JPWO2009154196A1 - バイアススパッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜面に付着する異物の発生を低減することができる自公転機構を有するバイアススパッタ装置を提供する。【解決手段】自公転機構を有する基板ホルダ12を備えたバイアススパッタ装置1において、基板ホルダ12は公転部材21と自転ホルダ23とを有してなり、自転ホルダ23に取り付けられたそれぞれの基板14の裏面側には、基板14から0.5〜10mm離間した位置に、基板14と同等サイズの円板状の基板電極30が設けられている。

Description

本発明は、バイアススパッタ装置に係り、特に、自公転式基板ホルダを備えるバイアススパッタ装置に関する。
一般に使用されているバイアススパッタ装置においては、真空容器内に対向して配設された基板側とターゲットのそれぞれにスパッタ用電力が印加されるように構成されており、基板とターゲットの間にプラズマを発生させて、ターゲット状の成膜物質をイオンでスパッタしながら薄膜を形成することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、バイアススパッタ装置においては、光学デバイス、半導体デバイスなどの薄膜デバイスの品質及び歩留まりの向上のために様々な対策が施されている。
例えば、製造コスト削減の試みとして、防着板を設けることにより、真空容器内に蓄積した薄膜材料の除去に要する時間(チャンバメンテナンス時間)を短縮し、設備稼働率の向上が図られている(例えば、特許文献2参照)。
また、膜厚モニタを用いたリアルタイムの膜厚計測結果に基づく成膜時間及び成膜電力の制御によって膜厚の安定化を図る方法や、基板ホルダを自転及び公転させながら成膜を行う方法、若しくは、基板ホルダとターゲットの間に補正板機構を設けて高精度に膜厚を制御する試みがなされている(例えば、特許文献3乃至6参照)。
さらに、スパッタ用電源として直流(DC)電源の代わりに高周波(RF)電源を用いる方式をRFバイアススパッタといい、高周波電源を用いることで、金属及び絶縁物質のスパッタを可能としている(例えば、特許文献1,2,4参照)。
特開2000−129441号公報 特開1997−087835号公報 特開2002−030435号公報 特開2006−265692号公報 特開1995−292471号公報 特開2006−070330号公報
ところで、バイアススパッタ装置では、基板ホルダ全体にスパッタ用電源が印加されることから、基板ホルダ部分にもターゲットからスパッタされた成膜物質が付着して成膜されてしまうこととなる。この基板以外の部分(例えば、基板ホルダ)に付着した成膜物質は、基板ホルダ表面の凹凸部分や、基板の取り付け部分の段差近傍では、不均一な膜厚に成膜される傾向がある。特に、基板の近傍に積層された不均一な膜が、成膜中のボンバード処理によるイオンの衝突で剥離した場合、この剥離した膜が異物として成膜中の基板に付着して、成膜不良を起こす原因となっていた。
また、大型のドーム状の基板ホルダを備えるバイアススパッタ装置では、スパッタ用電源が印加される基板ホルダの面積が大きいため、基板ホルダ全体のセルフバイアスの電位を高くすることが困難であった。特に、上記特許文献4若しくは5に示された技術のように、基板ホルダに自転公転機構を備えた自公転式スパッタ装置においては、基板ホルダが大型化、複雑化するため、高い電位を基板上に発生させることが困難であると共に、イオンの衝突による異物の発生が問題となっていた。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、清浄度が高く且つ高精度の薄膜デバイスを製造することができるバイアススパッタ装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、薄膜デバイスの製造コスト低減を図ることができるバイアススパッタ装置を提供することである。
上記課題は、請求項1のバイアススパッタ装置によれば、自公転機構を有し、真空容器内に基板を支持するための基板ホルダと、該基板ホルダ側に設けられた基板電極と、前記基板に対向して配設されるターゲットと、を備え、前記基板電極及び前記ターゲットに電力を印加し、前記基板電極及び前記ターゲットの間にプラズマを発生させて前記基板表面に薄膜を形成するバイアススパッタ装置において、前記基板電極は、前記基板ホルダに支持された前記基板のそれぞれの裏面側にのみ備えられ、前記基板電極と前記基板とは、所定距離離間して配設されることにより解決される。
このように、本発明に係るバイアススパッタ装置によれば、基板電極は、基板ホルダに支持された基板のそれぞれの裏面側にのみ備えられ、基板電極と基板とは所定距離離間して配設されているため、基板ホルダに取り付けられたそれぞれの基板の裏面側にのみ電力が供給されることとなる。このため、基板に供給できる電圧・電力値の範囲を従来よりも高い値に設定することができ、膜質の緻密化若しくは処理時間の短縮を図ることができる。
また、本発明に係るバイアススパッタ装置基板ホルダに付着する成膜物質を減らすことで、成膜中にイオンの衝突により膜の一部が剥離して生じる異物の発生を抑えて膜の清浄度の向上を図ることができる。
なお、基板の「裏面」とは、スパッタ面ではない側の面という意味であり、ターゲットと対向する面と反対側の面を指す。
