JPWO2009150898A1 - 外力検知装置および配線破断検出方法 - Google Patents

外力検知装置および配線破断検出方法 Download PDF

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Abstract

外力検知装置(301)は、対応の駆動電極と駆動部(251)とを接続する1または複数の駆動配線(LD)と、対応のモニタ電極と駆動部(251)とを接続する1または複数のモニタ配線LMとを備え、駆動部(251)は、1または複数の駆動配線(LD)経由で1または複数の駆動電極へ駆動信号を出力することにより振動子(1)を駆動し、かつ1または複数のモニタ電極によって1または複数のモニタ配線LM経由で得られる振動子(1)の振動状態に基づいて駆動信号レベルをAGC制御する。外力検知装置(301)は、さらに、複数である駆動配線(LD)またはモニタ配線LMのうちの少なくとも1つの配線を介した振動子(1)および駆動部(251)間の電気経路を遮断するか否かを切り替える切り替え回路(25)を備える。

Description

本発明は、たとえば角速度を検出するのに使用される外力検知装置および外力検知装置の配線破断検出方法に関する。
近年、車両の姿勢検知、ナビゲーション装置の進行方向検知、カメラの手振れ補正、および仮想現実操作などの手段として振動ジャイロが使用されている。このような振動ジャイロの一例として、たとえば、特開2006−170620号公報(特許文献1)には、以下のようなジャイロセンサが開示されている。すなわち、互いに逆相の正弦波からなる2つの駆動信号をセンシングエレメントにおける2つの駆動電極にそれぞれ印加し、可動電極を駆動する。センシングエレメントの振動状態をモニタするための2つのモニター電極の容量変化が、それぞれCV変換部によって2つのモニタ信号に変換され、可変利得器へ出力される。可変利得器は、これら2つのモニタ信号の振幅が所定値となるように、電圧・電流変換の変換係数を制御する。
特開2006−170620号公報
ところで、特許文献1記載のジャイロセンサでは、たとえば駆動バッファと駆動電極とを接続する2つの配線のいずれか1つが断線した場合でも、センシングエレメントを正常に駆動することができてしまう。すなわち、たとえば駆動バッファと駆動電極とを接続する2つの配線のいずれか一方が破断した場合、駆動信号の振幅が半分になり、センシングエレメントの駆動レベルも半分になる。そして、可変利得器へのモニタ信号の振幅も半分になる。このとき、可変利得器は、モニタ信号が所定値になるように電圧・電流変換の変換係数を2倍にする、すなわち駆動電極への駆動信号の振幅を2倍にするため、センシングエレメントが正常に駆動される。したがって、特許文献1記載のジャイロセンサでは、駆動バッファと駆動電極とを接続する配線の断線を検出することができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、振動子に接続される配線の断線を正確に検出することが可能な外力検知装置および配線破断検出方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる外力検知装置は、駆動電極およびモニタ電極を有し、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方が複数である振動子と、振動子を駆動する駆動部と、駆動電極に対応して設けられ、対応の駆動電極と駆動部とを接続する1または複数の駆動配線と、モニタ電極に対応して設けられ、対応のモニタ電極と駆動部とを接続する1または複数のモニタ配線とを備え、駆動部は、1または複数の駆動配線経由で1または複数の駆動電極へ駆動信号を出力することにより振動子を駆動し、かつ1または複数のモニタ電極によって1または複数のモニタ配線経由で得られる振動子の振動状態に基づいて駆動信号レベルをAGC制御し、外力検知装置は、さらに、複数である駆動配線またはモニタ配線のうちの少なくとも1つの配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断するか否かを切り替える第1の切り替え回路を備える。
好ましくは、振動子は、複数の駆動電極および複数のモニタ電極を有し、第1の切り替え回路は、複数の駆動配線のうちの少なくとも1つの配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断するか否かを切り替え、外力検知装置は、さらに、複数のモニタ配線のうちの少なくとも1つの配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断するか否かを切り替える第2の切り替え回路を備える。
好ましくは、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方がN(Nは2以上の自然数)個であり、第1の切り替え回路は、N個である駆動電極またはモニタ電極に対応するN本の駆動配線またはモニタ配線のうちの(N−1)本の配線を介した振動子および駆動部間の電気経路をそれぞれ遮断するか否かを切り替える。
好ましくは、第1の切り替え回路は、電気経路を遮断するか否かを切り替えるスイッチを含む。
好ましくは、駆動配線およびモニタ配線は、ワイヤボンディングによって形成されている。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる配線破断検出方法は、駆動電極およびモニタ電極を有し、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方が複数である振動子と、振動子を駆動する駆動部と、駆動電極に対応して設けられ、対応の駆動電極と駆動部とを接続する1または複数の駆動配線と、モニタ電極に対応して設けられ、対応のモニタ電極と駆動部とを接続する1または複数のモニタ配線とを備える外力検知装置における配線破断検出方法であって、駆動部が、1または複数の駆動配線経由で1または複数の駆動電極へ駆動信号を出力することにより振動子を駆動し、かつ1または複数のモニタ電極によって1または複数のモニタ配線経由で得られる振動子の振動状態に基づいて駆動信号レベルをAGC制御するステップと、駆動信号レベルを測定するステップと、複数である駆動配線またはモニタ配線のうちの少なくとも1つの配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断するステップと、電気経路の遮断後における駆動信号レベルを測定するステップと、電気経路の遮断前後において測定した各駆動信号レベルに基づいて、複数である駆動配線またはモニタ配線の断線を検出するステップとを含む。
本発明によれば、振動子に接続される配線の断線を正確に検出することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。 振動子基板と保護基板とを接合した状態の一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置が配線の断線を検出する際の動作手順を定めたフローチャートである。 駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 モニタ配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。 駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の一例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の他の例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。 駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。図2は、振動子基板と保護基板とを接合した状態の一部を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置は、角速度検出素子としての振動子1を備えている。この振動子1は、静電駆動/容量検出型で、たとえば単結晶または多結晶の低抵抗なシリコン材料からなる振動子基板2と、この振動子基板2の主面および裏面に設けられたたとえば高抵抗なシリコン材料またはガラス材料等からなる保護基板3とを有する。そして、両基板2,3は、振動子基板2の可動部分を確保するためのキャビティ4が形成される箇所を除いてたとえば陽極接合等の接合方法により一体的に接合されている。また、キャビティ4内は振動ダンピングを低減するために真空状態あるいは低圧力状態に保たれている。
振動子基板2には、エッチング処理等の微細加工を施すことにより、第1〜第4の各質量部71〜74、駆動梁8、第1,第2モニター電極91,92、第1〜第4駆動電極101〜104、第1〜第4検出電極161〜164、および接地電極181,182などが形成されている。
ここで、図1において、振動子1の長手方向をY軸方向、これに直交する短手方向をX軸方向、両軸に共に直交する紙面に垂直な方向をZ軸方向としたとき、第1〜第4の各質量部71〜74は、部分的に接地電極181,182に接続された駆動梁8によってY軸方向に沿って直列に支持されており、これによって第1〜第4の各質量部71〜74はX軸方向に沿って振動可能な状態になっている。すなわち、第1〜第4の各質量部71〜74および駆動梁8が可動部となっており、第1,第2モニター電極91,92、第1〜第4駆動電極101〜104、および接地電極181,182が固定部となっている。
上記の第1質量部71においては、第1モニター電極91および第1,第2の駆動電極101,102の櫛歯状部分に対向するように左右に突出形成された櫛歯状の可動側電極111a,111b,111cが設けられている。
また、第2質量部72は、駆動梁8により支持された四角形の第1駆動枠121と、第1駆動枠121の内側において上下の第1検出梁131により支持された2つの四角形を連接した形状の第1検出枠141とを有する。第1駆動枠121の外側には第1質量部71に近接して上記の第1,第2駆動電極101,102の櫛歯状部分に対向した櫛歯状の可動側電極151a,151bが形成されている。また、第1検出枠141の2つの四角形部分の内側にはそれぞれ櫛歯状の第1,第2検出電極161,162にそれぞれ対向して櫛歯状の可動側電極171が形成されている。これにより、第1検出枠141は可動側電極171と共に第1検出梁131によってY軸方向に沿って振動可能な状態になっている。
上記の第4質量部74においては、第2モニター電極92および第3,第4の駆動電極103,104の櫛歯状部分に対向するように左右に突出形成された櫛歯状の可動側電極112a,112b,112cが設けられている。
また、第3質量部73は、駆動梁8により支持された四角形の第2駆動枠122と、第2駆動枠122の内側において上下の第2検出梁132により支持された2つの四角形を連接した形状の第2検出枠142とを有する。第2駆動枠122の外側には第4質量部74に近接して上記の第3,第4駆動電極103,104の櫛歯状部分に対向した櫛歯状の可動側電極152a,152bが形成されている。また、第2検出枠142の2つの四角形部分の内側にはそれぞれ櫛歯状の第3,第4検出電極163,164にそれぞれ対向して櫛歯状の可動側電極172が形成されている。これにより、第2検出枠142は可動側電極172と共に第2検出梁132によってY軸方向に沿って振動可能な状態になっている。
上記の第1,第2モニター電極91,92、第1〜第4駆動電極101〜104、第1〜第4検出電極161〜164、および接地電極181,182は、振動子基板2上の保護基板3との接合箇所の上に形成されていて固定状態になっている。そして、これらの固定側の各電極91,92、101〜104、161〜164、181,182は、図2に示すように各電極パッド5にそれぞれ個別に接続されており、これらの各電極パッド5を介して後述する外部の電気回路と電気的接続が可能になっている。なお、振動子1の可動部分は、駆動梁8を介して接地電極181,182と機械的かつ電気的に接続されていて接地電位に保たれている。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置の回路構成を示すブロック図である。
図3を参照して、外力検知装置301は、たとえば振動ジャイロであり、振動子1と、駆動部251と、検出回路203と、フィルター回路52と、位相調整回路60と、同期検波回路61と、平滑回路62と、増幅回路63と、出力調整回路64とを備える。駆動部251は、駆動回路201と、検出回路202と、フィルター回路51とを含む。駆動回路201は、反転回路21と、AGC(Automatic Gain Control)回路22と、位相調整回路23とを含む。検出回路202は、第1CV(容量電圧:Capacitance Voltage)変換回路31と、第2CV変換回路32と、第1差動増幅回路41とを含む。検出回路203は、第3CV変換回路33と、第4CV変換回路34と、第2差動増幅回路42とを含む。
