WO2022259368A1 - バイアス印加装置 - Google Patents

バイアス印加装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2022259368A1
WO2022259368A1 PCT/JP2021/021763 JP2021021763W WO2022259368A1 WO 2022259368 A1 WO2022259368 A1 WO 2022259368A1 JP 2021021763 W JP2021021763 W JP 2021021763W WO 2022259368 A1 WO2022259368 A1 WO 2022259368A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
electrode
substrate
bias
bias applying
substrate holder
Prior art date
Application number
PCT/JP2021/021763
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
亦周 長江
貴昭 青山
将崇 石田
嘉規 大胡
Original Assignee
株式会社シンクロン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社シンクロン filed Critical 株式会社シンクロン
Priority to PCT/JP2021/021763 priority Critical patent/WO2022259368A1/ja
Priority to JP2021576335A priority patent/JP7017832B1/ja
Publication of WO2022259368A1 publication Critical patent/WO2022259368A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/20Deposition of semiconductor materials on a substrate, e.g. epitaxial growth solid phase epitaxy
    • H01L21/2003Deposition of semiconductor materials on a substrate, e.g. epitaxial growth solid phase epitaxy characterised by the substrate
    • H01L21/2015Deposition of semiconductor materials on a substrate, e.g. epitaxial growth solid phase epitaxy characterised by the substrate the substrate being of crystalline semiconductor material, e.g. lattice adaptation, heteroepitaxy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/31Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to form insulating layers thereon, e.g. for masking or by using photolithographic techniques; After treatment of these layers; Selection of materials for these layers

Abstract

成膜チャンバ(11)において、基板(S)が、少なくとも所定の処理を施す第1領域(FR)と当該第1領域以外の第2領域(SR)とに移動するスパッタ装置(1)に用いられ、電源(3)からのバイアスを前記基板に印加するバイアス印加装置(2)であって、前記電源(3)に接続され、前記第1領域(FR)に固定された第1電極(21)を有する。

Description

バイアス印加装置
 本発明は、バイアス印加装置に関するものである。
 プラズマ反応を利用したスパッタ成膜法の一つとして、ターゲットが装着されたカソード電極の他に、被成膜基板が装着された基板ホルダにも電位を与え、被成膜基板にバイアス電圧を印加しながら薄膜を形成する、いわゆるバイアススパッタ法が知られている(特許文献1)。このバイアススパッタ法では、被成膜基板の表面にターゲット物質からなる薄膜をスパッタリングする際に、被成膜基板が装着される基板ホルダに電力を供給し、基板ホルダにプラズマに対するバイアス電位を与える。
 上記プラズマ処理により薄膜に付与される機能として、膜質が緻密化して硬さが向上すること(特許文献1)や、ステップカバレッジ(微細段差部の被覆)が改善する、すなわちプリント基板のコンタクトホールにおいて側面も底部も略均一な膜厚で形成できたりすること(特許文献2)が挙げられる。前者はプラズマ中のイオンによる成膜アシストによるもの、後者は同イオンによるスパッタ膜のエッチング効果によるものとされている。
 被成膜基板にバイアスを印加する装置形態としては、1個の被成膜基板に対し、1系統のバイアス電力を供給する枚葉式の成膜装置がある。この他、平板トレイ、カルーセルドラム、自転と公転を同時に行う遊星回転スピンドルといった基板ホルダに、複数枚の被成膜基板を搭載し、1バッチ中に複数枚の被成膜基板をバイアス処理する形態もある。
特開2002-256415号公報 特表平11-509049号公報
 上記従来技術のうち、基板ホルダに複数枚の被成膜基板を搭載してバイアス処理する装置形態において、被成膜基板にバイアス電圧を印加する場合には、基板ホルダに装着された全ての被成膜基板に対して電圧を印加することになる。そのため、基板ホルダに搭載された各被成膜基板に印加される電力密度(被成膜基板の単位面積当たりの供給電力)が小さくなり、給電効率が低くなる。その結果、プラズマ処理の効果が弱まるという問題がある。尤も、電力密度を大きくするために印加するバイアス電力量を増加させることも考えられるが、ある一定量以上の電力量を印加すると、給電を行っている接続機器において、バイアス電力の漏洩に伴う異常放電が生じるおそれがある。そのため、従来技術では、弱いプラズマ処理しか行えないという問題があった。
 本発明が解決しようとする課題は、給電効率が高いバイアス印加装置を提供することである。
 本発明は、以下のいずれかのバイアス印加装置により上記課題を解決する。
(1)基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
