JP4446667B2 - Cnt(カーボンナノチューブ)チップ及びその製造方法、並びに電子銃及び走査型プローブ顕微鏡用探針 - Google Patents

Cnt(カーボンナノチューブ)チップ及びその製造方法、並びに電子銃及び走査型プローブ顕微鏡用探針 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CNT(カーボンナノチューブ)チップ及びその製造方法、並びに電子銃及び走査型プローブ顕微鏡用探針に関し、さらに詳しくは、電子顕微鏡などに用いられる電子放出源(点光源)、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、磁気力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡などの走査型プローブ顕微鏡に用いられる探針等として好適なCNTチップ及びその製造方法、並びにこのようなCNTチップを用いた電子銃及び走査型プローブ顕微鏡用探針に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体表面に強い電界がかかると、電子を固体内に閉じこめている表面のポテンシャル障壁が低くかつ薄くなり、電子がトンネル効果により、真空中に放出される。この現象を「電界放出」という。電界放出を観測するためには、非常に強い電界を表面にかける必要があるので、電界電子放出源には、従来、先端を鋭く尖らせた金属針(例えば、電解研磨で作製されたタングステン針や、半導体微細加工技術を用いて作製されたシリコン等からなる円錐状の微小突起。後者は、スピント型エミッタとも呼ばれている。)が用いられている。
【0003】
このような金属針を用いた電界放出(FE)電子銃は、比較的高輝度(10〜10A/mstr)であり、しかも、平行性の高い電子線を放出するので、電子線ホログラフィーなどに活用されている。しかしながら、金属針を用いた従来のFE電子銃は、金属針の先端の曲率半径が相対的に大きいために、その干渉性は十分とは言えず、今以上の高輝度化も望まれている。
【0004】
また、走査型トンネル顕微鏡に代表される走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、先端を尖らせた探針で試料表面を掃引し、試料表面の物理量を測定するものである。SPM用の探針にもまた、半導体微細加工技術を用いて作製された金属針やセラミックス針が用いられている。しかしながら、従来の探針は、先端の曲率半径及び開き角が相対的に大きいので、深い凹凸を忠実に再現できないという問題がある。また、強度的に弱く、摩耗も激しいという問題がある。
【0005】
一方、カーボンナノチューブ(CNT)は、黒鉛の一層に相当する炭素原子が六角網目状に配列したシート(グラフェンシート)を筒状に丸めた立体構造を持つ。CNTは、1枚の円筒状グラフェンシートからなる単層CNTと、複数枚の円筒状グラフェンシートが同心円状に重なった多層CNTとがある。また、合成された未処理のCNTの先端は、通常、「キャップ」と呼ばれる半球状のグラファイト層で閉じられた構造になっている。
【0006】
CNTは、nmオーダーの直径と、μmオーダーの長さを有しており、アスペクト比が極めて大きく(すなわち、先端の開き角が約0°)、先端の曲率半径が数nm〜数十nmと極めて小さいという特徴がある。また、CNT先端のキャップは、酸化処理によって比較的容易に除去することができ、キャップを消失させたCNTの先端の曲率半径は、実質的に炭素原子の原子半径と同等になる。
【0007】
さらに、CNTは、機械的にも強靱で、化学的・熱的安定性に優れ、円筒部のらせん構造に応じて金属にも半導体にもなるという特徴がある。そのため、CNTは、発光デバイス用の電子放出源(面光源)、トランジスタ材料、電子顕微鏡用の電子放出源(点光源)、あるいは、SPM用の探針等への応用が期待されている。
【0008】
CNTを合成する方法には、(1)Arや水素等の気体雰囲気中において炭素棒間でアーク放電を行わせ、陰極上にCNTを堆積させるアーク法、(2)触媒を混ぜたグラファイトの表面にYAGレーザー等の強いパルス光を当て、これにより発生した炭素の煙を電気炉で加熱し、反応管の側壁にCNTを付着させるレーザー蒸発法、(3)触媒金属微粒子上で炭素化合物(例えば、メタン、アセチレン、ベンゼンなど)を熱分解させる化学気相成長法、などが知られている。
【0009】
これらの合成法により得られるCNTは、いずれも完全にランダムな方向を向いて絡み合った状態になっている。また、多量のカーボンナノカプセルやアモルファス粒子等を含んでいる場合もある。一方、CNTの持つ究極の異方性を最大限に引き出すためには、捕集された合成物の中から1本のCNTを取り出して支持体の先端に取り付けるか、あるいは、多数本のCNTを基材表面に配向させる必要がある。そのため、CNTを支持体の先端に取り付け、あるいはCNTを基材表面上に配向させる方法に関し、従来から種々の提案がなされている。
【0010】
例えば、特許文献1及び非特許文献1、2には、基板としてα型SiC単結晶を用い、基板表面を炭素原子のみが並んだ(000−1)面(以下、これを「C面」という。)とし、SiCを所定の温度、時間及び真空度で表面分解させることにより、C面上にCNT配向膜を形成する方法が開示されている。
【0011】
また、非特許文献3には、ヘアピン形状を有するタングステンフィラメント(直径0.15mm)の先端に、成長直後のCNTの束を導電ペーストで固定する方法が開示されている。
【0012】
また、非特許文献4(及び特許文献2)には、n型Si(100)からなる基板をエッチングすることにより基板表面に頂点の曲率半径が20〜30nmであるSiチップを形成し、Cr、Fe等を含む液体化学触媒をSiチップ表面にスピンコートし、基板を炉内入れ、炉内で炭化水素ガスを熱分解させることにより、Siチップの先端に1本のCNTを成長させる方法が開示されている。
【0013】
さらに、非特許文献5には、電気泳動によるCNTの配向現象と純化作用を利用して、アーク放電で作製したCNTをカートリッジの先端に横一列に配列させ、Si探針の先端に1本のCNTを電子ビーム蒸着による炭素膜で固定する方法が開示されている。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−100317号公報
【特許文献2】
特開2001−261316号公報
【非特許文献1】
M.Kusunoki, et al., Appl.Phys.Lett., 77, 531(2000)
【非特許文献2】
M.Kusunoki, et al., Philos.Mag.Lett., 79, 153(1999)
【非特許文献3】
Y.Saito, et al., Jpn.J.Appl.Phys., 39, L271(2000)(L271頁の右欄第6行〜第9行)
【非特許文献4】
