JPWO2010074126A1 - 組換え鶏伝染性コリーザワクチン及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

組換え鶏伝染性コリーザワクチン及びその製造方法を提供する。アビバクテリウム・パラガリナラムA型菌及びC型菌の菌体外膜タンパク質由来の各ペプチドからなる融合ペプチドを封入体として生産する大腸菌を構築し、当該大腸菌を培養した培養物から封入体を回収・精製し、得られた封入体を製剤化する工程を含む、組換え鶏伝染性コリーザワクチンの製造方法及び前記融合ペプチドを有効成分として含有する組換え鶏伝染性コリーザワクチン。融合ペプチドの結合部分にリンカー配列を挿入してもよい。A型菌及びC型菌由来のペプチドとして、共に感染防御能を担う領域2内又はその近傍のアミノ酸配列領域が使用される。

Description

本願発明は、組換え鶏伝染性コリーザワクチン及びその製造方法に関する。詳細には、アビバクテリウム・パラガリナラム(Avibacterium paragallinarum:以下、「A.pg」と称することもある)A型菌の菌体外膜タンパク質の一部とA.pgC型菌の菌体外膜タンパク質の一部からなる融合ペプチドを有効成分として含有する組換え鶏伝染性コリーザワクチン及びその製造方法に関する。
鶏の重要な呼吸器官系疾病として、A.pgの感染によって発症する鶏伝染性コリーザがある。鶏伝染性コリーザを発症した鶏は、主な症状として鼻汁の漏出、顔面の腫脹あるいは流涙を呈する。鶏伝染性コリーザは、鶏の育成率の低下、産卵開始の遅延、産卵率の低下あるいは産卵停止をもたらすため、その経済的損失は大きい。
Pageらは、A.pgを血清型の違いに基づいてA、B及びC型の3つの型に分類し(例えば、非特許文献1参照)、Sawataらは、1型及び2型の2つの型に分類した(例えば、非特許文献2参照)。その後、Kumeらにより、PageらのA型はSawataらの1型に、PageらのC型はSawataらの2型に相当することが報告され(例えば、非特許文献3及び4参照)、今日では、A.pgのA型(1型)菌(以下、「A.pgA型菌」と称することもある)とC型(2型)菌(以下、「A.pgC型菌」と称することもある)が鶏伝染性コリーザの主要な原因菌とされている。
鶏伝染性コリーザの予防に関しては、従来、A.pgA型菌やA.pgC型菌の菌体をホルマリンやチメロサール等で不活化した不活化ワクチンが広く使用されており、その予防効果において良好な成績を収めているものの、一方で、これらの不活化ワクチンを投与した場合、接種鶏の局所に壊死病巣の形成が見られるなど副作用の問題が指摘されている(例えば、非特許文献5参照)。このような状況下、安全なワクチン開発の取り組みとして、遺伝子組換え技術により取得した感染防御抗原をワクチンとする組換えワクチンの研究が行われている。
例えば、徳永らは、A.pgA型菌の菌体外膜タンパク質をコードする遺伝子(菌体外膜タンパク質遺伝子)を単離、同定し、同遺伝子の一部(HPG3.5kbp、HPG4.1kbp)を大腸菌で発現させて得たペプチドが鶏伝染性コリーザの感染防御抗原として有用であることを見出した。さらに、彼らは、該DNA断片をプローブとして、C型菌の菌体外膜タンパク質遺伝子を取得して、A型菌とC型菌における菌体外膜タンパク質遺伝子のオープンリーディングフレームの塩基配列を比較解析した。その結果、両者の相同性は全体で約80%であること、5'側の約3.4kbpの領域(以下、「領域1」と称することもある)と3'側の約1.2kbpの領域(以下、「領域3」と称することもある)は、非常に高いホモロジーを有すること、及び領域1と3に挟まれた約1.5kbpの領域(以下、「領域2」と称することもある)はホモロジーが低いことを明らかにした(例えば、特許文献1参照)。
徳永らの発見した菌体外膜タンパク質が鶏伝染性コリーザの防御抗原として重要であることは、野呂らによっても報告されている。野呂らは、A.pgA型菌の菌体外膜タンパク質遺伝子の一部である、4,801bp及び5,157bpのDNA断片にコードされるペプチドを鶏に免疫することにより、該ペプチドがA.pgA型菌に対するHI抗体の誘導能及びワクチン効果を有することを示し(例えば、特許文献2参照)、更に、A.pgC型菌の菌体外膜タンパク質遺伝子の一部である、約5.1kbpと5.5kbpのDNA断片にコードされるペプチドについても同様の機能及び効果があることを報告した(例えば、特許文献3参照)。
一方、山元らも、A.pgA型菌の菌体外膜タンパク質遺伝子の大部分を含む2,016bpのDNA断片にコードされるポリペプチドを用いて、鶏伝染性コリーザのワクチンとしての有用性を示したが(例えば、特許文献4参照)、彼らの報告したDNA断片の3'末端の約300bpは、徳永、野呂らが示した塩基配列とは大きく異なるものであった。
WO98/12331号公報 特許第4001117号公報 特開2008-156317号公報 特開2004-57078号公報 Am. J. Vet. Res., 23:85-95, 1962 Jpn. J. Vet. Sci., 40:645-652, 1978 Am. J. Vet. Res., 41:757-760, 1980 Am. J. Vet.Res., 41:1901-1904, 1980 Avian Dis., 15:109-117, 1971
上述したように、鶏伝染性コリーザの主たる原因菌であるA.pgA型菌及びA.pgC型菌の菌体外膜タンパク質又はその一部で構成されるペプチドが鶏伝染性コリーザの感染防御抗原として有用であることが明らかにされている。したがって、これらの感染防御抗原を混合することにより、効率良く鶏伝染性コリーザに対する免疫を行うことができる。しかしながら、単に混合ワクチンとする方法では、2つの感染防御抗原を別々に製造する必要があり、製造コストが嵩む。一般に、動物用ワクチンは、ヒト用ワクチンとは異なり、品質に加えて、低価格でなければ畜産農家に受け入れ難い。その為、動物用ワクチンには、より製造コストを抑えた生産方法が求められる。
本願発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、A.pgA型菌及びA.pgC型菌の菌体外膜タンパク質遺伝子の領域2(A.pgA型菌では3,639bpから5,162bp、A.pgC型菌では4,247bpから5,758bpの塩基配列;図1及び図2参照)を含む約1.6kbpの配列によってコードされるペプチド断片(A.pgA型菌では3,558bpから5,192bp、A.pgC型菌では4,166bpから5,788bpのDNA断片によってコードされるペプチド、以下、それぞれ「AΔ5-1」及び「CΔ5-1」と称することもある(図1及び図2参照))が鶏伝染性コリーザの防御抗原として有効であることを突き止め、AΔ5-1をコードするDNA断片とCΔ5-1をコードするDNA断片を連結して発現させた融合ペプチド(以下、「ACΔ5-1」と称することもある)は、融合した後においてもそれぞれの免疫原性を保持していること、さらにはAΔ5-1及びCΔ5-1をそれぞれ単独で発現させた場合と同等以上の鶏伝染性コリーザに対する感染防御効果を示すことを見出した。更に、CΔ5-1は、単独で発現させたときは可溶性の画分に発現するが、ACΔ5-1は封入体を形成して不溶性の画分に発現することを発見し、本願発明を完成するに至った。
従って、本願発明の目的は、A.pgA型菌の菌体外膜タンパク質の特定領域を含むペプチド断片とA.pgC型菌の菌体外膜タンパク質の特定領域を含むペプチド断片を結合させた融合ペプチドを有効成分とする鶏伝染性コリーザワクチン及びその製造方法を提供することにある。
以下、本願発明では、徳永等(特許文献1)が単離・同定したA.pgA型菌及びA.pgC型菌の菌体外膜タンパク質を総称して「HMTp210タンパク質」といい、A型菌及びC型菌のHMTp210タンパク質に由来するペプチド断片をそれぞれ「ペプチドA」及び「ペプチドC」と称することもある。
したがって、本願発明は、以下の通りである。
[1]A.pgA型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドA)とA.pgC型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドC)からなる融合ペプチドを封入体として産生する宿主を構築する工程、前記の宿主を培養し、培養物から封入体画分を回収、精製する工程、及び前記の精製封入体画分を含有する組成物を調製する工程を含む、組換え鶏伝染性コリーザワクチンの製造方法。
