JPWO2010110223A1 - 抗腫瘍作用を有するフコイダン - Google Patents

抗腫瘍作用を有するフコイダン Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010110223A1
JPWO2010110223A1 JP2011506031A JP2011506031A JPWO2010110223A1 JP WO2010110223 A1 JPWO2010110223 A1 JP WO2010110223A1 JP 2011506031 A JP2011506031 A JP 2011506031A JP 2011506031 A JP2011506031 A JP 2011506031A JP WO2010110223 A1 JPWO2010110223 A1 JP WO2010110223A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
fucoidan
average molecular
medium molecular
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011506031A
Other languages
English (en)
Inventor
岡本 芳晴
芳晴 岡本
南 三郎
三郎 南
武志 柄
武志 柄
三木 康成
康成 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tottori University
Marine Products Kimuraya Co Ltd
Original Assignee
Tottori University
Marine Products Kimuraya Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tottori University, Marine Products Kimuraya Co Ltd filed Critical Tottori University
Publication of JPWO2010110223A1 publication Critical patent/JPWO2010110223A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
    • C08B37/0036Galactans; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/105Plant extracts, their artificial duplicates or their derivatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

本発明は、増殖性疾患、とりわけがんの処置および/または予防に用いることができる中分子量フコイダンに関する。詳細には、中分子量フコイダン、その製造方法、それを含む医薬組成物、および増殖性疾患、とりわけがんの処置および/または予防用医薬の製造における中分子量フコイダンの使用に関する。本発明の中分子量フコイダンは、平均分子量約6,000〜約2,000,000、好ましくは平均分子量約40,000〜約330,000、より好ましくは平均分子量約40,000〜約244,000、さらに好ましくは平均分子量約80,000〜約200,000を有する。

Description

本発明は、増殖性疾患、とりわけがんの処置および/または予防に用いることができるフコイダンに関する。さらに詳細には、本発明は、中分子量フコイダン、その製造方法、それを含む医薬組成物、ならびに増殖性疾患、とりわけがんの処置および/または予防用医薬の製造における中分子量フコイダンの使用に関する。
天然物であるフコイダンは、硫酸化フコース含有多糖類であり、天然に生育するオキナワモズク、モズク、ワカメ、メカブ(ワカメの胞子葉)、昆布などの海藻褐藻類などから抽出することができる。これは、がん細胞の死滅、免疫系の調節、組織再生の促進など、広範囲の生物活性を有することが明らかになっている。また、フコイダンは肌を引き締める作用を有しており、保湿作用を有することから、化粧品にも利用されている。このように、フコイダンは、健康食品、機能性食品、サプリメント、化粧品および医薬品などの原料あるいは成分として需要が増大している。
特にフコイダンの抗腫瘍効果について多方面からの研究がなされており、例えば特許文献1(特開2007−051081号公報)はアセチルフコイダンまたは硫酸化アセチルフコイダンが抗腫瘍剤としてとりわけ有用であることを開示している。しかし、フコイダンには多様な分子量のものが含まれており(例えば特許文献2参照)、例えば分子量数百〜数百万の範囲のものが知られている。一般には、生体に吸収され易いという理由から低分子量フコイダンが使用されているが、どのような分子量のフコイダンが抗腫瘍効果を有するのかについて、系統だった研究結果は報告されていない。
特開第2007−051081号公報 国際公開第WO2006/093175号公報
