JP6341154B2 - 油圧制御装置のバルブボディ - Google Patents

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Description

本発明は、油圧アクチュエータへの油圧の供給や被潤滑部への潤滑油の供給を制御する油圧制御装置のバルブボディ及びその製造方法に関する。
一般に、車両に搭載される自動変速機は、変速機構を構成する複数の摩擦締結要素への締結用油圧の生成及び給排、変速機ケース内の各部への潤滑油の供給、並びに、トルクコンバータへのオイルの供給等を制御する油圧制御装置を備えている。
特許文献1に開示されているように、従来、油圧制御装置のバルブボディは、複数層のバルブボディ構成部材を、各層の合わせ面間にセパレートプレートを挟んで積み重ね、これらを複数のボルトで締結してユニット化したものである。各層のバルブボディ構成部材は、アルミニウムのダイキャスト等により、金型を用いて成形され、これにより、高精度で効率的な大量生産が可能となっている。
バルブボディにはソレノイドバルブやスプールバルブ等が組み付けられ、少なくとも1層のバルブボディ構成部材には、ソレノイドバルブにおける電磁部から延びる小径部やスプールバルブのスプール等が挿入されるバルブ挿入穴が複数設けられる。これらのバルブ挿入穴は、成形されたバルブボディ構成部材を加工することによって、通例、合わせ面に平行な方向に延びるように形成される。
また、各層のバルブボディ構成部材には、バルブ挿入穴に連絡された複数の油路が設けられている。これらの油路は、合わせ面に沿って延びるように形成されるが、金型を用いたバルブボディ構成部材の成形時に該金型によって形成されるため、油路の設計においては、型抜き及び抜き勾配を考慮する必要がある。
具体的には、図8に示すように、金型301の型抜きを可能にするために、バルブボディ構成部材200の全ての油路201は全長に亘って他のバルブボディ構成部材との合わせ面211に開放するように形成され、これにより、油路201の断面形状は、合わせ面211からこれに直交する方向(バルブボディの厚み方向)に所定深さを有する溝形状となる。また、油路201の断面形状は、抜き勾配を考慮して先細り状とされる。
各層のバルブボディ構成部材において、合わせ面における油路の開放部はセパレートプレートによって閉じられ、或いは該セパレートプレートに設けられた連通穴を介して、セパレートプレートを挟んで隣接したバルブボディ構成部材の油路同士が連通される。
特開2013−253653号公報
しかしながら、従来のバルブボディでは、図8及び図9に示すように、全ての油路201,202が合わせ面211,212に開放するように形成される必要があるため、油路のレイアウトに関して、1つの合わせ面211,212について厚み方向に1つの油路201,202しか設けることができない。つまり、図8に示すようにバルブボディ構成部材200の片面のみが合わせ面211である場合には、厚み方向に1つの油路201しか設けることができず、図9に示すようにバルブボディ構成部材200の両面が合わせ面211,212である場合には、厚み方向に2つの油路201,202しか設けることができず、厚み方向にそれ以上の油路を重ねて配置する油路構成を採用し得ない。
そのため、複数の油路が複雑に入り組みながら密集して配索されたバルブボディに新たな油路を追加しようとすると、該新たな油路は、既存の油路を迂回するように合わせ面211,212の外周に沿って配索されることになる。そうすると、新たな油路が必要以上に長く形成されて、管路抵抗が増大するとともに、該新たな油路の配索スペースを確保するために、合わせ面211,212の拡大、ひいてはバルブボディの大型化を招くことになる。
また、新たに追加される油路が短く形成されるように全ての油路構成を最初から構築し直すことも考えられるが、上述した制約の下で複雑な油路を設計するのは高度で難解な作業であるとともに、新たな設計図に基づいて金型を作り直す必要があることから、油路の設計変更には多大な労力や時間を必要とする。
さらに、バルブボディの油路構成の変更を少なくするために、新たに追加される油路をバルブボディとは別体のパイプで構成して、該パイプを介してバルブボディの油路と変速機ケースの油路とを接続することも考えられるが、この場合、パイプの配索スペースの分だけ油圧制御装置が全体的に大型化するとともに、パイプ両端の接続部において、オイル漏れを防止するための対策を講じる必要があり、その対策のために構造の複雑化や部品点数の増加を強いられる。
また、従来のバルブボディでは、図8に示すように、油路201の断面形状が先細り状とされることにより、油路201の最深部に所定幅を持たせようとすると、合わせ面211における油路201の開口部の幅L1が拡大することで合わせ面211全体の幅が増大して、バルブボディの大型化を招く。逆に、合わせ面211における油路201の開口部の幅L1を所定幅とするためには、これよりも深い部分の幅を狭める必要があることから、油路201の最深部を形成するのに必要なバルブボディ構成部材の量は、油路201が全深さに亘って所定幅とされる場合に比べて増大するため、バルブボディの重量が増大する。
以上のような課題を解決すべく、従来から鋭意開発が行われているが、効率的な大量生産の実現のために金型を用いてバルブボディ構成部材を成形することを前提としていることにより、上記のような種々の制約を受けるため、画期的な成果が得られないのが現状である。
そこで、本発明は、油圧制御装置のバルブボディに設けられる油路に関して、新たな油路の追加等の設計変更の容易化を図るとともに、油路の取り回し自由度を向上させることで、バルブボディの小型化及び軽量化を実現することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る油圧制御装置のバルブボディ及びその製造方法は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、バルブが挿入されるバルブ挿入穴と、前記バルブ挿入穴に連絡される油路とを有する油圧制御装置のバルブボディであって、
