JPWO2009125846A1 - 基体の保護方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基体表面上又は基体表面層中に、負電荷物質を含む第1の層、並びに、正電荷物質、又は、正電荷物質及び/若しくは負電荷物質を含む第2の層を前記基体側から順に配置することにより、基体表面の汚染を防止若しくは低減し、又は、基体表面を親水性化して、基体表面を保護する方法に関する。本発明により、基体の経時的な汚れ付着及び退色乃至変色を防止乃至低減する新たな手法を提供することができる。

Description

本願は、2008年4月11日に日本国に出願された特願2008−103736号に基づいて優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、基体表面に正電荷を付与して当該表面の汚染を防止若しくは低減し、基体表面の保護を達成する方法に関し、特に、基体より発生する負電荷物質によって当該表面の正電荷が中和されて基体表面の保護機能が喪失することを防止するものである。
従来から、着色された種々の基体(例えば、印刷物、建材、繊維、有機高分子樹脂製品等)が経時的に退色乃至変色することは知られている。これらの退色乃至変色の要因としては、光による劣化、基体表面への汚染物質の付着等が挙げられており、その対策として種々の方法が考えられている。
例えば、光による劣化を防止するには、基体中に紫外線吸収剤を混入する等の方法が採られている。
一方、基体表面からの汚染物質の付着防止及び除去のために、防汚機能又はセルフクリーニング機能を有する皮膜を基体表面に形成する方法も開発されている。この方法としては、例えば、特開平9−262481号公報記載のアナターゼ型酸化チタンを使用して光触媒層を形成する方法等がある。
特開平9−262481号公報
しかしながら、基体中に紫外線吸収剤を混入する場合、基体中の成分の作用により紫外線吸収剤が分解して十分な紫外線吸収効果を発揮しない場合がある。
また、光触媒機能を基体表面に付与する場合は、基体の種類によっては、光触媒作用により基体そのものが分解劣化するおそれがある。また、光触媒機能を有する基体は負電荷を帯びているために、正電荷を有する汚染物を静電的に吸着する問題がある。
本発明は、基体の経時的な退色乃至変色を防止乃至低減すると同時に、汚染物の付着を防止乃至低減する新たな手法を提供することをその目的とする。
本発明の目的は、基体表面上又は基体表面層中に、負電荷物質を含む第1の層、並びに、正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層を配置することによって達成される。前記第1の層及び前記第2の層は、前記基体側から順に配置される。したがって、前記第1の層は、前記基体と前記第2の層との間に位置する。
前記正電荷物質は、(1)陽イオン;(2)正電荷を有する導電体又は誘電体;並びに(3)正電荷を有する導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体からなる群から選択される1種又は2種以上の、正電荷を有する物質であることが好ましい。前記負電荷物質は、(4)陰イオン;(5)負電荷を有する導電体又は誘電体;(6)負電荷を有する導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体、(7)光触媒機能を有する物質からなる群から選択される1種又は2種以上の、負電荷を有する物質であることが好ましい。
前記基体と前記第1の層との間に中間層を形成してもよい。また、前記第2の層上に被覆層を設けてもよい。前記中間層及び前記被覆層の材料特性を選択することにより、基体に任意の表面特性を付与することができる。このように表面処理された前記基体は、自動車用タイヤホイール等の様々な物品に使用することができる。
大気中に浮遊している汚染物質及び/又は基体に付着した汚染物質は太陽光等の作用により光酸化され、正電荷を帯びるが、本発明の方法が施された基体の表面にも正電荷が存在するので、前記汚染物質は静電的に反発して、基体表面から自然と離脱する。したがって、基体表面をセルフクリーニングすることが可能となる。
また、第2の層に負電荷が存在する場合は、カリオン粘土微粉末、水道水中の塩化物イオン等のように負電荷を有する汚染誘引物質も、静電的に反発して、基体表面への付着が妨げられる。したがって、そのような不純物の付着による基体表面特性の変化を防止して、基体表面を清浄に維持することが可能となる。
本発明では、基体と正電荷を有する第2の層との間に負電荷を有する第1の層が存在するので、基体が負電荷物質を有していても、第1の層の負電荷によって、基体より発生する負電荷物質の電荷が反転して正電荷となり、第2の層中の正電荷に負電荷が吸着して中和されることがなく、第2の層の表面保護機能が損なわれることがない。
基体と第1の層との間に中間層が形成される場合、及び、第2の層上に被覆層が形成される場合は、親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは撥油性の中間層及び/又は被覆層を採用することにより、それらの性質を利用して、更に長期間に亘って、基体表面への汚染物質の付着を防止乃至低減することができる。
本発明の方法により処理された基体は太陽光等の作用自体にも高い抵抗性を有し、太陽光等による光劣化から基体を良好に保護することができる。また、本発明の方法により処理された基体は空気中だけでなく水中における汚染に対しても高い抵抗性を示す。
これらの作用により、本発明は、基体の退色乃至変色を長期に亘って防止乃至低減することができる。したがって、本発明は、航空機、自動車、電車、列車、実験機器、工作機械、建材等の、汚染物質に曝される様々な物品の表面処理に好適に使用することができる。本発明は、特に、屋外で多くの汚染物質に曝される自動車用タイヤホイールへ適用することができ、当該タイヤホイール表面の汚染を長期に亘って回避することができる。
本発明における正電荷付与機構の一例を示す概念図 正電荷を帯びる基体表面から汚染物質が除去される機構を示す概念図 本発明における正電荷及び負電荷付与機構の一例を示す概念図 本発明における正電荷及び負電荷付与機構の他の例を示す概念図 正電荷及び負電荷を帯びる基体表面から汚染物質が除去される機構を示す概念図 金属ドープ酸化チタンの第1の製造方法の一例の概略を示す図 基体上の第1の層及び第2の層の配置の様々な態様を示す図 参考1の試験結果を示す図 評価3の試験結果を示す図 評価3の試験結果を示す写真
本発明は、基体表面上又は基体表面層中に、負電荷物質を含む第1の層、並びに、正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層を前記基体側から順に配置することにより、基体表面の汚染を防止若しくは低減し、又は、基体表面を親水性化して、基体表面を保護することを特徴とする。
本発明の対象となる基体は特に限定されるものではなく、各種の、親水性又は疎水性の無機系基体及び有機系基体、或いは、それらの組み合わせを使用することができる。
無機系基体としては、例えば、ソーダライムガラス等の透明又は不透明ガラス、ジルコニア等の金属酸化物、セラミックス、コンクリート、モルタル、石材、金属等の物質からなる基体が挙げられる。また、有機系基体としては、例えば、有機樹脂、木材、紙等の物質からなる基体が挙げられる。有機樹脂をより具体的に例示すると、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリカーボネート、アクリル樹脂、PET等のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、シリコーン、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、エポキシ変性樹脂等が挙げられる。
基体の形状は特に限定されるものではなく、立方体、直方体、球形、シート形、繊維状等の任意の形状をとることができる。なお、基体は多孔質であってもよい。基体表面はコロナ放電処理又は紫外線照射処理等によって親水性化されていてもよい。基体としては、例えば、航空機、自動車、電車、列車、実験機器、工作機械、建材、シーリング材、自動車用タイヤホイール等の他に、各種の機器・装置本体、表示画面が挙げられる。
基体表面上又は基体表面層中に配置される第1の層は負電荷物質を含有する。負電荷物質としては、例えば、陰イオン;負電荷を有する導電体又は誘電体;負電荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複合体;或いは、これらの混合物が挙げられる。
前記陰イオンとしては、特に限定されるものではないが、フッ化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン等の無機系イオン;酢酸イオン等の有機系イオンが挙げられる。イオンの価数も特に限定されるものではなく、例えば、1〜4価の陰イオンが使用可能である。
負電荷を有する導電体又は誘電体としては、上記の陰イオン以外の、負電荷が発生した導電体又は誘電体を挙げることができ、例えば、後述する各種の導電体からなる電池の負電極、並びに、負に帯電したテフロン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル等の誘電体が挙げられる。
