JPWO2010058800A1 - 制御ユニットへの電子部品の取付構造 - Google Patents

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Abstract

本発明の電子部品の取付構造は、油路3を画成するための溝部12及び電子部品装着用の凹部13が形成された油路形成面11を有する上部ボディ10と、上部ボディ10の凹部13に装着された油圧スイッチ41と、油路3を画成するための溝部32が形成された油路形成面31を有する下部ボディ30とを備える。セパレートプレート5を挟んだ油路形成面11と油路形成面31との接合により、凹部13に装着された油圧スイッチ41のスイッチ面42が油路3に面した状態で、当該油圧スイッチ41が上部ボディ10と下部ボディ30との間に挟まれて取り付けられる。油圧スイッチ41を制御ユニット1に取り付けるための別途の部品が不要となるので、制御ユニット1の軽量化及び部品点数の削減を図ることができる。

Description

本発明は、自動変速機などに搭載される油圧制御装置が備える制御ユニットに圧力スイッチなどの電子部品を取り付けるための制御ユニットへの電子部品の取付構造に関する。
自動変速機に搭載された油圧制御装置は、作動油が流通する油路が形成された制御ユニットを備えている。この制御ユニットは、油路形成用の溝部を有してなる複数の制御ボディを組み立てて構成されている。制御ユニットには、作動油が流通する油路が形成されていると共に、油路に通じるバルブ穴が設けられている。該バルブ穴には、油路の切り替えを行うためのバルブ機構を構成するバルブスプールが挿入されている。また、制御ユニットには、油路を流通する作動油の圧力を検出する油圧スイッチ(圧力スイッチ)や、作動油の温度を検出する油温センサ(温度センサ)など、各種の電子部品が組み込まれている。
従来の制御ユニットに組み込まれる油圧スイッチなどの電子部品は、特許文献1乃至3に示すように、あらかじめ電子部品を固定したプレート状の樹脂部材(樹脂板)を用意し、該樹脂部材を制御ボディの外面にボルト締結などを行うことにより取り付けられていた。これにより、各油圧スイッチが制御ボディの圧力を検出する油路穴に位置合わせされた状態で取り付けられる。また、油圧スイッチを固定している樹脂部材には、該樹脂部材を補強するとともに油圧スイッチへ通電するための導電性を有する金属板が取り付けられている。
ところで、上記のような油圧スイッチの取付構造では、制御ボディに設けた油圧スイッチの油圧に対するシール性や耐圧性を確保する必要がある。そのため、金属板に適度の厚みを持たせることで、油圧スイッチに油路からの圧力が掛かっても金属板が容易に撓まない程度の剛性を確保している。ところが、金属板の剛性を確保すると、油圧スイッチモジュールの重量増につながる。このため、制御ユニットの軽量化や構成の簡素化が阻害されるおそれがあった。
また、従来は、制御ユニットに油圧スイッチなどの電子部品を取り付けるための樹脂部材や金属板を制御ボディとは別部品として用意していた。そのため、その分、制御ユニットの部品点数が多くなり、制御ユニット及び該制御ユニットを備えた自動変速機の製造コストの増加や組立工程の煩雑化につながるおそれがあった。
特許第2800972号公報 特開2006−341562号公報 特開2008−1225号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、電子部品の取付性を良好にしながらも、軽量化や部品点数の削減による構成の簡素化を図ることができる制御ユニットへの電子部品の取付構造を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、制御ユニット(1)に電子部品(41)を取り付けるための取付構造であって、油路(3)を画成するための溝部(12)及び電子部品(41)を装着するための電子部品装着部(13)が形成された第1の油路形成面(11)を有する第1の制御ボディ(10)と、電子部品装着部(13)に装着された電子部品(41)と、油路(3)を画成するための溝部(32)が形成された第2の油路形成面(31)を有する第2の制御ボディ(30)と、を備え、第1の制御ボディ(10)の第1の油路形成面(11)と、第2の制御ボディ(30)の第2の油路形成面(31)とを直接又は他の部材(5)を介して接合することで、電子部品装着部(13)に装着された電子部品(41)の作動部(42)が油路(3)に面した状態で、該電子部品(41)が第1の油路形成面(11)と第2の油路形成面(31)との間に取り付けられること特徴とする。