本発明は、優れた抗腫瘍効果を有するフコイダン、特に中分子量フコイダンを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。そして、分子量が異なるフコイダンを用いて系統的に抗腫瘍効果の検討を行うことにより、特定の分子量を有するフコイダンの抗腫瘍効果が特に優れていることを見出した。さらに本発明者らは、中分子量フコイダンがとりわけ優れた抗腫瘍効果を有することを見出した。さらにまた、本発明者らは、当該中分子量フコイダンが、天然物としての原料フコイダンを水熱条件下で処理することにより効率よく取得できることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係る中分子量フコイダンは、平均分子量約6,000〜約2,000,000、好ましくは平均分子量約40,000〜約330,000、より好ましくは平均分子量約40,000〜約244,000、さらに好ましくは平均分子量約80,000〜約200,000、とりわけ好ましくは平均分子量約130,000〜約138,000のフコイダンを意味する。
好ましい態様において、本発明のフコイダンは、原料から粗フコイダンを抽出した後、水熱処理によってこれを中分子量化し、所望の分子量のフコイダンを精製することにより製造する。したがって本発明は、増殖性疾患の処置および/または予防に有用な、水熱処理によって製造した上記平均分子量範囲を有する中分子量フコイダンを提供する。
また別の態様において本発明は、水熱処理による中分子量フコイダンの製造方法を提供する。
また別の態様において本発明は、本発明の中分子量フコイダンを有効成分として含むことを特徴とする増殖性疾患の処置および/または予防に有用な医薬組成物を提供する。
また別の態様において本発明は、本発明の中分子量フコイダンを含むことを特徴とする増殖性疾患の処置および/または予防に有用な飲食品を提供する。
また別の態様において本発明は、治療上有効量の本発明の中分子量フコイダンを、それを必要とする対象に投与することを含む、増殖性疾患の処置および/または予防方法を提供する。ここで、対象とはヒトを含む哺乳動物である。
さらに別の態様において本発明は、増殖性疾患の処置および/または予防用医薬の製造のための本発明の中分子量フコイダンの使用、増殖性疾患の処置および/または予防方法であって、それを必要とする対象に有効量の本発明の中分子量フコイダンを投与することを含む方法、ならびに増殖性疾患の処置および/または予防のための本発明の中分子量フコイダンを提供する。
本発明によって提供される中分子量フコイダンは、低分子量フコイダン、例えば平均分子量約6,000未満のフコイダンおよび高分子量フコイダン、例えば平均分子量約2,000,000以上のフコイダンと比較して、顕著な抗腫瘍効果を有しており、医薬として有用である。さらに、本発明の中分子量フコイダンは、腫瘍予防効果を期待した健康食品、機能性食品、サプリメント、化粧品などにおける使用に適している。
Colon26移植マウスの14日間各分子量のフコイダン投与後の平均腫瘍重量を示す。エラーバーは標準偏差である。Tukey-Kramer試験によって有意検定を行った(P<0.05)。 Colon26移植マウスの14日間各分子量のフコイダン投与による平均腫瘍成長率を示す。エラーバーは標準偏差である。Tukey-Kramer試験によって有意検定を行った。 各分子量のフコイダン投与Colon26移植マウスの生存期間(day)を示す。 各分子量のフコイダン投与Colon26移植マウスの生存期間(day)を示す。 各分子量のフコイダン投与Colon26移植マウスの平均生存期間(day)を示す。エラーバーは標準偏差である。Bonferroni/Dunn試験によって有意検定を行った(P<0.05)。
したがって第1の態様において本発明は、増殖性疾患の処置および/または予防に有用な中分子量フコイダンを提供する。本発明に係る中分子量フコイダンは、平均分子量約6,000〜約2,000,000、好ましくは平均分子量約40,000〜約330,000、より好ましくは平均分子量約40,000〜約244,000、さらに好ましくは平均分子量約80,000〜約200,000、とりわけ好ましくは平均分子量約110,000〜平均分子量約138,000のフコイダンを有する。このような特定の範囲の平均分子量、とりわけ好ましくは平均分子量約40,000〜約330,000、より好ましくは平均分子量約40,000〜約244,000、さらに好ましくは平均分子量約80,000〜約200,000、とりわけ好ましくは平均分子量約130,000〜約138,000を有する。中分子量フコイダンは、典型的には粗製フコイダンの中分子量化処理によって製造される。本発明における中分子量化処理は、原料材料からのフコイダンの抽出処理と同時に行ってもよいし、抽出処理後に連続して、または抽出後別のバッチ工程として行ってもよい。
より具体的な本発明の態様において、本発明のフコイダンは平均分子量約80,000、約130,000あるいは約138,000を有する。とりわけ好ましくは本発明のフコイダンは、平均分子量72,000〜88,000、124,200〜151,800あるいは297,000〜363,000を有する。
