JPWO2009110493A1 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセット印刷物の風合いを得られ、印字適性に優れたインクジェット記録媒体を提供する。【解決手段】木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の60%以上となる粒度分布を有するカオリンとコールターカウンター法で測定された平均二次粒子径が0.5μm以上4μm以下である合成非晶質シリカ、及びバインダーを主成分とするインク受容層を有する。【選択図】 なし

Description

本発明はオフセット印刷用塗工紙の風合いを持つインクジェット記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なことや印字騒音が少ない事などから、印字性能の急速な向上に伴って多くの用途に利用されてきている。これらの用途としては、例えば、文書作成ソフトからの文書記録、デジタル写真などのデジタル画像の記録、銀塩写真や本などの美麗な印刷体をスキャナーで取り込んだものの複製、比較的少枚数のポスターなどの展示用画像作成が挙げられる。
また、これらの用途毎にそれぞれ適した構成のインクジェット記録媒体が提案され、例えば、単に文字を記録する場合は、紙上に直接記録する普通紙タイプの媒体が使用され、銀塩写真に匹敵する解像度と色再現性を得たい場合は、塗工層としてインク受容層を設けた塗工紙タイプが使用される。特に高い光沢度が要求される場合、塗工紙タイプの塗工層を例えばキャスト方式で形成したキャスト紙タイプなどが使用される。また、ポスターや展示用途の場合、塗工層を有するロール状タイプが開発され使用される。
インクジェット記録方式の種々の分野への展開の一つとして、印刷分野が挙げられる。従来この分野では、主にオフセット方式が用いられてきたが、この印刷方式は版を必要とし、製版、印刷の工程を経るため、印刷物の完成までにはある程度の時間を要する。一方、インクジェット記録方式では、記録媒体に直接、画像を形成するだけで印字物が得られることから非常に効率的であり、安価に印字物を作成可能である。ただし、従来の印刷物の代替となるため、印字物にはオフセット印刷物と同等の風合いが求められる。
ところで、高品質なインクジェット記録画像を印字する場合、画像の色再現性を向上させるにしたがってプリンターから吐出されるインク量が多くなるため、インク受容層の設置が必要となり、このインク受容層には十分なインク吸収性能(速度及び容量)が求められる。このようなことから、インクジェット記録媒体のインク受容層には合成非晶質シリカなどの多孔性物質が用いられる例が多いが、この場合、インク吸収性は向上するが、光沢度が低く、質感もオフセット印刷物と異なるという問題がある。又、インク受容層の光沢度を高めたキャスト紙タイプのインクジェット記録媒体の場合、一般のオフセット印刷用塗工紙と比べて光沢度が非常に高くなり、また用紙が厚手であるため、やはりオフセット印刷物と風合いが異なる。なお、これらのインクジェット記録媒体は高価な原料、例えばシリカ、アルミナ、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルエマルジョン、インク定着剤(ポリアミン系、DADMAC系、ポリアミジン系等)などを多量に用いているため、一般のオフセット印刷用塗工紙に比べ、製造原価が高い。
一方、塗工層の顔料としてカオリンや炭酸カルシウムを含有する、一般的なオフセット印刷用塗工紙にインクジェットプリンターで印字を行うと、塗工層のインク吸収容量が低いためにフェザーリング(滲み)、ブリード(色境界滲み)、ベタ部の印字ムラ(印字部の濃度ムラ)、コックリング(印字部の波打ち)、コスレ(印字部の擦過キズ)といった現象が起きる。
これらの問題を解決するために、インクと用紙の両方の側面から検討が行われている。例えば、特許文献1には、インク受容層を形成する顔料としてカオリンを90質量部以上含有し、前記カオリンのうち5〜15質量部のカオリンの平均粒径が1.5μm以上であるインクジェット記録用紙に印字するインクとして、顔料と親水性高分子化合物の割合を60/40〜95/5とするインクジェット用水性顔料インクが提案されている。
また特許文献2には、風合いが一般コート紙に近いインクジェット記録媒体として、支持体表面にカオリン及び非晶質合成シリカを主に含有する下層のインク受容層と、気相法アルミナを主な顔料とする上層のインク受容層を設けたものが開示されている。
さらに特許文献3には、顔料インクのみならず染料インクへの適性が優れるインクジェット記録シートにおいて、インク受容層中にシリカ10〜90質量%と、炭酸カルシウム及び/またはカオリナイト90〜10質量%とを含有することが開示されている。
また、特許文献4には、記録層(インク受容層)中に、平均粒子径0.2〜2.0μmで、かつ1≦L/W≦50(Lは粒子の長径、Wは粒子の短径(厚み)を表す)を満足する顔料を有し、JIS Z8741による75°光沢度が40%以上であるインクジェット記録用紙が開示されている。
特開2004−91627号公報 特開2005−103827号公報 特開2005−297473号公報 特開2004−209965号公報
上述したように、一般的なオフセット印刷用塗工紙またはそれに近い風合いを持つインクジェット記録用紙にインクジェット記録を行う試みがなされているが、いずれも充分な印字品質を得られていない。
特許文献1に開示された顔料インクは、白紙光沢度が低い記録用紙(マット調のインクジェット記録用紙)に印字する場合はある程度の印字部耐擦過性を得ることができるが充分ではなく、特に白紙光沢度が高めの記録用紙(グロス調のインクジェット記録用紙)に記録する場合においては、必要な耐擦過性を得ることができない。また、特許文献2記載のインクジェット記録媒体においては、インク受容層を2層にする必要があり高コストとなる。また、特許文献3記載のインクジェット記録シートにおいては、シリカと炭酸カルシウムやカオリンを併用する構成のため、インク吸収性、及びオフセット印刷用塗工紙並みの光沢度の付与の両立が困難である。同様に、特許文献4記載のインクジェット記録用紙では、光沢度はあるもののインク吸収性や印字部分の耐擦過性が不足するものであった。
