JPWO2009060973A1 - 針状ダイヤモンド、それを用いたカンチレバー、フォトマスク修正用または細胞操作用探針 - Google Patents

針状ダイヤモンド、それを用いたカンチレバー、フォトマスク修正用または細胞操作用探針 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライエッチングや集束イオンビームでは作製困難であった、ストレート形状もしくは逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンドとその作製方法、針状ダイヤモンドを用いたカンチレバー、フォトマスク修正用または細胞操作用ダイヤモンド探針を提供すること。【解決手段】ダイヤモンド基板1上に金属膜2を形成し、前記金属膜2に凹部を形成し前記ダイヤモンド基板表面を一部露出させたのち熱化学加工を行う針状ダイヤモンドの製造方法において、前記金属膜2の膜厚を適宜選択することにより、針側面のなす角度αが0°以上10°以下である、ストレート形状を有する針状ダイヤモンド1aまたは逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンド1bを得る。【選択図】 図3

Description

本発明は、針状ダイヤモンドおよびそれを用いたカンチレバー、フォトマスク修正用または細胞操作用のダイヤモンド探針に関する。
アスペクト比の高い針状ダイヤモンドの作製方法としては、熱化学加工、水素もしくは酸素プラズマによるドライエッチング、集束イオンビームなどによる加工方法が知られている。
これらの方法により作製された針状ダイヤモンド構造は、ダイヤモンド中に不純物をドーピングすることで導電性を付与し、電子放出源,化学センサ,電極材料などへの応用が期待されている。
一方、近年の加工プロセスの改良により、アスペクト比の高い微細構造体が様々な材質で作製されている。その微細構造体の底面を走査型プローブ顕微鏡で観察するためにアスペクト比の高い探針を先端にもつカンチレバーが開発されている。一般的に、走査プローブ顕微鏡用カンチレバーの探針の材質はSiであることが多いが、より耐摩耗性の高い材質で、かつアスペクト比の高い探針が求められている。
深溝などの底面観察用に、アスペクト比が高く耐摩耗性を高くできることから、熱化学加工を用いて作製された針状ダイヤモンドを探針として備えた走査プローブ顕微鏡用カンチレバーが提案されている(特許文献1参照)。
WO2007/040283号公報
特許文献1におけるカンチレバーの探針は、Si製カンチレバーと同様に、探針の先端から底部に向かって幅が大きくなる正のテーパー形状を有しており、針状部が10μm以上の長さを有しているため、通常のハイアスペクト比構造測定用のSi製カンチレバーでは測定困難な深溝などの構造を観察することに適している。
一方、側壁面を観察するためには探針の先端から底部に向かって幅が小さくなる、逆テーパー形状が有効であるとされている。この側壁面の測定用には、逆テーパー形状の探針を有するSi製カンチレバーが開発されているが、剛性が低く側壁との相互作用により正確な形状を測定することが困難であることから、剛性の高いダイヤモンドを用いて、逆テーパー形状をもったダイヤモンド探針が求められている。
また、正のテーパー形状を有する探針は、深溝の断面形状が矩形状、すなわち試料表面に対し側壁面がほぼ垂直である場合、探針底部の太くなっている部分が試料と接触することにより深溝の底面全面を観察することができないという問題があり、先端と底部が同じ径をもつストレート形状のダイヤモンド探針が求められていた。
しかしながら、従来の熱化学加工法による針状ダイヤモンドの作製方法では、針の先端から底部に向かって幅が大きくなる正のテーパー形状をもつ針状ダイヤモンドは得られるものの、ストレート形状および逆テーパー形状を得るための作製条件は見出されていなかった。
一方で、ドライエッチングによる製造プロセスでは、ダイヤモンド表面にドライエッチングに耐性のある材質を用いてマスクを形成し、ドライエッチング後にマスク部分が残存することにより針状ダイヤモンドを得る。しかしながら、プラズマエッチングによってわずかながらマスクもエッチングされることに加えて、針状ダイヤモンドの形状がプラズマ化されたイオンの指向性に大きく依存することから、ストレート形状および逆テーパー形状を得ることは困難である。
