JPWO2009122475A1 - クリアランスの測定方法および測定ユニット - Google Patents

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Abstract

本発明は、第1の部材(11)および第2の部材(12)の、対向する面間のクリアランス(13)を測定する方法であり、クリアランス(13)に、そのクリアランス(13)よりもやや大きな先端部(14)を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの先端部(14)間の離間距離を測定するステップ(S1)と、その先端部(14)間の離間距離を基にして、クリアランス値(d1)を算出、測定する算出ステップ(S2)と、を備える。

Description

本発明は、クリアランスの測定方法および測定ユニットに係り、特に、レシプロエンジンのバルブクリアランスの測定方法および測定ユニットに関するものである。
レシプロエンジンにおいて、混合ガスの吸気および排気を行うために、吸排気バルブが設けられ、吸排気時に、これらのバルブが開け閉めされる。このバルブの開け閉めは、カムシャフトでコントロールされる。
カムシャフトのカムが吸排気バルブを開く方式に、カムが、直接、バルブリフターを押して、バルブを開閉駆動させる直動式と、カムがロッカーアームと呼ばれるアームを介してバルブを押し、バルブを開閉駆動させるロッカーアーム式とがある。
吸排気バルブは、燃焼室からの熱によって熱膨張する。バルブが熱膨張すると、吸排気タイミングが変わるため、熱膨張変化を吸収すべく、カムがバルブリフターやロッカーアームのローラを押していない状態で、カムとバルブリフター(又はロッカーアームのローラ)との間に調整のためのクリアランス(バルブクリアランス)が設けられる。
エンジンの組立製造時においては、通常、シリンダヘッドにバルブを組み付けた後、バルブクリアランスを調整装置にて自動調整し、その調整後、バルブクリアランスを実際に測定し、確認している。
従来、このバルブクリアランスの測定、確認は、作業者が、シムと呼ばれる隙間ゲージを、カムとバルブリフター(又はロッカーアームのローラ)との間に差し込み、手作業で行っていた。これは、カムシャフト、バルブリフター、ロッカーアームなどは鍛造品であるため、μmオーダーの設計精度を出しにくく、組み付け精度もエンジンごとに異なるので、基本的に自動化が難しいことに起因している。
また、カムとバルブのカム当接部材との間のバルブクリアランスを自動測定するバルブクリアランス測定装置として、カムシャフトのカムが当接するカム当接部材面にアタッチメントを当接させて基準面とし、カムシャフトの下端面と基準面との間にバルブクリアランスVCがある状態での基準面からのカムシャフト高さD1と、カムシャフト単体の高さD3との差から、バルブクリアランスを測定するものがある(特許文献1を参照)。
特開2005−54728号公報
前述した手作業によるバルブクリアランス測定では、作業者の熟練度などに起因する測定値のバラツキが生じると共に、非熟練作業者が測定すると、タクトタイム(作業時間)が長くなるという問題があった。
一方、特許文献1記載のバルブクリアランス測定装置は、バルブクリアランスVCを自動測定しているものの、前述したD1とD3との差からバルブクリアランスVCを求めている。前述したように、エンジンの組み付け精度はエンジンごとに異なるので、バルブクリアランスのクリアランス値を直接測定しない限り、確実な値とは言い得ない。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、2つの部材間の対向する微小なクリアランスを直接測定するクリアランスの測定方法および測定ユニットを提供することにある。
上記目的を達成すべく請求項1に係る発明は、第1および第2の部材の、対向する面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の離間距離を測定するステップと、その先端部間離間距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
また、請求項2に係る発明は、真円面を有する第1および第2の部材の、対向する真円面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、その先端部間中心距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
以上の方法によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
請求項3に係る発明は、前記算出ステップは、前記先端部間中心距離と前記算出、測定されるクリアランス値との関係を予め求めておき、先端部間中心距離が測定された後に、その先端部間距離測定値をクリアランス値に変換する請求項2記載のクリアランスの測定方法である。
以上の方法によれば、先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
請求項4から請求項6に係る発明は、前記第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd1とする時、先端部間中心距離2Yに基づいて、クリアランス値d1を求める請求項3記載のクリアランスの測定方法である。
以上の方法によれば、第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、先端部の半径eを決め、先端部間中心距離2Yが測定されれば、クリアランス値が定まる。
また、請求項7に係る発明は、真円面を有する第1の部材と水平面を有する第2の部材との対向面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、その先端部間中心距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
以上の方法によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
請求項8に係る発明は、前記算出ステップは、前記先端部間中心距離と前記算出、測定されるクリアランス値との関係を予め求めておき、先端部間中心距離が測定された後に、その先端部間距離測定値をクリアランス値に変換する請求項7記載のクリアランスの測定方法である。
以上の方法によれば、先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
請求項9に係る発明は、前記第1の部材における真円面の半径r1、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd4とする時、先端部間中心距離2Yに基づいて、クリアランス値d4を求める請求項8記載のクリアランスの測定方法である。
以上の方法によれば、第1の部材における真円面の半径r1、先端部の半径eを決め、先端部間中心距離2Yが測定されれば、クリアランス値が定まる。
一方、請求項10に係る発明は、真円面を有する第1および第2の部材の、対向する真円面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、前記一対の測定子を前記クリアランス位置に又は前記両部材を前記一対の測定子間に移動させる移動手段と、前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成される、ことを特徴とするクリアランスの測定ユニットである。また、請求項11に係る発明は、真円面を有する第1の部材と水平面を有する第2の部材との対向面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、前記一対の測定子を前記クリアランス位置に又は前記両部材を前記一対の測定子間に移動させる移動手段と、前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成される、ことを特徴とするクリアランスの測定ユニットである。
以上の構成によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランス位置に一対の測定子の先端部を直接当接させることができ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
請求項12に係る発明は、前記一対の測定子をアーチ状のブラケットで保持し、前記ブラケットに、上下方向に昇降自在な前記移動手段が接続される、請求項10又は11に記載のクリアランスの測定ユニットである。
以上の構成によれば、移動手段を昇降させることにより、ブラケットに保持された一対の測定子を昇降させることができる。
請求項13に係る発明は、前記駆動手段が、前記ブラケットに保持され、前記一対の測定子を開閉駆動自在に支持する直動ガイドと、前記ブラケットに保持され、かつ、前記直動ガイドと平行に設けられ、前記一対の測定子を閉駆動させる引っ張りばねと、前記移動手段に保持され、前記一対の測定子を開駆動させるスライド機構と、を有する、請求項12に記載のクリアランスの測定ユニットである。
以上の構成によれば、直動ガイドに支持された一対の測定子を、引っ張りばねにより閉駆動され、スライド機構により開駆動される。
請求項14に係る発明は、前記スライド機構は、前記移動手段と一体に設けられ、上下方向に直動駆動するアクチュエータと、そのアクチュエータに接続され、先端にテーパ面を有する直進カムと、で構成され、前記一対の測定子の対向する内側面に、前記直進カムの前記テーパ面に沿って転動自在なローラが設けられる、請求項13記載のクリアランスの測定ユニットである。
以上の構成によれば、スライド機構の直動駆動を、カム機構にて一対の測定子の開駆動に変換することができる。
請求項15に係る発明は、前記ブラケットに鉛直方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に鉛直方向上方に付勢する圧縮ばねを介してピンが挿通され、そのピンの挿通突出部に鉛直方向に昇降自在な前記移動手段が接続され、前記ブラケットが前記ピンにてフローティングされるように設けられる、請求項12記載のクリアランスの測定ユニットである。
以上の構成によれば、ブラケットをピンによるフローティング構造としたことで、クリアランス測定に伴う測定ユニットの自重の一部をキャンセルすることができ、測定子の先端部を確実にクリアランスに入り込ませることができる。
請求項16に係る発明は、前記各先端部が断面ほぼ円形の柱体で構成され、その円形の柱体の周面が前記クリアランスに直接当接される、請求項10又は11に記載のクリアランスの測定ユニットである。
以上の構成によれば、クリアランス位置における各部材と先端部との接触が点接触ではなく面接触となるため、先端部をクリアランスに安定して当接させることができる。
本発明によれば、2つの部材の対向する面間のクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、先端部間の離間距離を測定し、その先端部間離間距離からクリアランス値を算出、測定するようにしているため、精度の高い正確なクリアランス値が得られるという優れた効果を発揮する。
本発明の第1の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図である。 図1の測定方法の第1変形例である。 図1の測定方法の第2変形例である。 本発明の第2の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図である。 本発明の第3の形態に係るクリアランスの測定ユニットの正面図である。 図5の部分破断拡大図である。 図6における測定子先端の拡大斜視図である。 図6におけるブラケットのフローティング機構を説明するための図である。図8(a)はフローティング前、図8(b)はフローティング後の状態を示している。 図5の測定ユニットを、ロッカーアーム式のバルブクリアランス測定に適用した例を示す部分断面正面図である。 図5の測定ユニットを、直動式のバルブクリアランス測定に適用した例を示す部分断面正面図である。
符号の説明
11 第1の部材
12 第2の部材
13 クリアランス
14 先端部
S1 測定ステップ
S2 算出ステップ
d1 クリアランス値
