JP5550995B2 - 尿酸値低下組成物 - Google Patents

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本発明は、ウコギ科トチバニンジン属植物に由来し、優れた尿酸値低下作用を有する尿酸値低下組成物に関する。
尿酸は、食物から摂取したプリン体より肝臓にてほぼ一定量産生され、産生量とほぼ同量が主に腎臓から尿中へ濾し取られて排泄されている。ところが、何らかの原因(例えば食生活、飲酒、ストレス、腎臓機能の低下、薬剤による影響、遺伝的要因など)で尿酸産生量と排泄量とのバランスが崩れると、体内の尿酸量が増え過ぎて高尿酸血症になることがある。体内の尿酸値が増え、血中尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と判定される。高尿酸血症を長期間放置すると過剰な尿酸塩により関節や軟骨組織の周辺等に尿酸塩結晶が形成され痛風関節炎が誘発される。
日本国内において痛風の予備軍である高尿酸血症の患者は約500万人と推定され、高尿酸血症患者の若年化が進み、過去20年間で患者数は、2倍以上に増加している。
現在、高尿酸血症治療の医薬品が存在するものの、服用を中止すると再び高尿酸血症の状態に戻ってしまう。一方で、服用により発熱、発疹、肝障害、腎機能異常などの副作用が認められている。したがって、高尿酸血症の治療剤としては長期間安心して無理なく服用でき、副作用のないものが強く望まれている。
このような状況から、副作用のない植物由来の尿酸値低下組成物等が種々検討されている。
例えば、ヤシ殻を原材料とした活性炭を有効成分とする尿酸値抑制剤が提案されている(特許文献1参照)。
また、イチョウ葉抽出物を有効成分とする尿酸値低下剤及びこれを含有する飲食品が提案されている(特許文献2参照)。
また、茶に由来する茶ポリフェノールを有効成分として含有する尿酸値低下剤が提案されている(特許文献3参照)。
また、ザクロ抽出物を有効成分とする、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、血中尿酸値低下剤、高尿酸血症の予防または改善剤、及び、痛風の予防剤、並びに、これらの剤を含有する、飲食品、医薬品、または化粧品が提案されている(特許文献4参照)。
また、生体の代謝活動で生じた有害物や老廃物(尿酸等)などの体内の毒素に対する排泄促進を目的として、田七ニンジン、朝鮮ニンジン等の生薬を含有する体内浄化用組成物、それを用いた食品、入浴剤、化粧料、製剤及び有害金属排泄促進剤が提案されている(特許文献5参照)。
また、デンシチ(サンシチ)、オタネ人参等のうちの一種と、柳科植物を粉末状にした柳科植物物質とを混合させ、尿酸等の排出を増大促進させる柳混合物が提案されている(特許文献6参照)。
また、痛風等の症状に効能を付与することを目的として、朝鮮人参等の薬草を用いたサウナが提案されている(特許文献7参照)。
また、高脂血症患者に対して薬用人参を長期間投与し、血中尿酸値等、身体に与える影響が報告されている(非特許文献1参照)。
しかしながら、現在、高尿酸血症治療薬として用いられる医薬品に代わり、副作用がなく長期間安心して無理なく服用できる尿酸値低下組成物として、効果や有効性において満足できるものが存在しないというのが現状である。
特開2005−187405号公報 特開2002−370980号公報 特開2002−212085号公報 特開2006−16340号公報 特開2007−153888号公報 特開平9−208479号公報 特開平3−9752号公報
Proc. Symp. WAKAN−YAKU 16,p.188(1983)
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた尿酸値低下作用を有し、副作用がなく長期間安心して無理なく服用でき、更に、高尿酸血症の予防及び改善に寄与する尿酸値低下組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ウコギ科トチバニンジン属植物を強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理後、加水濾過して得られる酸処理物残渣を有効成分として含有することを特徴とする尿酸値低下組成物である。
<2> ウコギ科トチバニンジン属植物が田七人参である前記<1>に記載の尿酸値低下組成物である。
