JP2013545767A - 有効成分として絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物及び前記組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明による組成物は、従来の絡石藤及び牡丹皮の各抽出物と比較して、抗炎症及び浮腫抑制効果に優れた炎症性疾患の予防、治療又は改善のために使用することができ、天然物の治療薬として合成医薬品に比べて真菌感染とその他の副作用の心配のない安全な治療を提供することができ、絡石藤及び牡丹皮の抽出混合物の従来の抗細菌、骨強化、消炎、代謝、血液の栄養、若返りなどの機能と作用によって治療効果の相乗作用をもたらすことができる。
【解決手段】本発明は、絡石藤(Trachelospermi Caulis)抽出物及び牡丹皮(Paeonia Suffruticosa Andrews)抽出物の混合物を有効成分として含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物、医薬部外品組成物、炎症の予防又は改善のための健康機能食品組成物、化粧料組成物、前記の医薬組成物の製造方法及び前記組成物を炎症性疾患の疑いのある対象者に投与するステップを含む、炎症性疾患の治療方法に関するものである。
【選択図】図11

Description

本発明は、絡石藤(Trachelospermi Caulis)抽出物及び牡丹皮(Paeonia Suffruticosa Andrews)抽出物の混合物を有効成分として含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物、及び前記薬学的組成物の製造方法に関するものである。また、本発明は絡石藤及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む炎症の予防又は改善用の医薬部外品組成物、健康機能食品組成物、化粧料組成物に関するものである。さらに本発明は、前記組成物を炎症性疾患の疑いのある対象者に投与するステップを含む、炎症性疾患の治療方法に関する。
炎症性疾患は、炎症を主病変とする疾患を総称するものであり、前記炎症は何らかの刺激に対する生体組織の防御反応の一つで、組織変質、循環障害と滲出、組織増殖の3種類の症状を併発する病変である。前記炎症性疾患には、急性及び慢性炎症性疾患があり、具体的には浮腫、皮膚炎、アレルギー、アトピー、喘息、結膜炎、歯肉炎、鼻炎、中耳炎、咽喉頭炎、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、強直性脊椎炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、線維筋痛症(fibromyalgia)、乾癬性関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、肩関節周囲炎、腱炎、腱鞘炎、筋肉炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群(sjogren's syndrome)及び多発性硬化症などがある。
一般に、人体内において関節組織は2つ又はそれ以上の骨が接するところで、関節で衝撃を吸収できるように柔らかい軟骨からなっている。関節炎は、少なくとも一つの関節の炎症を含む関節疾患である。関節における腫れと痛みが誘発され関節が硬くなるが、ひどい場合は身体障害になる可能性のある慢性疾患である。特に関節リウマチは、進行性のものとして殆ど一生涯の間関節奇形を引き起こす。多くの場合効果的な治療法がなく、継続的な悪化により深刻な身体障害をもたらす。米国疾病管理センター(CDC)及び関節炎財団(AF)の報告によると、関節炎患者は2020年には全人口の3人に1人の割合に相当する7,000万人に達する見込みで、1997年の5人に1人であった4,300万人に比べ大幅に増加するものとして、高齢化に伴い今後関節炎の患者の継続的な増加が予想される。韓国国内においても2005年の関節炎患者数は推定1000万人に及ぶと言われている。関節における炎症の症状は似かよっているものの、それぞれ異なった原因によって非常に様々な変形性関節症がある。最も一般的な関節炎としては、骨関節炎(変形性関節症)と関節リウマチがあり、その他には、痛風、強直性脊髄炎などが含まれる。これらの関節炎の種類を下記表1に分類した。
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis)は、関節だけでなく体の様々な組織と器官に影響を及ぼす全身的な慢性疾患であるが、基本的に潤滑膜の関節を攻撃する。自己免疫反応、すなわち自己細胞に対する過剰免疫反応は慢性及び関節リウマチ関節炎の進行において中心的役割を果たす。炎症(inflammation)は免疫システムによって攻撃を受けた細胞において生ずる。手や足のような小さな関節によく見られるが、股関節や膝関節、肘などの大きな関節にも多く見られる。関節リウマチは、25〜50歳の女性に集中的に発症し、発症後10年以内に身体障害が起こる。関節リウマチになると、滑膜組織や血液から生じる炎症細胞で構成される「パンヌス(Pannus)」という塊を形成し、これが軟骨を破壊し、関節の変形をもたらし関節周囲の骨を弱くする。パンヌスを形成した滑膜組織は、サイトカイン、ケモカインなどのいくつかの炎症誘発性分子(pro-inflammatory molecule)を生産し分泌する。近年、関節の損傷や破壊に関与することが知られているサイトカインとして、IL-6及びIL-8などが大量に分泌されること、TNF-α, IL-1β, IL-15, IL-18なども分泌されることが報告されている。関節リウマチを誘発するにあたり、T細胞、B細胞、マクロファージ、滑膜細胞(synoviocyte)及び軟骨細胞(chondrocyte)などは重要な疾患誘発細胞であるが、これらの細胞は、関節内での1つのブロックを形成しており、関節リウマチ疾患誘発因子の生成によって関節軟骨や骨に損傷を与えることが知られている。
現在、関節リウマチの治療薬として様々な合成化合物が開発されている。しかし、エンブレル(Enbrel)、ヒュミラ(HumiraTM)、レミケード(Remicade)及びシムジア(Cimzia)は、米国食品医薬品局(FDA)から、真菌感染症を引き起こす可能性があるとして警告を受けている。 FDAは現在「黒枠警告」をさらに強化するよう製薬会社に命じている。FDAは腫瘍壊死因子(TNF)を遮断するこれらの薬品が、腫れ上がった関節の痛みは緩和するものの免疫システム抑制し、各種の感染症に対して脆弱になることを指摘し、これらの薬品を服用している患者は、特にヒストプラズマ症を発症しやすいと警告している。FDAは、これまで前記の薬品を服用してヒストプラズマ症にかかった患者が240人に上ると報告している。240人に患者のうち、およそ20%に当たる45人が死亡し、特に診断が遅れた21人のうちの半分以上である12人が死亡したことを明らかにしている。また、韓国食品医薬品安全庁(KFDA)は、近年日本では関節リウマチ治療薬の服用により約130人が死亡したことに関連し、当該医薬品の副作用に対する安全性を訴える書簡を韓国内の医師や薬剤師に配布したことを明らかにした。食品医薬品安全庁は書簡で、関節炎の治療薬として使われる「メトトレキサート」の有効成分は、間質性肺炎、骨髄阻害などの副作用を引き起こす可能性があり、服用時の注意についての指導が必須であることを強調した。以上のように合成関節リウマチ治療薬の真菌感染症などの副作用や、未だ副作用が明らかにされていない他の合成関節炎治療薬の副作用に対する不安などにより、最近では安全な天然の生薬からなる関節リウマチ治療薬の研究開発に関心がよせられ、また天然の生薬組成物からなる関節リウマチ治療薬が紹介されている。
従来の関節炎治療薬には、痛みの緩和のみが期待できる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗炎症作用と治療効果のある副腎皮質ホルモン、治療機能を有する抗リウマチ剤などがある。代表的な抗リウマチ剤としては、免疫調節剤のペニシラミン(penicillamine)、ブシラミン(bucillamine)、免疫抑制剤のシクスロポリン(cyclosporine)、アザチオプリン(azathioprine)及びメトトレキサート(methotrexate)、金塩(gold salts)、 ヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine)などがあり、殆どは2種類以上の薬品を混合して使用している。近年5年間で関節炎治療薬は多くの変化をもたらされた。TNFを阻害したり、COX-2阻害剤などの、痛みを管理し多くの合併症を予防する薬物が開発された。炎症にはプロスタグランジンと呼ばれる脂質成分が多量に合成される。これは、免疫反応に重要な役割を果たす媒介体として、細胞内のアラキドン酸から合成され、合成過程にはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素が関与する。 NSAIDsは、COX酵素の作用を抑制し、プロスタグランジンの合成を阻害するため、炎症を抑制し関節炎を治療することが知られている。
天然物素材で関節炎治療剤として開発されているのものとしては、その殆どが抽出物を利用して製品化されたもので、正確な薬理機序は明らかにされていないが、大部分は経口剤で服用が容易で、かつ長期間服用できるため開発が盛んに行われている。現在まで開発されてきた素材としては、関節液と成分が似ているヒアルロン酸を注射剤で使用したり、健康補助食品としてグルコサミンとコンドロイチンを一緒に服用したり、生薬などの素材として東医宝鑑などの従来の漢方医学書に記載されている天然素材を使用したものが開発されている。
最近では、分子生物学的技術の大いなる発展により、天然物質についても医薬的効能と安全性が明らかにされてきており、天然物医薬品に対する見方も変わってきている。長期服用時にも副作用がないという天然物医薬品の利点のため、今や天然物医薬品は特別な医薬品として認識されている。通常前記天然物医薬品は、長い間食品として摂取されてきた動植物などを単独及び/又は複合的に抽出若しくは分離精製した生薬を用いて医薬品として開発するものであり、合成医薬品に比べて毒性が低く、安全性の高い医薬品として認識されている。
しかし、一方では特に製剤化の部分で多くの問題を抱えており、例えば抽出乾燥された生薬抽出物粉末の場合、湿気を多く吸収するため取り扱い上の困難が伴う。これを固形の経口剤に製剤化する場合にも剤形の際に湿気を多く吸収するため、長期保存時の製剤形態と含有量などの維持が難しいという問題がある。