第1モニター電極91は第1CV変換回路31に接続され、第2モニター電極92は第2CV変換回路32に接続されている。第1,第2CV変換回路31,32は共に第1差動増幅回路41に接続され、第1差動増幅回路41はフィルター回路51および位相調整回路23を介してAGC回路22に接続されている。また、第1差動増幅回路41の出力は、フィルター回路51を介して後述する位相調整回路60の入力部に接続されている。AGC回路22の出力部は、第2駆動電極102および第3駆動電極103に接続されるとともに、反転回路21を介して第1駆動電極101および第4駆動電極104に接続されている。
一方、第1検出電極161および第3検出電極163は共に第3CV変換回路33に接続され、また、第2検出電極162および第4検出電極164は共に第4CV変換回路34に接続されている。そして、第3,第4CV変換回路33,34は共に第2差動増幅回路42に接続されている。さらに、第2差動増幅回路42はフィルター回路52を介して後述する同期検波回路61の入力部に接続されている。
なお、上記の第1〜第4のCV変換回路31〜34としては、たとえば、電荷増幅回路およびインピーダンス変換回路などが適用される。また、第1,第2差動増幅器41,42としては、たとえば演算増幅器が適用される。
位相調整回路60は、フィルター回路51の出力信号の位相を調整し、検波参照信号S4として同期検波回路61へ出力する。
同期検波回路61は、検波参照信号S4に同期して検出信号S5の位相検波を行なうものである。この同期検波回路61には、平滑回路62および増幅回路63が順次接続されている。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置の動作について説明する。
第1,第4駆動電極101,104にはAGC回路22から出力される駆動信号S11を反転回路21でレベル反転した後の駆動信号S12が与えられる。また、第2,第3駆動電極102,103にはAGC回路22から出力される駆動信号S11がそのまま与えられる。この場合、両駆動信号S11,S12は、接地電位に対してたとえば+2.5Vのオフセット電位を基準として互いにレベルが反転関係にある交流信号である。
このため、たとえば、駆動信号S12がハイレベル、駆動信号S11がローレベルの場合、第1,第4駆動電極101,104とこれらの電極101,104に対向する可動側電極111a,151aおよび112b,152bとの静電引力は“強”の状態になる一方、第2,第3駆動電極102,103とこれらの電極102,103に対向する可動側電極111b,151bおよび112a,152aとの静電引力は“弱”の状態になる。当然、両信号S12,S11のレベルが逆の場合には、上記の説明と逆の状態になる。このため、その静電引力の差によって、第1〜第4の各質量部71〜74において隣り合う質量部どうしがX軸方向に互いに逆相で駆動されて振動する。
この振動に依存して、第1質量部71に設けられている可動側電極111cと第1モニター電極91との間の容量、および第4質量部74に設けられている可動側電極112cと第2モニター電極92との間の容量がそれぞれ変化する。
振動子1のX軸方向の駆動振動状態をモニタする第1,第2モニター電極91,92における容量変化は、第1,第2CV変換回路31,32によって各容量変化に対応した電圧レベルをもつモニタ信号S21,S22に変換される。この場合、両モニタ信号S21,S22は互いに逆相の信号であるので、次段の第1差動増幅回路41で一つのモニタ信号S2に増幅変換される。
このモニタ信号S2は、フィルター回路51で不要なノイズ成分が除かれた後、位相調整回路60へ出力されるとともに、位相調整回路23で自励発振に必要な位相調整が行われた後、AGC回路22へ出力される。AGC回路22は、AGC回路22の入力信号振幅が一定となるようにAGC回路22の増幅率を自動的に調整する。このため、第1〜第4の各駆動電極101〜104には、適切な振幅をもつ駆動信号S11,S12が常に与えられることになる。
このようにして、第1,第2モニター電極91,92で得られるモニタ信号S2から駆動信号S11,S12をそれぞれ生成し、駆動信号S11,S12を第1〜第4駆動電極に印加することにより、閉ループの自励発振回路が構成され、振動子1は駆動信号と同じ周波数の共振周波数で振動が持続される。
この状態で、Z軸を中心軸とした回転角速度が振動子1に加わると、各質量部71〜74には振動方向と直交するY軸方向にコリオリ力が発生する。そして、第1,第2検出梁131,132に支持されている第1,第2検出枠141,142は、コリオリ力によってY軸方向に互いに逆方向に駆動されてX軸方向の駆動振動と同じ周波数で振動する。この振動に依存して、第1,第2検出枠に設けられた可動側電極171,172と第1〜第4検出電極161〜164との間の容量がそれぞれ変化する。
角速度印加時に発生するコリオリ力Fは、次式で与えられる。
F=2×M×ω×v
ここで、Mは第1〜第4質量部71〜74全体の質量、ωは角速度、vは第1〜第4質量部71〜74全体の駆動振動速度である。
非共振型の振動子1においては、振動子1の構造的なY軸方向の共振周波数が駆動信号によりX軸方向に駆動される際の振動周波数と十分に離れているので、コリオリ力により生じるY軸方向の振動と駆動信号S11,S12によって駆動されるX軸方向の駆動振動とは90°の位相差を有している。このため、X軸方向に駆動振動している状態で、Y軸方向の振動が生じると、第1〜第4の各質量部71〜74は楕円運動を行なう。したがって、駆動振動に伴って第1,第2モニター電極91,92に発生する容量変化と、コリオリ力による振動に伴って各検出電極161〜164に発生する容量変化とは、90°の位相差が生じることになる。
一方、コリオリ力による振動に伴って第1,第3検出電極161,163に発生する容量変化は、第3CV変換回路33によって容量変化に対応した電圧レベルをもつ検出信号S31に変換される。同様に、コリオリ力による振動に伴って第2,第4検出電極162,164に発生する容量変化は、第4CV変換回路34によって容量変化に対応した電圧レベルをもつ検出信号S32に変換される。
この場合、第3,第4CV変換回路33,34からそれぞれ出力される検出信号S31,S32はコリオリ力に依存する成分に関しては互いに逆相の信号であるので、次段の第2差動増幅回路42で一つの検出信号S3に増幅変換される。この検出信号S3はフィルター回路52で不要なノイズ成分が除かれた後、検出信号S5として同期検波回路61へ出力される。
位相調整回路60を通過した後のモニタ信号は、次段の同期検波回路61に対して検波参照信号S4として与えられる。同期検波回路61は、この検波参照信号S4により、フィルター回路52を通過した検出信号S5を同期検波する。両信号S4,S5は位相調整回路60によってたとえば同相(あるいは逆相)になっている。この場合、同期検波回路61で同期検波された後に出力される検出信号S7は正しく半波整流された形となり、これを平滑回路62で平滑化すれば角速度の大きさに対応した所期の電圧レベルをもつ検出信号S8が得られる。そして、この検出信号S8が次段の増幅回路63で増幅された後に出力される。この増幅回路63で増幅された後の検出信号は、次段の出力調整回路64により温度ドリフトの影響および感度の温度変化の影響が除かれた後、実際の角速度を算出する図示ない演算回路に与えられる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図4を参照して、外力検知装置301は、さらに、駆動電圧監視回路24と、切り替え回路25と、断線検出回路29と、駆動配線LD1〜LD4と、モニタ配線LM1,LM2とを備える。切り替え回路25は、スイッチSWD4,SWM2を含む。
駆動配線LD1は、駆動電極101と駆動回路201における反転回路21とを接続する。駆動配線LD2は、駆動電極104と駆動回路201における反転回路21とを接続する。駆動配線LD3は、駆動電極102と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。駆動配線LD4は、駆動電極103と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。
反転回路21から出力された駆動信号S12は、駆動配線LD1経由で駆動電圧Vdr1として駆動電極101に与えられる。反転回路21から出力された駆動信号S12は、駆動配線LD2経由で駆動電圧Vdr2として駆動電極104に与えられる。AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD3経由で駆動電圧Vdr3として駆動電極102に与えられる。AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD4経由で駆動電圧Vdr4として駆動電極103に与えられる。
モニタ配線LM1は、モニター電極91と検出回路202とを接続する。モニタ配線LM2は、モニター電極92と検出回路202とを接続する。
スイッチSWD4は、駆動電極103とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD4を介した駆動電極103およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
スイッチSWM2は、モニター電極92と検出回路202との間に接続され、モニタ配線LM2を介したモニター電極92および検出回路202間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。スイッチを用いることにより、切り替え回路25の構成が簡易になる。
駆動電圧監視回路24は、AGC回路22から出力される駆動信号S11のレベルを監視する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置が配線の断線を検出する際の動作について説明する。まず、駆動配線LD1〜LD4の断線を検出する場合について説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置が配線の断線を検出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図5を参照して、まず、駆動部251は、前述のように駆動電極101〜104へ駆動信号S11およびS12を出力することにより振動子1を駆動し、かつモニター電極91および92によって得られる振動子1の振動状態に基づいて駆動信号S11およびS12の振幅を制御する(ステップS1)。
次に、駆動電圧監視回路24は、駆動配線LD4を介した振動子1および駆動回路201間の電気経路を遮断する前における駆動信号S11の振幅を測定する(ステップS2)。
次に、切り替え回路251は、駆動配線LD1〜LD4のうちの駆動配線LD4を介した振動子1および駆動回路201間の電気経路を遮断する(ステップS3)。
次に、駆動電圧監視回路24は、上記電気経路の遮断後における駆動信号S11の振幅を測定する(ステップS4)。
次に、断線検出回路29は、上記電気経路の遮断前後において測定された各駆動信号の振幅に基づいて、駆動配線LD1〜LD4の断線を検出する(ステップS5)。
図6は、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。また、スイッチSWM2はオン状態である。
図6を参照して、まず、外力検知装置301において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWD4をオフする。
駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が3/4になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4/3に変更する。すなわち、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが4/3倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が2/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD2またはLD3が断線している場合は、駆動配線LD1が断線している場合と同様に、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD4が断線している場合には、スイッチSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD4をオフしても、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅は変わらない。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を変更しない。すなわち、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しない。
このように、スイッチSWD4のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1〜LD4の断線の有無を検出することができる。さらに、駆動配線LD4が断線しているか、あるいは駆動配線LD1〜LD3のいずれかが断線しているかを判別することができる。
次に、モニタ配線LM1,LM2の断線を検出する場合について説明する。