 処理室内において移動する基板に対し、相対的に高いバイアスを印加する領域と、相対的に低いバイアス(ゼロを含む)を印加する領域と、を有するように、前記基板にバイアスを印加するバイアス印加装置。
(2)基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
 処理室内において移動する基板が、
 電源に接続されるとともに前記処理室内に固定された第1電極を通過するときに、前記基板にバイアスを印加するバイアス印加装置。
(3)基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
 処理室内に配置される複数の基板に対し、前記基板の面積の総和以下の電極面積を有する第1電極を前記処理室内に備え、
 前記第1電極を介して電源からのバイアスを前記基板に印加するバイアス印加装置。
(4)基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
 処理室内のプラズマ処理空間又はその近傍に、電源に接続された第1電極が固定され、
 前記第1電極を介して電源からのバイアスを前記基板に印加するバイアス印加装置。
 本発明によれば、選択的にバイアス印加ができるので、電力密度が高く給電効率の良いバイアス印加装置を提供することができる。
本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置の一実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 図1Aの成膜装置(スパッタ装置)の一実施の形態を示す平面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置の他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 図2Aの成膜装置(スパッタ装置)の一実施の形態を示す平面図である。 図1Aの基板ホルダの一つの基板保持部に設けられる第2電極を示す分解斜視図である。 図1Aに示す成膜装置(スパッタ装置)において、プラズマ処理領域に設けられた第1電極とプラズマ処理領域を通過する第2電極とを示す平面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置の他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す部分拡大断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す部分拡大断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置のさらに他の実施の形態(スパッタ装置)を示す部分拡大断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置の他の実施の形態(スパッタ装置)を示す平面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置の他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。 本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置の他の実施の形態(蒸着装置)を示す断面図である。
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1Aは、本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置(スパッタ装置)1の一実施の形態を示す断面図、図1Bは同じく平面図である。本実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1は、図1A及び図1Bに示すように、基板Sに膜を形成する成膜チャンバ11と、成膜チャンバ11の内部空間を必要に応じて減圧雰囲気にする減圧装置15と、成膜チャンバ11の内部空間において回転可能に設けられ、一方の主面に基板Sを保持する基板保持部14を有する平板形状の基板ホルダ12と、基板ホルダ12を回転させる駆動装置13と、成膜チャンバ11の内部空間に設けられたスパッタ電極16と、同じく成膜チャンバ11の内部空間に設けられたプラズマ発生装置17と、成膜チャンバ11の内部空間に放電ガス及び必要に応じて反応ガスを導入するガス導入装置18と、を備える。
 成膜チャンバ11は、実質的に密閉空間を形成する中空筐体からなり、たとえば図1Bに示すように平面視において四角形とされている。成膜チャンバ11の4つの側壁面の一つに、図1Aに示すようにゲート111が設けられ、ここから基板S(基板ホルダ12又は基板保持部14と共にでもよい)の搬入及び搬出が行われる。また、図示を省略するが、成膜チャンバ11の底壁面には、ターボ分子ポンプなどの減圧装置15の吸引口が複数形成され、成膜チャンバ11の内部空間の気体を底壁面に向かって吸引することで、必要に応じて成膜チャンバ11を減圧雰囲気に維持する。なお、本発明のバイアス印加装置2は、成膜装置(スパッタ装置)1を減圧雰囲気で使用しながら作動させるほか、成膜チャンバ11を大気圧雰囲気に維持した状態で作動させてもよい。
 成膜チャンバ11の内部空間には、成膜される基板Sを保持するための基板ホルダ12が設けられている。本実施形態の基板ホルダ12は、円形・平板形状に形成され、駆動装置13の回転軸131に固定され、支持されている。駆動装置13は、たとえば電動モータからなり、この駆動装置13を作動させることにより、基板ホルダ12は、回転軸131を中心にして、所定方向に所定速度で回転する。
 本実施形態の基板ホルダ12には、複数の基板保持部14が設けられ、それぞれの基板保持部14に、成膜対象たる基板Sが載置される。本実施形態の基板ホルダ12は、平板形状の上面に基板Sを保持するため、たとえば基板Sの位置を定めるための凹部などで構成することができる。なお、基板Sの自重により基板ホルダ12から脱落する場合又はホルダ運動による力によって基板が脱落する可能性がある場合は、クランプなどの脱落防止部材を有する基板保持部14とすることが好ましい。この基板保持部14に設けられる第2電極22については後述する。
 本実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1では、成膜チャンバ11の内部空間のうち、基板ホルダ12の外周領域の一部に、プラズマ発生装置17が設けられ、ここにプラズマ処理領域R1が形成される。また、同じく成膜チャンバ11の内部空間のうち、基板ホルダ12の外周領域の他の一部に、スパッタ電極16が設けられ、ここに成膜処理領域R2が形成される。