具体的には、請求項2のように、前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、0.5mm以上10mm以下であると好適である。
このように、基板電極と基板との所定距離を0.5mm以上10mm以下とすることで、基板電極に現出するセルフバイアスの効果が反映される範囲内に基板を配設することができる。また、基板電極と基板との距離を変更することで、基板に反映されるセルフバイアス効果を調整することができる。
具体的には、請求項3のように、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転すると共に、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁されているとさらに好適である。
このように、基板電極は、自転ホルダ及び公転部材のいずれに対しても絶縁されると共に、外部電源と直接的若しくは間接的に接続された状態で配設されるため(具体的には、公転部材側に接続される)、基板電極と自転ホルダとが電気的に接触しない構成とすることができる。このため、基板電極と自転ホルダとの接触による異物の発生を防止することができ、膜の清浄度を向上することができる。
なお、ここでいう「公転部材側」とは、広い意味で公転部材を回転駆動するために関わる全ての部材側という意味であり、より具体的には、配線部材の一端部は、公転部材を回転させるために公転部材の中央部に貫通する回転軸に固定された印加受け部に接続される。
さらに具体的には、請求項4のように、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、前記公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁され、前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、前記配線部材の前記公転部材に対する取り付け位置を変更することで調整可能に構成されていると好適である。
上記構成により、配線部材の公転部材側に対する取り付け高さを変更することで、基板電極と基板との距離を任意に変更できるため、基板電極に現出するセルフバイアスの効果が反映される範囲内に基板を配設することができ、また、基板電極と基板との距離を変更することで、基板に反映されるセルフバイアス効果を任意に調整することができる。
また、請求項5のように、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、前記公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁され、前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、前記配線部材の前記公転部材に対する取り付け位置を変更することで調整可能に構成されており、前記自転ホルダは、前記基板電極と近接する所定部分の表面に絶縁性のコーティングを有するように構成されていると好適である。
このように、自転ホルダは、基板電極と近接する所定部分の表面に絶縁性のコーティングを有する。このため、基板電極との放電を防止でき、基板裏面のほぼ全面と対向する大きさの基板電極を配置することができるようになる。よって、基板全体を均一な成膜条件にすることでき、均一性の高い高精度な成膜を行うことができる。
さらに、請求項6のように、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有し、前記自転ホルダは、前記公転部材に対して絶縁され、前記基板電極は、前記自転ホルダ側に取り付けられると好適である。
このように、自転ホルダが公転部材に対して絶縁されると共に、基板電極が自転ホルダ側に取り付けられることで、基板電極の大きさを基板とほぼ同じ形状及び大きさに形成することができる。このため、基板全体をほぼ均一な成膜条件にすることでき、膜厚・膜質などの均一性が高く高精度な成膜を行うことができる。
具体的には、請求項7のように、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有し、前記自転ホルダは、前記公転部材に対して絶縁されるとともに、前記自転ホルダ側に当接するベアリングを介して電力が供給されており、前記基板電極は、前記自転ホルダ側に取り付けられていると好適である。
上記構成のように、基板電極に供給されるスパッタ用電源が導通される自転ホルダと配線部材との接続部分にベアリングを用いることで、部材の摺接により生じる異物の発生を抑えることができ、膜の清浄度を向上することができる。
請求項1に係るバイアススパッタ装置によれば、印加できる電圧の範囲を従来よりも高い値に設定することができると共に、異物の発生を抑えて膜の清浄度の向上を図ることができる。
また、請求項2及び4に係るバイアススパッタ装置によれば、基板電極に現出するセルフバイアスの効果が反映される範囲内に基板を配設すると共に、基板電極と基板との所定距離を変更することで、基板に反映されるセルフバイアスの効果を調整することができる。
更に、請求項3及び7に係るバイアススパッタ装置によれば、異物が発生せず膜の清浄度を向上することができる。
