JPWO2010023868A1 - 投射型映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

アスペクト比の異なる複数種類の入力映像を、煩雑な調整作業を必要とせずに表示することができる投射型映像表示装置を提供すること。光源(11)と、映像信号に基づいて表示領域に表示映像を表示し、表示映像によって前記光源からの照射光(12)を変調して光学像(14)を形成する表示素子(13)と、ズームレンズ(16)およびフォーカスレンズ(15)を含み、前記光学像をスクリーン(2)に投射する投射レンズ(17)と、前記ズームレンズの位置と前記フォーカスレンズの位置とを調整するレンズ駆動部(23)と、前記スクリーンに投射される投射映像(3)を制御する投射映像制御部(31)とを備え、前記投射映像制御部は、映像信号における入力映像のアスペクト比によって決定された、前記ズームレンズのレンズ位置情報と前記フォーカスレンズのレンズ位置情報とに基づいて、入力映像のアスペクト比に応じて前記レンズ駆動部を駆動する。

Description

本発明は、液晶プロジェクタなどの投射型映像表示装置に関し、特にアスペクト比の異なる複数種類の入力映像をスクリーン上に適正に表示することができる投射型映像表示装置に関する。
液晶プロジェクタなどの投射型映像表示装置には、映像信号によって、アスペクト比が異なる複数種類の入力映像が、表示されるべき映像として入力される。アスペクト比とは、表示される映像や映像信号での縦横比、または、表示素子やディスプレイ端末での表示画面の縦横比であり、以下本明細書では、アスペクト比として、映像の信号または表示素子における表示領域の縦横比を「長辺(横):短辺(縦)」として表示することとする。
たとえば、現行のTV放送の映像や一般のパーソナルコンピュータの映像では、アスペクト比は4:3であり、ハイビジョン放送などの高品位映像のアスペクト比は16:9、シネマスコープ映画映像のアスペクト比は2.35:1となっている。
一方、投射型映像表示装置において、投射される光学像を形成するライトバルブとして用いられる液晶パネルなどの表示素子は、表示映像を表示することができる領域としての表示領域を有している。当然のことながら、表示領域のアスペクト比は、入力映像のアスペクト比にかかわらず、それぞれの素子ごとに物理的に一定である。
ところで、容易に大画面を実現することができるため、近年、家族で映画等を楽しめるホームシアター用として液晶プロジェクタが使用されるケースが増えている。このような液晶プロジェクタの表示素子である液晶パネルとしては、高品位映像に対応した16:9のアスペクト比の表示領域を持つものを用いるのが一般的である。また、液晶プロジェクタから投射された投射映像を表示するスクリーンは、映像品質を確保するために壁面に固定して設置されることが好ましい。そして、この場合に使用されるスクリーンは、ホームシアター用として投射される映像の中で最も横長のアスペクト比である、シネマスコープ映画映像のアスペクト比、2.35:1のものが用いられることが多い。
このようなことから、特定の、例えば2.35:1のアスペクト比を有するスクリーン上に、アスペクト比の異なる複数種類の投射映像を、適正に、すなわち、投射映像がスクリーンからはみだすことなく、かつ、スクリーンを最大限に活用した大きな投射映像が得られるように表示することが望まれている。
そして、このような課題を解決する一つの方法として、入力映像を、その本来のアスペクト比から液晶パネルの表示領域のアスペクト比に合うように電気的に圧縮または拡大変換して、液晶パネルの表示領域を最大限活用して映像を表示し、これをアナモルフィックレンズで光学的に入力映像の本来のアスペクト比に戻し、スクリーンへ投射するという技術が知られている(特許文献1参照)。
このアナモルフィックレンズを使った、従来の液晶プロジェクタでの投射方法について、図12を用いて説明する。
図12は、従来の液晶プロジェクタで、アスペクト比の異なる三種類の入力映像が、液晶パネルとスクリーン上で、それぞれどのように表示されるかを示した図である。なお、ここでは、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比が16:9、スクリーン52のアスペクト比が2.35:1である場合について説明する。
図12(a)は、映像信号が通常のTV放送信号であり、映像信号における入力映像のアスペクト比が4:3の入力映像a1である場合である。この場合には、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比16:9となるように、入力映像が電気的に横方向に拡大されて、液晶パネル上で表示映像a2として表示される。そして、この表示映像a2がアナモルフィックレンズによって縦方向に光学的に拡大変換されて、スクリーン52上では投射映像a3で示すように本来のアスペクト比4:3の映像として表示される。このとき、スクリーン52の左右両側は、非投射領域53となる。
図12(b)は、映像信号がハイビジョン放送の信号であり、映像信号における入力映像のアスペクト比が16:9の入力映像b1の場合である。この場合には、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比と、入力映像b1のアスペクト比が同じであり、入力映像b1の縦横比のまま液晶パネルの表示領域51に表示映像b2として表示される。そして、この表示映像b2がアナモルフィックレンズによって縦方向に光学的に拡大変換されて、スクリーン52上では、投射映像b3で示すように本来のアスペクト比16:9の映像として表示される。このときも、スクリーン52の左右両側は、非投射領域53となる。
図12(c)は、映像信号における映像がシネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1の入力映像c1の場合である。この場合には、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比16:9となるように、入力映像c1は電気的に横方向に縮小されて、液晶パネル上で表示映像c2として表示される。そして、この表示映像c2がアナモルフィックレンズによって横方向に光学的に拡大復調されてスクリーン52に投射され、スクリーン52上では投射映像c3で示すように本来のアスペクト比2.35:1の映像として表示される。
このように、アナモルフィックレンズを使った、従来の液晶プロジェクタでは、異なるアスペクト比の入力映像であっても、液晶パネルの表示領域を全部使って表示映像を表示することになるため、光源であるランプの光を最大限に利用することができ、明るく、高品質の投射映像を得ることができる。また、この従来の液晶プロジェクタでの投射方法によれば、アスペクト比の異なる入力映像を切り替えて投射するにあたって、入力映像の切り替え時に投射レンズの位置調整を行う必要がないため、液晶プロジェクタの投射レンズの設定は、液晶プロジェクタを設置するときに1度だけ行えばよいという利点もある。
特開2005−72887号公報
しかしながら、円筒状の曲面を有するアナモルフィックレンズは高価であるため、一般家庭のホームシアター用としての液晶プロジェクタに用いた場合には、装置が高価となってその普及が阻害される要因の一つとなっている。
一方で、アナモルフィックレンズを用いない場合には、入力映像のアスペクト比が異なると、スクリーン上の投射映像の大きさが一定とならないため、入力映像のアスペクト比が変わるたびに投射レンズを調整しなくてはならず、また、投射光の光軸と、スクリーン面とが垂直にならない場合には、投射された映像がスクリーンからはみ出してしまうという問題が生じる。以下、図面を用いてこの課題について説明する。
図13は、アナモルフィックレンズを用いない場合に、アスペクト比の異なる入力映像が、液晶パネルおよびスクリーンでどのように表示されるかを示した図である。なお、図12と同様に、図13においても、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比を16:9、スクリーン52のアスペクト比を2.35:1としている。
図13(a)は、入力信号がハイビジョン映像信号である場合であり、入力映像d1のアスペクト比は16:9である。この場合、液晶パネルの表示領域51も同じアスペクト比であるため、入力映像は、そのまま液晶パネルの表示領域51の全域に表示映像d2として表示される。そして、スクリーン52には、スクリーン52の縦横比がより横長である分、その左右両側を非表示領域53として投射映像d3のように表示される。このとき、液晶プロジェクタとスクリーン52との距離に応じて、ズームレンズによって、投射映像d3の縦方向がスクリーン52の縦方向いっぱいに表示されるよう調整し、さらにフォーカスレンズを微調整してスクリーン52上に正しく焦点を合わせる。
このような状態において、映像信号が図13(b)のシネマスコープ映画映像に変わった場合には、入力映像e1のアスペクト比が表示領域51のアスペクト比よりも横長の2.35:1であるため、液晶パネルの表示領域51には、上下に不使用領域54を残した表示映像e2として表示される。スクリーン52には、その前に投射していたハイビジョン映像d1と同じ倍率で投射されるために、非投射領域53を周囲に残した、スクリーン52の全面を使用しない小さな投射映像e3として表示される。このため、スクリーン52いっぱいに、適切な投射映像e4として映像表示させることができるよう、ズームレンズを再調整して投射倍率を変更し、かつ、フォーカスレンズも微調整して焦点を合わせ直す必要がある。
このように、映像信号における投射されるべき映像のアスペクト比が異なるたびに、ズーム作業と合焦作業とが必要となり、操作の煩雑さが発生する。なお、以下この課題を、本明細書では、第1の課題と称する。
また、液晶プロジェクタなどの投射型映像表示装置では、本来、投射光の光軸である投射光軸がスクリーン面と垂直となるように、装置本体とスクリーンとを設置することが好ましい。投射光軸がスクリーンに対して垂直である場合、すなわち、垂直に設置されたスクリーンに対して投射光軸が水平である場合には、ゆがみがなく良質な投射映像が得られるからである。しかし、家庭用の液晶プロジェクタの場合には、省スペースと美観を保つとの観点から、壁面に設置されたスクリーンに対し、プロジェクタ装置本体を天井に設置して、スクリーン面に対して投射光軸が斜めに入射する状態で、映像を投射表示することが一般的である。そして、このように、スクリーン面と投射光軸が垂直に交わらない場合には、スクリーン上で正しく映像を表示するために、投射レンズを本来の投射光軸に対して垂直な方向に移動させるレンズシフトが行われている。レンズシフトをすることで、投射光が投射レンズの中心からずれて投射されることになり、投射軸が屈曲して、スクリーンに投射される映像をゆがみなく、上下もしくは左右方向にずらすことができる。
このレンズシフト機能を用いた場合には、投射光軸と投射レンズの中心とがずれているために、特に、水平方向を0°とした投射角度が大きい場合、例えば、天井が高く部屋が狭い場合などには、投射映像の倍率を調整するズーム調整時に、投射映像の中心が移動し、スクリーンの中心からずれてしまう。このため、上記図13で説明したような、入力映像のアスペクト比が変化したために、投射倍率の修正をズームレンズで行った場合には、図14に示すように、投射映像f1が、スクリーン52外にはみ出してしまうという問題が生じる。以下この課題を、第2の課題と称する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、アナモルフィックレンズを用いない安価な装置構成にも関わらず、アスペクト比の異なる複数種類の入力映像を、煩雑な調整作業を必要とせずに表示することができる投射型映像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の投射型映像表示装置は、光源と、映像信号に基づいて表示領域に表示映像を表示し、前記表示映像によって前記光源からの照射光を変調して光学像を形成する表示素子と、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含み、前記光学像をスクリーンに投射する投射レンズと、前記ズームレンズの位置と前記フォーカスレンズの位置とを調整するレンズ駆動部と、前記スクリーンに投射される投射映像を制御する投射映像制御部とを備え、前記投射映像制御部は、前記映像信号における入力映像のアスペクト比によって決定された、前記ズームレンズのレンズ位置情報と前記フォーカスレンズのレンズ位置情報とに基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記レンズ駆動部を駆動することを特徴とする。
