JPWO2007091479A1 - 基体の保護方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基体の経時的な退色乃至変色を防止乃至低減して、基体を保護する新たな手法を提供することを目的とし、基体表面上又は基体表面層中に正電荷物質を配置することを特徴とする。

Description

本発明は、基体表面に正電荷を付与することにより、当該表面の汚染防止乃至低減、及び、保護を達成する方法に関する。
従来から、着色された種々の基体(例えば、印刷物、建材、繊維、有機高分子樹脂製品等)が経時的に退色乃至変色することは知られている。これらの退色乃至変色の要因としては、光による劣化、基体表面への汚染物質の付着等が挙げられており、その対策として種々の方法が考えられている。
例えば、光による劣化を防止するには、基体中に紫外線吸収剤を混入する等の方法が採られている。
一方、基体表面からの汚染物質の付着防止及び除去のために、防汚機能又はセルフクリーニング機能を有する皮膜を基体表面に形成する方法も開発されている。この方法としては、例えば、特開平9−262481号公報記載のアナターゼ型酸化チタンを使用して光触媒層を形成する方法等がある。
特開平9−262481号公報
しかしながら、基体中に紫外線吸収剤を混入する場合、基体中の成分の作用により紫外線吸収剤が分解して十分な紫外線吸収効果を発揮しない場合がある。
また、光触媒機能を基体表面に付与する場合は、基体の種類によっては、光触媒作用により基体そのものが分解劣化するおそれがある。また、光触媒機能を有する基体は負電荷を帯びているために、正電荷を有する汚染物を静電的に吸着する問題がある。
本発明は、基体の経時的な退色乃至変色を防止乃至低減すると同時に、汚染物の付着を防止乃至低減する新たな手法を提供することをその目的とする。
本発明の目的は、基体表面上又は基体表面層中に正電荷物質を配置することによって達成される。正電荷物質は、(1)陽イオン;(2)正電荷を有する導電体又は誘電体;並びに(3)導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体からなる群から選択される1種又は2種以上の、正電荷を有する物質であることが好ましい。
前記基体は親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは撥油性であることが好ましい。
前記正電荷物質は層を形成することが好ましく、その場合には、前記基体表面と前記正電荷物質層との間に中間層を形成してもよい。中間層はフッ素系撥水剤を含むことが好ましい。
大気中に浮遊している汚染物質及び/又は基体に付着した汚染物質は太陽光等の作用により光酸化され、正電荷を帯びるが、本発明の方法が施された基体の表面にも正電荷が存在するので、前記汚染物質は静電的に反発して、基体表面から自然と離脱する。したがって、基体表面をセルフクリーニングすることが可能となる。
また、前記基体が親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは撥油性の場合は、これらの性質を維持したまま上記のセルフクリーニング作用を基体に追加することができるので、長期間に亘って、基体表面への汚染物質の付着を防止乃至低減することができる。
更に、本発明の方法により処理された基体は太陽光等の作用自体にも高い抵抗性を有し、太陽光等による光劣化から基体を良好に保護することができる。また、中間層を有する場合は、中間層の材料を選択することにより、基体に任意の表面特性を付与することができる。
これらの作用により、本発明は、基体の退色乃至変色を長期に亘って防止乃至低減することができる。
本発明で使用される複合体による正電荷付与機構を示す概念図 金属ドープ酸化チタンの第1の製造方法の一例の概略を示す図 基体に正電荷を付与する第1の態様を示す概念図 基体に正電荷を付与する第2の態様を示す概念図 基体に正電荷を付与する第3の態様を示す概念図 正電荷を帯びる基体表面から汚染物質が除去される機構を示す概念図
基体表面の退色乃至変色の原因の一つである汚染物質は、大気中に浮遊しているカーボン等の無機物質及び/又は油等の有機物質が基体表面に徐々に堆積することによって基体表面に付着していく。
本発明は、静電的な反発作用によって、これらの汚染物質を基体から除去し、又は、これらの汚染物質の基体への付着を回避乃至低減することを特徴とする。
主に屋外の大気中に浮遊している汚染物質、特に油分は、太陽光をはじめとして各種の電磁波により、いわゆる光酸化反応を受け、「酸化」された状態にあるといわれている。
光酸化反応とは、太陽光をはじめとした電磁波の作用により、有機物又は無機物表面の水分(HO)、酸素(O)からヒドロキシルラジカル(・OH)や一重項酸素()が生成される際に当該有機物又は無機物から電子(e)が引き抜かれて酸化される現象をいう。この酸化により、有機物では分子構造が変化し、劣化と称される変色又は脆化現象がみられ、無機物、特に金属では錆が発生する。これら「酸化」された有機物又は無機物の表面は、電子(e)の引き抜きにより、正に帯電する。
本発明では、基体表面に正電荷を付与することにより、前記有機物又は無機物を、静電反発力を利用して基体表面から自然に離脱させる。基体表面に正電荷を付与する方法としては、例えば、陽イオン;正電荷を有する導電体又は誘電体;導電体と誘電体又は半導体との複合体;或いは、これらの混合物から選択される正電荷物質を基体表面に配置する方法が挙げられる。
前記陽イオンとしては、特に限定されるものではないが、アルミニウム、錫、セシウム、インジウム、セリウム、セレン、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銅、マンガン、タングステン、ジルコニウム、亜鉛等の金属元素のイオンが好ましく、特に銅イオンが好ましい。更に、メチルバイオレット、ビスマルクブラウン、メチレンブルー、マラカイトグリーン等のカチオン性染料、第4級窒素原子含有基により変性されたシリコーン等のカチオン基を備えた有機分子も使用可能である。イオンの価数も特に限定されるものではなく、例えば、1〜4価の陽イオンが使用可能である。
前記金属イオンの供給源として、金属塩を使用することも可能である。具体的には、塩化アルミニウム、塩化第1及び第2錫、塩化クロム、塩化ニッケル、塩化第1及び第2アンチモン、塩化第1及び第2鉄、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩化第1セリウム、四塩化セレン、塩化第2銅、塩化マンガン、四塩化タングステン、オキシ二塩化タングステン、タングステン酸カリウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、炭酸バリウム等の各種の金属塩が挙げられる。更に、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化クロム等の金属水酸化物も使用可能である。
