JPWO2010103917A1 - 放射線検出装置 - Google Patents

放射線検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010103917A1
JPWO2010103917A1 JP2011503759A JP2011503759A JPWO2010103917A1 JP WO2010103917 A1 JPWO2010103917 A1 JP WO2010103917A1 JP 2011503759 A JP2011503759 A JP 2011503759A JP 2011503759 A JP2011503759 A JP 2011503759A JP WO2010103917 A1 JPWO2010103917 A1 JP WO2010103917A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
scintillator
film
detection apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011503759A
Other languages
English (en)
Inventor
後藤 成人
成人 後藤
満 関口
満 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Publication of JPWO2010103917A1 publication Critical patent/JPWO2010103917A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/20Measuring radiation intensity with scintillation detectors
    • G01T1/2018Scintillation-photodiode combinations
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/62Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing gallium, indium or thallium
    • C09K11/626Halogenides
    • C09K11/628Halogenides with alkali or alkaline earth metals
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/20Measuring radiation intensity with scintillation detectors
    • G01T1/2018Scintillation-photodiode combinations
    • G01T1/20188Auxiliary details, e.g. casings or cooling
    • G01T1/20189Damping or insulation against damage, e.g. caused by heat or pressure
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • G21K2004/06Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens with a phosphor layer

Landscapes

  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

小型で、画像欠陥の発生がほとんどない放射線検出装置を提供することを目的とし、少なくとも、放射線透過性を有する第1の基板と、第1の粘着層と、放射線透過性を有する第2の基板と、シンチレータ層と、光電変換素子層を有する出力基板と、がこの順に積層された放射線検出装置であって、各層の面方向の配置領域における、前記シンチレータ層の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含すると共に、前記第1の基板の配置領域を包含し、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記シンチレータ層の配置領域を分割した複数の各領域における蛍光体の充填率の標準偏差を前記充填率の平均値で除した充填率の変動係数が20%以下であることを特徴とする放射線検出装置。

Description

本発明は、医療診断装置、非破壊検査機器等に用いられる放射線検出装置に関する。
従来、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、今なお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector:FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不十分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そして、更に新たなデジタルX線画像技術として、薄膜トランジスタ(TFT)や電荷結合素子(CCD)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている。
放射線を可視光に変換するために、放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られたシンチレータパネルが使用されるが、低線量の撮影においてのSN比を向上するためには、発光効率の高いシンチレータパネルを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータパネルの発光効率は、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定する。
なかでもヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変換率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった。
またシンチレータパネルの平坦性及び剛性を向上させるために補強板を用いる技術(特許文献1参照)、各層を構成する部材間での剥がれを防止することを目的として、放射線検出装置を構成する各層の配置領域を調整する技術(特許文献2)が公開されている。
特開2008−309770号公報 特開2008−286785号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、補強板の影に起因して画像が不均一になることを防止するために、補強板がシンチレータ層を覆い隠す必要があるため、補強板が大きくなり、平面放射線検出装置(以下、FPDという)が大型化してしまうという問題点があった。また特許文献2に記載の技術では、温度変動に伴い画像欠陥が発生する問題点があり、特にシンチレータパネルと光電変換素子層を有するアレイ基板を密着させて使用する場合にその問題は顕著であった。
本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、小型で、画像欠陥の発生がほとんどない放射線検出装置を提供することにある。
本発明は次の技術手段1〜9の何れかによって達成される。
1.少なくとも、放射線透過性を有する第1の基板と、第1の粘着層と、放射線透過性を有する第2の基板と、シンチレータ層と、光電変換素子層を有する出力基板と、がこの順に積層された放射線検出装置であって、各層の面方向の配置領域における、前記シンチレータ層の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含すると共に、前記第1の基板の配置領域を包含し、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記シンチレータ層の配置領域を分割した複数の各領域における蛍光体の充填率の標準偏差を前記充填率の平均値で除した充填率の変動係数が20%以下であることを特徴とする放射線検出装置。
2.前記第1の粘着層の面方向の配置領域は、前記シンチレータ層の面方向の配置領域に包含され、前記第1の基板の面方向の配置領域を包含することを特徴とする1に記載の放射線検出装置。
3.前記第1の基板の、前記シンチレータ層とは反対側に、第2の粘着層と、吸湿層と、がこの順に積層されたことを特徴とする1又は2に記載の放射線検出装置。
4.前記シンチレータ層と、前記光電変換素子層を有する前記出力基板との間に耐湿保護層が設けられていることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
5.前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層と、が耐湿保護層に包み込まれていることを特徴とする1又は2に記載の放射線検出装置。
6.前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層と、第2の粘着層と、前記吸湿層と、が耐湿保護層に包み込まれていることを特徴とする3に記載の放射線検出装置。
7.前記シンチレータ層が気相堆積法により形成されていることを特徴とする1〜6のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
8.前記シンチレータ層がセシウムハライド系蛍光体であることを特徴とする1〜7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
9.前記シンチレータ層が賦活剤としてタリウムを含有することを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
本発明によれば、小型で、画像欠陥の発生がほとんどない放射線検出装置を提供することができる。
放射線検出装置の概略層構成を示す断面図である。 シンチレータプレート10Aの一部の拡大断面図である。 図3(a)は蒸着装置61の概略構成を示す側面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A視図である。 放射線検出装置100の概略構成を示す一部破断斜視図である。 撮像パネル51の拡大断面図である。
以下、上記図1〜図5を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(シンチレータ層)
シンチレータ層5(「蛍光体層」ともいう。)は、放射線の照射により、蛍光を発するシンチレータ(蛍光体)から成る層である。
即ち、シンチレータとは、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する蛍光体をいう。蛍光体として柱状結晶を用いる場合、柱状結晶の柱径は2.0〜20μmが好ましく、3.0〜15μmがより好ましい。またシンチレータ層5の膜厚は100〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは120〜800μm、特に好ましくは140〜600μmである。
