JPWO2010131368A1 - 歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法 - Google Patents

歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法 Download PDF

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Abstract

本発明の歯列矯正用装置10は、歯列矯正用アタッチメント11が、アーチワイヤスロット16の側部に係合部17を形成し、歯列矯正用キャップ13は、アーチワイヤスロット16を全面的に覆って歯列矯正用アタッチメント11に被着され、アーチワイヤ12の近遠心方向に直交する方向に係合部17に係止可能な係合部受22を備えている。このような歯列矯正用装置によれば、歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットにアーチワイヤを保定する際、歯列矯正用アタッチメントを介して歯列矯正用キャップで保定することによって、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗を軽減できる。また、本発明は、歯列矯正用キャップで歯列矯正用アタッチメントとアーチワイヤを覆うため審美的な外観を備えるとともに、歯列矯正用アタッチメントへの歯列矯正用キャップの着脱が容易になる歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法を提供する。

Description

本発明は、歯列をアーチワイヤで矯正するためにアーチワイヤを保定した歯列矯正用アタッチメントおよび歯列矯正用アタッチメントに被着される歯列矯正用キャップからなる歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法に関する。
従来、歯列矯正治療は、歯牙に取付けたブラケットやチューブ等のアタッチメントにアーチワイヤを装着し、アーチワイヤの持つ復元力を歯牙に伝えることにより行われている。そのため、アーチワイヤをブラケットのアーチワイヤスロット内に保定するために、ブラケットのタイウイングに引っ掛けてアーチワイヤを保定するウレタン樹脂やシリコン樹脂等の合成樹脂製のエラストメリックリングや、金属製のリガチャーワイヤ等の結紮線が一般的に用いられてきた。
しかしながら、前者はその材質の性質上、口腔内環境下では劣化して弾性を失ったり、切れやすくなったりするため、頻繁に取り替える必要性が生じ、結果的に患者やドクターにとって大きな負担となっていた。
一方、後者は金属製なので目立つとともに、結紮の加減が難しく、強く結紮し過ぎた場合にはアーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗が増して、所望する矯正力が得られず、治療期間の延滞の原因になっていた。さらには、ワイヤの切端で患者の口腔粘膜を傷つけてしまったりする虞もあった。
そこで、これらの問題を解決するために、ブラケットに容易に脱着可能で、アーチワイヤとの摩擦抵抗を軽減でき、且つ審美的な結紮具が求められてきた。
このような背景に鑑み、ブラケット表面を全面的に覆ってアーチワイヤを結紮することで、アーチワイヤとの摩擦抵抗を減らして歯をスムースに移動させることが可能な弾性材からなる結紮シートがある(例えば、特許文献1参照)。
また、上記と同様に、ブラケット表面全体を覆ってアーチワイヤを結紮し、さらに補助ワイヤを取付けるためのフックやブラケットヘの嵌合部を設け、歯牙色に近似した弾性体材料からなる歯列矯正用ブラケットキャップがある(例えば、特許文献2,3,4参照)。
一方、アーチワイヤスロット及び近遠心タイウイング間に係合させて使用するクロス状の結紮具がある(例えば、特許文献5参照)。
日本国特公平6−87861号公報 日本国特開平3−146052号公報 日本国特許第2867498号公報 日本国特許第2867499号公報 日本国特開2004−329912号公報
ところが、上記特許文献1,2,3,4に開示された従来の歯列矯正用装置では、ブラケット等のアタッチメントヘの装着がし難かったり、アタッチメントの表面全体を覆うために結紮具が大きくなったり、口腔内で強い違和感を与えてしまったりすることがあった。
加えて、上記特許文献5に開示された従来の歯列矯正用装置では、汎用性が無いため、アタッチメントの部位別に異なるサイズの結紮具を使用しなければならず、ドクターにとっては識別の手間がかかるだけでなく、患者にとっては治療費の負担増を招いていた。
さらに、このような結紮具はアタッチメントから取り外す際に、結紮具自体をカッターなどで切断しなければ外れない構造となっていて、手間のかかる作業が伴った。
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットにアーチワイヤを保定する際、歯列矯正用アタッチメントを介して歯列矯正用キャップで保定することによって、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗を軽減できる歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法を提供することにある。
また、歯列矯正用キャップで歯列矯正用アタッチメントとアーチワイヤを覆うため審美的な外観を備えるとともに、歯列矯正用アタッチメントへの歯列矯正用キャップの着脱が容易になる歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法を提供することにある。
本発明の目的は、アーチワイヤを収容するアーチワイヤスロットを形成した歯列矯正用アタッチメントと、前記歯列矯正用アタッチメントに装着される歯列矯正用キャップと、からなる歯列矯正用装置であって、前記歯列矯正用アタッチメントは、前記アーチワイヤスロットの側部に係合部を形成し、前記歯列矯正用キャップは、前記アーチワイヤスロットを全面的に覆って前記歯列矯正用アタッチメントに被着され、前記アーチワイヤの軸方向に直交する方向に、前記係合部に係止可能な係合部受を備えたことを特徴とする歯列矯正用装置により達成される。