本発明では、前記第1の層上に正電荷物質を含む第2の層が配置される。
基体表面の退色乃至変色の原因の一つである汚染物質は、大気中に浮遊しているカーボン等の無機物質及び/又は油等の有機物質が基体表面に徐々に堆積することによって基体表面に付着していく。
本発明は、第2の層がもたらす静電的な反発作用によって、これらの汚染物質を基体から除去し、又は、これらの汚染物質の基体への付着を回避乃至低減することを可能とする。
主に屋外の大気中に浮遊している汚染物質、特に油分は、太陽光をはじめとして各種の電磁波により、いわゆる光酸化反応を受け、「酸化」された状態にあるといわれている。
光酸化反応とは、太陽光をはじめとした電磁波の作用により、有機物又は無機物表面の水分(HO)、酸素(O)からヒドロキシルラジカル(・OH)や一重項酸素()が生成される際に当該有機物又は無機物から電子(e)が引き抜かれて酸化される現象をいう。この酸化により、有機物では分子構造が変化し、劣化と称される変色又は脆化現象がみられ、無機物、特に金属では錆が発生する。これら「酸化」された有機物又は無機物の表面は、電子(e)の引き抜きにより、正に帯電する。
本発明では、基体上の第2の層に正電荷を付与することにより、前記有機物又は無機物を、静電反発力を利用して基体表面から自然に離脱させる。第2の層に正電荷を付与する方法としては、例えば、陽イオン;正電荷を有する導電体又は誘電体;正電荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複合体;或いは、これらの混合物から選択される正電荷物質を第2の層とする方法が挙げられる。
前記陽イオンとしては、特に限定されるものではないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン;カルシウム等のアルカリ土類金属のイオン;アルミニウム、セシウム、インジウム、セリウム、セレン、クロム、コバルト、ニッケル、アンチモン、鉄、銅、マンガン、タングステン、ジルコニウム、亜鉛等の他の金属元素のイオンが好ましく、特に銅イオンが好ましい。更に、メチルバイオレット、ビスマルクブラウン、メチレンブルー、マラカイトグリーン等のカチオン性染料、第4級窒素原子含有基により変性されたシリコーン等のカチオン基を備えた有機分子も使用可能である。イオンの価数も特に限定されるものではなく、例えば、1〜4価の陽イオンが使用可能である。
前記金属イオンの供給源として、金属塩を使用することも可能である。具体的には、塩化アルミニウム、塩化クロム、塩化ニッケル、塩化第1及び第2アンチモン、塩化第1及び第2鉄、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩化第1セリウム、四塩化セレン、塩化第2銅、塩化マンガン、四塩化タングステン、オキシ二塩化タングステン、タングステン酸カリウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、炭酸バリウム等の各種の金属塩が挙げられる。更に、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化クロム、水酸化インジウム等の金属水酸化物、ケイタングステン酸等の水酸化物、または、油脂酸化物等の酸化物等も使用可能である。
正電荷を有する導電体又は誘電体としては、上記の陽イオン以外の、正電荷が発生した導電体又は誘電体を挙げることができ、例えば、後述する各種の導電体からなる電池の正電極、並びに、摩擦により正に帯電した羊毛、ナイロン等の誘電体が挙げられる。
導電体と誘電体又は半導体との複合体によって正電荷を付与する原理を図1に示す。図1は第2の層として、導電体−誘電体又は半導体−導電体の組み合わせを配列した概念図である。導電体は、内部に自由に移動できる自由電子が高い濃度で存在することによって、表面に正電荷状態を有することができる。なお、導電体として正イオンを含む導電性物質を使用することも可能である。一方、導電体に隣接する誘電体又は半導体は、導電体の表面電荷状態の影響により誘電分極される。この結果、導電体に隣接する側には負電荷が、また、非隣接側には正電荷が誘電体又は半導体に発生する。これらの作用により導電体−誘電体又は半導体−導電体の組み合わせの表面は正電荷を帯びることとなり、第2の層に正電荷が付与される。
次に、正電荷を帯びる第2の層表面から汚染物質が除去される機構を図2に示す。なお、図2では第1の層の図示を省略する。
図2に示す態様では、第2の層として、陽イオン;正電荷を有する導電体又は誘電体;正電荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複合体;或いは、これらの混合物を配置することにより、第2の層に正電荷を付与する(図2−(1))。
第2の層表面に汚染物質が堆積し、太陽光等の電磁波の作用により光酸化される。こうして汚染物質にも正電荷が付与される(図2−(2))。
第2の層表面と汚染物質との間に正電荷同士の静電反発が発生し、反発離脱力が汚染物質に発生する。これにより、第2の層表面への汚染物質の固着力が低減される(図2−(3))。
風雨等の物理的な作用により、汚染物質は第2の層から容易に除去される(図2−(4))。これにより、基体はセルフクリーニングされる。
上記のように正電荷を第2の層に付与することによって、正電荷を帯びた汚染物質の基体表面への付着を回避することができる。しかし、その一方で、汚染物質の中には水道水中の塩化物イオン等のように負電荷を帯びたもの、正電荷を当初有していたが他物体との相互作用(摩擦等)により負電荷を帯びるに至ったもの等が存在する。このような負電荷を帯びた汚染物質は正電荷のみを帯びた基体表面に容易に吸着される。そこで、第2の層は、正電荷及び負電荷を共に有していてもよい。これにより、負電荷を有する汚染物質が基体表面に付着することを防止することができる。
また、正電荷又は負電荷の帯電量が比較的少ない絶縁物(例えばシリコーンオイル)からなる汚染物質は、当該物質の種類によっては、基体表面に強い正電荷又は負電荷のみが存在すると、その汚染物質の表面電荷が反転してしまい、結果的に当該基体表面に当該汚染物質が吸着する恐れがあるので、正電荷及び負電荷の両者を共存させることによって、そのような吸着を回避することができる。
第2の層に負電荷を付与する方法としては、例えば、既述したような、陰イオン;負電荷を有する導電体又は誘電体;負電荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複合体;光触媒機能を有する物質、或いは、これらの混合物から選択される負電荷物質を第2の層に配合する方法が挙げられる。
光触媒機能を有する物質としては、特定の金属化合物を含んでおり、光励起により当該層表面の有機及び/又は無機化合物を酸化分解する機能を有するものを使用することができる。光触媒の原理は、特定の金属化合物が光励起により、空気中の水又は酸素からOHやO のラジカル種を発生させ、このラジカル種が有機及び/又は無機化合物を酸化還元分解することであると一般的に理解されている。
前記金属化合物としては、代表的な酸化チタン(TiO)の他、ZnO、SrTiOP、CdS、CdO、CaP、InP、In、CaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InSb、RuO、CeO等が知られている。
光触媒機能を有する物質は光触媒性能が向上する金属(Ag、Pt)を含んでいてもよい。また、金属塩等の各種物質を、光触媒機能を失活させない程度の範囲で含むことできる。前記金属塩としては、例えば、アルミニウム、錫、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銀、セシウム、インジウム、セリウム、セレン、銅、マンガン、カルシウム、白金、タングステン、ジルコニウム、亜鉛等の金属塩があり、それ以外にも一部の金属或いは非金属等については水酸化物又は酸化物も使用可能である。具体的には、塩化アルミニウム、塩化第一及び第二錫、塩化クロム、塩化ニッケル、塩化第一及び第二アンチモン、塩化第一及び第二鉄、硝酸銀、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩化第一セリウム、四塩化セレン、塩化第二銅、塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化第二白金、四塩化タングステン、オキシ二塩化タングステン、タングステン酸カリウム、塩化第二金、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛等の各種金属塩が例示できる。また、金属塩以外の化合物としては、水酸化インジウム、ケイタングステン酸、シリカゾル、水酸化カルシウム等が例示できる。
前記の光触媒機能を有する物質は、励起状態においてはその物質表面の物理的吸着水や酸素からOH(水酸化ラジカル)、O (酸素化ラジカル)を吸着させて、その表面は陰イオンの特性を有しているが、そこに正電荷物質を共存させると、その濃度比に合せて、いわゆる光触媒活性は低下もしくは喪失する。しかし、本発明では、光触媒機能を有する物質が汚染物質に対して酸化分解作用をする必要はないので、負電荷物質として使用できる。
