JPWO2009098998A1 - 核酸検出方法及び核酸検出用キット - Google Patents

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Abstract

本発明は、プライマーの塩基長の長短に関わらず、検出対象塩基がたった一塩基であっても十分な精度で検出し得る方法を提供する。本発明は、1以上の検出対象塩基を含む標的塩基配列を有する核酸が、核酸試料中に含有されているか否かを検出する方法である。まず(a)前記核酸試料中の核酸、検出対象塩基識別用プライマー及びポリメラーゼを用いた核酸伸張反応を行う。次に(b)前記工程(a)において伸長された産物を検出する。工程(a)においては、前記標的塩基配列中の前記検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列の、前記検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基による挿入又は欠損部位を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドを前記検出対象塩基識別用プライマーとして使用する。

Description

本発明は、1以上の検出対象塩基を含む標的塩基配列を有する核酸が、核酸試料中に含有されているか否かを、より高精度に検出するための核酸検出方法、及び、該核酸検出方法に用いられるプライマーを有する核酸検出用キットに関する。
近年の遺伝子操作技術や遺伝子組換え技術等の進歩に伴い、核酸分析による遺伝子検査は、医療、研究、産業への応用に広く用いられている。このような検査は試料中の標的塩基配列を有するDNAの存在の検出を行うものであり、疾患の診断、治療だけでなく、食品検査等の様々な分野において応用されている。特に、SNP(一塩基多型)等の遺伝子多型は、癌等の特定の疾患に対する罹り易さや、薬物代謝能等の個体差の主要な一因と考えられており、学術研究においてのみならず、実際の臨床検査においても、遺伝子多型解析が広く行われている。このため、高精度かつ迅速に遺伝子多型を検出し得る方法の開発が盛んである。
遺伝子多型を検出する方法として、プローブやプライマー等の人工合成したポリヌクレオチドを用いて核酸の塩基配列を調べる方法が多数報告されている。例えば、SNP等の多型を含む領域をPCR(Polymerase Chain Reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)により増幅して検出する方法や、検出対象であるSNPを3’末端に有するプローブと、該SNPの5’側の隣の塩基を5’末端に有するプローブを用いて、ライゲーション反応を行い、2つのプローブが結合された一のポリヌクレオチドが得られるか否かによりSNPを検出する方法等のように、分子生物学的な酵素反応を用いて、解析対象であるSNP及びその近傍の塩基配列を解析する方法等がある。
特に、SNP解析においては、特定の塩基配列やアレル等に特異的に結合し得るプライマーを用いてPCRを行い、PCR産物の有無によりSNPを検出するSSP−PCR(Sequence Specific Primers−PCR)法やASP−PCR(Allele Specific Primers−PCR)法が汎用されている(例えば、特許文献1参照)。SSP/ASP−PCR法による多型の検出は、塩基配列(遺伝子多型)の識別とシグナルの増幅を同時に行うことができるため、臨床検査における検体等のように、検体が微量である場合や、試料中の核酸濃度が非常に低い場合であってもSNPを検出することができ、非常に利便性が高いためである。
しかしながら、PCR等の酵素反応を用いた解析法では潜在的に非特異的な反応が生じるという性質があり、SNP解析のように塩基配列のうちのたった1つの塩基の相違のみを解析する場合に解析精度に問題を生じやすい。このような非特異的核酸増幅を防止しつつ高い増幅効率を達成するために、プライマーごとに最適な反応条件で別個に反応を行うことで対処が可能であるが検出対象である標的塩基配列に依存して反応条件が変わるためその方法は一般性が低い。このため、検体数が多い場合や、複数種類のSNPを検出する場合には、作業に多大な労力と時間を要する。さらに、標的塩基配列を有する核酸が強い2次構造を形成しているような場合には、プライマーの塩基長が長くなる傾向があるが、一般的に長鎖プライマーの場合には、塩基の識別能が低下してしまうという問題もある。
SNPの識別精度を向上させるために、様々な方法が開示されている。例えば、特許文献2には、ASP−PCR法において特定の塩基多型部位を含む染色体又はその断片に対し、野生型プライマー及び1種又は2種の変異型用プライマーをDNAポリメラーゼと共に作用させて、当該プライマーの伸長の有無により、塩基多型を検出する方法が開示されている。この方法においては、それぞれのプライマーの3’末端より2番目の塩基が塩基多型部位の予想される各ヌクレオチドに対応し、又はこれに加えて更に3’末端の3番目から5’末端までの少なくとも1つの塩基が、染色体又はその断片中において該プライマーがハイブリダイズする鎖の塩基と相補的ではない塩基に置換されている。この方法は、検出対象であるSNP近傍を不安定化することにより、プライマーの識別能を高める方法である。例えば、SNPを有する標的核酸とハイブリダイズする領域にミスマッチ部位を設けることにより、該野生型プライマーと野生型アレルのハイブリダイズを、該野生型プライマーと変異型アレルのハイブリダイズよりも安定化させ、識別能を改善している。
特許第2853864号公報 国際公開2001/042498号パンフレット 特開2006−320217号公報 国際公開2001/34838号パンフレット
特許文献2に記載の方法では、各SNPに対して適切なミスマッチを導入することにより、各多型の識別精度を向上させることができる。しかし、ミスマッチはプライマー中の限られた範囲内における塩基の置換によるものであり、調整範囲が狭い。また、そのような改変したプライマーを用いた場合の一塩基多型の検出の成功率は低く、検出対象である標的塩基配列の種類によっては十分な識別精度を得ることもできない。特に、プライマーの塩基長が長い場合には、単に塩基を置換してミスマッチを導入するだけでは、十分な塩基の識別能を達成することができないという問題がある。
本発明は、標的塩基配列を有する核酸を、該核酸とハイブリダイズするプライマーを用いて検出する場合に、プライマーの塩基長の長短に関わらず、検出対象塩基がたった一塩基であっても、十分な精度で検出し得る核酸検出方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、1以上の検出対象塩基を含む標的塩基配列を有する核酸が、核酸試料中に含有されているか否かを検出する場合に、該標的塩基配列中の検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列を3’末端側に有するポリヌクレオチドをプライマーとした場合には、該検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に1以上の塩基による挿入又は欠損部位を設けることにより、プライマーの塩基長を長くした場合でも、一塩基のみが相違する塩基配列を有する核酸をも十分な精度で識別し得ること、すなわち、検出対象塩基が一塩基であっても高精度に検出可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記の構成をとる。
