JPWO2010095259A1 - 開閉装置の余寿命診断方法及び装置 - Google Patents

開閉装置の余寿命診断方法及び装置 Download PDF

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Abstract

開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中の経過時間と開閉装置の動作回数と開閉装置の不動作時間と開閉装置の累積動作時間とを軸として前記状態量を夫々配列した複数の系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて、高い精度で開閉装置の余寿命を推定する開閉装置の余寿命診断方法及び装置。

Description

この発明は、開閉装置の動作特性に基づき開閉装置の余寿命を診断するようにした開閉装置の余寿命診断方法、及びその余寿命診断方法を用いた余寿命診断装置に関するものである。
一般に、電力用開閉装置等の開閉装置(以下、単に、開閉装置と称する)は、固定接点と、この固定接点に対向して設けられた可動接点と、可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるよう駆動する駆動機構とを備えている。このような開閉装置は、稼働を開始した初期状態からの経過時間、動作回数、或いは不動作時間、可動部への異物混入等の要因により劣化が進行し、何れかの時点でその動作特性が所定の使用条件から逸脱して余寿命が尽きることとなる。従って、通常、開閉装置は、状態監視装置により動作状態等が監視され、動作特性の劣化状態の診断や余寿命の診断等が行われる。
従来の開閉装置の状態監視装置は、監視対象の開閉装置の動作特性の変化率を定期的に算出し、この算出した動作特性の変化率に基づいて、将来その動作特性が所定の基準値に達するまでの時間、又は将来の可能な動作回数を推定するものである(例えば、特許文献1参照)。このような従来の開閉装置の状態監視装置は、開閉装置の動作特性の劣化が単一の要因に基づいて起き、尚且つ、開閉装置の動作特性が単調に劣化方向に進むような場合には、開閉装置の動作特性の劣化状態の診断、若しくは余寿命の診断に有効である。
特開2002−149230号公報
しかしながら、開閉装置の動作特性の劣化は、実際には複数の要因が重なり合って生じるものである。又、開閉装置の動作特性の劣化傾向若しくは変動傾向は、単調に悪化方向に変化するだけではなく、一時的な特性劣化と特性回復を繰り返す場合が多い。従って、従来の開閉装置の状態監視装置によれば、開閉装置の実際に即した状態の監視若しくは余寿命の予測を行うことが困難であった。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、高い精度で開閉装置の余寿命を推定することができる開閉装置の余寿命診断方法及び装置を得ることを目的としたものである。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法である。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法に於いて、望ましくは、前記夫々の系列でーたのうち複数の系列データ、例えば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、この作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、状況によっては、何れかの系列データのうち1つの系列データのみを作成し、この作成した1つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、
前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法である。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法に於いて、望ましくは、前記夫々の系列でーたのうち複数の系列データ、例えば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、この作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、状況によっては、何れかの系列データのうち1つの系列データのみを作成し、この作成した1つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、
前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法である。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法に於いて、望ましくは、前記夫々の系列でーたのうち複数の系列データ、例えば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、この作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、状況によっては、何れかの系列データのうち1つの系列データのみを作成し、この作成した1つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断方法に於いて、望ましくは、前記所定の変換関数を前記夫々の系列データ毎に異なる変換関数とする。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成すると共に、
前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
前記作成した夫々の系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法である。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法に於いて、望ましくは、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の全動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、これらの作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、
状況によっては、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち何れか一つの系列データのみを作成し、且つ前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち何れか一つの系列データのみを作成し、この作成した2つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
ことを特徴とした開閉装置の余寿命診断装置である。
この発明による開閉装置の余寿命診断装置に於いて、望ましくは、前記夫々の系列でーたのうち複数の系列データ、例えば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、この作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、状況によっては、何れかの系列データのうち1つの系列データのみを作成し、この作成した1つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
ことを特徴とした開閉装置の余寿命診断装置である。
この発明による開閉装置の余寿命診断装置に於いて、望ましくは、前記夫々の系列でーたのうち複数の系列データ、例えば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、この作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、状況によっては、何れかの系列データのうち1つの系列データのみを作成し、この作成した1つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうちの少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
ことを特徴とした開閉装置の余寿命診断装置である。
この発明による開閉装置の余寿命診断装置に於いて、望ましくは、前記夫々の系列でーたのうち複数の系列データ、例えば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、この作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、状況によっては、何れかの系列データのうち1つの系列データのみを作成し、この作成した1つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断装置に於いて、望ましくは、前記所定の変換関数は、前記夫々の系列データ毎に異なる変換関数とされる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した夫々の系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
ことを特徴とした開閉装置の余寿命診断装置である。
この発明による開閉装置の余寿命診断装置に於いて、望ましくは、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の全動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データとを作成し、これらの作成した複数の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命を診断するようにするが、
状況によっては、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち何れか一つの系列データのみを作成し、且つ前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち何れか一つの系列データのみを作成し、この作成した2つの系列データに基づいて開閉装置の予寿命を診断するようにしても良い。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、前記開閉装置は同一の設備内に複数個配置され、前記余寿命推定手段は、前記複数個の開閉装置のうち動作回数が最も多い開閉装置の前記少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて他の開閉装置の余寿命を推定することを特徴とすることを特徴とした開閉装置の余寿命診断装置である。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法及び装置に於いて、望ましくは、前記余寿命の推定は、前記作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線を用いて行われる。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法及び装置に於いて、望ましくは、前記余寿命の推定は、前記作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線と所定値との偏差に基づいて行われる。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法及び装置に於いて、望ましくは、前記系列データを複数作成し、前記作成した複数の系列データのうち最も顕著に開閉装置の劣化傾向を示す系列データに基づいて前記開閉装置の劣化要因を推定するものである。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法及び装置に於いて、望ましくは、前記系列データを複数作成し、前記作成した複数の系列データ毎に前記開閉装置の余寿命の推定値を算出し、前記算出した推定値のうち最小の推定値を前記開閉装置の余寿命として推定するものである。
この発明に於いて、開閉装置の劣化状態に関連する状態量とは、開閉装置の劣化状態を規定する状態量を意味し、例えば、接点損耗量、開閉装置の駆動時に於ける摺動部の摩擦力、駆動用コンデンサの容量等がその状態量に相当する。
この発明に於ける、開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間に該当する例としては、例えば、開閉装置の余寿命を診断する時点に対する最近の期間があり、その最近の期間の範囲は、開閉装置の種類、開閉装置に於ける開閉動作の頻度、摺動部材を構成する材料等により、適宜決定される。
尚、この発明に於ける夫々の系列データは、夫々の発明に於いて独立したものであり、夫々の発明に於いて同一呼称の系列データが必ずしも同一内容の系列データを示すものではない。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法によれば、開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、開閉装置に生じている劣化要因を分離して余寿命の推定を高い精度で行うことができる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断方法によれば、開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、経過時間又は動作回数又は不動作時間又は累積動作時間を軸として状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れないような劣化要因に対しても、開閉装置の余寿命の推定を行うことができる。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断方法によれば、開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、より正確に開閉装置の余寿命を推定することができる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断方法によれば、開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した夫々の系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間又は全動作回数又は全不動作時間又は全累積時間を軸として前記状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れない場合でも、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、のうちの少なくとも何れか一つの系列データにより劣化傾向を現わすことが可能であり、簡単な構成で、より確実に開閉装置の余寿命を推定することができる。
