JPWO2010092936A1 - 芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物 - Google Patents

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Abstract

[課題]屈折率が高く、透明性、耐熱性に優れた硬化物を与えることができ、ハンドリング性にも優れた(メタ)アクリレート化合物、該(メタ)アクリレート化合物を含有する硬化性組成物およびその硬化物を提供することである。[解決手段]下記一般式(1)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物、該芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物を含有する硬化性組成物およびその硬化物。(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Xは、芳香環を有する炭素数が6〜30の有機基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)

Description

本発明は、透明性素材、特にレンズ等の光学材料の製造原料に適した芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する硬化性組成物、該組成物を硬化して得られる硬化物に関する。さらに詳しくは、低粘度の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物を含むハンドリング性の優れた硬化性組成物を硬化させて得られる、高屈折率で耐熱性にも優れた硬化物に関する。
近年、光学機器や光通信、ディスプレイなどの光産業の進展と共に、光学性能の優れた素材が要望されている。そのような素材としては、例えば、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等が挙げられ、特に光学レンズ、光学素子、光導波路材料への要望が強い。
一般に、液晶表示素子用基板、カラーフィルター基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池用基板、タッチパネル等の材料としては、無機ガラスが多く用いられている。しかし、ガラス板は割れやすい、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きである等の問題から、近年、ガラス板の代わりにプラスチック素材を用いる試みが数多く行われるようになってきた。
また、光学レンズ、光学素子、光導波路、LED封止材の材料としては、近年、リフロー耐性を有する等の耐熱性に優れたプラスチック素材が要望されてきている。さらに、屈折率の低いプラスチック材料の場合、コバ厚が厚くなりプラスチックの特徴である軽量性が損なわれてしまう。そのため、より屈折率が高い材料が望まれている。
例えば、特開平10−77321号公報(特許文献1)には、非晶質熱可塑性樹脂と活性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリレートよりなる樹脂組成物を、活性エネルギー線により硬化させてなる部材が、ガラス基板に代えて光学レンズ、光ディスク基板、プラスチック液晶基板などに好適に利用できることが記載されている。しかし、非晶質熱可塑性樹脂の屈折率とビス(メタ)アクリレートを活性エネルギー線により硬化した樹脂の屈折率との差により透明性が低下する懸念がある。
また、特開平4−325508号公報(特許文献2)には、(メタ)アクリレート化合物にフルオレン骨格を導入することで屈折率および耐熱性が向上することが示されている。しかし、フルオレン骨格を含有する化合物は非常に粘度が高くハンドリング性に劣り、近年求められている低粘度化を満足できていない。
さらに、特開2005−272773号公報(特許文献3)には、ビフェニル骨格を有する化合物を含む硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物が記載されており、該組成物は低粘度であり、かつ高屈折率の硬化物が得られることが示されている。しかし、耐熱性に関する記載はなく、該組成物の成分であるビフェニル骨格を有する化合物は単官能モノマーであることから耐熱性に課題が残されている。
特開平10−77321号公報 特開平4−325508号公報 特開2005−272773号公報
本発明の目的は、高屈折率であり、透明性、耐熱性に優れた硬化物を与えることができ、ハンドリング性にも優れた芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物を提供することである。また該芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物、および該硬化性組成物を使用して得られる硬化物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物、およびこれを含有する硬化性組成物が上記課題を解決できることを見出した。ここで、芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。以降、その他の(メタ)アクリレート化合物においても同様の意味である。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] 下記一般式(1)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2010092936
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Xは、芳香環を有する炭素数が6〜30の有機基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)
[2] 下記一般式(2)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2010092936
(式中R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)
[3] 下記一般式(3)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2010092936
(式中R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
[5] 芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、重合開始剤を0.1〜5質量部含有することを特徴とする[4]に記載の硬化性組成物。
[6] さらにウレタンオリゴマーおよび/または反応性モノマーを含有する、[4]に記載の硬化性組成物。
[7] 芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物、ウレタンオリゴマーおよび反応性モノマーの合計量100質量部に対して、重合開始剤を0.1〜5質量部含有することを特徴とする[6]に記載の硬化性組成物。
