図19に示す通り、予め設定していた軸座標(破線部参照)を、当該ズレから算出した軸座標(実線部参照)に変換する。これにより、金型7と第1中間型基板80との2次元上の相対位置関係を固定することができ、金型7に対する第1中間型基板80の移動を正確におこなうことができる。
なお、金型部50において金型7を回動させるθステージ62(図12参照)を設け、制御装置500による上記軸座標の変換に変えて、θステージ62を制御して金型7を予め設定していた座標軸に対応するように回転移動させてもよい(ずれた軸座標をもとに戻す)。
この状態において、金型部50を位置制御して、第1中間型基板80に対して金型7を所定位置まで上昇移動させ、金型7をその所定位置で保持する(インプリント工程S5)。
詳しくは、Z軸移動機構(モータ306)を作動させてシャフト308を上方に伸ばしZステージ304を上方に移動させる。
この場合、モータ306に内蔵されたポテンショメータの出力値に基づきモータ306の作動を制御し、Zステージ304を所定の高さ位置まで移動させる。その結果、樹脂84Aが第1中間型基板80に押圧されて徐々に広がり、金型7の成形部71に充填される。
このインプリント工程S5においても、減圧機構410を制御して、空間部400を減圧しておく。
減圧状態下で樹脂84Aを第1中間型基板80に押圧することによって、樹脂84A内への気泡の巻き込みを防止することができる。また、空間部400を減圧状態としておくので、上部空間部402と下部空間部404との間で差圧が生じず、第1中間型基板80の反りや変形も防止することができる。
その後、Zステージ304を設定位置で保持したまま、光源44を制御して、樹脂84Aに対して光照射し樹脂84Aを硬化させる(露光工程S6)。
このとき、減圧機構410を制御して空間部400を減圧状態としておくので、樹脂84Aへの酸素阻害を防止でき、樹脂84Aを確実に硬化させることができる。
ここで、樹脂84Aが硬化する際に(樹脂84Aの硬化時又はその後に)、Zステージ304が所定の高さ位置で保持されたままであると、樹脂84Aにおいて硬化収縮が生じても第1中間型基板80がその収縮に追従せず、樹脂84Aの内部に歪が生じたり、樹脂84Aに対する成形部71の面形状の転写が不十分になったりする可能性がある。
そこで、光源44を一定時間点灯させ、樹脂84Aに対して一定量の光を照射したら、金型部50を圧力制御して、第1中間型基板80に対する金型7の押圧力を所定圧力に保持する。
詳しくは、圧力センサ58の出力値に基づき、ピエゾアクチュエータ54を作動させて金型7を上方に移動させる。
その後、光源44を消灯させて樹脂84Aに対する光照射を停止する。光照射停止後、モータ306を作動させてシャフト308を下方に縮ませ、Zステージ304を下方に移動する。これによって、硬化後の樹脂84Aを第1中間型基板80とともに金型7から離型する(離型工程S7)。
このとき、減圧機構410を制御して、空間部400を減圧状態としておくことによって大気圧がかからないため、離型し易くなる。その結果、1つの金型7の成形部71に対応した第1中間型8の成形部81が第1中間型基板80に形成される。
以後、ディスペンス工程S3、インプリント工程S5、露光工程S6、離型工程S7を所定回数繰り返して、第1中間型基板80にさらに複数の成形部71を順次形成し(図1,図2参照)、第1中間型8を製造する(図3(b)参照)。
そして第1中間型基板80に対し所定数の成形部71を形成したら、エアスライドガイド機構120,130,230,240,320を作動させ、XYステージ30やZステージ304を所定位置に移動させ、最終的にはXYステージ30から蓋部42を外して第1中間型基板80を取り出す(取り出し工程S8)。
以上のようにして第1中間型8を製造したら、次いで、上述の金型7を第1中間型8に交換し、第1中間型基板80を第2中間型基板90に交換して、上記各工程S1〜S8を行うことによって第2中間型9を製造する。さらに、第2中間型9を製造したら、第1中間型8を第2中間型9に交換し、第2中間型基板90をウエハレンズ用ガラス基板2に交換して、同様の上記工程S1〜S8を行うことによってウエハレンズ1を製造する。