(1)1以上の検出対象塩基を含む標的塩基配列を有する核酸が、核酸試料中に含有されているか否かを検出する方法であって、
(a)該核酸試料;前記標的塩基配列中の前記検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列の、前記検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基による挿入部位又は欠損部位を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドである、検出対象塩基識別用プライマー;及びポリメラーゼを用いた核酸伸張反応を行う工程;及び
(b)前記工程(a)において伸長された産物を検出する工程;
を有する核酸検出方法。
(2)前記検出対象塩基識別用プライマーの前記挿入部位又は前記欠損部位が、該プライマーの3’末端から3塩基目よりも5’末端側にあることを特徴とする、前記(1)記載の核酸検出方法。
(3)前記検出対象塩基識別用プライマーの前記挿入部位又は欠損部位が、該プライマーの3’末端から20塩基目よりも3’末端側にあることを特徴とする、前記(2)記載の核酸検出方法。
(4)前記工程(a)の前に、
(c)前記核酸試料中の核酸;及び
前記検出対象塩基識別用プライマーと相補的な配列を5’末端に有し、前記検出対象塩基を含む部分領域以外の前記標的塩基配列の部分領域と相同的又は相補的な塩基配列を3’末端に有するポリヌクレオチドである増幅用プライマー;
を用いて、当該核酸の伸長反応を行い、標的塩基配列の3’末端に検出対象塩基識別用プライマーと相同的な塩基配列を有する核酸を得る工程;
を有し、
前記工程(a)において、前記工程(c)において得られた核酸の標的塩基配列部分を鋳型とし、前記工程(c)において得られた核酸の3’末端部分を検出対象塩基識別用プライマーとすることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(5)前記挿入部位が、1〜3塩基の挿入による部位であることを特徴とする銭(1)〜(4)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(6)前記欠損部位が、1〜3塩基の欠損による部位であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(7)前記核酸伸張反応が、熱変性工程と、アニーリング工程と、伸張工程とを繰り返し行う反応であることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(8)前記アニーリング工程におけるアニーリング温度と、前記伸張工程における伸張反応温度とが同一であることを特徴とする前記(7)記載の核酸検出方法。
(9)前記検出対象塩基識別用プライマーが、30塩基長以上のポリヌクレオチドであることを特徴とする、前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(10)前記検出対象塩基識別用プライマーと、前記標的塩基配列を有する核酸とのアニーリング温度が68℃以上であることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(11)前記アニーリング工程におけるアニーリング時間と伸長反応時間の和が3分間以上であることを特徴とする、前記(7)〜(10)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(12)前記アニーリング工程におけるアニーリング時間を、サイクルごとに延長することを特徴とする、(7)〜(10)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(13)最終サイクルにおけるアニーリング時間が3分間以上であることを特徴とする前記(12)記載の核酸検出方法。
(14)前記ポリメラーゼが鎖交換活性を有する酵素であり、前記核酸伸張反応が、一定温度条件下で、アニーリング工程と伸張工程とを繰り返し行う反応であることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の核酸検出方法。
(15)前記(1)〜(14)のいずれか一つに記載の核酸検出方法に用いるキットであって、検出対象塩基識別用プライマーを有することを特徴とする核酸検出用キット。
(16)さらに、ポリメラーゼ及び反応用緩衝液を有することを特徴とする、前記(15)記載の核酸検出用キット。
本発明の核酸検出方法を用いることにより、プライマーの塩基長が長い場合であっても、一塩基のみが相違する塩基配列を有する核酸をも十分な精度で識別することができる。また、挿入又は欠損する塩基の位置と数により、プライマーの識別能を適宜調整することができるため、特許文献2の方法のような塩基の置換によるミスマッチの導入よりも、プライマー設計の自由度がはるかに高い。このため、従来法では識別能の高いプライマーを設計することが困難であった種類の標的塩基配列に対しても、SNP検出が可能な塩基配列識別能の良好なプライマーをより簡便に設計することが可能となる。
標的核酸と検出対象塩基識別用プライマーのハイブリダイゼーションを模式的に示した図であり、挿入部位として塩基が挿入された検出対象塩基識別用プライマーを用いた場合の図である。 標的核酸と検出対象塩基識別用プライマーのハイブリダイゼーションを模式的に示した図であり、欠損部位として塩基が欠損された検出対象塩基識別用プライマーを用いた場合の図である。 実施例2において、PCR後の反応溶液をアガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色して得られたバンドパターンを示したものである。レーン上の番号は、表4に記載の番号が付されたフォワードプライマーを用いて得られたPCR産物を流したことを示している。 実施例3において、算出されたPCR産物量の結果を示した図であり、SSP PrimerA/Gを用いた場合のPCR産物量を示したものである。 実施例3において、算出されたPCR産物量の結果を示した図であり、ASP PrimerA/Gを用いた場合のPCR産物量を示したものである。 実施例3において、算出されたPCR産物量の結果を示した図であり、ASP+MM PrimerA/Gを用いた場合のPCR産物量を示したものである。 実施例3において、算出されたPCR産物量の結果を示した図であり、INS−SP PrimerA/Gを用いた場合のPCR産物量を示したものである。 実施例3において、算出されたPCR産物量の結果を示した図であり、INS−SPC PrimerA/Gを用いた場合のPCR産物量を示したものである。 実施例4において、算出されたPCR産物量の結果を示した図である。