空洞部を除いた部分が一体に連なるように三次元積層造形法により形成されたバルブボディ構成部を備え、
前記空洞部は、特定のバルブ挿入穴又は特定の油路を構成する特定の空洞部を含み、
該特定の空洞部のバルブボディ外表面側に所定の油路が設けられており、
前記バルブボディは、変速制御用の油圧アクチュエータを有する自動変速機の油圧制御装置のバルブボディであって、
前記所定の油路は、前記バルブ挿入穴に装着されたソレノイドバルブの吐出部と前記油圧アクチュエータとを連絡するものであることを特徴とする。
なお、ここでいう「変速制御用の油圧アクチュエータ」の具体例としては、有段変速機のクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の他、ベルト式無段変速機のプーリ、デュアルクラッチトランスミッションのクラッチ等が挙げられる。また、ここでいう「変速制御」とは、自動変速機の変速のための摩擦締結要素の締結や解放、変速の準備等のための摩擦締結要素のスリップ動作等、変速に関連する動作を制御することを意味する。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記バルブボディ構成部には、前記所定の油路とは異なる複数の油路が設けられ、
前記所定の油路は、前記特定の空洞部を挟んで、前記複数の油路とは反対側に配置されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記バルブボディ構成部には、前記三次元積層造形法の積層方向に延びる軸心に沿って前記バルブ挿入穴が形成されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明に係る油圧制御装置のバルブボディでは、三次元積層造形法によってバルブボディ構成部が形成されるため、該バルブボディ構成部に設けられる油路の形成において、金型の型抜きを考慮する必要がない。そのため、該バルブボディ構成部では、全ての油路を全長に亘って表面に開口させなければならないなどといった従来のような制約を受けず、油路の形状や配置の設計において高い自由度が得られる。
そして、本発明によれば、バルブボディ構成部における特定のバルブ挿入穴又は特定の油路からなる特定の空洞部のバルブボディ外表面側の部分という、従来のように金型を用いてバルブボディを成形する場合には油路を形成し得ない部分を利用して、所定の油路が設けられる。そのため、該所定の油路と、バルブボディ構成部におけるその他の部分に設けられた油路との干渉を容易に回避でき、これにより、前記所定の油路の取り回し自由度を高めることができる。
そのため、当該所定の油路を短く構成することができ、これによって、管路抵抗の低減を図ることができる。また、該油路の短縮によって、バルブボディ構成部において当該油路の周壁の形成に用いられる材料が削減されることで、バルブボディの小型化及び軽量化を図ることができる。
また、前記所定の油路の形成において、金型の型抜き及び抜き勾配を考慮する必要がないため、当該所定の油路の断面形状を自由に設計することができる。そのため、例えば、該所定の油路の断面形状を、該油路が設けられる部分においてバルブボディ外表面側部分の突出が抑制されるような形状としたり、油圧の供給に必要な最低限の大きさを有する形状としたりすることで、バルブボディの更なる小型化を図ることが可能になる。
またさらに、既存の油圧制御回路に前記所定の油路を新たに追加するような設計変更を行う場合、上記のように該油路の構想の自由度が高いことから、このような油路の設計変更が容易となる。しかも、バルブボディ構成部は三次元積層造形法によって形成されることから、油路の設計変更に際して金型を作り直す必要がないため、油路の設計変更を短期間かつ低コストで実現できる。
また、新たな油路として前記所定の油路を追加するような設計変更を行う場合、該所定の油路は上述のようにバルブボディに形成されるため、当該油路を形成するためのパイプをバルブボディに取り付ける必要がない。このようにパイプが省略されることにより、油圧制御装置の小型化を図ることができるとともに、パイプの接続部におけるオイル漏れ対策が不要になることで、構造の簡素化及び部品点数の低減を図ることができる。
また、前記バルブボディ構成部のバルブ挿入穴に装着されたソレノイドバルブの吐出部と、自動変速機の変速制御用の油圧アクチュエータとを連絡する前記所定の油路が上記のように短く形成されることで、ソレノイドバルブから変速制御用の油圧アクチュエータへ迅速に油圧を供給することができ、これにより、変速制御の応答性が高められる。
請求項2に記載の発明によれば、前記バルブボディ構成部において、前記所定の油路が、特定の空洞部を挟んで複数の油路とは反対側に設けられることで、これらの油路と前記所定の油路との干渉を確実に回避することができる。したがって、該所定の油路のレイアウト自由度を効果的に高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、バルブ挿入穴の軸心が三次元積層造形法の積層方向に延びるようにバルブボディ構成部が形成されるため、三次元積層造形法によるバルブボディの造形中に、バルブ挿入穴の内周が変形することなく安定して形成される。そのため、バルブ挿入穴を精度よく形成することができ、これにより、特にスプールバルブ用のバルブ挿入穴においてスプールの円滑な移動を実現できる。
第1実施形態に係る油圧制御装置のバルブボディを示す斜視図である。 図1に示すバルブボディを下方から見た斜視図である。 図1に示すバルブボディの平面図である。 バルブボディに設けられた油路及びバルブ挿入穴の断面とその周辺部を示す一部破断斜視図である。 三次元積層造形法によって一体に形成されるバルブボディ及びサポート部を示す図である。 バルブボディに設けられる油路の変形例を模式的に示す斜視図である。 第2実施形態に係る油圧制御装置のバルブボディを示す断面図である。 従来のバルブボディ構成部材及び金型の一例を模式的に示す断面図である。 従来のバルブボディ構成部材及び金型の別の例を模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る油圧制御装置のバルブボディについて、実施形態毎に説明する。