K.Matsumoto, et al., Appl.Phys.Lett., 78, 539(2001)(539頁の左欄第30行〜右欄第7行)
【非特許文献5】
田中 一義 編、「カーボンナノチューブ−ナノデバイスへの挑戦」、化学同人、2001年1月、第167頁〜第174頁
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、CNTをFE電子銃、あるいはSPM用の探針として使用するためには、適当な支持体の先端にCNTを接合(以下、このような接合体を「CNTチップ」という。)する必要がある。
【0016】
しかしながら、CNTは、大きさが極めて小さく、取扱性に劣る。そのため、捕集された合成物の中から1本又は数本のCNTを取り出し、支持体の先端に取り付ける方法では、極めて作業性が悪いという問題がある。また、強い電界が作用する環境下又は外力が作用する環境下では、CNTは、電界又は外力が作用する方向に沿って引っ張られる。そのため、Siチップの先端にCVD法によりCNTを成長させる方法、あるいは、導電ペーストや炭素膜等を用いて支持体先端にCNTを固定する方法では、耐久性、信頼性に劣るという問題がある。
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、耐久性及び信頼性に優れたCNTチップ、及びこのようなCNTチップを高い作業効率で製造可能なCNTチップの製造方法を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、このようなCNTチップを用いた電子銃及びSPM用探針を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るCNTチップは、その先端に先鋭部を有し、かつ少なくとも前記先鋭部の先端部分がSiCからなる支持体と、前記先鋭部の最先端部分を構成していたCNT生成部を表面分解させることによって前記先鋭部の先端に成長させた少なくとも1本のカーボンナノチューブとを備えていることを要旨とする。
【0019】
また、本発明に係るCNTチップの製造方法は、その先端に先鋭部を有し、少なくとも前記先鋭部の先端部分がSiCからなり、かつ前記先鋭部の最先端に微小表面を有する支持体を基材から作製する第1先鋭化工程と、前記先鋭部の最先端部分を構成するCNT生成部を表面分解させ、前記先鋭部の先端にカーボンナノチューブを成長させるCNT成長工程とを備えていることを要旨とする。
【0020】
さらに、本発明に係る電子銃は、本発明に係るCNTチップを備えていることを要旨とする。また、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡用探針は、本発明に係るCNTチップを備えていることを要旨とする。
【0021】
少なくとも表面部分がSiCからなる基材を用い、SiCを表面分解させる前又は後に、基材から支持体を切り出すと、支持体の先端にSiCの表面分解によってCNTを成長させたCNTチップが得られ、合成されたCNTそのものをハンドリングする必要がない。また、支持体の先端とCNTの基端とは強固に結合しているので、耐久性及び信頼性に優れたCNTチップが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。図1(a)及び図1(b)に、それぞれ、本実施の形態に係るCNTチップの斜視図及び先端部分の拡大斜視図を示す。図1において、本実施の形態に係るCNTチップ10は、支持体12と、カーボンナノチューブ(CNT)14とを備えている。
【0023】
支持体12は、基部12aと、基部12aの先端に形成された先鋭部12bからなる。また、先鋭部12bの先端には、先鋭部12bの最先端部分を構成していたCNT生成部12cを表面分解させることによって先鋭部12bの先端に成長させたCNT14が固定されている。
【0024】
基部12aは、CNT生成部12cの表面分解によって形成されたCNT14を支持すると同時に、CNT14そのもののハンドリングを不要化するためのものである。基部12aの形状は、特に限定されるものではなく、CNTチップ10の用途、支持体12の材質、支持体12の加工の容易性等に応じて最適な形状を選択すればよい。図1に示す例においては、基部12aは、先端側の断面積を基端側の断面積より小さくした、羽子板形の外形を有している。
【0025】
先鋭部12bは、後述するように、まず先鋭部12bを有する支持体12を作製し、次いでCNT生成部12cを表面分解させる方法を用いてCNTチップ10を作製する場合に、相対的に少数のCNT14を成長させるための部分である。
【0026】
従って、先鋭部12bの形状は、その先端が鋭く尖った円錐状又は角錐状を有していることが望ましい。また、先鋭部12bの形状は、加工方法が許す限り、針状、あるいは階段ピラミッド状であっても良い。図1に示す例においては、先鋭部12bは、ピラミッド形の外形を有している。この場合、ピラミッドの底辺の長さ、頂角の大きさ等は、特に限定されるものではなく、CNTチップ10の用途、支持体12の材質、支持体12の加工の容易性等に応じて最適な値を選択すればよい。
【0027】
また、支持体12を作製した後にCNT14を生成させる場合、先鋭部12bの最先端(すなわち、CNT生成部12cの最先端)に、微小表面12dを形成することが望ましい。CNT生成部12bの先端に微小表面12dを形成すると、微小な領域からCNT14が生成するので、電子放出源、探針等として好適なCNTチップ10を得ることができる。一般に、微小表面12dの面積が小さくなるほど、生成するCNT14の本数を少なくすることができる。
【0028】
この場合、CNT生成部12cは、その先端に微小表面12dを有する形状であれば良く、その他の部分の形状は、特に限定されるものではない。例えば、CNT生成部12cは、図1(b)の仮想線(一点鎖線)に示すように、その最先端に矩形の微小表面12dを有するピラミッド形であっても良い。あるいは、先鋭部12bをピラミッド形に加工した後、最先端部分をさらに針状に先鋭化し、これをCNT生成部12cとしても良い。
【0029】
輝度及び干渉性に優れた電子放出源、あるいは分解能に優れた探針を得るためには、微小表面12dの面積は、100μm以下が好ましく、さらに好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは、0.01μm以下である。また、微小表面12dが矩形である場合には、短辺の長さは、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは、0.1μm以下である。また、微小表面12dが円形である場合には、その直径は、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは、0.1μm以下である。
【0030】