正電荷を有する導電体又は誘電体としては、上記の陽イオン以外の、正電荷が発生した導電体又は誘電体を挙げることができ、例えば、後述する各種の導電体からなる電池の正電極、並びに、摩擦により正に帯電した羊毛、ナイロン等の誘電体が挙げられる。
次に、前記複合体によって正電荷を付与する原理を図1に示す。図1は図示を省略する基体の表面上又は表面層中に、導電体−誘電体又は半導体−導電体の組み合わせを配列した概念図である。導電体は、内部に自由に移動できる自由電子が高い濃度で存在することによって、表面に正電荷状態を有することができる。なお、導電体として陽イオンを含む導電性物質を使用することも可能である。
一方、導電体に隣接する誘電体又は半導体は、導電体の表面電荷状態の影響により誘電分極される。この結果、導電体に隣接する側には負電荷が、また、非隣接側には正電荷が誘電体又は半導体に発生する。これらの作用により導電体−誘電体又は半導体−導電体の組み合わせの表面は正電荷を帯びることとなり、基体表面に正電荷が付与される。前記複合体のサイズ(複合体を通過する最長軸の長さをいう)は1nmから100μm、好ましくは1nmから10μm、より好ましくは1nmから1μm、より好ましくは1nmから100nmの範囲とすることができる。
本発明において使用される複合体を構成する導電体は耐久性の点から金属が望ましく、アルミニウム、錫、セシウム、インジウム、セリウム、セレン、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銀、銅、マンガン、白金、タングステン、ジルコニウム、亜鉛等の金属が挙げられる。また、これらの金属の複合体又は合金も使用することができる。導電体の形状は特に限定されるものではなく、粒子状、薄片状、繊維状等の任意の形状をとることができる。
導電体としては、一部の金属の金属塩も使用可能である。具体的には、塩化アルミニウム、塩化第1及び第2錫、塩化クロム、塩化ニッケル、塩化第1及び第2アンチモン、塩化第1及び第2鉄、硝酸銀、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩化第1セリウム、四塩化セレン、塩化第2銅、塩化マンガン、塩化第2白金、四塩化タングステン、オキシ二塩化タングステン、タングステン酸カリウム、塩化第2金、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、リン酸鉄リチウム等の各種の金属塩が例示できる。また、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化クロム等の上記導電体金属の水酸化物、並びに、酸化亜鉛等の上記導電体金属の酸化物も使用可能である。
導電体としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンビニロン、ポリイソチアナフテン、ポリアセチレン、ポリアルキルピロール、ポリアルキルチオフェン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェニレンビニロン、ポリメトキシフェニレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリアントラセン、ポリナフタレン、ポリピレン、ポリアズレン等の導電性高分子も使用可能である。
半導体としては、例えば、C、Si、Ge、Sn、GaAs、Inp、GeN、ZnSe、PbSnTe等があり、半導体酸化金属や光半導体金属、光半導体酸化金属も使用可能である。好ましくは、酸化チタン(TiO)の他に、ZnO、SrTiOP、CdS、CdO、CaP、InP、In、CaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InSb、RuO、CeO等が使用されるが、Na等で光触媒能を不活性化したものが望ましい。
誘電体としては、強誘電体であるチタン酸バリウム(PZT)いわゆるSBT、BLTや次に挙げる PZT、PLZT―(Pb、La)(Zr、Ti)O、SBT、SBTN―SrBi(Ta、Nb)、BST―(Ba、Sr)TiO、LSCO―(La、Sr)CoO、BLT、BIT―(Bi、La)Ti12、BSO―BiSiO等の複合金属が使用可能である。また、有機ケイ素化合物であるシラン化合物、シリコーン化合物、いわゆる有機変性シリカ化合物、また、有機ポリマー絶縁膜アリレンエーテル系ポリマー、ベンゾシクロブテン、フッ素系ポリマーパリレンN、またはF、フッ素化アモルファス炭素等の各種低誘電材料も使用可能である。
導電体と誘電体又は半導体との複合体としては、基体表面に正電荷を付与可能なものであれば、任意の導電体と誘電体又は半導体との組み合わせを使用可能であるが、基体表面のセルフクリーニング化の点では、金属ドープ酸化チタンを使用することが好ましい。前記金属としては、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つが好ましく、酸化チタンとしてはTiO、TiO、TiO、TiO/nHO等の各種の酸化物、過酸化物が使用可能である。特に、ペルオキソ基を有する過酸化チタンが好ましい。酸化チタンはアモルファス型、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型のいずれでもよく、これらが混在していてもよいが、アモルファス型酸化チタンが好ましい。
アモルファス型酸化チタンは光触媒機能を有さない。一方、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型の酸化チタンは光触媒機能を有するが、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛を一定濃度以上に複合させると光触媒機能を喪失する。したがって、前記金属ドープチタン酸化物は光触媒機能を有さないものである。なお、アモルファス型酸化チタンは太陽光による加熱等により経時的にアナターゼ型酸化チタンに変換されるが、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛と複合させるとアナターゼ型酸化チタンは光触媒機能を失うので、結局のところ、前記金属ドープチタン酸化物は経時的に光触媒機能を示さないものである。
前記金属ドープチタン酸化物の製造方法としては、一般的な二酸化チタン粉末の製造方法である塩酸法又は硫酸法をベースとする製造方法を採用してもよいし、各種の液体分散チタニア溶液の製造方法を採用してもよい。そして、上記金属は、製造段階の如何を問わずチタン酸化物と複合化することができる。
例えば、前記金属ドープチタン酸化物の具体的な製造方法としては、以下の第1〜第3の製造方法、並びに、従来から知られているゾル−ゲル法が挙げられる。
第1の製造方法
まず、四塩化チタン等の四価チタンの化合物とアンモニア等の塩基とを反応させて、水酸化チタンを形成する。次に、この水酸化チタンを酸化剤でペルオキソ化し、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処理することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