上記構成の歯列矯正用装置では、歯列矯正用アタッチメントに歯列矯正用キャップを装着するに際し、歯列矯正用アタッチメントを歯牙に接合し、歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットにアーチワイヤを落とし込む。次に、歯列矯正用アタッチメントに歯列矯正用キャップを被着していき、歯列矯正用アタッチメントの係合部に歯列矯正用キャップの係合部受を係止する。このとき、歯列矯正用キャップの係合部受は、アーチワイヤの近遠心方向(軸方向)に直交する方向に設けられた歯列矯正用アタッチメントの係合部に係止される。
これにより、歯列矯正用キャップの係合部受は、アーチワイヤの影響を受けない位置に設けられた歯列矯正用アタッチメントの係合部に簡単に係止される。従って、アーチワイヤをアーチワイヤスロットに保定した際に審美的な外観を備え、歯列矯正用キャップを容易に装着することができる。
上記構成の歯列矯正用装置では、歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットに落とし込まれたアーチワイヤを歯列矯正用アタッチメントを介して歯列矯正用キャップで保持するため、アーチワイヤに負荷を直接かけずに保定できる。従って、アーチワイヤをアーチワイヤスロットに保定した際に、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗を軽減することができる。
本発明の目的は、上記構成において、前記歯列矯正用アタッチメントの前記係合部は、係止解除用の切欠部を形成し、該切欠部に解除用治具を挿入することで、前記歯列矯正用キャップの前記係合部受は、前記歯列矯正用アタッチメントの外方への移動により前記係合部から係止解除されることを特徴とする歯列矯正用装置により達成される。
上記構成の歯列矯正用装置では、歯列矯正用装置の係止解除を行う際に、歯列矯正用アタッチメントの切欠部にピンセット等の解除用冶具を挿入して係合部受を押圧することで、歯列矯正用キャップは、その係合部受が歯列矯正用アタッチメントの係合部から外れて係止解除される。従って、係止解除を簡単に行うことができる。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップには、前記アーチワイヤスロットの近遠心方向に、前記アーチワイヤスロット内に突出するアーチワイヤ支持突起が形成されていることが好ましい。
これにより、アーチワイヤスロットに落とし込まれたアーチワイヤを、アーチワイヤスロット内で歯列矯正用キャップのアーチワイヤ支持突起により必要に応じて踊りを生じないように支持することができる。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップには、近遠心方向の両端部に一対の切欠凹部が形成されていることが好ましい。
これにより、前歯部が捻転している場合や歯の舌側面に取り付けた歯列矯正用アタッチメントに装着する場合に、歯列矯正用キャップがアーチワイヤに対して過剰な負荷が掛からないようにすることができるので、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗が軽減される。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップには、補助ワイヤを挿入可能なサブスロットが形成されていることが好ましい。
これにより、サブスロットに挿通した補助ワイヤを用いて歯牙の圧下や牽引を行なうことができる。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップには、パワーアームが形成されていることが好ましい。
これにより、パワーアームにチェーンやエラスティックやコイルスプリング等を引っ掛けて、犬歯や小臼歯の近遠心移動を行うことができる。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップには、フックが形成されていることが好ましい。
これにより、フックにチェーンやエラスティックやコイルスプリング等を引っ掛けて犬歯や小臼歯の近遠心移動を行うことができる。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップは、近遠心方向及び近遠心方向と直交する歯軸方向に対して、軸対称であることが好ましい。
これにより、歯列矯正用キャップが、近遠心方向及び近遠心方向と直交する歯軸方向に対して軸対称に形成されているので、上下及び左右の方向指定を受けないため装着作業が容易であるとともに、歯列矯正用アタッチメントの係合部に対して歯列矯正用キャップの係合部受を安定的に係止させることができる。
また、上記構成において、前記歯列矯正用キャップに連設されている切離可能なタブをさらに有することが好ましい。
これにより、歯列矯正用アタッチメントを歯牙に接合してから歯列矯正用キャップを歯列矯正用アタッチメントに装着する際に、タブを掴むことにより歯列矯正用キャップの取り扱いを一層容易にすることができる。
また、本発明の目的は、アーチワイヤを収容するアーチワイヤスロットを形成した歯列矯正用アタッチメントに装着される歯列矯正用キャップの着脱方法であって、
前記歯列矯正用キャップの装着時は、前記歯列矯正用アタッチメントの上方から該歯列矯正用キャップを被着することで、前記アーチワイヤスロットに形成された係合部に該歯列矯正用キャップ側に形成された係合部受が係止されるとともに、前記歯列矯正用キャップの離脱時は、前記係合部に形成された係止解除用の切欠部に解除用治具を挿入することで、前記歯列矯正用キャップの前記係合部受が前記歯列矯正用アタッチメントの外方に移動して前記係合部から係止解除されることを特徴とする歯列矯正用キャップの着脱方法により達成される。
