JPWO2010067560A1 - 電波環境データ補正システム、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

無線通信システムの基地局周辺エリア内の測定点における実測データを用いた電波環境データの補正を、限られた測定点でより精度よく行う。電波環境データ補正システムは、評価エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて前記エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に補正値を決定する補正値決定手段を備えたことを特徴とする。また、評価エリアをエリア利用区分に基づいてサブエリアに分割するサブエリア分割手段と、測定点がサブエリア内部にある実測データを用いて当該サブエリアにおける補正値を算出する補正値算出手段と、算出した補正値を用いてサブエリア内部の電波環境データを補正する電波環境補正手段とを備えていてもよい。

Description

本発明は、無線通信システムの基地局周辺エリアにおける電波環境データを補正するための電波環境データ補正システム、電波環境データ補正方法および電波環境データ補正プログラムに関し、特に、当該エリア内の限られた測定点における実測データを用いて電波環境データを補正するための電波環境データ補正システム、電波環境データ補正方法および電波環境データ補正プログラムに関する。
携帯電話や無線LANなどの無線通信システムのサービス可能エリア(サービスエリア)を適切に設計するためには、設計対象となる基地局(携帯電話における基地局のほか、無線LANにおけるアクセスポイントなども含む)を所定の位置、所定のパラメータで設置した場合の電波環境特性を正しく把握することが必要である。これを実現するため、電波伝搬シミュレータが用いられる。電波伝搬シミュレータを用いて、任意の観測点での受信電界強度や遅延広がりなどを評価しながら基地局の設置場所やパラメータを決定することにより、適切なサービスエリアの設計が可能となる。
電波伝搬シミュレーションは大別して、統計的手法によるものと決定論的手法によるものとがある。統計的手法は、基地局から所定の位置までの距離や周波数などを引数とする伝搬損失の推定式を与え、実際に測定された多数の伝搬損失データをもとに推定式のパラメータを経験的に与える手法である。また、送信点や受信点周辺の地物の平均的な状況を用いて、推定値を補正することもできる。地物の平均的な状況とは、例えば建物占有面積率や平均建物高などがある。統計的手法の例としては、奥村−秦モデルや坂上モデルなどがある。奥村−秦モデルや坂上モデルの詳細については、非特許文献1に開示されている。
一方、決定論的手法は、送信点から観測点に至る電波伝搬状況を推定する際に、周辺にあるオブジェクトの影響を忠実に考慮する手法である。たとえば、屋外に配置された基地局からの電波伝搬状況を決定論的手法によって推定する場合、建物地図データや標高地図データを用いて電波伝搬に影響する建物情報や地形情報などのオブジェクトをモデリングし、オブジェクトによる反射や透過などの影響を忠実に考慮しながら電波伝搬状況を推定する。決定論的手法の例としては、レイトレーシング法などがある。レイトレーシング法は、アンテナから放射される電波を多数の電波線(レイ)の集まりと考え、各レイが幾何光学的に反射や透過を繰り返しながら伝搬するものとして、観測点に到達するレイを合成して伝搬損失や遅延量を求める手法である。レイトレーシング法の詳細については、非特許文献2に開示されている。
しかしながら、電波伝搬シミュレーションによって与えられる電波環境データには、実際にシミュレーションと同条件で基地局を設置した場合の電波環境データに対する誤差(推定誤差)が生じてしまう。たとえば統計的手法では、周辺にあるオブジェクトによって電波が被る影響を、ある環境において経験的に求めた統計式を別の環境にあてはめるため、環境の違いに起因する大きな推定誤差が生じてしまう場合がある。一方、決定論的手法では、オブジェクトの影響を決定論的に考慮するため統計的手法よりは高精度に推定できるものの、オブジェクト情報として用いる建物地図データやレイアウトデータに誤りがある場合、やはり推定誤差が発生してしまう。
こうした推定誤差を低減する手法として、基地局周辺エリア内の限られた領域(たとえば幹線道路上など)での実測データを用いて、推定された電波環境データを補正する手法が開示されている。たとえば特許文献1には、希望波受信電力の測定データを格納し、該測定データと統計的手法に基づく伝搬カーブとの差から該伝搬カーブの所定の方向毎の補正値を求め、この補正値を用いて伝搬カーブを補正し、補正後の伝搬カーブを用いて電波の伝搬状況をシミュレートする手法が開示されている。伝搬カーブとしては、たとえば奥村−秦モデルを用いる。また、伝搬カーブの補正は、たとえば建物占有面積率の補正によって実施する。建物占有面積率補正値は、無線基地局を中心に全方位について所定の角度毎(例えば2度毎)に算出し、当該角度毎に、補正された伝搬カーブを用いて電波の伝搬状況をシミュレートするものである。
実測データを用いて推定された電波環境データを補正する別の手法として、特許文献2に開示された手法がある。特許文献2には、複数のポイントで測定された測定伝搬損失と、伝搬モデルを用いて算出された推定伝搬損失との差異を求め、この差異が小さくなるように各地物ごとのバーチャルハイトを調整するものである。バーチャルハイトとは、特許文献2の出願人が開発した電波伝搬シミュレータ「ネットプラン(NetPlan:登録商標)」の中で与えられる機能の一つであり、地表上の各地物毎に想定される仮想的な高さのことである。このバーチャルハイトを用いて、伝搬損失を推定する。
特許文献1と2に開示された手法は、補正の対象として建物占有面積率を補正する方法と、バーチャルハイトを補正する方法とに違いがあるものの、いずれの手法も、基地局を中心として実測データが存在する方位のエリアに対して補正を加えるものである。その結果、実測テータが存在する方位と同一方位のエリアに対して、補正が加味された電波環境データが与えられる。
特開2004−31100号公報 特開2005−229453号公報
細谷良雄(監修)、「電波伝搬ハンドブック」、リアライズ社、pp.203−210、1999年 細谷良雄(監修)、「電波伝搬ハンドブック」、リアライズ社、pp.234−243、1999年
特許文献1と2に開示された手法は、伝搬推定の誤差が、基地局を中心に同一方位にあるエリアにおいて同様の誤差が生じる場合には効果的である。たとえば、基地局からある方位のエリアにおいて、どの点において測定電界強度と推定電界強度を比較しても測定電界強度が約10dB高いと仮定する。このような場合、当該エリア内の一部の点において電界強度が測定されていれば、当該測定点における推定電界強度との差異を元に補正することにより、当該エリア内全体にわたって精度を改善することができる。
逆に、基地局から別の方位のエリアにおいて、ある点Aにおいては測定電界強度が推定電界強度よりも10dB高いものの、これとは別の点Bにおいては測定電界強度が推定電界強度よりも5dB低いと仮定する。このような状況において、補正のための測定が点Aでしか行われていなかった場合、点Bでは測定値とは逆の方向に補正されてしまい、さらに誤差が大きくなってしまう。
実際に、建物が密集している都市部やオブジェクトが複雑に配置されている屋内においては、このような状況が生じやすい。つまり、基地局を中心とした同一方位のエリアにおいて必ずしも同様の誤差が生じるものではない。むしろ、屋外であれば同一の道路といった土地利用区分、屋内であれば同一の廊下や部屋といった屋内利用区分が同一の場合に同様の誤差が生じることのほうが多い。