<3> 血中尿酸値低下剤、高尿酸血症予防剤、高尿酸血症改善剤、痛風予防剤及び痛風改善剤に用いられる前記<1>から<2>のいずれかに記載の尿酸値低下組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、本発明は、優れた尿酸値低下作用を有し、副作用がなく長期間安心して無理なく服用でき、更に、高尿酸血症の予防及び改善に寄与する尿酸値低下組成物を提供することができる。
(尿酸値低下組成物)
本発明の尿酸値低下組成物は、ウコギ科トチバニンジン属植物を強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理後、加水濾過して得られる酸処理物残渣を有効成分として含有してなり、必要に応じて、その他の成分を含むこととしてなる。
<ウコギ科トチバニンジン属植物の酸処理物残渣>
前記ウコギ科トチバニンジン属植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、田七人参(デンシチニンジン、別名:三七人参(サンシチニンジン))、御種人参(オタネニンジン、別名:朝鮮人参(チョウセンニンジン)、高麗人参(コウライニンジン))、トチバニンジン(別名:竹節人参(チクセツニンジン))、アメリカニンジン(別名:西洋人参(セイヨウニンジン)、西洋参(セイヨウジン))、ベトナムニンジン、ヒマラヤニンジン、相思子様人参(ソウシシヨウニンジン)、ホソバチクセツニンジン、狭葉仮人参(キョウヨウカニンジン、別名:竹根七(チクコンシチ))、羽葉三七(ウヨウサンシチ)、秀麗仮人参(シュウレイカニンジン、別名:竹節三七(チクセツサンシチ))、大葉三七(ダイヨウサンシチ)、峨眉三七(ガビサンシチ)、ビョウブサンシチニンジン(別名:托三七(タクサンシチ))、ミツバニンジン、ノサンシチニンジン(別名:姜状三七(キョウジョウサンシチ))等が挙げられる。これらの中でも、御種人参、田七人参が好ましく、特に、安定的に入手できる観点から田七人参がより好ましい。
前記トチバニンジン属植物としては、天然から採取されたそのままの状態で用いてもよいが、その根や根茎に特に有効成分を多く含んでいるので、その根や根茎部分の部分や、これを粉砕した粉末を用いることが好ましい。これらの中でも、後述する酸処理を効率的に行う観点からは、粉末状のものが好ましい。
前記ウコギ科トチバニンジン属植物の酸処理物残渣は、前記ウコギ科トチバニンジン属植物を用いるよりも、優れた尿酸値低下作用を示す。
この理由は、前記ウコギ科トチバニンジン属植物を酸処理すると、植物体に含まれる薬効成分である配糖体(サポニン)から糖がはずれ、パナキサトリオール(PT)、パナキサジオール(PD)、プロトパナキサトリオール(PPT)、プロトパナキサジオール(PPD)等のサポゲニン(アグリコン体)が生成される。これらのサポゲニンが活性成分として、前記尿酸値低下作用を発揮するものと考えられる。
前記酸処理物残渣中の、前記サポゲニンの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。
前記サポゲニンの含有量は、例えば、液体クロマトグラフィーなどで測定することができる。
前記尿酸値低下組成物における前記酸処理物残渣の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記尿酸値低下剤組成物は、前記酸処理物そのものであってもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて適宜選択することができる。
前記尿酸値低下組成物における前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<製造方法>
前記ウコギ科トチバニンジン属植物の酸処理物残渣は、上記の通り、前記ウコギ科トチバニンジン属植物を強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理後、加水濾過して得られる。
特に、前記酸処理物残渣を効率的に得る観点から、以下の製造方法により製造することが好ましい。
即ち、前記酸処理物残渣は、前記ウコギ科トチバニンジン属植物を所定の濃度の強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理し(加水分解処理工程)、得られた加水分解処理後の液を中和後(中和工程)、加水濾過し(加水濾過工程)、濾別された残渣を乾燥する(乾燥工程)。
以下、前記好ましい製造方法について、詳細に説明をする。
<<加水分解処理工程>>