図7は、モニタ配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、モニタ配線LM1,LM2がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。また、スイッチSWD4はオン状態である。
図7を参照して、まず、外力検知装置301において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWM2をオフする。
モニタ配線LM1,LM2がいずれも断線していない場合には、スイッチSWM2をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/2になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWM2のオフ前後で駆動信号S11のレベルが2倍になる。
モニタ配線LM1,LM2のうちモニタ配線LM1が断線している場合には、スイッチSWM2をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWM2をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が0になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅をたとえば0に変更する。すなわち、スイッチSWM2のオフ後は駆動信号S11が出力されなくなる。
モニタ配線LM1,LM2のうちモニタ配線LM2が断線している場合には、スイッチSWM2をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWM2をオフしても、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅は変わらない。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を変更しない。すなわち、スイッチSWM2のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しない。
このように、スイッチSWM2のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、モニタ配線LM1,LM2の断線の有無を検出することができる。さらに、モニタ配線LM1,LM2のいずれが断線しているかを判別することができる。
ここで、外力検知装置において、振動子がたとえば2つの駆動電極を含む場合、駆動回路から出力される駆動信号レベルを単に測定する方法では、駆動信号レベルが通常の2倍になっていることが測定されても、駆動配線またはモニタ配線が断線しているのか、外力検知装置における他の箇所に故障が生じているのかを特定することができない。また、テスト用装置に振動子を接続して測定した駆動信号レベルと、検査対象の外力検知装置に振動子を接続して測定した駆動信号レベルとを比較する方法でも、検査対象の外力検知装置における駆動配線またはモニタ配線が破断していると推定することはできても、破断を特定することはできない。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置では、各駆動電極および駆動回路間の電気経路の一部、あるいは各モニター電極および検出回路間の電気経路の一部を意図的に遮断し、遮断前後の駆動信号レベルを測定する。このような構成により、駆動配線およびモニタ配線の断線の有無ならびに断線箇所を特定することができる。
なお、駆動配線LD1〜LD4およびモニタ配線LM1,LM2がワイヤボンディングによって形成されている場合、これらの配線は破断しやすい。このような場合、配線の断線を正確に検出することができる本発明の効果は大きい。ただし、本発明は、駆動配線LD1〜LD4およびモニタ配線LM1,LM2がフリップチップボンディングによって形成されている場合にも適用することが可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置では、静電駆動/容量検出型の振動子1を備えた振動ジャイロについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、単結晶の圧電材料からなる音片型振動子を備えた振動ジャイロ、および音叉型振動子を備えた振動ジャイロについても適用することが可能である。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べてスイッチを追加した外力検知装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る外力検知装置と同様である。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図8を参照して、外力検知装置302は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べて、切り替え回路25の代わりに切り替え回路26を含む。切り替え回路26は、スイッチSWD2〜SWD4,SWM2を含む。
スイッチSWD2は、駆動電極104とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD2を介した駆動電極104およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
スイッチSWD3は、駆動電極102とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD3を介した駆動電極102およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る外力検知装置が駆動配線LD1〜LD4の断線を検出する際の動作について説明する。
図9は、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。また、スイッチSWM2はオン状態である。
図9を参照して、まず、外力検知装置302において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWD3およびSWD4をオフする。
駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD3およびSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/2になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD3およびSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD3およびSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4に変更する。すなわち、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD2が断線している場合は、駆動配線LD1が断線している場合と同様に、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD3が断線している場合には、スイッチSWD3およびSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD3およびSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が2/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD4が断線している場合は、駆動配線LD3が断線している場合と同様に、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
このように、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1〜LD4の断線の有無を検出することができる。さらに、駆動配線LD1またはLD2が断線しているか、あるいは駆動配線LD3またはLD4が断線しているかを判別することができる。
図10は、図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の一例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。
図10を参照して、図9に示す断線検出により、駆動配線LD1またはLD2が断線していることが判別された場合、スイッチSWD3およびSWD4に加えて、スイッチSWD2をオフする。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD2〜SWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD2〜SWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が0になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅をたとえば0に変更する。すなわち、スイッチSWD2〜SWD4のオフ後は駆動信号S11が出力されなくなる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD2が断線している場合には、スイッチSWD2〜SWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD2〜SWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4に変更する。すなわち、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
このように、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別することができる。
なお、駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD2〜SWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4に変更する。すなわち、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが4倍になる。
また、駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD3またはLD4が断線している場合は、駆動配線LD2が断線している場合と同様に、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
図11は、図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の他の例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。
図11を参照して、図9に示す断線検出により、駆動配線LD1またはLD2が断線していることが判別された場合において、スイッチSWD3およびSWD4をオンした状態で、スイッチSWD2をオン・オフしても、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別することができる。すなわち、駆動配線LD1が断線している場合にはスイッチSWD2のオフ前後で駆動信号S11のレベルは3/2倍になり、駆動配線LD2が断線している場合にはスイッチSWD2のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しないことから、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別することができる。
なお、図9に示す断線検出により、駆動配線LD3またはLD4が断線していることが判別された場合には、スイッチSWD2およびSWD3をオンした状態で、スイッチSWD4をオン・オフしても、駆動配線LD3およびLD4のいずれが断線しているかを判別することができる。
また、スイッチSWD2およびSWD4をオンした状態で、スイッチSWD3をオン・オフしても、駆動配線LD3およびLD4のいずれが断線しているかを判別することができる。
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る外力検知装置では、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べて、駆動配線LD1〜LD4のいずれの配線が断線しているのかを特定することができる。すなわち、駆動配線またはモニタ配線がN(Nは2以上の自然数)本設けられている場合において、(N−1)本の配線に対応する(N−1)個のスイッチを設けることにより、N本の配線の断線箇所を特定することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べて振動子の構造を変更した外力検知装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る外力検知装置と同様である。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。