さらに集束イオンビームに関しては、ガウス分布をもつイオンビームを利用して、ビームをリング状に走査しながら高さ方向へ移動させて針状ダイヤモンドを加工するという技術があるが、ガウス分布の形状の影響を受けるためストレート形状および逆テーパー形状を得ることができないという問題がある。すなわち、ドライエッチングもしくは集束イオンビームを用いてストレート形状および逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンドを得るには、最終的に一本毎に二次加工を施す必要がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、熱化学加工方法を用いて作製される針状ダイヤモンドにおいて、ストレート形状もしくは逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンドとその製造方法、および前記針状ダイヤモンドを用いたカンチレバー、フォトマスク修正用または細胞操作用ダイヤモンド探針を提供することを目的とする。
本発明者は、ダイヤモンド基板上に金属膜を形成し、前記金属膜に凹部を形成することで前記ダイヤモンド基板表面を一部露出させたのち、熱化学加工を行う針状ダイヤモンドの製造方法において、前記金属膜の膜厚を適宜選択することにより、図1に示すストレート形状の針状ダイヤモンド1a、または逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンド1bが得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、請求項1記載の発明は、
針の先端から針底部に向かって幅が一定なストレート形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンドである。
また、請求項2記載の発明は、
ダイヤモンド基板表面に一体に保持された針状ダイヤモンドにおいて、針の先端から針底部に向かって幅が一定なストレート形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンドである。
また、請求項3記載の発明は、
針の先端から針底部に向かって幅が小さくなる逆テーパー形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンドである。
また、請求項4記載の発明は、
ダイヤモンド基板表面に一体に保持された針状ダイヤモンドにおいて、針の先端から針底部に向かって幅が小さくなる逆テーパー形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンドである。
また、請求項5記載の発明は、
請求項1乃至4のいずれかに記載の針状ダイヤモンドにおいて、針側面のなす角度αが0°以上10°以下であることを特徴とする針状ダイヤモンドである。
また、請求項6記載の発明は、
請求項1乃至5のいずれかに記載の針状ダイヤモンドを探針として備えることを特徴とする、走査プローブ顕微鏡用カンチレバーである。
また、請求項7記載の発明は、
請求項2または4に記載の針状ダイヤモンドを備える走査プローブ顕微鏡用カンチレバーであって、前記針状ダイヤモンドが保持されている表面と逆側のダイヤモンド基板の片面が、カンチレバーの梁部と接することを特徴とする走査プローブ顕微鏡用カンチレバーである。
また、請求項8記載の発明は、
請求項1または2に記載の針状ダイヤモンドを備えることを特徴とするフォトマスク修正用または細胞操作用のダイヤモンド探針である。
本発明は、以下に記載されるような効果を有する。
請求項1乃至4に記載の発明によれば、前記金属膜の膜厚を適宜選択し、熱化学加工を行うことによって、ドライエッチング等の手法では作製が困難であったストレート形状もしくは逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンドを複雑な二次加工を施すことなく簡便に大量に製造することができるため、走査プローブ顕微鏡用カンチレバー、マスク修正、細胞操作用探針などに用いることができるという効果を有する。
請求項2または4に記載の発明によれば、針状ダイヤモンドが形成されたダイヤモンド基板から、針状ダイヤモンドを一本毎、もしくは任意の複数本毎に周辺の基板表面を含むように切り出すことによって、針状ダイヤモンドをカンチレバーの梁部など所望の位置に取り付ける際に、取り扱いが容易で、より安定した固定ができるという効果を有する。
請求項5に記載の発明によれば、図1に示す針側面のなす角度αが0°以上10°以下であることによって、ダイヤモンド探針を側壁観察用のカンチレバーとして用いる際、深溝の幅が小さい場合でも、探針の動きを妨げないという効果を有する。