この場合、第1の制御ボディ(10)の電子部品装着部(13)に装着される電子部品は、一例として、油路(3)を流通する作動油の圧力を検出する圧力スイッチ(41)あるいは油路(3)を流通する作動油の温度を検出する温度センサ(61)とすることができる。なお、ここでの括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる制御ユニットへの電子部品の取付構造によれば、電子部品装着部に電子部品を装着した第1の制御ボディと第2の制御ボディとの接合により、電子部品の作動部が油路に面した状態で、該電子部品が第1の制御ボディと第2の制御ボディとの間に挟まれて取り付けられる。したがって、従来必要であった樹脂部材や金属板など、電子部品を制御ユニットに取り付けるための別途の部品が不要となる。したがって、制御ユニットの部品点数の削減及び構成の簡素化を図ることができる。
また、第1の制御ボディに電子部品装着部を設け、電子部品を第1の制御ボディに対して直接装着するように構成した。そのため、第1の制御ボディが持つ剛性によって、電子部品を油圧に対して確実に固定することが可能となるので、油路を流通する作動油の圧力に対する電子部品の耐圧性やシール性を確保することができる。これにより、従来の取付構造のように、耐圧性やシール性を考慮した剛性の高い金属板などの部品を別途に設ける必要が無いので、制御ユニットの軽量化や構成の簡素化を図ることができる。
また、この制御ユニットへの電子部品の取付構造では、複数の電子部品(41)をモジュール化した電子部品モジュール(40)を備え、電子部品装着部(13)は、第1の油路形成面(11)に設けた電子部品モジュール(40)を挿着可能な形状の凹部(13)を有するようにしてもよい。このように、電子部品をモジュール化して制御ボディへ一体に取り付けるように構成したことで、電子部品の取付作業性が良好になり、制御ユニットの組立効率が向上する。
また、この制御ユニットへの電子部品の取付構造では、油路(3)を仕切るための仕切部材(5)をさらに備え、第1の油路形成面(11)と第2の油路形成面(31)との接合は、仕切部材(5)を挟んでその両側に第1の油路形成面(11)と第2の油路形成面(31)とが位置するように第1の制御ボディ(10)と第2の制御ボディ(30)とを固定して行われるとよい。なお、ここでいう仕切部材を挟んでその両側に第1の油路形成面と第2の油路形成面とが位置する状態とは、第1、第2の油路形成面と仕切部材との隙間から油が漏れたりすることなく、第1、第2の油路形成面と仕切部材とによって画成された油路がその機能を奏することができる状態を示す。
また、この制御ユニットへの電子部品の取付構造では、電子部品(41)に取り付けたシール部材(49)を備え、第1の制御ボディ(10)と第2の制御ボディ(30)との接合により、電子部品装着部(13)と油路(3)との隙間がシール部材(49)で密封されるようにしてもよい。これによれば、制御ユニットの電子部品装着部と油路との隙間を密封できるので、該隙間からの作動油の漏れを防ぐことができる。また、第1の制御ボディと第2の制御ボディとの接合による制御ユニットの組立の際に、電子部品装着部と油路との隙間がシール部材で密封されるようになるので、制御ユニットの組立効率が向上する。
本発明にかかる制御ユニットへの電子部品の取付構造によれば、制御ユニットへの電子部品の取付性を良好にしながらも、制御ユニットの軽量化及び部品点数の削減による構成の簡素化を図ることができる。
本発明の第1実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニットを示す図で、制御ユニットを横置きにした状態の平面図である。 制御ユニットを示す図で、図2Aは、図1のIIA−IIA矢視断面図、図2Bは、図1のIIB−IIB矢視断面図である。 制御ユニットの上部ボディを示す図で、図2のIII−III矢視図である。 油圧スイッチモジュールを示す図で、図4Aは、平面図、図4Bは、側面図、図4Cは、下面図である。 油圧スイッチの構成を示す図で、図1のV−V部分の概略側断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニットを示す図で、制御ユニットを横置きにした状態の平面図である。 制御ユニットを示す図で、図6のVII−VII矢視断面図である。 