前記加水分解処理工程では、前記ウコギ科トチバニンジン属植物に所定の濃度の強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で前記ウコギ科トチバニンジン属植物を加水分解し、前記酸処理物を生成させる。
前記強酸水溶液としては、強酸を含む水溶液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸を含む水溶液が好ましく、塩酸を含む水溶液が特に好適である。前記強酸水溶液における酸の濃度は、0.01mol/L〜4mol/Lであり、これらの中でも、0.5mol/L〜3mol/Lであることが好ましい。
前記酸の濃度が、0.01mol/L未満であると、加水分解が不十分で効率よく前記酸処理物が生成されないという問題が生じ、4mol/Lを超えると、加水分解が進み過ぎたり、コスト的に不利であるという問題が生じる。一方、前記酸の濃度が、前記好ましい範囲内であると、十分な加水分解により、効率よく酸処理物が得られる点で、有利である。
前記強酸水溶液は、前記ウコギ科トチバニンジン属植物に対して、2倍容量〜20倍容量を使用することが好ましい。
前記強酸水溶液の使用量が、前記ウコギ科トチバニンジン属植物に対して、2倍容量未満であると、前記ウコギ科トチバニンジン属植物が十分に浸らず加水分解処理が不十分になること等があり、20倍容量を超えると、コスト的に不利になること等がある。
<<<低級アルコールの使用>>>
前記加水分解処理は、低級アルコールの存在下で行う。前記低級アルコールを使用することにより、前記ウコギ科トチバニンジン属植物と、前記強酸水溶液との親和性を向上させ、効率よく加水分解を進めることが可能となる。また、前記低級アルコールを使用することにより、得られる酸処理物残渣の味や取扱い性を高めることができる点でも、有利である。
前記低級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、メタノール、エタノール、プロパノールが好ましく、安全性の点からエタノールが特に好適である。
なお、本明細書において、低級アルコールとは、炭素数が1〜4のアルコール化合物を示す。
前記低級アルコールの使用量としては、特に制限はないが、加水分解液総量に対して、1容量%〜80容量%であることが好ましく、10容量%〜50容量%であることがより好ましく、20容量%〜40容量%であることが特に好ましい。
前記低級アルコールの使用量が、前記加水分解液総量に対して、1容量%未満であると、効率よく酸処理物が得られないこと等があり、80容量%を超えると、効率よく前記酸処理物が得られないことや、コスト的に不利になること等がある。一方、前記低級アルコールの使用量が、前記特に好ましい範囲内であると、効率よく酸処理物が得られる点で、有利である。なお、前記「加水分解液総量」とは、前記強酸水溶液、及び、前記低級アルコールを含めた全反応液量のことをいう。
前記強酸水溶液、及び、前記低級アルコールを含めた全反応液量(加水分解液総量)としては、特に制限はないが、前記ウコギ科トチバニンジン属植物に対し、2倍容量〜20倍容量とすることが好ましい。
全反応液量が、前記ウコギ科トチバニンジン属植物に対して、2倍容量未満であると、十分に浸らず加水分解処理が不十分になること等があり、20倍容量を超えると、コスト的に不利になること等がある。
前記加水分解処理における処理温度としては、特に制限はないが、60℃〜100℃が好ましく、70℃〜90℃がより好ましい。
前記処理温度が、60℃未満であると、加水分解が不十分で効率よく前記酸処理物が生成されないこと等があり、100℃を超えると、特殊な製造設備が必要となり、コスト的に不利になること等がある。一方、前記処理温度が、前記より好ましい範囲内であると、効率よく前記酸処理物が得られる点で、有利である。
また、前記加水分解処理における処理時間としては、特に制限はないが、30分〜24時間が好ましく、2時間〜8時間がより好ましい。
前記処理時間が、30分未満であると、加水分解が不十分で効率よく酸処理物が得られないこと等があり、24時間を超えると、反応が進みすぎたり、コスト的に不利になること等がある。一方、前記処理時間が、前記より好ましい範囲内であると、効率よく前記酸処理物が得られる点で、有利である。
<<中和工程>>
前記中和工程では、前記加水分解処理後、得られた加水分解処理後の液を中和する。
前記中和は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができ、例えば、前記加水分解処理後の液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基水溶液を適宜加えることにより、行うことができる。なお、前記中和後のpHは、5〜8とすることが好ましい。