[第1実施形態]
図1〜図5を参照しながら、第1実施形態に係るバルブボディ10について説明する。図1は、バルブボディ10を上方から見た斜視図、図2は、同バルブボディ10を下方から見た斜視図、図3は、同バルブボディ10の平面図、図4は、図3のA−A線で破断した断面及びその周辺部を示すバルブボディ10の一部破断斜視図、図5は、同バルブボディ10及び後述のサポート部98,99を示す図である。
[バルブボディの構造]
図1〜図4に示すように、バルブボディ10は単一部材で構成されており、第1の幅方向D1とこれに直角な第2の幅方向D2の両寸法に比べて、第1及び第2の幅方向D1,D2に直角な厚み方向D3の寸法が小さな偏平状とされている。
バルブボディ10は、車両に搭載される自動変速機及びトルクコンバータに供給される油圧を制御する油圧制御装置のバルブボディであり、自動変速機の変速機構(図示せず)を収容する変速機ケース(図示せず)に組み付けられる。
具体的に、本実施形態に係るバルブボディ10は、例えば、その第1及び第2の幅方向D1,D2が水平に配置されると共に厚み方向D3が車体上下方向に沿って配置される姿勢で、変速機ケースの下面に取り付けられるものである。
ただし、バルブボディ10の取付け箇所及び取付け姿勢は特に限定されるものでなく、例えば、変速機ケースの上面又は側面にバルブボディ10が取り付けられてもよいし、厚み方向D3が車体上下方向に対して傾斜するか又は水平に配置される姿勢で変速機ケースに対するバルブボディ10の取付けが行われてもよい。
バルブボディ10には、複数の油路70,71,72,73,74,75(70〜75)(図4参照)と、これらの油路70〜75に連絡された複数のバルブ挿入穴31,33とが設けられている。
なお、図1〜図3において、油路70〜75は、バルブボディ10の内部に形成されていることから図示されておらず、油路70〜75の周壁部69の外表面が図示されている。
図4に示すように、バルブ挿入穴31,33には、ソレノイドバルブ2やスプールバルブ4が組み付けられ、これらのバルブ2,4は、バルブボディ10の油路70〜75などと共に油圧制御回路(図示せず)を構成している。
油路70〜75やバルブ2,4等で構成されるバルブボディ10の油圧回路部分は、変速機ケースに設けられた油路(図示せず)等を介して、機械式オイルポンプや電動式オイルポンプ等の油圧供給源、変速機構を構成する変速制御用の油圧アクチュエータ、変速機ケース内のギヤ同士の噛み合い部や軸受等の被潤滑部、及び、トルクコンバータの被潤滑部やロックアップクラッチの油圧室等に連絡されている。これにより、バルブ2,4の動作の制御によって、変速制御用の油圧アクチュエータの動作、変速機ケース内の各部への潤滑油の供給、並びに、トルクコンバータへのオイルの供給等が制御され得る。
なお、変速制御用の油圧アクチュエータの具体例としては、有段変速機のクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素、ベルト式無段変速機のプーリ、デュアルクラッチトランスミッションのクラッチ等が挙げられる。また、ここでいう変速制御とは、変速やその準備等、変速に関連する動作の制御を意味し、例えば、摩擦締結要素の締結や解放、スリップ制御、或いは、プーリ径の拡大又は縮小等、油圧アクチュエータの各種動作によって変速制御が行われる。
スプールバルブ4は、軸方向に移動可能なようにバルブ挿入穴31に収容されたスプール4aと、例えばピン4dによって移動が規制された状態でバルブ挿入穴31内の所定位置に装着されたストッパ4bと、軸方向に伸縮可能なようにバルブ挿入穴31内に装着され、軸方向の一方に向かってスプール4aに弾性力を付与するリターンスプリング4cとを備えている。
スプールバルブ4は、その制御ポートに入力される油圧に応じてスプール4aが軸方向に移動することで、吐出圧を調整したり、油圧供給経路を切り換えたりする。具体的に、スプールバルブ4は、例えば、機械式オイルポンプの吐出圧をライン圧に調整する調圧レギュレータバルブ、運転者によるシフトレバーの操作に連動して油圧供給経路を切り換えるマニュアルバルブ、ソレノイドバルブ2の故障時に所定の変速段を実現するように油圧供給経路を切り換えるフェールセーフバルブ等、種々の切換バルブとして機能し得る。
ソレノイドバルブ2は、コイルを収容した円筒状の電磁部2aと、電磁部2aよりも小径であり電磁部2aから軸方向に延びる円筒状の小径部2bとを備えている。ソレノイドバルブ2は、小径部2bがバルブ挿入穴33に差し込まれた状態でバルブボディ10に組み付けられる。
ソレノイドバルブ2としては、リニアソレノイドバルブ又はオンオフソレノイドバルブが用いられる。リニアソレノイドバルブは、例えば、摩擦締結要素等の油圧アクチュエータに供給される油圧を直接的に制御するバルブとして用いられ、オンオフソレノイドバルブは、例えば、スプールバルブ4の制御ポートへの油圧供給経路を開閉するバルブとして用いられる。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、全てのバルブ挿入穴31,33の軸心方向は前記第1の幅方向D1に平行であり、全てのバルブ挿入穴31,33は、第1の幅方向(軸心方向)D1の同じ側に開口している。これにより、バルブ挿入穴31,33の内周面を仕上げ加工するとき、全てのバルブ挿入穴31,33に対して同じ方向から加工を行うことができる。
スプールバルブ4用のバルブ挿入穴31の周壁は、バルブボディ10において略筒状に形成されたスプールバルブ収容部30で構成され、ソレノイドバルブ2用のバルブ挿入穴33の周壁は、バルブボディ10において略筒状に形成されたソレノイドバルブ収容部32で構成されている。
