JP3870321B2 - 開閉器の動作特性監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉器の動作特性監視装置に係り、特に、主回路を開閉するための遮断器、断路器の動作特性の異常を診断するに好適な開閉器の動作特性監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、開閉器の動作特性を監視するに際しては、例えば、ガス絶縁遮断器(GCB)の開閉動作時において、指令の発生に伴って投入コイルもしくはトリップコイルに流れる電流と、可動接触子の位置を示す補助接点信号とに基づいて、指令発生時から遮断器が実際に動作を開始するまでの時間とその後動作を完了する完了時までの時間間隔を監視することによって遮断器の動作特性の良否を判定することが行われている。この場合、時間間隔が設定時間よりも長くなったときには遮断器の動作の不具合として、遮断器に対する保守点検を行うようにしている。
【0003】
例えば、特開平9−120759号公報に記載されているように、投入コイルもしくはトリップコイルに電流が流れたあとに、第1の位置検出器からの信号が変化するまでの時間や、第1の位置検出器からの信号が変化したあと、第2の位置検出器からの信号が変化するまでの時間をそれぞれ測定し、各測定時間が予め設定された時間よりも長くなったときには、開閉器の動作特性の不具合として、その開閉器に対する保守点検を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、開閉器の動作特性に関する時間間隔を測定し、この測定時間が予め設定された時間よりも長くなったときには、開閉器の動作特性の不具合として、その開閉器に対する保守点検を行うようにしているが、このような方法では、効率良い予測保全や保守点検を考慮したときには、異常の予兆を正確に診断するには十分ではない。すなわち、開閉器の動作特性の不具合を判定するための設定時間を定めるにも、設定時間そのものにバラツキが生じたのでは、正確な判定を行うことができない。例えば、開閉器の動作時間には、開閉器の動作間隔、周囲温度、電源電圧のバラツキが影響を与えることがある。このため、開閉器の動作時間に影響を与えるパラメータにしたがって設定時間を定めなければ、開閉器の動作特性の不具合を正確に判定することはできない。
【0005】
本発明の課題は、開閉器の動作特性に関する異常の予兆を正確に診断するとともに、動作時間の異常の原因を識別することができる開閉器の動作特性監視装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、開閉器の動作時間を検出する動作時間検出手段と、前記開閉器の動作時間に影響を与えるパラメータの値を検出するパラメータ検出手段と、前記パラメータ検出手段の検出値と前記パラメータの基準値との差に従って前記動作時間検出手段の検出時間を補正する動作時間補正手段と、前記開閉器の動作時間の基準値となる整定値と前記動作時間補正手段により補正された動作時間とを比較して前記開閉器の動作時間の異常の有無を判定する判定手段とを備えてなる開閉器の動作特性監視装置を構成したものである。
【0007】
前記開閉器の動作特性監視装置を構成するに際しては、前記動作時間検出手段としては、開閉器の第1の動作時間と第2の動作時間をそれぞれ検出する機能を有するもので構成することができるとともに、パラメータ検出手段としては、開閉器の第1の動作時間と第2の動作時間にそれぞれ影響を与えるパラメータの値を検出する機能を有するもの、あるいは開閉器の第1の動作時間と第2の動作時間に影響を与える複数のパラメータの値をそれぞれ検出する機能を有するもので構成することができる。
【0008】
また、動作時間補正手段としては、パラメータ検出手段の検出値と前記パラメータの基準値との差にしたがって前記動作時間検出手段の各検出時間を補正する機能を有するもの、あるいは前記パラメータ検出手段の各検出値と前記各パラメータの基準値との差にしたがって前記動作時間検出手段の各検出時間を補正する機能を有するもので構成することができる。
【0009】
さらに、判定手段としては、前記開閉器の第1の動作時間の基準値となる第1の整定値と前記動作時間補正手段により補正された第1の動作時間とを比較するとともに、前記開閉器の第2の動作時間の基準値となる第2の整定値と前記動作時間補正手段により補正された第2の動作時間とを比較して前記開閉器の第1の動作時間と第2の動作時間の異常の有無を判定する機能を備えたもので構成することができる。
【0010】
