JPWO2009101852A1 - リニアモータ - Google Patents

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Abstract

コンパクトでありながらより高推力を発生することができる新たなリニアモータを提供する。リニアモータは、N極及びS極が直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネット2と、界磁マグネット2に対して相対的に直線運動する電機子9と、を備える。電機子9に、界磁マグネット2にすきまを介して対向する複数のコイル3、複数のコイル3のそれぞれに挿入される複数の櫛歯11a〜11cを有するコア11、及び各コイル3と各櫛歯11a〜11cとの間に介在されるボビン14を設ける。ボビン14は、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上である。ボビン14に熱伝導率が2W/(m・K)以上の絶縁材料を使用することで、絶縁紙製のボビンに比べて、熱伝導率を十倍以上に向上させることができ、コイル3から発生する熱を効果的にコア11に逃がすことができる。

Description

本発明は、界磁マグネットが発生する磁界とコイルに流れる電流によって直線運動するための推力を得るリニアモータに関する。
リニアモータは、形状的に細長いプレート状の界磁マグネットにすきまを介して対向するフラットタイプのリニアモータと、ロッド(シャフト)状の界磁マグネットの周囲を筒形状の電機子が囲むロッドタイプ(シャフトタイプとも呼ばれる)のリニアモータとに分けられる。
フラットタイプのリニアモータにおいては、細長いプレート状に形成される界磁マグネットに対して電機子が相対的に直線運動する。界磁マグネットは、複数枚の平板状の磁石を表面にN極及びS極が交互に形成されるように並べたものである。電機子は、界磁マグネットに磁気的なすきまを介して対向するU,V,W相のコイルを有する。コイルに三相交流電流を流すと、マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、直線運動するための推力が発生する(例えば特許文献1参照)。高推力のリニアモータを得るために、コイルにコアを挿入したコア付きのフラットタイプのリニアモータも知られている。
他方、ロッドタイプのリニアモータにおいては、N極及びS極が交互に着磁されるロッド(シャフト)に対して、ロッドの周囲を囲む筒形状の電機子が相対的に直線運動する。電機子は、界磁マグネットの周囲に磁気的なすきまを介して巻かれるU,V,W相のコイルを有する。U,V,W相のコイルは、ロッドの軸線方向に並べられる。コイルにU,V,W相の三相交流電流を流すと、マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、直線運動するための推力が発生する(例えば特許文献2参照)。
リニアモータには、コンパクトでありながら大きな推力を発生できることが要請される。ここで、リニアモータの推力は、磁石に発生する磁束密度Bとコイルに流す電流Iの積に比例する。このため、磁石の磁束密度Bを大きくするか、又はコイルに流す電流Iを大きくすることで推力を大きくすることができる。磁石の磁束密度を大きくするために、リニアモータの歴史においては、フェライト磁石を希土類磁石に変えることが行われてきた。しかし、磁石の磁束密度を大きくするのは限界がきていて、これ以上磁束密度Bを大きくするのは困難である。
コイルに流す電流Iを大きくしても推力を大きくすることができる。しかし、コイルの発熱を防止した上でコイルに流す電流を大きくする必要がある。なぜならば、コイルの導線は抵抗を持つので、コイルに大きな電流を流すと電流の2乗に比例するジュール熱が発生するからである。ジュール熱によってコイルの温度が上昇し続けると、導線の絶縁被膜が溶け、導線同士が絶縁されなくなる。導線同士が絶縁されなくなると、コイルの巻き数が少なくなることと等価になり、コイルの巻き数に比例するリニアモータの推力が低下してしまう。このため、コイルに流す電流は、導線の絶縁被膜が溶けない温度に制限される。コイルの発熱を防止できることも、モータが発生する推力を大きくできることに密接に関連する。
コイルの発熱を防止するために、銅の替わりに金、銀や電気抵抗がゼロになる超伝導の物質を用いることも行われている。電気抵抗が小さければ、コイルからの発熱はなくなるので、コイルに大きな電流を流すことができ、ひいてはリニアモータの推力を大きくすることができる。
さらに、コイルの発熱を防止するために、コイルを覆うハウジングやコイルに挿入されるコアにフィンを形成し、フィンから大気中に熱を逃がすことも行われている。コイルから発生する熱を逃がすことができれば、コイル自体の発熱が大きくても、コイルの温度が上昇するのを防止できる。
特開2006−074975号公報 特開2002−354780号公報
しかし、銅の替わりに金や超伝導物質を用いる手法はコスト的に実現化が困難である。また、コイルのハウジングやコアにフィンを形成し、熱を逃がす手法も構造的な工夫がされ尽くされており、これ以上冷却効率を向上できないレベルまできている。
そこで本発明は、コンパクトでありながら、より高推力を発生することができる新たなリニアモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、前記界磁マグネットにすきまを介して対向する複数のコイル、前記複数のコイルのそれぞれに挿入される複数の櫛歯を有するコア、各コイルと各櫛歯との間に介在されるボビンを有する電機子と、を備え、前記ボビンは、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータである。