本発明においては、シンチレータ層5を複数の領域に等分割して各領域の充填率の変動係数を20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であることを狙っている。このようにすることが輝度、鮮鋭性を向上し、さらに温度変動に伴う画像欠陥の発生を防止する観点から好ましい。充填率の変動係数は小さければ小さいほど好ましいが通常は0.1%以上である。充填率の変動係数を20%以下にするためにはシンチレータ層5の製造装置において用いる蒸発源63の配置を制御することで行うことができる。後述する図3のシンチレータパネルの作製方法で例示するように、複数の蒸発源63を円の円周上に配置することで行うことができるが、さらに円の中心部にも蒸発源63cとして蒸発源63が配置されることがより好ましい。さらに複数の蒸発源63が半径の異なる複数の同心円の円周上に63a及び63bとして配置されることがより好ましい。また塗布法によりシンチレータ層を形成する場合には、塗布時に用いる塗布装置のスリット形状を精密研磨により制御することにより行うことができる。
シンチレータ層5の充填率は70〜90%であることが好ましく、より好ましくは72〜88%、特に好ましくは75〜85%である。ここで充填率とはシンチレータ層5の実際の質量を、理論密度と見かけの体積で割った値をさす。シンチレータ層5の充填率を制御するには、蒸着時の基板温度の制御や、蒸着速度やAr等のキャリアガスの導入量を調整することにより真空度を制御することで行うことができる。塗布法による場合は蛍光体と結合剤の比率を調整したり、カレンダリング時の温度、圧力、速度を調整することにより行うことができる。
(シンチレータ層、蛍光体)
シンチレータ層5を形成する材料としては、種々の公知の蛍光体材料を使用することができるが、X線から可視光に対する変換率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、シンチレータ層5(蛍光体層)の厚さを厚くすることが可能であることから、ヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。
但し、CsIのみでは発光効率が低いために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。また、例えば特開2001−59899号公報に開示されているようなCsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質を含有するCsIが好ましい。
また、タリウムを含有するCsIのシンチレータ層を形成するための、原材料としては、1種類以上のタリウム化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとが、好ましく用いられる。タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は400nmから750nmまでの広い発光波長をもつことから好ましい。
1種類以上のタリウム化合物を含有する添加剤のタリウム化合物としては、種々のタリウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使用することができる。
好ましいタリウム化合物は、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、又はフッ化タリウム(TlF,TlF)等である。
また、タリウム化合物の融点は、発光効率の面から、400〜700℃の範囲内にあることが好ましい。なお、融点とは、常温常圧下における融点である。
また、タリウム化合物の分子量は206〜300の範囲内にあることが好ましい。
シンチレータ層において、当該添加剤の含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、ヨウ化セシウムの含有量に対して、0.01〜20モル%であるのが好ましく、0.05〜5モル%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記したCsI:Tl以外にも各種のものが利用可能である。
他の一例として、基本組成式(I):
X・aMIIX’・bMIIIX”:zA
で示されるアルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体が好ましく例示される。
上記式において、MはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表す。また、X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも一種のハロゲンを表し、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。また、a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
また、上記基本組成式(I)中のMとしては少なくともCsを含んでいることが好ましく、Xとしては少なくともIを含んでいることが好ましく、Aとしては特にTl又はNaであることが好ましい。zは1×10−4≦z≦0.1の範囲内の数値であることが好ましい。
また、基本組成式(II):
IIFX:zLn
で示される希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体も好ましい。
上記式において、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも一種のハロゲンを表す。また、zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
なお、上記式中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。
また、他に、LnTaO:(Nb,Gd)系、LnSiO:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、GdS:Tb、GdS:Pr,Ce、ZnWO、LuAlO:Ce、GdGa12:Cr,Ce、HfO等を挙げることができる。
以下の説明においては、撮像パネルの層構成を示す図1を参照しながら説明する。
ここで本発明においては、シンチレータ層5を放射線透過性を有する第2の基板1上に反射層3や保護層4を介して設けることによりシンチレータパネル10を形成した後に第3の基板20d上にフォトセンサとTFTからなる画素が2次元状に形成された出力層20c及び光電変換素子層20bを形成した光電変換を行う出力基板20と接着あるいは密着させることで放射線検出装置100としてもよいし、第3の基板20d上にフォトセンサとTFTからなる画素が2次元状に形成された出力層20c及び光電変換素子層20bを形成した後、直接、保護層を介してシンチレータ層5を設けたシンチレータパネル10を形成させることで放射線検出装置100としても良い。しかし、本実施の形態においては、主として前者の方式について説明する。
(保護層)
本発明のシンチレータパネル10は、第2の基板1上に設けられた反射層3と、反射層3上に設けられた保護層4を有することが好ましい。十分な保存特性が得られ、かつ光の散乱が抑えられる点から、保護層4の厚みは0.2〜5.0μmであるのが好ましく、0.5〜4.0μmがより好ましく、0.7〜3.5μmであるのが特に好ましい。
保護層4には有機樹脂を用いることが好ましく、有機樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラキシリレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリパラキシリレンを使用することが好ましい。
通常、蒸着によるシンチレータを形成するにあたっては、基板温度は150℃〜250℃で実施されるが、保護層4にガラス転移温度が−20℃〜45℃である有機樹脂を含有しておくことで、保護層4が接着層としても有効に機能するようになる。
保護層4の作製に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。
また保護層4は、光吸収層であることが好ましく、極大吸収波長は560〜650nmであることが好ましい。当該保護層4は、極大吸収波長が560〜650nmの範囲にあるようにするために顔料及び染料の少なくとも一方を含有することが好ましい。
また、当該保護層4は上記有機樹脂の他に、分散剤等を含有することが好ましい。560〜650nmの間に極大吸収波長を有する着色剤としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。
着色剤としては、560〜650nmの波長範囲に吸収をもつものが好ましく、着色剤としては、紫〜青の有機系もしくは無機系の着色剤が好ましく用いられる。
紫〜青の有機系着色剤の例としては、紫色:ジオキサジン、青色:フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどであり具体的には、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルーNo.603(オリエント(株)製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)が挙げられる。
紫〜青の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
着色剤として、好ましいものは金属フタロシアニン系顔料である。
金属フタロシアニン系顔料としては、具体的には、銅フタロシアニンが挙げられる。しかし、極大吸収波長が560〜650nmの範囲内にある限り、他の金属含有フタロシアニン顔料、例えば亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、及び他のそのような金属に基づくものも使用できる。
適当なフタロシアニン系顔料は未置換でも、(例えば1つまたはそれ以上のアルキル、アルコキシ、ハロゲン例えば塩素、または他のフタロシアニン顔料に典型的な置換基で)置換されていてもよい。粗フタロシアニンは、技術的に公知のいくつかの方法のいずれかで製造できるが、好ましくは無水フタル酸、フタロニトリルまたはそれらの誘導体の、金属ドナー、窒素ドナー(例えば尿素またはフタロニトリル自体)と、好ましくは有機溶媒中随時触媒の存在下に反応させることによって製造できる。
例えばW.ハーブスト(Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、「工業有機顔料」[VCH出版、ニューヨーク、1993年]、418〜427ページ、H.ゾリンガー(Zollinger)、「色剤化学」(VCH出版、1973年)101〜104ページ、及びN.M.ピゲロー(Pigelow)及びM.A.パーキンス(Perkins)、H.A.ラブス(Lubs)編「合成染料及び顔料の化学」[ロバート(Robert)E.クリーガー(Krieger)出版、1955年]、584〜587ページにおける「フタロシアニン顔料」、更に米国特許第4158572号、第4257951号、及び第5175282号、並びに英国特許第1502884号を参照。
顔料は、上記有機樹脂中に分散されて用いられることが好ましい。分散剤は、用いる有機樹脂と顔料とに合わせて種々のものを用いることができる。
