WO2012161316A1 - ウェハーレンズの製造方法、成形金型、転写型、及び転写型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
樹脂硬化時の応力により樹脂型が反ることを防止し、レンズ部の形状のばらつきが生じることを防止することができるウェハーレンズの製造方法を提供することを目的とする。マスター型30が第1凹凸構造32を有することにより、マスター型30から成形された転写型であるサブマスター型40及びサブサブマスター型50でも隣接する第2及び第3光学転写面43a,53aの間の最も外側に凹部44a,54aを有することになる。これにより、マスター型30、サブマスター型40、サブサブマスター型50による各成形工程において、樹脂が最も外側の凹部32a,44a,54a内に入り込まないようにすることができ、第2及び第3転写部49,59、第1及び第2レンズ要素11,12が1つ1つ独立して繋がらない状態で成形することができる。
Description
本発明は、微小な多数のレンズを2次元的に配列したウェハーレンズの製造方法に関し、特に撮像レンズ等に用いるためのウェハーレンズの製造方法、この製造方法に用いられる成形金型及び転写型、並びに転写型の製造方法に関する。
ウェハーレンズの製造方法として、基板(例えば、ガラス平板)と成形型との間に硬化性樹脂を注入して、レンズ部を成形するものがある(例えば、特許文献1参照)。この際、マスター型から樹脂製の転写型であるサブマスター型を形成し、このサブマスター型からレンズ部を成形する。なお、サブマスター型を成形型として樹脂製の転写型であるサブサブマスター型を形成し、このサブサブマスター型からレンズ部を成形してもよい。このように、サブマスター型及びサブサブマスター型は、レンズ部を成形するための転写面の全てを一度に作製することを可能にする。そのため、レンズ部を成形するための成形型の加工時間をマスター型の加工時間よりも減らすことができる。また、1つのマスター型から複数の成形型又は転写型を作製することにより、レンズ1個当たりのマスター型の使用回数を減らすことができる。これにより、マスター型の寿命を延ばすことができ、結果的にマスター型の加工費を低減することができる。
しかしながら、特許文献1の製造方法では、成形金型からの転写を1回以上行うため、成形金型でウェハーレンズを直接成形するよりもレンズ部の成形精度が低下しやすい。特許文献1の製造方法によって作製される転写型は、その型基板面の全体に樹脂部を設けたものであるため、樹脂の硬化収縮の影響を受けやすい。樹脂が硬化収縮する場合、作製する転写型が大きいほど、レンズ部間の位置変動や型基板からの樹脂の剥がれ等が発生するおそれがある。また、転写型の型基板上にレンズ成形部を成形する際に、各レンズ成形部を成形する転写面に樹脂が行き渡らず、樹脂不足となる場所が発生する場合があり、これらを防ぐため、転写面に樹脂を多めに供給する場合がある。このような場合、樹脂硬化時の応力により、型基板が反る。これにより、作製された転写型において、ウェハーレンズのレンズ部を成形するためのレンズ成形部の高さ等にばらつきが生じ、レンズ部の成形を行う際にもレンズ形状にばらつきが生じるという問題がある。また、ウェハーレンズの基板にレンズ部を成形する際に、転写型と同様に、樹脂不足とならないように転写面に過剰の樹脂を供給するため、レンズ部同士が繋がり、樹脂硬化時の応力で基板が反るという問題がある。
基板の反りを小さくするために、ウェハーレンズの製造方法として、基板上に独立したレンズ部をアレイ状に成形するものがある(例えば、特許文献2参照)。この製造方法に用いられるマスター型は、各レンズ部を成形する転写面の間に溝のような凹部が形成されている。各転写面に供給された樹脂が、この凹部を超えて広がろうとすると、濡れのピン止め効果によって、ブレーキがかかる。一方、レンズ部を成形する転写面の同一面内に樹脂が不足している部分があると、樹脂は上記凹部に近い転写面の間よりも同一転写面内に優先的に広がる。
しかしながら、特許文献2の製造方法では、転写を1回行うと凹部が存在しなくなるため、2回以上転写すると、特許文献1と同様にレンズ形状のばらつきや基板の反りが生じる問題が生じる。また、特許文献2のマスター型である転写ツールは、何らかの弾性を有する材料(ポリジメチルシロキサン等)からなると記載されており、かつ各レンズ部は繋がった状態で形成されている。このような型は、そもそも型自体が上述したようにばらつきや変形収縮等で型の精度が低下し、その結果さらに成形精度が低下する。
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、樹脂の硬化収縮の影響を抑え、樹脂硬化時の応力により樹脂型が反ることを防止し、レンズ部の形状のばらつきが生じることを防止することができるウェハーレンズの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述のウェハーレンズの製造方法に用いられる成形金型及び転写型、並びに転写型の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るウェハーレンズの製造方法は、基板と、基板の一方の基板面上に成形され光学面を含む複数の樹脂製の成形部と、を備えるウェハーレンズの製造方法であって、複数の光学面に対応する複数の光学転写面を有する転写型を用いて複数の成形部を成形する工程を備え、転写型の転写面は、成形部に対応する転写面を有する成形金型を利用する1回以上の反転を伴う転写によって形成され、成形金型は、光学転写面の周囲であって、かつ転写対象の最も外側に外周凹部を形成するための凹凸構造を有し、凹凸構造は、最も外側に最外凹部を有する。
上記ウェハーレンズの製造方法によれば、成形金型が最も外側に最外凹部を設けた凹凸構造を有することにより、成形金型から成形された転写型でも光学転写面の周囲の最も外側に外周凹部を有することになる。これにより、成形金型又は転写型による各成形工程において、樹脂の供給量や供給範囲に多少のバラツキがあっても樹脂が最も外側の凹部内に入り込まないようにすることができ、光学転写面又は光学面を含む成形部をこれらが1つ1つ独立して繋がらない状態で成形することができる。そのため、樹脂が硬化する時に型基板や基板にかかる応力を分散させることができ、転写型又は基板が反らず、レンズ部の形状のばらつきを防止することができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記ウェハーレンズの製造方法において、凹凸構造は、最外凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、複数の光学転写面の転写回数と最外凹部を含む凹部及び凸部の総数とが等しい。ここで、凹部と凸部とを交互に有するとは、凹部及び凸部の数が1つずつの場合、凹部が1つのみの場合も含む。転写後の最も外側の凹部は、転写する成形金型又は転写型の最も外側の凹部に隣接する凸部によって形成される。これにより、複数回転写をしても、光学転写面の間の最も外側に凹部を確実に設けることができる。
本発明の別の観点では、凹凸構造は、最外凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、最外凹部を含む凹部の側面の最も内寄りの稜部及び凸部の側面の最も内寄りの稜部の数は、転写による反転回数に等しい。この場合、転写後の最も外側の凹部は、転写する成形金型又は転写型の凹凸構造の対応する凸部の最も内寄りの稜部を含む側面とこの凸部の端面とによって形成される。これにより、複数回転写をしても、光学転写面の間の最も外側に凹部を確実に設けることができる。
本発明のさらに別の観点では、転写型は、成形金型から2回の転写によって形成されるサブサブマスター型である。ここで、転写型において、成形金型からの2回の転写により光学転写面の間の最も外側は凹部となっている。この場合、例えば凸形状の光学面を転写するために、凹部の光学転写面を有する成形金型を作成すればよく、成形金型の作成を簡易なものとすることができる。サブサブマスター型を使ってレンズ成形を行うと、転写型への転写回数が多くなるため転写精度が落ちるが、レンズ1個当たりの金型加工費や加工時間を減らせることとなりコスト的に有利になる。