従って本発明の目的は、オフセット印刷用塗工紙の風合いをもち、顔料インクでインクジェット記録を行った印字部分の耐擦過性や印字品質に優れ、さらに安価なインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者らはインクジェット印刷に適し、オフセット印刷用塗工紙の風合いを得られるインクジェット記録媒体について鋭意検討した結果、インク受容層中の顔料の種類を規定することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のインクジェット記録媒体は、木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の60%以上となる粒度分布を有するカオリンとコールターカウンター法で測定された平均二次粒子径が0.5μm以上4μm以下である合成非晶質シリカ、及びバインダーを主成分とするインク受容層を有している。
また、前記合成非晶質シリカがゲル法シリカであることが好ましい。また、前記インク受容層は顔料として有機顔料を含有することが好ましく、更に、前記原紙として嵩高紙を用いることが好ましい。
本発明によれば、オフセット印刷用塗工紙の風合いを得られ、顔料インクでインクジェット記録を行った印字部分の耐擦過性や印字品質に優れ、さらに安価なインクジェット記録媒体が得られる。
以下本発明のインクジェット記録媒体に係る実施形態について説明する。
(原紙)
原紙は木材パルプを主成分とする。原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等のパルプを単独または任意の割合で混合して使用することができる。
原紙の抄紙pHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、原紙中の填料量が増えると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、紙中に填料を含有させることは好ましい。填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。さらに本発明の原紙には必要に応じて硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤等の助剤を含有しても良い。なお原紙の坪量は特に制限されない。
本発明においては、原紙として嵩高紙を用いることが好ましい。嵩高紙とは、一般用紙よりも低密度(0.5〜0.7g/m3程度)な紙であり、パルプスラリーに低密度化薬品を配合する、嵩高填料を配合する等、公知の方法で抄紙して得ることができる。前記低密度化薬品としては、油脂系非イオン性界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコールの脂肪酸エステル等の多価アルコール型非イオン界面活性剤、高級アルコール、高級アルコールあるいは高級脂肪酸のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物、脂肪酸ポリアミドアミン、飽和脂肪酸モノアミド、脂肪族第4級アンモニウム塩などを低密度化薬品として例示することができるが、特に飽和脂肪酸モノアミドを用いることが好ましい。このような紙としては、特開2005-54331号公報に記載された中性嵩高紙等が挙げられる。嵩高填料としては、特開2001-214395号公報に開示された無定型シリケートおよび特開2003-49389号公報に開示された無機微粒子・シリカ複合凝集体粒子等を用いることができる。嵩高紙を原紙に用いた場合、同じ坪量の一般紙を用いた場合と比較すると、紙の剛度が高く搬送性に優れる、寸法安定性が高くカール・コックリングが低減できる等の利点がある。
本発明の原紙にインク受容層を設ける前に、紙力増強やサイズ性付与などを目的とし、澱粉、ポリビニルアルコール、サイズ剤などから調成されたサイズプレス液を含浸または塗布しても良い。含浸または塗布を行う方法については特に制限を設けないが、ポンド式サイズプレスに代表される含浸法、あるいはロッドメタリングサイズプレスやゲートロールコーター、ブレードコーターに代表される塗布法で行われることが好ましい。また、該サイズプレス液を含浸、あるいは塗布するときに、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて蛍光染料、導電剤、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の助剤を任意の割合で混合することができる。
(インク受容層)
1.インク受容層の顔料
インク受容層の顔料は、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の60%以上となる粒度分布を有するカオリンを主体とする。カオリンはカオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナックライトといったカオリン鉱物を少なくとも1種類以上含む粘土のことであり、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知のカオリンであればいかなるものを用いて良い。カオリンとしては、例えばジョージア産、ブラジル産、中国産等の産地や、1級、2級、デラミ等のグレードに限定されず、1種類または2種類以上のカオリンを混合したものを適宜選択して使用することができる。前記粒度分布は純水中に試料スラリーを滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)にて測定した値を使用する。