スプールバルブ4用のバルブ挿入穴31は、ソレノイドバルブ2用のバルブ挿入穴33に比べて小径かつ長尺である。また、スプールバルブ4用のバルブ挿入穴31は、バルブボディ10の比較的上側の部分に集約されて配置されており、ソレノイドバルブ2用のバルブ挿入穴33は、バルブボディ10の比較的下側の部分に集約されて配置されている。本実施形態において、ソレノイドバルブ2用のバルブ挿入穴33は、前記第2の幅方向D2に複数並ぶように配置されており、これらのバルブ挿入穴33は全て厚み方向D3のほぼ同じ高さに配置されている。
ただし、各バルブ挿入穴31,33の向きや大きさ、配置は任意であり、例えば、一部のバルブ挿入穴31,33の開口部を、残りのバルブ挿入穴31,33の開口部とは第1の幅方向D1の反対側に設けたり、1つ以上のバルブ挿入穴31,33を第1の幅方向D1とは異なる方向に沿って配置したりしてもよい。また、例えば、1つ以上のソレノイドバルブ2用のバルブ挿入穴33をバルブボディ10の比較的上側の部分に設けたり、1つ以上のスプールバルブ4用のバルブ挿入穴31をバルブボディ10の比較的下側の部分に設けたりしてもよい。
図1、図3及び図4に示すように、バルブボディ10には筒状のアキュムレータ収容部20が設けられており、アキュムレータ収容部20には、オイルポンプの作動によって蓄圧されると共にオイルポンプの停止時に放圧するアキュムレータ(図示せず)が装着される。アキュムレータ収容部20の軸心は、バルブ挿入穴31,33の軸心方向D1に平行に配置されている。アキュムレータ収容部20は、バルブ挿入穴31,33とは軸心方向D1の反対側に開口している。ただし、油圧制御回路にアキュムレータが設けられない場合、アキュムレータ収容部20は省略される。
図1〜図3に示すように、バルブボディ10には、該バルブボディ10を変速機ケースに固定するためのボルトが挿通される複数のボルト穴36が設けられている。ボルト穴36は、バルブボディ10を厚み方向D3に貫通するように設けられ、変速機ケースに接合されるバルブボディ10の上面と、これとは反対側のバルブボディ10の下面とに開口している。
また、図2に示すように、バルブボディ10には、ソレノイドバルブ2やスプールバルブ4等の構成部品、又は、ハーネスを支持するブラケット等をバルブボディ10に固定するために用いられるボルトが挿通される複数のボルト穴38が設けられている。これらのボルト穴38は、バルブボディ10の下面に開口している。
さらに、図1及び図3に示すように、バルブボディ10には、バルブボディ10の油路70〜75やバルブ挿入穴31,33を変速機ケースの油路に連通させる複数の連通口46a,46b,47a,47b,48,49,50が設けられている。これらの連通口46a,46b,47a,47b,48,49,50は、変速機ケースへの取付面であるバルブボディ10の上面に開口している。
各連通口46a,46b,47a,47b,48,49,50は、変速機ケースの油路を介して自動変速機やトルクコンバータの各部に連絡されるものである。具体的には、例えば、連通口46aは機械式オイルポンプの吸い込み口に連絡され、連通口46bは機械式オイルポンプの吐出口に連絡され、連通口47aは電動式オイルポンプの吸い込み口に連絡され、連通口47bは電動式オイルポンプの吐出口に連絡され、連通口48は変速制御用の油圧アクチュエータ(例えば、摩擦締結要素の油圧室)に連絡され、連通口49は変速機ケース内の被潤滑部に連絡され、連通口50はトルクコンバータに連絡されるものである。
図2に示すように、バルブボディ10には、更に、オイルストレーナ(図示せず)の吐出口に接続される連通口60が設けられている。この連通口60は、バルブボディ10の下面に開口するように設けられる。前記オイルストレーナは、バルブボディ10を収容するように変速機ケースの下側に取り付けられるオイルパン内に配設されるものであり、オイルパンに貯留されたオイルは、オイルストレーナを経由してバルブボディ10の油路70〜75に導入される。
なお、バルブボディ10には、更に、チェックバルブ、オリフィス等、油圧制御回路を構成するその他の構成要素が一体に設けられるか、又は別部品として取り付けられてもよい。また、チェックバルブやオリフィス等がバルブボディ10とは別の部品で構成される場合、当該別部品を装着するための差し込み口がバルブボディ10に設けられるようにしてもよい。
続いて、主として図4を参照しながら、バルブボディ10内の油路70〜75の構成について説明する。
図4に示すように、本実施形態において、油路70〜75の大部分は、適宜傾斜、湾曲ないし屈曲しながら概ね第2の幅方向D2に延びるように設けられている。各油路70〜75は、第2の幅方向D2において必要に応じた長さを有し、第1の幅方向D1及び厚み方向D3の位置によっては、複数の油路70〜75が第2の幅方向D2に並べて配置されている。また、油路70〜75同士は、必要に応じて、連絡用の油路(図示せず)を介して連絡されている。
さらに、バルブボディ10には、バルブ挿入穴31,33毎に、該バルブ挿入穴31,33に連通する複数のポート40,42が設けられており、各バルブ挿入穴31,33は、ポート40,42を介して油路70〜75に連通されている。
これにより、例えば、所定のソレノイドバルブ2又はスプールバルブ4から吐出されたオイルは、先ず、ポート40,42を介して近傍の油路70〜75に送り出され、その後、必要に応じて、別の油路70〜75や、前記所定のバルブ2,4とは別のバルブ2,4を経由して、最終的には、変速機ケースの油路への連通口46a,46b,47a,47b,48,49,50(図1及び図3参照)に導かれる。
油路70〜75は、バルブボディ10におけるスプールバルブ収容部30、又は、スプールバルブ収容部30とその下側に位置するソレノイドバルブ収容部32とを繋ぐ中間ボディ部34を通るように配索されている。ただし、油路70〜75は、ソレノイドバルブ収容部32を通るように配索されてもよい。
具体的に、図4に示す断面には、中間ボディ部34を通る油路70、スプールバルブ収容部30の周壁の下面側部分を構成する周壁下部30bを通る油路71、スプールバルブ収容部30の周壁の一端側を塞ぐ底壁部30cを通る油路72,73,74、及び、スプールバルブ収容部30の周壁の上面側部分を構成する周壁上部30aを通る油路75が設けられている。