本発明のさらに別の観点では、転写型は、成形金型から1回の転写によって形成されるサブマスター型である。ここで、転写型において、成形金型からの1回の転写により光学転写面の間の最も外側は凹部となっている。この場合、サブマスター型を使ってレンズ成形を行うと、成形金型の転写型への転写回数をサブサブマスター型に比べ減らしつつ、転写精度を向上させることができる。そのため、コストと転写精度とを勘案して必要な精度に応じてサブマスター型をウェハーレンズを直接成形するための転写型として選択することができる。
以上のように、転写型はサブマスター型、サブサブマスター型等を含むものである。これらの場合、サブマスター型は、サブマスター基板とサブマスター基板上の樹脂製の成形部とを含めて転写型とする。また、サブサブマスター型は、サブサブマスター基板とサブサブマスター基板上の樹脂製の成形部とを含めて転写型とする。
本発明のさらに別の観点では、成形金型の最外凹部の側面及び転写型の外周凹部の側面に撥水性を付与する微細加工及びコートのいずれか一方を行う。この場合、樹脂が最外凹部内や外周凹部内に入るのをより防ぐことができる。
本発明のさらに別の観点では、凹凸構造は、凹部及び凸部の角にRを有する。ここで、凹凸構造の角とは、凹部又は凸部の側面とこの側面に隣接する端面との交わる部分であり、変形された稜部である。この場合、凹凸構造が角にRを有することにより、光学転写面の加工用の切削刃と同一の切削刃を用いて凹凸構造の凹凸面を形成することができ、光学転写面と凹凸構造とを続けて加工することができる。これにより、成形金型を精度良く加工することができる。なお、凹凸構造の角にRが形成されても、最外凹部に生じる空間があるため、毛細管現象等により樹脂の広がりを抑えることができる。
本発明のさらに別の観点では、成形金型の転写面に個別に樹脂を供給する。この場合、転写型の転写部を確実に個別に形成することができる。
本発明のさらに別の観点では、凹凸構造は、環状の凹部と環状の凸部とを交互に有する。この際、凹部の深さや凸部の高さは全周に亘って略一様とする。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記成形金型において、ウェハーレンズの成形部は、複数の光学面を有してもよい。この場合、例えば光学面を複数有する複眼レンズを基板の反りを防止しつつ多数成形することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る成形金型は、基板の一方の基板面上に成形され光学面を含む複数の樹脂製の成形部を備えるウェハーレンズを成形するための複数の光学面に対応する複数の光学転写面を有する転写型を成形する成形金型であって、転写型の光学転写面の周囲であって、かつ転写対象の最も外側に外周凹部を形成するための凹凸構造を有し、凹凸構造は、最も外側に最外凹部を有する。
上記成形金型によれば、成形金型が凹凸構造を有することにより、成形金型から成形された転写型でも光学転写面の周囲の最も外側に外周凹部を有することになる。これにより、成形金型又は転写型による各成形工程において、樹脂硬化時の応力の分散により転写型又は基板が反ることを防止し、レンズ部の形状のばらつきが生じることを防止することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る転写型は、基板の一方の基板面上に成形され少なくとも1つの光学面を含む複数の樹脂製の成形部を備えるウェハーレンズを成形するため、複数の光学面に対応する複数の光学転写面を有する転写型であって、型基板と、型基板の一方の型基板面上に互いに独立して形成され、ウェハーレンズの成形部に対応する複数の樹脂製の転写部と、を備える。
上記転写型によれば、転写型の転写部を互いに独立して形成するため、転写型による転写の際に、各転写部を次の転写型又はウェハーレンズの型基板面に個別に近接させ或いは押圧することができる。そのため、転写部に供給する樹脂を少なく、かつ低圧で押圧することができる。また、各転写部にかかる圧力のばらつきを抑えることができる。また、転写部に供給する樹脂量を少なくすることができるため、硬化時の樹脂の収縮量を少なくすることができる。そのため、型基板の反りによる型精度の低下を抑えることができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記転写型において、転写部は、凹凸構造を有し、凹凸構造は、最も外側に外周凹部を有する。この場合、転写型が凹凸構造を有することにより、転写型による成形工程において、樹脂の供給量や供給範囲に多少のバラツキがあっても樹脂が外周凹部内に入り込まないようにすることができ、光学面を含む成形部を1つ1つ独立して繋がらない状態で成形することができる。そのため、樹脂が硬化する時に基板にかかる応力を分散させることができ、基板が反らず、レンズ部の形状のばらつきを防止することができる。
本発明の別の観点では、凹凸構造は、外周凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、複数の光学転写面の転写回数と、外周凹部を含む凹部及び凸部の総数とが等しい。ここで、凹部と凸部とを交互に有するとは、凹部及び凸部の数が1つずつの場合、凹部が1つのみの場合も含む。転写型の最も外側の凹部は、転写する成形金型又は転写型の最も外側の凹部に隣接する凸部によって形成される。これにより、複数回転写をしても、光学転写面の間の最も外側に凹部を確実に設けることができる。
本発明のさらに別の観点では、凹凸構造は、外周凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、外周凹部を含む凹部の側面の最も内寄りの稜部及び凸部の側面の最も内寄りの稜部の数は、転写による反転回数に等しい。この場合、転写後の最も外側の凹部は、転写する成形金型又は転写型の凹凸構造の対応する凸部の最も内寄りの稜部を含む側面とこの凸部の端面とによって形成される。これにより、複数回転写をしても、光学転写面の間の最も外側に凹部を確実に設けることができる。
本発明のさらに別の観点では、外周凹部の側面は、微細加工及びコートのいずれか一方による撥水部を有する。この場合、樹脂が外周凹部内に入るのをより防ぐことができる。
本発明のさらに別の観点では、ウェハーレンズの成形部は、複数の光学面を有する。この場合、例えば光学面を複数有する複眼レンズを基板の反りを防止しつつ多数成形することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る転写型の製造方法は、基板と、基板の一方の基板面上に成形され少なくとも1つの光学面を含む複数の樹脂製の成形部と、を備えるウェハーレンズを製造するための転写型の製造方法であって、成形部に対応する転写面を有する成形金型を利用する1回以上の反転を伴う転写によって、型基板の少なくとも一方の型基板面上に成形部に対応する複数の樹脂製の転写部を互いに独立して成形する工程を備える。
上記転写型の製造方法によれば、転写型の転写部を互いに独立して形成するため、転写型による転写の際に、各転写部を次の転写型又はウェハーレンズの型基板面に個別に近接させ或いは押圧することができる。そのため、転写部に供給する樹脂を少なく、かつ低圧で押圧することができる。また、各転写部にかかる圧力のばらつきを抑えることができる。また、転写部に供給する樹脂量を少なくすることができるため、硬化時の樹脂の収縮量を少なくすることができる。そのため、型基板の反りを抑えることができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記転写型の製造方法において、成形金型の転写面に個別に樹脂を供給する。この場合、転写型の転写部を確実に個別に形成することができる。
本発明の別の観点では、転写部は、光学面に対応する少なくとも1つの光学転写面と、凹凸構造とを有し、凹凸構造は、最も外側に外周凹部を有する。
本発明のさらに別の観点では、転写型は、成形金型から2回の転写によって形成されるサブサブマスター型である。
本発明のさらに別の観点では、転写型は、成形金型から1回の転写によって形成されるサブマスター型である。
上記課題を解決するため、本発明に係る別のウェハーレンズの製造方法は、基板と、基板の一方の基板面上に成形され少なくとも1つの光学面を含む複数の樹脂製の成形部と、を備えるウェハーレンズの製造方法であって、成形部に対応する第1転写部を有する成形金型を形成する工程と、成形金型によって、型基板の少なくとも一方の型基板面上に互いに独立して形成され、成形部に対応する複数の樹脂製の第2転写部を有するサブマスター型を成形する工程と、を備える。