分散剤としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。
顔料を有機樹脂中へ分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
保護層4は、溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成したり、CVD法により形成される。
(放射線透過性を有する第1の基板)
本発明に係る放射線透過性を有する第1の基板9は、放射線透過性であり、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。第1の基板9は、直接あるいは必要に応じて吸湿層7等の機能層を有すると共に、反対面に第1の粘着層8A(例えば両面テープやホットメルトシート、接着剤等)によって第2の基板1に貼り付けられている。第1の基板9としては、(1)炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、(2)カーボンボード(木炭及び紙を炭化処理して固めたもの)、(3)カーボン基板(グラファイト基板)、(4)プラスチック基板、(5)ガラス基板、(6)上記(1)〜(5)の基板を薄く形成し発泡樹脂でサンドイッチしたもの、等を用いることができる。第1の基板9の厚さは、第2の基板1の厚さよりも大きいことが好ましい。これにより、シンチレータパネル10全体の強度が向上する。第1の基板9の面方向の配置領域は、光電変換素子層の面方向の配置領域を包含することが必要である。これにより、第1の基板9の影が映ることを防止でき、その結果、画像が不均一になるのを防止できる。また、第1の基板9の面方向の配置領域は、シンチレータパネル10のシンチレータ層5の面方向の配置領域に包含されることが必要である。これにより、シンチレータパネル10を小型化することが可能となる。第1の基板9の端部については、角部または全周にわたってテーパーをつける、又は丸める(Rをつける)ことが好ましい。これにより、封止した場合にも破れにくくなるという効果がある。
(粘着層)
本発明に係る第1の粘着層8A、第2の粘着層8Bに使用可能な粘着層としては、例えば両面テープ(マトリックステープ)、ホットメルトシート、接着剤が用いられる。
ホットメルトシートに使用されるホットメルト樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系などのホットメルト樹脂が挙げられる。ホットメルト樹脂の熱膨張係数は、材料により異なるが、例えば、160〜230×10−6/℃である。ホットメルト樹脂としては、例えば特開2006−78471号公報の「0024」〜「0034」に記載されたホットメルト樹脂を使用することができる。また接着剤としては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系の群に属する接着剤を用いることができる。接着剤の熱膨張係数は、材料により異なるが、例えば、110×10−6/℃以下である。第1の粘着層8Aの面方向の配置領域は、シンチレータ層5の面方向の配置領域に包含されるが、第1の基板9の面方向の配置領域を包含していることが必要である。
(吸湿層)
本発明に係わる吸湿層7しては、乾燥剤を含む樹脂層を使用するのが好ましく、例えば、ドライキープ(プラスチックなどの樹脂と乾燥剤が一体化した製品)が使用できる。
(放射線透過性を有する第2の基板)
本発明に係る放射線透過性を有する第2の基板1は、シンチレータ層5を担持可能な板状体であり、各種のガラス、セラミック、高分子材料、金属等を用いることができる。
例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、シンジオタクチックポリスチレンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどを用いることができる。
特に、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルム等が、ヨウ化セシウムを原材料として気相堆積法にて柱状シンチレータを形成する場合に、好適である。
特に第2の基板1が厚さ50〜500μmの可とう性を有する高分子フィルムであることが好ましい。ここで、「可とう性を有する基板フィルム」とは、120℃での弾性率(E120)が1000N/mm〜6000N/mmである基板フィルムをいい、かかる基板フィルムとしてポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、かかるヤング率を弾性率と定義する。
本発明に用いられる第2の基板1は、上記のように120℃での弾性率(E120)が1000N/mm〜6000N/mmであることが好ましい。より好ましくは1200N/mm〜5000N/mmである。
具体的には、ポリエチレンナフタレート(E120=4100N/mm)、ポリエチレンテレフタレート(E120=1500N/mm)、ポリブチレンナフタレート(E120=1600N/mm)、ポリカーボネート(E120=1700N/mm)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=2200N/mm)、ポリエーテルイミド(E120=1900N/mm)、ポリイミド(E120=5000N/mm)、ポリアリレート(E120=1700N/mm)、ポリスルホン(E120=1800N/mm)、ポリエーテルスルホン(E120=1700N/mm)等からなる高分子フィルムが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく積層あるいは混合して用いてもよい。中でも、特に好ましい高分子フィルムとしては、上述のように、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
(反射層)
反射層3は、シンチレータ層5のシンチレータから発した光を反射して、光の取り出し効率を高めるためのものである。当該反射層3は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。特に、上記の元素からなる金属薄膜、例えば、Ag膜、Al膜などを用いることが好ましい。また、このような金属薄膜を2層以上形成するようにしても良い。金属薄膜を2層以上とする場合は、下層をCrを含む層とすることが基板(第2の基板1)との接着性を向上させる点から好ましい。下層としてはNi/Cr層とすることが特に好ましい。
反射層3は、上記のようにシンチレータ層5からの光を反射すると同時に放射線透過性を有する。反射層3は、放射線透過性であり、上記のように所定の光(シンチレータから発した光)を反射する金属薄膜であることが好ましい態様である。
なお、反射層3の厚さは、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが、発光光取り出し効率の観点から好ましい。
反射層3とシンチレータ層5の間にはさらに少なくとも1層からなる酸化物層を設けても良い。酸化物層を設けることで反射率が向上し、輝度向上の効果がある。さらに、特に第2の基板1としてアルミニウムやカーボン等の導電性の基板を使用する場合は、腐食防止の効果も得ることができる。酸化物層としては金属酸化物を含むことが好ましく、SiO、TiOなどが挙げられる。酸化物層は、複数の酸化物層からなることがより好ましい。
酸化物層の厚さは、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが、輝度向上、腐食防止の観点から好ましい。
(中間層)
本発明においては、第2の基板1と反射層3の間に中間層2を有してもよい。中間層2としては、樹脂を含有する層であることが好ましい。樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラキシリレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリパラキシリレンを使用することが好ましい。
中間層2の厚みは1.0μm〜30μmであるのが好ましく、2.0μm〜25μmであるのがより好ましく、5.0μm〜20μmであるのが特に好ましい。
(耐湿保護層)
耐湿保護層6は、シンチレータ層5の保護を主眼とするものである。即ち、ヨウ化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止することを主眼とする。
当該耐湿保護層6は種々の材料を用いて形成することができる。例えば、CVD法によりポリパラキシリレン膜を形成する。即ち、シンチレータ層5及び第2の基板1の表面全体にポリパラキシリレン膜を形成し、耐湿保護層6とすることができる。
耐湿保護層6は、耐湿保護層6用の塗布液を前記シンチレータ層5(蛍光体層)の表面に直接塗布して形成してもよく、また、予め別途形成した耐湿保護層6を前記シンチレータ層5(蛍光体層)に接着したり、包み込むことにより封止してもよい。本実施形態では、シンチレータプレート10Aを含めた全体を図1に示すように耐湿保護層6としてのフィルムで包み込むように封止している。また、耐湿保護層6であるフィルムとしては、2枚の封止フィルム6a、6bを用い、周辺部をホットプレスし、熱融着することで封止している。
また、耐湿保護層6は蒸着法、スパッタリング法などにより、SiC、SiO、SiN、Si、Alなどの無機物質を積層して形成してもよい。
上記耐湿保護層6の厚さは、空隙部の形成性、シンチレータ層5(蛍光体層)の耐湿保護性、鮮鋭性、防湿性、作業性等を考慮し、12μm以上、100μm以下が好ましく、更には20μm以上、60μm以下が好ましい。
また、ヘイズ率が、鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業性等を考慮し、3%以上、40%以下であることが好ましく、更には3%以上、10%以下であることが好ましい。ヘイズ率は日本電色工業株式会社NDH 5000Wにより測定した値を示す。必要とするヘイズ率は市販されている高分子フィルムから適宜選択し、容易に入手することが可能である。
耐湿保護層6の光透過率は光電変換効率、シンチレータの発光波長等を考慮し、550nmで70%以上あることが好ましいが、99%以上の光透過率のフィルムは工業的に入手が困難であるため、実質的に70%以上99%未満が好ましい。
耐湿保護層6の透湿度はシンチレータ層5の保護性、潮解性等を考慮し、50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましいが、0.01g/m・day(40℃・90%RH)未満の透湿度のフィルムは工業的に入手が困難であるため、実質的に0.01g/m・day(40℃・90%RH)以上、50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には0.1g/m・day(40℃・90%RH)以上、10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましい。
(耐湿保護層として好ましい保護フィルム)
耐湿保護層6として好ましい保護フィルムは、積層された有機フィルムであり、その構成例としては、保護層(最外層)/防湿層/熱溶着層(最内層)の構成を有した多層積層材料が挙げられる。また、更に各層は必要に応じて多層とすることも可能となっている。上記の保護フィルムによって、シンチレータプレート10Aが真空封止されていることが好ましい。
