JP4050529B2 - 軸封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸封装置に関する。更に詳しくは、攪拌機などの高圧又は超高圧撹拌流体をシールするのに適した軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関する関連技術として図5に示すメカニカルシールが存在する。図5は、高圧用メカニカルシールの断面図である。
図5に於いて、攪拌機150に於けるケーシング151に設けられた軸受部に回転軸175が回転自在に支持されている。そして、回転軸175がケーシング151の内外部に貫通状態に配置されている。この撹拌機150内は高圧の被密封流体Aが充填されている。
【0003】
この回転軸175が貫通した回転軸157とケーシング151との間は、3つの空室152A、152B、152Cに区画されている。この空室152A、152B、152Cは被密封流体側から順に第1空室152A、第2空室152B及び第3空室152Cに形成されている。この第1空室152Aには、例えば、被密封流体の圧力が20MPaの場合には、この被密封流体の圧力より1段下げた15MPaの圧力流体を第1配管153Aを介して供給されている。次に、第2空室152Bには第1空室152A内の圧力より更に1段下げた10MPaの圧力流体を第2配管153Bを介して供給している。更に、第3空室には、第2空室152B内の圧力より更に1段下げた5MPaの圧力流体を第3配管153Cを介して供給している。このように被密封流体の圧力に応じて多段階の空室に構成される。
【0004】
この第1空室152A、第2空室152B及び第3空室152Cには、各々メカニカルシール装置110、120、130が内在し、この各メカニカルシール装置110、120、130は、被密封流体側から外部に向かって順に第1メカニカルシール装置110と、第2メカニカルシール装置120と、第3メカニカルシール装置130とが配置されている。第1メカニカルシール装置110は、被密封流体が高圧であるために高圧用のメカニカルシール装置である。更に、第2メカニカルシール装置120、第3メカニカルシール装置130も圧力に応じて高圧用メカニカルシール装置120、130が用いられている。
【0005】
攪拌機150等の被密封流体は、高圧流体であるために、メカニカルシール装置110、120、130が用いられているものであって、ゴム状弾性材製のパッキンでは耐圧能力に問題が生じるので採用できない。このメカニカルシール装置110、120、130は、高圧流体用であり、その構成は、回転軸175にOリングを介してスリーブ111が嵌着されている。又、スリーブ111の段部にはばね座用の支持部112が嵌着されている。又、スリーブ111の端部側に回転密封環113がOリングを介して移動自在に嵌合している。そして、支持部112に保持されたコイルスプリング114が回転密封環113を押圧するように装着されている。
一方、回転密封環113の摺動シール面113Aに密接する対向シール面115Aを設けた静止用密封環115が、シールリング(Oリング)116を介してケース151の保持部に嵌着している。
【0006】
第2メカニカルシール装置120及び第3メカニカルシール装置130も同様に構成されている。
この第1メカニカルシール装置110は、第1空室152A内の被密封流体の圧力より1段低くされた圧力と協働して高圧の被密封流体を効果的にシールしている。又、第2メカニカルシール装置120も同様にして、第2空室152B内の2段階に低圧にされた流体圧力と協働して第1空室152A内の圧力流体をシールしている。更に、第3メカニカルシール装置130も同様にして3段階に引き下げられた第3空室152C内の流体圧力と協働して第2空室152B内の圧力流体をシールしている。このように、段階的に低圧にされた各空室内で高性能のメカニカルシール装置により段階的にシールすることにより初めて高圧の被密封流体をシールすることが可能になる。つまり、高圧力の流体に対しては、その高圧力に対し段階的に圧力に対応しない限り、1個のメカニカルシール装置で対応しようとしても、高圧流体に耐られずに、メカニカルシール装置が早期に摩耗・損傷することになる。
【0007】
このために、多数の高価なメカニカルシール装置を用いなければ成らず、シールするための構造が大型にうなる問題が存する。更に、段階的なメカニカルシール装置の内の1個のメカニカルシール装置が故障すると、その両側の圧力差が大きくなるので、この圧力差が原因となって多段のすべてのメカニカルシール装置が故障することになる。更に、多段のメカニカルシール装置は、メカニカルシール装置の組立作業と共に、その取付のための加工が困難であり、コスト高に成っている。