 本実施形態のスパッタ電極16は、図1Bの平面図に示すように、たとえば四角形の4つの辺のうち1つの辺に相当する位置に設けられている。なお、スパッタ電極16の数量は本発明を限定するものではなく、2以上のスパッタ電極16を設けてもよい。本実施形態のスパッタ電極16は、詳細な図示を省略するが、一対のマグネトロンスパッタ電極と、トランスを介して接続された交流電源とを含み、マグネトロンスパッタ電極の先端には、成膜材料となるターゲットが装着される。スパッタ電極16は、ターゲットの表面が、基板ホルダ12の外周領域に対面するような姿勢で成膜チャンバ11に固定され、成膜時には、電源により、例えば直流マグネトロンスパッタやパルススパッタが行われる。また例えば、カソードをデュアルカソードにして両カソードを用いて周波数1k~100kHzのバイポーラスパッタリングを行う。
 本実施形態のプラズマ発生装置17は、特に限定されず、誘導結合式プラズマ(ICP)、容量結合プラズマ(CCP)、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECRP)、ヘリコン波プラズマ(HP)、表面波プラズマ(SWP)などの放電方式のいずれかを採用したプラズマ発生装置を用いることができる。プラズマ発生装置17で使用する周波数は、たとえば0.1~100MHz、2.45GHzである。なお、プラズマ発生装置17の数量は本発明を限定するものではなく、2以上のプラズマ発生装置17を設けてもよい。
 本実施形態のガス導入装置18は、放電ガス(スパッタ処理においてターゲットに衝突する電子を放出するガス)を貯留するガスボンベと、必要に応じて反応ガスを貯留するガスボンベとを備える。本実施形態のガス導入装置18は、ガスボンベに貯留された放電ガスや反応ガスを成膜チャンバ11の内部に導入する複数のノズルを含み、それぞれのノズルからのガス流量は、マスフローコントローラにより独立して制御される。放電ガスとしては特に限定されないが、たとえばアルゴンガスなどの不活性ガスが用いられる。また反応ガスとしては、目的とする膜種に応じたガスが選択され、たとえば酸化膜である場合は酸素ガス、窒化膜である場合には窒素ガスが用いられる。なお、必ずしも反応ガスを供給する必要はないので適宜省略してもよい。
 さて、本実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1は、いわゆるバイアススパッタ法により成膜するものである。図1A及び図1Bは、本実施形態のバイアス印加装置2の一例を示すものである。プラズマ発生装置17が設けられることで形成されたプラズマ処理領域R1においては、基板Sにバイアス電圧を印加して基板Sに電力を供給する。一方、プラズマ処理領域R1以外の第2領域SRにおいては、基板Sにバイアス電圧を印加しない。そのため、本実施形態のバイアス印加装置2は、図1Aに示すように、電源3に接続され、成膜チャンバ11の内部空間のプラズマ処理領域R1に固定された第1電極21と、基板Sと電気的に接触し、基板Sがプラズマ処理領域R1にあるときは第1電極21に接近又は接触し、基板Sが第2領域SRにあるときは第1電極21から離間する第2電極22とを有する。具体的に、第1電極21は、基板Sの面積の総和以下の電極面積を有する。また第2電極22は、基板ホルダ12の各基板保持部14に設けられている。なお、基板S側に設けられる第2電極22は、本発明のバイアス印加装置2に必須の構成ではなく、図12に示すように第2電極22を省略し、第1電極21により、基板Sに直接バイアスを印加してもよい。
 これにより、プラズマ発生装置17によって豊富にイオンや電子が供給されるプラズマ処理領域R1にバイアスを印加することができるため、電源3から供給されるバイアス電力が効果的にプラズマアシストおよびイオンミリングを行える。そのため、第2領域SRにもバイアスを印加する場合に比べ、電力の利用効率が良くなり、少ない電力で効果が大きくなる。
 なお、図1A及び図1Bに示す実施形態では、プラズマ発生装置17が設けられたプラズマ処理領域R1に第1電極21を固定し、ここを第1領域FRとしたが、本発明に係る第1領域FRは、プラズマ発生装置17が設けられたプラズマ処理領域R1にのみ限定されない。図2Aは、本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置(スパッタ装置)の他の実施の形態を示す断面図、図2Bは平面図である。図2A及び図2Bに示す実施形態では、スパッタ電極16が設けられた成膜処理領域R2に第1電極21を固定し、ここを第1領域FRとしたものである。スパッタ電極16が設けられた成膜処理領域R2にもプラズマ領域が形成されるので、この成膜処理領域R2において基板Sにバイアス電圧を印加して基板Sに電力を供給してもよい。この場合、成膜処理領域R2以外の第2領域SRにおいては、基板Sにバイアス電圧を印加しない。この場合も前述したとおりバイアス電力の改善が期待できる。
 また図13は、本発明に係るバイアス印加装置を用いた成膜装置(スパッタ装置)の他の実施の形態を示す平面図である。図13に示す実施形態では、成膜チャンバ11の内部空間に複数のスパッタ電極16が設けられ、その成膜処理領域R2の一部に第1電極21を固定し、ここを第1領域FRとしたものである。スパッタ電極16が設けられた成膜処理領域R2にもプラズマ領域が形成されるので、この成膜処理領域R2の一部において基板Sにバイアス電圧を印加して基板Sに電力を供給してもよい。この場合、残りの成膜処理領域R2(ここが第2領域SRになる)においては、基板Sにバイアス電圧を印加しない。この場合も前述したとおりバイアス電力の改善が期待できる。
 本発明に係る第2領域SRとは、成膜チャンバ11の内部空間のうち、第1領域FR以外の領域をいう。たとえば、図1Bに示すように第1領域FRがプラズマ処理領域R1である場合、第2領域SRは、成膜処理領域R2と、成膜処理領域R2でない領域とを含むこともあり、また図示はしないが第2領域SRは、スパッタ電極16が設けられた成膜処理領域R2に等しいこともある。また、図2Bに示すように第1領域FRが成膜処理領域R2である場合、第2領域SRは、プラズマ処理領域R1と、プラズマ処理領域R1でない領域とを含むこともあり、また図示はしないが第2領域SRは、プラズマ発生装置17が設けられたプラズマ処理領域R1に等しいこともある。
 図3は、基板ホルダ12の一つの基板保持部14に設けられる第2電極22を示す分解斜視図である。本実施形態の第2電極22は、基板S(図示する基板は、たとえばシリコンウェーハ)が載置されて直接接触する上板221と、第1電極21と対面する下板222と、これら上板221と下板222とを接続するジョイント223と、上板221と下板222と間に介装され、基板ホルダ12と第2電極22とを電気的に絶縁するための絶縁プレート23,24とを有する。上板221、下板222及びジョイント223が、Cu、Cu合金、Al、Al合金、SUS、Pt、Au、カーボンなどの導体からなり、第1電極21から印加されたバイアス電力は、下板222で受電し、ジョイント223を介して上板221に導き、基板Sに印加する。なお、第2電極22の構成は、図3に示すものに限定されず、基板ホルダ12との電気的絶縁が確保できる限り、上板221と下板222のいずれか一方の構造としてもよい。