また更に、請求項5及び6に係るバイアススパッタ装置によれば、基板全体を均一な成膜条件にすることができ、均一性の高い高精度な成膜を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係るRFバイアススパッタ装置の概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る基板ホルダの上面説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る基板ホルダの部分断面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板ホルダの上面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板ホルダの部分断面説明図である。
M1,M2 サーボモータ
Mbox マッチングボックス
d 基板と基板電極との距離
1 スパッタ装置
10 真空容器
12 基板ホルダ
14 基板
16 シャフト
17a,17b,23a 歯車
19a カーボンブラシ
19b ブラシ受け部
20 印加受け部材
21 公転部材
21a 取り付け開口部
23,43 自転ホルダ
24 リング状伝達部材
24a,24b 歯部
28,29a,29b 絶縁部材
30,40 基板電極
40a 固定部材
31,41 配線部材
34,36 ターゲット
38 スペーサ
39 絶縁コーティング
21b,45 ベアリング
以下に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は発明を具体化した一例であって本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
(第1の実施形態)
図1乃至3は本発明に係る第1の実施形態を示し、図1は本発明の第1の実施形態に係るRFバイアススパッタ装置(以下、スパッタ装置1)の概念図、図2は基板ホルダの上面説明図、図3は基板ホルダの部分断面説明図である。
以下に、図1乃至図3に基づいて、本発明の一実施形態に係るスパッタ装置1の構成部材について説明する。
本実施形態に係るスパッタ装置1は、図1の概念図に示すように、真空容器10、シャフト16、基板ホルダ12、ターゲット34,36、を主要構成としている。
本実施形態に係る真空容器10は、真空容器10は、公知の成膜装置で通常用いられるステンレス製の容器であり、縦置き円筒形状部材である。
この真空容器10は、上方に後述するシャフト16を貫通させるための孔が形成されており、電気的に接地されて接地電位とされている。
なお、真空容器10の内側は、不図示の排気手段によって、その内圧が所定の圧力(例えば3×10―2〜10−4 Pa程度)となるように排気される。
また、不図示のガス導入管からは、Arガスなどのプラズマを発生させるためのプロセスガスや、Oガス若しくはNガスなどの反応性ガスを必要に応じて適宜真空容器10内に導入することができるよう構成されている。
本実施形態に係るシャフト16は、ステンレス製の略パイプ状部材であり、真空容器10の上方に形成された孔部分に配設された絶縁部材28を介して、真空容器10に対して回転可能に支持されている。
なお、この絶縁部材28は、碍子や樹脂などで形成されており、この絶縁部材28を介して真空容器10に支持されることにより、シャフト16は、真空容器10に対して電気的に絶縁された状態で、真空容器10に対して回転可能となる。
シャフト16の上端側(真空容器10の外側に配設される)には、歯車17bが固着されており、この歯車17bは、サーボモータM1の出力側の歯車17aと歯合している。
このため、サーボモータM1を駆動することにより、歯車17aを介して歯車17bに回転駆動力が伝達され、シャフト16が回転することとなる。
また、歯車17bの下側には、ブラシ受け部19bが取り付けられている。
このブラシ受け部19bは、マッチングボックスを介して高周波(RF)電源に接続されたカーボンブラシ19aと摺動するように構成されている。
このように構成されているため、シャフト16側にRF電源が供給される。
シャフト16の下端部(真空容器10の内側に位置している)には、後述する公転部材21が取り付けられている。
この公転部材21とシャフト16との接続部分には、RF電力が接続された銅製の印加受け部材20が取り付けられている。
なお、シャフト16は、不図示のエアシリンダによって真空容器10内の気密を維持したまま上下方向に動くように構成されており、この作用によりシャフト16の位置調整が可能となっている。
このように、このエアシリンダによって、シャフト16下端部側に取り付けられた後述する公転部材21及び自転ホルダ23と後述するターゲット34,36との距離を調整することができる。
本実施形態に係る基板ホルダ12は、公転部材21と、自転ホルダ23を主要構成として構成されている。
本実施形態に係る公転部材21は、ドーム状のステンレス製部材であり、その中央部がシャフト16の下端側に支持された状態で、真空容器10内の上側に配設される。
なお、この公転部材21は、接地電位とされている。
また、シャフト16下端部に固着された印加受け部材20と公転部材21との間には絶縁部材29aが配置されている。このように、絶縁部材29aを介して、公転部材21がシャフト16に固着されることで、公転部材21がシャフト16に対して電気的に絶縁される構成となっている。
