JP4139098B2 - 非常用発電設備の寿命予測診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力発電所等の重要負荷設備における非常用発電設備の経年劣化による機能低下を診断する非常用発電設備の寿命予測診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンで駆動される発電機を非常用発電機とする非常用発電設備は多くの分野で用いられている。非常用発電設備は重要負荷設備に給電するものであり、信頼性を確保すると共には延命化のニーズが高まっている。
【0003】
非常用発電設備の経年変化による劣化評価は、一般産業用にあっては年1回、原子力発電設備にあっては月1回程度の頻度で起動試験を行い合否を判定している。非常用発電設備の起動試験は実負荷をとることなく、発電機を系統に接続する遮断器を投入することまで行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、一般産業用では年に1回、原子力発電設備では月に1回の頻度で起動試験を行い、起動が正常に行えるかどうかで合否を判定している。このような試験では、起動不良になるまでは、正常と判断されるために、設備の劣化の程度が正確に把握できないという問題がある。したがって、前回の定期点検では正常であったが、今回の定期点検で突然に異常になるという問題点を有する。
【0005】
本発明の目的は、経年変化による劣化程度を定量的に把握して寿命予測を行える非常用発電設備の寿命予測診断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、起動試験時にエンジンで駆動される発電機の回転速度、エンジンを始動するセルモータのモータ電流および発電機を系統に接続する遮断器の投入コイルのコイル電流を検出して、発電機が同期速度に達するまでの時間、モータ電流とコイル電流のピーク値を求めて起動試験毎のトレンドを算出し、発電機が同期速度に達するまでの時間、モータ電流とコイル電流のピーク値の少なくとも1つのトレンドから寿命予測を行うようにしたことにある。
【0007】
本発明は、起動試験毎の発電機が同期速度に達するまでの時間、モータ電流とコイル電流のピーク値の少なくとも1つのトレンドから寿命予測を行うようにしているので、経年変化による劣化程度を定量的に把握した寿命予測を行える。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例を示す構成図である。
図1において、ディーゼルエンジン1は発電機2と発電機軸3により機械的に連結されている。発電機2は遮断機4を介して系統5に接続されている。制御装置7は発電機2の回転数を制御し、また、系統5と同期併入を行う系統連系装置を含んでいる。
【0009】
発電機軸3には回転数を検出する速度検出手段としての電磁ピックアップ6が設けられている。電磁ピックアップ6で検出された回転速度信号は制御装置7と低速レコーダ(低速サンプリング装置)8に加えられる。低速レコーダ8でサンプリング検出された回転速度信号はパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称する)9に入力される。
【0010】
セルモータ10はバッテリー11により給電され、その電流が電流センサ12で検出される。電流センサ12で検出されたセルモータ電流は高速レコーダ(高速サンプリング装置)13に加えられる。高速レコーダ13でサンプリング検出されたセルモータ電流信号はパソコン9に入力される。
【0011】
遮断器4の投入コイル14はバッテリー15により励磁され、その励磁電流が電流センサ16で検出される。電流センサ16で検出された励磁電流(コイル電流)は高速レコーダ13によりサンプリング検出されパソコン9に入力される。パソコン9に入力された発電機2の回転速度、セルモータ電流およびコイル電流は、図示しない電話回線を介して監視センター17に送信される。
【0012】
この構成において、通常時、非常用発電設備は停止しており、遮断器4は開放状態にあり、また、発電機2とエンジン1は停止している。
【0013】
非常用発電設備を始動するときは、まずセルモータ10を始動してエンジン1を駆動する。エンジン1により発電機軸3を介して発電機2が発電を開始する。発電機2は制御装置7により同期速度まで回転数を制御され、遮断器4を投入して系統5と連系される。かくして、系統5には非常用発電設備から電力が供給される。
【0014】
年1回もしくは月1回の点検時には、非常時と同様にしてエンジン1を始動し、発電機2が系統5と連系されるところまで確認して遮断器4を開放し発電設備の運転を停止する。