図3は、第2の層に正電荷及び負電荷の両方を付与する一つの態様を示す概念図であり、誘電体又は半導体−負電荷を有する導電体−誘電体又は半導体−正電荷を有する導電体の組み合わせを第2の層とした例である。図3に示す負電荷を有する導電体及び正電荷を有する導電体としては、既述したものを使用することができる。
図3に示すように、負電荷を有する導電体に隣接する誘電体又は半導体は、導電体の表面電荷状態の影響により誘電分極される。この結果、負電荷を有する導電体に隣接する側には正電荷が、また、正電荷を有する導電体に隣接する側には負電荷が誘電体又は半導体に発生する。これらの作用により図3に示す誘電体又は半導体−導電体−誘電体又は半導体−導電体の組み合わせの表面は正電荷又は負電荷を帯びることとなる。前記導電体と誘電体又は半導体との複合体のサイズ(複合体を通過する最長軸の長さをいう)は1nmから100μm、好ましくは1nmから10μm、より好ましくは1nmから1μm、より好ましくは1nmから100nmの範囲とすることができる。
図4は、第2の層に正電荷及び負電荷を付与する他の態様を示す概念図である。
図4では、負電荷を有する導電体と正電荷を有する導電体とが隣接し、正電荷及び負電荷が接触消滅等して少ない状態である。なお、負電荷を有する導電体及び正電荷を有する導電体としては、既述したものを使用することができる。
次に、正電荷及び負電荷を帯びる第2の層表面から汚染物質が除去される機構を図5に示す。なお、図5では第1の層の図示を省略する。
この態様では、第2の層として、陰イオン;負電荷を有する導電体又は誘電体;負電荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複合体;光触媒機能を有する物質、或いは、これらの混合物から選択される負電荷物質を配置することにより、第2の層に正電荷及び負電荷を付与する(図5(1))。
第2の層表面に汚染物質が堆積し、太陽光等の電磁波の作用により光酸化される。こうして汚染物質にも正電荷が付与される(図5(2))。
第2の層表面と汚染物質との間に正電荷同士の静電反発が発生し、反発離脱力が汚染物質に発生する。これにより、第2の層表面への汚染物質の固着力が低減される(図5(3))。
風雨等の物理的な作用により、汚染物質は第2の層から容易に除去される(図5(4))。これにより、基体はセルフクリーニングされる。
そして、第2の層表面には負電荷も存在するために、カリオン粘土微粉末、塩化物イオン等のような負電荷を有する汚染物質又は汚染誘引物質も同様に反発されて第2の層表面への固着力が低減される。
本発明において使用される導電体は耐久性の点から金属が望ましく、アルミニウム、錫、セシウム、インジウム、セリウム、セレン、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銀、銅、マンガン、白金、タングステン、ジルコニウム、亜鉛等の金属が挙げられる。また、これらの金属の複合体又は合金も使用することができる。導電体の形状は特に限定されるものではなく、粒子状、薄片状、繊維状等の任意の形状をとることができる。
導電体としては、一部の金属の金属塩も使用可能である。具体的には、塩化アルミニウム、塩化第1及び第2錫、塩化クロム、塩化ニッケル、塩化第1及び第2アンチモン、塩化第1及び第2鉄、硝酸銀、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩化第1セリウム、四塩化セレン、塩化第2銅、塩化マンガン、塩化第2白金、四塩化タングステン、オキシ二塩化タングステン、タングステン酸カリウム、塩化第2金、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛等の各種の金属塩が例示できる。また、水酸化インジウム、ケイタングステン酸等の水酸化物又は酸化物等も使用可能である。
導電体としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンビニロン、ポリイソチアナフテン、ポリアセチレン、ポリアルキルピロール、ポリアルキルチオフェン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェニレンビニロン、ポリメトキシフェニレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリアントラセン、ポリナフタレン、ポリピレン、ポリアズレン等の導電性高分子も使用可能である。
本発明で使用される複合体を構成する半導体としては、例えば、C、Si、Ge、Sn、GaAs、Inp、GeN、ZnSe、PbSnTe等があり、半導体酸化金属や光半導体金属、光半導体酸化金属も使用可能である。好ましくは、酸化チタン(TiO)の他に、ZnO、SrTiOP、CdS、CdO、CaP、InP、In、CaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InSb、RuO、CeO等が使用されるが、半導体として使用する場合は、Na等で光触媒能を不活性化したものが望ましい。
本発明で使用される複合体を構成する誘電体としては、強誘電体であるチタン酸バリウム(PZT)いわゆるSBT、BLTや次に挙げる PZT、PLZT―(Pb、La)(Zr、Ti)O、SBT、SBTN―SrBi(Ta、Nb)、BST―(Ba、Sr)TiO、LSCO―(La、Sr)CoO、BLT、BIT―(Bi、La)Ti12、BSO―BiSiO等の複合金属が使用可能である。また、有機ケイ素化合物であるシラン化合物、シリコーン化合物、いわゆる有機変性シリカ化合物、また、有機ポリマー絶縁膜アリレンエーテル系ポリマー、ベンゾシクロブテン、フッ素系ポリマーパリレンN、またはF、フッ素化アモルファス炭素等の各種低誘電材料も使用可能である。
正又は負電荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複合体としては、基体表面に正電荷及び負電荷を付与可能なものであれば、任意の導電体と誘電体又は半導体との組み合わせを使用可能であるが、基体表面のセルフクリーニング化の点では、金属ドープ酸化チタンを使用することが好ましい。前記金属としては、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つが好ましく、少なくとも2つがより好ましく、特に、銀又は錫、並びに、銅又は鉄が好ましい。酸化チタンとしてはTiO、TiO、TiO、TiO/nHO等の各種の酸化物、過酸化物が使用可能である。特に、ペルオキソ基を有する過酸化チタンが好ましい。酸化チタンはアモルファス型、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型のいずれでもよく、これらが混在していてもよいが、アモルファス型酸化チタンが好ましい。
アモルファス型酸化チタンは光触媒機能を有さない。一方、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型の酸化チタンは光触媒機能を有するが、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛を一定濃度以上に複合させると光触媒機能を喪失する。したがって、前記金属ドープチタン酸化物は光触媒機能を有さないものである。なお、アモルファス型酸化チタンは太陽光加熱等により経時的にアナターゼ型酸化チタンに変換されるが、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛と複合させるとアナターゼ型酸化チタンは光触媒機能を失うので、結局のところ、前記金属ドープチタン酸化物は経時的に光触媒機能を示さないものである。一方、金、銀、白金をドープしたチタン酸化物は、酸化チタンがアモルファス型からアナターゼ型に変換した場合は光触媒性能を有するようになるが、正電荷物質が一定濃度以上共存する場合は光触媒性能を示さないため、前記金属ドープチタン酸化物を使用した場合にも経時的に光触媒機能を有さないものである。
正もしくは負電荷層を形成する前記金属ドープチタン酸化物の製造方法としては、一般的な二酸化チタン粉末の製造方法である塩酸法又は硫酸法をベースとする製造方法を採用してもよいし、各種の液体分散チタニア溶液の製造方法を採用してもよい。そして、上記金属は、製造段階の如何を問わずチタン酸化物と複合化することができる。
例えば、前記金属ドープチタン酸化物の具体的な製造方法としては、以下の第1〜第3の製造方法、並びに、従来から知られているゾル−ゲル法が挙げられる。
第1の製造方法
まず、四塩化チタン等の四価チタンの化合物とアンモニア等の塩基とを反応させて、水酸化チタンを形成する。次に、この水酸化チタンを酸化剤でペルオキソ化し、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処理することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて、正電荷又は負電荷を有する金属元素として、例えば、金、銀、白金、錫、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