ここで、上述したような土地利用区分や屋内利用区分を、エリア利用区分と呼ぶことにする。上記のような誤差の傾向となる理由を、図21を用いて説明する。図21は、送信点100から放射された一部の電波成分の伝搬状況を図示したものである。たとえば送信点100から放射された電波成分301は、まず建物201に衝突して反射し、その後建物202、203と順に衝突して道路400内を伝搬していく。都市部においては、道路が電波の導波路の役割を果たし、電波成分301の例のように道路に沿って電波が伝搬する場合が多い。レイトレーシング法を用いた伝搬推定を行うことを想定し、建物201が建物地図データに存在していなかったとすると、電波成分301は道路400には伝搬しないと推定されてしまう。これにより、道路400における推定受信電界強度は、一様に実測よりも低い値となってしまう。
このような状況は、屋内の電波伝搬においても生じる。つまり、廊下や部屋が電波の導波路のように作用することにより、同一の廊下や同一の室内では一様な推定誤差が発生しやすくなる。
また、送信点100から放射された電波成分302は、建物203のエッジで回折し、街路樹204を透過して道路400に到達する。通常、建物地図データには街路樹の情報は入っていないため、このような状況では街路樹による透過損失を考慮しない分だけ高めに推定されてしまう。都市部の道路では、図21の例のように道路上に一様に街路樹があるため、当該道路上の推定受信電界強度は、一様に実測よりも高い値となってしまう。
このような特性により、従来手法による電波環境データの補正方法では、都市部や屋内における電波環境データの補正に限界があった。そのため、補正のための測定を基地局周辺エリアの多数の点において実施する必要があり、実測のための工数が膨大になるという問題があった。
そこで、本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、無線通信システムの基地局周辺エリア内の測定点における実測データを用いた電波環境データの補正を、限られた測定点でより精度よく行うことを目的とする。
本発明による電波環境データ補正システムは、無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて基地局周辺エリア(評価エリア)を分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する補正値決定手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明による電波環境データ補正方法は、無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて基地局周辺エリア(評価エリア)を分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定することを特徴とする。
本発明による電波環境データ補正プログラムは、コンピュータに、無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて基地局周辺エリア(評価エリア)を分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、補正のための測定工数を、従来方法の場合よりも大幅に低減することができ、無線通信システムのサービスエリア設計作業の効率化が達成される。
第1の実施形態の電波環境データ補正システムの構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の電波環境データ補正システムの動作の一例を示すフローチャートである。 評価エリアをサブエリアに分割する例を示す説明図である。 実測データの分布に応じてさらにサブエリアを分割する例を示す説明図である。 サブエリア内部の観測点に対する補正方法を説明するための説明図である。 道路サブエリアへの分割方法を説明するための説明図である。 第2の分割方法を説明するための説明図である。 第2の分割方法を説明するための説明図である。 第2の分割方法を説明するためのフローチャートである。 第2の分割方法を説明するための説明図である。 シミュレーション結果を従来方法と比較して示す説明図である。 対象エリア内における既知実測点と未知実測点の例を示す説明図である。 遅延プロファイルに対する補正方法の例を示す説明図である。 第2の実施形態の電波環境データ補正システムの構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態の電波環境データ補正システムの動作の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の電波環境データ補正システムの構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態の電波環境データ補正システムの動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の概要を示すブロック図である。 本発明の電波環境データ補正システムの他の構成例を示すブロック図である。 本発明の電波環境データ補正システムの他の構成例を示すブロック図である。 都市部における電波伝搬推定の誤差が発生する様子を説明するための図である。
実施形態1.
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の電波環境データ補正システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の電波環境データ補正システムは、推定データベース10と、基地局データベース15と、実測データベース20と、地図データベース30と、サブエリア分割手段40と、補正値算出手段50と、電波環境補正手段60と、制御部70と、メモリ80とを備えている。
推定データベース10(以下、推定DB10という。)は、補正前の電波環境データおよび基地局の情報を格納する。具体的には、所定の(たとえば10mおきの)グリッドで離散化された観測点において、個々の観測点の緯度経度(あるいはXY座標)、標高(あるいは地表高)、電波伝搬シミュレーションによって算出された近隣の基地局からの受信電界強度等の電波環境特性を示すデータと、当該受信電界強度の送信源となる基地局の識別情報とを格納する。なお、電波環境データとしては、受信電界強度の他に、遅延プロファイルや到来方向といったデータを含んでいてもよい。また、前述の電波伝搬シミュレーションの手法としては、本発明が特に有効に機能する都市部でのシミュレーションに定評があるレイトレーシング法が用いられていることが好ましい。
基地局データベース15(以下、基地局DB15という。)は、推定DB10内に格納されている受信電界強度の送信源となる基地局を含む基地局のパラメータ情報を格納する。具体的には、基地局の識別情報と、配置位置の緯度経度(あるいはXY座標)、標高(あるいは地表高)、送信出力、アンテナの水平方向方位と垂直方向方位、アンテナゲインパタンなどのパラメータなどを格納する。
実測データベース20(以下、実測DB20という。)は、実フィールドにおける実測データを格納する。具体的には、測定点の緯度経度(あるいはXY座標系)、標高(あるいは地表高)、実測された受信電界強度、当該受信電界強度の送信源となる基地局の識別情報などを格納する。
地図データベース30(以下、地図DB30という。)は、建物などの地物に関する情報(形状、位置など)を含む地図データを格納する。地図データには、道路に関する情報(形状、位置など)や、街区(範囲、種別、位置など)に関する情報が含まれていることが好ましい。具体的には、地物を表すポリゴンデータや、道路を線分で表したラインデータ、街区を表すポリゴンデータなどが座標情報を含んで格納されていてもよい。