上記した粒度分布を有するカオリンは、一般のカオリンと比較して粒度分布がシャープで、粒子径が揃っており、顔料粒子の充填密度が低く、ポーラスで嵩高なインク受容層を形成する。ポーラスなインク受容層は、顔料の充填が密なインク受容層と比較して平均空隙径が大きいためインク吸収性に優れる。カオリンの粒度分布はシャープであるほど上記の効果を得やすく、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の65%以上となる粒度分布を有することが好ましい。上記粒度分布を持つカオリンに代えて、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の60%未満となる粒度分布を有するカオリンであって、0.4μm未満の粒子径の粒子を多く含むカオリンを使用した場合、インク受容層が密となるためインク吸収性が低下する。又、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の60%未満となる粒度分布を有するカオリンであって、4.2μmを超える粒子径の粒子を多く含むカオリンを使用した場合もインク受容層が密となることに加えて、インク受容層表面に存在する顔料粒子の隙間も少なくなるためインク吸収性が低下する。
また、インク受容層にはカオリン以外の必須の構成成分として合成非晶質シリカが含まれる。合成非晶質シリカは平均二次粒子径が0.5μm以上4μm以下であるものを用いる。平均二次粒子径が4μmを超えると、得られるインクジェット記録媒体の平滑性や光沢感がオフセット印刷用塗工紙のものと異なってしまう場合がある。また、インクの浸透が過剰となり、発色性が悪化したり、ムラが発生したりする問題が起こる。合成非晶質シリカの平均二次粒子径が0.5μm未満の場合にはインク吸収性が低下したり、顔料を分散する際、塗料粘度が増大して塗料の分散性が悪化したりする。なお、合成非晶質シリカの平均二次粒子径は0.6μm以上3μm以下であることが好ましい。上述した合成非晶質シリカの平均二次粒子径は、コールターカウンター法で測定することができる。
本発明で使用される合成非晶質シリカの吸油量については特に制限を設けないが、150ml/100g以上500ml/100g以下であることが好ましい。吸油量が150ml/100g未満だと、インク受容層のインクを保持する能力が満足ではなく、印字部の耐擦過性やインク吸収性が劣る場合がある。吸油量が500ml/100gを超えると、顔料を分散する際、塗料粘度が増大して塗料の分散性が悪化する場合がある。合成非晶質シリカの吸油量は200ml/100g以上400ml/100g以下であることがより好ましい。なお、吸油量の測定はJIS K5101に定められた方法で行うことができる。
本発明の合成非晶質シリカはゲル法シリカであることが好ましい。ゲル法シリカとは、ケイ酸ナトリウムと鉱酸(通常は硫酸)の中和反応を酸性のpH領域で進行させることにより、一次粒子の成長を抑えた状態で凝集を起こして得られる湿式法合成非晶質シリカ微粒子をいう。ゲル法シリカは沈降法シリカ(ケイ酸ナトリウムと鉱酸の中和反応をアルカリ性のpH領域で進行させて製造)に比較して、凝集後の反応時間が長く、一次粒子間結合が強く、また、細孔容積が大きくなる傾向にある。このためインク吸収性と耐擦過性能に優れ、好ましく用いられる。
なお、本発明においては、上述したカオリンと合成非晶質シリカの配合比(カオリン/合成非晶質シリカ)は95/5〜50/50であることが好ましい。シリカの配合割合が少ないと目的とするインク吸収性や耐擦過性の性能が得られにくい。また、シリカの配合割合が多すぎるとインク受容層表面にクラックが発生し、インクの浸透が過剰となり、発色性が悪化したり、ムラが発生したりする問題が起こる可能性がある。さらにシリカの配合割合が多くなるにつれてオフセット印刷用紙の風合いから遠ざかる傾向にあるうえに、光沢度の発現性が得られにくくなるため、グロス調の記録用紙を得ることが困難となる。
カオリン及び合成非晶質シリカ以外に、インク受容層に用いることができる無機顔料としては、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知の顔料であればいかなるものも用いて良い。無機顔料として、例えば本発明で使用されるカオリン以外のカオリン、本発明で使用されるシリカ以外のシリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ複合炭酸カルシウム、タルク、上記カオリンを焼成した焼成カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の無機顔料の中から1種類ないし2種類以上を適宜選択して使用することができる。これら無機顔料の配合量は、インク受容層に用いるカオリン及び合成非晶質シリカの合計に対して10%質量以下であることが望ましい。
本発明においては、インク受容層表面の白紙光沢度を向上させるために、適宜プラスチックピグメント等の有機顔料を含有することが好ましい。有機顔料の配合割合は無機顔料(カオリン及び合成非晶質シリカを含むインク受容層中の全無機顔料の合計量)100質量部に対して0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部、更に好ましくは1〜25質量部とすることができる。有機顔料を全く配合しない場合、本発明におけるマット調インクジェット記録媒体を製造することに関しては問題が無いが、グロス調インクジェット用紙を製造するときには光沢度発現性は十分ではないことがある。特に、本発明で使用する合成非晶質シリカの配合割合が増えるのに反比例して、インク受容層の光沢度発現性は低下するため、グロス調インクジェット用紙を製造するためには、合成非晶質シリカの配合割合が増えるのに比例して有機顔料の配合量を増やす必要がある。また、有機顔料を40質量部より多く配合すると、高温に加熱されたカレンダーを通紙する際に有機顔料が溶融して金属ロールに貼り付き、裂けや断紙トラブル等が発生する。なお、マット調インクジェット用紙を製造するときの有機顔料の配合量は特に制限されない。
