JPWO2009142194A1 - 光学活性アミノアルコール誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性アミノアルコール誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

高い光学純度でアミノアルコール誘導体が得られ、かつ安価で大量合成が可能な製造方法を開発する。例えば、一般式、式中、R1は、例えば、トリハロメチル基を表し、R2は、例えば、水素原子を表し、R3は、例えば、ハロゲン原子を表し、R4は、例えば、低級アルキル基を表し、Xは、硫黄原子を表し、nは、1〜4の整数を表し、そして Wは、塩化水素又は臭化水素を表す。で表される化合物を、その製造工程の途中において、再結晶化する。

Description

本発明は、高い光学純度でアミノアルコール誘導体が得られ、かつ安価で大量合成が可能な製造方法に関する。
一般式(1)、

Figure 2009142194

[式中、
1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、そして
nは、1〜4の整数を表す。]
で表されるアミノアルコール誘導体は、免疫抑制剤として有効であることが知られている(特許文献1)。また、特許文献2は、一方の光学異性体が好ましい旨記載している。
一方、一般式(1)で表される化合物の、それぞれ単一の光学異性体を得る方法としては、アミノ基が保護されたアミノアルコール誘導体において、光学分割カラムによる光学分割を行い合成する方法(特許文献1及び2)や、キラル補助基を用いた立体選択的な合成方法(特許文献2)が知られている。
WO2004/026817パンフレット WO2008/018447パンフレット
しかしながら、アミノ基が保護されたアミノアルコール誘導体を光学分割カラムで光学分割する方法では、光学純度が十分なものは得られない。また、キラル補助基を用いた合成方法は、費用がかかる。本発明の解決すべき課題は、一般式(1)で表される化合物が高い光学純度で得られ、且つ安価で大量合成が可能な製造方法を開発することにある。
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、特定のアミノ酸誘導体を経由することにより、一般式(1)で表されるそれぞれの化合物が高い光学純度で得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、一般式(1)、

Figure 2009142194

[式中、
1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し、
3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、
nは、1〜4の整数を表す。]
で表される化合物を得る製造方法であって、
1.一般式(2)、

Figure 2009142194

[式中、Yは、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4のアルキルスルホニルオキシ基又は置換基を有しても良いアリールスルホニルオキシ基を表し、R1、R2、R3、X及びnは、前記定義と同じ。]
で表される化合物を、一般式(3)、

Figure 2009142194

[式中、R5は、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R4は、前記定義と同じ。]
で表される化合物と反応させて、一般式(4)、

Figure 2009142194

[式中、R1、R2、R3、R4、R5、X及びnは、前記定義と同じ。]
で表される化合物を得る工程(工程I)、
2.一般式(4)で表される化合物のt−ブチル基を水素原子に変換させることにより、一般式(5)、

Figure 2009142194

[式中R1、R2、R3、R4、R5、X及びnは、前記定義と同じ。]
で表される化合物を得る工程(工程II)、
3.一般式(5)で表される化合物を転位反応させることにより、一般式(6)、

Figure 2009142194

[式中、R6は、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、X及びnは、前記定義と同じ。]
で表される化合物を得る工程(工程III)、
4.一般式(6)で表される化合物を光学分割して、一般式(7)、

Figure 2009142194

[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X及びnは、前記定義と同じ。]
で表される化合物を得る工程(工程IV)、
5.一般式(7)で表される化合物を加水分解させることにより、一般式(8)、

Figure 2009142194

[式中、R1、R2、R3、R4、X及びnは、前記定義と同じであり、Wは、塩化水素又は臭化水素である。]
で表される化合物を得る工程(工程V)、
6.一般式(8)で表される化合物を還元し、フマル酸又はD−若しくはL−酒石酸の塩として精製することにより、一般式(1)で表される化合物を得る工程(工程VI)、
からなる製造方法に関するものである。
本発明の製造方法によれば、一般式(1)で表されるアミノアルコール誘導体のうち所望の光学異性体を、高い光学純度で得ることが可能となる。また、本発明によれば、安価で大量合成も可能な製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中で用いられている「ハロゲン原子」とは、フッ素原子や、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中で用いられている「トリハロメチル基」とは、トリフルオロメチル基又はトリクロロメチル基を意味する。
本明細書中で用いられている「炭素数1〜4の低級アルキル基」とは、直鎖又は分岐した炭素数1〜4のアルキル基を意味し、例えば、メチル基や、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「アラルキル基」は、ベンジル基や、ジフェニルメチル基、フェネチル基、フェニルプロピル基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「炭素数1〜4の低級アルコキシ基」とは、直鎖又は分岐した炭素数1〜4のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基や、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「アラルキルオキシ基」は、ベンジルオキシ基、ジフェニルメチルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「置換基を有しても良いフェノキシ基」及び「置換基を有しても良いアラルキルオキシ基」の「置換基」は、フッ素原子や、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を意味し、置換基はベンゼン環上の任意の位置に置換することができる。
本明細書中で用いられている「炭素数1〜4の低級アルキルチオ基」とは、直鎖又は分岐した炭素数1〜4のアルキルチオ基を意味し、例えば、メチルチオ基や、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、t−ブチルチオ基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基」とは、直鎖又は分岐した炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基を意味し、例えば、メチルスルフィニル基や、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基」とは、直鎖又は分岐した炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を意味し、例えば、メチルスルホニル基や、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基が挙げられる。
本明細書中で用いられている「モノハロゲノメチル基」とは、1つのハロゲン原子が置換したメチル基を意味する。
本明細書中で用いられている「炭素数2〜4の低級アルケニル基」とは、ビニル基や、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、3−ブテニル基を意味する。
本明細書中で用いられている「炭素数2〜4の低級アルキニル基」とは、エチニル基や、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基を意味する。
本明細書中で用いられている「置換基を有しても良い炭素数1〜4のアルキルスルホニルオキシ基」とは、ハロゲン原子で置換されていても良い、直鎖又は分岐の炭素数1〜4のアルキルスルホニルオキシ基を意味し、例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
本明細書中で用いられている「置換基を有しても良いアリールスルホニルオキシ基」とは、ハロゲン原子又は炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい、アリールスルホニルオキシ基を意味し、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基や、トルエンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
また、一般式(8−b)、