中間ボディ部34を通る油路70は、第1の幅方向D1及び厚み方向D3にそれぞれ複数ずつ並べて配置されている。また、中間ボディ部34には、油路70以外の空洞部90も設けられており、これによってバルブボディ10の軽量化が図られている。
スプールバルブ収容部30の周壁下部30bは、厚み方向D3において中間ボディ部34よりも小さな厚みを有する。第1の幅方向D1における周壁下部30bの中央部は中間ボディ部34に連なっており、周壁下部30bにおける中間ボディ部34から第1の幅方向D1にずれた部分に例えば複数の油路71が設けられている。各油路71は、周壁下部30bの内周面と外表面との間に設けられている。
本実施形態において、周壁下部30bを通る油路71は、厚み方向D3に1つのみ設けられており、これにより、周壁下部30bの厚みの増大が抑制されている。ただし、周壁下部30bにおいて、厚み方向D3に複数の油路71が並べて設けられてもよい。
なお、周壁下部30bは、厚み方向D3におけるバルブボディ10の下端よりも十分に高い位置に設けられているため、周壁下部30bに多くの油路71が設けられることにより周壁下部30bの厚みが下方へ増大されても、これによってバルブボディ10の全体的な厚みが増大することを抑制できる。したがって、バルブボディ10のコンパクト化を図りつつ、周壁下部30bに比較的多くの油路71を形成することができる。
スプールバルブ収容部30の底壁部30cには、例えば3つの油路72,73,74が設けられている。これらの油路72,73,74は、厚み方向D3に並べて配置されている。厚み方向D3においてこれらの油路72,73,74のうち真ん中に配置された油路72は、厚み方向D3においてバルブ挿入穴31とオーバラップして配置されており、該油路72のバルブボディ10上面側及び下面側に、それぞれ油路73,74が設けられている。上面側の油路73は、厚み方向D3において周壁上部30aとオーバラップして配置されており、下面側の油路74は、厚み方向D3において周壁下部30bとオーバラップして配置されている。
スプールバルブ収容部30の周壁上部30aには、例えば1本の油路75が設けられている。油路75の断面形状は、バルブ挿入穴31の軸心方向D1に長い長円状である。これにより、厚み方向D3における油路75の寸法の低減が図られており、これによって、油路75を設けることによる周壁上部30aの厚みの増大、ひいてはバルブボディ10全体の厚みの増大が抑制されている。
周壁上部30aを通る油路75は1本しかないため、この油路75を、第1の幅方向D1において周壁上部30aの任意の位置を通るように配策することができる。この油路75は、図4において断面が示されたスプールバルブ収容部30とは異なるスプールバルブ収容部30又はソレノイドバルブ収容部32のバルブ挿入穴31,33と、さらにこれとは別のバルブ挿入穴31,33又は変速機ケースの油路への連通口46a,46b,47a,47b,48,49,50とを連絡するものである。
なお、周壁上部30aに設けられる油路75の本数は2本以上であってもよいが、油路75の本数を少なくすることで、該油路75の配索自由度を高めることができる。また、周壁上部30aにおいて油路75が形成されない部分を多く残しておくことで、バルブボディ10の油路を設計変更するとき、周壁上部30aを通る油路75を追加しやすくなる。
周壁上部30aには、厚み方向D3に1本の油路75のみが設けられているが、厚み方向D3に複数の油路75を並べて配置してもよい。ただし、厚み方向D3に並ぶ油路75の本数が少ない方が好ましく、これにより、周壁上部30aの厚みの増大、ひいてはバルブボディ10全体の厚みの増大が抑制される。
ただし、第2の幅方向D2から見た断面に設けられる油路70〜75の個数や配置、断面形状等の構成は、断面によって異なるものであり、図4に示す構成に限られるものでない。
[バルブボディの製造方法]
バルブボディ10は、3Dプリンタを用いて、バルブ挿入穴31,33、油路70〜75及びその他の空洞部90を除いた全ての部分が一体に連なるように三次元積層造形法によって形成される。これにより、単一部材からなるバルブボディ10が形成される。
三次元積層造形法における具体的なプリント方式は特に限定されないが、バルブボディ10の材料としてアルミニウム等の金属を用いる場合は、例えば、敷き詰められた金属粉末の層の任意の位置に電子ビーム又はレーザを照射することで、該照射部分を焼結させて造形した後、次の層を敷き詰めるという動作を繰り返す粉末焼結積層造形法が採用され得る。
また、バルブボディ10の材料として樹脂を用いる場合、上記の粉末焼結積層造形法の他にも、インクジェット方式等、金属材料を用いる場合に比べて採用し得るプリント方式が多く知られており、ニーズに応じたプリント方式を採用すればよい。
三次元積層造形法によるバルブボディ10の形成において、積層方向は上方に向かう方向であり、図5に示すように、バルブボディ10は、バルブ挿入穴31,33の軸心方向(第1の幅方向)D1が上下方向に沿って配置されると共にバルブ挿入穴31,33の開口部が上方を向く姿勢で形成される。これにより、三次元積層造形法による積層方向は、バルブ挿入穴31,33の軸心方向D1に沿った方向となる。
このようなバルブボディ10の姿勢において、大部分のバルブ挿入穴31,33はバルブボディ10の比較的上側の部分に位置することになり、これらを積層方向D1の下側から効果的に支持し得る部分がバルブボディ10に存在しない。
そのため、バルブボディ10の造形においては、造形中のバルブボディ10の製品部分を下側から支持するサポート部98,99を、積層方向D1の下端から上方に延びるようにバルブボディ10の製品部分と一体に形成することが好ましい。また、安定的な支持を実現するために、サポート部98,99は複数形成されることが好ましい。各サポート部98,99は、例えば、積層方向D1の下端に形成される扁平な円柱部98a,99aと、該円柱部98a,99aから上方に延びる長尺の筒状部98b,99bとで構成される。