前記各開閉器の動作特性監視装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0011】
(1)前記パラメータ検出手段は、前記開閉器に供給される操作電源の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記開閉器の動作間隔を検出する動作間隔検出手段と、前記開閉器の周囲温度を検出する温度検出手段少なくとも1つを含んでなる。
【0012】
(2)前記パラメータ検出手段は、前記開閉器に供給される操作電源の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記開閉器の動作間隔を検出する動作間隔検出手段と、前記開閉器の周囲温度を検出する温度検出手段とを備えてなる。
【0013】
(3)前記電源電圧検出手段は、前記開閉器に供給される操作電源の電源電圧を検出する代わりに、前記開閉器の投入コイルまたは引き外しコイルに流れる電流の立ち上がり時間とコイル電流値から前記操作電源の電源電圧を算出する電源電圧算出手段で構成されてなる。
【0014】
(4)前記動作時間検出手段は、開閉器の動作時間として、投入指令が発生してから前記開閉器が投入動作を開始するまでの第1の動作時間と、前記開閉器が投入動作を開始してから投入動作を終了するまでの第2の動作時間を検出し、または引き外し指令が発生してから前記開閉器が引き外し動作を開始するまでの第1の動作時間と、前記開閉器が引き外し動作を開始してから前記開閉器が引き外し動作を終了するまでの第2の動作時間を検出してなる。
【0015】
(5)前記判定手段は、第1の整定値と補正された第1の動作時間との比較結果と、第2の整定値と補正された第2の動作時間との比較結果をそれぞれ前記開閉器の動作回数に従って順次蓄積し、この蓄積結果を基に前記開閉器の異常の原因を識別してなる。
【0016】
(6)前記判定手段は、補正された第1の動作時間が漸次増加して第1の整定値を越えるととも、補正された第2の動作時間が漸次増加して第2の整定値を越えたときには、前記開閉器の異常の原因をグリースの枯渇または軸摩擦大であると識別し、補正された第1の動作時間のみが漸次増加して第1の整定値を越えたときには、前記開閉器の異常の原因をグリースの固渋であると識別し、補正された第1の動作時間が急激に増加して第1の整定値を越えるととも、補正された第2の動作時間が急激に増加して第2の整定値を越えたときには、前記開閉器の異常の原因をかじりであると識別してなる。
【0017】
前記した手段によれば、開閉器の動作時間に影響を与えるパラメータの検出値とパラメータの基準値との差にしたがって開閉器の動作時間に関する検出時間を補正し、補正された検出時間と整定値とを比較して開閉器の動作時間の異常の有無を判定するようにしたため、開閉器の動作特性の異常の予兆を正確に診断することができる。この場合、パラメータとして、開閉器に供給される操作電源の電源電圧、開閉器の動作間隔あるいは開閉器の周囲温度を検出し、各検出値と各基準値との差にしたがって開閉器の動作時間に関する検出値を補正することで、開閉器の動作特性に影響を与える開閉器の動作時間を正確に求めることができる。
【0018】
また、開閉器の動作時間として、投入指令が発生してから開閉器が投入動作を開始するまでの第1の動作時間と、開閉器が投入動作を開始してから投入動作を終了するまでの第2の動作時間を検出し、あるいは引き外し指令が発生してから開閉器が引き外し動作を開始するまでの第1の動作時間と、開閉器が引き外し動作を開始してから開閉器が引き外し動作を終了するまでの第2の動作時間を検出し、各動作時間をパラメータ検出手段の検出値にしたがって補正し、補正された各動作時間と各整定値とを比較し、この比較結果を開閉器の動作回数にしたがって順次蓄積し、蓄積結果を基に開閉器の異常の原因を識別することで、開閉器の異常の原因をグリースの枯渇または軸摩擦大、グリースの固渋あるいはかじりであると識別することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す開閉器の動作特性監視装置のブロック構成図である。図1において、開閉器の動作特性監視装置は、開閉器として、例えば、三相の主回路の開閉を行う遮断器1を対象とし、この遮断器1の開閉時における異常の有無や異常の部位の標定などを行うように構成されており、遮断器1は、例えば、ガス遮断器(GCB)や真空遮断器(VCB)を用いて構成されている。遮断器1は、投入コイル10、引き外しコイル20、温度センサ5、補助b接点30a、補助a接点30b、補助a接点40a、補助b接点40b等を備えて構成されている。
