JP4752071B2 - 一塩基多型の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、標的となる核酸中の一塩基多型を検出する方法及びそのキットに関する。さらに詳しくは、標的となる核酸中の一塩基多型を、簡便に、高感度に検出する方法及びそのキットに関する。
一塩基多型(SNPs)は、ゲノムDNA上に存在する個体間の違いであり、ヒト等における種々の疾患や種々の表現形質の違いを生じうる。したがって、かかるSNPsは、遺伝子疾患の解析、個体間の識別等に利用されている。
前記SNPsの検出は、例えば、電気泳動における移動度の違い、プライマー伸長、蛍光物質、放射性物質等の標識物質により標識されたプローブを用いたハイブリダイゼーション、PCRによる増幅等に基づくタイピング等による検出方法等により行なわれている。
前記検出方法としては、具体的には、例えば、分析対象DNA断片と基準DNA断片とについて、多型による二次構造の差異の拡大を指標として電気泳動における断片の分離が大きくなる温度条件下に、ヘテロ接合型の基準DNA断片と、分析対象DNA断片とを、同一のキャピラリで同時に、電気泳動分離し、前記基準DNA断片によりピークの補正を行ない、分析対象DNA断片のヘテロ接合性の消失の有無を調べる、検出方法(特許文献1);試料中に含まれる特定の一塩基多型部位を含む染色体又はその断片に、野生型用プライマー及び1種又は2種の変異型用プライマーを同時に又は別々に、DNAポリメラーゼと共に作用させ、プライマーに基づく伸長の有無を調べる、検出方法(特許文献2);解析対象のゲノムDNAと複数対のプライマーとを用いて、少なくとも1つの一塩基多型部位を含む複数の塩基配列を増幅し、タイピングを行なう、検出方法(特許文献3);一塩基多型部位を含む基準配列用及び変異配列用の2種の特異的プライマーとユニバーサルプライマーとを用いて、目的配列部分を増幅し、得られた反応液を電気泳動し、増幅産物の有無を調べる、検出方法(特許文献4);生物学的試料と、標的核酸の領域が変更のない場合に該領域に連続的にハイブリダイズする複数の一本鎖ペプチド核酸とを接触させ、ついで、ミスマッチ核酸(一本鎖核酸)を分解する薬剤を添加し、その後、分解産物の存在を調べる、検出方法(特許文献5)等が挙げられる。
しかしながら、前記特許文献に記載の手法によれば、電気泳動における温度条件の検討、電気泳動、ピークの補正、DNAポリメラーゼ反応の条件の検討、伸長の有無の検出のための条件の設定、増幅反応条件の検討、タイピングのための条件の検討、増幅反応条件の検討、増幅産物の有無の検出等の複数の複雑な手順を組み合わせて行なわれるため、操作が煩雑であり、時間を要するという欠点がある。
特開2002−78500号公報 国際公開第01/042498号パンフレット 特開2002−300894 特開2003−52372 特表2004−521630
本発明の1つの側面は、核酸中の一塩基多型を高感度に検出すること、標識物質による標識の工程を行なうことなく、簡便に核酸中の一塩基多型を検出すること、低コストで核酸中の一塩基多型を検出すること等の少なくとも1つを可能にする、核酸中の一塩基多型の検出方法を提供することにある。また、本発明の他の側面は、前記検出方法を効率よく簡便に低コストで行なうこと等を可能にする、キットを提供することにある。なお、本発明の他の課題は、本明細書の記載等から導かれうる。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕 (A))少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、又は
ii)少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
と、
(B)バルジ塩基認識可能な化合物と、
(C)前記評価対象核酸と、
を混合し、
前記核酸プローブと評価対象核酸とがハイブリダイズした際に形成されるシトシンバルジ又はチミンバルジを認識する前記(B)の化合物に基づくシグナルを検出し、
前記一塩基多型を評価することを特徴とする一塩基多型の検出方法であって、
前記(B)バルジ塩基認識可能な化合物が、2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物である、一塩基多型の検出方法、
〔2〕 下記1)〜4):
1)前記一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む野生型評価対象核酸と、該野生型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
2)前記一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む変異型評価対象核酸と、該変異型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
3)前記野生型評価対象核酸と、前記変異型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、及び
4)前記変異型評価対象核酸と、前記野生型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
のそれぞれに結合した前記(B)のバルジ塩基を認識可能な化合物に基づくシグナルの変動に基づき、評価対象核酸における一塩基多型を同定する、前記〔1〕記載の検出方法
〔3〕 前記シグナルが蛍光である前記〔1〕又は〔2〕に記載の検出方法
〔4〕 前記2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物が、下記式(II):
Figure 0004752071
に示される2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンである、前記〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載の検出方法、並びに
〕 i’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基に置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
ii’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
と、