この発明による開閉装置の余寿命診断装置によれば、駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されているので、簡単な構成で、開閉装置に生じている劣化要因を分離して余寿命の推定を高い精度で行うことができる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断装置によれば、駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されているので、経過時間又は動作回数又は不動作時間又は累積動作時間を軸として状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れないような劣化要因に対しても、開閉装置の余寿命の推定を行うことができ、簡単な構成で、より確実に開閉装置の余寿命を推定することができる。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断装置によれば、駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうちの少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されているので、より正確に開閉装置の余寿命を推定することができる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断装置によれば、駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した夫々の系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されているので、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間又は全動作回数又は全不動作時間又は全累積時間を軸として前記状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れない場合でも、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、のうちの少なくとも何れか一つの系列データにより劣化傾向を現わすことが可能であり、簡単な構成で、より確実に開閉装置の余寿命を推定することができる。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断装置によれば、開閉装置は同一の設備内に複数個配置された場合に、余寿命推定手段は、前記複数個の開閉装置のうち動作回数が最も多い開閉装置の前記少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて他の開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、状態量履歴データが存在しない開閉装置についても、余寿命の推定を的確に行なうことができる。
この発明による開閉装置の余寿命診断法及び装置に於いて、余寿命の推定を、作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線を用いて行うことにより、余寿命の推定を高い精度で行うことができる。
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断法及び装置に於いて、前記所定の変換関数を、前記夫々の系列データ毎に異なる変換関数とすることにより、より正確に開閉装置の余寿命を推定することができる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断法及び装置に於いて、夫々の系列データのうち最も顕著に開閉装置の劣化傾向を示す系列データに基づいて前記開閉装置の劣化要因を推定することにより、より確実に開閉装置の余寿命を推定することができると共に、開閉装置の劣化要因を正確に推定することができ、開閉装置の的確なメンテナンス計画を立案し実行することができる。
又、この発明による開閉装置の余寿命診断法及び装置に於いて、望ましくは、前記算出した推定値のうち最小の推定値を前記開閉装置の余寿命として推定することにより、簡単な構成で、開閉装置に生じている劣化要因を分離して余寿命の推定を高い精度で行うことができる。
以下、この発明の実施の形態1乃至11について説明するが、夫々の実施の形態に於ける系列データは、夫々の実施の形態に於いて独立したものであり、夫々の実施の形態に於いて同一呼称の系列データが必ずしも同一内容の系列データを示すものではない。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。又、この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断方法は、実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置により実施されており、図1に基づく以下の説明により明らかとなる。
図1に於いて、開閉装置1は、主回路導体101、102により構成される電気回路としての主回路を開閉する真空バルブ11と、この真空バルブ11を駆動するための駆動機構としての電磁アクチュエータ12を備えている。
真空バルブ11は、ほぼ真空に保たれた匡体110を備え、その筐体110の内部に、主回路を開閉する固定接点111と、この固定接点111に対向して設けられた可動接点112とが収納されている。固定接点111は、主回路導体101の一端に接続され、可動接点112は、可動接点支持軸113及び可撓導体114を介して主回路導体102の一端に接続されている。固定接点111と可動接点112とが図示のように接触しているときは、固定接点111及び可動接点112を介して主回路導体101、102に矢印方向に電流が流れる。真空バルブ11の筐体110の内部には、可動接点支持軸113の周面と筐体111の内周面との間にベローズ115が設けられている。ベローズ115は、筐体110の内部を気密に封止するものである。
可動接点支持軸113は、筐体110の貫通孔に固定された第1のガイド軸受116により摺動自在に支持され、その端部が筐体110の外部に導出されている。第1の可動軸117は、その一端1171が可動接点支持軸113の端部に連結されると共に、ガスタンク118の貫通孔に固定されている第2のガイド軸受119により摺動自在に支持され、他端1172がガスタンク118の外部に導出されている。絶縁ロッド120は、第1の可動軸117の途中に設けられており、第1の可動軸117の一端1171と他端1172とを絶縁している。ガスタンク118の内部には、真空バルブ11、可撓導体114、主回路導体101、102の一部分、第1の可動軸117の一部分、絶縁ロッド120が収納され、更に、絶縁性能を高めるためのSF6ガス又は窒素等の絶縁ガス、又は乾燥空気が加圧封入されている。ベローズ121は、ガスタンク118の内部と外部とを気密に封止している。
電磁アクチュエータ12は、ヨーク211と、永久磁石212と、閉極コイル213と、開極コイル214と、可動子215と、第2の可動軸216とを備えている。ヨーク211は、磁性体により構成され、固定接点側端部2111と反固定接点側端部2112とを備えている。可動子215は、磁性体で構成され、第2の可動軸216に固定されてヨーク211の内部空間に配置されている。第2の可動軸216は、ヨーク211の固定接点側端部2111と反固定接点側端部2112に夫々設けられた第3のガイド軸受217、及び第4のガイド軸受218により、摺動自在に支持されている。
板状に形成された一対の永久磁石212は、ヨーク211の内部空間のほぼ中央部に突出した突出部2113の表面に固定されている。一対の永久磁石212の表面は、所定のギャップを介して可動子215の表面に対向している。閉極コイル213は、ヨーク211の内部空間に配置され、ヨーク211の固定接点側端部2111に接して固定されている。開極コイル214は、ヨーク211の内部空間に配置され、ヨーク211の反固定接点側端部2112に接して固定されている。閉極コイル213及び開極コイル214は、駆動用電源2と駆動用コンデンサ3とに夫々接続されている。
電磁アクチュエータ12は、駆動用電源2から駆動電流が通電されることによって動作し、後述するように真空バルブ11の可動接点112を駆動し、真空バルブ11の開閉動作を行う。駆動用コンデンサ3は、電磁アクチュエータ12が必要とする駆動電流が駆動用電源2の容量に比べて大きい場合に、必要な駆動電流量を供給するために設けられている。
接圧ばね支持匡体219は、第2の可動軸216の一端2161に固定されており、内部に接圧ばね220を固定している。第1の可動軸117の他端1172は、接圧ばね支持匡体219内に摺動自在に挿入され、接圧ばね220により、常時、固定接点111側に付勢されている。
開閉装置1の動作特性を計測する計測手段としての電流センサ41、42は、電磁アクチュエータ21の閉極コイル213と駆動用電源2との接続回路、及び開極コイル214と駆動用電源2との接続回路とに夫々設置され、それらの接続回路に流れる駆動電流を計測する。これらの電流センサ41、42は、計測した駆動電流の電流波形データをアナログ信号又はデジタル信号として出力し、状態監視装置5へ入力する。6は後述する表示手段としての表示装置である。
電流センサ41、42は、開閉装置1の稼動が開始された初期の時点から、例えば、電磁アクチュエータ12が動作する時点毎に電磁アクチュエータの駆動電流を計測し、それらの異なる時点で計測した駆動電流の電流波形を出力する。尚、電流センサ41、42の出力は、駆動電流の電流波形に代えて、電圧波形であってもよいが、以下の説明では、電流波形を出力するものとして説明する。
図2は、この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置に於ける状態監視装置5の構成を示すブロック図である。図2に於いて、状態監視装置5は、状態量推定手段51と、記録手段52と、余寿命推定手段53とから構成されている。状態量推定手段51は、電流センサ41、42から出力された電流波形データを受け、その電流波形データに基づいて、開閉装置1の劣化状態に関連する状態量、即ち開閉装置1の劣化状態を規定する接点損耗量、駆動時の摩擦力、駆動用コンデンサ3の容量等の状態量を推定する。
一般に、開閉装置の駆動電流の電流波形データは、可動接点の駆動距離に対応した波形により得られるが、接点が損耗することにより、開閉装置の可動接点の駆動距離が予め決められた駆動距離若しくは過去の開閉動作の時の駆動距離から変化する。このため、開閉動作中の電流波形データは、予め決められたデータ及び過去の開閉動作の時のデータとは異なるデータとなる。従って、電流波形データの変化量と可動接点の駆動距離及び接点の損耗量との対応関係を予め実験や計算によって求めておけば、電流波形データの変化量から開閉装置の劣化状態に関連する状態量としての接点損耗量を推定することができる。或いは、接点損耗量の代用として電流波形データの変化量を開閉装置の劣化状態に関連する状態量とすることもできる。
又、一般に、開閉装置の駆動時に於いて、開閉装置の駆動速度や開閉動作の開始時刻は、駆動軸にかかる摩擦力により変化する。駆動速度や開閉動作の開始時刻が変化すれば、開閉動作中の電流波形データが予め決められたデータ若しくは過去の開閉動作の時のデータとは異なるデータとなる。従って、電流波形データの変化量と駆動時の摩擦力との対応関係を予め実験や計算によって求めておけば、電流波形データの変化量から開閉装置の劣化状態に関連する状態量としての駆動時の摩擦力を推定することができる。或いは、摩擦力の代用として電流波形データの変化量を開閉装置の劣化状態に関連する状態量とすることもできる。
又、一般に、開閉装置の駆動時に於いて、駆動回路に設けられた駆動用コンデンサ3から駆動電流が放電されるが、駆動用コンデンサ3の容量が変動すると放電時定数が変化することになるので、電流波形データが予め決められたデータ若しくは過去の開閉動作の時のデータと異なるデータとなる。従って、電流波形データの変化量と駆動用コンデンサ3の容量との対応関係を予め実験や計算によって求めておけば、電流波形データの変化量から開閉装置の劣化状態に関連する状態量としての駆動用コンデンサ3の容量を推定することができる。或いは、駆動用コンデンサ3の容量の代用として電流波形データの変化量を開閉装置の劣化状態に関連する状態量とすることもできる。
前述のように、電流センサ41、42は、異なる時点で駆動電流を複数回計測するので、その複数回の計測毎の電流波形データに基づいて、状態量推定手段51は夫々の計測時点に対応した開閉装置1の劣化状態を規定する前述した状態量を推定する。
記録手段52は、状態量推定手段51により推定された夫々の計測時点における状態量を、状態量履歴データとして逐次記録する。余寿命推定手段53は、記録手段52に記録された状態量履歴データを読み出し、その読み出した状態量履歴データに基づいて、後述するようにして、開閉装置1の劣化の進行状況を診断し、その劣化をもたらした劣化要因及び開閉装置1の余寿命を推定する。余寿命推定手段53により推定された余寿命の値、及び開閉装置1の推定された劣化要因は、表示装置6に送信されて表示され、保守担当者に通報される。
次に、開閉装置1の動作について述べる。図1に示すように、真空バルブ11が閉極状態にあり、主回路導体101、102からなる主回路を閉じているときは、閉極コイル213及び開極コイル214は共に消勢されているが、可動子215は、永久磁石212の磁力によりヨーク211の固定接点側端部2111に吸着された閉極位置に保持されている。これにより、可動接点112は、第2の可動軸216、接圧ばね220、第1の可動軸117、絶縁ロッド120、及び可動接点支持軸113を介して固定接点111に押圧され接触している。接圧ばね220は、固定接点111と可動接点112との間に所定の接触圧力を与えている。
真空バルブ11が図1に示す閉極状態にあるときに、開極コイル24が駆動用電源2から通電されて付勢されると、可動子215は、開極コイル214の発生する磁力によりヨーク211の反固定接点側端部2112に吸引されて反固定接点側に移動し、反固定接点側端部2112に吸着された開極位置で停止する。その後、開極コイル214は消勢されるが、可動子215は、永久磁石212の磁力によりその開極位置に保持される。これにより、真空バルブ11の可動接点112は、固定接点111から乖離し主回路を遮断する。
一方、真空バルブ11が開極状態にあるときに、閉極コイル213が、駆動用電源2から通電されて付勢されると、可動子215は、閉極コイル213の発生する磁力によりヨーク211の固定接点側端部2111に吸引されて固定接点側に移動し、固定接点側端部2111に吸着された閉極位置にて停止し、図1に示す状態となる。その後、閉極コイル213は消勢されるが、可動子215は、永久磁石212の磁力によりその閉極位置に保持される。これにより、真空バルブ11の可動接点112は、固定接点111に接触して主回路を閉じる。
前述したように、可動接点支持軸113、第1の可動軸117、及び第2の可動軸216は、第1のガイド軸受116、第2のガイド軸受119、及び第3のガイド軸受217、第4のガイド軸受218により摺動自在に支持されているので、開閉装置1の開極動作及び閉極動作に於いて、通常は、可動接点支持軸113、第1の可動軸117、及び第2の可動軸216はスムースに移動して、真空バルブ11の可動接点112を駆動することができる。一般に、可動接点支持軸113、第1の可動軸117、及び第2の可動軸216と、第1のガイド軸受116、第2のガイド軸受119、及び第3のガイド軸受217、第4のガイド軸受218とからなる夫々の摺動部は、開閉装置1の所定の使用条件に於いて製品余寿命を満足するように設計されている。
しかしながら、開閉装置1が所定の使用条件を超えて使用され続ける場合には、夫々の摺動部の磨耗や潤滑剤の劣化によって、夫々の摺動部の摩擦力が変化し、開閉装置1の動作に動作不良が発生する可能性がある。このような摺動部の摩擦力の変化による摺動部の劣化、即ち開閉装置の劣化は、(1)摺動部の損耗、(2)摺動部の荒れ、(3)摺動部の腐蝕、(4)可動軸等の可動部への異物混入、(5)摺動部の潤滑剤の固渋等の要因によってもたらされる。そしてその摺動部の劣化の進行は、その要因によって異なり、夫々の要因毎に特徴を持っている。
即ち、開閉装置1の摺動部の損耗は、開閉装置1の動作に伴って進行する。従って、摺動部の劣化の要因が摺動部の損耗に基づくものである場合には、摺動部の劣化の進行は、開閉装置1の動作回数に強く依存する。そしてその摺動部の劣化は、開閉装置1が稼働を開始した初期状態から連続的に進行する。又、摺動部の損耗の進行傾向は、開閉装置1の摺動部の構造に依存し、開閉装置1毎の個体差は比較的に小さい。