Figure 2009142194

[式中、R1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し;
3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、
nは1〜4の整数を表す。]
で表されるアミノ酸誘導体の塩としては、塩酸塩や、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸などの無機酸の塩、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの有機酸が挙げられ、好ましくは塩酸塩である。
本発明の方法によれば、光学分割カラムによる光学分割では十分に光学純度が上がらない場合において、アミノ酸誘導体(一般式(8))の再結晶工程を組み合わせることにより、高い光学純度の一般式(1)で表されるそれぞれの光学異性体を得ることが可能となった。
また、還元反応後の一般式(1)で表される化合物は通常の方法では不純物を取り除くことが困難であったが、フマル酸又はD−若しくはL−酒石酸、好ましくはD−又はL−酒石酸塩を経由することにより容易に不純物を除去することができるようになった。
本発明の製造工程をスキーム1に示し、各工程を以下に詳細に説明する。
スキーム1
Figure 2009142194
[式中、R1、R2、R3、R4、X及びnは、前記定義と同じである。なお、化合物(8)における塩酸塩は、臭化水素酸塩でもよい。]
工程1は、一般式(2)で表される化合物と、一般式(3)で表される化合物とを、縮合させ、一般式(4)で表される化合物を得る工程である。
本反応は塩基の存在下で行うことが好ましい。塩基としては、例えば、水酸化リチウムや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類、トリエチルアミンや、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、4-エチルモルホリン、ピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]−5−ウンデセンなどの有機塩基類、リチウムメトキシドや、リチウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム t-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類等が挙げられ、好ましくは、アルカリ金属アルコキシド類、特に好ましくは、ナトリウム t-ブトキシドが好適に挙げられる。
反応温度は、通常−70℃から使用する溶媒の沸点の範囲が挙げられるが、好ましくは−10℃から使用する溶媒の沸点の範囲、特に好ましくは、20〜60℃の範囲が好適に挙げられる。
溶媒は通常必要とし、溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランや、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、ヘキサンや、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトニトリルやプロピオニトリルなどのニトリル類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、メタノールや、エタノール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、ホルムアミドや、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、スルホランなどのスルホン類、あるいはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランや、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。本反応においては、反応促進剤としてヨウ化ナトリウムや、テトラブチルアンモニウムヨージドなどを添加することもできる。
工程2は、一般式(4)で表される化合物のt−ブチル基を水素原子に変換して、モノエステルである一般式(5)で表される化合物を得る工程である。
本反応は酸存在下で行うことが好ましい。酸としては、例えば、モンモリノライトKSFや、モンモリノライトK10などのケイ酸塩等や、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ギ酸などの有機酸、塩化水素/酢酸エチルや塩化水素/エタノールなどの塩化水素溶液などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。
反応温度は、通常−70℃から使用する溶媒の沸点の範囲が挙げられるが、好ましくは−10℃から使用する溶媒の沸点の範囲、特に好ましくは、60〜100℃の範囲が挙げられる。
溶媒は通常必要とし、例えば、テトラヒドロフランや、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、ベンゼンや、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、ヘキサンや、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、メタノールや、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、あるいはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランや、トルエンが挙げられる。