一方、生体における炎症の発生原因としては様々な生化学的な現象が関与している。マクロファージ(Macrophage)は、多様な機能を持つ細胞で、化学的刺激によっていろいろなサイトカイン(cytokine)と窒素酸化物(NO)を生成し、炎症反応に重要な役割を果たす。炎症反応の結果として、iNOS(inducible nitric oxide synthase)によって生成された前記窒素酸化物の超生理学的濃度(supraphysiological concentrations)が様々な炎症性疾患の病理生物学において役割を果たしている(非特許文献1)。また、様々な研究を通じてインターロイキン-6(IL-6)及びインターロイキン-1β(IL-1β)などが炎症反応を促進するサイトカインの一種として知られており(非特許文献2)、これは関節リウマチ(非特許文献3)、線維筋痛症(非特許文献4)、シェーグレン症候群(非特許文献5)などの炎症性疾患と関連することが知られている。前記の研究結果は、もし天然物医薬品が酸化窒素(NO)の生成を抑制したり、IL-6、IL-1βなどのサイトカイン生成を抑制する機能を有するならば、様々な炎症性疾患の予防と治療に効果的に使用され得ることを意味する。
Kobayashi Y. et al.、J Leukoc Biol.、88、pp1157-62、2010 Punzi L. et al.、Crit Rev Clin Lab Sci.、2002、39(1):63-88 Jang CH et al.、Rheumatology、2006、45(6):703-710 Hernandez ME et.al.、BMC Res。Notes.、2010、3(1):156 Baturone R. et.al.、Scand J Rheumatol.、2009、38(5):386-389
本発明者らは、炎症や関節炎性疾患の予防、治療及び改善に有用でありながら、特に関節リウマチ誘発因子の発現に関与するメカニズム因子を調整し、活性化を抑制することができる天然物質を求め鋭意努力した結果、絡石藤抽出物及び牡丹皮(ボタンピ)の抽出物を組み合わせることにより関節炎に効果を示すことを確認し、また、前記抽出物を含む組成物を製造する場合には、吸湿性、原料の密度、流動性、付着・凝集性などによる製剤化の問題を解決しようと鋭意努力し、混合抽出物の安定性を維持することができる剤形を開発した。
よって、本発明の目的は、絡石藤(Trachelospermi Caulis)抽出物及び牡丹皮(Paeonia Suffruticosa Andrews)抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用の医薬部外品組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用の健康機能食品組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用の化粧料組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、(a)絡石藤をエタノール水溶液で抽出し、これをろ過して、ろ液と残渣を分離した後乾燥して指標物質であるアルクチゲニンの含有量が0.05〜1.5重量%である絡石藤抽出物を得るステップ、(b)牡丹皮をエタノール水溶液で抽出し、これをろ過して、ろ液と残渣を分離した後、乾燥して指標物質であるぺオニフロリンの含有量が1.8〜5.3重量%である牡丹皮抽出物を得るステップ、及び(c) 前記(a)の絡石藤抽出物及び(b)の牡丹皮抽出物を乾燥重量基準で1:1〜3:1の重量比で混合するステップを含む、炎症性疾患の予防又は治療用の医薬組成物の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、前記医薬組成物を炎症性疾患の疑いのある対象者に投与するステップを含む、炎症性疾患の治療方法を提供することにある。
絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を含む本発明による組成物は、従来の絡石藤及び牡丹皮のそれぞれの抽出物と比較して、抗炎症及び浮腫の抑制効果に優れた天然物治療薬として、炎症性疾患の予防、治療又は改善のための使用が可能である。天然素材として、合成医薬品に比べ真菌感染及びその他の副作用の心配のない安全な治療剤を提供することができる。絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出の混合物の持つ抗菌、骨補強、消炎、血液の栄養、元気活性などの従来の機能と作用によって治療効果の相乗効果を得ることができる。また、経口投与用に剤形化された場合、前記組成物は製造工程に十分な時間を確保することができる。吸湿性を抑えた素材の剤形化は湿気に強いため保存期間と投与において有利である。
絡石藤及び牡丹皮の95%のエタノール乾燥エキスの製造過程を図式化したものである。 絡石藤及び牡丹皮の95%のエタノール軟エキスの製造過程を図式化したものである。 絡石藤95%のエタノール抽出物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるクロマトグラムを示す。 牡丹皮95%のエタノール抽出物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるクロマトグラムを示す。 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるクロマトグラムを示す。 マウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株を用いた絡石藤抽出物(TC)、牡丹皮の抽出物(MCR)、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI-000902)、複合生薬(SI-000413)とジョインス錠(J)の同じ濃度100μg/mLでの窒素酸化物(NO)、IL-1β及びIL-6の分泌阻害効果を示すグラフである。 マウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株を用いた絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI-000902)の濃度に応じた窒素酸化物(NO)分泌阻害効果を示すグラフである。 マウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株を用いた絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI-000902)の濃度に応じたIL-1β分泌阻害効果を示すグラフである。 絡石藤抽出物(TC)、牡丹皮の抽出物(MCR)、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI-000902)の、IL-6によって誘導されたシグナル(JAK2リン酸化、gp130のリン酸化及びSTAT3のリン酸化)とPMAで誘導されたERKリン酸化抑制活性を測定した結果を示す。 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI-000902)乾燥エキス、インドメタシン(I)、メロキシカム(M)及びブシラミン(B)の炎症抑制効果を写真とスコアで表示したものである。 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI000902)軟エキス及びブシラミン(B)の炎症抑制効果をスコアで表示したものである。 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物(SI000902)軟エキス及びブシラミン(B)の関節炎が誘発されたマウスにおける脾臓細胞の増殖抑制効果を示す。 絡石藤抽出物及び牡丹皮物の抽出混合物(SI000902)軟エキス及びブシラミン(B)の関節炎が誘発されたマウスの脾臓で生産されるIFN-γ及びIL-2の抑制効果を示す。
前記目的を達成するための一つの態様として、本発明は、絡石藤(Trachelospermi Caulis)抽出物及び牡丹皮(Paeonia Suffruticosa Andrews)抽出物の混合物を有効成分として含む炎症性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を提供する。
本発明における用語「絡石藤(ラクセキトウ)」とは、定家葛(テイカカズラ)とも呼ばれ、真折葛(マサキカズラ)(Trachelospermum asiaticum)又は同属近縁植物(キョウチクトウ科Apocyanaceae)のつるの茎や枝を意味する。韓国の古代の医薬書物では薬用植物の抽出物は、心臓、肝臓及び腎臓に機能的に作用し、風と湿気に起因する疾病を治療し、子午線システムによって生命エネルギーの流れを助け、脾症、肢体の痙攣、腰痛、関節痛、扁桃炎及び吹き出物などに使用されることが記録されている。現在まで知られている絡石藤の成分には、アルクチイン(arctiin)、アルクチゲニン(arctigenin)、トラケロサイド(tracheloside)、マタイレシノシド(matairesinoside)、シマロース(cymarose)などがあり、血管拡張作用、血圧強化作用があることが知られている。
本発明における用語「牡丹皮」とは、牡丹(学名:Paeonia Suffruticosa Andrews)の根皮(Moutan Root Bark)として、漢方医学では薬品として使用されている人体に無害な植物である。成分としては、ペオニシド(paeonoside:ペオノール・グルコシド)、ぺオノリド(paeonolide:paeonol-rhamnoglucoside)及びペオノール(paeonol)を含有し、ペオニシドは保存中に分解され、糖とペオノールを生成する。また、ペオニフロリン(paeoniflorin)、オキシペオニフロリン(o×ypaeoniflorin)、ベンゾイルぺオニフロリン(benzoylpaeoniflorin)、ぺオノリドタンニン(paeonolide tannin)、プロシアニジンB1(procyanidin B1)、ベンゾイルオキシペオニフロリン(benzoylo×ypaeoniflorin)、ペオニン(paeonin)、アストラガリン(astragalin)及びぺラルゴニン(pelargonin)などの成分が含まれている。これらの成分は根皮だけでなく、幹の中心部にも存在することが組織化学的に確認された。漢方医学では、牡丹皮の抽出物は溢血の治療に処方されており、その抗炎症作用はモノテルペン配糖体(Monoterpene glycosides)成分が関与していると推測されている。ペオノールには抗菌作用があり、試験管内で大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌及び枯草菌などの増殖を1,500〜2,000倍の希釈濃度において抑制作用があることが明らかになっている。ベンゾイルペオニフロリン、ベンゾイルオキシピオニフロリンなどは、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用があり、ペオノリドタンニンは抗ウイルス作用がある。ペオニフロリンは血小板凝集抑制作用があり、フィブリノーゲンを減少させる。牡丹皮は冷たい性質を有しており、漢方では消炎剤や溢血の治療薬として利用され、下腹部の臓器の血管系の炎症、うっ血による激痛、発熱、化膿及び出血などに薬効があり、特に婦人科では月経不順、子宮及び子宮付属器の炎症、うっ血、激痛に対する消炎、鎮痛、鎮痙の効果があり、痔、虫垂炎にも応用されている。