一方、開閉装置1の摺動部の荒れは、何らかの原因により摺動部の表面にキズが付くことによって発生するが、摺動部の表面のキズは、開閉装置1が開閉動作を繰り返す毎に拡大する。従って、摺動部の劣化の要因が摺動部の荒れに基づくものである場合には、前述の摺動部の損耗の場合と同様に開閉装置1の開閉動作時の摩擦力が増大し、開閉装置1の開閉動作の回数に応じて摺動部の劣化が進行するが、その摺動部の荒れによる摺動部の劣化は、開閉装置1が稼働を開始した初期状態から徐々に進むのではなく、ある時点から急激に進行を開始する。
又、開閉装置1の摺動部の腐蝕は、金属部材の錆や、高分子材料の化学的変化によって発生するが、その摺動部の腐蝕により、摺動部の静止摩擦や摺動摩擦が増大する。従って、摺動部の劣化の要因が摺動部の腐蝕に基づくものである場合には、摺動部の劣化の進行は主に開閉装置1が設置されてからの経過時間に依存する。そしてその劣化の進行度は、周囲環境(温度、湿度、塩害や腐蝕性ガスの有無等)によって大きく異なる。更に、金属部材の錆の進行の度合いは、開閉装置1の開閉動作が頻繁に行われる場合と長期に渡って動作しない場合とでは異なり、従って摺動部の劣化の進行の仕方が異なってくる。
又、開閉装置1の可動軸等の可動部への異物混入は、塵埃や周囲の部材から剥がれ落ちた金属片等が可動軸等に堆積することによって発生するが、この異物混入によって可動部が正しい静止位置まで移動できなくなったり、そのような異物が摺動部に入り込んで摺動部の摩擦力を増大させたりすることとなる。又、摺動部への異物の混入は、前述の摺動部の荒れの一因となる場合もある。このような塵埃等の摺動部への混入による摺動部の摩擦力の変化は、突発的に発生し、開閉装置1の数回の開閉動作後に解消してしまう場合もある。このように、摺動部の劣化の要因が可動軸等の可動部への異物混入に基づくものである場合には、摺動部の劣化が突発的に発生し、その後、開閉装置1の数回の開閉動作によりその劣化が解消してしまうことがある。又、塵埃等の堆積が多くなれば、摩擦力が変動する割合が増大する傾向が現れる。
他方、開閉装置の摺動部に於ける潤滑剤の固渋は、開閉装置1が長期に亘って動作しない場合に、摺動部の潤滑剤の中の油分が分離し潤滑剤が固まってしまうことにより生じる。このような潤滑在の固渋現象は、開閉装置1の開閉動作の頻度が高いと進行しにくい。又、潤滑材の油分が完全に分離していなければ、開閉装置1が開閉動作を行うことで固渋状態が回復する。従って、摺動部の劣化の要因が潤滑材の固渋に基づくものである場合には、長期間の不動作期間を経過した後に開閉装置1が開閉動作を行った初期の段階では、摺動部の摩擦力が大きくなるが、その後、比較的短い期間を経て開閉動作を繰り返すことにより、摺動部の摩擦力が元の状態に回復するというような摩擦力の劣化傾向を示す。
図3は、状態量履歴データに基づいて、開閉装置1の劣化に関連する状態量、即ち劣化の要因である摺動部の腐蝕による摩擦力Fを、異なる3系列のデータとして構成した場合を示すグラフであり、(a)は、開閉装置の劣化に関連する状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1の稼動期間中に於ける経過時間Tを軸として順次配列した第1の系列データのグラフ、(b)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける動作回数Nを軸として順次配列した第2の系列データのグラフ、(c)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける不動作時間nTを軸として順次配列した第3の系列データのグラフである。
摩擦力Fの変化の要因、即ち摺動部の劣化の要因が、摺動部の腐蝕である場合には、図3の(a)に示す第1の系列データの回帰直線RL1から明らかなように、経過時間Tに伴って摺動部の摩擦力Fが徐々に増加することが判る。開閉装置1の稼動開始の初期時点では、調整のために開閉装置1を多数回動作させるので多くの状態量履歴データがある。
図3の(b)に示す第2の系列データでは、回帰直線RL2に示されるように、ある時点から急激に摩擦力Fが増大し始めたように見える。このため、第2の系列データのみで摺動部の腐蝕による摩擦力Fの変化を分析すると、開閉装置1の余寿命の推定を大きく誤ることになる。
又、図3の(c)に示す第3の系列データでは、回帰直線RL3に示されるような回帰直線を導出することは可能であるが、直線からのデータのばらつきが大きく相関が極めて弱い。従って、第3の系列データのみで摺動部の腐蝕による摩擦力Fの変化を分析すると、開閉装置1の余寿命の推定を大きく誤ることになる。
図4は、状態量履歴データに基づいて、摺動部の損耗による摩擦力Fを異なる3系列のデータとして構成した場合を示すグラフで、(a)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける経過時間Tを軸として順次配列した第1の系列データのグラフ、(b)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける動作回数Nを軸として順次配列した第2の系列データのグラフ、(c)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける不動作時間nTを軸として順次配列した第3の系列データのグラフである。
摩擦力Fの変化の要因、即ち摩擦力の変化による摺動部の劣化の要因が、摺動部の損耗である場合には、図4の(b)に示す第2の系列データの回帰直線RL2から明らかなように、開閉装置1の動作回数Nに応じて摺動部の摩擦力Fが徐々に増大していることが判る。一方、図4の(a)に示す第1の系列データを見ると、その回帰直線RL1に示されるように摩擦力Fと経過時間Tとの間に十分な相関は見出せない。このため、第1の系列データのみで摩擦力Fの変化を分析することはできず、この第1の系列データのみから開閉装置1の余寿命を推定することは困難である。
同様に、図4の(c)に示す第3の系列データを見ると、その回帰直線RL3に示されるように摩擦力Fと開閉装置の稼動期間中に於ける不動作時間nTとの間に十分な相関は見出せない。このため、第3の系列データのみで摩擦力Fの変化を分析することはできず、この第3の系列データのみから開閉装置1の余寿命を推定することは困難である。
更に、図5は、状態量履歴データに基づいて、潤滑剤の固渋による摩擦力Fを、異なる3系列のデータとして構成した場合を示すグラフで、(a)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける経過時間Tを軸として順次配列した第1の系列データのグラフ、(b)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける動作回数Nを軸として順次配列した第2の系列データのグラフ、(c)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける不動作時間nTを軸として順次配列した第3の系列データのグラフである。
摩擦力Fの変化の要因、即ち摩擦力の変化による摺動部の劣化の要因が、潤滑剤の固渋である場合には、図5の(c)に示す第3の系列データの回帰直線RL3から明らかなように、不動作時間nTが長ければ長い程、開閉動作が再開された場合の摺動部の摩擦力Fは大きくなることが判る。又、短い不動作時間nTの後に開閉動作が行われた場合は、摩擦力Fが元に回復する傾向を示す。一方、(a)に示す第1の系列データ、及び(b)に示す第2の系列データを見ると、摺動部の摩擦力Fのバラつきは大きくなり、摩擦力Fの変化を分析することはできず、これらのデータから開閉装置1の余寿命を推定することは困難である。
前述したように、摩擦力Fに変化を与える要因の種類によって、摩擦力Fの変化と密接に関連する系列データの軸の種類が異なってくるので、計測データに基づく状態量としての摩擦力Fを前述の3つの系列データのうちの何れか一つのみで構成すると、摩擦力の変化傾向を十分に評価することができない場合が生じる。
そこで、この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、開閉装置1の稼動初期の時点以降の期間中に於ける全経過時間を軸として開閉装置の劣化に関連する状態量を配列した第1の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける開閉装置の全動作回数を軸として前記状態量を配列した第2の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全不動作時間を軸として前記状態量を配列した第3の系列データとを作成し、その作成した前記第1乃至第3の系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するものである。
この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置に置いて、前記第1乃至第3の系列データの作成と前記余寿命の推定を、前述の余寿命推定手段53により行う。
次に、この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置の動作を説明する。図1に於いて、開閉装置1に開極動作をさせるとき、電磁アクチュエータ21の開極コイル214を駆動用電源2から付勢し、前述した動作により真空バルブ11の可動接点112を固定接点111から乖離させて主回路を開く。このとき電流センサ42は、開極コイル214に通電される駆動電流の電流波形を計測し、その計測データを図2に示す状態監視装置5の状態量推定手段51に入力する。
又、開閉装置1に閉極動作をさせるとき、電磁アクチュエータ21の閉極コイル213を駆動用電源2から付勢し、前述した動作により真空バルブ11の可動接点112を固定接点111に接触させて主回路を閉じる。このとき電流センサ41は、閉極コイル214に通電される駆動電流の電流波形を計測し、その計測データを図2に示す状態監視装置5の状態量推定手段51に入力する。
状態監視装置5に於ける状態量推定手段51は、入力された計測データである電流波形データの変化に基づいて開閉装置1の摺動部の劣化状態を規定する接点損耗量、駆動時の摩擦力、駆動用コンデンサ3の容量等の状態量を推定する。記録手段52は、状態量推定手段51により推定された状態量を、状態量履歴データとして保存し蓄積する。
余寿命推定手段53は、記録手段52に保存された状態量履歴データを定期的に読み出し、その状態量履歴データに基づいて、先ず、開閉装置1の稼働開始時点からの経過時間Tを軸としてその状態量を順次配列した第1の系列データと、開閉装置1の稼働開始時点からの動作回数Nを軸として状態量を配列した第2の系列データと、開閉装置1の稼働開始時点からの不動作時間nTを軸として状態量を配列した第3の系列データとを作成し、夫々の系列データのうちの少なくとも何れかの系列データに基づいて開閉装置1の余寿命を推定する。以下の説明では、状態量として摺動部の摩擦力Fを用いて説明するが、それ以外の状態量であっても良いことは勿論である。
尚、余寿命推定手段53は、予め4個の余寿命用の変数t1、t2、t3、t4を用意しており、これらの変数t1、t2、t3、t4の全てに、非常に大きな値、例えば、「999年」をセットしてある。これらの変数t1、t2、t3、t4の値は、後述する余寿命の推定値に書き替えられる。
図6は、状態監視装置5の余寿命推定手段53に於いて、前述の第1乃至第3の系列データから、開閉装置1の摩擦力の劣化傾向を判定し、開閉装置1の余寿命を推定する動作を説明するフローチャートである。
図6に於いて、先ず、ステップS1に於いて、状態監視装置5の記憶手段52に保存された状態量履歴データを全て読出し、この読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける経過時間Tを軸として配列した第1の系列データを構成する。この第1の経過時間系列データは、前述の図3に於ける(a)、若しくは図4に於ける(a)、若しくは図5に於ける(a)に表示された第1の系列データに対応する。
又、ステップS1に於いて、読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける開閉装置1の動作回数Nを軸として配列した第2の系列データを構成する。この第2の系列データは、前述の図3に於ける(b)、若しくは図4に於ける(b)、若しくは図5に於ける(b)に表示された第2の系列データに対応する。
更に、ステップS1に於いて、読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける開閉装置1の不動作時間nTを軸として配列した第3の系列データを作成する。この第3の系列データは、前述の図3に於ける(c)、若しくは図4に於ける(c)、若しくは図5に於ける(c)に表示された第3の系列データに対応する。
次に、ステップS2に於いて、第1の系列データに、開閉装置1が稼動を開始した初期の時点の摩擦力Fが、経過時間Tの増大に伴って劣化する傾向が認められるか否かを判定する。このステップS2に於ける判定は、図3の(a)、又は図4の(a)に示すように、回帰直線RL1が得られた場合に、その回帰直線RL1の相関係数が所定の値以上であり、且つ回帰直線RL1の傾きが所定の値以下(若しくは、所定の値以上)であれば、摩擦力Fに劣化傾向が認められると判定し、そうでない場合、摩擦力Fに劣化傾向が認められないと判定する。
次に、ステップS3に於いて、第2の系列データに、開閉装置1が稼動を開始した初期の時点の摩擦力Fが、動作回数Nの増大に伴って劣化する傾向が認められるか否かを判定する。このステップS3に於ける判定は、図3の(b)、又は図4の(b)に示すように、回帰直線RL2が得られた場合に、その回帰直線RL2の相関係数が所定の値以上であり、且つ回帰直線RL2の傾きが所定の値以下(若しくは、所定の値以上)であれば、摩擦力Fに劣化傾向が認められると判定し、そうでない場合、若しくは図5の(b)に示すように回帰直線が得られない場合には、摩擦力Fに劣化傾向が認められないと判定する。
次に、ステップS4に於いて、第3の系列データに、開閉装置1が稼動を開始した初期の時点の摩擦力Fが、開閉装置1の不動作時間nTの増大に伴って劣化する傾向が認められるか否かを判定する。このステップS4に於ける判定は、図5の(c)に示すように、回帰直線RL3が得られた場合に、その回帰直線RL3の相関係数が所定の値以上であり、且つ回帰直線RL3の傾きが所定の値以下(若しくは、所定の値以上)であれば、摩擦力Fに劣化傾向が認められると判定し、そうでない場合、若しく図3の(c)及び図4の(c)に示すように回帰直線が得られない場合には、摩擦力Fに劣化傾向が認められないと判定する。
尚、ここではデータの相関を示す曲線として回帰直線を用いているが、高次の回帰曲線、若しくは指数、若しくは対数を用いた回帰曲線を用いても良い。更に、ここでは相関係数を用いているが、データと回帰直線との差(の絶対値)を用いてこれが所定値よりも小さいことを判定条件にしてもよい。
次に、ステップS5では、ステップS2、S3、S4での全ての判定結果に、摩擦力Fに開閉装置1の初期状態からの劣化傾向が認められなかったか否かを判定し、ステップS2、S3、S4での全ての判定結果に於いて、摩擦力Fに劣化傾向が認められなかった場合(YES)には後述のステップS10に進み、ステップS2、S3、S4での判定結果の少なくとも1つに、摩擦力Fに劣化傾向が認められた場合(NO)にはステップS6に進む。
ステップS6では、ステップS1、S2、S3に於ける判定結果の何れかの1つのみに、摩擦力Fに劣化傾向が認められたか否かを判定し、何れか1つのみの系列データに摩擦力Fの劣化傾向があると判定すれば(YES)、ステップS9に進み、2つ以上の系列データに劣化傾向があると判定すれば(NO)、ステップS7に進む。
ステップS7は、ここまでのステップに於いてステップS1、S2、S3での判定結果のうち2つ以上の系列データに摩擦力Fの劣化傾向が認められたと判定された場合に通過するステップであり、次のステップS8に進むよう構成されている。ステップS8では、摩擦力Fの劣化傾向が認められた2つ以上の系列データのうち、最も回帰直線の相関係数が大きい系列データから、開閉装置1の余寿命の推定値を算出する。
ケース1.