油温センサ及びその周辺の構成を示す概略側断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニットを示す側断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニットを示す側断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニット1を示す図である。図1は、制御ユニット1の平面図、図2Aは、図1のIIA−IIA矢視断面図、図2Bは、図1のIIB−IIB矢視断面図、図3は、図2のIII−III矢視図である。なお、以下の説明において上下又は左右というときは、図2Aに示すように制御ユニット1を横置きにした状態での上下又は左右を示す。しかしながら、制御ユニット1は、横置きには限らず縦置きあるいは他の向きで設置されることもある。
制御ユニット1は、車両が備える自動変速機の油圧制御装置に搭載されるもので、上部ボディ(第1の制御ボディ)10と下部ボディ(第2の制御ボディ)30とセパレートプレート5とを組み合わせて構成されている。上部ボディ10と下部ボディ30はいずれも、金属製で所定の厚みを有する略長方形の平板状に形成されている。図3に示すように、上部ボディ10の下面は、油路3(図2A参照)を画成するための溝部12が形成された油路形成面(第1の油路形成面)11になっている。また、下部ボディ30の上面は、図2Aに示すように、油路3を画成するための溝部32が形成された油路形成面(第2の油路形成面)31になっている。制御ユニット1は、上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とを対向させ、それらの間に油路3を仕切るための薄板状のセパレートプレート(仕切部材)5を介在させた状態で接合し、上部ボディ10と下部ボディ30の外周部などの複数箇所をボルト6の締結で固定することにより組み立てられる。詳細な図示は省略するが、セパレートプレート5には、適宜の位置に開口や切り欠きなどが形成されていて、これら開口や切り欠きとそれ以外の部分とで油路3が仕切られるようになっている。すなわち、上部ボディ10の溝部12及び下部ボディ30の溝部32とセパレートプレート5とによって、制御ユニット1の内部に作動油が流通する油路3が形成されている。
また、下部ボディ30には、軸方向が制御ユニット1の油路形成面11,31と平行に伸びる略円筒状のバルブ穴34が形成されている。バルブ穴34は、下部ボディ30の内部における複数箇所に形成されており、各々が下部ボディ30の側面に開口している。また、バルブ穴34の複数箇所に油路3が連通している。バルブ穴34には、略円柱形状のバルブスプール35が挿入され、開口34aが封止部材36で封止されている。これにより、バルブスプール35は、バルブ穴34内で軸方向に沿って摺動可能な状態で設置される。また、封止部材36とバルブスプール35の間にコイルスプリング37が介在しており、バルブスプール35が軸方向の一方に付勢された状態になっている。したがって、バルブ穴34の一端に設けた油室34bに導入する作動油の油圧(信号圧)により、バルブスプール35をコイルスプリング37の付勢力に抗して軸方向に移動させることができる。バルブスプール35の移動により、油路3を流通する作動油の流通経路が切り替えられるようになっている。
また、上部ボディ10の油路3に面する位置には、電子部品である油圧スイッチ(圧力スイッチ)41が設置されている。油圧スイッチ41は、同一構成の油圧スイッチ41を複数個集めてモジュール化した油圧スイッチモジュール(電子部品モジュール)40として構成されている。図4は、油圧スイッチモジュール40を示す図で、図4Aは、平面図、図4Bは、側面図、図4Cは、下面図である。油圧スイッチモジュール40は、油路3を流通する作動油の圧力に応じてオンオフする複数の油圧スイッチ41と、信号線(電線)からなるバスバー51と、カプラー(コネクタ)55とを備えている。カプラー55から延伸するバスバー51が平面状に並設された各油圧スイッチ41に接続されている。油圧スイッチモジュール40は、全体が薄板形状に構成されている。カプラー55と各油圧スイッチ41間のバスバー51は、樹脂モールド(絶縁部材)52で被覆されており、外部に対して絶縁されている。また、カプラー55は、バスバー51を覆う樹脂モールド52と一体に形成されている。油圧スイッチ41もバスバーを覆う樹脂モールド52と一体に形成された樹脂部材52aでその一部が構成されている。