CNT14は、CNT生成部12cのSiCの表面分解によって先鋭部12bの先端に成長したものからなる。CNT14の材質は、特に限定されるものではなく、CNTチップ10の用途、要求特性等に応じて最適なものを選択すればよい。すなわち、CNT14は、単層CNT又は2層以上の多層CNTのいずれであっても良く、先端がキャップで覆われたキャップ付CNT又は先端のキャップを消失させた開放型CNTのいずれであっても良い。
【0031】
また、CNT14の直径、長さ等の形状も特に限定されるものではなく、CNTチップ10の用途、要求特性等に応じて最適なものを選択すればよい。一般に、支持体12の先端部分を構成するSiCの材質、SiCの表面分解条件等に応じて、直径1nm以上10nm以下、長さ0.1μm以上10μm以下のCNT14を得ることができる。さらに、CNT14は、支持体12の中心軸に垂直に成長しているものであっても良く、あるいは、斜め方向に成長しているものであっても良い。
【0032】
なお、図1においては、先鋭部12bの先端に1本のCNT14が形成されている状態が示されているが、これは単なる例示である。理想的には、先鋭部12bの先端に1本のCNT14を形成させるのが好ましいが、複数本のCNT14が形成されていても良い。また、複数本のCNT14が形成される場合、各CNT14は、一方向に配向しているのが望ましい。
【0033】
複数本のCNT14が形成される場合であっても、通常は、CNT14の先端部分に高低差が形成されるので、電界集中により効果的にエミッション電流を得ることができる。CNT14の本数は、微小表面12dの面積の他、CNT生成部12cを表面分解させる際の条件(例えば、温度、時間、真空度など)により制御することができる。
【0034】
支持体12の材質は、少なくとも表面分解前のCNT生成部12cと、先鋭部12bの先端部分がSiCからなっていれば良い。すなわち、支持体12は、全体が単一のSiCからなるものでも良く、あるいは、先鋭部12bを含む支持体12の先端部分がSiCからなり、これと他の材料とが、エピタキシャル成長、蒸着、接合等の手段により一体化されたものであっても良い。
【0035】
支持体12が先端部分を構成するSiCと他の材料との結合体からなる場合、他の材料は、特に限定されるものではなく、CNTチップ10の用途、製造方法等に応じて最適なものを用いることができる。但し、支持体12の先端に先鋭部12bを形成した後にCNT14を成長させる製造方法を用いるときには、他の材料には、耐熱性の高いものを用いる必要がある。
【0036】
支持体12の先端以外の部分を構成する材料としては、具体的には、先端部分を構成するSiCと同一又は異なる種類のSiC単結晶、SiC多結晶体、SiC焼結体、アモルファスSiC、カーボン材料(グラファイト等)、珪素を含む材料とカーボン材料の複合体、及び高融点物質(例えば、タングステン、炭化タングステン、窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化チタン、炭化タンタル等)等が好適な一例として挙げられる。
【0037】
支持体12の全体又は先端部分を構成するSiCは、α型SiCであっても良く、あるいは、β型SiCであっても良い。また、支持体12の全体又は先端部分を構成するSiCは、単結晶であっても良く、あるいは、多結晶体であっても良い。
【0038】
特に、SiC単結晶は、結晶方位の制御が容易であり、CNT生成部12cの最先端面に特定の結晶面を露出させることができるので、支持体12の全体又は先端部分を構成する材料として好適である。
【0039】
一定の長さを有するCNT14を効率よく成長させるためには、CNT14を生成させる前のCNT生成部12cの最先端面(支持体12を加工した後に、CNT14を成長させる場合には、微小表面12d)の少なくとも一部は、SiCの結晶面の内、CNT14の成長が容易な結晶面からなることが望ましい。
【0040】
例えば、α型SiCの場合、{0001}面、{h0−hn}面、及び{hh−2hn}面(但し、h=1,2,3…、n=0,±1,±2…。)の内の少なくとも1つが、CNT生成部12cの最先端面に露出していることが望ましい。特に、α型SiCの(000−1)面(カーボン(C)面)をCNT生成部12cの最先端面に露出させると、C面に対してほぼ垂直に配向した1本又は複数本のCNT14が得られ、しかも、所定の長さを有するCNT14を短時間で成長させることができる。
【0041】
また、β型SiCの場合、{111}面、{h0n}面、及び{hhn}面(但し、h=1,2,3…、n=0,±1,±2…。)の内の少なくとも1つが、CNT生成部12cの最先端面に露出していることが望ましい。特に、β型SiCの(−1−1−1)C面をCNT生成部12cの最先端面に露出させると、(−1−1−1)C面に対してほぼ垂直に配向した1本又は複数本のCNT14が得られ、しかも、所定の長さを有するCNT14を短時間で成長させることができる。
【0042】
さらに、CNTチップ10が電子放出源、走査型トンネル顕微鏡用の探針等のように電気回路の一部を構成する形で使用される場合には、支持体12の表面の内、少なくともSiCで構成される部分には、CNT14と外部端子とを電気的に接続するための導電層(図示せず)が形成される。導電層は、支持体12の全面に形成されていても良く、あるいは、CNT14と外部端子との接触部とを繋ぐ領域のみに形成されていても良い。
【0043】
本発明に係るCNTチップ10は、支持体12の先端に1本又は複数本のCNT14が固定されており、しかもCNT14は、先鋭部12bの先端部分を構成するSiCの表面分解により形成されたものである。そのため、従来のように、捕集された合成物の中から1本又は複数本のCNTを取り出し、支持体の先端に取り付ける作業が不要となる。また、SiCの表面分解により形成されたCNT14と支持体12の先鋭部12bとの結合力は、相対的に強いので、CNTチップ10の耐久性及び信頼性が向上する。
【0044】
また、支持体12全体がSiC単結晶からなる場合には、CNT生成部12cの最先端面を特定の結晶面で構成することが容易となる。そのため、表面分解によって生成するCNT14の長さ、直径、成長速度、成長方向等の制御が容易化する。また、表面分解の条件を変えるだけで、支持体12の表面全体に導電層を容易に形成することも可能となる。さらに、CNT生成部12cの最先端面をα型SiCのC面で構成した場合には、C面に対してほぼ垂直に配向した1本又は複数本のCNT14を効率よく成長させることができる。
【0045】
次に、本発明に係るCNTチップの製造方法について説明する。本発明の第1の実施の形態に係るCNTチップの製造方法は、第1先鋭化工程と、CNT成長工程と、導電層形成工程とを備えている。
【0046】
初めに、第1先鋭化工程について説明する。第1先鋭化工程は、その先端に先鋭部12bを有し、少なくとも先鋭部12bの先端部分がSiCからなり、かつ先鋭部の最先端に微小表面12dを有する支持体12を基材から作製する工程である。
【0047】
