JP2005229453A - 伝搬モデルをチューニングする方法および装置 - Google Patents

伝搬モデルをチューニングする方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 マルチセクタ無線通信システムの電波伝搬環境を予測するシミュレータにおいて使用する伝搬モデルを効率的かつ高い精度でチューニング可能とする。
【解決手段】 複数ポイントにおいて走行試験によって求めた測定信号強度データから測定伝搬損を求める。また、前記複数ポイントにおける予測伝搬損を伝搬モデルの機能を使用して計算する。そして、予測伝搬損と測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける伝搬損誤差を求める。該伝搬損誤差に基づき各地物ごとのバーチャルハイトを調整し、前記伝搬損誤差が小さくなるようにする。また、基地局から前記複数ポイントに至る経路の測定伝搬損をプロットしたカーブと対応する予測伝搬損カーブとが接近するよう予測伝搬損カーブの傾きおよび切片を調整し、前記伝搬損誤差をさらに小さくする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、伝搬モデルをチューニングする技術に関し、特に基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行なうセルラ無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルを的確にチューニングする技術に関する。
携帯電話などを使用するセルラ無線通信システムにおいては、サービスエリアを複数のセルに分割し、各セルに基地局を配置して携帯電話のような移動通信ユニットと通信を行なう。したがって、サービスエリアには基地局を適切に配置して該サービスエリア内のあらゆる場所において必要十分な通信環境を実現する必要がある。
このため、このような無線通信環境をコンピュータ上で予測するためにRF環境シミュレータが使用される。本出願人が開発した装置にて使用されるRF環境シミュレータとしてネットプラン(NetPlan:登録商標)がある。
このようなRF環境シミュレータにおいては、RF伝搬環境を設定するために伝搬モデル(Propagation
Model)を使用する。前記ネットプランでは、一般的な秦・奥村モデルを始め、幾つかの伝搬モデルの機能が組み込まれている。これらの伝搬モデルの内で、「エックスロス(Xlos)」と称される伝搬モデルは、前記秦・奥村モデルを発展させたモデルであり、幾つかの機能を備えているが、その内の1つとしてバーチャルハイト機能がある。
このバーチャルハイト機能は、地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損などの出力データを提供するものである。
前述のRF環境を予測するためのシミュレータは、このような伝搬モデルの機能を使用して無線通信環境のシミュレーションを行なうものである。そのため、伝搬モデルが、実際の通信環境を適切に反映したものでなければ高い精度のシミュレーションを行なうことはできない。
従来、伝搬モデルのチューニングはグラフなどを使用して手作業で行なっていた。すなわち、前記伝搬モデルではバーチャルハイトなどのデータは予めデフォルトで設定されているが、このデータをより実際の通信環境のものに近づけるためにグラフなどを使用してカットアンドトライでバーチャルハイトなどの調整を行なっていた。
特表2002−515712号公報
しかしながら、従来の伝搬モデルのチューニング方法では、人手によりグラフなどを使用して行なっていたため、効率が悪くかつ高い精度は得られなかった。また、マルチセクタ通信環境の伝搬モデルを自動的にチューニングすることはできず、各セクタの狭いエリアごとにしか調整することができず、極めて長い作業時間を必要とし実用的ではなかった。
したがって、本発明の目的は、このような従来技術における問題点に鑑み、マルチセクタ通信環境で通信を行なう無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルを効率的かつ高い精度でチューニングできるようにすることにある。
本発明の一態様では、基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行う無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルをチューニングする方法が提供され、前記伝搬モデルは地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を備えたものであり、前記方法は、走行試験によって前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントにおける測定信号強度データを求める段階、前記測定信号強度データを伝搬損に変換して測定伝搬損を求める段階、デフォルトのバーチャルハイトにもとづき前記伝搬モデルの機能を使用して前記複数ポイントにおける予測伝搬損を計算する段階、前記予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける前記予測伝搬損と前記測定伝搬損との間の伝搬損誤差を求める段階、前記複数ポイントにおける前記伝搬損誤差にもとづき各地物ごとの前記バーチャルハイトを調整する段階、調整されたバーチャルハイトにもとづき前記伝搬損モデルの機能を使用して修正された予測伝搬損を求める段階、前記修正された予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける修正された伝搬損誤差を求める段階、前記修正された伝搬損誤差が所定の値より小さくなるまで前記バーチャルハイトを調整する段階および前記修正された予測伝搬損を求める段階を反復する段階、を具備することを特徴とする。