以上のように、本実施形態によれば、第1中間型製造工程では、第1中間型基板80の下面のうち、金型7の成形部71の頂部71a、平坦部72及び凹状部73の一部に対向する位置に凹部85を形成しておき、金型7と第1中間型基板80との間に充填した光硬化性樹脂84Aを押圧する際に、金型7の樹脂部4のうち第1中間型基板80に最も近い平坦部72を、凹部85内に配置するとともに、凹部85を形成する凹面85aに対して接触しないよう所定の隙間S1を設けるので、金型7と第1中間型基板80との衝突を防止することができる。また、第1中間型基板80に凹部85を設けない場合に比べて、金型7を第1中間型基板80に接近させることが可能となり、第1中間型8の成形部81及び周辺部87等の樹脂部84を不必要に厚くすることがなくなり、第1中間型8を小型化することができる。また、このような第1中間型8を使用して製造するウエハレンズ1も小型化を図ることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、ウエハレンズのガラス基板にも凹部を設けた場合である。
図20は、ウエハレンズ1Bの光学面が凸形状の場合であり、ガラス基板2Bの下面で凸レンズ部11Bと、この凸レンズ部11Bに続く平坦部12B及び凸状部13Bの一部とに臨む位置に凹部15Bが形成されている。つまり、凸レンズ部11Bの光軸と平行な方向で凸レンズ部11B全体を基板2Bに投影した時の領域(投影領域)及び平坦部12B全体を基板2Bに投影した時の領域(投影領域)が凹部15B内に収まるように構成されており、平坦部12Bが配置されるとともに、凹部15Bを形成する凹面15aBとは所定の隙間が設けられている。
一方、図21は、ウエハレンズ1Cの光学面が凹形状の場合であり、ガラス基板2Cの下面で凹レンズ部11Cに臨む位置に凹部15Cが形成されている。凹部15C内には、上述同様、凹レンズ部11Cの光軸と平行な方向で凹レンズ部11C全体を基板2Cに投影した時の領域(投影領域)が凹部15Cに収まるように配置されるとともに、凹部15Cを形成する凹面15aCに凹レンズ部11Cの頂部が接触しないように所定の隙間が設けられている。
このようにウエハレンズ1B,1Cのガラス基板2B,2Cに凹部15B,15Cを設けることによって、ガラス基板2B,2Cの下面からの樹脂部4B,4Cの高さHb,Hcは、第1の実施形態の樹脂部4の高さHa(図5(b)参照)よりも低くすることができ、さらにウエハレンズ1B,1Cの小型化を図ることができる。また、ガラス基板の全体の厚さを薄くするのではなく、ガラス基板2B,2Cの一部に凹部15B,15Cを設けることによって、必要なガラス基板2B,2Cの強度を確保しつつ小型化を達成することができる点で好ましい。
また凸レンズ部11B又は凹レンズ部11Cの周囲に形成された平坦部12B,12Cを有する場合に、前記凸レンズ部11B又は凹レンズ部11C全体を光軸と平行な方向から投影した時の領域が基板2B,2Cの凹部15B,15C内に収まるように構成する事により、レンズ部の一部が凹部からはみ出すような構成と比較して、後述するようにレンズ部11Dが硬化していく際、周囲から樹脂がレンズ部11Dに供給される供給口が比較的広く形成できるため、ヒケが発生しにくい。この事は特に凸レンズ部を構成する場合に顕著である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、図22に示す通り、第2の実施形態の図20と同様にウエハレンズ1Dのガラス基板2Dに凹部15Dを設けた場合であり、凸状部13Dの高さHdは第2の実施の形態の凸状部13Bの高さHbと等しいが、平坦部12Dの厚さHd1を第2の実施形態の平坦部12Bの厚さHb1よりも厚くしている。この場合、凸状部13Dを第2中間型9から硬化作成する時点で、紫外線を照射すると凸レンズ部11Dが硬化を始めると、周囲から樹脂が平坦部12Dを介して矢印Xで示すように補給されるので、ひけが発生しにくくなる。
一方、図23は、図22においてガラス基板2Dの凹部15Dを無くした以外は全て同様である。この場合、平坦部12Eの厚さが特に薄くなると、平坦部12Eが先に硬化をしてしまうため、凸屈折レンズ部11Eの硬化時にひけが発生しやすくなる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、図24に示す通り、第2中間型9Fからウエハレンズ1Fを成形する際に、第2中間型9Fの樹脂部94Fに紫外線吸収剤が添加されている。また、第4の実施形態では、第2中間型9F側からの光照射となる。したがって、ウエハレンズ1Fの樹脂部4Fの平坦部12Fは第2中間型9Fの樹脂部94Fの厚い層を通過する紫外線によって硬化されることになり、弱い紫外線で照射することになるため硬化時間が長くなる。一方、凸屈折レンズ部11Fの頂部や凸状部13Fの頂部は第2中間型9Fの樹脂部94Fが薄く、紫外線の低下はほとんど無く、早く硬化を始める。したがって、凸屈折レンズ部11Fや凸状部13Fのほぼ全域が硬化を完了するまで、平坦部12Fが硬化することがなく、ひけを防止することができる。