本発明は、前記絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物を有効成分とすることを特徴とする。具体的には、前記の絡石藤及び牡丹皮の抽出物をそれぞれ製造した後、適切な割合で混合して製造した混合抽出物である。前記の絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の重量比は、乾燥重量基準で1:1〜3:1であることが好ましく、1:1であることがより好ましい。また、前記の絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物は、それぞれの指標物質であるアルクチゲニンとペオニフロリン含有量に応じて決定することができ、この場合、アルクチゲニンは0.05〜1.5重量%、ペオニフロリンは、1.8〜5.3重量%であってもよい。前記抽出混合物は、絡石藤又は牡丹皮のそれぞれ単独抽出したものに比べて鎮痛効果、急性及び慢性の炎症抑制作用、炎症誘発に関わる窒素酸化物(Nitric oxide)とサイトカイン(Cytokine)分泌阻害がより優れた炎症性疾患の予防及び治療に有用な医薬組成物を提供することができる。
本発明の一実施例では、前記抽出物混合物の酸化窒素及びサイトカイン分泌阻害効果を測定することにより、前記抽出物混合物は、それぞれの単独抽出物の処理濃度の半分のレベルで抑制効果がほぼ同様の優れた効果を示し、特にIL-1β分泌阻害及びIL-6によって誘導されるB細胞の分裂と分化を促進するJAK2及びSTAT3のリン酸化活性抑制の場合、相乗効果(synergy effect)があることを確認することで、それぞれの抽出物の持つ効果を互いに干渉又は妨害せず、相互補完的な機序を持つ優れた複合剤であることが確認された(図6及び図9)。
本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出物は、これに限定されないが、抽出処理により得られる抽出液、抽出液の希釈液又は濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、これらの調製剤物質や精製物のいずれか一つであってもよい。また、それぞれ独立して、当業界で通常使用される抽出溶媒を用いて抽出することができ、水、炭素数1〜6のアルコール、又はこれらの混合溶媒で抽出するこが好ましいが、前記アルコールが、エタノール、メタノール又はブタノールであることがより好ましく、90%〜99%のエタノール水溶液の溶媒で抽出することがさらに好ましい。
本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出物は、これに限定されないが、エタノール抽出物の乾燥エキス又は軟エキスであることが好ましい。
本発明における用語「乾燥エキス」とは、生薬原料に適当な浸出剤を入れて一定時間冷浸法、温浸法又はパーコレーション法によって浸出し、浸出液をろ過して、適切な方法で濃縮、乾燥して製造した製剤を意味する。乾燥エキスは粉砕可能な塊、粒状又は粉末にすることができる。本発明の一実施例では、絡石藤及び牡丹皮の生薬を洗浄し、95%のエタノール水溶液で抽出し、その後ろ過して、そのろ液を混合して濃縮した後、これを乾燥して粉砕することによって乾燥エキスを製造した(図1)。
本発明で使用される用語「軟エキス」とは、生薬原料に適当な溶媒(精製水、エタノールなど)を入れて有用な成分を抽出して得られた抽出液をシロップ状に濃縮して製造したもの意味する。本発明の一実施例では、絡石藤及び牡丹皮を洗浄し、95%のエタノールで抽出し、その後ろ過して、そのろ液を混合して濃縮することによって軟エキスを製造した(図2)。
本発明で絡石藤の指標物質として選定した「アルクチゲニン(arctigenin)」とは、分子式C21H24O6、分子量372で構成される物質で、ジベンジルブチロラクトンリガンド(Dibenzylbutyroactone ligand)であり、数種類の植物、特にキク科における生理活性について活発に研究されている物質の一つである。また、炎症性変化による疾患の治療用薬品の重要な成分であり、一定含有量の範囲で含まれる場合に、薬効の相乗効果が表れ、より強力な薬効を示すことができる。本発明では、アルクチゲニンの含有量は0.03〜2.0重量%であることが好ましく、0.05〜1.5重量%であることがより好ましい。
本発明で牡丹皮の指標物質として選定した「ペオニフロリン(Paeoniflorin)」とは、分子式C23H28O11、分子量480.45で構成される物質で、シャクヤクや牡丹など牡丹科の根の主要成分の一つである。無色の結晶質でシャクヤクサポニンとも呼ばれ、血管拡張、抗炎症、抗敏感及び免疫促進効果があることが知られている。本発明では、ペオニフロリンの含有量は、1.4〜5.5重量%のであることが好ましく、1.8〜5.3重量%であることがより好ましい。
本発明の一実施例では、採取場所や採取時期が異なる薬品を抽出して得られた絡石藤抽出物及び牡丹皮の抽出物に対して濃縮比率に応じたアルクチゲニンとぺオニフロリンの含有量を分析した。その結果アルクチゲニンの含有量は、0.05〜1.5重量%の分布を示し、ペオニフロリンの含有量は、1.8〜5.3重量%の分布を示すことが確認された。
本発明の組成物は、炎症関連因子として知られている窒素酸化物(NO)、IL-6又はIL-1βの分泌を抑制することを特徴とする。前記窒素酸化物及び炎症関連サイトカインのIL-6又はIL-1βの分泌を抑制することにより、炎症性疾患の予防又は治療効果を示すことができる。本発明の一実施例では、絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物の抗酸化窒素及びサイトカインの抑制活性を測定し、すぐれた抑制効果が確認された(図6)。
本発明における用語「炎症性疾患」とは、炎症を主病変とする疾患を総称するが、これらに限定されるものではない。具体的には、浮腫、皮膚炎、アレルギー、アトピー、喘息、結膜炎、歯肉炎、鼻炎、中耳炎、咽喉頭炎、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、強直性脊椎炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、線維筋痛症(fibromyalgia)、乾癬性関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、肩関節周囲炎、腱炎、腱鞘炎、筋肉炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群(sjogren's syndrome)と多発性硬化症などを挙げることが好ましい。関節リウマチ又は浮腫がより好ましく、関節リウマチがさらに好ましい。
本発明における用語、「関節炎」とは、医学的に細菌や外傷などの原因により、関節内に炎症性の変化が生じたことを総括して指す病名であり、急性と慢性に大別される。急性関節炎は、次のように分類される。(1)漿液性関節炎:通常、外傷によって起こるが、原因不明のものもあり、普通一つの関節のみに発生する。(2)漿液性繊維性関節炎:急性関節リウマチの際に起こるが、関節腔内に混濁した滲出液が貯まる。繊維の上膜ができ、炎症が治っても重度の運動障害を残す。(3)化膿性関節炎:関節の開放創に発病したり、淋病、腸チフス、猩紅熱又は敗血症などの接触伝染病により多発性も見られる。生後1〜2ヶ月の幼児では骨がひどく損傷し治療不可能な脱臼を起こす。大人の場合、骨膜骨髄炎にかかり化農した部分が破裂し膿が関節に侵入することが多いが、これを2次化膿性関節炎という。慢性の関節炎は、次のように分類される。(1)特異性炎症:結核、梅毒性あるいは中年以降の男性に多く、尿酸代謝障害による痛風性関節炎がある。(2)多発性関節炎:慢性関節リウマチが最も多いが、急性漿液性関節炎が多発性関節炎に移行したり、結核、梅毒、淋病の経過とともに多発性として発病したり、敗血症の一つであったり、その他にステイル病と呼ばれる関節症も含まれる。(3)変形性関節炎:骨や関節の老化や外傷が原因である。(4)血友病性関節炎:血友病を患った際の、関節内の出血によるものである。退行性関節炎とは別名骨関節炎とも呼ばれ、中年或いは高齢者に主に発生する。老衰による関節軟骨の変化によって起こる局所的な関節炎である。このような関節炎は、炎症性サイトカイン及び窒素酸化物の増加をもたらす。
本発明における用語「関節リウマチ」とは、多発性関節炎を特徴とする原因不明の慢性炎症性疾患である。初期には関節を包んでいる滑膜に炎症が生じるが、徐々に周囲の軟骨と骨に炎症が広がり、関節の破壊や変形をもたらすようになり、関節だけでなく関節外症状として貧血、乾燥症候群、皮下結節、肺繊維症、血管炎及び皮膚潰瘍など全身に広がり得る疾患である。本発明の一実施例では、関節リウマチの動物モデルであるマウスを用いて、絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物の炎症抑制効果を確認することにより、関節リウマチの治療及び予防効果があることを確認した。
本発明における用語「浮腫」とは、組織内にリンパ液や組織の滲出液などの液体が溜まって過剰に存在する状態を意味する。皮膚や軟部組織に浮腫が発生すると、皮膚が腫れ上がり、指で押すと一時的にくぼむ。本発明の一実施例では、関節炎が誘発されたマウスを用いた浮腫の程度を目視評価することによって、絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物が実験群全体の足の部位の腫れを軽減させることを確認し、浮腫の治療及び予防に効果があることを確認した。
本発明における用語「予防」とは、前記組成物の投与により炎症性疾患の発症を阻害又は遅延させる全ての行為を意味し、「治療」とは、前記組成物の投与で炎症性疾患の症状が好転したり改善する全ての行為を意味する。
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容可能な担体を含むことができる。薬学的に許容可能な担体を含む組成物は、経口又は非経口の様々な剤形であってもよい。製剤化する場合には、通常使用される充填剤、増粘剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を組み合わせて製剤化することができる。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の化合物に少なくとも一つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて製剤化することができる。また、単純な賦形剤に加えて、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を使用してもよい。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが一般的に使用される単純希釈剤の水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれる。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを使用することができる。坐剤の基剤としては、カカオ脂、ラウリン脂、グリセリにゼラチンを使用することができる。