〈熱溶着層(最内層)〉
最内層の熱可塑性樹脂フィルムとしては、EVA、PP、LDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、またこれらフィルムとHDPEフィルムの混合使用したフィルムとを使用することが好ましい。
〈防湿層(中間層)〉
特開平6−95302号公報及び真空ハンドブック増訂版p132〜134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き、無機膜を少なくとも一層有する層が挙げられる。無機膜としては、金属蒸着膜及び無機酸化物等の蒸着膜が挙げられる。
無機物蒸着膜としては、薄膜ハンドブックp879〜901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き無機物蒸着膜が挙げられる。これらの無機物蒸着膜としては、例えば、Cr、Si(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si、単結晶Si、アモルファスSi、W、アルミニウム、Al等が用いられる。特に好ましい金属蒸着膜としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。
防湿層の基材として使用する熱可塑性樹脂フィルムとしては、エチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、2軸延伸ナイロン6、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されているフィルム材料を使用することができる。
蒸着膜を作る方法としては、真空技術ハンドブック及び包装技術Vol.29−No.8に記載されている如き一般的な方法、例えば、抵抗または高周波誘導加熱法、エレクトロビーム(EB)法、プラズマ(PCVD)等により作ることができる。蒸着膜の厚さとしては40〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは50〜180nmの範囲である。
〈保護層(最外層)〉
蒸着フィルムシートを介して用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては、一般の包装材料として使用されている高分子フィルム(例えば、機能性包装材料の新展開株式会社東レリサーチセンター記載の高分子フィルム)である低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、OPP、延伸ナイロン(ONy)、PET、セロハン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体、またはフッ素を含むオレフィン系共重合体等が使用できる。
また、これら熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせて作った多層フィルム等も当然使用できる。更に必要とする包装材料の物性を得るために、使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。
無機物蒸着層を使用しない場合は、保護層に防湿層としての機能を持たせる必要がある。この場合、保護層に使用する熱可塑性樹脂フィルムの中より必要に応じて単体でもよいし、または2種以上のフィルムを積層させて用いることができる。例えば、CPP/OPP、PET/OPP/LDPE、Ny/OPP/LDPE、CPP/OPP/EVOH、サランUB/LLDPE(ここでサランUBとは、旭化成工業株式会社製の塩化ビニリデン/アクリル酸エステル系共重合樹脂を原料とした2軸延伸フィルムを示す。)K−OP/PP、K−PET/LLDPE、K−Ny/EVA(ここでKは、塩化ビニリデン樹脂をコートしたフィルムを示す。)等が使用されている。
これら保護フィルムの製造方法としては、一般的に知られている各種の方法が用いられ、例えば、ウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押し出しラミネート法、熱ラミネート法を利用して作ることが可能である。無機物を蒸着したフィルムを使用しない場合も同様な方法が当然使えるが、これらの他に使用材料によっては多層インフレーション方式、共押し出し成形方式により作ることができる。
積層する際に使用される接着剤としては、一般的に知られている接着剤が使用可能である。例えば、各種ポリエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂熱溶解接着剤、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等のエチレン共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、その他熱溶融型ゴム系接着剤等がある。
エマルジョン、ラテックス状の接着剤であるエマルジョン型接着剤の代表例としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共重合体樹脂、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合体樹脂、アクリル酸共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエマルジョンがある。
ラテックス型接着剤の代表例としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴムラテックスがある。また、ドライラミネート用接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等があり、その他、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等をブレンドしたホットメルトラミネート接着剤、感圧接着剤、感熱接着剤等公知の接着剤を用いることもできる。
エクストルージョンラミネート用ポリオレフィン系樹脂接着剤はより具体的に言えば、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂からなる重合物及びエチレン共重合体(EVA、EEA、等)樹脂の他、L−LDPE樹脂の如く、エチレンと他のモノマー(α−オレフィン)を共重合させたもの、Dupont社のサーリン、三井ポリケミカル社のハイミラン等のアイオノマー樹脂(イオン共重合体樹脂)及び三井石油化学(株)のアドマー(接着性ポリマー)等がある。
その他、紫外線硬化型接着剤も最近使われはじめた。特にLDPE樹脂とL−LDPE樹脂が安価でラミネート適性に優れているので好ましい。また、前記樹脂を2種以上ブレンドして各樹脂の欠点をカバーした混合樹脂は特に好ましい。例えば、L−LDPE樹脂とLDPE樹脂とをブレンドすると延展性が向上し、ネックインが小さくなるのでラミネート速度が向上し、ピンホールが少なくなる。
(シンチレータパネルの作製方法)
本発明のシンチレータパネル10を作製する作製方法の典型的例について、図を参照しながら説明する。なお、前述のように、図1はシンチレータパネル10や出力基板20で構成される撮像パネル51を装着した放射線検出装置100の概略層構成を示す断面図である。図2は、シンチレータプレート10Aの一部の拡大断面図である。図3(a)は、シンチレータ層を蒸着する蒸着装置61の概略構成を示す側面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A視図であり、図5は撮像パネル51の拡大層構成を示す図である。これらの図面を用いて説明する。
〈蒸着装置〉
以下、蒸着装置61について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、シンチレータパネルの蒸着装置61は真空容器62を備えており、真空容器62には真空容器62の内部の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ66が備えられている。
真空容器62の内部の上面付近には、第2の基板1を保持する基板ホルダ64が設けられている。
第2の基板1は従来のシンチレータパネル10の支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、本実施形態の第2の基板1としては、石英ガラスシート、アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート又は炭素繊維強化シートなどが好ましい。
また、第2の基板1は、その表面を平滑な面とするために樹脂層(中間層)を有していてもよい。樹脂層は、ポリイミド、ポリエチレンフタレート、パラフィン、グラファイトなどの化合物を含有することが好ましく、その膜厚は、約5μm〜50μmであることが好ましい。この樹脂層は、第2の基板1の表面に設けてもよく、裏面に設けてもよい。また、第2の基板1の表面に樹脂層(中間層)を設ける手段としては、貼合法、塗設法などの手段がある。このうち貼合法は加熱、加圧ローラを用いて行い、加熱条件は約80〜150℃、加圧条件は4.90×10〜2.94×10N/cm、搬送速度は0.1〜2.0m/sが好ましい。
第2の基板1の表面には、シンチレータ層5(蛍光体層)が気相堆積法によって形成される。気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法その他を用いることができるが、本発明では特に蒸着法が好ましい。
基板ホルダ64は、第2の基板1のうちシンチレータ層5(蛍光体層)を形成する面が真空容器62の底面に対向し、かつ、真空容器62の底面と平行となるように第2の基板1を保持する構成となっている。
また、基板ホルダ64には、第2の基板1を加熱する加熱ヒータ(図示せず)を備えることが好ましい。この加熱ヒータで第2の基板1を加熱することによって、第2の基板1の基板ホルダ64に対する密着性の強化や、シンチレータ層5(蛍光体層)の膜質調整を行う。また、第2の基板1の表面の吸着物を離脱・除去し、第2の基板1の表面と後述する蛍光体との間に不純物層が発生することを防止する。
また、加熱手段として温媒又は熱媒を循環させるための機構(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における第2の基板1の温度を50〜150℃といった比較的低温に保持して蒸着する場合に適している。
また、加熱手段としてハロゲンランプ(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における第2の基板1の温度を150℃以上といった比較的高温に保持して蒸着する場合に適している。
さらに、基板ホルダ64には、第2の基板1を水平方向に回転させる基板回転機構65が設けられている。基板回転機構65は、基板ホルダ64を支持すると共に第2の基板1を回転させる基板回転軸67及び真空容器62の外部に配置されて基板回転軸67の駆動源となるモータ(図示せず)から構成されている。