更には、多段に各空室内に圧力が異なる圧力流体を供給することは、ポンプ及びその制御装置がコスト高になる問題がある。又、その流体圧力の制御が困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その発明が解決しようとする課題は、高価なメカニカルシール装置を多数個配列しなければならないので、軸封装置全体が高価に成る問題があるが、この問題を解決してシール装置を安価にすることにある。
更に、高圧被密封流体をシールするためには、多段階に多数のシール装置を取り付けなければならないので、構造が大型になる問題があるが、軸封装置の取り付ける場所を小さくして軸封装置を小型にすることにある。
又、高圧力の被密封流体に対して耐圧性とシール能力を発揮し、且つ被密封流体の圧力による故障を防止した軸封装置を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものであって、その技術的解決手段は以下のように構成されている。
【0010】
請求項1に係わる本発明の軸封装置は、軸受けハウジングと回転軸との間で被密封流体をシールする軸封装置であって、
機内側の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間に配置されるとともにシール面が接触して前記シール面の両端側の流体をシールする両端シール機能の第1シール部と、
前記第1シール部より外部側の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間に配置されて流体を密封する第2シール部と、
前記第1シール部と前記第2シール部との間の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間隙間に形成されたシーラント用の環状の流体室と、
前記流体室に連通して前記シーラントを流入させる流入通路と、
前記流体室と前記第2シール部との間の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間隙間に連通して前記流体室から流入した前記シーラントを流出させる流出通路と、
前記流体室に配置されて前記回転軸との間に前記シーラントが減圧される減圧間隙を有すると共に前記被密封流体側の前記軸受けハウジングの面、対向する流入端面との間に前記シーラントを前記減圧間隙へ導入する流入間隙を有し、且つ前記流入端面と反対側の端面側の間隙から前記流体室内の前記シーラントが流出するのを密閉されているフローティングリングとを具備するものである。
【0011】
この請求項1に係わる本発明の軸封装置では、フローティングリングで被密封流体の高圧力を減圧し、シール部を低圧シール装置に機能変換するものである。このためにフローティングリングは耐強度、耐摩耗性の材料にすればよいので、シールを目的とするシール装置では得ることのできない減圧効果の大きいフローティングリングと低コストのシール部との組み合わせで耐久能力とシール能力を発揮する軸封装置が容易に得られる。
【0012】
又、フローティングリングはシーラントの圧力を介して簡単に被密封流体の圧力を耐圧できるので、第2シールは低圧用で、しかも安価なシール部を用いることが可能になる。
更に、フローティングリングは1個で高圧流体を減圧することが可能になるから、軸封装置を小型にできると共に、取付構造を簡単にすることが可能になる。
更に、流体室は1個であるから、シーラントの圧力制御が容易で制御装置を不要とする。
【0013】
請求項2に係わる本発明の軸封装置は、前記フローティングリングは軸受けハウジングに回転不能に係止されていると共に前記流入端面と反対の前記端面側の間隙の密閉が前記端面にシール面を有し、前記シール面と密接可能な対向シール面が設けられて前記シーラントの流出を密閉する前記軸受けハウジングに保持された静止環を有するものである。
【0014】
請求項2に係わる本発明の軸封装置では、フローティングリングが軸受けハウジングに回転不能に係止されているので、取付が極めて容易である。更に、フローティングリングの減圧能力に応じて変更するとき又は摩耗により機能が低下したときには簡単に取り替えることが可能になる。
更に、フローティングリングにより被密封流体の圧力を耐圧できるので、第1シール部及び第2シール部は、低圧用のシール能力のものでも良く、しかも製造を安価にすることが可能になる。
【0015】
フローティングリングはシール面を除いて全面に圧力を受けるから、セラミック等の製造容易で加工精度に優れた部品を用いることが可能になる。しかもシール面は被密封流体の圧力で径方向へ移動自在に密接できるから、シーラントを流入間隙を通して減圧間隙から流して効果的に減圧することが可能になる。