[2]ペプチドA及びペプチドCが、それぞれ600個以下のアミノ酸からなることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3]ペプチドAが配列番号1、27、28、29、30、31、32、33、34及び35で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列、並びにペプチドCが配列番号2、3、4、50、51、52、53、54、55及び56で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列であることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[4]ペプチドAが配列番号35で示されるアミノ酸配列を含み、ペプチドCが配列番号56で示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、[3]に記載の製造方法。
[5]ペプチドA又はペプチドCが、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、[3]又は[4]に記載の製造方法。
[6]融合ペプチドのペプチドAとペプチドCの比率が、ペプチドAが1に対してペプチドCが1〜3であることを特徴とする、[1]ないし[5]の何れかに記載の製造方法。
[7]融合ペプチドが、少なくとも一組のペプチドAのC末側にペプチドCを結合させた構造を含むものであることを特徴とする、[1]ないし[6]の何れかに記載の製造方法。
[8]融合ペプチドが、ペプチドAとペプチドAとの間、ペプチドCとペプチドCとの間又はペプチドAとペプチドCとの間にリンカーを有するものであることを特徴とする、[1]ないし[7]の何れかに記載の製造方法。
[9]融合ペプチドが、配列番号8、9、10、11、12、13、41、42、43、44、45、46、47、48、49、61、62、63、64、65、66及び67で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、[3]に記載の製造方法。
[10]A.pgA型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドA)とA.pgC型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドC)からなる融合ペプチドを有効成分として含有する組換え鶏伝染性コリーザワクチン。
[11]融合ペプチドが、宿主に生産させるときに封入体を形成する性質を有することを特徴とする、[10]に記載のワクチン。
[12]ペプチドA及びペプチドCが、600個以下のアミノ酸からなることを特徴とする、[10]に記載のワクチン。
[13]ペプチドAが配列番号1、27、28、29、30、31、32、33、34及び35で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列、並びにペプチドCが配列番号2、3、4、50、51、52、53、54、55及び56で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列であることを特徴とする、[10]に記載のワクチン。
[14]ペプチドAが配列番号35で示されるアミノ酸配列を含み、ペプチドCが配列番号56で示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、[13]に記載のワクチン。
[15]ペプチドA又はペプチドCが、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、[13]又は[14]に記載のワクチン。
[16]融合ペプチドのペプチドAとペプチドCの比率が、ペプチドAが1に対してペプチドCが1〜3であることを特徴とする、[10]ないし[15]の何れかに記載のワクチン。
[17]融合ペプチドが、少なくとも一組のペプチドAのC末側にペプチドCを結合させた構造を含むものであることを特徴とする、[10]ないし[16]の何れかに記載のワクチン。
[18]融合ペプチドが、ペプチドAとペプチドAとの間、ペプチドCとペプチドCとの間又はペプチドAとペプチドCとの間にリンカーを有するものであることを特徴とする、[10]ないし[17]の何れかに記載のワクチン。
[19]融合ペプチドが、配列番号8、9、10、11、12、13、41、42、43、44、45、46、47、48、49、61、62、63、64、65、66及び67で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、[13]に記載のワクチン。
[20]配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末側及び/又はC末側に1〜200のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列内であって、配列番号35で示されるアミノ酸配列を含む配列からなるペプチドを有効成分として含有する、組換え鶏伝染性コリーザワクチン。
[21]配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する、[20]に記載のワクチン。
[22]配列番号3で示されるアミノ酸配列のN末側及び/又はC末側に1〜200のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列内であって、配列番号56で示されるアミノ酸配列を含む配列からなるペプチドを有効成分として含有する、組換え鶏伝染性コリーザワクチン。
[23]配列番号3又は52で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する、[22]に記載のワクチン。
[24]ペプチドが、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたアミノ酸配列を有するものである、[21]又は[23]に記載のワクチン。
本願発明に従えば、A.pgA型菌のHMTp210タンパク質のペプチド断片とA.pgC型菌のHMTp210タンパク質のペプチド断片を結合させた融合ペプチドを有効成分とする鶏伝染性コリーザワクチン及びその製造方法が提供される。本願発明の鶏伝染性コリーザワクチンは、A.pgA型菌及びA.pgC型菌のそれぞれに起因する鶏伝染性コリーザを予防するための免疫を同時に付与することができる。
また、本願発明の方法に従えば、例えば、単独で発現させたときは可溶性の画分に発現するCΔ5-1を、AΔ5-1と結合させた一つの融合ペプチドとして発現させることにより、封入体を形成させ、不溶画分に発現させることができる。その結果、該融合ペプチドの精製が容易になるだけでなく、A.pgA型菌、A.pgC型菌のそれぞれに対応した感染防御抗原を1回の培養で作製できるので製造コストの低減をもたらす。
図1は、A.pgA型菌のHMTp210遺伝子(HMTp210A遺伝子)におけるAΔ5-1断片の位置を示す図である。図中に記載の塩基配列番号は、特許文献1(徳永ら)に開示された塩基配列番号に相当する。
図2は、A.pgC型菌のHMTp210遺伝子(HMTp210C遺伝子)におけるCΔ4c-1、CΔ5-1及びCΔ6b-1b断片の位置を示す図である。図中に記載の塩基配列番号は、特許文献1(徳永ら)に開示された塩基配列番号に相当する。
図3は、融合ペプチド産生大腸菌の破砕物を遠心分離した上清及び沈渣画分のSDS-PAGEの結果を示す写真である。M:マーカー、レーン1: AΔ5-1/CΔ4c-1(沈渣画分)、レーン2: AΔ5-1/CΔ4c-1(上清画分)、レーン3:ACΔ5-1(沈渣画分)、レーン4:ACΔ5-1(上清画分)、レーン5: AΔ5-1/CΔ6b-1b(沈渣画分)、レーン6: AΔ5-1/CΔ6b-1b(上清画分)。矢印は発現した融合ペプチドを示す。
図4は、A.pgA型菌のHMTp210遺伝子(HMTp210A遺伝子)における AΔ5-1、AΔ5-2、AΔ5-3、AΔ5-4、AΔ9-2、AΔ9-3、AΔ9-4、CΔ6-2、CΔ6-3及びCΔ6-4断片の位置を示す図である。図中に記載の塩基配列番号は、特許文献1(徳永ら)に開示された塩基配列番号に相当する。
図5は、A.pgC型菌のHMTp210遺伝子(HMTp210C遺伝子)におけるCΔ5-1、CΔ5-2、CΔ5-4、CΔ9-0、CΔ9-2、CΔ9-4、CΔ6-2及びCΔ6-4断片の位置を示す図である。図中に記載の塩基配列番号は、特許文献1(徳永ら)に開示された塩基配列番号に相当する。