また、真空容器62の内部の底面付近には、第2の基板1に垂直な中心線を中心とした複数の(ここでは2つの)同心円の円周上の位置にそれぞれ複数の蒸発源63a及び63bが配置されている。この場合において、第2の基板1と蒸発源63a間や、63b間の間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。また、第2の基板1に垂直な中心線と蒸発源63a及び63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。
上記のように、特定の位置に配置された蒸発源にはそれぞれ63a、63bのように符号を設けたが、設置場所を特定しない蒸発源や上記63a、63bを含めた全体的な蒸発源については蒸発源63のように呼称する。
なお、本発明において、シンチレータパネル10の製造装置においては3個以上の多数の蒸発源63を同じ円周上に設けることも可能であり、各々の蒸発源63は等間隔に配置してもよく、間隔を変えて配置してもよい。また、第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の半径は任意に定めることができる。本発明においては複数の蒸発源63a及び63bそれぞれが2つの同心円の円周上に配置されることが好ましいが、さらに円の中心部にも蒸発源63cが配置されることがより好ましい。円の中心部にも蒸発源63cを配置することで、FPD等の大サイズのパネルに使用する場合でも、シンチレータ層5の蛍光体の充填率の変動係数を20%以下とすることができ、耐衝撃性や耐湿性を良好にすることができる。本発明においては複数の蒸発源63a、63bが2つの同心円の円周上に配置されることが好ましいが、各蒸発源63は各同心円状に複数あることがより好ましい。複数の同心円上に複数の蒸発源63を配置することでFPD等の大サイズのパネルに使用する場合でもシンチレータ層5の柱径プロファイル曲線や賦活剤濃度プロファイル曲線における極大値の個数を2個以上とすること、シンチレータ層5の蛍光体の充填率の変動係数を20%以下とすることができ、耐衝撃性や耐湿性を良好にすることができる。
蒸発源63a、63b、63cは、後述する蛍光体を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のるつぼから構成しても良いし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成しても良い。また、後述する蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から直接電流を流し抵抗加熱する方法や、周りのヒータでるつぼを間接的に抵抗加熱する方法が好ましい。また、蒸発源63a、63b、63cは分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
また、蒸発源63a、63b、63cと第2の基板1との間には、蒸発源63a、63b、63cから第2の基板1に至る空間を遮断する遮蔽板(シャッタ)68が矢印で示すように、水平方向に開閉自在に設けられており、この遮蔽板(シャッタ)68によって、蒸発源63a、63b、63cにおいて後述する蛍光体の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、第2の基板1に付着するのを防ぐことができるようになっている。
次に、上述のシンチレータパネルへの蒸着装置61を用いたシンチレータパネル製造方法について説明する。
まず、基板ホルダ64に第2の基板1を取付ける。また、真空容器62の底面付近において、第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上に蒸発源63a、63bを配置し、中心部にも蒸発源63cを配置する。この場合において、第2の基板1と蒸発源63a、63b、63cとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。また、第2の基板1に垂直な中心線と蒸発源63a、63b、63cとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。
次いで、真空容器62の内部を真空排気し、真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にする(真空雰囲気形成工程)。ここでいう「真空雰囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のことを意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下であるのが好適である。
その後、アルゴン等の不活性ガスを真空容器62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0.001〜5Paの真空雰囲気下に維持する。その後、基板回転機構65により基板ホルダ64を蒸発源63a、63bに対して回転させ、蒸着可能な真空度に真空容器62が達したら、加熱した蒸発源63a、63b、63cから後述する蛍光体を蒸発させて、基板1の表面に後述する蛍光体を所望の厚さに成長させる。
なお、第2の基板1の表面に後述する蛍光体を成長させる工程を複数回に分けて行ってシンチレータ層5(蛍光体層)を形成することも可能である。
また、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて、被蒸着体(第2の基板1、保護層4又は中間層2)を冷却あるいは加熱しても良い。
さらに、蒸着終了後、シンチレータ層5(蛍光体層)を加熱処理しても良い。また、蒸着法においては必要に応じてO、Hなどのガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
シンチレータ層5(蛍光体層)が形成される第2の基板1の温度は、室温(rt)〜300℃に設定することが好ましく、さらに好ましくは50〜250℃である。
以上のようにしてシンチレータ層5(蛍光体層)を形成した後、必要に応じて、シンチレータ層5(蛍光体層)の第2の基板1とは反対の側の面、あるいは両側の面に、物理的にあるいは化学的に前記蛍光体層を保護するための耐湿保護層6を設けてもよい。耐湿保護層6は、耐湿保護層6の塗布液をシンチレータ層5(蛍光体層)の表面に直接塗布して形成してもよく、また、予め別途形成した耐湿保護層6をシンチレータ層5に接着したり、包み込むことにより封止してもよい。
また、耐湿保護層6は蒸着法、スパッタリング法などにより、SiC、SiO、SiN、Si、Alなどの無機物質を積層して形成してもよい。
以上のシンチレータパネルの蒸着装置61又はシンチレータ層5(蛍光体層)製造方法によれば、複数の蒸発源63a、63b、63cを設けることによって蒸発源63a、63b、63cの蒸気流が重なり合う部分が整流化され、第2の基板1の表面に蒸着する後述する蛍光体の結晶性を均一にすることができる。このとき、多数の蒸発源63を設けるほど多くの箇所で蒸気流が整流化されるため、より広範囲において後述する蛍光体の結晶性を均一にすることができる。また、特に蒸発源63a、63bを第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置することによって、蒸気流の整流化によって結晶性が均一になるという作用を、第2の基板1の表面において等方的に得ることができる。
また、回転機構65によって基板1を回転しながら後述する蛍光体の蒸着を行うことによって、第2の基板1の表面に均一に後述する蛍光体を蒸着させることができる。
《シンチレータパネル》
次に、本発明のシンチレータパネル10の作製方法について説明する。
シンチレータパネル10を作製する作製方法においては、上記で説明した蒸発装置61を好適に用いることができる。蒸発装置61を用いてシンチレータパネル10を作製する方法について説明する。
〈中間層の形成〉
第2の基板1の一方の表面に中間層2を押し出し塗布により形成することができる。なお中間層2の表面性やヤング率を制御するために必要に応じてマット剤やフィラーを添加しても良い。
〈反射層の形成〉
第2の基板1の中間層2が設けられた面に、反射層3としての金属薄膜(Al膜、Ag膜等)をスパッタ法により形成する。また高分子フィルム上にAl膜をスパッタ蒸着したフィルムは、各種の品種が市場で流通しており、これらを貼付して使用することも可能である。
〈保護層の形成〉
保護層4は、前記の有機溶剤に着色剤及び有機樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成する。
〈シンチレータ層の形成〉
上記のように、中間層2、反射層3、保護層4を設けた第2の基板1を基板ホルダ64に取り付けるとともに、蒸発源63にヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む粉末状の混合物を充填する(準備工程)。この場合、蒸発源63と基板1との間隔を100〜1500mmに設定し、その設定値の範囲内のままで後述の蒸着工程の処理をおこなうのが好ましい。
準備工程の処理を終えたら、真空ポンプ66を作動させて真空容器62の内部を排気し、真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にする(真空雰囲気形成工程)。ここでいう「真空雰囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のことを意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下であるのが好適である。
その後、アルゴン等の不活性ガスを真空容器62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0.1Pa〜5Paの真空雰囲気下に維持する。その後、基板ホルダ64のヒータと回転機構65のモータとを駆動させ、基板ホルダ64に取付け済みの第2の基板1を蒸発源63に対向させた状態で加熱しながら回転させる。
この状態において、電極から蒸発源63に電流を流し、ヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む混合物を700〜800℃程度で所定時間加熱してその混合物を蒸発させる。
その結果、第2の基板1の表面に無数の柱状結晶体5aが順次成長して所望の厚さのシンチレータ層5が形成される(蒸着工程)。これにより、本発明に係るシンチレータパネル10の構成要素であるシンチレータプレート10Aを製造することができる。
蒸着源63を加熱する温度としては、500℃〜800℃が好ましく、特に630℃〜750℃が好ましい。第2の基板1の温度は100℃〜250℃が好ましく、特に150℃〜250℃とするのが好ましい。第2の基板1温度をこの範囲とすることで、柱状結晶の形状が良好となり、輝度特性が向上する。
〈耐湿保護層の形成〉
耐湿保護層6は、シンチレータ層5上に前記の有機溶剤に有機樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成することが好ましい。前記組成物には必要に応じて着色剤やマット剤を添加しても良い。また支持体(PET、PEN、アラミド等)上に有機樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成した封止フィルムでシンチレータ層を封止しても良い。
《放射線検出装置》
