JPWO2009116421A1 - 光導波路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、および該コアパターンを埋め込むように形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して、上部クラッド層を形成する工程を有する光導波路の製造方法であって、該コア層を形成する工程が、ロールラミネータを用いて、下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを加熱圧着するものであり、該上部クラッド層を形成する工程が平板型ラミネータを用いて減圧雰囲気下で加熱圧着するものであることを特徴とする光導波路の製造方法である。均一なコアを有する光導波路を生産性良く製造する方法を提供することができる。
Description
本発明は、均一なコアを有し、生産性に優れた光導波路の製造方法に関するものである。
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の短距離信号伝送に光を用いるために、電気配線板に光伝送路を複合した光電気混載基板の開発がなされている。光伝送路としては、光ファイバに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
光導波路は電気配線板と共存するため、高透明性とともに高耐熱性も要求されるが、このような光導波路材として、フッ素化ポリイミド(例えば非特許文献1)やエポキシ樹脂(例えば特許文献1)が提案されている。
フッ素化ポリイミドは、300℃以上の高耐熱性と、波長850nmにおいて0.3dB/cmの高透明性を有するものの、製膜には300℃以上で数十分から数時間の加熱条件が必要であるため、電気配線板上での製膜が困難であった。また、フッ素化ポリイミドには感光性がないため、感光・現像による光導波路作製法が適用できず、生産性・大面積化に劣っていた。さらに、液状の材料を基板上に塗布し製膜する方法を用いて光導波路を作製するため、膜厚管理が煩雑であり、しかも基板上に塗布した樹脂が、硬化前は液状であるため、基板上で樹脂が流れてしまい、膜厚の均一性を保つことが困難であるなど、材料形態が液状であることに起因した課題があった。
一方、液状エポキシ樹脂に光重合開始剤を添加した光導波路形成用エポキシ樹脂は、感光・現像法によりコアパターンが形成可能であり、高透明性、高耐熱性を有するものもあるが、材料が液状であることに起因した同様な課題があった。
そこで、放射線重合可能な成分を含有するドライフィルムを基板上に積層し、所定量の光を照射することで所定場所を放射線硬化させてクラッドを形成するとともに、必要に応じて未露光部を現像することによりコア部分などを形成、さらに該コア部分を埋め込むためのクラッドを形成して、伝送特性に優れる光導波路を製造する方法は有用である。この方法を用いるとコア埋め込み後のクラッドの平坦性確保が容易である。また、大面積の光導波路を製造することにも適している。ドライフィルムを基板上にラミネートする方法として、特許文献2の図1および図2に開示されているような、相対的に上下動が可能な一対のブロック体によって形成される真空室を有する真空式ラミネータを用いて減圧下でラミネートする、いわゆる真空ラミネート方式や、上下ヒートロールで熱圧着しながらラミネートする、いわゆるロールラミネート方式が知られている。
上述のような、真空ラミネート方式を用いて光導波路を製造する方法は、例えば、特許文献3に開示され、また、ロールラミネート方式を用いて光導波路を製造する方法は、例えば、特許文献4に開示されている。
特許文献3に開示される光導波路の製造方法においては、コア層の形成及び上部クラッド層の形成に際して、真空加圧式ラミネータを用いることが好ましい旨の記載があり(特許文献3、段落0064、及び段落0068参照)、実施例においても、真空加圧式ラミネータが用いられている(特許文献3、実施例1参照)。
また、特許文献4に開示される光導波路の製造方法においては、下部クラッド層及びコア層を、放射線硬化性ドライフィルムを用いて、ロールラミネート方式で作製し、上部クラッド層を、ドライフィルム作製前の溶液を用いて、スピンコート法により形成している(特許文献4、段落0017〜段落0019参照)。
特許文献3に開示される光導波路の製造方法においては、コア層の形成及び上部クラッド層の形成に際して、真空加圧式ラミネータを用いることが好ましい旨の記載があり(特許文献3、段落0064、及び段落0068参照)、実施例においても、真空加圧式ラミネータが用いられている(特許文献3、実施例1参照)。
また、特許文献4に開示される光導波路の製造方法においては、下部クラッド層及びコア層を、放射線硬化性ドライフィルムを用いて、ロールラミネート方式で作製し、上部クラッド層を、ドライフィルム作製前の溶液を用いて、スピンコート法により形成している(特許文献4、段落0017〜段落0019参照)。
本発明者らは、上述の特許文献3に開示されるような、真空ラミネート方式では真空室内を真空引きする際、真空室内で空気が流れるため、周辺のゴミなどを巻き上げ、ラミネート前にドライフィルムと基材の間にゴミが付着しやすいという問題があること、また、ラミネート時にしわが発生しやすく、このしわによって光導波路のコア形成時にコアが太ったり、欠けたりする変形が発生し、光信号を通した際、コア変形部で光が散乱し、損失が大きくなるという問題があること、これらの問題は、特にコア層の形成時に起きることを見出した。その為、特許文献3に開示される方法は、製品の歩留まりが悪く、生産効率が低くなる。
一方、ロールラミネート方式では真空ラミネート方式における問題は少ないが、凹凸のある基板に対しては、凸部の付け根で空気が残存し、ボイドが発生するなど埋め込み性に問題があることも見出した。
また、特許文献4に開示されるような、スピンコートなどの塗布法を用いる場合には、液状材料特有の生産性や大面積対応に関する課題がある。
本発明は、このような問題点に鑑み、均一なコアを有する光導波路を生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
一方、ロールラミネート方式では真空ラミネート方式における問題は少ないが、凹凸のある基板に対しては、凸部の付け根で空気が残存し、ボイドが発生するなど埋め込み性に問題があることも見出した。
また、特許文献4に開示されるような、スピンコートなどの塗布法を用いる場合には、液状材料特有の生産性や大面積対応に関する課題がある。
本発明は、このような問題点に鑑み、均一なコアを有する光導波路を生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上述の各工程に起因するラミネート方式の問題点を見出し、通常は上記特許文献3及び4に記載のように、同一のラミネート方式を用いるのに対して、工程に応じて異なるラミネート方式を採用することにより、具体的には下記に記載の構成または方法により、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、および該コアパターンを埋め込むように形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して、上部クラッド層を形成する工程を有する光導波路の製造方法であって、該コア層を形成する工程が、ロールラミネータを用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを加熱圧着するものであり、該上部クラッド層を形成する工程が、平板型ラミネータを用いて減圧雰囲気下で加熱圧着するものであることを特徴とする光導波路の製造方法、および