請求項2に記載の発明は、界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、前記界磁マグネットにすきまを介して対向する複数のコイル、前記複数のコイルのそれぞれに挿入される複数の櫛歯を有するコア、前記複数のコイルを覆うと共に前記複数のコイルを前記コアに結合する成形体を有する電機子と、を備え、前記成形体は、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータである。
請求項3に記載の発明は、界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、前記界磁マグネットの周囲を囲む複数のコイル、前記複数のコイルを覆う成形体を有する電機子と、を備え、前記成形体は、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータである。
請求項4に記載の発明は、界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、前記界磁マグネットの周囲にすきまを介して設けられる複数のコイル、前記複数のコイルを保持するためのコイルホルダを有する電機子と、を備え、前記コイルホルダは、前記直線運動する方向に前記複数のコイルにわたって伸びるホルダ本体部と、隣接するコイル間に介在される複数のスペーサ部と、を含み、前記コイルホルダは、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータである。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のリニアモータにおいて、 前記ボビン、前記コイルホルダ、又は前記成形体が、複数の異なる平均粒径を有する絶縁性の金属酸化物粒子を樹脂に混合してなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリニアモータにおいて、前記ボビン、前記コイルホルダ、又は前記成形体は、前記絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱可塑性樹脂を射出成形することで製造されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のリニアモータにおいて、前記成形体は、前記絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱硬化性樹脂を型に流し込む注型によって製造されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のリニアモータにおいて、前記ボビン、前記コイルホルダ、又は前記成形体の線膨張係数が、10×10-6以上30×10-6以下に設定されることを特徴とする。
フラットタイプのリニアモータにおいて、コイルから発生する熱を逃がす系統の一つに、コイルからボビンを介してコアに逃がす系統がある。ボビンは、コイルとコアの櫛歯との間に介在される絶縁体であり、コイルとコアの櫛歯とを絶縁させる役割を持つ。請求項1に記載の発明によれば、ボビンに熱伝導率が2W/(m・K)以上の絶縁材料を使用するので、絶縁紙製のボビンに比べて、熱伝導率を十倍以上に向上させることができ、コイルから発生する熱を効果的にコアに逃がすことができる。したがって、コイルに流す電流やリニアモータの推力を向上させることができる。
フラットタイプのリニアモータにおいて、コイルから発生する熱を逃がす他の系統に、コイルから成形体を介して大気に逃がす系統がある。成形体は、コイルを覆うと共にコイルをコアに結合する役割を持つ。請求項2に記載の発明によれば、成形体に熱伝導率が2W/(m・K)以上の絶縁材料を使用するので、樹脂製の成形体に比べて、熱伝導率を十倍以上に向上させることができ、コイルから発生する熱を効果的に大気に逃がすことができる。したがって、コイルに流す電流やリニアモータの推力を向上させることができる。
ロッドタイプのリニアモータにおいて、コイルから発生する熱を逃がす系統の一つに、コイルから成形体を介して大気に逃がす系統がある。成形体は、コイルを覆う役割やハウジングとしての役割を持つ。請求項3に記載の発明によれば、成形体に熱伝導率が2W/(m・K)以上の絶縁材料を使用するので、樹脂製の成形体に比べて、熱伝導率を十倍以上に向上させることができ、コイルから発生する熱を効果的に大気に逃がすことができる。したがって、コイルに流す電流やリニアモータの推力を向上させることができる。
ロッドタイプのリニアモータにおいて、コイルから発生する熱を逃がす系統の一つに、コイルからコイルホルダに逃がす系統がある。コイルホルダは、コイルを保持すると共に、隣接するコイル同士を絶縁させる役割を持つ。請求項4に記載の発明によれば、コイルホルダに熱伝導率が2W/(m・K)以上の絶縁材料を使用するので、樹脂製のコイルホルダに比べて、熱伝導率を十倍以上に向上させることができ、コイルから発生する熱を効果的にコイルホルダに逃がすことができる。したがって、コイルに流す電流やリニアモータの推力を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、複数の異なる平均粒径を有する絶縁性の金属酸化物粒子を樹脂に混合するので、大径の金属酸化物粒子同士の樹脂のすきまを小径の金属酸化物粒子で埋めることができる。充填率を高めた金属酸化物粒子を介して熱を伝えることができるので、熱伝導率が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、ボビン、コイルホルダ、又は成形体を高い寸法精度で大量生産することが可能になる。