上記構成の歯列矯正用キャップの着脱方法では、装着時は、歯列矯正用キャップの係合部受を、アーチワイヤの影響を受けない位置に設けられた歯列矯正用アタッチメントの係合部に簡単に係止される。また、離脱時は、切欠部に解除用治具を挿入することで、係合部受を係合部から簡単に係止解除することができる。従って、歯列矯正用キャップで歯列矯正用アタッチメントとアーチワイヤを覆うため、審美的な外観を備えるとともに、歯列矯正用アタッチメントへの歯列矯正用キャップの着脱を容易に行うことができる。
また、歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットに落とし込まれたアーチワイヤを歯列矯正用アタッチメントを介して歯列矯正用キャップで保持するため、アーチワイヤに負荷を直接かけずに保定できる。従って、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗を軽減することができる。
本発明の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法によれば、歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットにアーチワイヤを保定する際、歯列矯正用アタッチメントを介して歯列矯正用キャップで保定することによって、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの摩擦抵抗を軽減することができる。
また、歯列矯正用キャップで歯列矯正用アタッチメントとアーチワイヤを覆うため、審美的な外観を備えるとともに、歯列矯正用アタッチメントへの歯列矯正用キャップの着脱を容易に行うことができる。
本発明に係る第1実施形態の歯列矯正用装置の斜め上方から視た外観斜視図である。 図1の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用アタッチメントの斜め上方から視た外観斜視図である。 図2の歯列矯正用アタッチメントのアーチワイヤスロットを正面にして視た外観斜視図である。 図1の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 図4の歯列矯正用キャップの底面図である。 図1の歯列矯正用装置の係止解除を説明する斜め上方から視た外観斜視図である。 図1の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの変形例を示す外観斜視図である。 本発明に係る第2実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第3実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第4実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第5実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第6実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第7実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第8実施形態の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第9実施形態の歯列矯正用装置の斜め上方から視た外観斜視図である。 図15の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用アタッチメントの斜め上方から視た外観斜視図である。 図15の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第10実施形態の歯列矯正用装置の斜め上方から視た外観斜視図である。 図18の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用アタッチメントの斜め上方から視た外観斜視図である。 図18の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第11実施形態の歯列矯正用装置の斜め上方から視た外観斜視図である。 図21の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用アタッチメントの斜め上方から視た外観斜視図である。 図21の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第12実施形態の歯列矯正用装置の斜め上方から視た外観斜視図である。 図24の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用アタッチメントの斜め上方から視た外観斜視図である。 図24の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用キャップの斜め上方から視た外観斜視図である。 本発明に係る第13実施形態の歯列矯正用装置の斜め上方から視た外観斜視図である。 図27の歯列矯正用装置に適用される歯列矯正用アタッチメントの斜め上方から視た外観斜視図である。
以下、本発明の複数の実施形態に係る歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である歯列矯正用装置10は、歯牙1に固定される歯列矯正用アタッチメント11と、歯列矯正用アタッチメント11に保定されて歯列に平行に配置されるアーチ形状のアーチワイヤ12と、歯列矯正用アタッチメント11に装着される歯列矯正用キャップ13と、を備える。