また、本発明の医薬組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内容液剤、乳剤、シロップ剤、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれか一つの剤形を有することができる。
本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出物は、古くから食用及び薬用として使用されてきたものであり、その投与量に特別な制約はなく、体内吸収率、体重、患者の年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度などに応じて変化し得る。一般に絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物は、体重1kg当たり10〜1000mg程度の投与が好ましく、体重1kg当たり50〜500mg程度の投与がより好ましい。本発明の有効成分を含む医薬組成物は、有効量の範囲を考慮しながら製造し、このようにして製剤化された単位投与型製剤は、必要に応じて薬品の投与を監視したり、観察する専門家の判断と個人のニーズに応じて専門化された投薬法を使用するか、又は一定時間の間隔をおいて数回投与することができる。
本発明の医薬組成物は、二酸化ケイ素及び薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む経口投与用の医薬組成物であってもよい。経口用成分は湿気の吸収を効果的に防止することができる。
絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物は、いずれも高い吸湿性を有するため、抽出物混合物での錠剤の剤形は軟らかすぎて錠剤の形を維持できない。これらの問題を解決するためには、活性主成分自体の吸湿性を最大限に抑えなければならない。前記二酸化ケイ素及び薬学的に許容可能な賦形剤を含むことにより、前記のような問題点を解決することができる。
前記絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の吸湿性を改善するために二酸化ケイ素が使用される。特に吸湿性を防ぐ賦形剤として使用できる微結晶セルロース又はケイ酸カリウムと比較して、二酸化ケイ素はその使用量は著しく少ない反面、製剤化及び指標物質の安定性に非常に優れているという特徴を持つ。
本発明の一実施例では、絡石藤抽出物又は牡丹皮抽出物の乾燥顆粒物及びコーンスターチを含む絡石藤抽出物又は牡丹皮抽出物の乾燥顆粒物を、二酸化ケイ素を含まないものと比較したところ、二酸化ケイ素を含む絡石藤抽出物又は牡丹皮抽出物の乾燥顆粒物は常温で吸湿性を抑制し、安定した形態を維持することが確認された。また、二酸化ケイ素を含む絡石藤及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物で製造した錠剤の崩壊試験並びに長期安定化試験により、常温で長期間保管したり、高温多湿な環境で保管しても一定の崩壊時間と一定レベルの有効成分含有量を維持することが確認された。
二酸化ケイ素の使用は、有効成分の吸湿性を抑制して形状を維持することにより、製剤化に必要な工程時間を十分に確保できるという利点がある。その上、前記吸湿性が抑制された特徴を有する原料として製造した製剤もまた吸湿性防止効果があり、保管や流通に非常に有利な特徴を持つ。つまり、長期保管や高温多湿な環境での保管においても製剤化に重要な一定の放出物性(薬物動態)と指標成分の安定性を確保する効果を持つ。
本発明の前記医薬組成物は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物の合計100重量部に対し、二酸化ケイ素を30〜100重量部含むことが好ましく、二酸化ケイ素を50重量部含むことがより好ましい。仮に、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物の合計100重量部基準で二酸化ケイ素を30重量部未満使用するならば、吸湿性を充分に抑制することができないため錠剤の製剤化の安定効果は少ない。一方、100重量部を超過すると、錠剤のサイズが大きくなり有効成分以外の物質の重量が相対的に大きくなり、副作用を起こす可能性が高くなる。これに加えて製剤化の安定性効果も微々たるものとなる。
本発明における用語「薬学的に許容可能な賦形剤」とは、包括的に薬学的に許容可能な担体を意味し、経口投与用の組成物を製剤化する場合に一般的に使用される希釈剤、充填剤、増粘剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤や芳香剤などが含まれるが、これらに限定されない。前記賦形剤は、微結晶セルロース又はケイ酸カリウムが好ましく、微結晶セルロース又はケイ酸カリウムは二酸化ケイ素と共に絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の水分を吸着する役割を果たすことができるため、固形製剤の形成をより容易にすることができる。
前記微結晶セルロース又はケイ酸カリウムは、 絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物の合計100重量部に対して10〜50重量部含まれることが好ましい。この時、微結晶セルロース又はケイ酸カリウムが10重量部未満の量で使用すると、二酸化ケイ素との吸湿性の相乗効果は微小で、50重量部を超過すると錠剤のサイズが大きくなり、製剤の安定性における肯定的な効果はなくなる。
また、本発明の経口投与用の医薬組成物には、粉末剤、顆粒剤、充填剤、軟カプセル剤、錠剤又は懸濁液が含まれることが好ましく、粉末剤、顆粒剤、硬質カプセル剤又は錠剤が含まれることがより好ましいが、これに限定されない。前記錠剤の含湿度は、4〜6%が好ましく、5%がより好ましい。
また、他の一態様として、本発明は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用の医薬部外品組成物を提供する。前記の絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合に関しては、前記で説明したとおりである。より具体的には、本発明の組成物は、炎症性疾患の予防又は治療を目的として医薬部外品組成物に添加することができる。
本発明における用語「医薬部外品」とは、人や動物の病気を治療、軽減、治療又は予防する目的で使用される繊維、ゴム製品、又はこれに類似するもの、人体に対して弱く作用するか、又は人体に直接作用しないものであり、器具又は機械でないもの、又はこれに類似するもの、感染型の予防のために殺菌、殺虫及びこれに類似した目的で使用されるものを意味する。これらはすべて人や動物の病気の診断、治療、軽減、治療又は予防することを目的として使用され、人や動物の構造と機能に薬理学的影響を与える目的で使用するものと定義される。
本発明の抽出物の混合物を医薬部外品添加物として使用する場合には、前記抽出物をそのまま加えたり、他の医薬部外品や医薬部外品の成分と組み合わせて使用することができ、通常の方法で適宜使用することができる。有効成分の混合量は、使用目的に応じて適宜決定することができる。
本発明の医薬部外品組成物は、消毒洗浄剤、シャワーフォーム、マウスウォッシュ、ウェットティッシュ、洗剤石鹸、ハンドソープ、加湿器充填剤、マスク、軟膏剤、フィルター充填剤であることが好ましいが、これに限定されない。
もう一つの態様として、本発明は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善のための健康機能食品組成物を提供する。前記の絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合に関しては、前記で説明したとおりである。より具体的には、本発明の組成物は、炎症性疾患の予防又は改善を目的とした健康機能食品組成物に添加することができる。
本発明の抽出物の混合物を健康機能食品添加物として使用する場合は、前記抽出物をそのまま加えたり、他の健康食品又は健康機能食品成分と組み合わせて使用することができ、通常の方法で適宜使用することができる。有効成分の混合量は、使用目的に応じて適宜決定することができる。
本発明の健康機能食品の種類には特に制限はない。前記抽出物の混合物を添加することができる健康機能食品としては、肉、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンデイー、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、通常の意味での全ての健康食品が含まれ、動物用の飼料に用いられる食品も含まれる。
さらに、本発明の健康機能食品組成物は様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有してもよい。他に天然のフルーツジュース、果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含んでもよい。
また、他の態様として、本発明は、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用の化粧料組成物を提供する。前記の絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合に関しては、前記で説明したとおりである。より具体的には、本発明の組成物は、炎症性疾患の予防や改善を目的とする化粧料組成物に添加することができる。
本発明の化粧料組成物は、一般的な乳化剤形び可溶化剤の剤形で製造することができる。前記乳剤形の化粧品としては、栄養化粧水、クリーム、エッセンスなどがあり、前記可溶剤形の化粧品としては、柔軟化粧水などがある。適合する化粧料の剤形としては、例えば、溶液、ゲル、固体又はペースト状の無水生成物、水中油型乳剤、懸濁液、マイクロエマルション、マイクロカプセル、微顆剤又はイオン性リポソーム、非イオン性小嚢分散剤の形態、クリーム、化粧水、ローション、パウダー、軟膏、スプレー又はスティックコンシールの形が挙げられるが、これに限定されない。また、泡沫(foam)の形態、又は圧縮された推進剤をさらに含有したエアロゾール組成物の形態であってもよい。
前記の化粧料組成物は、さらに脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、キレート剤、保存剤、ビタミン、紫外線遮断剤、湿潤化剤、エッセンシャルオイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤、リポソーム及び/又は皮膚に関する科学分野で使用される他の一般的な補助剤を含んでもよい。