 図1Aに示すように、本実施形態の第1電極21と第2電極22とは非接触式でバイアスが印加されるので、第1電極21が接続される電源3は、交流電源であって、特に限定はされないがたとえば13.56MHzの高周波交流電源である。また、所定のギャップを介して第2電極22と対面する第1電極21は、第2電極22と同様に、Cu、Cu合金、Al、Al合金、SUS、Pt、Au、カーボンなどの導体から構成することができる。
 これら第1電極21と第2電極22は非接触で対面することから、両電極及びギャップは、コンデンサとみなすことができる。コンデンサの容量性リアクタンス(交流における抵抗)Xcは、コンデンサの静電容量をC,交流の周波数をfとしたときに、Xc=1/(2πfC)で表せるから、コンデンサの静電容量Cを大きくするか、交流の周波数fを高くすることで、コンデンサの容量性リアクタンスを下げることができる。したがって、第1電極21と第2電極22とギャップで構成されるコンデンサの容量性リアクタンスを小さくしてバイアスエッチング処理を効率的に行うためには、コンデンサの静電容量を大きくすることが有効である。
 ここで、コンデンサの静電容量Cは、誘電率をε,対面する電極面積をA,電極間距離をdとしたときにC=εA/dで表せるため、電極面積Aを大きくするか、電極間距離Dを小さくすることで、静電容量Cを大きくすることができる。ただし、電極間距離dが小さ過ぎると、第1電極21と第2電極22とが干渉する可能性があるため、電極間距離dを小さくするにも限界がある。したがって、電極間距離dを可能な限り小さく設定した上で、第1電極21と第2電極22との対面する電極面積Aを大きくすることが、静電容量Cを増加させることに対し有効である。
 図4は、プラズマ処理領域R1に固定された第1電極21と、プラズマ処理領域R1を通過する第2電極22とを示す平面図であり、第1電極21は図示する位置に固定されている一方で、1つの第2電極22は、図示する基板ホルダ12の回転軌跡TRに沿って回転移動する。したがって、第1電極21及び第2電極22を図4に示すように扇形に形成すると、第2電極22が、基板ホルダ12の回転によって描かれる回転軌跡TRに沿って、プラズマ処理領域R1の始点から終点まで移動する間に、第1電極21と対面する面積(第2電極22に回転移動にともなって時間的に変化するので時間的積分値を考える。)が最大になる。なお、図示する第1電極21と第2電極22は、扇形そのものではなく中心部分が削落された形状とされているが、扇形であってもよい。
 図1Aに示すように、第1電極21は、基板ホルダ12の基板保持部14の裏面から第2電極22の下板222に対面するように設けられている。第2電極22は、上板221の部分において絶縁プレート23,24により基板ホルダ12と電気的に絶縁されているので、第1電極21から給電された電荷が基板ホルダ12に漏電することはないが、回転軸131との間に絶縁シールド121を設けることで、基板ホルダ12を、接地電位に対してフローティング電位にすることがより好ましい。
 また、図1Aに示すように、基板ホルダ12の基板保持部14の裏面において、第1電極21と第2電極22が対面する領域をシールド壁25で取り囲み、第1電極21と第2電極22の周りにガス導入装置18から導入された放電ガスや反応ガスが廻り込むのを防止する。これに加えて、シールド壁25で囲まれた領域を排気する高真空排気ポンプ26(ターボ分子ポンプTMP、クライオポンプ、ゲッターポンプ、イオンポンプなど)を設けてもよい。なお、シールド壁25の電位は接地またはフローティング電位とする。シールド壁25を設けることで、放電ガスや反応ガスが第1電極21と第2電極22の周りに存在することが抑制されるので、ここにプラズマが発生するのを防止することができる。またこれに加えて、高真空排気ポンプ26により、この領域をプラズマが生じない程度の高真空に制御することもできる。
 以上のように構成された本実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1では、図1Aに示すプラズマ発生装置17と基板ホルダ12の上面との間にプラズマ処理領域R1が形成され、スパッタ電極16と基板ホルダ12の上面との間に成膜処理領域R2が、形成される。これらプラズマ処理領域R1と成膜処理領域R2との間には明確な境界面はないが、基板ホルダ12の上面の基板保持部14に載置された基板Sは、成膜チャンバ11内で回転軸131を中心に回転を繰り返す間に、規則的な周期で成膜処理領域R2とプラズマ処理領域R1とを通過することになる。
 そして、成膜処理領域R2を通過する成膜時には、ガス導入装置18で流量が調整された放電ガスが成膜チャンバ11内に導かれるとともに、必要に応じて酸素ガスや窒素ガスなどの反応ガスが成膜チャンバ11内に導かれ、成膜処理領域R2でスパッタを行うための雰囲気が調整される。そして、スパッタ電極16においてマグネトロンスパッタを行う。このスパッタにより、ターゲットから膜原料物質が基板Sへ向けて供給され、基板Sの表面に金属膜又は不完全金属化合物からなる中間薄膜が形成される。成膜処理領域R2を含む第2領域SRを通過中の基板Sには、当該基板Sが電気的に接触する第2電極22が、第1電極21と離れているため、電源3からのバイアスは印加されない。またことのき、基板Sが、プラズマおよび導入ガスが積極的に供給されていない第2領域SRを通過する際は、バイアス電力を基板Sに対して給電しても、バイアスによるアシストやエッチング効果は発現されない。
 一方、成膜チャンバ11内のプラズマ処理領域R1では、ガス導入装置18で流量が調整された放電ガスが成膜チャンバ11内に導かれ、プラズマ処理領域R1でプラズマ処理を行うための雰囲気が調整される。また、プラズマ発生装置17により、プラズマ処理領域R1に放電ガスのプラズマが発生している。プラズマ発生装置17から供給されるイオン種及びラジカル種は、ある程度の緩和時間を有し、プラズマが集中しているプラズマ発生装置17から、たとえば100~200mm程度の一定の距離があっても、基板Sにイオン種やラジカル種を供給することができる。そして、プラズマ処理領域R1を通過中の基板Sには、当該基板Sが電気的に接触する第2電極22が、第1電極21と対面することになるため、電源3からのバイアスが印加される。そのため、成膜処理領域R2を通過してきた基板Sがプラズマ処理領域R1を通過する間は、基板Sに印加されたバイアスによってプラズマ内に存在する正イオンが、基板Sの近傍に発生したシース電解によって加速されて衝突し、中間薄膜のプラズマフィジカルエッチング処理が施されることになる。このようにして、基板Sが、成膜処理領域R2とプラズマ処理領域R1とを周期的に通過することで最終的に所望の薄膜が形成されることになる。