本発明の別の態様では、基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行う無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルをチューニングする方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供され、前記伝搬モデルは地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を備えたものであり、前記プログラムは、走行試験によって前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントにおける測定信号強度データを求める段階、前記測定信号強度データを伝搬損に変換して測定伝搬損を求める段階、デフォルトのバーチャルハイトにもとづき前記伝搬モデルの機能を使用して前記複数ポイントにおける予測伝搬損を計算する段階、前記予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける前記予測伝搬損と前記測定伝搬損との間の伝搬損誤差を求める段階、前記複数ポイントにおける前記伝搬損誤差にもとづき各地物ごとの前記バーチャルハイトを調整する段階、調整されたバーチャルハイトにもとづき前記伝搬損モデルの機能を使用して修正された予測伝搬損を求める段階、前記修正された予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける修正された伝搬損誤差を求める段階、前記修正された伝搬損誤差が所定の値より小さくなるまで前記バーチャルハイトを調整する段階および前記修正された予測伝搬損を求める段階を反復する段階、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明のさらに別の態様では、基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行う無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルのチューニング装置が提供され、前記伝搬モデルは地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を備えたものであり、前記装置は、走行試験によって前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントにおける測定信号強度データを求める手段、前記測定信号強度データを伝搬損に変換して測定伝搬損を求める手段、デフォルトのバーチャルハイトにもとづき前記伝搬モデルの機能を使用して前記複数ポイントにおける予測伝搬損を計算する手段、前記予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける前記予測伝搬損と前記測定伝搬損との間の伝搬損誤差を求める手段、前記複数ポイントにおける前記伝搬損誤差にもとづき各地物ごとの前記バーチャルハイトを調整する手段、調整されたバーチャルハイトにもとづき前記伝搬損モデルの機能を使用して修正された予測伝搬損を求める手段、前記修正された予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける修正された伝搬損誤差を求める手段、前記修正された伝搬損誤差が所定の値より小さくなるまで前記バーチャルハイトを調整する段階および前記修正された予測伝搬損を求める段階を反復する手段、を具備することを特徴とする。
上記各態様においては、前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記バーチャルハイトを調整して予測伝搬損−距離特性曲線を移動させると好都合である。
また、前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記予測伝搬損−距離特性曲線の傾きおよび切片をさらに調整すると好都合である。
さらに、走行試験によって得られた測定データの内前記基地局のアンテナから予め選択した距離以内のポイントの測定データのみを使用することが好ましい。
また、走行試験によって得られた測定データの内自由空間損失よりも損失が少ないポイントの測定データを排除することも好ましい。
さらに、走行試験によって得られた測定データの内同一タイプの地物における測定サンプル数が所定数より少ないポイントの測定データを排除すると好都合である。
本発明によれば、マルチセクタ通信環境で通信を行なう無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルを、極めて効率的かつ高い精度でチューニングすることが可能になる。また、単一セクタのみならず、マルチセクタの通信環境に関しても、自動的にかつ高い精度で最善のバーチャルハイトを決定し、伝搬モデルを高い精度でチューニングすることが可能になる。したがって、このような高い精度でチューニングされた伝搬モデルを使用することにより、前記RF環境シミュレータの予測精度をさらに向上させることが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態につき説明する。図1は、本発明によってチューニングされた伝搬モデルを使用してRF環境の予測を行なうRF環境シミュレータ(NetPlan:ネットプラン)の概略の機能を示す。
同図に示されるように、このRF環境シミュレータは、種々の機能を備えており、これらの機能に基づき様々なRF環境のシミュレーションを行なうことができる。図1の左側の各ボックスは、これらの機能の例を示す。すなわち、ネットプランは、伝搬モデル、カバレージ分析、トラフィック工学、インターフェアレンス分析、ドライブテスト分析、および2G/3Gシミュレーションの各機能を備えている。
伝搬モデルの機能に関しては後に説明する。カバレージ分析は、各種の入力データに基づきRF環境のカバレージエリアの状態を分析しかつ出力可能にする。トラフィック工学の機能は、トラフィックの観点から通信システムの状態を把握できるようにするなどの機能を有する。また、インターフェアレンス分析の機能は信号妨害の観点から、通信品質その他の通信状況を検知できるようにするものである。ドライブテスト分析の機能は、ドライブテストによって得られた各種データを分析整理し、通信システムの設計に必要なデータなどを提供するものである。さらに、2G/3Gシミュレーションは、第2世代および/または第3世代のセルラ通信システムなどの通信環境のシミュレーションを可能にするものである。
図1のRF環境シミュレータは、一般的なモンテカルロ手法を採用したスタティックなシミュレータであり、上述のような各機能をも使用して、種々のRF環境の予測を可能にするための支援ツールである。図1のRF環境シミュレータは、その出力データとして、統計的な情報および各種イメージを地図上に表示することもできる。
また、このようなRF環境シミュレータの出力によって、図1の右側の各ボックス内に示されているように、無線通信システムのシステム設計や、システム開発や、システム性能評価をより効率的に行なうことができるようになり、さらに将来のシステムへの進化として新たなシステムの展開をも可能にする。