更に、公転部材21には、後述する自転ホルダ23を取り付けるための取り付け開口部21aが所定位置(公転部材21の中心を基点に各々中心角45度離隔した位置)に8箇所設けられている。この取り付け開口部21aには内面側にリング状に構成されたベアリンク21bが配置されている。
また、公転部材21の外縁側には、リング状伝達部材24が配設されている。リング状伝達部材24は、不図示のベアリングを介して公転部材21側に取り付けられており、公転部材21に対して回転可能に構成されている。このリング状伝達部材24の内側及び外側の全周に渡って歯部24a,24bが形成されている。
本実施形態に係る自転ホルダ23は、基板14を保持するものであって、略円筒状のステンレス製部材として構成されている。
この自転ホルダ23の上端部側には外周部の径方向に張り出して形成された歯車23aが一体として組み付けられている。
また、自転ホルダ23下側には、固定フランジ(不図示)が形成されており、この固定フランジに基板14を固定することで、基板14が自転ホルダ23に固定される。また、基板14の固定方法としては、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、固定フランジ以外にも、ボルト、板ばねなどの他の固定具を用いることができる。
なお、本実施形態においては、8個の自転ホルダ23を公転部材21に取り付ける構成を有しているため、同一形状の自転ホルダ23を8個有しているが、自転ホルダ23は必要に応じて任意の数に変更可能なことは勿論である。
自転ホルダ23に保持される基板14は、必要に応じて適宜選択される。
例えば、光学デバイスを作製する場合は、円板状又は板状若しくはレンズ形状の樹脂(例えば、ポリイミド)や石英などの光透過性を有する材料が選択される。また、電子デバイスを作製する場合は、Si基板やGaAs基板などの半導体基板が用いられる。
自転ホルダ23に装備される基板電極30は、基板14の裏側(ターゲット34,36に対向する側の面と反対側)に配置されたステンレス製の略円板状の部材であり、RF電力に接続された印加受け部材20と配線部材31を介して電気的に接続されている。
この配線部材31は、基板電極30と同素材で作製された部材であり、一方の端部が印加受け部材20に固定されている。また、他方の端部側は、基板電極30に溶接により固着されて基板電極30と一体となっている。配線部材31は、その一方の端部を印加受け部材20に締結部材により確実に固定されており、このため、基板電極30は所定位置に要求される強度をもって保持されることとなる。
本実施形態に係るターゲット34,36は、基板14に成膜される成膜材料が表面に接合された円板状若しくは略矩形状の部材であり、プラズマ中で発生したイオンが衝突を起こすことにより成膜物質を基板に向けてスパッタすることができる。成膜材料としては、例えば、Si,Nb,Al,Ta,Cuなどの金属や、SiO、Nb、Alのような絶縁物などを必要に応じて適宜選択することができる。本実施形態においては、2種類のターゲット34,36を有する構成とされているが、必要に応じてターゲット34,36の数も任意に変更することができる。
このターゲット34,36は、真空容器10の下方側に、自転ホルダ23に配設された基板14と対向するように配設される。
基板電極30とターゲット34,36に印可するRF電力は、マッチングボックスMboxにより整合をとりながら供給される。RF電源としては、10〜100MHz程度の周波数のものを用いることができる。
以上のように、真空容器10内部の上方には、シャフト16が、真空容器10の外部上方から貫通しており、真空容器10に対して回転可能に取り付けられている。
この回転は、サーボモータM1の回転駆動力を歯車17a,17bと伝達することによって、シャフト16に伝導される。また、回転駆動力と同時に、マッチングボックスを介して高周波(RF)電源に接続されたカーボンブラシ19aと摺動するように構成されたブラシ受け部19bにより、シャフト16側にRF電源が供給される。
そして、シャフト16の下端側には、公転部材21が配設されるとともに、この公転部材21には、本実施形態においては8個の自転ホルダ23が配設される。
また、真空容器10の下方側に、自転ホルダ23に配設された基板14と対向するようにターゲット34,36が配設される。このターゲット34,36には、マッチングボックスMboxを介して、RF電源よりRF電力が供給されるよう構成されている。
次に、上述した各部材の関係について説明する。
8個の自転ホルダ23は、公転部材21に形成された取り付け開口部21aにそれぞれ取り付けられる。自転ホルダ23は、公転部材21の取り付け開口部21aの上側から嵌め込むことで容易に取り付けることができる。
このとき、自転ホルダ23の外周部は、取り付け開口部21aに配置されたベアリング21bに支持されて配設されるため、自転ホルダ23は公転部材21に対して回転可能に支持される。
また、自転ホルダ23は略円筒状に形成されているため、公転ホルダ21の取り付け開口部21aに取り付けられると、公転ホルダ21を表裏方向に貫通する円形の開口領域が形成される。
自転ホルダ23が公転部材21に取り付けられた状態では、自転ホルダ23の上側の外周側に形成された歯車23aが、取り付け開口部21aの上側に露出した状態となっている。