図2B及び図3に示すように、油圧スイッチモジュール40は、上部ボディ10の油路形成面11に設けた凹部(電子部品装着部)13に装着されている。凹部13は、油圧スイッチモジュール40の外形に沿う形状及び深さを有する窪みとして形成されており、油路形成用の溝部12とは別に設けられている。また、図1及び図2Bに示すように、凹部13におけるカプラー55の接続端55aに対応する部分は、上部ボディ10の上面10aに開口する開口部14になっており、開口部14からカプラー55の接続端55aが露出するようになっている。
図5は、油圧スイッチ41の構成を示す図で、図1のV−V部分の概略側断面図である。油圧スイッチ41は、樹脂部材(樹脂モールド)52aにより、下側に開口からなるスイッチ面(作動部)42を有する略円形の凹形状に形成されている。この油圧スイッチ41の内部(スイッチ面42の開口内)には、下側に凸となるように湾曲する略半球面(ドーム)状のダイヤフラム43が設置されており、ダイヤフラム43の上部には、接点部材44が設置されている。また、接点部材44に接続されて油圧スイッチ41の一の側方に延伸する第1端子部材45と、ダイヤフラム43に接続されて油圧スイッチ41の他の側方に延伸する第2端子部材46とが設けられている。第1端子部材45は、リベット48によりバスバー51aに接続された状態で樹脂部材52aに固定されている。第2端子部材46は、リベット47によりバスバー51bに接続された状態で樹脂部材52aに固定されている。
また、下部ボディ30における油圧スイッチ41に対応する位置には、油路3が形成されている。また、セパレートプレート5における油圧スイッチ41に対応する位置には、貫通穴5aが設けられている。該貫通穴5aにより油圧スイッチ41と下部ボディ30の油路3とが連通するようになっている。また、油圧スイッチ41の下端外周には、シールリング(シール部材)49が取り付けられている。シールリング49は、油路3を流通する作動油に対する耐油性を有するゴムなどの弾性材料からなる環状の部材である。
上記構成の制御ユニット1を組み立てるには、上部ボディ10の凹部13に油圧スイッチモジュール40を装着した状態で、上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とをそれらの間にセパレートプレート5を介在させて接合する。そして、上部ボディ10と下部ボディ30とをボルト6の締結で固定する。すなわち、本実施形態における油路形成面11と油路形成面31との接合は、セパレートプレート5を挟んでその両側に油路形成面11と油路形成面31とが位置するように上部ボディ10と下部ボディ30とを固定して行われる。これにより、図2Aに示すように、上部ボディ10の溝部12と下部ボディ30の溝部32とセパレートプレート5とによって区画された油路3が制御ユニット1の内部に形成される。かつ、油圧スイッチモジュール40が上部ボディ10とセパレートプレート5との間に挟み込まれて設置され、油圧スイッチ41のスイッチ面42が油路3に面した状態となる。また、セパレートプレート5の両側に上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とを接合する際、油圧スイッチ41とセパレートプレート5の貫通穴5aとの隙間がシールリング49によってシール(密封)される。このようにして上部ボディ10と下部ボディ30との間に設置された油圧スイッチ41は、スイッチ面42が油路3に面しているので、油路3を流通する作動油の圧力に応じてダイヤフラム43が接点部材44と接触・離間することでオンオフが切り替わる。
以上説明したように、本実施形態の制御ユニットへの電子部品の取付構造では、上部ボディ10の油路形成面11に設けた電子部品装着用の凹部13に油圧スイッチモジュール40を装着して、セパレートプレート5の両側にそれぞれ上部ボディ10と下部ボディ30とを接合することで、油圧スイッチモジュール40を上部ボディ10とセパレートプレート5との間(上部ボディ10と下部ボディ30との間)に挟み込んだ状態で取り付けるようにした。これにより、従来必要であった油圧スイッチモジュール40を制御ユニット1に取り付けるための別途の部品(樹脂板や金属板及びそれらを固定するボルトなどの固定具)が不要となる。したがって、制御ユニット1の部品点数の削減、構成の簡素化を図ることができる。また、上部ボディ10と下部ボディ30を接合する際、同時に油圧スイッチモジュール40の取り付けが行われるので、油圧スイッチモジュール40を制御ユニット1に取り付けるための工程が簡単になる。したがって、制御ユニット1の組立工程の簡素化及び組立作業に要する時間の短縮が図れる。