【0020】
投入コイル(C)10は、遮断器1の主接点(図示省略)と連動する補助b接点30a、開路指令用の接点50aと互いに直列に接続されて直流電源(操作電源)3の電源端子間に挿入されており、制御装置(図示省略)からの投入指令に応答して接点50aが閉じたときに励磁電流が流れるようになっている。投入コイル10に励磁電流が流れると、操作器(図示省略)が駆動されて可動子(図示省略)が投入方向に駆動され、遮断器1の主接点が投入されるように構成されている。遮断器1の主接点が投入されたときには補助b接点30aが開かれ、投入コイル10が非励磁状態となる。このとき引き外しコイル20と直列に接続された補助a接点30bが閉じるようになっている。そして投入コイル10に流れる励磁電流は、シャント抵抗で構成された変流器70aによって検出され、この検出電流は測定部6に供給されるようになっている。
【0021】
一方、引き外しコイル(T)20は、遮断器1の主接点と連動する補助a接点30b、開路指令用の接点50bと互いに直列に接続されて直流電源3の電源端子間に挿入されており、制御装置からの引き外し指令に応答して接点50bが閉じたときには、補助a接点30bが閉じているので、励磁電流が流れるように構成されている。引き外しコイル20に励磁電流が流れると、操作器が駆動されて可動子が引き外し方向に駆動され、遮断器1の主接点が引き外されるように構成されている。遮断器1の主接点が引き外されたあとは、補助a接点30bは開かれる。そして引き外しコイル20を流れる電流は、シャント抵抗で構成された変流器70bによって検出され、この検出電流は測定部6に供給されるようになっている。
【0022】
また投入コイル10の励磁に伴って遮断器1の主接点が投入され、遮断器1の投入動作が終了したときには補助a接点40aが閉じ、投入動作が終了したことを示す信号が測定部6に入力されるようになっている。また遮断器1の引き外し動作が終了したときには補助b接点40bが開かれ、遮断器1の引き外し動作が終了したことを示す信号が測定部6に入力されるようになっている。
【0023】
ここで、遮断器1が正常に投入されたときには、図2に示すように、投入指令61aに応答して接点50aが閉じると、可動子はストロク特性60aにしたがって駆動されることになる。このため、遮断器1の動作特性を監視するに際しては、可動子のストロク特性60aは、実際の動きの時間領域測定であり、遮断器1の動作特性を反映しているといえる。この可動子(可動部)のストロク特性60aを取得するに際しては、ロータリーエンコーダ、ポテンショメータ、レーザ変位計などの変位計を用いることができるが、これらの変位計を遮断器1に実際取り付けることは困難であり、実用的ではない。
【0024】
そこで、本実施形態においては、可動子の動作特性を別な方法で取得するに際して、投入指令61aに応答して接点50aが閉じ、投入コイル10が励磁されたあと、可動子が実際に動いて補助b接点30aが開かれるまで時間、すなわち、投入指令が発生してから開閉器1が投入動作を開始するまでの時間を、第1の動作時間T1として検出し、遮断器1が投入されたあと補助a接点40aが閉じるまでの時間、すなわち遮断器1が投入動作を開始してから投入動作を終了するまでの時間を、第2の動作時間T2として検出することとしている。この場合、接点50a、補助b接点30a、変流器70a、測定部60は、遮断器1の動作時間として、遮断器1の投入動作時における第1の動作時間T1と第2の動作時間T2をそれぞれ検出する動作時間検出手段として構成されている。
【0025】
また、遮断器1を引き外すときには、引き外し指令が発生してから遮断器1が引き外し動作を開始するまでの時間、すなわち接点50bが閉じたあと補助a接点30bが開かれるまでの時間を第1の動作時間T1として検出し、遮断器1が引き外し動作を開始してから遮断器1が引き外し動作を終了するまでの時間、すなわち補助a接点30bが開かれたあと補助b接点40bが開かれるまでの時間を第2の動作時間T2として検出することとしている。この場合、接点50b、補助a接点30b、補助b接点40a、変流器70b、測定部6は、遮断器1の引き外し時における動作時間として、第1の動作時間T1と第2の動作時間T2を検出する動作時間検出手段として構成されている。
【0026】
一方、遮断器1の機械的異常として、グリース枯渇が発生したときには、図3に示すように、第1の動作時間T1、第2の動作時間T2とも正常時に比べて大きくなっており、異常の予兆を捉えていることが確認できる。しかし、第1の動作時間T1と第2の動作時間T2をそれぞれ正常時の動作時間と単に比較したのでは、動作時間のバラツキによっては異常の予兆を確実に検出することができない。