ペルオキソ化用酸化剤は特に限定されるものではなく、チタンのペルオキソ化物、すなわち過酸化チタンが形成できるものであれば各種のものが使用できるが、過酸化水素が好ましい。酸化剤として過酸化水素水を使用する場合は、過酸化水素の濃度は特に制限されることはないが、30〜40%のものが好適である。ペルオキソ化前には水酸化チタンを冷却することが好ましい。その際の冷却温度は1〜5℃が好ましい。
図2に上記第1の製造方法の一例を示す。図示される製造方法では、四塩化チタン水溶液とアンモニア水とを、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛の化合物の少なくとも1つの存在下で混合し、当該金属の水酸化物及びチタンの水酸化物の混合物を生成させる。その際の反応混合液の濃度及び温度については、特に限定されるわけではないが、希薄且つ常温とすることが好ましい。この反応は中和反応であり、反応混合液のpHは最終的に7前後に調整されることが好ましい。
このようにして得られた金属及びチタンの水酸化物は純水で洗浄した後、5℃前後に冷却され、次に、過酸化水素水でペルオキソ化される。これにより、金属がドープされた、アモルファス型のペルオキソ基を有するチタン酸化物微細粒子を含有する水性分散液、すなわち金属ドープチタン酸化物を含有する水性分散液を製造することができる。
第2の製造方法
四塩化チタン等の四価チタンの化合物を酸化剤でペルオキソ化し、これとアンモニア等の塩基とを反応させて超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
第3の製造方法
四塩化チタン等の四価チタンの化合物を、酸化剤及び塩基と同時に反応させて、水酸化チタン形成とそのペルオキソ化とを同時に行い、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
なお、第1乃至第3の製造方法において、アモルファス型過酸化チタンと、これを加熱して得られるアナターゼ型過酸化チタンとの混合物を金属ドープチタン酸化物として使用できることは言うまでもない。
ゾル−ゲル法による製造方法
チタンアルコキシドに、水、アルコール等の溶媒、酸又は塩基触媒を混合撹拌し、チタンアルコキシドを加水分解させ、超微粒子のチタン酸化物のゾル溶液を生成する。この加水分解の前後のいずれかに、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。なお、このようにして得られるチタン酸化物は、ペルオキソ基を有するアモルファス型である。
上記チタンアルコキシドとしては、一般式:Ti(OR´)(ただし、R´はアルキル基)で表示される化合物、又は上記一般式中の1つ或いは2つのアルコキシド基(OR´)がカルボキシル基或いはβ−ジカルボニル基で置換された化合物、或いは、それらの混合物が好ましい。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、Ti(O−isoC、Ti(O−nC、Ti(O−CHCH(C)C、Ti(O−C1735、Ti(O−isoC[CO(CH)CHCOCH、Ti(O−nC[OCN(COH)、Ti(OH)[OCH(CH)COOH]、Ti(OCHCH(C)CH(OH)C、Ti(O−nC(OCOC1735)等が挙げられる。
四価チタンの化合物
金属ドープチタン酸化物の製造に使用する四価チタンの化合物としては、塩基と反応させた際に、オルトチタン酸(HTiO)とも呼称される水酸化チタンを形成できるものであれば各種のチタン化合物が使用でき、例えば四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、燐酸チタン等のチタンの水溶性無機酸塩がある。それ以外にも蓚酸チタン等のチタンの水溶性有機酸塩も使用できる。なお、これらの各種チタン化合物の中では、水溶性に特に優れ、かつ金属ドープチタン酸化物の分散液中にチタン以外の成分が残留しない点で、四塩化チタンが好ましい。
また、四価チタンの化合物の溶液を使用する場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲルが形成できる範囲であれば特に制限されるものではないが、比較的希薄な溶液が好ましい。具体的には、四価チタンの化合物の溶液濃度は、5〜0.01wt%が好ましく、0.9〜0.3wt%がより好ましい。
塩基
上記四価チタンの化合物と反応させる塩基は、四価チタンの化合物と反応して水酸化チタンを形成できるものであれば、各種のものが使用可能であり、それにはアンモニア、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、苛性カリ等が例示できるが、アンモニアが好ましい。
また、上記の塩基の溶液を使用する場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲルが形成できる範囲であれば特に制限されるものではないが、比較的希薄な溶液が好ましい。具体的には、塩基溶液の濃度は、10〜0.01wt%が好ましく、1.0〜0.1wt%がより好ましい。特に、塩基溶液としてアンモニア水を使用した場合のアンモニアの濃度は、10〜0.01wt%が好ましく、1.0〜0.1wt%がより好ましい。
金属化合物
銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛の化合物としては、それぞれ以下のものが例示できる。
Ni化合物:Ni(OH)、NiCl
Co化合物:Co(OH)NO、Co(OH)、CoSO、CoCl
Cu化合物:Cu(OH)、Cu(NO、CuSO、CuCl
Cu(CHCOO)
Mn化合物:MnNO、MnSO、MnCl
Fe化合物:Fe(OH)、Fe(OH)、FeCl
Zn化合物:Zn(NO、ZnSO、ZnCl
第1乃至第3の製造方法で得られる水性分散液中の過酸化チタン濃度(共存する銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛を含む合計量)は、0.05〜15wt%が好ましく、0.1〜5wt%がより好ましい。また、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛の配合量については、チタンと金属成分とのモル比で、本発明からは1:1が望ましいが、水性分散液の安定性から1:0.01〜1:0.5が好ましく、1:0.03〜1:0.1がより好ましい。
本発明の対象となる基体は特に限定されるものではなく、各種の、親水性又は疎水性の無機系基体及び有機系基体、或いは、それらの組み合わせを使用することができる。