ペルオキソ化用酸化剤は特に限定されるものではなく、チタンのペルオキソ化物、すなわち過酸化チタンが形成できるものであれば各種のものが使用できるが、過酸化水素が好ましい。酸化剤として過酸化水素水を使用する場合は、過酸化水素の濃度は特に制限されることはないが、30〜40%のものが好適である。ペルオキソ化前には水酸化チタンを冷却することが好ましい。その際の冷却温度は1〜5℃が好ましい。
図6に上記第1の製造方法の一例を示す。図示される製造方法では、四塩化チタン水溶液とアンモニア水とを、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛の化合物の少なくとも1つの存在下で混合し、当該金属の水酸化物及びチタンの水酸化物の混合物を生成させる。その際の反応混合液の濃度及び温度については、特に限定されるわけではないが、希薄且つ常温とすることが好ましい。この反応は中和反応であり、反応混合液のpHは最終的に7前後に調整されることが好ましい。
このようにして得られた金属及びチタンの水酸化物は純水で洗浄した後、5℃前後に冷却され、次に、過酸化水素水でペルオキソ化される。これにより、金属がドープされた、アモルファス型のペルオキソ基を有するチタン酸化物微細粒子を含有する水性分散液、すなわち金属ドープチタン酸化物を含有する水性分散液を製造することができる。
第2の製造方法
四塩化チタン等の四価チタンの化合物を酸化剤でペルオキソ化し、これとアンモニア等の塩基とを反応させて超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて、正電荷又は負電荷を有する金属元素として、例えば、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
第3の製造方法
四塩化チタン等の四価チタンの化合物を、酸化剤及び塩基と同時に反応させて、水酸化チタン形成とそのペルオキソ化とを同時に行い、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて、正電荷又は負電荷を有する金属元素として、例えば、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
なお、第1乃至第3の製造方法において、アモルファス型過酸化チタンと、これを加熱して得られるアナターゼ型過酸化チタンとの混合物を金属ドープチタン酸化物として使用できることは言うまでもない。
ゾル−ゲル法による製造方法
チタンアルコキシドに、水、アルコール等の溶媒、酸又は塩基触媒を混合撹拌し、チタンアルコキシドを加水分解させ、超微粒子のチタン酸化物のゾル溶液を生成する。この加水分解の前後のいずれかに、正電荷又は負電荷を有する金属元素として、例えば、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。なお、このようにして得られるチタン酸化物は、ペルオキソ基を有するアモルファス型である。
上記チタンアルコキシドとしては、一般式:Ti(OR´)(ただし、R´はアルキル基)で表示される化合物、又は上記一般式中の1つ或いは2つのアルコキシド基(OR´)がカルボキシル基或いはβ−ジカルボニル基で置換された化合物、或いは、それらの混合物が好ましい。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、Ti(O−isoC、Ti(O−nC、Ti(O−CHCH(C)C、Ti(O−C1735、Ti(O−isoC[CO(CH)CHCOCH、Ti(O−nC[OCN(COH)、Ti(OH)[OCH(CH)COOH]、Ti(OCHCH(C)CH(OH)C、Ti(O−nC(OCOC1735)等が挙げられる。
四価チタンの化合物
金属ドープチタン酸化物の製造に使用する四価チタンの化合物としては、塩基と反応させた際に、オルトチタン酸(HTiO)とも呼称される水酸化チタンを形成できるものであれば各種のチタン化合物が使用でき、例えば四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、燐酸チタン等のチタンの水溶性無機酸塩がある。それ以外にも蓚酸チタン等のチタンの水溶性有機酸塩も使用できる。なお、これらの各種チタン化合物の中では、水溶性に特に優れ、かつ金属ドープチタン酸化物の分散液中にチタン以外の成分が残留しない点で、四塩化チタンが好ましい。
また、四価チタンの化合物の溶液を使用する場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲルが形成できる範囲であれば特に制限されるものではないが、比較的希薄な溶液が好ましい。具体的には、四価チタンの化合物の溶液濃度は、5〜0.01wt%が好ましく、0.9〜0.3wt%がより好ましい。
塩基
上記四価チタンの化合物と反応させる塩基は、四価チタンの化合物と反応して水酸化チタンを形成できるものであれば、各種のものが使用可能であり、それにはアンモニア、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、苛性カリ等が例示できるが、アンモニアが好ましい。
また、上記の塩基の溶液を使用する場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲルが形成できる範囲であれば特に制限されるものではないが、比較的希薄な溶液が好ましい。具体的には、塩基溶液の濃度は、10〜0.01wt%が好ましく、1.0〜0.1wt%がより好ましい。特に、塩基溶液としてアンモニア水を使用した場合のアンモニアの濃度は、10〜0.01wt%が好ましく、1.0〜0.1wt%がより好ましい。
金属化合物
金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛の化合物としては、それぞれ以下のものが例示できる。
Au化合物:AuCl、AuCl、AuOH、Au(OH)、AuO、AuO
Ag化合物:AgNO、AgF、AgClO、AgOH、Ag(NH)OH、AgSO
Pt化合物:PtCl、PtO、Pt(NH)Cl、PtO、PtCl、〔Pt(OH)2−
Ni化合物:Ni(OH)、NiCl
Co化合物:Co(OH)NO、Co(OH)、CoSO、CoCl
Cu化合物:Cu(OH)、Cu(NO、CuSO、CuCl、Cu(CHCOO)
Zr化合物:Zr(OH)、ZrCl、ZrCl
Sn化合物:SnCl、SnCl、[Sn(OH)]
Mn化合物:MnNO、MnSO、MnCl
Fe化合物:Fe(OH)、Fe(OH)、FeCl
Zn化合物:Zn(NO、ZnSO、ZnCl
第1乃至第3の製造方法で得られる水性分散液中の過酸化チタン濃度(共存する金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛を含む合計量)は、0.05〜15wt%が好ましく、0.1〜5wt%がより好ましい。また、正電荷又は負電荷を有する金属元素、例えば、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛の配合量については、チタンと金属成分とのモル比で、本発明からは1:1が望ましいが、水性分散液の安定性から1:0.01〜1:0.5が好ましく、1:0.03〜1:0.1がより好ましい。
図7は、基体上の第1の層と第2の層の配置の様々な態様を示す図である。なお、図7に示す態様では、第2の層は正電荷物質のみを含むが、第2の層は正電荷物質と共に負電荷物質を含んでもよい。
図7(a)は、第1の層を基体表面上に直接形成する態様を示す。第1の層及び第2の層の層厚は特に限定されるものではないが、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10nm〜100nmの範囲がより好ましい。
図7(a)に示す第1の層及び第2の層の配置は、例えば、スパッタリング、溶射法、イオンプレーティング(陰極アーク放電型)、CVDコーティング、電着塗装や一般的なスプレーコーティングにより形成することができる。
また、既述した負電荷物質を含む溶液、懸濁液若しくはエマルジョン中に基体を浸漬してディップコーティングを行い、或いは、前記溶液、懸濁液若しくはエマルジョンを基体上にスプレー、ロール、刷毛、スポンジ等で塗布した後に、乾燥して溶媒乃至媒体を揮散させる工程を少なくとも1回行うことによって第1の層を形成し、更に、既述した正電荷物質を含む溶液、懸濁液若しくはエマルジョン中に基体を浸漬してディップコーティングを行い、或いは、前記溶液、懸濁液若しくはエマルジョンを基体上にスプレー、ロール、刷毛、スポンジ等で塗布後に乾燥する工程を少なくとも1回行うことによって第2の層を形成することもできる。
層中の正電荷物質又は負電荷物質の分散を促進するために、各種の界面活性剤又は分散剤を正電荷物質又は負電荷物質と共存させることが好ましい。界面活性剤又は分散剤の配合量は、正電荷物質又は負電荷物質の総量の0.001〜1.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%の範囲とすることができる。