符号の説明
1…検出対象塩基識別用プライマー、2…標的核酸、3…検出対象塩基
本発明の核酸検出方法は、1以上の検出対象塩基を含む標的塩基配列を有する核酸が、核酸試料中に含有されているか否かを検出する方法であって、
(a)該核酸試料;前記標的塩基配列中の前記検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列の、前記検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基による挿入部位又は欠損部位を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドである、検出対象塩基識別用プライマー;及びポリメラーゼ;を用いた核酸伸張反応を行う工程;及び
(b)前記工程(a)において伸長された産物を検出する工程;
を有する核酸検出方法である。
本発明において検出対象塩基とは、ある特定の塩基配列(標的塩基配列)中の検出対象となる塩基を意味する。該検出対象塩基は、1個の塩基であってもよく、2以上の複数個の塩基であってもよい。また、複数個の塩基が検出対象塩基である場合には、検出対象塩基は互いに隣接する塩基である必要はない。また、該検出対象識別用プライマーの設計においては、該検出対象塩基識別用プライマーに加えた挿入又は欠損部位よりも3’側に該検出対象塩基を配置させることも必要である。
本発明の核酸検出方法における検出対象核酸としては、例えば、遺伝子多型や、疾患のマーカー遺伝子中の特徴的な塩基等を挙げることができる。なお、マーカー遺伝子中の特徴的な塩基とは、該マーカー遺伝子の塩基配列と他の遺伝子の塩基配列とを識別し得る塩基を意味する。
ここで、遺伝子多型とは、ある生物種の集団内で、個体ごとに遺伝子の塩基配列が異なるものであれば、特に限定されるものではない。該遺伝子多型として、例えば、一塩基多型(SNP)、マイクロサテライト、挿入、欠失等がある。本発明の核酸検出方法において、標的塩基配列が含んでいる遺伝子多型としては、特にSNPであることが好ましい。本発明の核酸検出方法は、たった一塩基のみ相違する塩基配列同士であっても高精度に識別して検出し得る方法であり、SNP検出に利用することによって、より効果的に本発明の核酸識別能改善効果が奏されるためである。
本発明における標的塩基配列とは、1以上の検出対象塩基を含む塩基配列であって、遺伝子組換え技術等により検出が可能な程度に塩基配列が明らかになっているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、動物や植物の染色体や、細菌やウィルスの遺伝子に存在する塩基配列であってもよく、mRNA等の生物のRNAに存在する塩基配列であってもよい。特に、生物の遺伝子中の遺伝子多型を含む領域の塩基配列であることが好ましい。
本発明における核酸試料とは、標的塩基配列を有する核酸(以下、標的核酸ということがある)を含んでいることが期待される試料であれば、特に限定されるものではない。該核酸試料として、例えば、動物等から採取した生体試料であってもよく、培養細胞溶液等から調製した試料であってもよく、生体試料等から抽出・精製した核酸溶液であってもよい。特に臨床検査等に用いられるヒト由来の生体試料や、ヒト由来の生体試料から抽出・精製した核酸溶液であることが好ましい。また、該核酸試料は、生物から採取された状態の試料であってもよく、調製した試料であってもよい。該調製の方法は、該生体試料中に含有されているDNAやRNA等の核酸を損なわない方法であれば、特に限定されるものではなく、通常、生体試料に対してなされている調製方法を行うことができる。その他、生体試料から抽出・精製したDNAをPCR等により増幅処理して得られたものであってもよく、生体試料中に含有されるRNAから逆転写酵素を用いて合成されたcDNAであってもよい。
本発明の核酸検出方法において使用する、前記検出対象塩基識別用プライマーは、前記標的塩基配列中の前記検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列の、前記検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基による挿入又は欠損部位を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドとなるよう設計されている。したがって、検出対象塩基が一塩基であったとしても、標的核酸と、検出対象塩基以外は標的核酸と同一の塩基配列を有する核酸等の非標的核酸とを、より高精度に識別し、核酸試料中の標的核酸を特異的に検出することができる。
なお、工程(a)においては、核酸試料中の核酸を鋳型とし、これと検出対象塩基識別用プライマーを使用して核酸の伸長反応を行う。検出対象塩基識別用プライマーの塩基長は、核酸伸長反応においてプライマーとして機能し得る長さであれば、特に限定されるものではなく、標的塩基配列の種類や核酸伸長反応の条件等を考慮して適宜決定することができる。本発明においては、検出対象塩基識別用プライマーの塩基長は、例えば、30塩基以上であることが好ましいが、10塩基以上30塩基未満であってもよい。プライマーの塩基長が長くなると、プライマーの標的核酸とハイブリダイズする領域全体に占める検出対象塩基の割合が低くなり、プライマーの塩基配列識別能が低下するという問題がある。しかし、本発明の核酸検出法を用いることにより、標的核酸とハイブリダイズする領域を30塩基長以上とした場合であっても、標的核酸の識別能が高い検出対象塩基識別用プライマーを設計することができ、標的核酸を高精度に検出することができる。
本発明において検出対象塩基識別用プライマーとは、標的塩基配列中の検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列(以下、検出対象塩基認識配列という)の、該検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基の挿入又は欠損による挿入部位又は欠損部位を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドである。ここで、検出対象塩基に対応する塩基とは、検出対象塩基識別用プライマーが、標的塩基配列と相同的な塩基配列を有するポリヌクレオチドである場合には検出対象塩基と相同的な塩基であり、標的塩基配列と相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドである場合には検出対象塩基と相補的な塩基である。本発明の検出対象塩基識別用プライマーは、検出対象塩基認識配列を有するポリヌクレオチドであるため、標的核酸又はその相補鎖である核酸に特異的にハイブリダイズし、核酸伸張反応の起点として機能し得るものである。