[第5の実施形態]
以下、第5の実施形態図について説明する。
図1、図2に示す通り、ウエハレンズ1は円形状のガラス基板2と、ガラス基板2の一方の面に形成された樹脂部4と、を備えている。
樹脂部4は、図27(c)に示す通り、凸状の光学面となる凸レンズ部11と、凸レンズ部11の周辺で凸レンズ部11に続いて形成されたリング状の平坦なフランジ部912と、フランジ部912に続いて形成された凹部913と、を有する。互いに隣接する凸レンズ部11,11間にフランジ部912及び凹部913が配置されている。
凸レンズ部11は屈折レンズである事が好ましいが、必ずしもこれに限定されず光学面の表面回折溝や段差等の微細構造が形成されていても良い。
凸レンズ部11間のピッチは、10μm〜5mm程度が好ましい。凹部913の幅M(図25(a)参照)は、ダイシング時のブレードへの負担を減らすため後述するダイシングする際のダイシング幅m(通常は0.2〜0.3mm:図27(c)参照)よりも広くなっており、30μm〜1mm程度が好ましい。
樹脂部4は光硬化性樹脂で形成されている。当該光硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂やアリルエステル樹脂などを用いることができ、これら樹脂はラジカル重合により反応硬化させることができる。
ウエハレンズ1は、図25〜図27に示す通り、凸レンズ部11の光学面形状に対応したネガ形状(凹状)のレンズ成形部971を有するアレイマスター型7からポジ形状(凸形状)のレンズ成形部981を有する第1中間型8を成形し、第1中間型8からネガ形状(凹形状)の成形部91を有する第2中間型9を成形し、成形した第2中間型9によって成形される。本実施形態では、1枚の大径のガラス基板2に対し第2中間型9の単位で樹脂部4(凸レンズ部11及びフランジ部912)が順次形成されていくようになっており(図1、図2矢印参照)、最終的には凸レンズ部11及びフランジ部912毎にガラス基板2がダイシングされ個片化される。
なお、図1、図2は製造工程の途中段階を示しているため、ガラス基板2の表面の一部にのみ樹脂部4が形成されている。また、図1、図2の樹脂部4の形状は図面の関係上、図27(c)に示すものを簡略化している。
次に、ウエハレンズ1を製造する方法について説明する。
《中間型製造工程》
図25(a)〜(d))は、アレイマスター型7(以下、金型7と言う)から第1中間型8を成形する方法を示している。図25(a)に示す通り、金型7は、第1中間型8のレンズ成形部981を形成する凹状のレンズ成形部971と、レンズ成形部971の周辺でレンズ成形部971に続いて形成されたリング状の平坦なフランジ成形部972と、フランジ成形部972に続いて形成されて、隣接するレンズ成形部971,71間に位置する凹部973と、を備えている。凹部973を形成する内壁面(側面)は段差面73aとされ、段差面73aはフランジ成形部972に対して略垂直な面となっている。
金型7の材料としては、金属または金属ガラスが好ましい。
また、フランジ成形部972と段差面73aには予め離型剤を塗布して、ディスペンスする樹脂84Aとの離型性を上げることが好ましい。本発明では最初に金型7のフランジ成形部972及び段差面73aの表面に離型剤を塗布する事で離型性を向上させる。その場合、当該フランジ成形部972及び段差面73aの表面の表面改質処理を行った後、所定の離型剤を塗布する事で離型性を向上させる方法が望ましい。具体的には、金型7の表面にOH基を立たせる。表面改質の方法は、UVオゾン洗浄、酸素プラズマアッシング等金型7の表面にOH基を立たせる方法なら何でもよい。離型剤としてはシランカップリング剤構造のように、末端に加水分解可能な官能基が結合した材料、すなわち、金属の表面に存在するOH基との間で脱水縮合又は水素結合等を起こして結合するような構造を有するものが挙げられる。末端がシランカップリング構造を持ち、他端が離型性機能を持つ離型剤の場合、金型7の表面にOH基が形成されていればいるほど、金型7表面の共有結合する箇所が増え、より強固な結合ができる。その結果、何ショット成形をしても、離型効果は薄れることなく、耐久性が増す。また、プライマー(下地層、SiOコートなど)が不要となるので、薄膜を保ったまま耐久性向上の効果を得ることができる。