図12を参照して、振動子501において、四辺形の支持枠507の内側には、互いに対向する支持部571,572が設けられている。振動体511の外枠振動部516は、支持部571,572の先端部に支持部571,572と直交する方向に伸長して設けた外梁516a,516bの両端により支持されている。外枠振動部516の内側には、支持部571と支持部572とを結ぶ方向に対して直交する位置に、内側に向けてかつ対向して突出部516c,516dが設けられている。この突出部516c,516dの先端部には、外梁516a,516bの延長方向と直交する方向に伸長して内梁517a,517bが設けられている。この内梁517a,517bの両端には、内枠振動部517が支持されている。内枠振動部517の内側には、支持枠507の支持部571と支持部572とを結ぶ方向に伸びた質量部517cが設けられている。
外枠振動部516には、外梁516a,516bの伸長方向の両外縁に、駆動電極部512及び駆動電極部513が設けられている。この駆動電極部512,513は、外枠振動部516に形成された板状の外枠可動櫛形電極512a,513aと、この外枠可動櫛形電極512a,513aに微少空間を介して対向した板状の外枠駆動櫛形電極512b,513bと、この外枠駆動櫛形電極512b,513bを支持する外枠固定電極512c,513cから構成されている。また、内枠振動部517の内側には、質量部517cの左右に検出電極部514,515が設けられている。この検出電極部514,515は、質量部517cに植設された板状の内枠可動櫛形電極514a,515aと、この内枠可動櫛形電極514a,515aに微少空間を介して対向した板状の内枠検出櫛形電極514b,515bと、この内枠検出櫛形電極514b,515bを支持する内枠固定電極514c,515cとから構成されている。
図12では、振動子501の支持基板及び蓋基板を図示していないが、支持枠507、外枠固定電極512c,513c及び内枠固定電極514c,515cは、支持基板に固定され、その他の支持部571,572、振動体511の全体、櫛形電極512,513,514,515については、支持基板及び蓋基板との間に空隙が設けられ、振動体511が自由振動可能となっている。蓋基板は、支持枠507と接して振動子501を被覆している。また、振動子501は、図面と垂直な方向に厚みを有し、特に、上述の櫛形電極512a〜515a部分は、厚み方向の板状表面が微少空間を介して対向し、静電容量を有する構成となっている。また、外枠固定電極512c,513c及び内枠固定電極514c,515cは、支持基板に形成したビアホールを介して支持基板外部と電気的に接続されている。
また、モニター電極部518は、駆動電極部513に隣接して外枠振動部516に設けられている。このモニター電極部518は、外枠振動部516に板状の連結電極518aで結合された板状のモニタ可動櫛形電極518b,518cと、この2つのモニタ可動櫛形電極518bおよびモニタ可動櫛形電極518c間に介在しかつ微少空間を介してモニタ可動櫛形電極518b,518cと対向した板状のモニタ固定櫛形電極518dと、このモニタ固定櫛形電極518dを支持するモニタ固定電極518eとから構成されている。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図13を参照して、外力検知装置303は、駆動電圧監視回路24と、切り替え回路27と、駆動配線LD1,LD3と、モニタ配線LM1とを備える。切り替え回路27は、スイッチSWD3を含む。
駆動配線LD1は、駆動電極部512と駆動回路201における反転回路21とを接続する。駆動配線LD3は、駆動電極部513と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。
反転回路21から出力された駆動信号S12は、駆動配線LD1経由で駆動電圧Vdr1として駆動電極部512に与えられる。AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD3経由で駆動電圧Vdr3として駆動電極部513に与えられる。
モニタ配線LM1は、モニター電極部518と検出回路202とを接続する。
スイッチSWD3は、駆動電極部513とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD3を介した駆動電極部513およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る外力検知装置が駆動配線LD1およびLD3の断線を検出する場合について説明する。
図14は、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、駆動配線LD1,LD3がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。
図14を参照して、まず、外力検知装置303において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWD3をオフする。
駆動配線LD1,LD3がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD3をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/2になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD3のオフ前後で駆動信号S11のレベルが2倍になる。
駆動配線LD1,LD3のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD3をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWD3をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が0になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅をたとえば0に変更する。すなわち、スイッチSWD3のオフ後は駆動信号S11が出力されなくなる。
駆動配線LD1,LD3のうち駆動配線LD3が断線している場合には、スイッチSWD3をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWD3をオフしても、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅は変わらない。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を変更しない。すなわち、スイッチSWD3のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しない。
このように、スイッチSWD3のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1,LD3の断線の有無を検出することができる。さらに、駆動配線LD1,LD3のいずれが断線しているかを判別することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第3の実施の形態に係る外力検知装置と比べて振動子の構造を変更した外力検知装置に関する。以下で説明する内容以外は第3の実施の形態に係る外力検知装置と同様である。
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。
図15を参照して、振動子502は、本発明の第3の実施の形態に係る振動子501と比べて、さらに、モニター電極部519を含む。
モニター電極部519は、駆動電極部512に隣接して外枠振動部516に設けられている。このモニター電極部519は、外枠振動部516に板状の連結電極519aで結合された板状のモニタ可動櫛形電極519b,519cと、この2つのモニタ可動櫛形電極519bおよびモニタ可動櫛形電極519c間に介在しかつ微少空間を介してモニタ可動櫛形電極519b,519cと対向した板状のモニタ固定櫛形電極519dと、このモニタ固定櫛形電極519dを支持するモニタ固定電極519eから構成されている。
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図16を参照して、外力検知装置304は、駆動電圧監視回路24と、切り替え回路28と、駆動配線LD3と、モニタ配線LM1,LM2とを備える。切り替え回路28は、スイッチSWM2を含む。
振動子502では、駆動電極部512および513が図示しない外部電極によって接続されている。
駆動配線LD3は、駆動電極部512および513と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。
AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD3経由で駆動電圧Vdr3として駆動電極部512および513に与えられる。
モニタ配線LM1は、モニター電極部518と検出回路202とを接続する。モニタ配線LM2は、モニター電極部519と検出回路202とを接続する。
スイッチSWM2は、モニター電極部519と検出回路202との間に接続され、モニタ配線LM2を介したモニター電極部519および検出回路202間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
モニタ配線LM1,LM2の断線を検出する方法については、本発明の第1の実施の形態において図7を用いて説明した内容と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 振動子、2 振動子基板、3 保護基板、4 キャビティ、8 駆動梁、71〜74 第1〜第4の各質量部、91,92 第1,第2モニター電極、101〜104 第1〜第4駆動電極、161〜164 第1〜第4検出電極、181,182 接地電極、251 駆動部、203 検出回路、52 フィルター回路、60 位相調整回路、61 同期検波回路、62 平滑回路、63 増幅回路、64 出力調整回路、201 駆動回路、202 検出回路、51 フィルター回路、21 反転回路、22 AGC回路、23 位相調整回路、31 第1CV変換回路、32 第2CV変換回路、41 第1差動増幅回路、33 第3CV変換回路、34 第4CV変換回路、42 第2差動増幅回路、301〜304 外力検知装置、24 駆動電圧監視回路、25,26,27,28 切り替え回路、29 断線検出回路、LD1〜LD4 駆動配線、LM1,LM2 モニタ配線、SWD2〜SWD4,SWM2 スイッチ、501 振動子、511 振動体、516 外枠振動部、571,572 支持部、516a,516b 外梁、516c,516d 突出部、517 内枠振動部、517a,517b 内梁、507 支持枠、517c 質量部、512,513 駆動電極部、512a,513a 外枠可動櫛形電極、512b,513b 外枠駆動櫛形電極、512c,513c 外枠固定電極、514,515 検出電極部、514a,515a 内枠可動櫛形電極、514b,515b 内枠検出櫛形電極、514c,515c 内枠固定電極、518,519 モニター電極部、518a,519a 連結電極、518b,518c,519b,519c モニタ可動櫛形電極、518d,519d モニタ固定櫛形電極、518e,519e モニタ固定電極。
本発明は、たとえば角速度を検出するのに使用される外力検知装置および外力検知装置の配線破断検出方法に関する。
近年、車両の姿勢検知、ナビゲーション装置の進行方向検知、カメラの手振れ補正、および仮想現実操作などの手段として振動ジャイロが使用されている。このような振動ジャイロの一例として、たとえば、特許文献1には、以下のようなジャイロセンサが開示されている。すなわち、互いに逆相の正弦波からなる2つの駆動信号をセンシングエレメントにおける2つの駆動電極にそれぞれ印加し、可動電極を駆動する。センシングエレメントの振動状態をモニタするための2つのモニター電極の容量変化が、それぞれCV変換部によって2つのモニタ信号に変換され、可変利得器へ出力される。可変利得器は、これら2つのモニタ信号の振幅が所定値となるように、電圧・電流変換の変換係数を制御する。
特開2006−170620号公報