ここで、先ず、ケース1として、ステップS2に於いて第1の系列データの摩擦力Fに劣化傾向があると判定され、ステップS3に於いて第2の系列データの摩擦力Fに劣化傾向があると判定され、ステップS4に於いて第3の系列データの摩擦力Fに劣化傾向があると判定された場合を想定して説明する。又、ケース1では、第1の系列データが最も強い相関を持つものとする。
このケース1の場合、ステップS5での判定の結果は(NO)となり、ステップS6に進む。ステップS6では、ステップS1、S2、S3に於ける判定結果の何れかの1つのみに摩擦力Fの劣化傾向が認められたか否かを判定されるので、その結果は(NO)となり、ステップS7に進む。ステップS7では、ステップS1、S2、S3に於ける判定結果のうち2つ以上の系列データに摩擦力Fの劣化傾向が認められた場合に、次のステップS8に進むよう構成されているので、このケース1の場合はステップS8に進む。
ステップS8では、3つの系列データのうち最も強い相関を持つ第1の系列データについて、最適な回帰直線RL1を求め、この回帰直線から、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの経過時間を算出する。この算出した経過時間を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t1の値「999」に上書きして、余寿命の第1の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
次に、ステップS8では、前述の最も強い相関を持つ第1の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向を元のデータから除去し、3つの系列データ、即ち第1乃至第3の系列データを作り直す。元のデータからの劣化傾向の除去の手順は、例えば以下の通りである。
(1)3つの系列データは、(y-i,a-i,b-i,c-i)とおくことができる。ここで、iは1〜Mまでの値、Mはデータ総数、y-iは計測された状態量、a-iは第1の系列データの横軸である経過時間、b-iは第2の系列データの横軸である動作回数、c-iは第3の系列データの横軸である不動作時間に夫々対応する。
(2)第1の系列データ(y-i,a-i)、第2の系列データ(y-i,b-i)、第3の系列データ(y-i,c-i)の夫々について、例えば摩擦力Fの劣化傾向を判定する。
(3)例えば、第1の系列データ(y-i,a-i)の摩擦力Fに有意な劣化傾向が認められたとすると、この劣化傾向を示す回帰直線[y=A×a+B]が求められる。ここで、A、Bは系列データを統計計算した結果得られる相関係数を用いて求められる係数である。
(4)そこで、元の状態量履歴データから有意な劣化傾向が認められた第1の系列データ(y-i,a-i)を除去するために、[(y1-i)=(y-i)−(A×a-i)−B]
を設定し、(y-i,a-i,b-i,c-i)を(y1-i,a-i,b-i,c-i)に置き換える。これにより、新たな第1の系列データ(y1-i,a-i)、第2の系列データ(y1-i,b-i)、第3の系列データ(y1-i,c-i)が得られる。
以上のようにして、前述の最も強い相関を持つ劣化傾向を除去した元のデータから、経過時間を軸として摩擦力を配列した第1の系列データと、動作回数を軸として摩擦力を配列した第2の系列データと、不動作時間を軸として摩擦力を配列した第3の系列データとを再度作成する。この再作成した3つの系列データに、再び摩擦力の劣化傾向が見られるかどうかを判定するため、ステップS2、S3、S4に戻り、前述と同様にして夫々の系列データに、開閉装置1の稼動開始の初期状態からの摩擦力Fの劣化傾向が認められるか否かを判定する。
前述したように、ケース1の場合は、元の3つの系列データの全てに摩擦力Fの劣化傾向が認められた場合であるが、前述の手順により、そのうちの最も相関の強い系列データとしての経過時間を軸とした第1の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向が除去されているので、再作成された3つの系列データのうち、動作回数を軸とした第2の系列データと不動作時間を軸とした第3の系列データとに摩擦力の劣化傾向が存在することとなり、ステップS5、S6、S7からS8に進む。
ステップS8では、前述と同様にして、再作成された第2の系列データと第3の系列データのうち最も強い相関を持つ系列データについて、最適な回帰直線を求め、この回帰直線から、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの、経過時間、動作回数、又は、不動作時間を算出する。ここで、再作成された第2の系列データが、最も強い相関を持つとすれば、その最適な回帰直線RL2に基づいて、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの動作回数を算出する。この算出した動作回数を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t2の値「999」に上書きして、余寿命の第2の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
次に、ステップS8では、この第2の数系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向を、前述と同様の手順により元のデータから除去し、更に新たに3つの系列データを作成し直す。
以上のようにして再度、再作成された3つの系列データに対して、再び、劣化傾向が見られるかどうかを判定するため、ステップS2、S3、S4に戻り、前述と同様にして夫々の系列データに、開閉装置1の稼動開始の初期状態からの摩擦力Fの劣化傾向が認められるか否かを判定する。前述したように、ケース1の場合は、元の3つの系列データの全てに摩擦力Fの劣化傾向が認められた場合である。従がって、前述の手順により、経過時間を軸とした第1の系列データ及び動作回数を軸とした第2の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向が除去されているので、再度、再作成された3つの系列データのうち、不動作時間を軸とした第3の系列データのみに摩擦力Fの劣化傾向が存在することとなり、ステップS5、S6を経てステップS9に進む。
ステップS9では、再度、再作成された3つの系列データのうち第3の系列データについて、最適な回帰直線RL3を求め、この回帰直線から、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの、不動作時間を算出する。この算出した不動作時間を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t3の値「999」に上書きして、余寿命の第3の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
このように、ケース1の場合は、ステップS2〜S9の過程を3回繰り返すことで、ステップS8に於いて余寿命の第1の推定値t1と第2の推定値t2が算出され、ステップS9に於いて第3の推定値t3が算出されることとなる。
次に、ステップS9では、再度、再作成された第3の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向を、前述と同様の手順により元のデータから除去し、ステップS10に進む。
ステップS10では、ステップS9を経たデータから最近のN回分の計測データに基づく状態量履歴データを取り出し、その状態量履歴データに基づき、経過時間Tを軸として摩擦力Fを配列した第4の系列データと、開閉装置1の動作回数Nを軸として摩擦力Fを配列した第5の系列データと、開閉装置1の不動作時間nTを軸として摩擦力Fを配列した第6の系列データを作成する。
最近のN回分の計測データは、開閉装置1が稼動を開始した時点から所定期間経過した時点以降の期間内に計測されたデータである。従がって、第4の系列データは、開閉装置1が稼動を開始した時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間に対応して状態量を配列した系列データであり、第5の系列データは、開閉装置1が稼動を開始した時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける開閉装置の動作回数Nに対応して状態量を配列した系列データであり、第6の系列データは、開閉装置1が稼動を開始した時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける開閉装置の不動作時間に対応して状態量を配列した系列データである。
開閉装置1の摺動部の劣化の現れ方として、開閉装置1の稼動の初期段階から徐々に現れる場合と、前述の図3の(b)に示したように、ある時点から急速に劣化が現れる場合とがある。後者の場合は、ある時点から比較的急速に劣化が進行するもので、開閉装置1の稼動初期の段階からの計測データの分析では劣化傾向が捉え難くなることがある。例えば、変化の少ないデータが大量に存在し、変化傾向を示すデータが相対的に少ない場合等では、開閉装置1の稼動初期の段階からの計測データの分析では劣化傾向が捉え難くなる。このような場合に、最近のN回分の計測データを分析することにより、開閉装置1の劣化傾向を顕著に判別することが可能となる。
さて、ステップS10で構成した最近のN回分の計測データに基づく、第4の系列データと、第5の系列データと、第6の系列データを、前述のステップS2、ステップS3、ステップS4の場合と同様に、夫々の第2の系列データに対する回帰直線を求め、回帰直線が得られた場合に、その回帰直線の相関係数が所定の値以上であり、且つ回帰直線の傾きが所定の値以下(若しくは、所定の値以上)であれば、摩擦力Fに劣化傾向が認められると判定する。
次に、ステップS11に於いて、第4の系列データと、第5の系列データと、第6の系列データとのうちの少なくとも何れか1つの系列データに状態量としての摩擦力Fの劣化傾向が存在するか否かを判定し、少なくとも何れか1つの系列データに状態量としての摩擦力Fの劣化傾向が存在すれば(YES)、ステップS12に進み、何れの系列データにも摩擦力Fの劣化傾向が存在しなければ(NO)、ステップS13に進む。
ステップS12では、摩擦力の劣化傾向が存在する3つの系列データのうち最も相関の強い系列データの最適な回帰直線に基づいて、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの経過時間、動作回数、不動作時間を算出する。例えば、第4の系列データが、最も強い相関を持つとすれば、その最適な回帰直線RL1に基づいて、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの経過時間を算出する。この算出した経過時間を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t4の値「999」に上書きして、余寿命の第4の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
次に、ステップS13では、ステップS8に於いて算出された第1の推定値t1と第2の推定値t2、ステップS9に於いて算出された第3の推定値t3、及びステップS12に於いて推定された第4の推定値t4のうち、最短の推定値を開閉装置1の余寿命として推定する。
ケース2.