自転ホルダ23の外周側に形成された歯車23aは、公転部材21の外縁側に回転可能に配設されるリング状伝達部材24の内側に形成された歯部24aと歯合するように配設されている。このように構成されているため、サーボモータM2によってリング状伝達部材24の外側に形成された24bを回転させることにより、リング状伝達部材24の内側に形成された歯部24bに歯合する自転ホルダ23の歯車23aを回転させることができる。こうして、自転ホルダ23は、公転部材21に取り付けられた状態で自転することができる。
なお、リング状伝達部材24に形成された歯部24a,24bには絶縁性のコーティングが施されており自転ホルダ23と電気的に絶縁されている。
それぞれの自転ホルダ23の下側には基板14が成膜面を下向きにして固定される。すなわち、自転ホルダ23下側の開口領域を塞ぐように基板14は固定される。もちろん、基板14を支持する治具や接着剤などの他の固着手段を用いて基板14を固定してもよい。
このとき、基板14の成膜面の周囲に凹凸が生じないように、公転部材21の下面と基板14の成膜面の高さを揃えて固定するとよい。
以上のように、公転部材21と自転ホルダ23とを組み立てて基板ホルダ12を構成することにより、自転ホルダ23は、公転する公転部材21に取り付けられた状態で自転できる構造を有している。すなわち、基板ホルダ12は自公転運動を行うことができる。従って、自転ホルダ23に取り付けられた基板14も自公転運動を行うため、基板14に対して、均一な成膜を行うことができる。
基板電極30は、基板14の裏面から所定の距離離間した位置に、基板14の裏面と対向して平行に配設される。
このとき、基板電極30は、公転部材21及び自転ホルダ23とは接触しないように配設されているため、印加受け部20に印加されるRF電力が配線部材31を介して基板電極30に供給される。また、配線部材31は、公転部材21側に固着された印加受け部20に固定されるため、配線部材31に固着されている基板電極30も公転部材21と共に回転する。すなわち、基板電極30は公転部材21と共に回転する。このため、基板電極30は、自転ホルダ23の自転運動に関わらず基板14の裏側の所定位置に配置される。
ここで、基板電極30は、基板14と所定の距離(d)だけ離間して配設されるが、この基板14と基板電極30との距離d(より正確には、基板14の裏面と基板電極30の表面との距離d;以下、距離dとする)は、基板電極30によるセルフバイアスの効果が基板14に反映される範囲内に設定される。また、基板14に反映されるセルフバイアス効果は、距離dを変化させることによって調整することができる。もちろん、スパッタ用電力を変更することでセルフバイアス電位を調整してもよい。
また、成膜条件にもよるが、本実施形態においては、距離dが20mm程度以下のときに、基板電極30によるセルフバイアスの効果が基板14に影響する。基板14材料やRF電力値、成膜雰囲気などの成膜条件を変化させて成膜実験を行った結果、距離dは0.5〜10mmの範囲内で良好な膜が得られたことから、距離dは0.5mm以上10mm以下の範囲とされると好適である。また、セルフバイアス効果の調整は、距離d若しくは、RF電力値の変更によって行われる。もちろん、距離dは0.5〜10mmの範囲内で調整される。
距離dは、導電性のスペーサ38を挟んで固定することによって調整できる。
このスペーサ38は、印加受け部20側と配線部材31との接続部分に、これらの部材に挟持された状態で配設される任意の厚さを有する導電性の部材である。
印加受け部20側と配線部材31及びスペーサ38は、これらを貫いて締結できるボルトなどの締結部材(不図示)を用いて固定される。
このように構成されているため、基板電極30は配線部材31と一体に構成されているため、自転ホルダ23に対する基板電極30の取り付け高さを、印加受け部20側と配線部材31との接続部分に挟むスペーサ38の高さ(厚さ)を変更することによって調整できる。
なお、本実施形態においては、配線部材31は、公転部材21側の印加受け部20に固定されているが、配線部材31を公転部材21側に絶縁性のスペーサ用部材を介して固定して、屈曲自在な導電性部材を介して印加受け部20と導通させる構成としてもよい。
なお、スペーサ38の代わりにネジにより配線部材31の高さを調整する機構としてもよい。この場合、印加受け部20側と配線部材31を不図示のボルトなどで固着し、公転部材21側に形成したネジ穴(不図示)に嵌合させたネジの上下動に従って、印加受け部20側と配線部材31との固着部分を上下動可能に構成するとよい。このような構成とすることにより、ネジの回転に従って配線部材31及び基板電極30の高さを上下動させることができるため、容易に精密な高さ調整を行うことができる。
さらに、印加受け部20側との接続部分において、配線部材31を上下動制御可能なアクチュエータを取り付けて、基板14の厚さや成膜速度、成膜材料などの成膜条件と連動させて基板電極30の配設位置制御が可能な構成とすることもできる。
もちろん、基板電極30と配線部材31とをボルトで固定して、この接続部分で基板電極位置を調整する構成としてもよい。
また、本実施形態において、距離dは、8個それぞれの自転ホルダ23毎に調整を行っているが、8個の基板電極30を一体として構成することにより、一括して距離dの設定を行うことができる。