請求項7に記載の発明によれば、金型のコストを低減することができるので、廉価に成形体を製造することが可能になる。
請求項8に記載の発明によれば、ボビン、コイルホルダ、又は成形体の線膨張係数が、樹脂(120×10-6)の線膨張係数に比べて1ケタ小さく、鋼(11〜13×10-6)、銅(19〜20×10-6)、アルミ(22〜23×10-6)等の金属の線膨張係数に近くなる。温度上昇時のボビン、コイルホルダ、又は成形体の伸びとコイル、コアの伸びとを略等しくすることができるので、これらの接触を保つことができる。したがって、温度上昇によってこれらの間に真空のすきまや空気の層が生じ、熱が伝わりにくくなるのを防止することができる。
本発明の第一の実施形態のフラットタイプリニアモータの斜視図 図1のリニアモータの正面図 界磁マグネットの平面図 電機子の斜視図 電機子の移動方向に沿った断面図 逆さまにした状態の電機子の斜視図 ボビンの斜視図 注型に使用される枠 金属酸化物の粒子直径と質量%との関係を示すグラフ ボビンの拡大断面図の模式図 本発明の第二の実施形態のロッドタイプのリニアモータの斜視図 リニアモータのマグネットとコイルの位置関係を示す図 コイルホルダに保持されたコイルユニットを示す斜視図 コイルホルダの詳細図(図中(A)は正面図を示し、(B)は断面図を示す) コイルに流す電流とコイルの温度との関係を示すグラフ(図中(A)が電流値I×1倍のとき、(B)が電流値I×1.15倍のとき、(C)が電流値I×1.63倍のときをそれぞれ示す)
符号の説明
2…界磁マグネット
3…コイル
9…電機子
11…コア
11a〜11c…櫛歯
14…ボビン
16…成形体
21…ロッド
22…成形体(ハウジング)
23…界磁マグネット
24…コイル
25…コイルホルダ
添付図面に基づいて本発明の一実施形態のリニアモータを詳細に説明する。図1及び図2は本発明の第一の実施形態におけるフラットタイプリニアモータを示す。図1は斜視図を示し、図2は正面図を示す。この実施形態のリニアモータは、一軸のアクチュエータで、テーブル等の移動体を一軸方向に移動させるのに用いられる。細長く伸びるベース1上には、リニアモータの固定子として、板状の界磁マグネット2が設けられる。界磁マグネット2には、リニアモータの電機子9のコイル3が対向する。電機子9のコイル3に流れる電流と界磁マグネット2の磁界の作用により生じた推力によって、電機子9が界磁マグネット2に対して直線運動する。
図2の正面図に示されるように、界磁マグネット2と電機子9との間には磁気的なすきまgが設けられる。電機子9が界磁マグネット2に対して相対的に移動するときにも、このすきまgが一定に維持される。
図1に示されるように、ベース1は、電機子9の直線運動方向に細長く伸びている。ベース1は、矩形状の底部プレート1aと、底部プレート1aの幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部1bとを有する。一対の側壁部1bの上面それぞれには、リニアガイドのレール5が取り付けられる。レール5は、側壁部1bの長さ方向のほぼ全長に渡って細長く伸びる。レール5の外周面には、リニアガイドのブロック6のボール、ローラ等の転動体が転がり運動する転動体転走溝がレール5に沿って形成される。
ベース1の底部プレート1aの上面には、電機子9の直線運動方向にN極及びS極が交互に形成される界磁マグネット2が設けられる。 図3に示されるように、界磁マグネット2は、複数枚の平行四辺形の板状マグネット19を一列に並べたものである。各板状マグネット19には、界磁マグネット2の長さ方向と直交する方向(図中紙面に直交する方向)にN極及びS極が着磁される。界磁マグネット2の長さ方向に交互にN極及びS極が形成されるように、板状マグネット19の表面の磁極は、隣り合う板状マグネット19の磁極とは反対の磁極になる。
図1に示されるように、左右一対のレール5それぞれには、スライド可能にリニアガイドのブロック6が組み付けられる。左右のブロック6には、門型の結合天板7が跨る。結合天板7の下面には、電機子9が吊り下げられる。
結合天板7は、幅方向に細長く伸びる天井部7aと、天井部7aの幅方向の両端に設けられ、下方に垂れ下がる一対の脚部7bと、を有する。脚部7bの下端には、リニアガイドのブロック6が取り付けられる。天井部7aの下面に電機子9が取り付けられる。天井部7aの上面に移動体が取り付けられる。
ブロック6は、レール5を跨る鞍形状に形成される。この実施形態では、一つのレール5に対して二つのブロック6が組み付けられる。ブロック6には、レール5の転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝が形成されると共に、転動体を循環させるためのサーキット状の転動体循環経路が設けられる。ブロック6の転動体循環経路には複数の転動体が配列・収容される。レール5に対してブロック6がスライドすると、レール5の転動体転走溝とブロック6の負荷転動体転走溝との間に介在された転動体が転がり運動する。これと同時に転動体はサーキット状の転動体循環経路を循環する。転動体の転がり運動によって、レール5に対してブロック6がスライドするときの摩擦抵抗が低減される。