[8] 25℃の粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下である[4]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[9] [4]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られ、屈折率が1.55以上1.65以下である硬化物。
[10] [4]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られ、ガラス転移温度が80℃以上200℃以下である硬化物。
[11] [4]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られるコーティング材料。
[12] [4]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られる光学材料。
[13] [4]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られるレンズ。
本発明によれば、高屈折率で透明性、耐熱性に優れた硬化物を与えることができ、ハンドリング性に優れた芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物が提供され、さらに該化合物を含有する硬化性組成物およびその硬化物を提供することもできる。
本発明により、光学レンズ、光学ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等の用途に好適に用いることができる硬化物を得ることができる。
図1は、実施例1で合成した芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)の1H−NMRチャートを示す。 図2は、実施例5で合成した芳香族基含有メタクリレート化合物(A−5)の1H−NMRチャートを示す。
以下、本発明における実施形態について詳細に説明する。
芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物
下記一般式(1)で示される、本発明の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(以下、「芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)」とも言う。)は分子中にエチレン性不飽和結合を2個含有する。
Figure 2010092936
上記一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Xは芳香環を有する炭素数が6〜30の有機基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
上記一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、耐熱性、鉛筆硬度を向上させるという観点でメチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)中、aおよびbについては、耐熱性、鉛筆硬度を向上させるという観点および原料の入手容易性という観点から、それぞれ独立に、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記一般式(1)中、Xは、屈折率を高くするという観点および低粘度にするという観点で、炭素数が7〜24であることが好ましく、炭素数が7〜19であることがより好ましく、炭素数が7〜15であることがさらに好ましい。
Xの具体例としては、以下の(a)〜(h)で示すものを挙げることができる。
Figure 2010092936
尚、上記構造式中、波線を付した箇所が、一般式(1)で表される化合物におけるXの結合手を表す。
上記具体例の中では、屈折率、粘度、原料入手容易性の観点で、特に(c)のナフトイル骨格を有するもの、(e)のフェニルベンゾイル骨格を有するものが好ましい。
すなわち、下記一般式(2)で示される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(以下、「芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(2)」とも言う。)が特に好ましい。
Figure 2010092936
上記一般式(2)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
上記一般式(2)中、R1、R2、R3およびR4は、耐熱性、鉛筆硬度を向上させるという観点でメチル基であることが好ましい。
上記一般式(2)中、aおよびbについては、耐熱性、鉛筆硬度を向上させるという観点および原料の入手容易性という観点から、それぞれ独立に0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
さらに上記一般式(2)において、ハンドリング性の観点で、ナフタレンとα位で結合していることがより好ましい。
すなわち、下記に示す構造が特に好ましい。
Figure 2010092936
また、上記したように、一般式(1)におけるXがフェニルベンゾイル骨格を有する化合物である、下記一般式(3)で示される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(以下、「芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(3)」とも言う。)もまた特に好ましい。
Figure 2010092936
上記一般式(3)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
上記一般式(3)中、R1、R2、R3およびR4は、耐熱性、鉛筆硬度を向上させるという観点でメチル基であることが好ましい。
上記一般式(3)中、aおよびbについては、耐熱性、鉛筆硬度を向上させるという観点および原料の入手容易性という観点から、それぞれ独立に、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
さらに、上記一般式(3)中、入手容易性の観点でカルボニル基が4位で結合していることがより好ましい。
すなわち、下記に示す構造が特に好ましい。
Figure 2010092936
本発明の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)は、25℃での粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下であることが好ましい。さらには50mPa・s以上5,000mPa・s以下であることがより好ましく、100mPa・s以上2,000mPa・s以下であることが最も好ましい。
芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)の粘度が10mPa・sよりも低い場合あるいは10,000mPa・sよりも高い場合は、ハンドリング性が悪く作業性に劣り、使用しにくい。
尚、粘度の測定条件は、後述の実施例に記載の方法と同様に、B型粘度計DV−II+Pro(BROOKFIELD社製)、ローターNo.42、回転数1〜7rpmである。
芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)の製造方法
芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)は、下記一般式(4)で示される水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(以下、「(メタ)アクリレート化合物(4)」とも言う。)と、前記一般式(1)中のXと同じ有機基および脱離能を有する置換基(以降、置換基Yと呼ぶことがある)を含有する化合物(以下、「化合物(5)」とも言う。)を反応させて合成することができる。
Figure 2010092936
上記一般式(4)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)としては、グリセロールジメタクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールジメタクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールアクリレートメタクリレート、プロピレンオキシドグリセロールジメタクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールアクリレートメタクリレートなどが挙げられる。
化合物(5)において、置換基Yは、水酸基と反応し脱離能を有する置換基であればよく、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基が挙げられる。反応性と入手容易性の観点から、特に塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
上記化合物(5)としては、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、ベンジルクロロメチルエーテル、ベンジルクロロメチルスルフィド、4−ベンジルオキシフェニルアセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、2−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイルフルオリド、ベンゾイルギ酸メチル、ベンゾイルギ酸エチル、3−ベンゾイルプロピオン酸メチル、ビフェニルクロリド、4,4′−ビフェニルジカルボニルクロリド、4,4′−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、4,4′−ビフェニルジカルボン酸ジエチル、4−フェニルベンゾイルクロリド、4−フェニルベンジルブロミド、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、1,8−アントラセンジカルボン酸ジメチル、アントラキノン−2−カルボニルクロリド、9−フルオレン酢酸、9−フルオレンカルボン酸、9−フルオレノン−2−カルボン酸、クロロギ酸−9−フルオレニルメチル、2,2′,4′−トリクロロアセトフェノン、2,3′,4′−トリクロロアセトフェノン、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、トリフェニル酢酸、トリフェニルメチルクロリド、トリフェニルメチルブロミド、ジフェニル酢酸メチル、ジフェニルアセチルクロリド、1−ナフトイルクロリド、2−ナフトイルクロリド等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と化合物(5)とを反応させる際のモル比は、(メタ)アクリレート化合物(4)中の水酸基のモル数:化合物(5)中の脱離基のモル数=1:1〜1:1.2が好ましい。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と、上記化合物(5)とを反応させる際には、塩基を使用することが好ましい。塩基を使用することにより、著しく反応を速めることができる。塩基の具体例としては、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、tert−ブトキシカリウム、水酸化ナトリウム、イオン交換樹脂等が挙げられる。
これらの塩基は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基の添加量は、(メタ)アクリレート化合物(4)中の水酸基1個に対して1.0〜2.0当量が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5当量である。1.0当量未満では反応性が低下する場合がある。一方、添加量が2.0当量を超えると反応時に副反応が起きる可能性がある。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と化合物(5)との反応における反応温度は、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜80℃である。さらに好ましくは10〜40℃である。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と化合物(5)との反応において用いられる溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等が挙げられるが、好ましくはテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタンである。
上記の条件にて反応を行うことで副反応が抑えられ、良好な収率、純度で芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)を得ることができる。また、室温付近で反応を行うことで芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)同士の重合の可能性を低減することができる。
本発明の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)は、(メタ)アクリレート化合物(4)と、前記一般式(1)中のXと同じ有機基を有し末端がカルボン酸である化合物(以下、「化合物(6)」とも言う。)を反応させて合成することもできる。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)は前述と同様である。