本実施の形態において、基材は、少なくともその表面部分がSiCからなるものであれば良い。すなわち、基材は、全体が単一のSiCからなるものであっても良く、あるいは、表面部分を構成するSiCと他の材料とが蒸着、接合等によって一体化した結合体であっても良い。また、基材全体又はその表面部分を構成するSiCは、単結晶SiC又は多結晶SiCのいずれであっても良く、あるいは、α型SiC又はβ型SiCのいずれであっても良い。
【0048】
但し、表面分解によるCNT14の成長や導電層の形成を容易化するためには、基材は、全体が単一のSiCからなるものが好ましい。また、CNT14の成長速度、成長方向等の制御を容易化するためには、基材は、単結晶SiCが好ましい。さらに、支持体12の軸に対してほぼ垂直に配向したCNT14を効率よく成長させるためには、基材は、その表面がC面からなるα型SiC単結晶が好ましい。
【0049】
このような基材から先鋭部12bを備えた支持体12を作製する方法については、特に限定されるものではないが、先端に傾斜面を有するブレードを用いて、基材に所定の間隔で平行に切り込みを入れる方法が好適である。「傾斜面」とは、ブレードの回転軸に垂直な面に対して傾いている面をいう。傾斜面は、必ずしも平面である必要はなく、曲面あるいは屈曲面であっても良い。このような方法によって、先鋭部12bを比較的容易に形成することができる。
【0050】
図2に、このような加工方法に用いられるブレードの一例を示す。図2において、ブレード20は、一般にセラミックス等の切断に用いられるブレードを改良したものであり、その刃先が三角断面になっている点に特徴がある。ブレード20の刃先を構成する2つの傾斜面20a、20b及び側面20cには、ダイヤモンド等の砥粒が固定されている。また、精密な加工を行うために、ブレード20の本体には、一般の切断用ブレードよりも剛性の高い材料が用いられている。
【0051】
2つの傾斜面20a、20bと、ブレード20の回転軸に対して垂直な面とのなす角(又は、ブレード20の先端の角度)は、特に限定されるものではなく、作製しようとする先鋭部12bの形状、基材の材質、ブレード20の耐久性等に応じて、最適なものを選択すれば良い。図2に例示するブレード20においては、刃先の頂角は、90°になっている。
【0052】
図3に、図2に示すブレード20を用いた加工方法の一例を示す。まず、図3(a)に示すように、基材30を定盤(図示せず)の上に固定し、ブレード20を用いて基材30の表面に1本目の浅い切り込み32aを入れる。次に、ブレード20を、垂直方向の位置を保ったまま所定の距離だけ水平方向に移動させ、1本目の切り込み32aと平行に2本目の切り込み32bを入れる。
【0053】
この時、ブレード20の切り込み深さに対する水平方向の移動距離を最適化すると、1本目の切り込み32aと2本目の切り込み32bとの間に形成される水平部の幅を極めて狭く(具体的には、10μm以下)することができる。その結果、図3(a)に示すハッチング領域が削り取られ、基材30の表面には、支持体12の先鋭部12bとなる鋸歯状の突起が形成される。
【0054】
次に、図3(b)に示すように、ブレード20の切り込み深さを深くし、切り込み32a及び32bの外側に、それぞれ、新たに切り込み32c及び32dを入れる。これにより、図3(b)に示すハッチング領域が削り取られ、支持体12の肩部に相当する部分が形成される。
【0055】
次に、図3(c)に示すように、ブレード20の切り込み深さを基材30の厚さ以上とし、切り込み32c及び32dの外側に、それぞれ、新たに切り込み32e及び32fを入れる。これにより、図3(c)に示すハッチング領域が削り取られ、支持体12の胴体部に相当する部分が形成される。
【0056】
次に、図3(d)に示すように、ブレード20の切り込み方向を90°回転させ、切り込み32a及び32bとほぼ直角方向に、それぞれ、近接した2本の浅い切り込み34a及び34bを形成する。
【0057】
この時、ブレード20の切り込み深さに対する水平方向の移動距離を最適化すると、切り込み34aと切り込み34bとの間に形成される水平部の幅を極めて狭く(具体的には、10μm以下)することができる。その結果、図3(d)に示すハッチング領域が削り取られ、先鋭部12bが現れる。
【0058】
次に、図3(e)に示すように、ブレード20の切り込み深さを基材30の厚さ以上とし、切り込み34a及び34bの外側に、それぞれ、新たに切り込み34c及び34dを入れる。これにより、図3(e)に示すハッチング領域が削り取られ、図3(f)に示す形状を有する支持体12が得られる。
【0059】
なお、得られた支持体12の先鋭部12bの最先端面には、加工による変質層が形成されている場合がある。SiCの表面分解によって生成するCNT14は、SiCの結晶構造を引き継いだ状態で成長するので、先鋭部12bの最先端面に変質層があると、CNT14の結晶構造が乱れるおそれがある。従って、そのような場合には、支持体12を加工した後、CNT14を成長させる前に、先鋭部に導入された変質層を除去することが望ましい(変質層除去工程)。
【0060】
変質層を除去する方法は、特に限定されるものではなく、支持体12の材質に応じて、種々の方法を用いることができる。例えば、支持体12全体がSiCからなる場合、具体的には、(1)加工後の支持体12を水酸化カリウム(KOH)水溶液中に浸漬し、先鋭部12bの最先端面をエッチングする方法、(2)支持体12の表面を酸化させ、これをフッ化アンモニウム(NHF)とフッ酸(HF)の混合液中に浸漬し、先鋭部12bの最先端面の酸化膜を除去する方法、等が好適である。
【0061】
また、先鋭部12bの最先端面に有機物等の不純物が付着していると、CNT14の生成が妨げられる場合がある。従って、このような場合には、CNT14を成長させる前に、先鋭部12bの最先端面を化学洗浄することが望ましい。具体的には、まず、支持体12を硫酸と過酸化水素水の混合液(硫酸:過酸化水素水=4:1)に浸漬し、次いで、アンモニア水:過酸化水素水:純水の混合液(アンモニア水:過酸化水素水:純水=1:1:4)に浸漬(約90℃)すればよい。
【0062】
次に、CNT成長工程について説明する。CNT成長工程は、先鋭部12bの最先端部分を構成するCNT生成部12cを表面分解させ、先鋭部12bの先端にCNT14を成長させる工程である。CNT生成部12cの表面分解は、支持体12を所定の温度及び真空度で、所定時間加熱することにより行われる。
【0063】
表面分解させる際の加熱温度は、1200℃以上2000℃以下が好ましい。加熱温度が1200℃未満であると、CNT14の成長速度が極めて遅くなるので好ましくない。一方、加熱温度が2000℃を超えると、微小表面12dの表面状態の一様性が低下し、CNT14の直径の制御が困難となる(すなわち、直径の異なる複数のCNT14が生成する)ので好ましくない。加熱温度は、好ましくは、1300℃以上1800℃以下、さらに好ましくは、1400℃以上1700℃以下である。
【0064】