<<加水濾過工程>>
前記濾過工程では、前記中和工程後の加水分解処理後の液を加水濾過し、濾液と残渣とに濾別する。
前記加水濾過は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができる。なお、濾過後は、更に塩がなくなるまで水洗を繰り返してもよい。
<<<加水濾過>>>
前記低級アルコールを使用することから、濾過前に、前記酸処理物残渣への残留を促す目的で、水を加えて加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を下げる。
この場合に加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度は低ければ低いほどよく、したがって添加する水は多いほどよいが、加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度が50容量%以下となるように添加することが好ましく、30容量%以下となるように添加することがより好ましく、10容量%以下となるように添加することが特に好ましい。
前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度が、50容量%を超えたまま濾過に供すると、得られた前記酸処理物が低級アルコールに溶解して濾液として排出される点で不利となる。一方、前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を、特に好ましい範囲内とすると、より効率よく前記酸処理物残渣が得られる点で、有利である。
<<乾燥工程>>
前記乾燥工程では、前記加水濾過工程後の濾別された残渣を乾燥し、精製された前記酸処理物残渣を得る。
前記乾燥は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができ、例えば、凍結乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥など通常の方法が利用できる。
<摂取>
前記尿酸値低下組成物の摂取方法、摂取量、摂取回数、摂取時期、及び摂取対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記摂取方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、経口で摂取する方法が、容易に摂取できるため継続しやすい点で好ましい。
前記摂取量としては、特に制限はなく、摂取対象個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができるが、1日あたりの摂取量が、少なくとも1mg以上であることが好ましく、10mg〜1,000mgがより好ましく、20mg〜500mgが更に好ましく、30mg〜300mgが特に好ましい。
前記摂取回数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1日1回が、利便性が良い点で好ましい。また、長期間継続摂取することが好ましい。
前記摂取対象となる動物種としては、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、トリ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。前記尿酸値低下組成物は、前記摂取対象がヒトである場合、尿酸値が7.0mg/dLを超える高尿酸血症のヒトに対して、特に優れた尿酸値低下作用を示す点で有利である。
<用途>
前記尿酸値低下組成物は、例えば、医薬品、医薬部外品、一般食品、健康食品や健康飲料、保健機能食品、食品添加剤、飼料、飼料用添加剤など様々な用途に使用することができ、その際の形態としては、乾燥粉末として提供することもできるし、液剤、錠剤、散剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、乳剤、アンプル剤、注射剤、その他任意の形態に調製して提供することもできる。
前記尿酸値低下組成物としては、製剤化により血中尿酸値低下剤、高尿酸血症予防剤、高尿酸血症改善剤、痛風予防剤及び痛風改善剤等の治療剤として用いることができる。