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の好適一実施の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係るクリアランスの測定方法は、第1および第2の部材の対向する面間のクリアランス、具体的には、真円面を有する第1および第2の部材11,12の、対向する真円面間の微小なクリアランス13を測定するものである。例えば、第1および第2の部材11,12としては円柱状のシャフト、ローラ、ベアリングなどが挙げられる。
本測定方法は、クリアランス13に、そのクリアランス13よりもやや大きな球状の先端部14,14を備える一対の測定子(後述する図6に示す測定子60を参照)を直接当接させ、2つの先端部14,14間の中心距離2×Y(以下、2Yという)を測定するステップ(測定ステップS1)と、その先端部14,14間の中心距離2Yを基にして、クリアランス値d1を算出、測定するステップ(算出ステップS2)と、を備える。
測定ステップS1は、先端部14,14を備える一対の測定子を、部材11の真円面プロファイル(及び/又は部材12の真円面プロファイル)をなぞらせつつ接近させ、部材11,12間のクリアランス13に当接させ、この当接により先端部14,14間の中心距離2Yを求める工程である。
クリアランス13に対する一対の測定子のアクセスは、部材11の真円面プロファイルをなぞらせつつ接近させることに限定するものではない。一対の測定子をクリアランス13に当接させ易い方向からアクセスするようにすればよく、上、下、又は左右からのいずれの方向からのアクセスであってよい。
一方、算出ステップS2は、先端部14,14間の中心距離2Yと算出、測定されるクリアランス値d1との関係を予め求めておき、先端部14,14間の中心距離2Yが測定された後に、その先端部間距離測定値2Yをクリアランス値d1に変換する工程である。
具体的には、算出ステップS2は、
第1および第2の部材11,12における各真円面の半径r1、r2、先端部14の半径eを事前に規定しておき、
第2の部材12と先端部14との中心距離をa、第1の部材11と先端部14との中心距離をb、長さ(線分)bにおいて第1および第2の部材11,12の中心間線分cの延長方向における線分をs、長さ(線分)aにおいて中心間線分cの延長方向における線分をt、先端部14間の中心距離を2Y、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数5により、クリアランス値d1を求める。ここで言う「事前に規定しておく」とは、使用する第1および第2の部材11,12、測定子の先端部14のサイズ、径は事前に決まっているので、そのサイズ、径を適用するということである。
Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、r2=9(mm)、e=1.5(mm)とすると、a=10.5(mm)、b=16.5(mm)となる。よって、先端部間距離測定値2Y(例えば、11.970(mm))が求まると、クリアランス値d1(例えば、0.003(mm))が算出される。測定値2Yとクリアランス値d1との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d1が定まる。
ここで、測定ステップS1として、直接、中心距離2Yを測定し、求める例を挙げて説明を行ったが、先ず、先端部14,14間の離間距離を測定し、その離間距離に先端部14,14の半径eを2倍した値(2e)を加え、中心距離2Y(=離間距離+2e)を求めるようにしてもよい。
次に、クリアランスの測定方法の変形例を説明する。
(第1変形例)
図1の第1変形例を図2に示す。本変形例は、前述した測定方法と比較して、算出ステップS2の算出工程が異なることに特徴がある。以下、前述した測定方法との相違点のみについて説明し、同じ部分については説明を割愛する。
本変形例においては、図2に示すように、
第1および第2の部材11,12における各真円面の半径r1、r2、先端部14の半径e、クリアランス値d2を事前に規定しておき、
第2の物体12と先端部14との中心距離をa、第1の物体と先端部との中心距離をb、長さ(線分)bにおいて中心間線分cの延長方向における線分をX、先端部14間の中心距離を2Y、長さbと中心間線分cとで挟まれた角度をα、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数6により、クリアランス値d2を求めるものである。
Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、r2=9(mm)、e=1.5(mm)とすると、a=10.5(mm)、b=16.5(mm)、c=24+d2となる。よって、ある所定のクリアランス値d2ごとに先端部間距離測定値2Yを事前に求めておき、クリアランス値d2と測定値2Yとの関係を求める。その後、この関係式から、任意の測定値2Y(例えば、11.977(mm))が求まると、クリアランス値d2(例えば、d2=0.00(mm))が算出される。すなわち、測定値2Yとクリアランス値d2との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d2が定まる。
(第2変形例)
図1の第2変形例を図3に示す。本変形例は、前述した第1変形例の別の変形例である。
本変形例においては、図3に示すように、
第1および第2の部材11,12における各真円面の半径r1、r2、先端部14の半径e、クリアランス値d3を事前に規定しておき、
第2の部材12と先端部14との中心距離をa、第1の部材11と先端部14との中心距離をb、先端部14間の中心距離を2Y、長さ(線分)bと中心間線分cとで挟まれた角度をα、長さ(線分)aと中心間線分cとで挟まれた角度をβ、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数7により、クリアランス値d3を求めるものである。
Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、r2=9(mm)、e=1.5(mm)とすると、a=10.5(mm)、b=16.5(mm)、c=24+d3となる。よって、ある所定のクリアランス値d3ごとに先端部間距離測定値2Yを事前に求めておき、クリアランス値d3と測定値2Yとの関係を求める。その後、この関係式から、任意の測定値2Y(例えば、2Y=11.977(mm))が求まると、クリアランス値d3(例えば、d3=0.00(mm))が算出される。すなわち、測定値2Yとクリアランス値d3との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d3が定まる。
以上に述べた本実施の形態、第1変形例、および第2変形例に係る測定方法は、2つの部材11,12間の対向する微小なクリアランス13に、そのクリアランス13よりもやや大きな球状の先端部14,14を備える一対の測定子を直接当接させることに特徴がある。
そして、先ず、2つの先端部14,14間の中心距離2Yを測定し(測定ステップS1)、その測定された中心距離2Yを基にしてクリアランス値d1(又はd2、或いはd3)を算出、測定する(算出ステップS2)ようにしている。この算出されたクリアランス値d1は、特許文献1記載のバルブクリアランス測定装置のように、差分からクリアランス値を推定して求めるのものではなく、クリアランス13を直接測定して求められるものであるため、精度の高い正確なクリアランス値d1となる。すなわち、クリアランス13のクリアランス値d1を測定しようとする時に、クリアランス13は唯一、絶対の真なるものである。このため、本実施の形態において、クリアランス13を直接測定して求められるクリアランス値d1は、精度の高い正確な値となる。
また、測定ステップS1においては、先端部14,14を部材11(又は12)の真円面プロファイルをなぞらせつつ接近させていることにより、先端部14,14をクリアランス13に確実に入り込ませることができる。よって、クリアランス値d1の精度がさらに高いものとなる。
次に、クリアランスの測定方法における他の実施形態を説明する。
(第2の実施形態)
本実施の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図を図4に示す。
図4に示すように、本実施の形態に係るクリアランスの測定方法は、真円面を有する第1の部材11と水平面を有する第2の部材42との対向面間のクリアランス43を測定するものである。例えば、第1の部材11としては円柱状のシャフト、ローラ、ベアリングなど、第2の部材42としては水平面を有する部材の上面、下面、又は側面などが挙げられる。
この測定方法は、クリアランス43に、前述した先端部14,14を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの先端部14,14間の中心距離2Yを測定するステップ(測定ステップS41)と、その先端部14,14間の中心距離2Yを基にして、クリアランス値d4を算出、測定するステップ(算出ステップS42)と、を備える。
測定ステップS41は、先端部14,14を備える一対の測定子を、部材11の真円面プロファイル(及び/又は部材42の水平面プロファイル)をなぞらせつつ接近させ、部材11,42間のクリアランス43に当接させ、この当接により先端部14,14間の中心距離2Yを求める工程である。
一方、算出ステップS42は、先端部14,14間の中心距離2Yと算出、測定されるクリアランス値d4との関係を予め求めておき、先端部14,14間の中心距離2Yが測定された後に、その先端部間距離測定値2Yをクリアランス値d4に変換する工程である。
具体的には、算出ステップS42は、
第1の部材11における真円面の半径r1、先端部14の半径eを事前に規定しておき、
先端部14,14間の中心距離を2Y、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数8により、クリアランス値d4を求める。ここで言う「事前に規定しておく」とは、使用する第1および第2の部材11,42、測定子の先端部14のサイズ、径は事前に決まっているので、そのサイズ、径を適用するということである。
Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、e=1.5(mm)とすると、先端部間距離測定値2Yが求まると(例えば、18.85(mm))、クリアランス値d4(例えば、0.043(mm))が算出される。測定値2Yとクリアランス値d4との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d4が定まる。
本実施の形態においても、前実施の形態に係るクリアランスの測定方法と同様の作用効果が期待できる。
また、本実施の形態によれば、一方の部材の対向面が真円面、他方の部材の対向面が水平面であっても、部材間のクリアランス43を直接測定し、精度の高い正確なクリアランス値d4を得ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、先端部14の下端面を、水平面を有する第2の部材42の水平面プロファイルになぞらせつつ接近させるだけで、先端部14を容易に、かつ、確実にクリアランス43に入り込ませることもできる。
次に、クリアランスの測定ユニットについて説明する。
(第3の実施形態)
本発明の好適一実施の形態に係るクリアランスの測定ユニットの正面図を図5に、その部分破断拡大図を図6に、測定子先端の斜視図を図7に示す。
図5に示すように、本実施の形態に係る測定ユニットは、真円面を有する第1の部材51および第2の部材52の、対向する真円面間の微小なクリアランスCを測定するものであり、一対の測定子60,60と、各測定子60を保持する保持手段750と、移動手段55と、駆動手段70と、測定手段80と、演算手段(図示せず)とで構成される。
(測定子)
測定子60は、図6に示すように、爪部材61を断面L字型の測定子ブロック62にボルト63を介して一体に固定し、吊設してなる。測定子ブロック62は、水平部であるベース部62aと垂直部62bとを有する。一対の測定子60は、測定子ブロック62の垂直部62b、62bを背中合わせに対向配置してなり、各爪部材61の先端部は中央に向かって(相対する爪部材側に)湾曲されている。
各測定子ブロック62のベース部62aには、図6中のX軸方向に延びる貫通穴64が設けられ、一対の測定子60における貫通穴64、64は一直線上に配置される。また、測定子ブロック62の各垂直部62bの上部には、図6中のX−Z平面において回動自在なローラ65が設けられる。これらのローラ65、65は、後述する直進カム723のテーパ面724に当接される。