無機系基体としては、例えば、ソーダライムガラス等の透明又は不透明ガラス、ジルコニア等の金属酸化物、セラミックス、コンクリート、モルタル、石材、金属等の物質からなる基体が挙げられる。また、有機系基体としては、例えば、有機樹脂、木材、紙等の物質からなる基体が挙げられる。有機樹脂をより具体的に例示すると、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリカーボネート、アクリル樹脂、PET等のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、シリコーン、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、エポキシ変性樹脂等が挙げられる。
基体の形状は特に限定されるものではなく、立方体、直方体、球形、シート形、繊維状等の任意の形状をとることができる。なお、基体は多孔質であってもよい。 基体表面はコロナ放電処理又は紫外線照射処理等によって親水性化されていてもよい。基体としては、建築・土木用基板又はシーリング材や、機器、装置搬送用ボディ、表示画面が好適である。
基体の表面は塗装されていてもよく、塗装材としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、紫外線硬化樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、含成樹脂エマルジョン等の合成樹脂と着色剤とを含有するいわゆるペンキ塗料を好適に使用することができる。
上記塗装膜の厚みは0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、特に、0.5μm〜10μmが好ましい。また、塗装手段としては、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が適用できる。なお、塗装膜の硬度、基体との密着性等の物理的性能を向上させるために、基体及び塗装膜の許容範囲内で加熱することが望ましい。
図3乃至図5は、基体表面に正電荷を付与する幾つかの態様を示す概念図である。
図3は、基体表面に陽イオンを配置して、基体表面に正電荷を付与する態様を示す。
図3に示す陽イオンの配置は、例えば、スパッタリング、溶射法、イオンプレーティング(陰極アーク放電型)、CVDコーティング、電着塗装、或いは、既述した金属イオンの塩若しくは水酸化物の溶液、懸濁液若しくはエマルジョン中に基体を浸漬してディップコーティングする方法、又は、前記金属イオンの塩若しくは水酸化物の溶液、懸濁液若しくはエマルジョンを基体上に塗布後に乾燥する工程を少なくとも1回行うことによって形成することができる。更に、例えば、注型成形中に、基体を構成する物質の未硬化液に、当該液より高又は低比重の、前記正電荷を有する金属イオンの塩若しくは水酸化物の所定量を混入し、所定時間放置後に当該液を硬化させることによって基体の表層中に正電荷物質を配置することもできる。なお、基体が塗装される場合には、塗料中に前記正電荷物質を含ませてもよい。
便宜上、図3では陽イオンからなる正電荷物質層が単層として配置されているが、複数層であってもよい。層の厚みは、好ましくは0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.03μm〜1.0μmである。また、基体上の正電荷物質の層は図3に示すような連続層である必要はなく、不連続層であってもよい。さらに、正電荷物質は、クラスター(正電荷物質の集合体)として基体上に不連続に分散して配置されていてもよい。なお、基体表面が負電荷を有する場合には、当該負電荷を中和した上で更に基体表面に正電荷を維持するように正電荷物質の量を調整する必要がある。
図4は、基体表面に正電荷を有する導電体又は誘電体を配置して、基体表面に正電荷を付与する態様を示す。
図4に示す導電体又は誘電体の配置は、例えば、既述した金属元素からなる金属の薄膜を基体上に形成し、図示を省略する電池の正電極として使用することにより得ることができる。図4の態様では、導電性又は誘電性物質の膜で基体表面が被覆される。膜の厚みは0.01〜100μmが好ましく、0.05〜50μmがより好ましく、特に、0.1〜10μmが好ましい。また、基体上の導電体又は誘電体は図4に示すような連続層である必要はなく、不連続層であってもよい。さらに、導電体又は誘電体は、クラスター(集合体)として基体上に不連続に分散して配置されていてもよい。なお、基体表面が負電荷を有する場合には、当該負電荷を中和した上で更に基体表面に正電荷を維持するように導電体又は誘電体の量を調整する必要がある。
図5は、導電体−誘電体又は半導体の複合体を基体表面に配置して、基体表面に正電荷を付与する態様を示す。
導電体と誘電体又は半導体との複合体の粒子サイズは数nmから数十μmの範囲とすることができる。また、複合体中の導電体微細粒子と誘電体又は半導体の微細粒子との組み合わせ比率は1:1が好ましい。前記複合体層の厚みは10nmから100μmの範囲とすることができる。上記の複合体層は例えば、前記金属ドープチタン酸化物の水性分散液を基体表面に塗布後、乾燥する工程を少なくとも1回行うことによって製造することができる。前記塗布方法としては、刷毛塗り、ローラーコート、スプレーコート等の汎用の膜形成方法が使用できる。なお、基体表面が負電荷を有する場合には、当該負電荷を中和した上で更に基体表面に正電荷を維持するように複合体の量を調整する必要がある。
次に、正電荷を帯びる基体表面から汚染物質が除去される機構を図6に示す。
まず、図3〜5に示されるように基体表面に正電荷を付与する(図6(1))。
基体表面に汚染物質が堆積し、太陽光等の電磁波の作用により光酸化される。こうして汚染物質にも正電荷が付与される(図6(2))。
基体表面と汚染物質との間に正電荷同士の静電反発が発生し、反発離脱力が汚染物質に発生する。これにより、基体表面への汚染物質の固着力が低減される(図6(3))。
風雨等の物理的な作用により、汚染物質は基体から容易に除去される(図6(4))。これにより、基体はセルフクリーニングされる。
前記したセルフクリーニング機能(防汚機能)をより高いものとし、また、基体表面における正電荷物質の分散を促進するために、各種の界面活性剤又は分散剤を正電荷物質と共存させることが好ましい。
界面活性剤又は分散剤としては、各種の有機ケイ素化合物を使用することができる。有機ケイ素化合物としては各種のシラン化合物並びに各種のシリコーンオイル、シリコーンゴム及びシリコーンレジンが使用可能であるが、分子中にアルキルシリケート構造やポリエーテル構造を有するもの、又はアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の両方を有するものが望ましい。
ここで、アルキルシリケート構造とは、シロキサン骨格のケイ素原子にアルキル基が結合した構造をさす。一方、ポリエーテル構造とは、これらに限定されるものではないが、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイト、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリテトラメチレングリコール―ポリプロピレンオキサイド共重合体等の分子構造が挙げられる。そのなかでも、ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体は、そのブロック度や分子量により、濡れ性を制御できる観点からもさらに好適である。