表面分解させる際の真空度は、10−6Pa以上5Pa以下が好ましい。真空度が10−6Paより高くなると、表面分解によって生成したグラファイト層が円筒状とならず、CNT14が成長しにくくなるので好ましくない。一方、真空度が5Paより低くなると、SiC表面に保護膜(SiO膜)が形成され、活性酸化が進行しなくなるので好ましくない。真空度は、好ましくは、10−4Pa以上1Pa以下、さらに好ましくは、10−3Pa以上0.1Pa以下である。
【0065】
SiCの表面分解によるCNT14の生成機構は、まず、(1)SiC表面に球状のナノキャップが形成され、次いで、(2)ナノキャップを起点として、CNT14がSiCの結晶構造を引き継ぎながら成長する、ものと考えられている。ナノキャップの生成数と真空度との間には相関があり、一般に、真空度が低くなるほど、ナノキャップの生成数(すなわち、成長させるCNT14の本数)を少なくすることができる。
【0066】
表面分解させる際の加熱時間は、加熱温度、加熱時の真空度、CNT14に要求される特性等に応じて最適な時間を選択する。一般に、加熱時間が長くなるほど、CNT14の長さを長くすることができる。
【0067】
次に、導電層形成工程について説明する。導電層形成工程は、支持体12の表面に導電層を形成する工程である。導電層は、支持体12の表面全体に形成されていても良く、あるいは、CNT14と外部端子との接触部とをつなぐ領域のみに形成されていても良い。
【0068】
導電層の形成方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法等を用いて、導電性物質からなる薄膜を支持体12表面に形成しても良い。
【0069】
また、支持体12全体がSiCからなる場合には、SiCの表面分解によって支持体12の表面に導電層を形成しても良い。SiCの表面分解による導電層の形成は、先端にCNT14を成長させた後の支持体12を所定の温度及び真空度で所定時間加熱することにより行うことができる。
【0070】
この場合、加熱温度は、1400℃以上1800℃以下が好ましい。加熱温度が1400℃未満であると、SiCの表面分解速度が遅くなるので好ましくない。一方、加熱温度が1800℃を越えると、CNTを構成するカーボンも少しずつ蒸発し、CNTが短くなるので好ましくない。加熱温度は、好ましくは、1500℃以上1700℃以下であり、さらに好ましくは、1600℃以上1700℃以下である。
【0071】
導電層を形成する際の真空度は、10−5Pa以上10Pa以下が好ましい。真空度が10−5Paより高くなると、導電層の生成速度が遅くなるので好ましくない。一方、真空度が10Paより低くなると、SiC表面に保護膜が形成され、活性酸化が進行しなくなるので好ましくない。真空度は、好ましくは、10−3Pa以上5Pa以下、さらに好ましくは、10−2Pa以上1Pa以下である。一般に、真空度が高くなるほど、SiCの表面分解により生成したグラファイト層が層状に重なった導電層の形成が容易化する。
【0072】
導電層を形成する際の加熱時間は、加熱温度、加熱時の真空度、導電層に要求される特性等に応じて最適な時間を選択する。一般に、加熱時間が長くなるほど、導電層の厚さを厚くすることができる。
【0073】
なお、例えば、原子間力顕微鏡用の探針のように、CNTチップ10が電気回路の一部を構成しない形で使用される場合には、導電層形成工程は、省略しても良い。
【0074】
また、CNT14の先端をさらに先鋭化するために、支持体12の先端に成長させたCNT14の先端に、エネルギービーム(例えば、収束イオンビーム、電子線、レーザー、紫外線等の光照射、中性原子ビーム等。)を照射しても良い(第3先鋭化工程)。この場合、エネルギービームの照射条件、照射方向等は、特に限定されるものではなく、エネルギービームの種類、CNTチップ10に要求される特性等に応じて、最適なものを選択すればよい。
【0075】
さらに、SiCの表面分解によって生成するCNT14は、一般に、キャップ付CNTである。このキャップ付CNTは、酸化処理によって容易に開放型CNTとすることができる。具体的には、CNT14を成長させた後に、支持体12を400℃以上700℃以下、真空度10Pa以上760Pa以下の条件下で、20時間以上60時間以下加熱すればよい。
【0076】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るCNTチップの製造方法について説明する。本実施の形態に係るCNTチップの製造方法は、第1先鋭化工程と、第2先鋭化工程と、CNT成長工程と、導電層形成工程とを備えている。すなわち、第1先鋭化工程の後に、さらに第2先鋭化工程を備えている点が、第1の実施の形態とは異なる。その他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
第2先鋭化工程は、第1先鋭化工程によって形成された支持体12先端の先鋭部12bにエネルギービームを照射し、先鋭部12bをさらに先鋭化させる工程である。
【0078】
ブレードによって機械加工された先鋭部12bにエネルギービームを照射すると、ビームの照射領域が削り取られ、先鋭部12bをさらに先鋭化することができる。この場合、CNT14を成長させる微小表面12dにエネルギビームが直接、照射されると、微小表面12d近傍のSiCの結晶構造が乱れ、健全なCNT14が得られない場合がある。
【0079】
従って、エネルギービームを照射する際には、微小表面12dの内、残したい部分に、エネルギービームに対する耐性を有する保護膜を形成するのが好ましい。また、微小表面12dの上に直接、保護膜を形成すると、保護膜の除去が困難となったり、あるいは、保護膜が形成された部分のSiCの結晶構造が乱れる場合がある。そのような場合には、微小表面12dと、保護膜との間に、中間層を形成するのが好ましい。
【0080】
例えば、エネルギービームとして収束イオンビーム(FIB)を用いる場合において、微小表面12dに対して垂直方向からFIBを照射するときには、具体的には、以下のような手順により先鋭部12bの先鋭化を行うのが好ましい。
【0081】
すなわち、まず、図4(a)に示すように、少なくとも先鋭部12bの先端面に、中間層42を形成する。中間層42としては、具体的には、Al層、SiO層、Cu層、Au層等が好適である。中間層42の形成方法は、特に限定されるものではなく、その材質に応じて最適な方法を選択すればよい。例えば、Al層は、蒸着法により形成するのが好ましい。また、SiO層は、湿式酸化法により形成するのが好ましい。
【0082】
次に、図4(b)に示すように、微小表面12dの内、残したい部分に、保護膜44を形成する。保護膜44としては、具体的には、W膜、Mo膜等が好適である。保護膜44の形成方法は、特に限定されるものではなく、その材質に応じて最適な方法を選択すればよい。例えば、W膜は、蒸着法により形成するのが好ましい。
【0083】