通常、酸性条件下でモノエステルを作成する場合には、脱炭酸反応が進行することが知られており(非特許文献:Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry, 17B(5), 512-513; 1979)、不純物として脱炭酸体が得られる可能性が考えられたが、本発明の化合物においては、脱炭酸体の生成はほとんどなかった。
工程3は、一般式(5)で表される化合物に対して転位反応を行うことにより、カルバメート誘導体である一般式(6)で表される化合物を得る工程である。
転位反応としては、クルチウス転位や、シュミット転位、ロッセン転位、ホフマン転位などが挙げられ、クルチウス転位が好ましい。
転位反応にはそれぞれの反応に対して様々な条件を適用することが可能であるが、クルチウス転位を行う場合には、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)が好ましい。
一般式(5)で表されるカルボン酸は溶媒存在下にDPPAと反応させることにより、アシルアジドに変換されるが、このアシルアジドは溶媒中で加熱されることにより容易にイソシアネートに熱転位する。DPPAの使用量は計算上カルボン酸に対して1倍モル以上必要であるが、好ましくは、1〜3倍モル用いられる。
反応溶媒は不活性な溶媒であれば何れも用いることが出来るが、好ましくは、ベンゼンや、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を用いることが出来る。
反応温度は、例えば、−10〜150℃が適当であり、好ましくは、60〜110℃で実施することが出来る。
このイソシアネートを塩基存在下、アルコール中で加熱することにより、一般式(6)で示されるカルバメートを得ることが出来る。
反応に用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミンや、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、ピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]−5−ウンデセンなどの有機塩基類、リチウムメトキシドや、リチウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類等が挙げられ、好ましくは、アルカリ金属アルコキシド類、特に好ましくは、ナトリウムエトキシドが挙げられる。
反応に用いられるアルコールとしては、例えば、メタノールや、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、t−ブタノール等を挙げることができ、用いるアルコールの種類により相当するメチルカルバメートや、エチルカルバメート、プロピルカルバメート、イソプロピルカルバメート、ブチルカルバメート、t−ブチルカルバメート等を得ることができる。用いるアルコールの量は計算上カルボン酸に対して1倍モル以上必要であるが、通常は溶媒兼用として大過剰用いられる。
反応温度は、通常−70℃から使用する溶媒の沸点の範囲が挙げられるが、好ましくは、−10℃から使用する溶媒の沸点の範囲、特にこの好ましくは、0〜30℃の範囲が挙げられる。
工程4は、一般式(6)で表される化合物を光学分割して、一般式(7)で表される化合物を得る工程である。光学分割は市販の光学分割カラムにより分割することができる。本発明においては、大量製造を行うため、擬似移動床(Simulated Moving Bed:SMB)法により光学分割することが好ましい。
工程5は、一般式(7)で表される化合物を加水分解することにより、一般式(8)で表されるアミノ酸誘導体を得る工程である。本工程は通常塩基性条件下で行うことができるが、R6=t−ブチル基の場合には、塩基により加水分解した後に酸による加水分解をする、2段階の反応を行うことが好ましい。
本反応における塩基としては、例えば、水酸化リチウムや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基類が挙げられ、好ましくは、水酸化ナトリウムが好適に挙げられる。
本反応における酸は、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸や、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ギ酸などの有機酸、塩酸、硫酸などの無機酸などが挙げられ、好ましくは、塩酸が好適に挙げられる。
反応温度は、通常−70℃から使用する溶媒の沸点の範囲が挙げられるが、好ましくは、−10℃から使用する溶媒の沸点の範囲、特に好ましくは、80℃〜120℃の範囲が挙げられる。
溶媒は、通常必要とし、溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランや、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、ベンゼンや、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、アセトニトリルやプロピオニトリルなどのニトリル類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、ホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、スルホランなどのスルホン類、あるいはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ジメチルスルホキシド又はスルホランが挙げられる。
本工程において、一般式(8)で表されるアミノ酸誘導体を再結晶して精製すると、光学純度を向上させることができる。本化合物で再結晶をすることにより、光学分割カラムによる光学分割で達成できなかった光学純度を有する化合物を得ることが可能となった。