請求項6記載の発明によれば、探針がストレート形状の針状ダイヤモンドを用いることにより、断面形状が垂直であるような深溝の底面を観察する際に、探針形状に制約を受けることなく底面全面を観察できるという効果を有する。また、探針が逆テーパー形状の針状ダイヤモンドを用いることにより、Si製の側壁観察用カンチレバーと比べて剛性が高いため、深溝の側壁面を観察する際に探針の追従性が良くなり、探針の寿命も長くなるという効果を有する。
請求項7記載の発明によれば、前述の効果に加えて、針状ダイヤモンドがダイヤモンド基板表面に一体に保持された面とは逆の面がカンチレバーの梁部と接して備えられていることによって、針の底部における強度を大きくすることができるという効果を有する。
請求項8記載の発明によれば、ストレート形状のダイヤモンド探針を、走査プローブ顕微鏡型フォトマスク修正装置において微細な欠陥箇所の修正加工に用いることによって、加工精度を高め、Siの材料を用いたカンチレバーに比べ探針の寿命を長くすることができるという効果を有する。また、細胞操作にストレート形状のダイヤモンド探針を用いると、例えば細胞内に探針を進入させる際にも探針長さ方向で太さが変化しないため、細胞壁を傷つけにくく、探針長さによる制約を受けにくいという効果を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図1〜図6を用いて説明する。
<針状ダイヤモンドの形成方法について>
図1および図2は、熱化学加工による針状ダイヤモンドの形成工程を示している。
針状ダイヤモンドを作製するためのダイヤモンド基板1には、天然のほか、高圧合成法や気相合成法で作製された単結晶もしくは多結晶ダイヤモンドを用いることができる。多結晶ダイヤモンドは、熱化学加工によって得られる構造体の表面に粒界に起因する凹凸が発生する可能性があるため、特に微細な構造体を得ようとする場合には、単結晶ダイヤモンドを用いることが好ましい。
当該ダイヤモンド基板1の金属膜2を形成する所望の面に対して平均表面粗さRa=1nm以下になるように鏡面研磨を行う。鏡面研磨されたダイヤモンド基板1を十分に洗浄した後、成膜装置中に設置し、鏡面研磨されたダイヤモンド基板表面上に金属膜2を形成する。
成膜する金属膜2は、Ni,Rh,Pd,Pt,Ir,W,Mo,Mn,Fe,Ti,Cr,Coなど炭素を溶解しうる金属またはそれらの合金からなる金属単結晶膜であることが好ましい。金属単結晶膜であることにより、金属膜内の結晶粒子の結晶方位が単一化され結晶粒界をなくすことができるため、熱化学加工によって針状ダイヤモンドのような微細構造を均一に作製することができる。
金属膜2を形成する方法としては、スパッタリング法,分子線エピタキシー法,真空蒸着法,イオンプレーティング法など金属単結晶膜を作製できる方法を用いことができる。スパッタリング法を用いる場合、ダイヤモンド基板1は0.01Pa〜10Paの圧力下で600℃〜1800℃の範囲で加熱しながら成膜すると、金属単結晶膜が成長しやすいため好ましい。
金属膜2の膜厚は、0.1μm以上であることが好ましい。金属膜の膜厚が0.1μm未満であると、熱化学加工を行う際、熱処理によって金属薄膜が凝集してしまうため好ましくない。
ダイヤモンド基板1上に形成された金属膜2に、ダイヤモンド表面が露出するように、すなわち金属膜2のみを貫通するように凹部3を形成する。凹部3の形成方法は、針状ダイヤモンドの形状に応じて、機械加工,レーザー加工,フォトリソグラフィ,集束イオンビーム等を用いることができる。
また、針状ダイヤモンドをより効率的に大量に作製するためには、凹部3を複数個配列して形成することが好ましい。凹部3の形状は、熱化学加工の工程において針状ダイヤモンドの外形を決定するものであるから、前述した凹部形成方法を用いて加工可能であり、且つ針状ダイヤモンドの用途に応じた所望の形状および大きさであればよい。
例えば円形(図4)もしくは楕円形は、凹部3の加工が容易であり、熱化学加工後に形成される針状ダイヤモンドは、円形もしくは楕円形が3次元的に伸びた形状になるため、カンチレバー、フォトマスク修正加工、細胞操作用の探針として用いる際に好適である。また円形の中心部分の金属膜を残しリング状に加工すれば、針状ダイヤモンドの内部を空洞にすることができる。その他、図5に示すような四角形をはじめとする三角形以上の多角形、さらに図6に示すような自由な形状であっても、針状ダイヤモンドの機能を用いることができる形状であればよい。