i’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基に置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
ii’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
と、
バルジ塩基認識可能な2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物
を含有してなる、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1項に記載の核酸中の一塩基多型の検出方法に用いるためのキット、
に関する。
本発明の検出方法によれば、核酸中の一塩基多型を、標識物質による標識等の複雑な工程を組み合わせて行なうことなく、低コストで、簡便に、高感度に検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明のキットによれば、前記検出方法を効率よく簡便に低コストで行なうことができるという優れた効果を奏する。
図1は、標的対象核酸に対する核酸プローブの使用例の1例を示す模式図である。図中、下線を付した太字は、評価対象となる一塩基多型の位置を示す。また、黒丸は、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンを示す。
図2は、種々の条件下における10μM 2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの吸光スペクトル及び蛍光スペクトルを示す図である。図中、左パネルは、300nm〜450nmにおける吸光スペクトルを示す。また、右パネルは、10μM 2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光スペクトルを示す。蛍光測定のための励起波長は、各吸収スペクトルにおける吸収極大である。
図3は、アデニンバルジ、チミンバルジ、シトシンバルジ及びグアニンバルジに結合した10μM 2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの吸光スペクトル及び蛍光スペクトルを示す図である。図中、左パネルは、300nm〜450nmにおける吸光スペクトルを示す。また、右パネルは、10μM 2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光スペクトルを示す。蛍光測定のための励起波長は、各吸収スペクトルにおける吸収極大である。
図4は、Cアレル又はAアレルの存在下におけるバルジに結合した2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光に基づく蛍光スペクトルを示す。図4中、A alleleは、配列番号:1に示される塩基配列を含有した核酸、T probeは、配列番号:2に示される塩基配列を含有した核酸、G probeは、配列番号:3に示される塩基配列を含有した核酸、C alleleは、配列番号:4に示される塩基配列を含有した核酸、I probeは、配列番号:5に示される塩基配列を含有した核酸を示す。
本発明は、1つの側面では、核酸中の一塩基多型の検出方法に関する。本発明の検出方法は、具体的には、(A)I)少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を有する核酸プローブ、又は
II)少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を有する核酸プローブ、
と、
(B)バルジ塩基認識可能な化合物と、
(C)前記評価対象核酸と、
を混合し、
前記核酸プローブと評価対象核酸とがハイブリダイズした際に形成されるシトシンバルジ又はチミンバルジを認識する前記(B)の化合物に基づくシグナルを検出し、
前記一塩基多型を評価することを特徴とする方法である。
本発明は、ナフチリジン環を含む化合物が、バルジ構造に特異的に結合することにより、結合前の吸収極大の波長からシフトし、バルジ塩基に隣接するヌクレオチドにより形成される塩基対の種類により蛍光強度が変動するという本発明者らの驚くべき知見に基づく。本発明者らは、一塩基多型を有する核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であり、一塩基多型に対合する位置に隣接してバルジ塩基を含むプローブと前記一塩基多型を有する核酸とをハイブリダイズさせることによりバルジ構造を含むデュプレックスを形成させ、次いでナフチリジン環を含む化合物をバルジ塩基と結合させて蛍光を測定し、一塩基多型が存在する位置のヌクレオチドが異なることに起因する蛍光強度の変動から一塩基多型を検出できることを見出した。
本明細書において、「塩基」とは、特に断りのない限り、デオキシリボヌクレオチドをいう。したがって、本明細書において、「シトシン」(C)、「チミン」(T)、「アデニン」(A)及び「グアニン」(G)は、特に断りのない限り、それぞれのデオキシリボヌクレオチド、すなわち、それぞれ、「2’−デオキシシチジン」「2’−デオキシチミジン」、「2’−デオキシアデノシン」及び「2’−デオキシグアノシン」を意味する。
また、本明細書において、「少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸」とは、少なくとも一つ、より具体的には、1〜5個の一塩基多型が存在することが確認されている核酸であって、特に断りのない限り、一塩基多型の位置に存在するヌクレオチドは、野生型ヌクレオチド及び変異型ヌクレオチドのいずれをも含む。さらに、本明細書において、「一塩基多型存在位置の野生型ヌクレオチド」とは、一塩基多型が確認されている部位のヌクレオチドであって、いわゆる正常型の塩基配列中のかかる部位のヌクレオチドをいい、「一塩基多型存在位置の変異型ヌクレオチド」とは、一塩基多型が確認されている部位のヌクレオチドであって、いわゆる変異型の塩基配列中のかかる部位のヌクレオチドをいう。
さらに、本明細書において、「バルジ塩基」とは、二本鎖DNA中の不対塩基を意味し、例えば、「バルジシトシン」又は「バルジチミン」とは、それぞれ、二本鎖DNA中の一方の一本鎖DNAに対して、余剰となるシトシン又はチミンであり、塩基対を形成しないものをいう。かかるバルジ塩基によるバルジ構造は、人為的には、例えば、特定の塩基配列からなる一本鎖DNAと、該塩基配列において、任意の位置に1つの余剰ヌクレオチドをさらに含む塩基配列からなる一本鎖DNAとをハイブリダイゼーションさせたときに、バルジ構造を含むデュプレックスとして生じさせうる。本発明においては、一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置に付加されたシトシン残基若しくはチミン残基が、前記バルジ塩基に該当する。