挿入部位又は欠損部位として検出対象塩基認識配列に挿入又は欠損される塩基の数は、1以上であれば特に限定されるものではなく、検出対象塩基認識配列の種類、挿入又は欠損される塩基の種類や位置、工程(a)における核酸伸張反応の反応条件等を考慮して、適宜決定することができる。挿入又は欠損される塩基の数が多くなるほど、検出対象塩基識別用プライマーと標的核酸とのハイブリダイズを不安定化することができる。本発明の検出対象塩基識別用プライマーにおいては、挿入部位又は欠損部位として、特に、1〜3塩基の挿入による部位、又は1〜3塩基の欠損による部位であることが好ましい。
挿入部位として検出対象塩基認識配列に挿入される塩基の種類は、挿入された塩基が標的核酸とハイブリダイズされない塩基であれば、特に限定されるものではない。また、2以上の塩基を挿入する場合は、同じ種類の塩基のみを複数個挿入してもよく、異なる種類の塩基を組み合わせて挿入してもよい。挿入される塩基は、グアニンやシトシンよりも、アデニンやチミンであることが好ましい。
検出対象塩基認識配列中の挿入部位又は欠損部位は、検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側であれば特に限定されるものではない。従って、検出対象塩基認識配列の種類や挿入等される塩基の種類や位置、本発明の工程(a)における核酸伸張反応の反応条件等を考慮して、当業者が適宜決定することができる。しかしながら、検出対象塩基識別用プライマーの3’末端の不安定性が高くなりすぎると、標的塩基配列の種類によっては、標的塩基配列を識別し難くなる。このため、該挿入部位又は該欠損部位は、検出対象塩基識別用プライマーの3’末端から3塩基目よりも5’末端側にあることが好ましい。また、挿入部位又は欠損部位を、検出対象塩基識別用プライマーの3’末端から20塩基目よりも3’末端側に配置することにより、検出対象塩基識別用プライマーの3’末端をより十分に不安定化し得るので同様に好ましい。
上記工程(a)に引き続いて、本発明の検出方法においては、工程(b)、すなわち、核酸試料中の標的核酸に検出対象塩基識別用プライマーがハイブリダイズし、標的核酸を鋳型としてポリメラーゼにより検出対象塩基識別用プライマーの3’末端を起点として核酸の伸張反応が起こった結果得られる伸張産物の検出を行う。そしての検出結果に基づき、検出対象塩基の有無を判断する。核酸試料中に標的核酸が含まれているか否かを判断するためには、検出対象塩基を検出対象塩基識別用プライマーの3’末端近傍に配置することが従来は好ましいと考えられている(例えば、特許文献1参照)。これに対して、本発明の核酸検出方法においては、検出対象塩基識別用プライマー中の検出対象塩基の位置は、3’末端であることが好ましいものの、前記挿入部位又は前記欠損部位よりも3’末端側であればよく、必ずしも該プライマー全体の3’末端に位置している必要はない。このように、検出対象塩基識別用プライマー中の検出対象塩基の位置の選択肢が増えるため、従来法に比べてプライマー設計の自由度が高くなる。
検出対象塩基識別用プライマー中の検出対象塩基の位置は、前記挿入部位又は前記欠損部位よりも3’末端側であれば特に限定されるものではなく、挿入部位又は欠損部位の位置や挿入又は欠損される塩基数、標的塩基配列等を考慮して、適宜決定することができる。挿入部位又は欠損部位の効果をより有効に活用するために、該挿入部位又は該欠損部位の近傍に検出対象塩基があることが好ましい。
なお、検出対象塩基認識配列中の挿入部位又は欠損部位の数は、1であってもよく、2以上あってもよい。2以上の挿入部位又は欠損部位を有する場合には、検出対象塩基の位置は、最も3’末端側の挿入部位又は欠損部位よりも3’末端側とする。
挿入部位又は欠損部位の位置や数、挿入部位又は欠損部位として挿入又は欠損される塩基の数や種類、挿入部位又は欠損部位と検出対象塩基との距離等を適宜選択することにより、検出対象塩基識別用プライマーと標的核酸とのハイブリダイゼーションの不安定化の度合いを調整することができる。このように、プライマー設計の自由度が高いため、本発明の核酸検出方法により、標的塩基配列の種類や検出対象塩基識別用プライマーの塩基長等に関わらず、標的核酸の識別能が高い検出対象塩基識別用プライマーを設計することができる。
本発明の核酸検出方法において、このような高い核酸識別効果が得られる理由は明らかではないが、検出対象塩基識別用プライマーとして標的核酸中の検出対象塩基を含む部分領域にハイブリダイズし得るプライマーとした場合に、該検出対象塩基識別用プライマーに1以上の塩基による挿入部位又は欠損部位を導入することにより、検出対象塩基付近における検出対象塩基識別用プライマーと標的核酸とのハイブリダイゼーション産物が不安定化されるためと推察される。図1A〜図1Bは、検出対象塩基3を有する標的核酸2と検出対象塩基識別用プライマー1のハイブリダイゼーションを模式的に示した図である。挿入部位として塩基が挿入されると、図1Aに示すように、標的核酸2とハイブリダイズできない塩基の挿入部位により、検出対象塩基識別用プライマー1と標的核酸2とのハイブリダイゼーション産物が不安定化される。一方、欠損部位として塩基が欠損されると、図1Bに示すように、欠損された塩基に相補的な標的核酸2上の塩基により、検出対象塩基識別用プライマー1と標的核酸2とのハイブリダイゼーション産物が不安定化される。この結果、検出対象塩基識別用プライマーと標的核酸とのハイブリダイゼーション産物の安定性が、検出対象塩基識別用プライマーと対照核酸(標的塩基配列と少なくとも1塩基違う部分領域を有するもの)とのハイブリダイゼーション産物の安定性よりも十分に高くなり、検出対象塩基識別用プライマーを標的核酸により特異的にハイブリダイズさせることができるため、検出対象塩基識別用プライマーの標的核酸の識別能を向上させることができると推察される。
標的核酸が複数ある場合であって、本発明の核酸検出方法の工程(a)における核酸伸張反応を、PCRのようなプライマーに依存して最適反応条件が変動する反応を用いて行う場合には、各検出対象塩基識別用プライマー、及びそれらに対応するプライマー等の核酸伸張反応に用いられるプライマーは、反応条件が標準化されたプライマーであることが好ましい。プライマーの反応条件が、標的核酸ごとに異なる場合には、標的核酸ごとに別個に工程(a)を行わなければならないが、全ての標的核酸に用いられるプライマーの最適反応条件をほぼ同一とする(標準化する)ことにより、同一条件下において工程(a)を行うことができるため、迅速かつ簡便に多数の標的核酸を検出することができる。なお、上記の「それら(検出対象塩基識別用プライマー)対応するプライマー」とは、核酸伸張反応において検出対象塩基識別用プライマーと共に用いられるプライマーを意味する。具体的には、核酸伸張反応がPCRである場合には、検出対象塩基識別用プライマーをフォワードプライマーとした場合に、リバースプライマーとして機能し得るプライマーである。この場合に、標的塩基配列に対して、検出対象塩基識別用プライマーが5’末端側であってもよく、検出対象塩基識別用プライマーに対応するプライマーが5’末端側であってもよい。