図2、図3に示すように、歯列矯正用アタッチメント11は、歯牙1の表面に接着剤で固着されるベース14を備え、ベース14上に配置されたアタッチメント本体15にアーチワイヤスロット16を形成している。アーチワイヤスロット16は、アタッチメント本体15の両側部に向けて開口しており、金属製のアーチワイヤ12の外径寸法よりもわずかに大きい寸法を有する角溝形状に形成されている。
歯列矯正用アタッチメント11は、アタッチメント本体15におけるアーチワイヤスロット16の側部に一対の係合部17をそれぞれ突出形成している。係合部17は先端部が斜め下方を向くフック形状に形成されている。
歯列矯正用アタッチメント11は、係合部17の中央部に係止解除用の切欠部18を形成している。
図4、図5に示すように、歯列矯正用キャップ13は、天部に配置されるキャップ本体19の上下に2本ずつの足部20,21を備えている。歯列矯正用キャップ13は、歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16における近遠心方向に直交する上方に配置される一対の足部20の間と、アーチワイヤスロット16における近遠心方向に直交する下方に配置される一対の足部21の間とに係合部受22をそれぞれ形成している。係合部受22は、円柱状に形成されており、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17にそれぞれ係止される。
歯列矯正用キャップ13は、近遠心方向及び近遠心方向と直交する歯軸方向に対して、軸対称に形成されている。
歯列矯正用キャップ13には、キャップ本体19の底面に、歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16の近遠心方向に突出していてアーチワイヤスロット16内に挿入されるアーチワイヤ支持突起23が突出形成されている。アーチワイヤ支持突起23は、アーチワイヤスロット16内に挿入されたアーチワイヤ12を押さえ付けるものではなく、アーチワイヤスロット16内のアーチワイヤ12が必要に応じて踊らないように支持する程度の機能を有する。
歯列矯正用アタッチメント11は、歯の唇側面に取り付けるものと、舌側(裏面)に取り付けるもの(リンガルブラケットと云う)とがあり、いずれの箇所にも使用することができる。
歯列矯正用アタッチメント11の素材としては、金属、セラミック、プラスチックのいずれでも良い。より好ましくは、セラミックやプラスチック等の成形の容易な審美性を有する材料が良い。
歯列矯正用キャップ13の素材としては、熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性エラストマーまたはこれらの素材を混合した材料、或いは熱硬化性樹脂若しくは熱硬化性エラストマーまたはこれらの素材を混合した材料が良い。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ボリアセタール、シクロオレフィンポリマーとすることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系、エチレン系、ポリアミド系、スチレン系、ウレタン系、シリコン系、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体が適用できる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂とすることができる。
熱硬化性エラストマーとしては、例えば、ウレタン系、シリコン系を適用することができる。
このような歯列矯正用装置10は、アーチワイヤスロット16を歯列に平行に向けた歯列矯正用アタッチメント11のベース14を接着剤などにより歯牙1に接合する。そして、歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16にアーチワイヤ12を落とし込む。
次に、歯列矯正用アタッチメント11の上方から歯列矯正用キャップ13を押圧することで被着させる。このとき、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17に歯列矯正用キャップ13の係合部受22がそれぞれ係止する。歯列矯正用キャップ13は、その両端部に係合部受22をそれぞれ装備しているため、上下方向の指定を受けずに任意の方向で歯列矯正用アタッチメント11に装着される。
即ち、歯列矯正用キャップ13の係合部受22は、歯列に平行に配置されているアーチワイヤ12の近遠心方向に直交する上下位置で、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17にそれぞれ係止される。
これにより、歯列矯正用キャップ13の係合部受22は、アーチワイヤ12の影響を受けない位置で、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17に簡単に係止される。
そして、アーチワイヤスロット16に落とし込まれたアーチワイヤ12は、アーチワイヤスロット16内で、歯列矯正用キャップ13のアーチワイヤ支持突起23により踊り等を生じることなく支持される。
なお、歯列矯正用アタッチメント11がプラスチックからなる場合、アタッチメント本体15のアーチワイヤスロット16を補強するために、メタルインサートが内設される。
図6に示すように、歯列矯正用装置10の係止解除を行う際に、歯列矯正用アタッチメント11の切欠部18内にスケーラー等の器具5を挿入し、この器具5をキャップ本体19に当接させながら、てこの原理を用いて歯列矯正用キャップ13の係合部受22を押圧する。
これにより、歯列矯正用キャップ13は、その係合部受22が歯列矯正用アタッチメント11の外方である近遠心方向と直交する上下方向に変位することにより、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17から簡単に外れて係止解除される。