本発明によれば、アスペクト比の異なる複数種の入力映像に対して、煩雑な調整作業を必要とせずに、スクリーン上に適正な投射映像を自動で投射することができる投射型映像表示装置を安価に提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタの設置の一例を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタの、光学的構成と電気回路構成とを示すブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタでの、投射レンズの位置調整の動作を示すフローチャートである。 図4は、本発明の第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタの、光学的構成と電気回路構成とを示すブロック図である。 図5は、本発明の第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタでの、液晶パネルの表示領域における表示位置調整の動作を示すフローチャートである。 図6は、図5で示した表示位置調整前の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図6(a)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図6(b)は、スクリーン上の投射映像の状態を示す。 図7は、図5で示した表示位置調整後の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図7(a)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図7(b)は、スクリーン上の投射映像の状態を示す。 図8は、本発明の第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタの、光学的構成と電気回路構成とを示すブロック図である。 図9は、本発明の第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタでの、液晶パネルの表示領域における表示映像の縮小と表示位置を調整する動作を示すフローチャートである。 図10は、図9で示した表示映像の縮小調整をする前の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図10(a)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図10(b)は、スクリーン上の投射映像の状態を示す。 図11は、図9で示した表示映像の縮小調整を行った後の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図11(a)および図11(c)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図11(b)および図11(d)および図11(e)は、いずれもスクリーン上の投射映像の状態を示す。 図12は、アナモフィックレンズを用いた従来の液晶プロジェクタでの入力映像と、表示映像と、投射映像との状態を示す図である。図12(a)は、入力映像のアスペクト比が4:3の場合を示し、図12(b)は、入力映像のアスペクト比が16:9の場合を示し、図12(c)は、入力映像のアスペクト比が2.35:1の場合を示す。 図13は、アナモフィックレンズを用いない従来の液晶プロジェクタでの入力映像と、表示映像と、投射映像との状態を示す図である。図13(a)は、入力映像のアスペクト比が16:9の場合を示し、図13(b)は、入力映像のアスペクト比が2.35:1の場合を示す。 図14は、従来の液晶プロジェクタでの投射映像がスクリーンからはみ出した状態を示す図である。
本発明の投射型映像表示装置は、光源と、映像信号に基づいて表示領域に表示映像を表示し、前記表示映像によって前記光源からの照射光を変調して光学像を形成する表示素子と、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含み、前記光学像をスクリーンに投射する投射レンズと、前記ズームレンズの位置と前記フォーカスレンズの位置とを調整するレンズ駆動部と、前記スクリーンに投射される投射映像を制御する投射映像制御部とを備え、前記投射映像制御部は、前記映像信号における入力映像のアスペクト比によって決定された、前記ズームレンズのレンズ位置情報と前記フォーカスレンズのレンズ位置情報とに基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記レンズ駆動部を駆動する。
このような構成を有することで、本発明の投射型映像表示装置では、映像信号が切り替わって入力映像のアスペクト比が異なるものとなった場合でも、入力映像のアスペクト比に応じたズームレンズのレンズ位置情報とフォーカスレンズのレンズ位置情報とによって、レンズ駆動部が駆動して、ズームレンズとフォーカスレンズをそのアスペクト比の映像を投射するに適した位置とすることができる。このため、高価なアナモルフィックレンズを用いなくても、複数種類のアスペクト比を有する入力映像をスクリーンいっぱいに、しっかりと合焦した状態で投射することができる。
上記投射型映像表示装置の構成において、前記投射レンズを、投射光軸に対して垂直な方向へシフトさせるレンズシフト部駆動部と、前記表示領域における前記表示映像の表示位置を変更する表示位置調整部とをさらに備え、前記投射映像制御部は、前記投射レンズのシフト量と前記入力映像のアスペクト比とによって決定された前記表示映像の表示位置情報に基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記表示位置調整部を動作させることが好ましい。このようにすることで、レンズシフトが行われている場合でも、アスペクト比が異なる投射映像がスクリーンからはみ出した状態で投射されることを、効果的に防止することができる。
また、前記表示領域における前記表示映像の大きさを縮小する映像縮小部をさらに備え、前記投射映像制御部は、前記投射レンズのシフト量と前記入力映像のアスペクト比とによって決定された前記表示映像の縮小率情報に基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記映像縮小部を動作させることが好ましい。このようにすることで、シフト量が大きい場合でも、複数種類のアスペクト比を有する投射映像を、スクリーンからはみ出すことなく、正確にスクリーン上に投射することができる。
さらに、前記入力映像のアスペクト比を自動的に検出するアスペクト比検出部をさらに備えることが好ましい。このようにすることで、使用者が入力映像のアスペクト比を設定する必要が無くなり、使用者に、より煩わしさを感じさせることなく、複数種類のアスペクト比の入力映像をスクリーンに適切に投射することができる。
以下、本発明の実施の形態として、本発明の投射型映像表示装置を家庭用の液晶プロジェクタとして用いた場合について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1の設置状態の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の液晶プロジェクタ1は、居室の天井4に設置固定され、居室の一つの壁面5に設置されたスクリーン2に投射映像3を投射する。なお、本実施形態においてスクリーン2のアスペクト比は、シネマスコープ映画映像のアスペクト比である2.35:1となっている。
次に、図2は、本実施形態にかかる液晶プロジェクタ1の光学的な構成と電気回路の構成とを示す、ブロック構成図である。
図2に示すように、本実施形態にかかる液晶プロジェクタ1は、光源11、この光源11から照射された照射光12が照射される表示素子である液晶パネル13、液晶パネル13で形成された光学像14をスクリーン2に投射する投射レンズ15を有している。
光源11としては、周知の水銀ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプなどの高輝度ランプを用いることができる。
液晶パネル13は、本実施形態の液晶プロジェクタ1では透過型のパネルが用いられていて、図示しない表示領域に照射される光源11からの照射光12を変調して光学像14を形成する。本実施形態の液晶パネル13の表示領域のアスペクト比は、16:9となっている。液晶パネル13としては、例えば投射映像の大きさが60インチから300インチ程度である場合、0.5インチから1.2インチ程度の大きさのものを用いることができる。また、液晶パネル13として、赤色、青色、緑色にそれぞれ対応した3枚を用いて、それぞれの色の投影像を、ダイクロイックミラーを用いて一つのカラー映像に合成することが行われている。
投射レンズ15は、光学像14を合焦させるフォーカスレンズ16と、投射倍率を調整するズームレンズ17とを少なくとも含んでいる。投射レンズ15のフォーカスレンズ16とズームレンズ17とは、独立にその位置を制御することが可能であり、フォーカスレンズ16の位置を制御することで、スクリーン2上の投射映像のフォーカスを合わせることができ、ズームレンズ17の位置を制御することで、投射映像の大きさ、すなわち投射倍率を変更することができる。
また、投射レンズ15は、後述するレンズシフト部駆動部25によって、投射光軸、すなわち投射レンズ15の光軸に対して垂直な方向に所定量シフトすることが可能となっている。投射レンズ15をシフトすることで、投射光18の向きを図2中に示す矢印19の方向に角度θだけ曲げることができる。
次に、上記の光学的構成を備える本実施形態の液晶プロジェクタ1の電気回路構成を説明する。なお、図2において、液晶プロジェクタ1の電気回路の各構成部分をブロック図として示すが、これは所定の機能を果たす回路構成を一つのブロックとして捉えて表したものに過ぎない。したがって、本実施形態の液晶プロジェクタ1が、図2に示すような、それぞれのブロックに対応した回路基板等の物理的な構成要素を有することを示すものではない。
図2に示すように、本実施形態の液晶プロジェクタ1は、表示素子である液晶パネル13に表示映像を表示する液晶パネル駆動部21と、フォーカスレンズ16の位置を調整するフォーカスレンズ駆動部22およびズームレンズ17の位置を調整するズームレンズ駆動部23とを備えたレンズ駆動部24、投射レンズ15を投射光18の光軸に対して垂直方向にシフトするためのレンズシフト部駆動部25、スクリーン2上での投射映像の位置と大きさとを制御する投射映像制御部31、映像信号における入力映像のアスペクト比を選択するアスペクト比設定部41を備えている。
液晶パネル駆動部21は、液晶プロジェクタ1に入力された映像信号に基づいて、液晶パネル13の図示しない表示領域に表示映像を表示する。より具体的には、映像信号に基づいて、液晶パネル13に形成された図示しない表示電極から所定の信号を入力し、同じく図示しない表示領域の表示画素の液晶分子の配向状態を制御して、映像信号における入力映像を表示映像として表示領域の所定の位置に表示させる。なお、液晶パネル13の構造や、その駆動方法などは従来周知のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
フォーカスレンズ駆動部22は、フォーカスレンズ16の位置を調整してスクリーン2上の投射映像のフォーカスを調整する。具体的には、フォーカスレンズ駆動部22は、フォーカスレンズ16を投射光18の本来の光軸と平行な方向、すなわち図2における左右方向に移動させためのステッピングモータなどの駆動機構として実現できる。フォーカスレンズ駆動部22は、液晶プロジェクタ1の使用者が、手動で操作することも可能なように構成されている。また、フォーカスレンズ16の位置を検知して、後述するフォーカスレンズ位置記憶部32にフォーカスレンズ位置情報を出力する機能を有している。
ズームレンズ駆動部23は、ズームレンズ17の位置を調整してスクリーン2上での投射映像の大きさを変化させる。ズームレンズ駆動部23も、フォーカスレンズ駆動部22と同様に、ズームレンズ17を投射光18の本来の光軸と平行な方向、図2における左右方向に移動させためのステッピングモータなどの駆動機構として実現することができる。使用者が手動で操作できる構成である点や、ズームレンズ17の位置を検知して、その位置情報をズームレンズ位置記憶部33に出力できる点も、フォーカスレンズ駆動部22と同様である。
これらのフォーカスレンズ駆動部22とズームレンズ駆動部23とが、レンズ駆動部24を構成している。
上記したように、本実施形態の液晶プロジェクタ1には、投射レンズ15から投射された投射光18をスクリーン2の方向に向けるとともに、スクリーン2に斜めに入射する投射光18での投射映像の台形ひずみなどを補正するために、投射レンズ15を、本来の投射光軸に対して垂直方向、すなわち、図2における上下方向にシフトさせるレンズシフト部駆動部25を有している。レンズシフト部駆動部25が行うレンズシフト量が大きいほど、曲げられた投射光18と水平軸とのなす角度θが大きくなる。
このレンズシフト部駆動部25は、通常液晶プロジェクタ1を設置する初期設定の段階で調整され、以後は使用しない。特に、図1に示したように、液晶プロジェクタ1を天井4に設置固定し、壁面5に設置固定されたスクリーン2に投射映像を投射する場合には、液晶プロジェクタ1とスクリーン2がともに固定されているために、一旦適切な調整を行えば、その後にレンズシフト部駆動部25を使用する必要はない。