例えば、PCRにおいては、反応条件はプライマーと鋳型となる標的核酸とのアニーリング効率に大きく影響を与えており、各プライマーのアニーリング効率をほぼ均一にすることにより、核酸増幅の反応条件を標準化することができる(例えば、特許文献3参照)。具体的には、プライマー中の標的核酸とハイブリダイズする領域を30塩基長以上、Tm値を70〜100℃としてプライマーを設計し、反応条件として、特にアニーリング時間と伸長反応時間の和を3分間以上とすることにより、アニーリング効率すなわちハイブリダイゼーション効率を90%以上とほぼ均一にすることができる。プライマーの標的核酸とハイブリダイズする領域の塩基長は、30〜60塩基であることが好ましく、32〜50塩基であることがより好ましく、35〜45塩基であることが特に好ましい。
本発明において用いられる検出対象塩基識別用プライマー等のプライマーは、標的塩基配列に応じて、常法により設計することができる。例えば、公知のゲノム配列データやSNPデータ等から得られる塩基配列情報と、汎用されているプライマー設計ツールを用いて、簡便に設計することができる。公知のゲノム配列データは、通常、国際的な塩基配列データベースであるNCBI(National center for Biotechnology Information)やDDBJ(DNA Data Bank of Japan)等において入手することができる。また、公知のSNPデータは、例えば、東京大学医科学研究所が整備した日本人のSNPのデータベースJSNP(http://snp.ims.u−tokyo.ac.jp/index_ja.html)等のデータベースから入手することができる。該プライマー設計ツールとして、例えば、Web上で利用可能なPrimer3(Rozen, S., H.J. Skaletsky、1996年、http: //www−genome.wi.mit.edu/genome_software/other/primer3. html)や、Visual OMP(DNA Software社製)等がある。
このようにして設計したプライマーは、当該技術分野においてよく知られている方法のいずれを用いても合成することができる。例えば、オリゴ合成メーカーに合成を依頼してもよく、市販の合成機を用いて独自に合成してもよい。
また、各プライマーは、標的核酸とハイブリダイズする領域以外にも、標的核酸の増幅を阻害しない程度において、付加的な配列を有することができる。該付加的な配列として、例えば、制限酵素認識配列や、核酸の標識に供される配列等がある。
さらに、本発明の核酸検出方法に用いられる検出対象塩基識別用プライマーは、工程(a)により得られた伸張産物の検出や解析等を容易にするために、標識されたものであってもよい。該標識をするための物質は、核酸の標識に用いることができるものであれば、特に限定されるものではなく、放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン等がある。
工程(a)における核酸伸張反応は、塩基の相補性を利用したものであり、核酸を鋳型として、ポリメラーゼにより塩基鎖を伸張する反応であれば特に限定されるものではなく、遺伝子解析等の分野で通常行われている種々の核酸伸張反応を用いることができる。該核酸伸張反応として、例えば、PCR、NASBA(nucleic acid sequence based amplification)法のみならず、LAMP(Loop−Mediated Isothermal Amplification)法、ICAN (Isothermal and chimieric primer initiated amplification of nucleic acids)法、Nicking endonuclease mediate polymerase chain reaction等のSDA(Strand displacement amplification)法等が挙げられる。特に、PCRのように、熱変性工程と、アニーリング工程と、伸張工程とを繰り返し行う反応であることが好ましい。なお、PCRは、リアルタイムPCRであってもよく、RT−PCR(Reverse Transcription−PCR)であってもよく、マルチプレックスPCRであってもよい。
また、工程(a)において用いられるポリメラーゼは、特に限定されるものではなく、核酸伸張反応において通常使用されているポリメラーゼを用いることができる。例えば、DNAポリメラーゼであってもよく、RNAポリメラーゼであってもよい。また、耐熱性ポリメラーゼであってもよく、非耐熱性ポリメラーゼであってもよい。その他、校正機能を有するものであってもよく、鎖交換活性を有するものであってもよい。
工程(a)における核酸伸張反応の反応条件は、特に限定されるものではなく、使用するポリメラーゼの種類やプライマーのTm値等を考慮して、適宜決定することができる。同様に、ヌクレオチド、反応用緩衝液等の、該核酸伸張反応において用いられる試薬は、特に限定されるものではなく、核酸伸張反応の種類等を考慮して、通常用いられるものを、通常用いられる量で用いることができる。
特に、工程(a)において、上記特許文献3に開示されている方法を応用して設計されたプライマーを検出対象塩基識別用プライマーとしてPCRを行う場合には、アニーリング温度は、伸長温度程度であることが好ましい。通常、塩基長が長くなるほど、プライマーのTm値も高くなる。このため、30塩基長以上とすることにより、プライマーのTm値が伸長温度よりも高くなる場合も多いが、伸長温度が、Tm値よりも有意に低い温度であっても、伸長温度程度でアニーリングさせることにより、標的核酸の種類にかかわらず、アニーリング効率を高くすることができると推察される。特に、アニーリング温度と伸長温度を一致させ、アニーリングと伸長反応を同時に進行させるシャトルPCRを行うことが好ましい。なお、伸長温度は、用いるポリメラーゼの耐熱性等を考慮して適宜決定することができるが、68℃であることがより好ましい。
また、アニーリング時間と伸長反応時間の和を3分間以上とすることにより、30塩基長以上の長いプライマーを用いても、標的核酸の増幅効率を高くすることができる。アニーリング時間と伸長反応時間の和を長くすることにより、長いプライマーを用いた場合であっても、正確なアニーリングや伸長に必要な充分な時間が確保できるためと推察される。アニーリング時間と伸長反応時間の和は、3〜10分間であることが好ましく、5〜10分間であることがより好ましく、5〜8分間であることがさらに好ましく、6分間程度であることが特に好ましい。さらに、伸長時間が長いため、塩基対長が長い標的核酸であっても、充分に増幅させることができる。なお、PCRでは、熱変性工程と、アニーリング工程と、伸張工程とを一のサイクルとし、該サイクルを繰り返し行うが、アニーリング時間を、サイクルごとに延長することも好ましい。PCR開始直後のアニーリング時間を短くし、サイクルが増えるにつれ延長させることにより、非特異的な増幅をより効果的に防止しすることができ、かつ、核酸伸長反応の反応効率を向上させることができるため、総反応時間を短縮することができる。なお、1サイクルごとではなく、数サイクルごとに段階的に延長させてもよい。また、最終サイクルにおけるアニーリング時間が3分間以上であることがより好ましい。