再結晶の溶媒は一般式(8)で表される化合物と反応しないものであれば、特に制限はなく、目標とする精製後の光学純度及び回収率等により適宜決めればよい。再結晶溶媒としては、例えば、n−ペンタンや、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンや、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチルや、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノールや、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、水等が挙げられ、これらの溶媒は単独又は組み合わせて用いることができる。その中でも、メタノールや、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類及び水等との組み合わせが好ましく、特に、2−プロパノールと水の混液がより好ましい。
工程6は、一般式(8)で表される化合物を還元することにより、一般式(1)で表されるアミノアルコール誘導体を得る工程である。
還元は、通常カルボン酸をアルコールに還元する方法であれば特に限定は無い。
還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルニミウムや、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、 水素化トリメトキシリチウムアルミニウム、水素化アルミニウム、水素化トリエチルほう素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等のアルミニウムハイドライド系、ボランテトラヒドロフラン錯体や、ボランジメチルスルフィド錯体、ジボラン等のホウ素ハイドライド系、水素化ホウ素ナトリウムと塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、トリメチルシリルハライド、リチウムクロリド、塩化アルミニウム、塩化コバルトなどのルイス酸や、無機塩と組み合わせなどが挙げられ、好ましくは、三フッ化ホウ素存在下で水素化ホウ素ナトリウム又はボランテトラヒドロフラン錯体を用いる方法が挙げられる。
反応温度は、通常−70℃から使用する溶媒の沸点の範囲が挙げられるが、好ましくは−10℃から使用する溶媒の沸点の範囲、特に好ましくは、30〜50℃の範囲が挙げられる。
還元剤として三フッ化ホウ素存在下で水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、使用する三フッ化ホウ素存在下で水素化ホウ素ナトリウムの量としては、一般式(8)に示される化合物に対して通常1.0〜20倍モルが挙げられ、好ましくは、3.0〜5.0倍モルが挙げられる。
反応は通常、溶媒を必要とし、溶媒としては、テトラヒドロフランや、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、ヘキサンや、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類あるいはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、エーテル類が挙げられ、更に好ましくは、ジメトキシエタンが挙げられる。
還元後は、フマル酸あるいはD−又はL−酒石酸、好ましくはD−又はL−酒石酸を添加して結晶化すると容易に精製をすることができる。この場合において、酒石酸はD体でも、L体でも良い。結晶化の際の溶媒は一般式(1)で示される化合物と反応しないものであれば、特に制限はなく、目標とする精製後の化学純度及び回収率等により適宜決めることができる。再結晶溶媒としては、例えば、n−ペンタンや、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼンや、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレンや、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテルや、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、アセトンや、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エチルや、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、メタノールや、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は組み合わせて用いることができる。その中でも、メタノールや、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系及び水等との組み合わせが好ましく、特に、エタノール又はエタノールと水の混液がより好ましい。
以下に本発明の製造方法について実施例を用いて説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(工程1)
35 L ステンレス容器(フタ付き)に2−メチルマロン酸t−ブチルエチル714 g(3.53 mol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF) 4.50 Lを加え撹拌下溶解し、窒素置換した。外温7℃で冷却し、ナトリウムt−ブトキシド328 g(3.41 mol)を少量ずつ加え(内温8〜13℃)、その後、外温32℃で加熱し、溶解確認後(内温30℃溶解)、内温30〜31℃で15分間撹拌した。次いでヨウ化ナトリウム353 g(2.35 mol)及び3-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]プロピルメタンスルホネート 1.00 kg(2.35 mol)を加え、DMF 500 mLで洗浄後、窒素置換し、外温52〜57℃で加熱し、内温50〜56℃で3.5時間撹拌した(30分間毎に窒素置換)。