前記製剤化の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の製剤技術により行なうことができ、製剤中には適当な添加物も加えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は該実施例に何ら限定されるものではない。
<尿酸値低下組成物の調製>
(実施例1)
田七人参粉末300gを、塩酸(35.0質量%〜37.0質量%:和光純薬工業(株)製)0.48L、及び蒸留水1.52L、並びに99.5%エタノール(和光純薬工業(株)製)1Lを加え、6時間、80℃の温度条件で攪拌、加熱を行った。
続いて、得られた反応液に5M水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7.0に調整した後、12.5Lの蒸留水を加え、その後溶液を濾過し、濾液と残渣に濾別した。
得られた残渣を凍結乾燥して、田七人参酸処理物残渣からなる実施例1の尿酸値低下組成物52.0gを得た(収率17.3%)。
(比較例1)
実施例1に用いた田七人参粉末と同じ田七人参粉末を比較例1の尿酸値低下組成物として用いた。
<尿酸値低下効果の試験(I)>
−試験方法−
成人20名の血中尿酸値を測定し、尿酸値が平均的となるように二群に分け、一方に比較例1の尿酸値低下組成物(田七人参粉末)1.0gを封入したカプセル、他方に実施例1の尿酸値低下組成物(田七人参酸処理物残渣)173mg(田七人参粉末1.0gに相当)を封入したカプセルを空腹状態で午前中に一度摂取させ、これを2週間継続させた。
−試験結果−
下記表1から理解されるように、比較例1の尿酸値低下組成物を用いた田七人参粉末摂取群においては、摂取前と、2週間摂取後とで、2週間摂取後の方が、0.2mg/dLの分だけ尿酸値が低下するのにとどまった。これに対し、実施例1の尿酸値低下組成物を用いた田七人参酸処理物残渣の摂取群においては、摂取前と、2週間摂取後とで、2週間摂取後の方が、0.66mg/dL低下し、尿酸値の大幅な低下が見られた。
2週間摂取後の田七人参粉末摂取群の尿酸値低下値と、田七人参酸処理残渣摂取群の尿酸値低下値について、スチューデントt検定を用いて統計解析を行ったところ、危険率P=0.02となり、田七人参酸処理残渣摂取群の尿酸値低下に統計的に有意な差が認められた。
Figure 0005550995
<高尿酸血症予防及び改善の試験>
−試験方法−
尿酸値低下効果の評価において、実施例1の尿酸値低下組成物を用いた田七人参酸処理物残渣の摂取被験者に対して、更に、下記(1)、(2)の様に群分けを行い、その群ごとに下記に示す方法で尿酸値の測定を行った。
(1)4週摂取群(被験者11〜15)
この群では、前記尿酸値低下効果の試験(2週間継続摂取)に引き続いて、更に、2週間摂取し、合計4週間に亘り、実施例1における尿酸値低下組成物を継続して摂取した。
(2)中断後2週群(被験者16〜20)
この群では、前記尿酸値低下効果の試験(2週間継続摂取)で、摂取を中断し、その後2週間継続して実施例1における尿酸値低下組成物を摂取しないようにした。
−試験結果−
前記(1)4週摂取群と、前記(2)中断後2週群とにおける各被験者に対し、試験終了後の尿酸値を測定した。その結果を下記表2に示す。
下記表2から理解されるように、前記(1)4週摂取群においては、前記(2)中断後2週群と比較して、有意に尿酸値が低い値を示した。
即ち、前記(2)中断後2週群では、摂取開始後2週間経過時と試験終了時(摂取を中断して2週間経過時)とを比較して、低い尿酸値状態が維持されないが(尿酸値が平均0.6mg/dLの上昇)、前記(1)4週摂取群では、摂取開始後2週間経過時と試験終了時(摂取開始後4週間経過時)とを比較して、低い尿酸値状態が維持される(尿酸値が平均0.18mg/dL低下)ことが確認された。
なお、4週間摂取群における摂取開始2週間後と試験終了時(摂取開始4週間後)とを比較した尿酸値の差と、中断後2週群における摂取開始2週間後と試験終了時(摂取を中断して2週間経過時)とを比較した尿酸値の差について、スチューデントt検定を用いて統計解析を行ったところ、危険率P=0.05となり、尿酸値低下効果に統計的に有意な差が認められた。
このように、実施例1における尿酸値低下組成物を継続して摂取し続けると、尿酸値の上昇を抑制することができ、また尿酸値低下組成物の摂取を中断すると尿酸値は上昇するため、本発明の尿酸値低下組成物は、高尿酸血症の予防及び改善に寄与することができると推察される。
Figure 0005550995
<尿酸値低下効果の試験(II)>