例えば、印加受け部20側の上側に、高い剛性を有する導電性のリング状部材(不図示)を、シャフト16に挿通した状態で取り付けて、このリング状部材を印加受け部20と導通状態を維持したまま上下方向に位置調整可能に構成するとよい。このリング状部材に全ての配線部材31を固定することで一括して距離dの設定を行うことができる。このリング状部材の上下動は、印加受け部20との間に導電性のスペーサを挟んで行うことができる。もちろん、ネジを用いて上下動可能に構成してもよい。このように構成することで、8カ所の基板14と基板電極30との距離dの調整を一括して行うことができ、スパッタ装置1の稼働率の向上、すなわち成膜処理の低コスト化を図ることができる。
基板電極30の大きさは、基板14の大きさを考慮して決定される。この基板電極30は、基板14の直径に対して80〜98%の直径を有して形成され、特に、基板14サイズの90%以上の大きさであることが好ましい。本実施形態においては、円板状の基板14は直径100mmであるため、基板電極30の直径は80〜98mmに形成されている。
ここで、基板14の大きさに対して基板電極30が小さすぎると、基板14表面に反映されるセルフバイアスの効果を均一とすることが困難になるため、基板14上に形成される成膜層の厚さや膜質が不均一になる可能性がある。
一方、基板電極30が自転ホルダ23などの他の部材と接近しすぎると、基板ホルダ12との間で放電して供給されるスパッタ用電力が不安定になる虞がある。このため、基板電極30の大きさを基板14の直径に対して90%程度以上に形成する場合には、基板電極30と接近する領域の自転ホルダ23に絶縁性コーティング39が施されている。絶縁性コーティング39は溶射によって自転ホルダ23の所定の表面に形成される。
ここで、基板電極30を、それぞれの基板14の裏面側に取り付けた効果について説明する。
基板14の裏面側に配設された基板電極30にRF電源が供給されるため、公転部材21全体にRFを印可する必要がない。RF電流が印加される面積が小さいために、基板14に印可できる電圧・電流値の範囲を従来よりも高い値に設定して、イオンの密度を高くすることができることから、膜質の緻密化若しくは処理時間の短縮化を図ることができる。
そして、基板電極30は自転ホルダ21と接触しない構成であるので、基板電極30と自転ホルダ23との摺接による摩耗を原因とした粉塵などの異物の発生を防止し、膜の清浄度の向上を図ることができる。さらに、簡単な構造であるため部品点数の増加を抑えて設備の低コスト化を図ることができる。
また、基板14の近傍に位置する公転部材21には成膜材料が成膜されづらくなるため、ボンバード処理によってイオンが衝突しても膜が剥離することがなく、基板電極30の表面に付着する異物(パーティクル)を減少させることができる。このため、膜の清浄度及び歩留まりの向上を図ることができる。さらに、公転部材21や自転ホルダ23に付着して蓄積する薄膜材料を減らすことができるため、薄膜材料の除去に要する時間(チャンバメンテナンス時間)を短縮して設備稼働率を向上することができる。
さらに、基板電極30は、基板14と所定距離離間して平行に配置されるため、基板14の成膜面では均一な成膜条件が保たれ、膜厚・膜質の均一性の高い高精度な成膜を行うことができる。
また、基板電極30は、基板ホルダ12に自公転機構を備えるスパッタ装置1に適用できるため、公転機構のみの基板ホルダで採用されていた膜厚分布調整のための補正板が不要となる。もちろん、基板ホルダ12に公転機構のみ備える型式のバイアススパッタ装置にも本実施形態に係る基板電極30を適用することができ、基板14に印可できる電圧・電流値の範囲拡大及び成膜された膜の清浄度の向上を図ることができる。
本実施形態においては、二極のRFバイアススパッタ装置(スパッタ装置1)として本発明は構成されているが、基板14に電流を印可する方式のスパッタ装置であれば本発明に係る構成を適用することが可能である。例えば、安定化電極を用いた三極又は四極のスパッタ装置として構成してもよい。
また、本実施形態においては、スパッタ用電源としてRF電源を用いているが、DC電源を用いて構成してもよい。DC電源を用いた場合には、絶縁物のスパッタができないことを除いて本実施形態に係るスパッタ装置1と同様の効果を得ることができる。
なお、成膜中にOやNなどの活性ガスを導入せず、反応性でないスパッタを行うことができることはもちろんである。
また、ターゲット34,36の上側に開閉制御可能なシャッタ(不図示)を設けて、シャッタの開度を調整することで、スパッタされるターゲット34,36やスパッタ量を調整できる構成としてもよい。
(第2の実施形態)
図4及び図5は本発明の第2の実施形態を示し、図4は基板ホルダの上面説明図、図5は基板ホルダの部分断面説明図である。
なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様部材、配置等には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態に係るスパッタ装置1において、基板電極40の取り付け構造に違いがある。本実施形態に係る基板電極40は、自転ホルダ43に固着されており、自転ホルダ43と共に回転する構成である。
基板電極40は、ステンレス製の略円板状の部材であり、ターゲット34,36に対して基板14の裏面側に配置されるように、各自転ホルダ43側に固定部材40aによって固定されている。自転ホルダ43は、自転ホルダ43の外周部に当接するベアリング45を介して、配線部材41及び印加受け部材20と電気的に接続されているため、基板電極40には、自転ホルダ43を介してRF電力が供給されている。