さらに、工程(b)において、工程(a)の核酸伸長反応により得られた伸長産物が検出された場合には、その結果を受けて、核酸試料中に標的核酸が含まれていると判断することができる。伸長産物の検出方法は、特に限定されるものではなく、電気泳動法等の遺伝子解析等の分野で通常行われている検出方法を用いて行うことができる。例えば、蛍光物質等の標識物質により標識された検出対象塩基識別用プライマーを用いた場合には、該標識物質を指標として伸長産物を検出することができる。また、核酸伸長反応としてリアルタイムPCRを行った場合には、伸長反応と同時に得られた伸長産物を検出することができる。その他、検出対象塩基識別用プライマー等の核酸伸長反応に用いるプライマーの5’末端に予めタグ配列を付加しておき、核酸伸長反応後の反応溶液中の核酸を鋳型として、該タグ配列からなるポリヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行い、PCR産物を検出することによっても、伸長産物を検出することができる。
その他、鎖交換活性を有するポリメラーゼを用いたSDA法(LAMP法、ICAN法等)によっても、ポリメラーゼによる伸長反応の起点となる塩基の5’側に検出対象塩基に対応する塩基を配置し、さらに該検出対象塩基に対応する塩基よりも5’側に挿入又は欠損部位を設けることにより、同様に標的核酸を検出することができる。LAMP法は、鎖置換反応を利用してダンベル構造を形成しながら核酸を増幅する手法である。65℃程度の一定温度条件下でアニーリング工程と伸張工程とを繰り返し行い、連続的に反応が進行する(例えば、特許文献4参照)。
例えば、本発明の核酸検出方法においては、前記工程(a)の前に、核酸試料の増幅を行うために工程(c)を行う。工程(c)では、前記核酸試料中の核酸を鋳型とし、増幅用プライマーを用いて、伸長反応を行い、標的塩基配列の3’末端に検出対象塩基識別用プライマーと相同的な塩基配列を有する核酸を得る。ここで前記増幅用プライマーは、前記検出対象塩基識別用プライマーと相補的な配列を5’末端に有し、前記検出対象塩基を含む部分領域以外の前記標的塩基配列の部分領域と相同的又は相補的な塩基配列を3’末端に有するポリヌクレオチドである。また工程(c)を予め行う場合には、引き続いて行う前記工程(a)において、該工程(c)で得られた核酸の標的塩基配列部分を鋳型とし、前記工程(c)において得られた核酸の3’末端部分を検出対象塩基識別用プライマーとする。ここで、「前記検出対象塩基識別用プライマーと相同的な塩基配列」とは、検出対象塩基認識配列の検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基による挿入又は欠損部位を有する塩基配列を意味する。
該工程(c)において得られた核酸は、標的塩基配列の3’末端に、工程(a)において検出対象塩基識別用プライマーとして機能し得るような配列を有する核酸である。つまり、特許文献4に記載されているような、一分子中に、核酸伸長反応における鋳型として機能する部分と、プライマーとして機能する部分の両方を有する核酸である。そこで、工程(a)において、工程(c)において得られた核酸の標的塩基配列部分を鋳型とし、前記工程(c)において得られた核酸の3’末端部分を検出対象塩基識別用プライマーとすることにより、核酸伸長反応を行うことができる。
具体的には、該核酸中の標的塩基配列中の検出対象塩基を含む部分領域と、該核酸の3’末端部分とは、相補的な塩基配列を有するものであるため、相互作用により、3’末端部が5’側の部分へと湾曲し、互いにハイブリダイゼーションが生じる結果、分子内ループ(ダンベル構造)が形成される。このようなダンベル構造は、鋳型となる核酸とプライマーとがハイブリダイズしたものと同様に機能するため、ポリメラーゼによる核酸伸長反応により、伸長産物を得ることができる。
これらの方法では、工程(c)において伸長反応により得られた核酸は、鋳型となる標的核酸と増幅用プライマーとがハイブリダイズする領域は、検出対象塩基を含まない領域であるため、検出対象塩基のみが異なる核酸も、標的核酸と同様に鋳型として機能し得る。しかしながら、該工程(c)において得られた核酸のダンベル構造は、検出対象塩基を有する塩基配列と検出対象塩基識別用プライマーである3’末端部との相互作用に依存しているため、検出対象塩基を有さない核酸を鋳型として得られた増幅産物では、ダンベル構造を形成し難く、工程(a)において核酸伸長産物を得ることが困難となる。
特に、本発明においては、検出対象塩基識別用プライマー中の、検出対象核酸を認識する領域に挿入又は欠損部位を導入し、検出対象塩基識別用プライマーの配列識別能を向上させているため、従来法よりも非常に精度よく標的核酸を検出することができる。
その他、本発明の核酸検出方法に用いられる検出対象塩基識別用プライマーは、キット化することもできる。例えば、1の標的核酸の検出に用いられる検出対象塩基識別用プライマーとこれに対応するプライマーを一の核酸検出用キットとすることができる。また、複数種類の検出対象塩基識別用プライマー等を一の核酸検出用キットとしてもよい。これらの核酸検出用キットには、核酸伸長反応に用いられるポリメラーゼやヌクレオチド、反応用緩衝液等の試薬を含めることが好ましい。このようなキットを用いることにより、迅速かつ簡便に標的核酸を検出することが可能となる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ヒトの5番染色体の131,686,608〜131,687,270塩基目を標的塩基配列とし、この領域を増幅し得ると確認されているプライマーに基づいて作成した挿入又は欠損部位を有するプライマーを用いて、標的核酸の検出を試みた。
<プライマーの設計>
予めヒトの5番染色体の131,686,608〜131,687,270塩基目の領域を増幅し得ると確認されているフォワードプライマー(Fw)とリバースプライマー(Re)のプライマーセットのうち、Fwの3’末端から1〜8塩基目に1〜3塩基を挿入したプライマーを設計した。設計した各プライマーの配列を表1に示す。なお、塩基の挿入に際しては、挿入された塩基により、標的核酸とハイブリダイズする領域がシフトしないように、挿入する塩基種を決定した。なお、表2は、連続する2塩基(5’側塩基と3’側塩基)の種類と、その間に挿入される塩基の種類の関係を示したものである。
<核酸伸長反応及び伸長産物の検出>