このようにバルブボディ10の製品部分と一体にサポート部98,99が造形されることで、サポート部98,99よりも上側においてバルブ挿入穴31,33が造形されるとき、このバルブ挿入穴31,33の造形は、サポート部98,99によって下側から支持された状態で安定的に行われる。そのため、バルブ挿入穴31,33を精度よく形成することができる。
また、バルブ挿入穴31,33は、三次元積層造形法の積層方向D1に平行な軸心に沿って形成されるため、バルブボディ10の造形中に、バルブ挿入穴31,33の内周が変形することなく安定して形成される。そのため、バルブ挿入穴31,33をより精度よく形成することができる。したがって、特にスプールバルブ4用のバルブ挿入穴31においてスプール4aの円滑な移動を実現でき、これにより、応答性に優れた油圧制御を実現できる。
三次元積層造形法によるバルブボディ10の造形が終了すると、サポート部98,99は除去される。サポート部98,99の筒状部98b,99bは、内部が空洞であることにより低剛性とされているため、サポート部98,99は容易に除去可能である。
その後、バルブ挿入穴31,33の内周面や端面、サポート部98,99と繋がっていた部分等に仕上げ加工が施されることで、バルブボディ10が製品として完成する。
なお、サポート部98,99は必ずしも形成する必要はなく、特に樹脂材料を用いた造形を行う場合、採用するプリント方式(例えば粉末焼結積層造形法)によっては、サポート部98,99を省略することが可能である。
以上のように三次元積層造形法によって形成されたバルブボディ10は単一のバルブボディ構成部材で構成されるため、複数のバルブボディ構成部材が積み重ねられる従来のバルブボディに比べて、バルブボディ10の部材点数を低減できると共に、従来のバルブボディにおいて隣接するバルブボディ構成部材間に介装されるセパレートプレートを省略できる。
また、バルブボディ10における油路70〜75を形成する部分が全て一体に連なるように形成されるため、油路を形成する部材が複数に分割された従来のバルブボディとは異なり、高圧時においても油路70〜75の途中でのオイル漏れが生じない。そのため、部材間の合わせ面でのオイル漏れを防ぐための締結ボルトや、合わせ面をシールするガスケットなど、リーク抑制のために従来から用いられている種々の部品を削減することができ、これにより、部品点数や組付け工程を低減できると共に、ボルトの削減に伴ってボルト穴やその周辺のボス部の形成に必要なスペースが低減されることで、バルブボディ10を小型化及び軽量化できる。
さらに、油路70〜75の途中でオイルのリークが生じないため、リークしたオイルを排出するために従来設けられることがあったドレン専用の油路も省略できるため、その分だけバルブボディ10を更に小型化できる。
またさらに、三次元積層造形法によるバルブボディ10の形成においては、金型の型抜きを考慮する必要がないため、全ての油路70〜75を全長に亘って合わせ面に開口させなければならないなどといった制約を受けず、油路70〜75の形状や配置の設計において高い自由度が得られる。したがって、金型で成形される従来のバルブボディではなし得なかった油路構成を実現できる。
特に、本実施形態では、図4に示すように、スプールバルブ収容部30における特定のバルブ挿入穴31や特定の油路72のバルブボディ10外表面側の部分という、従来のように金型を用いてバルブボディを成形する場合には油路を形成し得ない部分を利用して、油路71,72,73,74,75(71〜75)が設けられている。これにより、バルブボディ10の外表面に沿って配索されるこれらの油路71〜75と、中間ボディ部34等、その他の部分に設けられた油路70との干渉を容易に回避しつつ、バルブボディ10の外表面沿いにおける油路71〜75の取り回しに関して、高い自由度が得られる。
また、これらの油路71〜75のうち、特に、周壁上部30aに設けられた油路75は、バルブ挿入穴31を挟んで、中間ボディ部34や周壁下部30bに設けられた多くの油路70,71とは反対側、すなわち、バルブボディ10の上面に沿った部分に設けられている。同様に、底壁部30cのバルブボディ10上面側に設けられた油路73も、バルブボディ10の上面に沿った部分に設けられている。その他にはバルブボディ10の上面に沿って配索される油路が少ないため、バルブボディ10の上面に沿った部分において、これらの油路73,75の取り回しを自由になし得る。
したがって、上記の各油路71〜75をバルブボディ10の外表面に沿って短く配索することが可能であり、これにより、管路抵抗の低減を図ることができる。また、これらの油路71〜75の短縮が図られることによって、バルブボディ10において油路71〜75の周壁69の形成に用いられる材料が削減されることで、バルブボディ10の小型化及び軽量化を実現することができる。
また、バルブボディ10の上面に沿って配索される油路73,75の断面形状を自由に設計することができるため、これらの油路73,75の断面形状を、例えば、該油路73,75が設けられる部分において周壁上部30aや底壁部30cの上方への突出が抑制されるような形状としたり、油圧の供給に必要な最低限の大きさを有する断面形状としたりすることで、バルブボディ10の更なる小型化を図ることが可能になる。
さらに、バルブボディ10の全ての油路70〜75の形成において、金型の型抜き及び抜き勾配を考慮する必要がないため、各油路70〜75の断面形状を、従来のような合わせ面から延びる先細り状の断面形状とする必要がない。そのため、先細り状の断面を形成するように各油路70〜75の断面の一部を拡げることによって油路周辺部が拡大されたり、逆に油路70〜75の断面の一部を狭めることによって油路周りに設けられる材料が増量されたりすることを回避でき、これによっても、バルブボディ10の小型化及び軽量化が図られる。
またさらに、型抜きを考慮する必要がないことから、図4に示すように、バルブ挿入穴31,33や油路70〜75等、何らかの用途で形成される空洞以外の空洞部90を、バルブボディ10の随所に形成することができ、これによって、バルブボディ10の軽量化を更に促進できる。