化合物(6)としては、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、4−フェニル安息香酸、2−フェニル安息香酸、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、9−フルオレンカルボン酸等が挙げられる。好ましくは1−ナフトエ酸、4−フェニル安息香酸である。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と化合物(6)とを反応させる際のモル比は、(メタ)アクリレート化合物(4)中の水酸基のモル数:化合物(6)中のカルボン酸のモル数=1:1〜1:1.2が好ましい。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と、上記化合物(6)とを反応させる際には、縮合剤を使用することが好ましい。縮合剤を使用することによりカルボン酸を活性化することができ著しく反応を速めることができる。縮合剤の具体例としては、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1,1′−カルボニルジイミダゾール、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、メチル・3−メチル−2−フルオロピリジニウム・トシレート、メタンスルホニルオキシベンゾトリアゾール、1−プロピルホスホン酸環状無水物等が挙げられる。好ましくは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドである。
これらの縮合剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。縮合剤の添加量は、化合物(6)中のカルボン酸1個に対して1.0〜2.0当量が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5当量である。1.0当量未満では反応性が低下する場合がある。一方、添加量が2.0当量を超えると反応時に副反応が起きたり後処理が煩雑になったりする可能性がある。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と、上記化合物(6)との反応においては触媒として三級アミンを加えることができる。三級アミンを用いることで著しく反応を速めることができる。三級アミンの具体例としては、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン等が挙げられる。好ましくはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンである。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と化合物(6)との反応における反応温度は、好ましくは−10〜80℃、より好ましくは0〜60℃である。さらに好ましくは10〜40℃である。
上記(メタ)アクリレート化合物(4)と化合物(6)との反応において用いられる溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等が挙げられるが、好ましくはテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタンである。
上記の条件にて反応を行うことで副反応が抑えられ、良好な収率、純度で芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)を得ることができる。また、室温付近で反応を行うことで芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)同士の重合の可能性を低減することができる。
硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、少なくとも本発明の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物と重合開始剤とを含有する。
本発明においては重合開始剤として光重合開始剤あるいは熱重合開始剤が使用できる。耐熱性の低い基材にも使用可能であるという観点からは、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤を使用する場合は、紫外線あるいは可視光線などの活性エネルギー線を照射することで、硬化性組成物の含有成分の重合反応を起こし、硬化物を得ることができる。
このような光重合開始剤の具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2′−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。これら光重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤を使用する場合は、加熱することで芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)が重合反応を起こし硬化物を得ることができる。
熱重合開始剤の具体例としては、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。アゾ化合物としては、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等が挙げられる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。これら熱重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)100質量部に対して0.1〜5質量部であり、好ましくは0.5〜3質量部、より好ましくは0.5〜1質量部である。また本発明の硬化性組成物が後述のラジカル反応性成分すなわちウレタンオリゴマーおよび/または反応性モノマーを含有する場合には、重合開始剤の使用量は、芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)とラジカル反応性成分との合計量100質量部に対して通常0.1〜5質量部であり、好ましくは0.5〜3質量部、より好ましくは0.5〜1質量部である。重合開始剤の使用量を上記の範囲内にすることにより、芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)の重合速度が速くなり、また、硬化性組成物が酸素等による重合阻害を受けることもない。さらに、得られる硬化膜について高い強度、耐熱性を達成することができ、着色も起こりにくい。
本発明の硬化性組成物においては、その他の成分が含まれていてもよく、例えば、硬化性組成物100質量部に対して0.1質量部以下の重合禁止剤が含まれてもよい。重合禁止剤は保存中に硬化性組成物の含有成分が重合反応を起こすのを防止するために用いられる。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物のその他の成分としては、上記の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)と重合開始剤に加えて、さらにラジカル反応性成分として、ウレタンオリゴマーおよび/または反応性モノマーを含有してもよい。これらを含有することにより、得られる硬化物の特性、例えば、反応性、硬度、弾性、密着性などの機械特性、透明性などの光学特性を調整することができる。