(2)前記下部クラッド層が、コア層積層側の表面に段差が形成されていないことを特徴とする、(1)に記載の光導波路の製造方法、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、および該コアパターンを埋め込むように形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して、上部クラッド層を形成する工程を有する光導波路の製造方法であって、該コア層を形成する工程が、ロールラミネータを用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを加熱圧着するものであり、該上部クラッド層を形成する工程が、平板型ラミネータを用いて減圧雰囲気下で加熱圧着するものであることを特徴とする光導波路の製造方法、および
(2)前記下部クラッド層が、コア層積層側の表面に段差が形成されていないことを特徴とする、(1)に記載の光導波路の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、均一なコアを有する光導波路を生産性良く製造する方法を提供することができる。
1;基材
2;下部クラッド層
3;コア層
4;支持体フィルム(コア層形成用)
5;ロールラミネータ
6;真空加圧ラミネータ
7;ホトマスク
8;コアパターン
9;上部クラッド層
10;支持体フィルム(クラッド層形成用)
11;保護フィルム(保護層)
20;クラッド層形成用樹脂
30;コア層形成用樹脂
200;クラッド層形成用樹脂フィルム
300;コア層形成用樹脂フィルム
2;下部クラッド層
3;コア層
4;支持体フィルム(コア層形成用)
5;ロールラミネータ
6;真空加圧ラミネータ
7;ホトマスク
8;コアパターン
9;上部クラッド層
10;支持体フィルム(クラッド層形成用)
11;保護フィルム(保護層)
20;クラッド層形成用樹脂
30;コア層形成用樹脂
200;クラッド層形成用樹脂フィルム
300;コア層形成用樹脂フィルム
本発明により製造される光導波路は、例えば、図1(f)および図2(g)に示すように、基材1上に下部クラッド層2、コアパターン8および上部クラッド層9を有する光導波路であって、高屈折率である1つのコア層形成用樹脂フィルム(図4、300)と、低屈折率である2つのクラッド層形成用樹脂、好ましくはクラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)を用いて作製することができる。フィルム状材料を用いることで、液状材料特有の生産性や大面積対応に関する課題を解決できる。
(基材)
基材1の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、FR−4基板、ポリイミド、半導体基板、シリコン基板やガラス基板等を用いることができる。
また、基材1としてフィルムを用いることで、光導波路に柔軟性および強靭性を付与することができる。フィルムの材料としては、特に限定されないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが好適に挙げられる。
フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
基材1の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、FR−4基板、ポリイミド、半導体基板、シリコン基板やガラス基板等を用いることができる。
また、基材1としてフィルムを用いることで、光導波路に柔軟性および強靭性を付与することができる。フィルムの材料としては、特に限定されないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが好適に挙げられる。
フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
図1に示した基材1として、後述するクラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いる支持体フィルム10を用いることができる。この場合、クラッド層形成用樹脂フィルム200としては、図3に示すように、接着処理を施した支持体フィルム10上にクラッド層形成用樹脂20が製膜されていることが好ましい。これにより、下部クラッド層2と基材1の接着力を向上させ、下部クラッド層2と基材1の剥離不良を抑制できる。ここで接着処理とは、易接着樹脂コート、コロナ処理、サンドブラスト等によるマット加工などにより、支持体フィルム10とこの上に形成されるクラッド層形成用樹脂20との接着力を向上させる処理である。
また、基材1として上記支持体フィルム10とは別の基材を用いる場合、図2に示すように、支持体フィルム10上にクラッド層形成用樹脂20が製膜されたクラッド層形成用樹脂フィルム200を基材1上にラミネート法などにより転写してもよい。この場合、該支持体フィルム10上には、接着処理を行っていないことが好ましい。
また、上部クラッド層の外側に基材を有していてもよく、該基材の種類としては、前述した基材1と同様のものが挙げられ、例えば、図1(f)に示すように後述するクラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いる支持体フィルム10等が挙げられる。
また、基材1として上記支持体フィルム10とは別の基材を用いる場合、図2に示すように、支持体フィルム10上にクラッド層形成用樹脂20が製膜されたクラッド層形成用樹脂フィルム200を基材1上にラミネート法などにより転写してもよい。この場合、該支持体フィルム10上には、接着処理を行っていないことが好ましい。
また、上部クラッド層の外側に基材を有していてもよく、該基材の種類としては、前述した基材1と同様のものが挙げられ、例えば、図1(f)に示すように後述するクラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いる支持体フィルム10等が挙げられる。
上述の基材1の片面または両面上にコアパターンおよびクラッド層を有する高分子層を複数積層し、多層光導波路を作製してもよい。
さらに、上述の基材1上には電気配線を設けてもよく、この場合、予め電気配線を設けたものを基材1として用いることができる。あるいは、光導波路製造後に、基材1上に電気配線を形成することが可能である。これにより、基材1上に金属配線の信号伝送線と光導波路の信号伝送線との両方が備えられ、両者を使い分けることが可能になり、高速でかつ長い距離の信号伝送を容易に行うことができる。