次に、ケース2として、ステップS2、ステップS3、ステップS4のうち何れか2つのステップで系列データに摩擦力Fの劣化傾向があると判定された場合を説明する。
ケース2は、3つの系列データのうち何れか2つの系列データに摩擦力Fの劣化傾向が存在する場合であり、ケース1の場合と同様に、ステップS1から、ステップS2、S3、S4、S5、S6、及びS7を経て、ステップS8に至る。
ステップS8では、2つの系列データのうち最も強い相関を持つ系列データについて、最適な回帰直線を求め、この回帰直線から、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの、経過時間、動作回数、又は、不動作時間を算出する。今、第1の系列データが、最も強い相関を持つとすれば、その最適な回帰直線RL1に基づいて、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの経過時間を算出する。この算出した経過時間を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t1の値「999」に上書きして、余寿命の第1の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
次に、ステップS8では、前述の手順に基づいて、最も強い相関を持つ第1の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向を元のデータから除去し、3つの系列データを再作成する。この再作成された3つの系列データに対して、再び、劣化傾向が見られるかどうかを判定するため、ステップS2、S3、S4に戻り、前述と同様にして夫々の系列データに、開閉装置1の稼動開始の初期状態からの摩擦力Fの劣化傾向が認められるか否かを判定する。
前述したように、ケース2の場合は、元の3つの系列データのうち2つの系列データに摩擦力Fの劣化傾向が認められた場合であるが、前述の手順により、そのうちの最も相関の強い系列データとしての第1の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向が除去されているので、再構成された3つの系列データのうち、第2の系列データ、又は第3の系列データの何れか1つの系列データにのみ摩擦力Fの劣化傾向が存在することとなり、ステップS5、S6からステップS9に進む。
動作回数を軸とした第2の系列データに摩擦力Fの劣化傾向が存在するとすれば、ステップS9では、再作成された第2の系列データについて、最適な回帰直線RL2を求め、この回帰直線から、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの、動作回数を算出する。この算出した動作回数を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t2の値「999」に上書きして、余寿命の第2の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
このように、ケース2の場合は、ステップS2〜S9の過程を2回繰り返すことで、ステップS8に於いて余寿命の第1の推定値t1と、ステップS9に於いて第2の推定値t2とが算出されることとなる。
次に、ステップS9では、再作成された第2の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向を、前述と同様の手順により元のデータから除去し、ステップS10に進む。
ステップS10以降、ステップS13までは、前述のケース(1)の場合と同様の動作であり、最近のN回分の計測データに基づく、第4の系列データと、第5の系列データと、第6の系列データを作成し、そのうち最も相関の強い系列データから、余寿命の第3の推定値t3を算出する。
次に、ステップS13では、ステップS8に於いて算出された第1の推定値t1と、ステップS9に於いて算出された第2の推定値t2、及びステップS12に於いて推定された第3の推定値t3のうち、最短の推定値を開閉装置1の余寿命として推定する。
ケース3.
次に、ケース3として、ステップS2、ステップS3、ステップS4のうち何れか1つのステップでのみ、例えば、第1の系列データにのみ摩擦力Fの劣化傾向があると判定された場合を説明する。
ケース3の場合は、3つの系列データのうち、1つの系列データのみに摩擦力Fの劣化傾向が存在するので、ステップS1から、ステップS2、S3、S4、S5を経てステップS6に至り、ステップS6からステップS9に至る。ステップS9では、経過時間を軸とする第1の系列データについて、最適な回帰直線RL1を求め、この回帰直線から、開閉装置1が所定の性能を満たすことができなくなる限界値に達するまでの、経過時間を算出する。この算出した経過時間を年数に換算し、その年数を前述の予め用意していた変数t1の値「999」に上書きして、余寿命の第1の推定値とする。ここで算出した経過時間を年数に換算した値が999を超えている場合には999とする。
このように、ケース3の場合は、ステップS6から直ちにステップS9に進み、第1の推定値t1が算出されることとなる。
次に、ステップS9では、第1の系列データに於ける摩擦力Fの劣化傾向を、前述と同様の手順により元のデータから除去し、ステップS10に進む。
ステップS10以降、ステップS13までは、前述のケース(1)、(2)の場合と同様の動作であり、最近のN回分の計測データに基づく、第4の系列データと、第5の系列データと、第6の系列データを作成し、そのうち最も相関の強い系列データから、余寿命の第2の推定値t2を算出する。
次に、ステップS13では、ステップS9に於いて算出された第1の推定値t1と、ステップS12に於いて推定された第2の推定値t2のうち、最短の推定値を開閉装置1の余寿命として推定する。
ケース4.
次に、ケース4として、ステップS2、ステップS3、ステップS4のうち何れにも、状態量としての例えば摩擦力Fの劣化傾向がないと判定された場合を説明する。このケース4に場合は、ステップS5から直ちにステップS10に進む。ステップS10以降、ステップS13までは、前述のケース1、ケース2、ケース3の場合と同様の動作であり、最近のN回分の計測データに基づいて、経過時間を軸とした第4の系列データと、動作回数を軸とした第5の系列データと、不動作時間を軸とした第6の系列データを構成し、そのうち最も相関の強い系列データから、余寿命の第1の推定値t1を算出する。
このように、ケース4の場合、開閉装置1の余寿命として、第1の推定値t1のみが算出され、ステップS13では、その第1の推定値を、開閉装置1の余寿命として推定するものである。
尚、前述のケース1、ケース2、ケース3は、何れの場合も、ステップS10〜S13に於いて、最近のN回分の計測データに基づいて余寿命の推定値を算出したが、最近のN回分の計測データに基づいて第4の系列データと、第5の系列データと、第6の系列データを構成しても、状態量の劣化傾向を示す系列データが存在しない場合もあり得る。この場合、第1〜第3の系列データにも状態量の劣化傾向を示すデータが存在しなければ、余寿命の推定値は算出されず、従がって余寿命用の変数t、t2、t3、t4にセットされている「999年」が余寿命となり、開閉装置1に劣化傾向が現れておらず、余寿命を推定する段階ではないということができる。
次に、ケース1乃至ケース4の何れも、ステップS13に於いて、最短の余寿命の推定値を算出した系列データから、開閉装置1の劣化の要因を推定する。このステップS13では以下のように劣化要因を推定する。
(1)経過時間を軸とした系列データにより余寿命が算出された場合は、摺動部の錆や腐蝕、又は、埃の堆積による劣化であると推定する。
(2)動作回数を軸とした系列データにより余寿命が算出された場合は、摺動部の損耗による劣化であると推定する。
(3)不動作時間を軸とした系列データにより余寿命が算出された場合は、潤滑剤の固渋による劣化であると推定する。
実施の形態1による開閉装置の余寿命診断方法及び装置によれば、開閉装置1の稼動初期の時点以降の期間中に於ける全経過時間を軸として開閉装置の劣化に関連する状態量を配列した第1の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける開閉装置の全動作回数を軸として前記状態量を配列した第2の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全不動作時間を軸として前記状態量を配列した第3の系列データとを作成し、その作成した前記第1乃至第3の系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、開閉装置の余寿命の推定を高い精度で行うことができ、且つ、開閉装置に生じている劣化要因を推定することができる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る開閉装置の余寿命診断方法及び装置を説明するための説明図で、(a)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動初期の時点以降の期間中に於ける動作回数又は経過時間を軸として配列した系列データを説明する説明図、(b)は、過去N回分の摩擦力の分散値Dを、開閉装置の動作回数又は経過時間を軸として配列した系列データの説明図である。
図7の(a)に示す系列データでは、開閉装置の劣化の進行を示す強い相関が見られないが、開閉装置の稼動開始初期に於ける摩擦力Fのばらつきの大きさB1に比べて、経過時間が進み、又は動作回数が増大したときの摩擦力Fのばらつきの大きさB2が大きくなる場合がある。これは、摺動部の表面の荒れや、異物の摺動部への咬み込みによって開閉装置の動作が不安定になっていることが原因であると推定することができる。
このような場合には、開閉装置のN回分の動作毎の状態量の分散値を、経過時間、開閉装置の動作回数、開閉装置の不動作時間、開閉装置の累積動作時間を夫々軸として配列した系列データとして作成し、これらの系列データに基づいて、開閉装置の劣化の相関の強さを判定することにより、開閉装置の余寿命の推定を行うことができる。尚、分散値の代わりにこれと同様な標準偏差を用いても良い。
そこで、この発明の実施の形態2に係る開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、計測手段による所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を前記開閉装置の稼動期間中における経過時間に対応して配列した第1の系列データと、前記分散値を前記稼動期間中に於ける前記開閉装置の動作回数に対応して配列した第2の系列データと、前記分散値を前記可動期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間に対応して配列した第3の系列データと、前記分散値を前記稼動期間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間に対応して配列した第4の系列データとを作成し、この作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたものである。以下では説明を簡単にするため前記第1乃至第3の系列データを用いて説明する。
即ち、図7の(a)に示す系列データに於いて、開閉装置1の稼動初期の時点で摩擦力が、f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、f8と分散しているが、開閉装置1の7回分の動作に対応する摩擦力f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7の分散値d1を求め、更に、次の7回分の動作に対応する摩擦力f2、f3、f4、f5、f6、f7、f8の分散値d2を求める。以下同様にして、最近の動作回数又は経過時間に至るまで、開閉装置1の7回分の動作に対応する摩擦力の分散値を求める。