本発明に用いる有機顔料は、密実型、中空型、または、コア−シェル型等を必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。有機顔料の構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/または、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能なモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルニトリル等のモノオレフィン系モノマー及び酢酸ビニル等のモノマーがある。また、必要に応じて、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類;ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N―メチロールメタアクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー類;ジビニルベンゼン等の二量体ビニルモノマー等を一種または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらのモノマーは例示であり、このほかにも共重合可能なモノマーがあれば使用することができる。
2.インク受容層のバインダー
インク受容層に用いるバインダーは、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知のバインダーであればいかなるものも用いて良い。バインダーとして、例えば酸化澱粉やエーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;スチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックスやアクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NB)ラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール及びその変性物;カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリウレタン、酢酸ビニル及び不飽和ポリエステル樹脂等のバインダーの中から1種類ないし2種類以上を適宜選択して使用することができるが、調成された塗料の流動性や塗工適性の観点から、ラテックス類若しくは澱粉類、またはそれらの混合物を用いることが好ましい。
インク受容層に含まれる全ての無機顔料の合計100質量部に対するバインダーの割合は4質量部以上35質量部以下であることが好ましい。バインダーの含有量が4質量部未満の場合、インク受容層の強度が不足する傾向にある。一方、バインダーの含有量が35質量部を超えるとインク受容層中に存在する空隙がバインダーによって満たされ、インクの吸収容量が少なくなるため、良好な印字品質を得ることが困難となる傾向にある。
無機顔料の合計100質量部に対するバインダーの割合が5質量部以上30質量部未満であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
インク受容層には、その他必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、保水剤、滑剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、pH調整剤等の助剤を適宜添加することができる。
(塗工量)
インク受容層の塗工量は特に制限を設けないが、片面あたり1g/m以上40g/m未満であることが好ましく、特に片面あたり4g/m以上30g/m未満であることが好ましい。塗工量が多いほどインク受容層の空隙量も多くなるため、インク吸収性が良好となる。インク受容層の塗工量が片面あたり1g/m未満の場合、基材となる原紙を充分に被覆することができないため、塗工紙表面にガサつきが残り、非塗工紙に似た風合いを帯び、本発明が所望する白紙光沢度を得ることが困難となり、目的としたオフセット印刷用塗工紙の風合いを持つインクジェット記録媒体を得ることができない。また、塗工量が片面あたり1g/m未満の場合、インク受容層の吸収容量も充分ではないため、フェザーリングやブリードといった印字不良を起こしやすい。一方、インク受容層の塗工量が片面あたり40g/m以上となると、塗工時の乾燥負荷が大きいため、作業性が劣り、また高コストとなる。
(塗工方法)
原紙上にインク受容層を設ける方法としては、一般的な塗工装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の各種装置を、オンマシンまたはオフマシンで使用することができる。また、インク受容層は原紙の片面又は両面に設けて良く、1層又は2層以上設けても良い。本発明においてはインク受容層が1層であっても充分な性能が得られるため、コストを下げるという観点から1層のみ設けることが好ましい。
(白紙光沢度)
インクジェット記録媒体のインク受容層表面の、JIS Z8741による光入射角75度の白紙光沢度は特に制限は設けておらず、用途に応じて適宜設定することが出来る。例えば、本発明で製造された用紙にオフセット印刷用グロス調塗工紙の風合いを持たせるためには、白紙光沢度が55%以上85%以下であることが好ましく、また同様にオフセット印刷用マット調塗工紙の風合いを持たせるためには白紙光沢度が20%以上55%未満であることが好ましい。