 以上のように、本実施形態のバイアス印加装置2を備えた成膜装置(スパッタ装置)1によれば、必要とされるプラズマ処理領域R1を通過中の基板Sのみにバイアスを印加し、それ以外の第2領域SRを通過中の基板Sに対してはバイアスを印加しないので、電源3から供給される電力が全てプラズマ処理領域R1を通過中の基板Sに供給されることになる。これにより、給電効率が高くプラズマ処理効果に優れた成膜装置(スパッタ装置)1を提供することができる。
 なお、上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、適宜の範囲で改変することができる。以下、上述した実施形態の変形例を説明する。
 第1電極21の固定位置について、図1Aに示す実施形態では基板保持部14の裏面側に設定したが、本発明のバイアス印加装置2はこれにのみ限定されず、基板保持部14の表面側に1つの第1電極21を固定してもよく、又は基板保持部14の裏面側と表面側の両方に2つの第1電極21を固定してもよい。図5は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置(スパッタ装置)1の他の実施の形態を示す断面図である。同図に示す成膜装置(スパッタ装置)1では、プラズマ処理領域R1において、基板ホルダ12の基板保持部14の裏面側と表面側の両方に2つの第1電極21が固定されている。また、同図に示す成膜装置(スパッタ装置)1では、第2電極22が上板のみの構造とされている。
 基板ホルダ12の基板保持部14について、図1Aに示す実施形態では基板ホルダ12に対して回転しない基板保持部14に構成したが、基板保持部14は基板ホルダ12に対して回転するように設けられ、基板Sは、基板保持部14による自転と、基板ホルダ12による公転とを含む遊星回転を行うように構成してもよい。図6は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置(スパッタ装置)1のさらに他の実施の形態を示す断面図である。同図に示す成膜装置(スパッタ装置)1では、各基板保持部14は、ベアリング141を介して基板ホルダ12に回転自在に設けられている。また基板ホルダ12の回転軸131には遊星ギヤの一方122が設けられ、各基板保持部14には遊星ギヤの他方123が設けられている。これらの遊星ギヤの一方122と他方123とが噛み合い、基板ホルダ12が回転することにより、基板保持部14に保持された基板Sは、基板保持部14による自転と、基板ホルダ12による公転とを含む遊星回転を行うことになる。
 基板ホルダ12の形状について、図1Aに示す実施形態では平板形状の基板ホルダ12としたが、外側面に複数の基板Sを保持する基板保持部14を有し、回転軸131を中心に回転するドラム形状の基板ホルダ12(いわゆるカルーセルドラム)にしてもよい。図7は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置(スパッタ装置)1のさらに他の実施の形態を示す断面図である。同図に示す成膜装置(スパッタ装置)1では、ドラム形状の基板ホルダ12を備え、その外側面に基板Sを保持する複数の基板保持部14が形成されている。また、成膜チャンバ11の側面の一部にスパッタ電極16が設けられ、同じく成膜チャンバ11の側面の他の一部にプラズマ発生装置17が設けられている。これにより、スパッタ電極16が設けられた領域が成膜処理領域R2となり、プラズマ発生装置17が設けられた領域がプラズマ処理領域R1となる。
 鉛直方向に延在する回転軸131を中心に回転するドラム形状の基板ホルダ12を備える成膜装置(スパッタ装置)1では、図7に示すようにそれぞれの基板保持部14に第2電極22の上板221が設けられ、ジョイント223を介して下板222が基板ホルダ12の天井面に設けられている。また、電源3に接続された第1電極21は、プラズマ発生装置17が設けられたプラズマ処理領域R1の成膜チャンバ11の内部空間に固定されている。そして、プラズマ処理領域R1に回転移動してきた第2電極22の下板222が、所定のギャップを介して第1電極21に対面することで、プラズマ処理領域R1に回転移動してきた基板Sのみに電源3からのバイアスが印加される。
 これら第1電極21と第2電極22との配置位置や構造は図7に示すものに限定されず、適宜改変することができる。図8及び図9は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置(スパッタ装置)1のさらに他の実施の形態を示す断面図である。図8に示す成膜装置(スパッタ装置)1では、第2電極22が基板保持部14に設けられ、第1電極21はドラム形状の基板ホルダ12の内部において第2電極22に対面するように、電源3からの電線が回転軸131の内部を貫通して配策されている。また図9に示す成膜装置(スパッタ装置)1では、第2電極22が基板保持部14に設けられ、第1電極21はドラム形状の基板ホルダ12の内部において第2電極22に対面するように、電源3からの電線が、削落された基板ホルダ12のドラム形状の底面を貫通して配策されている。このように構成された成膜装置(スパッタ装置)1においても、プラズマ処理領域R1に回転移動してきた第2電極22が、所定のギャップを介して第1電極21に対面することで、プラズマ処理領域R1に回転移動してきた基板Sのみに電源3からのバイアスが印加される。
 なお図示は省略するが、図7~図9に示すドラム形状の基板ホルダ12を備える成膜装置(スパッタ装置)1においても、第1電極21の固定位置について、同図に示す実施形態のように基板保持部14の裏面側に設定することのみに限定されず、図5に示すように、基板保持部14の表面側に1つの第1電極21を固定してもよく又は基板保持部14の裏面側と表面側の両方に2つの第1電極21を固定してもよい。また図7~図9に示した成膜装置(スパッタ装置)1はプラズマ発生装置17側に第1電極21を配置したが、スパッタ電極16側に配置してバイアスを基板Sに対し印加してもよい。