界面活性剤又は分散剤としては、各種の有機ケイ素化合物を使用することができる。有機ケイ素化合物としては各種のシラン化合物並びに各種のシリコーンオイル、シリコーンゴム及びシリコーンレジンが使用可能であるが、分子中にアルキルシリケート構造やポリエーテル構造を有するもの、又はアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の両方を有するものが望ましい。
ここで、アルキルシリケート構造とは、シロキサン骨格のケイ素原子にアルキル基が結合した構造をさす。一方、ポリエーテル構造とは、これらに限定されるものではないが、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイト、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリテトラメチレングリコール―ポリプロピレンオキサイド共重合体等の分子構造が挙げられる。そのなかでも、ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体は、そのブロック度や分子量により、濡れ性を制御できる観点からもさらに好適である。
分子中にアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の双方を有する有機物質が特に好ましい。具体的には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等のポリエーテル変性シリコーンが好適である。これは公知の方法で製造することができ、例えば、特開平4―242499号公報の合成例1,2,3,4や、特開平9−165318号公報の参考例記載の方法等により製造することができる。特に、両末端メタリルポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体とジヒドロポリジメチルシロキサンとを反応させて得られるポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンが好適である。
具体的には、TSF4445、TSF4446(GE東芝シリコーン(株)製)、SH200、SH3746M(東レ・ダウコーニング(株)製)、KPシリーズ(信越化学工業(株)製)、並びに、DC3PA、ST869A(東レ・ダウコーニング(株)製)等を用いることができる。これらは塗料用添加剤であるが、その他、塗料用以外でも、これらの性能が付与できるものであれば適宜使用することができる。
図7(a)に示す第1の層及び第2の層の配置は、例えば、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、錫コロイド等の負電荷を有する導電体の分散液に0.01〜1.0質量%のポリエーテル変性シリコーンを配合して得られた混合液を基体上にスプレー塗布し、乾燥する工程、並びに、鉄イオン、亜鉛イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン等の正電荷を有する導電体の分散液に0.01〜1.0質量%のポリエーテル変性シリコーンを配合して得られた混合液を基体上にスプレー塗布し、乾燥する工程を経て得ることができる。
なお、前記他の成分が基体の構成材料でもある場合は、例えば、注型成形中に、基体を構成する成分の未硬化液に、当該液より高比重の正電荷物質の所定量を混入し、所定時間放置後に当該液より高比重の負電荷物質の所定量を混入し、その後に、当該液を硬化させることによって図7(a)に示す配置を得ることもできる。
なお、第1の層及び/又は第2の層には、赤外線吸収剤又は反射剤、紫外線吸収剤又は反射剤、電磁波遮蔽剤等の各種の添加剤を配合してもよい。その場合には、正電荷物質若しくは負電荷物質との整合性を考慮の上で、添加剤の使用量が決定される。
図7(b)は、基体表面と、第1の層との間に、中間層を設ける態様を示す。
図7(c)は、第2の層の表面上に、被覆層を設ける態様を示す。この場合は、静電誘導により、第2の層の電荷分布と同一の電荷分布を被覆層上に形成することができる。
前記中間層及び被覆層は、例えば、基体に親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは撥油性を付与することのできる各種の有機又は無機物質からなることができる。
親水性の有機物質としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体等のポリエーテル;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)、ポリメタクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)、ポリアクリル酸−ポリメタクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)共重合体;ポリアクリルアミド;ポリビニルピロリドン;カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)等の親水性セルロース類;多糖類等の天然親水性高分子化合物等が挙げられる。これらの高分子材料にガラス繊維、炭素繊維、シリカ等の無機系誘電体を配合して複合化したものも使用可能である。また、上記の高分子材料として塗料を使用することも可能である。
親水性の無機材料としては、例えば、SiO又はその他のケイ素化合物が挙げられる。
撥水性の有機物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン;ポリアクリレート、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等のアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル;ポリテトラフルオロエチレン、フルオロエチレン・プロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート等のポリエステル;フェノール樹脂;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ポリイミド樹脂;ナイロン等のポリアミド樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン等が挙げられる。
撥水性の有機物質としてはフッ素樹脂が好ましく、特に、強誘電性と撥水性を有するフッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドのβ型結晶体及びそれを含有するものが好ましい。フッ素樹脂としては市販のものを使用することが可能であり、市販品としては、例えば、NTT−AT(株)製のHIREC1550等が挙げられる。
更に、フッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体、フッ素原子を含有するオレフィンと炭化水素モノマーとの共重合体、およびフッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体と熱可塑性アクリル樹脂との混合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素樹脂と界面活性剤からなるフッ素樹脂エマルジョン、並びに硬化剤(特開平5−124880号公報、特開平5−117578号公報、特開平5−179191号公報参照)および/又は上記シリコーン樹脂系撥水剤からなる組成物(特開2000−121543号公報、特開2003−26461号公報参照)も使用することができる。このフッ素樹脂エマルジョンとしては、市販されているものを使用することができ、ダイキン工業(株)よりゼッフルシリーズとして、旭硝子(株)よりルミフロンシリーズとして購入可能である。上記硬化剤としては、メラミン系硬化剤、アミン系硬化剤、多価イソシアネート系硬化剤、及びブロック多価イソシアネート系硬化剤が好ましく使用される。
撥水性の無機系材料としては、例えば、シラン系、シリコネート系、シリコーン系及びシラン複合系、又は、フッ素系の撥水剤或いは吸水防止剤等が挙げられる。特に、フッ素系撥水剤が好ましく、例としては、パーフルロロアルキル基含有化合物などの含フッ素化合物又は含フッ素化合物含有組成物が挙げられる。なお、基材表面への吸着性が高い含フッ素化合物を中間層に含む場合は、基材表面に適用した後、撥水剤又は吸水防止剤の化学成分が基材と反応して化学結合を生じたり、又は化学成分どうしが架橋したりする必要はかならずしもない。
このようなフッ素系撥水剤として用いることができる含フッ素化合物は、分子中にパーフルオロアルキル基を含有する分子量1,000〜20,000のものが好ましく、具体的には、パーフルオロスルホン酸塩、パーフルオロスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルリン酸エステル、及びパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。中でも、基材表面への吸着性に優れることから、パーフルオロアルキルリン酸エステル、及びパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。このような材料としては、サーフロンS−112、及びサーフロンS−121(共に商品名、セイミケミカル(株)製)などが市販されている。