また、本実施形態では、上部ボディ10に油圧スイッチモジュール40を装着するための凹部13を設け、油圧スイッチモジュール40を上部ボディ10に対して直接装着している。したがって、上部ボディ10が持つ剛性により、油圧スイッチ41を油路3からの油圧に対して確実に固定することが可能となるので、油圧スイッチ41の耐圧性やシール性を確保することができる。これにより、従来の取付構造のように、耐圧性やシール性を考慮した剛性の高い金属板などの部品を別途に設ける必要が無いので、制御ユニット1の軽量化や構成の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態の電子部品の取付構造では、複数の油圧スイッチ41をモジュール化した油圧スイッチモジュール40を備え、上部ボディ10に設けた凹部13は、この油圧スイッチモジュール40を装着可能な形状としている。このように複数の油圧スイッチ41をモジュール化して一体に取り付けるように構成したことで、上部ボディ10への油圧スイッチ41の取付作業が行い易くなり、制御ユニット1の組立効率が向上する。
また、本実施形態の電子部品の取付構造では、油圧スイッチ41の下端外周とセパレートプレート5の貫通穴5aの周囲とが接する箇所に、油圧スイッチ41と貫通穴5aとの隙間、すなわち凹部13と油路3との隙間を密封するためのシールリング49を取り付けている。これにより、油圧スイッチ41(凹部13)と貫通穴5a(油路3)との隙間から作動油が漏れることを防止できる。また、上部ボディ10と下部ボディ30とを接合して制御ユニット1を組み立てる際、同時にシールリング49で油圧スイッチ41と貫通穴5aとの隙間が密封されるので、油圧スイッチ41と貫通穴5aとの隙間を密封するための工程が簡単になる。
なお、本実施形態では、油圧スイッチモジュール40が備えるカプラー55の接続端55aを露出させる開口部14を上部ボディ10の上面10aに設けた場合を示したが、これ以外にも、図示は省略するが、カプラー55の接続端55aを露出させる開口部を上部ボディ10の側面に設けることも可能である。さらに、下部ボディ30の端辺を切り欠いてなる切欠部を設け、上部ボディ10と下部ボディ30との隙間からカプラー55の接続端55aを露出させることも可能である。
また、本実施形態では、油圧スイッチ41の向き(シールリング49を取り付けた面の向き)をセパレートプレート5に向けて配置した場合を示したが、これ以外にも、油圧スイッチ41の向きは、スイッチ面42が油路3に面するように配置するのであれば、例えば、油路3が油圧スイッチ41の上側に位置するような場合には、スイッチ面42を図1における上側(上部ボディ10の内側)に向けて配置することも可能である。すなわち、油圧スイッチ41や該油圧スイッチ41に設けるシールリング49の具体的な向きや配置は、制御ユニット1に形成する油路3の形状や配置に応じて変更することが可能である。
さらに、本実施形態では、油圧スイッチ41を装着するための凹部13を上部ボディ10に設けた場合を示したが、凹部13は、上部ボディ10に代えて下部ボディ30に設けることも可能である。また、本実施形態では、制御ユニット1が上部ボディ10と下部ボディ30の2個の制御ボディで構成されている場合を示したが、制御ユニット1は、3個以上の制御ボディで構成されていても良い。その場合は、概略平板形状の制御ボディをその面と交差する方向に重ね合わせるようにし、各制御ボディの内部および隣接する制御ボディの間に油路が形成されるようにする。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる制御ユニットへの電子部品の取付構造について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。
図6及び図7は、第2実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニット1−2を示す図で、図6は、制御ユニット1−2の平面図、図7は、図6のVII−VII矢視断面図である。本実施形態では、制御ユニット1−2に取り付ける電子部品として、第1実施形態で用いた油圧スイッチ41に加えて、油温センサ(温度センサ)61を備えている。油温センサ61は、複数の油圧スイッチ41をモジュール化した電子部品モジュール40−2に一体に組み付けられている。すなわち、本実施形態の電子部品モジュール40−2は、図7に示すように、カプラー55から延伸するバスバー51が各油圧スイッチ41に接続されていると共に、油温センサ61にも接続されている。油温センサ61及びそれに接続されたバスバー51は、油圧スイッチ41と略同一平面内に配置されている。電子部品モジュール40−2は、上部ボディ10に設けた凹部13−2に装着されている。