上記ウェハーレンズの製造方法によれば、サブマスター型の第2転写部が互いに独立して形成されるため、サブマスター型の型基板の反りを抑えることができ、レンズ部に形状のばらつきが生じることを防止することができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記ウェハーレンズの製造方法において、第1転写部は、光学面に対応する少なくとも1つの第1光学転写面と、第1凹凸構造とを有し、第2転写部は、光学面に対応する少なくとも1つの第2光学転写面と、第2凹凸構造とを有し、第1凹凸構造は、第1転写部の最も外側に最外凹部を有し、第2凹凸構造は、第2転写部の最も外側に外周凹部を有する。この場合、成形金型及びサブマスター型が第1及び第2凹凸構造をそれぞれ有することにより、成形金型又はサブマスター型による各成形工程において、光学面を含む成形部を1つ1つ独立して繋がらない状態で成形することができ、樹脂硬化時の応力によりサブマスター型又は基板が反ることを防止し、レンズ部の形状のばらつきが生じることを防止することができる。
本発明の別の観点では、サブマスター型によって、型基板の少なくとも一方の型基板面上に互いに独立して形成され、成形部に対応する複数の樹脂製の第3転写部を有するサブサブマスター型を成形する工程を備える。この場合、サブサブマスター型の第3転写部が互いに独立して形成されるため、サブサブマスター型の型基板の反りを抑えることができ、レンズ部に形状のばらつきが生じることを防止することができる。
本発明のさらに別の観点では、第3転写部は、光学面に対応する少なくとも1つの第3光学転写面と、第3凹凸構造とを有し、第3凹凸構造は、第3転写部の最も外側に外周凹部を有する。この場合、サブサブマスター型が第3凹凸構造を有することにより、サブサブマスター型による成形工程において、樹脂硬化時の応力によりサブサブマスター型又は基板が反ることを防止し、レンズ部の形状のばらつきが生じることを防止することができる。
本発明のさらに別の観点では、第1、第2、及び第3転写部に個別に樹脂を供給する。この場合、サブマスター型及びサブサブマスター型の転写部やウェハーレンズのレンズ部を確実に個別に形成することができる。
〔第1実施形態〕
A)ウェハーレンズ
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るウェハーレンズについて説明する。
A)ウェハーレンズ
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るウェハーレンズについて説明する。
図1A、1Bに示すように、ウェハーレンズ100は、例えば円盤状であり、基板101と、第1樹脂層102と、第2樹脂層103とを有する。
ウェハーレンズ100のうち基板101は、ウェハーレンズ100の全体に亘って延びる平板であり、ガラスで形成されている。基板101の厚さは、基本的には光学的仕様によって決定されるが、ウェハーレンズ100の離型時において破損しない程度の厚さとなっている。
第1樹脂層102は、樹脂製であり、基板101の一方の面101a上に形成されている。第1樹脂層102は、成形部である複数の第1レンズ要素11を有する。各第1レンズ要素11は、それぞれ独立しており、基板101上のXY面内で2次元的に配列されている。第1レンズ要素11は、第1レンズ本体11aと第1フランジ部11bとを有する。第1レンズ本体11aは、例えば凸形状の非球面型のレンズ部であり、第1光学面11dを有している。周囲の第1フランジ部11bは、第1光学面11dの周囲に広がる平坦な第1フランジ面11gを有する。第1フランジ面11gは、光軸OAに垂直なXY面に対して平行に配置されている。ただし、第1フランジ面11gは一部が凹凸形状になっていてもよい。各第1レンズ要素11の第1光学面11d及び第1フランジ面11gを合わせた表面は、転写によって一括成形される第1成形面102aとなっている。
第1樹脂層102は、光硬化性樹脂で形成されている。光硬化性樹脂には、光硬化性樹脂の重合を開始させる光重合開始剤が含まれている。光硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、アリルエステル樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂等を使用することができる。アクリル樹脂、アリルエステル樹脂、ビニル系樹脂を使用する場合、光重合開始剤のラジカル重合により反応硬化させることができ、エポキシ系樹脂を使用する場合、光重合開始剤のカチオン重合により反応硬化させることができる。
第2樹脂層103は、第1樹脂層102と同様に、樹脂製であり、基板101の他方の面101b上に形成されている。第2樹脂層103は、成形部である複数の第2レンズ要素12を有する。各第2レンズ要素12は、それぞれ独立しており、基板101上のXY面内で2次元的に配列している。各第2レンズ要素12の位置は、基板101の反対側の各第1レンズ要素11の位置に対応している。第2レンズ要素12は、第2レンズ本体12aと第2フランジ部12bとを有する。第2レンズ本体12aは、例えば凸形状の非球面型のレンズ部であり、第2光学面12dを有している。周囲の第2フランジ部12bは、第2光学面12dの周囲に広がる平坦な第2フランジ面12gを有する。第2フランジ面12gは、光軸OAに垂直なXY面に対して平行に配置されている。ただし、第2フランジ面12gは一部が凹凸形状になっていてもよい。各第2レンズ要素12の第2光学面12d及び第2フランジ面12gを合わせた表面は、転写によって一括成形される第2成形面103aとなっている。
第2樹脂層103に用いられる光硬化性樹脂は、第1樹脂層102の光硬化性樹脂と同様のものである。ただし、両樹脂層102,103を同一の光硬化性樹脂で形成する必要はなく、別の光硬化性樹脂で形成することができる。第2樹脂層103を第1樹脂層102とは異なる樹脂で形成することにより、樹脂の分散を異なるものとすることができる。これにより色収差を補正することができる。
なお、ウェハーレンズ100において、基板101と第1又は第2樹脂層102,103との間に絞りを設けてもよい。また、基板101の一方の面101a又は他方の面101bにのみ樹脂層を設けてもよい。
B)成形型
以下、図2A、2B、図6A、6B、及び図8A、8B等を参照しつつ、図1A等に示すウェハーレンズ100を製造するための成形型の一例について説明する。
以下、図2A、2B、図6A、6B、及び図8A、8B等を参照しつつ、図1A等に示すウェハーレンズ100を製造するための成形型の一例について説明する。
ウェハーレンズ100の成形には、成形型として、図2A等に示すマスター型30と、図6A等に示すサブマスター型40と、図8A等に示すサブサブマスター型50とが用いられる。
B-1)マスター型
図2Aに示すように、成形金型であるマスター型30は、例えば円形のブロック状の部材であり、その軸に垂直な方向に延びる端面30a上に、後述するサブマスター型40の第2転写面43を形成するための第1転写面31を有する。この第1転写面31は、最終的に得られるウェハーレンズ100の第1樹脂層102の第1成形面102aのネガ型に対応する。第1転写面31は、複数の第1転写部39を有する。第1転写部39は、第1レンズ成形部61と、第1凹凸構造32とを有する。
図2Aに示すように、成形金型であるマスター型30は、例えば円形のブロック状の部材であり、その軸に垂直な方向に延びる端面30a上に、後述するサブマスター型40の第2転写面43を形成するための第1転写面31を有する。この第1転写面31は、最終的に得られるウェハーレンズ100の第1樹脂層102の第1成形面102aのネガ型に対応する。第1転写面31は、複数の第1転写部39を有する。第1転写部39は、第1レンズ成形部61と、第1凹凸構造32とを有する。
第1転写部39のうち第1レンズ成形部61は、第1光学転写面31aと、第1フランジ転写面31bとを有する。第1光学転写面31aは、サブマスター型40の第2光学転写面43aを形成するためのものである。第1光学転写面31aは、アレイ状に複数個配置されており、略半球の凹形状に形成されている。第1フランジ転写面31bは、サブマスター型40の第2フランジ転写面43bを形成するためのものである。第1フランジ転写面31bは、第1光学転写面31aの外周(具体的には外側に隣接する領域)に設けられている。