一方、図7に示すように、各爪部材61の先端には、図5に示すクリアランスCよりもやや大きな球状の先端部611が設けられる。各先端部611は断面ほぼ円形の柱体を呈しており、その円形の柱体の周面612がクリアランスCに入り込み、直接当接される。
(保持手段)
保持手段750は、一対の測定子60を後述するシャフト704を介して保持するアーチ状のブラケット751と、ブラケット751に吊設されるプレート752,752とで構成される。プレート752は、ブラケット751における垂直部754と測定子ブロック62との間にそれぞれ配置され、プレート752とブラケット751はボルトなどの締結手段で締結される。
ブラケット751における上部水平部753には、図8(a)に示すように、鉛直方向に貫通する貫通穴81が2箇所設けられる。各貫通穴81は下方が拡径された段差部を有しており、この段差部にブッシング82が下方から着座される。ブッシング82の開口821における下部縁は、下方側が拡径されたテーパ面822として形成される。
ピン83は上方側が小径部831、下方側が大径部832とされる。また、小径部831と大径部832との境界部はテーパ部833とされる。さらに、大径部832の最下部にはフランジ部834が設けられる。この大径部832を取り囲むように後述する圧縮ばね84が嵌装され、圧縮ばね84の下端がフランジ部834に載置される。
ブッシング82の開口821に圧縮ばね84を介して円柱状のピン83が挿通され、開口821から突出する小径部831の最上部が後述する水平ブラケット551に固定される。この時、一対の測定子60、保持手段750、駆動手段70、および測定手段80の自重により、ブッシング82が圧縮ばね84を圧縮した状態で、テーパ面822がテーパ部833に着座される。
(移動手段)
移動手段55は、図5に示すように、水平ブラケット551、水平ブラケット551に立設される垂直ブラケット552、垂直ブラケット552にピストンの一端が固定され、図示しない固定系に固定された昇降機構553とで構成される。水平ブラケット551は、前述したピン83を介してブラケット751と接続される。昇降機構553は図5中のZ軸方向に伸縮自在に設けられる。昇降機構(エアシリンダ)553のピストンが伸長することで昇降機構553を除く測定ユニット全体が下降され、昇降機構553のピストンが収縮することで昇降機構553を除く測定ユニット全体が上昇される。
この移動手段55により、一対の測定子60がクリアランス位置に(又は両部材51,52を一対の測定子間60に)移動可能となる。
昇降機構553としては、エアシリンダの他にも、油圧駆動のシリンダ、サーボモータ、ボールネジを用いるネジ送り機構、ソレノイドを用いる電磁アクチュエータなどが適用可能である。
(駆動手段)
駆動手段70は、直動ガイド700と、引っ張りばね710と、スライド機構720と、で構成される。
直動ガイド700は、図6に示すように、ブラケット751に保持され、一対の測定子60を開閉駆動自在に支持する。具体的には、前述した各測定子ブロック62の貫通穴64内に、カラー701を挟んでLMストローク702,703が配設される。そして、直動ガイドとしてのシャフト704が、貫通穴64,64を挿通して、かつ、カラー701およびLMストローク702,703を嵌装して設けられる。このシャフト704の両端はブラケット751に固定される。LMストローク702,703により、一対の測定子60はシャフト704に沿ってX軸方向にスライド移動自在とされる。ここで言うLMストロークとは、回転運動と往復運動を転がり案内できる有限ストロークタイプの直線案内機構である。
引っ張りばね710は、直動ガイド700のシャフト704と平行に配設されるばね本体711と、その両端部に設けられるフック部材712,713とで構成される。フック部材712,713は、ブラケット751に吊設される両プレート752に固定、保持される。引っ張りばね710は、各プレート752を介して各測定子ブロック62を内側に付勢した状態で配置される。この引っ張りばね710により、一対の測定子60が閉駆動される。
スライド機構720は、移動手段55の水平ブラケット551に保持され、上下方向に直動駆動するアクチュエータ721と、そのアクチュエータ721に接続され、先端にテーパ面724を有する直進カム723と、で構成される。アクチュエータ721にて直進カム723を下降させ、テーパ面724に沿って前述したローラ65が転動されることで、一対の測定子60が開駆動される。アクチュエータ721としては、例えばエア駆動のシリンダが挙げられる。エアシリンダ721には2つのエア供給口725,726が接続されており、一方のエア供給口726からエア供給することでピストン722が伸長し、他方のエア供給口725からエア供給することでピストン722が収縮される。エアシリンダ721の他にも油圧駆動のシリンダ、サーボモータ、ボールネジを用いるネジ送り機構、ソレノイドを用いる電磁アクチュエータなどが適用可能である。
(測定手段)
図6に示すように、ブラケット751における垂直部754の一方側に、一対の測定子60における先端部611間の中心距離を測定する測定手段80が取り付けられる。測定手段80は、本体部であるステム801と、そのステム801の内部に軸方向に沿ってスライド移動自在に収容され、先端に測定子803を備えるスピンドル802とで構成される。スピンドル802は、ステム801から突出する方向(図6中ではX軸方向)に常時付勢されている。測定手段80としては、例えばデジタルゲージが挙げられる。
ステム801は、一方の側(図6中では左側)の垂直部754(ブラケット751)および測定子ブロック62に固定される。また、他方の側(図6中では右側)の測定子ブロック62における垂直部62bの対向面側(左側)に、ストップピン804が設けられる。このストップピン804に、伸張されたスピンドル802の測定子803が当接されることで、一対の測定子60における先端部611間の中心距離が測定される。
(演算手段)
前述した測定手段80が、図示しない演算手段に電気的に接続される。測定手段80により測定された先端部611間の中心距離を基にして、クリアランス値が演算手段にて演算、算出される。演算手段は、独立したユニット、もしくは移動手段55やスライド機構720の制御手段に組み込んだもののいずれであってもよい。
(近接センサ)
図6に示すように、水平ブラケット551に立設して垂直ブラケット681が設けられる。この垂直ブラケット681の所定の下方位置に第1近接センサ682が、また、垂直ブラケット681の所定の上方位置に第2近接センサ683が設けられる。そして、スライド機構720におけるアクチュエータ(エアシリンダ)721の上部にドグ684が設けられる。第1近接センサ682が一対の測定子60の最大開位置、第2近接センサ683が一対の測定子60の最大閉位置を検知するよう、ブラケット681に対する取り付け位置が調整される。
ここで、本実施の形態において、測定ユニット全体をZ軸周りに回転自在とすべく、移動手段55の上端に回転機構を接続して設けてもよい。また、測定子60の爪部材61は、先端部611の形、サイズ(径)が異なるものを予め複数用意しておき、図5に示す部材51,52間のクリアランスCに応じて適宜爪部材を交換するようにしてもよい。
次に、図5〜図9を用いて本実施の形態の作用を説明する。
第3の実施形態に係る測定ユニットを、ロッカーアーム式のバルブクリアランス測定に適用した例を図9に示す。前述した図5に示す測定ユニットを用いて、図9に示すバルブクリアランスVCのクリアランス値を求める。
図9に示すように、カムシャフト101(第1の部材)とロッカーアーム102のローラ103(第2の部材)との間が、バルブクリアランスVC(クリアランス)となる。このバルブクリアランスVCに、一対の測定子60の先端部611が入り込み、当接される。カムシャフト101とロッカーアーム102は、シリンダヘッドCHに組み込まれ、配置、固定されている。
一方、ロッカーアーム102のアーム本体104の一端はバルブ105に当接され、他端はアジャストスクリュー106に当接される。アジャストスクリュー106を回動させることにより、バルブクリアランスVCのクリアランス値が調整可能とされる。また、アーム本体104のバルブ当接側(図9中では左側)は、アジャストスクリュー当接側(図9中では右側)を支点に上下動可能に設けられる。
先ず、一対の測定子60における先端部611同士を当接させると共に、測定手段(デジタルゲージ)80の測定子803をストップピン804に当接させる。この時における先端部611間の中心距離の値は、先端部611の半径(図1に示したe(所定値))×2、すなわち先端部611の直径の値(2e)であり、この2eがデジタルゲージの値としてセットされる。
また、カムシャフト101とローラ103のバルブクリアランスVCが0(ゼロ)に設定されたマスター治具(図示せず)を用い、そのバルブクリアランスVCに一対の測定子60の先端部611を当接させ、この状態でクリアランス値がゼロにセットされる。
以上の初期設定が終了した後、前述したシリンダヘッドが、図示しない搬送手段にて搬送される。その後、バルブクリアランスVCを測定する所定のカムシャフト101とロッカーアーム102が、測定ユニットの直下に位置するよう位置決めされる。シリンダヘッドにおけるロッカーアーム102の数は、エンジンのバルブ数に応じて適宜決定される。また、測定ユニットは、搬送方向に沿って複数設けられていてもよく、例えば、測定ユニットの数はバルブ数と同数とされる。
その後、図5に示すように、移動手段55の昇降機構553を駆動させ、昇降機構553を除く測定ユニット全体が下降移動される。
この下降移動中、一対の測定子60における先端部611の鉛直方向(図5中のZ軸方向)高さ位置が、例えば、カムシャフト101の真円部であるベースサークル(図9中の111で示される範囲)位置まで下がると、一対の測定子60の閉駆動が開始される。具体的には、駆動手段70におけるスライド機構720のエアシリンダ721を駆動させ、ピストン722を上昇駆動させる。これにより、直進カム723のテーパ面724に沿って一対の測定子60におけるローラ65が転動され、引っ張りバネ710による閉方向の付勢力にて、一対の測定子60の閉駆動が開始される。エアシリンダ721の駆動開始タイミングは、昇降機構553のストローク量がある一定値になった時に、エアシリンダ721が連動して駆動するよう、予め設定される。
そして、一対の測定子60の閉駆動中も、測定ユニットは昇降機構553にて下降を続ける。この時、一対の測定子60は、引っ張りバネ710による閉方向の付勢力にてベースサークルのプロファイルをなぞるように徐々に閉駆動されるので、先端部611が常にベースサークルのプロファイルに追従する。すなわち、一対の測定子60は、カムシャフト101のベースサークルのプロファイルをなぞるように閉駆動させつつ、下降される。
一対の測定子60が閉駆動され、先端部611がバルブクリアランスVCの位置に入り込んで、当接した後は、シリンダヘッドCHは固定系であるため、測定ユニット全体の下降移動はストップされる。しかし、このままの状態では、測定ユニット(特に、保持手段750、駆動手段70、および測定手段80)の自重が災いして、先端部611が確実にバルブクリアランスVCの位置に入り込んだか否かがわからない。そこで、本実施の形態に係る測定ユニットにおいては、ブラケット751にピン83によるフローティング機構を設けている。
先端部611がバルブクリアランスVCの位置に入り込んで、当接した時は、エアシリンダ721のピストン722も最大高さまで上昇される。この上昇により、ピストン722に取り付けられたドグ684が第2近接センサ683で検知される。この検知に伴い、昇降機構553をわずかに下降移動させる。
この時、一対の測定子60と一体のブラケット751は、先端部611がバルブクリアランスVCの位置に入り込んで固定されているため、下降移動されることはない。一方、昇降機構553と水平ブラケット551を介して接続されるピン83に対して、ブラケット751は着座されているだけであり、ピン83とブラケット751とは固定されていないため、昇降機構553に追従してピン83は下降移動される。これに伴い、図8(b)に示すように、ピン83のテーパ部833とブッシング82のテーパ面822とが離間される。
この離間に伴い、ブラケット751は圧縮ばね84の鉛直方向上向きの付勢力により、ブッシング82を介して鉛直方向(図8(b)中ではZ軸方向)上向きに押し上げられ、保持手段750、駆動手段70、および測定手段80の自重がキャンセルされる。この自重キャンセルのフローティング作用により、先端部611がバルブクリアランスVCの位置を探りながら(又はバルブクリアランスVCの位置に回り込みながら)、確実にバルブクリアランスVCの位置に入り込む。