前述した第1実施形態の変形例を図7に示す。この歯列矯正用キャップ13Aは、アーチワイヤスロット16に対応するキャップ本体19の近遠心方向の両端部に一対の切欠凹部24を有している。この切欠凹部24は、前歯部が捻転している場合や歯の舌側面に取り付けた歯列矯正用アタッチメント11に装着する場合に、歯列矯正用キャップ13Aがアーチワイヤ12に対して過剰な負荷を掛けないようにするためのものである。これにより、アーチワイヤ12とアーチワイヤスロット16との摩擦抵抗を軽減することができる。
本発明の第1実施形態の歯列矯正用装置10及び歯列矯正用キャップ13の着脱方法では、歯列矯正用アタッチメント11に歯列矯正用キャップ13を装着する際に、歯列矯正用アタッチメント11を歯牙1に接合し、歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16にアーチワイヤ12を落とし込む。
次に、歯列矯正用アタッチメント11の上方から歯列矯正用キャップ13を押圧しながら被着させていき、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17に歯列矯正用キャップ13の係合部受22が係止する。このとき、歯列矯正用キャップ13の係合部受22は、アーチワイヤ12の近遠心方向に直交する方向で、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17に係止される。
これにより、歯列矯正用キャップ13の係合部受22は、アーチワイヤ12の影響を受けない位置で、歯列矯正用アタッチメント11の係合部17に簡単に係止される。従って、アーチワイヤ12をアーチワイヤスロット16に保定した際に審美的な外観を備えるとともに、歯列矯正用キャップ13を容易に装着することができる
また、歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16に落とし込まれたアーチワイヤ12を歯列矯正用アタッチメント11を介して歯列矯正用キャップ13で保持する。これにより、アーチワイヤ12に負荷を直接かけずに保定できる。従って、アーチワイヤ12をアーチワイヤスロット16に保定した際に、アーチワイヤ12とアーチワイヤスロット16との摩擦抵抗を軽減することができる。
また、係止解除を行う際に、歯列矯正用アタッチメント11の切欠部18内にスケーラー等の器具を挿入して係合部受22を押圧する。これにより、歯列矯正用キャップ13は、その係合部受22が歯列矯正用アタッチメント11の係合部17から外れて係止解除される。従って、係止解除を簡単に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。また、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図8に示すように、本発明の第2実施形態の歯列矯正用装置30は、歯列矯正用キャップ31の足部20に切離可能なタブ32が連設されている。タブ32は丸孔33を有する。
タブ32は、歯列矯正用アタッチメント11に歯列矯正用キャップ31を装着する際の把持部として機能するため、手指で簡単に掴めるような板形状に形成されている。タブ32は、切断片34を介して足部20に接続されている。切断片34は、タブ32側の厚さを厚くした等脚台形状に形成されている。
このような歯列矯正用装置30は、歯牙1に接合された歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16にアーチワイヤ12を落とし込んでから歯列矯正用キャップ31を歯列矯正用アタッチメント11に装着する。具体的には、タブ32と反対側の一方の係合部受22を歯列矯正用アタッチメント11側の一方の係合部17に係合させてから、タブ32を手前に引っ張ることで、歯列矯正用キャップ31を僅かに延伸させ、他方のタブ32側の係合部受22を他方の係合部17に係合させることにより装着する。
次に、タブ32の丸孔33にピンセット等を差し込んで切断片34を切断し、タブ32を歯列矯正用キャップ31からねじり取る。
本発明の第2実施形態の歯列矯正用装置30及び歯列矯正用キャップ31の着脱方法では、歯列矯正用アタッチメント11を歯牙1に接合してから歯列矯正用キャップ31を歯列矯正用アタッチメント11に装着する際に、タブ32を掴むことにより歯列矯正用キャップ31の取り扱いを容易にすることができる。なお、タブ32は、本発明の他の実施形態の歯列矯正用装置の歯列矯正用キャップに連設されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図9に示すように、本発明の第3実施形態の歯列矯正用装置40に適用される歯列矯正用キャップ41には、サブスロット42が形成されている。
サブスロット42は、歯列矯正用キャップ41の足部21を連通して形成されており、補助ワイヤ43を挿通する。
このような歯列矯正用装置40は、歯牙1に接合された歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16にアーチワイヤ12を落とし込んでから歯列矯正用キャップ41を歯列矯正用アタッチメント11に装着する。
次に、歯列矯正用キャップ41のサブスロット42に補助ワイヤ43を挿通する。
本発明の第3実施形態の歯列矯正用装置40及び歯列矯正用キャップ41の着脱方法では、歯列矯正用キャップ41にサブスロット42を形成したことで、サブスロット42に挿通した補助ワイヤ43を用いて歯牙1の圧下や牽引を行なうことができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図10に示すように、本発明の第4実施形態の歯列矯正用装置50に適用される歯列矯正用キャップ51は、サブスロット52を形成しているとともに、タブ53を形成している。
サブスロット52は、歯列矯正用キャップ51の足部21を連通して形成されており、補助ワイヤ54を挿通する。
タブ53は、足部20に切離可能に連設されており、丸孔55を有する。タブ53は、不図示の切断片を介して足部20に接続されている。