さらに、上述の基材1上には電気配線を設けてもよく、この場合、予め電気配線を設けたものを基材1として用いることができる。あるいは、光導波路製造後に、基材1上に電気配線を形成することが可能である。これにより、基材1上に金属配線の信号伝送線と光導波路の信号伝送線との両方が備えられ、両者を使い分けることが可能になり、高速でかつ長い距離の信号伝送を容易に行うことができる。
(クラッド層形成用樹脂およびクラッド層形成用樹脂フィルム)
以下、本発明で使用されるクラッド層形成用樹脂およびクラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)について詳述する。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光または熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。より好適にはクラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物および(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。なお、クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、上部クラッド層9と下部クラッド層2において、該樹脂組成物に含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
以下、本発明で使用されるクラッド層形成用樹脂およびクラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)について詳述する。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光または熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。より好適にはクラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物および(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。なお、クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、上部クラッド層9と下部クラッド層2において、該樹脂組成物に含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
ここで用いる(A)ベースポリマーはクラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂の透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂および(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物またはそれらの誘導体、およびビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物またはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性および溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールAまたはビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールFまたはビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物などが挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートを意味するものである。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートを意味するものである。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能または多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂等の2官能または多官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2官能または多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等の2官能脂環式エポキシ樹脂、2官能複素環式エポキシ樹脂、多官能複素環式エポキシ樹脂、2官能または多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの(B)光重合性化合物は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
次に(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば(B)成分にエポキシ化合物を用いる場合の開始剤として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スルホン酸エステルなどが挙げられる。
また、(B)成分に分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合の開始剤としては、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層およびクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトンおよびフォスフィンオキサイド類が好ましい。これらの(C)光重合開始剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分および(B)成分の総量に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。また、(B)光重合性化合物の配合量は、(A)および(B)成分の総量に対して、95〜20質量%とすることが好ましい。
この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下であり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%がさらに好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下であり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%がさらに好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
また、このほかに必要に応じて、クラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
クラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)は、前記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して、前記支持体フィルム10に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いられる支持体フィルム10は、その材料については特に限定されず、種々のものを用いることができる。支持体フィルムとしての柔軟性および強靭性の観点から、上記した基材1のフィルム材料として例示したものが同様に挙げられる。