図4及び図5は、電機子9の詳細図を示す。電機子9は、界磁マグネット2に向かい合う三相のコイル3(3a,3b,3c)と、コイル3に発生する磁界を強めるためのコア11と、コイル3から発生する熱を大気に逃がすためのヒートシンク12と、を備える。
コイル3は、コア11の櫛歯11a,11b,11c(正確にいえば櫛歯を覆うボビン14)の周囲に導線を巻いたものであり、電機子9の幅方向に細長い環状に形成される。三相のコイル3a,3b,3cは、電機子6の直線運動方向に隣接して並べられる。U・V・W相からなる三相のコイル3a,3b,3cに120°ずつ位相が異なる三相交流電流を流すと、電機子9の直線運動する方向に移動磁界が発生する。
コイル3に流れる電流は、図示しない制御装置によって制御される。ベース1には電機子6の位置を検出するリニアスケールが取り付けられる。制御装置は、リニアスケールが検出した電機子9の位置情報及び速度情報をフィードバックし、目標値との差分を算出し、電機子9の位置及び速度が目標値に近づくように三相のコイル3a,3b,3cに電流を流す。
コア11は、複数のコイル3の配列方向に細長く伸びる板状の基部プレート11dと、基部プレート11dから三相のコイル3a,3b,3cそれぞれの内側に向かって突出する複数の櫛歯11a,11b,11cと、を有する。基部プレート11dの上面は、ヒートシンク12の下面に接触する。複数の11a,11b,11cは、基部プレート11dに直交する方向に突出する。コア11の材質は、例えばケイ素鋼等の磁性体である。
ヒートシンク12は、ほぼ立方体形状に形成されると共に、その上面に電機子9の進行方向に細長く伸びる複数の溝12aが形成される。複数の溝12aを形成することによって、ヒートシンク12の上面には表面積を上げる冷却フィンが形成される。ヒートシンク12は、熱伝導率が高いアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
図6は、逆さまにした状態の電機子9の斜視図(ボビン14を見易くするために電機子9の移動方向に沿ってコイル3を切断している)を示す。コイル3は銅の回りに絶縁膜が被覆された導線を環状に巻いたものである。導線同士は、外側に被覆した絶縁膜によって絶縁が保たれる。しかし、コイル3を櫛歯11a〜11cに挿入したとき、コイル3と櫛歯11a〜11cとは導線の絶縁膜によっては絶縁されないと考えられる。なぜならば、櫛歯11a〜11cに直接コイル3を巻いたら導線の絶縁膜に傷が付くことがあり、櫛歯11a〜11cと導線とが導通するからである。このため、櫛歯11a〜11cに直接コイルを巻くことはせず、櫛歯11a〜11cとコイル3との間には、これらの間を絶縁するためのボビン14が介在される。
図7は、ボビン14の斜視図を示す。ボビン14は、櫛歯の周囲を囲む枠形状のボビン本体14aと、ボビン本体14aの軸線方向の端部に設けられる鍔部14bと、から構成される。鍔部14bは、コイル3の軸線方向の端面とコア11の基部プレート11dとの間に介在され、これらの間を絶縁する。絶縁目的では、従来からノーメックス(登録商標)紙と呼ばれる絶縁紙が使用されている。数十μmの厚みで数千ボルトの絶縁能力があり、薄くても絶縁能力が優れた紙である。絶縁紙を使用する場合、櫛歯11a〜11cの周囲に絶縁紙をぐるぐる巻き、絶縁紙の周囲にコイル3が巻かれる。しかし、手作業でなければ、絶縁紙を櫛歯11a〜11cの周囲に巻くことができない。絶縁紙を巻く作業が面倒なので、絶縁紙の替わりに櫛歯11a〜11cの周囲をすっぽり覆う成形品のボビン14が用いられる。ボビン14の周囲にコイル3が巻かれた後、ボビン14が櫛歯に嵌められる。ボビン14を絶縁体にすることで、コイル3と櫛歯11a〜11cとを絶縁することができる。
成形品なので、ボビン14は最低でも0.2mm,0.3mm,0.5mm等の厚みを持つ。ボビン14を耐熱性の液晶ポリマー(熱伝導率0.2W/(m・K)程度)で射出成形すると、熱伝導率が低い上に厚みが厚くなるので、熱抵抗が大きくなってしまう。ボビン14の熱抵抗が大きくなると、コイル3の熱をコア11に逃がすことができなくなる。このため、ボビン14には熱伝導率が2W/(m・K)以上、望ましくは6W/(m・K)以上の材料を用いる。
コイル3とボビン14とは接触する。ボビン14とコア11とは接触し、コア11とヒートシンク12とも接触する。このため、コイル3から発生する熱は、ボビン14、コア11、ヒートシンク12に伝わり、ヒートシンク12の冷却フィンから大気に放出される。ボビン14の熱伝導率を2W/(m・K)以上にすると、ボビン14の1/10程度の厚さの絶縁紙を巻いたとき以上の推力が得られる。同じ発生推力であれば、コイル11の発熱を抑えられるので、熱膨張などの熱の影響が問題となり、あまり温度を上げたくないといった、高精度を要する用途等で有効になる。
ボビン14の材料は、絶縁性の金属酸化物粒子を充填材として熱可塑性樹脂に混合してなる成形材料である。ボビン14は、金属酸化物粒子が混合された熱可塑性樹脂を射出成形することで製造される。
図9に示されるように、金属酸化物粒子は、平均粒径が0.5〜2μmの範囲にあるように分級された小径の金属酸化物粒子Bと、平均粒径が5〜20μmの範囲にあるように分級された大径の金属酸化物粒子Aとを混合してなる。金属酸化物粒子Bの粒径は、金属酸化物粒子Aの粒径の約1/10である。金属酸化物粒子Bにさらに約1/10の粒径の金属酸化物粒子Cを混合してもよい。金属酸化物粒子Aと金属酸化物粒子Bの分布の重なりの部分dの、全体に占める質量%は40%以下であり、望ましくは1%以下である。1%以下のときは、金属酸化物粒子Aの分布と、金属酸化物粒子Bの分布とが殆ど重ならなくなり、全体の分布曲線が不連続になる。