また、「シトシンバルジ」又は「チミンバルジ」は、対応する一本鎖DNAに対して、1つのシトシン又はチミンの余剰により生じるバルジを意味する。
本明細書において、「バルジ塩基を認識可能な化合物」とは、例えばデュプレックス中に存在するバルジ塩基と水素結合を形成することによって、バルジ塩基を有するデュプレックスを安定化させる化合物を意味し、具体的には、ナフチリジン環を有する化合物、2,6−ジアミノピリジン、及びキサンチンなどが挙げられる。中でも、検出及び評価の容易さから、シグナルとして蛍光を発するナフチリジン環を有する化合物が好ましい。
本発明の検出方法は、バルジ塩基を認識可能な化合物としてナフチリジン環を有する化合物を用いることにより、蛍光物質等の標識物質を用いることなく、一塩基多型を検出することができるという優れた効果を発揮する。そのため、本発明の検出方法では、伸長反応、増幅反応、酵素反応(例えば、前記伸長反応、増幅反応、ミスマッチ核酸の分解反応等)条件の検討、電気泳動条件の検討、標識物質による標識等の複雑な工程を行なうことなく、簡便に、一塩基多型を検出することができる。さらに、前記ナフチリジン環を含む化合物は、バルジに特異的に結合するため、バックグラウンドシグナルレベルを低減させ、高感度での一塩基多型の検出が可能になる。
前記ナフチリジン環を含む化合物は、バルジへの結合により、該ナフチリジン環を含む化合物の吸収極大を示す波長が、シフトし、かつ該バルジ塩基に隣接するヌクレオチド残基と対をなすヌクレオチド残基の種類(すなわち、アレル)に応じて、蛍光強度が変動する。したがって、かかる吸収極大を示す波長のシフトにより、バルジへの結合を評価でき、蛍光強度の変動により、一塩基多型を評価できる。
前記ナフチリジン環を含む化合物としては、下記(I):
Figure 0004752071
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、第1級アミン残基、第2級アミン残基又は第3級アミン残基を示す)
に示される2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物等が挙げられる。前記第1級アミン残基としては、−NH基が挙げられる。また、前記第2級アミン残基としては、例えば、−NH(CHNH基、−NH(CHNH基、−NH(CHNH(CH)基等が挙げられる。さらに、前記第3級アミン残基としては、例えば、−N(CH)(CHNH基等が挙げられる。本発明においては、バルジ塩基との水素結合形成の観点から、好ましくは、第2級アミン残基であることが望ましく、より好ましくは、前記R及びRの両方が、第2級アミン残基であることが望ましい。
前記2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物としては、具体的には、例えば、下記式(II):
Figure 0004752071
に示される2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンが挙げられる。前記2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンは、例えば、特開2004−262827号公報に記載の方法により合成されうる。前記2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンは、10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)の条件下、単独では、吸収極大が、376nmで見られ、シトシンバルジとの結合により、396nmに20nmシフトし、蛍光強度の極大値を示す波長が、398nmから430nmに約32nmシフトする。
なお、本発明においては、前記2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンと同等の性質、すなわち、例えば、蛍光を生じ、バルジへの結合能を有し、かつバルジとの結合により吸収極大波長がシフトするとともに、アレルにより蛍光強度が変化する性質を示すものであれば、前記2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの誘導体化合物であってもよい。かかる誘導体化合物の例としては、下記式(III):
Figure 0004752071
〔式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基であり、l、m及びnは、それぞれ独立して1〜6の自然数を示す〕に示される化合物、下記式(IV):
Figure 0004752071
〔式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基であり、o及びpは、それぞれ独立して1〜6の自然数を示す〕
に示される化合物等が挙げられる。
前記式(III)に示される化合物において、前記R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基であり、蛍光を生じ、バルジへの結合能を有し、かつバルジとの結合により吸収極大波長がシフトするとともに、アレルにより蛍光強度が変化する性質を十分に発揮させる観点から、好ましくは、一方がアミノ基であることが望ましい。また、前記l、m及びnは、それぞれ独立して1〜6の自然数である。蛍光を生じ、バルジへの結合能を有し、かつバルジとの結合により吸収極大波長がシフトするとともに、アレルにより蛍光強度が変化する性質を十分に発揮させる観点から、前記lが、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上であり、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下、さらに好ましくは、4以下であることが望ましく、具体的には、好ましくは、2〜6であり、より好ましくは、3〜5であり、さらに好ましくは、3〜4であることが望ましい。また、前記と同様の観点から、前記mが、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上であり、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下、さらに好ましくは、4以下であることが望ましく、具体的には、好ましくは、2〜6であり、より好ましくは、3〜5であり、さらに好ましくは、3〜4であることが望ましい。さらに、前記と同様の観点から、前記nが、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上であり、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下、さらに好ましくは、4以下であることが望ましく、具体的には、好ましくは、2〜6であり、より好ましくは、3〜5であり、さらに好ましくは、3〜4であることが望ましい。