なお、吸水性の高い基体の場合では、第1の層の下に、シラン化合物を含む中間層を予め基体上に形成することが好ましい。この中間層は、Si―O結合を大量に含有する為、第1の層の強度や基体との密着性を向上することが可能になる。また、前記中間層は、基体への水分の浸入を防止する機能をも有している。
前記シラン化合物としては、加水分解性シラン、その加水分解物及びこれらの混合物が挙げられる。加水分解性シランとしては各種のアルコキシシランが使用でき、具体的には、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシランが挙げられる。これらの内、1種類の加水分解性シランを単独で使用してもよく、必要に応じて2種類以上の加水分解性シランを混合して使用してもよい。またこれらのシラン化合物に、各種のオルガノポリシロキサンを配合してもよい。このようなシラン化合物を含有する中間層の構成材料としては、例えば、ドライシールS(東レ・ダウコーニング(株)製)がある。
また、中間層の構成材料としては、メチルシリコーン樹脂及びメチルフェニルシリコーン樹脂等の室温硬化型シリコーン樹脂を使用してもよい。このような室温硬化型シリコーン樹脂としては、例えば、AY42−170、SR2510、SR2406、SR2410、SR2405、SR2411(東レ・ダウコーニング(株)製)がある。
中間層は塗装膜であってもよい。塗装膜を構成する塗装材料としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、紫外線硬化樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、含成樹脂エマルジョン等の合成樹脂と着色剤とを含有するいわゆるペンキ塗料を好適に使用することができる。
上記塗装膜の厚みは0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、特に、0.5μm〜10μmが好ましい。また、塗装手段としては、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が適用できる。なお、塗装膜の硬度、基体との密着性等の物理的性能を向上させるために、基体及び塗装膜の許容範囲内で加熱することが望ましい。
従来、優れた撥水性・撥油性又は親水性・疎水性を有する有機又は無機物質で基体表面を被覆することにより基体表面を保護することも行われていたが、当該有機又は無機物質は一般に負電荷を有しているために、経時的に汚染物質が付着し、その保護特性が著しく喪失するという問題があった。しかしながら、本発明では、このように基体表面に正電荷を付与するのでそのような問題がない。また、基体表面の化学的特性が損なわれることがないので、当該有機又は無機物質の特性を維持したままセルフクリーニング特性を付与することができる。
すなわち、本発明では、基体表面に付与される正電荷を利用して、基体自体の機能性を生かすと同時に継続的な「防汚・防曇機能」を生かした製品が可能となる。この技術は、あらゆる基体に応用できるが、特に、優れた撥水性や親水性を有する有機物質の表面に正電荷を付与することで長期的にその機能を維持することができるので、塗装面やプラスチック製の基体への応用が好ましい。これにより、「汚れない塗装面やプラスチック」が可能となる。
ところで、塗装膜は、高温下において、当該塗装膜中の合成樹脂の分解物、或いは、塗装膜形成時に使用した有機溶剤等の揮発性物質を放出する。揮発性物質としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルメチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ジメチルエチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素;ペンタン、ヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、3,3−ジメチルヘキサン、2,2,5−トリメチルヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカン、2,2−ジメチルデカン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素;エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のオキシド;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、2−プロピナール、ブタナール等のアルデヒド;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルビニルエーテル等のエーテル;アセトン、4−メチル−3−ペンテン−2−オン等のケトン;蟻酸ブチル等のエステル;パラフィン等が挙げられる。これらの揮発性物質は、殆どが疎水性であり、且つ、負電荷を形成する(例えば、アルコキシドイオン)。したがって、前記中間層として塗装膜を形成した場合、高温条件下において当該塗装膜から発生した揮発性物質が第2の層に到達すると、第2の層中の正電荷を相殺し、その結果、第2の層の表面特性が親水性から疎水性に変化して、防汚特性が悪化する。
しかし、本発明では、基体と第2の層との間に負電荷を備える第1の層が介在するので、静電的な反発により前記揮発性物質が第2の層に到達することがない。もしくは、負電荷を有する揮発性物質が第1の層を通過することで電荷が反転し、第2の層に吸着することがない。したがって、第2の層の正電荷が中和されて基体表面の保護機能が喪失することを防止することができる。
本発明は各種のデザイン性並びに高い防水・防汚性能が求められる任意の分野において利用可能であり、ガラス、金属、セラミックス、コンクリート、木材、石材、高分子樹脂カバー、高分子樹脂シート、繊維(衣類、カーテン等)、シーリング剤等又はこれらの組み合わせからなる、建材;空調屋外機;厨房機器;衛生機器;照明器具;自動車;自転車;自動二輪車;航空機;列車;船舶等の屋内外で利用される物品、また、各種機械、電子機器、テレビ等のフェイスパネルに好適に使用される。特に、自動車、飛行機等に好ましく、当該建材を使用して建造された家屋、ビルディング、道路、トンネル等の建築物は経時的に高い防水・防汚効果を発揮することができる。特に、本発明は、自動車のボディ及びタイヤホイールの防汚に有効に使用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[評価液1]
純水500mlにSnCl・2HO(塩化第一錫)0.297gを完全に溶かした溶液に、更に50%四塩化チタン溶液(住友シチックス株式会社製)5.0gを添加し純水を加え500mlにした溶液を準備する。これに25%アンモニア水(高杉製薬株式会社製)を10倍希釈したアンモニア水を滴下してpH7.0に調整して水酸化錫と水酸化チタンの混合物を沈殿させた。この沈殿物を純水で上澄み液の導電率が0.8mS/m以下になるまで洗浄する。導電率が0.713mS/mになったので洗浄を終了すると0.48wt%濃度の水酸化物が317g作製された。次に、これを1〜5℃に冷却しながら35%過酸化水素水(タイキ薬品工業株式会社製)を28g添加し16時間撹拌すると0.51wt%濃度の黄褐色の透明な錫がドープされたアモルファス型過酸化チタン溶液345gが得られた。これを評価液1とした。
[評価液2]
純水500mlに97%CuCl・2HO(日本化学産業(株)製)0.463gを完全に溶かした溶液に、さらに50%四塩化チタン溶液(住友シチックス(株)製)10gを添加し、純水を加えて1000mlにした溶液を準備する。これに25%アンモニア水(高杉製薬(株)製)を10倍希釈したアンモニア水を滴下してpH7.0に調整して水酸化銅と水酸化チタンとの混合物を沈殿させた。この沈殿物を純水で上澄み液中の導電率が0.8mS/m以下になるよう洗浄を継続し、導電率が0.8mS/mになったところで洗浄を終了すると、0.81wt%濃度の水酸化物の含有液が340g作製された。次いで、この含有液を1〜5℃に冷却しながら35%過酸化水素(タイキ薬品工業(株)製)を25g添加し16時間撹拌すると緑色の透明な銅がドープされた0.90wt%濃度のアモルファス型過酸化チタンの分散液365gが得られた。これを純水で希釈して0.85wt%の銅がドープされたアモルファス型過酸化チタン分散液385gを調製した。これを評価液2とした。
[評価液3]
純水500mlにFeCl・6HO、0.712gを完全に溶かした溶液に、さらに50%四塩化チタン溶液(住友シチックス(株)製)10gを添加し純水を加え1000mlにした溶液を準備する。これに25%アンモニア水(高杉製薬(株)製)を10倍希釈したアンモニア水を滴下してpH7.0に調整して水酸化鉄と水酸化チタンとの混合物を沈殿させた。この沈殿物を純水で上澄み液中の導電率が0.8mS/m以下になるよう洗浄を継続し、導電率が0.744mS/mになったところで洗浄を終了すると、0.47wt%濃度の水酸化物の含有液が420g作製された。次いで、この含有液を1〜5℃に冷却しながら35%過酸化水素(タイキ薬品工業(株)製)を25g添加し16時間撹拌すると濃黄褐色の透明な鉄がドープされた0.44wt%のアモルファス型過酸化チタンの分散液440gが得られた。これを限外ろ過濃縮装置で濃縮し、濃度を0.85wt%とした前記分散液を220g調製した。これと評価液2を1:2の割合で混合し評価液3とした。