なお、前述のように本実施形態の液晶プロジェクタ1は天井4に設置されており、スクリーン2が壁面5に設置されており、投射光18をスクリーン2に垂直に入射させることができないために、レンズシフト部駆動部25を使用して投射光の向きを変える調整を行ったが、スクリーン2に対してほぼ垂直に投射光18を入射させることができる位置に液晶プロジェクタ1が位置する場合には、レンズシフト部駆動部25は必ずしも必要ではない。したがって、本実施形態の液晶プロジェクタ1において、レンズシフト部駆動部25は、必須の構成要素ではない。また、レンズシフト部駆動部25によってレンズシフトを行った場合に生じる課題を解決する手段については、実施の形態2および3として後述する。
本実施形態の液晶プロジェクタ1は、その回路構成として投射映像制御部31を有している。投射映像制御部31は、液晶プロジェクタ1に入力される映像信号における入力映像のアスペクト比に対応してあらかじめ決定された、フォーカスレンズ16の位置情報とズームレンズ17の位置情報とに基づいて、映像信号における入力映像のアスペクト比が異なるものに変更された場合に、そのアスペクト比の入力映像を最適な状態でスクリーン2に投射することができるように、レンズ駆動部24を制御する。
本実施形態の投射映像制御部31は、図2に示すようにフォーカスレンズ位置記憶部32と、ズームレンズ位置記憶部33とを有している。また投射映像制御部31は、レンズ駆動部24を制御可能な、いずれも図示しないCPUとRAMやROMが共働する、CPUに入力されたプログラムの形態として実現することができる。
フォーカスレンズ位置記憶部32にはフォーカスレンズの投射光軸方向の位置が、また、ズームレンズ位置記憶部33にはズームレンズの投射光軸方向の位置が、それぞれのレンズの位置情報として記憶される。この位置情報は、フォーカスレンズ16やズームレンズ17の位置が移動するたびに最新のものに更新される情報であり、具体的にはフォーカスレンズ駆動部22およびズームレンズ駆動部23の、ステッピングモータの回転数などとして得ることができる。また、液晶プロジェクタ1の初期状態、すなわち、一般的には工場出荷段階では、フォーカスレンズ位置記憶部32とズームレンズ位置記憶部33には、あらかじめ、スクリーン2と液晶プロジェクタ1との間の標準的な距離を想定した、入力映像のアスペクト比ごとのズームレンズ16とフォーカスレンズ17のレンズ位置情報が記憶されている。
アスペクト比設定部41は、液晶プロジェクタ1の使用者が、投射される映像のアスペクト比を選択するための操作部である。アスペクト比設定部41は、例えば、テレビ放送、パソコン画面、ハイビジョン映像、シネマスコープ映画映像、字幕付きシネマと表示された操作釦として実現することができ、使用者が投射したい映像の種類を選択することで、その入力映像のアスペクト比情報が、投射映像制御部31に伝達される。
次に、図3を用いて、本実施形態の液晶プロジェクタ1における、投射レンズ15の位置を最適化する動作について説明する。
図3は、本実施形態の液晶プロジェクタ1において、映像信号における入力映像のアスペクト比ごとに、フォーカスレンズ16とズームレンズ17との、それぞれのレンズ位置情報を設定、記憶させる作業の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、装置の使用者は、アスペクト比設定部41を操作して入力映像のアスペクト比を選択、設定する。
次に、ステップS2において、投射映像制御部31は、フォーカスレンズ位置記憶部32から選択されたアスペクト比におけるフォーカスレンズ16の位置情報を、また、ズームレンズ位置記憶部33から同じく選択されたアスペクト比におけるズームレンズ17の位置情報を、それぞれ抽出する。なお、上記したように、液晶プロジェクタ1の初期状態では、スクリーン2と液晶プロジェクタ1との間の標準的な距離を想定した、入力映像のアスペクト比ごとのズームレンズ16とフォーカスレンズ17の位置情報が記憶されている。
次に、ステップS3において、ステップS2において抽出されたレンズ位置情報に基づいて、まずズームレンズ17を所定の位置に、ついでフォーカスレンズ16を所定の位置に移動させる。このステップS3の段階で、投射映像がスクリーン2に適正に表示され、かつ焦点が適正であれば、フォーカスレンズ位置記憶部32およびズームレンズ位置記憶部33に記憶されたレンズ位置情報は更新されない。しかし、多くの場合は適正な表示が行われないので、使用者は、フォーカスレンズ16とズームレンズ17の位置を、スクリーン2に実際に投射された投射映像を見ながら調整する。
このとき、投射映像制御部31は、ズームレンズ駆動部23とフォーカスレンズ駆動部22を介してそれぞれのレンズ位置を監視しており、ステップS4においてレンズの移動を検知すると、次のステップS5において移動が停止した状態でのレンズ位置情報を検出する。なお、レンズの移動が停止したか否かは、所定時間、例えば5秒間レンズ位置が変化しない場合に、その位置でレンズが停止したと判断させることができ、この停止位置を新たなレンズ位置情報とする。
そして、検出されたレンズの新たなレンズ位置情報は、ステップS6において、フォーカスレンズ位置記憶部32およびズームレンズ位置記憶部33に、あらかじめ記憶された情報に上書きして更新される。
一方で、ステップS4で、レンズの移動が検出されない場合には、フォーカスレンズ位置記憶部32およびズームレンズ位置記憶部33に蓄えられていたそれぞれのレンズの位置情報が、引き続き正しいレンズ位置情報であると判断することができる。
なお、ステップS6以降にもレンズの移動は常に監視されていて、レンズの移動があれば、新しいレンズ位置情報の更新を行う。
このようにして、一つの入力映像のアスペクト比について、レンズ位置情報を記憶させる動作が完了すると、アスペクト比の異なる入力映像ごとに同じ操作が繰り返し行われる。
そして、全てのアスペクト比の入力映像について、レンズ位置を記憶させる動作が終了すると、以降は、装置の使用者が、アスペクト比設定部41から入力映像のアスペクト比を選択設定するだけで、投射映像制御部31が、記憶されたレンズ位置情報に基づいて投射レンズ15を移動させ、フォーカスレンズ16とズームレンズ17との位置を最適な投射映像が得られる状態にする。このため使用者は、入力映像のアスペクト比を選択するだけでよく、従来の投射型映像表示装置が有していた、映像信号における入力映像のアスペクト比が異なるたびにズーム作業と合焦作業というレンズ操作が必要であり、操作の煩雑さが生ずるという、第1の課題が解消されることになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の投射型映像表示装置の第2の実施形態として、投射レンズを投射光の光軸に対して垂直方向にシフトした場合に生じる、投射映像がスクリーンからずれてしまうという第2の課題を効果的に防止できる液晶プロジェクタについて説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態である液晶プロジェクタ100の、光学的な構成と電気回路の構成とを示すブロック構成図である。なお、図4においても図2と同様、ブロックとして示す液晶プロジェクタ100の電気回路の各構成部分は、所定の機能を果たす回路構成を一つのブロックとして捉えて表したものに過ぎず、本実施形態の液晶プロジェクタ100が、図4に示すような、それぞれのブロックに対応した回路基板等の物理的な構成要素を有することを示すものではない。
図4に示すように、第2の実施形態に係る液晶プロジェクタ100は、図2を用いて説明した第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と同じ光学的構成を有している。
また、回路構成においては、第2の実施形態に係る液晶プロジェクタ100は、投射映像制御部31に制御される表示位置調整部26を備えていて、映像信号が表示位置調整部26を介して液晶パネル駆動部21に入力される点と、投射映像制御部31が表示位置記憶部34を備えている点、さらに、使用者が操作する位置調整釦42を備えている点が、第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と異なっている。なお、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100では、レンズシフト部駆動部25が必須の構成要件となっている点も、上記の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と異なる。このため、以下では、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100に特有の部分を中心に説明し、第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と共通する部分の説明は省略する。
図4に示す、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100は、表示位置調整部26を備えている。この表示位置調整部26は、表示素子である液晶パネル13の表示領域における、表示映像の表示位置を変更調整するものである。本実施形態の液晶プロジェクタ100の表示素子である液晶パネル13は、16:9のアスペクト比の表示領域、すなわち、表示映像を表示することができる表示可能領域を有している。ここで、映像信号における入力映像のアスペクト比が16:9の場合には、表示映像を表示可能な表示領域のアスペクト比と同じであるため、表示映像を表示領域いっぱいに表示することとなる。しかし、入力映像のアスペクト比が16:9ではない場合には、表示領域と表示映像とのアスペクト比が異なり、表示領域の上下または左右に表示映像が表示されない非表示領域が生じるため、表示映像を表示領域の中心以外の領域に表示することが可能となる。表示位置調整部26は、液晶パネル駆動部21に入力される映像信号を調整して、液晶パネル13の表示領域の中心以外の部分に表示映像を表示させるものである。
本実施形態の液晶プロジェクタ100の表示位置記憶部34は、表示位置調整部26からの信号を受け取り、表示位置調整部26が液晶パネル13の表示領域におけるどの位置に表示映像を表示するように調整したかの表示位置情報を記憶する。
また、本実施形態の液晶プロジェクタ100では、投射映像制御部31は、使用者による位置調整釦42の操作を受けて、表示位置調整部26を制御して表示領域での表示位置を変更調整するとともに、表示位置記憶部34から表示位置情報を取得し、この表示位置情報に基づいて表示位置調整部26を制御して、液晶パネル13の表示領域における表示映像の表示位置を調整する機能を有している。
位置調整釦42は、投射映像制御部31を介して、表示位置調整部26に所定の信号を与えて、使用者が液晶パネル13の表示領域における表示映像の表示位置を調整することを可能にする釦であり、回転式またはプッシュ式などの釦である。
次に、本実施形態の液晶プロジェクタ100における表示位置の調整動作について、図5〜図7を用いて具体的に説明する。
図5は、本実施形態の液晶プロジェクタ100において、異なるアスペクト比の入力映像をスクリーン2上に投射したときに、投射映像のはみ出しが生じた場合の表示位置調整の操作を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、液晶プロジェクタ100の使用者がアスペクト比設定部41を操作して、入力映像のアスペクト比をハイビジョン映像のアスペクト比である16:9に選択した場合を想定する。このとき、使用者は、図3を用いて実施の形態1で説明したフォーカスレンズ16とズームレンズ17とのレンズ位置情報を設定、記憶させる手順に則り、レンズ駆動部24を制御してフォーカスレンズ16とズームレンズ17のレンズ位置を調整し、投射映像3がスクリーン2上に適正に投射されるように調整する。
次に、ステップS12において、入力映像のアスペクト比をシネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1として、図3で示した手順に則ってフォーカスレンズ16とズームレンズ17のレンズ位置を調整する。このとき、レンズシフト部駆動部25によって、大きなレンズシフト量が与えられ、投射光18の投射方向19が水平軸より大きく曲げられた場合、すなわち角度θが大きい場合には、投射映像3がスクリーン2からはみだす現象が発生する。この状態をステップS13とする。
このときのスクリーン2の状態を示したものが、図6(b)である。投射映像3は、左右方向はスクリーン2の横幅いっぱいに正しく投射されているが、上下方向は、スクリーン2に対して下方向にずれた位置に投射されていて、投射映像3の下部の部分がスクリーン2の外にはみ出している。このはみ出しが起きた状態では、図6(a)に示すように、液晶パネル13の表示領域6の中心部と表示映像7の中心部は、一致して表示されている。表示映像7のアスペクト比が、表示領域6のアスペクト比より横長であるため、表示領域6の上下部分に、表示映像が表示されていない非表示領域8が生じている。