また、前記式(IV)に示される化合物において、前記R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基であり、蛍光を生じ、バルジへの結合能を有し、かつバルジとの結合により吸収極大波長がシフトするとともに、アレルにより蛍光強度が変化する性質を十分に発揮させる観点から、好ましくは、少なくとも一方がアミノ基であることが望ましい。また、前記o及びpは、それぞれ独立して1〜6の自然数である。蛍光を生じ、バルジへの結合能を有し、かつバルジとの結合により吸収極大波長がシフトするとともに、アレルにより蛍光強度が変化する性質を十分に発揮させる観点から、前記oが、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上であり、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下、さらに好ましくは、4以下であることが望ましく、具体的には、好ましくは、2〜6であり、より好ましくは、3〜5であり、さらに好ましくは、3〜4であることが望ましい。また、前記同様の観点から、前記pが、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上であり、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下、さらに好ましくは、4以下であることが望ましく、具体的には、好ましくは、2〜6であり、より好ましくは、3〜5であり、さらに好ましくは、3〜4であることが望ましい。
本発明の核酸プローブが、少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸又は該評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズする際のハイブリダイゼーションは、1mM〜1M、好ましくは10〜100mMの塩化ナトリウムを含むpH5〜8、好ましくはpH6〜7の緩衝溶液、好ましくはリン酸緩衝液中で行うことが望ましい。
本発明の前記I)の核酸プローブの一つの態様は、一塩基多型を含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に相当する塩基配列を有し、評価対象核酸中の一塩基多型の部位に存在するヌクレオチドと塩基対形成するヌクレオチドに隣接した位置にシトシン残基またはチミン残基が付加された核酸であり、前記II)の核酸プローブの一つの態様は、I)の核酸プローブに対して相補的な塩基配列、すなわち、一塩基多型を含む評価対象核酸のセンス鎖に相当する塩基配列を有し、一塩基多型の部位に存在するヌクレオチドに隣接した位置にシトシン残基またはチミン残基が付加された核酸である。従って、前記I)又はII)のプローブの一つの態様は、I)一塩基多型の存在するヌクレオチドを含む連続した塩基配列のアンチセンス鎖に相当する塩基配列であり、前記一塩基多型存在位置に対応する該アンチセンス鎖上の位置の5’若しくは3’末端側に隣接してシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を含有した核酸プローブ、又は
II)一塩基多型の存在するヌクレオチドを含む連続した塩基配列に相当する塩基配列であり、前記一塩基多型存在位置に対応する位置の5’若しくは3’末端側に隣接してシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を含有した核酸プローブ、と言い換えることもできる。
本発明に用いられる核酸プローブとしては、一塩基多型の存在位置に野生型ヌクレオチドを含む核酸プローブ及び一塩基多型の存在位置に変異型ヌクレオチドを含む核酸プローブが挙げられる。
本発明の検出方法は、用いられる核酸プローブが、標的核酸中の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を含有している点にも1つの大きな特徴がある。したがって、本発明の検出方法においては、前記核酸プローブが、一塩基多型の評価対象核酸とハイブリダイゼーションすることにより、前記ナフチリジン環を含む化合物が認識し、結合するバルジ構造を生じるため、前記ナフチリジン環を含む化合物のシトシンバルジ又はチミンバルジ特異的な結合を導くことができ、バックグラウンドシグナルレベルを低減させ、高感度での検出が可能になる。ここで、5’若しくは3’末端側に隣接して付加されたシトシン残基若しくはチミン残基は、前記「バルジ塩基」に該当する。バルジ構造は、一塩基多型の評価対象核酸と核酸プローブとをハイブリダイゼーションさせたときに、核酸プローブがバルジ塩基を有することにより生じる。ナフチリジン環を含む化合物は、バルジ塩基と水素結合を形成することよって、バルジ構造を認識し、結合する。
なお、前記核酸プローブにおいて、バルジ塩基に隣接する塩基が、グアニンである場合、前記バルジ塩基を認識可能な化合物に基づくシグナルの消光を抑制する観点から、i)少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を含有した核酸プローブ、又は
ii)少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
が好ましい。
前記i)又はii)の核酸プローブの一つの態様は、i)一塩基多型の存在するヌクレオチドを含む連続した塩基配列のアンチセンス鎖に相当する塩基配列であり、前記一塩基多型存在位置に対応する該アンチセンス鎖上の位置の5’若しくは3’末端側に隣接してシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を含有した核酸プローブ、又は