このような歯列矯正用装置50は、歯牙1に接合された歯列矯正用アタッチメント11のアーチワイヤスロット16にアーチワイヤ12を落とし込んでから歯列矯正用キャップ51を歯列矯正用アタッチメント11に装着する。
次に、タブ53の丸孔55にスケーラー等を差し込んで切断片を切断し、タブ53を歯列矯正用キャップ51からねじり取る。その後、歯列矯正用キャップ51のサブスロット52に補助ワイヤ54を挿通する。
本発明の第4実施形態の歯列矯正用装置50及び歯列矯正用キャップ51の着脱方法では、歯列矯正用キャップ51にサブスロット52を形成したことで、サブスロット52に挿通した補助ワイヤ54を用いて歯牙の圧下や牽引を行なうことができる。
また、歯列矯正用キャップ51を歯列矯正用アタッチメント11に装着する際に、タブ53を掴むことにより歯列矯正用キャップ51の取り扱いを容易にすることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図11に示すように、本発明の第5実施形態の歯列矯正用装置60に適用される歯列矯正用キャップ61は、足部21にパワーアーム62が形成されている。
パワーアーム62は、フック形状に形成されており、チェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けることで、犬歯や小臼歯の近遠心移動を行う。
本発明の第5実施形態の歯列矯正用装置60及び歯列矯正用キャップ61の着脱方法では、歯列矯正用キャップ61にパワーアーム62を形成したことにより、パワーアーム62にチェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けて犬歯や小臼歯の近遠心移動を行うことができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図12に示すように、本発明の第6実施形態の歯列矯正用装置70に適用される歯列矯正用キャップ71は、足部21にパワーアーム72を形成しているとともに、タブ73を形成している。
パワーアーム72は、フック形状に形成されており、チェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けることにより、犬歯や小臼歯の近遠心移動を行う。
タブ73は、足部20に切離可能に連設されており、丸孔74を有する。タブ73は、切断片75を介して足部20に接続されている。
本発明の第6実施形態の歯列矯正用装置70及び歯列矯正用キャップ71の着脱方法では、歯列矯正用キャップ71にパワーアーム72を形成したことにより、パワーアーム72にチェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けて犬歯や小臼歯の近遠心移動を行うことができる。
また、歯列矯正用キャップ71を歯列矯正用アタッチメント11に装着する際に、タブ73を掴むことで、歯列矯正用キャップ71の取り扱いを容易にすることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図13に示すように、本発明の第7実施形態の歯列矯正用装置80に適用される歯列矯正用キャップ81は、足部21にフック82が形成されている。
フック82は、係止突起形状に形成されており、パワーアーム72と同様にチェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けることで、犬歯や小臼歯の近遠心移動を行う。
本発明の第7実施形態の歯列矯正用装置80及び歯列矯正用キャップ81の着脱方法では、歯列矯正用キャップ81にフック82を形成したことにより、フック82にチェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けて犬歯や小臼歯の近遠心移動を行うことができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。なお、歯列矯正用アタッチメントは、第1実施形態と同一構成であるため図示を省略する。
図14に示すように、本発明の第8実施形態の歯列矯正用装置90に適用される歯列矯正用キャップ91は、足部21にフック92を形成しているとともに、丸孔94を有するタブ93を形成している。
本発明の第8実施形態の歯列矯正用装置90及び歯列矯正用キャップ91の着脱方法では、歯列矯正用キャップ91にフック92を形成したことにより、フック92にチェーン、エラスティック、コイルスプリング等を引っ掛けて犬歯や小臼歯の近遠心移動を行うことができる。また、歯列矯正用キャップ91を歯列矯正用アタッチメント11に装着する際に、タブ93を掴むことで歯列矯正用キャップ91の取り扱いを容易にすることができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。
図15,16,17に示すように、本発明の第9実施形態の歯列矯正用装置100は、歯列矯正用アタッチメント101が、ベース102の中央部に配置された一対の突部103と、突部103の間に形成された歯列矯正用アタッチメント側アーチワイヤスロット104と、ベース102の両側部にそれぞれ形成された係合部受105と、を備えている。
第9実施形態の歯列矯正用装置100は、歯列矯正用キャップ106が、アーチ形状の天板107と、天板107の両側部に接続された一対の側板108と、側板108の中央部で下方を開放した歯列矯正用キャップ側アーチワイヤスロット109と、天板107の端部で歯列矯正用アタッチメント101の係合部受105に係合される係合部110と、を備えている。
第9実施形態の歯列矯正用装置100は、歯列矯正用キャップ106が歯列矯正用アタッチメント101に被着されることで、係合部受105に係合部110が係合される。そして、歯列矯正用アタッチメント側アーチワイヤスロット104と歯列矯正用キャップ側アーチワイヤスロット109とが一体的に連通形成される。