外温25℃で冷却し(内温25℃)、酢酸エチル10.0 L、水15.0 Lを加え撹拌し、希釈塩酸(塩酸15.0 mL:水45.0 mL)を用いてpH 7.0とした後(希釈塩酸27.0 mL使用)、有機層を分取した。有機層を食塩水(食塩1.50 kg:水5.00 L)で洗浄した後、有機層を減圧濃縮(外温設定60℃)した。濃縮物にトルエン3.00 Lを加え溶解し、減圧濃縮(外温設定60℃)し、微黄色油状物のt−ブチルエチル 2-{3-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル] プロピル}-2-メチルプロパンジオエート 1.52 kgを得た。得られた化合物は精製せずに次工程に用いた。
(工程2)
10 L 四径フラスコにディーンスターク管を付し、t-ブチルエチル2-{3-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]プロピル}-2-メチルプロパンジオエート 1.52 kg(2.35 mol相当)、トルエン5.00 L及びp−トルエンスルホン酸・一水和物89.5 g(471 mmol)を加え、内温100〜112℃でフラスコ内を窒素パージしながら2時間撹拌し、溶媒を留去した(留去溶媒1.21 L)。この時、留去した溶媒と同量のトルエンを新たに追加した(追加トルエン1.21 L)。
外温25℃で冷却し(内温23℃)、反応液を48 Lステンレス容器に移し、トルエン5.00 L及び食塩水(食塩100 g:水10.0 L)を加え抽出し、有機層を分取した。有機層を食塩水(食塩1.50 kg:水5.00 L)で洗浄した後、有機層を減圧濃縮(外温設定60℃)した。濃縮物にトルエン3.00 Lを加え溶解し、減圧濃縮(外温設定60℃)して、淡黄色油状物のエチルハイドロジェン2-{3-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]プロピル}-2-メチルプロパンジオエート 1.22 kgを得た。得られた化合物は精製せずに次工程に用いた。
(工程3)
18 L ステンレス容器にエチルハイドロジェン 2-{3-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]プロピル}-2-メチルプロパンジオエート1.22 kg(2.35 mol相当)及びトルエン2.80 Lを加え、撹拌下、溶解し、トリエチルアミン357 g(3.53 mol)を加え(発熱:内温25→38℃)、外温25℃で冷却した。ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)842 g(3.06 mol)をゆっくり滴下し(内温27〜31℃)、容器をトルエン200 mLで洗浄後、外温32℃で加熱し、内温30〜32℃で1時間撹拌して酸アジド溶液とした。
別に35 Lステンレス容器(フタ付き)にトルエン6.00 Lを加え、外温77℃で加熱撹拌した。これに先の酸アジド溶液を内温75〜78℃でゆっくり滴下(滴下時間48分間)し、容器をトルエン1.00Lで洗浄後、内温75〜78℃で1.5時間撹拌した。
外温5℃で冷却し、内温7〜14℃で20%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液1.44 kg(4.24 mol)及びエタノール2.00 Lの混液を滴下し、容器をエタノール500mLで洗浄後、内温8〜9℃で45分間撹拌した。
反応液を60 Lステンレス容器に移し、水15.0 Lを加え、撹拌下、希釈塩酸(塩酸392 mL(4.71 mol):水1.00 L)を加え、pH6.0(pHメーター)に調整した(希釈塩酸の残量190 mL)。酢酸エチル10.0 Lを加え抽出し、有機層を分取した。有機層を食塩水(食塩1.50 kg:水5.00 L)で洗浄した後、有機層を減圧濃縮(外温設定60℃)した。濃縮物に2−プロパノール(IPA) 3.00 Lを加え溶解し、減圧濃縮(外温設定60℃)して、淡褐色油状物を得た。
得られた淡褐色油状物にヘキサン3.00 L及びIPA 2.00 Lを加え溶解し、活性炭100 gを加え、内温21〜22℃で10分間撹拌した。活性炭をろ別し、ヘキサン3.00 L、IPA 2.00 Lの混液で洗浄後、ろ液を減圧濃縮(外温設定60℃)して、淡黄色油状物のエチル 5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-エトキシカルボニルアミノ-2-メチルペンタノエート1.26 kgを得た。得られた化合物1.26 kgは精製せず光学分割を行った。
(工程4)
エチル 5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-エトキシカルボニルアミノ-2-メチルペンタノエート 1.25kgを下記の光学分割条件により、擬似移動床(Simulated Moving Bed) (SMB)法により光学分割し、エチル (+)-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-エトキシカルボニルアミノ-2-メチルペンタノエートを622g得た。
SMB光学分割操作条件
カラム : CHIRALCEL(登録商標) OD
サイズ : 3cmI.D.×10cmL×8
移動相 : n−へキサン/IPA=80/20(v/v)
温度 : 40℃
ゾーン構成 : 2−3−2−1
フィード流量 : 4.8mL/分
溶出流量 : 45.8mL/分
ラフィネート流量: 13.0mL/分
抽出流量 : 37.6mL/分
循環流量 : 100.0mL/分
ピリオドタイム : 1.1分
(工程5)