【0027】
すなわち、第1の動作時間T1と第2の動作時間T2は、周囲温度、遮断器1に供給される操作電源(直流電源3)の電源電圧、遮断器1の動作間隔、例えば遮断器1が投入動作されたあと次に投入動作されるまでの動作間隔によってバラツクことがある。
【0028】
そこで、本実施形態においては、第1の動作時間T1と第2の動作時間T2に影響を与えるパラメータの値として、周囲温度を温度センサ5で検出し、操作電源(直流電源3)の電源電圧を測定部6で検出し、遮断器1の動作間隔を測定部6で検出することとしている。この場合、温度センサ5と測定部6は温度検出手段を構成し、測定部6は、電源電圧検出手段および動作間隔検出手段を構成することになる。
【0029】
ここで、周囲温度と投入時間との関係を測定したことろ、図4に示すような結果が得られた。図4から、周囲温度が0℃以下ではグリースの粘性が高くなるため、周囲温度が0℃以下のときの動作時間は、周囲温度が0℃を越えたときよりも長くなっていることが分かる。
【0030】
また、操作電源電圧と投入時間との関係を測定したところ、図5に示すような結果が得られた。図5から、操作電源電圧が変動すると、動作時間は30%程度のバラツキが生じることになる。つまり、これらのバラツキを考慮して動作時間を補正してやれば正確な動作時間を求めることができることになる。
【0031】
このため、本実施形態においては、温度センサ5で温度を検出するとともに測定部6で操作電源電圧を測定し、周囲温度の基準値となる常温、例えば、20℃と温度センサ5の検出温度との差にしたがって動作時間を補正したり、操作電源電圧の基準値(定格電圧)、例えば、直流100Vと測定部6の検出電圧(電圧センサの検出電圧)との差にしたがって動作時間を診断部7で補正することとしている。すなわち、診断部7は動作時間補正手段として、各パラメータの基準値と各検出値との差にしたがって動作時間の検出値を補正するように構成されている。
【0032】
この補正方法としては、検出温度を常温に換算して補正値を求めることができる。例えば、周囲温度が−30°のときに得られた投入時間(動作時間)が20℃よりも長くなっても、この投入時間を20℃の投入時間に換算して動作時間を算出することができる。
【0033】
ただし、温度測定は動作時間測定と必ずしも同時に図る必要はなく、周囲温度を図る手段が別にあれば、温度データだけを使用することも可能である。さらに、電源電圧を測定するときにも、電圧を測定する電圧センサを新たに取付なくても、投入コイル10および引き外しコイル20に流れる電流の立上り部分の傾きを算出すれば、電源電圧Vは電流の変化率di/dtと比例関係にあるため、コイル電流の立上り時間からも操作電源電圧を推定することができる。
【0034】
図6に遮断器1の投入時における操作電源電圧が異なる場合の投入コイル電流の通電特性を示す。図6では、操作電源電圧が定格電圧のときには投入コイル10の電流の変化率di/dtは特性90bで示され、電源電圧が高くなるほど電流の変化率di/dtが急な特性90aとなり、逆に、電源電圧が低い場合には変化率di/dtは緩やかで通電時間も長い特性90cとなっている。この特性から分かるように、電源電圧を測定する電圧センサを備えていなくても、コイルを流れる電流の特性から電源電圧を推定することが可能であり、事前に動作電源電圧を変化させたときの特性を測定しておけば、電流特性の算出も容易である。さらに、第1の動作時間T1と第2の動作時間T2のバラツキの要因としては、遮断器1が前回動作してから今回動作するまでの動作間隔(インターバル)があり、操作器のグリースが固渋するケースは動作インターバルが長いことが原因である。そこで、図7に示すように、動作間隔と投入時間との関係を予め測定し、実際の動作間隔に対応した補正係数を投入時間に対して設定し、動作間隔の基準値と検出された動作間隔との差にしたがって、検出された動作時間(第1の動作時間と第2の動作時間)を補正することで正確な投入時間を求めることができる。
【0035】
動作間隔と投入時間との関係は、図7から分かるように、遮断器1の動作間隔が短いときはグリース固渋のケースは少ないが、動作間隔が長くなると急激に投入時間が長くなることが分かる。
【0036】