また、他の態様として、本発明は、(a)絡石藤をエタノール水溶液で抽出し、これをろ過して、ろ液と残渣を分離した後、乾燥して指標物質であるアルクチゲニンの含有量が0.05〜1.5重量%である絡石藤抽出物を得るステップと、(b)牡丹皮をエタノール水溶液で抽出し、これをろ過して、ろ液と残渣を分離した後、乾燥して指標物質であるぺオニフロリンの含有量が1.8〜5.3重量%である牡丹皮抽出物を得するステップと、(c)前記(a)の絡石藤抽出物及び(b)の牡丹皮抽出物を乾燥重量基準で1:1〜3:1の重量比で混合するステップを含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物の製造方法を提供する。
本発明では、前記(a)及び(b)ステップは、それぞれ絡石藤及び牡丹皮をエタノール水溶液で抽出し、これをろ過して、ろ液と残渣を分離した後、乾燥してそれぞれの指標物質であるアルクチゲニンの含有量が0.05〜1.5重量%及びペオニフロリンの含有量が1.8〜5.3重量%である絡石藤及び牡丹皮抽出物を得るステップであって、前記(a)ステップと、(b)ステップは、順次、逆順、又は同時に実行することができる。
前記絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物は、それぞれ好ましく乾燥エキス又は軟エキスであり、より好ましくは軟エキスである。これらの乾燥エキス及び軟エキスに関しては前述の説明のとおりである。
本発明の一実施例では、韓国薬局方規格に適合したそれぞれの生薬(絡石藤及び牡丹皮)を切断して洗浄し、95%のエタノールで抽出した後ろ過し、ろ液を混合して濃縮し、その後乾燥して粉砕し、絡石藤及び牡丹皮の乾燥エキスを得た(図1)。絡石藤及び牡丹皮の生薬を洗浄し、95%のエタノールで抽出後にろ過し、そのろ液を混合して濃縮し、絡石藤及び牡丹皮の軟エキスを得た(図2)。
本発明における前記(c)ステップは、(a)の絡石藤抽出物及び(b)の牡丹皮抽出物を乾燥重量基準1:1〜3:1で混合するステップであり、前記ステップによって絡石藤及び牡丹皮それぞれの抽出物が示す効能を相互に干渉したり妨害することなく、相互補完的な機序を有する優れた医薬組成物を製造することができる。前記医薬組成物に関しては、前記で説明したとおりである。
前記炎症性疾患は、前述のように、好ましくは、浮腫、皮膚炎、アレルギー、アトピー、喘息、結膜炎、歯肉炎、鼻炎、中耳炎、咽喉頭炎、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、強直性脊椎炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、線維筋痛(fibromyalgia)、乾癬性関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、肩関節周囲炎、腱炎、腱鞘炎、筋肉炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群(sjogren's syndrome)、又は多発性硬化症であり、より好ましくは、関節リウマチや浮腫であり、さらに好ましくは関節リウマチである。
本発明における前記医薬組成物の製造方法は、(d)前記(c)の混合物を二酸化ケイ素と混合してエタノールを加えながら混合物を製造するステップと、(e) 前記(d)の混合物を乾燥させてエタノールを完全に揮発させて乾燥混合物を形成し、経口投与用の薬剤を製造するステップをさらに含むことができる。前記(d)、(e)ステップによって吸湿性を抑制した経口投与用の薬剤を製造することができる。
本発明では、前記(d)ステップは、前記(c)の混合物を二酸化ケイ素と混合してエタノールを加えながら混合物を製造するステップであり、前記のステップによって吸湿性が抑制できる。詳細には、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物に二酸化ケイ素を加えて高速ミキサーを利用して混合した後、エタノールを加えて混合物を製造することができる。また、前記二酸化ケイ素の混合は絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物の製造前、製造後を問わずいずれの時期でも可能である。
前記製造方法において、混合の際の割合は、これに限定されないが、(c)の混合物は、100重量部、二酸化ケイ素は30〜100重量部含むことができる。前記の比率に関しては、前記で説明したとおりである。
また、前記製造方法で絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物の薬学的に許容される賦形剤を加えて混合することもできる。前記賦形剤は、これらに限定されないが、微結晶セルロース又はケイ酸カリウムであってもよい。前記微結晶セルロース又はケイ酸カリウムは、好ましくは、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の合計100重量部に対して10〜50重量部含むことができる。
本発明では、前記(e)ステップは、前記(d)の混合物を乾燥してエタノールを完全に揮発させて乾燥混合物を形成し、経口投与用の薬剤を製造するステップであり、最終的に吸湿性を抑えた経口投与用の薬品を製造することができる。この時、エタノールの揮発は真空減圧又は熱風乾燥機を用いることが好ましく、熱風乾燥機を利用することがより好ましい。前記(e)のステップの後に、当業者に良く知られている通常の追加加工によって、粉末剤、顆粒剤、充填剤、硬質カプセル剤、錠剤又は懸濁液として製剤化できる。前記混合物は、それ自体が吸湿性防止効だけでなく、例えば、錠剤に製剤化された場合でも、錠剤自体の吸湿性防止効果があるため、精製における安定性を向上させることができる。
また、他の態様として本発明は、前記医薬組成物を炎症性疾患の疑いのある対象者に投与するステップを含む、炎症性疾患の治療方法を提供する。
本発明における用語「炎症性疾患の疑いのある対象者」とは、炎症性疾患が発症したり、又は発症する可能性のあるヒトを含むすべての動物を意味し、本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出混合物を含む医薬組成物を炎症疾患の疑いのある対象者に投与することにより、対象者の効率的な治療が可能である。前記炎症性疾患については前述したとおりである。
本発明における用語「投与」とは、何らかの適切な方法により炎症性疾患の疑いのある対象者に、本発明の医薬組成物を導入することを意味し、投与経路は標的組織に到達できるならば、経口又は非経口を問わず様々な経路を通じて投与することができる。
本発明の治療方法には、絡石藤及び牡丹皮の抽出物の混合物を含有した医薬組成物を薬学的有効量で投与することも含まれる。1日の適切な総投与量は、主治医による医学的判断の範囲内で適切に定められ、1回又は数回に分けて投与できる。しかし、本発明の目的上、特定の患者に対する具体的な治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、意図的な他の製剤の使用有無、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路及び組成物の排出率、治療期間、具体的組成物と組み合わせて使用されたり同時使用される薬をはじめとする様々な要因及び、医薬分野でよく知られている同様の要因に応じて異なった適用をすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明の構成及び効果をさらに詳しく説明する。但し、下記の実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されない。
製造例1:絡石藤及び牡丹皮の医薬製剤の製造
1-1.絡石藤及び牡丹皮の95%エタノール乾燥エキスの製造
薬局方規格に適合し、それぞれの生薬(絡石藤及び牡丹皮)を切断し、秤量した後、95%のエタノールを加え、加熱して抽出した。これをろ過し、ろ液を混合して濃縮し、濃縮した液に95%のエタノールを加え24時間放置して濾過した後、減圧濃縮し真空乾燥して絡石藤と牡丹皮それぞれの乾燥エキスを得た(図1)。この時、得られた乾燥エキスの濃縮倍率は約40:1であった。
また、同様の方法でエタノール抽出後、減圧濃縮し、真空乾燥して乾燥エキスを得た。この時、得られた乾燥エキスの濃縮倍率は約20:1であった。
1-2. 絡石藤及び牡丹皮の95%エタノール軟調エキスの製造
選別された原料(絡石藤及び牡丹皮)を秤量した後、95%エタノールを加え、加熱して2回抽出し、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、絡石藤及び牡丹皮のそれぞれの軟調エキスを得た(図2)。この時、得られた軟エキスの濃縮倍率は約20:1であった。
製造例2:抽出混合物の製造
製造例1で得られた絡石藤及び牡丹皮の生薬を同量で混合した後、前記製造例1と同様の方法で混合原料を95%エタノールで抽出し、乾燥エキスと軟エキスを得た。
製造例3:抽出混合物の製造
製造例1で得られた濃縮倍率が同じ絡石藤及び牡丹皮の乾燥エキスを1:1の重量比で混合し、抽出混合物の乾燥エキスを得た。
また、同様の方法で製造例1で得られた濃縮倍率が同じ絡石藤及び牡丹皮軟エキスを1:1の重量比で混合し、抽出混合物の軟エキスを得た。
製造例4:絡石藤及び牡丹皮の乾燥顆粒物の製造
製造例1-2に従って製造した絡石藤の軟エキス及び牡丹皮の軟エキスをそれぞれ50%エタノールで沈殿ろ過し、エタノールを回収して濃縮した。その後、真空乾燥した後、粉砕して絡石藤の乾燥顆粒物及び牡丹皮の乾燥顆粒物を製造した。
製造例5:微結晶セルロースを含む絡石藤及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物の製造
製造例1-2に従って製造した絡石藤の軟エキス及び牡丹皮の軟エキスそれぞれ5gを95%エタノール50mLに溶解し、絡石藤エタノール溶液及び牡丹皮エタノール溶液を製造した。製造した絡石藤エタノール溶液及び牡丹皮エタノール溶液に微結晶セルロースを2.5gを加え、攪拌しながらエタノールをゆっくりと加えた。均質に混合した後、熱風乾燥機を用いてエタノールを完全に揮発させ、微結晶セルロースを含む絡石藤の乾燥混合顆粒物及び牡丹皮乾燥混合顆粒物(1)を製造した。
また、微結晶セルロースの混合比率を変えて、絡石藤エタノール溶液及び牡丹皮エタノール溶液に10gの微結晶セルロースを入れるこを除いては、前記と同様の製造方法を繰り返して、微結晶セルロースを含む絡石藤の乾燥混合顆粒物と牡丹皮の乾燥混合顆粒物(2)を製造した。
製造例6:二酸化ケイ素を含む絡石藤及び牡丹皮乾燥混合顆粒物の製造
製造例1-2に従って製造した絡石藤の軟エキス及び牡丹皮の軟エキスそれぞれ5gを95%エタノール50mLに溶解し、絡石藤エタノール溶液及び牡丹皮エタノール溶液を製造した。製造した絡石藤エタノール溶液と牡丹皮エタノール溶液にそれぞれ二酸化ケイ素2.5gを入れ、攪拌しながらエタノールをゆっくりと加えた。均質に混合した後、熱風乾燥機を用いてエタノールを完全に揮発させ、二酸化ケイ素を含む絡石藤の乾燥混合顆粒物及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物を製造した。
製造例7:コーンスターチ含む乾燥混合顆粒物の製造