上記RF環境シミュレータを別の観点から説明すると、上記RF環境シミュレータは以下に述べる入力条件に基づき、所望の出力を提供するものである。すなわち、入力として、例えばモンテカルロ回数などのシミュレーション条件、例えば各セクタごとのユーザ数などのトラフィック分布、マルチパスモデルなどのRFパラメータ、後に説明するバーチャルハイト、傾き、切片のような伝搬損パラメータ、例えば基地局の緯度、経度、アンテナタイプなどのようなサイト/セクタ情報、そして、例えば最大出力電力、移動速度などの移動ユニットの情報、などを含む。
また、出力として、例えば各サイト/セクタでの必要電力などの各種統計情報、エリア対電界強度その他のカバレージイメージ情報、そして例えば信号強度(Ec/Io)、フレームエラー率のようなRF品質を示す分布イメージデータ、などを含む。
すなわち、図1のRF環境シミュレータは、上述のような各種入力に基づき、上述のような各種出力を提供し、所望のシミュレーションを効率的かつ高い精度で達成可能にするものである。
次に、図2をも参照して上記RF環境シミュレータにおいて使用される伝搬モデル機能につき説明する。上記RF環境シミュレータには、伝搬モデル機能として、一般的な秦・奥村モデルを始め、幾つかの伝搬モデルが組み込まれている。それらの内で、特に本発明に関連する伝搬モデルとして、「エックスロス(Xlos)」と称されるモデルがある。この伝搬モデルは、特にバーチャルハイト機能を備えており、より実環境に近い状態で伝搬損などの出力を高い精度で提供可能にするものである。
バーチャルハイト(VH)とは、標高データ(地表)の上に、実際の建物、森林などの地物(クラッタ:clutter)の高さを考慮した仮想的な高さである。前記伝搬モデルではこのバーチャルハイトを考慮することにより、より精度の高い出力を提供するように開発されている。
図2は、横軸に距離を、縦軸に高度を取って、無線通信システムのサービスエリアにおける地物などの様子を模式的に示す。地表を示す標高データ(Elevation Profile:EP)の上に、実際の建物、森林のような地物の高さを考慮したバーチャルハイト(VH)がそれぞれの地物の領域に対応して上乗せされている。各地物は、例えば国土地理院などから発表されている各領域の地物のデータに基づき設定することができる。地物としては、例えば水面(W)、森(F)、郊外(S)、都市(U)および田舎(R)その他がある。
前記「エックスロス」伝搬モデルでは、このような地表の上に想定されたバーチャルハイトを使用して伝搬損などを計算する。例えば、図2において、基地局BSと移動通信ユニットMSが図示の位置に存在するものとする。例えば基地局BSから移動ユニットMSに向けて送信された電波は、都市(U)のクラッタ部分のバーチャルハイトによって形成されるエッジ部分、すなわちTxクラッタポイントを経て移動ユニットMSの方向に放射される。すなわち、基地局BSの送信機が移動ユニットMSの方向を見た時に、基地局BSの送信機から移動ユニットMSの方向の視線を遮る障害物としてTxクラッタが存在する。また、移動ユニットMSが基地局BSの方向を見た時、その視線を遮るクラッタタイプは郊外(S)であり、その視線を遮る部分はRxクラッタポイントと称される。
前記「エックスロス」伝搬モデルは、このようなTxクラッタポイントおよびRxクラッタポイントを考慮して、基地局BSと移動ユニットMSとの間の伝搬損の計算をナイフエッジ回折モデルに基づき行なう。すなわち、例えば基地局BSから移動ユニットMSに伝搬される電波の回折成分を前記TxクラッタポイントおよびRxクラッタポイントの高さを考慮して計算するものである。したがって、求められる伝搬損は各地物におけるバーチャルハイトによって左右される。後に説明するように、基地局BSと移動ユニットMSとの間の予測伝搬損を実際の走行テストに基づき補正する場合などは、例えば基地局BSから移動ユニットMSへの到達電波をより強くするために各地物のバーチャルハイトをより低くすればよく、これによってより電波が伝搬され易くなることが理解できる。
次に、本発明の一実施形態に係わる伝搬モデルのチューニング技術につき図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係わる伝搬モデルをチューニングするための自動バーチャルハイトチューナー(AVHT)における処理手順を示すフローチャートである。また、図4は、図3に示される処理手順において行なわれるバーチャルハイトの調整によって、予測伝搬損を測定伝搬損に近づける手順を示す対数距離/伝搬損グラフである。さらに、図5は、測定信号強度を伝搬損に変換する場合に使用されるパラメータの1つであるアンテナコレクション(antenna correction)を説明するための模式図である。
本発明では、伝搬モデルをチューニングするために自動バーチャルハイトチューナー(以下、AVHTと称する)を使用する。AVHTは、前記伝搬モデル「エックスロス」で使用されているバーチャルハイトを効率良く、かつ精密に調整するシステムである。AVHTは具体的には、以下の手法を用いる。
(i)実際に走行試験で収集したデータを使用して、伝搬モデルを実際の環境に対応するよう調整する。
(ii)各種フィルタ機能を採用する。
(iii)地物データ(Clutter Data:クラッタデータ)と精密に整合するようバーチャルハイトを調整する。
このような手法によって、AVHTでは次のような特徴が得られる。すなわち、実際に走行試験で収集したデータを使用するため、精度の高いチューニングを実施することができ、より実際の環境に適合した伝搬モデルが得られ、従って精度の高いシミュレーションを行なうことができる。また、各種フィルタ機能により、さらにチューニングの精度を高めることができる。また、従来の方法では、1つのセクタごとにチューニングを行なっていたが、本AVHTではマルチセクタを含むサービスエリア全体に対しての効率的なチューニングが可能となる。さらに、従来は、繰り返し処理が多いため、膨大な作業時間と人間の手間が必要であったが、本AVHT内でスクリプト化して、より短時間で、かつ効率的にチューニングを行なうことが可能になる。
次に、AVHTにおける入力および出力情報などにつき説明する。
まず、AVHTの入力としては、無線通信システムのサービスエリアにおける多数の測定ポイントにおける測定情報、並びに該測定ポイントの位置、地物情報その他の情報が必要となる。すなわち、各ポイントでの位置情報(緯度、経度)および各ポイントの地物情報(建物、道路、その他)が必要となる。また、各ポイントでのリンク状況に関する情報、例えば各ポイントでどの基地局と通信しているかなどの情報が必要とされる。さらに、各ポイントで測定した信号強度(SS)が必要となる。各ポイントでの測定信号強度は基地局から出している所望のパイロットチャネルの信号電力の強さEcをパイロットチャネルを含めたその他全てのチャネルの信号電力Ioで除算した値Ec/Ioと受信信号強度指示(RSSI)を加えたものとなり、次のようになる。