【0016】
請求項3に係わる本発明の軸封装置は、前記フローティングリングの前記減圧間隙を形成する減圧内面に前記第1シール部側から順にテーパ面とラビリンスシールを有するものである。
【0017】
この請求項3に係わる本発明の軸封装置では、減圧内面にテーパ面とラビリンスシールが設けられているので、高粘度のシーラントを用いることができて減圧効果が大きくなる。そのためにフローティングリングの軸方向の長さを小さくすることが可能になる。
【0020】
請求項に係わる本発明の軸封装置は、前記第1シール部は断面がO形のOリング又は長方形断面の樹脂材製シールリングの外周面と結合するゴムリングとにより構成されたパッキンであって一端側の被密封流体を密封にシールすると共に他端側の前記シーラントを密封にシールする両端シール機能を有するものである。
【0021】
請求項に係わる本発明の軸封装置では、第1シール部はOリング又は樹脂材製の角リングとゴムリングとを嵌合してパッキンに構成したので、安価に製作することができるとともに、小型化が可能になる。そして、この第1シール部は、軸方向の両端側が同形状であるから、両端シール機能に構成され、被密封流体の圧力とシーラントの圧力両端から受けて対向し、第1シール部が圧力により損傷するのを効果的に防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる好ましい実施の形態の軸封装置を、その図面に基づいて詳述する。尚、以下に説明する各図面は、所謂、特許用の概念図ではなく、寸法関係が正確な設計図である。
【0023】
図1は本発明に係わる好ましい実施の形態を示す軸封装置1の断面図である。
図1に於いて、軸受けハウジング60には回転軸50が貫通する貫通孔61が設けられている。軸受けハウジング60は、第2軸受けハウジング60Aと第3軸受けハウジング60Bとがボルト69を介して一体に結合されている。この第2軸受けハウジング60Aと第3軸受けハウジング60Bを含めて軸受けハウジング60を構成する。
【0024】
軸受けハウジング60の貫通孔61には機内A側に第1シール部13用の内部環状溝62が形成されている。この内部環状溝62の外部B側には流体室63が形成されている。この流体室63には一方の機内A側の面に第1固定ピン65Aが固着されていると共に、他方の外部B側の面に第2固定ピン65Bが固着されている。更に、流体室63より外部B側には3個の外部環状溝64、64、64が設けられている。
【0025】
更に、流体室63には、シーラントSを流入させる流入通路66が流体室63の外周に貫通状態に形成されている。
この流入通路66には、第1配管71が接続して連通している。この第1配管71の上流にはバルブV1を介してポンプPが設けられている。更にポンプPはシーラントS用の貯蔵タンクTに配管を介して連続している。そして、貯蔵タンクTからポンプPの作動によりシーラントSが供給され、第1配管71を介して流体室63に充填される。
【0026】
更に、流体室63と外部環状溝64、64、64との間には流出通路67が形成されている。この流出通路67は第2配管72と接続されて連通している。又、この第2配管72の下流側は貯蔵タンクに連通している。そして、流体室63でフローティングリング2により減圧されたシーラントSは、配管72を介して貯蔵タンクTへ回収するように成されている。
【0027】
このようにして、シーラントSは流体室63を介して減圧された後に循環される。このシーラントSが第1配管71から流体室63へ供給される圧力P1は、1実施例として、50MPaの圧力で第1配管71から流入し、第2配管72を通過するときにはフローティングリング2により1から5MPaの圧力P1に減圧されている。
このシーラントSは、例えば、サラダ油を65MPaの圧力で、10から15l/minで供給する。このシーラントSの粘度は高粘度であれば、それに応じて減圧力が大きくなる。又、後述するフローティングリング2と回転軸50との減圧間隙7の寸法の大小とも粘度が関係してシーラントSを減圧する。
【0028】
流体室63にはフローティングリング2が配置されている。フローティングリング2は、内周面が減圧内面3に形成されている。そして、フローティングリング2の減圧内周面3と回転軸50に嵌着されたスリーブ51の外周面51Aとの間が減圧間隙7に形成されている。この減圧間隙7は、シーラントSの粘度及び圧力及びフローティングリング2の軸方向の長さに関係して減圧効果が生じる。更に、フローティングリング2の径の大きさにも関係する。これらのデータを考慮して設計される。一実施例では、この減圧間隙7の寸法は0.01から0.5mmの範囲に形成されている。更に好ましくは、減圧間隙7を0.05から0.2mmにすると良い。尚、スリーブ51は回転軸50と一体であるから、全体を回転軸50としている。
