JPWO2010010618A1 - 衝撃吸収部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の衝撃吸収部材は、少なくとも第1本体と第2本体を備えている。第1本体は、第1部分筒壁と第1フランジ部を備えている。第1部分筒壁は、筒壁を周方向に分割した部分筒壁を構成する。第1フランジ部は、第1部分筒壁の周方向における両端の各々から筒の外側に向かって伸びているとともに、筒の軸方向にも伸びている。第2本体は、第2部分筒壁と第2フランジ部を備えている。第2部分筒壁は、筒壁を周方向に分割した部分筒壁を構成する。第2フランジ部は、第2部分筒壁の周方向における両端の各々から筒の外側に向かって伸びているとともに、筒の軸方向にも伸びている。第1フランジ部と第2フランジ部は、筒の軸方向において断続的に接合されている。そして、筒の軸方向において第1フランジ部と第2フランジ部が接合されていない区間の一部に、第1フランジ部の第1部分筒壁側の端部と第2フランジ部の第2部分筒壁側の端部の間に隙間が形成されている。
この衝撃吸収部材によれば、間隙を形成しておいた位置において順々に座屈変形が進行する。第1フランジと第2フランジの接合点は、座屈変形後も座屈変形前と同一平面内に留まっている。即ち、衝撃吸収部材の変形プロセスが安定する。
この衝撃吸収部材によれば、フランジ部における座屈変形の発生位置と、変形状態ないし変形プロセスが製品ごとにばらつくことを抑制することができる。これにより、衝撃吸収部材に負荷される圧縮荷重と圧縮変形量との関係が、製品ごとにばらつくことを抑制することができる。
衝撃吸収部材では、圧縮荷重が負荷された初期の状態において、荷重の作用位置に近い位置、即ち、車両本体から最も遠い位置に大きな荷重が負荷される。この衝撃吸収部材では、車両本体から最も遠くに位置する隙間が他の隙間よりも大きく形成されている。そのため、車両本体から最も遠くに位置する隙間が他の隙間よりも変形しやすい。これにより、圧縮荷重が負荷された初期の状態におけるフランジ部の変形位置がばらつくことを抑制することができる。この結果、衝撃吸収部材に負荷される圧縮荷重と圧縮変形量との関係が製品ごとにばらつくことを確実に抑制することができる。
この構成によれば、第1フランジ部の外側の端部と第2フランジ部の外側の端部とが離間しやすくなる。即ち、第1フランジ部と第2フランジ部が、隙間が形成されている位置で変形しやすくなる。これにより、より確実に、フランジ部を所望の位置で変形させることができる。
(特徴1) 衝撃吸収部材は、第1本体と第2本体以外に、第3本体をも備えていてもよい。この場合、第3本体は、筒壁を周方向に分割した部分筒壁を構成する第3部分筒壁と、第3部分筒壁の周方向の両端に形成されている一対の第3フランジを備えている。
この場合、第1フランジ部に第2フランジ部を接合し、第2フランジ部に第3フランジ部を接合し、第3フランジ部に第1フランジ部を接合する。第1部分筒壁と第2部分筒壁と第3部分筒壁によって筒が構成されている。
(特徴2) さらに、第4本体、第5本体等を備えている。筒壁を構成する部材数は任意である。
(特徴3) 筒壁を構成する部材数が3個の場合、第1フランジ部と第3フランジ部は、筒の軸方向において断続的に接合されており、第2フランジ部と第3フランジ部は、筒の軸方向において断続的に接合されている。そして、筒の軸方向において、第1フランジ部と第3フランジ部が接合されていない区間の一部に、第1フランジ部の第1部分筒壁側の端部と第3フランジ部の第3部分筒壁側の端部の間に隙間が形成されており、筒の軸方向において第2フランジ部と第3フランジ部が接合されていない区間の一部に、第2フランジ部の第2部分筒壁側の端部と第3フランジ部の第3部分筒壁側の端部の間に隙間が形成されている。この構成によれば、衝撃吸収部材に負荷される圧縮荷重と圧縮変形量との関係が衝撃吸収部材ごとにばらつくことを抑制することができる。
(特徴4) 第1フランジ部と第2フランジ部との隙間(接合される一対のフランジ部の隙間)は、接合されていない区間ごとに1個ずつが形成されていてもよく、区間ごとに2個以上形成されていてもよい。また、区間ごとに隙間の個数が異なっていてもよい。また隙間が形成されていない区間があってもよい。これらの構成によっても、衝撃吸収部材に負荷される圧縮荷重と圧縮変形量との関係が衝撃吸収部材ごとにばらつくことを抑制することができる。
図3は、図1のIII―III断面を示す断面図である。
衝撃吸収部材10は、例えば自動車等の車両の前後端部に取り付けられる。本実施例では、車両の前側に取り付けられる衝撃吸収部材10について説明する。
図1,2,3に示すように、衝撃吸収部材10は、筒壁18とフランジ部16を備えている。筒壁18は、四角形の筒を構成している。フランジ部16は、筒壁18の外周から外側に向かって伸びている。フランジ部16は、筒壁18の軸方向にも伸びている。
衝撃吸収部材10は、第1本体17と第2本体60を備えている。
第1側壁19bのそれぞれには、前側の上溝34よりも前方に上側縦溝26が形成されている。上側縦溝26は、筒壁18の内側に凹んでいる。各上側縦溝26は、筒壁18の軸方向に関して同一の位置に形成されている。上側縦溝26は、第1側壁19bの上端から下方に向かって伸びている。上側縦溝26の下端は、第1側壁19bの下端よりも上方に位置している。第1側壁19bのそれぞれには、2本の上溝34の間に上側縦溝40が形成されている。上側縦溝40は、筒壁18の内側に凹んでいる。上側縦溝40は、上側縦溝26と平行に形成されている。上側縦溝40の上下方向の長さは、上側縦溝26の上下方向の長さと略同一である。上側縦溝40の幅と深さは、上側縦溝26よりも大きい。また、第1側壁19bには、後側の上溝34よりも後方に上側縦溝48が形成されている。上側縦溝48は、上側縦溝26と平行に形成されている。上側縦溝48の上下方向の長さは、上側縦溝26の上下方向の長さと略同一である。上側縦溝48の幅と深さは、上側縦溝40と略同一である。