ii)一塩基多型の存在するヌクレオチドを含む連続した塩基配列に相当する塩基配列であり、前記一塩基多型存在位置に対応する位置の5’若しくは3’末端側に隣接してシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を含有した核酸プローブ、
である。
すなわち、前記i)及びii)の核酸は、一塩基多型の存在位置に隣接する塩基が、シトシンである場合に好適である。
したがって、本発明の検出方法では、評価対象となる一塩基多型の存在位置に隣接するヌクレオチド、前記一塩基多型存在位置の周辺の塩基配列に応じて、適宜核酸プローブの種類を選択することができる。
前記「一塩基多型の存在位置に野生型ヌクレオチドを含む核酸プローブ」としては、具体的には、I’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を有する核酸プローブ、
II’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を有する核酸プローブ、
i’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基に置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
ii’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
等が挙げられる。
前記「一塩基多型の存在位置に変異型ヌクレオチドを含む核酸プローブ」としては、具体的には、I’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を有する核酸プローブ、
II’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加された塩基配列を有する核酸プローブ、
i’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基に置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
ii’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
等が挙げられる。
本発明の検出方法においては、より具体的には、
1)前記一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む野生型評価対象核酸と、該野生型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
2)前記一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む変異型評価対象核酸と、該変異型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
3)前記野生型評価対象核酸と、前記変異型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、及び
4)前記変異型評価対象核酸と、前記野生型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
のそれぞれに結合した前記(B)のナフチリジン環を含む化合物に基づく前記シグナルの変動に基づき、評価対象核酸における一塩基多型を同定する。標的対象核酸に対する前記核酸プローブの使用例の1例を示す模式図を、図1に示す。
具体的には、例えば、評価対象核酸の一塩基多型の存在位置において、核酸プローブとのグアニン−シトシン(GC)塩基対を形成している場合、評価対象核酸と、野生型プローブ又は変異型プローブとの間に形成されたバルジに結合した前記(B)のナフチリジン環を含む化合物に基づく蛍光は消光し、アデニン−チミン(AT)塩基対を形成している場合、評価対象核酸と、野生型プローブ又は変異型プローブとの間に形成されたバルジに結合した前記(B)のナフチリジン環を含む化合物に基づく蛍光が検出されうる。ここで、一塩基多型の存在位置にアデニンが存在している場合には、アデニン?チミン(AT)塩基対で強く蛍光が観測され、アデニン?アデニン(AA)ミスマッチ塩基対では蛍光強度は半減する。一方、一塩基多型の存在位置にチミンが存在している場合、チミン?アデニン(TA)塩基対で蛍光が観測され、チミン?チミン(TT)塩基対では、蛍光は大幅に減少する。なお、一塩基多型の存在するヌクレオチド及び/又はそれに隣接するヌクレオチドがシトシン残基である場合には、核酸プローブの対応位置のグアニン残基をイノシン残基にかえて用いられる。ここで、シトシン−イノシン(CI)塩基対を形成している場合には、評価対象核酸と、野生型プローブ又は変異型プローブとの間に形成されたバルジに結合した前記(B)のナフチリジン環を含む化合物に基づく蛍光が検出されうる。一塩基多型の存在位置にグアニンが存在し、グアニンにシトシンが隣接し、かつ(YY’)が(TA)である場合には、シトシンバルジを一塩基多型の位置のグアニンとYY’塩基対の間に位置するようにプローブを設計し、隣接するグアニン塩基による蛍光消光を避ける。一塩基多型の存在位置にグアニンが存在し、グアニンにシトシンが隣接し、かつ(YY’)が(GC)である場合には、シトシンバルジを一塩基多型の位置のグアニンの5’側もしくは3’側に位置させても、グアニンが隣接するために蛍光消光を避けることが出来ない。この場合には、反対側のストランドの一塩基多型位置に存在するシトシンを含むストランドのタイピングを検討する。したがって、本発明の検出方法によれば、これらの一塩基多型の存在部位の塩基対の種類による蛍光又は消光の挙動を基に、一塩基多型の評価を行なうことができる。
前記核酸プローブの長さは、バルジDNAについて、十分な安定性及び高い配列特異性を十分に発揮させる観点から、15ヌクレオチド残基以上、好ましくは、20ヌクレオチド残基以上であり、40ヌクレオチド残基以下であり、好ましくは、30ヌクレオチド残基であることが望ましい。
本発明の検出方法において、(A)核酸プローブと、(B)ナフチリジン環を含む化合物と、(C)一塩基多型の評価対象核酸との混合に際して、前記(A)、(B)及び(C)は、二本鎖形成を十分に行ない、十分な蛍光強度を得る観点から、好ましくは、(C)/(A)〔モル比〕が、1/5〜1であり、(C)/(B)〔モル比〕が、1/100〜1/20、より好ましくは、(C)/(A)〔モル比〕が、1/12〜1であり、(C)/(B)〔モル比〕が、1/50〜1/30となるように混合することが望ましい。