次に、図4(c)に示すように、微小表面12dに対して垂直方向から、FIBを照射する。これにより、保護膜44の形成されていない領域がFIBにより削り取られる。FIB照射終了後、中間層42をエッチングにより除去すると、図4(d)に示すように、先鋭部12bの先端に、針状に先鋭化され、かつその先端に微小表面12dを有するCNT生成部12cを備えた支持体12が得られる。
【0084】
また、例えば、エネルギービームとしてFIBを用いる場合において、微小表面12dに対して平行な方向(水平方向)からFIBを照射するときには、具体的には、以下のような手順により先鋭部12bの先鋭化を行うのが好ましい。図5に、その工程図を示す。なお、図5(a)、図5(b)及び図5(c)の右図は、それぞれ左図のA−A’線断面図である。
【0085】
すなわち、まず、図5(a)に示すように、保護膜46を形成する。この場合、微小表面12dには、直接、FIBが照射されないので、保護膜46として、相対的にFIBに対する耐性の小さい材料を用いても良い。保護膜46としては、具体的には、SiO膜、Al膜、Au膜、Cu膜等が好適である。保護膜46の形成方法は、特に限定されるものではなく、その材質に応じて最適な方法を選択すればよい。例えば、SiO膜は、湿式酸化法により形成するのが好ましい。
【0086】
次に、図5(b)に示すように、支持体12の軸に対して垂直方向(水平方向)からFIBを照射する。これにより、主として先鋭部12bの側壁部分の内、FIBが照射された部分が削り取られる。FIB照射終了後、保護膜46をエッチングにより除去すると、図5(c)に示すように、先鋭部12bの先端に、薄板状に先鋭化され、かつその先端に微小表面12dを有するCNT生成部12cを備えた支持体12が得られる。なお、図5(b)に示すように、一方向からFIBを照射した後、FIBの照射方向を90°回転させ、さらに水平方向からFIBを照射すると、薄板状のCNT生成部12cが針状に先鋭化され、微小表面12dの面積をさらに小さくすることができる。
【0087】
このような方法により得られた支持体12を所定の温度及び真空度で所定時間加熱すると、さらに先鋭化されたCNT生成部12c先端の微小表面12dから、相対的に少ない本数のCNT14を成長させることができる。
【0088】
なお、FIB等を用いて先鋭部12bをさらに先鋭化させた場合、微小表面12dに変質層が形成され、微小表面12dの結晶構造が乱れる場合がある。従って、第2先鋭化工程の後、CNT成長工程の前に、上述した方法を用いて変質層を除去することが好ましい(変質層除去工程)。変質層の除去は、第1先鋭化工程又は第2先鋭化工程のいずれか一方の後に行っても良く、あるいは、双方の後にそれぞれ行っても良い。
【0089】
次に、本発明に係るCNTチップの製造方法の作用について説明する。少なくともその表面がSiCからなる基材から先鋭部12bを備えた支持体12を作製し、CNT生成部12cを構成するSiCを表面分解させると、Siが雰囲気中の酸素と結合してSiOガスとなって飛散すると考えられる。その結果、CNT生成部12cの最先端にある微小表面12dから、SiCの結晶構造を承継した1本又は複数本のCNT14が成長する。
【0090】
また、テーパ面を有するブレードを用いて所定の間隔で平行に切り込みを入れる方法を用いると、先鋭部12bの最先端に微小表面12dを有する支持体12を比較的容易に作製することができる。また、機械加工によに先鋭部12bを形成した後、先鋭部12bにエネルギービームを照射すると、先鋭部12bをさらに先鋭化することができ、限られた領域から相対的に少ない本数のCNT14を成長させることができる。さらに、微小表面12dを加工した後でCNT14を成長させているので、CNT14は、加工による損傷を受けない。
【0091】
また、先鋭部12bの先端を加工した後、変質層の除去を行うと、微小表面12dから結晶構造の乱れた部分が除去されるので、欠陥の少ない健全なCNT14を成長させることができる。さらに、CNT14を成長させた後、CNT14にエネルギービームを照射すると、CNT14の先端をさらに先鋭化することができる。
【0092】
このようにして得られたCNTチップ10は、支持体12の先端に相対的に少ない本数のCNT14が成長しているので、その内の1本に電界集中が生じやすくなり、低電圧で電子放出が可能となる。そのため、本発明に係るCNTチップ10は、電子顕微鏡等に用いられるFE電子銃として特に好適である。
【0093】
また、本発明に係る方法で得られたCNTチップ10は、その先端に、ナノメートルレベルの先端構造を有する相対的に少ない本数のCNT14が形成されているので、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、磁気力顕微鏡、電気力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡、水平力顕微鏡、位相検出顕微鏡、表面電位顕微鏡、摩擦力顕微鏡、ケルビンフォース顕微鏡、静電気力顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡に用いられる探針として好適である。
【0094】
さらに、本発明に係るCNTチップ10の製造方法は、少なくとも先鋭部の先端部分がSiCからなる材料を土台としてCNTチップ10が作製されるので、合成されたCNTそのものをハンドリングする必要がなく、ピンセットでのハンドリングが可能となる。
【0095】
【実施例】
(実施例1)
図2に示す断面形状を有するブレード及び精密ダイヤモンドカッター((株)エノモトエー・ブイ製、精密試料カッター)を用いて、図3に示す手順に従い、支持体12を作製した。なお、基材30には、α型SiC単結晶を用いた。また、基材30の表面(すなわち、支持体12の最先端にある微小表面12d)は、α型SiCの(000−1)C面とした。
【0096】
次に、支持体12の微小表面12dから加工変質層を除去するために、支持体12を水酸化カリウム(KOH)水溶液(10N)に90℃で1時間浸漬した。さらに、微小表面12dから有機物を除去するために、まず、支持体12を硫酸:過酸化水素水=4:1の第1処理液に室温で10分間浸漬し、さらにアンモニア水:過酸化水素水:純水=1:1:4の第2処理液に90℃で10分間浸漬した。
【0097】
次に、微小表面12dからCNT14を成長させるために、支持体12を真空加熱炉に入れ、10−2Torr(1.33Pa)の雰囲気下において、1700℃で6時間加熱した。さらに、支持体12の表面に導電層を形成するために、支持体12を、10−4Torr(1.33×10−2Pa)の雰囲気下において、1700℃で10時間加熱した。
【0098】
図6(a)に、ダイヤモンド加工後の支持体12の先端部分の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。本実施例の場合、先端の微小表面12dの大きさは、5μm×0.5μmであった。また、図6(b)に、表面分解処理後のCNTチップ10先端の透過電子顕微鏡(TEM)写真を示す。図6(b)より、CNTチップ10の先端部分に、直径約5nm、長さ約300nmの複数本のCNT14が、(000−1)C面に対して垂直に配向した状態で成長しているのが分かる。