図8は、油温センサ61及びその周辺の構成を示す概略断面図である。油温センサ61は、樹脂モールドで形成された本体部62と、本体部62の内部に配置された略棒状の感熱部(作動部)63とを有している。本体部62は、略円柱状のシール部62aと略方形状の台座部62bとそれらを連結する軸部62cとで構成されている。シール部62aの外周面には、シールリング64が嵌合された環状の溝部が形成されている。シールリング64は、油圧スイッチ41のシールリング49と同様、油路3を流通する作動油に対する耐油性を有するゴムなどの弾性材料からなる環状の部材である。また、シール部62aの下端には、感熱部63の先端が突出しており、感熱部63の内部には、図示しないサーミスタが樹脂封止により埋め込まれている。また、台座部62bの側面から側方に向かって接続端子65が突出している。接続端子65の先端は、リベット66によりバスバー51に接続されている。
一方、セパレートプレート5における油温センサ61に対応する位置には、油温センサ61の下端を挿入させる貫通穴5bが形成されている。また、下部ボディ30における油温センサ61に対応する位置には、油温センサ61の感熱部63を挿入配置する油路3が形成されている。
本実施形態においても、電子部品モジュール40−2を上部ボディ10の凹部13−2に挿着した状態で、セパレートプレート5の両側にそれぞれ上部ボディ10と下部ボディ30とを接合する。これにより、図8に示すように、油温センサ61のシール部62aがセパレートプレート5の貫通穴5bを貫通し、感熱部63が油路3に挿入される。したがって、油路3を流通する作動油の温度を油温センサ61で測定可能となる。また、油温センサ61に設けたシールリング64によって、シール部62aの外周と油路3との隙間が密封されるようになっている。したがって、作動油が油温センサ61と油路3との隙間から漏れることを防止できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる制御ユニットへの電子部品の取付構造について説明する。図9は、第3実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニット1−3を示す側断面図(第1実施形態の図2(a)に対応する側断面図)である。本実施形態の制御ユニット1−3は、第1実施形態の制御ユニット1が備えていたセパレートプレート5を省略し、上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とを他の部材を介さず直接接合した構成である。それ以外の構成は、第1実施形態の制御ユニット1と同じである。
すなわち、本実施形態の制御ユニット1−3でも、上部ボディ10と下部ボディ30との接合により、油路形成面11の溝部12と油路形成面31の溝部32とによって区画された油路3が制御ユニット1の内部に形成される。また、油圧スイッチモジュール40が上部ボディ10と下部ボディ30との間に挟み込まれて設置され、油圧スイッチ41のスイッチ面42が油路3に面した状態となる。なお、本実施形態では、油圧スイッチ41に取り付けたシールリング49は、油圧スイッチ41の下端外周と下部ボディ30に設けた溝部32の外周との隙間に介在するようになる。したがって、凹部13と油路3との隙間が密封されるので、当該隙間から作動油が漏れることを防止できる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態にかかる制御ユニットへの電子部品の取付構造について説明する。図10は、第4実施形態にかかる電子部品の取付構造を適用した制御ユニット1−4を示す側断面図(第2実施形態の図7に対応する側断面図)である。本実施形態の制御ユニット1−4は、第2実施形態の制御ユニット1−2が備えていたセパレートプレート5を省略し、上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とを他の部材を介さず直接接合した構成である。それ以外の構成は、第2実施形態の制御ユニット1−2と同じである。