第2側壁62bのそれぞれには、前側の下溝71よりも前方に下側縦溝70が形成されている。下側縦溝70は、筒壁18の内側に凹んでいる。各第2側壁62bに形成された下側縦溝70は、筒壁18の軸方向に関して同一の位置に形成されている。また、各下側縦溝70は、第1側壁19bに形成された各上側縦溝26の延長上に形成されている。下側縦溝70は、第2側壁62bの下端から上方に向かって伸びている。下側縦溝70の上端は、第2側壁62bの上端よりも下方に位置している。下側縦溝70は、上側縦溝26と略同一の上下方向の長さ、幅、深さを有している。
下側縦溝70の上方に位置する第2フランジ部66には、下側第2ビード72が形成されている。下側第2ビード72は、上側第2ビード24の下方に形成されている。下側第2ビード72は、境界面Xに関して上側第2ビード24と対称な形状及び寸法を有している。上側第2ビード24と下側第2ビード72により、第1フランジ部20の第1側壁19b側の端部と第2フランジ部66の第2側壁62b側の端部との間に隙間が形成されている。
各ビード68,72,74,78の寸法は、下側第1ビード68、下側第2ビード72、下側第3ビード74、下側第4ビード78の順で小さくなっている。下側第3ビード74の寸法は、下側第4ビード78の寸法と同一であってもよい。
また、衝撃吸収部材10では、第1側壁19bには、第1フランジ部20,21に形成された各ビード24,28,38,46に対応する位置に、それぞれ上側縦溝26,40,48が形成されている。また、第2側壁62bには、第2フランジ部64,66に形成された各ビード68,72,74,78に対応する位置に、それぞれ下側縦溝70,76,80が形成されている。衝撃吸収部材10が圧縮荷重により圧縮変形すると、上側縦溝26,40,48、下側縦溝70,76,80が形成されている位置で、第1側壁19b,62bが筒壁18の内側に変形しやすくなっている。これにより、衝撃吸収部材10の変形状態ないし変形プロセスが、製品ごとにばらつくことを抑制することができる。
上記した衝撃吸収部材10では、第1フランジ部21に形成された上側第1ビード28は、第1フランジ部20に形成された上側第2ビード24と筒壁18の軸方向に関して同一の位置に配置されている。しかしながら、上側第1ビード28と上側第2ビード24の筒壁18の軸方向に関する位置は、異なっていてもよい。同様に、衝撃吸収部材10に筒壁18の軸方向に関して同一の位置に形成されているビードは、その位置が異なっていてもよい。
上記した衝撃吸収部材10では、第1フランジ部20と第2フランジ部66との接合部36は、第1フランジ部21と第2フランジ部64との接合部36と筒壁18の軸方向に関して同一の位置に配置されている。しかしながら、第1フランジ部20と第2フランジ部66との接合部36と第1フランジ部21と第2フランジ部64との接合部36は、軸方向に関して異なる位置に配置されていてもよい。
また、全てのビード形状が同一であってもよいし、一部のビードが、他のビードと異なる形状であってもよい。
また、上記した衝撃吸収部材10では、筒壁18は、四角形の筒を構成している。しかしながら、筒壁によって構成される筒は、四角形でなくてもよい。例えば、円形であってもよく、六角形や八角形等の四角形以外の多角形であってもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (3)
- 筒を構成する筒壁と、筒壁の外周から外側に向かって伸びているとともに筒の軸方向にも伸びているフランジ部を有しており、軸方向の一端を車両本体に取り付けて用いられ、車両の衝突時に筒壁とフランジ部が軸方向に圧縮変形する衝撃吸収部材であって、
少なくとも第1本体と第2本体を備えており、
第1本体は、筒壁を周方向に分割した部分筒壁を構成する第1部分筒壁と、第1部分筒壁の周方向における両端の各々から筒の外側に向かって伸びているとともに筒の軸方向にも伸びている第1フランジ部を備えており、
第2本体は、筒壁を周方向に分割した部分筒壁を構成する第2部分筒壁と、第2部分筒壁の周方向における両端の各々から筒の外側に向かって伸びているとともに筒の軸方向にも伸びている第2フランジ部を備えており、
第1フランジ部と第2フランジ部は、筒の軸方向において断続的に接合されており、
筒の軸方向において第1フランジ部と第2フランジ部が接合されていない区間の一部に、第1フランジ部の第1部分筒壁側の端部と第2フランジ部の第2部分筒壁側の端部の間に隙間が形成されている衝撃吸収部材。 - 前記区間ごとに1個の隙間が形成されており、
車両本体から最も遠くに位置する隙間が他の隙間よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収部材。 - 前記隙間が、筒壁から外側に遠ざかるにつれて小さくなることを特徴とする請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材。
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