金属酸化物粒子A,Bの平均粒径をこのように設定すると、図10に示されるように、大径の金属酸化物粒子A同士の間の樹脂のすきまが小径の金属酸化物粒子Bによって埋められる。このため、金属酸化物粒子A,Bの充填率を高めることができる。充填率を高めた金属酸化物粒子A,Bを介して熱を伝えることができるので、熱伝導率が向上する。ここで、金属酸化物の粒子径が0.5μmより小さくなると,粒子の塊合状態(いくつかの粒子がダマのようになってかたまってしまうこと)が顕著になって、分散効率が悪くなり、結果として熱伝導効率が悪化するので、好ましくない。また、粒子径が20μmより大きくなると、薄肉成形性が損なわれ、厚みの大きいものしか作れなくなる。具体的には1mm以下の厚みが成形しづらくなるために、熱抵抗が大きくなり、好ましくない。熱を通す部材は、厚みが薄くなくてはならない。いくら熱伝導が良くても、材質の厚みが大きくては、結果として熱抵抗が大きくなり、放熱効果が損なわれる。
絶縁性の金属酸化物粒子の種類としては、酸化アルミニウム(Al)、シリカ(SiO)、ジルコニア(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム(MgO)、ムライト(3Al・2SiO)、ジルコン(特にZrO・SiO)、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化鉄(Fe)、酸化コバルト(CoO)などを挙げることができるが、これら金属酸化物のみに限定されるものではない。リニアモータの放熱を向上させることを考えるならば、絶縁性の金属酸化物粒子の中で、熱伝導率1W/(m・K)以上のもの、例えば、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化硼素(BN)、窒化アルミ(AlN)などを利用することもできる。
成形材料全体の容量に対する金属酸化物粒子の容量%は、少なくとも50%以上であり、55〜65%の範囲にあるのが望ましい。50容量%を下回ると、劇的に熱伝導率が低下する。50容量%を超えると、熱伝導率は向上し始めるが、55%から65%の範囲が、射出成形における流動性と熱伝導率を両立させるのに適切な範囲である。65容量%を超えると、今度は極端に成形流動性が低下し、薄肉成形ができない、複雑な3次元形状が成形できない等の障害が起こり、好ましくない。
熱可塑性樹脂とは、溶融成形できる合成樹脂を言い、その具体例としては、例えば、非液晶性半芳香族ポリエステル、非液晶性全芳香族ポリエステルなどの非液晶性ポリエステル、液晶ポリマー(液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドなど)、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミド、脂肪族−芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドなどのポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリーレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体などのオレフィン系共重合体、ABS、AS、ポリスチレンなどのスチレン系共重合体、メタクリル樹脂、ポリエステルエーテルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられるが、通常、好ましくは6ナイロン、PPS、LCPあるいはPETが用いられる。
熱可塑性樹脂の電気絶縁性は、比抵抗1012Ω・cm以上、絶縁破壊強さ10kV/mm以上であることが望ましく、またその熱伝導率は、最小でも1W/(m・K)から最大では20W/(m・K)程度あることが望ましい。
以上に記載の金属酸化物粒子を混合した熱可塑性樹脂を射出成形することで、熱伝導率が2W/(m・K)以上、たとえば6W/(m・K),8W/(m・K),10W/(m・K),…,最大20W/(m・K)のボビン14を製造することができる。
図5に示されるように、コイル3a〜3cが巻かれるボビン14は接着剤によってコア11の櫛歯11a〜11cに固定される。しかし、接着剤だけでは、結合が不安定であり、ボビン14をコア11に完全に固定したという確信が得られない。もし、コイル3とコア11との接着が不十分であるならば、コイル3に電流を流したとき、コイル3がコア11に対して動いてしまうという問題が発生する。このため、ボビン14をコア11に接着した後、コア11、ボビン14、コイル3を成形体16で一体に成形する。コイル3は、成形体16によって露出しないように覆われる。コイル3をコア11に確実に固定するために、成形体16には機械的な強度が必要である。しかも、この成形体16は、絶縁体でなければならない。なぜならば、コイル3から導体である界磁マグネット2に電流が伝わる可能性もあるし、コイル3からボビン14を迂回して櫛歯11a〜11cの先端に電流が伝わる可能性もあるからである。成形体16を絶縁体にしたとき、成形体16の放熱特性が悪くなる傾向がある。もし、この成形体16の放熱特性が悪いならば、コイル3の発熱が成形体16の内部にたまり、コイル3の温度が上昇してしまう。このため、成形体16の放熱特性を向上させ、コイル3の熱を大気に逃がす必要がある。