このようにして求めた摩擦力の分散値Dを、開閉装置1の動作回数又は経過時間を軸として配列することにより図7の(b)に示す系列データを得る。この(b)に示す系列データによれば、明確な回帰直線RL4を得ることができ、これによって開閉装置1の余寿命を推定することができる。
尚、図7の(b)に示す系列データでは、動作回数を軸とした第1の系列データと経過時間を軸とした第2の系列データについてのみ示しているが、開閉装置の不動作時間を軸とした第3の系列データも同様に得ることができる。
この発明の実施の形態2によれば、図6のフローチャートに於いて、ステップS1では、摩擦力Fの分散値Dを、開閉装置の稼動期間中における経過時間を軸として配列した第1の系列データと、開閉装置の動作回数を軸として配列した第2の系列データと、開閉装置の不動作時間を軸として配列した第3の系列データとを作成する。その後、ステップS2〜S9に於いて、前述の実施の形態1と同様の動作により、開閉装置1の余寿命の推定値t1、t2、t3を算出し、ステップS13に於いて、算出した余寿命の推定値のうち最短の推定値を、開閉装置1の余寿命として推定する。尚、実施の形態2の場合、ステップS10〜S12は不要である。
又、実施の形態2の場合、開閉装置1の劣化の要因は、前述したように、摺動部の表面の荒れや、異物の摺動部への咬み込みであると推定することができる。
実施の形態2による開閉装置の余寿命診断装置によれば、計測された状態量に対して、時間、動作回数、不動作時間、累積動作時間を夫々軸とした何れの系列データに対しても、劣化傾向が現れないような劣化要因に対しても劣化の進行の診断と余寿命の推定を行う事ができる。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る開閉装置の余寿命診断方法及び装置を説明するための説明図で、(a)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動初期の時点以降の期間中に於ける経過時間Tを軸として配列した系列データを説明する説明図、(b)は、計測された状態量である摩擦力Fを変換関数fcorrを用いて、状態変数Gに変換し、この状態変数Gを、経過時間を軸として配列した系列データの説明図である。
電流センサ等の計測手段を用いて計測される値は、摩擦力や動作時間等の状態量が物理量として保存される。これらの物理量は、開閉装置の状態劣化に伴って変化するが、その劣化傾向は、開閉装置の駆動機構の構造によって異なる。従がって、計測された物理量を用いて直接に劣化傾向を推定した場合、正確な余寿命の推定を行うことができない場合がある。
そこで、この発明の実施の形態3に係る開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、駆動機構の構造から推定される物理量の変化傾向を関数として予め用意し、この関数から、計測された開閉装置1の劣化に関連する状態量としての物理量を、劣化傾向を評価するための所定の状態量に変換するための変換関数G=fcorr(F)を作成する。そして、記録手段52に記録された状態量履歴データの状態量としての物理量を、この変換関数Gを用いて所定状態量に変換し、この変換された状態量を用いて劣化傾向の推定を実施するものである。
例えば、開閉装置の遮断性能を示す値として、開極時の接点の移動速度、即ち開極速度がある。可動接点の移動速度が低下すると、遮断性能が悪化するため、開極速度は開閉装置の性能を表わす状態量、換言すれば開閉装置の劣化に関連する状態量とすることができる。これに対して、実際に開閉装置1の動作状態を計測して得られた状態量が摩擦力であったとする。開閉装置1の開極時の動作は、接圧ばね220及び電磁アクチュエータ12の電磁力により可動接点112を移動させるので、稼動接点112の動作は、簡単には次式(1)に示す運動方程式で表わすことができる。
FT=m・a (式1)
ここで、FTは稼動接点112に働く力であり、接圧ばね220のばね力、電磁アクチュエータ12の電磁力、及び摺動部の摩擦力の合力値である。aは加速度、mは可動接点112を含む可動部分の重量である。
合力値FTの成分のうち、経年的に殆ど変化しないばね力と電磁力の成分をF0、経年的に変化する摩擦力の成分をFとすれば、
F0+F=m・a (式2)
となる。
開極速度の定義は複数あるが、ここでは、可動接点112が距離x1まで移動するのに要した時間T1から、x1/T1として開局速度vを定義する。このとき、
x1=1/2・a・T12 (式3)
であり、
Figure 2010095259
となり、開極速度vは、概略的には、摩擦力Fの1/2乗に比例するように変化する。従がって、変換関数G=fcorr(F)を、
Figure 2010095259
と定義することができる。
そこで、図8の(a)に示す経過時間を軸とした系列データの摩擦力Fを、式(5)に示す変換関数Gを用いて、状態量Gに変換し、この状態量Gを経過時間Tを軸として配分し、図8の(b)に示す第1の系列データを作成し、この第1の系列データにより、回帰直線を求めて開閉装置1の余寿命を推定することができる。この例では回帰曲線は直線であるが、一般に回帰曲線は多項式で表される。このように変換することにより得られる結果の状態量Gは多項式等の回帰曲線に対する相関が高くなり、より精度が高く余寿命を推定することができる。
又、例えば同じ摩擦力という物理量に対しても、経過時間を軸とした系列データに対する変換関数と、動作回数若しくは累積動作時間を軸とした系列データに対する変換関数と、不動作時間を軸とした系列データに対する変換関数とでは、夫々異なったものになる。これは、夫々の系列データに対する劣化要因のモデルが異なるためである。従がって、変換関数は、夫々の系列データ毎に用意され、これらの変換関数によって変換された所定状態量Gを、経過時間を軸として配列した第1の系列データと、動作回数を軸とした第2の系列データと、不動作時間を軸とした第3の系列データと用いて、開閉装置の余寿命を推定することにより、正確な診断を実施することが可能となる。
具体的には、図1に示す実施の形態1の場合と同様に、状態監視装置5は、電流センサ41、42から出力された電流波形データを受け、その電流波形データに基づいて、開閉装置1の劣化状態に関連する状態量、即ち開閉装置1の劣化状態を規定する接点損耗量、駆動時の摩擦力、駆動用コンデンサ3の容量等の状態量を推定する。前述のように、電流センサ41、42は、異なる時点で駆動電流を複数回計測するので、その複数回の計測毎の電流波形データに基づいて、夫々の計測時点に対応した開閉装置1の劣化状態を規定する状態量を推定する。推定された状態量は、記録手段52に履歴データとして記録される。
次に、余寿命推定時に、記録された履歴データを読み出し、その物理量としての状態量を、前述の変換関数Gを用いて所定状態量Gに変換する。次に、図6のステップS1に於いて、経過時間を軸として状態量Gを配列した第1の系列データと、動作回数を軸として状態量Gを配列した第2の系列データと、不動作時間を軸として状態量Gを配列した第3の系列データを作成する。以下、図6に示すフローチャートのステップS2〜S13に従い、実施の形態1の場合と同様にして開閉装置1の劣化の進行状況を診断し、その劣化をもたらした劣化要因及び開閉装置1の余寿命を推定する。余寿命推定手段53により推定された余寿命の値、及び開閉装置1の推定された劣化要因は、表示装置6に送信されて表示され、保守担当者に通報される。
以上のように構成された実施の形態3に係る開閉装置の余寿命診断装置によれば、より正確に開閉装置の余寿命を推定することができる。
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。図9に於いて、3つの開閉装置1が同一の設備である受配電設備内に配置されている。夫々の開閉装置1は、実施の形態1に於ける開閉装置1と同様に構成されている。又、夫々の開閉装置1には、駆動用電源2、及び夫々の開閉装置1の動作特性を計測する計測手段としての電流センサ41、42が、実施の形態1と同様に設けられている。
これらの電流センサ41、42は、計測した駆動電流の電流波形データをアナログ信号又はデジタル信号として、夫々の開閉装置1に設けられた状態監視装置5a、5b、5cに夫々入力する。夫々の状態監視装置5a、5b、5cは、電流センサ41、42からの電流波形データに基づいて、実施の形態1の場合と同様にして夫々の開閉装置1の劣化に関連する状態量を記録手段に記録し、且つ、余寿命の推定と劣化の要因の推定を行なう。
更に、夫々の状態判定装置5a、5b、5cは、全体監視装置50に接続されており、状態監視装置5a、5b、5cが保持している状態量、及び、余寿命の推定結果の記録は、必要に応じて全体監視装置31にコピーされる。
全体監視装置50では、状態監視装置5a、5b、5cからコピーした状態量の記録から、全てのデータを統合した上で、単独の開閉装置での処理と同様に、経過時間を軸として状態量を配列した系列データ、又は、動作回数を軸として状態量を配列した系列データと、不動作時間を軸として状態量を配列した系列データ、又は、動作回数を軸として状態量を配列した系列データを構成し、又は、累積動作時間を軸として状態量を配列した系列データを構成し、前記夫々の系列データのうちの少なくとも何れかの系列データに基づいて、全体としての開閉装置の余寿命を推定するものである。
開閉装置の余寿命の推定、及び劣化要因の推定は、前述の実施の形態1乃至3の場合と同様に行われる。
以上述べた実施の形態4による開閉装置の余寿命診断装置によれば、同じ受配電盤内に設置されている複数の開閉装置で、動作回数が他の開閉装置に比べて少なく履歴データが少ない開閉装置についても、他の開閉装置と同様に余寿命を推定することができる。
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。実施の形態5では、図10に示すように、実施の形態4に於ける全体監視装置31を設置せず、状態監視装置5aに全体監視装置の機能を持たせた構成としたものである。
開閉装置の余寿命の推定、及び劣化要因の推定は、前述の実施の形態1乃至3の場合と同様に行われる。
実施の形態5による開閉装置の余寿命診断装置によれば、全体監視装置31を省略することが可能となり、余寿命診断装置を低コストに構成することができる。
実施の形態6.
図11は、この発明の実施の形態6による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。実施の形態6では、図9に示す実施の形態4に於ける夫々の状態監視装置5a、5b、5cを設置せず、全体監視装置50により夫々の状態監視装置5a、5b、5cの機能を持たせるようにしたものである。
開閉装置の余寿命の推定、及び劣化要因の推定は、前述の実施の形態1乃至3の場合と同様に行われる。
実施の形態6による開閉装置の余寿命診断装置によれば、夫々の開閉装置1に対応した状態監視装置5a、5b、5cを省略することが可能となり、余寿命診断装置を低コストに構成することができる。
実施の形態7.
図9、図10、図11に夫々示す実施の形態4乃至6のように、同一の受配電設備内に複数の遮断器が配置された場合に於いて、動作回数が多く、状態量履歴データが十分に記録されている開閉装置と、動作回数が少なく状態量履歴データが少ない開閉装置、又は、長期間開閉動作を行っておらず、最近の状態量履歴データが無い開閉装置が存在することがある。このような場合、状態量履歴データが少ない開閉装置、又は最近の状態量履歴データが無い開閉装置について余寿命を推定することが困難である。しか、同一の受配電設備内の複数の開閉装置について、全てほぼ同じように劣化が進行していると考えることができる。
そこで、この発明の実施の形態7による開閉装置の余寿命診断装置は、同一の設備内に配置された複数個の開閉装置のうち動作回数が最も多い開閉装置の少なくとも何れかの系列データに基づいて、他の開閉装置の余寿命を推定するようにしたものである。開閉装置の余寿命の推定、及び劣化要因の推定は、前述の実施の形態1乃至3の場合と同様に行われる。
従って、この発明の実施の形態7による開閉装置の余寿命診断装置によれば、同じ受配電盤内に設置されていて、状態量履歴データが少ないか存在しない開閉装置があっても、全ての開閉装置の余寿命を推定することができる。
実施の形態8.