[評価液4]
純水1000gに50%四塩化チタン溶液(住友シチックス(株)製)20gを添加し純水を加え2000gにメスアップした溶液を準備する。これに25%アンモニア水(高杉製薬(株)製)を10倍希釈したアンモニア水を滴下してpH7.0に調整して水酸化チタンの混合物を沈殿させた。この沈殿物を純水で上澄み液の導電率が0.8mS/m以下になるまで洗浄する。導電率が0.738mS/mになったので洗浄を終了すると0.73wt%固形分濃度の水酸化物が860g作製された。次に、これを1〜5℃に冷却しながら35%過酸化水素水(タイキ薬品工業(株)製)を50g添加し16時間撹拌すると淡黄褐色で透明な0.86wt%固形分濃度のアモルファス型過酸化チタン溶液905gが得られた。このアモルファス型過酸化チタン溶液100gを採取し、0.05モル/リットルに調整した硝酸銀水溶液を2.0g投入して撹拌混合すると黄色透明な硝酸銀が分散したアモルファス型過酸化チタン分散液102gが作製された。これと評価液2を1:2の割合で混合し評価液4とした。
[評価基板1〜4、比較評価基板1〜4の作製]
市販ポリカーボネート板(60mm×110mm;厚さ2.8mm)に下記の表1に示す層構造をスプレー工法で形成した。具体的には、単層の場合12g/m、複層の場合一層目8g/m、二層目12g/mの量を塗布し、自然乾燥の上、400W高圧水銀灯にて表面温度150℃で1分照射して層を形成し、各々評価基板1〜4、比較評価基板1〜4とした。なお、各評価液には、有機ケイ素化合物(界面活性剤)として、Z−B(サスティナブル・テクノロジー(株)製)を重量比10:2の割合で添加した。
評価1(表面電荷特性)
各基板を、除電ブロア(SJ-F020:(株)キーエンス製)で除電し、アースしたSUS板上に設置した静電気センサー(SK:(株)キーエンス製)に、5mmの距離で平置きし、気温30℃、湿度65%、浮遊電気イオン−50Vの条件下で、基板表面の静電圧を3回測定し、それらの平均値を測定値とした。結果を表2に示す。
評価2(表面親水性)
評価基板1〜4及び比較評価基板1〜4の基板造膜面を、各々、下記の手順で処理し、スポイトで純水1滴を、基板の約10mm上から滴下し、直後の水接触角を分度器にて目視評価した。結果を表3に示す。
表2には各々の基板表面の電荷特性が示されている。表3の結果から、紫外線、流水、長時間加熱等の処理を施したときの表面の親水性が下記の順で変化が少ないことがわかる:評価基板1>評価基板2>評価基板3>評価基板4
したがって、基板側からみて第1層目が負電荷を有し、第2層目が正電荷、又は、正電荷及び負電を有する層構造が親水性に寄与することがわかる。なお、単層の場合、いずれの場合も40°以上80°以下の水接触角(疎水性から撥水性)を示しており、防汚性に劣ることがわかる。
参考1(表面特性の低下確認試験)
アルミ板(A1050P)にアルミホイール用ベース塗料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗料(関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗布し、140℃で20分間焼き付けした後、評価液3を約0.1μmの厚さになるように塗布し、UV乾燥させて評価基板5とした。
評価基板5を電気炉で50℃〜140℃の水準で20分間加熱した後、約3200km相当のブレーキ汚れ促進試験を行い、汚染した表面と初期の表面の色差(ΔE)を汚染性とした。結果を図8に示す。加熱温度が80℃を越えた辺りより防汚効果が低下する(汚染性ΔE値が上昇する)ことが分かった。温度上昇に伴い、アルミホイール用塗膜より負電荷ガスが発生し、正電荷層へ吸着することが防汚効果低下の要因と考えられる。
参考2(負電荷ガスの分析)
ポリプロピレン製板にホイール用ベース塗料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗料(関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗装し、140℃で20分間焼き付けした後、ポリプロピレン製板より塗膜を剥離し、フィルム状の試料を作製した。試料(50μm×3枚)をバイアルビンに入れ、120℃で1時間加熱した後、ガス捕集管にガスを採取し、TMDGC/MSにて分析を行った。分析の結果、ホイール用ベース塗料及びクリアー塗料から発生するガスの主成分はブタノールであった。その他微量ガスとして1−メトキシ−2−プロパノール(ベース塗料のみから検出)、アルコール系、芳香族・脂肪族炭化水素が検出された。
評価3(表面防汚効果)
アルミ板(A1050P)にアルミホイール用ベース塗料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗料(関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗布し、140℃で20分間焼き付けした後、
A:そのまま、
B:評価液3を約0.1μmの厚さになるように塗布後UV乾燥、
C:第1層目に評価液1、第2層目に評価液3を、それぞれ約0.05μmの厚さとなるように塗布後UV乾燥の計3種類の評価基板A〜Cを作製した。
評価基板A〜Cを、それぞれ、そのままの状態で、或いは、120℃で20分間加熱した後に、約3200km相当のブレーキ汚れ促進試験を行い、汚染した表面と初期の表面の色差(ΔE)を汚染性とした。結果を図9及び図10に示す。正電荷物質のみが表面に存在する評価基板Bに対して、第1層目に負電荷物質を配置し、その上に更に正電荷物質を配置した評価基板Cは、防汚性能の低下が抑制されている(汚染性ΔEの上昇を低減している)ことが分かる。
[評価基板5〜7、比較評価基板5〜6の作製]
アルミ板(A1050P)にアルミホイール用ベース塗料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗料(関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗布し、140℃で20分間焼き付けした。次に、評価液1を約0.1μmの厚さになるように塗布して基板をUV乾燥した。その後、更に下記の作業を行って、評価基板5〜7、比較評価基板5〜6を作製した。
[評価基板5]
上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液(Z18−1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株)製)を、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥して、評価基板5を作製した。
[評価基板6]
上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液(Z18−1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株)製)と、光触媒用アナターゼ型チタニア水分散液(SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製)を9:1の混合液としたものを、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥して、評価基板6を作製した。
[評価基板7]
上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液(Z18−1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株)製)と、光触媒用アナターゼ型チタニア水分散液(SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製)を9:3の混合液としたものを、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥して、評価基板7を作製した。
[比較評価基板5]
アルミ板(A1050P)そのものを比較評価基板5とした。
[比較評価基板6]
光触媒用アナターゼ型チタニア水分散液(SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製)のみを、約0.1μmになるようにアルミ板(A1050P)に塗布して、乾燥した基板を比較評価基板6とした。
評価4(表面電荷特性)
評価基板5〜7、比較評価基板5〜6の表面に、下記式
で表される負電荷を備えた染料を含有する市販赤インク(パイロット(株)製)をエタノールで10倍希釈したものを0.007g/100cmの割合で塗布した上で、UV乾燥させた評価基板に、20Wのブラックライト蛍光灯で1000μW/cmの割合で紫外線を照射し、赤インクの消色率を色差計(ミノルタ(株)製:CR−200)にて経時的に測定した。
赤インクの褐色率(%)は以下の式を用いて計算により求めた。結果を表4に示す。
、a、b:赤インク塗布前の基板表面の測色値(CIELAB 色空間に基づく。以下同じ)