フォワードプライマーとして表1のように設計した各プライマーをそれぞれ用いてPCRを行い、PCR産物を検出した。リバースプライマーは全てReを用いた。また、鋳型として、ヒトゲノムGenome Mix(NovaGene社製)を用いた。
具体的には、5μLの2×QIAGEN Multiplex PCR Master Mix(QIAGEN社製)に対して、5ngのGenome Mixと、フォワードプライマーとリバースプライマーを最終濃度が100nMとなるようにそれぞれ添加し、10μLの反応溶液を調製した。該反応溶液を、95℃で15秒間処理した後、95℃で30秒間、68℃で6分間の熱サイクルを30サイクル行うことにより、PCRを行った。その後、得られた反応溶液からそれぞれ1μLを回収して、電気泳動法により、PCR産物を検出した。検出結果を表3に示す。表中、「挿入位置」は、PCRに用いたフォワードプライマーの塩基が挿入されている位置(Fwの3’末端から数えて何塩基目の5’側に塩基を挿入したか)を、「挿入塩基数」は、PCRに用いたフォワードプライマーの挿入されている塩基数を、それぞれ表している。また、「○」はPCR産物が検出されたことを、「△」はPCR産物は検出されたが非常に量が少ないことを、「×」はPCR産物が検出されなかったことを、それぞれ表している。
プライマーに人為的に塩基を挿入した場合に、挿入位置や挿入塩基数に応じてPCR増殖が抑制されることが確認された。具体的には、塩基を挿入する位置が3’末端に近づくほど、PCR増幅が抑制されること、同じ挿入位置でも、挿入する塩基数が多くなるほど、PCR増幅が抑制されることが分かった。これらの結果から、挿入する位置や塩基数を調整することにより、プライマーと標的核酸とのハイブリダイゼーションの不安定化を調整し得ることが明らかである。
実施例1においてPCR産物の検出が確認されたFw_I01_P04(Fwの3’末端から4塩基目の5’側に1塩基を挿入したプライマー)とFw_I02_P06(Fwの3’末端から6塩基目の5’側に2塩基を挿入したプライマー)を用いて、塩基の挿入部位を有するプライマーが一塩基の相違を識別できるか否かを調べた。対照として、フォワードプライマー(Fw)を用いた。
<プライマーの設計>
まず、Fw_I01_P04とFw_I02_P06の各塩基挿入位置の3’側の塩基を一塩基ずつ置換したプライマーを設計した。設計した各プライマーの配列を表4に示す。
<核酸伸長反応及び伸長産物の検出>
表4記載のフォワードプライマーを用いた以外は全て実施例1と同様にして反応溶液を調製した。該反応溶液を、95℃で15秒間処理した後、95℃で30秒間、68℃で6分間の熱サイクルを30サイクル行うことにより、PCRを行った。その後、得られた反応溶液からそれぞれ1μLを回収して、アガロースゲル電気泳動を行った後、エチジウムブロマイドで染色してバンドパターンを得た。図2は反応溶液を電気泳動した結果得られたバンドパターンを示したものである。左端のレーンは塩基対長マーカーを泳動したものである。レーン上の番号は、表4に記載の番号が付されたフォワードプライマーを用いて得られたPCR産物を流したことを示している。
PCRを30サイクル行った場合には、塩基が置換されていないプライマーを用いた場合には、塩基の挿入の有無にかかわらずPCR産物が検出された(レーン1〜3参照。)。一方、塩基が置換されているプライマーを用いた場合には、多くの場合でPCR増幅の抑制が観察された(レーン4〜33参照。)。但し、Fw_I02_P06の6塩基目を置換した場合には、置換した塩基の種類にかかわらず、PCR産物が検出された(レーン34〜36参照。)。つまり、3’末端から4塩基目の5’側に1塩基挿入したプライマーを用いた場合には、3’末端から1〜4塩基の位置の塩基が置換されているとPCR増幅が抑制されており、3’末端から6塩基目の5’側に2塩基挿入したプライマーを用いた場合には、3’末端から1〜5塩基の位置の塩基が置換されているとPCR増幅が抑制されていた。
以上の結果から、プライマーに人為的に塩基を挿入し、末端における標的核酸とのハイブリダイズを不安定化させることにより、30塩基長以上の長鎖プライマーを用いた場合であっても、一塩基の相違を識別することが可能であり、検出対象塩基の位置は3’末端や3’末端から2塩基目に限定されないことが示唆された。
従来のSSP−PCR法やASP−PCR法によるSNP検出方法と、本発明の核酸検出方法を比較した。検出対象のSNPとして、NCBIのアクセッション番号がrs4994のSNP(A/G)を用いた。
<プライマーの設計>
各種方法に基づき、Aアレルを識別するプライマーAと、Gアレルを識別するプライマーGをそれぞれ設計した。設計した各プライマーの配列を表5に示す。具体的には、SSP−PCR法により設計されたSSP PrimerA/Gは、3’末端にSNPに対応する塩基を配置したものである。ASP−PCR法により設計されたASP PrimerA/Gは、3’末端から2塩基目にSNPに対応する塩基を配置したものである。また、特許文献2に記載の方法(ASP−PCR法に変異をいれたもの)により設計されたASP+MM PrimerA/Gは、3’末端から2塩基目にSNPに対応する塩基を配置し、3塩基目の塩基を置換したものである。本発明の核酸検出方法により設計されたINS−SP PrimerA/Gは、3’末端から3塩基目にSNPに対応する塩基を配置し、5塩基目の5’側に2塩基を挿入したものである。さらに、本発明の核酸検出方法の対照として、塩基を挿入せず、3’末端から3塩基目にSNPに対応する塩基を配置したINS−SPC PrimerA/Gも設計した。
<核酸伸長反応及び伸長産物の検出>
表5のように設計した各プライマーをそれぞれ用いてPCRを行い、PCR産物を検出した。リバースプライマーは全てrs4994 Rv Primerを用いた。また、鋳型として、rs4994のSNPがヘテロ体であることが予めわかっているゲノムサンプル(AG)、Aアレルのホモ体であることが予めわかっているゲノムサンプル(AA)、Gアレルのホモ体であることが予めわかっているゲノムサンプル(GG)をそれぞれ用いた。
具体的には、5μLの2×QIAGEN Multiplex PCR Master Mix(QIAGEN社製)に対して、5ngの各ゲノムサンプルと、フォワードプライマーとリバースプライマーを最終濃度が500nMとなるようにそれぞれ添加し、10μLの反応溶液を調製した。該反応溶液を、95℃で15秒間処理した後、95℃で30秒間、68℃で6分間の熱サイクルを40サイクル行うことにより、PCRを行った。その後、得られた反応溶液中のPCR産物量を、2100BIOANALYZER(Agilnet社製)で確認したバンドパターンを画像解析し数値化した。算出されたPCR産物量の結果を図3A〜図3Eに示す。