本発明の中分子量フコイダンを製造するために使用される原料フコイダンは、あらゆる起源の原料フコイダンであってよい。例えば、原料フコイダンの起源として、藻類、例えばガゴメ、マコンブ、トロロコンブ、ワカメ、メカブ(ワカメの胞子葉)、クロメ、アラメ、カジメ、ジャイアントケルプ、レッソニア ニグレセンス、モズク、オキナワモズク、アスコフィラム ノドッサム、エクロニア マキシマ(Ecklonia maxima)、ダービリア(Durvillaea)等のコンブ目、ながまつも目、ひばまた目等の褐藻類に属する海藻等、および棘皮動物、例えばナマコ、ウニ、ヒトデ等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本発明で使用する好ましい原料フコイダンは、オキナワモズク起源のフコイダンである。
本発明において、原料フコイダンは精製品であってもよく、粗精製品または部分精製品であってもよく、蛋白類、脂質類、他の糖類などの夾雑物質を含むものであってもよい。例えば、もずくなどの海藻類をそのまま、あるいはそれらの粗抽出物を原料フコイダンとして使用してもよい。本発明において、原料フコイダンは水溶液の形態であってもよい。また、当該原料フコイダン水溶液は、塩類などの他の物質が含まれているものであってももよい。
本発明の中分子量フコイダンは、当該技術分野において既知のあらゆる方法で製造することができる。一般的には、酸性水溶液で藻類等の原料材料を抽出することによって原料フコイダンを製造することができる。さらに、特定の平均分子量を有するフコイダンを製造するためには、水溶液のpH、抽出時間、温度等の抽出条件を適宜定めることができる。例えば、水溶液pHが低いほど、抽出温度が高いほど、そして抽出時間が長いほど、フコイダンの低分子化が促進され、得られるフコイダンの分子量が小さくなり、あるいは水溶液pHが中性(=7.0)に近いほど、抽出温度が低いほど、そして抽出時間が短いほど、フコイダンの低分子化が進まず、得られるフコイダンの分子量が大きくなる。当業者は、所望の分子量のフコイダンを得るための条件を通常の実験によって、容易に決定することができる。
好ましくは、本発明の中分子量フコイダンは、原材料を低温、中性付近のpHで抽出して比較的高分子量の粗原料フコイダンを得た後、中分子量化処理を行って製造することもできる。中分子量化処理は糖の低分子化に使用することができるあらゆる方法によって行うことができ、例えば酸処理、加水分解、熱分解(例えば80℃〜100℃)、酵素分解およびとりわけ水熱処理が含まれるが、これらに限定されない。
さらに好ましくは、本発明の中分子量フコイダンの製造に、原料フコイダンの水熱処理が利用される。水熱処理は、一般的には亜臨界水(100℃ないし374℃の温度で、0.1MPaないし22MPaの圧力)を用いて行うことが可能であり、例えば好ましくは、特開第2008−266299号公報に記載の方法によって行うことができる(当該文献を出典明示により本明細書の一部とする)。水熱処理は、一般に、pH無調整またはpH約6〜12に調節下、原料フコイダン水溶液を約100℃〜約180℃で約5分〜約20分、約100℃〜約160℃で約5分〜約20分、約100℃〜約140℃で約5分〜約60分、密封反応容器中に保持することによって行うことができる。目的とする中分子量フコイダンの分子量によって、上記処理条件は当業者によって容易に調節し、選択され得る。本発明の技術的範囲が理論に縛られることはないが、水熱処理によって硫酸基を維持したまま中分子量フコイダンの分子量を調節することが可能であり、硫酸基が、例えば原料フコイダンの90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは例えば98%以上維持された中分子量フコイダンが優れた抗腫瘍効果を有する。
また、本発明の中性化フコイダンを精製するため、任意の段階で精製処理を行うことができる。すなわち、原料フコイダンの中分子量化処理の前および/または後に精製処理を行い、特定の平均分子量を有する中分子量フコイダンのみを取得することも可能であり、同時に蛋白類、脂質類、他の糖類などの夾雑物質を除去することができる。精製は、当該技術分野において既知のあらゆる方法によって行うことができ、例えばゲル濾過クロマトグラフィーおよび限外濾過が好ましい。
本明細書において用いる用語「平均分子量」は、重量平均分子量(Mw)を意味し、これは、当該技術分野において既知のあらゆる方法で測定することができる。かかる方法には、例えば測定方法には蒸気圧浸透法、(動的および静的)光散乱法、サイズ排除クロマトグラフィー法、電気泳動法等が含まれるが、とりわけサイズ排除クロマトグラフィー法が好ましい。例えば本発明のフコイダンの平均分子量は、示差屈折計を用いたサイズ排除クロマトグラフィー法で測定することができる。具体的な測定条件、例えば装置、カラム、移動相、温度等は、種々の条件、例えば測定対象の分子量、試料濃度等に依存して、当業者が容易に適宜選択することができる。