ところで、特許文献1記載のジャイロセンサでは、たとえば駆動バッファと駆動電極とを接続する2つの配線のいずれか1つが断線した場合でも、センシングエレメントを正常に駆動することができてしまう。すなわち、たとえば駆動バッファと駆動電極とを接続する2つの配線のいずれか一方が破断した場合、駆動信号の振幅が半分になり、センシングエレメントの駆動レベルも半分になる。そして、可変利得器へのモニタ信号の振幅も半分になる。このとき、可変利得器は、モニタ信号が所定値になるように電圧・電流変換の変換係数を2倍にする、すなわち駆動電極への駆動信号の振幅を2倍にするため、センシングエレメントが正常に駆動される。したがって、特許文献1記載のジャイロセンサでは、駆動バッファと駆動電極とを接続する配線の断線を検出することができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、振動子に接続される配線の断線を正確に検出することが可能な外力検知装置および配線破断検出方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる外力検知装置は、駆動電極およびモニタ電極を有し、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方が複数である振動子と、振動子を駆動する駆動部と、駆動電極に対応して設けられ、対応の駆動電極と駆動部とを接続する1または複数の駆動配線と、モニタ電極に対応して設けられ、対応のモニタ電極と駆動部とを接続する1または複数のモニタ配線とを備えたものである。駆動部は、1または複数の駆動配線経由で1または複数の駆動電極へ駆動信号を出力することにより振動子を駆動し、かつ1または複数のモニタ電極によって1または複数のモニタ配線経由で得られる振動子の振動状態に基づいて駆動信号レベルをAGC制御する。外力検知装置は、さらに、振動子と駆動部の間に複数である駆動配線またはモニタ配線のうちの1つの配線と直列接続され、複数である駆動配線またはモニタ配線の断線を検出する断線検出動作時にオフされて、1つの配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断する第1のスイッチを備える。複数である駆動配線またはモニタ配線の断線は、電気経路の遮断前後における駆動信号レベルの変化に基いて検出される。
好ましくは、振動子は、複数の駆動電極および複数のモニタ電極を有する。第1のスイッチは、振動子と駆動部の間に複数の駆動配線のうちの1つの駆動配線と直列接続され、断線検出動作時において複数の駆動配線の断線を検出するときにオフされて、1つの駆動配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断する外力検知装置は、さらに、振動子と駆動部の間に複数のモニタ配線のうちの1つのモニタ配線と直列接続され、断線検出動作時において複数のモニタ配線の断線を検出するときにオフされて、1つのモニタ配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断する第2のスイッチを備える。
好ましくは、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方がN(Nは2以上の自然数)個である。第1のスイッチは、N個である駆動電極またはモニタ電極に対応するN本の駆動配線またはモニタ配線のうちのM(ただし、MはNよりも小さな2以上の自然数である)本の配線に対応してM個設けられる。各第1のスイッチは、振動子および駆動部間に対応の配線と直列接続される。
好ましくは、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方がN(Nは2以上の自然数)個である。第1のスイッチは、N個である駆動電極またはモニタ電極に対応するN本の駆動配線またはモニタ配線のうちの(N−1)本の配線に対応して(N−1)個設けられる。各第1のスイッチは、振動子および駆動部間に対応の配線と直列接続される。
好ましくは、電気経路の遮断前後における駆動信号レベルを検出する検出回路を備え、複数である駆動配線またはモニタ配線の断線は検出回路の検出結果に基いて検出される
好ましくは、駆動配線およびモニタ配線の各々は、ワイヤボンディングによって形成されている。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる配線破断検出方法は、駆動電極およびモニタ電極を有し、駆動電極およびモニタ電極の少なくとも一方が複数である振動子と、振動子を駆動する駆動部と、駆動電極に対応して設けられ、対応の駆動電極と駆動部とを接続する1または複数の駆動配線と、モニタ電極に対応して設けられ、対応のモニタ電極と駆動部とを接続する1または複数のモニタ配線とを備える外力検知装置における配線破断検出方法であって、駆動部が、1または複数の駆動配線経由で1または複数の駆動電極へ駆動信号を出力することにより振動子を駆動し、かつ1または複数のモニタ電極によって1または複数のモニタ配線経由で得られる振動子の振動状態に基づいて駆動信号レベルをAGC制御するステップと、駆動信号レベルを測定するステップと、複数である駆動配線またはモニタ配線のうちの少なくとも1つの配線を介した振動子および駆動部間の電気経路を遮断するステップと、電気経路の遮断後における駆動信号レベルを測定するステップと、電気経路の遮断前後において測定した各駆動信号レベルに基づいて、複数である駆動配線またはモニタ配線の断線を検出するステップとを含む。
本発明によれば、振動子に接続される配線の断線を正確に検出することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。 振動子基板と保護基板とを接合した状態の一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置が配線の断線を検出する際の動作手順を定めたフローチャートである。 駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 モニタ配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。 駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の一例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の他の例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。 駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。図2は、振動子基板と保護基板とを接合した状態の一部を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置は、角速度検出素子としての振動子1を備えている。この振動子1は、静電駆動/容量検出型で、かつ非共振型のものであって、たとえば単結晶または多結晶の低抵抗なシリコン材料からなる振動子基板2と、この振動子基板2の主面および裏面に設けられたたとえば高抵抗なシリコン材料またはガラス材料等からなる保護基板3とを有する。そして、両基板2,3は、振動子基板2の可動部分を確保するためのキャビティ4が形成される箇所を除いてたとえば陽極接合等の接合方法により一体的に接合されている。また、キャビティ4内は振動ダンピングを低減するために真空状態あるいは低圧力状態に保たれている。
振動子基板2には、エッチング処理等の微細加工を施すことにより、第1〜第4の各質量部71〜74、駆動梁8、第1,第2モニター電極91,92、第1〜第4駆動電極101〜104、第1〜第4検出電極161〜164、および接地電極181,182などが形成されている。
ここで、図1において、振動子1の長手方向をY軸方向、これに直交する短手方向をX軸方向、両軸に共に直交する紙面に垂直な方向をZ軸方向としたとき、第1〜第4の各質量部71〜74は、部分的に接地電極181,182に接続された駆動梁8によってY軸方向に沿って直列に支持されており、これによって第1〜第4の各質量部71〜74はX軸方向に沿って振動可能な状態になっている。すなわち、第1〜第4の各質量部71〜74および駆動梁8が可動部となっており、第1,第2モニター電極91,92、第1〜第4駆動電極101〜104、および接地電極181,182が固定部となっている。
上記の第1質量部71においては、第1モニター電極91および第1,第2の駆動電極101,102の櫛歯状部分に対向するように左右に突出形成された櫛歯状の可動側電極111a,111b,111cが設けられている。
また、第2質量部72は、駆動梁8により支持された四角形の第1駆動枠121と、第1駆動枠121の内側において上下の第1検出梁131により支持された2つの四角形を連接した形状の第1検出枠141とを有する。第1駆動枠121の外側には第1質量部71に近接して上記の第1,第2駆動電極101,102の櫛歯状部分に対向した櫛歯状の可動側電極151a,151bが形成されている。また、第1検出枠141の2つの四角形部分の内側にはそれぞれ櫛歯状の第1,第2検出電極161,162にそれぞれ対向して櫛歯状の可動側電極171が形成されている。これにより、第1検出枠141は可動側電極171と共に第1検出梁131によってY軸方向に沿って振動可能な状態になっている。
上記の第4質量部74においては、第2モニター電極92および第3,第4の駆動電極103,104の櫛歯状部分に対向するように左右に突出形成された櫛歯状の可動側電極112a,112b,112cが設けられている。
また、第3質量部73は、駆動梁8により支持された四角形の第2駆動枠122と、第2駆動枠122の内側において上下の第2検出梁132により支持された2つの四角形を連接した形状の第2検出枠142とを有する。第2駆動枠122の外側には第4質量部74に近接して上記の第3,第4駆動電極103,104の櫛歯状部分に対向した櫛歯状の可動側電極152a,152bが形成されている。また、第2検出枠142の2つの四角形部分の内側にはそれぞれ櫛歯状の第3,第4検出電極163,164にそれぞれ対向して櫛歯状の可動側電極172が形成されている。これにより、第2検出枠142は可動側電極172と共に第2検出梁132によってY軸方向に沿って振動可能な状態になっている。
上記の第1,第2モニター電極91,92、第1〜第4駆動電極101〜104、第1〜第4検出電極161〜164、および接地電極181,182は、振動子基板2上の保護基板3との接合箇所の上に形成されていて固定状態になっている。そして、これらの固定側の各電極91,92、101〜104、161〜164、181,182は、図2に示すように各電極パッド5にそれぞれ個別に接続されており、これらの各電極パッド5を介して後述する外部の電気回路と電気的接続が可能になっている。なお、振動子1の可動部分は、駆動梁8を介して接地電極181,182と機械的かつ電気的に接続されていて接地電位に保たれている。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置の回路構成を示すブロック図である。
図3を参照して、外力検知装置301は、たとえば振動ジャイロであり、振動子1と、駆動部251と、検出回路203と、フィルター回路52と、位相調整回路60と、同期検波回路61と、平滑回路62と、増幅回路63と、出力調整回路64とを備える。駆動部251は、駆動回路201と、検出回路202と、フィルター回路51とを含む。駆動回路201は、反転回路21と、AGC(Automatic Gain Control)回路22と、位相調整回路23とを含む。検出回路202は、第1CV(容量電圧:Capacitance Voltage)変換回路31と、第2CV変換回路32と、第1差動増幅回路41とを含む。検出回路203は、第3CV変換回路33と、第4CV変換回路34と、第2差動増幅回路42とを含む。
第1モニター電極91は第1CV変換回路31に接続され、第2モニター電極92は第2CV変換回路32に接続されている。第1,第2CV変換回路31,32は共に第1差動増幅回路41に接続され、第1差動増幅回路41はフィルター回路51および位相調整回路23を介してAGC回路22に接続されている。また、第1差動増幅回路41の出力は、フィルター回路51を介して後述する位相調整回路60の入力部に接続されている。AGC回路22の出力部は、第2駆動電極102および第3駆動電極103に接続されるとともに、反転回路21を介して第1駆動電極101および第4駆動電極104に接続されている。
一方、第1検出電極161および第3検出電極163は共に第3CV変換回路33に接続され、また、第2検出電極162および第4検出電極164は共に第4CV変換回路34に接続されている。そして、第3,第4CV変換回路33,34は共に第2差動増幅回路42に接続されている。さらに、第2差動増幅回路42はフィルター回路52を介して後述する同期検波回路61の入力部に接続されている。
なお、上記の第1〜第4のCV変換回路31〜34としては、たとえば、電荷増幅回路およびインピーダンス変換回路などが適用される。また、第1,第2差動増幅器41,42としては、たとえば演算増幅器が適用される。
位相調整回路60は、フィルター回路51の出力信号の位相を調整し、検波参照信号S4として同期検波回路61へ出力する。
同期検波回路61は、検波参照信号S4に同期して検出信号S5の位相検波を行なうものである。この同期検波回路61には、平滑回路62および増幅回路63が順次接続されている。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置の動作について説明する。
第1,第4駆動電極101,104にはAGC回路22から出力される駆動信号S11を反転回路21でレベル反転した後の駆動信号S12が与えられる。また、第2,第3駆動電極102,103にはAGC回路22から出力される駆動信号S11がそのまま与えられる。この場合、両駆動信号S11,S12は、接地電位に対してたとえば+2.5Vのオフセット電位を基準として互いにレベルが反転関係にある交流信号である。
このため、たとえば、駆動信号S12がハイレベル、駆動信号S11がローレベルの場合、第1,第4駆動電極101,104とこれらの電極101,104に対向する可動側電極111a,151aおよび112b,152bとの静電引力は“強”の状態になる一方、第2,第3駆動電極102,103とこれらの電極102,103に対向する可動側電極111b,151bおよび112a,152aとの静電引力は“弱”の状態になる。当然、両信号S12,S11のレベルが逆の場合には、上記の説明と逆の状態になる。このため、その静電引力の差によって、第1〜第4の各質量部71〜74において隣り合う質量部どうしがX軸方向に互いに逆相で駆動されて振動する。
この振動に依存して、第1質量部71に設けられている可動側電極111cと第1モニター電極91との間の容量、および第4質量部74に設けられている可動側電極112cと第2モニター電極92との間の容量がそれぞれ変化する。
振動子1のX軸方向の駆動振動状態をモニタする第1,第2モニター電極91,92における容量変化は、第1,第2CV変換回路31,32によって各容量変化に対応した電圧レベルをもつモニタ信号S21,S22に変換される。この場合、両モニタ信号S21,S22は互いに逆相の信号であるので、次段の第1差動増幅回路41で一つのモニタ信号S2に増幅変換される。
このモニタ信号S2は、フィルター回路51で不要なノイズ成分が除かれた後、位相調整回路60へ出力されるとともに、位相調整回路23で自励発振に必要な位相調整が行われた後、AGC回路22へ出力される。AGC回路22は、AGC回路22の入力信号振幅が一定となるようにAGC回路22の増幅率を自動的に調整する。このため、第1〜第4の各駆動電極101〜104には、適切な振幅をもつ駆動信号S11,S12が常に与えられることになる。
このようにして、第1,第2モニター電極91,92で得られるモニタ信号S2から駆動信号S11,S12をそれぞれ生成し、駆動信号S11,S12を第1〜第4駆動電極に印加することにより、閉ループの自励発振回路が構成され、振動子1は駆動信号と同じ周波数の共振周波数で振動が持続される。
この状態で、Z軸を中心軸とした回転角速度が振動子1に加わると、各質量部71〜74には振動方向と直交するY軸方向にコリオリ力が発生する。そして、第1,第2検出梁131,132に支持されている第1,第2検出枠141,142は、コリオリ力によってY軸方向に互いに逆方向に駆動されてX軸方向の駆動振動と同じ周波数で振動する。この振動に依存して、第1,第2検出枠に設けられた可動側電極171,172と第1〜第4検出電極161〜164との間の容量がそれぞれ変化する。
角速度印加時に発生するコリオリ力Fは、次式で与えられる。
F=2×M×ω×v
ここで、Mは第1〜第4質量部71〜74全体の質量、ωは角速度、vは第1〜第4質量部71〜74全体の駆動振動速度である。
非共振型の振動子1においては、振動子1の構造的なY軸方向の共振周波数が駆動信号によりX軸方向に駆動される際の振動周波数と十分に離れているので、コリオリ力により生じるY軸方向の振動と駆動信号S11,S12によって駆動されるX軸方向の駆動振動とは90°の位相差を有している。このため、X軸方向に駆動振動している状態で、Y軸方向の振動が生じると、第1〜第4の各質量部71〜74は楕円運動を行なう。したがって、駆動振動に伴って第1,第2モニター電極91,92に発生する容量変化と、コリオリ力による振動に伴って各検出電極161〜164に発生する容量変化とは、90°の位相差が生じることになる。
一方、コリオリ力による振動に伴って第1,第3検出電極161,163に発生する容量変化は、第3CV変換回路33によって容量変化に対応した電圧レベルをもつ検出信号S31に変換される。同様に、コリオリ力による振動に伴って第2,第4検出電極162,164に発生する容量変化は、第4CV変換回路34によって容量変化に対応した電圧レベルをもつ検出信号S32に変換される。
この場合、第3,第4CV変換回路33,34からそれぞれ出力される検出信号S31,S32はコリオリ力に依存する成分に関しては互いに逆相の信号であるので、次段の第2差動増幅回路42で一つの検出信号S3に増幅変換される。この検出信号S3はフィルター回路52で不要なノイズ成分が除かれた後、検出信号S5として同期検波回路61へ出力される。
位相調整回路60を通過した後のモニタ信号は、次段の同期検波回路61に対して検波参照信号S4として与えられる。同期検波回路61は、この検波参照信号S4により、フィルター回路52を通過した検出信号S5を同期検波する。両信号S4,S5は位相調整回路60によってたとえば同相(あるいは逆相)になっている。この場合、同期検波回路61で同期検波された後に出力される検出信号S7は正しく半波整流された形となり、これを平滑回路62で平滑化すれば角速度の大きさに対応した所期の電圧レベルをもつ検出信号S8が得られる。そして、この検出信号S8が次段の増幅回路63で増幅された後に出力される。この増幅回路63で増幅された後の検出信号は、次段の出力調整回路64により温度ドリフトの影響および感度の温度変化の影響が除かれた後、実際の角速度を算出する図示ない演算回路に与えられる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図4を参照して、外力検知装置301は、さらに、駆動電圧監視回路24と、切り替え回路25と、断線検出回路29と、駆動配線LD1〜LD4と、モニタ配線LM1,LM2とを備える。切り替え回路25は、スイッチSWD4,SWM2を含む。
駆動配線LD1は、駆動電極101と駆動回路201における反転回路21とを接続する。駆動配線LD2は、駆動電極104と駆動回路201における反転回路21とを接続する。駆動配線LD3は、駆動電極102と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。駆動配線LD4は、駆動電極103と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。
反転回路21から出力された駆動信号S12は、駆動配線LD1経由で駆動電圧Vdr1として駆動電極101に与えられる。反転回路21から出力された駆動信号S12は、駆動配線LD2経由で駆動電圧Vdr2として駆動電極104に与えられる。AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD3経由で駆動電圧Vdr3として駆動電極102に与えられる。AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD4経由で駆動電圧Vdr4として駆動電極103に与えられる。
モニタ配線LM1は、モニター電極91と検出回路202とを接続する。モニタ配線LM2は、モニター電極92と検出回路202とを接続する。
スイッチSWD4は、駆動電極103とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD4を介した駆動電極103およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
スイッチSWM2は、モニター電極92と検出回路202との間に接続され、モニタ配線LM2を介したモニター電極92および検出回路202間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。スイッチを用いることにより、切り替え回路25の構成が簡易になる。
駆動電圧監視回路24は、AGC回路22から出力される駆動信号S11のレベルを監視する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置が配線の断線を検出する際の動作について説明する。まず、駆動配線LD1〜LD4の断線を検出する場合について説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置が配線の断線を検出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図5を参照して、まず、駆動部251は、前述のように駆動電極101〜104へ駆動信号S11およびS12を出力することにより振動子1を駆動し、かつモニター電極91および92によって得られる振動子1の振動状態に基づいて駆動信号S11およびS12の振幅を制御する(ステップS1)。
次に、駆動電圧監視回路24は、駆動配線LD4を介した振動子1および駆動回路201間の電気経路を遮断する前における駆動信号S11の振幅を測定する(ステップS2)。
次に、切り替え回路25は、駆動配線LD1〜LD4のうちの駆動配線LD4を介した振動子1および駆動回路201間の電気経路を遮断する(ステップS3)。
次に、駆動電圧監視回路24は、上記電気経路の遮断後における駆動信号S11の振幅を測定する(ステップS4)。
次に、断線検出回路29は、上記電気経路の遮断前後において測定された各駆動信号の振幅に基づいて、駆動配線LD1〜LD4の断線を検出する(ステップS5)。
図6は、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。また、スイッチSWM2はオン状態である。
図6を参照して、まず、外力検知装置301において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWD4をオフする。
駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が3/4になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4/3に変更する。すなわち、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが4/3倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が2/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD2またはLD3が断線している場合は、駆動配線LD1が断線している場合と同様に、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD4が断線している場合には、スイッチSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD4をオフしても、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅は変わらない。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を変更しない。すなわち、スイッチSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しない。
このように、スイッチSWD4のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1〜LD4の断線の有無を検出することができる。さらに、駆動配線LD4が断線しているか、あるいは駆動配線LD1〜LD3のいずれかが断線しているかを判別することができる。
次に、モニタ配線LM1,LM2の断線を検出する場合について説明する。
図7は、モニタ配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、モニタ配線LM1,LM2がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。また、スイッチSWD4はオン状態である。
図7を参照して、まず、外力検知装置301において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWM2をオフする。
モニタ配線LM1,LM2がいずれも断線していない場合には、スイッチSWM2をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/2になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWM2のオフ前後で駆動信号S11のレベルが2倍になる。
モニタ配線LM1,LM2のうちモニタ配線LM1が断線している場合には、スイッチSWM2をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWM2をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が0になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅をたとえば0に変更する。すなわち、スイッチSWM2のオフ後は駆動信号S11が出力されなくなる。
モニタ配線LM1,LM2のうちモニタ配線LM2が断線している場合には、スイッチSWM2をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWM2をオフしても、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅は変わらない。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を変更しない。すなわち、スイッチSWM2のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しない。
このように、スイッチSWM2のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、モニタ配線LM1,LM2の断線の有無を検出することができる。さらに、モニタ配線LM1,LM2のいずれが断線しているかを判別することができる。