 第1電極21と第2電極22との接触方式について、図1A~図9に示す実施形態では非接触式としたが、本発明のバイアス印加装置2においては接触式であってもよい。図10は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置(スパッタ装置)1のさらに他の実施の形態を示す図であって、第1電極21と第2電極22との接触部分を拡大した断面図である。同図に示すように、プラズマ処理領域R1において、第1電極21と第2電極22とは直接接触することで、電源3からのバイアスが第1電極21及び第2電極22を介して基板Sに印加されるが、第2電極22は基板ホルダ12の回転にともなって回転移動しながら第1電極21に摺接する。そのため、接触し始める際の衝撃を吸収したり接触中の過度な負荷を吸収したりするために、第1電極21及び/又は第2電極22に弾性体27,28を設けることが好ましい。なお、図10に示すように第1電極21と第2電極22とが直接接触する方式においては、電源3として、交流電源のほかに、直流電源、直流及び交流の重畳電源、パルス電源を使用してもよい。
 本実施形態の非接触方式に係るバイアス印加装置2の給電効率を高めるために、第1電極21及び第2電極22を図4に示すように扇形に形成することが好ましいことは既述した。第1電極21と第2電極22との対面する面積が最大になるからである。図4に示す実施形態では、第1電極21の一つの面と第2電極22の一つの面とが対面している構造であるが、一方の電極の他の面を用いて対面する面積をより大きくしてもよい。図11は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置(スパッタ装置)1のさらに他の実施の形態を示す図であって、第1電極21と第2電極22との非接触部分を拡大した断面図である。同図に示す実施形態では、所定のギャップを介して対面する第2電極22は、表面22Aとその裏側の裏面22Bとを有し、第1電極21は、第2電極22の表面22Aに対面する面21Aと、第2電極22の裏面22Bに対面する他の面21Bをと有するように、第1電極21が第2電極22を取り囲むように形成されている。なお、第1電極21は、第2電極22の表面22A、裏面22B及び一対の側面(厚み部分)を取り囲むように形成されているが、4面ある側面のうちの他の一対の側面に対しては対面せず、第2電極22が通過できる形状とされている。
 上述した実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1は、平板形状又はドラム形状の基板ホルダ12が成膜チャンバ11内において回転することにより基板Sに所定材料の薄膜を成膜するものであるが、いわゆるインライン型成膜装置1にも本発明のバイアス印加装置2を適用することができる。図14は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置1の他の実施の形態(スパッタ装置)を示す断面図である。本実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1では、基板Sは平板形状の基板ホルダ12(トレイとも称される)に載置され、この基板ホルダ12が、ローラコンベアなどの水平搬送機構112により、図示する左の入口側から右の出口側に向かって直線状に搬送される。ここで、基板ホルダ12の搬送経路の所定箇所、たとえばスパッタ電極16が設けられた箇所などに本実施形態のバイアス印加装置2を固定する。
 上述した実施形態の成膜装置1はスパッタ装置であるが、本発明に係るバイアス印加装置2は蒸着装置としての成膜装置1にも適用することができる。図15は、本発明に係るバイアス印加装置2を用いた成膜装置1の他の実施の形態(蒸着装置1)を示す断面図である。本実施形態の成膜装置(蒸着装置)1では、成膜チャンバ11の下部に蒸着源19は配置され、中央に開口を有するシールド114を介して成膜チャンバ11の上部に回転軸131を中心に回転駆動するドーム形状の基板ホルダ12が設けられている。図15において符号113は膜厚補正板である。ここで、基板ホルダ12の所定箇所に本実施形態のバイアス印加装置2を固定する。
 成膜チャンバ11の内部空間に配置されるスパッタ電極16やプラズマ発生装置17などのコンポーネントの構成は、どのような組み合わせでもよく、固定電極の数も成膜室に複数個配置してもよい。また、プラズマ処理領域R1にて行われる処理について、プラズマエッチング以外にも、例えばCVD(Chemical vapor deposition)、ALD(atomic layer deposition)、プラズマトリートメント、ドーピングなどの各種処理を挙げることができる。さらに、スパッタ電極16は本発明に係るバイアス印加装置2に必須の装置ではない。たとえば、CVD装置に本発明のバイアス印加装置2を用いる場合、成膜チャンバ11の内部空間に2つのICPプラズマ源を設け、一方のICPプラズマ源では、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)などのプリカーサとアルゴンと酸素を供給してSiOを成膜し、他方のICPプラズマ源では、アルゴンと酸素を導入してプラズマを発生させ、基板ホルダ下に配置した本発明のバイアス印加装置2によって成膜したSiO膜をエッチング処理してもよい。
 本発明のバイアス印加装置2によりバイアス電力が給電される基板Sは、金属などの導体、シリコンなどの半導体、ガラスなどの絶縁体など、どのような基板Sに対しても適用することができる。また、成膜チャンバ11の内部空間における基板Sの搬送方式として、円形平板回転方式とカルーセルドラム回転方式を例示したが、成膜チャンバ11の内部空間を直線的に搬送するインライン搬送方式にも適用することができる。また、上述した実施形態の成膜装置(スパッタ装置)1は、成膜材料を鉛直上側に配置し、被成膜基板Sを鉛直下側に配置するデポダウン方式の成膜装置(スパッタ装置)1であるが、本発明のバイアス印加装置2は、デポダウン方式のほか、成膜材料を鉛直下側に配置し、被成膜基板Sを鉛直上側に配置するデポアップ方式の成膜装置(スパッタ装置)1その他の成膜装置にも適用することができる。
 第1電極21の固定位置について、プラズマ発生装置17によるプラズマ処理が有効に実施可能な領域、すなわちプラズマ処理領域R1のいずれかであれば特に限定されないが、プラズマ処理領域R1のうちプラズマ発生装置17の直下及びその近傍に設置すると、同じバイアス電力でもプラズマエッチング効果が最も大きくなる。ただし、本発明はプラズマ処理効果が最も発揮されることに限定されず、第1電極21をプラズマ処理領域R1の最外部、すなわちプラズマ発生装置17から最も離れた位置に固定してもよい。プラズマ処理効果が低くなる領域であることからエッチング分布の調整がし易いという利点がある。
1…成膜装置(スパッタ装置,蒸着装置)
 11…成膜チャンバ
  111…ゲート
  112…水平搬送機構
  113…膜厚補正板
  114…シールド
 12…基板ホルダ
  121…絶縁シールド
  122,123…遊星ギヤ
 13…駆動装置
  131…回転軸
 14…基板保持部
  141…ベアリング
 15…減圧装置
 16…スパッタ電極