図25(b)に示す通り、第1中間型基板80の第1位置と、金型7の複数のレンズ成形部971との間に個別に樹脂84Aをディスペンスする(ディスペンス工程)。ここでは、金型7の複数のレンズ成形部971内に樹脂84Aを個別にディスペンスする。樹脂84Aのディスペンス容量は、第1中間型基板80と金型7の各レンズ成形部971及びフランジ成形部972との間に形成される形成空間体積T1(図25(c)参照)よりも大きな容量とする。より詳細には、樹脂84Aが硬化した際に、第1中間型基板80の下面と硬化した樹脂84A(段差面83a)とのなす角度θ1(図25(d)参照)が30°〜45°のテーパー形状となるようにディスペンスする。
また、金型7の上方にガラス基板である第1中間型基板80を吸引・固定しておく。なお、第1中間型基板80の下面に樹脂84Aの濡れ性を向上させる処理としてプラズマ処理やUVオゾン処理を施しておくことが好ましい。
その後、図25(c)に示す通り、金型7を、上方に配置された第1中間型基板80に向けて上昇させ、樹脂84Aを第1中間型基板80に押圧する(インプリント工程)。ここでは、第1中間型基板80の下面と金型7のフランジ成形部972とが衝突しないように、第1中間型基板80の下面と金型7のフランジ成形部972とは一定の隙間S1を設けるようにして金型7を停止する。
そして、金型7の高さ位置をそのまま保持しながら、レンズ成形部971に充填された樹脂84Aに対して第1中間型基板80の上方から光照射し、樹脂84Aを光硬化させる(硬化工程)。光照射後、金型7を下降させ、これによって樹脂84Aを金型7から離型する(離型工程)。その結果、図25(d)に示す通り、第1中間型基板80の下面の第1位置に、複数組のレンズ成形部981及びフランジ成形部982が凹部983を介して区画化されて形成される。
レンズ成形部981は、ウエハレンズ1の凸レンズ部11の光学面形状に対応したポジ形状で、凸状をなしている。フランジ成形部982は、レンズ成形部981の周辺で、レンズ成形部981に続いてリング状をなした平坦な面となっている。また、凹部983は、フランジ成形部982に続いて、レンズ成形部981,981間に形成されている。凹部983を形成する内壁面(側面)は段差面83aとされ、前述した金型7のフランジ成形部972及び段差面73aの離型処理による濡れ性及びディスペンス容量を、第1中間型基板80と前記金型7の各レンズ成形部971及びフランジ成形部972との間に形成される形成空間体積T1よりも多目にディスペンスされる事により金型7から第1中間型基板80に向かって裾野が広がるような段差面83a、つまり段差面83aはテーパー形状となっている。段差面83aと、第1中間型基板80の下面とのなす角度θ1は、30°〜45°となっている。
その後、図示しないが、第1中間型基板80の第1位置とは異なる第2位置に対して、金型7を使用して、上述のように、ディスペンス工程、インプリント工程、硬化工程、離型工程を行い、複数組のレンズ成形部981及びフランジ成形部982を形成する。
このようにして、金型7を複数回使用して、大径の第1中間型基板80に対してレンズ成形部981及びフランジ成形部982を順次形成していき、所定数のレンズ成形部981及びフランジ成形部982を形成することによって第1中間型8が製造される。
《転写型製造工程》
図26(a)〜(c)は、第1中間型8から第2中間型9を成形する方法を示している。図26(a)に示す通り、ガラス基板である第2中間型基板90の第1位置と、第1中間型8の複数のレンズ成形部981との間に個別に樹脂94Aをディスペンスする(ディスペンス工程)。ここでは、第2中間型基板90の上面でレンズ成形部981に対応する箇所に個別にディスペンスする。この際にも、樹脂94Aのディスペンス容量は、第2中間型基板90と第1中間型8の各レンズ成形部981及びフランジ成形部982との間に形成される形成空間体積T2(図26(b)参照)よりも大きな容量とする。
なお、フランジ成形部982と段差面83aには予め離型剤を塗布して樹脂94Aとの離型性を上げることが好ましい。さらに、離型剤を塗布する場合、フランジ成形部982及び段差面83aの表面改質を行うことが好ましい。
また、第2中間型基板90の上方に第1中間型8を吸引・固定しておく。
その後、図26(b)に示す通り、第2中間型基板90を、上方に配置された第1中間型8に向けて上昇させ、樹脂94Aを第1中間型8に押圧する(インプリント工程)。ここでは、第1中間型8のレンズ成形部981と第2中間型基板90の上面とが衝突しないように、第1中間型8のレンズ成形部981と第2中間型基板90の上面とは一定の隙間S2を設けるようにして第2中間型基板90を停止する。