前記混合の際のpH条件は、ナフチリジン環を含む化合物等のバルジ塩基を認識可能な化合物のシグナル、バルジへの該化合物の結合に基づく吸収極大波長のシフト、蛍光強度等の検出を効率よく行なう観点、核酸の安定性の観点から、好ましくは、pHが、5以上、より好ましくは、6以上、さらに好ましくは、6.5以上であり、ナフチリジン環を含む化合物とバルジ塩基との結合を十分に行なう観点及び十分な蛍光強度を発揮させる観点から、好ましくは、pHが、9以下、より好ましくは、8以下、さらに好ましくは、7.5以下であることが望ましい。
また、前記混合の際には、例えば、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が用いられうる。
なお、本発明の検出方法においては、前記(A)の核酸プローブと、(B)のナフチリジン環を含む化合物と、(C)の一塩基多型の評価対象核酸との混合は、前記(A)の核酸プローブと(C)の一塩基多型の評価対象核酸とを混合して、バルジ構造を形成させた後、前記(B)のナフチリジン環を含む化合物をさらに混合してもよく、前記(A)の核酸プローブと、(B)のナフチリジン環を含む化合物と、(C)の一塩基多型の評価対象核酸とを同時に混合してもよい。
バルジ塩基に結合したナフチリジン環を含む化合物に基づく蛍光強度は、バルジ塩基に結合していない前記(B)のナフチリジン環を含む化合物に由来する蛍光との区別化を十分に行なう観点から、シトシンバルジの場合には、好ましくは、400〜480nm、より好ましくは、430nm付近における蛍光強度であることが望ましい。
本発明は、別の側面では、本発明の核酸中の一塩基多型の検出方法に用いるためのキットに関する。本発明のキットは、前記核酸プローブと、前記ナフチリジン環を含む化合物とを含有することを特徴とする。本発明のキットは、前記核酸プローブと、前記ナフチリジン環を含む化合物とを含有しているため、本発明の検出方法を、効率よく簡便に低コストで行なうことができ、核酸中の一塩基多型を、低コストで、簡便な操作により、効率よく、高感度で検出することができるという優れた効果を発揮する。
本発明のキットは、評価対象となる一塩基多型の存在位置に隣接するヌクレオチド、一塩基多型の存在位置の周辺の塩基配列に応じて、核酸プローブの種類を適宜選択することができる。具体的には、例えば、評価対象となる一塩基多型の存在位置に隣接するヌクレオチドがシトシン残基である場合、一塩基多型の存在位置の周辺の塩基配列中におけるシトシン残基の含有量が高い場合等には、前記i)及び/又はii)の核酸プローブ、具体的には、前記i’)及び/又はii’)の核酸プローブとi’’)及び/又はii’’)の核酸プローブとの組み合わせであればよく、評価対象となる一塩基多型の存在位置に隣接するヌクレオチドがシトシン以外のヌクレオチド残基である場合、一塩基多型の存在位置の周辺の塩基配列中におけるシトシン残基の含有量が低いか、あるいはシトシン残基を含まない場合等には、前記I)又はII)の核酸プローブ、具体的には、前記I’)及び/又はII’)の核酸プローブとI’’)及び/又はII’’)の核酸プローブとの組み合わせであればよい。
本発明のキットには、前記核酸プローブを安定的に保持するための試薬、例えば、緩衝液等、前記ナフチリジン環を含む化合物を安定的に保持するための試薬、等を適宜含有していてもよい。
また、本発明のキットの提供形態は、適切な核酸プローブ、前記ナフチリジン環を含む化合物、その他の必要な試薬等の検出方法を行なうに適した試薬全てを、本発明の検出方法を行なうに適した容量及び/又は形態で含有した1つの容器として提供される形態であってもよく、核酸プローブ、ナフチリジン環を含む化合物、その他の必要な試薬等をそれぞれ別の容器により提供される形態であってもよい。また、かかるキットには、キットに含まれる成分を用いて、本発明の検出方法を行なうための手順等を記載した説明書を含有していてもよい。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
前記式(I)に示される2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジン(10μM)を、pH8.5、pH7.0若しくはpH5.0それぞれの10mM リン酸ナトリウム緩衝液又は下記式(V):
Figure 0004752071
に示される、シトシンバルジを有するデュプレックス(30μM)を含むpH7.0の10mM リン酸ナトリウム緩衝液と混合し、300nm〜450nmの波長における吸収及び350nm〜500nmの波長における蛍光強度を、商品名:RF−5300PC(株式会社島津製作所社製)で測定した。結果を図2に示す。但し、実施例1は参考例である。
その結果、図2に示されるように、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンは、シトシンバルジとの結合により、pH7.0で、吸収極大値を示す波長が、364nmから394nmに30nmシフトとし、蛍光強度の極大値を示す波長が、398nmから430nmに32nmシフトする。:
したがって、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンにより、バルジを形成する核酸が検出できることが示唆された。また、前記図2の結果より、中性条件で効率よく検出が行なえることがわかった。
前記式(I)に示される2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジン(10μM)を、完全なデュプレックス(30μM)、アデニンバルジ、チミンバルジ、シトシンバルジ又はグアニンバルジを有するデュプレックス(30μM)の存在下に、pH7.0の10mM リン酸ナトリウム緩衝液と混合し、300nm〜450nmの波長における吸収及び350nm〜500nmの波長における蛍光強度を、商品名:RF−5300PC(株式会社島津製作所社製)で測定した。結果を図3に示す。但し、実施例2は参考例である。
図3に示されるように、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジン(10μM)は、シトシンバルジ又はチミンバルジと結合した場合に、完全なデュプレックスと結合した場合と比べて顕著に長波長側にシフトすることがわかる。さらに、前記図3の結果より、核酸プローブは、シトシンバルジ又はチミンバルジを形成するように設計することにより、一塩基多型の検出を効率よく行なうことができることが示唆された。
下記式(VI):
Figure 0004752071