本明細書において用いる用語「約」は、当該用語が付されている数値の±10%の範囲の数値を意味する。例えば約10,000とは、9,000〜11,000の範囲を意味する。また、本明細書において数値が範囲によって記載されているとき、当該数値の上限、下限、およびその間の全ての値、ならびにその間の全ての値の範囲を意味していると理解されるべきである。例えば、1〜10は、1、10、3、2〜5等についても言及しているものと理解することができる。
本発明において用いる用語「処置」は、処置する状態、障害または疾患に関連するか、またはそれによって引き起こされる少なくとも1個の症状の消失または軽減が含まれる。ある態様において、処置は増殖性疾患、とりわけがん、例えば膀胱がん、頭部および頸部がん、乳がん、胃がん、卵巣がん、食道がん、結腸がん、直腸がん、脳がん、喉頭がん、リンパ系のがん、生殖尿路がん、扁平上皮がん、皮膚がん、消化器がん、前立腺がん、骨がん、(小細胞性および非小細胞性)肺がん、神経膠腫、および膵臓がんから選択されるがんの消失、縮小、転移の予防、進行の停止もしくは遅延、またはがんによって引き起こされる1個以上の症状の消失または軽減であり得る。
本発明の中分子量フコイダンを用い得る対象は、細胞の過増殖に関連した疾患、障害または状態を有し得るまたは罹患し得る哺乳動物を意図する。対象の例には、例えばヒト、チンパンジー、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サル、ネコ、マウス、ウサギ、ラットおよびトランスジェニック非ヒト動物が含まれる。ある態様において、対象はヒトおよび哺乳類である家畜動物、例えばがんを有する、有する危険がある、または潜在的に有し得るヒトおよび哺乳類である家畜動物である。
本発明の中分子量フコイダンによる抗腫瘍活性を、当該技術分野で利用可能な多くのアッセイを用いて測定することができる。かかるアッセイの例は、下記実施例に記載されている。
本発明で用いる用語「医薬組成物」は、哺乳類、例えばヒトに投与するのに適した製剤を含む。本発明の化合物を医薬として哺乳類、例えばヒトに投与するとき、それらはそれ自体として、または例えば、0.1から99.5%(より好ましくは、0.5から90%)の有効成分を、薬学的に許容される担体と組合せて含む医薬組成物として投与することができる。
一般に、本発明の化合物は、有効量、特に治療上有効量で、当該技術分薬において既知の何れかの通常の許容される形態で、単剤または1種以上の治療剤との組合せにおいて投与される。治療上有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康、使用する化合物の能力および他の要因に依存して広範に変化し得る。一般に、全身的な1日用量は粉末重量で約1.5mg/kg体重〜約15,000mg/kg体重で満足のいく結果が得られる。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示1日用量は粉末重量で約100mg〜約10,000mgの範囲であり、簡便には、例えば1日4回までの分割用量または徐放形態で投与する。経口投与に好適な単位投与形態は、約25mg〜約2,500mgの有効成分を含む。
本発明で用いる用語「薬学的に許容される担体」は当業者に理解され、そして哺乳類に本発明の化合物を投与するのに適した薬学的に許容される物質、組成物またはビークルを含む。担体には、対象薬剤をある臓器または体の一部から他の臓器または体の一部に輸送または移動させる液体または固体増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル材が含まれる。各担体は製剤の他の成分と適合性であり、そして患者に傷害性ではないという意味において、「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として使用可能な物質には例えば、これらに限定されないが、糖、例えばラクトース、グルコースおよびショ糖;デンプン、例えばコーンスターチおよびポテトスターチ;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび座薬ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;水;エチルアルコールが含まれる。
本発明の医薬組成物は、本発明の中分子量フコイダンおよび薬学的に許容される担体に加えて、添加剤、例えば湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、風味芳香剤、保存剤および抗酸化剤も含んでいてよい。かかる添加剤それ自体、およびそれらの使用については、当業者に周知である。
本発明の組成物は、経口、経鼻、局所、頬側、舌下、直腸、経膣および/または非経腸投与に適したものを含む。組成物は簡便には、単位投与形態で存在してよく、そして医薬の分野で周知のあらゆる方法で製造することができる。担体物質と組み合わせて単位投与形態とすることができる有効成分の量は、一般的に、治療効果を生み出す化合物の量である。一般的にこの量は、組成物の総重量に対して約1%から約90%の有効成分、好ましくは約5%から約70%、最も好ましくは約10%から約30%の範囲である。