以下に、上記シンチレータパネル10の一適用例として、図4及び図5を参照しながら、当該シンチレータパネル10を具備した放射線検出装置100の構成について説明する。なお、図4は放射線検出装置100の概略構成を示す一部破断斜視図である。また、図5は撮像パネル51の拡大断面図である。
図4に示す通り、放射線検出装置100には、撮像パネル51、放射線検出装置100の動作を制御する制御部52、書き換え可能な専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を用いて撮像パネル51から出力された画像信号を記憶する記憶手段であるメモリ部53、撮像パネル51を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給する電力供給手段である電源部54、等が筐体55の内部に設けられている。筐体55には必要に応じて放射線検出装置100から外部に通信を行うための通信用のコネクタ56、放射線検出装置100の動作を切り換えるための操作部57、放射線画像の撮影準備の完了やメモリ部53に所定量の画像信号が書き込まれたことを示す表示部58、等が設けられている。
ここで、放射線検出装置100に電源部54を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部53を設け、コネクタ56を介して放射線検出装置100を着脱自在にすれば、放射線検出装置100を持ち運びできる可搬構造とすることができる。
図5に示すように、撮像パネル51は、シンチレータパネル10と、シンチレータパネル10からの電磁波を吸収して画像信号を出力する出力基板20と、から構成されている。
シンチレータパネル10は、放射線照射側に配置されており、入射した放射線の強度に応じた電磁波を発光するように構成されている。
出力基板20は、シンチレータパネル10の放射線照射面と反対側の面に設けられており、シンチレータパネル10側から順に、隔膜20a、光電変換素子層20b、画像信号を出力する出力層20c及び第3の基板20dを備えている。
隔膜20aは、シンチレータパネル10と他の層を分離するためのものである。
光電変換素子層20bは、透明電極21と、透明電極21を透過して入光した電磁波により励起されて電荷を発生する電荷発生層22と、透明電極21に対しての対極になる対電極23とから構成されており、隔膜20a側から順に透明電極21、電荷発生層22、対電極23が配置される。
透明電極21とは、光電変換される電磁波を透過させる電極であり、例えばインジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料を用いて形成される。
電荷発生層22は、透明電極21の一面側に薄膜状に形成されており、光電変換可能な化合物として光によって電荷分離する有機化合物を含有するものであり、電荷を発生し得る電子供与体及び電子受容体としての導電性化合物をそれぞれ含有している。電荷発生層22では、電磁波が入射されると、電子供与体は励起されて電子を放出し、放出された電子は電子受容体に移動して、電荷発生層22内に電荷、すなわち、正孔と電子のキャリアが発生するようになっている。
ここで、電子供与体としての導電性化合物としては、p型導電性高分子化合物が挙げられ、p型導電性高分子化合物としては、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフルオレン、ポリ(p−フェニレン)又はポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい。
また、電子受容体としての導電性化合物としては、n型導電性高分子化合物が挙げられ、n型導電性高分子化合物としては、ポリピリジンの基本骨格を持つものが好ましく、特にポリ(p−ピリジルビニレン)の基本骨格を持つものが好ましい。
電荷発生層22の膜厚は、光吸収量を確保するといった観点から、10nm以上(特に100nm以上)が好ましく、また電気抵抗が大きくなりすぎないといった観点から、1μm以下(特に300nm以下)が好ましい。
対電極23は、電荷発生層22の電磁波が入光される側の面と反対側に配置されている。対電極23は、例えば、金、銀、アルミニウム、クロムなどの一般の金属電極や、透明電極21の中から選択して用いることが可能であるが、良好な特性を得るためには仕事関数の小さい(4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするのが好ましい。
また、電荷発生層22を挟む各電極(透明電極21及び対電極23)との間には、電荷発生層22とこれら電極が反応しないように緩衝地帯として作用させるためのバッファー層を設けてもよい。バッファー層は、例えば、フッ化リチウム及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4−スチレンスルホナート)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル[1,10]フェナントロリンなどを用いて形成される。
画像信号出力層20cは、光電変換素子層20bで得られた電荷の蓄積および蓄積された電荷に基づく信号の出力を行うものであり、光電変換素子層20bで生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサ24と、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタ25とを用いて構成されている。
トランジスタ25は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたものでもよく、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。さらに、Science,283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、トランジスタ25としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。さらに、加工温度を低くできることから熱に弱いプラスチック基板上にも形成できる。
トランジスタ25には、光電変換素子層20bで発生した電荷を蓄積するとともに、コンデンサ24の一方の電極となる収集電極(図示せず)が電気的に接続されている。コンデンサ24には光電変換素子層20bで生成された電荷が蓄積されるとともに、この蓄積された電荷はトランジスタ25を駆動することで読み出される。すなわちトランジスタ25を駆動させることで放射線画像の画素毎の信号を出力させることができる。
第3の基板20dは、撮像パネル51の支持体として機能するものであり、第2の基板1と同様の素材で構成することが可能である。
次に、放射線検出装置100の作用について説明する。
まず、放射線検出装置100に対し入射された放射線は、撮像パネル51のシンチレータパネル10側から第3の基板20d側に向けて放射線を入射する。
すると、シンチレータパネル10に入射された放射線は、シンチレータパネル10中のシンチレータ層5が放射線のエネルギーを吸収し、その強度に応じた電磁波を発光する。発光された電磁波のうち、出力基板20に入光される電磁波は、出力基板20の隔膜20a、透明電極21を貫通し、電荷発生層22に到達する。そして、電荷発生層22において電磁波は吸収され、その強度に応じて正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。
その後、発生した電荷は、電源部54によるバイアス電圧の印加により生じる内部電界により正孔と電子はそれぞれ異なる電極(透明電極膜及び導電層)へ運ばれ、光電流が流れる。
その後、対電極23側に運ばれた正孔は画像信号出力層20cのコンデンサ24に蓄積される。蓄積された正孔はコンデンサ24に接続されているトランジスタ25を駆動させると、画像信号を出力すると共に、出力された画像信号はメモリ部53に記憶される。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(反射層の作製)
厚さ125μmのポリイミドフィルムである第2の基板1(宇部興産製UPILEX−125S)に接着層としてNi/Cr層を形成後、アルミニウムをスパッタして反射層3(0.02μm)を形成した。その後、SiO膜(0.08μm)、TiO膜(0.05μm)を形成した。
(保護層の作製)
バイロン200(東洋紡社製:ポリエステル樹脂、Tg:67℃)
100質量部
ヘキサメチレンジイソシアナート 3質量部
フタロシアニンブルー 0.1質量部
メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
トルエン 100質量部
上記処方を混合し、ビーズミルにて15時間分散し、保護層4塗設用の塗布液を得た。
この塗布液を上記第2の基板1の反射層3の面に乾燥膜厚が2.5μmになるように押し出しコーターで塗布した。
(シンチレータ層の形成)
基板回転機構65を備えた基板ホルダ64に反射層3と保護層4を設けた前記第2の基板1を設置した。次に、蛍光体原料(CsI:0.8Tlモル%)を蒸着材料として蒸発源63aのるつぼに充填し、8個の蒸発源63aのるつぼを真空容器62の内部の底面付近であって、第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置した。このとき、第2の基板1と蒸発源63aとの間隔を400mmに調節すると共に、第2の基板1に垂直な中心線と蒸発源63aとの間隔を300mmに調節した。次に、4個の蒸発源63bのるつぼを真空容器の内部の底面付近であって、第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置した。このとき、第2の基板1と蒸発源63bとの間隔を400mmに調節すると共に、第2の基板1に垂直な中心線と蒸発源63bとの間隔を150mmに調節した。さらに真空容器の内部の底面付近であって、第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の中心に1個の蒸発源63cのるつぼを配置した。これら各蒸発源63a、63b、63cのるつぼには遮蔽板68が図3(b)の矢印で示すように開閉可能に配置されている。続いて真空容器62の内部を一旦排気し、Arガスを導入して0.02Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で第2の基板1を回転させながら第2の基板1の温度を50℃に保持した。次いで、抵抗加熱によりるつぼ内を所定の温度に上昇させて蛍光体を蒸着開始したのち第2の基板1の温度を200℃まで上昇させ、シンチレータ層5(CsI:0.8Tlモル%)の膜厚が470μmとなったところで蒸着を終了させた。遮蔽板68は蒸発開始の極く初期に各るつぼを閉じて初期不純物の蒸発が第2の基板1に達するのを防止し、その後蒸発が終了するまでを開放している。
(シンチレータパネルの作成)