高尿酸血症の判断指標である血中尿酸値が7.0mg/dLを超える血中尿酸値を持つ成人(高尿酸血症群)と、血中尿酸値が7.0mg/dL以下の成人(正常尿酸値群)とを被験者とした尿酸値低下効果の試験を実施した。
(実施例2:高用量剤の調製)
実施例1で得られた田七人参酸処理物残渣を用いて、田七人参酸処理物を180mg配合した結晶セルロース1.0gをカプセルに封入し、実施例2における尿酸値低下組成物(以下、「高用量剤」と称することがある。)を調製した。
(実施例3:低用量剤の調製)
実施例1で得られた田七人参酸処理物残渣を用いて、田七人参酸処理物を45mg配合した結晶セルロース1.0gをカプセルに封入し、実施例3における尿酸値低下組成物(以下、「低用量剤」と称することがある。)を調製した。
(比較例2:プラセボ剤の調製)
実施例1で得られた田七人参酸処理物残渣を配合しない結晶セルロース1.0gをカプセルに封入したこと以外は、実施例2ならびに実施例3と同様にして、比較例2における尿酸値低下組成物(以下、「プラセボ剤」と称することがある。)を調製した。
−試験方法−
高尿酸血症の判断指標である血中尿酸値が7.0mg/dLを超える血中尿酸値を持つ成人12名(高尿酸血症群:被験者59〜70)と、血中尿酸値が7.0mg/dL以下の成人38名(正常尿酸値群:被験者21〜58)とを被験者とし、高尿酸血症群、並びに、正常尿酸値群のそれぞれに対して血中尿酸値を測定し、尿酸値が平均的になるように三群に分け、プラセボ群(被験者21〜33、59〜63)、低用量群(被験者46〜58、68〜70)、高用量群(被験者34〜45、64〜67)の三群を設定した。プラセボ群には比較例2の尿酸低下組成物、低用量群には実施例3の尿酸低下組成物、高用量群には実施例2の尿酸低下組成物を空腹状態で午前中に一度摂取させ、これを12週間継続させた。
−試験結果−
正常尿酸値群の結果を下記表3に、高尿酸血症群の結果を下記表4に示す。
表3から理解されるように、血中尿酸値が7.0mg/dL以下の正常尿酸値群においては、摂取前と摂取12週間後とでは、血中尿酸値に対し大きな変動は見られなかった。
一方、表4から理解されるように、血中尿酸値が7.0mg/dLを超える高尿酸血症群においては、プラセボ群について、摂取前と摂取12週間後とでは、摂取12週間後の方が血中尿酸値は0.36mg/dLの上昇が見られた。これに対し、実施例3の尿酸値低下組成物を摂取した低用量群においては、摂取前と摂取12週間後とでは、摂取12週間後の方が、血中尿酸値は0.47mg/dLの低下が見られ、また測定結果について、スチューデントt検定を用いて解析を行ったところ、危険率P=0.10となり、緩和な尿酸値低下効果が見られた。更に実施例2の尿酸値低下組成物を摂取した高用量群においては、摂取前と摂取12週間後とでは、摂取12週間後の方が、血中尿酸値は0.6mg/dLの低下が見られ、また、測定結果についてスチューデントt検定を用いて解析を行ったところ、危険率P=0.04となり、尿酸値低下効果において、統計的に有意な差が認められた。
なお、全ての群において12週間の摂取期間中、被験者には何ら副作用は認められず、摂取に際して被験者の抵抗感もなかった。これらの結果より、本試験組成物は安全かつ無理なく継続的に摂取することができ、特に血中尿酸値が高値を示す者に対して効果的に尿酸値を低下させ得ることが判明した。
Figure 0005550995
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本発明の尿酸値低下組成物は、血中の尿酸値を低下させるとともに、副作用がなく長期
間安心して無理なく服用でき、更に、高尿酸血症の予防及び改善に寄与することから、血
中尿酸値低下剤、高尿酸血症予防剤、高尿酸血症改善剤、痛風予防剤、痛風改善剤として好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. ウコギ科トチバニンジン属植物を強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理後、加水濾過して得られる酸処理物残渣を有効成分として含有することを特徴とする尿酸値低下組成物。
  2. ウコギ科トチバニンジン属植物が田七人参である請求項1に記載の尿酸値低下組成物。
  3. 血中尿酸値低下剤、高尿酸血症予防剤、高尿酸血症改善剤、痛風予防剤及び痛風改善剤に用いられる請求項1から2のいずれかに記載の尿酸値低下組成物。
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