成形体16の材料は、ボビン14と同様に、絶縁性の金属酸化物粒子を充填材として熱可塑性樹脂に混合してなる成形材料である。成形体16は、絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱可塑性樹脂を射出成形することで製造されるか、又は、絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱硬化性樹脂を枠状の型17(図8参照)に流し込む注型によって製造される。
成形体16を射出成形するときの、金属酸化物粒子の構成及び種類、熱可塑性樹脂の種類及び熱伝導率は、ボビン14を射出成形するときと同一である。成形体を注型するときの、金属酸化物粒子の構成及び種類は、ボビン14を射出成形するときと同一である。成形体を注型するときに使用される熱硬化性樹脂とは、熱加熱すると軟化し、冷却すると硬化する線状の高分子構造を有する物質である。たとえば、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、メラミン樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
以上に記載の金属酸化物粒子を混合した熱可塑性樹脂を射出成形したり、金属酸化物粒子を混合した熱硬化性樹脂を注型したりすることで、熱伝導率が2W/(m・K)以上、たとえば6W/(m・K),8W/(m・K),10W/(m・K),…,最大20W/(m・K)の成形体を製造することができる。
ボビン14及び成形体16に、熱伝導率が6W/(m・K)以上の成形材料を使用することで、コイル3に流す電流を1.4倍程度に大きくすることができ(電流を1.4倍にしてもコイル3の温度は変化しない)、フラットタイプのリニアモータの推力を1.4倍程度に大きくすることができる。推力が40%向上することは、画期的なことである。この技術を使用すれば、コンパクトでありながら世界中で最も大きな推力を出せるフラットタイプのリニアモータが得られる。
また、ボビン14及び成形体16の線膨張係数(流れ/直角)は、10×10-6以上30×10-6以下に設定される。ボビン14及び成形体16の線膨張係数は、樹脂(120×10-6)の線膨張係数に比べて1ケタ小さく、鋼(11〜13×10-6)、銅(19〜20×10-6)、アルミ(22〜23×10-6)等の金属の線膨張係数に近い。温度上昇時のボビン14及び成形体16の伸びとコイル3、コア11の伸びとを略等しくすることができるので、これらの接触を保つことができる。したがって、温度上昇によってこれらの間に真空のすきまや空気の層が生じ、熱が伝わりにくくなるのを防止することができる。
図11は、本発明の第二の実施形態のロッドタイプのリニアモータの斜視図を示す。この実施形態のリニアモータは、成形体(ハウジング)22に対してロッド21(シャフト)がその軸線方向に移動する一軸のアクチュエータで、電子部品等の移動体を一軸方向に移動させるのに用いられる。具体的には、例えばチップ状の電子部品を所定の位置にマウントするチップマウンタのヘッド軸に用いられる。このリニアモータは一軸のみで使用されることもあるし、作業効率を上げるために複数のリニアモータが並列に組み合わされて多軸のアクチュエータとして使用されることもある。
リニアモータは、界磁マグネット23の磁界とコイル24に流れる電流によって、ロッド21が直線運動するための力を得る。ロッド21の周囲は、軸線方向に積層された複数のコイル24によって囲まれる。言い換えれば、ロッド21は積層されたコイル24を貫通する。
図12は、リニアモータの界磁マグネット23とコイル24の位置関係を示す。ロッド21内の中空空間には、界磁マグネット23として、円盤状の複数のマグネット31(セグメント磁石)が互いに同極が対向するように、すなわちN極とN極が、S極とS極とが対向するように、積層される。ロッド21の周囲には、ロッド21を囲む複数のコイル24が積層される。複数のコイル24は、U・V・W相からなる三相のコイルから構成される。コイル24に120°ずつ位相が異なる三相電流を流すと、コイル24の軸線方向に移動する移動磁界が発生する。ロッド21内の界磁マグネット23は、移動磁界により推力を得て、移動磁界の速さに同期してコイル24に対して相対的に直線運動を行う。
図11に示されるように、リニアモータのロッド21は、成形体22によってロッド21の軸線方向に移動可能に支持されている。コイルユニットはコイルホルダ25に保持され、これらコイルユニット及びコイルホルダ25は成形体22に覆われている。
ロッド21は、例えばステンレス等の非磁性材からなり、パイプのように中空の空間を有する。ロッド21の中空空間には、上述のように、円柱状の複数のマグネット31(セグメント磁石)が互いに同極が対向するように積層される。マグネット31の間には、例えば鉄等の磁性体からなるポールシュー27(磁極ブロック)が介在される。ポールシュー27を介在させることで、界磁マグネット23が形成する磁界を正弦波に近づけることができる。
コイル24は導線を螺旋状に巻いたもので、コイルホルダ25に保持されている。コイル24及びコイルホルダ25は、成形体22によって覆われる。成形体22には、放熱特性を高めるためにフィン22aが複数形成される。成形体22には、相手部品に取り付けるためのねじ22bが加工される。相手部品に取り付けられるので、成形体22には機械的強度が高いことが要求される。コイル24との絶縁を保つ必要があるので、成形体22には絶縁性が高いことが要求される。