に示されるデュプレックス中、5’−・・・−X−Y−・・・−3’(評価対称核酸)と3’−・・・−Z−N−W−・・・−5’(核酸プローブ)とから形成されるバルジ構造(以下、「X_Y/ZNW」と表記する)が、T_A/ACT、T_A/ACG、T_C/ACI、T_C/ACT又はT_C/ACGであるデュプレックスを用いた。Aアレル(A allele)及びCアレル(C allele)(配列番号:4)と、一塩基多型部位の3’末端側の1つの余剰シトシン残基を含む相補的なTプローブ(T probe)(配列番号:2)及びGプローブ(G probe)(配列番号:3)とのハイブリダイゼーションにより、図4の左パネルに示されるように、シトシンバルジを含む4つのデュプレックスを生成させた。これらの4つのデュプレックスの2つにおけるシトシンバルジが、ワトソン−クリック塩基対(T_A/ACT及びT_C/ACG)に隣接するが、他の2つのデュプレックスにおけるシトシンバルジは、ミスマッチA−G塩基対及びC−T塩基対(それぞれ、T_A/ACG及びT_C/ACT)に隣接する。
前記2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンとシトシンバルジとの結合に基づく蛍光強度を、商品名:RF−5300PC(株式会社島津製作所社製)で測定した。結果を図4の右パネルに示す。
図4の右パネルに示されるように、シトシンバルジに隣接する塩基対にかかわらず、Aアレルデュプレックスに強い蛍光が観察され、Cアレルデュプレックスにごく微弱な発光が検出された。
一方、ピーク高さにより決定された424nmにおけるAアレルデュプレックスの相対蛍光強度は、Cアレルデュプレックスの相対蛍光強度の約5.5倍であった。T_C/ACGにおけるC−G塩基対と対照的に、T_A/ACG中におけるAGミスマッチ塩基対は、隣のシトシンバルジに結合した2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光を消光しなかった。また、吸光度測定により、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンが、T_C/ACT中におけるCTミスマッチに隣接したシトシンバルジに結合しないことがわかった。
2つの一塩基多型のアレルと、該アレルに相補的であり、かつ一塩基多型部位に対応する位置に隣接してバルジ塩基を含む2つのプローブとを組み合わせた各デュプレックスに2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンを添加し、バルジ構造と結合させ、394nmにおける励起による蛍光測定を行い、各デュプレックス間の蛍光強度の変動により多型部位におけるヌクレオチド塩基を決定することができることが示唆された。
これらの解析において、424nmにおける2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光が、1)2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンが、シトシンバルジに結合した場合、及び
2)シトシンバルジに隣接した塩基対がCG塩基対でない場合
にのみ観察できた。したがって、Cアレルは、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光のネガティブシグナルとして検出された。
そこで、Cアレルは、Gプローブ中における一塩基多型の存在位置に対応して配置されたグアニン残基を、Iプローブ(配列番号:5)中におけるイノシン残基に置換した。その結果、前記Cアレルは、ポジティブシグナルとして良好に検出できた。イノシンは、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光を消光しないので、CI塩基対(T_C/ACI)に隣接したシトシンバルジに結合した2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンの蛍光強度は、T_C/ACGにおけるCG塩基対に隣接したシトシンバルジに結合したものに比べ、約10倍強くなった。
以上の結果、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンと、異なる塩基対に隣接するシトシンバルジを生じる核酸プローブとを組み合わせて用いることにより、均一系での一塩基多型タイピングを行なうことができることが示唆された。
下記式(VII):
Figure 0004752071
に示されるデュプレックス中、5’−・・・−A−N−・・・−3’(評価対称核酸)と3’−・・・−T−C−N−・・・−5’(核酸プローブ)とから形成されるバルジ構造(以下、「A_N/TCN」と表記する)を用いて、シトシンバルジデュプレックスを生成させ、実施例3と同様にして2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンとシトシンバルジとの結合に基づく蛍光強度を410nmにおける励起波長で測定した。なお、式(VII)中、N及びNは、独立して、T、A、C又はGのいずれかであり、これらの4つの塩基の考えられうる全ての組み合わせを使用した。また、式(VII)中、Nを含むオリゴヌクレオチドをNアレルといい、例えば、NがAである場合、Aアレルという。同様に、Nを含むオリゴヌクレオチドをNプローブといい、例えば、NがAである場合、Aプローブという。各デュプレックスから得られた蛍光強度のピークの読み取り値から検出器のバックグラウンドシグナルの読み取り値を減算することにより差分蛍光強度を得た。結果を表1に示す。
Figure 0004752071
表1より、実施例3と同様にAアレルデュプレックスに総体的に強い蛍光が見られる。対照的にGアレルデュプレックスではバックグラウンドシグナル以下の蛍光しか検出されず、差分蛍光強度としてはマイナスの値になった。
次いで、表1の結果に基づいて、塩基ごとの一塩基多型の検出能力について本発明の方法を評価した。具体的には、表1中の2つの異なるアレルと、それぞれの多型部位に相補的な塩基を有する2つのプローブとを組み合わせた4つのデュプレックスにより得られた蛍光強度を比較した。結果を表2〜7に示す。
Figure 0004752071
Figure 0004752071
Figure 0004752071
Figure 0004752071
Figure 0004752071
Figure 0004752071