金属膜2に凹部3を形成させた後、当該サンプルに対し熱化学加工を行い、針状ダイヤモンドを形成する。熱化学加工を行う条件としては、大気圧水素雰囲気中において600℃〜1000℃の温度で3〜100時間熱処理を行うことが好ましい。熱処理を行う雰囲気は、水素雰囲気中の他、酸素,不活性ガス雰囲気中もしくは真空中でも行うことができる。
熱化学加工を行うことにより、金属膜中に取り込まれたダイヤモンドを構成する炭素原子が、金属膜2の表面において雰囲気ガスと反応することにより炭化物を生成し、金属膜2が形成されている部分のダイヤモンドのみが加工されていくこととなる。そのため、金属膜2を除去しダイヤモンド基板1の表面を露出させた凹部部分のみが加工されずに残ることによって、針状ダイヤモンドを形成する。
針状ダイヤモンドの長さは、熱化学加工を行う熱処理温度,熱処理時間,雰囲気等の条件によってコントロールすることができる。
ダイヤモンド基板1の表面に残った金属膜2は、硝酸等に溶解させて適宜除去することが可能である。
前記金属膜2を形成する行程において、金属膜2がNi単結晶金属膜でかつ膜厚が1.3μm以上5μm以下である場合、この範囲内で膜厚を適宜選択することによってストレート形状をもつ針状ダイヤモンド1a、もしくは逆テーパー形状をもつ針状ダイヤモンド1bが形成される。また、前記針側面のなす角度αは、膜厚を選択することにより0°以上10°以下の範囲で自由にコントロールすることができる。
ここでNi単結晶金属膜の膜厚が1.3μm未満になると、針状ダイヤモンドは針の先端から底部に向かって幅が大きくなる正のテーパー形状になる。一方、膜厚が5μmを超えると、成膜に多大な時間がかかることに加えて、金属膜に形成する凹部が膜厚方向で変化してしまい、凹部を精度良く作製することが困難になるため好ましくない。また、前記針側面のなす角度αが10°を超えると、針の底部における強度が小さくなるほか深溝の幅が小さい場合に探針の動きを妨げるため好ましくない。
ここで、前記金属膜2がNi単結晶金属膜である場合について述べたが、前述した炭素を溶解しうる金属またはそれらの合金からなる金属単結晶膜においても、針状ダイヤモンド形状は同様の膜厚依存性を示す。その場合、Ni以外の金属においては、ストレート形状もしくは逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンドを得るための最適な膜厚の範囲はNi単結晶金属膜とは必ずしも一致しないことを述べておく。
<針状ダイヤモンドの形態について>
図3は、上述の方法によって得られるストレート形状をもつ針状ダイヤモンド1aおよび逆テーパー形状をもつ針状ダイヤモンド1bを示している。
また針状ダイヤモンドの側面は、中心線表面粗さで10nm以上となっている。
これら針状ダイヤモンドは針状部が10μm以上の長さをもち、ダイヤモンド基板表面に一体に保持されている。この針状ダイヤモンドをカンチレバー等の探針として用いる場合には、針状部周辺の基板表面を含むように切り出し、基板表面と逆の面(裏面)がカンチレバーの梁部と接するように接着剤等を用いて固定することができる。
また、集束イオンビーム等を用いて針状ダイヤモンドの針状部のみを基板表面から切り離すと、より微小な面積にも針状ダイヤモンドを固定することができる。
また、針状ダイヤモンドを走査プローブ顕微鏡用のカンチレバー、フォトマスク修正加工用または細胞操作用のダイヤモンド探針として用いる場合に、必要に応じて集束イオンビームやドライエッチング等を用いて針状ダイヤモンド先端および外形の加工を行うことによって、先端径の微細化もしくは、外形の平滑化を実現できる。
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。
本実施例では、高圧合成法で作製された、大きさ4mm角,厚さ0.08mmの単結晶ダイヤモンド基板を用いた。この基板の(100)面を表面粗さRa=1nm以下に鏡面研磨した後、アセトン中で約10分間超音波洗浄を行った。
その後、サンプルをスパッタ装置に設置し、単結晶ダイヤモンドの鏡面研磨を施した表面にNi膜を形成した。成膜は、大気圧水素雰囲気中において単結晶ダイヤモンドを600℃に加熱し成膜速度0.5μm/hで行った。得られたNi膜は、ダイヤモンド基板上にエピタキシャル成長した単結晶膜であることがX線回折により確認された。この条件下において、Ni膜の膜厚が1μm, 1.3μm, 2μmとなる3種類のサンプルを用意した。