図6は、融合ペプチド産生大腸菌の破砕物を遠心分離した沈渣画分のSDS-PAGEの結果を示す写真である。M:マーカー、レーン1: ACΔ5-1(沈渣画分)、レーン2: AΔ5-2/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン3: AΔ5-3/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン4: AΔ5-4/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン5: AΔ9-2/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン6: AΔ9-3/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン7: AΔ9-4/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン8: AΔ6-2/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン9: AΔ6-3/CΔ5-1(沈渣画分)、レーン10: AΔ6-4/CΔ5-1(沈渣画分)。矢印は発現した融合ペプチドを示す。
図7は、融合ペプチド産生大腸菌の破砕物を遠心分離した沈渣画分のSDS-PAGEの結果を示す写真である。M:マーカー、レーン1: ACΔ5-1(沈渣画分)、レーン2: AΔ5-1/CΔ5-2(沈渣画分)、レーン3: AΔ5-1/CΔ5-4(沈渣画分)、レーン4: AΔ5-1/CΔ9-0(沈渣画分)、レーン5: AΔ5-1/CΔ9-2(沈渣画分)、レーン6: AΔ5-1/CΔ9-4(沈渣画分)、レーン7: AΔ5-1/CΔ6-2(沈渣画分)、レーン8: AΔ5-1/CΔ6-4(沈渣画分)。矢印は発現した融合ペプチドを示す。
図8は、ペプチドC産生大腸菌の破砕物を遠心分離した上清又は沈渣画分のSDS-PAGEの結果を示す写真である。M:マーカー、レーン1:CΔ5-1-pQE(上清画分)、レーン2: CΔ5-2-pQE(上清画分)、レーン3: CΔ5-4-pQE(上清画分)、レーン4: CΔ9-0-pQE(上清画分)、レーン5: CΔ9-2-pQE(上清画分)、レーン6: CΔ9-4-pQE(上清画分)、レーン7: CΔ6-2-pQE(沈渣画分)、レーン8: CΔ6-4-pQE(上清画分)。矢印は発現した融合ペプチドを示す。
本願発明の特徴は、アビバクテリウム・パラガリナラム(「A.pg」と略す)A型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチドAとA.pgC型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチドCからなる封入体形成融合ペプチドを作製する工程を含む、組換え鶏伝染性コリーザワクチンの製造方法にある。より具体的には、本願発明の特徴は、A.pgA型菌のHMTp210タンパク質のペプチド断片及びA.pgC型菌のHMTp210タンパク質のペプチド断片で構成される融合ペプチドを封入体として産生する宿主を構築する工程、前記の宿主を培養し、培養物から封入体画分を回収、精製する工程、及び前記の精製封入体画分を含有する組成物を調製する工程、を含む鶏伝染性コリーザワクチンの製造方法及び前記融合ペプチドを有効成分として含有する鶏伝染性コリーザワクチンにある。
A.pgA型菌のHMTp210タンパク質のアミノ酸配列(配列番号25)をコードする遺伝子(以下、「HMTp210A遺伝子」と称することもある)及びA.pgC型菌のHMTp210タンパク質のアミノ酸配列(配列番号26)をコードする遺伝子(以下、「HMTp210C遺伝子」と称することもある)の一部からなるDNA断片は、以下の方法に従って取得することができる。
A.pgA型菌及びA.pgC型菌には種々の分離株が存在するが、本願発明における使用に際しては特に限定されない。これまでにA.pgA型菌として、例えば221株、O83株及びW株など、A.pgC型菌として、例えば53-47株、モデスト株及びHK-1株などが分離されており、これらの株間には、1個から数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加した変異が見られるが、本発明には、いずれの株を使用しても良い。
A.pgA型菌及びA.pgC型菌の増殖には、ポリペプトン、ブドウ糖、カザミノ酸、グルタミン酸ナトリウム、酵母エキス、塩化ナトリウム、鶏肉水、βNAD、鶏血清等を適当に含有する培地が使用される。本願発明では、小・中容量の菌体増殖のために、鶏血清加鶏肉汁培地(培地1,000mL中、ポリペプトンS 5g、カザミノ酸1g、塩化ナトリウム5g、L-グルタミン酸ナトリウム5g、グルコース1g、酵母エキス10g、鶏肉水175mL、鶏血清25mL、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(β-NAD)0.025%を含む)を使用した。培養条件は、通常、温度37℃、期間16〜24時間の範囲で設定されるが、使用目的、培養形態、植え付けた菌量、培地スケール等に応じて適宜調節すればよい。
培養液中の菌体は、遠心分離(5,800g,20分間)により沈渣に回収される。HMTp210A遺伝子及びHMTp210C遺伝子(以下、特に両者を区別する必要がない場合は単に「HMTp210遺伝子」と称することもある)は、菌体から抽出したゲノムDNAを出発材料として、Sambrookらが述べている一般的な遺伝子組換え技術(Molecular Cloning, A Laboratory Manual Second Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, N.Y., 1989)に従って調製することができる。また、市販のキットが使用される。例えば染色体DNAの抽出には、ピュアジーンキット(Gentra Systems社)、セパジーンキット(三光純薬)、ISOPLANT(和光純薬)などが使用される。
より具体的には、遠心分離により回収された菌体からピュアジーンキット(Gentra Systems社)等を用いて染色体DNAを抽出し、徳永らの方法(特許文献1)に従って、菌体のゲノムDNAライブラリーを調製する。得られたDNA断片を鋳型(テンプレート)として、Prime STAR HS DNA Polymerase(タカラバイオ株式会社)を用いて、添付のプロトコールに従い、PCR法により目的のサイズのDNA断片が増幅される。PCRに用いるプライマーは、徳永らが開示したA.pgA型菌及びA.pgC型菌由来のHMTp210遺伝子の塩基配列(特許文献1)に基づいて設計される。PCR用プライマーは、DNA合成受託機関(例えば、シグマジェノシスジャパン社)などに依頼すれば容易に入手可能である。このとき上流側Primerの5'末端及び下流側Primerの5'末端に適当な制限酵素切断部位の塩基配列が付加される。
本願発明の融合ペプチドをコードするDNA断片は、上記で得られたHMTp210A遺伝子のDNA断片とHMTp210C遺伝子のDNA断片を直接にあるいは一旦制限酵素で切断した後、DNA合成酵素で結合させることにより得られる。このとき、HMTp210A遺伝子のDNA断片とHMTp210C遺伝子のDNA断片との間に適当なサイズのアミノ酸配列からなるリンカーをコードするDNA断片を付加してもよい。アミノ酸としては、自由度の大きいグリシン、セリンなどの中性アミノ酸の使用が好ましく、一種類のアミノ酸からなるリンカー又は二種類以上のアミノ酸からなるリンカーが使用される。リンカーのサイズは、一般的には5〜20アミノ酸が使用されるが、好ましくは、10〜15アミノ酸である。
本願発明には、A.pgA型菌及びA.pgC型菌に対する感染防御能を有し、且つ封入体を形成する融合ペプチドをコードするHMTp210A遺伝子及びHMTp210C遺伝子のDNA断片が使用される。このようなDNA断片として、例えば、菌体外膜タンパク質の領域2のペプチドをコードするDNA断片、同領域2とそのN末側及び/又はC末側のアミノ酸配列が付加されたペプチドをコードするDNA断片、同領域2とそのN末側又はC末側のアミノ酸配列が付加され、一方の反対側のN末側又はC末側のアミノ酸配列が欠失したペプチドをコードするDNA断片、同領域2のN末側及び/又はC末側のアミノ酸配列が欠失したペプチドをコードするDNA断片が挙げられる。上記の付加又は欠失されるアミノ酸配列の個数は、1〜200個、好ましくは30〜150個である。