そして、第2中間型基板90の高さ位置をそのまま保持しながら、レンズ成形部981に充填された樹脂94Aに対して第2中間型基板90の上方から光照射し、樹脂94Aを光硬化させる(硬化工程)。光照射後、第2中間型基板90を下降させ、これによって樹脂94Aを第1中間型8から離型する(離型工程)。その結果、図26(c)に示す通り、第2中間型基板90の下面の第1位置に、複数組のレンズ成形部991及びフランジ成形部992が凸状部993を介して区画化されて形成される。
レンズ成形部991は、ウエハレンズ1の凸レンズ部11の光学面形状に対応したネガ形状で、凹状をなしている。フランジ成形部992は、レンズ成形部991の周辺で、レンズ成形部991に続いてリング状をなした平坦な面となっている。また、凸状部993は、フランジ成形部992に続いて、レンズ成形部991,991間に形成されている。
その後、図示しないが、第2中間型基板90の第1位置とは異なる第2位置に対して、第1中間型8を使用して、上述のように、ディスペンス工程、インプリント工程、硬化工程、離型工程を行い、複数組のレンズ成形部991及びフランジ成形部992を形成する。
このようにして、第1中間型8を複数回使用して、大径の第2中間型基板90に対してレンズ成形部991及びフランジ成形部992を順次形成していき、所定数のレンズ成形部991及びフランジ成形部992を形成することによって第2中間型9が製造される。
《ウエハレンズ製造工程》
図27(a)〜(c)は、第2中間型9からウエハレンズ1を成形する方法を示している。図27(a)に示す通り、ガラス基板2の第1位置と、第2中間型9の複数のレンズ成形部991との間に個別に樹脂4Aをディスペンスする(ディスペンス工程)。ここでは、第2中間型9のレンズ成形部991内に個別にディスペンスする。この際にも、樹脂4Aのディスペンス容量は、ガラス基板2と第2中間型9の各レンズ成形部991及びフランジ成形部992との間に形成される形成空間体積T3(図27(b)参照)よりも大きな容量とする。
なお、フランジ成形部992と段差面93aには予め離型剤を塗布して樹脂4Aとの離型性を上げることが好ましい。さらに、離型剤を塗布する場合、フランジ成形部992及び段差面93aの表面改質を行うことが好ましい。
また、第2中間型9の上方にウエハレンズ用のガラス基板2を吸引・固定しておく。
その後、図27(b)に示す通り、第2中間型9を、上方に配置されたガラス基板2に向けて上昇させ、樹脂4Aをガラス基板2に押圧する(インプリント工程)。ここでは、ガラス基板2の下面と第2中間型9の凸状部993とが衝突しないように、ガラス基板2の下面と第2中間型9の凸状部993とは一定の隙間S3を設けるようにして第2中間型9を停止する。
そして、第2中間型9の高さ位置をそのまま保持しながら、レンズ成形部991に充填された樹脂4Aに対してガラス基板2の上方から光照射し、樹脂4Aを光硬化させる(硬化工程)。光照射後、第2中間型9を下降させ、これによって樹脂4Aを第2中間型9から離型する(離型工程)。その結果、図27(c)に示す通り、ガラス基板2の第1位置に、複数組の凸レンズ部11及びフランジ部912が凹部913を介して区画化されて形成される。
その後、図示しないが、ガラス基板2の第1位置とは異なる第2位置に対して、第2中間型9を使用して、上述のように、ディスペンス工程、インプリント工程、硬化工程、離型工程を行い、複数組の凸レンズ部11及びフランジ部912を形成する。
このようにして、第2中間型9を複数回使用して、大径のガラス基板2に対して凸レンズ部11及びフランジ部912を順次形成していき、所定数の凸レンズ部11及びフランジ部912を形成することによってウエハレンズ1が製造される。
最後に、凹部913の位置でガラス基板2をダイシングすることによって、1組の凸レンズ部11及びフランジ部912毎に個片化する(ダイシング工程)。
以上のようにして第1中間型8を製造したら、次いで、上述の金型7を第2中間型基板90に交換し、第1中間型基板80を第1中間型8に交換して、上記各工程S1〜S8を行うことによって第2中間型9を製造する。さらに、第2中間型9を製造したら、第1中間型8をウエハレンズ用ガラス基板2に交換し、第2中間型基板90を第2中間型9に交換して、同様の上記工程S1〜S8を行うことによってウエハレンズ1を製造する。