この先端部611がバルブクリアランスVCに入り込んだ状態において、測定手段80の測定子803とストップピン804との当接測定値が、先端部611間の中心距離の値となる(測定ステップS1)。そして、演算手段のPLCに記憶させていた換算式(数5、数6、数7を参照)により、先端部間距離測定値から実際のクリアランス値が算出、測定される(算出ステップS2)。
クリアランス値を算出した後は、以上に述べた手順と逆の手順で測定ユニットを駆動させ、カムシャフト101とローラ103のバルブクリアランスVCから一対の測定子60を離間させる。バルブクリアランスVCが未測定のバルブがあれば、順次、残りのバルブについてもバルブクリアランスVCの測定がなされる。バルブクリアランスVCの測定完了後は、搬送手段にてシリンダヘッドが次工程へと搬送される。バルブクリアランスVCが設定許容範囲の誤差を超えていた場合、そのシリンダヘッドは、前工程であるバルブクリアランス調整工程に戻され、再度バルブクリアランスVCの調整がなされる。
ここで、シリンダヘッドCHにおいては、カムシャフト101のベースサークルプロファイル、ロッカーアーム102のレバー比、カムシャフト101およびロッカーアーム102のローラ103の中心位置は、バルブごとに誤差があり、組み付け精度がバラバラである。このため、一対の測定子60の先端部611を、バルブクリアランスVCの位置に確実に入り込ませることは容易ではない。また、一対の測定子60を完全に下降させた後に閉駆動させると、アジャストスクリュー106が干渉して閉駆動できず、先端部611をバルブクリアランスVCに直接当接させることができない。
本実施の形態においての測定ユニットは、一対の測定子60の先端部611を、カムシャフト101のベースサークルのプロファイルに追従するように閉駆動させつつ、下降させるので、組み付け精度に関わらず、先端部611をバルブクリアランスVCに直接当接させることができ、また、バルブクリアランスVCの位置に確実に入り込ませることができる。その結果、精度よく、正確なクリアランス値を得ることができる。
また、先端部611が断面ほぼ円形の柱体を呈しており、その周面612をバルブクリアランスVCに当接させている。これによって、クリアランス位置における各部材101,103と先端部611との接触が、点接触ではなく、図9中のY軸方向における線状の接触となるため、先端部611をバルブクリアランスVCの位置に安定して当接させることができる。
本実施の形態においては、カムシャフト101とロッカーアーム102のローラとのバルブクリアランスVCを測定する場合を例に挙げて説明を行ったが、これに限定するものではない。例えば、既存の測定装置では測定不可能な、2つの部材間の対向する微小なクリアランスを直接測定するものであれば、全て適用可能である。
また、本実施の形態においては、水平ブラケット551に昇降機構553を接続し、測定ユニットを下降移動させる移動手段を例に挙げて説明を行ったが、これに限定するものではない。例えば、搬送手段の下方に、シリンダヘッドを搬送手段から切り出して上昇移動させる移動手段を設け、この移動手段にてシリンダヘッドを上昇移動させるようにしてもよい。この場合、測定ユニットを上下動させる必要はなく、一対の測定子60を開閉駆動させるだけでよい。
次に、クリアランスの測定ユニットにおける他の実施形態を説明する。
(第4の実施形態)
前実施の形態に係る測定ユニットを、直動式のバルブクリアランス測定に適用した例を図10に示す。
図10に示すように、カムシャフト101(第1の部材)と有蓋円筒状のバルブリフター113(第2の部材)との間がバルブクリアランスVCとなる。バルブリフター113における蓋部114の下面がバルブ105に当接される。このバルブクリアランスVCに、一対の測定子60の先端部611が入り込み、当接される。カムシャフト101とバルブリフター113は、シリンダヘッドCHに組み込まれ、配置、固定されている。
本実施の形態においても、前実施の形態に係るクリアランスの測定ユニットと同様の作用効果が期待できる。
また、本実施の形態によれば、バルブリフター113の対向面は水平面であるため、カムシャフト101とバルブリフター113との位置関係に関わらず、バルブクリアランスVCが一義的に定まる。よって、先端部611の下端面を、バルブリフター113の水平面プロファイルになぞらせつつ接近させるだけで、先端部611を容易に、かつ、確実にバルブクリアランスVCに入り込ませることもできる。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【書類名】 明細書
【発明の名称】 クリアランスの測定方法および測定ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアランスの測定方法および測定ユニットに係り、特に、レシプロエンジンのバルブクリアランスの測定方法および測定ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レシプロエンジンにおいて、混合ガスの吸気および排気を行うために、吸排気バルブが設けられ、吸排気時に、これらのバルブが開け閉めされる。このバルブの開け閉めは、カムシャフトでコントロールされる。
カムシャフトのカムが吸排気バルブを開く方式に、カムが、直接、バルブリフターを押して、バルブを開閉駆動させる直動式と、カムがロッカーアームと呼ばれるアームを介してバルブを押し、バルブを開閉駆動させるロッカーアーム式とがある。
吸排気バルブは、燃焼室からの熱によって熱膨張する。バルブが熱膨張すると、吸排気タイミングが変わるため、熱膨張変化を吸収すべく、カムがバルブリフターやロッカーアームのローラを押していない状態で、カムとバルブリフター(又はロッカーアームのローラ)との間に調整のためのクリアランス(バルブクリアランス)が設けられる。
エンジンの組立製造時においては、通常、シリンダヘッドにバルブを組み付けた後、バルブクリアランスを調整装置にて自動調整し、その調整後、バルブクリアランスを実際に測定し、確認している。
【0003】
従来、このバルブクリアランスの測定、確認は、作業者が、シムと呼ばれる隙間ゲージを、カムとバルブリフター(又はロッカーアームのローラ)との間に差し込み、手作業で行っていた。これは、カムシャフト、バルブリフター、ロッカーアームなどは鍛造品であるため、μmオーダーの設計精度を出しにくく、組み付け精度もエンジンごとに異なるので、基本的に自動化が難しいことに起因している。
【0004】
また、カムとバルブのカム当接部材との間のバルブクリアランスを自動測定するバルブクリアランス測定装置として、カムシャフトのカムが当接するカム当接部材面にアタッチメントを当接させて基準面とし、カムシャフトの下端面と基準面との間にバルブクリアランスVCがある状態での基準面からのカムシャフト高さD1と、カムシャフト単体の高さD3との差から、バルブクリアランスを測定するものがある(特許文献1を参照)。
【特許文献1】 特開2005−54728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した手作業によるバルブクリアランス測定では、作業者の熟練度などに起因する測定値のバラツキが生じると共に、非熟練作業者が測定すると、タクトタイム(作業時間)が長くなるという問題があった。
一方、特許文献1記載のバルブクリアランス測定装置は、バルブクリアランスVCを自動測定しているものの、前述したD1とD3との差からバルブクリアランスVCを求めている。前述したように、エンジンの組み付け精度はエンジンごとに異なるので、バルブクリアランスのクリアランス値を直接測定しない限り、確実な値とは言い得ない。
【0006】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、2つの部材間の対向する微小なクリアランスを直接測定するクリアランスの測定方法および測定ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1に係る発明は、第1および第2の部材の、対向する面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の離間距離を測定するステップと、その先端部間離間距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
【0008】
以上の方法によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、それによって測定された先端部間離間距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、第1および第2の部材の、対向する面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスの位置に、そのクリアランスよりもやや大きな先端部を備える一対の測定子を入り込ませ、2つの前記先端部を前記第1の部材および前記第2の部材間の前記クリアランスに直接当接させ、2つの前記先端部間の離間距離を測定するステップと、その測定した前記先端部間の離間距離を基にして、予め求めておいた前記先端部間の中心距離とクリアランスとの関係からクリアランス値を算出する算出ステップと、を備え、前記クリアランスを直接測定し、前記クリアランス値を算出する、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
【0010】
以上の方法によれば、先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
【0011】
また、請求項に係る発明は、真円面を有する第1および第2の部材の、対向する真円面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、その先端部間中心距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
【0012】
以上の方法によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、レシプロエンジンの吸排気バルブの開閉をコントロールし、真円面を有するカムを備えたカムシャフトと、該カムシャフトの前記カムが当接される真円面を有するカム当接部材を備えたロッカーアームとの、対向する真円面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスの位置に、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を入り込ませ、2つの前記先端部を前記カムシャフトおよび前記ロッカーアーム間の前記クリアランスに直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、その測定した前記先端部間の中心距離を基にして、予め求めておいた前記先端部間の中心距離とクリアランスとの関係からクリアランス値を算出する算出ステップと、を備え、前記クリアランスを直接測定し、前記クリアランス値を算出する、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
【0014】
請求項に係る発明は、前記算出ステップは、前記先端部間中心距離と前記算出、測定されるクリアランス値との関係を予め求めておき、先端部間中心距離が測定された後に、その先端部間距離測定値をクリアランス値に変換する請求項3又は4に記載のクリアランスの測定方法である。
【0015】
以上の方法によれば、先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
【0016】
請求項から請求項に係る発明は、前記第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd1、d2、d3とする時、先端部間中心距離2Yに基づいて、クリアランス値d1、d2、d3を求める請求項記載のクリアランスの測定方法である。
【0017】
以上の方法によれば、第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、先端部の半径eを決め、先端部間中心距離2Yが測定されれば、クリアランス値が定まる。
【0018】