すなわち、本実施形態の制御ユニット1−4では、電子部品モジュール40−2を上部ボディ10の凹部13−2に挿着した状態で、上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とを他の部材を介さずに直接接合する。これにより、図10に示すように、油温センサ61のシール部62a及び感熱部63が油路3(下部ボディ30の溝部32)に挿入される。こうして、油路3を流通する作動油の温度を油温センサ61で測定可能となる。また、本実施形態でも、油温センサ61に設けたシールリング64によって、シール部62aの外周と油路3との隙間が密封されるようになっている。したがって、作動油が凹部13−2と油路3との隙間から漏れることを防止できる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
例えば、本発明にかかる取付構造を適用して制御ユニットに取り付ける電子部品は、上記実施形態で示した油圧スイッチ41あるいは油温センサ61には限定されず、それ以外の電子部品であってもよい。また、制御ユニット1〜1−4に取り付ける電子部品の数や具体的な配置は、上記実施形態に示すものには限定されない。また、電子部品は、必ずしもモジュール化する必要は無く、油圧スイッチ41などの電子部品を一個ずつ装着可能な凹部を制御ボディに形成して、単一の電子部品ごとに制御ボディに取り付けるようにすることも可能である。
また、第3実施形態及び第4実施形態では、上部ボディ10の油路形成面11と下部ボディ30の油路形成面31とをセパレートプレート5を介さずに接合する場合を説明したが、この場合においても、油路3を画成する溝部12と溝部32の隙間を塞ぐために必要であれば、油路形成面11と油路形成面31との間に油路3を密封するためのシール部材(例えば、油路3以外の接合面に挟み込んで取り付けるパッキンなど)を介在させることも可能である。

Claims (6)

  1. 制御ユニットに電子部品を取り付けるための取付構造であって、
    油路を画成するための溝部及び電子部品を装着するための電子部品装着部が形成された第1の油路形成面を有する第1の制御ボディと、
    前記電子部品装着部に装着された電子部品と、
    前記油路を画成するための溝部が形成された第2の油路形成面を有する第2の制御ボディと、
    を備え、
    前記第1の制御ボディの前記第1の油路形成面と、前記第2の制御ボディの前記第2の油路形成面とを直接又は他の部材を介して接合することで、前記電子部品装着部に装着された前記電子部品の作動部が前記油路に面した状態で、該電子部品が前記第1の油路形成面と前記と第2の油路形成面との間に取り付けられる
    こと特徴とする制御ユニットへの電子部品の取付構造。
  2. 複数の前記電子部品をモジュール化した電子部品モジュールを備え、
    前記電子部品装着部は、前記第1の油路形成面に設けた前記電子部品モジュールを挿着可能な形状の凹部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニットへの電子部品の取付構造。
  3. 前記電子部品は、前記油路を流通する作動油の圧力を検出する圧力スイッチである
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニットへの電子部品の取付構造。
  4. 前記電子部品は、前記油路を流通する作動油の温度を検出する温度センサである
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニットへの電子部品の取付構造。
  5. 前記油路を仕切るための仕切部材をさらに備え、
    前記第1の油路形成面と前記第2の油路形成面との接合は、前記仕切部材を挟んでその両側に前記第1の油路形成面と前記第2の油路形成面とが位置するように前記第1の制御ボディと前記第2の制御ボディとを固定して行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニットへの電子部品の取付構造。
  6. 前記電子部品に取り付けたシール部材を備え、
    前記第1の制御ボディと前記第2の制御ボディとの接合により、前記電子部品装着部と前記油路との隙間が前記シール部材で密封される
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニットへの電子部品の取付構造。
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