第1凹凸構造32は、成形時に樹脂が第1転写部39の外側に広がることを防止するためのものである。第1凹凸構造32は、隣接する第1光学転写面31aの間であり、かつ第1転写部39の外縁から第1フランジ転写面31bの外縁まで設けられている。つまり、第1凹凸構造32は、第1レンズ成形部61の周囲を囲うように円環状に設けられている。第1凹凸構造32は、外側から内側に向けて順に、凹部32aと、凸部32bと、凹部32cとを有する。第1凹凸構造32のうち凹部32aは、第1光学転写面31aから最も遠くに設けられている最外凹部となっており、第1凹凸構造32の起点となっている。なお、本実施形態において、最外凹部は、隣接する独立した第1転写部39間を繋ぐように延びており、隣接する独立した第1転写部39の各第1凹凸構造32の凹部32aを合わせたものとなっている。ここで、図3Aに示すように、凹部32(最外凹部)aは、光軸OAに垂直な底面又は端面36aと、端面(底面)36aに隣接する側面35aとで形成されている。端面36aに隣接する一方の側面35a(この場合、凹部32aの外側の側面35a)は、当該第1転写部39に隣接する別の第1転写部39の凹部32aの側面35aと共通となっている。図3Bに示すように、凸部32bは、光軸OAに垂直な頂面又は端面36bと、端面(頂面)36bに隣接する側面35a,35bとで形成されている。側面35aは、凹部32aと凸部32bとで共通となっている。図3Cに示すように、凹部32cは、光軸OAに垂直な底面又は端面36cと、端面(底面)36cに隣接する側面35b,35cとで形成されている。側面35bは、凸部32bと凹部32cとで共通となっている。端面36a,36cは、端面36bよりも奥側、すなわち樹脂供給側から深い位置に形成されている。側面35aの最も内寄りの縁部と側面35aの縁部に隣接する端面36bとは、稜部37aで交差する。側面35bの最も内寄りの縁部と側面35bの縁部に隣接する端面36cとは、稜部37bで交差する。側面35cの最も内寄りの縁部と側面35cの縁部に隣接する第1フランジ転写面31bとは、稜部37cで交差する。これは、以下に説明するサブマスター型40及びサブサブマスター型50の凹部44a,54a及び凸部44bについても同様である。このうち凹部44aは、サブマスター型40における外周凹部となっており、凹部54aは、サブサブマスター型50における外周凹部となっている。なお、側面35a,35b,35cは、光軸OAに対して表側又は図面上側に開くように傾斜していてもよいし、光軸OAに平行でもよい。
第1凹凸構造32は、凹部32a,32cと凸部32bの繰り返し構造であり、2つの凹部と1つの凸部が設けられている。本実施形態のマスター型30は、第1光学面11dを成形するために3回反転転写することを目的とする成形型であり、凹部と凸部の総数も3つになっている。言い換えれば、第1凹凸構造32は、外側から内側に向けて順に、凹部32aの側面35aの最も内寄りの稜部37a、凸部32bの側面35bの最も内寄りの稜部37b、凹部32cの側面35cの最も内寄りの稜部37cが設けられている。つまり、凹部の最も内寄りの稜部と凸部の最も内寄りの稜部とが交互に設けられている。稜部37a,37b,37cの数は、転写による反転回数に等しくなっている。ここで、第1凹凸構造32の凹部32aの側面35aの最も内寄りの稜部37aは、成形時に樹脂が凹部32a内に流れるのを抑えることに寄与する。第1凹凸構造32の凸部32bの側面35bの最も内寄りの稜部37bは、サブマスター型40の第2凹凸構造44の最も外側の凹部44aの転写に寄与する。第1凹凸構造32の凹部32cの側面35cの最も内寄りの稜部37cは、サブマスター型40の第2凹凸構造44の凸部44bの転写に寄与する。第1凹凸構造32の凹部32aの側面35aには、微細加工やコートによって、撥水加工がされている。ここで、微細加工では、具体的には多数の微細な柱状構造を形成する。
以下、第1凹凸構造32における樹脂の流れについて説明する。図4Aに示すように、平面91で接触角θを持つ樹脂92の広がりは、凹部93の稜部94でブレーキがかかり、稜部94を通過しにくくなる(濡れのピン止め効果)。仮に多少稜部94を通過して樹脂がはみ出した場合であっても、稜部94を通過後は凹部93によって形成される広い空間が存在することから、樹脂が進行方向の凹部93側すなわち外周側に広がり続けるよりも、毛細管現象によって光軸を中心とした円環状に溝加工されている部分(光軸を中心とした四角やその多角形等の溝加工でもよい)に沿って、例えば凹部32aの稜部37a(図5A等参照)に沿って樹脂が広がる流れが優先されることとなる。そして、樹脂の体積には限りがあることから、これらの現象により、仮に多少稜部94を通過したとしても樹脂は外周側へあまり広がらず、他の光学面を形成する樹脂と接触することなく独立した状態で光学面の成形を行える。なお、平面91に対する稜部94に隣接する斜面95の角度を屈折角αとすると、樹脂92が稜部94を通過し、図4Cに示すように、屈折した先の斜面95での接触角がθとなるためには、図4Bに示すように、接触角がθ+αになる必要がある。本実施形態において、各第1転写部39に対する樹脂の供給量は、稜部94における樹脂の接触角がθ+αにならない程度となっている。
図2A等に示すサブマスター型40の成形時において説明をすると、最も外側の凹部32aの側面35aと隣接する端面36aとが交差する稜部37aが図4(A)等に示す稜部94に相当して樹脂の流れを止める手段となり、樹脂の接触角がθ+α以上にならず、大部分の樹脂が凹部32a内に入り込まないようにすることができる。そのため、図5Aに示すように、樹脂が凹部32aでブレーキがかかりほぼ凹部32aの外側に広がらない。これにより、サブマスター型40の各第1転写部49を1つ1つ独立したものとすることができる。また、第1凹凸構造32の側面35aに撥水加工を施すことにより、第1凹凸構造32の側面35aの接触角がθ´(θ´>θ)になり、撥水加工を施す前よりも樹脂の流れを抑えるブレーキ効果を高めることができる。なお、第1凹凸構造32を設けない場合、図5Bに示すように、樹脂を充填する所望の領域を超えて樹脂がはみ出してしまう。
マスター型30は、一般に金属材料で形成されている。金属材料としては、例えば鉄系材料や鉄系合金、非鉄系合金等が挙げられる。鉄系材料としては、例えば熱間金型、冷間金型、プラスチック金型、高速度工具鋼、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼、クロム・モリブデン鋼、ステンレス鋼が挙げられる。
B-2)サブマスター型
図6A、図7A、及び7Bに示すように、サブマスター型40は、例えば円形のブロック状の部材であり、樹脂部であるサブマスター樹脂部41と型基板である光透過性のサブマスター基板42とを有する。サブマスター樹脂部41とサブマスター基板42とは、積層構造となっている。つまり、サブマスター樹脂部41は、サブマスター基板42の一方の面42a上に形成されている。サブマスター樹脂部41は、後述するサブサブマスター型50の第3転写面53を形成する第2転写面43を有する。この第2転写面43は、最終的に得られるウェハーレンズ100の第1樹脂層102の第1成形面102aのポジ型に対応する。第2転写面43は、複数の第2転写部49を有する。サブマスター樹脂部41において、各第2転写部49は、サブマスター基板42の一方の面42a上にそれぞれ独立して形成されている。第2転写部49は、第2レンズ成形部62と、第2凹凸構造44とを有する。
図6A、図7A、及び7Bに示すように、サブマスター型40は、例えば円形のブロック状の部材であり、樹脂部であるサブマスター樹脂部41と型基板である光透過性のサブマスター基板42とを有する。サブマスター樹脂部41とサブマスター基板42とは、積層構造となっている。つまり、サブマスター樹脂部41は、サブマスター基板42の一方の面42a上に形成されている。サブマスター樹脂部41は、後述するサブサブマスター型50の第3転写面53を形成する第2転写面43を有する。この第2転写面43は、最終的に得られるウェハーレンズ100の第1樹脂層102の第1成形面102aのポジ型に対応する。第2転写面43は、複数の第2転写部49を有する。サブマスター樹脂部41において、各第2転写部49は、サブマスター基板42の一方の面42a上にそれぞれ独立して形成されている。第2転写部49は、第2レンズ成形部62と、第2凹凸構造44とを有する。
第2転写部49のうち第2レンズ成形部62は、第2光学転写面43aと、第2フランジ転写面43bとを有する。第2光学転写面43aは、図8Aのサブサブマスター型50の第3光学転写面53aを形成するためのものである。第2光学転写面43aは、第1光学転写面31aによって転写され、アレイ状に複数個配置されており、略半球の凸形状に形成されている。第2フランジ転写面43bは、サブサブマスター型50の第3フランジ転写面53bを形成するためのものである。第2フランジ転写面43bは、第2光学転写面43aの外周(具体的には外側に隣接する領域)に設けられている。