【0099】
(実施例2)
実施例1と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。さらに、生成したCNT14の先端部分に対してFIB加工を行い、CNT14の先鋭化を行った。得られたCNTチップ10の先端をTEMにより観察したところ、CNT14の先端部分の直径が実施例1に比べて細くなっていることが確認された。
【0100】
(実施例3)
実施例1と同一の手順に従い、支持体の機械加工、有機物の除去及び加工変質層の除去を行った。次に、先鋭部12b全体に厚さ200nmのアルミニウム(Al)を蒸着させ、さらに、微小表面12dの先端に直径約500nm、厚さ約200nmのW保護膜を蒸着させた。次いで、微小表面12dの真上からFIBを照射し、先鋭部12bをさらに先鋭化した。FIB加工後、支持体12を水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に浸漬し、蒸着させたW保護膜をAl層とともに取り除いた。さらに、実施例1と同一の手順に従い、CNT及び導電層を形成した。
【0101】
図7に、FIB加工後の支持体12の先端部分の走査イオン顕微鏡(SIM)写真を示す。FIB加工を行うことにより、支持体12の先端に、直径約200nmの針状のCNT生成部12cを形成することができた。また、支持体12の先端に、予めAl層とW保護膜を形成しているので、FIB加工によるCNT生成部12cの損傷を抑制することができた。さらに、表面分解処理後のCNTチップ10の先端をTEMにより観察したところ、針状に加工されたCNT生成部12cの先端からCNT14が成長しているのが確認された。
【0102】
(実施例4)
実施例1と同一の手順に従い、支持体の機械加工、有機物の除去及び加工変質層の除去を行った。次に、支持体12を湿式酸化し、支持体12の表面にSiO膜を形成した。湿式酸化の条件は、酸素流量:150ml/分、加熱温度:1100℃、加熱時間:6時間とした。
【0103】
次に、先鋭部12bの先端に水平方向(支持体12の軸に対して垂直方向)からFIBを照射し、先鋭部12bの先鋭化を行った。FIB加工後、支持体12をフッ化アンモニウム(50%):フッ酸(50%)=10:1の処理液に室温で10分間浸漬し、SiO膜を除去した。さらに、実施例1と同一の手順に従い、CNT及び導電層を形成した。
【0104】
図8(a)及び図8(b)に、FIB加工後の支持体12の先端のSEM写真を示す。図8より、本実施例の方法でも、先鋭部12b先端をさらに先鋭化できることが分かる。また、図9(a)及び図9(b)に、表面分解処理後のCNTチップ10の先端のTEM写真を示す。図9より、先鋭部12bの先端に、CNT14が生成しているのが分かる。
【0105】
本実施例の場合、CNT14の先端に高低差が形成されているので、これを例えばFE電子銃に用いたときには、電子源の位置制御が容易となる。また、電界集中によって効果的にエミッション電流を得ることができる。
【0106】
(実施例5)
実施例1と同一の手順に従い、支持体の機械加工、有機物の除去及び加工変質層の除去を行った。次に、実施例4と同一の手順に従い、支持体12の湿式酸化を行い、先鋭部12bの先端にSiO膜を形成した。次いで、微小表面12dに直径約500nm、厚さ約200nmのW保護膜を形成し、微小表面12dに対して垂直方向からFIB加工を行った。
【0107】
FIB加工終了後、支持体をフッ化アンモニウム(40%):フッ酸(50%)=10:1の処理液に室温で10分間浸漬し、W保護膜をSiO膜とともに除去した。さらに、実施例1と同一の手順に従い、CNT及び導電層を形成した。
【0108】
本実施例の場合、FIB加工により、支持体12の先端に、長さ約200nmの針状のCNT生成部12cを形成することができた。また、表面分解処理後のCNTチップ10の先端をTEMにより観察したところ、CNT生成部12cの先端にCNTの形成が確認された。
【0109】
(実施例6)
実施例1と同一の手順に従い、支持体の機械加工、有機物の除去及び加工変質層の除去を行った。次に、先鋭部12bの表面に保護膜を形成することなく、先鋭部12bの水平方向からFIBを照射し、先鋭部12bの先鋭化を行った。
【0110】
次に、FIB加工で導入された変質層を除去するために、実施例4と同一条件下で支持体12の湿式酸化を行い、支持体12の表面にSiO膜を形成した。次いで、支持体12をフッ化アンモニウム(40%):フッ酸(HF)=10:1の処理液に室温で10分間浸漬し、生成したSiO膜を除去した。さらに、実施例1と同一の条件下で、CNT及び導電層を形成した。
【0111】
本実施例の場合、FIB加工により、支持体の先端に、直径約5nmのCNT生成部12cを形成することができた。また、表面分解処理後のCNTチップ10の先端をTEMにより観察したところ、CNT生成部12cの先端にCNT14の形成が確認された。
【0112】
(実施例7)
実施例1と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。次いで、CNTチップ10を1100℃、6時間、Oの流量150ml/minの条件下で酸化処理した。
【0113】
図10に、酸化処理後のCNTチップ10の先端のTEM写真を示す。図10より、酸化処理によって、CNT14先端のキャップが消失すると同時に、CNT14に高低の段差が生じていることが分かる。そのため、本実施例で得られたCNTチップ10は、例えばFE電子銃に用いるときに、電子源の位置制御が容易となる。また、電界集中によって効果的にエミッション電流を得ることができる。
【0114】
(実施例8)
実施例2と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。次いで、実施例7と同一の条件下で、CNTチップ10の酸化処理を行った。酸化処理後のCNTチップ10についてTEM観察を行ったところ、CNT14先端の開キャップを確認することができた。
【0115】
(実施例9)
実施例3と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。次いで、実施例7と同一の条件下で、CNTチップ10の酸化処理を行った。酸化処理後のCNTチップ10についてTEM観察を行ったところ、CNT14先端の開キャップを確認することができた。
【0116】
(実施例10)
実施例4と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。次いで、実施例7と同一の条件下で、CNTチップ10の酸化処理を行った。酸化処理後のCNTチップ10についてTEM観察を行ったところ、CNT14先端の開キャップを確認することができた。
【0117】
(実施例11)