また、歯列矯正用装置100の係止解除を行う際には、歯列矯正用アタッチメント101の係合部受105内にスケーラー等の器具を挿入し、この器具を係合部受105に当接させながら、てこの原理を用いて歯列矯正用キャップ106の係合部110を押圧する。
これにより、歯列矯正用キャップ106は、その係合部110が歯列矯正用アタッチメント101の係合部受105から簡単に外れて係止解除される。
本発明の第9実施形態の歯列矯正用装置100及び歯列矯正用キャップ106の着脱方法は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、アーチワイヤ12の長手方向の幅寸法を小さくして、よりコンパクトな歯列矯正用装置100を得ることができる。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。
図18,19,20に示すように、本発明の第10実施形態の歯列矯正用装置120は、歯列矯正用アタッチメント121が、ベース122の中央部に配置されており、係合部を兼ねる一対の突部123と、突部123の間に形成された歯列矯正用アタッチメント側アーチワイヤスロット124と、を備えている。なお、突部123の上端部のアーチワイヤスロット124に沿った横幅寸法に較べて、突部123の基部(下端部)の横幅寸法は小さく設定されている。
第10実施形態の歯列矯正用装置120は、歯列矯正用キャップ125が、アーチ形状の天板126と、天板126の両側部に接続された一対の側板127と、側板127の中央部で、下方を開放した歯列矯正用キャップ側アーチワイヤスロット128と、天板126の端部で、歯列矯正用アタッチメント121の突部123に係合される係合部受129と、を備えている。なお、係合部受129の形状は、突部123の形状に対応して、アリ溝状に形成されている。
第10実施形態の歯列矯正用装置120は、歯列矯正用キャップ125が歯列矯正用アタッチメント121に被着されることで、突部123に係合部受129が係合される。そして、歯列矯正用アタッチメント側アーチワイヤスロット124と歯列矯正用キャップ側アーチワイヤスロット128とが一体的に連通形成される。このとき、係合部受129の形状が突部123の形状に対応してアリ溝状に形成されているので、突部123と係合部受129との係合状態を確保することができる
また、歯列矯正用装置120の係止解除を行う際には、歯列矯正用キャップ125の係合部受129内にスケーラー等の器具を挿入し、この器具を突部123に当接させながら、てこの原理を用いて歯列矯正用キャップ125の係合部受129を押圧する。
これにより、歯列矯正用キャップ125は、その係合部受129が歯列矯正用アタッチメント121の突部123から簡単に外れて係止解除される。
本発明の第10実施形態の歯列矯正用装置120及び歯列矯正用キャップ125の着脱方法は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、アーチワイヤ12の長手方向の幅寸法を小さくして、よりコンパクトな歯列矯正用装置120を得ることができる。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。
図21,22,23に示すように、本発明の第11実施形態の歯列矯正用装置130は、歯列矯正用アタッチメント131が、ベース132上に溝形状の係合部受133を介して形成された一対の突部134と、突部134の間に形成されたアーチワイヤスロット135と、を備えている。
第11実施形態の歯列矯正用装置130は、歯列矯正用キャップ136が、アーチ形状で可撓性を有する天板137と、天板137の底部に接続された一対の係合部138と、を備えている。
第11実施形態の歯列矯正用装置130は、歯列矯正用キャップ136の係合部138を歯列矯正用アタッチメント131の係合部受133に係合させて天板137を突部134に被着させることで、歯列矯正用アタッチメント131に歯列矯正用キャップ136が一体的に組み立てられる。
また、歯列矯正用装置130の係止解除を行う際には、歯列矯正用アタッチメント131の係合部受133内にスケーラー等の器具を挿入し、この器具を係合部138の端部に当接させながら、歯列矯正用キャップ136の係合部138を図中手前方向に押圧する。
これにより、歯列矯正用キャップ136は、その係合部138が歯列矯正用アタッチメント131の係合部受133から簡単に外れて、可撓性を有する天板137を変形させながら係止解除される。
本発明の第11実施形態の歯列矯正用装置130及び歯列矯正用キャップ136の着脱方法は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、歯列矯正用キャップ136を歯列矯正用アタッチメント131に簡単に取り付けることができる。
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。
図24,25,26に示すように、本発明の第12実施形態の歯列矯正用装置140は、歯列矯正用アタッチメント141が、分割したアーチワイヤスロット142をそれぞれ有する一対の係合部143を有し、第1実施形態と同様の歯列矯正用キャップ144を適用している。
本発明の第12実施形態の歯列矯正用装置140及び歯列矯正用キャップ144の着脱方法は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、係合部143に、分割したアーチワイヤスロット142を有するため、アーチワイヤ12に対する接触抵抗を少なくすることができる。
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態の歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法について説明する。
図27,28に示すように、本発明の第13実施形態の歯列矯正用装置150は、歯列矯正用アタッチメント151が、一対の係合部152を有し、第1実施形態と同様の歯列矯正用キャップ153を適用している。