第2凹凸構造44は、成形時に樹脂が第2転写部49の外側に広がることを防止するためのものである。第2凹凸構造44は、隣接する第2光学転写面43aの間であり、かつ第2転写部49の外縁から第2フランジ転写面43bの外縁まで設けられている。つまり、第2凹凸構造44は、第2レンズ成形部62の周囲を囲うように、円環状に配置されている。第2凹凸構造44は、外側から内側に向けて順に、凹部44aと、凸部44bとを有する。つまり、第2凹凸構造44のうち凹部44aは、第2光学転写面43aから最も遠くに設けられている外周凹部となっており、第2凹凸構造44の起点となっている。凹部44a(外周凹部)は、マスター型30の第1凹凸構造32のうち凹部32aに隣接する凸部32bによって転写されたものである。凸部44bは、マスター型30の第1凹凸構造32のうち最も内側の凹部32cによって転写されたものである。
第2凹凸構造44は、第1光学面11dを残り2回反転転写で成形するために、凹部と凸部の総数が2つになっている。言い換えれば、第2凹凸構造44は、外側から内側に向けて順に、側面45aの最も内寄りの稜部47aと、側面45bの最も内寄りの稜部47bとが設けられている。つまり、稜部47a,47bの数は、残りの転写による反転回数に等しくなっている。ここで、第2凹凸構造44の凹部44aの側面45aの最も内寄りの稜部47aは、成形時に樹脂が凹部44a内に流れるのを抑えることに寄与する。第2凹凸構造44の凸部44bの側面45bの最も内寄りの稜部47bは、サブサブマスター型50の第3凹凸構造54の最も外側の凹部54aの転写に寄与する。第2凹凸構造44の側面45aは、微細加工やコートによって、撥水処理がされている。これにより、樹脂の流れを抑えるブレーキ効果を高めることができる。サブサブマスター型50の成形時において、樹脂が凹部44a内に入り込まないため、サブサブマスター型50の各第2転写部59を1つ1つ独立したものとすることができる。
サブマスター樹脂部41は、上記ウェハーレンズ100の第1樹脂層102と同様の樹脂41bによって形成されている。樹脂41bとしては、光硬化性樹脂が挙げられ、上記ウェハーレンズ100の第1樹脂層102と同様のアクリル樹脂、アリルエステル樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂等が使用可能である。また、樹脂41bとしては、離型性の良好な樹脂、特に透明樹脂が好ましく、離型剤を塗布しなくても離型できる樹脂がよい。
サブマスター基板42は例えば石英、ガラス、シリコンウェハー、金属、樹脂等の平滑性を有する材料で形成されている。透明性又は光透過性の観点(サブマスター型40の上からでも下からでも光照射できるという点)を考慮すると、サブマスター基板42は、好ましくは石英やガラス等から構成される。
B-3)サブサブマスター型
図8A及び図7Cに示すように、サブサブマスター型50は、円形の平板状であり、樹脂部であるサブサブマスター樹脂部51と光透過性のサブサブマスター基板52とを有する。サブサブマスター樹脂部51とサブサブマスター基板52とは、積層構造となっている。つまり、サブサブマスター樹脂部51は、サブサブマスター基板52の一方の面52a上に形成されている。サブサブマスター樹脂部51は、ウェハーレンズ100の成形面102aを形成する第3転写面53を有する。この第3転写面53は、ウェハーレンズ100の第1樹脂層102の第1成形面102aのネガ型に対応する。第3転写面53は、複数の第3転写部59を有する。サブサブマスター樹脂部51において、各第3転写部59は、サブサブマスター基板52の一方の面52a上にそれぞれ独立して形成されている。第3転写部59は、第3レンズ成形部63と、第3凹凸構造54とを有する。
図8A及び図7Cに示すように、サブサブマスター型50は、円形の平板状であり、樹脂部であるサブサブマスター樹脂部51と光透過性のサブサブマスター基板52とを有する。サブサブマスター樹脂部51とサブサブマスター基板52とは、積層構造となっている。つまり、サブサブマスター樹脂部51は、サブサブマスター基板52の一方の面52a上に形成されている。サブサブマスター樹脂部51は、ウェハーレンズ100の成形面102aを形成する第3転写面53を有する。この第3転写面53は、ウェハーレンズ100の第1樹脂層102の第1成形面102aのネガ型に対応する。第3転写面53は、複数の第3転写部59を有する。サブサブマスター樹脂部51において、各第3転写部59は、サブサブマスター基板52の一方の面52a上にそれぞれ独立して形成されている。第3転写部59は、第3レンズ成形部63と、第3凹凸構造54とを有する。
第3転写部59のうち第3レンズ成形部63は、第3光学転写面53aと、第3フランジ転写面53bとを有する。第3光学転写面53aは、図1Aのウェハーレンズ100の第1光学面11dを形成するためのものである。第3光学転写面53aは、上述のように第2光学転写面43aによって転写され、アレイ状に複数個配置されており、略半球の凹形状に形成されている。第3フランジ転写面53bは、ウェハーレンズ100の第1フランジ面11gを形成するためのものである。サブサブマスター型50は、第1樹脂層102の第1成形面102aを形成するための転写型として機能する。
第3凹凸構造54は、成形時に樹脂が第3転写部59の外側に広がることを防止するためのものである。第3凹凸構造54は、隣接する第3光学転写面53aの間であり、かつ第3転写部59の外縁から第3フランジ転写面53bの外縁まで設けられている。つまり、第3凹凸構造54は、第3転写部59の周囲を囲うように、円環状に配置されている。第3凹凸構造54は、凹部54aを有する。凹部54aは、第3光学転写面53aから最も遠くに設けられている外周凹部となっており、第3凹凸構造54の起点となっている。凹部(外周凹部)54aは、サブマスター型40の第2凹凸構造44のうち凹部44aに隣接する凸部44bによって転写されたものである。
第3凹凸構造54は、第1光学面11dを残り1回反転転写で成形するために、凹部と凸部の総数が1つになっている。言い換えれば、第3凹凸構造54は、側面55aの最も内寄りの稜部57aが設けられている。つまり、稜部57aの数は、残りの転写による反転回数に等しくなっている。ここで、第3凹凸構造54の凹部54aの側面55aの最も内寄りの稜部57aは、成形時に樹脂が凹部54a内に流れるのを抑えることに寄与する。第3凹凸構造54の側面55aは、微細加工やコートによって、撥水処理がされている。第1樹脂層102の成形時において、樹脂が凹部54a内に入り込まないため、第1樹脂層102の各第1レンズ要素11を1つ1つ独立したものとすることができる。
サブサブマスター樹脂部51は、上記ウェハーレンズ100の第1樹脂層102やサブマスター樹脂部41の樹脂41bと同様の樹脂51bで形成され、サブサブマスター基板52は、サブマスター基板42と同様の材料で形成される。なお、サブマスター樹脂部41とサブサブマスター樹脂部51とを必ずしも同一の材料で形成する必要はない。また、サブマスター基板42とサブサブマスター基板52とも必ずしも同一の材料で形成する必要はなく、異なる材料で形成されてもよい。
以上、ウェハーレンズ100のうち第1樹脂層102を成形するために用いるマスター型30、サブマスター型40、及びサブサブマスター型50について説明したが、第2樹脂層103を成形する際にも同様の型を用いる。
C)転写型及びウェハーレンズの製造方法
図9A~9Fを参照しつつ、上述のマスター型30、サブマスター型40、サブサブマスター型50を使用して行われるウェハーレンズ100の製造工程について説明する。なお、以下では第1樹脂層102の成形について説明するが、第2樹脂層103の成形についても同様の工程を行う。
図9A~9Fを参照しつつ、上述のマスター型30、サブマスター型40、サブサブマスター型50を使用して行われるウェハーレンズ100の製造工程について説明する。なお、以下では第1樹脂層102の成形について説明するが、第2樹脂層103の成形についても同様の工程を行う。