分子中にアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の双方を有する有機物質が特に好ましい。具体的には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等のポリエーテル変性シリコーンが好適である。これは公知の方法で製造することができ、例えば、特開平4―242499号公報の合成例1,2,3,4や、特開平9−165318号公報の参考例記載の方法等により製造することができる。特に、両末端メタリルポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体とジヒドロポリジメチルシロキサンとを反応させて得られるポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンが好適である。
具体的には、TSF4445、TSF4446(GE東芝シリコーン株式会社製)、SH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KPシリーズ(信越化学工業株式会社製)、並びに、DC3PA、ST869A(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等を用いることができる。これらは塗料用添加剤であるが、その他、塗料用以外でも、これらの性能が付与できるものであれば適宜使用することができる。
また、前記金属ドープチタン酸化物に好ましくはアルキルシリケート構造又はポリエーテル構造、或いは、その両方の構造を有するシリコーンや変性シリコーンを添加して、基体上に正電荷物質層を形成した場合、正電荷物質層の表面では光触媒機能は発現せず、有機化合物の分解による防汚、抗菌、ガス分解、水浄化は認められない。したがって、この金属ドープチタン酸化物を複合体として用いることにより、基体の光酸化劣化を防止することが可能となる。
本発明では、正電荷物質が層を形成する場合に、基体表面と正電荷物質層との間に中間層が存在してもよい。中間層は、例えば、基体に親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは撥油性を付与することのできる各種の有機又は無機物質からなることができる。
親水性の有機物質としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体等のポリエーテル;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)、ポリメタクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)、ポリアクリル酸−ポリメタクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)共重合体;ポリアクリルアミド;ポリビニルピロリドン;カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)等の親水性セルロース類;多糖類等の天然親水性高分子化合物等が挙げられる。これらの高分子材料にガラス繊維、炭素繊維、シリカ等の無機系誘電体を配合して複合化したものも使用可能である。また、上記の高分子材料として塗料を使用することも可能である。
親水性の無機材料としては、例えば、SiO又はその他のケイ素化合物、上記の金属ドープチタン酸化物、光触媒機能を有する酸化チタン等の物質が挙げられる。
光触媒物質は、特定の金属化合物を含んでおり、光励起により当該層表面の有機及び/又は無機化合物を酸化分解する機能を有する。光触媒の原理は、特定の金属化合物が光励起により、空気中の水又は酸素からOHやO のラジカル種を発生させ、このラジカル種が有機及び/又は無機化合物を酸化還元分解することであると一般的に理解されている。
前記金属化合物としては、代表的な酸化チタン(TiO)の他、ZnO、SrTiOP、CdS、CdO、CaP、InP、In、CaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InSb、RuO、CeO等が知られている。
光触媒物質からなる膜は、必要に応じて各種の添加剤と共に、これらの金属化合物の微粒子(2nm〜20nm程度)を含有する水性分散液を、正電荷物質上に塗布、乾燥することによって形成することができる。膜の厚みは、好ましくは0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.1μm〜1.0μmである。光触媒物質膜形成用としては水性分散液の使用が好ましいが、アルコールを溶媒とすることも可能である。
光触媒物質膜形成用水性分散液は、例えば、以下の方法によって製造することができる。なお、水性分散液中の過酸化チタンは乾燥造膜状態では酸化チタンに変化しうる。
第1の製造方法
既述した四価チタン化合物とアンモニア等の塩基とを反応させて、水酸化チタンを形成する。次に、この水酸化チタンを過酸化水素等の酸化剤でペルオキソ化し、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。更に加熱処理することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させる。
第2の製造方法
既述した四価チタン化合物を過酸化水素等の酸化剤でペルオキソ化し、次にアンモニア等の塩基と反応させて超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。更に加熱処理することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させる。
第3の製造方法
既述した四価チタン化合物と過酸化水素等の酸化剤及びアンモニア等の塩基とを反応させ、水酸化チタン形成及びペルオキソ化とを同時に行い、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。更に加熱処理することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させる。