以上のように、本実施形態によれば、金型7の各フランジ成形部972及び段差面73aには離型処理が施されているので、硬化した樹脂84Aから金型7を離型し易い。
また、第1中間型8の製造において、ディスペンス工程では、第1中間型基板80と金型7の各レンズ成形部971及びフランジ成形部972との間にディスペンスされる樹脂84Aのディスペンス容量は、第1中間型基板80と金型7の各レンズ成形部971及びフランジ成形部972との間に形成される形成空間体積T1よりも大きい。樹脂84Aのディスペンス容量を形成空間体積T1よりも小さくした場合、樹脂84Aの硬化時に収縮によりヒケが生じ易くなり、得られた第1中間型8が変形してしまい、その結果、この第1中間型8を使用して次の第2中間型9やウエハレンズ1等を製造しようとするとその形状に影響を及ぼすことがあるが、本発明では形成空間体積T1よりもディスペンス容量を大きくすることで、これらの問題を防いで、良好な形状の第1中間型8を製造することができる。そして、第1中間型8から成形される第2中間型9及びウエハレンズ1の形状も良好なものとすることができる。
また、金型7は、複数組のレンズ成形部971及びフランジ成形部972が凹部973を介して区画化されており、フランジ成形部972と凹部973との間には段差面73aを有する構成であるので、樹脂84Aは第1中間型基板80側に向けて幅広のテーパー形状となって硬化する。そのため、互いに隣接するレンズ成形部971,71内にディスペンスされた樹脂84A同士が互いに繋がって硬化するのを防止できる。しかも、樹脂84Aは第1中間型基板80側に向けて幅広となるようにテーパー形状となって硬化することから、金型7に対する離型性が良好となる。
さらに、ディスペンス容量を多くし過ぎて、隣接するレンズ成形部971内の樹脂84Aと繋がって硬化した場合でも、凹部973を介して空気抜きができる。つまり、凹部973が無い場合は、隣接するレンズ成形部971,71内の樹脂84A同士が完全に繋がることがあるが、これを防止できる。
さらに、金型7に凹部973を設けることによって、ウエハレンズ1の金型7の凹部973に対応する箇所(凹部913)は厚さが薄くなるので、ダイシングし易い。
第1中間型8の製造において、ディスペンス工程では、樹脂84Aが硬化した際に、第1中間型基板80の下面と硬化した樹脂84Aとのなす角度が30°〜45°のテーパー形状となるようにディスペンスするので、硬化した樹脂84Aと金型7との離型性に優れる。
さらに、金型7に形成された凹部973の幅Mは、ダイシング幅mよりも広いので、ウエハレンズ1のフランジ部912の位置でダイシングすることもなく、所望の大きさのウエハレンズ1を得ることができる。
第1中間型8の製造において、ディスペンス工程では、樹脂84Aがディスペンスされる側は成形型(金型7)側と基板(第1中間型基板80)側の内、成形型側にディスペンスされるほうが好ましい。
基板側にディスペンスした場合、基板は通常ガラス基板が用いられるが、ガラス基板の濡れ性は、アンダーカットの生成を避けるために金型よりも良い必要があり、濡れ性が良いガラス基板に樹脂をディスペンスすると、樹脂は広がって隣接する樹脂同士で結合し、成形金型を押しつけ時に不要な部分に流れ込む危険があり、また、広がって薄くなった樹脂では例えば凸面形状を成形する場合では、光学面中心の高さまで樹脂がまわらずに気泡となることがある。また、濡れ性の良いガラス基板ではディスペンスされた樹脂がダレて平面的になり、肉厚の厚いレンズ形状を作りづらい、即ち、形成されるレンズ形状が制約されるというデメリットにもなる。
このように樹脂84Aを金型7上にディスペンスするので、第1中間型基板80上に樹脂84Aをディスペンスする場合に比べて形成されるレンズ形状の制約やディスペンスされる樹脂粘度の制約も少なく、前述したような不要な樹脂の成形型周囲への回りこみや気泡の問題も生じにくい。
なお、この事は基板を鉛直上側に配置し、下側に成形型を配置する場合により好ましい事を意味する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1,1B ウエハレンズ
2,2B ガラス基板
4 樹脂部
4A 樹脂
11,11B 凸レンズ部
11C 凹レンズ部
11D,11E,11F 凸屈折レンズ部
11a 頂部
12,12B 平坦部
13,13B 凸状部
15B 凹部
17 周辺部
7 金型
71 成形部
71a 頂部
72 平坦部
73 凹状部
77 周辺部
8 第1中間型
80 第1中間型基板
81 成形部
82 平坦部