好ましくは、配列番号1、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34及び配列番号35で示されるアミノ酸配列からなるA.pgA型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド、及び配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55及び配列番号56で示されるアミノ酸配列からなるA.pgC型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチドをコードするDNA断片である。上記のペプチドのアミノ酸の1ないし数個が置換、欠失又は付加された変異ペプチドをコードするDNA断片を使用することもできる。ここで、「アミノ酸の1ないし数個が置換、欠失又は付加された変異ペプチド」とは、アミノ酸が1個、2個、3個、4個又は5個が置換、欠失又は付加された変異ペプチドをいう。このような変異ペプチドをコードするDNA断片は、上記のペプチドをコードするDNA断片に相補的な塩基配列を有するDNA断片とストリンジェントな条件でハイブリダイズさせる方法やサイトダイレクティドミュータジェネシスによる変異導入法により得ることができる。いずれもキットが市販されているのでこれらを利用すればよい。
また、HMTp210A遺伝子由来のDNA断片及びHMTp210C遺伝子由来のDNA断片は、融合ペプチドが封入体を形成するならば如何なる組み合わせであってもよい。例えば、融合ペプチドをコードするDNA断片は、HMTp210A遺伝子由来のDNA断片の下流にHMTp210C遺伝子由来のDNA断片を結合させたものでもよく、その逆であってもよい。更に、融合ペプチドをコードするDNA断片をタンデムに結合させてもよく、また、HMTp210A遺伝子由来のDNA断片を2個以上連結したものの下流にHMTp210C遺伝子由来のDNA断片を2個以上連結することもできる。また、融合ペプチドをコードするDNA断片は、HMTp210A遺伝子由来のDNA断片1に対して、HMTp210C遺伝子由来のDNA断片1〜3の比率で構成される。好ましくは、当該比率は、1:1である。得られたDNA断片の塩基配列は、一旦pBluescript II SK+(ストラタジーン社)又はpCR2.1-TOPO(インビトロジェン社)にクローニングした後、DNAシークエンサー(ABI Prism 377アプライドバイオシステムズ社)により決定される。
こうして得られたA.pgA型菌及びA.pgC型菌由来のDNA断片あるいは融合ペプチドをコードするDNA断片を適当な発現ベクターに組み込み、これを宿主に導入することによって、各DNA断片の発現が行なわれる。外来蛋白やペプチドの発現には細菌、酵母、動物細胞、植物細胞及び昆虫細胞などが常用されるが、封入体を形成するものであれば如何なる宿主を使用してもよい。宿主細胞を形質転換するときには公知の方法を利用すればよい。例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、リポフェクチン系のリポソームを用いる方法、プロトプラストポリエチレングリコール融合法、エレクトロポレーション法、ヒートショック法などが利用でき、使用する宿主細胞により適当な方法を選択すればよい。好ましくは、外来タンパク質を大量に発現させることができる大腸菌が使用される。
大腸菌発現用に、trpプロモーター、T7プロモーター、cspAプロモーターなどを有する種々の発現ベクターが開発・市販されているのでこれらの中から適宜選択して使用すればよい。このような発現ベクターとして、例えば、pET-11d(メルク株式会社)やpQE30(キアゲン社)が挙げられる。発現ベクターに合わせて適当な大腸菌、例えば、BL21、HMS174、DH5α、HB101、JM109などが宿主として選択される。大腸菌の形質転換は、市販のコンピテントセルを用い、添付の方法に従って行うことができる。こうして目的のポリペプチドを産生する組換え大腸菌が得られる。大腸菌の培養に使用される培地(例えば、LB、SOC、SOBなど)、形質転換体の選択に用いられる試薬(例えば、アンピシリンなど)及び発現誘導に使用される試薬(例えば、インドール酢酸(IAA)、イソプロピルチオ−ベータ−D−ガラクトピラノシド(IPTG))は、一般に市販されているものを使用すればよい。また、培地のpHは、大腸菌の増殖に適した範囲(pH6〜8)で用いられる。
目的のペプチド(目的物)を発現している組換え大腸菌のスクリーニングは、以下のように行われる。発現誘導剤(本発明に使用した発現システムではIPTGを使用)の存在下に、培養・増殖した菌体を遠心分離(9,100g、5分間)により回収し、これに一定の蒸留水あるいはPBSを加え懸濁した後、超音波処理、又はフレンチプレス、マントンゴーリン等のホモジナイザーにより菌体を破砕し、遠心分離(例えば、17,800g、15分間)して沈渣及び上清を分離・回収する。蒸留水に、適宜界面活性剤(例えば、Triton X100)、キレート剤(例えば、EDTA)、リゾチーム等を添加してもよい。回収した上清及び沈渣の一定量をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、クマシーブリリアントブルーで染色した後、分子サイズ及び染色像から目的物の発現を確認する。なお、目的物の確認(または検出)には、上記の分子サイズに基づく方法以外に、ELISA法、ウェスタンブロット法、ドットブロット法などの抗原抗体反応に基づく方法が取られることもある。いずれも大腸菌で発現させた外来タンパク質やポリペプチドを検出する際の一般的な方法であり、目的に応じて適宜選択すればよい。こうして沈渣に回収されるクローン、すなわち、封入体を形成する融合ペプチド産生クローンが選択される。
上記の融合ペプチド産生クローンから封入体を回収するときは、以下の方法に従えばよい。先ず、遠心分離機や適当サイズのMF膜(旭化成社製)を用いて菌体が回収される。回収した菌体を適切な方法で破砕し、融合ペプチドからなる封入体を菌体外に放出させる。菌体の破砕には、例えば、化学物質、界面活性剤、酵素などで溶解させる方法またはフレンチプレスや超音波処理などの物理的処理による方法が取られるが、何れの方法でもよい。これらの方法をいくつか組み合わせることにより、より効果的に菌体を破砕することができる。
例えば、MF膜で回収した菌体を脱イオン水で希釈濃縮して残存する培地成分及び菌体の代謝産物等を除去した後、適当な緩衝液及びリゾチームを加え、低温(4〜15℃)で一晩静置して菌体の細胞壁を溶解し、この菌体処理液を、500〜600kg/cm2の条件でフレンチプレス(マントンゴーリン社製)にかけ、菌体を破砕する。緩衝液の種類は、トリスバッファーなどリゾチームが作用するpH範囲(7.5〜9)で緩衝能力を有するものであれば特に制限されない。当該緩衝液の濃度は、一般に緩衝液として使用される範囲(10〜50mM)で使用すればよい。リゾチームは、0.3〜1.0g/Lの濃度で使用される。例えば、20mMのpH8.5のトリスバッファーを加え、リゾチーム(0.6g/L)を添加し、4℃で一晩静置して菌体の細胞壁を溶解する。フレンチプレスで菌体を破砕した後、緩衝液や脱イオン水とMF膜でこの破砕液の希釈と濃縮を繰り返すことにより大部分の菌体成分が除去される。場合によっては、Triton-X100等の界面活性剤を添加することもある。封入体は、濃縮した封入体含有溶液を遠心分離することにより、沈殿として回収される。
回収した封入体は、一旦、変性剤を含有する溶液で溶解される。変性剤として、尿素、グアニジン塩酸塩などを用いることができるが、好ましくは、尿素である。斯かる尿素及びグアニジン塩酸塩は、それぞれ4〜8M及び2〜6Mの濃度範囲で使用される。本願発明においては、8M尿素を使用するのが好ましい。変性剤及び還元剤を溶解する際には、pH6〜9の緩衝液が用いられる。好ましくは、pH7〜8である。緩衝液は、上記のpH範囲で緩衝能力を有する燐酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液、炭酸緩衝液など何れを使用してもよい。溶解時の温度は、40℃以下であれば特に制限する必要はない。溶解時間は、封入体の溶解状況を見ながら設定すればよく、通常、30分〜1時間攪拌される。
次に、封入体の溶解液に、当該溶解液に対して10〜20倍量の緩衝液を添加する、あるいは緩衝液に対して透析することにより、融合ペプチドのリフォールディング、すなわち正常な立体構造の再構築が行われる。リフォールディングするときの緩衝液の種類及び濃度、pHは、封入体を溶解するときと同じものを使用すればよい。リフォールディング時の温度は、室温以下であれば特に制限する必要はない。リフォールディングは、1〜7日間、好ましくは、3〜4日間、静置することにより行われる。