 17…プラズマ発生装置
 18…ガス導入装置
 19…蒸着源
S…基板
R1…プラズマ処理領域
R2…成膜処理領域
FR…第1領域
SR…第2領域
2…バイアス印加装置
 21…第1電極
  21A,21B…面
 22…第2電極
  221…上板
  222…下板
  223…ジョイント
  22A…表面
  22B…裏面
 23,24…絶縁プレート
 25…シールド壁
 26…高真空排気ポンプ
 27,28…弾性体
3…電源

Claims (16)

  1.  基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
     処理室内において移動する基板に対し、相対的に高いバイアスを印加する領域と、相対的に低いバイアス(ゼロを含む)を印加する領域と、を有するように、前記基板にバイアスを印加するバイアス印加装置。
  2.  基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
     処理室内において移動する基板が、
     電源に接続されるとともに前記処理室内に固定された第1電極を通過するときに、前記基板にバイアスを印加するバイアス印加装置。
  3.  基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
     処理室内に配置される複数の基板に対し、前記基板の面積の総和以下の電極面積を有する第1電極を前記処理室内に備え、
     前記第1電極を介して電源からのバイアスを前記基板に印加するバイアス印加装置。
  4.  基板に所定の処理を施す処理装置に用いられ、
     処理室内のプラズマ処理空間又はその近傍に、電源に接続された第1電極が固定され、
     前記第1電極を介して電源からのバイアスを前記基板に印加するバイアス印加装置。
  5.  前記処理装置は、
      前記処理室内に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、回転軸を中心に回転するドラム形状の基板ホルダを備え、
     前記第1電極は、前記基板保持部の裏面側及び/又は表面側に対面する位置に固定されている請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  6.  前記処理装置は、
      前記処理室内に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、水平搬送される平板形状の基板ホルダを備え、
     前記第1電極は、前記基板保持部の裏面側及び/又は表面側に対面する位置に固定されている請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  7.  前記処理装置は、
      前記処理室内に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、回転軸を中心に回転する平板形状の基板ホルダを備え、
     前記第1電極は、前記基板保持部の裏面側及び/又は表面側に対面する位置に固定されている請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  8.  前記処理装置は、
      前記処理室内に設けられ、複数の基板を保持する基板保持部を有し、回転軸を中心に回転するドーム形状の基板ホルダを備え、
     前記第1電極は、前記基板保持部の裏面側及び/又は表面側に対面する位置に固定されている請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  9.  前記基板保持部は、前記基板ホルダに対して回転するように設けられ、
     前記基板は、前記基板保持部による自転と、前記基板ホルダによる公転とを含む遊星回転を行う請求項7又は8に記載のバイアス印加装置。
  10.  前記第1電極は、前記基板の移動軌跡に沿う形状とされている請求項5~9のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  11.  前記基板の電位は、接地電位に対して絶縁されたフローティング電位である請求項1~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  12.  前記第1電極を含む雰囲気を、プラズマ放電圧力以下に局所排気する排気機構を備える請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  13.  前記第1電極と前記基板は、所定のギャップを介して対面し、前記第1電極から前記基板へ、バイアスを非接触印加する請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  14.  前記基板と接触し、前記第1電極に接近及び離間する第2電極をさらに有する請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  15.  前記第1電極と前記基板の少なくとも一方は、他方へ弾性付勢する弾性体を有し、
     前記第1電極と前記基板は接触し、前記第1電極から前記基板へ、バイアスを接触印加する請求項2~4のいずれか一項に記載のバイアス印加装置。
  16.  所定のギャップを介して対面する第1電極と第2電極の一方は、表面とその裏側の裏面とを有し、
     前記第1電極と第2電極の他方は、前記一方の電極の表面に対面する面と、前記一方の電極の裏面に対面する他の面をと有する請求項14に記載のバイアス印加装置。
PCT/JP2021/021763 2021-06-08 2021-06-08 バイアス印加装置 WO2022259368A1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2021/021763 WO2022259368A1 (ja) 2021-06-08 2021-06-08 バイアス印加装置
JP2021576335A JP7017832B1 (ja) 2021-06-08 2021-06-08 バイアス印加装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2021/021763 WO2022259368A1 (ja) 2021-06-08 2021-06-08 バイアス印加装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2022259368A1 true WO2022259368A1 (ja) 2022-12-15

Family