製造例1-2に従って製造した絡石藤の軟エキスと牡丹皮の軟エキスそれぞれ5gを95%のエタノール50mLに溶解し、絡石藤エタノール溶液及び牡丹皮エタノール溶液を製造した。製造した絡石藤エタノール溶液及び牡丹皮エタノール溶液にそれぞれコーンスターチ15gを入れて均一に混合した後、製造した混合物を攪拌しながら真空減圧乾燥機でエタノールを完全に揮発させ、コーンスターチを含む絡石藤の乾燥混合顆粒物と牡丹皮乾燥混合顆粒物を製造した。
指標物質の含有量の分析
前記製造例で得た乾燥エキス及び軟エキスの指標物質は、高性能液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography、HPLC)を用いて以下のような条件で測定した。
1-1.絡石藤95%エタノール抽出物の指標成分の分析
製造例1で得た絡石藤抽出物について、下記化学式1で表される指標成分であるアルクチゲニン(Arctigenin)成分を高速液体クロマトグラフィー装置を用いて含有量の分析を行った。
(1)絡石藤の指標物質:アルクチゲニン(化学式1)
(2)アルクチゲニンの分析条件
- カラム:Waters X-bridge C18(250 * 4.6mm / 5μm)
- 注入量(injection volumn):20μL
- 流速:1mL/分
- 検出波長:UV 230nm
- 移動溶媒(mobile solvent):精製水、CAN
- 移動溶媒の分析条件
(3)アルクチゲニンHPLCクロマトグラム
アルクチゲニンのピークは、図3に示されるようにクロマトグラムで表した。
1-2. 牡丹皮95%エタノール抽出物の指標成分の分析
前記製造例1で得た牡丹皮抽出物は、下記化学式2で表される指標成分であるペオニフロリン(paeoniflorin)成分を高速液体クロマトグラフィー装置を用いて含有量分析を行った。
(1)牡丹皮指標物質:ペオニフロリン(化学式2)
(2)ペオニフロリンの分析条件
- カラム:Waters X-bridge C18(250 * 4.6mm / 5μm)
- 注入量(injection volumn):20μL
- 流速:1mL/分
- 検出波長:UV 23
- 移動相(mobile solvent):0.1%リン酸塩、CAN
- 移動相の分析条件
(3) ペオニフロリンHPLCクロマトグラム
ペオニフロリンのピークは、図4に示したクロマトグラムで表した。
1-3.絡石藤及び牡丹皮95%エタノール抽出物混合物に対する指標成分の分析
前記製造例3で得た抽出物について、前記と同様の分析方法で指標物質であるアルクチ
ゲニンとペオニフロリンをそれぞれ高速液体クロマトグラフィー装置を用いて含有量を分析した。
アルクチゲニン(a)とペオニフロリン(b)のピークは、図5のクロマトグラムに示されており、前記実施例1-1及び1-2で分析したそれぞれの絡石藤及び牡丹皮の単一抽出物の指標物質の含有量と同じような量を示した。このような結果は2種類の指標物質のピークがオーパーラップせず、干渉もしないという特異性と適合性並びに含有量の再現性を示すことから、本発明による指標物質の分析法は、適切であることを示している。
乾燥エキス及び軟エキスにおける濃縮倍率に応じた含有量の分析
前記実施例1と同様の条件で絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物について、濃縮倍率に応じた指標物質アルクチゲニンとペオニフロリンの含有量を分析した。その結果、絡石藤の指標物質であるアルクチゲニンの含有量は、0.05〜1.5重量%の分布を示し、牡丹皮の指標物質であるペオニフロリンの含有量は、1.8〜5.3重量%の分布を示した(表4)。ここで、ロット番号は、採取場所又は採取時期が異なる薬剤を抽出して得られた抽出物を区別したものである。
絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物の酸化窒素(Nitric oxide)及びサイトカイン(Cytokine)抑制効果による有効性の分析
本発明による抽出物の抗炎症効果を確認するために、抽出物に対する細胞内の一酸化窒素(Nitric oxide)とサイトカイン(Cytokine)の抑制効果を比較分析した。分析結果は、薬物を処理せずに、LPSのみを処理する対照群を基準に%で表記した。この時、対照薬物は、従来の関節炎治療剤であるジョインス錠及び本出願人の韓国特許登録第10-0847740号(SI-00413)の複合生薬を使用した。
3-1.細胞の準備
マウス由来の細胞であるRAW 264.7(ATCC、#TIB-710)細胞を5%CO2、37℃で10%FBS(fetal bovine serum)、ペニシリン(100 units/mL)及び硫酸ストレプトマイシン(100 units/mL)を含むダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle Medium:DMEM)を使用して培養した。
3-2.抽出物混合物の酸化窒素(NO)に対する抑制活性の測定
マウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株を利用して、窒素酸化物の分泌阻害活性を測定した。培養液に存在する窒素酸化物のレベルは、ELISAアッセイキット(Promega、G2930)を用いて測定し、吸光度はOD550nmUVでマイクロプレートリーダーを用いて測定した。この時、細胞毒性を示さない濃度で薬物を処理した。
その結果、図6に示されるように、窒素酸化物に対する抑制効果は絡石藤抽出物(100μg/mL)が92.8%、牡丹皮抽出物(100μg/mL)が80.3%、絡石藤及び牡丹皮の抽出混合物(100μg/mL)が91.3%を示し、ジョインス錠に比べて抑制効果が優れていることが認められる。前記抽出物混合物の窒素酸化物に対する抑制活性は、それぞれ単独の抽出物処理濃度の半分のレベルにおいても同じような抑制効果が示されることから、各抽出物の効果を相互に干渉又は妨害することなく、相互補完的な機序を有する優れた配合剤であることが確認された。
3-3.抽出物混合物のIL-6に対する抑制活性の測定
マウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株を用いてIL-6の抑制活性を測定した。培養液に存在するIL-6の分泌量は、ELISAエッセイキット(Thermo、EM2IL6)を用いて測定し、吸光度はOD450nmとOD550nm UVにおいてマイクロプレートリーダーを用いて測定した。この時、細胞毒性を示さない濃度で薬物を処理した。
その結果、図6に示されるように、絡石藤抽出物(100μg/mL)は70.9%、牡丹皮抽出物(100μg/mL)は82.7%の抑制効果が認められ、絡石藤及び牡丹皮の抽出混合物(100μg/mL)は76.7%を示し、IL-6に対する抑制効果が優れていることが確認され、高い炎症治療効果が予想される。また、前記抽出物は、それぞれ単独の抽出物処理濃度の半分レベルにおいても同じような抑制効果が示されることから、各抽出物の効果を相互に又は妨害することなく、相互補完的な機序を持つ優れた配合剤であることが確認された。
3-4.抽出物混合物のIL-1βに対する抑制活性の測定
マウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株を用いて、IL-1βの抑制活性を測定した。培養液に存在するIL-1β分泌量は、ELISAアッセイキット(Thermo、EM2IL1b)を使用して測定し、吸光度はOD450nmとOD550nm UVにおいてマイクロプレートリーダーを用いて測定した。この時、細胞毒性を示さない濃度で薬物を処理した。
その結果、図6に示されるように、絡石藤抽出物(100μg/mL)は77.3%、牡丹皮抽出物(100μg/mL)は、59.4%の抑制効果が認められ、絡石藤及び牡丹皮の抽出混合物(100μg/mL)は86.5%を示し、IL-1βの抑制効果が優れており、ジョインス錠に比べて窒素酸化物に対する抑制効果が優れていることが確認され、高い炎症治療効果が予想される。また、前記抽出物混合物は、それぞれ単独の抽出物の処理濃度の半分のレベルで抑制効果が相乗効果(synergic effect)として示されることにより、各抽出物が示す効果を相互に干渉又は妨害することなく、相互補完的な機序を有する非常に優れた複合剤であることが確認された。
3-5.抽出物混合物の濃度に応じた窒素酸化物及びIL-1β抑制活性の測定
前記と同様の方法で、LPS処理濃度は200ng/mLとし、絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物の濃度をそれぞれ100、30、10、3、1μg/mLにして処理した後、酸化窒素アッセイ(Nitric Oxcide assay)を行って、IL-1β分泌量は、ELISAアッセイキット(R&D systems、MLB00B)を用いて分泌阻害効果を比較分析した。
その結果、図7及び8に示されるように、抽出混合物の酸化窒素及びIL-1β抑制効果は濃度依存的であることが確認された。
本発明による絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物のマウス由来マクロファージRAW 264.7細胞株における窒素酸化物及びサイトカインを分析したところ、酸化窒素(NO)、IL-6及びIL-1βの優れた抑制効果優を確認することで、それぞれの抽出物が示す効果を相互に干渉又は妨害することなく、相互補完的な機序を有する炎症の治療効果が優れた組成物であることが確認された。
絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物のIL-6によって誘導されたシグナル抑制活性の測定
4-1. IL-6によって誘導されたSTAT3リン酸化抑制活性の測定
6ウェルプレートに5×104細胞/ウェルでHepG2細胞を播種し、培養皿に集密度80%で培養した後、無血清培地に交換してさらに6時間培養し、絡石藤、牡丹皮及び絡石藤と牡丹皮の混合物を30分間処理した。
その後、20ng/mL IL-6を処理し、10分間反応させた後、40μlの溶解緩衝液[pH 8、20mM トリス-HCl、137mM NaCl、10%グリセリン、1%トリトン×-100、1mM Na3VO4、2mM EDTA、1mM PMSF、20mM類ペプチン(leupeptin)、20μg/mLのアプロチニン(aprotinin、Sigma社]を使用して細胞を溶解した後、遠心分離(13,000g、15分)し、蛋白質の溶解した上澄液を得た。この時、試料及びIL-6が未処理のHepG2細胞を対照群として使用した。タンパク質の濃度は、DCタンパク質検査キット(Bio-Rad社、USA)を用いて定量し、10%SDSポリアクリルアミドゲル(SDS-PAGE)のタンパク質をロードして30mAで2時間電気泳動した。電気泳動終了後、ゲルのタンパク質をPVDFメンブレン(孔径0.2μm、ワットマン、USA)に90 Vで90分間転写した。転写されたメンブレンをトリス緩衝液(T-TBS、50mM トリスHCl、pH7.6、150mM NaCl、0.2%トウイーン20、5%スキムミルク、Sigma社)で4〜12時間遮断し、T-TBSで5回洗浄した。前記メンブレンの一次抗体として抗リン酸化−START3(1:1000希釈)のポリクロナール抗体を2時間処理した。T-TBSで5回洗浄した後、二次抗体としてHRP結合抗ウサギ抗体(1:5000希釈)を1時間反応させた。T-TBSで洗浄した後、暗室でECLキット(Amersham社、USA)を使用してフィルムを現像した。