【0029】
更に、フローティングリング2は、被密封流体が存在する機内A側が流入端面4に形成されている。又、外部B側がシール面5に形成されている。このシール面5は、流体室63の端面と流入端面4との間に周方向へ複数に配置されたコイルスプリング10により押圧されて対向シール面12と密接している。更に、流入端面4には第1係止凹部9が形成されており、この第1係止凹部9に第1固定ピン65Aが係合してフローティングリング2が回転軸50の回転方向へのみ回動しないように保持されている。そして、フローティングリング2はスリーブ51の外周面51Aの上に径方向へフリー状態に保持されている。
【0030】
フローティングリング2のシール面5に密接する対向シール面12が設けられた静止環11は、フローティングリング2の外部B側に配置されている。この静止環11は対向シール12と反対の端面に第2係止凹部が形成されており、この第2係止凹部に第2固定ピン65Bが係止している。この静止環11は、フローティングリング2の一部品であり、スリーブ51との減圧間隙7がフローティングリング2とほぼ同一に構成されている。このフローティングリング2と静止環11は耐圧強度を有する金属材料であれば良く、例えば、SiCセラミック、超硬合金等より製作される。
【0031】
フローティングリング2の機内A側の環状溝62には、第1シール部13が設けられている。第1シール部13は、両面シールに構成されている。つまり、被密封流体とシーラントSとを共にシールするように構成されている。
この第1シール部13は、カーボン製のシールリングと、シールリングの外周面を保持するカバーリングと、カバーリングを締め付けるガータスプリングとから成る両面シールに構成されている。又、他の実施例として、長方形断面の樹脂材製シールリングとこのシールリングの外周面と結合するゴムリングにより構成された両面シールのパッキンに構成されている。
そして、シーラントSが機内A側の被密封流体側へ流入するのを防止すると共に、被密封流体が流体室63へ流入するのを防止している。しかも、被密封流体の圧力とシーラントSの圧力差が小さいから、第1シール部13は小形で、しかも摺動抵抗が小さい樹脂材製のリングに構成することも可能になる。
【0032】
一方、フローティングリング2より外部B側の外部環状溝64、64、64には、各々第2シール部14が設けられている。この第2シール部14も第1シール部13と同じシールが用いられている。この第2シール部14は、シーラントSをシールすればよいから片面シールにすることが可能である。1実施例として、ゴム材製のパッキン、ゴム材製のOリング等も利用できる。
【0033】
更に、回転軸50にはスリーブ51が嵌着されている。このスリーブ51の外周面51Aは、樹脂、表面焼き入れ又は金属のコーテングが施されて表面処理されている。このスリーブ51の表面処理された被覆層51Bは、シール部13、14のシール面フローティングリング2との摺動面がシーラントSとの圧力に対応して耐久性を発揮するようにされている。スリーブ51の端面には保持リング52が設けられて2個のOリング53により回転軸50とスリーブ51との嵌合間をシールしている。
なお、シーラントの圧力は被密封流体の圧力に比べて被密封流体の圧力以下から半分までの圧力範囲に構成されている。
このシーラントの圧力が被密封流体の圧力に比べて同一から半分の圧力範囲に構成されていると、第1シール部のシール能力を発揮させると共に、フローティングリングの耐圧性を保護させることが共に可能になる。
【0034】
このように構成された軸封装置1に於いて、貯蔵タンクTに貯蔵されたシーラントSはポンプPにより被密封流体と同圧又は若干低圧状態で流体室63に供給される。供給されたシーラントSは、流入間隙8から減圧間隙7に流入して減圧される。
1実施例として、このシーラントSは、粘度が50cstのサラダ油を使用した(この粘度は20から90cstの範囲のものを利用して良好な結果がいられている)。
シーラントSの圧力は65MPaである(シーラントSの圧力は被密封流体の圧力に近い圧力が好ましい)。
又、その流量は10から15l/minである。
一方、減圧間隙7の寸法は0.05から0.2mmに構成されている(この減圧間隙7の寸法は、0.02から0.5mmの範囲について良好な結果が得られているが、シーラントSの圧力、粘度、流速と、フローティングリング2の軸方向の長さ、径の大きさ及びラビリンスシール等の形状により決定される)。