また、請求項に係る発明は、真円面を有する第1の部材と水平面を有する第2の部材との対向面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、その先端部間中心距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
【0019】
以上の方法によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
【0020】
請求項10に係る発明は、レシプロエンジンの吸排気バルブの開閉をコントロールし、真円面を有するカムを備えたカムシャフトと、該カムシャフトの前記カムが当接される水平面を有するカム当接部材を備えたバルブリフターとの、対向する両面間のクリアランスを測定する方法であり、前記クリアランスの位置に、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を入り込ませ、2つの前記先端部を前記カムシャフトおよび前記バルブリフター間の前記クリアランスに直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、その測定した前記先端部間の中心距離を基にして、予め求めておいた前記先端部間の中心距離とクリアランスとの関係からクリアランス値を算出する算出ステップと、を備え、前記クリアランスを直接測定し、前記クリアランス値を算出する、ことを特徴とするクリアランスの測定方法である。
【0021】
請求項11に係る発明は、前記算出ステップは、前記先端部間中心距離と前記算出、測定されるクリアランス値との関係を予め求めておき、先端部間中心距離が測定された後に、その先端部間距離測定値をクリアランス値に変換する請求項9又は10に記載のクリアランスの測定方法である。
【0022】
以上の方法によれば、先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
【0023】
請求項12に係る発明は、前記第1の部材における真円面の半径r1、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd4とする時、先端部間中心距離2Yに基づいて、クリアランス値d4を求める請求項11記載のクリアランスの測定方法である。
【0024】
以上の方法によれば、第1の部材における真円面の半径r1、先端部の半径eを決め、先端部間中心距離2Yが測定されれば、クリアランス値が定まる。
【0025】
一方、請求項13に係る発明は、真円面を有する第1および第2の部材の、対向する真円面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、前記一対の測定子を前記クリアランス位置に又は前記両部材を前記一対の測定子間に移動させる移動手段と、前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成される、ことを特徴とするクリアランスの測定ユニットである。
【0026】
以上の構成によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランス位置に一対の測定子の先端部を直接当接させることができ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
【0027】
また、請求項14に係る発明は、レシプロエンジンの吸排気バルブの開閉をコントロールし、真円面を有するカムを備えたカムシャフトと、該カムシャフトの前記カムが当接される真円面を有するカム当接部材を備えたロッカーアームとの、対向する両真円面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、前記カムシャフトおよび前記ロッカーアーム間の前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、前記一対の測定子を前記クリアランス位置に移動させる移動手段と、前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、測定された前記先端部間の中心距離を基にして、予め求めておいた前記先端部間の中心距離とクリアランスとの関係からクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成され、前記クリアランスを前記一対の測定子で直接測定し、前記クリアランス値を算出する、ことを特徴とするクリアランスの測定ユニットである。
【0028】
以上の構成によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランス位置に一対の測定子の先端部を直接当接させることができ、それによって先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
【0029】
また、請求項15に係る発明は、真円面を有する第1の部材と水平面を有する第2の部材との対向面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、前記一対の測定子を前記クリアランス位置に又は前記両部材を前記一対の測定子間に移動させる移動手段と、前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成される、ことを特徴とするクリアランスの測定ユニットである。
【0030】
以上の構成によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランス位置に一対の測定子の先端部を直接当接させることができ、それによって測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を測定することができる。
【0031】
請求項16に係る発明は、レシプロエンジンの吸排気バルブの開閉をコントロールし、真円面を有するカムを備えたカムシャフトと、該カムシャフトの前記カムが当接される水平面を有するカム当接部材を備えたバルブリフターとの、対向する両面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、前記カムシャフトおよび前記バルブリフター間の前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、前記一対の測定子を前記クリアランス位置に移動させる移動手段と、前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、測定された前記先端部間の中心距離を基にして、予め求めておいた前記先端部間の中心距離とクリアランスとの関係からクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成され、前記クリアランスを前記一対の測定子で直接測定し、前記クリアランス値を算出する、ことを特徴とするクリアランスの測定ユニットである。
【0032】
以上の構成によれば、2つの部材間の対向する微小なクリアランス位置に一対の測定子の先端部を直接当接させることができ、それによって先端部間中心距離が測定されることにより、関係式からクリアランス値に変換できるため、容易、かつ、簡単にクリアランス値が得られる。
【0033】
請求項17に係る発明は、前記一対の測定子をアーチ状のブラケットで保持し、前記ブラケットに、上下方向に昇降自在な前記移動手段が接続される、請求項13から16のいずれか1項に記載のクリアランスの測定ユニットである。
【0034】
以上の構成によれば、移動手段を昇降させることにより、ブラケットに保持された一対の測定子を昇降させることができる。
【0035】
請求項18に係る発明は、前記駆動手段が、前記ブラケットに保持され、前記一対の測定子を開閉駆動自在に支持する直動ガイドと、前記ブラケットに保持され、かつ、前記直動ガイドと平行に設けられ、前記一対の測定子を閉駆動させる引っ張りばねと、前記移動手段に保持され、前記一対の測定子を開駆動させるスライド機構と、を有する、請求項17に記載のクリアランスの測定ユニットである。
【0036】
以上の構成によれば、直動ガイドに支持された一対の測定子を、引っ張りばねにより閉駆動され、スライド機構により開駆動される。
【0037】
請求項19に係る発明は、前記スライド機構は、前記移動手段と一体に設けられ、上下方向に直動駆動するアクチュエータと、そのアクチュエータに接続され、先端にテーパ面を有する直進カムと、で構成され、前記一対の測定子の対向する内側面に、前記直進カムの前記テーパ面に沿って転動自在なローラが設けられる、請求項18記載のクリアランスの測定ユニットである。
【0038】
以上の構成によれば、スライド機構の直動駆動を、カム機構にて一対の測定子の開駆動に変換することができる。
【0039】
請求項20に係る発明は、前記ブラケットに鉛直方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に鉛直方向上方に付勢する圧縮ばねを介してピンが挿通され、そのピンの挿通突出部に鉛直方向に昇降自在な前記移動手段が接続され、前記ブラケットが前記ピンにてフローティングされるように設けられる、請求項17記載のクリアランスの測定ユニットである。
【0040】
以上の構成によれば、ブラケットをピンによるフローティング構造としたことで、クリアランス測定に伴う測定ユニットの自重の一部をキャンセルすることができ、測定子の先端部を確実にクリアランスに入り込ませることができる。
【0041】
請求項21に係る発明は、前記各先端部が断面ほぼ円形の柱体で構成され、その円形の柱体の周面が前記クリアランスに直接当接される、請求項13から16のいずれか1項に記載のクリアランスの測定ユニットである。
【0042】
以上の構成によれば、クリアランス位置における各部材と先端部との接触が点接触ではなく面接触となるため、先端部をクリアランスに安定して当接させることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、2つの部材の対向する面間のクリアランスに一対の測定子の先端部を直接当接させ、先端部間の離間距離を測定し、その先端部間離間距離からクリアランス値を算出、測定するようにしているため、精度の高い正確なクリアランス値が得られるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 本発明の第1の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図である。
【図2】 図1の測定方法の第1変形例である。
【図3】 図1の測定方法の第2変形例である。
【図4】 本発明の第2の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図である。
【図5】 本発明の第3の形態に係るクリアランスの測定ユニットの正面図である。
【図6】 図5の部分破断拡大図である。
【図7】 図6における測定子先端の拡大斜視図である。
【図8】 図6におけるブラケットのフローティング機構を説明するための図である。図8(a)はフローティング前、図8(b)はフローティング後の状態を示している。
【図9】 図5の測定ユニットを、ロッカーアーム式のバルブクリアランス測定に適用した例を示す部分断面正面図である。
【図10】 図5の測定ユニットを、直動式のバルブクリアランス測定に適用した例を示す部分断面正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の好適一実施の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係るクリアランスの測定方法は、第1および第2の部材の対向する面間のクリアランス、具体的には、真円面を有する第1および第2の部材11,12の、対向する真円面間の微小なクリアランス13を測定するものである。例えば、第1および第2の部材11,12としては円柱状のシャフト、ローラ、ベアリングなどが挙げられる。
【0045】
本測定方法は、第1および第2の部材11,12の対向する真円面間のクリアランス13の位置に、そのクリアランス13よりもやや大きな球状の先端部14,14を備える一対の測定子(後述する図6に示す測定子60を参照)を直接当接させ、2つの先端部14,14間の中心距離2×Y(以下、2Yという)を測定するステップ(測定ステップS1)と、その先端部14,14間の中心距離2Yを基にして、クリアランス値d1を算出、測定するステップ(算出ステップS2)と、を備える。
【0046】