以上のように、第1の動作時間T1と第2の動作時間T2のバラツキの要因である周囲温度、操作電源電圧、動作間隔を基に動作時間を補正することで、汎用的で誤差要因の少ない動作時間を算出し、この算出結果を基に判定部8において、動作時間の基準値となる整定値と補正された動作時間とを比較して遮断器1の動作時間の異常の有無を判定し、判定結果を出力することとしている。すなわち、判定部8は判定手段として構成されている。
【0037】
次に、遮断器1の動作特性を診断するときの診断方法を図8のフローチャートにしたがって説明する。なお、遮断器1の開閉動作のうち投入動作と引き外し動作では同じ処理が行われるため、遮断器1の投入動作における動作特性を診断するときの方法について説明する。
【0038】
まず、遮断器1が投入動作を行うごとに、投入コイル10、補助b接点30a、接点50a、補助a接点40aの動作に関する信号および変流器70aの検出電流、温度センサ5の検出温度が順次測定部6に取り込まれ、第1の動作時間T1、第2の動作時間T2が算出されれる(ステップS1)。このあと電気的異常があるか否かの判定を行う(ステップS2)。例えば、投入コイル10に不良が生じたか、あるいは補助b接点30a、接点50aに不良が発生したか否かの判定を行い、いずれかに異常が生じたときには不良個所を修復するための処理を行い(ステップS3)、このルーチンでの処理を終了する。
【0039】
一方、電気的異常がないときには、測定異常があるか否かの判定を行う(ステップS4)。すなわち、変流器70aに異常があるか、温度センサ5に異常があるか、あるいは時間間隔の測定に異常があるか否かの判定を行い、異常が生じたときには異常に対処するための処理に移行し(ステップS5)、このルーチンでの処理を終了する。一方、測定に異常がないときには、検出された操作電源電圧(直流電源3の電源電圧)と温度センサ5の検出温度を基に図4、図5の特性にしたがって電源電圧と周囲温度に関する補正係数を求める(ステップS6)。
【0040】
さらに動作間隔を検出し、図7に示す特性を基に動作間隔に関する補正係数を求め(ステップS7)、電源電圧、周囲温度、動作間隔の補正係数にしたがって第1の動作時間T1と第2の動作時間T2を補正し、補正された動作時間T1、T2を求める(ステップS8)。このあと補正された第1の動作時間T1と第2の動作時間T2に関してそれぞれ第1の整定値または第2の整定値と大小の比較判定を行う(ステップS9)。各動作時間T1、T2がそれぞれ整定値の範囲内にあるときには、遮断器1の動作時間は正常である旨の判定結果を出力するとともに、この判定結果を動作回数に関連づけて蓄積し、このルーチンでの処理を終了する。
【0041】
一方、各動作時間T1、T2のうちいずれかの動作時間が整定値を超えていると判定されたときには、この判定結果にしたがって、機械的異常に関するトレンド判定を行う(ステップS11)。
【0042】
機械的異常のトレンド判定を行うに際しては、図9(a)に示すように、補正された第1の動作時間T1が漸次増加して第1の整定値S1を超えるとともに、補正された第2の動作時間T2が漸次増加して第2の整定値S2を超えたときには、遮断器1の異常の原因をグリースの枯渇または軸摩擦大であると識別する(ステップS12)。
【0043】
また図9(b)に示すように、補正された第1の動作時間T1のみが漸次増加して第1の整定値S1を超えたときには、遮断器1の異常の原因をグリースの固渋であると識別する(ステップS13)。
【0044】
一方、図9(c)に示すように、補正された第1の動作時間T1が急激に増加して第1の整定値S1を超えるとともに、補正された第2の動作時間T2が急激に増加して第2の整定値S2を超えたときには、遮断器1の異常の原因をかじりであると識別し(ステップS14)、各識別結果を出力し、このルーチンでの処理を終了することになる。
【0045】
このように、本実施形態においては、第1の動作時間T1、第2の動作時間T2を各動作時間に影響を与えるパラメータである電源電圧、周囲温度、動作間隔にしたがって補正し、補正された各動作時間と各整定値とを比較して遮断器1の動作時間の異常の有無を判定するようにしているため、遮断器1の動作特性に関する異常の予兆を正確に診断することができる。
【0046】