これらの組成物の製造方法は、本発明の中分子量フコイダンを担体、および所望により1種以上の添加剤と混合する工程を含む。一般に、本発明の組成物は、中分子量フコイダンと液体担体、または微粉化固体担体、またはその両者と均一かつ密接に混合し、所望により調製混合物を成形することによって製造される。
経口投与に適した本発明の組成物は、各々所定の量の本発明の中分子量フコイダンを有効成分として含む、カプセル剤、カセット、ピル、錠剤、トローチ(風味基剤、通常ショ糖およびアカシアもしくはトラガカントを用いる)、粉末、顆粒、または水性もしくは非水性液体溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、またはトローチ(不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、およびアカシアもしくはトラガカントを用いる)として製造することができる。
非経腸投与に適した本発明の組成物は、各々所定の量の本発明の中分子量フコイダンを有効成分として含む、注射または輸液、例えば静脈内、筋肉内または皮下注射もしくは輸液用に、またはボーラス投与および/または持続注入での投与のために、製剤することができる。本発明の非経腸投与用医薬組成物には、所望により他の製剤化剤、例えば懸濁剤、安定化剤および/または分散剤を含む、油性または水性ビークル中懸濁液、溶液またはエマルジョンを用いることができる。あるいは、本発明の組成物は使用の直前に滅菌水のような注射用水に溶解または懸濁するための滅菌凍結乾燥粉末製剤であってもよい。
本発明の他の局面において、本発明の医薬組成物は、有効成分として、本発明のフコイダンに加えて、抗炎症剤、抗細胞増殖剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗がん剤または細胞毒性剤を含んでいてもよい。
本発明は、さらなる態様において、本発明の中分子量フコイダンを含有する、腫瘍の治療および/または予防に有用な飲食物を提供する。本発明のかかる飲食物の形態にはあらゆるものが包含され、特に限定されない。また、本発明の飲食物に含まれる本発明の中分子量フコイダンの量も、抗腫瘍効果や飲食物の風味等を考慮して、適宜選択することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
中分子量フコイダンの製造
オキナワモズク(沖縄県伊平屋村漁業協同組合から購入)を熱水により、60〜90℃、酸性条件下で抽出して粗フコイダンを得た。粗フコイダンの重量平均分子量を、Shodex社製 Asahipak カラムを3本(GS520, GS320, GS220)連結し、示差屈折計を用いたサイズ排除クロマトグラフィー法を用いて測定したところ、約330,000であった。
粗フコイダンの5%水溶液を下記表1に記載の条件で水熱処理に付し、対応する重量平均分子量のフコイダン水溶液を調製し、得られた中分子量化フコイダンをそれぞれスプレードライにより粉末化した。
Figure 2010110223
中分子量フコイダンの抗腫瘍効果−腫瘍成長率
BALB/cマウス(4−5週齢、日本クレアから購入)28匹を7群:平均分子量2,000,00フコイダン投与群;平均分子量330,000フコイダン投与群;平均分子量244,000フコイダン投与群;平均分子量138,000フコイダン投与群;平均分子量32,000フコイダン投与群;平均分子量6,500フコイダン投与群;フコイダン無投与対照群に分類し、それぞれ5wt%、各平均分子量のフコイダンを混合した粉末飼料(日本クレアから購入)で28日間維持した。対照群はフコイダンを含まない粉末飼料で維持した。28日後、各1mm角のColon26(財団法人願研究会有明病院から分与)を秤量して0日目腫瘍重量を記録した後、各マウスの背部の皮下に1mm角のColon26を腫瘍組織として移植し、さらに14日間それぞれ5wt%フコイダンを混合したかまたはフコイダンを含まない粉末飼料で維持した。移植後14日目にマウスを屠殺し、腫瘍を採取し、秤量して14日目摘出腫瘍重量を記録した。腫瘍の成長率(g/日)を、(14日目摘出腫瘍重量−0日目腫瘍重量)/14として求めた。結果を図1および2に示す。図2より、中分子量フコイダン、とりわけ平均分子量32,000、138,000および244,000のフコイダンを投与した群は対照と比較して腫瘍の成長率が有意に低いことが示される。
中分子量フコイダンの抗腫瘍効果−生存期間
BALB/cマウス(4−5週齢、日本クレアから購入)24匹を6群:平均分子量330,000フコイダン投与群;平均分子量130,000フコイダン投与群;平均分子量80,000フコイダン投与群;平均分子量40,000フコイダン投与群;フコイダン無投与対照群に分類し、それぞれ5wt%各平均分子量のフコイダンを混合した粉末飼料(日本クレアから購入)で28日間維持した。対照群はフコイダンを含まない粉末飼料で維持した。28日後、各マウスの背部の皮下に1mm角のColon26(財団法人願研究会有明病院から分与)を腫瘍組織として移植した。移植した日を第0日として、マウスをそれぞれ5wt%フコイダンを混合したかまたはフコイダンを含まない粉末飼料で維持し、マウスが死亡した日までの期間を生存期間とした。結果を図3および4に示す。図3〜5より中分子量のフコイダンを投与した群は対照と比較して腫瘍組織移植後の生存期間が有意に改善されていることが示される。