83 凸状部
84 樹脂部
84A 樹脂
85 凹部
85a 凹面
86 溝部
87 周辺部
9,9F 第2中間型
90 第2中間型基板
91 成形部
92 平坦部
93 凸状部
94,94F 樹脂部
94A 樹脂
96 凹状部
97 周辺部

Claims (14)

  1. 基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂のレンズ部を複数設けたウエハレンズの製造方法であって、
    該製造方法は、
    前記レンズ部の光学面形状に対応したネガ形状の成形部を有する金型と、第1中間型基板との間に光硬化性樹脂を充填して押圧し、光照射により硬化させることによって前記光学部材の光学面形状に対応したポジ形状のレンズ部を有する第1中間型を製造する第1中間型製造工程であって、当該第1中間型製造工程は、以下のi)〜vii)
    i)第1中間型基板を準備し、
    ii)前記金型に光硬化性樹脂をディスペンスし、前記第1中間型基板表面の一部である第1の領域を前記金型に対して押圧する事により光硬化性樹脂を前記金型の成形部内に充填し、
    iii)前記充填した光硬化性樹脂に光を照射して硬化を進め、
    iv)前記硬化の後、前記金型を光硬化性樹脂から離型し、
    v)離型した金型に光硬化性樹脂をディスペンスし、第1中間型基板表面の内、前記第1の領域とは所定間隔を以って配置された第2の領域を前記金型に対して押圧する事により光硬化性樹脂を前記金型の成形部内に充填し、
    vi)前記充填した光硬化性樹脂に光を照射して硬化を進め、
    vii)前記硬化の後、前記金型を光硬化性樹脂から離型する、
    のサブ工程を含む工程と、
    前記第1中間型製造工程で得られた第1中間型と、前記第1中間型とは異なる第2中間型基板との間に光硬化性樹脂を充填して押圧し、光照射により硬化させることによって前記レンズ部の光学面形状に対応したネガ形状の成形部を有する第2中間型を製造する第2中間型製造工程と、
    前記第2中間型と、前記基板との間に光硬化性樹脂を充填して押圧し、光照射により硬化させることによって前記レンズ部を複数備えたウエハレンズを製造するウエハレンズ製造工程と、を備えるものであり、
    前記第1中間型基板の前記金型と対向する面に、前記金型の前記成形部の頂部又は前記成形部に続く周辺部の、少なくとも前記第1中間型基板に近い方が配置される凹部を形成しておき、
    前記金型と前記第1中間型基板との間に充填した光硬化性樹脂を押圧する際に、前記金型の前記頂部又は前記周辺部の少なくとも前記第1中間型基板に近い方を、前記凹部内に配置するとともに、前記凹部を形成する凹面に対して接触しないよう所定の隙間を設けることを特徴とするウエハレンズの製造方法。
  2. 前記ウエハレンズ製造工程では、前記基板の前記第2中間型に対向する面に、前記第2中間型の前記成形部の頂部又は前記成形部に続く周辺部の、少なくとも前記基板に近い方が配置される凹部を形成しておき、
    前記第2中間型と前記基板との間に充填した光硬化性樹脂を押圧する際に、前記第2中間型の頂部及び前記周辺部の少なくとも前記基板に近い方を、前記凹部内に配置するとともに、前記凹部を形成する凹面に対して接触しないよう所定の隙間を設けることを特徴とする請求項1に記載のウエハレンズの製造方法。
  3. 前記第2中間型の前記成形部及び前記成形部に続く周辺部に、前記光学部材の前記光硬化性樹脂を硬化させる特定波長の吸収作用を有する物質を含ませることを特徴とする請求項1又は2に記載のウエハレンズの製造方法。
  4. 基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂の光学部材を設けたウエハレンズを製造するために使用され、中間型基板と、前記中間型基板に設けられて前記光学部材の光学面形状に対応したポジ形状又はネガ形状の成形部と、を有する中間型であって、
    前記中間型基板には、前記成形部の頂部又は前記成形部に続く周辺部の、少なくとも前記中間型基板に近い方が配置される凹部が形成され、
    前記成形部の前記頂部又は前記周辺部の少なくとも前記中間型基板に近い方が、前記凹部内に配置されるとともに、前記凹部を形成する凹面に対して接触しないよう所定の隙間が設けられていることを特徴とする中間型。
  5. 前記成形部及び前記成形部に続く前記周辺部に、前記光学部材の前記光硬化性樹脂を硬化させる特定波長の吸収作用を有する物質が含まれていることを特徴とする請求項4に記載の中間型。