10 L四径フラスコに(+)-エチル 5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-エトキシカルボニルアミノ-2-メチルペンタノエート 622 g[5工程中間体(7)1.00 kg(2.35 mol)使用]及びジメチルスルホキシド(DMSO)3.00 Lを加え撹拌下溶解し、水1.50 L及び水酸化ナトリウム282 g(7.06 mol)を加え、内温100〜116℃で4時間撹拌した。その後、外温50℃で冷却し、内温80℃で水3.00 Lを加えて析出固体を溶解し、加水分解反応液とした(内温51℃)。
別に、35 Lホーロー容器に水3.00 L及びIPA 3.00 Lを加え、外温50℃で加熱撹拌し、内温50℃で塩酸765 mL(9.18 mol)を加えた。これに先の加水分解反応液を加え、容器を水3.00 Lで洗浄後、合一(洗浄液の滴下途中で晶析が開始したので、滴下を10分間中断した後、残りの洗浄液を滴下した)した。内温48〜50℃で10分間撹拌後、pH 1.3(pHメーター)であることを確認した後、徐々に冷却し、内温15℃以下で30分間撹拌後(内温15→3℃)、析出結晶をろ取した。IPA 600 mL及び希釈塩酸(塩酸1.2 mL:水1.20 L)の混液を冷却(内温8℃)して結晶を洗浄し、脱液後、粗結晶湿潤品545 gを得た。得られた粗結晶湿潤品545 gを50℃で1時間送風乾燥し、更に60℃で一夜送風乾燥して、白色リン片状の粗結晶431 gを得た。
10 L四径フラスコに粗結晶431 g(949 mmol)、IPA 2.59 L、水3.45 L及び水酸化ナトリウム114 g(2.85 mol)を加え、外温50℃で加熱撹拌下溶解した(内温41℃溶解確認)。内温50〜54℃で希釈塩酸(塩酸309 mL(3.71 mol):水309 mL)を用いてpH 1.3〜1.4(pHメーター)に調整(10分間撹拌後:pH 1.4→1.3)した(希釈塩酸の残量96 mL)。外温35℃で冷却して晶析させ(内温39℃晶析開始)、晶析温度付近(内温39→37℃)で10分間撹拌後、外温53℃で加熱し(内温48℃まで加熱:半分程度の結晶が溶解)、その後、徐々に冷却し、内温15℃以下で30分間撹拌した(内温15→7℃)。析出結晶をろ取し、IPA 431 mL及び希釈塩酸(塩酸0.86 mL:水863 mL)の混液を冷却(内温6℃)して結晶を洗浄し、脱液後、再結晶湿潤品535 gを得た。得られた再結晶湿潤品535 gを50℃で2時間送風乾燥し、更に60℃で一夜送風乾燥して、白色リン片状の(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチルペンタン酸塩酸塩 386 gを得た。
(工程6)
5 L四径フラスコに(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチルペンタン酸塩酸塩 380 g(836 mmol)及び1,2−ジメトキシエタン(DME)1.52 Lを加え、外温35℃で加熱撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム63.3 g(1.67 mol)を加えた(発熱:内温33℃→内温52℃)。内温35℃に冷却した後、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体210 mL(1.67 mol)とDME 380 mLの混液を内温35〜41℃でゆっくり滴下し(67分間)、内温39〜40℃で2時間撹拌後、外温20℃で冷却し(内温25℃)、反応液とした。
別に、30 Lホーロー容器に水4.56 Lを加え、外温5℃で冷却撹拌し(内温4℃)、先の反応液を滴下して、容器を水760 mLで洗浄し合一した。希釈塩酸(塩酸348 mL(4.18 mol):水348 mL)をゆっくり滴下し、その後、外温45℃で加熱し、内温35〜45℃で1時間撹拌後、外温23℃で冷却し(内温25℃)、一夜放置した。外温5℃で冷却撹拌し(内温5℃)、水酸化ナトリウム水(水酸化ナトリウム240 g(6.00 mol):水3.00 L)を用いてpH 8.5(pHメーター)に調整(10分間撹拌後:pH 8.5)した(水酸化ナトリウム水の残量220 mL)。酢酸エチル4.56 Lを加え抽出し、有機層を分取した。有機層を炭酸ナトリウム水(炭酸ナトリウム190 g:水3.80 L)及び食塩水(食塩190 g:水3.80 L)で順次洗浄した後、有機層を減圧濃縮(外温設定45℃)した。濃縮物にエタノール1.14 Lを加え溶解し、減圧濃縮(外温設定60℃)し、淡赤紫色油状物の粗(+)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)-フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 354 gを得た。
粗(+)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 354 gにエタノール1.14 Lを加え溶解し、外温54℃で加熱撹拌下、内温50〜51℃でD-酒石酸138 g(920 mmol)の水1.14 L溶液、及び、水1.14 Lを順次加えた。自己結晶種を加え、晶析確認後(内温49℃晶析)、内温49℃で10分間撹拌し、その後、徐々に冷却して、内温15℃以下で30分間撹拌(内温15→9℃)した。析出結晶をろ取し、エタノール水(エタノール114 mL:水1.03 L)で洗浄後、脱液し、D-酒石酸塩の粗結晶湿潤品605 gを得た。得られたD-酒石酸塩の粗結晶湿潤品605 gを50℃で一夜送風乾燥後、更に60℃で1時間18分送風乾燥し、D-酒石酸塩の粗結晶483 gを得た。
10 L四径フラスコにD-酒石酸塩の粗結晶483 g、IPA 4.83 L及び水242 mLを加え、外温75℃で加熱撹拌下、溶解した(内温67℃で溶解確認)。外温40℃で冷却し、晶析確認後(内温42℃晶析)、内温41〜42℃で10分間撹拌した後、外温57℃で加熱撹拌(内温53℃まで加熱)した。その後、徐々に冷却して、内温15℃以下で30分間撹拌(内温15→7℃)した。析出結晶をろ取し、IPA 1.45 Lで洗浄後、脱液し、D-酒石酸塩の再結晶湿潤品584 gを得た。得られたD-酒石酸塩の再結晶湿潤品584 gを45℃で2時間送風乾燥した後、更に60℃で一夜送風乾燥し、D-酒石酸塩434 g(735 mmol)を得た。