図5に戻って、次のステップS14で、使用者が位置調整釦42を操作して、スクリーン2を見ながら、図7(b)に示すように、投射映像3とスクリーン2とが一致するように表示位置を調整する。
図7(a)は、図7(b)に示した、位置調整釦42の操作によってスクリーン2と投射映像3とが一致した状態での、表示領域6における表示映像7の表示位置を示したものである。図7(a)に示すように、表示映像7は、表示領域6の図中上方に偏った状態で表示され、表示映像7の上方の非表示領域8が、表示映像7の下方の非表示領域8よりも小さくなっている。
次に、図5に戻って、ステップS15において、表示領域6における表示映像7の表示位置情報が、シネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1と関連づけられて、表示位置記憶部34に記憶される。
以下、アスペクト比設定部41でシネマスコープ映画映像が設定された場合には、投射映像制御部31は、表示位置記憶部34に記憶された液晶パネル4の表示領域6での表示映像7の表示位置情報を取得し、投射レンズ15の位置補正を行うと同時に、表示位置の調整を自動的に行う。このため、使用者が位置調整釦42を操作しなくても、投射映像3がスクリーン2に正しく投射されることとなる。
このように、レンズシフト部駆動部25で投射レンズ15が投射光軸に対して垂直な方向にシフトされている場合には、表示映像7を表示領域6の中心に位置させたままでは、投射映像3がスクリーン2からはみ出してしまうという、第2の課題が生じる場合があるが、本実施形態の液晶プロジェクタ100では、この第2の課題を解消し使用者が煩雑な処理をすることなく、異なるアスペクト比の投射映像3を的確にスクリーン2上に投射することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の投射型映像表示装置の第3の実施形態として、投射レンズを投射光の光軸に対して垂直方向にシフトするシフト量が大きい場合に生じる、投射映像がスクリーンから大きくずれてしまうという問題点を効果的に防止できる液晶プロジェクタについて説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態である液晶プロジェクタ200の、光学的な構成と電気回路の構成とを示すブロック構成図である。なお、図8においても図2や図4と同様、ブロックとして示す液晶プロジェクタ200が、図8に示すような、それぞれのブロックに対応した回路基板等の物理的な構成要素を有することを示すものではない。
図8に示すように、第3の実施形態に係る液晶プロジェクタ200は、図4を用いて説明した第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100と同じ光学的構成を有している。
また、回路構成においては、第3の実施形態に係る液晶プロジェクタ200は、投射映像制御部31に制御される映像縮小部27を備えていて、映像信号が映像縮小部27を介してから表示位置調整部26、さらに、液晶パネル駆動部26に入力される点と、投射映像制御部31が映像縮小率記憶部35を備えている点、さらに、使用者が操作する第2の調整釦である倍率調整釦43を備えている点が、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100と異なっている。なお、第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタ200においても、レンズシフト部駆動部25は、必須の構成要件となっている。以下では、第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタ200に特有の部分を中心に説明し、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100と共通する部分の説明は省略する。
図8に示す、第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタ200は、映像縮小部27を備えている。この映像縮小部27は、表示素子である液晶パネル13の表示領域における表示映像の大きさを変化させて、より小さい映像として表示させるものである。このため、映像縮小部27が動作している状態では、本実施形態の液晶プロジェクタ200の表示素子である液晶パネル13は、表示領域の横幅いっぱいには表示映像を表示せず、かつ、実施の形態2で説明した表示位置調整部26によって、表示映像はその中心が表示領域の中心からずれた状態で表示されることとなる。
また、本実施形態の液晶プロジェクタ200の映像縮小率記憶部35は、映像縮小部27からの信号を受け取り、入力映像のアスペクト比ごとに、映像縮小部27が液晶パネル13での表示映像の縮小率をいくらとしたのかという縮小率情報を記憶する。
また、本実施形態の液晶プロジェクタ200では、投射映像制御部31は、使用者による倍率調整釦43の操作を受けて、映像縮小部27へ表示映像の縮小率を指示するとともに、映像縮小率記憶部35から縮小率情報を取得し、この縮小率情報に基づいて映像縮小部27を制御して、液晶パネル13の表示領域における表示映像の縮小率を調整する機能を有している。
倍率調整釦43は、投射映像制御部31を介して映像縮小部27に所定の信号を与えて、使用者が液晶パネル13の表示領域における表示映像の表示倍率を調整することを可能にする釦であり、回転式またはプッシュ式などの釦である。
次に、本実施形態の液晶プロジェクタ200における表示映像の倍率調整と表示位置調整の動作について、図9〜図11を用いて具体的に説明する。
図9は、本実施形態の液晶プロジェクタ200において、異なるアスペクト比の入力映像をスクリーン2上に投射したときに、投射映像のはみ出しが生じた場合の表示映像の縮小率と表示位置を調整する操作を示すフローチャートである。
まず、実施形態2の場合と同様、液晶プロジェクタ200の使用者が、アスペクト比設定部41を操作して、入力映像のアスペクト比を、ハイビジョン映像の16:9に選択した場合を想定する。このとき、使用者は、図3のフローチャートで示した動作の流れを用いて、実施の形態1で説明した手順に則り、レンズ駆動部24を制御してフォーカスレンズ16とズームレンズ17のレンズ位置を調整し、投射映像3がスクリーン2上に適正に投射されるように調整する。また、図5のフローチャートで示した動作の流れを用いて表示映像の表示領域における表示位置を調整する。
しかし、レンズシフト部駆動部25でのシフト量が大きい場合、すなわち、図8に示す投射角度θが極端に大きいときは、図6のステップS14で、図10(a)に示すように、表示映像7の表示位置を表示領域7の上限いっぱいにまで調整しても、図10(b)に示すように、投射映像3がスクリーン2からはみ出してしまう場合がある。この場合が、図9に示すフローチャートのステップS21である。
このような場合、使用者は、次のステップS22として、倍率調整釦43を操作して表示領域6での表示映像7の表示倍率を変更し、表示映像7の大きさを縮小する。
このとき、投射映像制御部31は、倍率調整釦42の操作に応じて映像縮小部27において、映像信号における映像入力の大きさを縮小させる。映像縮小部27では、表示位置調整部26を介して液晶パネル駆動部21に入力される映像信号における入力映像自体を縮小するため、液晶パネル13の表示領域6では、図11(a)に示すように、図10(b)の場合と比較して、表示映像7の中心位置は一定のまま表示映像7の大きさのみが縮小される。この結果、表示領域6には表示映像7の上側に非表示領域8が生じる。なお、図11(b)に示すように、スクリーン2上でも投射映像3の倍率が小さくなる。
次に、使用者は、図9のフローチャートにおけるステップS23に示すように、スクリーン2を見ながら、位置調整釦42を操作して、投射映像制御部31を介して表示位置調整部26に指示を与え、図11(c)に示すように、表示領域6での表示映像7の位置をより上方に移動させる。この結果、投射映像3が上方に移動する。
この操作は、図11(d)に示すように、スクリーン2の中心と投射映像3の中心とが一致するまで繰り返し行われる。
図11(d)に示すように、スクリーン2の中心と投射映像3の中心とが一致した場合には、次のステップS24として、使用者は、投射レンズ駆動部24を操作して、ズームレンズ駆動部23により、ズームレンズ17の位置を調整して投射倍率を変換する。また、必要に応じてフォーカスレンズ16の位置を調整して、スクリーン2上に投射映像3を正しく合焦させる。このようにして、図11(e)に示すような、スクリーン2からのはみ出しが無く、かつ、スクリーン2いっぱいに表示された投射映像3を得ることができる。
そして、次のステップS25において、投射映像制御部31は、調整された表示映像の縮小率を、シネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1と関連づけて、映像縮小率記憶部35に記憶させる。合わせて、このときの表示位置情報を表示位置記憶部34に、また、フォーカスレンズ16とズームレンズ17の位置情報を、フォーカスレンズ位置記憶部32とズームレンズ位置記憶部33に記憶させる。
以下、使用者が入力映像のアスペクト比をアスペクト比設定部41で設定するごとに、投射映像制御部31は、フォーカスレンズ位置記憶部32、ズームレンズ位置記憶部33、表示位置記憶部34、映像縮小率記憶部35から、フォーカスレンズ位置情報、ズームレンズ位置情報、表示位置情報、縮小率情報をそれぞれ読み込んで、レンズ駆動部24、表示位置調整部26、映像縮小部27をそれぞれ制御することで、スクリーン2上に適正に投射された投射映像3を得ることができる。
このように、本実施形態の液晶プロジェクタ200によれば、例えばプロジェクタ本体とスクリーン2との位置が近く、レンズシフト部駆動部25により投射レンズが大きくシフトされた、投射角度θが極端に大きい場合でも、使用者に調整の煩わしさを与えることなく、異なるアスペクト比の入力映像をスクリーン2上に自動的に正しく投射することができる。
なお、上記第2および第3の実施の形態では、入力映像が、アスペクト比が16:9のハイビジョン映像から、アスペクト比が2.35:1のシネマスコープ映画映像に切り替わった場合を例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置はこのような場合に限らず、ハイビジョン映像と字幕付きシネマとの組み合わせ等、入力映像のアスペクト比の種々の組み合わせに対しても、同様に効果を発揮し得ることは言うまでもない。
また、上記本発明の説明において、各実施形態として説明した液晶プロジェクタでは、使用者がアスペクト比設定部41を介して入力映像のアスペクト比を投射映像制御部31に入力する場合について説明した。しかし、本発明の投射型映像表示装置は、これに限られるものではなく、例えば、投射映像制御部31の機能として、映像信号における入力映像のアスペクト比を自動的に検出できるアスペクト比検出部を有するようにすることもできる。このように、投射映像制御部31が、入力映像のアスペクト比を自動的に検出できるようにすることで、使用者による操作の煩雑性をより一層低減させることができる。
また、上記の各実施形態において、本発明の投射型映像表示装置として、ホームシアターなどの家庭用の液晶プロジェクタを例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置は家庭用のものに限らず、駅や博物館などの公共機関に設置されるプロジェクタや、会議室、ホールなどに設置されるビジネス用途のプロジェクタに適用できることは言うまでもない。
また、表示素子として、透過型の液晶パネルを用いた液晶プロジェクタを例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置の表示素子は、このような透過型の液晶パネルに限られるものではない。例えば、表示素子として、光源からの照射光を背面電極で反射させて変調する反射型の液晶パネルを用いることができる。また、液晶パネル以外にも、表示領域の表示画素として微細なミラーを多数配置したマイクロミラー素子など、光源からの照射光を変調して投射レンズで投射しうる投影像を形成できるものであれば、どのような表示素子でも本発明の表示素子として用いることができる。
また、上記各実施形態の説明では、液晶プロジェクタの表示素子である液晶パネルにおける表示領域のアスペクト比を16:9と、また、スクリーンのアスペクト比を2.35:1としたものを例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置における表示素子の表示領域と、スクリーンのアスペクト比が、上記例示したものに限定されないことも言うまでもない。
本発明は、アスペクト比の異なる複数の入力映像をスクリーンに表示する投射型の映像表示装置として幅広く利用可能である。
本発明は、液晶プロジェクタなどの投射型映像表示装置に関し、特にアスペクト比の異なる複数種類の入力映像をスクリーン上に適正に表示することができる投射型映像表示装置に関する。