実施例5と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。次いで、実施例7と同一の条件下で、CNTチップ10の酸化処理を行った。酸化処理後のCNTチップ10についてTEM観察を行ったところ、CNT14先端の開キャップを確認することができた。
【0118】
(実施例12)
実施例6と同一の手順に従い、CNTチップ10を作製した。次いで、実施例7と同一の条件下で、CNTチップ10の酸化処理を行った。酸化処理後のCNTチップ10についてTEM観察を行ったところ、CNT14先端の開キャップを確認することができた。
【0119】
実施例4で得られたCNTチップ10を、タングステンフィラメント(φ0.15mm)にグラファイトボンドで接着固定し、電子銃用ステム(支持台)に取り付けて、電界放出実験を行った。その結果、CNT電子銃から陽極板までの距離:1mm、引出し電圧:3kV、真空度:5×10−7Paの条件下において、500nAの最大エミッション電流が得られた。
【0120】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0121】
例えば、先鋭部12bの先端に成長させたCNT14の損傷を最小限に抑えるためには、その先端に先鋭部12bを有する支持体12を加工した後、微小表面12dからCNT14を成長させるのが好ましいが、本発明に係るCNTチップ10は、平板状の基材の表面にCNTを成長させた後、基材を支持体形状に加工する方法によっても製造することができる。
【0122】
また、上述した各種の製造方法は、α型SiC単結晶に限らず、β型SiC単結晶、あるいは、α、β型のSiCの多結晶体に対しても適用することができる。
【0123】
さらに、上記実施の形態では、ダイヤモンドブレードを用いて支持体12の先端を先鋭化する方法について主に説明したが、先鋭部12bの形成方法は、これに限定されるものではなく、先端の先鋭化が可能である限り、他の方法を用いても良い。
【0124】
【発明の効果】
本発明に係るCNTチップは、支持体の先端に、SiCの表面分解によって生成したCNTが固定されているので、CNTのハンドリングが極めて容易化するという効果がある。また、CNTと支持体先端は、強固に結合しているので、CNTチップの耐久性及び信頼性が向上するという効果がある。
【0125】
また、本発明に係るCNTチップの製造方法は、先鋭部を有する支持体を加工し、次いで先鋭部の先端を構成するSiCを表面分解させているので、チップ製造時に、CNTを直接ハンドリングする必要がなく、作業効率が著しく向上するという効果がある。また、CNTの損傷が最小限に抑えられるので、電界電子放出特性及び/又は分解能に優れたCNTチップが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、本発明に係るCNTチップの斜視図であり、図1(b)は、先鋭部の拡大斜視図である。
【図2】 支持体の加工に用いられるブレードの断面図である。
【図3】 図2に示すブレードを用いた加工方法を示す工程図である。
【図4】 先鋭部をさらに先鋭化する方法を示す工程図である。
【図5】 先鋭部をさらに先鋭化する他の方法を示す工程図である。
【図6】 図6(a)は、実施例1で得られたブレードによる機械加工後の支持体の先端部分のSEM写真であり、図6(b)は、表面分解処理後のCNTチップ先端のTEM写真である。
【図7】 実施例3で得られたFIB加工後の支持体の先端部分のSIM写真である。
【図8】 図8(a)は、実施例4で得られたFIB加工後の支持体先端の高倍率SEM写真であり、図8(b)は、同低倍率SEM写真である。
【図9】 図9(a)は、実施例4で得られた表面分解処理後のCNTチップ先端の低倍率TEM写真であり、図9(b)は、同高倍率TEM写真である。
【図10】 実施例7で得られた酸化処理後のCNTチップ先端のTEM写真である。
【符号の説明】
10 CNTチップ
12 支持体
12b 先鋭部
12c CNT生成部
12d 微小表面
14 カーボンナノチューブ(CNT)
30 基材

Claims (13)

  1. その先端に加工により形成された先鋭部を有し、かつ少なくとも前記先鋭部の先端部分がSiCからなる支持体と、
    前記先鋭部の最先端部分を構成していたSiCからなるCNT生成部を表面分解させることによって前記先鋭部の先端に成長させた少なくとも1本のカーボンナノチューブと
    を備えたCNTチップ。
  2. 前記支持体は、SiC単結晶からなる請求項1に記載のCNTチップ。
  3. 前記支持体は、α型SiCからなり、
    表面分解前の前記CNT生成部の最先端面の少なくとも一部は、前記α型SiCの(000−1)面からなる請求項1又は2に記載のCNTチップ。
  4. 前記カーボンナノチューブは、の最先端に微小表面を有する前記CNT生成部を形成し、該CNT生成部を表面分解させることにより得られるものである請求項1から3までのいずれかに記載のCNTチップ。
  5. 表面分解前の前記微小表面の面積は、100μm以下である請求項4に記載のCNTチップ。
  6. その先端に先鋭部を有し、前記先鋭部の最先端部分が、微小表面を有しかつSiCからなるCNT生成部より構成された支持体を基材から加工により形成する第1先鋭化工程と、
    記CNT生成部を表面分解させ、前記先鋭部の先端にカーボンナノチューブを成長させるCNT成長工程とを備えたCNTチップの製造方法。
  7. 前記第1先鋭化工程は、先端に傾斜面を有するブレードを用いて前記基材に所定の間隔で平行に切り込みを入れることによって、前記先鋭部を形成するものである請求項6に記載のCNTチップの製造方法。
  8. 前記第1先鋭化工程の後であって、前記CNT成長工程の前に、前記先鋭部にエネルギービームを照射し、前記先鋭部をさらに先鋭化させる第2先鋭化工程をさらに備えた請求項6又は7に記載のCNTチップの製造方法。
  9. 前記CNT成長工程の前に、前記第1先鋭化工程及び/又は前記第2先鋭化工程において前記先鋭部に導入された変質層を除去する変質層除去工程をさらに備えた請求項6から8までのいずれかに記載のCNTチップの製造方法。
  10. 前記CNT成長工程の後に、前記先鋭部の先端に成長した前記カーボンナノチューブにエネルギービームを照射し、前記カーボンナノチューブの先端を先鋭化する第3先鋭化工程をさらに備えた請求項6から9までのいずれかに記載のCNTチップの製造方法。
  11. 前記CNT成長工程の後に、前記支持体の表面に導電層を形成する導電層形成工程をさらに備えた請求項6から10までのいずれかに記載のCNTチップの製造方法。
  12. 請求項1から5までのいずれかに記載のCNTチップを備えた電子銃。
  13. 請求項1から5までのいずれかに記載のCNTチップを備えた走査型プローブ顕微鏡用探針。
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