成形体22の材料は、上記第一の実施形態の成形体と同様に、絶縁性の金属酸化物粒子を充填材として熱可塑性樹脂に混合してなる成形材料である。成形体22は、絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱可塑性樹脂を射出成形することで製造される。コイル24及びコイルホルダ25を射出成形の金型にセットし、成形材料を流すインサート成形により、成形体22がコイル24及びコイルホルダ25に一体に成形される。
成形体22を射出成形するときの、金属酸化物粒子の構成及び種類、熱可塑性樹脂の種類及び熱伝導率は、ボビン14を射出成形するときと同一である。金属酸化物粒子を混合した熱可塑性樹脂を射出成形することで、熱伝導率が2W/(m・K)以上、たとえば6W/(m・K),8W/(m・K),10W/(m・K),…,最大20W/(m・K)の成形体22を製造することができる。
ロッド21はリニアモータの作動中、コイル24内で浮いている状態になっている。ロッド21の直線運動を支えるために、金属製のブッシュ28が設けられる。ブッシュ28は、成形体22の両端に設けたエンド部材29に固定される。
図13は、コイルホルダ25に保持されたコイルユニットを示す。コイルユニットは、導線を螺旋状に巻いた一つのコイル24を複数個、例えば数十個積層したものである。コイル24のリード線24aは一本一本接続されなければいけない。コイル24のリード線24aの配線を簡素化するために絶縁基板26が用いられる。絶縁基板26には、複数のコイル24を配線するための導電パターンが形成される。導電パターンは、U相同士のコイル、V相同士のコイル、W相同士のコイルを接続するように形成される。
図14は、コイル24を保持するコイルホルダ25の詳細図を示す。隣接するコイル24同士は絶縁させる必要があるので、コイル24間には樹脂製のスペーサ部25bが介在される。スペーサ部25bはコイル24の正面形状と同様に円環形状に形成される。スペーサ部25bは、コイル24の配列方向に細長く伸びる板状のホルダ本体部25aに一体に形成される。
ホルダ本体部25aのコイル24の配列方向の長さは、コイルユニットの全長と略等しく、横幅はコイル24の直径と略等しい。ホルダ本体部25aの上面に絶縁基板26が取り付けられる。またホルダ本体部25aの側面には、射出成形するときにコイルホルダ25を金型に固定するための突起25c(図13参照)が設けられる。射出成形時の圧力により、コイルホルダ25が位置ずれするのを防止するためである。ホルダ本体部25aの下面には、コイル24の外形形状に合わせた曲面状の窪み25dが形成される。図13に示されるようにコイル24にはリード線24aがある。リード線24aを絶縁基板26のスルーホールに導くために、ホルダ本体部25aには絶縁基板26のスルーホールと同じ位置に複数の配線用孔が空けられる。
図14に示されるように、スペーサ部25bは、コイル24の正面形状と同様に円環状に形成され、板状の本体部25aから下方に突出する。スペーサ部25bは、隣接する全てのコイル24間に介在され、そのうえコイルユニットの両端にも設けられる。それゆえ、スペーサ部25bの個数はコイル24の数よりも一つ多い数になる。
コイルホルダ25の材料は、上記第一の実施形態のボビン14と同様に、絶縁性の金属酸化物粒子を充填材として熱可塑性樹脂に混合してなる成形材料である。コイルは、絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱可塑性樹脂を射出成形することで製造される。
コイルホルダ25を射出成形するときの、金属酸化物粒子の構成及び種類、熱可塑性樹脂の種類及び熱伝導率は、ボビン14を射出成形するときと同一である。金属酸化物粒子を混合した熱可塑性樹脂を射出成形することで、熱伝導率が2W/(m・K)以上、たとえば6W/(m・K),8W/(m・K),10W/(m・K),…,最大20W/(m・K)のコイルホルダ25を製造することができる。
コイルホルダ25及び成形体22に、熱伝導率が6W/(m・K)以上の成形材料を使用することで、コイルに流す電流を1.4倍程度に大きくすることができ(電流を1.4倍にしてもコイルの温度は変化しない)、ロッドタイプのリニアモータの推力を1.4倍程度に大きくすることができる。推力が40%程度向上するというのは、画期的なことである。この技術を使用すれば、コンパクトでありながら世界中で最も大きな推力を出せるロッドタイプのリニアモータが得られる。
また、コイルホルダ25及び成形体22の線膨張係数(流れ/直角)は、10×10-6以上30×10-6以下に設定される。コイルホルダ25及び成形体22の線膨張係数は、樹脂(120×10-6)の線膨張係数に比べて1ケタ小さく、鋼(11〜13×10-6)、銅(19〜20×10-6)、アルミ(22〜23×10-6)等の金属の線膨張係数に近い。温度上昇時のコイルホルダ25及び成形体22の伸びとコイル24の伸びとを略等しくすることができるので、これらの接触を保つことができる。したがって、温度上昇によってこれらの間に真空のすきまや空気の層が生じ、熱が伝わりにくくなるのを防止することができる。さらに、成形体22は電機子のハウジングとしても機能し、成形体22には相手部品に取り付けるためのねじ22b(図11参照)が加工される。成形体22をアルミ等の金属製の相手部品に取り付けたときも、成形体22のねじ22bの取り付けピッチの伸びと、相手部品の取り付けピッチの伸びとを略等しくすることができるので、成形体22に過度な力がかかるのを防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変更できる。上記フラットタイプのリニアモータの実施形態では、電機子が界磁マグネットに対して直線運動しているが、界磁マグネットが直線運動してもよい。上記ロッドタイプリニアモータの実施形態では、ロッドが電機子に対して直線運動しているが、電機子が直線運動してもよい。