白紙光沢度はインク受容層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、処理温度、処理速度、処理線圧、処理段数およびロールの径、材質等の条件を適宜調整、選択し表面処理することにより得ることができる。また、オフセット印刷用マット調塗工紙の製造に限っては前記カレンダー処理を行わないことにより、目的とする白紙光沢度が得られる場合もある。
<実施例>
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
又、カオリンの粒度分布は純水中に、カオリンを含む試料スラリーを滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)にて測定した値を採用した。
合成非晶質シリカの平均二次粒子径は、コールターカウンター法(使用機器:ベックマン・コールター社製マルチサイザー3)で測定した。
(低密度化薬品Aの調製)
ステアリン酸アミドと乳化剤としてヤシ脂肪酸カリウムおよび95℃の熱水を、ステアリン酸アミド/ヤシ脂肪酸カリウム/熱水=5/0.5/94.5の質量比で高圧ホモジナイザーに入れ、54MPaの圧力下で10分間処理した。次いで、清水で希釈、冷却して、エマルション型の低密度化薬品Aを得た。
(原紙Aの作製)
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度480ml)70質量%と針葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度500ml)30質量%とを混合し、これに対し、カチオン化澱粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダイマーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを対パルプ2%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ10%添加し、低密度化薬品として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110(花王(株)製))0.3部を添加して紙料とした。この紙料を用いて長網抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプレスを行い乾燥した後、ゲートロールコーターにて10質量%濃度の酸化澱粉水溶液を塗布し、再び乾燥した後、坪量80g/m、密度0.65g/cmの原紙を得た。
(原紙Bの作製)
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度400ml)100質量%に対し、カチオン化澱粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダイマーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを対パルプ2%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ10%添加し、低密度化薬品Aを0.3部添加して紙料とした。この紙料を用いて長網抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプレスの後にシリンダードライヤーにて乾燥し、更に、ゲートロールコーターにて10質量%濃度の酸化澱粉水溶液を塗布し、再び乾燥し、マシンカレンダー処理して坪量80g/m、密度0.65g/cmの原紙を得た。
(原紙Cの作製)
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度400ml)100質量%に対し、カチオン化澱粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダイマーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを対パルプ2%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ15%添加して紙料とした。この紙料を用いて長網抄紙機で紙匹を形成し、ウェットプレスの後にシリンダードライヤーにて乾燥し、更に、ゲートロールコーターにて10質量%濃度の酸化澱粉水溶液を塗布し、再び乾燥し、マシンカレンダー処理して坪量80g/m、密度0.77g/cmの原紙を得た。
<実施例1>
カオリンA(製品名:Capim DG、リオカピム社製、体積基準の積算値で粒子径0.4μm以上4.2μm未満の粒子の割合:71%)80部、合成非晶質シリカA(製品名:NIPGEL AY−200、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.8μm)20部、有機顔料A(変性スチレン系共重合体、製品名:L8900、旭化成ケミカルズ社製)20部、バインダーとなるスチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例2>
カオリンA80部、合成非晶質シリカB(製品名:NIPGEL AZ−200、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.9μm)20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例3>
カオリンA80部、合成非晶質シリカC(製品名:NIPGEL AZ−204、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.3μm)10部、有機顔料A10部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例4>
カオリンA80部、合成非晶質シリカC20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)15部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例5>