本発明の第13実施形態の歯列矯正用装置150及び歯列矯正用キャップ153の着脱方法は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、より形状を簡素化することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る歯列矯正用装置及び歯列矯正用キャップの着脱方法は、歯列矯正治療における歯列をアーチワイヤで矯正するためにアーチワイヤを保定した歯列矯正用アタッチメントおよび歯列矯正用アタッチメントに被着される歯列矯正用キャップとして使用されることで、審美的な外観を備えて容易に脱着することができる。
10 歯列矯正用装置
11 歯列矯正用アタッチメント
12 アーチワイヤ
13 歯列矯正用キャップ
15 アタッチメント本体
16 アーチワイヤスロット
17 係合部
18 切欠部
20、21 足部
22 係合部受
23 アーチワイヤ支持突起
24 切欠凹部
30 歯列矯正用装置
31 歯列矯正用キャップ
32 タブ
40 歯列矯正用装置
41 歯列矯正用キャップ
42 サブスロット
50 歯列矯正用装置
51 歯列矯正用キャップ
52 サブスロット
53 タブ
60 歯列矯正用装置
61 歯列矯正用キャップ
62 パワーアーム
70 歯列矯正用装置
71 歯列矯正用キャップ
72 パワーアーム
73 タブ
80 歯列矯正用装置
81 歯列矯正用キャップ
82 フック
90 歯列矯正用装置
91 歯列矯正用キャップ
92 フック
93 タブ
100 歯列矯正用装置
101 歯列矯正用アタッチメント
103 突部(係合部)
104 歯列矯正用アタッチメント側アーチワイヤスロット
105 係合部受
106 歯列矯正用キャップ
109 歯列矯正用キャップ側アーチワイヤスロット
120 歯列矯正用装置
121 歯列矯正用アタッチメント
123 突部(係合部)
124 歯列矯正用アタッチメント側アーチワイヤスロット
125 歯列矯正用キャップ
128 歯列矯正用キャップ側アーチワイヤスロット
129 係合部受
130 歯列矯正用装置
131 歯列矯正用アタッチメント
133 係合部受
135 アーチワイヤスロット
136 歯列矯正用キャップ
138 係合部
140 歯列矯正用装置
141 歯列矯正用アタッチメント
142 アーチワイヤスロット
143 係合部
144 歯列矯正用キャップ
150 歯列矯正用装置
151 歯列矯正用アタッチメント
152 係合部
153 歯列矯正用キャップ

Claims (10)

  1. アーチワイヤを収容するアーチワイヤスロットを形成した歯列矯正用アタッチメントと、前記歯列矯正用アタッチメントに装着される歯列矯正用キャップと、からなる歯列矯正用装置であって、
    前記歯列矯正用アタッチメントは、前記アーチワイヤスロットの側部に係合部を形成し、
    前記歯列矯正用キャップは、前記アーチワイヤスロットを全面的に覆って前記歯列矯正用アタッチメントに被着され、前記アーチワイヤの軸方向に直交する方向に、前記係合部に係止可能な係合部受を備えたことを特徴とする歯列矯正用装置。
  2. 前記歯列矯正用アタッチメントの前記係合部は、係止解除用の切欠部を形成し、該切欠部に解除用治具を挿入することで、前記歯列矯正用キャップの前記係合部受は、前記歯列矯正用アタッチメントの外方への移動により前記係合部から係止解除されることを特徴とする請求項1に記載の歯列矯正用装置。
  3. 前記歯列矯正用キャップには、前記アーチワイヤスロットの近遠心方向に、前記アーチワイヤスロット内に突出するアーチワイヤ支持突起が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の歯列矯正用装置。
  4. 前記歯列矯正用キャップには、近遠心方向の両端部に一対の切欠凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯列矯正用装置。
  5. 前記歯列矯正用キャップには、補助ワイヤを挿入可能なサブスロットが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯列矯正用装置。
  6. 前記歯列矯正用キャップには、パワーアームが形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯列矯正用装置。
  7. 前記歯列矯正用キャップには、フックが形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載した歯列矯正用装置。
  8. 前記歯列矯正用キャップは、近遠心方向及び近遠心方向と直交する歯軸方向に対して、軸対称であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯列矯正用装置。
  9. 前記歯列矯正用キャップに連設されている切離可能なタブをさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯列矯正用装置。
  10. アーチワイヤを収容するアーチワイヤスロットを形成した歯列矯正用アタッチメントに装着される歯列矯正用キャップの着脱方法であって、
    前記歯列矯正用キャップの装着時は、前記歯列矯正用アタッチメントの上方から該歯列矯正用キャップを被着することで、前記アーチワイヤスロットに形成された係合部に該歯列矯正用キャップ側に形成された係合部受が係止されるとともに、
    前記歯列矯正用キャップの離脱時は、前記係合部に形成された係止解除用の切欠部に解除用治具を挿入することで、前記歯列矯正用キャップの前記係合部受が前記歯列矯正用アタッチメントの外方に移動して前記係合部から係止解除されることを特徴とする歯列矯正用キャップの着脱方法。
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