サブエリア分割手段40と、補正値算出手段50と、電波環境補正手段60は、推定DB10、実測DB20、地図DB30から抽出されたデータを処理するための実行モジュールあるいはライブラリをいうが、より具体的には、後述する制御部70による制御の結果何らかの処理を実行する実行モジュールあるいはライブラリである。以下、例えば、サブエリア分割手段40が何らかの処理をしたといった場合には、具体的には、制御部70による制御によってサブエリア分割手段40における該当部分の実行モジュールあるいはライブラリが実行されたことを示すものとする。なお、具体的な処理内容については後述する。
制御部70は、サブエリア分割手段40と、補正値算出手段50と、電波環境補正手段60の動作を制御するCPUである。メモリ80は、作業用メモリとして機能する。
本実施形態において、推定データベース10と、基地局データベース15と、実測データベース20と、地図データベース30とは、例えば、記憶装置と該記憶装置へのアクセスを制御する制御装置とを含むデータベースシステムによって実現される。また、サブエリア分割手段40と、補正値算出手段50と、電波環境補正手段60と、制御部70とは、例えば、プログラムおよびプログラムに従って動作するCPUによって実現される。また、メモリ80は、例えば、記憶装置によって実現される。
図2は、本実施形態の電波環境データ補正システムの動作の一例を示すフローチャートである。図2を用いて、推定DB10にある、限られた(たとえば2×2kmの)屋外評価エリア、所定の基地局を送信源とする受信電界強度を、実測DB20の実測データと、地図DB30の地図データとを用いて補正するための手法を説明する。
本発明の第1の実施の形態によれば、まず、地図DB30から抽出した評価エリアにおける地図データを用いて、評価エリアを屋外におけるエリア利用区分である土地利用区分応じてサブエリアに分割する(ステップS10)。ここで、土地利用区分とは、どのようにその土地を用いているかを表すものであり、たとえば国土地理院の土地利用分類では、非特許文献3に記載されているように分類されている。本明細書では、後述のとおりよりミクロなレベルでの分類を行う。具体的には、どのようにその土地を用いているかをその土地における地物や空間(空き地や道路等)の有り様、すなわち地理によって区分けしたものを本発明における土地利用区分として用いる。換言すると、本発明における土地利用区分とは、その領域において電波伝搬に影響を与える物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分を屋外に適用させたものであると言える。
土地利用区分に応じたサブエリア分割の具体的な手順を、図3を用いて説明する。図3は、評価エリア500内部に、建物210などの地物(建物)データと、道路600などの道路データと、街区700などの街区データとが含まれている。また、星印は送信源となる基地局101を示している。
はじめに、地物内部の領域をそれぞれの地物に対して一つの地物内サブエリアとする。図3の例では、建物210に囲まれた領域は地物内サブエリア210となる。次に、地物の外部であって、かつ街区の内部の領域をそれぞれの街区に対して一つの街区内サブエリアとする。図3の例では、建物外部の領域であって、かつ街区700に囲まれた領域は街区内サブエリア700となる。
さらに、建物あるいは街区の外部であって、かつ全ての道路のうち特定の道路上の領域およびそれに接する領域をそれぞれの道路に対して一つの道路サブエリアとする。図3の例では、建物あるいは街区外部の領域であって、かつ全ての道路のうち道路600上の領域(ラインデータ上の領域)およびそれに接する領域(道路幅に応じて含まれる領域)は道路サブエリア600となる。なお、2つ以上の道路が交わる領域においては、いずれの道路サブエリアに分割されるかを決定すればよい。例えば、最も近いラインデータに対応する道路サブエリアに属するように該当領域を分割してもよい。なお、道路ラインデータの端点どうしが一致する道路サブエリア同士は、双方の道路の角度差が所定の範囲内(たとえば30度以内)であれば、双方のサブエリアを結合して一つのサブエリアとしても構わない。図3の例では、道路サブエリア601と道路サブエリア602は結合して一つの道路サブエリアとしてもよい。
逆に、一つの道路サブエリアであっても、基地局からの方位や距離によって複数に分割しても構わない。図3の例では、道路サブエリア603は基地局の東側と西側で別々の道路サブエリアとしてもよい。さらに、基地局から100m以内を一つの道路サブエリアとし、100m以遠を別の道路サブエリアとしてもよい。
上述のステップS10の処理は、サブエリア分割手段40により実施される。
次に、ステップS10で分割されたサブエリアのうちの一つを抽出する(ステップS20)。この時点で、実測DB20にある抽出対象実測データが全て抽出されているか否かを判断する(ステップS30)。ここで抽出対象実測データとは、測定点の位置がステップS20で抽出されたサブエリア内部であり、かつ受信電界強度の送信源となる基地局が本補正処理の対象とする基地局に一致するような実測データである。ステップS30で全ての抽出対象実測データが抽出されていると判断された場合には、ステップS70にジャンプする。ステップS30で全ての抽出対象実測データが抽出されていないと判断された場合には、実測DB20から、抽出対象実測データのうちの一つの実測データを抽出する(ステップS40)。
次に、ステップS40で抽出された測定点の近傍にある観測点を抽出し、当該観測点における推定データを抽出する(ステップS50)。さらに、ステップS40で抽出された実測データの標高(あるいは地表高)と、ステップS50で抽出された推定データの標高(あるいは地表高)が同一あるいは近傍(たとえば差異が1m以内)であれば、双方の受信電界強度の差異を算出する(ステップS60)。
なお、ステップS50においては、ステップS40で抽出された測定点の最近傍にある1つの観測点を抽出してもよいし、ステップS40で抽出された測定点から所定の距離(たとえば30m)以内にある複数の観測点を抽出してもよい。後者の場合には、ステップS60で複数の差異が算出されるため、平均化処理を行い一つの実測データに対して一つの差異を算出する。その際、複数の差異を単純に平均した値を用いてもよいし、測定点との距離が近い観測点を優先するため、測定点と観測点との距離の逆数で重み付けした平均値を用いてもよい。ステップS60が終了すると、再度ステップS30の判断を行う。
ステップS30で全ての抽出対象実測データが抽出されている場合には、ステップS50で算出された差異を用いて、当該サブエリアの補正値を算出する(ステップS70)。補正値の算出においては、ステップS50で算出された複数の差異を単純に平均化することによって補正値を算出してもよい。
あるいは、サブエリアの内部の離れた位置に実測データの群があるような場合には、当該サブエリアを複数のサブエリアに分割し、それぞれに異なる補正値を与えてもよい。このような例として、図4を用いて説明する。
図4は、サブエリア1000内に、実測データ2001をはじめとする実測データ群A(白丸)と、実測データ2002をはじめとする実測データ群B(黒丸)が、サブエリア1000内の離れた位置に存在している場合の例である。
この場合、実測データ群Aの近傍エリア(たとえば実測データ群の重心から所定の距離(たとえば100m)にあるエリア)をサブエリア1001とし、実測データ群A内の実測データにおける差異を元に当該サブエリアの補正値を算出する。一方、実測データ群Bの近傍エリアはサブエリア1003とし、実測データ群B内の実測データにおける差異を元に補正値を算出する。これらの場合は、複数の実測点で算出された差異を単純に平均化すればよい。
なお、実測データ群AまたはBのいずれの近傍にもないエリアは、サブエリア1002あるいは1004とし、これらのサブエリアにおける補正値は、サブエリア1001における補正値と1003における補正値から算出する。具体的には、サブエリア1002においては双方の補正値を単純に平均した値を用いてもよいし、サブエリア1002の重心からサブエリア1001、1003の重心への距離を算出し、当該距離の逆数で重み付けした平均値を用いてもよい。