カオリンA80部、合成非晶質シリカD(製品名:NIPGEL AZ−260、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.9μm)20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例6>
カオリンA(製品名:Capim DG、リオカピム社製、体積基準の積算値で粒子径0.4μm以上4.2μm未満の粒子の割合:71%)80部、合成非晶質シリカA(製品名:NIPGEL AY−200、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.8μm)20部、有機顔料A(変性スチレン系共重合体、製品名:L8900、旭化成ケミカルズ社製)20部、バインダーとなるスチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例7>
カオリンA80部、合成非晶質シリカB(製品名:NIPGEL AZ−200、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.9μm)20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例8>
カオリンA80部、合成非晶質シリカC(製品名:NIPGEL AZ−204、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.3μm)10部、有機顔料A10部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例9>
カオリンA80部、合成非晶質シリカC20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)15部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例10>
カオリンA80部、合成非晶質シリカD(製品名:NIPGEL AZ−260、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.9μm)20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるように、スーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例11>
カオリンA80部、合成非晶質シリカA20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部、及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙C上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例12>
カオリンA80部、合成非晶質シリカB(製品名:NIPGEL AZ−400、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径3.0μm)20部、有機顔料A20部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)9部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部、及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<実施例13>
カオリンA55部、合成非晶質シリカC45部、有機顔料A30部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)25部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙B上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理してインクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
カオリンA100部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)5部、水酸化ナトリウム0.1部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分65%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が70%となるようにスーパーカレンダー処理して、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
カオリンB(製品名:KCS、イメリス社製、体積基準の積算値で0.4μm以上4.2μm未満の粒子が占める割合:53%、粒子径0.4μm未満の粒子の割合:21%、粒子径4.2μm以上の粒子の割合:26%)90部、合成非晶質シリカC10部、有機顔料A15部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理して、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
炭酸カルシウム(製品名:FMT−75、ファイマテック社製)90部、合成非晶質シリカC10部、有機顔料A15部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理して、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例4>