35 Lステンレス容器にD-酒石酸塩434 g(735 mmol)及び酢酸エチル5.21 Lを加え、外温7℃で冷却撹拌下、炭酸ナトリウム水(炭酸ナトリウム312g:水6.08L)を加え、内温15℃以下で30分間撹拌(内温15→8℃)して抽出した。有機層を分取し、食塩水(食塩217 g:水4.34 L)で洗浄した後、有機層を減圧濃縮(外温設定45℃)した。濃縮物にアセトニトリル1.30 Lを加え溶解して減圧濃縮(外温設定60℃)し、無色油状物303gを得た。
得られた油状物303 gにアセトニトリル1.30 Lを加え溶解し、外温5℃で冷却撹拌下、水3.91 Lのうち、水1.30 Lを加え、晶析確認後(内温8℃晶析)、10分間撹拌し、残りの水2.61 Lを滴下した後、外温25℃で加熱し、内温25℃で30分間撹拌した。徐々に冷却し、内温15℃以下で30分間撹拌後(内温15→8℃)、析出結晶をろ取し、アセトニトリル水(アセトニトリル87 mL:水1.22 L)で洗浄後、脱液し、11工程中間体(13)の湿潤品487 gを得た。得られた湿潤品487 gを35℃で一夜送風乾燥後、50℃で3時間58分送風乾燥し、白色粉末晶の(+)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 292g(723mmol、86%)を得た。
10 Lエバポレーター用フラスコに(+)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 240 g(594 mmol)及びエタノール1.20 Lを加え溶解し、希釈塩酸(塩酸49.5 mL(594 mmol):精製水49.5 mL)を加え、減圧濃縮(外温設定45℃)した。濃縮物にエタノール720 mLを加え溶解して減圧濃縮(外温設定60℃)し、更にエタノール720 mLを加え溶解して減圧濃縮(外温設定60℃)した後、酢酸エチル720 mLを加え溶解して減圧濃縮(外温設定60℃)した。
残留物に酢酸エチル240 mL及びイソプロピルエーテル(IPE)480 mLを加え、外温50℃で溶解後、IPE 960 mLを加えた。自己結晶種を加え、晶析確認後、外温50℃で10分間撹拌し、IPE 1.92 Lを加え、外温50℃で30分間撹拌した。(エバポレーターからフラスコを外して)徐々に冷却し、内温15℃以下で30分間撹拌後(内温15→7℃)、析出結晶をろ取し、IPE 720 mLで洗浄後、脱液し、(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩粗結晶湿潤品309gを得た。得られた(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩粗結晶湿潤品309 gを40℃で1時間45分送風乾燥し、更に60℃で一夜送風乾燥して(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩粗結晶249 gを得た。
2 L四径フラスコに粗結晶249 g、酢酸エチル249 mL及びIPE 498 mLを加え、外温50℃で加熱撹拌下、溶解した(内温46℃溶解確認)。外温27℃で冷却後(内温30℃)、ろ過し(減圧ろ過、ろ過器:15cm桐山ロート、受けフラスコ:5 L四径フラスコ)、酢酸エチル249 mL及びIPE 498 mL混液で洗浄した。ろ液を外温47℃で加熱撹拌し、内温39〜45℃でIPE 1.99 Lを滴下した。晶析確認後(滴下終了から13分後:内温46℃晶析)、内温46〜47℃で10分間撹拌した後、外温57℃で加熱撹拌(内温57℃まで加熱)した。その後、徐々に冷却して、内温15℃以下で15分間撹拌した(内温15→7℃)。析出結晶をろ取し、IPE 748 mLで洗浄後、脱液し、(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩湿潤品325 gを得た。得られた(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩湿潤品325gを40℃で2時間送風乾燥し、更に60℃で一夜送風乾燥して、白色粉末晶の(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩を247 g(561 mmol、94%)得た。
1H-NMR(CDCl3,400 MHz)δ
:1.37(3H, s), 1.63-1.77(2H, m), 1.86(2H, t, J = 8.2 Hz), 2.72(2H, t, J = 7.8 Hz), 3.67(2H, t, J = 12.9 Hz), 4.78(1H, br s), 7.17(1H, dd, J= 8.1,1.8 Hz), 7.21(1H, d, J = 8.1 Hz), 7.33(1H, d, J = 1.7 Hz), 7.36-7.43(2H, m), 7.45-7.47(1H, m), 7.53(1H, s), 8.02(3H, br s).
[α]D 26 :−3.9°(c = 1.0,CHCl3,100 mm)
なお、本発明の方法により得られた(-)-2-アミノ-5-[2-クロロ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]-2-メチル-1-ペンタノール 塩酸塩は、99.5 % e.e. 以上という極めて高い光学純度を有していた。
本発明の方法によれば、免疫抑制活性を有する一般式(1)で表されるそれぞれの化合物を、光学純度の高い単一の光学異性体として得ることができ、且つ安価で大量合成が可能となる。従って、本発明は、産業上有用である。