融合ペプチド含有溶液は、必要に応じて次の精製工程に供される。斯かる精製工程には、一般に、蛋白質化学において使用される精製方法、例えば、遠心分離、塩析法、限外ろ過法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換クロマト法、ゲルろ過クロマト法、アフィニティークロマト法、疎水クロマト法、ハイドロキシアパタイトクロマト法などの方法を組み合わせた方法が使用される。得られた蛋白質やポリペプチドの量は、BCA Protein Assay Reagent Kit(Pierce Biotechnology, Inc)、Protein Assay Kit (BIO-RAD, Inc)などの蛋白測定試薬を用いて測定される。
本発明の融合ペプチドの鶏伝染性コリーザワクチンとしての有用性は、当該融合ペプチド含有溶液で鶏を免疫し、得られる血清中のA.pgA型菌及びA.pgC型菌に対する抗体価を調べることにより、あるいは当該免疫鶏を強毒菌で攻撃試験を行い鶏の生死、顔面腫脹、鼻汁漏出、流涙などの臨床症状を観察することにより示すことができる。鶏に免疫するときには、融合ペプチドに後述の製剤化に使用される免疫賦活剤(アジュバント)を添加することもある。投与方法については、特に制限はなく、例えば、皮下、皮内、腹腔内、点鼻等に、通常1〜3回、2〜4週間隔で投与される。
本発明の融合ペプチドをワクチンとして製剤化するときには、当該融合ペプチド含有液をメンブランフィルター等で無菌ろ過し、これに、必要に応じて水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、ミネラルオイル及びノンミネラルオイル等の免疫賦活剤(アジュバント)、ポリソルベート80、アミノ酸及びラクトースやスクロース等の糖等の安定剤及びホルマリン、チメロサール、2−フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、塩化ベンゼトニウム及び塩化ベンザルコニウム等の保存剤が添加される。また、賦形剤としての効果を有するラクトース、スクロース等の糖を添加することにより、凍結乾燥製剤として製剤化することも可能である。こうして本発明の融合ペプチドを有効成分として含有するワクチンが製造される。
得られたワクチンは、単独で鶏伝染性コリーザワクチンとして使用してもよく、他のウイルス(例えば、鶏伝染性気管支炎ウイルス、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス、鶏脳脊髄炎ウイルス、産卵低下症候群ウイルス)、細菌(例えば、サルモネラ・チフィムリウム、サルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・プローラム)及び原虫(例えばロイコチトゾーム・カウレリー、アイメリア・テネラ、アイメリア・マキシマ)に対するワクチンよりなる群から選択される少なくとも1種類のワクチンと組み合わせることにより混合ワクチンとして使用することもできる。
以下、実施例に従い、本願発明を更に詳細に説明するが、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
《融合ペプチド発現用プラスミドの構築》
A.pgA型菌221株及びA.pgC型菌53-47株のゲノムDNAライブラリーを徳永らの方法(特許文献1)により調製した。簡単には、遠心分離(トミー精工、RD-20PIV、4,400g、20分間)により回収した菌体からピュアジーンキット(Gentra Systems社)を用いてゲノムDNAを抽出し、そのDNAを鋳型(テンプレート)として、Prime STAR HS DNA Polymerase(タカラバイオ株式会社)を用いてPCRを行い、A.pgA型菌及びA.pgC型菌のHMTp210タンパク質遺伝子のDNA断片を増幅した。PCR条件は、98℃で1分反応の後、熱変性(98℃で10秒間)、アニーリング(55℃で15秒間)、伸長反応(72℃で120秒間の反応)を15サイクル実施し、停止反応(72℃で7分間)で行った。
各DNA断片及び増幅に用いたPCRプライマーの名称と配列番号を表1に示す。A.pgA型菌のDNA断片を増幅するための5'プライマーにNcoI認識配列を、3'プライマーにBamHI認識配列を付加し、A.pgC型菌のDNA断片を増幅するためのプライマーには、5'及び3'プライマーのいずれにもBamHI認識配列を付加した。図1及び2に、得られた各DNA断片の位置関係を示す。なお、表中のDNA断片の欄に記載の配列番号は各DNA断片によりコードされるアミノ酸配列を示す。
Figure 2010074126
発現プラスミドは、以下の通り作出した。まず、AΔ5-1をNcoI及びBam HIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。得られた断片を、NcoI及びBamHIで消化した発現ベクターpET-11d(メルク株式会社)に結合し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株(メルク株式会社)を形質転換した。この形質転換体からWizard Plus SV Minipreps DNA Purification System(Promega社)を用いて発現プラスミド(pET-11d-AΔ5-1)を抽出した。
次に、CΔ4c-1、CΔ5-1及びCΔ6b-1bをBamHIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。さらに、得られた断片を、予めBamHIで消化したpET-11d-AΔ5-1に正方向で連結し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株(メルク株式会社)を形質転換し、各発現プラスミド(pET-11d-AΔ5-1-CΔ4c-1、pET-11d-AΔ5-1-CΔ5-1及びpET-11d-AΔ5-1-CΔ6b-1b)を得た。構築された各発現プラスミドにおいて、CΔ4c-1、CΔ5-1及びCΔ6b-1bはAΔ5-1の直下に正方向で挿入されており、表2の融合ペプチドが得られる。
Figure 2010074126
《リンカー付加融合ペプチド発現用プラスミドの構築》
リンカー配列を付加するために、実施例1と同様の方法に従ってA.pgのHMTp210タンパク質遺伝子のDNA断片を増幅した。各DNA断片及び増幅に用いたPCRプライマーの名称と配列番号を表3に示す。5'プライマーにはXbaI認識配列を、3'プライマーにはBamHI認識配列を付加した。なお、表中のDNA断片の欄に記載の配列番号は各DNA断片によりコードされるアミノ酸配列を示す。
Figure 2010074126
AΔ5-1の直下にリンカー配列を付加した発現プラスミドは、以下の通り作出した。まず、実施例1で得たAΔ5-1をNcoI及びBamHIで消化し、0.8%アガロース電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。次いで、得られた断片のC末端側に10個のグリシンをコードする塩基配列からなるリンカー配列(Gly Linker;配列番号24)をDNA合成酵素で付加したDNA断片(AΔ5-1-L)を得た。このリンカー配列の付加により、AΔ5-1のC末端側のBam HI認識配列が消失し、新たにXbaI認識配列が生じる。
次にCΔ4c-1、CΔ5-1及びCΔ6b-1bをXbaI及びBamHIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。得られた各断片をAΔ5-1とライゲーション後、Bam HIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。さらに、得られた断片を、NcoI及びBamHIで消化した発現ベクターpET-11d(メルク株式会社)に挿入し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株(メルク株式会社)を形質転換し、発現プラスミド(pET-11d-AΔ5-1-L-CΔ4c-1、pET-11d-AΔ5-1-L-CΔ5-1及びpET-11d-AΔ5-1-L-CΔ6b-1b)を得た。構築された発現プラスミドにおいて、CΔ4c-1、CΔ5-1及びCΔ6b-1bはリンカー配列の直下に正方向に挿入されており、リンカー配列に由来するグリシンを介して表4の融合ペプチドが得られる。
Figure 2010074126
《短縮型融合ペプチド発現用プラスミドの構築1》
A.pgA型菌221株のゲノムDNAライブラリーを実施例1と同様の方法に従って調製し、PCRにて表5のDNA断片を増幅した。PCR条件は、98℃で1分反応後、熱変性(98℃で10秒間)、アニーリング・伸長反応(70℃で120秒間)を15サイクル実施し、停止反応(72℃で7分間)で行った。これらの断片を有する発現プラスミド(pET-11d-AΔ5-1、pET-11d-AΔ5-2、pET-11d-AΔ5-3、pET-11d-AΔ5-4、pET-11d-AΔ9-2、pET-11d-AΔ9-3、pET-11d-AΔ9-4、pET-11d-AΔ6-2、pET-11d-AΔ6-3及びpET-11d-AΔ6-4)を抽出した。各DNA断片の増幅に用いたPCRプライマーの名称と配列番号を表5に示す。5'プライマーにNcoI認識配列を、3'プライマーにBamHI認識配列を付加した。図4に、得られた各DNA断片の位置関係を示す。なお、表中のDNA断片の欄に記載の配列番号は各DNA断片によりコードされるアミノ酸配列を示す。