【0015】
この起動試験時に電磁ピックアップ6で検出した発電機2の回転速度,電流センサ12,16で検出したセルモータ電流、コイル電流はレコーダ8、13を介してパソコン9に取込まれる。発電機2の回転速度、セルモータ電流、コイル電流は図2,図3,図4に示すような特性になる。
【0016】
低速レコーダ8は500ms毎にデータをサンプリングして発電機2の回転数を把握するのに用いる。また、高速レコーダ13は100μs毎にデータをとりセルモータ電流と遮断器4の投入コイル14のコイル電流を把握するのに用いている。
【0017】
図2は、エンジン1を起動する場合のエンジン回転数即ち発電機2の回転数の立ち上がり特性を示している。発電機2が同期速度に達するまでの時間tsは、設備が健全であるほど短く、劣化に伴い時間ts′のように長くなる。
【0018】
図3はエンジン起動時のセルモータ入力電流の時間的な変化を示しており、そのピーク電流Isは、設備が健全であれば小さく、劣化が進むにつれて大きくなる。
【0019】
図4は遮断器4を動作させる投入コイル14の電流の時間的変化を示し、遮断器4が健全であるほどコイル電流のピーク値Icは小さくなる。
【0020】
図2〜4のいずれの特性においても、発電設備が経年劣化するに従い実線から点線の特性に近づいてくる。従って、図2の発電機立上り時間tsの経時的な変化いわゆるトレンドカーブは図5に示す如く、経年変化に伴い徐々に長くなり、故障の起こる確率が高くなってくる。予め、立上り時間について許容値を設定しておけば、許容値に近づいたことで寿命の予測が可能になる。
【0021】
同様にセルモータ電流Is、遮断器投入コイル電流Icについても、図6,図7に示すように寿命予測が可能となる。
【0022】
これら3つの要因が同時に寿命に達するということはなく、一番最初に許容値に達する時点をもって寿命とし、寿命予測を行える。
【0023】
このようにして非常用発電設備の寿命予測を行うのであるが、起動試験毎の発電機が同期速度に達するまでの時間、モータ電流とコイル電流のピーク値の少なくとも1つのトレンドから寿命予測を行うようにしているので、経年変化による劣化程度を定量的に把握した寿命予測を行える。
【0024】
なお、上述の実施例は発電所側でトレンドによる寿命予測を行っているが、監視センターでも行っても良いことは明らかなことである。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、起動試験毎の発電機が同期速度に達するまでの時間、モータ電流とコイル電流のピーク値の少なくとも1つのトレンドから寿命予測を行うようにしているので、経年変化による劣化程度を定量的に把握した寿命予測を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】 発電機の加速特性図である。
【図3】 セルモータ電流の特性図である。
【図4】 遮断器の投入コイル電流の特性図である。
【図5】 発電機の起動時間のトレンド特性図である。
【図6】 セルモータ電流のトレンド特性図である。
【図7】 遮断器の投入コイル電流のトレンド特性図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…発電機、3…発電機軸、4…遮断器、5…系統、6…電磁ピックアップ、7…制御装置、8…低速レコーダ(サンプリング装置)、9…パソコン、10…セルモータ、11,15…バッテリー、12,16…電流センサ、13…高速レコーダ(サンプリング装置)、14…投入コイル、17…監視センター。
Claims (1)
- セルモータにより始動されるエンジンで駆動される発電機と、前記発電機を系統に接続する遮断器を有する非常用発電設備において、前記発電機の回転速度を検出する速度検出手段と、前記セルモータのモータ電流を検出するモータ電流検出手段と、前記遮断器の投入コイルのコイル電流を検出するコイル電流検出手段と、非常用発電設備の定期点検時に前記回転速度、モータ電流およびコイル電流を取込む演算処理手段とを具備し、前記演算処理手段は、起動試験時に発電機が同期速度に達するまでの時間、前記モータ電流と前記コイル電流のピーク値を求めて定期点検毎のトレンドを算出し、前記発電機が同期速度に達するまでの時間、前記モータ電流のピーク値および前記遮断器の投入コイル電流のピーク値のトレンドから寿命予測を行うことを特徴とする非常用発電設備の寿命予測診断装置。
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