支持体フィルム10の厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
このとき、クラッド層形成用樹脂フィルム200の保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じクラッド層形成用樹脂フィルム200に保護フィルム11を貼り合わせてもよい。保護フィルム11としては、支持体フィルム10として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒またはこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
クラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いられる支持体フィルム10は、その材料については特に限定されず、種々のものを用いることができる。支持体フィルムとしての柔軟性および強靭性の観点から、上記した基材1のフィルム材料として例示したものが同様に挙げられる。
支持体フィルム10の厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
このとき、クラッド層形成用樹脂フィルム200の保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じクラッド層形成用樹脂フィルム200に保護フィルム11を貼り合わせてもよい。保護フィルム11としては、支持体フィルム10として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒またはこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
下部クラッド層2および上部クラッド層9(以下、クラッド層2,9と略す)の厚さに関しては、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、該クラッド層2、9の厚さは、さらに10〜100μmの範囲であることがより好ましい。
また、クラッド層2,9の厚さは、最初に形成される下部クラッド層2と、コアパターンを埋め込むための上部クラッド層9において、同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、上部クラッド層9の厚さは、コア層3の厚さよりも厚くすることが好ましい。
(コア層形成用樹脂フィルム)
次に、本発明で使用するコア層形成用樹脂フィルム(図4、300)について詳述する。
コア層形成用樹脂フィルム300を構成するコア層形成用樹脂30としては、コア層3がクラッド層2,9より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターン8を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、前記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、前記(A)、(B)および(C)成分を含有し、必要に応じて前記任意成分を含有する樹脂組成物である。
次に、本発明で使用するコア層形成用樹脂フィルム(図4、300)について詳述する。
コア層形成用樹脂フィルム300を構成するコア層形成用樹脂30としては、コア層3がクラッド層2,9より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターン8を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、前記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、前記(A)、(B)および(C)成分を含有し、必要に応じて前記任意成分を含有する樹脂組成物である。
コア層形成用樹脂フィルム300は、前記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して支持体フィルム4に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、前述のクラッド形成用樹脂フィルムの製造に用いられる溶媒として例示したものを用いることができる。また、樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層3の厚さが、通常は10〜100μmとなるように調整される。該フィルムの厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子または光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子または光ファイバとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、さらに30〜70μmの範囲であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の製造過程で用いる支持体フィルム4は、コア層形成用樹脂30を支持する支持体フィルムであって、その材料については特に限定されないが、後にコア層形成用樹脂30を剥離することが容易であり、かつ、耐熱性および耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。
該支持体フィルム4の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルム4としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該支持体フィルム4の厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じコア層形成用樹脂フィルム300に保護フィルム11を貼り合わせてもよい。保護フィルム11としては、支持体フィルム4として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
該支持体フィルム4の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルム4としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該支持体フィルム4の厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じコア層形成用樹脂フィルム300に保護フィルム11を貼り合わせてもよい。保護フィルム11としては、支持体フィルム4として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
(光導波路の製造方法)
以下、本発明の光導波路の製造方法について詳述する(図1,2参照)。なお、以下の製造例では、クラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)およびコア層形成用樹脂フィルム(図4、300)を用いた場合の実施形態の一例を具体的に説明する。