まず、研削加工等によって第1樹脂層102の最終形状に対応するマスター型30を作製する。次に、図9Aに示すように、マスター型30を構成する個々の第1転写部39上に樹脂41bをドット状に塗布又は供給する。ここで、樹脂41bは、第1転写部39のうち第1凹凸構造32の凹部32aの稜部37aまで充填することが望ましい。次に、図9Aに示すように、マスター型30の上方からサブマスター基板42を押圧する。この際、樹脂41bは、第1凹凸構造32からはみ出さず、第1転写部39内に収まっている。サブマスター基板42を押圧した状態で不図示のUV発生装置により紫外線を照射させ、間に挟まれた樹脂41bを硬化させる。この際、樹脂41bにマスター型30の第1転写面31及び第1凹凸構造32が転写され、樹脂41bに第2転写面43(第2光学転写面43a及び第2フランジ転写面43b)及び第2凹凸構造44が形成される。これにより、サブマスター樹脂部41が形成される。UV発生装置で用いる光源の例としては、キセノンアークランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、LED等が挙げられる。
次に、図9Bに示すように、マスター型30からサブマスター樹脂部41とサブマスター基板42とを一体として離型し、サブマスター型40が作製される。
次に、図9Cに示すように、サブマスター型40を構成する個々の第2転写部49上に樹脂51bをドット状に塗布又は供給する。ここで、樹脂51bは、第2転写部49のうち第2凹凸構造44の凹部44aの稜部47aまで充填することが望ましい。次に、図9Cに示すように、サブマスター型40の上方からサブサブマスター基板52を押圧する。この際、樹脂51bは、第2凹凸構造44からはみ出さず、第2転写部49内に収まっている。サブサブマスター基板52を押圧した状態で不図示のUV発生装置により紫外線を照射させ、間に挟まれた樹脂51bを硬化させる。この際、樹脂51bにサブマスター型40の第2転写面43及び第2凹凸構造44が転写され、樹脂51bに第3転写面53(第3光学転写面53a及び第3フランジ転写面53b)及び第3凹凸構造54が形成される。これにより、サブサブマスター樹脂部51が形成される。
次に、図9Dに示すように、サブマスター型40からサブサブマスター樹脂部51とサブサブマスター基板52とを一体として離型し、サブサブマスター型50が完成する。
次に、ウェハーレンズ100を作製する。図9Eに示すように、サブサブマスター型50を構成する個々の第3転写部59上に樹脂102b(第1樹脂層102を形成する光硬化性樹脂)をドット状に塗布又は供給する。ここで、樹脂102bは、第3転写部59のうち第3凹凸構造54の凹部54aの稜部57aまで充填することが望ましい。次に、図9Eに示すように、サブサブマスター型50の上方から基板101を押圧する。この際、樹脂102bは、第3凹凸構造54からはみ出さず、第3転写部59内に収まっている。基板101を押圧した状態で不図示のUV発生装置により紫外線を照射させ、間に挟まれた樹脂102bを硬化させる。この際、樹脂102bにサブサブマスター型50の第3転写面53が転写され、樹脂102bに第1成形面102a(第1光学面11d及び第1フランジ面11g)が形成される。これにより、第1樹脂層102が形成される。なお、続けて上述と同様の工程で基板101の他方の面101bに第2樹脂層103を形成してもよい。また、第1樹脂層102の形成後、環状のスペーサー(不図示)を基板101の一方の面101aに隣接する第1樹脂層102間を充填するような配置で接着した後に、他方の面101bに第2樹脂層103を形成してもよい。この場合、スペーサーが押さえになることによりウェハーレンズ100の反りを防止できる。
その後、図9Fに示すように、サブサブマスター型50から第1樹脂層102と基板101とを一体として離型する。既に第2樹脂層103が形成されている場合、ウェハーレンズ100が完成する。第1樹脂層102が形成されていない場合、同様の工程を行うことで第2樹脂層103が形成され、サブサブマスター型50の離型によってウェハーレンズ100が完成する。
なお、上記方法によって製造されたウェハーレンズ100は、積層され、第1レンズ本体11a等を中心として四角柱状にダイシングによって切り出され、不図示の複合レンズとなる。複数のウェハーレンズ100を積層する場合、ウェハーレンズ100間に絞りを設けてもよい。この場合、絞りの開口部が各第1レンズ本体11a等にアライメントして配置される。
以上説明したウェハーレンズ100の製造方法によれば、マスター型30が第1凹凸構造32を有することにより、マスター型30から成形された転写型であるサブマスター型40及びサブサブマスター型50でも隣接する第2及び第3光学転写面43a,53aの間の最も外側に凹部44a,54aを有することになる。これにより、マスター型30、サブマスター型40、サブサブマスター型50による各成形工程において、樹脂が最も外側の凹部32a,44a,54a内に入り込まないようにすることができ、第2及び第3光学転写面43a,53aを含む第2及び第3転写部49,59、第1及び第2光学面11d,12dを含む第1及び第2レンズ要素11,12が1つ1つ独立して繋がらない状態で成形することができる。そのため、樹脂が硬化する時に基板101にかかる応力を分散させることができ、サブマスター型40、サブサブマスター型50、基板101が反らず、第1及び第2レンズ要素11,12の形状のばらつきを防止することができる。
以上説明した転写型であるサブマスター型40及びその製造方法によれば、転写型であるサブマスター型40やサブサブマスター型50の第2及び第3転写部49,59を互いに独立して形成するため、サブマスター型40やサブサブマスター型50の製造の際に、各第2及び第3転写部49,59に対応して型基板面であるサブマスター基板42やサブサブマスター基板52を個別に押圧することができる。そのため、第2及び第3転写部49,59に供給する樹脂51b,102bを少なく、かつ低圧で押圧することができる。また、各第2及び第3転写部49,59にかかる圧力のばらつきを抑えることができる。また、第2及び第3転写部49,59の樹脂量を少なくすることができるため、硬化時の樹脂51b,102bの収縮量を少なくすることができる。そのため、サブマスター基板42やサブサブマスター基板52の反りを抑えることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第2実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第2実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第2実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図10A~10Dに示すように、マスター型30については凸形状の第1転写面31を有するものを用い、サブマスター型40については凹形状の第2転写面43を有するものを用いる。
図10A等に示すように、マスター型30には、隣接する第1光学転写面31aの間であり、かつ第1転写部39の外縁から第1フランジ転写面31bの外縁までにかけて、第1凹凸構造32が設けられている。第1凹凸構造32は、外側から内側に向けて順に、凹部32aと、凸部32bとを有する。本実施形態のマスター型30は、第1光学面11dを成形するために2回反転転写することを目的とする成形型であり、凹部と凸部の総数も2つになっている。ここで、第1凹凸構造32の凹部32aの側面35aの最も内寄りの稜部37aは、成形時に樹脂が凹部32a内に流れるのを抑えることに寄与する。第1凹凸構造32の凸部32bの側面35bの最も内寄りの稜部37bは、サブマスター型40の第2凹凸構造44の最も外側の凹部44aの転写に寄与する。第1凹凸構造32において、稜部37a,37bの数は、転写による反転回数に等しい。第1凹凸構造32の凹部32aの側面35aには、微細加工やコートによって、撥水加工がされている。
図10B等に示すように、サブマスター型40には、マスター型30と同様に、隣接する第2光学転写面43aの間であり、かつ第2転写部49の外縁から第2フランジ転写面43bの外縁までにかけて、第2凹凸構造44が設けられている。第2凹凸構造44は、凹部44aを有する。凹部44aは、マスター型30の第1凹凸構造32のうち凸部32bによって転写されたものである。ここで、第2凹凸構造44の凹部44aの側面45aの最も内寄りの稜部47aは、成形時に樹脂が凹部32a内に流れるのを抑えることに寄与する。第2凹凸構造44の側面45aは、微細加工やコートによって、撥水処理がされている。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第3実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第3実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第3実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図11Aに示すように、マスター型330において、凹部32a,32c及び凸部32bの側面35a,35c,35bは、段差38a,38c,38bをそれぞれ有する。これにより、成形時に樹脂が最外凹部である凹部32aの稜部37aを超えて凹部32a内に流入しても、段差38aの縁部E1によるブレーキ効果により樹脂が外周側に広がることを防ぐことができる。