Figure 2010074126
次に、実施例1で得たCΔ5-1をBam HIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。さらに、得られた断片を、予めBamHIで消化したpET-11d-AΔ5-1、pET-11d-AΔ5-2、pET-11d-AΔ5-3、pET-11d-AΔ5-4、pET-11d-AΔ9-2、pET-11d-AΔ9-3、pET-11d-AΔ9-4、pET-11d-AΔ6-2、pET-11d-AΔ6-3及びpET-11d-AΔ6-4に正方向で連結し、これらを用いて大腸菌BL21(DE3)株(メルク株式会社)を形質転換し、各発現プラスミド(pET-11d-AΔ5-1-CΔ5-1、pET-11d-AΔ5-2-CΔ5-1、pET-11d-AΔ5-3-CΔ5-1、pET-11d-AΔ5-4-CΔ5-1、pET-11d-AΔ9-2-CΔ5-1、pET-11d-AΔ9-3-CΔ5-1、pET-11d-AΔ9-4-CΔ5-1、pET-11d-AΔ6-2-CΔ5-1、pET-11d-AΔ6-3-CΔ5-1及びpET-11d-AΔ6-4-CΔ5-1)を得た。構築された各発現プラスミドにおいて、CΔ5-1はペプチドA発現遺伝子の直下に正方向で挿入されており、表6の融合ペプチドが得られる。
Figure 2010074126
《短縮型融合ペプチド発現用プラスミドの構築2》
A.pgC型菌53-47株のゲノムDNAライブラリーを実施例1と同様の方法に従って調製し、表7のDNA断片を得た。PCR条件は実施例3の条件に従った。各DNA断片の増幅に用いたPCRプライマーの名称と配列番号を表7に示す。5'及び3'プライマーのいずれにもBamHI認識配列を付加した。図5に、得られた各DNA断片の位置関係を示す。なお、表中のDNA断片の欄に記載の配列番号は各DNA断片によりコードされるアミノ酸配列を示す。
Figure 2010074126
次に、実施例1と同様の方法に従って、CΔ5-1、CΔ5-2、CΔ5-4、CΔ9-0、CΔ9-2、CΔ9-4、CΔ6-2及びCΔ6-4をBamHIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収し、得られた断片を予めBamHIで消化したpET-11d-AΔ5-1に正方向で連結して各発現プラスミド(pET-11d-AΔ5-1-CΔ5-1、pET-11d-AΔ5-1-CΔ5-2、pET-11d-AΔ5-1-CΔ5-4、pET-11d-AΔ5-1-CΔ9-0、pET-11d-AΔ5-1-CΔ9-2、pET-11d-AΔ5-1-CΔ9-4、pET-11d-AΔ5-1-CΔ6-2及びpET-11d-AΔ5-1-CΔ6-4)を得た。構築された各発現プラスミドにおいて、CΔ5-1、CΔ5-2、CΔ5-4、CΔ9-0、CΔ9-2、CΔ9-4、CΔ6-2及びCΔ6-4はAΔ5-1の直下に正方向で挿入されており、表8の融合ペプチドが得られる。
Figure 2010074126
《ペプチドC発現用プラスミドの構築》
A.pgC型菌53-47株のゲノムDNAライブラリーを実施例1と同様の方法に従って調製し、表7と同様のDNA断片を得た。PCR条件は実施例3の条件に従った。各DNA断片の増幅に用いたPCRプライマーの名称と配列番号は表7と同様であるが、増幅断片を発現ベクターpQE30(株式会社キアゲン)に効率よく挿入するために、3'プライマーの制限酵素認識配列をBamHI認識配列からHindIII認識配列に変更した。
次に、CΔ5-1、CΔ5-2、CΔ5-4、CΔ9-0、CΔ9-2、CΔ9-4、CΔ6-2及びCΔ6-4をBamHI及びHindIIIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。得られた断片をBam HI及びHind IIIで消化した発現ベクターpQE30に結合し、これを用いて大腸菌JM109株(株式会社キアゲン)を形質転換し、CΔ5-1、CΔ5-2、CΔ5-4、CΔ9-0、CΔ9-2、CΔ9-4、CΔ6-2及びCΔ6-4を発現するプラスミドを得た。これらの発現プラスミドから得られるペプチドのアミノ酸配列は、表7に記載の各DNA断片によりコードされるアミノ酸配列のN末端側にベクター由来のヒスチジンタグ配列(MRGSHHHHHHGS)を有する。
《融合ペプチドの発現1》
実施例1及び2で得られた、各発現プラスミドを保持する大腸菌BL21(DE3)株(メルク株式会社)をアンピシリン50μg/mL含有LB培地1〜5mLに接種し、30〜37℃で振盪しながら、培養菌液のOD600が0.5に達するまで振盪培養し、IPTGを終濃度1mMとなるように加え、更に3時間培養した。遠心分離(トミー精工、MX-300、9,100g、5分間)後、上清を捨て、もとの培養菌液量と等量の洗浄バッファー(PBS)を加え、均一になるまで懸濁した。この懸濁液を氷冷下で、ハンディーソニケーター(トミー精工、UR-20P)を用いて、パワー10で10秒間、10回超音波処理し、17,800gで15分間遠心分離した。遠心上清を回収した後、その沈渣に遠心前の超音波処理液と等量の洗浄バッファーを加えて再び均一になるまで懸濁した。回収した遠心上清及び沈渣懸濁液のそれぞれに等量のサンプルバッファー(2×SDS)を加え、煮沸水中で5分間加熱後、定法によりSDS-PAGEにかけ、クマシーブリリアントブルーで染色した。各融合ペプチドが沈渣懸濁液に認められた場合、当該融合ペプチドは封入体を形成していると判断した。各発現パターンを図3に示す。
単独で発現させた場合、CΔ4c-1は可溶性画分に、CΔ5-1は発現画分が安定しなかったが、すべての融合ペプチドは安定して封入体を形成した。発現量はAΔ5-1/CΔ4c-1が若干低く、他の2つの融合ペプチド(ACΔ5-1及びAΔ5-1/CΔ6b-1b)がほぼ同等であり良好な発現を示した。また、リンカーを付加した各融合ペプチドの発現量はリンカーを付加していないものと同等の発現量であった。
《融合ペプチドの免疫原性1》
融合ペプチドのワクチン効果を確認するために、ホモの強毒株を用いて攻撃試験を実施した。実施例6で得たACΔ5-1及びACΔ5-1-Lの沈渣懸濁液中の封入体を8M尿素で可溶化し、さらに透析膜を用いてバッファーをPBS(pH7.4)に置換した。1ドーズ0.5mL中に、表9に示した各抗原量のACΔ5-1を含むようにオイルアジュバントを加えて乳化したワクチンを8週齢SPF鶏の脚部筋肉内に1回投与し、免疫した。対照として、不活化菌体を用いた市販のオイルアジュバントワクチン(オイルバックスNB2AC、財団法人化学及血清療法研究所)投与群と非接種群を設けた。免疫4週後にA.pgA型菌221株(1.0×1010 CFU/mL)、あるいはA.pgC型菌53-47株(3.0×109 CFU/mL)の菌液0.2mLを鼻腔内投与し、1週間、顔面腫脹、鼻汁漏出、流涙などの臨床症状を観察した。
その結果、表9に示したように、融合ペプチドを投与された鶏群はA.pgA型菌221株及びA.pgC型菌53-47株の攻撃に対して良好な防御成績を示し、0.06μg/doseにおいても市販のオイルアジュバントワクチン1/1,000量以上のワクチン効果を示した。また、リンカーを付加したペプチドについても同様の防御成績を示した。以上のことから当該融合ペプチドはワクチンとして有用であることが確認された。
Figure 2010074126
《融合ペプチドのヘテロ株に対する有効性》
融合ペプチドの作製に用いたA.pgA型菌221株及びA.pgC型菌53-47株以外の菌株(ヘテロ株)に対する融合ペプチドのワクチン効果を確認するために、実施例7と同様の攻撃試験を行った。免疫に用いた抗原量及び攻撃に用いた強毒株(A.pgA型菌083株(1.0×109 CFU/mL)、A.pgA型菌W株(4.1×109 CFU/mL)及びA.pgC型菌Modesto株(2.8×109 CFU/mL))が異なる以外は実施例7に記載の方法に従った。
その結果、表10に示すように、各ペプチドで免疫された鶏群は、A.pgA型菌083株、W株及びA.pgC型菌Modesto株のいずれの株で攻撃試験を行った場合も良好な防御成績を示し、融合ペプチドの遺伝子に由来しない他の強毒株に対しても有用であることが確認された。
Figure 2010074126