Claims (15)

  1. 平均分子量40,000〜330,000の中分子量フコイダン。
  2. 平均分子量が40,000〜244,000である、請求項1の中分子量フコイダン。
  3. 平均分子量が80,000〜200,000である、請求項1の中分子量フコイダン。
  4. 平均分子量が130,000〜138,000である、請求項1の中分子量フコイダン。
  5. 平均分子量が72,000〜88,000である、請求項1の中分子量フコイダン。
  6. 平均分子量が124,200〜151,800である、請求項1の中分子量フコイダン。
  7. 平均分子量が297,000〜363,000である、請求項1の中分子量フコイダン。
  8. 水熱処理によって製造した、請求項1〜7の何れかに記載の中分子量フコイダン。
  9. 増殖性疾患の処置および/または予防に有用である、請求項1〜8の何れかに記載の中分子量フコイダン。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の中分子量フコイダンと薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  11. 増殖性疾患の処置および/または予防に使用する、請求項10の医薬組成物。
  12. 増殖性疾患ががんである、請求項11の医薬組成物。
  13. 増殖性疾患の処置および/または予防用医薬の製造のための、請求項1〜9の何れかに記載のフコイダンの使用。
  14. 増殖性疾患の処置および/または予防方法であって、それを必要とする対象に有効量の請求項1〜9の何れかに記載の中分子量フコイダンを投与することを含む方法。
  15. 請求項1〜9の何れかに記載の中分子量フコイダンを含有する、腫瘍の処置および/または予防に有用な飲食物。
JP2011506031A 2009-03-23 2010-03-19 抗腫瘍作用を有するフコイダン Pending JPWO2010110223A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009069804 2009-03-23
JP2009069804 2009-03-23
PCT/JP2010/054870 WO2010110223A1 (ja) 2009-03-23 2010-03-19 抗腫瘍作用を有するフコイダン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010110223A1 true JPWO2010110223A1 (ja) 2012-09-27

Family

ID=42780918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011506031A Pending JPWO2010110223A1 (ja) 2009-03-23 2010-03-19 抗腫瘍作用を有するフコイダン

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20120065158A1 (ja)
JP (1) JPWO2010110223A1 (ja)
WO (1) WO2010110223A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150079234A1 (en) * 2013-09-17 2015-03-19 Baxco Pharmaceutical, Inc. Sweetener compositions
US10736964B2 (en) 2017-05-01 2020-08-11 China Medical University Immunomagnetic nanocapsule and kit for treating cancer
WO2018201981A1 (zh) * 2017-05-01 2018-11-08 中国医药大学 免疫磁性组成物及其制备方法、用途和治疗癌症的试剂盒
CN108014086A (zh) * 2017-12-26 2018-05-11 中国科学院海洋研究所 一种褐藻多糖硫酸酯胶囊的制备方法
EP3829600A4 (en) * 2018-07-27 2022-06-15 Arc Medical Devices, Inc. LOW ENDOTOXIN FUCCO COMPOSITIONS, SYSTEMS AND METHODS

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000239301A (ja) * 1999-02-17 2000-09-05 Okinawa Hakko Kagaku:Kk フコイダンの抽出方法