また異常の予兆を正確に診断することで、計画的な保守が可能になるとともに遮断器1に関する信頼性の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、異常の予兆が診断されたときには、機械的異常のトレンド判定を行うことで、グリース固渋、グリース枯渇、かじりによる異常原因を識別することができる。この場合、点検時および異常検出時における点検項目を絞り込むことが可能になる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、開閉器の動作時間に影響を与えるパラメータの検出値とパラメータの基準値との差にしたがって開閉器の動作時間に関する検出時間を補正し、補正された検出時間と整定値とを比較して開閉器の動作時間の異常の有無を判定するようにしたため、開閉器の動作特性の異常の予兆を正確に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す開閉器の動作特性監視装置のブロック構成図である。
【図2】遮断器の正常投入時における動作特性図である。
【図3】グリース枯渇時における遮断器の投入動作時の動作特性図である。
【図4】周囲温度と投入時間との関係を示す特性図である。
【図5】操作電源電圧と投入時間との関係を示す特性図である。
【図6】時間と投入コイル電流との関係を示す特性図である。
【図7】動作間隔と投入時間との関係を示す特性図である。
【図8】図1に示す装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図9】(a)〜(c)は、動作時間と整定値との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 遮断器
3 直流電源
5 温度センサ
6 測定部
7 診断部
8 判定部
10 投入コイル
20 引き外しコイル
30a、40b 補助b接点
30b、40a 補助a接点
50a、50b 開路指令用の接点
70a、70b 変流器

Claims (4)

  1. 投入指令が発生してから開閉器が投入動作を開始するまで又は引き外し指令が発生してから前記開閉器が引き外し動作を開始するまでの第1の動作時間と、前記開閉器が投入動作を開始してから投入動作を終了するまで又は前記開閉器が引き外し動作を開始してから引き外し動作を終了するまでの第2の動作時間をそれぞれ検出する動作時間検出手段と、前記開閉器の第1の動作時間と第2の動作時間にそれぞれ影響を与えるパラメータの値を検出するパラメータ検出手段と、前記パラメータ検出手段の検出値と前記パラメータの基準値との差に従って前記動作時間検出手段により検出された前記第1の動作時間と前記第2の動作時間を補正する動作時間補正手段と、補正後の前記第1の動作時間と補正後の前記第2の動作時間に基づいて、前記開閉器の動作時間の異常を判定する判定手段を備え、前記判定手段は、補正後の前記第1の動作時間を第1の整定値と比較し、補正後の前記第2の動作時間を第2の整定値と比較して、それぞれの動作時間の異常の有無を判定するとともに、判定結果と補正後の前記第1の動作時間と補正後の前記第2の動作時間を前記開閉器の動作回数に従って順次蓄積し、蓄積された補正後の前記第1の動作時間と補正後の前記第2の動作時間の変化の組み合わせに基づいて動作時間の異常の原因を識別する開閉器の動作特性監視装置。
  2. 請求項に記載の開閉器の動作特性監視装置において、前記判定手段は、補正後の前記第1の動作時間が漸次増加して前記第1の整定値を越えるととも、補正後の前記第2の動作時間が漸次増加して前記第2の整定値を越えたときには、前記開閉器の異常の原因をグリースの枯渇は軸摩擦大であると識別し、補正後の前記第1の動作時間のみが漸次増加して前記第1の整定値を越えたときには、前記開閉器の異常の原因をグリースの固渋であると識別し、補正後の前記第1の動作時間が急激に増加して前記第1の整定値を越えるととも、補正後の前記第2の動作時間が急激に増加して前記第2の整定値を越えたときには、前記開閉器の異常の原因をかじりであると識別してなることを特徴とする開閉器の動作特性監視装置。
  3. 請求項1に記載の開閉器の動作特性監視装置において、前記パラメータ検出手段は、前記開閉器に供給される操作電源の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記開閉器の動作間隔を検出する動作間隔検出手段と、前記開閉器の周囲温度を検出する温度検出手段少なくとも1つを含むことを特徴とする開閉器の動作特性監視装置。
  4. 請求項に記載の開閉器の動作特性監視装置において、前記電源電圧検出手段は、前記開閉器に供給される操作電源の電源電圧を検出する代わりに、前記開閉器の投入コイルは引き外しコイルに流れる電流の立ち上がり時間とコイル電流値から前記操作電源の電源電圧を算出する電源電圧算出手段で構成されてなることを特徴とする開閉器の動作特性監視装置。
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