液晶プロジェクタなどの投射型映像表示装置には、映像信号によって、アスペクト比が異なる複数種類の入力映像が、表示されるべき映像として入力される。アスペクト比とは、表示される映像や映像信号での縦横比、または、表示素子やディスプレイ端末での表示画面の縦横比であり、以下本明細書では、アスペクト比として、映像の信号または表示素子における表示領域の縦横比を「長辺(横):短辺(縦)」として表示することとする。
たとえば、現行のTV放送の映像や一般のパーソナルコンピュータの映像では、アスペクト比は4:3であり、ハイビジョン放送などの高品位映像のアスペクト比は16:9、シネマスコープ映画映像のアスペクト比は2.35:1となっている。
一方、投射型映像表示装置において、投射される光学像を形成するライトバルブとして用いられる液晶パネルなどの表示素子は、表示映像を表示することができる領域としての表示領域を有している。当然のことながら、表示領域のアスペクト比は、入力映像のアスペクト比にかかわらず、それぞれの素子ごとに物理的に一定である。
ところで、容易に大画面を実現することができるため、近年、家族で映画等を楽しめるホームシアター用として液晶プロジェクタが使用されるケースが増えている。このような液晶プロジェクタの表示素子である液晶パネルとしては、高品位映像に対応した16:9のアスペクト比の表示領域を持つものを用いるのが一般的である。また、液晶プロジェクタから投射された投射映像を表示するスクリーンは、映像品質を確保するために壁面に固定して設置されることが好ましい。そして、この場合に使用されるスクリーンは、ホームシアター用として投射される映像の中で最も横長のアスペクト比である、シネマスコープ映画映像のアスペクト比、2.35:1のものが用いられることが多い。
このようなことから、特定の、例えば2.35:1のアスペクト比を有するスクリーン上に、アスペクト比の異なる複数種類の投射映像を、適正に、すなわち、投射映像がスクリーンからはみだすことなく、かつ、スクリーンを最大限に活用した大きな投射映像が得られるように表示することが望まれている。
そして、このような課題を解決する一つの方法として、入力映像を、その本来のアスペクト比から液晶パネルの表示領域のアスペクト比に合うように電気的に圧縮または拡大変換して、液晶パネルの表示領域を最大限活用して映像を表示し、これをアナモルフィックレンズで光学的に入力映像の本来のアスペクト比に戻し、スクリーンへ投射するという技術が知られている(特許文献1参照)。
このアナモルフィックレンズを使った、従来の液晶プロジェクタでの投射方法について、図12を用いて説明する。
図12は、従来の液晶プロジェクタで、アスペクト比の異なる三種類の入力映像が、液晶パネルとスクリーン上で、それぞれどのように表示されるかを示した図である。なお、ここでは、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比が16:9、スクリーン52のアスペクト比が2.35:1である場合について説明する。
図12(a)は、映像信号が通常のTV放送信号であり、映像信号における入力映像のアスペクト比が4:3の入力映像a1である場合である。この場合には、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比16:9となるように、入力映像が電気的に横方向に拡大されて、液晶パネル上で表示映像a2として表示される。そして、この表示映像a2がアナモルフィックレンズによって縦方向に光学的に拡大変換されて、スクリーン52上では投射映像a3で示すように本来のアスペクト比4:3の映像として表示される。このとき、スクリーン52の左右両側は、非投射領域53となる。
図12(b)は、映像信号がハイビジョン放送の信号であり、映像信号における入力映像のアスペクト比が16:9の入力映像b1の場合である。この場合には、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比と、入力映像b1のアスペクト比が同じであり、入力映像b1の縦横比のまま液晶パネルの表示領域51に表示映像b2として表示される。そして、この表示映像b2がアナモルフィックレンズによって縦方向に光学的に拡大変換されて、スクリーン52上では、投射映像b3で示すように本来のアスペクト比16:9の映像として表示される。このときも、スクリーン52の左右両側は、非投射領域53となる。
図12(c)は、映像信号における映像がシネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1の入力映像c1の場合である。この場合には、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比16:9となるように、入力映像c1は電気的に横方向に縮小されて、液晶パネル上で表示映像c2として表示される。そして、この表示映像c2がアナモルフィックレンズによって横方向に光学的に拡大復調されてスクリーン52に投射され、スクリーン52上では投射映像c3で示すように本来のアスペクト比2.35:1の映像として表示される。
このように、アナモルフィックレンズを使った、従来の液晶プロジェクタでは、異なるアスペクト比の入力映像であっても、液晶パネルの表示領域を全部使って表示映像を表示することになるため、光源であるランプの光を最大限に利用することができ、明るく、高品質の投射映像を得ることができる。また、この従来の液晶プロジェクタでの投射方法によれば、アスペクト比の異なる入力映像を切り替えて投射するにあたって、入力映像の切り替え時に投射レンズの位置調整を行う必要がないため、液晶プロジェクタの投射レンズの設定は、液晶プロジェクタを設置するときに1度だけ行えばよいという利点もある。
特開2005−72887号公報
しかしながら、円筒状の曲面を有するアナモルフィックレンズは高価であるため、一般家庭のホームシアター用としての液晶プロジェクタに用いた場合には、装置が高価となってその普及が阻害される要因の一つとなっている。
一方で、アナモルフィックレンズを用いない場合には、入力映像のアスペクト比が異なると、スクリーン上の投射映像の大きさが一定とならないため、入力映像のアスペクト比が変わるたびに投射レンズを調整しなくてはならず、また、投射光の光軸と、スクリーン面とが垂直にならない場合には、投射された映像がスクリーンからはみ出してしまうという問題が生じる。以下、図面を用いてこの課題について説明する。
図13は、アナモルフィックレンズを用いない場合に、アスペクト比の異なる入力映像が、液晶パネルおよびスクリーンでどのように表示されるかを示した図である。なお、図12と同様に、図13においても、液晶パネルの表示領域51のアスペクト比を16:9、スクリーン52のアスペクト比を2.35:1としている。
図13(a)は、入力信号がハイビジョン映像信号である場合であり、入力映像d1のアスペクト比は16:9である。この場合、液晶パネルの表示領域51も同じアスペクト比であるため、入力映像は、そのまま液晶パネルの表示領域51の全域に表示映像d2として表示される。そして、スクリーン52には、スクリーン52の縦横比がより横長である分、その左右両側を非表示領域53として投射映像d3のように表示される。このとき、液晶プロジェクタとスクリーン52との距離に応じて、ズームレンズによって、投射映像d3の縦方向がスクリーン52の縦方向いっぱいに表示されるよう調整し、さらにフォーカスレンズを微調整してスクリーン52上に正しく焦点を合わせる。
このような状態において、映像信号が図13(b)のシネマスコープ映画映像に変わった場合には、入力映像e1のアスペクト比が表示領域51のアスペクト比よりも横長の2.35:1であるため、液晶パネルの表示領域51には、上下に不使用領域54を残した表示映像e2として表示される。スクリーン52には、その前に投射していたハイビジョン映像d1と同じ倍率で投射されるために、非投射領域53を周囲に残した、スクリーン52の全面を使用しない小さな投射映像e3として表示される。このため、スクリーン52いっぱいに、適切な投射映像e4として映像表示させることができるよう、ズームレンズを再調整して投射倍率を変更し、かつ、フォーカスレンズも微調整して焦点を合わせ直す必要がある。
このように、映像信号における投射されるべき映像のアスペクト比が異なるたびに、ズーム作業と合焦作業とが必要となり、操作の煩雑さが発生する。なお、以下この課題を、本明細書では、第1の課題と称する。
また、液晶プロジェクタなどの投射型映像表示装置では、本来、投射光の光軸である投射光軸がスクリーン面と垂直となるように、装置本体とスクリーンとを設置することが好ましい。投射光軸がスクリーンに対して垂直である場合、すなわち、垂直に設置されたスクリーンに対して投射光軸が水平である場合には、ゆがみがなく良質な投射映像が得られるからである。しかし、家庭用の液晶プロジェクタの場合には、省スペースと美観を保つとの観点から、壁面に設置されたスクリーンに対し、プロジェクタ装置本体を天井に設置して、スクリーン面に対して投射光軸が斜めに入射する状態で、映像を投射表示することが一般的である。そして、このように、スクリーン面と投射光軸が垂直に交わらない場合には、スクリーン上で正しく映像を表示するために、投射レンズを本来の投射光軸に対して垂直な方向に移動させるレンズシフトが行われている。レンズシフトをすることで、投射光が投射レンズの中心からずれて投射されることになり、投射軸が屈曲して、スクリーンに投射される映像をゆがみなく、上下もしくは左右方向にずらすことができる。
このレンズシフト機能を用いた場合には、投射光軸と投射レンズの中心とがずれているために、特に、水平方向を0°とした投射角度が大きい場合、例えば、天井が高く部屋が狭い場合などには、投射映像の倍率を調整するズーム調整時に、投射映像の中心が移動し、スクリーンの中心からずれてしまう。このため、上記図13で説明したような、入力映像のアスペクト比が変化したために、投射倍率の修正をズームレンズで行った場合には、図14に示すように、投射映像f1が、スクリーン52外にはみ出してしまうという問題が生じる。以下この課題を、第2の課題と称する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、アナモルフィックレンズを用いない安価な装置構成にも関わらず、アスペクト比の異なる複数種類の入力映像を、煩雑な調整作業を必要とせずに表示することができる投射型映像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の投射型映像表示装置は、光源と、映像信号に基づいて表示領域に表示映像を表示し、前記表示映像によって前記光源からの照射光を変調して光学像を形成する表示素子と、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含み、前記光学像をスクリーンに投射する投射レンズと、前記ズームレンズの位置と前記フォーカスレンズの位置とを調整するレンズ駆動部と、前記スクリーンに投射される投射映像を制御する投射映像制御部とを備え、前記投射映像制御部は、前記映像信号における入力映像のアスペクト比によって決定された、前記ズームレンズのレンズ位置情報と前記フォーカスレンズのレンズ位置情報とに基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記レンズ駆動部を駆動することを特徴とする。