測定ステップS1は、先端部14,14を備える一対の測定子を、部材11の真円面プロファイル(及び/又は部材12の真円面プロファイル)をなぞらせつつ接近させ、部材11,12間のクリアランス13に当接させ、この当接により先端部14,14間の中心距離2Yを求める工程である。
クリアランス13に対する一対の測定子のアクセスは、部材11の真円面プロファイルをなぞらせつつ接近させることに限定するものではない。一対の測定子をクリアランス13に当接させ易い方向からアクセスするようにすればよく、上、下、又は左右からのいずれの方向からのアクセスであってよい。
【0047】
一方、算出ステップS2は、先端部14,14間の中心距離2Yと算出、測定されるクリアランス値d1との関係を予め求めておき、先端部14,14間の中心距離2Yが測定された後に、その先端部間距離測定値2Yをクリアランス値d1に変換する工程である。
【0048】
具体的には、算出ステップS2は、
第1および第2の部材11,12における各真円面の半径r1、r2、先端部14の半径eを事前に規定しておき、
第2の部材12と先端部14との中心距離をa、第1の部材11と先端部14との中心距離をb、長さ(線分)bにおいて第1および第2の部材11,12の中心間線分cの延長方向における線分をs、長さ(線分)aにおいて中心間線分cの延長方向における線分をt、先端部14間の中心距離を2Y、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数5により、クリアランス値d1を求める。ここで言う「事前に規定しておく」とは、使用する第1および第2の部材11,12、測定子の先端部14のサイズ、径は事前に決まっているので、そのサイズ、径を適用するということである。
【数5】
Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、r2=9(mm)、e=1.5(mm)とすると、a=10.5(mm)、b=16.5(mm)となる。よって、先端部間距離測定値2Y(例えば、11.970(mm))が求まると、クリアランス値d1(例えば、0.003(mm))が算出される。測定値2Yとクリアランス値d1との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d1が定まる。
【0049】
ここで、測定ステップS1として、直接、中心距離2Yを測定し、求める例を挙げて説明を行ったが、先ず、先端部14,14間の離間距離を測定し、その離間距離に先端部14,14の半径eを2倍した値(2e)を加え、中心距離2Y(=離間距離+2e)を求めるようにしてもよい。
【0050】
次に、クリアランスの測定方法の変形例を説明する。
(第1変形例)
図1の第1変形例を図2に示す。本変形例は、前述した測定方法と比較して、算出ステップS2の算出工程が異なることに特徴がある。以下、前述した測定方法との相違点のみについて説明し、同じ部分については説明を割愛する。
【0051】
本変形例においては、図2に示すように、
第1および第2の部材11,12における各真円面の半径r1、r2、先端部14の半径e、クリアランス値d2を事前に規定しておき、
第2の物体12と先端部14との中心距離をa、第1の物体と先端部との中心距離をb、長さ(線分)bにおいて中心間線分cの延長方向における線分をX、先端部14間の中心距離を2Y、長さbと中心間線分cとで挟まれた角度をα、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数6により、クリアランス値d2を求めるものである。
【数6】

Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、r2=9(mm)、e=1.5(mm)とすると、a=10.5(mm)、b=16.5(mm)、c=24+d2となる。よって、ある所定のクリアランス値d2ごとに先端部間距離測定値2Yを事前に求めておき、クリアランス値d2と測定値2Yとの関係を求める。その後、この関係式から、任意の測定値2Y(例えば、11.977(mm))が求まると、クリアランス値d2(例えば、d2=0.00(mm))が算出される。すなわち、測定値2Yとクリアランス値d2との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d2が定まる。
【0052】
(第2変形例)
図1の第2変形例を図3に示す。本変形例は、前述した第1変形例の別の変形例である。
本変形例においては、図3に示すように、
第1および第2の部材11,12における各真円面の半径r1、r2、先端部14の半径e、クリアランス値d3を事前に規定しておき、
第2の部材12と先端部14との中心距離をa、第1の部材11と先端部14との中心距離をb、先端部14間の中心距離を2Y、長さ(線分)bと中心間線分cとで挟まれた角度をα、長さ(線分)aと中心間線分cとで挟まれた角度をβ、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数7により、クリアランス値d3を求めるものである。
【数7】

Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、r2=9(mm)、e=1.5(mm)とすると、a=10.5(mm)、b=16.5(mm)、c=24+d3となる。よって、ある所定のクリアランス値d3ごとに先端部間距離測定値2Yを事前に求めておき、クリアランス値d3と測定値2Yとの関係を求める。その後、この関係式から、任意の測定値2Y(例えば、2Y=11.977(mm))が求まると、クリアランス値d3(例えば、d3=0.00(mm))が算出される。すなわち、測定値2Yとクリアランス値d3との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d3が定まる。
【0053】
以上に述べた本実施の形態、第1変形例、および第2変形例に係る測定方法は、2つの部材11,12間の対向する微小なクリアランス13に、そのクリアランス13よりもやや大きな球状の先端部14,14を備える一対の測定子を直接当接させることに特徴がある。
そして、先ず、2つの先端部14,14間の中心距離2Yを測定し(測定ステップS1)、その測定された中心距離2Yを基にしてクリアランス値d1(又はd2、或いはd3)を算出、測定する(算出ステップS2)ようにしている。この算出されたクリアランス値d1は、特許文献1記載のバルブクリアランス測定装置のように、差分からクリアランス値を推定して求めるのものではなく、クリアランス13を直接測定して求められるものであるため、精度の高い正確なクリアランス値d1となる。すなわち、クリアランス13のクリアランス値d1を測定しようとする時に、クリアランス13は唯一、絶対の真なるものである。このため、本実施の形態において、クリアランス13を直接測定して求められるクリアランス値d1は、精度の高い正確な値となる。
また、測定ステップS1においては、先端部14,14を部材11(又は12)の真円面プロファイルをなぞらせつつ接近させていることにより、先端部14,14をクリアランス13に確実に入り込ませることができる。よって、クリアランス値d1の精度がさらに高いものとなる。
【0054】
次に、クリアランスの測定方法における他の実施形態を説明する。
(第2の実施形態)
本実施の形態に係るクリアランスの測定方法を説明するための図を図4に示す。
図4に示すように、本実施の形態に係るクリアランスの測定方法は、真円面を有する第1の部材11と水平面を有する第2の部材42との対向面間のクリアランス43を測定するものである。例えば、第1の部材11としては円柱状のシャフト、ローラ、ベアリングなど、第2の部材42としては水平面を有する部材の上面、下面、又は側面などが挙げられる。
【0055】
この測定方法は、クリアランス43に、前述した先端部14,14を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの先端部14,14間の中心距離2Yを測定するステップ(測定ステップS41)と、その先端部14,14間の中心距離2Yを基にして、クリアランス値d4を算出、測定するステップ(算出ステップS42)と、を備える。
【0056】
測定ステップS41は、先端部14,14を備える一対の測定子を、部材11の真円面プロファイル(及び/又は部材42の水平面プロファイル)をなぞらせつつ接近させ、部材11,42間のクリアランス43に当接させ、この当接により先端部14,14間の中心距離2Yを求める工程である。
【0057】
一方、算出ステップS42は、先端部14,14間の中心距離2Yと算出、測定されるクリアランス値d4との関係を予め求めておき、先端部14,14間の中心距離2Yが測定された後に、その先端部間距離測定値2Yをクリアランス値d4に変換する工程である。
【0058】
具体的には、算出ステップS42は、
第1の部材11における真円面の半径r1、先端部14の半径eを事前に規定しておき、
先端部14,14間の中心距離を2Y、とする時、
先端部14,14間の中心距離2Yに基づいて、以下の数8により、クリアランス値d4を求める。ここで言う「事前に規定しておく」とは、使用する第1および第2の部材11,42、測定子の先端部14のサイズ、径は事前に決まっているので、そのサイズ、径を適用するということである。
【数8】

Figure 2009122475
例えば、r1=15(mm)、e=1.5(mm)とすると、先端部間距離測定値2Yが求まると(例えば、18.85(mm))、クリアランス値d4(例えば、0.043(mm))が算出される。測定値2Yとクリアランス値d4との関係は1次関数となり、測定値2Yが求まると、一義的にクリアランス値d4が定まる。
【0059】
本実施の形態においても、前実施の形態に係るクリアランスの測定方法と同様の作用効果が期待できる。
また、本実施の形態によれば、一方の部材の対向面が真円面、他方の部材の対向面が水平面であっても、部材間のクリアランス43を直接測定し、精度の高い正確なクリアランス値d4を得ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、先端部14の下端面を、水平面を有する第2の部材42の水平面プロファイルになぞらせつつ接近させるだけで、先端部14を容易に、かつ、確実にクリアランス43に入り込ませることもできる。
【0060】
次に、クリアランスの測定ユニットについて説明する。
(第3の実施形態)
本発明の好適一実施の形態に係るクリアランスの測定ユニットの正面図を図5に、その部分破断拡大図を図6に、測定子先端の斜視図を図7に示す。
図5に示すように、本実施の形態に係る測定ユニットは、真円面を有する第1の部材51および第2の部材52の、対向する真円面間の微小なクリアランスCを測定するものであり、一対の測定子60,60と、各測定子60を保持する保持手段750と、移動手段55と、駆動手段70と、測定手段80と、演算手段(図示せず)とで構成される。
【0061】
(測定子)
測定子60は、図6に示すように、爪部材61を断面L字型の測定子ブロック62にボルト63を介して一体に固定し、吊設してなる。測定子ブロック62は、水平部であるベース部62aと垂直部62bとを有する。一対の測定子60は、測定子ブロック62の垂直部62b、62bを背中合わせに対向配置してなり、各爪部材61の先端部は中央に向かって(相対する爪部材側に)湾曲されている。
【0062】
各測定子ブロック62のベース部62aには、図6中のX軸方向に延びる貫通穴64が設けられ、一対の測定子60における貫通穴64、64は一直線上に配置される。また、測定子ブロック62の各垂直部62bの上部には、図6中のX−Z平面において回動自在なローラ65が設けられる。これらのローラ65、65は、後述する直進カム723のテーパ面724に当接される。
一方、図7に示すように、各爪部材61の先端には、図5に示すクリアランスCよりもやや大きな球状の先端部611が設けられる。各先端部611は断面ほぼ円形の柱体を呈しており、その円形の柱体の周面612がクリアランスCに入り込み、直接当接される。
【0063】
(保持手段)
保持手段750は、一対の測定子60を後述するシャフト704を介して保持するアーチ状のブラケット751と、ブラケット751に吊設されるプレート752,752とで構成される。プレート752は、ブラケット751における垂直部754と測定子ブロック62との間にそれぞれ配置され、プレート752とブラケット751はボルトなどの締結手段で締結される。
【0064】