光触媒物質膜には光触媒性能が向上する金属(Ag、Pt)を添加してもよい。また、金属塩等の各種物質を、光触媒機能を失活させない程度の範囲で添加することもできる。前記金属塩としては、例えば、アルミニウム、錫、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銀、セシウム、インジウム、セリウム、セレン、銅、マンガン、カルシウム、白金、タングステン、ジルコニウム、亜鉛等の金属塩があり、それ以外にも一部の金属或いは非金属等については水酸化物又は酸化物も使用可能である。具体的には、塩化アルミニウム、塩化第一及び第二錫、塩化クロム、塩化ニッケル、塩化第一及び第二アンチモン、塩化第一及び第二鉄、硝酸銀、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩化第一セリウム、四塩化セレン、塩化第二銅、塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化第二白金、四塩化タングステン、オキシ二塩化タングステン、タングステン酸カリウム、塩化第二金、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛等の各種金属塩が例示できる。また、金属塩以外の化合物としては、水酸化インジウム、ケイタングステン酸、シリカゾル、水酸化カルシウム等が例示できる。なお、光触媒物質膜の固着性を向上させるためにアモルファス型酸化チタンを配合することも可能である。
撥水性の有機物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン;ポリアクリレート、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等のアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル;ポリテトラフルオロエチレン、フルオロエチレン・プロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート等のポリエステル;フェノール樹脂;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ポリイミド樹脂;ナイロン等のポリアミド樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン等が挙げられる。
撥水性の有機物質としてはフッ素樹脂が好ましく、特に、強誘電性と撥水性を有するフッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドのβ型結晶体及びそれを含有するものが好ましい。フッ素樹脂としては市販のものを使用することが可能であり、市販品としては、例えば、NTT−AT株式会社製のHIREC1550等が挙げられる。
更に、フッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体、フッ素原子を含有するオレフィンと炭化水素モノマーとの共重合体、およびフッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体と熱可塑性アクリル樹脂との混合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素樹脂と界面活性剤からなるフッ素樹脂エマルジョン、並びに硬化剤(特開平5−124880号公報、特開平5−117578号公報、特開平5−179191号公報参照)および/又は上記シリコーン樹脂系撥水剤からなる組成物(特開2000−121543号公報、特開2003−26461号公報参照)も使用することができる。このフッ素樹脂エマルジョンとしては、市販されているものを使用することができ、ダイキン工業(株)よりゼッフルシリーズとして、旭硝子(株)よりルミフロンシリーズとして購入可能である。上記硬化剤としては、メラミン系硬化剤、アミン系硬化剤、多価イソシアネート系硬化剤、及びブロック多価イソシアネート系硬化剤が好ましく使用される。
撥水性の無機系材料としては、例えば、シラン系、シリコネート系、シリコーン系及びシラン複合系、又は、フッ素系の撥水剤或いは吸水防止剤等が挙げられる。特に、フッ素系撥水剤が好ましく、例としては、パーフルロロアルキル基含有化合物などの含フッ素化合物又は含フッ素化合物含有組成物が挙げられる。なお、基材表面への吸着性が高い含フッ素化合物を選択した場合は、基材表面に適用した後、撥水剤又は吸水防止剤の化学成分が基材と反応して化学結合を生じたり、又は化学成分どうしが架橋したりする必要はかならずしもない。
このようなフッ素系撥水剤として用いることができる含フッ素化合物は、分子中にパーフルオロアルキル基を含有する分子量1,000〜20,000のものが好ましく、具体的には、パーフルオロスルホン酸塩、パーフルオロスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルリン酸エステル、及びパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。中でも、基材表面への吸着性に優れることから、パーフルオロアルキルリン酸エステル、及びパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。市販のフッ素系撥水剤としては、サーフロンS−112、及びサーフロンS−121(共に商品名、セイミケミカル株式会社製)、フロロサーフFG−5010(株式会社フロロテクノロジー製)等を使用することができる。
特に、フッ素系撥水剤を使用する場合は、基体表面への紫外線若しくは太陽光等の紫外線を含む電磁波の照射を制御することで、基体表面の特性を撥水性から親水性まで変化させることができる。これにより、基体に求められる特性に応じてその保護態様を自在に変更することができるので、水と油の接触角度特性並びに表面電荷特性の双方を活かす場合にはフッ素系撥水剤の使用が特に好ましい。
なお、基体表面に有機ケイ素化合物を含有する正電荷物質層を形成する場合、シラン化合物を含む中間層を予め基体上に形成することが好ましい。この中間層は、Si―O結合を大量に含有する為、正電荷物質層の強度や基体との密着性を向上することが可能になる。また、前記中間層は、基体への水分の浸入を防止する機能をも有している。
前記シラン化合物としては、加水分解性シラン、その加水分解物及びこれらの混合物が挙げられる。加水分解性シランとしては各種のアルコキシシランが使用でき、具体的には、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシランが挙げられる。これらの内、1種類の加水分解性シランを単独で使用してもよく、必要に応じて2種類以上の加水分解性シランを混合して使用してもよい。またこれらのシラン化合物に、各種のオルガノポリシロキサンを配合してもよい。このようなシラン化合物を含有する中間層形成剤としては、ドライシールS(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)がある。
また、中間層形成剤として、メチルシリコーン樹脂及びメチルフェニルシリコーン樹脂等の室温硬化型シリコーン樹脂を使用してもよい。このような室温硬化型シリコーン樹脂としては、AY42−170、SR2510、SR2406、SR2410、SR2405、SR2411(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)がある。