まず、第1の工程として、クラッド層形成用樹脂20と支持体フィルム10から構成されたクラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)を用いて、該クラッド層形成用樹脂20を光または加熱により硬化し、下部クラッド層2を形成する(図1(a))。このとき、上記支持体フィルム10が、図1(a)に示す下部クラッド層2の基材1となる。
この下部クラッド層2は、後述するコア層との密着性の観点から、コア層積層側の表面において段差がなく平坦であることが好ましい。また、クラッド層形成用樹脂フィルムを用いることにより、クラッド層2の表面平坦性を確保することができる。
図3に示すようにクラッド層形成用樹脂フィルム200の支持体フィルム10の反対側に保護フィルム11を設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂20を光または加熱により硬化し、クラッド層2を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂20は接着処理を施した支持体フィルム10上に製膜されていることが好ましい。一方、保護フィルム11は、クラッド層形成用樹脂フィルム200からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
基材1として支持体フィルム10とは別の基材1を用いることができる。この場合には、クラッド層形成用樹脂フィルム200に保護層11がある場合は保護層11を剥離し、次いで、図2(a)に示すようにクラッド層形成用樹脂フィルム200を基材1にロールラミネータ5を用いたラミネート法などにより転写し、支持体フィルム10を剥離する。次いで、クラッド層形成用樹脂20を光または加熱により硬化し、下部クラッド層2を形成する。また、この場合には、クラッド層形成用樹脂フィルム200としてはクラッド層形成用樹脂20単独で構成されているものを用いてもよい。
以下、本発明の光導波路の製造方法について詳述する(図1,2参照)。なお、以下の製造例では、クラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)およびコア層形成用樹脂フィルム(図4、300)を用いた場合の実施形態の一例を具体的に説明する。
まず、第1の工程として、クラッド層形成用樹脂20と支持体フィルム10から構成されたクラッド層形成用樹脂フィルム(図3、200)を用いて、該クラッド層形成用樹脂20を光または加熱により硬化し、下部クラッド層2を形成する(図1(a))。このとき、上記支持体フィルム10が、図1(a)に示す下部クラッド層2の基材1となる。
この下部クラッド層2は、後述するコア層との密着性の観点から、コア層積層側の表面において段差がなく平坦であることが好ましい。また、クラッド層形成用樹脂フィルムを用いることにより、クラッド層2の表面平坦性を確保することができる。
図3に示すようにクラッド層形成用樹脂フィルム200の支持体フィルム10の反対側に保護フィルム11を設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂20を光または加熱により硬化し、クラッド層2を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂20は接着処理を施した支持体フィルム10上に製膜されていることが好ましい。一方、保護フィルム11は、クラッド層形成用樹脂フィルム200からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
基材1として支持体フィルム10とは別の基材1を用いることができる。この場合には、クラッド層形成用樹脂フィルム200に保護層11がある場合は保護層11を剥離し、次いで、図2(a)に示すようにクラッド層形成用樹脂フィルム200を基材1にロールラミネータ5を用いたラミネート法などにより転写し、支持体フィルム10を剥離する。次いで、クラッド層形成用樹脂20を光または加熱により硬化し、下部クラッド層2を形成する。また、この場合には、クラッド層形成用樹脂フィルム200としてはクラッド層形成用樹脂20単独で構成されているものを用いてもよい。
次いで、下記に詳述する第2および第3の工程によって、下部クラッド層2上にコア層3を形成する。この第2および第3の工程において、下部クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルム300を積層して、下部クラッド層2より屈折率の高いコア層3を形成する。
具体的には、第2の工程として、下部クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルム300を、ロールラミネータ5を用いて加熱圧着してコア層3を積層する(図1(b)、図2(c))。加熱圧着することによって、密着性および追従性が向上する。ラミネート温度は、30℃〜100℃の範囲が好ましい。30℃より高い温度であると、下部クラッド層とコア層との密着性が向上し、40℃以上であると、更に密着力を向上させることができる。一方、100℃以下であると、コア層がロールラミネート時に流動することなく、必要とする膜厚が得られる。以上の観点から、40〜70℃の範囲がより好ましく、50℃〜60℃の範囲がさらに好ましい。圧力は0.2〜0.9MPaが好ましい。ラミネート速度は0.1〜3m/minが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
具体的には、第2の工程として、下部クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルム300を、ロールラミネータ5を用いて加熱圧着してコア層3を積層する(図1(b)、図2(c))。加熱圧着することによって、密着性および追従性が向上する。ラミネート温度は、30℃〜100℃の範囲が好ましい。30℃より高い温度であると、下部クラッド層とコア層との密着性が向上し、40℃以上であると、更に密着力を向上させることができる。一方、100℃以下であると、コア層がロールラミネート時に流動することなく、必要とする膜厚が得られる。以上の観点から、40〜70℃の範囲がより好ましく、50℃〜60℃の範囲がさらに好ましい。圧力は0.2〜0.9MPaが好ましい。ラミネート速度は0.1〜3m/minが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
コア層形成用樹脂フィルム300は、取扱性の観点から、コア層形成用樹脂30と支持体フィルム4から構成されていることが好ましく、この場合、コア層形成用樹脂30を下部クラッド層2側にしてラミネートする。また、コア層形成用樹脂フィルム300はコア層形成用樹脂30単独で構成されていても良い。
図4に示すようにコア層形成用樹脂フィルム300の基材の反対側に保護フィルム11を設けている場合には、該保護フィルム11を剥離後、コア層形成用樹脂フィルム300をラミネートする。このとき、保護フィルム11および支持体フィルム4は、コア層形成用樹脂フィルム300からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