この発明の実施の形態8による開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、状態量履歴データから開閉装置の最近のN回の動作回数の計測データに基づくデータのみを取り出し、その状態量を経過時間を軸として配列した第1の系列データと、その状態量を動作回数を軸として配列した第2の系列データと、その状態量を不動作時間を軸として配列した第3の系列データと、その状態量を累積動作時間を軸として配列した第4の系列データとを作成し、これらの系列データに基づいて、実施の形態1に示した図6のフローチャートに於けるステップS2〜S9、S13と同様の動作により、開閉装置1の余寿命を推定するものである。
実施の形態8に於いては、ステップS9では各系列データから該当する劣化傾向の除去は行わず、ステップ9からステップS13へ移行して、推定された複数の余寿命の値のうち最小の推定値を開閉装置の余寿命として推定する。
尚、実施の形態8に於いて、開閉装置の最近のN回分の動作による状態量履歴データに基づき、実施の形態2の場合と同様に、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、この分散値を経過時間を軸として配列した第1の系列データと、開閉装置の動作回数を軸として分散値を配列した第2の系列データと、開閉装置の不動作時間を軸として分散値を配列した第3の系列データと、開閉装置の累積動作時間を軸として分散値を配列した第4の系列データとを作成し、前記夫々の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしてもよい。
又、実施の形態8に於いて、開閉装置の最近のN回分の動作による状態量履歴データに基づき、実施の形態3の場合と同様に、状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、経過時間を軸として所定状態量を配列した第1の系列データと、動作回数又は累積動作時間を軸として所定状態量を配列した第2の系列データと、不動作時間を軸として所定状態量を配列した第3の系列データ、又は、開閉装置の累積動作時間を軸として所定状態量を配列した第4の系列データとを作成し、前記夫々の系列データのうち少なくとも1つの系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしてもよい。
又、実施の形態8は、同一の設備内に複数の開閉装置が設置されている場合にも、実施の形態4乃至7と同様に適用することができる。
この発明の実施の形態8による開閉装置の余寿命診断装置によれば、開閉装置の可動初期の時点からの傾向分析では劣化傾向を捉え難い場合であっても、最近のN回の動作によるデータの分析により劣化傾向から開閉装置の余寿命を推定することができる。
実施の形態9.
実施の形態1で述べたように開閉装置1の摺動部の損耗は、開閉装置1の動作に伴って進行する。従って、摺動部の劣化の要因が摺動部の損耗に基づくものである場合には、摺動部の劣化の進行は、実施の形態1で述べた開閉装置1の動作回数の他に、開閉装置1の動作時間を累積した累積動作時間にもまた強く依存する。そしてその摺動部の劣化は、開閉装置1が稼働を開始した初期状態から連続的に進行する。
更に、開閉装置1の摺動部の荒れは、何らかの原因により摺動部の表面にキズが付くことによって発生するが、摺動部の表面のキズは、開閉装置1が開閉動作を繰り返す毎に拡大する。従って、摺動部の劣化の要因が摺動部の荒れに基づくものである場合には、前述の摺動部の損耗の場合と同様に開閉装置1の開閉動作時の摩擦力が増大し、実施の形態1で述べた開閉装置1の動作回数の他に、開閉装置1の開閉動作の動作時間を累積した累積動作時間に応じてもまた摺動部の劣化が進行する。
図12は、状態量履歴データに基づいて、開閉装置1の劣化に関連する状態量、即ち劣化の要因である摺動部の腐蝕による摩擦力Fを、異なる4系列のデータとして構成した場合を示すグラフであり、(a)及び(b)及び(c)は実施の形態1で述べたものと同じで、(a)は、開閉装置の劣化に関連する状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1の稼動期間中に於ける経過時間Tを軸として順次配列した第1の系列データのグラフ、(b)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける動作回数Nを軸として順次配列した第2の系列データのグラフ、(c)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける不動作時間nTを軸として順次配列した第3の系列データのグラフである。(d)は、摩擦力Fを、開閉装置の稼動期間中に於ける累積動作時間ATを軸として順次配列した第7の系列データのグラフである。
この発明の実施の形態9による開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、開閉装置1の稼動初期の時点以降の期間中に於ける全経過時間を軸として開閉装置の劣化に関連する状態量を配列した第1の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける開閉装置の全動作回数を軸として前記状態量を配列した第2の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全不動作時間を軸として前記状態量を配列した第3の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した第4の系列データとを作成すると共に、
前記開閉装置の稼動期間中に於ける最近の経過時間を軸として前記状態量を配列した実第5の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した第6の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した第7の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した第8の系列データとを作成し、
その作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたものである。
この発明の実施の形態9による開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、前記系列データの作成と前期余寿命の推定を余寿命推定手段53により行う。
次に、この発明の実施の形態9による開閉装置の余寿命診断方法及び装置の動作を説明する。実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。余寿命推定手段53は、記録手段52に保存された状態量履歴データを定期的に読み出し、その状態量履歴データに基づいて、先ず、開閉装置1の稼働開始時点からの経過時間Tを軸としてその状態量を順次配列した第1の系列データと、開閉装置1の稼働開始時点からの動作回数Nを軸として状態量を配列した第2の系列データと、開閉装置1の稼働開始時点からの不動作時間nTを軸として状態量を配列した第3の系列データと、開閉装置1の稼働開始時点からの開閉動作時間を累積した累積動作時間ATを軸として状態量を配列した第7の系列データを作成し、夫々の系列データのうちの少なくとも何れかの系列データに基づいて開閉装置1の余寿命を推定する。以下の説明では、状態量として摺動部の摩擦力Fを用いて説明するが、それ以外の状態量であっても良いことは勿論である。
図13は、状態監視装置5の余寿命推定手段53に於いて、前述の第1乃至第8の系列データから、開閉装置1の摩擦力の劣化傾向を判定し、開閉装置1の余寿命を推定する動作を説明するフローチャートである。
図13に於いて、先ず、ステップS101に於いて、状態監視装置5の記憶手段52に保存された状態量履歴データを全て読出し、この読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける全経過時間Tを軸として配列した第1の系列データを構成する。この第1の経過時間系列データは、前述の図12に於ける(a)に表示された第1の系列データに対応する。
又、ステップS101に於いて、読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける開閉装置1の全動作回数Nを軸として配列した第2の系列データを構成する。この第2の系列データは、前述の図12に於ける(b)に表示された第2の系列データに対応する。
更に、ステップS101に於いて、読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける開閉装置1の全不動作時間nTを軸として配列した第3の系列データを作成する。この第3の系列データは、前述の図12に於ける(c)に表示された第3の系列データに対応する。
更に、ステップS101に於いて、読み出した状態量履歴データに於ける状態量としての摩擦力Fを、開閉装置1が稼動を開始した時点以降の全期間中に於ける開閉装置1の全累積動作時間を軸として配列した第7の系列データを作成する。この第7の系列データは、前述の図12に於ける(d)に表示された第7の系列データに対応する。
次に、ステップS102及びステップS103及びステップS104に於いては、実施の形態1のステップS2、S3、S4とそれぞれ同様の判定を行う。ステップS105に於いては、第7の系列データに、開閉装置1が稼動を開始した初期の時点の摩擦力Fが、累積動作時間ATの増大に伴って劣化する傾向が認められるか否かを判定する。このステップS105に於ける判定は、図12の(d)に示すように、回帰直線RL4が得られた場合に、その回帰直線RL4の相関係数が所定の値以上であり、且つ回帰直線RL4の傾きが所定の値以下(若しくは、所定の値以上)であれば、摩擦力Fに劣化傾向が認められると判定し、そうでない場合には、摩擦力Fに劣化傾向が認められないと判定する。
次に、ステップS106では、ステップS102、S103、S104、S105での全ての判定結果に、摩擦力Fに開閉装置1の初期状態からの劣化傾向が認められなかったか否かを判定し、ステップS102、S103、S104、S105での全ての判定結果に於いて、摩擦力Fに劣化傾向が認められなかった場合(YES)にはステップS111に進み、ステップS102、S103、S104、S105での判定結果の少なくとも1つに、摩擦力Fに劣化傾向が認められた場合(NO)にはステップS107に進む。
ステップS107では、ステップS102、S103、S104、S105に於ける判定結果の何れかの1つのみに、摩擦力Fに劣化傾向が認められたか否かを判定し、何れか1つのみの系列データに摩擦力Fの劣化傾向があると判定すれば(YES)、ステップS110に進み、2つ以上の系列データに劣化傾向があると判定すれば(NO)、ステップS108に進む。
ステップS108は、ここまでのステップに於いてステップS102、S103、S104に於ける判定結果のうち2つ以上の系列データに摩擦力Fの劣化傾向が認められたと判定された場合に通過するステップであり、次のステップS109に進むよう構成されている。ステップS109では、摩擦力Fの劣化傾向が認められた2つ以上の系列データのうち、最も回帰直線の相関係数が大きい系列データから、開閉装置1の余寿命の推定値を算出する。
以後のステップS110、S111、S112、S113、S114はそれぞれ実施の形態1で説明したS9、S10、S11、S12、S13と同様の処理を行うのでここでは説明を省略する。
実施の形態10.
この発明の実施の形態10による開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、開閉装置1の稼動初期の時点以降の期間中に於ける全経過時間を軸として前記分散値を配列した上記第1の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける開閉装置の全動作回数を軸として前記分散値を配列した上記第2の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全不動作時間を軸として前記分散値を配列した上記第3の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全累積動作時間を軸として前記分散値を配列した第4の系列データとを作成すると共に、
前記開閉装置の稼動期間中に於ける最近の経過時間を軸として前記分散値を配列した第5の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した第6の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した第7の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した第8の系列データとを作成し、
その作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたものである。
そして、実施の形態9の場合と同様にして開閉装置1の劣化の進行状況を診断し、その劣化をもたらした劣化要因及び開閉装置1の余寿命を推定する。余寿命推定手段53により推定された余寿命の値、及び開閉装置1の推定された劣化要因は、表示装置6に送信されて表示され、保守担当者に通報される。
実施の形態11.