、a、b:赤インク塗布直後(紫外線照射前)の基板表面の測色値
、a、b:紫外線照射後の基板表面の測色値
表4に示した結果から、表面に正電荷を有する評価基板5がもっとも負電荷染料を吸着し、紫外線による酸化劣化が小さい一方で、比較評価基板5、及び、比較評価基板6が負電荷染料を静電反発すると共に、紫外線と合せて酸化劣化(分解)が大きいことが分かる。評価基板6、及び、評価基板7はそれらの中間的な特性を示し、正電荷と負電荷の両方の表面特性を示している。
評価5(表面親水特性)
評価基板5〜7、比較評価基板5〜6を屋外(日中晴天)に24時間曝露した後、室内にて、スポイトで純水1滴を各基板の約10mm上から滴下し、直後の水接触角を分度器にて目視評価した。結果を表5に示す。
表5から、正電荷と負電荷の両方を備える評価基板6、7は、優れた親水特性を示すことがわかる。
評価6(防汚評価)
評価基板5〜7、比較評価基板5〜6のそれぞれに、カーボンブラック水分散液(FW−200: 日本ペイント工業用コーティングス(株)製)を純水にて5%希釈液とした上で、0.09g/100cmの割合で塗布し、80℃で30分加熱乾燥し、常温に戻ったところで、イオン水を0.4MPaの圧力で10cm離隔した位置から散水し、基板表面のカーボンブラック(正電荷、又は、正電荷及び負電荷の両方を有する)の減少率を色差計(ミノルタ(株)製:CR−200)にて測定した。
カーボンブラックの減少率(%)は以下の式を用いて計算により求めた。結果を表6に示す。
、a、b:カーボンブラック塗布前の基板表面の測色値
、a、b:カーボンブラック塗布直後(散水前)の基板表面の測色値
、a、b:散水後の基板表面の測色値
表6から減少率は、評価基板5(正電荷)>評価基板7(両性電荷)>評価基板6(両性電荷)>比較評価基板6>比較評価基板5の順であり、正電荷を表面に備える評価基板5、並びに、正電荷及び負電荷の両方を表面に備える評価基板6及び7の防汚性能が優れていることがわかる。
[評価基板、比較評価基板5〜6の作製]
アルミ板(A1050P)にアルミホイール用ベース塗料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗料(関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗布し、140℃で20分間焼き付けした。次に、評価液1を約0.1μmの厚さになるように塗布して基板をUV乾燥した。その後、更に下記の作業を行って、評価基板、比較評価基板5〜6を作製した。
[評価基板
上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液(Z18−1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株)製)を、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥して、評価基板を作製した。
[評価基板
上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液(Z18−1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株)製)と、光触媒用アナターゼ型チタニア水分散液(SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製)を9:1の混合液としたものを、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥して、評価基板を作製した。
[評価基板
上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液(Z18−1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株)製)と、光触媒用アナターゼ型チタニア水分散液(SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製)を9:3の混合液としたものを、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥して、評価基板を作製した。
評価4(表面電荷特性)
評価基板、比較評価基板5〜6の表面に、下記式
で表される負電荷を備えた染料を含有する市販赤インク(パイロット(株)製)をエタノールで10倍希釈したものを0.007g/100cmの割合で塗布した上で、UV乾燥させた評価基板に、20Wのブラックライト蛍光灯で1000μW/cmの割合で紫外線を照射し、赤インクの消色率を色差計(ミノルタ(株)製:CR−200)にて経時的に測定した。
赤インクの退色率(%)は以下の式を用いて計算により求めた。結果を表4に示す。
、a、b:赤インク塗布前の基板表面の測色値(CIELAB 色空間に基づく。以下同じ)
、a、b:赤インク塗布直後(紫外線照射前)の基板表面の測色値
、a、b:紫外線照射後の基板表面の測色値
表4に示した結果から、表面に正電荷を有する評価基板がもっとも負電荷染料を吸着し、紫外線による酸化劣化が小さい一方で、比較評価基板5、及び、比較評価基板6が負電荷染料を静電反発すると共に、紫外線と合せて酸化劣化(分解)が大きいことが分かる。評価基板、及び、評価基板はそれらの中間的な特性を示し、正電荷と負電荷の両方の表面特性を示している。
評価5(表面親水特性)
評価基板、比較評価基板5〜6を屋外(日中晴天)に24時間曝露した後、室内にて、スポイトで純水1滴を各基板の約10mm上から滴下し、直後の水接触角を分度器にて目視評価した。結果を表5に示す。
表5から、正電荷と負電荷の両方を備える評価基板は、優れた親水特性を示すことがわかる。
評価6(防汚評価)
評価基板、比較評価基板5〜6のそれぞれに、カーボンブラック水分散液(FW−200: 日本ペイント工業用コーティング株)製)を純水にて5%希釈液とした上で、0.09g/100cmの割合で塗布し、80℃で30分加熱乾燥し、常温に戻ったところで、イオン水を0.4MPaの圧力で10cm離隔した位置から散水し、基板表面のカーボンブラック(正電荷、又は、正電荷及び負電荷の両方を有する)の減少率を色差計(ミノルタ(株)製:CR−200)にて測定した。
表6から減少率は、評価基板(正電荷)>評価基板(両性電荷)>評価基板(両性電荷)>比較評価基板6>比較評価基板5の順であり、正電荷を表面に備える評価基板、並びに、正電荷及び負電荷の両方を表面に備える評価基板及びの防汚性能が優れていることがわかる。

Claims (11)

  1. 基体表面上又は基体表面層中に、
    負電荷物質を含む第1の層、並びに、
    正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層
    を前記基体側から順に配置することを特徴とする、基体表面の汚染防止もしくは低減方法。
  2. 基体表面上又は基体表面層中に、
    負電荷物質を含む第1の層、並びに、
    正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層
    を前記基体側から順に配置することを特徴とする、基体表面の保護方法。
  3. 基体表面上又は基体表面層中に、
    負電荷物質を含む第1の層、並びに、
    正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層
    を前記基体側から順に配置することを特徴とする、基体表面の親水化方法。
  4. 前記正電荷物質が
    (1)陽イオン;
    (2)正電荷を有する導電体又は誘電体;並びに
    (3)正電荷を有する導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体
    からなる群から選択される1種又は2種以上の、正電荷を有する物質であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記負電荷物質が
    (4)陰イオン;
    (5)負電荷を有する導電体又は誘電体;
    (6)負電荷を有する導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体;
    (7)光触媒機能を有する物質
    からなる群から選択される1種又は2種以上の、負電荷を有する物質であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記基体が負電荷を有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の方法により、表面の汚染が防止乃至低減され、表面が保護され、又は、表面が親水性化された基体。
  8. 前記基体と前記第1の層との間に中間層を有することを特徴とする、請求項7記載の基体。
  9. 前記第2の層上に被覆層を有することを特徴とする、請求項7又は8記載の基体。
  10. 請求項7乃至9のいずれかに記載の基体を備える物品。
  11. 請求項7乃至9のいずれかに記載の基体を備える自動車用タイヤホイール。
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