図4に示すようにコア層形成用樹脂フィルム300の基材の反対側に保護フィルム11を設けている場合には、該保護フィルム11を剥離後、コア層形成用樹脂フィルム300をラミネートする。このとき、保護フィルム11および支持体フィルム4は、コア層形成用樹脂フィルム300からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
次に、第3の工程として、コア層3を露光現像し、光導波路のコアパターン8を形成する(図1(c)、(d)、図2(d)、(e))。具体的には、ホトマスクパターン7を通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
次いで、コア層形成用樹脂フィルム300の支持体フィルム4が残っている場合には、支持体フィルム4を剥離し、ウェット現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターン8を形成する。ウェット現像の場合は、前記フィルムの組成に適した有機溶剤系現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
有機溶剤系現像液としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スクラッピング等が挙げられ、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱または0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン8をさらに硬化して用いてもよい。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱または0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン8をさらに硬化して用いてもよい。
この後、コアパターン8を埋込むため、クラッド層形成用樹脂フィルム200をラミネートし、さらに該クラッド層形成用樹脂フィルム200のクラッド層形成用樹脂20を硬化し、上部クラッド層9を形成する第4の工程を行う(図1(e)、(f)、図2(f)、(g))。
具体的には、第4の工程として、コアパターン8上にクラッド層形成用樹脂フィルム200を、真空加圧式ラミネータを用いて減圧雰囲気下において加熱圧着する(図1(e)、図2(f))。ここで、第4の工程は、密着性および追従性向上の観点から、平板型ラミネータ6を用いて減圧雰囲気下で加熱圧着する。なお、本発明において平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことをいう。平板型ラミネータとして、例えば、特許文献2に記載されているような真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。減圧の尺度である真空度の上限は、10000Pa以下が好ましく、さらには1000Pa以下が好ましい。真空度は、密着性および追従性の見地から低い方が望ましい。一方、真空度の下限は、生産性の観点(真空引きにかかる時間)から、10Pa程度であることが好ましい。加熱温度は、40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
具体的には、第4の工程として、コアパターン8上にクラッド層形成用樹脂フィルム200を、真空加圧式ラミネータを用いて減圧雰囲気下において加熱圧着する(図1(e)、図2(f))。ここで、第4の工程は、密着性および追従性向上の観点から、平板型ラミネータ6を用いて減圧雰囲気下で加熱圧着する。なお、本発明において平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことをいう。平板型ラミネータとして、例えば、特許文献2に記載されているような真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。減圧の尺度である真空度の上限は、10000Pa以下が好ましく、さらには1000Pa以下が好ましい。真空度は、密着性および追従性の見地から低い方が望ましい。一方、真空度の下限は、生産性の観点(真空引きにかかる時間)から、10Pa程度であることが好ましい。加熱温度は、40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
ラミネートは、クラッド層形成用樹脂フィルム200がクラッド層形成用樹脂20と支持体フィルム10からなる場合には、クラッド層形成用樹脂20をコアパターン8側にしてラミネートする。このときのクラッド層9の厚さは、前述のようにコア層3の厚さより大きくすることが好ましい。硬化は、光または加熱によって上記と同様に行う。
図4に示すように、クラッド層形成用樹脂フィルム200の支持体フィルム10の反対側に保護フィルム11を設けている場合には、該保護フィルム11を剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルム200をラミネートして光または加熱により硬化することによりクラッド層9を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂20は接着処理を施した支持体フィルム10上に製膜されていることが好ましい。一方、保護フィルム11は、クラッド層形成用樹脂フィルム200からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
図4に示すように、クラッド層形成用樹脂フィルム200の支持体フィルム10の反対側に保護フィルム11を設けている場合には、該保護フィルム11を剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルム200をラミネートして光または加熱により硬化することによりクラッド層9を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂20は接着処理を施した支持体フィルム10上に製膜されていることが好ましい。一方、保護フィルム11は、クラッド層形成用樹脂フィルム200からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
本発明の製造方法によれば、コア層3を積層する工程において、前記第2の工程および、その後に前記第3の工程を行なうことにより、従来の課題であったコア太りや、欠けなどのコア変形そして異物の付着が無い、均一なコアを有する光導波路(図1(f)、図2(g))を生産性よく製造することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
製造例1
(コア層形成用樹脂フィルムおよびクラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