また、自転ホルダ43は、公転部材21に絶縁部材29bを介して取り付けられるため、公転部材21とは電気的に絶縁されている。
基板電極40は、第1の実施形態の場合と同様に、基板14の裏面から所定の距離(d)だけ離間した位置に、基板14と対向して平行に配設されている。
距離dは、基板14に基板電極40によるセルフバイアスが現出、反映される範囲内に設定される。なお、本実施形態においても、距離dは0.5mm以上10mm以下とされると好適であった。
また、基板14に反映されるセルフバイアスの効果は、距離dを変化させることによって調整することができるが、RF電力値の変更によっても調整可能である。
距離dは、基板電極40を自転ホルダ43に取り付ける際に、基板電極40の位置を変更することによって調整できる。
基板電極40は、自転ホルダ43に固着されているために基板14の裏面全体に配置することができる。すなわち、絶縁コーティング39を自転ホルダ43に施さない状態であっても、基板電極40を基板14とほぼ同じ形状及び大きさに形成することができる。基板14表面に反映されるセルフバイアスの効果の影響を均一にすることができるため、基板14上に形成される成膜層の厚さや膜質の均一化を図ることができる。
また、ベアリング45を介して自転ホルダ43と配線部材41とを導通させることで、配線部材41を自転ホルダ43の外周部に摺接させる場合のように、部材の摩耗による粉塵などの異物の発生を防止し、膜の清浄度の向上を図ることができる。
上記課題は、請求項1のバイアススパッタ装置によれば、自公転機構を有し、真空容器内に基板を支持するための基板ホルダと、該基板ホルダ側に設けられた基板電極と、前記基板に対向して配設されるターゲットと、を備え、前記基板電極及び前記ターゲットに電力を印加し、前記基板電極及び前記ターゲットの間にプラズマを発生させて前記基板表面に薄膜を形成するバイアススパッタ装置において、前記基板電極は、前記基板ホルダに支持された前記基板のそれぞれの裏面側にのみ備えられ、前記基板電極と前記基板とは、所定距離離間して配設されており、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転すると共に、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁されていることにより解決される。
さらに具体的には、請求項1に係るバイアススパッタ装置において、前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転すると共に、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁されているとさらに好適である。
このように、基板電極は、自転ホルダ及び公転部材のいずれに対しても絶縁されると共に、外部電源と直接的若しくは間接的に接続された状態で配設されるため(具体的には、公転部材側に接続される)、基板電極と自転ホルダとが電気的に接触しない構成とすることができる。このため、基板電極と自転ホルダとの接触による異物の発生を防止することができ、膜の清浄度を向上することができる。
なお、ここでいう「公転部材側」とは、広い意味で公転部材を回転駆動するために関わる全ての部材側という意味であり、より具体的には、配線部材の一端部は、公転部材を回転させるために公転部材の中央部に貫通する回転軸に固定された印加受け部に接続される。
さらに具体的には、請求項のように前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、前記配線部材の前記公転部材に対する取り付け位置を変更することで調整可能に構成されていると好適である。
上記構成により、配線部材の公転部材側に対する取り付け高さを変更することで、基板電極と基板との距離を任意に変更できるため、基板電極に現出するセルフバイアスの効果が反映される範囲内に基板を配設することができ、また、基板電極と基板との距離を変更することで、基板に反映されるセルフバイアス効果を任意に調整することができる。
また、請求項のように前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、前記配線部材の前記公転部材に対する取り付け位置を変更することで調整可能に構成されており、前記自転ホルダは、前記基板電極と近接する所定部分の表面に絶縁性のコーティングを有するように構成されていると好適である。
このように、自転ホルダは、基板電極と近接する所定部分の表面に絶縁性のコーティングを有する。このため、基板電極との放電を防止でき、基板裏面のほぼ全面と対向する大きさの基板電極を配置することができるようになる。よって、基板全体を均一な成膜条件にすることでき、均一性の高い高精度な成膜を行うことができる。
さらに基板ホルダは真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転し基板を支持可能な自転ホルダと、を有し自転ホルダは公転部材に対して絶縁され基板電極は自転ホルダ側に取り付けられる装置も存在する。
このように、自転ホルダが公転部材に対して絶縁されると共に、基板電極が自転ホルダ側に取り付けられることで、基板電極の大きさを基板とほぼ同じ形状及び大きさに形成することができる。このため、基板全体をほぼ均一な成膜条件にすることでき、膜厚・膜質などの均一性が高く高精度な成膜を行うことができる。