上述のステップS20〜S70の処理は、補正値算出手段50により実施される。
さらに、サブエリア内の全観測点に対して推定された受信電界強度を補正する(ステップS80)。具体的な補正方法について、図5を用いて説明する。図5は、サブエリア内部の観測点に対する補正方法を説明するための説明図である。図5に示す例は、サブエリア1100内に実測データ2100などの実測データ(黒丸)と、計48点の観測点(白丸)がある場合の例である。
ここでは、個々の観測点を識別するため、観測点にX座標とY座標を設ける。具体的には補正方法としては、サブエリア内の全観測点に対して、ステップS70で算出された補正値を与えてもよい。あるいは、観測点の位置と測定点の位置との距離差(高さ方向を含めた)に応じて、近距離の場合には補正値をそのまま適用し、距離が離れるにしたがって補正度合いを小さくしてもよい。
図5においてたとえば補正値が10dBであったとすると、X座標が0〜5の観測点に対してはそのまま10dBの補正値を適用し、X座標が6以降の観測点に対しては、X座標が大きくなるにしたがって補正の値を10dBから0dBに近づくように補正を与える。あるいはまた、補正値を与えるのはサブエリア内の観測点のうち測定点から所定の距離(たとえば10m)以上離れた点にある観測点のみとしておき、測定点近傍の観測点に対しては、せっかく実測された値が既知であることから、実測された受信電界強度をそのまま推定受信電界強度として用いてもよい。
図5の例では、(X,Y)=(2,1)の観測点は実測データ2100の受信電界強度を、(X,Y)=(3,0)の観測点は実測データ2101の受信電界強度を、(X,Y)=(4,1)の観測点は実測データ2102の受信電界強度を適用し、上記以外の観測点に対しては、上記1番目あるいは2番目の方法によって補正値を与える。
一方、当該サブエリアに実測データが全く存在しなかったため、補正値が算出されなかった場合には、近傍のサブエリアの補正値を元に当該サブエリアの補正値を算出する。その際、対象となるサブエリアと同一種類の土地利用区分であって、かつその重心が対象サブエリアの重心から最近傍にあるサブエリアの補正値をそのまま用いてもよい。あるいは、対象となるサブエリアと同一種類の土地利用区分であって、かつその重心が対象サブエリアの重心から最近傍にあるサブエリアの補正値と、2番目に近傍にあるサブエリアの補正値を用い、それぞれの距離の逆数で重み付けした対象サブエリアの平均値を補正値としても良い。
ここで、全てのサブエリアに対してステップS30〜S80までの処理が完了しているか否かを判断し(ステップS90)、全てのサブエリアに対して処理が完了していない場合にはステップS20に戻って残存しているサブエリアを抽出し、ステップS30〜S80までの処理を行う。ステップS90で全てのサブエリアに対して処理が完了している場合には、補正の処理は終了となる。
上述のステップS80〜S90の処理は、電波環境補正手段60により実施される。
なお、上記では推定データ、実測データ、地図データが全てデータベースの形式で格納されている形態について述べたが、これらのデータの一部または全てがファイルなどデータベース以外の形式で格納されていても構わない。
国土地理院、数値地図5000(土地利用)、「土地利用分類の詳細と分類コードとの対応表」、http://www.gsi.go.jp/MAP/CD-ROM/lu5000/index.html http://www.gsi.go.jp/MAP/CD-ROM/lu5000/data_files/code.htm
なお、上記では、道路サブエリアへの分割方法の一例として、建物あるいは街区の外部であって、かつ全ての道路のうち特定の道路内に位置する領域をそれぞれの道路に対して一つの道路サブエリアとする方法を示したが、この方法は、例えば、次のような計算によって実現してもよい。まず、サブエリア分割手段40は、評価エリア内に設けたある評価点から道路nまでの距離(dn)を算出する。ここで、評価点から道路までの距離とは、評価点から道路の線分上の点までの距離が最小となる距離である。この距離の算出処理を全ての道路に対して実施し、距離が最小となる道路(m)を抽出する。また、この道路の抽出処理をすべての評価点に対して実施し、道路サブエリアへの分割を行ってもよい。すなわち、抽出した道路別に評価点を集合させてなる領域を各道路サブエリアとしてもよい。図6は、図3に示した評価エリア500に本方法を適用させた結果の例を示す説明図である。図6に示す例では、例えば、網掛け表示にて区別して示しているような道路サブエリア600,601,602,603に分割される。
また、道路サブエリアへの分割は、次のような方法によっても実現可能である。なお、本方法(以下、第2の分割方法という。)は、道路ラインデータが無い場合に有効な方法でもある。図7〜図10は、第2の分割方法を説明するための説明図である。なお、図7,図8では、屋内観測点と屋外観測点とを区別するために、屋内観測点に対してグリッド上に網掛け表示を施している。まず、図7に示す例のように、ある屋外観測点Aについて、まず真北を軸に角度θの直線を引く。次に、以下の式(1)で求まる直線近傍の観測点において、屋内屋外判定を実施し、観測点Aから連続して屋外となる範囲の距離(dθ)を算出する。なお、式(1)では、評価エリア内における観測点Aの座標を(x,y)として示している。
Figure 2010067560
次に、正の値のnのうち観測点Aから連続して屋外となる最大のnmaxと、負の値のうち観測点Aから連続して屋外となる最小のnminとを求め、以下の式(2)によって距離(dθ)を算出する。
Figure 2010067560
そして、角度θをある一定間隔α(例えば、α=π/18[rad]=10度)で変えながら、dθを算出し、dθが最大となるときのθ(θmax)を求める。この角度を道路角と定義する。全ての屋外観測点について、上記の方式を用いて道路角(θmax)を算出する。
次に、屋外観測点を順に探索し、道路ブロックを決定する。図8は、第2の分割方法における屋外観測点の探索順序の例を示す説明図である。また、図9は、第2の分割方法においてある屋外観測点Aにおける道路サブエリアへの分割手順の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、まず図8に示す探索順序に従い処理対象とする屋外観測点Aを設定すると(ステップA11)、その屋外観測点Aの上隣の観測点(観測点B)が、屋外観測点であり、かつ観測点Aにおける道路角と該観測点Bにおける道路角の角度差がβ(例えば、α=π/18[rad]=10度)以内であれば、観測点Aと観測点Bとを同一の道路ブロックとする(ステップA12〜A14)。
また、処理対象とした屋外観測点Aの左隣の観測点(観測点C)が、屋外観測点であり、かつ観測点Aにおける道路角と該観測点Cにおける道路角の角度差がβ(例えば、α=π/18[rad]=10度)以内であれば、観測点Aと観測点Cとを同一の道路ブロックとする(ステップA15〜A17)。
ここで、観測点Aと観測点Cとを同一の道路ブロックとしなかった場合には、次いで、処理対象とした屋外観測点Aの左上隣の観測点(観測点D)について判定を行う。すなわち、観測点Dが、屋外観測点であり、かつ観測点Aにおける道路角と該観測点Dにおける道路角の角度差がβ(例えば、α=π/18[rad]=10度)以内であれば、観測点Aと観測点Dとを同一の道路ブロックとする(ステップA18〜A20)。
ここで、観測点Aと観測点Dとを同一の道路ブロックとしなかった場合には、次いで、処理対象とした屋外観測点Aの左下隣の観測点(観測点E)について判定を行う。すなわち、観測点Eが、屋外観測点であり、かつ観測点Aにおける道路角と該観測点Eにおける道路角の角度差がβ(例えば、α=π/18[rad]=10度)以内であれば、観測点Aと観測点Eとを同一の道路ブロックとする(ステップA21〜A23)。
なお、道路各が異なる観測点を同一の道路ブロックとする場合、合成後の道路ブロックにおける道路角は、メンバとなっている観測点の道路角の平均としてもよい。
また、基地局と観測点との位置関係に応じて、同一の道路ブロックと判定した道路ブロックをさらに分割してもよい。図10は、道路ブロックを基地局との位置関係に応じて2つの分割する場合の例を示す説明図である。なお、図10(a)は、分割前の道路ブロックの例を示す説明図である。また、図10(b)は、図10(a)に示す道路ブロックを2つに分割した例を示す説明図である。例えば、図10(a)に示すように、例えば、同一道路ブロックと判定された観測点(黒丸)に対して、基地局(白丸)から道路線に下ろした垂線との交点と観測点との位置関係を検査し、その結果により示される位置関係を下記判定式(3)により判定することによって分割を行ってもよい。なお、下記判定式(3)では、評価エリア内における基地局の座標を(x,y)とし、観測点の座標を(x,y)として示している。
Figure 2010067560
以上の処理により、同一の道路ブロックと判定された観測点を集合させてなる領域を各道路サブエリアとしてもよい。なお、図10では、道路サブグループAが、道路サブグループA1と道路サブグループA2に分割される例が示されている。
ところで、図11は、本発明による電波環境データ補正方法を適用した場合のシミュレーション結果を従来方法と比較して示す説明図である。図11は、レイトレーシング法による電波伝搬推定を実測データで補正したときに、RMSE(2乗平均平方根誤差)がどれ程改善されるかを評価したものである。本評価は、都市部を対象に実施した。図11において、横軸の既知実測点の割合とは、対象エリア内で幅5mを越える全ての道路における測定データを100%とした時の補正に用いた実測データ(既知の実測データ)の割合を示している。例えば、図12(a)に示す例は、全ての道路上で実測された実測データを補正に用いた状態を示している。なお、図12において、丸印は実測データの測定ポイントを示し、そのうちの黒丸は、測定ポイントにおける実測データを補正に用いるポイント(既知実測点)を示し、白丸は測定ポイントにおける実測データを補正に用いないポイント(未知実測点)を示している。なお、図12は、対象エリア内における既知実測点と未知実測点の例を示す説明図である。
例えば、図12(a)に示す各測定ポイントにおける実測データを全て補正に用いる場合、既知実測点の割合は100%である。一方、図12(b)に示すように、全測定ポイントのうち半分の測定ポイントの実測データを補正に用いる場合には、既知実測点の割合は50%となる。
また、図11において、縦軸は、規定の既知実測点の割合に対して様々なパターンで補正用実測データを抽出した場合の平均的なRMSE改善量を示している。例えば、RMSE改善量の所要値を−2dBとおくと、図11に示すように、基地局に対する方位に基づいて補正する従来の方法(以下、従来方式1という。)では、約21%の実測データが必要であったのに対し、本発明による用法では、これを12%まで低減することが可能になった。すなわち、本発明によれば、補正に用いる実測データの量を従来方式1に比べて40%削減できるため、実測に要する工数をその分削減できる。
また、上記実施形態では、電波環境データとして受信電界強度に対する補正方法を例に説明しているが、受信電界強度を基に算出可能な伝搬損失や信号対雑音比(SNR)、信号対緩衝比(SIR)といったパラメータについても、同様の処理を行うことが可能である。
例えば、推定値をレイトレーシング法によって求める場合など、遅延プロファイルに関する推定値がある場合には、遅延プロファイルに対する補正も可能である。図13は、遅延プロファイルに対する補正方法の例を示す説明図である。図13に示すように、ある道路ブロック上に実測点(図13における黒の丸印)があり、その地点でのプロファイルが同右上に示す形状であったとする。このとき、当該道路ブロック上にある観測点(図13における×印)における遅延プロファイルを次のように補正してもよい。
まず、基地局と実測点間の距離d1と、基地局と観測点間の距離d2を求め、これを用いて、以下の式(4)により、観測点の遅延プロファイルにおける遅延時間t1’,t2’,t3’を求める。なお、t1,t2,t3は、実測点の遅延プロファイルにおける遅延時間を示している。
tn’=(d2/d1)*tn (n=1,2,3) ・・・式(4)
次に、観測点の遅延プロファイルにおける相対受信レベルS1’,S2’,S3’を以下の条件によって求める。
・S1:S2:S3=S1’:S2’:S3’
・S1’+S2’+S3’=S’
なお、S1,S2,S3は、実測点の遅延プロファイルにおいて、遅延時間t1,t2,t3における相対受信レベルを示している。また、S’は当該観測点における補正後の受信電界強度を示している。
このようにして、ある観測点における遅延プロファイルを求めることができる。なお、道路ブロック上に複数の実測点がある場合には、観測点に最も近接する実測点を用いて本方式を適用すればよい。
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図14は、第2の実施形態の電波環境データ補正システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の電波環境データ補正システムは、図1に示す第1の実施の形態で示した各要素に加えて、補正値データベース90を含んで構成される。
補正値データベース90(以下、補正値DB90という。)は、本発明による補正方法により求められた補正値データを格納する。なお、補正値DB90は、求めた補正値の情報を、該補正値が適用されるサブエリアの情報、および当該補正値を求めた際の基地局のパラメータの情報と対応づけ可能にして格納する。具体的には、サブエリアの識別子と、当該サブエリアにおける補正値と、当該補正値が算出された際の基地局のパラメータなどを対応づけて格納してもよい。
図15は、本実施形態の電波環境データ補正システムの動作の一例を示すフローチャートである。図15を用いて、推定DB10にある、限られた(たとえば2×2kmの)屋外評価エリア、所定の基地局を送信源とする受信電界強度を、実測DB20の実測データと、地図DB30の地図データと、補正値DB90の補正値データとを用いて補正するための手法を説明する。
ステップS10〜ステップS20における処理は、第1の実施の形態における動作で説明したとおりである。本実施の形態では、ステップS20の後に補正値DBを探索し、当該補正処理に適用可能な補正値データが格納されているか否かを判断する(ステップS25)。
当該補正処理に適用可能な補正値データとは、補正値データのサブエリアがステップS20で抽出されたサブエリアに等しく、かつ補正値データの基地局のパラメータ(特に、設置位置、送信出力、アンテナに関するパラメータ)が本補正処理の対象とする基地局のパラメータに一致するかあるいは近い場合の補正値データをいう。ここで、補正値データの基地局のパラメータが本補正処理の対象とする基地局のパラメータに近いとは、たとえば配置位置の緯度経度(あるいはXY座標)、標高(あるいは地表高)、送信出力、アンテナの水平方向方位、アンテナゲインパタンが同一ではあるが、アンテナの垂直方向方位が5度以内で異なっているといった場合のように、一部異なるがその差異が所定の範囲内である場合をいう。
ステップS25で当該補正処理における基地局の当該補正処理に適用可能な補正値データが存在する場合には、ステップS80へジャンプし、対象サブエリア内の観測点に補正処理を施す。ステップS25で適用可能な補正値データが存在しない場合には、第1の実施の形態と同様にステップS30〜ステップS70を実施して補正値を算出する。また、算出された補正値を補正値DB90に格納する(ステップS75)。その後、ステップS80の補正処理を施す。上記の処理を、全てのサブエリアに対して施す。
なお、上記ではステップS20で抽出されたサブエリアごとに補正値データの有無を判断したが、この判断処理はサブエリア分割の前に(ステップS10の前に)施されても構わない。この処理形態では、補正値データの基地局のパラメータが本補正処理の対象とする基地局のパラメータに一致するかあるいは近い場合に、補正値DB90にある補正値データを全サブエリアに対して適用する。適用可能な補正値データがない場合には、第1の実施の形態に示した動作と同一の動作で補正値を算出し、算出された補正値を補正値DB90に格納する形式となる。
また、上記では推定データ、実測データ、地図データ、補正値データが全てデータベースの形式で格納されている形態について述べたが、これらのデータの一部または全てがファイルなどデータベース以外の形式で格納されていても構わない。
本実施の形態では、一旦計算した補正値を補正値DB90に格納しておくため、同一の条件での推定データに対して改めて補正値を算出しなくてもよいというメリットがある。あるいは、推定データと全く同一の条件における補正値が無い場合でも、近い条件で算出された補正値を適用することにより、補正を施すことが可能となる。
これにより、たとえば携帯電話の基地局パラメータの最適化において、現状のパラメータ設定に対して補正値を算出して補正値DB90に保存しておくことにより、基地局パラメータの一部(たとえばアンテナの垂直方向方位)を変更した場合の電波伝搬推定結果に対して前述の補正値を施すことができる。その結果、実測データが存在しない条件に対しても推定精度の改善を図ることができる。
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図16は、第3の実施形態の電波環境データ補正システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の電波環境データ補正システムは、図1に示す第1の実施形態で示した各要素に対して、地図DB30がレイアウトデータベース31に置き換えられている。上記第1の実施の形態は、評価エリアとして屋外を対象としたものであったが、本実施の形態は、屋内を対象としたものである。
レイアウトデータベース31(以下、レイアウトDB31という。)は、建物内部のレイアウトに関する情報であるレイアウトデータを格納する。レイアウトデータには、レイアウトを構成する家具や什器などのオブジェクトに関する情報(形状、位置など)や、廊下や階段に関する情報(形状、位置など)が含まれていることが好ましい。具体的には、家具や什器などのオブジェクトを表すポリゴンデータや、廊下や階段を線分で表したラインデータのほか、部屋を表すポリゴンデータなどが座標情報を含んで格納されていてもよい。
図17は、本実施形態の電波環境データ補正システムの動作の一例を示すフローチャートである。図17を用いて、推定DB10にある、所定の建物内部の評価エリア、所定の基地局を送信源とする受信電界強度を、実測DB20の実測データと、レイアウトDB31のレイアウトデータとを用いて補正するための手法を説明する。
第3の実施形態によれば、まず、レイアウトDB31から抽出した評価エリアにおけるレイアウトデータを用いて、評価エリアを屋内におけるエリア利用区分である屋内利用区分に応じてサブエリアに分割する(ステップS11)。ここで、屋内利用区分は、どのようにその屋内領域を利用しているかを、その領域におけるオブジェクトや空間(廊下や階段等)の有り様によって区分けしたものであって、既に説明したエリア利用区分を屋内に適用させたものである。
はじめに、オブジェクト内部の領域をそれぞれのオブジェクトに対して一つのオブジェクト内サブエリアとする。次に、オブジェクトの外部であって、かつ部屋の内部の領域をそれぞれの部屋に対して一つの部屋内サブエリアとする。さらに、オブジェクトあるいは部屋の外部であって、かつ全ての道路のうち特定の廊下や階段上の領域およびそれに接する領域をそれぞれの廊下・部屋に対して一つの廊下・階段サブエリアとする。
なお、既に説明した第1の実施形態における道路サブエリアへの分割方法を、廊下・階段サブエリアへの分割方法にも適用可能である。
また、廊下・階段ラインデータの端点どうしが一致する廊下・階段サブエリア同士は、双方の廊下・階段の角度差が所定の範囲内(たとえば30度以内)であれば、双方のサブエリアを結合して一つのサブエリアとしても構わない。逆に、一つの廊下・階段サブエリアであっても、基地局からの方位や距離によって複数に分割しても構わない。
ステップS20以降の処理は、第1の実施の形態に示したとおりである。
本実施の形態は、第1の実施の形態に対して評価エリアを屋内としたものである。本実施の形態は、上述のとおり地図DB30がレイアウトDB31に置き換わったものであり、その処理についても建物がオブジェクトに、街区が部屋に、道路が廊下・階段に置き換えることによって同一の処理が可能となる。
第2の実施の形態に対しても、同様の置き換えを行うことにより、屋内への拡張を行うことができる。さらに、屋内の場合、高さ方向に基地局やアンテナが分布するような特徴を持つため、例えば建物のフロア間における電波の干渉の程度を1フロアでのみ測定し、推定値との比較から補正値を算出し、この補正値を実測がないフロアに対しても適用するような形態も考えられる。
次に、本発明の概要について説明する。図18は、本発明の概要を示すブロック図である。本発明の電波環境データ補正システムは、無線通信システムの基地局周辺エリア(評価エリア)における電波環境特性を示す情報である電波環境データを、評価エリア内の限られた測定点における実測データを用いて補正するための電波環境データ補正システムであって、補正値決定手段1を備えることを特徴とする。
補正値決定手段1(例えば、補正値算出手段50)は、評価エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて評価エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に補正値を決定する。なお、補正値決定手段1の例は、第2の実施形態において保持された電波環境データを用いる旨を決定する電波環境補正手段60としても示されている。
また、図19は、本発明の電波環境データ補正システムの他の構成例を示すブロック図である。本発明の電波環境データ補正システムは、図19に示すように、補正値決定手段1が補正値算出手段11を含むとともに、さらに、サブエリア分割手段2と、電波環境補正手段3とを備えていてもよい。
サブエリア分割手段2(例えば、サブエリア分割手段40)は、評価エリアをエリア利用区分に基づいてサブエリアに分割する。
補正値算出手段11(例えば、補正値算出手段50)は、測定点がサブエリア内部にある実測データを用いて当該サブエリアにおける補正値を算出する。
電波環境補正手段3(例えば、電波環境補正手段60)は、算出した補正値を用いてサブエリア内部の電波環境データを補正する。
また図20に示すように、本発明の電波環境データ補正システムは、さらに補正値保持手段4を備えていてもよい。補正値保持手段4(例えば、補正値DB90)は、本発明により求められた補正値を保持する。そのような場合には、電波環境補正手段3は、補正対象とする電波環境データの基地局のパラメータが、補正値保持手段4に保持されている補正値を求めた際の基地局のパラメータと同一または所定の範囲内の差異である場合には、保持されている補正値を用いて電波環境データを補正してもよい。
また、エリア利用区分に関して、評価エリアが屋外の場合には、自身の角度変化が所定の値以下となる道路を同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いてもよい。また、評価エリアが屋内の場合には、同一の室内または同一のフロアを同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いてもよい。
また、サブエリアに関して、エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに基地局に対する方位あるいは基地局からの距離に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いてもよい。また、エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに実測データの分布に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いてもよい。
また、電波環境データは、電波伝搬シミュレーションによって算出された推定データであってもよい。また、電波伝搬シミュレーションは、レイトレーシング法を用いたものであってもよい。
このような特徴を備えることにより、本発明の電波環境データ補正システムでは、無線通信システムの基地局周辺エリア内の測定点における実測データを用いた電波環境データの補正を、限られた測定点でより精度よく行うことが可能となる。特に、都市部や屋内においても大幅な推定精度の改善を実現するための電波環境データの補正が可能となる。なお、本発明の電波環境データシステムにおけるこのような特徴は、電波環境データ補正方法または電波環境データ補正プログラムとしても実現可能である。
なお、上記実施形態で示したサブエリア分割手段、補正値算出手段、電波環境補正手段は、同一のユニットとして実現されていても、それぞれ別々のユニットとして実現されていてもよい。また、上記実施形態で示した各種データベースは、同一のユニットとして実現されていても、それぞれ別々のユニットとして実現されていてもよい。
また、上記実施形態では、以下の(1)〜(10)に示すような電波環境データ補正システムの特徴的構成が示されている。
(1)電波環境データ補正システムは、無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて前記基地局周辺エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、前記基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する補正値決定部(例えば、補正値決定手段1や補正値算出手段50によって実現される)を備えたことを特徴とする。
(2)電波環境データ補正システムにおいて、前記補正値決定部は、測定点がサブエリア内部にある実測データを用いて当該サブエリアにおける補正値を算出する補正値算出部を含み、さらに電波環境データシステムは前記基地局周辺エリアを前記エリア利用区分に基づいてサブエリアに分割するサブエリア分割部と、前記補正値算出部が算出した補正値を用いてサブエリア内部の電波環境データを補正する電波環境補正部とを備えるように構成されていてもよい。
(3)電波環境データ補正システムは、補正値を保持する補正値保持部を備え、電波環境補正部は、補正対象とする電波環境データの基地局のパラメータが、前記補正値保持部に保持されている補正値を求めた際の基地局のパラメータと同一または所定の範囲内の差異である場合には、前記保持されている補正値を用いて電波環境データを補正するように構成されていてもよい。
(4)電波環境データ補正システムは、前記基地局周辺エリアが屋外の場合には、自身の角度変化が所定の値以下となる道路を同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いるように構成されていてもよい。
(5)電波環境データ補正システムは、基地局周辺エリアが屋内の場合には、同一の室内または同一のフロアを同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いるように構成されていてもよい。
(6)電波環境データ補正システムは、エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに基地局に対する方位あるいは前記基地局からの距離に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いるように構成されていてもよい。
(7)電波環境データ補正システムは、エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに実測データの分布に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いるように構成されていてもよい。
(8)電波環境データ補正システムにおいて、前記電波環境データは、電波伝搬シミュレーションによって算出された推定データであってもよい。
(9)電波環境データ補正システムにおいて、前記電波伝搬シミュレーションは、レイトレーシング法を用いてもよい。
(10)電波環境データ補正システムは、無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて前記基地局周辺エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、前記基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する補正値決定手段(例えば、補正値決定手段1や補正値算出手段50によって実現される)を備えていてもよい。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2008年12月9日に出願された日本特許出願2008−313261を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明によれば、移動通信におけるサービスエリア設計等の用途に適用可能である。特に、設計対象となる基地局を所定の位置、所定のパラメータで設置した場合のサービスエリアを正確かつ効率的に把握するといった用途に適用できる。
1 補正値決定手段
11 補正値算出手段
2 サブエリア分割手段
3 電波環境補正手段
4 補正値保持手段
10 推定データベース
20 実測データベース
30 地図データベース
40 サブエリア分割手段
50 補正値算出手段
60 電波環境補正手段
70 制御部
80 メモリ

Claims (25)

  1. 無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて前記基地局周辺エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、前記基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する補正値決定手段を備えた
    ことを特徴とする電波環境データ補正システム。
  2. 前記補正値決定手段は、測定点がサブエリア内部にある実測データを用いて当該サブエリアにおける補正値を算出する補正値算出手段を含み、
    前記基地局周辺エリアを前記エリア利用区分に基づいてサブエリアに分割するサブエリア分割手段と、
    前記補正値算出手段が算出した補正値を用いてサブエリア内部の電波環境データを補正する電波環境補正手段とを備えた
    請求項1に記載の電波環境データ補正システム。
  3. 補正値を保持する補正値保持手段を備え、
    電波環境補正手段は、補正対象とする電波環境データの基地局のパラメータが、前記補正値保持手段に保持されている補正値を求めた際の基地局のパラメータと同一または所定の範囲内の差異である場合には、前記保持されている補正値を用いて電波環境データを補正する
    請求項2に記載の電波環境データ補正システム。
  4. 前記基地局周辺エリアが屋外の場合には、自身の角度変化が所定の値以下となる道路を同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いる