表1に示す配合にて、コア層およびクラッド層形成用樹脂組成物を用意し、これに溶剤としてエチルセロソルブを全量に対して40質量部加え、コア層用およびクラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。なお、表1に示す配合において、(A)ベースポリマーおよび(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量に対する質量%であり、(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対する割合(質量部)である。
(コア層形成用樹脂フィルムおよびクラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
表1に示す配合にて、コア層およびクラッド層形成用樹脂組成物を用意し、これに溶剤としてエチルセロソルブを全量に対して40質量部加え、コア層用およびクラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。なお、表1に示す配合において、(A)ベースポリマーおよび(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量に対する質量%であり、(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対する割合(質量部)である。
*1 フェノトートYP−70;東都化成(株)製、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂
*2 A−BPEF;新中村化学工業(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;新中村化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート
*4 KRM−2110;新中村化学工業(株)製、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート
*5 2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール;東京化成工業(株)製
*6 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;東京化成工業(株)製
*7 2−メルカプトベンゾイミダゾール;東京化成工業(株)製
*8 SP−170;(株)ADEKA製、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩
*2 A−BPEF;新中村化学工業(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;新中村化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート
*4 KRM−2110;新中村化学工業(株)製、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート
*5 2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール;東京化成工業(株)製
*6 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;東京化成工業(株)製
*7 2−メルカプトベンゾイミダゾール;東京化成工業(株)製
*8 SP−170;(株)ADEKA製、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩
得られたコア層およびクラッド層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」、厚さ16μm)にアプリケーター(ヨシミツ精機(株)製、「YBA−4」)を用いて塗布し(クラッド層形成用樹脂フィルム:巻内の接着処理面使用、コア層形成用樹脂フィルム:巻外の非処理面使用)、80℃、10分、その後100℃、10分で溶剤を乾燥させ、コア層およびクラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このときのフィルムの厚さは、アプリケーターの間隙を調節することで、5〜100μmの間で任意に調整可能であり、本製造例では、硬化後の膜厚が、コア層40μm、下部クラッド層20μm、上部クラッド層70μmとなるように調節した。
製造例2
(クラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
上記製造例1において、クラッド層形成用樹脂ワニスを支持体フィルム10としてPETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」、厚さ16μm)の非処理面に形成したこと以外は、製造例1と同様にクラッド層形成用樹脂フィルムを作製した。
(クラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
上記製造例1において、クラッド層形成用樹脂ワニスを支持体フィルム10としてPETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」、厚さ16μm)の非処理面に形成したこと以外は、製造例1と同様にクラッド層形成用樹脂フィルムを作製した。
実施例1
(光導波路の作製)
紫外線露光機(大日本スクリーン製造(株)製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射し、上記製造例1で得られたクラッド層形成用樹脂フィルムを光硬化して下部クラッド層2を形成した(図1(a)参照)。
(光導波路の作製)
紫外線露光機(大日本スクリーン製造(株)製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射し、上記製造例1で得られたクラッド層形成用樹脂フィルムを光硬化して下部クラッド層2を形成した(図1(a)参照)。
次に、この下部クラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成工業(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記製造例1で得られたコア層形成用樹脂フィルムをラミネートした(図1(b)参照)。
続いて幅40μmのホトマスク(ネガ型)を介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した後(図1(c)参照)、エチルセロソルブとN,N−ジメチルアセトアミドの8対2質量比混合溶剤にて、コアパターンを現像した(図1(d)参照)。現像液の洗浄には、メタノールおよび水を用いた。
次いで、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒のラミネート条件にて、コアパターンを埋込むように、上記製造例1で得られたクラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートし、上記と同様の方法および条件で紫外線照射し、その後110℃で加熱処理を行って上部クラッド層9を形成し、光導波路を作製した(図1(e)、(f)参照)。