ID=80854587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2021/021763 WO2022259368A1 (ja) 2021-06-08 2021-06-08 バイアス印加装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7017832B1 (ja)
WO (1) WO2022259368A1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03215666A (ja) * 1989-12-22 1991-09-20 Shimadzu Corp 移動式成膜装置
JPH07216547A (ja) * 1994-02-01 1995-08-15 Hitachi Ltd インライン式スパッタ装置
JP2000239848A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Shimadzu Corp Ecrプラズマcvd装置
JP2006283132A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyota Motor Corp 表面処理装置
WO2009154196A1 (ja) * 2008-06-17 2009-12-23 株式会社シンクロン バイアススパッタ装置
JP2012136758A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Canon Anelva Corp 基板処理装置
JP2014135464A (ja) * 2012-06-15 2014-07-24 Tokyo Electron Ltd 成膜装置、基板処理装置及び成膜方法
WO2016203585A1 (ja) * 2015-06-17 2016-12-22 株式会社シンクロン 成膜方法及び成膜装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03215666A (ja) * 1989-12-22 1991-09-20 Shimadzu Corp 移動式成膜装置
JPH07216547A (ja) * 1994-02-01 1995-08-15 Hitachi Ltd インライン式スパッタ装置
JP2000239848A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Shimadzu Corp Ecrプラズマcvd装置
JP2006283132A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyota Motor Corp 表面処理装置
WO2009154196A1 (ja) * 2008-06-17 2009-12-23 株式会社シンクロン バイアススパッタ装置
JP2012136758A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Canon Anelva Corp 基板処理装置
JP2014135464A (ja) * 2012-06-15 2014-07-24 Tokyo Electron Ltd 成膜装置、基板処理装置及び成膜方法
WO2016203585A1 (ja) * 2015-06-17 2016-12-22 株式会社シンクロン 成膜方法及び成膜装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7017832B1 (ja) 2022-02-09
JPWO2022259368A1 (ja) 2022-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101284799B1 (ko) 타깃에 인가되는 rf 소스 파워에 의한 플라즈마-강화 물리 기상 증착에 대한 방법
JP4892227B2 (ja) 大面積基板のため改良型マグネトロンスパッタリングシステム
CN106256927B (zh) 成膜方法和成膜装置
TWI793218B (zh) 使用低頻偏壓作介電膜的幾何選擇性沉積的處理腔室及方法
JPH0770754A (ja) 基板を被覆する装置
KR20070098587A (ko) 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리 방법
KR20210028754A (ko) 서셉터를 회전시키기 위한 플라즈마 소스
JP2000156370A (ja) プラズマ処理方法
KR100284248B1 (ko) 스퍼터링장치
WO2008002046A1 (en) Apparatus and method for generating solid element neutral particle beam
JP2005097672A (ja) マルチカソードイオン化物理的気相成膜装置
JPH0613196A (ja) プラズマ発生方法および発生装置
WO2022259368A1 (ja) バイアス印加装置
WO2016180443A1 (en) Radio frequency (rf) - sputter deposition source, deposition apparatus and method of operating thereof
WO2023047960A1 (ja) プラズマ処理を行う装置、及びプラズマ処理を行う方法
KR101239776B1 (ko) 타깃에 인가되는 rf 소스 파워에 의한 물리 기상 증착플라즈마 반응기
WO2021199693A1 (ja) スパッタ装置及びこれを用いた成膜方法
JP2009275281A (ja) スパッタリング方法及び装置
KR101384980B1 (ko) 플라즈마 발생장치 및 이를 포함하는 박막증착장치
WO2023149323A1 (ja) プラズマ処理装置
KR20200009647A (ko) 멀티 회전식 플라즈마 발생장치
JP4871339B2 (ja) スパッタリング方法
KR102446178B1 (ko) 스퍼터링 장치
JP2023156156A (ja) 成膜方法及び成膜装置
KR20200009639A (ko) 플라즈마 공정장비의 하부캐소드 모듈

Legal Events

Date Code Title Description
ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2021576335

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 21945046

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE