JPWO2009150881A1 - 試料収納体 - Google Patents
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Abstract
Description
上記のように同時に多数の収納管を管理・保管するためには、各々の収納管を識別する必要がある。以前では収納管外表面に試料名や識別番号を直接手書きするなどしていたが、近年において、収納管の側面や底面に試料の諸データや管理情報をコード化したバーコードや二次元コードなどを書き込んでおき、管理の過程において当該バーコードや二次元コードなどを読み取って管理する試料収納体が注目を集めている。
従来技術における、上記バーコードや二次元コードなどを側面や底面に書き込まれた試料収納体の構造を示す。たとえば、図22(a)または図22(b)に示すように、試料を収める筒状の容器本体10と、上面開口を直接密封する蓋体20とを備えた構造となっている。
容器本体10は試料を収める筒体であり、いわゆる収納管のような形状をしている。なお、容器本体10の外表面に何らかの構造を作り込むことはコスト高を招くためシンプルな収納管形状となっているケースがほとんどである。この例ではガラス製となっている。
蓋体20は、容器本体10の上面開口を封止するためのものであり、図22(a)に示す蓋体20は例えばゴム栓やプラスチック栓のごとき蓋である。容器本体10に対して蓋体20を上から押し込むことにより、容器本体10の上面開口が隙間なく塞がれ、容器本体10の上面開口が完全に密封される。
図22(b)に示す蓋体20は螺合により容器本体10に取り付ける蓋である。蓋体20を回転させて螺合して行くことにより、容器本体10の上面開口が隙間なく塞がれ、容器本体10の上面開口が完全に密封される。なお、蓋体の裏面にパッキン30が設けられている場合がある。
しかし、上記従来技術の試料収納体には、以下に示す改善すべき余地がある。それは、試料収納体外表面のバーコードや二次元コードと、試料収納体内部の試料との重なりによる誤認識である。特に側面に大きくバーコードを表示した場合には試料収納体内部の試料との重なりによる誤認識の可能性が大きくなる。試料収納体の主用途は内部の試料の管理であるので、内部の試料の状態が目視できるように容器本体10は透明素材となっている。バーコードや二次元コードは容器本体10の外表面に直接印字された場合、透明である容器本体10の表面に黒色などのバーやドットが描かれることとなるが、このままバーコードや二次元コードを読み取ると、容器本体10の表面に描かれた黒色のバーやドットと内部の試料が重なって見えるため、スキャナ装置などの読み取り装置が誤認識するおそれが生じてしまう。特に試料が透明な液体などでなく、色調が濃い有彩色や濁りがある場合にはスキャナ装置などの読み取り装置が誤認識してしまうおそれが高くなる。また、人が目視する場合であっても数字や記号の読み取りが困難となる。
つまり、内部の試料の観察・目視を遮らないという課題と、外表面のバーコードや二次元コードの読み取りにおいて内部の試料の色調・濁り等の影響を受けないという課題を同時に解決しなければならないが、従来の試料収納体はこの相反する2つの課題を同時に解決するものではなかった。
第2の改善点は、容器本体10と蓋体20との摩擦による容器上面開口端面の割れである。
蓋体20を取り付ける際の各構成部品の動きは以下に示すようになる。
蓋体20を容器本体10に螺合して行くと蓋体20全体が水平方向に回転しつつ徐々に垂直方向に押し込まれていき、蓋体20の裏面も容器本体10の上面開口面に対して水平方向に回転しつつ垂直方向に押下される。パッキン30が設けられている場合は蓋体20の動きに合わせてパッキン30が容器本体10の上面開口面に対して水平方向に回転しつつ垂直方向に押下される。以下、パッキン30が設けられている構成例で説明する。
容器本体10の上面開口面には蓋体20の回転力が伝達されるので、容器本体10の上面開口に対してパッキン30が押しつけられた状態で回転する。
ここで、容器本体10がガラス素材で形成されている場合、ガラス加工の製造工程から手作業となることも多く、上面開口端面は綺麗な端面とはならずに、図23(a)のように歪みや突起などが生じていることがある。
このように容器本体10の上面開口の上縁端面に歪みや突起などが生じている場合において、容器本体10の上面開口に対してパッキン30が押しつけられた状態で回転すると、図23(b)に示すように容器本体10の歪みや突起に接しているパッキン30が破損したり傷ついたりしてしまうおそれがあった。パッキン30が破損したり傷ついたりすると容器本体10の上面開口の密閉性が失われ、保管・収納中に試料が外気にさらされてしまうこととなってしまう。
また、容器本体10の上面開口端面の突起がパッキン30との回転摩擦により折れてしまい、容器本体10の中の試料の中に混入してしまうおそれもあった。突起が折れた上面開口付近にはひびや窪みができ、容器本体10の密閉性が失われ、やはり、保管・収納中に試料が外気にさらされてしまうこととなってしまう。
上記第1の問題点に鑑み、本発明は、内部の試料の目視を遮らないという課題と、外表面のバーコードや二次元コードの読み取りにおいて内部の試料の色調・濁りなどの影響を受けないという課題を同時に解決し、試料収納体外表面のバーコードや二次元コードを誤認識することなく良好に読み取ることができる試料収納体を提供することを目的とする。
また、上記第2の問題点に鑑み、本発明は、蓋体の不透明書き込み外装体への螺合時に蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキンには伝達させず、垂直方向の押下力のみがパッキンに伝達され、パッキンを容器本体の上面開口上端に押し付けることができる試料収納体を提供することを目的とする。
コード情報書き込み済みのものである場合は、コード情報は、コード情報書き込み領域のうち、収納管の底面に対応する個所のみ、側面に対応する個所のみ、底面に対応する個所と側面に対応する個所の双方に書き込まれたものがある。
前記不透明書き込み外装体を不透明なプラスチック素材とすることにより、前記コード情報書き込み領域を通した前記収納管を不可視とし、前記光学式読み取り手段による前記コード情報の読み取りおいて前記収納管の中にある前記試料の色調・濁りの影響を受けないようにすることが好ましい。
上記構成により、窓を通じて内部の試料の目視を行うことができ、また、バーコードや二次元コードを書き込む媒体が不透明な書き込み媒体であるため、バーコードや二次元コードと内部の試料が重なって見えることはなく、その読み取りにおいて試料の色調・濁りなどの影響を受けることがない。
ここで、コード情報の不透明書き込み外装体の書き込みにおいて、バーコードまたはドットコードの色と、不透明書き込み外装体の素材色との関係で2通りの書き込み方法がある。
第1の書き込み方法は、前記不透明書き込み外装体の素材色が、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとして表現される色と同色であり、前記不透明書き込み外装体に対する前記コード情報の直接書き込みが、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとなる部分以外の部分を前記素材色から異なる色に発色させることにより前記コード情報を表現するものである。
第2の書き込み方法は、前記不透明書き込み外装体の素材色が、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとして表現される色と異なる色であり、前記不透明書き込み外装体に対する前記コード情報の直接書き込みが、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとなる部分を前記素材色から前記異なる色に発色させることにより前記コード情報を表現するものである。
ここで、一般にバーコードや二次元コードは、2色のコントラストで表現され、黒色と白色の2色であればもっともコントラストが高くなる。不透明書き込み外装体全体を黒色であれば、コード情報書き込み領域の一部分を黒色から白色へ発色するが、バーまたはドットとなる部分を黒色、下地の部分を白色とみる場合、バーまたはドットとなる部分以外の部分を黒色から白色を発色させるということになり、一方、バーまたはドットとなる部分を白色、下地の部分を黒色とみる場合、バーまたはドットとなる部分を黒色から白色を発色させるということになる。
次に、上記第2の目的を達成するため、本発明の試料収納体は、上記第1の構成に加えて、前記収納管の上面開口を直接密封するパッキンと、前記蓋体の裏面と前記パッキンの間に間挿され、前記蓋体の水平方向の回転力の前記パッキンへの伝達を抑制するスライド板とを備えた構造とし、前記蓋体の前記不透明書き込み外装体への螺合または嵌合時に前記蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、前記蓋体の水平方向の回転力は前記パッキンに伝達させず、前記蓋体の垂直方向の押下力のみを前記パッキンに伝達させるものである。
水平方向の回転力と垂直方向の押下力の制御を行う手段としては複数通りの手段がある。
第1の手段は、前記スライド板上面に前記蓋体裏面との水平方向の摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設ける手段であり、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達を抑制するものである。
第2の手段は、前記蓋体の下面に前記蓋体裏面との水平方向の摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達を抑制するものである。
第3の手段は、上記第1の手段および第2の手段のスライド板のような構造物は設けず、前記パッキンの上面、つまり前記蓋体裏面への対向面側に前記蓋体裏面との摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達を抑制するものである。
例えば、摩擦力低減構造物が複数の小突起であれば対向面との水平方向の摩擦力が小さくなる。
次に、本発明の収納管として、コード情報がまだ書き込まれていない状態で提供することも可能である。つまり、光透過性素材の透明または半透明素材で形成され、上面開口を持ち、内部に保持している試料の観察を可能とした収納管と、前記収納管の底面から側面にかけて一体に被せて外装させた、光学式読み取り手段により読み取り可能なコード情報の書き込み媒体となる不透明書き込み外装体と、前記不透明書き込み外装体と螺合または嵌合し、前記収納管の上面開口に対する蓋となる蓋体と、前記不透明書き込み外装体において、前記コード情報が書き込まれる書き込み領域以外の領域に設けられ、前記収納管に対して外装された状態において内部の前記試料の観察が可能となる少なくとも1つの窓とを備え、前記不透明書き込み外装体と前記蓋体により前記収納管を封止し、前記不透明書き込み外装体に対する前記コード情報の直接書き込みと、前記窓を介した内部の前記試料の観察とを可能とした、不透明書き込み外装体を外装させた試料収納体という形で提供できる。
また、本発明にかかる試料収納体によれば、蓋体の不透明書き込み外装体への螺合時に蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキンには伝達させず、垂直方向の押下力のみがパッキンに伝達されるようにすることができる。そのため水平方向の回転力によりパッキンが破損したり傷ついたりすることがなくなり、収納管の開口上縁の突起が折れたりすることもなくなる。
第2図は、本発明の第1の試料収納体100の斜視図である。
第3図は、第1の試料収納体100を構成部品に分解した分解図である。
第4図は、不透明書き込み外装体120におけるコード情報の書き込み方法の一例を示す図である。
第5図は、試料収納体100の内部に試料を入れて様々な角度から見た状態を示す図である。
第6図は、従来型の試料収納体500の内部に試料200を入れて見た様子を示す図である。
第7図は、不透明書き込み外装体120の外形が円形の試料収納体の例を示す図である。
第8図は、不透明書き込み外装体120の外形が方形の試料収納体の例を示す図である。
第9図は、本発明の第2の試料収納体100aの構造を模式的に示す図である。
第10図は、第2の試料収納体100aを構成部品に分解した分解図である。
第11図は、図9のA−A断面図の上部を拡大して示した図および蓋体130を螺合してゆく動作におけるスライド板150の作用を模式的に簡単に説明する図である。
第12図は、従来型の試料収納体における上部を拡大して示した図および蓋体を螺合してゆく動作における各部にかかる力を模式的に説明する図である。
第13図は、本発明の第3の試料収納体100bの構造を模式的に示す図である。
第14図は、第3の試料収納体100bを構成部品に分解した分解図である。
第15図は、図13のA−A断面図の上部を拡大して示した図および蓋体130bを螺合してゆく動作における摩擦力低減構造物132bの作用を模式的に説明する図である。
第16図は、本発明の第4の試料収納体100cの構造を模式的に示す図である。
第17図は、第4の試料収納体100cを構成部品に分解した分解図である。
第18図は、図16のA−A断面図の上部を拡大して示した図および蓋体130cを螺合してゆく動作における摩擦力低減構造物153cの作用を模式的に説明する図である。
第19図は、本発明の第5の試料収納体100dの構造を模式的に示す図である。
第20図は、第5の試料収納体100dを構成部品に分解した分解図である。
第21図は、図19のA−A断面図の上部を拡大して示した図および蓋体130dを螺合してゆく動作における摩擦力低減構造物143dの作用を模式的に説明する図である。
第22図は、従来の試料収納体10の構造を模式的に示す図である。
第23図は、従来の試料収納体10で蓋体30を取り付ける際の各構成部品の動きを示す図である。
図1は、本発明の第1の試料収納体100の構造を模式的に示す図である。正面図、右側面図、背面図、平面図、底面図、A−A断面図が示されている。また、図2は斜視図、図3は第1の試料収納体100を各構成部品ごとに示した図である。
図1から図3に示すように、第1の試料収納体100は、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130、パッキン140を備えた構造となっている。
なお、図1に示すように、不透明書き込み外装体120の素材色は黒色であるが、他の図面では、見やすくするために不透明書き込み外装体120の彩色を省略している場合がある。また、一次元のバーコードや二次元ドットコードなどのコード情報127は黒色のバーや黒色のドットであるが、一部の図面では図面を見やすくするために黒色で塗りつぶさずにバーやドットの輪郭線のみとして描いている図面がある。
収納管110は、上面に上面開口111を持ち、試料を収める筒状の容器である。上面開口の上縁112は端面を形成し、後述するようにパッキン140の下面142と接する部分となっている。なお、この構成例では、収納管110は円筒形をしている例であるが、用途などに合わせて他の形状であっても良い。収納管110は光透過性を有する透明または半透明の素材であり、ポリプロピレンなどのプラスチック素材、ガラス素材など、素材自体は試料収納に適したもので内部の試料の観察が可能なものであれば良い。紫外線などの影響を低減するために半透明とする場合、白色のものや褐色のものであっても内部の試料の観察が可能であれば良い。
不透明書き込み外装体120は、収納管110の底面から側面にかけて一体に被せて外装させたものであり、収納管110に外装されている状態にてコード情報が直接書き込める媒体となっている。この例では黒色となっており、後述するように白色に発色させることができるものとなっている。なお、一部図面においては分かりやすくするように黒色の彩色を省略している図がある。
不透明書き込み外装体120の内壁面形状としては、収納管110が円筒形であるので、不透明書き込み外装体120の内周壁面が合致する形状、つまり円筒形となっている。収納管110に対して被せて、接着剤を介さずに嵌合により直接外装させるものとなっている。
不透明書き込み外装体120の外壁面形状は必ずしも収納管110の形状にはよらず多様な形状が可能である。
不透明書き込み外装体120の上端には上面開口121がある。この上面開口121を介して収納管を不透明書き込み外装体120の中に挿入したり取り出したりする。不透明書き込み外装体開口の上縁122は端面を形成している。
不透明書き込み外装体120の上部の外周にはネジ部123が設けられている。この例では雄ネジとなっている。このネジ123は後述するように蓋体130のネジ部133と対応して螺合するものとなっている。
次に、不透明書き込み外装体120の側面は、バーコードや二次元コードなどのコード情報が書き込まれるスペースとなる側面書き込み領域124となっている。この例では後述するように不透明書き込み外装体120はベースの黒色から白色に発色可能となっており、どこの領域でも書き込み領域足り得るが、この例では側面ではその一部を側面書き込み領域124としている。このように側面の側面書き込み領域124にバーコードや二次元コードを印字して識別情報を持たせておけば、試料収納体100を側方から側面書き込み領域124を非接触でスキャンすることにより試料収納体100の識別情報を読み取ることができる。
また、不透明書き込み外装体120の側面には内挿された収納管110が外部から観察できるように側面書き込み領域124以外のエリアに窓125が設けられている。この窓125を介して保管・収納している試料の状態などを外部から容易に観察することができる。
また、この構成例では、不透明書き込み外装体120の下部先端には円板平面状の底面書き込み領域126が設けられた形状となっている。この底部は試料収納体100が自立できるようにする役割と、二次元コードなどを印字できる媒体となる底面書き込み領域126を設ける役割を兼ねている。前述したように不透明書き込み外装体120は底部から側面にかけて一体に設けられており、底面書き込み領域126も印字媒体として二次元コードなどを印字できる領域となっている。このように底面書き込み領域126にも二次元コードを印字して識別情報を持たせておけば、試料収納体100を下方から底面書き込み領域126を非接触でスキャンすることにより試料収納体100の識別情報を読み取ることができる。
図4は、不透明書き込み外装体120におけるコード情報の書き込み方法の一例を示す図である。図4(a)はコード情報を書き込む前の不透明書き込み外装体120である。ベースとなる黒色となっている。この不透明書き込み外装体のベースの黒色は、バーコードまたは二次元コードにおいてバーまたはドットとなる部分の色、つまり、黒色と同色となっていることが特徴である。この不透明書き込み外装体120の表面には熱により白く発色する性質を持つ樹脂が塗布されている。
図4(b)はサーマルヘッドによりバーまたはドットとなる部分以外で下地の色となるべき部分を黒色から白色に発色させた様子を示す図である。この例ではバーコードが書き込まれている。このように、不透明書き込み外装体120に対してコード情報を直接書き込むことができ、その方法が、バーまたはドットを黒いインクなどで書き込むのではなく、バーまたはドット以外の下地となる領域を白色に発色させるものとなっている。
この構成例では、側面の側面書き込み領域124と底面書き込み領域126の双方にコード情報が書き込まれている。
蓋体130は、収納管110の上面開口111を塞ぐための蓋であり、この構成例では蓋体130の裏面131により不透明書き込み外装体120の上端の上面開口121も塞ぐものとなっている。
この構成例では蓋体130の内周壁面にはネジ部133が設けられており、この例では雌ネジとなっており、不透明書き込み外装体120のネジ部123と螺合し合うものとなっている。この不透明書き込み外装体120のネジ部123と螺合し合うことにより蓋体130と不透明書き込み外装体120がしっかりと固定される構造となっている。なお、不透明書き込み外装体120の内部に収まっている収納管110は不透明書き込み外装体120と蓋体130とパッキン140により囲まれて内部に封止される。
パッキン140は、収納管110の上面と蓋体130の裏面131の間に介在し、収納管110の上面開口111を直接密封するものである。
本発明の第1の試料収納体100は、以上の構成要素を備えている。
次に、本発明の試料収納体100を用いたバーコードや二次元コードの書き込みによる情報の担持について説明する。本発明の試料収納体100内の試料の目視の状況とバーコードや二次元コードの明瞭な読み取りの様子を説明する。
図5は、試料収納体100の内部に試料200を入れて様々な角度から見た状態を示す図である。図5(a)、図5(b)、図5(c)の順に試料の色が薄い色から濃い色となっている。
不透明書き込み外装体120は不透明(例えば黒色)なプラスチック素材であり、側面方向からは、側面書き込み領域124を通した収納管110は不可視となり、光学式読み取り手段によるコード情報の読み取りにおいて、図5(a)、図5(b)、図5(c)のいずれであっても収納管110の中にある試料200の色調・濁りによる影響を受けない様子が分かる。つまり、側面書き込み領域124のバーコードが明瞭に見えている。また、図5(d)に示すように、底面方向から底面126を通した収納管110も不可視となり、光学式読み取り手段によるコード情報の読み取りにおいて収納管110の中にある試料200の色調・濁りによる影響を受けない。つまり、底面書き込み領域126の二次元コードが明瞭に見えている。
一方、図6は、本発明の試料収納体ではない従来型の試料収納体500の内部に試料200を入れて見た様子を示す図である。図6(a)、図6(b)、図6(c)の順に試料200の色が薄い色から濃い色となっている。従来型の試料収納体500は収納管が内部の試料200の様子が良く見えるように光透過性の透明または半透明素材でできているため、本発明のようにバーコードを直接印字するものであれば、当該収納管外表面上に直接印字したものとなるので試料200が重なって見え、光学式読み取り手段によるコード情報の読み取りにおいて、図6(a)、図6(b)、図6(c)のいずれであっても収納管500の中にある試料200の色調・濁りによる影響を受けてしまう様子が分かる。つまり、側面書き込み領域124のバーコードが明瞭には見えず、誤認識してしまうおそれがある。また、図6(d)に示すように、底面方向からの読み取りにおいても、光学式読み取り手段によるコード情報の読み取りにおいて収納管500の中にある試料200の色調・濁りによる影響を受けてしまうことが分かる。つまり、側面書き込み領域126の二次元コードが明瞭には見えず、誤認識してしまうおそれがある。
以上のように、窓125を通じて内部の試料の目視を行うことができ、また、バーコードや二次元コードを書き込む媒体が不透明な書き込み媒体(側面書き込み領域124、底面書き込み領域126)であるため、バーコードや二次元コードと内部の試料200が重なって見えることはなく、その読み取りにおいて試料200の色調・濁りなどの影響を受けない。
上記の試料収納体100において不透明書き込み外装体120や蓋体130の外形状は特に限定されず図1に示したものは一例であり、様々なタイプがある。例えば、図7、図8に示すようなものがある。図7のタイプは不透明書き込み外装体120の外形が円形のもの、図8のタイプは不透明書き込み外装体120の外形が方形のものである。
上記の試料収納体100を用いた管理手法は運用によりいろいろなものが想定でき、特に限定されない。例えば、試料収納体100に関するデータは総て割り当てられたインデックスの下で、コンピューターによってチェック・管理され、各測定値は予め設定された上下限と照合され、外れた場合は再測定・測定ミスの検出・警告等がなされ、或いは複数回測定による平均値の算出・インプット等の処理を行うことができる。その他、試験過程における蓋体と不透明書き込み外装体との照合による、蓋体の差し違えの検出・自動差し替え、更に同一データの複数領域への重複保存機能を利用して、保管または試験中に汚染或いは損傷されたデータが発生した場合、複数データの照合による校正、自動修復等ヒューマン・エラーのバック・アップ機能を持たせる運用も可能である。また、試料収納体100を試料収納体ラックに収納し、コンピューターにより管理・保管され、試験に使用する時には自動的に取り出され指定の場所に移送して試料を試験に供することもできる。また、試験終了後要すれば蓋体を閉止して、元の収納個所へ収納する操作もコンピューターにより自動的に操作できる。
図9は、本発明の第2の試料収納体100aの構造を模式的に示す図である。正面図、右側面図、背面図、平面図、底面図、A−A断面図、B−B断面図が示されている。また、図10は第2の試料収納体100aを各構成部品に分解した分解図である。
図9から図10に示すように、第1の試料収納体100aは、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130、パッキン140に加え、スライド板150を備えた構造となっている。
収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130、パッキン140の各構成要素は実施例1と同様で良いのでここでの説明は省略する。
蓋体130を締める際のスライド板150の役割について述べる。
図11(a)は、図9のA−A断面図の上部を拡大して示した図である。図11(b)は、蓋体130を螺合してゆく動作におけるスライド板150の作用を模式的に簡単に説明する図である。
図11(a)に示すように、この構成例では、パッキン140の上面141はスライド板150の下面152に接し、パッキン140の下面142は収納管110の上縁112に接する構造となっている。なお、この構成例では、収納管110と不透明書き込み外装体120のそれぞれの上縁112および上縁122が略同一平面にあるため、パッキン140は不透明書き込み外装体120の上縁122にも接するものとなっている。
スライド板150は、蓋体の裏面131とパッキン140の上面141の間に間挿された板状の構造物である。蓋体裏面131側と接するスライド板の上面151には、蓋体裏面131との水平の回転摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物153が設けられている。
この例では、摩擦力低減構造物153は、複数の小突起であり対向面に対する接触面積を小さくする構造物となっている。
図11(b)に示すように、蓋体130を不透明書き込み外装体120に対して螺合して行くと、本来、蓋体の裏面131には水平方向の回転力と垂直方向の押下力が生じる。ここで、蓋体裏面131側と接する面において、摩擦力低減構造物153を持つスライド板150が設けられているので、蓋体の裏面131からの水平方向の回転力と垂直方向の押下力はスライド板150を介してパッキン140に伝えられる。ここで、スライド板150の摩擦力低減構造物153があるためスライド板150全体は、蓋体130の回転には連動せずに静止したままとなる。つまり、蓋体130は水平方向に空回りすることとなる。このように、この蓋体130による水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はスライド板150およびパッキン140には伝達されない。
一方、図11(b)に示すように、摩擦力低減構造物153は回転方向の摩擦力は小さくするものの垂直方向の押下力には影響は与えず、垂直方向の押下力はそのままスライド板150およびパッキン140に伝達されることとなる。つまり、蓋体130を締める本来の目的である、パッキン140を下方向に押し下げて収納管の上面開口111を密封するという目的は達せられることとなる。
このように、スライド板150が介在することにより、パッキン140が水平方向に回転せず垂直方向に押下されるのみとなり、収納管の上縁112に歪みや突起があった場合であってもパッキン140が破損したり傷ついたりすることなく収納管の上縁112に密着することができる。
ここで、スライド板150がない場合の試料収納体の場合を比較参照しておく。図12(a)は、スライド板150がない従来型の試料収納体の上部を拡大して示した図である。図12(b)は、蓋体130を螺合してゆく動作における各部にかかる力を模式的に簡単に説明する図である。
図12(b)に示すように、蓋体130を不透明書き込み外装体120に対して螺合して行くと、本来、蓋体の裏面131には水平方向の回転力と垂直方向の押下力が生じるが、蓋体裏面131全体がパッキン140の上面141に対して接しているのでパッキン140の上面141には大きな回転摩擦力が生じてしまう。このように、この蓋体130による水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力も垂直方向の押下力もパッキン140に伝達され、パッキン140がその回転摩擦力により回転してしまうおそれがある。パッキン140が回転してしまうと収納管110の上縁112に存在する歪みや小突起でパッキン140が破損したり傷ついたりするおそれが生じてしまう。
図11と図12の比較からも分かるように、本発明の第2の試料収納体100aによれば、摩擦力低減構造物153を備えたスライド板150が介在することにより、蓋体130の不透明書き込み外装体120への螺合時に蓋体130の裏面131に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキン140には伝達されず、垂直方向の押下力のみがパッキン140に伝達され、パッキン140を収納管の開口上端112に押し付けることができ、水平方向の回転力によりパッキンが破損したり傷ついたりすることがなくなり、収納管の開口上縁112の突起が折れたりすることもなくなる。
本発明の第3の試料収納体は、パッキン140と蓋体130bの裏面との間にスライド板150bを設け、蓋体130bの裏面側に摩擦力低減構造物132bを持った構造としたものである。
図13は、本発明の第3の試料収納体100bの構造を模式的に示す図である。正面図、右側面図、平面図、底面図、A−A断面図、B−B断面図が示されている。また、図14は第3の試料収納体100bを各構成部品に分解した分解図である。
図13に示すように、第3の試料収納体100bは、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130b、パッキン140、スライド板150bを備えた構造となっている。ここで、蓋体130bとスライド板150bとを除き、収納管110、不透明書き込み外装体120、パッキン140は実施例1で説明したものと同様のもので良いのでここでの説明は省略する。
図14に示すように、蓋体130bは、収納管110の上面開口111を塞ぐための蓋である点は実施例2と同様であるが、実施例3の構成では裏面131に摩擦力低減構造物132bが設けられている。この例では、摩擦力低減構造物132bは、実施例2と同様、複数の小突起であり対向面に対する接触面積を小さくする構造物となっている。
一方、スライド板150bは、蓋体の裏面131とパッキン140の上面141の間に間挿された板状の構造物である点は実施例2と同様であるが、実施例3の構成では摩擦力低減構造物153が設けられていない。
実施例3における、蓋体130bを締める動作における蓋体130bおよびスライド板150bの役割について述べる。図15(a)は、図14のA−A断面図の上部を拡大して示した図である。図15(b)は、蓋体130bを螺合してゆく動作における摩擦力低減構造物132bの作用を模式的に簡単に説明する図である。
図15に示すように、蓋体130bを不透明書き込み外装体120に対して螺合して行くと、蓋体の裏面131には水平方向の回転力と垂直方向の押下力が生じる。ここで、蓋体の裏面131側には摩擦力低減構造物132bが設けられており、スライド板150bと蓋体130bは面的な接触はなく、この摩擦力低減構造物132bを介して接することとなる。
蓋体の裏面131からの水平方向の回転力と垂直方向の押下力は蓋体裏面の摩擦力低減構造物132bがあるため、スライド板150bおよびパッキン140には水平方向の回転力は伝達されず、スライド板150bおよびパッキン140は静止したまま、つまり、蓋体130bはスライド板150bに対して水平方向には空回りすることとなる。
一方、摩擦力低減構造物132bは回転方向の摩擦力は小さくするものの垂直方向の押下力には影響は与えず、垂直方向の押下力はそのままスライド板150bからパッキン140に伝達されることとなる。つまり、蓋体130bを締める本来の目的である、パッキン140を下方向に押し下げて収納管の開口111を密封するという目的は達せられることとなる。
以上、実施例3の試料収納体100bによれば、蓋体130の裏面とスライド板150bとの間で摩擦力低減構造物132bが介在することにより、パッキン140が水平方向に回転せず垂直方向に押下されるのみとなるので、収納管の上縁112に歪みや突起があった場合であってもパッキン140が破損したり傷ついたりすることなく収納管の上縁112に密着することができる。
本発明の第4の試料収納体は、パッキン上面側と接する下面152において摩擦力低減構造物153cを持つスライド板を設けた構造としたものである。
図16は、本発明の第4の試料収納体100cの構造を模式的に示す図である。正面図、右側面図、平面図、底面図、A−A断面図、B−B断面図が示されている。また、図17は第4の試料収納体100cを各構成部品に分解した分解図である。
図17に示すように、第4の試料収納体100cは、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130、パッキン140、スライド板150cを備えた構造となっている。ここで、スライド板150cを除く、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130、パッキン140は実施例1で説明したものと同様のもので良いので、ここでの説明は省略する。
スライド板150cは、蓋体の裏面131とパッキン140の上面141の間に間挿された板状の構造物である点は実施例1と同様であるが、スライド板の下面152には、パッキンの上面141との水平の回転摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物153cが設けられている。この例では、摩擦力低減構造物153cは、実施例1と同様、複数の小突起であり対向面に対する接触面積を小さくする構造物となっている。
実施例4における、蓋体130を締める動作におけるスライド板150cの役割について述べる。図18(a)は図16のA−A断面図の上部を拡大して示した図である。図18(b)は蓋体130を螺合してゆく動作における摩擦力低減構造物153cの作用を模式的に簡単に説明する図である。
蓋体130を不透明書き込み外装体120に対して螺合して行くと、本来、蓋体の裏面131にはパッキン140の上面に対する水平方向の回転力と垂直方向の押下力が生じる。ここで、パッキンの上面141側と接する下面152において、摩擦力低減構造物153cを持つスライド板150cが設けられているので、蓋体の裏面131からの水平方向の回転力と垂直方向の押下力はスライド板150cを介してパッキン140に伝えられる。ここで、スライド板150の摩擦力低減構造物153cがあるため、スライド板150全体は蓋体130と面として接して回転摩擦力が発生し得るが、スライド板150cとパッキン140の間には摩擦力低減構造物153cが介在するためパッキン140には水平方向の回転力は伝達されず、パッキン140は静止したまま、つまり、蓋体130の回転に対して、パッキン140は確実に水平方向に空回りすることができる。このように、この水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキン140には伝達されない。
一方、摩擦力低減構造物153cは回転方向の摩擦力は小さくするものの垂直方向の押下力には影響は与えず、垂直方向の押下力はそのままスライド板150cからパッキン140に伝達されることとなる。つまり、蓋体130を締める本来の目的である、パッキン140を下方向に押し下げて収納管の開口111を密封するという目的は達せられることとなる。
以上、実施例4の試料収納体100cによれば、摩擦力低減構造物153cを備えたスライド板150cが介在することにより、蓋体130の不透明書き込み外装体120への螺合時に蓋体130の裏面131に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキン140には伝達されず、垂直方向の押下力のみがパッキン140に伝達され、パッキン140を収納管の開口上端112に押し付けることができ、水平方向の回転力によりパッキンが破損したり傷ついたりすることがなくなり、収納管の開口上縁112の突起が折れたりすることもなくなる。
本発明の第5の試料収納体100dは、パッキンの上面に、蓋体裏面との摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物143dを設けた構造としたものである。
図19は、本発明の第5の試料収納体100dの構造を模式的に示す図である。正面図、右側面図、平面図、底面図、A−A断面図、B−B断面図が示されている。また、図20は第5の試料収納体100dを各構成部品に分解した分解図である。
図19に示すように、第5の試料収納体100dは、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130、パッキン140dを備えた構造となっている。ここで、パッキン140dを除く、収納管110、不透明書き込み外装体120、蓋体130は実施例1で説明したものと同様のもので良いので、ここでの説明は省略する。
パッキン140dは、収納管110の上面と蓋体130の裏面131の間に介在し、収納管110の開口111を直接密封するものである点は実施例1、実施例2、実施例3と同様であるが、実施例5の構成例では、パッキン140dの上面141には、蓋体裏面131との水平の回転摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物143dが設けられている。
この例では、摩擦力低減構造物143dは、複数の小突起であり対向面に対する接触面積を小さくする構造物となっている。
蓋体130を締める動作におけるパッキン140dの摩擦力低減構造物143dの役割について述べる。図21(a)は図20のA−A断面図の上部を拡大して示した図である。図21(b)は蓋体130を螺合してゆく動作におけるパッキン140dの摩擦力低減構造物143dの作用を模式的に簡単に説明する図である。
蓋体130を不透明書き込み外装体120に対して螺合して行くと、本来、蓋体の裏面131にはパッキン140dの上面に対する水平方向の回転力と垂直方向の押下力が生じる。蓋体の裏面131からの水平方向の回転力と垂直方向の押下力はパッキン140dに伝えられるが、パッキンの上面141側には摩擦力低減構造物143dが設けられており回転摩擦力が小さくなるため、蓋体130の裏面とパッキンの摩擦力低減構造物143dの間で空回りが起こり、パッキン140dには水平方向の回転力は伝達されず、パッキン140dは静止したまま、つまり、蓋体130は、パッキン140bに対して水平方向に空回りする。このように、この水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキン140dには伝達されない。
一方、摩擦力低減構造物143dは回転方向の摩擦力は小さくするものの垂直方向の押下力には影響は与えず、垂直方向の押下力はそのままパッキン140dに伝達されることとなる。つまり、蓋体130を締める本来の目的である、パッキン140dを下方向に押し下げて収納管の開口111を密封するという目的は達せられることとなる。
以上、実施例5の試料収納体100dによれば、摩擦力低減構造物143dを上面141に備えたパッキン140dを用いることにより、蓋体130の不透明書き込み外装体120への螺合時に蓋体130の裏面131に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、水平方向の回転力はパッキン140dには伝達されず、垂直方向の押下力のみがパッキン140dに伝達され、パッキン140dを収納管の開口上端112に押し付けることができ、水平方向の回転力によりパッキン140dが破損したり傷ついたりすることがなくなり、収納管の開口上縁112の突起が折れたりすることもなくなる。
以上、本発明の試料収納体の構成例における好ましい実施例を説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
上記目的を達成するため、本発明の試料収納体は、光透過性素材で形成され、上面開口を持ち、内部に保持している試料の観察を可能とした収納管と、前記収納管の底面から側面にかけて一体に被せて外装させた、光学式読み取り手段により読み取り可能なコード情報が直接書き込まれた媒体である不透明書き込み外装体と、前記不透明書き込み外装体と螺合又は嵌合し、前記収納管の内壁面とは螺合又は嵌合せず、その裏面又はパッキンを前記収納管の上縁端に押し当てて前記収納管の上面開口に対する蓋となる蓋体を備え、前記不透明書き込み外装体が、前記コード情報が書き込まれる書き込み領域以外の領域に、前記試料の観察が可能となる側面開口である少なくとも1つの窓を備え、前記収納管を内部に密封せずに前記収納管の外壁に外装させる構造であり、前記不透明書き込み外装体に書き込まれている前記コード情報の読み取りと、前記窓を介した内部の前記試料の観察とを可能としたものである。
コード情報書き込み済みのものである場合は、コード情報は、コード情報書き込み領域のうち、収納管の底面に対応する個所のみ、側面に対応する個所のみ、底面に対応する個所と側面に対応する個所の双方に書き込まれたものがある。
前記不透明書き込み外装体を不透明なプラスチック素材とすることにより、前記コード情報書き込み領域を通した前記収納管を不可視とし、前記光学式読み取り手段による前記コード情報の読み取りおいて前記収納管の中にある前記試料の色調・濁りの影響を受けないようにすることが好ましい。
上記構成により、窓を通じて内部の試料の目視を行うことができ、また、バーコードや二次元コードを書き込む媒体が不透明な書き込み媒体であるため、バーコードや二次元コードと内部の試料が重なって見えることはなく、その読み取りにおいて試料の色調・濁りなどの影響を受け
Claims (16)
- 光透過性素材で形成され、上面開口を持ち、内部に保持している試料の観察を可能とした収納管と、
前記収納管の底面から側面にかけて一体に被せて外装させた、光学式読み取り手段により読み取り可能なコード情報が直接書き込まれた媒体である不透明書き込み外装体と、
前記不透明書き込み外装体と螺合または嵌合し、前記収納管の上面開口に対する蓋となる蓋体と、
前記不透明書き込み外装体において、前記コード情報が書き込まれる書き込み領域以外の領域に設けられ、前記収納管に外装された状態において内部の前記試料の観察が可能となる少なくとも1つの窓とを備え、
前記不透明書き込み外装体と前記蓋体により前記収納管を封止し、前記不透明書き込み外装体に書き込まれている前記コード情報の読み取りと、前記窓を介した内部の前記試料の観察とを可能とした、不透明書き込み外装体を外装させた試料収納体。 - 前記コード情報書き込み領域のうち、前記収納管の底面に対応する個所と側面に対応する個所の双方に前記コード情報が書き込まれている請求項1又は2に記載の試料収納体。
- 前記不透明書き込み外装体を不透明なプラスチック素材とすることにより、前記コード情報書き込み領域を通した前記収納管を不可視とし、前記光学式読み取り手段による前記コード情報の読み取りにおいて前記収納管の中にある前記試料の色調・濁りによる影響を受けないようにしたことを特徴とした請求項1または2に記載の試料収納体。
- 前記不透明書き込み外装体の素材色が、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとして表現される色と同色であり、
前記不透明書き込み外装体に対する前記コード情報の直接書き込みが、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとなる部分以外の部分を前記素材色から異なる色に発色させることにより前記コード情報を表現するものである請求項1から3のいずれか1項に記載の試料収納体。 - 前記不透明書き込み外装体の素材色が、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとして表現される色と異なる色であり、
前記不透明書き込み外装体に対する前記コード情報の直接書き込みが、前記コード情報の表示においてバーまたはドットとなる部分を前記素材色から前記異なる色に発色させることにより前記コード情報を表現するものである請求項1から3のいずれか1項に記載の試料収納体。 - 前記収納管の上面開口を直接密封するパッキンと、
前記蓋体の裏面と前記パッキンの間に間挿され、前記蓋体の水平方向の回転力の前記パッキンへの伝達を抑制するスライド板とを備え、
前記蓋体の前記不透明書き込み外装体への螺合または嵌合時に前記蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、前記蓋体の水平方向の回転力は前記パッキンに伝達させず、前記蓋体の垂直方向の押下力のみを前記パッキンに伝達させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の試料収納体。 - 前記スライド板上面に前記蓋体裏面との水平方向の摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達が抑制されることを特徴とする請求項6に記載の試料収納体。
- 前記蓋体の下面に前記蓋体裏面との水平方向の摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達が抑制されることを特徴とする請求項6または7に記載の試料収納体。
- 前記不透明書き込み外装体と螺合または嵌合し、前記収納管に対する蓋となる蓋体と、
前記収納管の上面開口を直接密封するパッキンを備え、
前記パッキンにおける前記蓋体裏面への対向面に、前記蓋体裏面との摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、
前記蓋体の前記不透明書き込み外装体への螺合または嵌合時に前記蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、前記蓋体の水平方向の回転力は前記パッキンに伝達させず、前記蓋体の垂直方向の押下力のみを前記パッキンに伝達させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の試料収納体。 - 前記摩擦力低減構造物が複数の小突起であり対向面に対する接触面積を小さくする構造物であることを特徴とする請求項9に記載の試料収納体。
- 前記収納管と螺合または嵌合し、前記収納管の上面開口に対する蓋となる蓋体と、
前記収納管の上面開口を直接密封するパッキンと、
前記蓋体の裏面と前記パッキンの間に間挿され、前記蓋体の水平方向の回転力の前記パッキンへの伝達を抑制するスライド板とを備え、
前記蓋体の前記収納管への螺合または嵌合時に前記蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、前記蓋体の水平方向の回転力は前記パッキンに伝達させず、前記蓋体の垂直方向の押下力のみを前記パッキンに伝達させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の試料収納体。 - 前記スライド板上面に前記蓋体裏面との水平方向の摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達が抑制されることを特徴とする請求項11に記載の試料収納体。
- 前記蓋体の下面に前記蓋体裏面との水平方向の摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、前記蓋体の水平方向の回転力が前記摩擦力低減構造物により前記スライドへの伝達が抑制されることを特徴とする請求項11または12に記載の試料収納体。
- 前記収納管と螺合または嵌合し、前記収納管に対する蓋となる蓋体と、
前記収納管の上面開口を直接密封するパッキンを備え、
前記パッキンにおける前記蓋体裏面への対向面に、前記蓋体裏面との摩擦係数が小さくなる摩擦力低減構造物を設け、
前記蓋体の前記収納管への螺合または嵌合時に前記蓋体の内面に生じる水平方向の回転力と垂直方向の押下力のうち、前記蓋体の水平方向の回転力は前記パッキンに伝達させず、前記蓋体の垂直方向の押下力のみを前記パッキンに伝達させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の試料収納体。 - 前記摩擦力低減構造物が複数の小突起であり対向面に対する接触面積を小さくする構造物であることを特徴とする請求項14に記載の試料収納体。
- 光透過性素材で形成され、上面開口を持ち、内部に保持している試料の観察を可能とした収納管と、
前記収納管の底面から側面にかけて一体に被せて外装させた、光学式読み取り手段により読み取り可能なコード情報が直接書き込まれた媒体である不透明書き込み外装体と、
前記不透明書き込み外装体と螺合または嵌合し、前記収納管の上面開口に対する蓋となる蓋体と、
前記不透明書き込み外装体において、前記コード情報が書き込まれる書き込み領域以外の領域に設けられ、前記収納管に外装された状態において内部の前記試料の観察が可能となる少なくとも1つの窓とを備え、
前記不透明書き込み外装体と前記蓋体により前記収納管を封止し、前記不透明書き込み外装体に書き込まれている前記コード情報の読み取りと、前記窓を介した内部の前記試料の観察とを可能とした、不透明書き込み外装体を外装させた試料収納体。
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