本発明によれば、アスペクト比の異なる複数種の入力映像に対して、煩雑な調整作業を必要とせずに、スクリーン上に適正な投射映像を自動で投射することができる投射型映像表示装置を安価に提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタの設置の一例を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタの、光学的構成と電気回路構成とを示すブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタでの、投射レンズの位置調整の動作を示すフローチャートである。 図4は、本発明の第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタの、光学的構成と電気回路構成とを示すブロック図である。 図5は、本発明の第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタでの、液晶パネルの表示領域における表示位置調整の動作を示すフローチャートである。 図6は、図5で示した表示位置調整前の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図6(a)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図6(b)は、スクリーン上の投射映像の状態を示す。 図7は、図5で示した表示位置調整後の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図7(a)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図7(b)は、スクリーン上の投射映像の状態を示す。 図8は、本発明の第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタの、光学的構成と電気回路構成とを示すブロック図である。 図9は、本発明の第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタでの、液晶パネルの表示領域における表示映像の縮小と表示位置を調整する動作を示すフローチャートである。 図10は、図9で示した表示映像の縮小調整をする前の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図10(a)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図10(b)は、スクリーン上の投射映像の状態を示す。 図11は、図9で示した表示映像の縮小調整を行った後の表示映像と投射映像との状態を示す図である。図11(a)および図11(c)は、液晶パネルの表示領域での表示映像の状態を示し、図11(b)および図11(d)および図11(e)は、いずれもスクリーン上の投射映像の状態を示す。 図12は、アナモフィックレンズを用いた従来の液晶プロジェクタでの入力映像と、表示映像と、投射映像との状態を示す図である。図12(a)は、入力映像のアスペクト比が4:3の場合を示し、図12(b)は、入力映像のアスペクト比が16:9の場合を示し、図12(c)は、入力映像のアスペクト比が2.35:1の場合を示す。 図13は、アナモフィックレンズを用いない従来の液晶プロジェクタでの入力映像と、表示映像と、投射映像との状態を示す図である。図13(a)は、入力映像のアスペクト比が16:9の場合を示し、図13(b)は、入力映像のアスペクト比が2.35:1の場合を示す。 図14は、従来の液晶プロジェクタでの投射映像がスクリーンからはみ出した状態を示す図である。
本発明の投射型映像表示装置は、光源と、映像信号に基づいて表示領域に表示映像を表示し、前記表示映像によって前記光源からの照射光を変調して光学像を形成する表示素子と、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含み、前記光学像をスクリーンに投射する投射レンズと、前記ズームレンズの位置と前記フォーカスレンズの位置とを調整するレンズ駆動部と、前記スクリーンに投射される投射映像を制御する投射映像制御部とを備え、前記投射映像制御部は、前記映像信号における入力映像のアスペクト比によって決定された、前記ズームレンズのレンズ位置情報と前記フォーカスレンズのレンズ位置情報とに基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記レンズ駆動部を駆動する。
このような構成を有することで、本発明の投射型映像表示装置では、映像信号が切り替わって入力映像のアスペクト比が異なるものとなった場合でも、入力映像のアスペクト比に応じたズームレンズのレンズ位置情報とフォーカスレンズのレンズ位置情報とによって、レンズ駆動部が駆動して、ズームレンズとフォーカスレンズをそのアスペクト比の映像を投射するに適した位置とすることができる。このため、高価なアナモルフィックレンズを用いなくても、複数種類のアスペクト比を有する入力映像をスクリーンいっぱいに、しっかりと合焦した状態で投射することができる。
上記投射型映像表示装置の構成において、前記投射レンズを、投射光軸に対して垂直な方向へシフトさせるレンズシフト部駆動部と、前記表示領域における前記表示映像の表示位置を変更する表示位置調整部とをさらに備え、前記投射映像制御部は、前記投射レンズのシフト量と前記入力映像のアスペクト比とによって決定された前記表示映像の表示位置情報に基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記表示位置調整部を動作させることが好ましい。このようにすることで、レンズシフトが行われている場合でも、アスペクト比が異なる投射映像がスクリーンからはみ出した状態で投射されることを、効果的に防止することができる。
また、前記表示領域における前記表示映像の大きさを縮小する映像縮小部をさらに備え、前記投射映像制御部は、前記投射レンズのシフト量と前記入力映像のアスペクト比とによって決定された前記表示映像の縮小率情報に基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記映像縮小部を動作させることが好ましい。このようにすることで、シフト量が大きい場合でも、複数種類のアスペクト比を有する投射映像を、スクリーンからはみ出すことなく、正確にスクリーン上に投射することができる。
さらに、前記入力映像のアスペクト比を自動的に検出するアスペクト比検出部をさらに備えることが好ましい。このようにすることで、使用者が入力映像のアスペクト比を設定する必要が無くなり、使用者に、より煩わしさを感じさせることなく、複数種類のアスペクト比の入力映像をスクリーンに適切に投射することができる。
以下、本発明の実施の形態として、本発明の投射型映像表示装置を家庭用の液晶プロジェクタとして用いた場合について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1の設置状態の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の液晶プロジェクタ1は、居室の天井4に設置固定され、居室の一つの壁面5に設置されたスクリーン2に投射映像3を投射する。なお、本実施形態においてスクリーン2のアスペクト比は、シネマスコープ映画映像のアスペクト比である2.35:1となっている。
次に、図2は、本実施形態にかかる液晶プロジェクタ1の光学的な構成と電気回路の構成とを示す、ブロック構成図である。
図2に示すように、本実施形態にかかる液晶プロジェクタ1は、光源11、この光源11から照射された照射光12が照射される表示素子である液晶パネル13、液晶パネル13で形成された光学像14をスクリーン2に投射する投射レンズ15を有している。
光源11としては、周知の水銀ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプなどの高輝度ランプを用いることができる。
液晶パネル13は、本実施形態の液晶プロジェクタ1では透過型のパネルが用いられていて、図示しない表示領域に照射される光源11からの照射光12を変調して光学像14を形成する。本実施形態の液晶パネル13の表示領域のアスペクト比は、16:9となっている。液晶パネル13としては、例えば投射映像の大きさが60インチから300インチ程度である場合、0.5インチから1.2インチ程度の大きさのものを用いることができる。また、液晶パネル13として、赤色、青色、緑色にそれぞれ対応した3枚を用いて、それぞれの色の投影像を、ダイクロイックミラーを用いて一つのカラー映像に合成することが行われている。
投射レンズ15は、光学像14を合焦させるフォーカスレンズ16と、投射倍率を調整するズームレンズ17とを少なくとも含んでいる。投射レンズ15のフォーカスレンズ16とズームレンズ17とは、独立にその位置を制御することが可能であり、フォーカスレンズ16の位置を制御することで、スクリーン2上の投射映像のフォーカスを合わせることができ、ズームレンズ17の位置を制御することで、投射映像の大きさ、すなわち投射倍率を変更することができる。
また、投射レンズ15は、後述するレンズシフト部駆動部25によって、投射光軸、すなわち投射レンズ15の光軸に対して垂直な方向に所定量シフトすることが可能となっている。投射レンズ15をシフトすることで、投射光18の向きを図2中に示す矢印19の方向に角度θだけ曲げることができる。
次に、上記の光学的構成を備える本実施形態の液晶プロジェクタ1の電気回路構成を説明する。なお、図2において、液晶プロジェクタ1の電気回路の各構成部分をブロック図として示すが、これは所定の機能を果たす回路構成を一つのブロックとして捉えて表したものに過ぎない。したがって、本実施形態の液晶プロジェクタ1が、図2に示すような、それぞれのブロックに対応した回路基板等の物理的な構成要素を有することを示すものではない。
図2に示すように、本実施形態の液晶プロジェクタ1は、表示素子である液晶パネル13に表示映像を表示する液晶パネル駆動部21と、フォーカスレンズ16の位置を調整するフォーカスレンズ駆動部22およびズームレンズ17の位置を調整するズームレンズ駆動部23とを備えたレンズ駆動部24、投射レンズ15を投射光18の光軸に対して垂直方向にシフトするためのレンズシフト部駆動部25、スクリーン2上での投射映像の位置と大きさとを制御する投射映像制御部31、映像信号における入力映像のアスペクト比を選択するアスペクト比設定部41を備えている。
液晶パネル駆動部21は、液晶プロジェクタ1に入力された映像信号に基づいて、液晶パネル13の図示しない表示領域に表示映像を表示する。より具体的には、映像信号に基づいて、液晶パネル13に形成された図示しない表示電極から所定の信号を入力し、同じく図示しない表示領域の表示画素の液晶分子の配向状態を制御して、映像信号における入力映像を表示映像として表示領域の所定の位置に表示させる。なお、液晶パネル13の構造や、その駆動方法などは従来周知のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
フォーカスレンズ駆動部22は、フォーカスレンズ16の位置を調整してスクリーン2上の投射映像のフォーカスを調整する。具体的には、フォーカスレンズ駆動部22は、フォーカスレンズ16を投射光18の本来の光軸と平行な方向、すなわち図2における左右方向に移動させためのステッピングモータなどの駆動機構として実現できる。フォーカスレンズ駆動部22は、液晶プロジェクタ1の使用者が、手動で操作することも可能なように構成されている。また、フォーカスレンズ16の位置を検知して、後述するフォーカスレンズ位置記憶部32にフォーカスレンズ位置情報を出力する機能を有している。
ズームレンズ駆動部23は、ズームレンズ17の位置を調整してスクリーン2上での投射映像の大きさを変化させる。ズームレンズ駆動部23も、フォーカスレンズ駆動部22と同様に、ズームレンズ17を投射光18の本来の光軸と平行な方向、図2における左右方向に移動させためのステッピングモータなどの駆動機構として実現することができる。使用者が手動で操作できる構成である点や、ズームレンズ17の位置を検知して、その位置情報をズームレンズ位置記憶部33に出力できる点も、フォーカスレンズ駆動部22と同様である。
これらのフォーカスレンズ駆動部22とズームレンズ駆動部23とが、レンズ駆動部24を構成している。
上記したように、本実施形態の液晶プロジェクタ1には、投射レンズ15から投射された投射光18をスクリーン2の方向に向けるとともに、スクリーン2に斜めに入射する投射光18での投射映像の台形ひずみなどを補正するために、投射レンズ15を、本来の投射光軸に対して垂直方向、すなわち、図2における上下方向にシフトさせるレンズシフト部駆動部25を有している。レンズシフト部駆動部25が行うレンズシフト量が大きいほど、曲げられた投射光18と水平軸とのなす角度θが大きくなる。
このレンズシフト部駆動部25は、通常液晶プロジェクタ1を設置する初期設定の段階で調整され、以後は使用しない。特に、図1に示したように、液晶プロジェクタ1を天井4に設置固定し、壁面5に設置固定されたスクリーン2に投射映像を投射する場合には、液晶プロジェクタ1とスクリーン2がともに固定されているために、一旦適切な調整を行えば、その後にレンズシフト部駆動部25を使用する必要はない。
なお、前述のように本実施形態の液晶プロジェクタ1は天井4に設置されており、スクリーン2が壁面5に設置されており、投射光18をスクリーン2に垂直に入射させることができないために、レンズシフト部駆動部25を使用して投射光の向きを変える調整を行ったが、スクリーン2に対してほぼ垂直に投射光18を入射させることができる位置に液晶プロジェクタ1が位置する場合には、レンズシフト部駆動部25は必ずしも必要ではない。したがって、本実施形態の液晶プロジェクタ1において、レンズシフト部駆動部25は、必須の構成要素ではない。また、レンズシフト部駆動部25によってレンズシフトを行った場合に生じる課題を解決する手段については、実施の形態2および3として後述する。
本実施形態の液晶プロジェクタ1は、その回路構成として投射映像制御部31を有している。投射映像制御部31は、液晶プロジェクタ1に入力される映像信号における入力映像のアスペクト比に対応してあらかじめ決定された、フォーカスレンズ16の位置情報とズームレンズ17の位置情報とに基づいて、映像信号における入力映像のアスペクト比が異なるものに変更された場合に、そのアスペクト比の入力映像を最適な状態でスクリーン2に投射することができるように、レンズ駆動部24を制御する。
本実施形態の投射映像制御部31は、図2に示すようにフォーカスレンズ位置記憶部32と、ズームレンズ位置記憶部33とを有している。また投射映像制御部31は、レンズ駆動部24を制御可能な、いずれも図示しないCPUとRAMやROMが共働する、CPUに入力されたプログラムの形態として実現することができる。