上記ウレタンオリゴマーは、ウレタン結合とエチレン性不飽和結合とを有するオリゴマーであり、例えば、イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるウレタンモノマーが、2〜20個結合した比較的分子量の低い重合体を使用することができる。具体的には、荒川化学工業(株)製、商品名ビームセット102、502H、505A−6、510、550B、551B、575、575CB、EM−90、EM92、サンノプコ(株)製、商品名フォトマー6008、6210、新中村化学工業(株)製、商品名NKオリゴU−2PPA、U−4HA、U−6HA、U−15HA、UA−32P、U−324A、U−4H、U−6H、UA−160TM、UA−122P、UA−2235PE、UA−340P、UA−5201、UA−512、東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960、M−5700、アロンオキセタンOXT−101、共栄社化学(株)製、商品名AH−600、AT606、UA−306H、UF−8001、日本化薬(株)製、商品名カヤラッドUX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、日本合成化学工業(株)製、商品名、紫光UV−1700B、UV−3000B、UV−6100B、UV−6300B、UV−7000、UV−7600B、UV−7605B、UV−2010B、UV−6630B、UV−7510B、UV−7461TE、UV−3310B、UV−6640B、根上工業(株)製、商品名アートレジンUN−1255、UN−5200、UN−7700、UN−333、UN−905、HDP−4T、HMP−2、UN−901T、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、H−61、HDP−M20、UN−5500、UN−5507、ダイセルユーシービー(株)製、商品名Ebecryl6700、204、205、220、254、1259、1290K、1748、2002、2220、4833、4842、4866、5129、6602、8301等を挙げることができる。
これらは単独でも2種類以上を混合しても使用することができる。
上記反応性モノマーは、反応性希釈剤ともいい、エチレン性不飽和結合を有するモノマーであり、単官能性モノマーであっても多官能性モノマーであってもよく、具体的には、エチレン性不飽和芳香族化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、単官能(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。以下、それらについて具体的に列記する。
エチレン性不飽和芳香族化合物としては、例えば、ジイソプロペニルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−メトキシスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、エチレン性不飽和ピリジン、エチレン性不飽和イミダゾール等が挙げられる。
カルボキシル基含有不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類; トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレート類; ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類; フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類; メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類; ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類; ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類; シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート類; ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチル−イソシアヌレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシポリ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ基を分子内に2個以上有する化合物に(メタ)アクリル酸あるいはヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させたものが挙げられる。
ウレタンポリ(メタ)アクリレートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(繰り返し単位n=6〜15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたポリウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパンとコハク酸および(メタ)アクリル酸を反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、コハク酸、および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記に示したエチレン性不飽和結合を有するモノマーは、1種単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
その他の成分としては、さらに溶剤を含んでいてもよい。溶剤の配合によって、硬化性組成物の各成分の分散を助けることができる。
本発明の硬化性組成物の製造で用いられる溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類;アセトニトリル等が挙げられるが、好ましくは酢酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、ジクロロメタン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを挙げることができる。
本発明の硬化性組成物の粘度は、芳香族含有(メタ)アクリレート化合物(1)の構造や硬化性組成物中に配合する溶剤の量に依存するが、25℃で10mPa・s以上10,000mPa・s以下であることが好ましい。さらには50mPa・s以上5,000mPa・s以下であることより好ましく、100mPa・s以上2,000mPa・s以下であることが最も好ましい。
硬化性組成物の粘度が10,000mPa・sよりも高い場合、ハンドリング性が悪く作業性に劣る。尚、粘度の測定条件は、後述の実施例に記載の通りである。
硬化性組成物の製造方法
本発明の硬化性組成物は、本発明の芳香族含有(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤、さらに必要に応じて上記の溶剤以外のその他の成分を、室温または加熱条件下で、ミキサー、ボールミル、3本ロールなどの混合機により混合するか、あるいはさらに溶剤などを希釈剤として添加して溶解することによって、配合および調製することができる。
上記溶剤は単独でも2種類以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤の使用量は特に限定されないが、溶剤を除く硬化性組成物の成分の合計量100質量部に対して通常50〜200質量部、好ましくは50〜100質量部である。