蒸着が終了し、シンチレータ層が形成されたシンチレータプレート10Aを430.0mm×430.0mmの四角形状に断裁した。次に、第1の粘着層8Aであるホットメルトシート(429.5mm×429.5mm 厚みは50μm、エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、ヒロダイン7544(ヒロダイン工業製)を使用)により、第1の基板9としてのガラス基板(429.0mm×429.0mm 厚みは0.5mm 端部の全周にわたって丸み(R)をつけてある)を密着させた。その後、第2の粘着層8Bであるマトリックステープ(厚みは100μm)により、ガラス基板上に吸湿層7(ドライキープ 429.5mm×429.5mm 厚みは80μm)を密着させた。その後、シンチレータプレート10Aを含めた全体を図1に示すように耐湿保護層6としてのフィルムで包み込むように封止することによりシンチレータパネル10を作成した。耐湿保護層6であるフィルムとしては、2枚の封止フィルム6a、6bを用い、周辺部をホットプレスし、熱融着することで封止を行った。シンチレータパネル10のX線照射側に用いる封止フィルム6aとしては、保護層としてPETフィルム(25μm)、防湿層としてアルミニウム箔(9μm)、熱融着層としてCPP(キャスティングポリプロピレン)フィルム(40μm)を貼り合わせた保護フィルムを用いた。またシンチレータ層5側に用いる封止フィルム6bとしては、保護層としてPETフィルム(12μm)上に防湿層としてAl/SiO/Al/SiO層を蒸着したフィルム2枚をドライラミネートして貼り合わせ、さらに熱融着層としてCPP(キャスティングポリプロピレン)フィルム(20μm)をドライラミネートして貼り合わせたものを使用した。なお封止フィルム6a、6bは、CPPフィルムを形成した面がシンチレータパネル10と向き合うようにして使用した。
(装置101)
前記シンチレータパネル10を、図4の斜視図に示すPaxScan2520(Varian社製FPD)にセットして放射線検出装置101(以下単に装置101と称す)を作製し、耐衝撃性、鮮鋭性、輝度及び接着性を、以下に示す方法で評価した(光電変換素子層の配置領域は四角形の形状とし、表1に記載された大きさとなるように調整した)。
次に、放射線検出装置102〜110(以下単に装置102〜110と称す)を作製した。
(装置102〜103)
装置101の作製において、シンチレータ層5の膜厚を表1に示すように変更したこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置104)
装置101の作製において、第2の基板1に垂直な中心線と蒸発源63との間隔が150mmの円周上に配置された4個の蒸発源63bのるつぼを用いなかったこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置105)
装置101の作製において、基板に垂直な中心線と蒸発源63との間隔が150mmの円周上に配置された4個の蒸発源63bのるつぼを用いなかったこと、及び第2の基板1に垂直な中心線を中心とした円の中心に配置された1個の蒸発源63cのるつぼを用いなかったこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置106)
装置101の作製において、基板に垂直な中心線と蒸発源63との間隔が300mmの円周上に配置された8個の蒸発源63aるつぼを用いなかったこと、及び第2の基板1に垂直な中心線と蒸発源63との間隔が150mmの円周上に配置された4個の蒸発源63bのるつぼを用いなかったこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置107)
装置101の作製において、蛍光体原料(CsI:5.0Tlモル%)を蒸着材料として用い、蛍光体層の膜厚を650μmに変更したこと以外は装置106と同様にして作製した。
(装置108)
装置101の作製において、ガラス製の第1の基板9の配置領域を表1に記載のように変更したこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置109)
装置101の作製において、光電変換素子層20bの配置領域を表1に記載のように変更したこと以外は装置101と同様にして作製した。
(装置110)
装置101の作製において、蒸着が終了し、シンチレータ層5が形成されたシンチレータプレート10Aを430.0mm×430.0mmの四角形状に断裁した後、装置101の作製と同様にして保護フィルムを用いて封止を行ったこと以外は装置101と同様にして作製した(ガラス製の第1の基板9を使用しない点が装置101〜109と異なる)。
《評価》
〈充填率の変動係数の定義〉
充填率の変動係数は、シンチレータ層5における蛍光体の充填率のばらつきの程度を示す指標値となるものである。充填率の変動係数は、シンチレータパネル10上で縦、横を10分割し生成した100区画で充填率を測定し、各測定区画における充填率から求めた平均充填率Dav、充填率の標準偏差Ddevを求めて、下記式により算出した。
充填率の変動係数=Ddev/Dav(%)
ここで、Ddev:充填率の標準偏差
av:平均充填率
〈画像欠陥の評価〉
12bitの出力データよりシンチレータパネルのセッティングによって発生した画像欠陥数を計測した。ここでの画像欠陥は画像の平均シグナルの90%以下、110%以上のシグナルを示す画素のことである。画像欠陥数は500ピクセル×500ピクセルあたりの個数を計測した。
〈鮮鋭性の評価〉
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線をFPDの放射線入射面側に照射し、画像データを検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。装置101の鮮鋭性(MTF値)を100とする相対値にて示す。
〈輝度の評価〉
電圧80kVpのX線を装置の裏面(シンチレータ層5が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したFPDで検出し、画像の平均シグナル値を発光輝度とした。装置101の輝度を100とする相対値にて示す。
〈封止時の封止フィルム破れの評価〉
封止時の封止フィルム破れの発生について目視で評価し、封止フィルム破れの発生のないものを「発生なし」、封止フィルム破れの発生があったものを「発生あり」とした。結果を、表1に示す。
表1から、本発明の放射線検出装置は、小型で画像欠陥の発生がほとんどなく、封止フィルムの破れ防止に優れることが分かる。
尚、シンチレータプレート10A及び第1の基板9だけを耐湿保護層6であるフィルムで包み込んで耐湿状態にするシンチレータパネル10とすることも可能であり、防湿性も耐久性も良好である。しかし前述の実施例のように吸湿層7を含めたものを耐湿保護層で包み込む方式のシンチレータパネル10の方が防湿性及び耐湿性でより好ましい。
1 第2の基板
2 中間層
3 反射層
4 保護層
5 シンチレータ層
6 耐湿保護層
6a、6b 封止フィルム
7 吸湿層
8A 第1の粘着層
8B 第2の粘着層
9 第1の基板
10 シンチレータパネル
10A シンチレータプレート
20 出力基板
20a 出力基板の隔膜
20b 光電変換素子層
21 透明電極
22 電荷発生層
23 対電極
20c 出力層
20d 第3の基板
51 撮像パネル
52 制御部
53 メモリ部
54 電源部
61 蒸着装置
62 真空容器
63、63a、63b、63c 蒸発源(被充填部材)
64 基板ホルダ
65 基板回転機構
66 真空ポンプ
67 基板回転軸
68 遮蔽板(シャッタ)
100 放射線検出装置

Claims (9)

  1. 少なくとも、放射線透過性を有する第1の基板と、第1の粘着層と、放射線透過性を有する第2の基板と、シンチレータ層と、光電変換素子層を有する出力基板と、がこの順に積層された放射線検出装置であって、各層の面方向の配置領域における、前記シンチレータ層の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含すると共に、前記第1の基板の配置領域を包含し、前記第1の基板の配置領域は、前記光電変換素子層の配置領域を包含し、かつ前記シンチレータ層の配置領域を分割した複数の各領域における蛍光体の充填率の標準偏差を前記充填率の平均値で除した充填率の変動係数が20%以下であることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記第1の粘着層の面方向の配置領域は、前記シンチレータ層の面方向の配置領域に包含され、前記第1の基板の面方向の配置領域を包含することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記第1の基板の、前記シンチレータ層とは反対側に、第2の粘着層と、吸湿層と、がこの順に積層されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記シンチレータ層と、前記光電変換素子層を有する前記出力基板との間に耐湿保護層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層と、が耐湿保護層に包み込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
  6. 前記第1の基板と、前記第1の粘着層と、前記第2の基板と、前記シンチレータ層と、第2の粘着層と、前記吸湿層と、が耐湿保護層に包み込まれていることを特徴とする請求項3に記載の放射線検出装置。
  7. 前記シンチレータ層が気相堆積法により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  8. 前記シンチレータ層がセシウムハライド系蛍光体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  9. 前記シンチレータ層が賦活剤としてタリウムを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
JP2011503759A 2009-03-13 2010-02-23 放射線検出装置 Pending JPWO2010103917A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009061056 2009-03-13
JP2009061056 2009-03-13
PCT/JP2010/052715 WO2010103917A1 (ja) 2009-03-13 2010-02-23 放射線検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010103917A1 true JPWO2010103917A1 (ja) 2012-09-13

Family

ID=42728208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011503759A Pending JPWO2010103917A1 (ja) 2009-03-13 2010-02-23 放射線検出装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8723127B2 (ja)
JP (1) JPWO2010103917A1 (ja)
WO (1) WO2010103917A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9453161B2 (en) 2010-05-10 2016-09-27 University Of Tennessee Research Foundation Chloride, bromide and iodide scintillators with europium doping
