JPWO2010001683A1 - ダブルメカニカルシール装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態においては、遠心ポンプの軸シールとして使用されるシール装置であって、2つの摺動面を背面合わせに構成したダブルシールを有し、スタフィンボックスの外面にカートリッジ形態で装着されるシール装置を例示して本発明を説明する。
図2は、図1に示すシール装置1を回転軸70に嵌合した状態を示す軸方向平面図である。
また、図3は、図1に示すシール装置1の機内側シールリング41とシールケース44との嵌合設置箇所の拡大図であり、シール装置1のバランス値の説明をするための図である。
なお、図1においてはスタフィンボックス80の軸孔81側(図示左側)が機内側空間Aであり、その軸方向反対側(図示右側)が機外側空間であって大気空間Bである。
内部孔11の周面(シールカバー10の内周面)は、機内側から機外側方向に順にシールケース装着面11a、第1絞り面11b、拡張面11c、第2絞り面11d、及び、第3絞り面11fに形成されている。
このような構成において、配管を介して注入されたクエンチング液は、クエンチング液注入路13から中間室19に注入され、直接に機内側シール部40及び機外側シール部50の外周面に流され、クエンチング液排出路14から排出される。これにより、各シール部のシール摺動面の摺動時の発熱が冷却されると共に、各シール部に付着している不純物が洗浄される。
また、シールケース44の機外側端面には、軸方向機外側に突出し、後述する機内側シールリング41のフランジ部42に形成された案内溝47に嵌入される固定ピン48が設置されている。
また、シールケース44の同じく機外側端面には、周方向へ複数のバネ座が設けられており、後述する機内側シールリング41のフランジ部42の対向面との間にコイルスプリング49を保持する構成となっている。
なお、Oリング45の材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM、パーフロロエラストマなどが用いられる。
このようにシール面43の面幅を通常よりも狭くすることにより、機内側シールリング41をメイティングリング30方向に押圧するコイルスプリング49の圧力が同一の場合には、シール面43と機内側シール面32との面圧を高めることができる。換言すれば、同じ面圧(シール面圧)を得る場合には、シール面幅を狭くしておくことにより、コイルスプリング49の押圧力を少なくすることが可能となり、コイルスプリング49として小型のスプリングを用いることが可能となる。その結果、シール面圧を下げることなく、小型のスプリングを用いることができ、シール装置1を小型化することが可能となる。
このように構成することにより、次式(1)で表される、機内側シール部40の機内側シールリング41に関するバランス値BVは100%となり、機内側シール部40のシール面のいずれの側が高圧となったとしても、同じシール性能でシール面を形成することができる。すなわち、機内側シール部40が正負両圧に対応可能なシール部となる。なお、このバランス値は100%でなくとも、70%〜130%の範囲であれば同様の作用が得られる。
BV=S2 /S1 ×100 …(1)
但し、S1 =π(DO 2−DI 2 )/4
S2 =π(BO 2−BI 2 )/4
また、垂直面11eには、軸方向機内側に突出し、後述する機外側シールリング51のフランジ部52に形成された案内溝57に嵌入される固定ピン58が設置されている。
また、垂直面11eの同じく機外側端面には、周方向へ複数のバネ座が設けられており、後述する機外側シールリング51のフランジ部52の対向面との間にコイルスプリング59を保持する構成となっている。
なお、Oリング55の材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM、パーフロロエラストマなどが用いられる。
このようにシール面53の面幅を通常よりも狭くすることにより、機外側シールリング51をメイティングリング30方向に押圧するコイルスプリング59の圧力が同一の場合には、シール面53と機外側シール面33との摺動面圧を高めることができる。換言すれば、同じ摺動面圧(シール面圧)を得る場合には、シール面幅を狭くしておくことにより、コイルスプリング59の押圧力を少なくすることが可能となり、コイルスプリング59として小型のスプリングを用いることが可能となる。その結果、シール面圧を下げることなく、小型のスプリングを用いることができ、シール装置1を小型化することが可能となる。
このように構成することにより、機外側シール部50の機外側シールリング51に関するバランス値は、100%となる。なお、本発明においては、このバランス値は100%でなくとも、70%〜130%の範囲であれば同様の作用が得られる。
スリーブ20は、Oリング23を介在させて回転軸70の周面に密接に嵌合されており、機外側端部においてスリーブカラー21により回転軸70に固定設置されている。スリーブカラー21は、スリーブ20の機外側端部の外周面に嵌合し、セットスクリュー22により回転軸70に対して固定される。これにより、スリーブ20とスリーブカラー21とは一体的に回転軸70に固定設置される。このスリーブ20の機内側端部に、メイティングリング30が嵌合される。
スリーブ20のメイティングリング設置部24は、メイティングリング30を当接させることによりその機外側端部の位置を規定する凸部25、嵌合したメイティングリング30の内周面との間に介在されるOリング27及びOリング27を介在させるための溝26、スリーブ20に嵌合したメイティングリング30の抜けを防止するとともにその機内側の位置を規定するためのノックピン29及びそのノックピン29を嵌着するための孔28を有する。
一方、メイティングリング30の機外側の端面は、機外側シールリング51のシール面53と密接し摺動する機外側シール面33に形成されており、機外側シール部50の一部を構成している。