ここで、外力検知装置において、振動子がたとえば2つの駆動電極を含む場合、駆動回路から出力される駆動信号レベルを単に測定する方法では、駆動信号レベルが通常の2倍になっていることが測定されても、駆動配線またはモニタ配線が断線しているのか、外力検知装置における他の箇所に故障が生じているのかを特定することができない。また、テスト用装置に振動子を接続して測定した駆動信号レベルと、検査対象の外力検知装置に振動子を接続して測定した駆動信号レベルとを比較する方法でも、検査対象の外力検知装置における駆動配線またはモニタ配線が破断していると推定することはできても、破断を特定することはできない。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置では、各駆動電極および駆動回路間の電気経路の一部、あるいは各モニター電極および検出回路間の電気経路の一部を意図的に遮断し、遮断前後の駆動信号レベルを測定する。このような構成により、駆動配線およびモニタ配線の断線の有無ならびに断線箇所を特定することができる。
なお、駆動配線LD1〜LD4およびモニタ配線LM1,LM2がワイヤボンディングによって形成されている場合、これらの配線は破断しやすい。このような場合、配線の断線を正確に検出することができる本発明の効果は大きい。ただし、本発明は、駆動配線LD1〜LD4およびモニタ配線LM1,LM2がフリップチップボンディングによって形成されている場合にも適用することが可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置では、静電駆動/容量検出型の振動子1を備えた振動ジャイロについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、単結晶の圧電材料からなる音片型振動子を備えた振動ジャイロ、および音叉型振動子を備えた振動ジャイロについても適用することが可能である。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べてスイッチを追加した外力検知装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る外力検知装置と同様である。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図8を参照して、外力検知装置302は、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べて、切り替え回路25の代わりに切り替え回路26を含む。切り替え回路26は、スイッチSWD2〜SWD4,SWM2を含む。
スイッチSWD2は、駆動電極104とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD2を介した駆動電極104およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
スイッチSWD3は、駆動電極102とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD3を介した駆動電極102およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る外力検知装置が駆動配線LD1〜LD4の断線を検出する際の動作について説明する。
図9は、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。また、スイッチSWM2はオン状態である。
図9を参照して、まず、外力検知装置302において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWD3およびSWD4をオフする。
駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD3およびSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/2になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD3およびSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD3およびSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4に変更する。すなわち、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD2が断線している場合は、駆動配線LD1が断線している場合と同様に、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD3が断線している場合には、スイッチSWD3およびSWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD3およびSWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が2/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD4が断線している場合は、駆動配線LD3が断線している場合と同様に、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3/2倍になる。
このように、スイッチSWD3およびSWD4のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1〜LD4の断線の有無を検出することができる。さらに、駆動配線LD1またはLD2が断線しているか、あるいは駆動配線LD3またはLD4が断線しているかを判別することができる。
図10は、図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の一例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。
図10を参照して、図9に示す断線検出により、駆動配線LD1またはLD2が断線していることが判別された場合、スイッチSWD3およびSWD4に加えて、スイッチSWD2をオフする。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD2〜SWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD2〜SWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が0になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅をたとえば0に変更する。すなわち、スイッチSWD2〜SWD4のオフ後は駆動信号S11が出力されなくなる。
駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD2が断線している場合には、スイッチSWD2〜SWD4をオフする前の駆動信号S11の振幅は4/3である。そして、スイッチSWD2〜SWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4に変更する。すなわち、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
このように、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別することができる。
なお、駆動配線LD1〜LD4がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD2〜SWD4をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/3になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を4に変更する。すなわち、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが4倍になる。
また、駆動配線LD1〜LD4のうち駆動配線LD3またはLD4が断線している場合は、駆動配線LD2が断線している場合と同様に、スイッチSWD2〜SWD4のオフ前後で駆動信号S11のレベルが3倍になる。
図11は、図9に示す断線検出を行なった後で、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別する方法の他の例を示す、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。
図11を参照して、図9に示す断線検出により、駆動配線LD1またはLD2が断線していることが判別された場合において、スイッチSWD3およびSWD4をオンした状態で、スイッチSWD2をオン・オフしても、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別することができる。すなわち、駆動配線LD1が断線している場合にはスイッチSWD2のオフ前後で駆動信号S11のレベルは3/2倍になり、駆動配線LD2が断線している場合にはスイッチSWD2のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しないことから、駆動配線LD1およびLD2のいずれが断線しているかを判別することができる。
なお、図9に示す断線検出により、駆動配線LD3またはLD4が断線していることが判別された場合には、スイッチSWD2およびSWD3をオンした状態で、スイッチSWD4をオン・オフしても、駆動配線LD3およびLD4のいずれが断線しているかを判別することができる。
また、スイッチSWD2およびSWD4をオンした状態で、スイッチSWD3をオン・オフしても、駆動配線LD3およびLD4のいずれが断線しているかを判別することができる。
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る外力検知装置では、本発明の第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べて、駆動配線LD1〜LD4のいずれの配線が断線しているのかを特定することができる。すなわち、駆動配線またはモニタ配線がN(Nは2以上の自然数)本設けられている場合において、(N−1)本の配線に対応する(N−1)個のスイッチを設けることにより、N本の配線の断線箇所を特定することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る外力検知装置と比べて振動子の構造を変更した外力検知装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る外力検知装置と同様である。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。
図12を参照して、振動子501において、四辺形の支持枠507の内側には、互いに対向する支持部571,572が設けられている。振動体511の外枠振動部516は、支持部571,572の先端部に支持部571,572と直交する方向に伸長して設けた外梁516a,516bの両端により支持されている。外枠振動部516の内側には、支持部571と支持部572とを結ぶ方向に対して直交する位置に、内側に向けてかつ対向して突出部516c,516dが設けられている。この突出部516c,516dの先端部には、外梁516a,516bの延長方向と直交する方向に伸長して内梁517a,517bが設けられている。この内梁517a,517bの両端には、内枠振動部517が支持されている。内枠振動部517の内側には、支持枠507の支持部571と支持部572とを結ぶ方向に伸びた質量部517cが設けられている。
外枠振動部516には、外梁516a,516bの伸長方向の両外縁に、駆動電極部512及び駆動電極部513が設けられている。この駆動電極部512,513は、外枠振動部516に形成された板状の外枠可動櫛形電極512a,513aと、この外枠可動櫛形電極512a,513aに微少空間を介して対向した板状の外枠駆動櫛形電極512b,513bと、この外枠駆動櫛形電極512b,513bを支持する外枠固定電極512c,513cから構成されている。また、内枠振動部517の内側には、質量部517cの左右に検出電極部514,515が設けられている。この検出電極部514,515は、質量部517cに植設された板状の内枠可動櫛形電極514a,515aと、この内枠可動櫛形電極514a,515aに微少空間を介して対向した板状の内枠検出櫛形電極514b,515bと、この内枠検出櫛形電極514b,515bを支持する内枠固定電極514c,515cとから構成されている。