フラットタイプのリニアモータにおいて、ボビン及び成形体に熱伝導率が6W/(m・K)の成形材料を使用した。そして、電流値Iを×1倍,×1.15倍,×1.63倍と変化させたときのコイル14の温度を測定した。
図15は測定結果のグラフを示す。図中(A)が電流値I×1倍のとき、(B)が電流値I×1.15倍のとき、(C)が電流値I×1.63倍のときをそれぞれ示す。図15の比較例では、ボビンに液晶ポリマーを使用し、成形体にエポキシ樹脂を使用している。
本発明例のように、ボビン及び成形体に高熱伝導率の材料を使用することで、コイルの温度を抑えられることがわかる。また、図中(B)及び(C)に示されるように、電流値I×1.15倍のときの比較例のコイルの温度(91.5度)と、電流値I×1.63倍のときの本発明例のコイルの温度(91.2度)がほぼ等しい。本発明例においては、比較例に比べて電流を1.63/1.15≒1.4倍まで余分に投入できることがわかる。
本明細書は、2008年2月14日出願の特願2008-032518に基づく。この内容はすべてここに含めておく。



Claims (8)

  1. 界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、
    N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、
    前記界磁マグネットにすきまを介して対向する複数のコイル、前記複数のコイルのそれぞれに挿入される複数の櫛歯を有するコア、各コイルと各櫛歯との間に介在されるボビンを有する電機子と、を備え、
    前記ボビンは、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータ。
  2. 界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、
    N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、
    前記界磁マグネットにすきまを介して対向する複数のコイル、前記複数のコイルのそれぞれに挿入される複数の櫛歯を有するコア、前記複数のコイルを覆うと共に前記複数のコイルを前記コアに結合する成形体を有する電機子と、を備え、
    前記成形体は、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータ。
  3. 界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、
    N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、
    前記界磁マグネットの周囲を囲む複数のコイル、前記複数のコイルを覆う成形体を有する電機子と、を備え、
    前記成形体は、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータ。
  4. 界磁マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、コイルが界磁マグネットに対して相対的に直線運動するための推力を得るリニアモータであって、
    N極及びS極が前記直線運動する方向に交互に配列される界磁マグネットと、
    前記界磁マグネットの周囲にすきまを介して設けられる複数のコイル、前記複数のコイルを保持するためのコイルホルダを有する電機子と、を備え、
    前記コイルホルダは、前記直線運動する方向に前記複数のコイルにわたって伸びるホルダ本体部と、隣接するコイル間に介在される複数のスペーサ部と、を含み、
    前記コイルホルダは、絶縁体であると共に、その熱伝導率が2W/(m・K)以上であるリニアモータ。
  5. 前記ボビン、前記コイルホルダ、又は前記成形体が、複数の異なる平均粒径を有する絶縁性の金属酸化物粒子を樹脂に混合してなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のリニアモータ。
  6. 前記ボビン、前記コイルホルダ、又は前記成形体は、前記絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱可塑性樹脂を射出成形することで製造されることを特徴とする請求項5に記載のリニアモータ。
  7. 前記成形体は、前記絶縁性の金属酸化物粒子が混合された熱硬化性樹脂を型に流し込む注型によって製造されることを特徴とする請求項5に記載のリニアモータ。
  8. 前記ボビン、前記コイルホルダ、又は前記成形体の線膨張係数が、10×10-6以上30×10-6以下に設定されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のリニアモータ。
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