カオリンA80部、合成非晶質シリカE(製品名:NIPGEL AY−601、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径6.0μm)20部、有機顔料A30部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分40%の塗料を得た。この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるように原紙A上に両面塗工した。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS Z8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が55%となるようにスーパーカレンダー処理して、インクジェット記録媒体を得た。
<評価方法>
1.白紙品質
1−1.白紙光沢度
JIS Z8741に準じて、光入射角75度の白紙光沢度を光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用いて測定した。
2.インクジェット印字品質
下記の市販の顔料インクジェットプリンターで印字を行い、以下の評価方法に準じて印字評価した。
評価プリンター:セイコーエプソン社製、PX−V630
2−1.乾燥性(インク吸収性)
評価プリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を印字し、印字10分後に指で擦り、以下の基準で乾燥性を評価した。
○:指で擦っても印字部が殆ど延びず、インク吸収速度が速く、良好なレベルである。
△:指で擦ると印字部が若干延び、ややインク吸収速度が遅いが、実用上問題の無いレベルである。
×:指で擦ると印字部が延び、インク吸収速度が遅く、実用に耐えないレベルである。
2−2.印字部の耐擦過性
評価プリンター(フォトマット紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を5本並べて印字し、印字5時間後に乾いた綿棒で擦り、以下の基準で耐擦過性を評価した。
○:綿棒で擦ってもインクが剥がれず、良好なレベルである。
△:綿棒で擦るとインクが若干剥がれるが、実用上問題の無いレベルである。
×:綿棒で擦るとインクが剥がれ、実用に耐えないレベルである。
2−3.オフセット印刷用塗工紙の風合い
各プリンターにて所定のパターン(JIS X6933に準拠したカラーテストチャートNO.2)をインクジェット印字した。これと同一のパターンをオフセット印刷用塗工紙(オーロラコート:日本製紙社製、坪量104.7g/m)にオフセット印刷した。各インクジェット印刷物の見た目や手触り等の質感をオフセット印刷物と比較し、以下の基準で評価した。
○:見た目や手触り等の質感がオフセット印刷用塗工紙に近く、オフセット印刷物の風合いを有している。
×:見た目や手触り等の質感がオフセット印刷用塗工紙と異なり、オフセット印刷物の風合いを有していない。
2−4.印字後カール
評価プリンター(写真用紙/きれいモード)にて、A4サイズのインクジェット記録媒体全面に黒ベタ印字し、プリンターから排紙された直後のカールの状態を、以下の基準で評価した。
○:カールはあるが気にならないレベルである。
△:カールがやや気になるが、実用上利用可能なレベルである。
×:カールが大きく、実用に耐えないレベルである。
得られた結果を表1、表2に示す。
Figure 2009110493
Figure 2009110493
表1、2から明らかなように、各実施例の場合、画像の耐擦過性が良好で、インク吸収性にも優れ、種々の品質をバランスよく満足したとともに、オフセット印刷用塗工紙の風合いも得られた。又、実施例6〜13については印字後カールも評価したところ、カールが少なく良好であった。なお、密度が0.7g/m3を超えた原紙Cを用いた実施例11の場合、他の実施例に比べて印字後のカールがやや強いが、実用上問題はなかった。又、カオリンと合成非晶質シリカのうち、シリカの配合割合が他の実施例より少ない実施例3、8の場合、インク吸収性や耐擦過性の評価が若干低かったが実用上は問題なかった。
一方、合成非晶質シリカをまったく含まない比較例1の場合、インク吸収性や印字部の耐擦過性が劣った。これは、インク受容層の空隙が著しく少なくなったことにより、インク受容層のインクを保持する能力が低くなったためと考えられる。
体積基準の積算値で粒子径0.4μm以上4.2μm未満のカオリン粒子の割合が60%未満である比較例2や、カオリンをまったく含まない比較例3の場合、インクの吸収性が劣った。これは、顔料の粒度分布がブロードであるためにインク受容層が密となり、その結果インク吸収性能が低くなったためと考えられる。
合成非晶質シリカの平均二次粒子径が4μmを超えた比較例4の場合、オフセット印刷物の風合いが得られなかった。これは、シリカ粒子の粒径が大きいためにカレンダー処理を行っても表面が非常に粗く、また、光沢感にムラが出てしまったためと考えられる。

Claims (4)

  1. 木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、レーザー回折式粒度分布測定において0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で全体の60%以上となる粒度分布を有するカオリン、コールターカウンター法で測定された平均二次粒子径が0.5μm以上4μm以下である合成非晶質シリカ、及びバインダーを主成分とするインク受容層を有するインクジェット記録媒体。
  2. 前記合成非晶質シリカがゲル法シリカである請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記インク受容層は、顔料として有機顔料を含有する請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記原紙として嵩高紙を用いる請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
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