図12では、振動子501の支持基板及び蓋基板を図示していないが、支持枠507、外枠固定電極512c,513c及び内枠固定電極514c,515cは、支持基板に固定され、その他の支持部571,572、振動体511の全体、櫛形電極512,513,514,515については、支持基板及び蓋基板との間に空隙が設けられ、振動体511が自由振動可能となっている。蓋基板は、支持枠507と接して振動子501を被覆している。また、振動子501は、図面と垂直な方向に厚みを有し、特に、上述の櫛形電極512a〜515a部分は、厚み方向の板状表面が微少空間を介して対向し、静電容量を有する構成となっている。また、外枠固定電極512c,513c及び内枠固定電極514c,515cは、支持基板に形成したビアホールを介して支持基板外部と電気的に接続されている。
また、モニター電極部518は、駆動電極部513に隣接して外枠振動部516に設けられている。このモニター電極部518は、外枠振動部516に板状の連結電極518aで結合された板状のモニタ可動櫛形電極518b,518cと、この2つのモニタ可動櫛形電極518bおよびモニタ可動櫛形電極518c間に介在しかつ微少空間を介してモニタ可動櫛形電極518b,518cと対向した板状のモニタ固定櫛形電極518dと、このモニタ固定櫛形電極518dを支持するモニタ固定電極518eとから構成されている。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図13を参照して、外力検知装置303は、駆動電圧監視回路24と、切り替え回路27と、駆動配線LD1,LD3と、モニタ配線LM1とを備える。切り替え回路27は、スイッチSWD3を含む。
駆動配線LD1は、駆動電極部512と駆動回路201における反転回路21とを接続する。駆動配線LD3は、駆動電極部513と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。
反転回路21から出力された駆動信号S12は、駆動配線LD1経由で駆動電圧Vdr1として駆動電極部512に与えられる。AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD3経由で駆動電圧Vdr3として駆動電極部513に与えられる。
モニタ配線LM1は、モニター電極部518と検出回路202とを接続する。
スイッチSWD3は、駆動電極部513とAGC回路22との間に接続され、駆動配線LD3を介した駆動電極部513およびAGC回路22間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る外力検知装置が駆動配線LD1およびLD3の断線を検出する場合について説明する。
図14は、駆動配線の断線箇所と駆動信号レベルとの関係を示す図である。ここでは、駆動配線LD1,LD3がいずれも断線していない場合の駆動信号S11の振幅を1としている。
図14を参照して、まず、外力検知装置303において振動子が駆動されている状態において、スイッチSWD3をオフする。
駆動配線LD1,LD3がいずれも断線していない場合には、スイッチSWD3をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が1/2になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を2に変更する。すなわち、スイッチSWD3のオフ前後で駆動信号S11のレベルが2倍になる。
駆動配線LD1,LD3のうち駆動配線LD1が断線している場合には、スイッチSWD3をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWD3をオフすると、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅が0になる。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅をたとえば0に変更する。すなわち、スイッチSWD3のオフ後は駆動信号S11が出力されなくなる。
駆動配線LD1,LD3のうち駆動配線LD3が断線している場合には、スイッチSWD3をオフする前の駆動信号S11の振幅は2である。そして、スイッチSWD3をオフしても、AGC回路22が受けるモニタ信号の振幅は変わらない。このため、AGC回路22は、駆動信号S11の振幅を変更しない。すなわち、スイッチSWD3のオフ前後で駆動信号S11のレベルは変化しない。
このように、スイッチSWD3のオフ前後における駆動信号S11のレベル変化を測定することにより、駆動配線LD1,LD3の断線の有無を検出することができる。さらに、駆動配線LD1,LD3のいずれが断線しているかを判別することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第3の実施の形態に係る外力検知装置と比べて振動子の構造を変更した外力検知装置に関する。以下で説明する内容以外は第3の実施の形態に係る外力検知装置と同様である。
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る外力検知装置に使用される振動子の構造を示す平面図である。
図15を参照して、振動子502は、本発明の第3の実施の形態に係る振動子501と比べて、さらに、モニター電極部519を含む。
モニター電極部519は、駆動電極部512に隣接して外枠振動部516に設けられている。このモニター電極部519は、外枠振動部516に板状の連結電極519aで結合された板状のモニタ可動櫛形電極519b,519cと、この2つのモニタ可動櫛形電極519bおよびモニタ可動櫛形電極519c間に介在しかつ微少空間を介してモニタ可動櫛形電極519b,519cと対向した板状のモニタ固定櫛形電極519dと、このモニタ固定櫛形電極519dを支持するモニタ固定電極519eから構成されている。
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る振動子と振動子を駆動する回路との接続関係を示す図である。
図16を参照して、外力検知装置304は、駆動電圧監視回路24と、切り替え回路28と、駆動配線LD3と、モニタ配線LM1,LM2とを備える。切り替え回路28は、スイッチSWM2を含む。
振動子502では、駆動電極部512および513が図示しない外部電極によって接続されている。
駆動配線LD3は、駆動電極部512および513と駆動回路201におけるAGC回路22とを接続する。
AGC回路22から出力された駆動信号S11は、駆動配線LD3経由で駆動電圧Vdr3として駆動電極部512および513に与えられる。
モニタ配線LM1は、モニター電極部518と検出回路202とを接続する。モニタ配線LM2は、モニター電極部519と検出回路202とを接続する。
スイッチSWM2は、モニター電極部519と検出回路202との間に接続され、モニタ配線LM2を介したモニター電極部519および検出回路202間の電気経路を遮断するか否かを切り替える。
モニタ配線LM1,LM2の断線を検出する方法については、本発明の第1の実施の形態において図7を用いて説明した内容と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 振動子、2 振動子基板、3 保護基板、4 キャビティ、8 駆動梁、71〜74 第1〜第4の各質量部、91,92 第1,第2モニター電極、101〜104 第1〜第4駆動電極、161〜164 第1〜第4検出電極、181,182 接地電極、251 駆動部、203 検出回路、52 フィルター回路、60 位相調整回路、61 同期検波回路、62 平滑回路、63 増幅回路、64 出力調整回路、201 駆動回路、202 検出回路、51 フィルター回路、21 反転回路、22 AGC回路、23 位相調整回路、31 第1CV変換回路、32 第2CV変換回路、41 第1差動増幅回路、33 第3CV変換回路、34 第4CV変換回路、42 第2差動増幅回路、301〜304 外力検知装置、24 駆動電圧監視回路、25,26,27,28 切り替え回路、29 断線検出回路、LD1〜LD4 駆動配線、LM1,LM2 モニタ配線、SWD2〜SWD4,SWM2 スイッチ、501 振動子、511 振動体、516 外枠振動部、571,572 支持部、516a,516b 外梁、516c,516d 突出部、517 内枠振動部、517a,517b 内梁、507 支持枠、517c 質量部、512,513 駆動電極部、512a,513a 外枠可動櫛形電極、512b,513b 外枠駆動櫛形電極、512c,513c 外枠固定電極、514,515 検出電極部、514a,515a 内枠可動櫛形電極、514b,515b 内枠検出櫛形電極、514c,515c 内枠固定電極、518,519 モニター電極部、518a,519a 連結電極、518b,518c,519b,519c モニタ可動櫛形電極、518d,519d モニタ固定櫛形電極、518e,519e モニタ固定電極。

Claims (6)

  1. 駆動電極(101〜104)およびモニタ電極(91,92)を有し、前記駆動電極(101〜104)および前記モニタ電極(91,92)の少なくとも一方が複数である振動子(1)と、
    前記振動子(1)を駆動する駆動部(251)と、
    前記駆動電極(101〜104)に対応して設けられ、対応の前記駆動電極(101〜104)と前記駆動部(251)とを接続する1または複数の駆動配線(LD)と、
    前記モニタ電極(91,92)に対応して設けられ、対応の前記モニタ電極(91,92)と前記駆動部(251)とを接続する1または複数のモニタ配線(LM)とを備え、
    前記駆動部(251)は、前記1または複数の駆動配線(LD)経由で1または複数の前記駆動電極(101〜104)へ駆動信号を出力することにより前記振動子(1)を駆動し、かつ1または複数の前記モニタ電極(91,92)によって前記1または複数のモニタ配線(LM)経由で得られる前記振動子(1)の振動状態に基づいて前記駆動信号レベルをAGC(Automatic Gain Control)制御し、
    さらに、
    複数である前記駆動配線(LD)または前記モニタ配線(LM)のうちの少なくとも1つの配線を介した前記振動子(1)および前記駆動部(251)間の電気経路を遮断するか否かを切り替える第1の切り替え回路(25,26,27,28)を備える外力検知装置。
  2. 前記振動子(1)は、複数の駆動電極(101〜104)および複数のモニタ電極(91,92)を有し、
    前記第1の切り替え回路(25,26,27)は、前記複数の駆動配線(LD)のうちの少なくとも1つの配線を介した前記振動子(1)および前記駆動部(251)間の電気経路を遮断するか否かを切り替え、
    前記外力検知装置は、さらに、
    前記複数のモニタ配線(LM)のうちの少なくとも1つの配線を介した前記振動子(1)および前記駆動部(251)間の電気経路を遮断するか否かを切り替える第2の切り替え回路(25,26,27)を備える請求の範囲第1項に記載の外力検知装置。
  3. 前記駆動電極(101〜104)および前記モニタ電極(91,92)の少なくとも一方がN(Nは2以上の自然数)個であり、
    前記第1の切り替え回路(25,26,27,28)は、N個である前記駆動電極(101〜104)または前記モニタ電極(91,92)に対応するN本の前記駆動配線(LD)または前記モニタ配線(LM)のうちの(N−1)本の配線を介した前記振動子(1)および前記駆動部(251)間の電気経路をそれぞれ遮断するか否かを切り替える請求の範囲第1項に記載の外力検知装置。
  4. 前記第1の切り替え回路(25,26,27,28)は、前記電気経路を遮断するか否かを切り替えるスイッチ(SW)を含む請求の範囲第1項に記載の外力検知装置。
  5. 前記駆動配線(LD)および前記モニタ配線(LM)は、ワイヤボンディングによって形成されている請求の範囲第1項に記載の外力検知装置。
  6. 駆動電極(101〜104)およびモニタ電極(91,92)を有し、前記駆動電極(101〜104)および前記モニタ電極(91,92)の少なくとも一方が複数である振動子(1)と、前記振動子(1)を駆動する駆動部(251)と、前記駆動電極(101〜104)に対応して設けられ、対応の前記駆動電極(101〜104)と前記駆動部(251)とを接続する1または複数の駆動配線(LD)と、前記モニタ電極(91,92)に対応して設けられ、対応の前記モニタ電極(91,92)と前記駆動部(251)とを接続する1または複数のモニタ配線(LM)とを備える外力検知装置における配線破断検出方法であって、
    前記駆動部(251)が、前記1または複数の駆動配線(LD)経由で1または複数の前記駆動電極(101〜104)へ駆動信号を出力することにより前記振動子(1)を駆動し、かつ1または複数の前記モニタ電極(91,92)によって前記1または複数のモニタ配線(LM)経由で得られる前記振動子(1)の振動状態に基づいて前記駆動信号レベルをAGC制御するステップと、
    前記駆動信号レベルを測定するステップと、
    複数である前記駆動配線(LD)または前記モニタ配線(LM)のうちの少なくとも1つの配線を介した前記振動子(1)および前記駆動部(251)間の電気経路を遮断するステップと、
    前記電気経路の遮断後における前記駆動信号レベルを測定するステップと、
    前記電気経路の遮断前後において測定した各前記駆動信号レベルに基づいて、前記複数である前記駆動配線(LD)または前記モニタ配線(LM)の断線を検出するステップとを含む配線破断検出方法。
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