測定信号強度=Ec/Io+受信信号強度指示(RSSI)

これらの他、AVHTの入力としては後に説明するように、チューニングの精度を低下させる恐れのあるサンプルなど排除する各種フィルタ条件があり、これらについては後に詳述する。
次に、AVHTによって得られる出力としては、各種地物データに対する仮想高さであるバーチャルハイト、伝搬損カーブのチューニング値補正スロープすなわち伝搬モデルスロープ、そしてチューニング値補正切片すなわち伝搬モデル切片などが出力される。これらについては後に詳述する。
図3を参照してAVHTの処理手順の一例を説明する。なお、この処理手順は、汎用の高速度のコンピュータに組み込まれたプログラムによって行なうことができる。また、このようなプログラムを組み込んだコンピュータ・システムは本発明に係わる伝搬モデルのチューニング装置を構成する。
まず、ステップ301において処理を開始し、ステップ302において構成ファイル(Config File)を読み込む。構成ファイルは、AVHTに必要な各種設定情報を含むものであり、チューニングを行なうべき通信システムのセクタ、基地局、サービスエリアの情報その他を含むものである。
次に、ステップ303において、ドライブテスト・データファイルの読み込みを行なう。ドライブテスト・データファイルすなわち走行データファイルは、前述のように走行試験によって得られた各ポイントの各種測定データなどを含むものである。
次に、ステップ304において、前のステップで読み込んだ走行データを本処理において使用できるようなデータ形式に整理する。また、各走行データをセクタごとに振り分ける。すなわち、AVHTツールに入れるための単位に合わせた値としてデータを整備する。また、これらのデータから、後に述べる方法により各測定ポイントにおける測定信号強度(SS)を計算する。
次に、ステップ305においてループ1の処理を開始する。ループ1は、後に説明するステップ319におけるループ終了条件が満たされるまで反復される。
次に、ステップ306においてループ2の処理を開始する。ループ2の処理は、後に説明するステップ312におけるループ2の終了条件が満たされるまで反復される。
次に、ステップ307において、第1のフィルタ機能として、走行テストによって得られたデータの内目標セクタ(サイト)から適切な距離のデータのみを抽出する。例えば、測定ポイントが基地局から所定の距離内にあるデータのみを利用し、基地局からあまりにも離れすぎているポイントのデータは使用しないものとすることができる。
ステップ308において、前のステップ307において抽出されたデータに関して、各ポイントの予測伝搬損(PL)を計算する。この計算は、「エックスロス」のバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を使用して行なうことができる。バーチャルハイトは、始めは各地物ごとにデフォルトの値が設定されており、これらのバーチャルハイトに基づき予測伝搬損が計算される。但し、後に説明するステップによってバーチャルハイトが調整された場合には、それらの調整されたバーチャルハイトを使用して予測伝搬損が計算される。
次に、ステップ309において、前記ステップ304において計算されかつステップ307において抽出された測定信号強度(SS)のデータを使用して測定伝搬損(PL)を計算する。この計算方法については後に説明する。
ステップ310において、ステップ308において計算された予測伝搬損と、ステップ309において計算された測定伝搬損との差からエラー値を計算する。
さらに、ステップ311において、第2のフィルタ機能として、自由空間損失より低い損失を有するポイントのデータを除去する。これは、例えば、あるポイントに関して後に説明する基地局からの自由空間損失を計算し、そのポイントにおける測定伝搬損がこの自由空間損失より少ない場合には、そのポイントのデータは信頼性に欠けると判断し除去する。
そして、ステップ312においてループ2の終了条件を判定する。すなわち、全てのセクタの計算が終了したか否かを判定し、まだ全てのセクタの計算が終了していなければ再びステップ306からループ2の処理を開始する。全てのセクタのデータの計算が終了しておれば、次のステップ313に進む。
このようにして、全てのセクタのエラー値の計算が終了した後、ステップ313において、計算データを整理する。例えば、計算したデータをクラッタ(地物)タイプごとに整理する。
ステップ314において、第3のフィルタ機能として、前のステップで各クラッタタイプごとに整理したデータに関し、クラッタタイプごとのデータのサンプル数が所定数より少ないデータを除去する。例えば、1つのクラッタタイプとしてビル内で100ポイント以上のサンプルが必要であると決めた場合には、そのクラッタタイプでサンプル数が100ポイントより少ない場合には、そのクラッタタイプにおける計算データを除去し、デフォルトのデータのままとする。これによって、サンプル数が少なすぎることによってデータの信頼性に欠ける状況を排除することができる。
ステップ315において、各クラッタタイプごとにエラー値、データカウント数および標準偏差を計算する。エラー値としては、例えば、各クラッタタイプにおける測定ポイントのエラー値を平均したものを使用することができる。
さらに、ステップ316において、セクタごとおよび全てのセクタ分に関してエラー値、データカウント数および標準偏差を計算する。この場合のエラー値も、例えば、全てのセクタのデータの平均値などを使用する。あるいは、前のステップ315において計算した各クラッタタイプごとのパラメータを利用し、各セクタあるいは全セクタに含まれるクラッタタイプの領域のパラメータを平均してもよい。
以上のデータに基づき、ステップ317において、例えば、全ての測定ポイントに基づきエラー値が小さくなるように各地物ごとのバーチャルハイトを繰り返し調整する。この処理については後に詳細に説明する。
さらに、ステップ318において、例えば、全ての測定ポイントに基づき距離−伝搬損曲線の傾きおよび切片を調整して、予測伝搬損の曲線と測定伝搬損の曲線ができるだけ近接するよう調整する。この処理についても後に詳細に説明する。
ステップ319において、ループ1の終了条件を判定する。すなわち、伝搬損の差から求めた全てのポイントのエラーの平均値および標準偏差がそれぞれ所定の値より小さくなったか否かを判定し、所定の値より小さく収束していればステップ320において処理を終了する。エラー値がまだ所定の値より小さくなっていなければ、ステップ305に戻りループ1の処理を反復する。
次に、以上述べた処理における、バーチャルハイトおよび傾き(Slope:スロープ)並びに切片(Intercept:インターセプト)の調整につき詳細に説明する。図4は、全ての測定ポイントに関し、各測定ポイントの伝搬損を基地局から該測定ポイントに至る距離(対数距離)に応じてプロットしたグラフである。このグラフには調整前の予測伝搬損の距離特性を示す実線のカーブP1と、測定伝搬損の距離特性を示す細かい点線のカーブM1が示されている。本発明による伝搬モデルのチューニングを行なう前は、これらの予測伝搬損のカーブP1と測定伝搬損のカーブM1とは傾きおよび切片が異なっている。したがって、シミュレーション結果のカーブ(P1:予測伝搬損)を、走行試験結果のカーブ(M1:測定伝搬損)に近づけるように伝搬モデルの調整を行なうことで、より精度の高い通信環境のシミュレーションを行なうことが可能になる。
伝搬モデルを調整するためには次の2つのステップが行なわれる。
(1)バーチャルハイト(VH)を調整し、地物データ(クラッタ)タイプごとの差分(エラー値)を減らすことで、図4の中央の矢印で示されるように、予測伝搬損のカーブP1を横に移動し、測定伝搬損のカーブM1の例えば中央値付近へ移動させる。これによって、図4のカーブP2が得られる。
(2)次に、このカーブP2の傾き(Slope:スロープ)と切片(Intercept:インターセプト)を調整して、予測伝搬損のカーブをさらに測定伝搬損のカーブM1に近づける。これによって、図4のカーブP3が得られる。
上記(2)の処理は次のようにして数式で表わすことができる。

(数1)

F(X)=(a*ΔS)X+(b+ΔI)→=a’X+b’

この場合、aは予測伝搬損の傾きであり、bは予測伝搬損の切片である。また、ΔSは予測伝搬損の傾きの調整係数であり、ΔIは予測伝搬の切片のオフセットである。さらに、a’は測定伝搬損の傾きであり、かつb’は測定伝搬損の切片である。
以上(1),(2)の調整を行なうことにより、測定伝搬損のカーブと予測伝搬損のカーブとがほぼ一致するかあるいは近接する。そして、このような状態で測定伝搬損と予測伝搬損との間のエラー値が所定値以下になれば調整が完了したことになる。
次に、前記図3で説明した処理における主要なパラメータなどにつき説明する。
まず、測定信号強度(Measured Signal
Strength)の計算につき説明する。測定信号強度は次の式によって得られる。

(数2)

測定信号強度=Ec/Io+RSSI

この場合、Ec/Ioは以下の式から得られる。

(数3)

Ec/Io≒[Lp×TxERP×AntCorrection]/RSSI

この式において、Lpは伝搬損であり、RSSIは全ての電力およびノイズ強度を合計したものである。また、AntCorrection(アンテナコレクション)はアンテナ利得およびアンテナパターンに基づき計算される補正係数である。
また、

(数4)

Ec/Io≒[Lp×Ppilot]/RSSI|dB=[Lp+Ppilot]−RSSI|dB

となり、この場合、

(数5)

Ppilot=TxERP×AntCorrection|dB=TxERP+AntCorrection|dB

(数6)

[Lp+Ppilot]≒[(Ec/Io)+RSSI]

となる。
このような測定信号強度から次の式によって測定伝搬損を求めることができる。

(数7)

測定伝搬損=TxERP+AntCorrection−測定信号強度

この場合、TxERPは送信実効放射電力である。
図5は、AntCorrection(アンテナコレクション)の概念を説明するための模式図である。同図に示されるように、基地局などから送信実効放射電力TxERPによって放射された電力は、一例として図示のごときアンテナパターンを有する。すなわち、アンテナの指向特性および放射電力特性などによって各アンテナは、特有の信号放射パターン(アンテナパターン)を有する。したがって、このようなアンテナからの信号電力を受ける受信機の位置に応じて受信信号の強度が変化する。アンテナコレクションはアンテナの種類に応じて決定される補正係数である。
次に、前記図3の処理における(ステップ310)測定伝搬損と予測伝搬損とのエラー値の算出は概念的には次の式に基づき行なわれる。

(数8)

エラー[dB]=予測伝搬損[dB]−測定伝搬損[dB]

実際には上記エラー値はまたTxクラッタポイントにおけるエラー値およびRxクラッタポイントにおけるエラー値の次のような組み合わせによって得られる。

(数9)

CombinedError
=[(ErrorTxClutter×CountTxClutter)+(ErrorRxClutter×CountRxClutter)]
/(CountTxClutter)+CountRxClutter)

この場合、CountTxClutterはおよびCountRxClutterは、走行試験によって得られた測定ポイントの数であり、両者を合わせたもの(分母)が実際の走行試験によって得られたデータの合計数になる。
前述のようなバーチャルハイトの調整によって目標とするエラー値は例えば平均エラーとしてユーザが定義できるが、デフォルトの値としては0.5dBより小さい値を目標とすることができる。また、標準偏差は、−8dBから10dBの間の値を目標とすることができる。さらに、総合的な平均エラーの目標値もユーザが定義できるが、デフォルトの値としては例えば1.0dBより小さな値となることを目標とすることができる。また、この場合の標準偏差も−8dBと10dBの範囲内に入ることを目標とすることができる。
また、図3の処理において、バーチャルハイトの調整(ステップ317)は次の式に基づき行なうことができる。

(数10)

H’=H(1−e/40)[m]

この場合、Hは現在のバーチャルハイトであり、H’は新しいバーチャルハイトであり、かつeはクラッタタイプに対するエラー(dB)である。
また、図3の処理における第2のフィルタ機能に関して、自由空間損失は以下の式で与えられる。

(数11)

PT/PR=[1/(GTGR)]×(4πfHzdm/λ)

この場合、PTは送信電力であり、PRは受信電力であり、GTは送信アンテナ利得であり、GRは受信アンテナ利得である。また、λは光の速度(3×10)であり、fHZは周波数(ヘルツ)であり、dmはアンテナ間の距離(メートル)である。
したがって、無指向性アンテナの自由空間損失は以下の式で与えられる。

(数12)

FSPLisotropicdB=10(PT/PR)=20log(4π/λ)+20log(dm)

この場合、GT=GR=1であり、送信および受信双方のアンテナが無指向性アンテナであることを示している。
したがって、

(数13)

FSPLisotropicdB=20log(4π/λ)+[20log(fMHz)+20log(1/106)]
+[20log(dkm)+20log(1/103)]


すなわち、

(数14)

FSPLisotropicdB=32.44+20log(fMHz)+20log(dkm)

となる。
送信および受信双方のアンテナがダイポールアンテナの場合は自由空間損失は次のようになる。

(数15)

FSPLdipoledB=28.16+20log(fMHz)+20log(dkm)

この場合、dBd=dBi−2.14である。
図3のステップ311における第2のフィルタ機能においては、各測定ポイントにおける伝搬損が上のような数式で求めた自由空間損失より小さい場合に、そのような測定データを排除することによりチューニングの精度を高めることができる。
本発明は、セルラ通信システムのようなマルチセクタ通信環境で通信を行なう無線通信システムの設計、開発、性能評価その他に適用可能である。
本発明に係わる伝搬モデルのチューニング技術が適用できるRF環境シミュレータの機能などを概略的に示す説明図である。 図1のシミュレータに組み込まれた伝搬モデルの機能などを説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係わる伝搬モデルをチューニングする方法における処理手順を示す概略的フローチャートである。 図3に示される処理において伝搬損を調整する手順を示す説明図である。 図3の処理において、測定信号強度から測定伝搬損を計算するために使用されるアンテナコレクション(アンテナ補正係数)の概念を示す説明図である。
符号の説明
BS 基地局
MS 移動ユニット
EP 標高データ(地表)
R,U,S,F,W 地物
P1 予測伝搬損カーブ
M1 測定伝搬損カーブ
P2 VH調整後の予測伝搬損カーブ
P3 傾きおよび切片調整後の予測伝搬損カーブ

Claims (18)

  1. 基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行う無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルをチューニングする方法であって、前記伝搬モデルは地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を備えたものであり、前記方法は、
    走行試験によって前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントにおける測定信号強度データを求める段階、
    前記測定信号強度データを伝搬損に変換して測定伝搬損を求める段階、
    デフォルトのバーチャルハイトにもとづき前記伝搬モデルの機能を使用して前記複数ポイントにおける予測伝搬損を計算する段階、
    前記予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける前記予測伝搬損と前記測定伝搬損との間の伝搬損誤差を求める段階、
    前記複数ポイントにおける前記伝搬損誤差にもとづき各地物ごとの前記バーチャルハイトを調整する段階、
    調整されたバーチャルハイトにもとづき前記伝搬損モデルの機能を使用して修正された予測伝搬損を求める段階、
    前記修正された予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける修正された伝搬損誤差を求める段階、
    前記修正された伝搬損誤差が所定の値より小さくなるまで前記バーチャルハイトを調整する段階および前記修正された予測伝搬損を求める段階を反復する段階、
    を具備することを特徴とする伝搬モデルをチューニングする方法。
  2. 前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記バーチャルハイトを調整して予測伝搬損−距離特性曲線を移動させることを特徴とする請求項1に記載の伝搬モデルをチューニングする方法。
  3. 前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記予測伝搬損−距離特性曲線の傾きおよび切片をさらに調整することを特徴とする請求項2に記載の伝搬モデルをチューニングする方法。
  4. 走行試験によって得られた測定データの内前記基地局のアンテナから予め選択した距離以内のポイントの測定データのみを使用することを特徴とする請求項1に記載の伝搬モデルをチューニングする方法。
  5. 走行試験によって得られた測定データの内自由空間損失よりも損失が少ないポイントの測定データを排除することを特徴とする請求項1に記載の伝搬モデルをチューニングする方法。
  6. 走行試験によって得られた測定データの内同一タイプの地物における測定サンプル数が所定数より少ないポイントの測定データを排除することを特徴とする請求項1に記載の伝搬モデルをチューニングする方法。
  7. 基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行う無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルをチューニングする方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記伝搬モデルは地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を備えたものであり、前記プログラムは、
    走行試験によって前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントにおける測定信号強度データを求める段階、
    前記測定信号強度データを伝搬損に変換して測定伝搬損を求める段階、
    デフォルトのバーチャルハイトにもとづき前記伝搬モデルの機能を使用して前記複数ポイントにおける予測伝搬損を計算する段階、
    前記予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける前記予測伝搬損と前記測定伝搬損との間の伝搬損誤差を求める段階、
    前記複数ポイントにおける前記伝搬損誤差にもとづき各地物ごとの前記バーチャルハイトを調整する段階、
    調整されたバーチャルハイトにもとづき前記伝搬損モデルの機能を使用して修正された予測伝搬損を求める段階、
    前記修正された予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける修正された伝搬損誤差を求める段階、
    前記修正された伝搬損誤差が所定の値より小さくなるまで前記バーチャルハイトを調整する段階および前記修正された予測伝搬損を求める段階を反復する段階、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  8. 前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記バーチャルハイトを調整して予測伝搬損−距離特性曲線を移動させることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記予測伝搬損−距離特性曲線の傾きおよび切片をさらに調整することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
  10. 走行試験によって得られた測定データの内前記基地局のアンテナから予め選択した距離以内のポイントの測定データのみを使用することを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  11. 走行試験によって得られた測定データの内自由空間損失よりも損失が少ないポイントの測定データを排除することを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  12. 走行試験によって得られた測定データの内同一タイプの地物における測定サンプル数が所定数より少ないポイントの測定データを排除することを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  13. 基地局と移動通信ユニットとがマルチセクタ通信環境で通信を行う無線通信システムの電波伝搬環境を予測するためのシミュレータにおいて使用する伝搬モデルのチューニング装置であって、前記伝搬モデルは地表上の各地物ごとに想定した仮想高さであるバーチャルハイトを使用して伝搬損を計算する機能を備えたものであり、前記装置は、
    走行試験によって前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントにおける測定信号強度データを求める手段、
    前記測定信号強度データを伝搬損に変換して測定伝搬損を求める手段、
    デフォルトのバーチャルハイトにもとづき前記伝搬モデルの機能を使用して前記複数ポイントにおける予測伝搬損を計算する手段、
    前記予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける前記予測伝搬損と前記測定伝搬損との間の伝搬損誤差を求める手段、
    前記複数ポイントにおける前記伝搬損誤差にもとづき各地物ごとの前記バーチャルハイトを調整する手段、
    調整されたバーチャルハイトにもとづき前記伝搬損モデルの機能を使用して修正された予測伝搬損を求める手段、
    前記修正された予測伝搬損と前記測定伝搬損とを比較して前記複数ポイントにおける修正された伝搬損誤差を求める手段、
    前記修正された伝搬損誤差が所定の値より小さくなるまで前記バーチャルハイトを調整する段階および前記修正された予測伝搬損を求める段階を反復する手段、
    を具備することを特徴とする伝搬モデルのチューニング装置。
  14. 前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記バーチャルハイトを調整して予測伝搬損−距離特性曲線を移動させることを特徴とする請求項13に記載の伝搬モデルのチューニング装置。
  15. 前記基地局から前記マルチセクタ通信環境内の複数ポイントのそれぞれに至る経路の測定伝搬損を前記基地局から各ポイントまでの距離に応じてプロットして作成される測定伝搬損−距離特性曲線と、対応するポイントの予測伝搬損から作成される予測伝搬損−距離特性曲線とが近接するように前記予測伝搬損−距離特性曲線の傾きおよび切片をさらに調整することを特徴とする請求項14に記載の伝搬モデルのチューニング装置。
  16. 走行試験によって得られた測定データの内前記基地局のアンテナから予め選択した距離以内のポイントの測定データのみを使用することを特徴とする請求項13に記載の伝搬モデルのチューニング装置。
  17. 走行試験によって得られた測定データの内自由空間損失よりも損失が少ないポイントの測定データを排除することを特徴とする請求項13に記載の伝搬モデルのチューニング装置。
  18. 走行試験によって得られた測定データの内同一タイプの地物における測定サンプル数が所定数より少ないポイントの測定データを排除することを特徴とする請求項13に記載の伝搬モデルのチューニング装置。
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