その結果、図9に示されるように、絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物は、リン酸化されたSTAT3が対照群に比べて少なく検出され、絡石藤、牡丹皮の単一抽出物に比べても少なく検出されたことから、IL-6によって誘導されたSTAT3リン酸化を阻害する活性を有することが確認された。このように、本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物はIL-6の分泌よく栄する効果があり、その結果IL-6によって誘導されるシグナル伝達系を阻害することが認められた。
4-2. PMAによって誘導されたERKリン酸化に対する抑制活性の測定
前記実施例4-2で絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物がIL-6によって誘導されるシグナル伝達系を選択的に阻害するか否かを調べるために、前記抽出物がそれと異なるシグナル伝達系を有するPMAによって誘導される機序ではないことを確認しようと、ERKのリン酸化の程度を調べた。
前記IL-6によって誘導されたSTAT3リン酸化抑制活性の測定方法と同様の方法で20ng/mL PMAを処理し、試料及びPMAを処理していないHepG2細胞を対照群として使用した。
その結果、図9に示されるように、PMAによって誘導されたERKリン酸化活性を阻害する効果を示さなかったことから、本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物は、PMAによって誘導される機序を阻害する効果がなく、IL- 6によって誘導されるシグナル伝達系を選択的に阻害することが確認された。
4-3. IL-6によって誘導されたJAK2及びgp130のリン酸化抑制活性の測定
6ウェルプレートに5×104細胞/ウェルでHepG2細胞を播種し、培養皿に80%の培養密度で培養した後、無血清培地に交換し、さらに6時間培養し絡石藤、牡丹皮及び絡石藤と牡丹皮の混合物を30分間処理した。
その後20ng/mL IL-6を処理して、10分間反応させた後、40μlの溶解緩衝液[pH 8、20mM トリス-HCl、137mM NaCl、10%グリセリン、1%トリトン×-100、1mM Na3VO4、2mM EDTA、1mM PMSF、20mM類ペプチン(leupeptin)、20μg/mLのアプロチニン(aprotinin)、Sigma社、USA]を使用して細胞を溶解した後、遠心分離(13000g、15分)し、タンパク質の溶解した上澄み液を得た。ここにJAK2抗体とgp130抗体(Cell signaling、INC.)を使用して4〜2時間反応させた後、プロテインA/G プラスアガロース(Santa Cruz Biotechnology社、USA)で免疫沈降させた。遠心分離後沈降物は緩衝液で3回洗浄した後、電気泳動試料として使用した。この時、IL-6及び試料が未処理のHepG2細胞を対照群として使用した。タンパク質の濃度は、DCタンパク質検査キット(Bio-Rad社、USA)を用いて定量し、8%SDSポリアクリルアミドゲル(SDS-PAGE社)のタンパク質をロードして30mAで2時間電気泳動した。電気泳動終了後、ゲルのタンパク質をPVDFメンブレン(孔径0.2μm、ワットマン、USA)に90Vで90分間転写した。転写されたメンブレンをトリス緩衝液(T-TBS、50mM トリスHCl、pH7.6、150mM NaCl、0.2%トウイーン20、5%スキムミルク)で4〜12時間遮断し、T-TBSで5回洗浄した。このメンブレンに一次抗体としてリン酸化チロシン抗体(1:1000希釈)のポリクロナール抗体を2時間処理した。T-TBSで5回洗浄した後、二次抗体としてHRP-結合抗マウス抗体(1:5000希釈)を1時間反応させた。T-TBSで洗浄した後、暗室でECLを使用してフィルムを現像した。
その結果、図9に示されるように、絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物はIL-6によって誘導されたgp130のリン酸化阻害活性は少ないと思われるが、対照群に比べてリン酸化されたJAK2が少なく検出され、絡石藤、牡丹皮の単一抽出物に比べても少なく検出されたことから、IL-6によって誘導されたJAK2リン酸化を阻害する活性を有することが確認された。このように、本発明の絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物がIL-6の分泌を阻害する効果があることが認められた。
関節リウマチの動物モデルマウス(CIA)を用いた動物実験
5-1.関節炎が誘発されたマウスを用いた絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物の炎症抑制効果の測定
ウシII型コラーゲン(Bovine type II collagen)と補助剤(adjuvant)を別々にエマルジョン状にして、100μgずつ尾に皮下注射し、3週間後に腹腔内に再び100μgのウシII型コラーゲン(bovine type II collagen)を注射することにより薬効を促進させ、関節炎を誘導した。誘導直後から21日間の薬物投与及び測定を行った。実験群は正常群(関節炎を誘導していない正常マウス)、対照群(vehicle)、インドメタシン(indomethacin、1mg/kg)、メロキシカム(melo×icam、4mg/kg)、ブシラミン(bucillamine、300mg/kg)、絡石藤及び牡丹皮の抽出物混合物(SI-000902)投与群に分け、対照薬物と抽出物混合物を懸濁液の形に作り毎日経口投与した。この時、抽出物混合物(乾燥エキス、軟調エキス)は、それぞれ20、50、100、200及び400 mg/kgの濃度で1%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液(Carbo×ymethyl-cellulose Sodium)に分散し、濃度別に経口投与した。測定は3日毎にブラインドテスト(blind test)で目視評価を実施し、マウスの4つの足をそれぞれ浮腫の程度を0〜4まで分けて評価した。
その結果、本発明による抽出物(SI-000902)の乾燥エキス(図10)及び軟エキス(図11)における違いは見出されず、抽出物混合物の投与濃度が高くなるにつれて、実験群全体的に足の部位の腫れの程度が軽減することが確認された(図10)。
具体的には、抽出物混合物の乾燥エキスの関節炎指数(arthritis score)を測定した結果、対照薬物群に使用したインドメタシン、メロキシカムとブシラミンの投与群と比較して、同じような関節炎抑制効果を示し、特に投与濃度が400mg/kgの時にはむしろメロキシカムとブシラミン投与群よりも優れた関節炎抑制効果を示した(図10)。また、抽出物混合物の軟エキスの関節炎指数を測定した結果、投与濃度が200mg/kgの時にブシラミンの投与群と同様の関節炎抑制効果を示した(図11)。このような結果は、従来の関節炎治療剤としての化合物と同じような効果を示すことにより、天然物としての本発明の抽出物混合物が、関節炎誘発阻害及び緩和効果があることを意味する。
5-2.関節炎が誘発されたマウスにおける抽出物混合物の脾臓細胞増殖に対する抑制効果の測定
関節炎の誘発された実験動物の脾臓を無菌状態で抽出し、脾臓を細かく砕いてフィルターを通して異物を除去し、細胞を単独で採取した。このようにして得られた細胞から赤血球溶解バッファ(RBC lysis buffer)を使用して赤血球を除去した。96ウェルプレートに脾臓細胞を5×105細胞/ウェルで播種した後、各ウェルに熱処理して不活性化させたウシII型コラーゲンを50μg/mLで処理した。このように処理された脾臓細
胞を72時間培養し、培養の終了6時間前にBrdU(5-ブロモ-2'-デオキシウリジン)標識溶液を加えてDNAに標識させた。72時間の培養終了後、細胞を固定し、細胞増殖ELISA, BrdU測定キット(BrdU ELISA cell proliferation assay kit、Roche)を用いて脾臓細胞の増殖抑制活性を測定した。
正常群、対照群及びブシラミンの投与群と比較した結果、本発明による抽出物(SI-000902)を投与した場合には脾臓細胞の増殖を抑制することが確認された。100mg/kgを投与した群では29.2%、200mg/kgを投与した群では45.5%の抑制効果を示し、陽性対照薬として使用されたブシラミン(51.1%抑制)と比較しても同じようなレベルの脾臓細胞増殖抑制効果があることが確認された(図12)。したがって、本発明による抽出物(SI-000902)の免疫反応に重要な働きをする主要器官の一つである脾臓細胞の増殖抑制効果によって、免疫反応を抑制する効果があることが確認された。
5-3.関節炎が誘発されたマウスにおける抽出物混合物のIFN-γ及びIL-2に対する抑制効果の測定
関節炎が誘発された実験動物の脾臓を無菌状態で摘出し、細胞懸濁液を準備して赤血球溶解バッファを使用して赤血球を除去した。24ウェルプレートに脾臓細胞を5×106細胞/ウェルでした後、各ウェルに熱処理して不活性化させたII型コラーゲン50μg/mLを処理して脾臓細胞を刺激した。48時間培養して上澄液を取った後、ELISAキット(R&D Systems社)を使用してサイトカインであるIFN-γ及びIL-2の抑制効果を測定した。
正常群、対照群及びブシラミンの投与群と比較した結果、IFN-γは、絡石藤及び牡丹皮の混合抽出物を100mg/kg投与した場合は60.6%、200mg/kg投与した場合は74.7%抑制した。IL-2の場合にも、絡石藤及び牡丹皮混合物を100mg/kg投与した場合は25.3%、200mg/kg投与した場合は36.8%抑制した。これらの結果は、陽性対照薬であるブシラミンの場合に示された数値である88.5%(IFN-γ)、39.1%(IL-2)と近いレベルの抑制効果を示すものであり、本発明の抽出物(SI-000902 )を投与した場合に、免疫反応を抑制する効果があることを意味する(図13)。
絡石藤及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物の形態安定性試験
6-1.絡石藤及び牡丹皮の乾燥顆粒物の形態安定性
前記製造例4に記述されているように、絡石藤軟エキス及び牡丹皮軟エキスを真空減圧により乾燥物の形に製造し、破砕機を用いて破砕した後乾燥顆粒物とし、常温でその形態安定性を調べた。
その結果、経時的に絡石藤の乾燥顆粒物は湿気の吸収によって溶け、牡丹皮の乾燥顆粒物もその吸湿性によって溶けるという現象が見られた。完全な軟稠物の形に溶けるのは、相対湿度に応じて時間の差はあるものの、約1〜2週間後に絡石藤の乾燥顆粒物及び牡丹皮乾燥顆粒物はいずれも初期軟稠物と同じような形に戻った。