図11Bに示すように、マスター型330と同様に、サブマスター型340において、第2凹凸構造44の凹部44a及び凸部44bの側面45a,45bは、段差48a,48bをそれぞれ有する。また、図11Cに示すように、サブサブマスター型350において、第3凹凸構造54の凹部54aの側面55aは、段差58aをそれぞれ有する。マスター型330の場合と同様に、サブマスター型340の凹部44aやサブサブマスター型350の凹部54aにおいても、段差48a,58aの縁部E1によるブレーキ効果により、樹脂が外周側に広がることを防ぐことができる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第4実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第4実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第4実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図12Dに示すように、本実施形態のウェハーレンズ410は、スペーサー付のウェハーレンズである。すなわち、ウェハーレンズ410は、各第1レンズ要素11の周囲にスペーサー74を有する。スペーサー74は、円環状の凸形状となっている。スペーサー74は、ウェハーレンズ410と他のウェハーレンズや部材等とを積層する際に、第1レンズ要素11を他のウェハーレンズ等に対して中空に支持可能にする。
図12Aに示すように、マスター型430は、スペーサー74を形成するためのスペーサー用成形面71を有する。スペーサー用成形面71は、第1フランジ転写面31bと第1凹凸構造32の最も内側の凹部32cとの間に形成されている。スペーサー用成形面71は、凹形状であり、後述するサブマスター型440のスペーサー用成形面72を形成する。
図12Bに示すように、サブマスター型440は、マスター型430のスペーサー用成形面71によって形成されたスペーサー用成形面72を有する。スペーサー用成形面72は、第2フランジ転写面43bと第2凹凸構造44の凸部44bとの間に形成されている。スペーサー用成形面72は、凸形状であり、後述するサブサブマスター型450のスペーサー用成形面73を形成する。
図12Cに示すように、サブサブマスター型450は、サブマスター型440のスペーサー用成形面72によって形成されたスペーサー用成形面73を有する。スペーサー用成形面73は、第3フランジ転写面53bと第3凹凸構造54の凹部54aとの間に形成されている。スペーサー用成形面73は、凹形状であり、図12Dに示すウェハーレンズ410のスペーサー74を形成する。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第5実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第5実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第5実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図13Dに示すように、ウェハーレンズ510は、1つの第1レンズ要素11に複数の第1レンズ本体11aを有する。つまり、1つの第1レンズ要素11の単位で複眼レンズを形成している。本実施形態の場合、1つのレンズ要素11内に、例えば4つの第1レンズ本体11aが設けられている。第1フランジ部11bは、この複数の第1レンズ本体11aの周囲に設けられている。
図13Aに示すように、マスター型530は、第1レンズ要素11の複数の第1レンズ本体11aを形成するための複数の第1光学転写面31aを有する。
図13Bに示すように、サブマスター型540は、マスター型530の第1光学転写面31aによって形成された複数の第2光学転写面43aを有する。
図13Cに示すように、サブサブマスター型550は、サブマスター型540の第2光学転写面43aによって形成された複数の第3光学転写面53aを有する。
詳細な説明は省略するが、図13Aに示すマスター型530を図13Bに示すサブマスター型540と同様の形状とすることにより、図13Cに示すサブサブマスター型550と同様の形状のサブマスター型を得ることができ、このサブマスター型から図13Dに示すウェハーレンズ510を得ることができる。
以上、本実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明したが、本発明に係るウェハーレンズの製造方法等は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、第1及び第2光学面11d,12dの形状、大きさは、用途や機能に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態において、ウェハーレンズ100内に形成される第1及び第2レンズ要素11,12の数も、図示の9つに限らず、2つ以上の複数(10以上の多数を含む)とすることができる。この際、第1及び第2レンズ要素11,12の配置は、ダイシングの都合から格子点上が望ましい。さらに、隣接するレンズ要素11,12の間隔も、図示のものに限らず、加工性等を考慮して適宜設定することができる。その他一般的には、空間的な効率を考慮して、例えばマスター型30の隣接する一対の第1転写部39間の間隔(外縁間の距離)を第1転写部39の直径よりも小さくする。
マスター型30の第1転写部39を非円形とすることもできる。具体的には、例えば第1凹凸構造32を構成する凹部32a,32c及び凸部32bを軸に垂直な面で考えて長円、楕円その他の環状に形成することができる。
また、上記実施形態において、サブサブマスター型50第3転写面53に樹脂を塗布又は供給したが、基板101の一方の面101a及び他方の面101bに樹脂を塗布又は供給してもよい。
また、上記実施形態において、基板101の一方の面101a及び他方の面101bに予めカップリング剤を塗布してもよい。また、各型30,40,50の各転写面31,43,53に予め離型剤を塗布してもよい。
また、上記実施形態において、第1凹凸構造32等の内側や外側にブレーキ効果に寄与しない構造が設けられていてもよい。
また、上記実施形態において、第1凹凸構造32に例えば光軸OAから放射状に延びる切れ込みが形成されていてもよい。
また、上記実施形態において、図14に示すように、第1凹凸構造32の凹部32a,32c及び凸部32bの角R1,R2,R3,R4,R5,R6にRが形成されていてもよい。この場合、第1凹凸構造32の角のRは、第1光学転写面31aの加工用の切削刃と同一の切削刃によって形成される。同一の切削刃でマスター型30の第1レンズ成形部61と第1凹凸構造32とを続けて加工することができる。これにより、マスター型30を精度良く加工することができる。なお、第1凹凸構造32の角R1,R2,R3,R4,R5,R6にRが形成されても、凹部32aによって生じる空間があるため、毛細管現象等により樹脂の広がりを抑えることができる。
Claims (34)
- 基板と、前記基板の一方の基板面上に成形され光学面を含む複数の樹脂製の成形部と、を備えるウェハーレンズの製造方法であって、
複数の前記光学面に対応する複数の光学転写面を有する転写型を用いて前記複数の成形部を成形する工程を備え、
前記転写型の転写面は、前記成形部に対応する転写面を有する成形金型を利用する1回以上の反転を伴う転写によって形成され、
前記成形金型は、前記光学転写面の周囲であって、かつ転写対象の最も外側に外周凹部を形成するための凹凸構造を有し、