中間層は無色透明でもよく、或いは、着色された透明、半透明又は不透明でもよい。ここでの着色とは赤、青、緑等の色のみならず白色によるものを含む。着色された中間層を得るには、中間層に無機又は有機顔料或いは染料等の各種の着色剤を配合することが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄、鉛丹、ベンガラ、群青、酸化クロム緑、酸化鉄等が挙げられる。有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアン系有機顔料、スレン系有機顔料、キノクリドン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、ジケトピロロピロールや各種金属錯体が使用できるが耐光性に優れているものが望ましい。耐光性のある有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ系有機顔料であるハンザエロー、トルイジンレッド、フタロシアン系有機顔料であるフタロシアンブルーB、フタロシアングリーン、キナクリドン系有機顔料であるキナクリドン赤等が挙げられる。
染料としては、塩基性染料、直接染料、酸性染料、植物性染料等が挙げられるが、耐光性に優れたものが好ましく、例えば、赤色では、ダイレクトスカーレット、ロクセリン、アゾルビン、橙色では、ダイレクトオレンジRコンク、アシドオレンジ、黄色では、クリソフェニンNS、メタニールエロー、茶色では、ダイレクトブラウンKGG、アシドブラウンR、青色ではダイレクトブルーB、黒色ではダイレクトブラックGX、ニグロシンBHL等が特に好ましい。
中間層がシラン化合物又はシリコーン樹脂からなる場合は、これらのシラン化合物又はシリコーン樹脂と顔料との混合比(重量比)は、1:2〜1:0.05の範囲が好ましく、1:1〜1:0.1の範囲がより好ましい。
なお、中間層には更に分散剤、安定剤、レベリング剤等の添加剤が配合されてもよい。これらの添加剤は中間層の形成を容易とする作用を有する。更に、顔料・染料等の着色剤を配合する場合は、当該着色剤の固着補助用バインダーを添加することも可能である。この場合のバインダーとしては、耐候性に優れたアクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合樹脂を主成分とする各種塗料用バインダーが使用することができ、例えば、ポリゾールAP−3720(昭和高分子株式会社製)、ポリゾールAP−609(昭和高分子株式会社製)等が挙げられる。
基体上での中間層の形成方法としては、公知の任意の方法が使用可能であり、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が可能である。なお、中間層の硬度、基体との密着性等の物理的性能を向上させる為には、基体上での中間層の形成後に、これらを許容範囲内の温度で加熱することが好ましい。
上記のようにして形成された中間層の厚みは特に限定されるものではないが、0.01〜1.0μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。また、着色剤、添加剤、バインダーが添加された場合は、1.0μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
従来、優れた撥水性・撥油性又は親水性・疎水性を有する有機又は無機物質で基体表面を被覆することにより基体表面を保護することも行われていたが、当該有機又は無機物質は一般に負電荷を有しているために、経時的に汚染物質が付着し、その保護特性が著しく喪失するという問題があった。しかしながら、本発明では、このように基体表面に正電荷を付与するのでそのような問題がない。また、基体表面の化学的特性が損なわれることがないので、当該有機又は無機物質の特性を維持したままセルフクリーニング特性を付与することができる。
すなわち、本発明では、基体表面に付与される正電荷を利用して、基体自体の機能性を生かすと同時に継続的な「防汚・防曇機能」を生かした製品が可能となる。この技術は、あらゆる基体に応用できるが、特に、優れた撥水性や親水性を有する有機物質の表面に正電荷を付与することで長期的にその機能を維持することができるので、プラスチック製の基体への応用が好ましい。これにより、「汚れないプラスチック」が可能となる。
また、基体表面の正電荷は、電磁波による基体の酸化劣化を低減することができる。すなわち、基体の酸化劣化とは、基体表面又は基体中において紫外線等の電磁波により、、・OH、等のラジカルが生成され、酸化分解反応を生じさせることが原因であるが、基体の正電荷表面は、これらのラジカルを安定した分子とする。したがって、基体の酸化劣化が防止又は低減されると考えられる。なお、基体が金属製の場合には、同様のプロセスから錆の発生を低減することが可能となる。
本発明は各種のデザイン性並びに高い防水・防汚性能が求められる任意の分野において利用可能であり、ガラス、金属、セラミックス、コンクリート、木材、石材、高分子樹脂カバー、高分子樹脂シート、繊維(衣類、カーテン等)、シーリング剤等又はこれらの組み合わせからなる、建材;空調屋外機;厨房機器;衛生機器;照明器具;自動車;自転車;自動二輪車;航空機;列車;船舶等の屋内外で利用される物品、また、各種機械、電子機器、テレビ等のフェイスパネルに好適に使用される。特に、建材に好ましく、当該建材を使用して建造された家屋、ビルディング、道路、トンネル等の建築物は経時的に高い防水・防汚効果を発揮することができる。
(参考例)
7%過酸化水素水:5%アンモニア水=1:1(体積比)の混合液20gに銅1gを投入して16時間放置して得られた約1800ppmの濃度の銅イオン含有水溶液に、ノニオン系界面活性剤(花王株式会社製クリーンスルー710M)を0.5%(体積比)添加して正電荷付与液とした。
(実施例1)
市販のSUS304ヘアライン仕上げ板(縦100mm、横100mm、厚み0.8mm)の表面に、参考例の正電荷付与液を刷毛塗りし、常温で乾燥後、100℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(実施例2)
市販の白色陶磁器タイル(ダントー株式会社製:縦98mm、横98mm、厚み4mm)の表面に、参考例の正電荷付与液を刷毛塗りし、常温で乾燥後、100℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(実施例3)
市販の包装用ポリエチレンフィルム(縦98mm、横98mm、厚み0.01mm)の表面に、参考例の正電荷付与液を刷毛塗りし、常温で乾燥後、80℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(実施例4)
市販のテント用ポリ塩化ビニルフィルム(縦100mm、横100mm、厚み0.2mm)の表面に、参考例の正電荷付与液を刷毛塗りし、常温で乾燥後、80℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(実施例5)