3種類のサンプルに対して、パルスレーザーを用いて円形状の凹部を複数個形成し、ダイヤモンド表面を一部露出させた。形成した凹部の孔径は1μm、凹部の配列間隔は10μmであった。その後、同一条件下で熱化学加工を行った。熱化学加工は、大気圧水素雰囲気中において800℃に加熱し12時間熱処理を行い、針状ダイヤモンドを作製した。
本実施例により得られたサンプルの表面上に残存したNi膜を硝酸で除去し、サンプルのSEM観察により、針の形状観察および針側面のなす角度αを計測した。
前記3種類のサンプルにおいて、熱化学加工によって得られた針状ダイヤモンドの針状部の長さは20μmであった。
膜厚1μmのサンプルでは、図7に示すように針の先端から底部に向かって幅が大きくなる正のテーパー形状をもつ針状ダイヤモンドが得られ、その開き角度は8°であった。
一方、膜厚1.3μmのサンプルでは、図8に示すように針の先端から底部に向かって幅が一定であるストレート形状の針状ダイヤモンドが得られ、針側面のなす角度αは0°であった。
さらに、膜厚2μmのサンプルでは、図9に示すように針の先端から底部に向かって幅が小さくなる逆テーパー形状をもつ針状ダイヤモンドが得られ、針側面のなす角度αは6°であった。
また、パルスレーザーを用いて形成した孔形状を反映して、針状ダイヤモンドの外形は、その断面が円形となった。以上のように、Ni単結晶膜の膜厚を変化させることによって、針状ダイヤモンドの針側面のなす角度αを所望の角度にコントロールし、ストレート形状もしくは逆テーパー形状の針状ダイヤモンドを得ることができた。
本発明にかかる、ストレート形状もしくは逆テーパー形状の針状ダイヤモンドは、走査プローブ顕微鏡用カンチレバーに用いることができる。また、ストレート形状の針状ダイヤモンドは、フォトマスク修正装置における加工用探針、細胞操作用探針として用いることができる。
本実施形態にかかる、ストレート形状を有する針状ダイヤモンドの形成工程を示す図である。 本実施形態にかかる、逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンドの形成工程を示す図である。 本実施形態にかかる、針状ダイヤモンドを示す図である。 本実施形態にかかる、凹部の形状の一例を示す図である。 本実施形態にかかる、凹部の形状の一例を示す図である。 本実施形態にかかる、凹部の形状の一例を示す図である。 本実施例によって得られた、針状ダイヤモンドのSEM写真を示す図である。 本実施例によって得られた、針状ダイヤモンドのSEM写真を示す図である。 本実施例によって得られた、針状ダイヤモンドのSEM写真を示す図である。
符号の説明
1 ダイヤモンド基板
2 金属膜
3 凹部
1a ストレート形状を有する針状ダイヤモンド
1b 逆テーパー形状を有する針状ダイヤモンド

Claims (8)

  1. 針の先端から針底部に向かって幅が一定なストレート形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンド。
  2. ダイヤモンド基板表面に一体に保持された針状ダイヤモンドにおいて、針の先端から針底部に向かって幅が一定なストレート形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンド。
  3. 針の先端から針底部に向かって幅が小さくなる逆テーパー形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンド。
  4. ダイヤモンド基板表面に一体に保持された針状ダイヤモンドにおいて、針の先端から針底部に向かって幅が小さくなる逆テーパー形状を有することを特徴とする針状ダイヤモンド。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の針状ダイヤモンドにおいて、針側面のなす角度αが0°以上10°以下であることを特徴とする針状ダイヤモンド。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の針状ダイヤモンドを探針として備えることを特徴とする、走査プローブ顕微鏡用カンチレバー。
  7. 請求項2または4に記載の針状ダイヤモンドを備える走査プローブ顕微鏡用カンチレバーであって、前記針状ダイヤモンドが保持されている表面と逆側のダイヤモンド基板の片面が、カンチレバーの梁部と接することを特徴とする走査プローブ顕微鏡用カンチレバー。
  8. 請求項1または2に記載の針状ダイヤモンドを備えることを特徴とするフォトマスク修正用または細胞操作用のダイヤモンド探針。
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