ブラケット751における上部水平部753には、図8(a)に示すように、鉛直方向に貫通する貫通穴81が2箇所設けられる。各貫通穴81は下方が拡径された段差部を有しており、この段差部にブッシング82が下方から着座される。ブッシング82の開口821における下部縁は、下方側が拡径されたテーパ面822として形成される。
【0065】
ピン83は上方側が小径部831、下方側が大径部832とされる。また、小径部831と大径部832との境界部はテーパ部833とされる。さらに、大径部832の最下部にはフランジ部834が設けられる。この大径部832を取り囲むように後述する圧縮ばね84が嵌装され、圧縮ばね84の下端がフランジ部834に載置される。
【0066】
ブッシング82の開口821に圧縮ばね84を介して円柱状のピン83が挿通され、開口821から突出する小径部831の最上部が後述する水平ブラケット551に固定される。この時、一対の測定子60、保持手段750、駆動手段70、および測定手段80の自重により、ブッシング82が圧縮ばね84を圧縮した状態で、テーパ面822がテーパ部833に着座される。
【0067】
(移動手段)
移動手段55は、図5に示すように、水平ブラケット551、水平ブラケット551に立設される垂直ブラケット552、垂直ブラケット552にピストンの一端が固定され、図示しない固定系に固定された昇降機構553とで構成される。水平ブラケット551は、前述したピン83を介してブラケット751と接続される。昇降機構553は図5中のZ軸方向に伸縮自在に設けられる。昇降機構(エアシリンダ)553のピストンが伸長することで昇降機構553を除く測定ユニット全体が下降され、昇降機構553のピストンが収縮することで昇降機構553を除く測定ユニット全体が上昇される。
【0068】
この移動手段55により、一対の測定子60がクリアランス位置に(又は両部材51,52を一対の測定子間60に)移動可能となる。
昇降機構553としては、エアシリンダの他にも、油圧駆動のシリンダ、サーボモータ、ボールネジを用いるネジ送り機構、ソレノイドを用いる電磁アクチュエータなどが適用可能である。
【0069】
(駆動手段)
駆動手段70は、直動ガイド700と、引っ張りばね710と、スライド機構720と、で構成される。
直動ガイド700は、図6に示すように、ブラケット751に保持され、一対の測定子60を開閉駆動自在に支持する。具体的には、前述した各測定子ブロック62の貫通穴64内に、カラー701を挟んでLMストローク702,703が配設される。そして、直動ガイドとしてのシャフト704が、貫通穴64,64を挿通して、かつ、カラー701およびLMストローク702,703を嵌装して設けられる。このシャフト704の両端はブラケット751に固定される。LMストローク702,703により、一対の測定子60はシャフト704に沿ってX軸方向にスライド移動自在とされる。ここで言うLMストロークとは、回転運動と往復運動を転がり案内できる有限ストロークタイプの直線案内機構である。
【0070】
引っ張りばね710は、直動ガイド700のシャフト704と平行に配設されるばね本体711と、その両端部に設けられるフック部材712,713とで構成される。フック部材712,713は、ブラケット751に吊設される両プレート752に固定、保持される。引っ張りばね710は、各プレート752を介して各測定子ブロック62を内側に付勢した状態で配置される。この引っ張りばね710により、一対の測定子60が閉駆動される。
【0071】
スライド機構720は、移動手段55の水平ブラケット551に保持され、上下方向に直動駆動するアクチュエータ721と、そのアクチュエータ721に接続され、先端にテーパ面724を有する直進カム723と、で構成される。アクチュエータ721にて直進カム723を下降させ、テーパ面724に沿って前述したローラ65が転動されることで、一対の測定子60が開駆動される。アクチュエータ721としては、例えばエア駆動のシリンダが挙げられる。エアシリンダ721には2つのエア供給口725,726が接続されており、一方のエア供給口726からエア供給することでピストン722が伸長し、他方のエア供給口725からエア供給することでピストン722が収縮される。エアシリンダ721の他にも油圧駆動のシリンダ、サーボモータ、ボールネジを用いるネジ送り機構、ソレノイドを用いる電磁アクチュエータなどが適用可能である。
【0072】
(測定手段)
図6に示すように、ブラケット751における垂直部754の一方側に、一対の測定子60における先端部611間の中心距離を測定する測定手段80が取り付けられる。測定手段80は、本体部であるステム801と、そのステム801の内部に軸方向に沿ってスライド移動自在に収容され、先端に測定子803を備えるスピンドル802とで構成される。スピンドル802は、ステム801から突出する方向(図6中ではX軸方向)に常時付勢されている。測定手段80としては、例えばデジタルゲージが挙げられる。
【0073】
ステム801は、一方の側(図6中では左側)の垂直部754(ブラケット751)および測定子ブロック62に固定される。また、他方の側(図6中では右側)の測定子ブロック62における垂直部62bの対向面側(左側)に、ストップピン804が設けられる。このストップピン804に、伸張されたスピンドル802の測定子803が当接されることで、一対の測定子60における先端部611間の中心距離が測定される。
【0074】
(演算手段)
前述した測定手段80が、図示しない演算手段に電気的に接続される。測定手段80により測定された先端部611間の中心距離を基にして、クリアランス値が演算手段にて演算、算出される。演算手段は、独立したユニット、もしくは移動手段55やスライド機構720の制御手段に組み込んだもののいずれであってもよい。
【0075】
(近接センサ)
図6に示すように、水平ブラケット551に立設して垂直ブラケット681が設けられる。この垂直ブラケット681の所定の下方位置に第1近接センサ682が、また、垂直ブラケット681の所定の上方位置に第2近接センサ683が設けられる。そして、スライド機構720におけるアクチュエータ(エアシリンダ)721の上部にドグ684が設けられる。第1近接センサ682が一対の測定子60の最大開位置、第2近接センサ683が一対の測定子60の最大閉位置を検知するよう、ブラケット681に対する取り付け位置が調整される。
【0076】
ここで、本実施の形態において、測定ユニット全体をZ軸周りに回転自在とすべく、移動手段55の上端に回転機構を接続して設けてもよい。また、測定子60の爪部材61は、先端部611の形、サイズ(径)が異なるものを予め複数用意しておき、図5に示す部材51,52間のクリアランスCに応じて適宜爪部材を交換するようにしてもよい。
【0077】
次に、図5〜図9を用いて本実施の形態の作用を説明する。
第3の実施形態に係る測定ユニットを、ロッカーアーム式のバルブクリアランス測定に適用した例を図9に示す。前述した図5に示す測定ユニットを用いて、図9に示すバルブクリアランスVCのクリアランス値を求める。
図9に示すように、カムシャフト101のカム(第1の部材)とロッカーアーム102のローラ103(カム当接部材:第2の部材)との間が、バルブクリアランスVC(クリアランス)となる。このバルブクリアランスVCに、一対の測定子60の先端部611が入り込み、当接される。カムシャフト101とロッカーアーム102は、シリンダヘッドCHに組み込まれ、配置、固定されている。
【0078】
一方、ロッカーアーム102のアーム本体104の一端はバルブ105に当接され、他端はアジャストスクリュー106に当接される。アジャストスクリュー106を回動させることにより、バルブクリアランスVCのクリアランス値が調整可能とされる。また、アーム本体104のバルブ当接側(図9中では左側)は、アジャストスクリュー当接側(図9中では右側)を支点に上下動可能に設けられる。
【0079】
先ず、一対の測定子60における先端部611同士を当接させると共に、測定手段(デジタルゲージ)80の測定子803をストップピン804に当接させる。この時における先端部611間の中心距離の値は、先端部611の半径(図1に示したe(所定値))×2、すなわち先端部611の直径の値(2e)であり、この2eがデジタルゲージの値としてセットされる。
【0080】
また、カムシャフト101のカムとローラ103のバルブクリアランスVCが0(ゼロ)に設定されたマスター治具(図示せず)を用い、そのバルブクリアランスVCに一対の測定子60の先端部611を当接させ、この状態でクリアランス値がゼロにセットされる。
【0081】
以上の初期設定が終了した後、前述したシリンダヘッドが、図示しない搬送手段にて搬送される。その後、バルブクリアランスVCを測定する所定のカムシャフト101とロッカーアーム102が、測定ユニットの直下に位置するよう位置決めされる。シリンダヘッドにおけるロッカーアーム102の数は、エンジンのバルブ数に応じて適宜決定される。また、測定ユニットは、搬送方向に沿って複数設けられていてもよく、例えば、測定ユニットの数はバルブ数と同数とされる。
【0082】
その後、図5に示すように、移動手段55の昇降機構553を駆動させ、昇降機構553を除く測定ユニット全体が下降移動される。
この下降移動中、一対の測定子60における先端部611の鉛直方向(図5中のZ軸方向)高さ位置が、例えば、カムシャフト101におけるカムの真円部であるベースサークル(図9中の111で示される範囲)位置まで下がると、一対の測定子60の閉駆動が開始される。具体的には、駆動手段70におけるスライド機構720のエアシリンダ721を駆動させ、ピストン722を上昇駆動させる。これにより、直進カム723のテーパ面724に沿って一対の測定子60におけるローラ65が転動され、引っ張りバネ710による閉方向の付勢力にて、一対の測定子60の閉駆動が開始される。エアシリンダ721の駆動開始タイミングは、昇降機構553のストローク量がある一定値になった時に、エアシリンダ721が連動して駆動するよう、予め設定される。
【0083】
そして、一対の測定子60の閉駆動中も、測定ユニットは昇降機構553にて下降を続ける。この時、一対の測定子60は、引っ張りバネ710による閉方向の付勢力にてベースサークルのプロファイルをなぞるように徐々に閉駆動されるので、先端部611が常にベースサークルのプロファイルに追従する。すなわち、一対の測定子60は、カムシャフト101のベースサークルのプロファイルをなぞるように閉駆動させつつ、下降される。
【0084】
一対の測定子60が閉駆動され、先端部611がバルブクリアランスVCの位置に入り込んで、カムシャフト101のカムとローラ103とに当接した後は、シリンダヘッドCHは固定系であるため、測定ユニット全体の下降移動はストップされる。しかし、このままの状態では、測定ユニット(特に、保持手段750、駆動手段70、および測定手段80)の自重が災いして、先端部611が確実にバルブクリアランスVCの位置に入り込んだか否かがわからない。そこで、本実施の形態に係る測定ユニットにおいては、ブラケット751にピン83によるフローティング機構を設けている。
【0085】
先端部611がバルブクリアランスVCの位置に入り込んで、カムシャフト101のカムとローラ103とに当接した時は、エアシリンダ721のピストン722も最大高さまで上昇される。この上昇により、ピストン722に取り付けられたドグ684が第2近接センサ683で検知される。この検知に伴い、昇降機構553をわずかに下降移動させる。
この時、一対の測定子60と一体のブラケット751は、先端部611がバルブクリアランスVCの位置に入り込んで固定されているため、下降移動されることはない。一方、昇降機構553と水平ブラケット551を介して接続されるピン83に対して、ブラケット751は着座されているだけであり、ピン83とブラケット751とは固定されていないため、昇降機構553に追従してピン83は下降移動される。これに伴い、図8(b)に示すように、ピン83のテーパ部833とブッシング82のテーパ面822とが離間される。
【0086】
この離間に伴い、ブラケット751は圧縮ばね84の鉛直方向上向きの付勢力により、ブッシング82を介して鉛直方向(図8(b)中ではZ軸方向)上向きに押し上げられ、保持手段750、駆動手段70、および測定手段80の自重がキャンセルされる。この自重キャンセルのフローティング作用により、先端部611がバルブクリアランスVCの位置を探りながら(又はバルブクリアランスVCの位置に回り込みながら)、確実にバルブクリアランスVCの位置に入り込む。
【0087】
この先端部611がバルブクリアランスVCに入り込んだ状態において、測定手段80の測定子803とストップピン804との当接測定値が、先端部611間の中心距離の値となる(測定ステップS1)。そして、演算手段のPLCに記憶させていた換算式(数5、数6、数7を参照)により、先端部間距離測定値から実際のクリアランス値が算出、測定される(算出ステップS2)。

【0088】
クリアランス値を算出した後は、以上に述べた手順と逆の手順で測定ユニットを駆動させ、カムシャフト101とローラ103のバルブクリアランスVCから一対の測定子60を離間させる。バルブクリアランスVCが未測定のバルブがあれば、順次、残りのバルブについてもバルブクリアランスVCの測定がなされる。バルブクリアランスVCの測定完了後は、搬送手段にてシリンダヘッドが次工程へと搬送される。バルブクリアランスVCが設定許容範囲の誤差を超えていた場合、そのシリンダヘッドは、前工程であるバルブクリアランス調整工程に戻され、再度バルブクリアランスVCの調整がなされる。
【0089】
ここで、シリンダヘッドCHにおいては、カムシャフト101のベースサークルプロファイル、ロッカーアーム102のレバー比、カムシャフト101およびロッカーアーム102のローラ103の中心位置は、バルブごとに誤差があり、組み付け精度がバラバラである。このため、一対の測定子60の先端部611を、バルブクリアランスVCの位置に確実に入り込ませることは容易ではない。また、一対の測定子60を完全に下降させた後に閉駆動させると、アジャストスクリュー106が干渉して閉駆動できず、先端部611をバルブクリアランスVCに直接当接させることができない。
【0090】
本実施の形態においての測定ユニットは、一対の測定子60の先端部611を、カムシャフト101のベースサークルのプロファイルに追従するように閉駆動させつつ、下降させるので、組み付け精度に関わらず、先端部611をバルブクリアランスVCに直接当接させることができ、また、バルブクリアランスVCの位置に確実に入り込ませることができる。その結果、精度よく、正確なクリアランス値を得ることができる。
【0091】
また、先端部611が断面ほぼ円形の柱体を呈しており、その周面612をバルブクリアランスVCにおけるカムシャフト101のカムとロッカーアーム102のローラ103とに当接させている。これによって、クリアランス位置における各部材101,103と先端部611との接触が、点接触ではなく、図9中のY軸方向における線状の接触となるため、先端部611をバルブクリアランスVCの位置に安定して当接させることができる。
【0092】
本実施の形態においては、カムシャフト101のカムとロッカーアーム102のローラ103とのバルブクリアランスVCを測定する場合を例に挙げて説明を行ったが、これに限定するものではない。例えば、既存の測定装置では測定不可能な、2つの部材間の対向する微小なクリアランスを直接測定するものであれば、全て適用可能である。
【0093】
また、本実施の形態においては、水平ブラケット551に昇降機構553を接続し、測定ユニットを下降移動させる移動手段を例に挙げて説明を行ったが、これに限定するものではない。例えば、搬送手段の下方に、シリンダヘッドを搬送手段から切り出して上昇移動させる移動手段を設け、この移動手段にてシリンダヘッドを上昇移動させるようにしてもよい。この場合、測定ユニットを上下動させる必要はなく、一対の測定子60を開閉駆動させるだけでよい。
【0094】
次に、クリアランスの測定ユニットにおける他の実施形態を説明する。
(第4の実施形態)
前実施の形態に係る測定ユニットを、直動式のバルブクリアランス測定に適用した例を図10に示す。
図10に示すように、カムシャフト101のカム(第1の部材)と有蓋円筒状のバルブリフター113の蓋部114(カム当接部材:第2の部材)との間がバルブクリアランスVCとなる。バルブリフター113における蓋部114の下面がバルブ105に当接される。このバルブクリアランスVCに、一対の測定子60の先端部611が入り込み、カムシャフト101のカムとバルブリフター113(蓋部114)とに当接される。カムシャフト101とバルブリフター113は、シリンダヘッドCHに組み込まれ、配置、固定されている。
本実施の形態においても、前実施の形態に係るクリアランスの測定ユニットと同様の作用効果が期待できる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、バルブリフター113の対向面は水平面であるため、カムシャフト101とバルブリフター113との位置関係に関わらず、バルブクリアランスVCが一義的に定まる。よって、先端部611の下端面を、バルブリフター113の水平面プロファイルになぞらせつつ接近させるだけで、先端部611を容易に、かつ、確実にバルブクリアランスVCに入り込ませることもできる。
【0096】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0097】
11 第1の部材
12 第2の部材
13 クリアランス
14 先端部
S1 測定ステップ
S2 算出ステップ
d1 クリアランス値

Claims (16)

  1. 第1および第2の部材の、対向する面間のクリアランスを測定する方法であり、
    前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の離間距離を測定するステップと、
    その先端部間離間距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、
    ことを特徴とするクリアランスの測定方法。
  2. 真円面を有する第1および第2の部材の、対向する真円面間のクリアランスを測定する方法であり、
    前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、
    その先端部間中心距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、
    ことを特徴とするクリアランスの測定方法。
  3. 前記算出ステップは、前記先端部間中心距離と前記算出、測定されるクリアランス値との関係を予め求めておき、先端部間中心距離が測定された後に、その先端部間距離測定値をクリアランス値に変換する
    請求項2記載のクリアランスの測定方法。
  4. 前記第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、
    前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd1とする時、
    先端部間中心距離2Yに基づいて、以下の数1により、クリアランス値d1を求める
    請求項3記載のクリアランスの測定方法。
    Figure 2009122475
  5. 前記第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、
    前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd2とする時、
    先端部間中心距離2Yに基づいて、以下の数2により、クリアランス値d2を求める
    請求項3記載のクリアランスの測定方法。
    Figure 2009122475
  6. 前記第1および第2の部材における各真円面の半径r1、r2、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、
    前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd3とする時、
    先端部間中心距離2Yに基づいて、以下の数3により、クリアランス値d3を求める
    請求項3記載のクリアランスの測定方法。
    Figure 2009122475
  7. 真円面を有する第1の部材と水平面を有する第2の部材との対向面間のクリアランスを測定する方法であり、
    前記クリアランスに、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子を直接当接させ、2つの前記先端部間の中心距離を測定するステップと、
    その先端部間中心距離を基にして、クリアランス値を算出、測定する算出ステップと、を備える、
    ことを特徴とするクリアランスの測定方法。
  8. 前記算出ステップは、前記先端部間中心距離と前記算出、測定されるクリアランス値との関係を予め求めておき、先端部間中心距離が測定された後に、その先端部間距離測定値をクリアランス値に変換する
    請求項7記載のクリアランスの測定方法。
  9. 前記第1の部材における真円面の半径r1、前記先端部の半径eを事前に規定しておき、
    前記先端部間中心距離を2Y、前記クリアランス値をd4とする時、
    先端部間中心距離2Yに基づいて、以下の数4により、クリアランス値d4を求める
    請求項8記載のクリアランスの測定方法。
    Figure 2009122475
  10. 真円面を有する第1および第2の部材の、対向する真円面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、
    前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、
    前記一対の測定子を前記クリアランス位置に又は前記両部材を前記一対の測定子間に移動させる移動手段と、
    前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、
    前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、
    測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成される、
    ことを特徴とするクリアランスの測定ユニット。
  11. 真円面を有する第1の部材と水平面を有する第2の部材との対向面間のクリアランスを測定する測定ユニットであり、
    前記クリアランスに直接当接され、そのクリアランスよりもやや大きな球状の先端部を備える一対の測定子と、
    前記一対の測定子を前記クリアランス位置に又は前記両部材を前記一対の測定子間に移動させる移動手段と、
    前記一対の測定子に接続して設けられ、それらの測定子を開閉駆動させる駆動手段と、
    前記一対の測定子における前記先端部間の中心距離を測定する測定手段と、
    測定された先端部間中心距離を基にしてクリアランス値を演算、算出する演算手段と、で構成される、
    ことを特徴とするクリアランスの測定ユニット。
  12. 前記一対の測定子をアーチ状のブラケットで保持し、
    前記ブラケットに、上下方向に昇降自在な前記移動手段が接続される、
    請求項10又は11に記載のクリアランスの測定ユニット。
  13. 前記駆動手段が、
    前記ブラケットに保持され、前記一対の測定子を開閉駆動自在に支持する直動ガイドと、
    前記ブラケットに保持され、かつ、前記直動ガイドと平行に設けられ、前記一対の測定子を閉駆動させる引っ張りばねと、
    前記移動手段に保持され、前記一対の測定子を開駆動させるスライド機構と、を有する、
    請求項12に記載のクリアランスの測定ユニット。
  14. 前記スライド機構は、
    前記移動手段と一体に設けられ、上下方向に直動駆動するアクチュエータと、
    そのアクチュエータに接続され、先端にテーパ面を有する直進カムと、で構成され、
    前記一対の測定子の対向する内側面に、前記直進カムの前記テーパ面に沿って転動自在なローラが設けられる、
    請求項13記載のクリアランスの測定ユニット。
  15. 前記ブラケットに鉛直方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に鉛直方向上方に付勢する圧縮ばねを介してピンが挿通され、そのピンの挿通突出部に鉛直方向に昇降自在な前記移動手段が接続され、
    前記ブラケットが前記ピンにてフローティングされるように設けられる、
    請求項12記載のクリアランスの測定ユニット。
  16. 前記各先端部が断面ほぼ円形の柱体で構成され、その円形の柱体の周面が前記クリアランスに直接当接される、
    請求項10又は11に記載のクリアランスの測定ユニット。
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