また、周壁上部30aには、第1の幅方向D1において上記の油路75以外の新たな油路を設け得るスペースが残されており、該スペースに設けられる油路の設計では、上記の油路75と同様に高い自由度が得られる。そのため、周壁上部30aにおける残存スペースを利用することで、既存の油圧制御回路に新たな油路を追加するような設計変更を容易になし得る。しかも、バルブボディ10は三次元積層造形法によって形成されることから、油路の設計変更に際して金型を作り直す必要がないため、油路の設計変更を短期間かつ低コストで実現できる。
さらに、周壁上部30aに新たな油路を追加するような設計変更を行う場合、該新たな油路は上述のようにバルブボディ10に形成されるため、当該油路を形成するためのパイプをバルブボディ10に取り付ける必要がない。このようにパイプが省略されることにより、バルブボディアセンブリの小型化を図ることができるとともに、パイプの接続部におけるオイル漏れ対策が不要になることで、構造の簡素化及び部品点数の低減を図ることができる。
[油路の変形例]
図6は、バルブボディ10の上面に沿って配索される油路102の変形例を模式的に示す斜視図である。
図6に示す油路102は、バルブボディ10のバルブ挿入穴33に組み付けられるソレノイドバルブ2の吐出部と、変速機構を構成するクラッチの油圧室106とを連絡するものであり、バルブボディ10のバルブ挿入穴31に組み付けられる複数のスプールバルブ4の上方を通るように配索されている。
該油路102は、図4に示す上記の油路75と同様、各スプールバルブ4の上方に位置するスプールバルブ収容部30の周壁上部30aを通過しながら、バルブボディ10の上面に沿って配索されている。油路102は、その一端側においてソレノイドバルブ2の吐出部に連通し、他端側において、バルブボディ10の上面側に開口した連通口48に連通している。該連通口48は、前記クラッチの油圧室106に連絡するように変速機ケースに設けられた油路104に連通される。
油路102は、ソレノイドバルブ2の吐出部から前記連通口48まで略直線状に延びるように配索されており、これにより、該油路102が極力短く形成されている。これにより、該油路102を経由してソレノイドバルブ2からクラッチの油圧室106へ迅速に油圧を供給することができ、これにより、クラッチの締結やスリップ制御が応答性良く行われ、変速制御の応答性が高められる。
なお、図6に示す例において、油路102は、ソレノイドバルブ2と連通口48を直接繋ぐように設けられているが、スプールバルブ4を経由して両者を間接的に繋ぐように構成されてもよい。
[第2実施形態]
図7を参照しながら、第2実施形態に係るバルブボディ110について説明する。図7は、バルブボディ110を第2の幅方向D2(図1〜図4参照)から見た断面図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素については、図7において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図7に示すように、バルブボディ110は、第1構成部材111と第2構成部材112とを備え、これらを重ね合わせてボルトによって締結することで形成されている。第1及び第2構成部材111,112は、例えば下側からねじ込まれるボルトによって共に変速機ケース(図示せず)に固定される。
第2構成部材112は、金型を用いて成形された金属製の部材であり、より具体的には、例えば、ダイキャストによって成形されたアルミニウム製の部材である。第2構成部材112の上面は、第1構成部材111との合わせ面となる。
第2構成部材112には、ソレノイドバルブ2を収容する筒状のソレノイドバルブ収容部132が設けられ、該ソレノイドバルブ収容部132の内部は、例えば第1の幅方向D1に延びる軸心を有するバルブ挿入穴133となっている。該バルブ挿入穴133は、ダイキャストによって成形された第2構成部材112を加工することによって形成される。
第2構成部材112において、バルブ挿入穴133は複数設けられており、全てのバルブ挿入穴133の軸心方向D1は互いに平行であり、全てのバルブ挿入穴133は、軸心方向D1の同じ側に開口されている。これにより、全てのバルブ挿入穴133を同じ方向からの加工によって形成することができる。
第2構成部材112には、合わせ面に開口した複数の油路190が設けられている。油路190は、適宜傾斜、湾曲ないし屈曲しながら概ね第2の幅方向D2(図1〜図4参照)に延びるように形成されている。
一方、第1構成部材111は、三次元積層造形法によって形成されたものである。第1構成部材111の材料は限定されるものでないが、第1構成部材111を樹脂で構成することにより、第1構成部材111の軽量化が図られる。第1構成部材111の下面は、第2構成部材112の上面に合わせられる合わせ面である。
第1構成部材111には、スプールバルブ4を収容する筒状のスプールバルブ収容部130が設けられ、該スプールバルブ収容部130の内部は、例えば第1の幅方向D1に延びる軸心を有するバルブ挿入穴131となっている。該バルブ挿入穴131は、三次元積層造形法による第1構成部材111の造形時に形成された後、仕上げ加工が施されることで形成される。
第1構成部材111において、バルブ挿入穴131は複数設けられており、全てのバルブ挿入穴131の軸心方向D1は互いに平行であり、全てのバルブ挿入穴131は、軸心方向D1の同じ側に開口されている。これにより、全てのバルブ挿入穴131の仕上げ加工を同じ方向から行うことができる。
第1構成部材111には、合わせ面に開口した複数の油路170と、バルブ挿入穴131の第1構成部材111外表面側に位置する油路171と、油路170の第1構成部材111外表面側に位置する油路172とが設けられている。これらの油路170,171,172は、適宜傾斜、湾曲ないし屈曲しながら概ね第2の幅方向D2(図1〜図4参照)に延びるように形成されている。