JP2007051081A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Univ Of Ryukyus 抗腫瘍剤
JPWO2006093175A1 (ja) * 2005-03-01 2008-08-07 宇部興産株式会社 フコイダンの製造方法並びにフコイダン及びフコイダン含有組成物
JP2008266299A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Tottori Univ 硫酸基の脱離を抑えた硫酸化多糖の低分子化物およびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000239301A (ja) * 1999-02-17 2000-09-05 Okinawa Hakko Kagaku:Kk フコイダンの抽出方法
JPWO2006093175A1 (ja) * 2005-03-01 2008-08-07 宇部興産株式会社 フコイダンの製造方法並びにフコイダン及びフコイダン含有組成物
JP2007051081A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Univ Of Ryukyus 抗腫瘍剤
JP2008266299A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Tottori Univ 硫酸基の脱離を抑えた硫酸化多糖の低分子化物およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20120065158A1 (en) 2012-03-15
WO2010110223A1 (ja) 2010-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2946825C (en) Muscle atrophy inhibitor containing quercetin glycoside
JP6824998B2 (ja) 粘膜炎の治療方法
JP6294476B2 (ja) 血球減少を予防又は治療するための薬物の製造におけるアンヒドロイカリチンの使用
JP5498521B2 (ja) 放射線障害軽減剤
WO2010110223A1 (ja) 抗腫瘍作用を有するフコイダン
CN112672749A (zh) 具有肥胖预防或治疗效果的新的长双歧杆菌菌株或鼠李糖乳杆菌菌株及其用途
US20220296611A1 (en) Pharmaceutical composition for preventing or treating cancer
JP2016102111A (ja) 補助化療薬品とされる医薬組成物その用途
JP4839436B2 (ja) 消化管粘膜保護剤、カベオリン遺伝子発現促進剤及び抗ストレス剤
JPH10130153A (ja) 大腸癌、食道癌及び乳癌より選ばれた癌に用いる 抗悪性腫瘍剤
KR101245328B1 (ko) 데커신 및/또는 데커시놀 안젤레이트, 또는 데커신 및/또는 데커시놀 안젤레이트를 유효성분으로 하는 당귀추출물을 포함하는 항암제 조성물
JP6234553B2 (ja) 抗癌剤および副作用軽減剤
JP4744297B2 (ja) 糖脂質含有組成物、その用途およびその製造方法
EP3290043A1 (en) Enzyme-treated milk product, method for producing same, composition, and product
JP5187935B2 (ja) 羅漢果エキスを含有する創傷治癒促進組成物と適用方法
CN112807292A (zh) 白首乌二苯酮在制备降尿酸药物中的应用
JP6045369B2 (ja) 一酸化窒素産生抑制剤
JP2016531844A (ja) モノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有する赤血球系細胞分化又は増殖促進用組成物
KR100485936B1 (ko) 진세노사이드 Rh2 및 Rg3 항암 조성물
JP6773665B2 (ja) 血管壁強化剤、血管壁を強化する方法および血管網形成抑制剤
WO2022085603A1 (ja) 筋量増加、筋力増加、筋量減少抑制又は筋力低下抑制用組成物
CN111803489B (zh) 含笑内酯及其衍生物在垂体腺瘤治疗中的应用
KR101320485B1 (ko) 데커신 및/또는 데커시놀 안젤레이트, 또는 데커신및/또는 데커시놀 안젤레이트를 유효성분으로 하는당귀추출물을 포함하는 항암제 조성물
WO2022244758A1 (ja) ケトン供与体を含む組成物
KR20060066177A (ko) 데커신 및/또는 데커시놀 안젤레이트, 또는 데커신및/또는 데커시놀 안젤레이트를 유효성분으로 하는당귀추출물을 포함하는 간기능 치료제 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20121221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150106