硬化物の製造方法
本発明の硬化物は、例えば、基材上に前記硬化性組成物を塗布し、塗膜を形成した後、活性エネルギー線を照射することによって、あるいは加熱することによって硬化させて、得ることができる。硬化のために、活性エネルギー線の照射と加熱との両方を行ってもよい。
硬化性組成物を塗布する方法としては、例えば、バーコーター、アプリケーター、ダイコーター、スピンコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、ロールコーターなどによる塗布、スクリーン印刷などによる塗布、ディッピングなどによる塗布が挙げられる。
本発明の硬化性組成物の基材上への塗布量は特に限定されず、目的に応じて適宜調整することができ、塗布乾燥後の活性エネルギー線照射での硬化処理後に得られる塗膜の膜厚が、硬化物特性評価用としては1〜500μmとなる量が好ましく、5〜300μmとなる量がより好ましい。
硬化のために使用される活性エネルギー線としては、電子線、または紫外から赤外の波長範囲の光が好ましい。光源としては、例えば、活性エネルギー線が紫外線であれば超高圧水銀光源またはメタルハライド光源、可視光線であればメタルハライド光源またはハロゲン光源、赤外線であればハロゲン光源が使用できるが、この他にもレーザー、LEDなどの光源が使用できる。活性エネルギー線の照射量は、光源の種類、塗膜の膜厚などに応じて適宜設定される。
活性エネルギー線の照射量は、光源の種類、塗膜の膜厚などに応じて適宜設定されるが、好ましくは芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)のエチレン性不飽和基の反応率が80%以上、より好ましくは90%以上になるように適宜設定できる。反応率は、赤外吸収スペクトルにより、反応前後のエチレン性不飽和基の吸収ピーク強度の変化から算出される。
また、活性エネルギー線を照射して硬化させた後、必要に応じて加熱処理またはアニール処理をして硬化をさらに進行させても良い。その際の加熱温度は、80〜200℃の範囲にあることが好ましい。加熱時間は10〜60分の範囲にあることが好ましい。
本発明の硬化性組成物の硬化のために加熱処理により熱重合させる場合は、加熱温度は80〜200℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜150℃の範囲である。加熱温度が80℃より低いと、加熱時間を長くする必要があり経済性に欠ける傾向にあり、加熱温度が200℃より高いと、エネルギーコストがかかる上に加熱昇温時間および降温時間がかかるため、経済性に欠ける。
加熱時間は、加熱温度、塗膜の膜厚などに応じて適宜設定されるが、好ましくは芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)のエチレン性不飽和基の反応率が80%以上、より好ましくは90%以上になるように適宜設定できる。反応率は、赤外吸収スペクトルにより、反応前後のエチレン性不飽和基の吸収ピーク強度の変化から算出される。
硬化物
上記の方法で得られた本発明の硬化物は、屈折率が1.55以上であることが好ましい。さらには、1.56以上であることがより好ましく、1.57以上であることがさらにより好ましく、1.58以上であることが最も好ましい。
硬化物の屈折率が1.55よりも小さい場合、光学レンズ等の中央部が厚くなり、プラスチックの特徴である軽量性が損なわれてしまうことがある。
本発明の硬化物の屈折率は、1.65以下であることが好ましく、1.64以下であることがより好ましい。硬化物の屈折率が1.65よりも大きい場合、光の表面反射と散乱損失により透明性が低下することがある。
上記の方法で得られた本発明の硬化物は、ガラス転移温度が80℃以上であることが好ましい。さらには、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが最も好ましい。
硬化物のガラス転移温度が80℃よりも低い場合、耐熱性に劣り、着色、反りが発生する場合がある。ここで、ガラス転移温度は、後述の実施例の項に記載した方法で求められた温度である。
本発明の硬化物のガラス転移温度は、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましい。硬化物のガラス転移温度が200℃よりも高い場合、加工性に懸念が生じることがある。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何らの限定を受けるものではない。
[芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(1)の合成]
(実施例1)芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)
反応容器中にトルエン(純正化学(株)製)300質量部、グリセロールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)96質量部、トリエチルアミン(東京化成工業(株)製)43質量部を入れて撹拌した。その後、氷冷下にて1−ナフトイルクロリド(東京化成工業(株)製)80質量部を徐々に滴下し、室温にて撹拌を行った。その後約15時間経過後、高速液体クロマトグラフィーで原料のグリセロールジメタクリレートがほぼ消失したことを確認し、反応液に純水を加えて反応を終了した。続いて、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水を用いて酢酸エチル相を2回洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)を得た。
この芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)の粘度は、後述の溶液1の粘度との差が約±20%以内で同等の値が得られた。測定条件は、溶液1と同じである。
芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)の1H−NMRチャートを図1に示す。1H−NMRはBruker社製AMX400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。1H−NMRチャートの帰属を以下に示す。1H−NMRの結果から、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)は下記式(6)で示される分子構造を有することがわかった。
Figure 2010092936
1.93ppm:H3、H7
4.43−4.58ppm:H4、H6
5.59ppm:H1、H9
5.68ppm:H5
6.14ppm:H2、H8
7.47−7.59ppm:H11、H14、H15
7.88ppm:H13
8.02ppm:H12
8.15ppm:H10
8.84ppm:H16
(実施例2)芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(A−2)