攻撃試験に用いたそれぞれの株の領域2における塩基配列を解析した。その結果、A.pgA型菌の場合、083株とW株間で完全に一致し、221株と083株間及び221株とW株間で1塩基(A/G)の変異(配列番号25の1227番目のグルタミン酸がグリシンに置換)が認められた。また、A.pgC型菌の場合、53-47株に対しModesto株は3塩基AAG(配列番号26の1144番目のグルタミン酸)の欠失が認められた。
《融合ペプチドACΔ5-1と各ペプチドの有効性の比較》
融合ペプチドACΔ5-1と融合前のペプチドA及びペプチドCのワクチン効果を比較するために、免疫試験を行った。実施例7と同様の方法でワクチンを作製し、1ドーズ0.5mL中に、表11に示した各抗原量のACΔ5-1、ペプチドA及びペプチドCをそれぞれ含むようにオイルアジュバントを加えて乳化したワクチンを4週齢SPF鶏の脚部筋肉内に1回投与し、免疫した。対照として、非接種群を設けた。免疫4週後に牛島らの方法(特願 2008-29589)により抗体価を確認した。具体的にはELISA法で抗体測定を行った。
A型及びC型菌の領域2内の異なるペプチドを1μg/mLとなるように50mM重炭酸バッファーで希釈し、96ウェルプレートに50μLずつ入れ固相化した。4℃で一夜吸着後、反応液を捨て、300μLのPBS-T(8.1mMリン酸水素2ナトリウム、1.5mMリン酸2水素1カリウム、137mM塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム、0.1%ツイーン20)で洗浄後、300μLの5%スキムミルク加PBS-Tを入れブロッキングした。ブロッキング液を捨て、血清を10%スキムミルク加PBS-Tで100倍希釈し各ウェルに50μLずつ添加し、室温で1時間反応させた。反応液を除去後、PBS-Tで3回洗浄し、抗鶏IgG-HRP標識抗体を5%スキムミルク加 PBS-Tで20,000倍希釈し50μLずつ添加した。暗所で室温、30分間反応させた。反応液を除去後、PBS-Tで3回洗浄し、発色基質液(TMB+substrate-chromogen; DAKO社)を100μLずつ添加し、室温で15分間反応させた。3M硫酸を100μLずつ添加し、発色を停止させた。96ウェルプレートリーダー(日本モレキューラーデバイス社製)で450nmの波長を測定した。
その結果、表11に示すように、融合ペプチドACΔ5-1で免疫された鶏群は、0.6μg/doseにおいて高い抗体価を示し、抗体の陽転率はA型及びC型いずれに対しても100%であった。0.06μg/dose群ではA型菌に対して80%、C型菌に対して40%の陽転率が確認されたが、ペプチドAまたはペプチドCの0.03μg/dose群ではそれぞれ60%、0%であり、融合ペプチドACΔ5-1は融合前の各ペプチドよりも有効性が高いことが確認された。
Figure 2010074126
《融合ペプチドの発現2》
実施例3及び4で得られた、各発現プラスミドを保持する大腸菌BL21(DE3)株(メルク株式会社)を実施例6と同様の方法で発現させ、発現量を確認した。各発現パターンを図6及び7に示す。ペプチドAについては単独で発現させた場合、AΔ5-4、AΔ9-2、AΔ9-4、AΔ6-2、AΔ6-4は可溶性画分に発現したが、CΔ5-1と融合した結果、AΔ6-4以外の融合ペプチドは安定して封入体を形成した。AΔ6-4/CΔ5-1は主に封入体を形成するが、可溶性画分に発現することもあり、発現が不安定であった。発現量はすべての融合ペプチドでほぼ同等であり、良好な発現を示した。一方、ペプチドCについては単独で発現させた場合、CΔ6-2を除くすべてのペプチドCが可溶性画分に発現したが、AΔ5-1と融合した結果、融合ペプチドは安定して封入体を形成した。発現量はすべての融合ペプチドでほぼ同等であり、良好な発現を示した。
《融合ペプチドの免疫原性2》
実施例10で得た融合ペプチドのワクチン効果を確認するために、ホモの強毒株(A.pgA型菌221株)を用いて実施例7と同様の攻撃試験を実施した。免疫に用いた抗原量及び攻撃に用いた強毒株の菌数(A.pgA型菌221株1.2×109 CFU/mL)が異なる以外は実施例7に記載の方法に従った。その結果、表12に示すように、各融合ペプチドで免疫された鶏群は、A.pgA型菌221株で攻撃試験を行った場合に良好な防御成績を示し、AΔ6-4/CΔ5-1で80%の防御率を、それより長い融合ペプチドでは100%の防御率を確認した。
Figure 2010074126
《ペプチドCの発現》
実施例5で得られた、各発現プラスミドを保持する大腸菌JM109株(株式会社キアゲン)を実施例6と同様の方法で発現させ、それぞれの菌体における発現量をSDS−PAGEにより確認した(図8)。得られた各ペプチドをそれぞれ、CΔ5-1-pQE、CΔ5-2-pQE、CΔ5-4-pQE、CΔ9-0-pQE、CΔ9-2-pQE、CΔ9-4-pQE、CΔ6-2-pQE及びCΔ6-4-pQEと命名した。CΔ6-2-pQEを除く全てのペプチドCは可溶性画分に発現し、発現量も良好であった。
《ペプチドCの防御効果確認》
実施例12で得られたペプチドCのワクチン効果を確認するために、実施例7と同様の攻撃試験を実施した。表13に示した抗原量のペプチドCを含むようにオイルアジュバントを加えて乳化したワクチンを4週齢SPF鶏の脚部筋肉内に1回投与し、免疫した。免疫4週後にA.pgC型菌53-47株(5.2×109 CFU/mL)の菌液0.2mLを鼻腔内投与し、1週間、顔面腫脹、鼻汁漏出、流涙などの臨床症状を観察した。
その結果、表13に示すように、CΔ5-1-pQE及びCΔ9-0-pQEで免疫された鶏群は、3μg/doseにおいて良好な防御成績を示した。また、最も短いCΔ6-4-pQEにおいても60%の防御効果が確認された。これらの結果から、C型菌に対する防御効果には、A型菌との非相同領域(領域2)におけるC末端側の配列が重要であると予想されるが、少なくともCΔ6-4の領域を含むことで、比較的高い防御効果を示すことが確認された。更に、実施例9に示すように、融合発現することで、単独で免疫した場合よりも免疫原性の向上が期待される。
Figure 2010074126
本願発明を利用して、アビバクテリウム・パラガリナラムA型菌及びC型菌を原因とする鶏伝染性コリーザワクチンを提供することができる。
図4は、A.pgA型菌のHMTp210遺伝子(HMTp210A遺伝子)における AΔ5-1、AΔ5-2、AΔ5-3、AΔ5-4、AΔ9-2、AΔ9-3、AΔ9-4、AΔ6-2、AΔ6-3及びAΔ6-4断片の位置を示す図である。図中に記載の塩基配列番号は、特許文献1(徳永ら)に開示された塩基配列番号に相当する。
図8は、ペプチドC産生大腸菌の破砕物を遠心分離した上清又は沈渣画分のSDS-PAGEの結果を示す写真である。M:マーカー、レーン1:CΔ5-1-pQE(上清画分)、レーン2: CΔ5-2-pQE(上清画分)、レーン3: CΔ5-4-pQE(上清画分)、レーン4: CΔ9-0-pQE(上清画分)、レーン5: CΔ9-2-pQE(上清画分)、レーン6: CΔ9-4-pQE(上清画分)、レーン7: CΔ6-2-pQE(沈渣画分)、レーン8: CΔ6-4-pQE(上清画分)。矢印は発現したペプチドを示す。
目的のペプチド(目的物)を発現している組換え大腸菌のスクリーニングは、以下のように行われる。発現誘導剤(本発明に使用した発現システムではIPTGを使用)の存在下に、培養・増殖した菌体を遠心分離(9,100g、5分間)により回収し、これに一定の蒸留水あるいはPBSを加え懸濁した後、超音波処理、又はフレンチプレス、マントンゴーリン等のホモジナイザーにより菌体を破砕し、遠心分離(例えば、17,800g、15分間)して沈渣及び上清を分離・回収する。蒸留水に、適宜界面活性剤(例えば、Triton X-100)、キレート剤(例えば、EDTA)、リゾチーム等を添加してもよい。回収した上清及び沈渣の一定量をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、クマシーブリリアントブルーで染色した後、分子サイズ及び染色像から目的物の発現を確認する。なお、目的物の確認(または検出)には、上記の分子サイズに基づく方法以外に、ELISA法、ウェスタンブロット法、ドットブロット法などの抗原抗体反応に基づく方法が取られることもある。いずれも大腸菌で発現させた外来タンパク質やポリペプチドを検出する際の一般的な方法であり、目的に応じて適宜選択すればよい。こうして沈渣に回収されるクローン、すなわち、封入体を形成する融合ペプチド産生クローンが選択される。