第1構成部材111の外表面側に設けられた油路171,172の断面形状は、軸心方向D1に長い長円状とされており、これにより、第1構成部材111の厚み、ひいてはバルブボディ110全体の厚みの低減が図られている。
第1構成部材111と第2構成部材112との間にはセパレートプレート113が介装されており、該セパレートプレート113によって、第1及び第2構成部材111,112における合わせ面側への油路170,190の開口部の大部分が閉じられている。また、セパレートプレート113には複数の連通穴114が設けられており、該連通穴114を介して、第1構成部材111の油路170と第2構成部材112の油路190とが互いに連通されている。
第2実施形態においても、三次元積層造形法によって形成される第1構成部材111において、バルブ挿入穴131及び油路170の外表面側という、従来のように金型を用いてバルブボディを成形する場合には油路を形成し得ない部分に油路170,172が設けられている。これらの油路170,172の配索に関しては、バルブボディ110の上面に沿った自由な取り回しが可能であるため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第2実施形態では、第1構成部材111が、三次元積層造形法によって形成された樹脂製部材であり、第2構成部材112が、金型を用いて成形された金属製部材である例を説明したが、第2実施形態において、第1構成部材111を金属製としたり、第2構成部材112を樹脂製としたり、第2構成部材112を三次元積層造形法で形成したりしてもよい。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、特定の空洞部のバルブボディ外表面側に設けられる「所定の油路」として、特定のスプールバルブ用のバルブ挿入穴31,131のバルブボディ外表面側に設けられる油路71〜75,171、及び、特定の油路72,170のバルブボディ外表面側に設けられる油路73,74,172を例に挙げて説明したが、ソレノイドバルブ用のバルブ挿入穴のバルブボディ外表面側にも前記「所定の油路」が設けられてもよい。
また、上述の第1実施形態では、バルブボディが単一部材で構成される例を説明し、第2実施形態では、バルブボディが2つの部材で構成される例を説明したが、本発明は、三次元積層造形法によって形成されるバルブボディ構成部を有するものであれば、3つ以上の部材で構成されるバルブボディにも適用され得る。なお、バルブボディが3つ以上の部材で構成される場合、特許請求の範囲に記載の「所定の油路」は、バルブボディの外表面を構成する部材に設けられることになる。
さらに、上述の実施形態では、自動変速機に搭載される油圧制御装置のバルブボディについて説明したが、本発明は、自動変速機以外のあらゆる機器に搭載される油圧制御装置のバルブボディにも同様に適用可能である。
以上のように、本発明によれば、油圧制御装置のバルブボディに設けられる油路に関して、新たな油路の追加等の設計変更が容易になるとともに、油路の取り回し自由度を向上させることで、バルブボディの小型化及び軽量化を実現することが可能となるから、油圧制御装置を有する自動変速機及びこれを搭載した車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
2 ソレノイドバルブ
4 スプールバルブ
10 バルブボディ
20 アキュムレータ収容部
30 スプールバルブ収容部
31 スプールバルブ用のバルブ挿入穴
32 ソレノイドバルブ収容部
33 ソレノイドバルブ用のバルブ挿入穴
36,38 ボルト穴
40,42 ポート
46a 機械式オイルポンプの吸い込み口への連通口
46b 機械式オイルポンプの吐出口への連通口
47a 電動式オイルポンプの吸い込み口への連通口
47b 電動式オイルポンプの吐出口への連通口
48 変速制御用油路への連通口
49 潤滑油供給油路への連通口
50 トルクコンバータ連絡油路への連通口
60 オイルストレーナの吐出口への連通口
69 油路の周壁部
70 油路
71〜75 所定の油路
90 空洞部
98,99 サポート部
102 油路
104 変速機ケースの油路
106 クラッチの油圧室
110 バルブボディ
111 第1構成部材(バルブボディ構成部)
112 第2構成部材
113 セパレートプレート
114 連通穴
130 スプールバルブ収容部
131 スプールバルブ用のバルブ挿入穴
132 ソレノイドバルブ収容部
133 ソレノイドバルブ用のバルブ挿入穴
170 油路
171,172 所定の油路
190 油路

Claims (3)

  1. バルブが挿入されるバルブ挿入穴と、前記バルブ挿入穴に連絡される油路とを有する油圧制御装置のバルブボディであって、
    空洞部を除いた部分が一体に連なるように三次元積層造形法により形成されたバルブボディ構成部を備え、
    前記空洞部は、特定のバルブ挿入穴又は特定の油路を構成する特定の空洞部を含み、
    該特定の空洞部のバルブボディ外表面側に所定の油路が設けられており、
    前記バルブボディは、変速制御用の油圧アクチュエータを有する自動変速機の油圧制御装置のバルブボディであって、
    前記所定の油路は、前記バルブ挿入穴に装着されたソレノイドバルブの吐出部と前記油圧アクチュエータとを連絡するものであることを特徴とする油圧制御装置のバルブボディ。
  2. 前記バルブボディ構成部には、前記所定の油路とは異なる複数の油路が設けられ、
    前記所定の油路は、前記特定の空洞部を挟んで、前記複数の油路とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置のバルブボディ。
  3. 前記バルブボディ構成部には、前記三次元積層造形法の積層方向に延びる軸心に沿って前記バルブ挿入穴が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧制御装置のバルブボディ。
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