なお、コア層およびクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長850nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.537であった。
上記の方法により作製した光導波路の場合、コア太りや、欠けなどのコア変形および異物の混入が無く、10cm長さ光導波路200本での歩留りは80%であり、伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)および受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5〜1.7dB/cmであった。
実施例2
(光導波路の作製)
実施例1の下部クラッド層2を形成する工程において、基材1としてFR−4上に、上記製造例2で得られたクラッド層形成用樹脂フィルム200をロールラミネータ法により転写し、PETフィルムを剥離した後、クラッド層形成用樹脂側から紫外線により硬化して下部クラッド層2を形成したこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。
(光導波路の作製)
実施例1の下部クラッド層2を形成する工程において、基材1としてFR−4上に、上記製造例2で得られたクラッド層形成用樹脂フィルム200をロールラミネータ法により転写し、PETフィルムを剥離した後、クラッド層形成用樹脂側から紫外線により硬化して下部クラッド層2を形成したこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。
このように作製した光導波路は、コア太りや、欠けなどのコア変形および異物の混入が無く、10cm長さ光導波路200本の歩留りは90%であった。伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)および受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5dB/cmであった。
比較例1
(光導波路の作製)
実施例1におけるロールラミネータを用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層する工程に変えて、真空加圧式ラミネータを実施例1の上部クラッド層形成と同様の条件で用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層したこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。
この場合、コアにコア太りや、コア欠け、異物の混入があったため、10cm長さ光導波路200本での歩留りは15%であり、伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)および受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5〜4.0dB/cmであり実施例1よりばらつきが大きかった。
(光導波路の作製)
実施例1におけるロールラミネータを用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層する工程に変えて、真空加圧式ラミネータを実施例1の上部クラッド層形成と同様の条件で用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層したこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。
この場合、コアにコア太りや、コア欠け、異物の混入があったため、10cm長さ光導波路200本での歩留りは15%であり、伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)および受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5〜4.0dB/cmであり実施例1よりばらつきが大きかった。
比較例2
(光導波路の作製)
実施例1における真空加圧式ラミネータを用いてコアパターン上に上部クラッド層を形成する代わりに、ロールラミネータを用いて実施例1のコア層形成に用いたのと同様の方法および条件で加熱圧着工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。
この場合、埋め込み不足からくる上部クラッドに発生するボイドが多発し、10cm長さ光導波路200本での歩留りは0%であり、伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)および受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、5dB/cmであり実施例1より伝播損失が大きかった。
(光導波路の作製)
実施例1における真空加圧式ラミネータを用いてコアパターン上に上部クラッド層を形成する代わりに、ロールラミネータを用いて実施例1のコア層形成に用いたのと同様の方法および条件で加熱圧着工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。
この場合、埋め込み不足からくる上部クラッドに発生するボイドが多発し、10cm長さ光導波路200本での歩留りは0%であり、伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)および受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、5dB/cmであり実施例1より伝播損失が大きかった。
本発明によれば、変形のない均一なコアを有し、異物による不良が少なく、かつコアパターンとクラッドとの密着性に優れ、クラッドにボイドが無い光導波路を生産性良く製造することが可能である。本発明の製造方法により得られた光導波路は、光伝送特性に優れ、ボード間あるいはボード内における光インターコネクション等の幅広い分野に適用可能である。
Claims (2)
- 基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、および該コアパターンを埋め込むように形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して、上部クラッド層を形成する工程を有する光導波路の製造方法であって、該コア層を形成する工程が、ロールラミネータを用いて下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを加熱圧着するものであり、該上部クラッド層を形成する工程が、平板型ラミネータを用いて減圧雰囲気下で加熱圧着するものであることを特徴とする光導波路の製造方法。
- 前記下部クラッド層が、コア層積層側の表面に段差が形成されていないことを特徴とする、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
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