中間室19には、前述したようにシールカバー10に形成されたクエンチング液注入路13及びクエンチング液排出路14が連通しており、クエンチング液が所定の圧力で充填されているとともに、機内側シール部40及び機外側シール部50の外周面をクエンチング液の流れが通過するように構成されている。これにより、各シール部のシール摺動面の摺動時の発熱が冷却されると共に、各シール部に付着している不純物が洗浄される。
なお、通常のダブルシールとして用いる場合には、中間室19の圧力は機内側空間Aの圧力よりも高圧に設定されるが、本実施形態のシール装置1は、中間室19の圧力が機内側空間Aの圧力よりも低い場合であっても対応可能なものである。中間室19の圧力は、シール装置1の使用用途、目的、封止対象流体の種類等に応じて任意に決定してよい。
なお、回転軸70の対応軸径は、特定の値に限定されず任意の軸径に対応可能であるが、少なくとも20mm〜100mmの間であれば、同一の構成により厚み50mm以下でシール装置1を実現することができる。
また、その場合の各シール装置1の使用圧力は、2MPa以下であることが好ましく、より好ましくは、例えば1.5MPa以下の使用圧力が好適である。
例えば、これらのバランス値は略100%としたが、若干の変更を行ってもよい。例えば、バランス値70%〜130%の範囲であれば、実質的に前述した実施形態の作用と同じ作用効果が得られるものであり、本願発明をそのような形態で実施しても何ら差し支えない。
Claims (7)
- 回転軸と一体に回転するように当該回転軸に設置され、軸方向の両面にシール面が形成されている回転環と、
前記回転環の機内側に配置され、前記回転環側の端部に、当該回転環の機内側の前記シール面に密接摺動するシール面が形成されている機内側固定環と、
前記回転環の機外側に配置され、前記回転環側の端部に、当該回転環の機外側の前記シール面に密接摺動するシール面が形成されている機外側固定環と、
前記機内側固定環を軸方向に移動自在に支持するシールケースと、
前記回転軸が貫通されて、当該回転軸を有する装置の外面に取り付けられるシールカバーであって、前記シールケース、前記機内側固定環、前記回転環及び前記機外側固定環を収容するとともに、機外側の端部において前記機外側固定環を軸方向に移動自在に支持するシールカバーとを有し、
前記シールケースは、前記シールカバーから径方向に支持されて、当該シールカバーの機内側の端部に設置されていることを特徴とするダブルメカニカルシール装置。 - 前記シールカバーは、
前記回転軸が貫通されるとともに前記シールケース、前記機内側固定環、前記回転環及び前記機外側固定環を収容する内部孔と、
当該シールカバーを前記装置の外面に取り付けるための部材を通過させるための溝であって、前記回転軸の外径側から内径側方向に切り込まれた溝を有するフランジ部と
を有し、
前記シールケースは、前記溝の内径側からさらに内径方向に前記内部孔に達するように設置される螺子部材により、前記シールカバーの機内側の端部において径方向に支持され設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のダブルメカニカルシール装置。 - 前記機内側固定環の前記シール面と前記回転環の機内側の前記シール面との摺動面の径方向の幅、及び、前記機外側固定環の前記シール面と前記回転環の機外側の前記シール面との摺動面の径方向の幅の少なくともいずれか一方が、3mm以下に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のダブルメカニカルシール装置。
- 前記機内側固定環及び前記機外側固定環の少なくともいずれか一方のバランス値が、70%〜130%に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダブルメカニカルシール装置。
- 前記機内側固定環は、当該機内側固定環の前記シール面の背面の所定箇所において、当該機内側固定環の外周面と前記シールケースの内周面との間にOリングを介在させて、当該Oリングにより前記シール面の両側の空間を当該シール面の背面においてシールするように設置されており、
当該機内側固定環の前記Oリングが配置されている前記外周面の径と、当該機内側固定環の前記シール面と前記密封環の前記シール面との摺動面の内径とがほぼ同じであり、
前記シールケースの前記Oリングが配置されている前記内周面の径と、当該機内側固定環の前記シール面と前記密封環の前記シール面との摺動面の外径とがほぼ同じであることを特徴とする請求項4に記載のダブルメカニカルシール装置。 - 前記機外側固定環は、当該機外側固定環の前記シール面の背面の所定箇所において、当該機外側固定環の外周面と前記シールカバーの内周面との間にOリングを介在させて、当該Oリングにより前記シール面の両側の空間を当該シール面の背面においてシールするように設置されており、
当該機外側固定環の前記Oリングが配置されている前記外周面の径と、当該機外側固定環の前記シール面と前記密封環の前記シール面との摺動面の内径とがほぼ同じであり、
前記シールカバーの前記Oリングが配置されている前記内周面の径と、当該機外側固定環の前記シール面と前記密封環の前記シール面との摺動面の外径とがほぼ同じであることを特徴とする請求項4に記載のダブルメカニカルシール装置。 - 前記機内側固定環の材質と前記回転環の材質との組み合わせ、及び、前記機外側固定環の材質と前記回転環の材質との組み合わせの少なくとも一方が、炭化ケイ素(SiC)と炭化ケイ素(SiC)の組み合わせ、カーボンと炭化ケイ素(SiC)の組み合わせ、超硬合金と超硬合金の組み合わせ、あるいは、カーボンと超硬合金の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダブルメカニカルシール装置。
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