例えば、MF膜で回収した菌体を脱イオン水で希釈濃縮して残存する培地成分及び菌体の代謝産物等を除去した後、適当な緩衝液及びリゾチームを加え、低温(4〜15℃)で一晩静置して菌体の細胞壁を溶解し、この菌体処理液を、500〜600kg/cm2の条件でフレンチプレス(マントンゴーリン社製)にかけ、菌体を破砕する。緩衝液の種類は、トリスバッファーなどリゾチームが作用するpH範囲(7.5〜9)で緩衝能力を有するものであれば特に制限されない。当該緩衝液の濃度は、一般に緩衝液として使用される範囲(10〜50mM)で使用すればよい。リゾチームは、0.3〜1.0g/Lの濃度で使用される。例えば、20mMのpH8.5のトリスバッファーを加え、リゾチーム(0.6g/L)を添加し、4℃で一晩静置して菌体の細胞壁を溶解する。フレンチプレスで菌体を破砕した後、緩衝液や脱イオン水とMF膜でこの破砕液の希釈と濃縮を繰り返すことにより大部分の菌体成分が除去される。場合によっては、Triton X-100等の界面活性剤を添加することもある。封入体は、濃縮した封入体含有溶液を遠心分離することにより、沈殿として回収される。
AΔ5-1の直下にリンカー配列を付加した発現プラスミドは、以下の通り作出した。まず、実施例1で得たAΔ5-1をNcoI及びBamHIで消化し、0.8%アガロース電気泳動で分離後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用い溶出、回収した。次いで、得られた断片のC末端側に10個のグリシンをコードする塩基配列からなるリンカー配列(Gly Linker;配列番号24)をDNAリガーゼで付加したDNA断片(AΔ5-1-L)を得た。このリンカー配列の付加により、AΔ5-1のC末端側のBam HI認識配列が消失し、新たにXbaI認識配列が生じる。
ペプチドA及び融合ペプチドのヘテロ株に対する有効性》
融合ペプチドの作製に用いたA.pgA型菌221株及びA.pgC型菌53-47株以外の菌株(ヘテロ株)に対するペプチドA及び融合ペプチドのワクチン効果を確認するために、実施例7と同様の攻撃試験を行った。免疫に用いた抗原量及び攻撃に用いた強毒株(A.pgA型菌083株(1.0×109 CFU/mL)、A.pgA型菌W株(4.1×109 CFU/mL)及びA.pgC型菌Modesto株(2.8×109 CFU/mL))が異なる以外は実施例7に記載の方法に従った。

Claims (24)

  1. A.pgA型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドA)とA.pgC型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドC)からなる融合ペプチドを封入体として産生する宿主を構築する工程、前記の宿主を培養し、培養物から封入体画分を回収、精製する工程、及び前記の精製封入体画分を含有する組成物を調製する工程を含む、組換え鶏伝染性コリーザワクチンの製造方法。
  2. ペプチドA及びペプチドCが、それぞれ600個以下のアミノ酸からなることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. ペプチドAが配列番号1、27、28、29、30、31、32、33、34及び35で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列、並びにペプチドCが配列番号2、3、4、50、51、52、53、54、55及び56で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. ペプチドAが配列番号35で示されるアミノ酸配列を含み、ペプチドCが配列番号56で示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
  5. ペプチドA又はペプチドCが、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 融合ペプチドのペプチドAとペプチドCの比率が、ペプチドAが1に対してペプチドCが1〜3であることを特徴とする、請求項1ないし5の何れか一項に記載の製造方法。
  7. 融合ペプチドが、少なくとも一組のペプチドAのC末側にペプチドCを結合させた構造を含むものであることを特徴とする、請求項1ないし6の何れか一項に記載の製造方法。
  8. 融合ペプチドが、ペプチドAとペプチドAとの間、ペプチドCとペプチドCとの間又はペプチドAとペプチドCとの間にリンカーを有するものであることを特徴とする、請求項1ないし7の何れか一項に記載の製造方法。
  9. 融合ペプチドが、配列番号8、9、10、11、12、13、41、42、43、44、45、46、47、48、49、61、62、63、64、65、66及び67で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
  10. A.pgA型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドA)とA.pgC型菌のHMTp210タンパク質由来のペプチド断片(ペプチドC)からなる融合ペプチドを有効成分として含有する組換え鶏伝染性コリーザワクチン。
  11. 融合ペプチドが、宿主に生産させるときに封入体を形成する性質を有することを特徴とする、請求項10に記載のワクチン。
  12. ペプチドA及びペプチドCが、600個以下のアミノ酸からなることを特徴とする、請求項10に記載のワクチン。
  13. ペプチドAが配列番号1、27、28、29、30、31、32、33、34及び35で示されるアミノ酸配列からな群より選ばれた配列、並びにペプチドCが配列番号2、3、4、50、51、52、53、54、55及び56で示されるアミノ酸配列からなる群より選ばれた配列であることを特徴とする、請求項10に記載のワクチン。
  14. ペプチドAが配列番号35で示されるアミノ酸配列を含み、ペプチドCが配列番号56で示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項13に記載のワクチン。
  15. ペプチドA又はペプチドCが、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、請求項13又は14に記載のワクチン。
  16. 融合ペプチドのペプチドAとペプチドCの比率が、ペプチドAが1に対してペプチドCが1〜3であることを特徴とする、請求項10ないし15の何れか一項に記載のワクチン。
  17. 融合ペプチドが、少なくとも一組のペプチドAのC末側にペプチドCを結合させた構造を含むものであることを特徴とする、請求項10ないし16の何れか一項に記載のワクチン。
  18. 融合ペプチドが、ペプチドAとペプチドAとの間、ペプチドCとペプチドCとの間又はペプチドAとペプチドCとの間にリンカーを有するものであることを特徴とする、請求項10ないし17の何れか一項に記載のワクチン。
  19. 融合ペプチドが、配列番号8、9、10、11、12、13、41、42、43、44、45、46、47、48、49、61、62、63、64、65、66及び67で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、請求項13に記載のワクチン。
  20. 配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末側及び/又はC末側に1〜200のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列内であって、配列番号35で示されるアミノ酸配列を含む配列からなるペプチドを有効成分として含有する、組換え鶏伝染性コリーザワクチン。
  21. 配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する、請求項20に記載のワクチン。
  22. 配列番号3で示されるアミノ酸配列のN末側及び/又はC末側に1〜200のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列内であって、配列番号56で示されるアミノ酸配列を含む配列からなるペプチドを有効成分として含有する、組換え鶏伝染性コリーザワクチン。
  23. 配列番号3又は52で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する、請求項22に記載のワクチン。
  24. ペプチドが、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたアミノ酸配列を有するものである、請求項21又は23に記載のワクチン。
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