【0035】
この状態で軸封装置1を実験した結果は、第1配管内の65MPa圧力が、第2配管72内では3MPa圧力に減圧された。しかも、第2シール部14からのシーラントSの漏れは認められない。更に、第1シール部13に変形や不具合は認められないし、シール能力は良好であると認められる。
【0036】
図2は、本発明に係わる第2実施の形態を示す軸封装置1の断面図である。
この図2は、図1とフローティングリング2を除いてほぼ同一である。
図2において、フローティングリング2の減圧内面3には凹凸状のラビリンスシール3Aに形成されている。このラビリンスシール3Aの形状は、軸方向全面に形成されているが、流入間隙8から軸方向半分又は1/3までをラビリンスシール3Aに形成することもできる。このようにフローティングリング2の減圧内面3にラビリンスシール3Aを形成することにより減圧効果が増大する。このために、フローティングリング2の軸方向の長さを短くすることができるので、軸封装置1を小型に形成できることになる。
又、この第2の実施の形態の軸封装置1は、シーラントSによる作用効果についても第1実施の形態とほぼ同一である。
【0037】
図3は本発明に係わる第3実施の形態を示す軸封装置1の断面図である。
図3に於いて、第1実施の形態の図1と相違する点は、フローティングリング2の形状と、その取付構造が相違する点である。
図3に示すフローティングリング2は、静止環11を不要とするものである。図3に示すフローティングリング2は、第3軸受けハウジング60Bに於ける貫通孔の内周面にOリング68を介して端部外周面2Aが嵌着されている。このOリング68は、ゴム材製であり、弾性変形が容易なシリコンゴム、アクリルゴム等のものを利用するとよい。
【0038】
フローティングリング2の形状は、図1に示すフローティングリング2とほぼ同一であるが、第1及び第2固定ピン65A、65Bを不用とする。又、コイルスプリング10も不用にすることができるが、コイルスプリング10を付けても更に良いということである。
又、第1シール部13と第2シール部14は、Oリング形状に形成されたものである。この第1シール部13は樹脂材製である。又、第2シール部14は、ゴム状弾性材製である。この第2シール部14の材質は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴムなどが用いられる。又、第1シール部13は第2シール部14よりも摺動抵抗が小さく構成すると共に、耐圧性を有するものを用いている。この第1シール部13の材質は、例えば、フッ素樹脂、ウレタンゴムなどである。
一方、第2シール部14は、シール能力を必要とするのでゴム状弾性材、具体的にはアクリルゴム、ニトリルゴム、シリコンゴムが好ましい。
【0039】
図4は第4実施の形態を示す軸封装置1の断面図である。この図4に示す軸封装置1は、図3に示す軸封装置1とほぼ同一である。相違する点は、フローティングリング2の形状が相違するものである。
このフローティングリング2は減圧内面3の流入間隙8側がテーパ面3Bに形成したものである。又、フローティングリング2の流入端面4と反対の端部側の減圧内面3にラビリンスシール3Aを設けたものである。
【0040】
このようなフローティングリング2にすることにより、高粘度のシーラントSを用いるのに適している。高粘度のシーラントSを用いることにより効率的に減圧することも可能になる。このためにフローティングリング2の軸方向の長さが短縮できることになる。
【0041】
又、第1シール部13は、リングを一体化した複合リングであり、内周面が断面角状のフッ素樹脂又はカーボン材製の第1リング13Aの外周面にシリコンゴム又はニトリルゴム等のゴム材製の第2リング13Bを結合した構成のものである。このように構成された第1シール部13は、両端面シールであり、摺動抵抗が小さく、更にシール能力に優れている。このために機内A側のシールとし用いるのに優れている。
又、第2シール部14は、シール能力を目的とするゴム材製のOリングを用いている。例えば、Oリングの材質としては、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム等が用いられる。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係わる軸封装置によれば、フローティングリングは耐強度、耐摩耗性の材料にすればよいので、シールのみを目的とするシール装置では得ることのできない耐久能力とシール能力を有する軸封装置が得られる効果を奏する。