市販の透明フロートガラス板(縦100mm、横100mm、厚み4mm)の表面に、市販の光触媒機能付与液(B56:サスティナブル・テクノロジー株式会社製)をスプレーにて50g/m(wet状態)の割合で塗布し、表面乾燥後、200℃で15分加熱した。常温に冷却後、参考例の正電荷付与液を刷毛塗りし、常温で乾燥後、100℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(実施例6)
市販の透明フロートガラス板(縦100mm、横100mm、厚み4mm)の表面に、金属ドープチタン酸化物含有液(STiチタニア・ハイコートZ Z18−1000:サスティナブル・テクノロジー株式会社製)をスプレーにて12g/mの割合で塗布し、表面乾燥後、200℃で15分加熱した。常温に冷却後、参考例の正電荷付与液を刷毛塗りし、常温で乾燥後、100℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(実施例7)
市販の透明フロートガラス板(縦100mm、横100mm、厚み4mm)の表面に、フッ素コーティング剤(フロロサーフFG−5010S135−0.1:株式会社フロロテクノロジー製)を刷毛塗りして、100℃で15分加熱した。常温に冷却後、参考例の正電荷付与液をスプレーにて30g/mの割合で刷毛塗りし、常温で乾燥後、100℃で15分間加熱して評価基板を作製した。
(比較例1〜7)
実施例1〜7において参考例の正電荷付与液を塗布しない以外は同一の工程を経て評価基板を作製し、それぞれ比較例1〜7とした。
評価1
(帯電状態)
評価基板の表面の電荷状態を判定するために以下の操作を行った。まず、気温18℃、湿度40%の雰囲気下において、パルプ(100%)製シート細片(株式会社クレシア製キムタオルワイパーホワイト:幅20mm、長さ150mm、重量0.081g)を準備し、細片同士を摩擦させて細片表面に正の静電気を帯電させた。次に、ポリスチレン製本立てを用いて評価基板を垂直に配置し、細片との間隔を5mm前後とした上で、細片が評価基板に吸着するか反発するかを観察した。吸着する場合には基板表面が負電荷を帯びていると判定し、反発する場合は基板表面が正電荷を帯びていると判定した(事前に、摩擦した細片と直径8mmのテフロン(登録商標)棒(負に帯電することが既知)との間で同様の操作を行い吸着することを確認した)。結果を表に示す。なお、光触媒機能を有する比較例5並びに光触媒機能層上に正電荷物質層を備える実施例5の評価基板は、15Wのブラックライトを10cm離隔した位置から照射(波長360nm:照射強度1200μW/cm)し、励起状態にて観察した。
(表面特性)
評価基板表面の親水性・撥水性を判定するために以下の操作を行った。水平に載置した評価基板に10mm以内の高さからスポイトにより純水を1滴(0.028〜0.029g)滴下した。次に、滴下した水滴が評価基板の表面において形成する接触角を分度器計にて目視観察し、接触角が40°以下の場合に親水、40〜80°の場合は疎水、80°以上の場合は撥水として判定した。結果を表に示す。
なお、実施例7及び比較例7の評価基板のみ表面特性を判定するために、評価基板を水平に載置し、油性マジックインキ黒(線幅5.0mm:寺西工業株式会社製)で表面に線を描画した。評価基板表面の黒線幅が2mm以下になるものを撥油性とした。 結果を以下に示す。
Figure 2007091479
このように、正電荷付与液を塗布しない比較例1〜7の評価基板は、その表面が正又は負に帯電するが、正電荷付与液を塗布した実施例1〜7は全て正に帯電する。しかし、評価基板の表面特性は実施例と比較例との間で変化しない。
したがって、各種基板の表面特性を変更することなく、その特性を生かしながら、基板の表面帯電状態を正に変化させることにより、正電荷汚染物質の付着防止及び除去を実現することができる。なお、実施例5の評価基板の表面に赤色の有機染料を塗布してみたところ、実施例5の評価基板は第1層目に光触媒層を有するにもかかわらず、その表面では有機染料の分解はみられなかった。
評価2
(表面特性の制御)
実施例7で作成した評価基板、及び、比較例7の評価基板について、佐賀県において曝露試験を行い、各基板表面の汚染状態及び水との接触角を評価した。具体的には、各評価基板を18日間屋外にて太陽光に曝露し、その後、暗所で2日間放置した。
結果を表2に示す。なお、表2中の「強撥水性」とは、水との接触角が100°以上120°以下であることを意味し、「撥水性」とは水との接触角が80°以上100°未満であることを意味し、「親水性」とは水との接触角が20°以下5°以上であることを意味する。接触角は手動角度計にて目視計測した。また、基板表面上に白斑点が多数付着している状態を「汚染有」とし、付着がない状態を「汚染無」とした。曝露試験期間中、降雨は3回あった。
Figure 2007091479
表2に示されるように、比較例7の評価基板は常に強撥水性であるが、実施例7の評価基板は、太陽光曝露により親水性となる一方で、太陽光非曝露時には撥水性となる。したがって、表2に示した結果から、基板と正電荷物質層との間にフッ素系撥水剤を含む中間層を形成する場合は、基板の表面特性を撥水性又は親水性に制御可能であることが分かる。なお、評価2は2回行われたが、2回とも同様の結果であった。

Claims (8)

  1. 基体表面上又は基体表面層中に正電荷物質を配置させることを特徴とする、基体表面の汚染防止乃至低減方法。
  2. 基体表面上又は基体表面層中に正電荷物質を配置させることを特徴とする、基体表面の保護方法。
  3. 前記正電荷物質が
    (1)陽イオン;
    (2)正電荷を有する導電体又は誘電体;並びに
    (3)導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体
    からなる群から選択される1種又は2種以上の、正電荷を有する物質であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記基体が親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは撥油性であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記正電荷物質が層を形成することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記基体表面と前記正電荷物質層との間に中間層を形成することを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 前記中間層がフッ素系撥水剤を含むことを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の方法により、表面の汚染が防止乃至低減され、又は、表面が保護された前記基体を備えた物品。
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