実施例1において、グリセロールジメタクリレートに代えてグリセロールアクリレートメタクリレート(新中村化学工業(株)製)90質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(A−2)を得た。
この芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(A−2)の粘度は、後述の溶液2の粘度との差が約±20%以内で同等の値が得られた。測定条件は、溶液2と同じである。
(実施例3)芳香族基含有メタクリレート化合物(A−3)
実施例1において、1−ナフトイルクロリドに代えて2−ナフトイルクロリド(東京化成工業(株)製)80質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして芳香族基含有メタクリレート化合物(A−3)を得た。
この芳香族基含有メタクリレート化合物(A−3)の粘度は、後述の溶液3の粘度との差が約±20%以内で同等の値が得られた。測定条件は、溶液3と同じである。
(実施例4)芳香族基含有メタクリレート化合物(A−4)
実施例1において、1−ナフトイルクロリドに代えて4−フェニルベンゾイルクロリド(東京化成工業(株)製)91部を使用した以外は、実施例1と同様にして芳香族基含有メタクリレート化合物(A−4)を得た。
この芳香族基含有メタクリレート化合物(A−4)の粘度は、後述の溶液4の粘度との差が約±20%以内で同等の値が得られた。測定条件は、溶液4と同じである。
(実施例5)芳香族基含有メタクリレート化合物(A−5)
窒素雰囲気下において、反応容器中にジクロロメタン(純正化学(株)製)1740質量部、グリセロールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)100質量部、4−フェニル安息香酸(東京化成工業(株)製)91質量部、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(東京化成工業(株)製)29部を入れて撹拌した。その後、氷冷下にて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(東京化成工業(株)製)46質量部を10分かけて添加し、さらに25分後に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド46質量部を8分かけて添加し室温にて撹拌を行った。その後12時間経過後、高速液体クロマトグラフィーで原料のグリセロールジメタクリレートがほぼ消失したことを確認し、反応液に0.5Nの塩酸水溶液を加えて反応を終了した。続いて、ジクロロメタンで抽出を行い、飽和重曹水、純水を用いてジクロロメタン相を洗浄した。ジクロロメタン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し芳香族基含有メタクリレート化合物(A−5)を得た。
芳香族基含有メタクリレート化合物(A−5)の1H−NMRチャートを図2に示す。1H−NMRはBruker社製AMX400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。1H−NMRチャートの帰属を以下に示す。1H−NMRの結果から、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−5)は下記式(7)で示される分子構造を有することがわかった。
Figure 2010092936
1.93ppm:H3、H7
4.41−4.52ppm:H4、H6
5.57−5.64ppm:H1、H5、H9
6.11ppm:H2、H8
7.38−7.47ppm:H13、H14、H15
7.59−7.66ppm:H11、H12、H16、H17
8.06−8.09ppm:H10、H18
(比較例1)(メタ)アクリレート化合物(B−1)
反応容器中にグリセロールアクリレートメタクリレート(新中村化学工業(株)製)150部、ジブチル錫ジラウリレート(東京化成工業(株)製)2部を入れて撹拌した。その後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製、商品名カレンズAOI(登録商標))99部を徐々に滴下し、室温にて撹拌を行った。高速液体クロマトグラフィーで原料のグリセロールアクリレートメタクリレートがほぼ消失したことを確認して反応を終了した。続いて、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT、純正化学(株)製)200ppm含有ヘキサン150部を用いて反応液を4回洗浄して、(メタ)アクリレート化合物(B−1)を得た。
この(メタ)アクリレート化合物(B−1)の粘度は、後述の溶液5の粘度との差が約±20%以内で同等の値が得られた。測定条件は、溶液5と同じである。
[硬化性組成物の調製]
(実施例6)硬化性組成物(溶液1)
紫外線を遮蔽した容器中において、実施例1で調製した芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)100質量部、光重合開始剤としてエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート(BASFジャパン(株)製、商品名Lucirin TPO−L)1質量部を配合し、室温で撹拌混合し、均一に溶解させて硬化性組成物(溶液1)を得た。
(実施例7)硬化性組成物(溶液2)
実施例6において、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)に代えて芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物(A−2)を使用した以外は、実施例6と同様にして硬化性組成物(溶液2)を得た。
(実施例8)硬化性組成物(溶液3)
実施例6において、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)に代えて芳香族基含有メタクリレート化合物(A−3)を使用した以外は、実施例6と同様にして硬化性組成物(溶液3)を得た。
(実施例9)硬化性組成物(溶液4)
実施例6において、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)に代えて芳香族基含有メタクリレート化合物(A−4)を使用した以外は、実施例6と同様にして硬化性組成物(溶液4)を得た。
(比較例2)比較硬化性組成物(溶液5)
実施例6において、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)に代えて(メタ)アクリレート化合物(B−1)を使用した以外は、実施例6と同様にして比較硬化性組成物(溶液5)を得た。
(比較例3)比較硬化性組成物(溶液6)
実施例6において、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)に代えてo−フェニルフェノキシエチルアクリレート(東亞合成(株)製)を使用した以外は、実施例6と同様にして比較硬化性組成物(溶液6)を得た。
(比較例4)比較硬化性組成物(溶液7)
実施例6において、芳香族基含有メタクリレート化合物(A−1)に代えてビスアリールフルオレン骨格化合物(大阪ガスケミカル(株)製、商品名オグソールEA−0200)を使用した以外は、実施例6と同様にして比較硬化性組成物(溶液7)を得た。