前記凹凸構造は、最も外側に最外凹部を有する、ウェハーレンズの製造方法。 - 前記凹凸構造は、前記最外凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記複数の光学転写面の転写回数と前記最外凹部を含む前記凹部及び前記凸部の総数とが等しい、請求項1に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記凹凸構造は、前記最外凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記最外凹部を含む前記凹部の側面の最も内寄りの稜部及び前記凸部の側面の最も内寄りの稜部の数は、転写による反転回数に等しい、請求項1に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記転写型は、前記成形金型から2回の転写によって形成されるサブサブマスター型である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記転写型は、前記成形金型から1回の転写によって形成されるサブマスター型である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記成形金型の前記最外凹部の側面及び前記転写型の前記外周凹部の側面に撥水性を付与する微細加工及びコートのいずれか一方を行う、請求項1から5までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記凹凸構造は、前記凹部及び前記凸部の角にRを有する、請求項2から6までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記成形金型の前記転写面に個別に樹脂を供給する、請求項1から7までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記凹凸構造は、環状の凹部と環状の凸部とを交互に有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記ウェハーレンズの前記成形部は、複数の光学面を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 基板の一方の基板面上に成形され光学面を含む複数の樹脂製の成形部を備えるウェハーレンズを成形するための複数の前記光学面に対応する複数の光学転写面を有する転写型を成形する成形金型であって、
前記転写型の光学転写面の周囲であって、かつ転写対象の最も外側に外周凹部を形成するための凹凸構造を有し、
前記凹凸構造は、最も外側に最外凹部を有する、成形金型。 - 前記凹凸構造は、前記最外凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記複数の光学転写面の転写回数と前記最外凹部を含む前記凹部及び前記凸部の総数とが等しい、請求項11に記載の成形金型。
- 前記凹凸構造は、前記最外凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記最外凹部を含む前記凹部の側面の最も内寄りの稜部及び前記凸部の側面の最も内寄りの稜部の数は、転写による反転回数に等しい、請求項11に記載の成形金型。
- 前記最外凹部の側面に撥水性を付与する微細加工及びコートのいずれか一方が行われる、請求項11から13までのいずれか1項に記載の成形金型。
- 前記凹凸構造は、前記凹部及び前記凸部の角にRを有する、請求項11から14までのいずれか1項に記載の成形金型。
- 基板の一方の基板面上に成形され少なくとも1つの光学面を含む複数の樹脂製の成形部を備えるウェハーレンズを成形するため、複数の前記光学面に対応する複数の光学転写面を有する転写型であって、
型基板と、
前記型基板の一方の型基板面上に互いに独立して形成され、前記ウェハーレンズの前記成形部に対応する複数の樹脂製の転写部と、
を備える、転写型。 - 前記転写部は、凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、最も外側に外周凹部を有する、請求項16に記載の転写型。
- 前記凹凸構造は、前記外周凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記複数の光学転写面の転写回数と、前記外周凹部を含む前記凹部及び前記凸部の総数とが等しい、請求項17に記載の転写型。
- 前記凹凸構造は、前記外周凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記外周凹部を含む前記凹部の側面の最も内寄りの稜部及び前記凸部の側面の最も内寄りの稜部の数は、転写による反転回数に等しい、請求項17に記載の転写型。
- 前記外周凹部の側面は、微細加工及びコートのいずれか一方による撥水部を有する、請求項17から19までのいずれか1項に記載の転写型。
- 前記ウェハーレンズの前記成形部は、複数の光学面を有する、請求項16から20までのいずれか1項に記載の転写型。
- 基板と、前記基板の一方の基板面上に成形され少なくとも1つの光学面を含む複数の樹脂製の成形部と、を備えるウェハーレンズを製造するための転写型の製造方法であって、
前記成形部に対応する転写面を有する成形金型を利用する1回以上の反転を伴う転写によって、型基板の少なくとも一方の型基板面上に前記成形部に対応する複数の樹脂製の転写部を互いに独立して成形する工程を備える、転写型の製造方法。 - 前記成形金型の前記転写面に個別に樹脂を供給する、請求項22に記載の転写型の製造方法。
- 前記転写部は、前記光学面に対応する少なくとも1つの光学転写面と、凹凸構造とを有し、前記凹凸構造は、最も外側に外周凹部を有する、請求項22及び23のいずれか1項に記載の転写型の製造方法。
- 前記凹凸構造は、前記外周凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記複数の光学転写面の転写回数と、前記外周凹部を含む前記凹部及び前記凸部の総数とが等しい、請求項24に記載の転写型の製造方法。
- 前記凹凸構造は、前記外周凹部を起点として凹部と凸部とを交互に有し、前記外周凹部を含む前記凹部の側面の最も内寄りの稜部及び前記凸部の側面の最も内寄りの稜部の数は、転写による反転回数に等しい、請求項24に記載の転写型の製造方法。
- 前記転写型は、前記成形金型から2回の転写によって形成されるサブサブマスター型である、請求項22から26までのいずれか1項に記載の転写型の製造方法。
- 前記転写型は、前記成形金型から1回の転写によって形成されるサブマスター型である、請求項22から26までのいずれか1項に記載の転写型の製造方法。
- 前記外周凹部の側面に撥水性を付与する微細加工及びコートのいずれか一方を行う、請求項24から28までのいずれか1項に記載の転写型の製造方法。
- 基板と、前記基板の一方の基板面上に成形され少なくとも1つの光学面を含む複数の樹脂製の成形部と、を備えるウェハーレンズの製造方法であって、
前記成形部に対応する第1転写部を有する成形金型を形成する工程と、
前記成形金型によって、型基板の少なくとも一方の型基板面上に互いに独立して形成され、前記成形部に対応する複数の樹脂製の第2転写部を有するサブマスター型を成形する工程と、
を備える、ウェハーレンズの製造方法。 - 前記第1転写部は、前記光学面に対応する少なくとも1つの第1光学転写面と、第1凹凸構造とを有し、
第2転写部は、前記光学面に対応する少なくとも1つの第2光学転写面と、第2凹凸構造とを有し、
前記第1凹凸構造は、前記第1転写部の最も外側に最外凹部を有し、
前記第2凹凸構造は、前記第2転写部の最も外側に外周凹部を有する、請求項30に記載のウェハーレンズの製造方法。 - 前記サブマスター型によって、型基板の少なくとも一方の型基板面上に互いに独立して形成され、前記成形部に対応する複数の樹脂製の第3転写部を有するサブサブマスター型を成形する工程を備える、請求項30及び31のいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
- 前記第3転写部は、前記光学面に対応する少なくとも1つの第3光学転写面と、第3凹凸構造とを有し、
前記第3凹凸構造は、前記第3転写部の最も外側に外周凹部を有する、請求項32に記載のウェハーレンズの製造方法。 - 前記第1、第2、及び第3転写部に個別に樹脂を供給する、請求項30から33までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
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