フォーカスレンズ位置記憶部32にはフォーカスレンズの投射光軸方向の位置が、また、ズームレンズ位置記憶部33にはズームレンズの投射光軸方向の位置が、それぞれのレンズの位置情報として記憶される。この位置情報は、フォーカスレンズ16やズームレンズ17の位置が移動するたびに最新のものに更新される情報であり、具体的にはフォーカスレンズ駆動部22およびズームレンズ駆動部23の、ステッピングモータの回転数などとして得ることができる。また、液晶プロジェクタ1の初期状態、すなわち、一般的には工場出荷段階では、フォーカスレンズ位置記憶部32とズームレンズ位置記憶部33には、あらかじめ、スクリーン2と液晶プロジェクタ1との間の標準的な距離を想定した、入力映像のアスペクト比ごとのズームレンズ16とフォーカスレンズ17のレンズ位置情報が記憶されている。
アスペクト比設定部41は、液晶プロジェクタ1の使用者が、投射される映像のアスペクト比を選択するための操作部である。アスペクト比設定部41は、例えば、テレビ放送、パソコン画面、ハイビジョン映像、シネマスコープ映画映像、字幕付きシネマと表示された操作釦として実現することができ、使用者が投射したい映像の種類を選択することで、その入力映像のアスペクト比情報が、投射映像制御部31に伝達される。
次に、図3を用いて、本実施形態の液晶プロジェクタ1における、投射レンズ15の位置を最適化する動作について説明する。
図3は、本実施形態の液晶プロジェクタ1において、映像信号における入力映像のアスペクト比ごとに、フォーカスレンズ16とズームレンズ17との、それぞれのレンズ位置情報を設定、記憶させる作業の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、装置の使用者は、アスペクト比設定部41を操作して入力映像のアスペクト比を選択、設定する。
次に、ステップS2おいて、投射映像制御部31は、フォーカスレンズ位置記憶部32から選択されたアスペクト比におけるフォーカスレンズ16の位置情報を、また、ズームレンズ位置記憶部33から同じく選択されたアスペクト比におけるズームレンズ17の位置情報を、それぞれ抽出する。なお、上記したように、液晶プロジェクタ1の初期状態では、スクリーン2と液晶プロジェクタ1との間の標準的な距離を想定した、入力映像のアスペクト比ごとのズームレンズ16とフォーカスレンズ17の位置情報が記憶されている。
次に、ステップS3において、ステップS2において抽出されたレンズ位置情報に基づいて、まずズームレンズ17を所定の位置に、ついでフォーカスレンズ16を所定の位置に移動させる。このステップS3の段階で、投射映像がスクリーン2に適正に表示され、かつ焦点が適正であれば、フォーカスレンズ位置記憶部32およびズームレンズ位置記憶部33に記憶されたレンズ位置情報は更新されない。しかし、多くの場合は適正な表示が行われないので、使用者は、フォーカスレンズ16とズームレンズ17の位置を、スクリーン2に実際に投射された投射映像を見ながら調整する。
このとき、投射映像制御部31は、ズームレンズ駆動部23とフォーカスレンズ駆動部22を介してそれぞれのレンズ位置を監視しており、ステップS4においてレンズの移動を検知すると、次のステップS5において移動が停止した状態でのレンズ位置情報を検出する。なお、レンズの移動が停止したか否かは、所定時間、例えば5秒間レンズ位置が変化しない場合に、その位置でレンズが停止したと判断させることができ、この停止位置を新たなレンズ位置情報とする。
そして、検出されたレンズの新たなレンズ位置情報は、ステップS6において、フォーカスレンズ位置記憶部32およびズームレンズ位置記憶部33に、あらかじめ記憶された情報に上書きして更新される。
一方で、ステップS4で、レンズの移動が検出されない場合には、フォーカスレンズ位置記憶部32およびズームレンズ位置記憶部33に蓄えられていたそれぞれのレンズの位置情報が、引き続き正しいレンズ位置情報であると判断することができる。
なお、ステップS6以降にもレンズの移動は常に監視されていて、レンズの移動があれば、新しいレンズ位置情報の更新を行う。
このようにして、一つの入力映像のアスペクト比について、レンズ位置情報を記憶させる動作が完了すると、アスペクト比の異なる入力映像ごとに同じ操作が繰り返し行われる。
そして、全てのアスペクト比の入力映像について、レンズ位置を記憶させる動作が終了すると、以降は、装置の使用者が、アスペクト比設定部41から入力映像のアスペクト比を選択設定するだけで、投射映像制御部31が、記憶されたレンズ位置情報に基づいて投射レンズ15を移動させ、フォーカスレンズ16とズームレンズ17との位置を最適な投射映像が得られる状態にする。このため使用者は、入力映像のアスペクト比を選択するだけでよく、従来の投射型映像表示装置が有していた、映像信号における入力映像のアスペクト比が異なるたびにズーム作業と合焦作業というレンズ操作が必要であり、操作の煩雑さが生ずるという、第1の課題が解消されることになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の投射型映像表示装置の第2の実施形態として、投射レンズを投射光の光軸に対して垂直方向にシフトした場合に生じる、投射映像がスクリーンからずれてしまうという第2の課題を効果的に防止できる液晶プロジェクタについて説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態である液晶プロジェクタ100の、光学的な構成と電気回路の構成とを示すブロック構成図である。なお、図4においても図2と同様、ブロックとして示す液晶プロジェクタ100の電気回路の各構成部分は、所定の機能を果たす回路構成を一つのブロックとして捉えて表したものに過ぎず、本実施形態の液晶プロジェクタ100が、図4に示すような、それぞれのブロックに対応した回路基板等の物理的な構成要素を有することを示すものではない。
図4に示すように、第2の実施形態に係る液晶プロジェクタ100は、図2を用いて説明した第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と同じ光学的構成を有している。
また、回路構成においては、第2の実施形態に係る液晶プロジェクタ100は、投射映像制御部31に制御される表示位置調整部26を備えていて、映像信号が表示位置調整部26を介して液晶パネル駆動部21に入力される点と、投射映像制御部31が表示位置記憶部34を備えている点、さらに、使用者が操作する位置調整釦42を備えている点が、第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と異なっている。なお、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100では、レンズシフト部駆動部25が必須の構成要件となっている点も、上記の第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と異なる。このため、以下では、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100に特有の部分を中心に説明し、第1の実施形態にかかる液晶プロジェクタ1と共通する部分の説明は省略する。
図4に示す、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100は、表示位置調整部26を備えている。この表示位置調整部26は、表示素子である液晶パネル13の表示領域における、表示映像の表示位置を変更調整するものである。本実施形態の液晶プロジェクタ100の表示素子である液晶パネル13は、16:9のアスペクト比の表示領域、すなわち、表示映像を表示することができる表示可能領域を有している。ここで、映像信号における入力映像のアスペクト比が16:9の場合には、表示映像を表示可能な表示領域のアスペクト比と同じであるため、表示映像を表示領域いっぱいに表示することとなる。しかし、入力映像のアスペクト比が16:9ではない場合には、表示領域と表示映像とのアスペクト比が異なり、表示領域の上下または左右に表示映像が表示されない非表示領域が生じるため、表示映像を表示領域の中心以外の領域に表示することが可能となる。表示位置調整部26は、液晶パネル駆動部21に入力される映像信号を調整して、液晶パネル13の表示領域の中心以外の部分に表示映像を表示させるものである。
本実施形態の液晶プロジェクタ100の表示位置記憶部34は、表示位置調整部26からの信号を受け取り、表示位置調整部26が液晶パネル13の表示領域におけるどの位置に表示映像を表示するように調整したかの表示位置情報を記憶する。
また、本実施形態の液晶プロジェクタ100では、投射映像制御部31は、使用者による位置調整釦42の操作を受けて、表示位置調整部26を制御して表示領域での表示位置を変更調整するとともに、表示位置記憶部34から表示位置情報を取得し、この表示位置情報に基づいて表示位置調整部26を制御して、液晶パネル13の表示領域における表示映像の表示位置を調整する機能を有している。
位置調整釦42は、投射映像制御部31を介して、表示位置調整部26に所定の信号を与えて、使用者が液晶パネル13の表示領域における表示映像の表示位置を調整することを可能にする釦であり、回転式またはプッシュ式などの釦である。
次に、本実施形態の液晶プロジェクタ100における表示位置の調整動作について、図5〜図7を用いて具体的に説明する。
図5は、本実施形態の液晶プロジェクタ100において、異なるアスペクト比の入力映像をスクリーン2上に投射したときに、投射映像のはみ出しが生じた場合の表示位置調整の操作を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、液晶プロジェクタ100の使用者がアスペクト比設定部41を操作して、入力映像のアスペクト比をハイビジョン映像のアスペクト比である16:9に選択した場合を想定する。このとき、使用者は、図3を用いて実施の形態1で説明したフォーカスレンズ16とズームレンズ17とのレンズ位置情報を設定、記憶させる手順に則り、レンズ駆動部24を制御してフォーカスレンズ16とズームレンズ17のレンズ位置を調整し、投射映像3がスクリーン2上に適正に投射されるように調整する。
次に、ステップS12おいて、入力映像のアスペクト比をシネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1として、図3で示した手順に則ってフォーカスレンズ16とズームレンズ17のレンズ位置を調整する。このとき、レンズシフト駆動部25によって、大きなレンズシフト量が与えられ、投射光18の投射方向19が水平軸より大きく曲げられた場合、すなわち角度θが大きい場合には、投射映像3がスクリーン2からはみだす現象が発生する。この状態をステップS13とする。
このときのスクリーン2の状態を示したものが、図6(b)である。投射映像3は、左右方向はスクリーン2の横幅いっぱいに正しく投射されているが、上下方向は、スクリーン2に対して下方向にずれた位置に投射されていて、投射映像3の下部の部分がスクリーン2の外にはみ出している。このはみ出しが起きた状態では、図6(a)に示すように、液晶パネル13の表示領域6の中心部と表示映像7の中心部は、一致して表示されている。表示映像7のアスペクト比が、表示領域6のアスペクト比より横長であるため、表示領域6の上下部分に、表示映像が表示されていない非表示領域8が生じている。
図5に戻って、次のステップS14で、使用者が位置調整釦42を操作して、スクリーン2を見ながら、図7(b)に示すように、投射映像3とスクリーン2とが一致するように表示位置を調整する。
図7(a)は、図7(b)に示した、位置調整釦42の操作によってスクリーン2と投射映像3とが一致した状態での、表示領域6における表示映像7の表示位置を示したものである。図7(a)に示すように、表示映像7は、表示領域6の図中上方に偏った状態で表示され、表示映像7の上方の非表示領域8が、表示映像7の下方の非表示領域8よりも小さくなっている。
次に、図5に戻って、ステップS15において、表示領域6における表示映像7の表示位置情報が、シネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1と関連づけられて、表示位置記憶部34に記憶される。
以下、アスペクト比設定部41でシネマスコープ映画映像が設定された場合には、投射映像制御部31は、表示位置記憶部34に記憶された液晶パネル4の表示領域6での表示映像7の表示位置情報を取得し、投射レンズ15の位置補正を行うと同時に、表示位置の調整を自動的に行う。このため、使用者が位置調整釦42を操作しなくても、投射映像3がスクリーン2に正しく投射されることとなる。