  6. 基板と、前記基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂を硬化して得られる、凹又は凸の屈折レンズ部を一部に含む樹脂成形部を形成した光学部品であって、
    前記基板の少なくとも一方の面には凹部が設けられ、前記樹脂成形部は前記凹又は凸の屈折レンズ部と、当該屈折レンズ部と接続している樹脂平坦部とを少なくとも当該基板の凹部が形成された側の面に備え、前記屈折レンズ部は、当該屈折レンズ部を光軸と平行な方向から前記基板へ投影した場合の領域が前記基板の凹部内に収まるように構成されていることを特徴とする光学部品。
  7. 前記屈折レンズ部は凸の屈折レンズ部であり、前記樹脂成形部には前記樹脂平坦部の周囲に屈折レンズ部の光軸方向における最も高い位置よりも更に突出して形成された成形部を有することを特徴とする請求項6に記載の光学部品。
  8. 前記光学部品は、前記樹脂成形部の凹又は凸の屈折レンズ部が複数形成されたウエハレンズを屈折レンズ部が各々独立するように切断して得られることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学部品。
  9. 基板の少なくとも一方の面に光硬化性樹脂製の屈折レンズ部を複数設けたウエハレンズを製造するために使用され、前記レンズ部の光学面形状に対応したポジ形状又はネガ形状の成形部と、前記成形部の周囲を形成する周辺形成部を有する成形型であって、
    前記成形部及び前記周辺形成部に、前記光硬化性樹脂を硬化させる特定波長の吸収作用を有する物質が含まれていることを特徴とする成形型。
  10. 複数組のレンズ成形部及び当該レンズ成形部の周囲に続くフランジ成形部が、凹部を介して区画化された金型を複数回使用していき、基板上に硬化性樹脂製の成形型を製造する成形型の製造方法であって、
    前記基板の第1位置と、前記金型に形成された複数組の前記レンズ成形部及び前記フランジ成形部とのそれぞれの間に個別に硬化性樹脂をディスペンスするディスペンス工程と、
    前記ディスペンス工程後、前記金型と前記基板との間の硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、
    前記硬化工程後、前記硬化性樹脂から前記金型を離型する離型工程と、
    前記基板の第1位置とは異なる第2位置と、前記金型に形成された複数組のレンズ成形部及びフランジ成形部とのそれぞれの間に個別に硬化性樹脂をディスペンスするディスペンス工程と、
    前記ディスペンス工程後、前記金型と前記基板との間の硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、
    前記硬化工程後に前記硬化性樹脂から前記金型を離型する離型工程と、を有し、
    前記金型の各フランジ成形部及び、当該フランジ成形部に続いて設けられて前記凹部を形成する段差面には、離型処理が施されるとともに、
    前記ディスペンス工程において、前記基板と前記金型の各レンズ成形部及びフランジ成形部との間にディスペンスされる硬化性樹脂のディスペンス容量は、前記基板と前記金型の各レンズ成形部及びフランジ成形部との間に形成される形成空間体積よりも大きいことを特徴とする成形型の製造方法。
  11. 前記ディスペンス工程では、前記硬化性樹脂が硬化した際に、前記基板の前記金型との対向面に向けて幅広となるテーパー形状で、前記対向面とのなす角度が30°〜45°となるようにディスペンスすることを特徴とする請求項10に記載の成形型の製造方法。
  12. 前記離型工程後、硬化した硬化性樹脂のうち、前記金型の前記凹部に対応する位置でそれぞれ前記基板をダイシングするダイシング工程を備え、
    前記金型に形成された前記凹部の幅は、前記ダイシング工程でのダイシング幅よりも広いことを特徴とする請求項10又は11に記載の成形型の製造方法。
  13. 前記ディスペンス工程では、前記硬化性樹脂を前記金型上にディスペンスすることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の成形型の製造方法。
  14. 前記金型は前記基板に対して鉛直下側に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の成形型の製造方法。
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