また、前記で製造した乾燥絡石藤及び牡丹皮の原料を湿気を吸収する前に、短い時間内に固形製剤に加工をすることで製剤化が可能であるかを調べた。このため、乾燥直後の絡石藤及び牡丹皮の原料を賦形剤と混合して打錠工程を行った。最初の数分間は錠剤が製造されたが、10分経過すると原料の吸湿性によって錠剤自体が崩壊する現象が起きた。即ち、乾燥物の形を失う前に加工することによって製品の製造を試みたが、絡石藤及び牡丹皮の吸湿速度が非常に速く十分な処理時間が確保できないことが分かった。
6-2.微結晶セルロースを含む絡石藤及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物の形態安定性
前記製造例5に記述されているように、絡石藤軟エキス及び牡丹皮軟エキスに微結晶セルロースの混合比率を変えて、微結晶セルロースを含む絡石藤の乾燥混合顆粒物と牡丹皮の乾燥混合顆粒物を製造した。最初に絡石藤の軟エキス及び牡丹皮軟エキスのそれぞれの1重量部に微結晶セルロースを0.5重量部混合して製造し、二番目に絡石藤軟エキス又は牡丹皮軟エキスのそれぞれの1重量部の微結晶セルロース2重量部を混合して製造した(それぞれ製造例5の乾燥混合顆粒物1及び2)。
微結晶セルロースを0.5重量部を入れて混合乾燥した乾燥混合顆粒物は、経時的に軟稠物の形で溶け始め、また、十分な作業時間を確保できなかった。
微結晶セルロースを2重量部を入れて混合乾燥した絡石藤の乾燥混合顆粒物は顆粒物の形が維持されることが確認され、牡丹皮乾燥混合顆粒物も形が維持されることが確認された。経時的に一部固まりができるが、迅速な工程で克服できるほどの十分な作業時間も確保することができた。
6-3.二酸化ケイ素を含む絡石藤の乾燥混合顆粒物及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物の形態安定性
前記製造例6で記述されているように、絡石藤軟エキスと牡丹皮軟エキスを使用して二酸化ケイ素を含む絡石藤の乾燥顆粒物と牡丹皮乾燥顆粒物を製造した。
製造された前記絡石藤の乾燥顆粒物は、常温でその形状安定性を調べた場合、約3ヶ月が経過しても形を維持していることが確認され、牡丹皮も形を持続的に維持した。また、製造された前記絡石藤及び牡丹皮乾燥混合顆粒物は、それ自体の水分耐性ができて長時間進行する打錠工程にも崩壊したり、硬化したりしないことが確認された。
6-4.二酸化ケイ素を含む絡石藤及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物で製造した錠剤の長期安定性
吸湿性の高い原料を使用して錠剤を製造する場合、高温多湿な環境での吸湿性のため、錠剤が崩壊したり原料の一部が溶けて凝集することによって、硬く固まり分解時間が遅延する等の様々な問題により固形剤の安定性に悪影響を及ぼす場合がある。
前記製造例6で製造した二酸化ケイ素を含む絡石藤の乾燥混合顆粒物と牡丹皮の乾燥混合顆粒物で錠剤を製造した。前記製造した錠剤を常温に長期間露出させた結果、錠剤の形がよく維持されていることが確認された。
また、前記の錠剤は、高温多湿な環境で(温度40℃、湿度75%)に保管した場合でも、錠剤が崩壊したり硬化する現象が発生せず、分解時間が一定に維持されることを下記の表5に示した。
また、時間経過に伴う指標物質の含有量も、下記表6に示されるように安定して維持されることが確認された。
6-5.コンスターチを含む絡石藤の乾燥混合顆粒物と牡丹皮の乾燥混合顆粒物の形態安定性
前記製造例7によって製造したコンスターチを含む絡石藤の乾燥混合顆粒物及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物は、常温で形状安定性を確認した際に、前記製造例4によって製造した顆粒物よりも吸湿性による影響は少なかったが、最終的に絡石藤又は牡丹皮が軟稠物のように溶け出す現象を示した。
また、前記絡石藤の乾燥混合顆粒物及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物で錠剤を形成するために賦形剤と混合して打錠工程を行った際に、製造例4によって製造した乾燥顆粒物と同じように打錠工程を行う過程で錠剤が崩壊する現象を見せた。すなわち、コンスターチを混合して乾燥した絡石藤の乾燥混合顆粒物及び牡丹皮の乾燥混合顆粒物もGMP施設規格の下で製品を生産するのに適していないことが確認された。

Claims (25)

  1. 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物。
  2. 前記混合物が、絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物を乾燥重量基準で1:1〜3:1の重量比で含むものである請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記抽出物が、それぞれ独立して水、炭素数1〜6のアルコール及びこれらの混合溶媒からなる群から選択された溶媒で抽出したものである請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記低級アルコールが、メタノール、エタノール及びブタノールからなる群から選択されたものである請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物が、エタノール抽出物の乾燥エキス又は軟エキスである請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 前記絡石藤抽出物が、指標物質であるアルクチゲニン(arctigenin)の含有量が0.05〜1.5重量%である請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 前記牡丹皮抽出物が、指標物質であるペオニフロリン(paeoniflorin)の含有量が1.8〜5.3重量%である請求項1に記載の医薬組成物
  8. 前記組成物が、酸化窒素(NO)、TNF-α、IL-6又はIL-1βの分泌を阻害するものである請求項1に記載の医薬組成物。
  9. 前記炎症性疾患が、浮腫、皮膚炎、アレルギー、アトピー、喘息、結膜炎、歯肉炎、鼻炎、中耳炎、咽喉頭炎、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、強直性脊椎炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、線維筋痛症(fibromyalgia)、乾癬性関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、肩関節周囲炎、腱炎、腱鞘炎、筋肉炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群(sjogren's syndrome)及び多発性硬化症からなる群から選択されたものである請求項1に記載の医薬組成物。
  10. 前記炎症性疾患が、関節リウマチである請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 前記組成物が、二酸化ケイ素及び薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む経口投与用である請求項1に記載の医薬組成物。
  12. 前記絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出の混合物の合計が100重量部、二酸化ケイ素を30〜100重量部含むものである請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記賦形剤が、微結晶セルロース又はケイ酸カリウムである請求項11に記載の医薬組成物。
  14. 前記組成物が、粉末剤、顆粒剤、硬質カプセル剤及び錠剤からなる群から選択されたものである請求項11に記載の医薬組成物。
  15. 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用医薬部外品組成物。
  16. 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善のための健康機能食品組成物。
  17. 絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を有効成分として含む、炎症の予防又は改善用化粧料組成物。
  18. (a) 絡石藤をエタノール水溶液で抽出し、それをろ過して、ろ液と残渣を分離した後、乾燥して指標物質であるアルクチゲニンの含有量が0.05〜1.5重量%である絡石藤抽出物を得るステップと、
    (b) 牡丹皮をエタノール水溶液で抽出し、それをろ過して、ろ液と残渣を分離した後、乾燥して指標物質であるペオニフロリンの含有量が1.8〜5.3重量%である牡丹皮抽出物を得るステップと、
    (c) 前記(a)の絡石藤抽出物及び(b)の牡丹皮抽出物を乾燥重量基準で1:1〜3:1で混合して混合物を製造するステップを含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物の製造方法。
  19. 前記(a)ステップの絡石藤抽出物が、絡石藤軟エキスであり、前記(b)ステップの牡丹皮抽出物が、牡丹皮軟エキスである請求項18に記載の方法。
  20. 前記(a)ステップと、(b)ステップが、順次、逆順又は同時に行われるものである請求項18に記載の製造方法。
  21. 前記炎症性疾患は、浮腫、皮膚炎、アレルギー、アトピー、喘息、結膜炎、歯肉炎、鼻炎、中耳炎、咽喉頭炎、扁桃炎、肺炎、胃潰瘍、胃炎、クローン病、大腸炎、痔、痛風、
    強直性脊椎炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、線維筋痛症(fibromyalgia)、乾癬性関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、肩関節周囲炎、腱炎、腱鞘炎、筋肉炎、肝炎、膀胱炎、腎炎、シェーグレン症候群(sjogren's syndrome)及び多発性硬化症からなる群から選択されたものである請求項18に記載の製造方法。
  22. (d)前記(c)の混合物を二酸化ケイ素と混合してエタノールを加えながら混合物を製造するステップと、
    (e) 前記(d)の混合物を乾燥させ、エタノールを完全に揮発させて乾燥混合物を形成し、経口投与用の薬品を製造するステップをさらに含む請求項18に記載の製造方法。
  23. 前記(d)ステップでの(c)の混合物は100重量部、二酸化ケイ素は30〜100重量部含むものである請求項22に記載の製造方法。
  24. 前記(d)ステップでの(c)の混合物に薬学的に許容される賦形剤をさらに混合するものである請求項22に記載の製造方法。
  25. 請求項1〜14のいずれか1項の組成物を炎症性疾患の疑いのある対象者に投与するステップを含む炎症性疾患の治療方法。
JP2013541883A 2010-12-03 2011-08-18 有効成分として絡石藤抽出物及び牡丹皮抽出物の混合物を含む炎症性疾患の予防又は治療用医薬組成物及び前記組成物の製造方法 Pending JP2013545767A (ja)

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