US8692203B1 (en) * 2010-05-10 2014-04-08 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Iodide scintillator for radiation detection
US8815119B2 (en) * 2010-05-10 2014-08-26 University Of Tennessee Research Foundation Chloride, bromide and iodide scintillators with europium doping
JP5792958B2 (ja) * 2011-01-13 2015-10-14 キヤノン株式会社 放射線撮像装置、放射線撮像システム及び放射線撮像装置の製造方法
US8614421B2 (en) * 2011-03-07 2013-12-24 Teledyne Dalsa Inc. Method and system for assembly of glass substrate-based radiological imaging sensor
US11555147B2 (en) 2011-10-10 2023-01-17 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Metal halide scintillators with reduced hygroscopicity and method of making the same
US11107600B2 (en) 2011-10-10 2021-08-31 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Rare-earth metal halide scintillators with reduced hygroscopicity and method of making the same
US20140374608A1 (en) * 2013-06-19 2014-12-25 Canon Kabushiki Kaisha Radiation detection apparatus and method of manufacturing the same
WO2015072197A1 (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 株式会社 東芝 放射線検出器、シンチレータパネルおよびそれらの製造方法
US9806132B2 (en) * 2013-11-22 2017-10-31 General Electric Company Organic X-ray detector with barrier layer
US10126433B2 (en) 2014-11-10 2018-11-13 Halliburton Energy Services, Inc. Energy detection apparatus, methods, and systems
JP2017161408A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 コニカミノルタ株式会社 シンチレータ、シンチレータパネルおよび放射線画像変換パネル
JP6763205B2 (ja) * 2016-06-16 2020-09-30 コニカミノルタ株式会社 積層型シンチレータパネル
JP6242954B1 (ja) * 2016-07-11 2017-12-06 浜松ホトニクス株式会社 放射線検出器
CN110323235A (zh) * 2018-03-29 2019-10-11 夏普株式会社 摄像面板
JP2019174365A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 シャープ株式会社 撮像パネル
CN110031883B (zh) * 2019-03-05 2022-06-07 中国辐射防护研究院 一种基于无线电容式高电离辐射剂量传感器
EP3896705A4 (en) * 2019-04-09 2022-07-20 YMIT Co., Ltd. SCINTILLATOR MODULE, SCINTILLATOR SENSOR UNIT AND MANUFACTURING PROCESS
CN112210089B (zh) * 2020-09-07 2022-07-08 浙江理工大学 一种日光辐照强度可视化的皮肤健康监测手环的制备方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7053380B2 (en) * 2002-02-08 2006-05-30 Kabushiki Kaisha Toshiba X-ray detector and method for producing X-ray detector
WO2004079396A1 (ja) * 2003-03-07 2004-09-16 Hamamatsu Photonics K.K. シンチレータパネルおよび放射線イメージセンサの製造方法
US20050072937A1 (en) 2003-10-02 2005-04-07 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Radiation image conversion panel and preparation method thereof
JP3952012B2 (ja) 2003-12-04 2007-08-01 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法
EP1678525A1 (en) * 2003-10-22 2006-07-12 Canon Kabushiki Kaisha Radiation detection device, scintillator panel, method of making the same, making apparatus, and radiation image pick-up system
DE102004060870B4 (de) * 2004-12-17 2010-10-07 Siemens Ag Festkörperstrahlungsdetektor
JP2006220439A (ja) 2005-02-08 2006-08-24 Canon Inc シンチレータパネル、放射線検出装置及びその製造方法
JP2007040733A (ja) 2005-08-01 2007-02-15 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 輝尽性蛍光体シート封止体、輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法
JP5194796B2 (ja) * 2005-11-18 2013-05-08 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線用シンチレータプレート
DE102006038969B4 (de) 2006-08-21 2013-02-28 Siemens Aktiengesellschaft Röntgenkonverterelement und Verfahren zu dessen Herstellung
JP5004848B2 (ja) 2007-04-18 2012-08-22 キヤノン株式会社 放射線検出装置及び放射線検出システム
US7468514B1 (en) 2007-06-15 2008-12-23 Hamamatsu Photonics K.K. Radiation image conversion panel, scintillator panel, and radiation image sensor
JP5353886B2 (ja) * 2008-07-18 2013-11-27 コニカミノルタ株式会社 放射線シンチレータおよび放射線画像検出器
WO2010023970A1 (ja) * 2008-08-28 2010-03-04 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線画像変換パネル及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8723127B2 (en) 2014-05-13
US20120001282A1 (en) 2012-01-05
WO2010103917A1 (ja) 2010-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010103917A1 (ja) 放射線検出装置
JP5369979B2 (ja) 放射線画像検出装置
JP5353886B2 (ja) 放射線シンチレータおよび放射線画像検出器
US8735854B2 (en) Scintillator panel
JP4725533B2 (ja) シンチレータパネル
US7663110B2 (en) Scintillator panel and flat-panel radiation detector
JP5343970B2 (ja) 放射線画像検出装置
US8354646B2 (en) Scintillator plate, scintillator panel and flat panel radiation detector by use thereof
JP2008107222A (ja) シンチレータパネル
WO2010050358A1 (ja) シンチレータパネル、放射線検出装置及びそれらの製造方法
US9418768B2 (en) Radiographic image conversion panel and radiographic image detector
US20100116992A1 (en) Scintillator panel and radiation flat panel detector
JP2009068888A (ja) フラットパネルディテクタ
JP2010127628A (ja) シンチレータパネルおよび放射線検出装置
JP5577644B2 (ja) 放射線画像検出装置およびその製造方法
WO2010026789A1 (ja) 放射線シンチレータおよび放射線画像検出器
JP5493577B2 (ja) 放射線画像検出装置
JP5267458B2 (ja) シンチレータパネル及び放射線イメージセンサ
JP5597930B2 (ja) 放射線画像検出装置とその製造方法
JP2009002776A (ja) シンチレータパネル及び放射線フラットパネルディテクター
JP5353884B2 (ja) シンチレータパネル及び放射線画像検出器
JP2009300213A (ja) シンチレータパネル及び放射線フラットパネルディテクター
WO2010032504A1 (ja) 放射線画像変換パネルとその製造方法
WO2011086987A1 (ja) 放射線画像検出器とその製造方法
WO2010010728A1 (ja) 放射線画像変換パネルとそれを用いたx線撮影システム