このように、レンズシフト部駆動部25で投射レンズ15が投射光軸に対して垂直な方向にシフトされている場合には、表示映像7を表示領域6の中心に位置させたままでは、投射映像3がスクリーン2からはみ出してしまうという、第2の課題が生じる場合があるが、本実施形態の液晶プロジェクタ100では、この第2の課題を解消し使用者が煩雑な処理をすることなく、異なるアスペクト比の投射映像3を的確にスクリーン2上に投射することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の投射型映像表示装置の第3の実施形態として、投射レンズを投射光の光軸に対して垂直方向にシフトするシフト量が大きい場合に生じる、投射映像がスクリーンから大きくずれてしまうという問題点を効果的に防止できる液晶プロジェクタについて説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態である液晶プロジェクタ200の、光学的な構成と電気回路の構成とを示すブロック構成図である。なお、図8においても図2や図4と同様、ブロックとして示す液晶プロジェクタ200が、図8に示すような、それぞれのブロックに対応した回路基板等の物理的な構成要素を有することを示すものではない。
図8に示すように、第3の実施形態に係る液晶プロジェクタ200は、図4を用いて説明した第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100と同じ光学的構成を有している。
また、回路構成においては、第3の実施形態に係る液晶プロジェクタ200は、投射映像制御部31に制御される映像縮小部27を備えていて、映像信号が映像縮小部27を介してから表示位置調整部26、さらに、液晶パネル駆動部26に入力される点と、投射映像制御部31が映像縮小率記憶部35を備えている点、さらに、使用者が操作する第2の調整釦である倍率調整釦43を備えている点が、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100と異なっている。なお、第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタ200においても、レンズシフト部駆動部25は、必須の構成要件となっている。以下では、第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタ200に特有の部分を中心に説明し、第2の実施形態にかかる液晶プロジェクタ100と共通する部分の説明は省略する。
図8に示す、第3の実施形態にかかる液晶プロジェクタ200は、映像縮小部27を備えている。この映像縮小部27は、表示素子である液晶パネル13の表示領域における表示映像の大きさを変化させて、より小さい映像として表示させるものである。このため、映像縮小部27が動作している状態では、本実施形態の液晶プロジェクタ200の表示素子である液晶パネル13は、表示領域の横幅いっぱいには表示映像を表示せず、かつ、実施の形態2で説明した表示位置調整部26によって、表示映像はその中心が表示領域の中心からずれた状態で表示されることとなる。
また、本実施形態の液晶プロジェクタ200の映像縮小率記憶部35は、映像縮小部27からの信号を受け取り、入力映像のアスペクト比ごとに、映像縮小部27が液晶パネル13での表示映像の縮小率をいくらとしたのかという縮小率情報を記憶する。
また、本実施形態の液晶プロジェクタ200では、投射映像制御部31は、使用者による倍率調整釦43の操作を受けて、映像縮小部27へ表示映像の縮小率を指示するとともに、映像縮小率記憶部35から縮小率情報を取得し、この縮小率情報に基づいて映像縮小部27を制御して、液晶パネル13の表示領域における表示映像の縮小率を調整する機能を有している。
倍率調整釦43は、投射映像制御部31を介して映像縮小部27に所定の信号を与えて、使用者が液晶パネル13の表示領域における表示映像の表示倍率を調整することを可能にする釦であり、回転式またはプッシュ式などの釦である。
次に、本実施形態の液晶プロジェクタ200における表示映像の倍率調整と表示位置調整の動作について、図9〜図11を用いて具体的に説明する。
図9は、本実施形態の液晶プロジェクタ200において、異なるアスペクト比の入力映像をスクリーン2上に投射したときに、投射映像のはみ出しが生じた場合の表示映像の縮小率と表示位置を調整する操作を示すフローチャートである。
まず、実施形態2の場合と同様、液晶プロジェクタ200の使用者が、アスペクト比設定部41を操作して、入力映像のアスペクト比を、ハイビジョン映像の16:9に選択した場合を想定する。このとき、使用者は、図3のフローチャートで示した動作の流れを用いて、実施の形態1で説明した手順に則り、レンズ駆動部24を制御してフォーカスレンズ16とズームレンズ17のレンズ位置を調整し、投射映像3がスクリーン2上に適正に投射されるように調整する。また、図5のフローチャートで示した動作の流れを用いて表示映像の表示領域における表示位置を調整する。
しかし、レンズシフト部駆動部25でのシフト量が大きい場合、すなわち、図8に示す投射角度θが極端に大きいときは、図6のステップS14で、図10(a)に示すように、表示映像7の表示位置を表示領域7の上限いっぱいにまで調整しても、図10(b)に示すように、投射映像3がスクリーン2からはみ出してしまう場合がある。この場合が、図9に示すフローチャートのステップS21である。
このような場合、使用者は、次のステップS22として、倍率調整釦43を操作して表示領域6での表示映像7の表示倍率を変更し、表示映像7の大きさを縮小する。
このとき、投射映像制御部31は、倍率調整釦42の操作に応じて映像縮小部27において、映像信号における映像入力の大きさを縮小させる。映像縮小部27では、表示位置調整部26を介して液晶パネル駆動部21に入力される映像信号における入力映像自体を縮小するため、液晶パネル13の表示領域6では、図11(a)に示すように、図10(b)の場合と比較して、表示映像7の中心位置は一定のまま表示映像7の大きさのみが縮小される。この結果、表示領域6には表示映像7の上側に非表示領域8が生じる。なお、図11(b)に示すように、スクリーン2上でも投射映像3の倍率が小さくなる。
次に、使用者は、図9のフローチャートにおけるステップS23に示すように、スクリーン2を見ながら、位置調整釦42を操作して、投射映像制御部31を介して表示位置調整部26に指示を与え、図11(c)に示すように、表示領域6での表示映像7の位置をより上方に移動させる。この結果、投射映像3が上方に移動する。
この操作は、図11(d)に示すように、スクリーン2の中心と投射映像3の中心とが一致するまで繰り返し行われる。
図11(d)に示すように、スクリーン2の中心と投射映像3の中心とが一致した場合には、次のステップS24として、使用者は、投射レンズ駆動部24を操作して、ズームレンズ駆動部23により、ズームレンズ17の位置を調整して投射倍率を変換する。また、必要に応じてフォーカスレンズ16の位置を調整して、スクリーン2上に投射映像3を正しく合焦させる。このようにして、図11(e)に示すような、スクリーン2からのはみ出しが無く、かつ、スクリーン2いっぱいに表示された投射映像3を得ることができる。
そして、次のステップS25において、投射映像制御部31は、調整された表示映像の縮小率を、シネマスコープ映画映像のアスペクト比2.35:1と関連づけて、映像縮小率記憶部35に記憶させる。合わせて、このときの表示位置情報を表示位置記憶部34に、また、フォーカスレンズ16とズームレンズ17の位置情報を、フォーカスレンズ位置記憶部32とズームレンズ位置記憶部33に記憶させる。
以下、使用者が入力映像のアスペクト比をアスペクト比設定部41で設定するごとに、投射映像制御部31は、フォーカスレンズ位置記憶部32、ズームレンズ位置記憶部33、表示位置記憶部34、映像縮小率記憶部35から、フォーカスレンズ位置情報、ズームレンズ位置情報、表示位置情報、縮小率情報をそれぞれ読み込んで、レンズ駆動部24、表示位置調整部26、映像縮小部27をそれぞれ制御することで、スクリーン2上に適正に投射された投射映像3を得ることができる。
このように、本実施形態の液晶プロジェクタ200によれば、例えばプロジェクタ本体とスクリーン2との位置が近く、レンズシフト部駆動部25により投射レンズが大きくシフトされた、投射角度θが極端に大きい場合でも、使用者に調整の煩わしさを与えることなく、異なるアスペクト比の入力映像をスクリーン2上に自動的に正しく投射することができる。
なお、上記第2および第3の実施の形態では、入力映像が、アスペクト比が16:9のハイビジョン映像から、アスペクト比が2.35:1のシネマスコープ映画映像に切り替わった場合を例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置はこのような場合に限らず、ハイビジョン映像と字幕付きシネマとの組み合わせ等、入力映像のアスペクト比の種々の組み合わせに対しても、同様に効果を発揮し得ることは言うまでもない。
また、上記本発明の説明において、各実施形態として説明した液晶プロジェクタでは、使用者がアスペクト比設定部41を介して入力映像のアスペクト比を投射映像制御部31に入力する場合について説明した。しかし、本発明の投射型映像表示装置は、これに限られるものではなく、例えば、投射映像制御部31の機能として、映像信号における入力映像のアスペクト比を自動的に検出できるアスペクト比検出部を有するようにすることもできる。このように、投射映像制御部31が、入力映像のアスペクト比を自動的に検出できるようにすることで、使用者による操作の煩雑性をより一層低減させることができる。
また、上記の各実施形態において、本発明の投射型映像表示装置として、ホームシアターなどの家庭用の液晶プロジェクタを例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置は家庭用のものに限らず、駅や博物館などの公共機関に設置されるプロジェクタや、会議室、ホールなどに設置されるビジネス用途のプロジェクタに適用できることは言うまでもない。
また、表示素子として、透過型の液晶パネルを用いた液晶プロジェクタを例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置の表示素子は、このような透過型の液晶パネルに限られるものではない。例えば、表示素子として、光源からの照射光を背面電極で反射させて変調する反射型の液晶パネルを用いることができる。また、液晶パネル以外にも、表示領域の表示画素として微細なミラーを多数配置したマイクロミラー素子など、光源からの照射光を変調して投射レンズで投射しうる投影像を形成できるものであれば、どのような表示素子でも本発明の表示素子として用いることができる。
また、上記各実施形態の説明では、液晶プロジェクタの表示素子である液晶パネルにおける表示領域のアスペクト比を16:9と、また、スクリーンのアスペクト比を2.35:1としたものを例示して説明したが、本発明の投射型映像表示装置における表示素子の表示領域と、スクリーンのアスペクト比が、上記例示したものに限定されないことも言うまでもない。
本発明は、アスペクト比の異なる複数の入力映像をスクリーンに表示する投射型の映像表示装置として幅広く利用可能である。

Claims (4)

  1. 光源と、
    映像信号に基づいて表示領域に表示映像を表示し、前記表示映像によって前記光源からの照射光を変調して光学像を形成する表示素子と、
    ズームレンズおよびフォーカスレンズを含み、前記光学像をスクリーンに投射する投射レンズと、
    前記ズームレンズの位置と前記フォーカスレンズの位置とを調整するレンズ駆動部と、
    前記スクリーンに投射される投射映像を制御する投射映像制御部とを備え、
    前記投射映像制御部は、前記映像信号における入力映像のアスペクト比によって決定された、前記ズームレンズのレンズ位置情報と前記フォーカスレンズのレンズ位置情報とに基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記レンズ駆動部を駆動することを特徴とする投射型映像表示装置。
  2. 前記投射レンズを、投射光軸に対して垂直な方向へシフトさせるレンズシフト部駆動部と、
    前記表示領域における前記表示映像の表示位置を変更する表示位置調整部とをさらに備え、
    前記投射映像制御部は、前記投射レンズのシフト量と前記入力映像のアスペクト比とによって決定された前記表示映像の表示位置情報に基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記表示位置調整部を動作させる請求項1に記載の投射型映像表示装置。
  3. 前記表示領域における前記表示映像の大きさを縮小する映像縮小部をさらに備え、
    前記投射映像制御部は、前記投射レンズのシフト量と前記入力映像のアスペクト比とによって決定された前記表示映像の縮小率情報に基づいて、前記入力映像のアスペクト比に応じて前記映像縮小部を動作させる請求項2に記載の投射型映像表示装置。
  4. 前記入力映像のアスペクト比を自動的に検出するアスペクト比検出部をさらに備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の投射型映像表示装置。
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