図3AはSSP PrimerA/Gを、図3BはASP PrimerA/Gを、図3CはASP+MM PrimerA/Gを、図3DはINS−SP PrimerA/Gを、図3EはINS−SPC PrimerA/Gを、それぞれ用いた場合のPCR産物量を示したものである。図中、GGはゲノムサンプル(GG)を、AGはゲノムサンプル(AG)を、AAはゲノムサンプル(AA)を、それぞれ用いた場合の結果を示している。この結果、SSP PrimerA/G、ASP PrimerA/G、ASP+MM PrimerA/Gのいずれを用いた場合も、アレルと対応するシグナルは得られなかった。また、INS−SP PrimerA/Gを用いた場合には、アレルと対応するシグナルが得られたが、挿入又は欠損部位のないINS−SPC PrimerA/Gを用いた場合には、アレルに対する特異性は検出されなかった。したがって、本発明の核酸検出方法を用いることにより、長鎖プライマーを用いた場合に、従来になく高精度にSNPを検出し得ることが明らかである。
塩基を欠損した挿入又は欠損部位を有する検出対象塩基識別用プライマーを用いて、標的核酸の検出を試みた。検出対象のSNPは、実施例3と同様に、NCBIのアクセッション番号がrs4994のSNP(A/G)を用いた。
<プライマーの設計>
実施例3において用いたINS−SPC PrimerA/Gの3’末端から6塩基目と7塩基目を欠損させたDEL−SP PrimerA/Gを設計した。設計した各プライマーの配列を表6に示す。
<核酸伸長反応及び伸長産物の検出>
フォワードプライマーとして、表6のように設計したDEL−SP PrimerA/Gと、を用いた以外は、実施例3と同様にして、PCRを行い、得られた反応溶液中のPCR産物量を測定した。算出されたPCR産物量の結果を図4に示す。図中、GGはゲノムサンプル(GG)を、AGはゲノムサンプル(AG)を、AAはゲノムサンプル(AA)を、それぞれ用いた場合の結果を示している。この結果、DEL−SP PrimerA/Gを用いた場合には、アレルのタイプとPCR産物量は相関していた。これらの結果から、挿入又は欠損部位として、塩基を欠損させた場合にも、挿入させた場合と同様に、塩基の識別能が高いプライマーを得られることが明らかである。
本発明の核酸検出方法を用いることにより、プライマーの塩基長の長短に関わらず、検出対象塩基がたった一塩基であっても、十分な精度で検出しえるため、SNP解析等の、多数の核酸試料中の標的核酸の検出が要求されるような遺伝子解析医療機関等における遺伝子解析等の分野において利用が可能である。

Claims (16)

  1. 1以上の検出対象塩基を含む標的塩基配列を有する核酸が、核酸試料中に含有されているか否かを検出する方法であって、
    (a)該核酸試料;前記標的塩基配列中の前記検出対象塩基を含む部分領域と相同的又は相補的な塩基配列の、前記検出対象塩基に対応する塩基よりも5’末端側に、1以上の塩基による挿入又は欠損部位を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドである、検出対象塩基識別用プライマー;及びポリメラーゼを用いた核酸伸張反応を行う工程;及び
    (b)前記工程(a)において伸長された産物を検出する工程;
    を有する核酸検出方法。
  2. 前記検出対象塩基識別用プライマーの前記挿入部位又は前記欠損部位が、該プライマーの3’末端から3塩基目よりも5’末端側にあることを特徴とする、請求項1記載の核酸検出方法。
  3. 前記検出対象塩基識別用プライマーの前記挿入部位又は欠損部位が、該プライマーの3’末端から20塩基目よりも3’末端側にあることを特徴とする、請求項2記載の核酸検出方法。
  4. 前記工程(a)の前に、
    (c)前記核酸試料中の核酸;及び
    前記検出対象塩基識別用プライマーと相補的な配列を5’末端に有し、前記検出対象塩基を含む部分領域以外の前記標的塩基配列の部分領域と相同的又は相補的な塩基配列を3’末端に有するポリヌクレオチドである増幅用プライマー;
    を用いて、当該核酸の伸長反応を行い、標的塩基配列の3’末端に検出対象塩基識別用プライマーと相同的な塩基配列を有する核酸を得る工程;
    を有し、
    前記工程(a)において、前記工程(c)において得られた核酸の標的塩基配列部分を鋳型とし、前記工程(c)において得られた核酸の3’末端部分を検出対象塩基識別用プライマーとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  5. 前記挿入部位が、1〜3塩基の挿入による部位であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸検出方法。
  6. 前記欠損部位が、1〜3塩基の欠損による部位であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  7. 前記核酸伸張反応が、熱変性工程と、アニーリング工程と、伸張工程とを繰り返し行う反応であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  8. 前記アニーリング工程におけるアニーリング温度と、前記伸張工程における伸張反応温度とが同一であることを特徴とする請求項7記載の核酸検出方法。
  9. 前記検出対象塩基識別用プライマーが、30塩基長以上のポリヌクレオチドであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  10. 前記検出対象塩基識別用プライマーと、前記標的塩基配列を有する核酸とのアニーリング温度が68℃以上であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  11. 前記アニーリング工程におけるアニーリング時間と伸長反応時間の和が3分間以上であることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  12. 前記アニーリング工程におけるアニーリング時間を、サイクルごとに延長することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  13. 最終サイクルにおけるアニーリング時間が3分間以上であることを特徴とする請求項12記載の核酸検出方法。
  14. 前記ポリメラーゼが鎖交換活性を有する酵素であり、前記核酸伸張反応が、一定温度条件下で、アニーリング工程と伸張工程とを繰り返し行う反応であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の核酸検出方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の核酸検出方法に用いるキットであって、検出対象塩基識別用プライマーを有することを特徴とする核酸検出用キット。
  16. さらに、ポリメラーゼ及び反応用緩衝液を有することを特徴とする、請求項15記載の核酸検出用キット。
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