[硬化物の製造]
上記の実施例6〜9で調製した硬化性組成物(溶液1〜4)および比較例2〜4で調製した比較硬化性組成物(溶液5〜7)をそれぞれ別々のガラス基板(50mm×50mm)上に、硬化物の厚みが200μmになるように膜状に塗布した。引き続き、超高圧水銀ランプを組み込んだ露光装置で4J/cm2露光し塗膜を硬化させ、硬化物を得た。
[性能評価方法]
(1)粘度
硬化性組成物(溶液1〜7)の粘度は、B型粘度計DV−II+Pro(BROOKFIELD社製)を用いて、ローターNo.42、回転数1〜7rpm、測定温度25℃にて測定した。結果を表1に示した。
硬化性組成物は、粘度が適度に低いほどハンドリング性が良好であると言える。
(2)屈折率
得られた硬化物の屈折率は、多波長アッベ屈折率計DR−M2(Atago社製)を用いて、測定温度25℃で測定した。測定波長は589nmとした。結果を表1に示した。
(3)全光線透過率
得られた硬化物の全光線透過率は、ヘイズメーターCOH400(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。結果を表1に示した。
(4)ガラス転移温度(Tg)
得られた硬化物を、縦30mm、横5mm、厚さ200μmの形状に加工し、DMS6100(セイコー電子工業(株)製)を用いて、引張モード、温度範囲20〜300℃、昇温速度2℃/分、周波数1Hzにてtanδ値を測定し、tanδ値のピークの温度をガラス転移温度とした。結果を表1に示した。
硬化物は、ガラス転移温度が高いほど、耐熱性が良好であると言える。
(5)鉛筆硬度
得られた硬化膜について、JIS−K5600に準拠し、三菱鉛筆(株)製ユニ(登録商標)を用いて鉛筆と硬化膜の角度が45度になるようにして引っ掻き、傷がつかない最大硬さの鉛筆を測定し、その硬さを鉛筆硬度として表1に示した。
Figure 2010092936
表1より、本発明の実施例6〜9の組成物は低粘度でありハンドリング性が良好である。また、硬化物の屈折率が1.55以上であるとともに、全光線透過率も良好であり、光学レンズ等の材料に好適に使用することができる。さらに、硬化物のガラス転移温度が80℃以上であることから耐熱性も良好である。さらに、鉛筆硬度も3H以上の硬度があり、コーティング材としても好適に使用することができる。
これに比較して、(メタ)アクリレート化合物(B−1)を含有する比較例2は、組成物の粘度、硬化物の透明性、耐熱性および鉛筆硬度は良好であるが、硬化物の屈折率が中程度であり光学材料としては劣る。
また、o−フェニルフェノキシエチルアクリレートを含有する比較例3は、組成物の粘度、硬化物の屈折率および透明性は良好であるが、単官能であるため硬化物の耐熱性に劣り、鉛筆硬度も低い。
ビスアリールフルオレン骨格化合物を含有する比較例4は、硬化物の屈折率および耐熱性は良好であるものの、組成物の粘度が非常に高くハンドリング性に劣る。
以上説明したように、本発明の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物および硬化性組成物は粘度が低くハンドリング性に優れており、作業性を向上させることができる。
また、該芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物は、高屈折率でありかつ透明性、耐熱性も良好であり、光学材料として好適である。光学材料としては、例えば、透明板、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等が挙げられる。
さらに、該芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物は、鉛筆硬度にも優れておりコーティング材としても好適である。コーティング材としては、液晶テレビ、パソコン、携帯電話のディスプレイ、タッチパネル等が挙げられる。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2010092936
    (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Xは、芳香環を有する炭素数が6〜30の有機基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)
  2. 下記一般式(2)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2010092936
    (式中R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)
  3. 下記一般式(3)で表される芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2010092936
    (式中R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、aおよびbはそれぞれ独立に0〜3の整数である。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  5. 芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、重合開始剤を0.1〜5質量部含有することを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. さらにウレタンオリゴマーおよび/または反応性モノマーを含有する、請求項4に記載の硬化性組成物。
  7. 芳香族基含有(メタ)アクリレート化合物、ウレタンオリゴマーおよび反応性モノマーの合計量100質量部に対して、重合開始剤を0.1〜5質量部含有することを特徴とする請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. 25℃の粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下である請求項4〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 請求項4〜8のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られ、屈折率が1.55以上1.65以下である硬化物。
  10. 請求項4〜8のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られ、ガラス転移温度が80℃以上200℃以下である硬化物。
  11. 請求項4〜8のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られるコーティング材料。
  12. 請求項4〜8のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られる光学材料。
  13. 請求項4〜8のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られるレンズ。
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