又、フローティングリングはシーラントの圧力を介して簡単に被密封流体の圧力を耐圧できるので、第1シール部と第2シールは低圧用で、しかも、安価なシール部を用いることができる。
更に、フローティングリングは1個で高圧流体を減圧することが可能になるから、軸封装置全体を小型にできると共に、取付構造が簡単にできる効果を奏する。
【0043】
更に、シーラントSの粘度を変えることにより、減圧効果を向上させることが可能になる。又、被密封流体の圧力とシーラントの圧力との差を変化させることにより第1シール部の耐圧能力を小さくして小型化が可能になる。
更に、減圧内面にラビリンスシールを設けることにより更に減圧効果を発揮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる1実施の形態を示す軸封装置の断面図である。
【図2】本発明に係わる2実施の形態を示す軸封装置の断面図である。
【図3】本発明に係わる3実施の形態を示す軸封装置の断面図である。
【図4】本発明に係わる4実施の形態を示す軸封装置の断面図である。
【図5】従来例の軸封装置の断面図である。
【符号の説明】
1 軸封装置
2 フローティングリング
3 減圧内面
3A ラビリンスシール
3B テーパ面
4 流入端面
5 シール面
6 係止凹部
7 減圧間隙
8 流入間隙
9 第1係止凹部
10 コイルスプリング
11 静止環
12 対向シール
13 第1シール部
14 第2シール部
20 流入通路
21 流出通路
50 回転軸
51 スリーブ
51A 外径面
51B 被覆層
60 軸受けハウジング
60A 第2軸受けハウジング
60B 第3軸受けハウジング
61 貫通孔
62 内部環状溝
63 流体室
64 外部環状溝
65A 第1固定ピン
65B 第2固定ピン
66 流入通路
67 流出通路
68 Oリング(シールリング)
71 第1配管
72 第2配管
S シーラント
A 機内
B 外部

Claims (4)

  1. 軸受けハウジングと回転軸との間で被密封流体をシールする軸封装置であって、
    機内側の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間に配置されるとともにシール面が接触して前記シール面の両端側の流体をシールする両端シール機能の第1シール部と、
    前記第1シール部より外部側の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間に配置されて流体を密封する第2シール部と、
    前記第1シール部と前記第2シール部との間の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間隙間に形成されたシーラント用の環状の流体室と、
    前記流体室に連通して前記シーラントを流入させる流入通路と、
    前記流体室と前記第2シール部との間の前記軸受けハウジングと前記回転軸との間隙間に連通して前記流体室から流入した前記シーラントを流出させる流出通路と、
    前記流体室に配置されて前記回転軸との間に前記シーラントが減圧される減圧間隙を有すると共に前記被密封流体側の前記軸受けハウジングの端面、対向する流入端面との間に前記シーラントを前記減圧間隙へ導入する流入間隙を有し、且つ前記流入端面と反対側の端面側の間隙から前記流体室内の前記シーラントが流出するのを密閉されているフローティングリングとを具備することを特徴とする軸封装置。
  2. 前記フローティングリングは軸受けハウジングに回転不能に係止されていると共に前記流入端面と反対の前記端面側の間隙の密閉が前記端面にシール面を有し、前記シール面と密接可能な対向シール面が設けられて前記シーラントの流出を密閉する前記軸受けハウジングに保持された静止環を有することを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
  3. 前記フローティングリングは内周の減圧内面に前記第1シール部側から順にテーパ面とラビリンスシールを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸封装置。
  4. 前記第1シール部は断面がO形のOリング又は長方形断面の樹脂材製シールリングの外周面と結合するゴムリングとにより構成されたパッキンであって一端側の被密封流体を密封にシールすると共に他端側の前記シーラントを密封にシールする両端シール機能を有することを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
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