この発明の実施の形態11による開閉装置の余寿命診断方法及び装置は、蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、開閉装置1の稼動初期の時点以降の期間中に於ける全経過時間を軸として前記所定状態量を配列した第1の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける開閉装置の全動作回数を軸として前記所定状態量を配列した第2の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した第3の系列データと、前記稼動初期の時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の全累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した第4の系列データとを作成すると共に、
前記開閉装置の稼動期間中に於ける最近の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した第5の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した第6の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した第7の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した第8の系列データとを作成し、
その作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するようにしたものである。
そして、実施の形態9の場合と同様にして開閉装置1の劣化の進行状況を診断し、その劣化をもたらした劣化要因及び開閉装置1の余寿命を推定する。余寿命推定手段53により推定された余寿命の値、及び開閉装置1の推定された劣化要因は、表示装置6に送信されて表示され、保守担当者に通報される。
この発明に係る開閉装置の余寿命診断装置は、電磁アクチュエータ等の駆動機構により、真空バルブ等の遮断器の可動接点を駆動して電力回路の開閉を行う電力用開閉装置等に用いることができる。
この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による開閉装置の余寿命診断装置に於ける状態監視装置の構成を示すブロック図である。 摺動部の腐蝕による摩擦力を異なる3系列のデータとして構成した場合を示すグラフである。 摺動部の損耗による摩擦力Fを異なる3系列のデータとして構成した場合を示すグラフである。 状態量履歴データに基づいて、潤滑剤の固渋による摩擦力Fを異なる3系列のデータとして構成した場合を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る開閉装置の余寿命診断装置の動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る開閉装置の余寿命診断装置を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態3に係る開閉装置の余寿命診断装置を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態4による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による開閉装置の余寿命診断装置を示す構成図である。 摩擦力を異なる4系列のデータとして構成した場合を示すグラフである。 この発明の実施の形態9に係る開閉装置の余寿命診断装置の動作を説明するフローチャートである。
この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性を計測手段により取得し、前記計測手段により取得した計測データに基づいて状態量推定手段により推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、何れか複数の前記系列データを余寿命推定手段により作成し、
前記作成した複数の系列データに於いて前記作成した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量との相関が最も強い系列データに基づいて前記開閉装置の第1の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第1の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第1の推定値を計算し、
前記作成した複数の系列データから前記抽出した第1の劣化傾向を除去し、
前記第1の劣化傾向を除去した複数の系列データに於いて前記第1の劣化傾向を除去した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量の相関が最も強い系列データに基づいて第2の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第2の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第2の推定値を計算し、
少なくとも前記余寿命の第1の推定値と前記余寿命の第2の推定値とに基づき、前記開閉装置の余寿命を決定する
ようにした開閉装置の余寿命診断方法である
又、この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性を計測手段により取得し、前記計測手段により取得した計測データに基づいて状態量推定手段により推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうち、何れか複数の前記系列データを余寿命推定手段により作成し、
前記作成した複数の系列データに於いて前記作成した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記所定状態量との相関が最も強い系列データに基づいて前記開閉装置の第1の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第1の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第1の推定値を計算し、
前記作成した複数の系列データから、前記抽出した第1の劣化傾向を除去し、
前記第1の劣化傾向を除去した複数の系列データに於いて前記第1の劣化傾向を除去した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記所定状態量の相関が最も強い系列データに基づいて第2の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第2の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第2の推定値を計算し、
少なくとも前記余寿命の第1の推定値と前記余寿命の第2の推定値とに基づき、前記開閉装置の余寿命を決定する
ようにした開閉装置の余寿命診断方法である
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断方法は、
開閉装置の動作特性を計測手段により取得し、前記計測手段により取得した計測データに基づいて状態量推定手段により推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして記録手段に蓄積し、
前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データとのうち、何れか複数の全経過時間の系列データを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データとのうち、何れか複数の所定期間経過後の系列データを余寿命推定手段により作成し、
前記作成した複数の全経過時間の系列データ又は前記作成した複数の所定期間経過後の系列データに於いて、前記系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量との相関が最も強い系列データに基づいて前記開閉装置の第1の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第1の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第1の推定値を計算し、
前記作成した複数の系列データから、前記抽出した第1の劣化傾向を除去し、
前記第1の劣化傾向を除去した複数の系列データに於いて前記第1の劣化傾向を除去した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量の相関が最も強い系列データに基づいて第2の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第2の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第2の推定値を計算し、
少なくとも前記余寿命の第1の推定値と前記余寿命の第2の推定値とに基づき、前記開閉装置の余寿命を決定する
ようにした開閉装置の余寿命診断方法である
この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、何れか複数の前記系列データを作成し、
前記作成した複数の系列データに於いて前記作成した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量との相関が最も強い系列データに基づいて前記開閉装置の第1の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第1の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第1の推定値を計算し、
前記作成した複数の系列データから、前記抽出した第1の劣化傾向を除去し、
前記第1の劣化傾向を除去した複数の系列データに於いて前記第1の劣化傾向を除去した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量の相関が最も強い系列データに基づいて第2の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第2の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第2の推定値を計算し、
少なくとも前記余寿命の第1の推定値と前記余寿命の第2の推定値とに基づき、前記開閉装置の余寿命を決定するように構成されている
ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置である
又、この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として上記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうち、何れか複数の前記系列データを作成し、
前記作成した複数の系列データに於いて前記作成した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記所定状態量との相関が最も強い系列データに基づいて前記開閉装置の第1の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第1の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第1の推定値を計算し、
前記作成した複数の系列データから、前記抽出した第1の劣化傾向を除去し、
前記第1の劣化傾向を除去した複数の系列データに於いて前記第1の劣化傾向を除去した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記所定状態量の相関が最も強い系列データに基づいて第2の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第2の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第2の推定値を計算し、
少なくとも前記余寿命の第1の推定値と前記余寿命の第2の推定値とに基づき、前記開閉装置の余寿命を決定するように構成されている
ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置である
更に、この発明による開閉装置の余寿命診断装置は、
駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼働期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した全経過時間の系列データとのうち、何れか複数の全経過時間の系列データを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した所定期間経過後の系列データとのうち、何れか複数の所定期間経過後の系列データを作成し、
前記作成した複数の全経過時間の系列データ又は前記作成した複数の所定期間経過後の系列データに於いて、前記系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量との相関が最も強い系列データに基づいて前記開閉装置の第1の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第1の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第1の推定値計算し、
前記作成した複数の系列データから、前記抽出した第1の劣化傾向を除去し、
前記第1の劣化傾向を除去した複数の系列データに於いて前記第1の劣化傾向を除去した系列データの軸と夫々の軸に対応する前記状態量との相関が最も強い系列データに基づいて第2の劣化傾向を抽出し、
前記抽出した第2の劣化傾向に基づいて前記開閉装置の余寿命の第2の推定値を計算し、
少なくとも前記第1の推定値と前記第2の推定値とに基づき、前記開閉装置の余寿命を決定するように構成されている
ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置である
本願の請求項1に記載の開閉装置の余寿命診断方法によれば、開閉装置に生じている劣化要因を分離して余寿命の推定を高い精度で行うことができる。
本願の請求項2に記載の開閉装置の余寿命診断方法によれば、経過時間又は動作回数又は不動作時間又は累積動作時間を軸として状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れないような劣化要因に対しても、開閉装置の余寿命の推定を行うことができる。
本願の請求項4に記載の開閉装置の余寿命診断方法によれば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間又は全動作回数又は全不動作時間又は全累積時間を軸として状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れない場合でも、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、のうちの少なくとも何れか一つの系列データにより劣化傾向を現わすことが可能であり、簡単な構成で、より確実に開閉装置の余寿命を推定することができる。
本願の請求項8に記載の開閉装置の余寿命診断装置によれば、簡単な構成で、開閉装置に生じている劣化要因を分離して余寿命の推定を高い精度で行うことができる。
本願の請求項9に記載の開閉装置の余寿命診断装置によれば、より正確に開閉装置の余寿命を推定することができる。
本願の請求項11に記載の開閉装置の余寿命診断装置によれば、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間又は全動作回数又は全不動作時間又は全累積時間を軸として前記状態量を配列した系列データでは劣化傾向が現れない場合でも、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、のうちの少なくとも何れか一つの系列データにより劣化傾向を現わすことが可能であり、簡単な構成で、より確実に開閉装置の余寿命を推定することができる。
本願の請求項15に記載の開閉装置の余寿命診断装置によれば、開閉装置は同一の設備内に複数個配置された場合に、余寿命推定手段は、前記複数個の開閉装置のうち動作回数が最も多い開閉装置の前記少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて他の開閉装置の余寿命を推定するようにしたので、状態量履歴データが存在しない開閉装置についても、余寿命の推定を的確に行なうことができる。

Claims (19)

  1. 開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
    前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
    前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法。
  2. 開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
    前記蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、
    前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
    前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法。
  3. 開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
    前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、
    前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記少なくとも一部の経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
    前記作成した系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法。
  4. 前記所定の変換関数は、前記夫々の系列データ毎に異なる変換関数であることを特徴とする請求項3に記載の開閉装置の余寿命診断方法。
  5. 開閉装置の動作特性の計測による計測データに基づいて推定した前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を状態量履歴データとして蓄積し、
    前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成すると共に、
    前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち、少なくとも何れか一つの系列データを作成し、
    前記作成した夫々の系列データに基づいて、前記開閉装置の余寿命を推定するようにした開閉装置の余寿命診断方法。
  6. 前記余寿命の推定は、前記作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断方法。
  7. 前記余寿命の推定は、前記作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線と所定値との偏差に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断方法。
  8. 前記系列データを複数作成し、前記作成した複数の系列データのうち最も顕著に開閉装置の劣化傾向を示す系列データに基づいて前記開閉装置の劣化要因を推定することを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断方法。
  9. 前記系列データを複数作成し、前記作成した複数の系列データ毎に前記開閉装置の余寿命の推定値を算出し、前記算出した推定値のうち最小の推定値を前記開閉装置の余寿命として推定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断方法。
  10. 駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
    前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
    前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
    前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
    前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
    ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置。
  11. 駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
    前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
    前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
    前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
    前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、所定の計測回数毎の前記状態量の分散値を算出し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記分散値を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
    ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置。
  12. 駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
    前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
    前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
    前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
    前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに於ける前記状態量を所定の変換関数を用いて所定状態量に変換し、前記開閉装置の稼動期間中に於ける少なくとも一部の経過時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データと、前記経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記所定状態量を配列した系列データとのうちの少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
    ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置。
  13. 前記所定の変換関数は、前記夫々の系列データ毎に異なる変換関数であることを特徴とする請求項12に記載の開閉装置の余寿命診断装置。
  14. 駆動機構により可動接点を固定接点に対して接触又は乖離させるように駆動して電気回路の開閉動作を行う開閉装置の余寿命を診断する装置であって、
    前記開閉装置の動作特性を計測する計測手段と、
    前記計測手段による計測データに基づいて前記開閉装置の劣化状態に関連する状態量を推定する状態量推定手段と、
    前記状態量推定手段により推定された前記状態量を状態量履歴データとして記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された前記状態量履歴データに基づき前記開閉装置の余寿命を推定する余寿命推定手段とを備え、
    前記余寿命推定手段は、前記蓄積した状態量履歴データに基づき、前記開閉装置の稼動期間中に於ける全経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記全経過時間中に於ける前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成すると共に、前記開閉装置の稼動初期の時点から所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の動作回数を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の不動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データと、前記所定期間経過した時点以降の期間中に於ける経過時間中の前記開閉装置の累積動作時間を軸として前記状態量を配列した系列データとのうち少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した夫々の系列データに基づいて前記開閉装置の余寿命を推定するように構成されている
    ことを特徴とする開閉装置の余寿命診断装置。
  15. 前記余寿命の推定は、前記作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線を用いて行うことを特徴とする請求項10乃至14のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断装置。
  16. 前記余寿命の推定は、前記作成した系列データに基づく回帰直線若しくは回帰曲線と所定値との偏差に基づいて行うことを特徴とする請求項10乃至14のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断装置。
  17. 前記余寿命推定手段は、前記系列データを複数作成し、前記作成し複数の系列データのうち最も顕著に開閉装置の劣化傾向を示す系列データに基づいて前記開閉装置の劣化要因を推定することを特徴とする請求項10乃至16のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断装置。
  18. 前記余寿命推定手段は、前記系列データを複数作成し、前記作成した複数の系列データ毎に前記開閉装置の余寿命の推定値を算出し、前記算出した推定値のうち最小の推定値を前記開閉装置の余寿命として推定するようにしたことを特徴とする請求項10乃至16のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断装置。
  19. 前記開閉装置は同一の設備内に複数個配置され、
    前記余寿命推定手段は、前記複数個の開閉装置のうち動作回数が最も多い開閉装置の前記少なくとも何れか一つの系列データを作成し、前記作成した系列データに基づいて他の開閉装置の余寿命を推定することを特徴とする請求項10乃至18のうち何れか1項に記載の開閉装置の余寿命診断装置。
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