具体的には、前装置においては、基板ホルダは真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転し基板を支持可能な自転ホルダと、を有し自転ホルダは公転部材に対して絶縁されるとともに自転ホルダ側に当接するベアリングを介して電力が供給されており基板電極は自転ホルダ側に取り付けられている
上記構成のように、基板電極に供給されるスパッタ用電源が導通される自転ホルダと配線部材との接続部分にベアリングを用いることで、部材の摺接により生じる異物の発生を抑えることができ、膜の清浄度を向上することができる。
本発明に係るバイアススパッタ装置によれば、印加できる電圧の範囲を従来よりも高い値に設定することができると共に、異物の発生を抑えて膜の清浄度の向上を図ることができる。
また、本発明に係るバイアススパッタ装置によれば、基板電極に現出するセルフバイアスの効果が反映される範囲内に基板を配設すると共に、基板電極と基板との所定距離を変更することで、基板に反映されるセルフバイアスの効果を調整することができる。
更に、本発明に係るバイアススパッタ装置によれば、異物が発生せず膜の清浄度を向上することができる。
また更に、本発明に係るバイアススパッタ装置によれば、基板全体を均一な成膜条件にすることができ、均一性の高い高精度な成膜を行うことができる。

Claims (7)

  1. 自公転機構を有し、真空容器内に基板を支持するための基板ホルダと、該基板ホルダ側に設けられた基板電極と、前記基板に対向して配設されるターゲットと、を備え、前記基板電極及び前記ターゲットに電力を印加し、前記基板電極及び前記ターゲットの間にプラズマを発生させて前記基板表面に薄膜を形成するバイアススパッタ装置において、
    前記基板電極は、前記基板ホルダに支持された前記基板のそれぞれの裏面側にのみ備えられ、
    前記基板電極と前記基板とは、所定距離離間して配設されることを特徴とするバイアススパッタ装置。
  2. 前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、0.5mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のバイアススパッタ装置。
  3. 前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転すると共に、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、
    前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載のバイアススパッタ装置。
  4. 前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、前記公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、
    前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁され、
    前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、前記配線部材の前記公転部材に対する取り付け位置を変更することで調整可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載のバイアススパッタ装置。
  5. 前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、前記公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有して構成されており、
    前記基板電極は、外部電源と直接的若しくは間接的に一端部側が接続された配線部材の他端側に支持されると共に、前記自転ホルダ及び前記公転部材のいずれに対しても絶縁され、
    前記基板電極と前記基板との前記所定距離は、前記配線部材の前記公転部材に対する取り付け位置を変更することで調整可能に構成されており、
    前記自転ホルダは、前記基板電極と近接する所定部分の表面に絶縁性のコーティングを有することを特徴とする請求項1に記載のバイアススパッタ装置。
  6. 前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有し、
    前記自転ホルダは、前記公転部材に対して絶縁され、
    前記基板電極は、前記自転ホルダ側に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のバイアススパッタ装置。
  7. 前記基板ホルダは、前記真空容器に対して回転する公転部材と、該公転部材に対して回転し、前記基板を支持可能な自転ホルダと、を有し、
    前記自転ホルダは、前記公転部材に対して絶縁されるとともに、前記自転ホルダ側に当接するベアリングを介して電力が供給されており、
    前記基板電極は、前記自転ホルダ側に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のバイアススパッタ装置。
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