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波環境データ補正システム。
  5. 前記基地局周辺エリアが屋内の場合には、同一の室内または同一のフロアを同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いる
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波環境データ補正システム。
  6. エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに基地局に対する方位あるいは前記基地局からの距離に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いる
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電波環境データ補正システム。
  7. エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに実測データの分布に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いる
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電波環境データ補正システム。
  8. 前記電波環境データは、電波伝搬シミュレーションによって算出された推定データである
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電波環境データ補正システム。
  9. 前記電波伝搬シミュレーションは、レイトレーシング法を用いている
    請求項8に記載の電波環境データ補正システム。
  10. 無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて前記基地局周辺エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、前記基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する
    ことを特徴とする電波環境データ補正方法。
  11. 前記基地局周辺エリアを前記エリア利用区分に基づいてサブエリアに分割し、
    測定点がサブエリア内部にある実測データを用いて当該サブエリアにおける補正値を算出し、
    算出した補正値を用いてサブエリア内部の電波環境データを補正する
    請求項10に記載の電波環境データ補正方法。
  12. 補正値を記憶装置に保持させ、
    補正対象とする電波環境データの基地局のパラメータが、前記保持されている補正値を求めた際の基地局のパラメータと同一または所定の範囲内の差異である場合には、前記保持されている補正値を用いて電波環境データを補正する
    請求項11に記載の電波環境データ補正方法。
  13. 前記基地局周辺エリアが屋外の場合には、自身の角度変化が所定の値以下となる道路を同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いる
    請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の電波環境データ補正方法。
  14. 前記エリアが屋内の場合には、同一の室内または同一のフロアを同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いる
    請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の電波環境データ補正方法。
  15. エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに基地局に対する方位あるいは前記基地局からの距離に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いる
    請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の電波環境データ補正方法。
  16. エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに実測データの分布に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いる
    請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の電波環境データ補正方法。
  17. 前記電波環境データは、電波伝搬シミュレーションによって算出された推定データである
    請求項10から請求項16のいずれか1項に記載の電波環境データ補正方法。
  18. 前記電波伝搬シミュレーションは、レイトレーシング法を用いている
    請求項17に記載の電波環境データ補正方法。
  19. コンピュータに、
    無線通信システムの基地局周辺エリア内における物体または空間のレイアウトに応じて予め定められる区分であるエリア利用区分に基づいて前記基地局周辺エリアを分割した領域であるサブエリアについて、当該サブエリアに属する測定点における実測データを元に、前記基地局周辺エリアにおける電波環境特性を示す情報である電波環境データを補正するための補正値を決定する処理を
    実行させるための電波環境データ補正プログラム。
  20. コンピュータに、
    前記基地局周辺エリアを前記エリア利用区分に基づいてサブエリアに分割する処理と、
    測定点がサブエリア内部にある実測データを用いて当該サブエリアにおける補正値を算出する処理と、
    算出した補正値を用いてサブエリア内部の電波環境データを補正する処理とを実行させる
    請求項19に記載の電波環境データ補正プログラム。
  21. 補正値を保持する補正値保持手段を備えたコンピュータに、
    補正対象とする電波環境データの基地局のパラメータが、前記保持されている補正値を求めた際の基地局のパラメータと同一または所定の範囲内の差異である場合には、前記保持されている補正値を用いて電波環境データを補正する処理を実行させる
    請求項20に記載の電波環境データ補正プログラム。
  22. 前記基地局周辺エリアが屋外の場合には、自身の角度変化が所定の値以下となる道路を同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いる
    請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の電波環境データ補正プログラム。
  23. 前記基地局周辺エリアが屋内の場合には、同一の室内または同一のフロアを同一のサブエリアとするエリア利用区分を用いる
    請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の電波環境データ補正プログラム。
  24. エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに基地局に対する方位あるいは前記基地局からの距離に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いる
    請求項19から請求項23のいずれか1項に記載の電波環境データ補正プログラム。
  25. エリア利用区分に基づいて分割されたサブエリアを、さらに実測データの分布に応じて分割した領域を、補正対象単位としてのサブエリアとして用いる
    請求項19から請求項24のいずれか1項に記載の電波環境データ補正プログラム。
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