Claims (17)

  1. 一般式(1)、

    Figure 2009142194

    [式中、
    1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
    2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し、
    3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
    4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、
    nは、1〜4の整数を表す。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    1.一般式(2)、

    Figure 2009142194

    [式中、Yは、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4のアルキルスルホニルオキシ基又は置換基を有しても良いアリールスルホニルオキシ基を表し、
    1、R2、R3、X及びnは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を、一般式(3)、

    Figure 2009142194

    [式中、R5は、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、
    4は、前記定義と同じである。]
    で表される化合物と反応させ、一般式(4)、

    Figure 2009142194

    [式中、R1、R2、R3、R4、R5、X及びnは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程1)、
    2.一般式(4)で表される化合物のt−ブチル基を水素原子に変換して、一般式(5)、

    Figure 2009142194

    [式中R1、R2、R3、R4、R5、X及びnは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程2)、
    3.一般式(5)で表される化合物を転位反応させることにより、一般式(6)、

    Figure 2009142194

    [式中、R6は、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、X及びnは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程3)、
    4.一般式(6)で表される化合物を光学分割して、一般式(7)、

    Figure 2009142194

    [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X及びnは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程4)、
    5.一般式(7)で表される化合物を加水分解させることにより、一般式(8)、

    Figure 2009142194

    [式中、R1、R2、R3、R4、X及びnは、前記定義と同じであり、Wは、塩化水素又は臭化水素を表す。]
    で表される化合物を得る工程(工程5)、
    6.一般式(8)で表される化合物を還元し、フマル酸又はD−若しくはL−酒石酸の塩として精製することにより一般式(1)で表される化合物を得る工程(工程6)、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 工程4における光学分割方法が、光学分割カラムによる光学分割方法である請求項1に記載の方法。
  3. 工程3による転位反応を、ジフェニルホスホリルアジドを用いて行う、請求項1又は2記載の方法。
  4. Xが、硫黄原子又は酸素原子である請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 前記化合物(8)の式におけるWが、塩化水素である請求項1に記載の方法。
  6. 一般式(1)で表される化合物の光学純度が、99.5 % e.e.以上である、請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 工程6における塩が、D−又はL−酒石酸の塩である請求項1〜6の何れかに記載の方法。
  8. 一般式(1−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、R7は、塩素原子、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基、又はトリフルオロメチル基を表し、
    8は、フッ素原子又は塩素原子を表し、
    9は、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を表し、
    Zは、酸素原子又は硫黄原子を表し、
    mは、2又は3を表す。]
    で表される化合物を得る製造方法であって、
    1.一般式(2−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、Yは、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4のアルキルスルホニルオキシ基又は置換基を有しても良いアリールスルホニルオキシ基を表し、R7、R8、Z及びmは、前記定義と同じ。]
    で表される化合物を、一般式(3−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、R5は、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R9は、前記定義と同じ。]
    で表される化合物と反応させ、一般式(4−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、R5、R7、R8、R9、Z及びmは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程1−a)、
    2.一般式(4−a)で表される化合物のt−ブチル基を水素原子に変換させることにより、一般式(5−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、R5、R7、R8、R9、Z及びmは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程2−a)、
    3.一般式(5−a)で表される化合物を転位反応させることにより、一般式(6−a)、
    Figure 2009142194

    [式中、R6は、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R5、R7、R8、R9、Z及びmは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得る工程(工程3−a)、
    4.一般式(6−a)で表される化合物を光学分割して、一般式(7−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、R5、R6、R7、R8、R9、Z及びmは、前記定義と同じであるである。]
    で表される化合物を得る工程(工程4−a))、
    5.一般式(7−a)で表される化合物を加水分解させることにより、一般式(8−a)、

    Figure 2009142194

    [式中、R7、R8、R9、Z及びmは、前記定義と同じであり、Wは、塩化水素又は臭化水素を表す。]
    で表される化合物を得る工程(工程5−a)、
    6.一般式(8−a)で表される化合物を還元し、フマル酸又はD−若しくはL−酒石酸の塩として精製することにより、一般式(1−a)で表される化合物を工程(工程6−a)、
    を含むことを特徴とする方法。
  9. 工程4−aにおける光学分割方法が、光学分割カラムによる光学分割方法である、請求項8に記載の方法。
  10. 工程3−aによる転位反応を、ジフェニルホスホリルアジドを用いて行う、請求項8又は9記載の方法。
  11. 7が、トリフルオロメチル基である請求項8〜10の何れかに記載の方法。
  12. 一般式(1−a)で表される化合物の光学純度が99.5 % e.e.以上である、請求項8〜11の何れかに記載の方法。
  13. 工程6−aにおける塩が、D−又はL−酒石酸の塩である請求項8〜12の何れかに記載の方法。
  14. 一般式(8)、

    Figure 2009142194

    [式中、
    1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
    2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し、
    3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
    4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、
    nは、1〜4の整数を表し、そして
    Wは、塩化水素又は臭化水素を表す。]
    で表される化合物を再結晶することにより、光学純度を向上させることを特徴とする方法。
  15. 一般式(8)、

    Figure 2009142194

    [式中、
    1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
    2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し、
    3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
    4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、
    nは、1〜4の整数を表し、そして
    Wは、塩化水素又は臭化水素を表す。]
    で表される化合物を還元し、フマル酸又はD−若しくはL−酒石酸の塩とすることにより精製して、一般式(1)、

    Figure 2009142194

    [式中、R1、R2、R3、R4、X及びnは、前記定義と同じである。]
    で表される化合物を得ることを特徴とする方法。
  16. 精製工程の塩が、D−又はL−酒石酸の塩である請求項15に記載の方法。
  17. 一般式(8−b)、

    Figure 2009142194

    [式中、
    1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、置換基を有しても良いフェノキシ基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基、炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基を表し、
    2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、アラルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、又はアラルキルオキシ基を表し、
    3は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、又は炭素数1〜4の低級アルキルチオ基を表し、
    4は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、モノハロゲノメチル基、炭素数1〜4の低級アルキルチオメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、フェニル基、アラルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、又は炭素数2〜4の低級アルキニル基を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、又はSO2を表し、そして
    nは、1〜4の整数を表す。]で表される化合物又はその塩。
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