表2〜7より、TからA、TからG、TからC、AからC、及びAからGの変異については蛍光強度の変動が有意に大きいため、一方を野生型アレルとし、他方を変異型アレルとした場合、それぞれの多型部位に相補的な塩基を有する本発明のプローブと組み合わせた4つのデュプレックスを生成させ、2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンを添加して4つのデュプレックスの蛍光強度を測定し、その蛍光強度の変動に基づいて、変異型アレルを同定することができることが示唆される。
そこで、式(VII)のNをイノシンにしたIプローブをGプローブの代わりに用いて各アレルとデュプレックスを生成させ、蛍光強度を測定した。結果を表8に示す。
Figure 0004752071
表8より、G以外のアレルでGプローブと比べてIプローブにより顕著に高い蛍光が得られた。次いで、表8の結果に基づいて、CからG、TからC及びAからCの変異における蛍光を比較した。結果を表9、表10、及び表11に示す。
Figure 0004752071
Figure 0004752071
Figure 0004752071
表9より、Iプローブを使用することにより、CからGの変異を検出できることがわかった。また、表10及び表11より、TからC及びAからCの変異についてもIプローブを使用することにより、Gプローブを用いた場合よりも蛍光強度の変動が大きく、本発明の一塩基多型検出の検出方法ではより良好が結果を得られることがわかった。
本発明によれば、核酸中の一塩基多型を、簡便な操作で、低コストで、高感度に検出することができる。したがって、安価で、簡便で高感度な遺伝子診断、遺伝子解析等が可能になる。
配列番号:1は、合成DNA(Aアレル)の配列である。
配列番号:2は、合成DNA(Tプローブ)の配列である。
配列番号:3は、合成DNA(Gプローブ)の配列である。
配列番号:4は、合成DNA(Cアレル)の配列である。
配列番号:5は、合成DNA(Iプローブ)の配列である。塩基番号:5のnは、イノシンである。
配列番号:6は、合成DNA(Nアレル)の配列である。塩基番号:9のnは、アデニン、シトシン、グアニン、又はチミンである。
配列番号:7は、合成DNA(Nプローブ)の配列である。塩基番号:10のnは、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、又はイノシンである。

Claims (5)

  1. (A))少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、又は
    ii)少なくとも一つの一塩基多型を含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
    と、
    (B)バルジ塩基認識可能な化合物と、
    (C)前記評価対象核酸と、
    を混合し、
    前記核酸プローブと評価対象核酸とがハイブリダイズした際に形成されるシトシンバルジ又はチミンバルジを認識する前記(B)の化合物に基づくシグナルを検出し、
    前記一塩基多型を評価することを特徴とする一塩基多型の検出方法であって、
    前記(B)バルジ塩基認識可能な化合物が、2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物である、一塩基多型の検出方法。
  2. 下記1)〜4):
    1)前記一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む野生型評価対象核酸と、該野生型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
    2)前記一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む変異型評価対象核酸と、該変異型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
    3)前記野生型評価対象核酸と、前記変異型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、及び
    4)前記変異型評価対象核酸と、前記野生型評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能である核酸プローブとの間に形成されたバルジ、
    のそれぞれに結合した前記(B)のバルジ塩基を認識可能な化合物に基づくシグナルの変動に基づき、評価対象核酸における一塩基多型を同定する、請求項1記載の検出方法。
  3. 前記シグナルが蛍光である請求項1又は2に記載の検出方法。
  4. 前記2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物が、下記式(II):
    Figure 0004752071
    に示される2,7−ジアミノ−1,8−ナフチリジンである、請求項1〜3いずれか1項に記載の検出方法。
  5. i’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基に置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
    ii’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に野生型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
    と、
    i’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基に置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
    ii’’)少なくとも一つの一塩基多型を含み、該一塩基多型存在位置に変異型ヌクレオチドを含む評価対象核酸のアンチセンス鎖に対し相補的にハイブリダイズ可能であって、前記アンチセンス鎖上の一塩基多型に対合する位置の5’若しくは3’末端側に隣接した位置にシトシン残基若しくはチミン残基が付加され、かつ該シトシン残基若しくはチミン残基に隣接して存在するグアニン残基の少なくとも1がイノシン残基にさらに置換された塩基配列を有する核酸プローブ、
    と、
    バルジ塩基を認識可能な2,7−ジアミノナフチリジン誘導体化合物
    を含有してなる、請求項1〜4いずれか1項に記載の核酸中の一塩基多型の検出方法に用いるためのキット。
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