JP5334085B2 - 基板への種付け処理方法、ダイヤモンド微細構造体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、基板への種付け処理方法、得られたダイヤモンド種付け基板上に、ダイヤモンド結晶成長を行ったダイヤモンド微細構造体及びその製造方法に関し、ダイヤモンドのエッチングプロセスを用いずに、ダイヤモンド成膜のみで微細構造体を製造することができる技術を提供する。本発明のダイヤモンド微細構造体及びダイヤモンド微細加工方法は、パワー半導体デバイス、電子放出源、電極、MEMS、バイオデバイス、切削工具、研磨工具、プローブ、ヒートシンク、触媒担体等のダイヤモンドデバイスとして利用可能である。
ダイヤモンドは、化学的安定性、生体適合性、半導体特性、硬度、熱伝導性等の物性の高さから、電子デバイス、バイオデバイス、マイクロ切削工具等への応用が期待されている。しかし、ダイヤモンド自体の正確な微細加工が困難であるという問題があり、これがデバイスの実用化を阻む原因の一つとなっている。
シリコンの微細加工の場合にはボッシュプロセスというディープエッチング方法がある(特許文献1参照)。これは、深さ方向の異方性エッチングと側壁の保護膜形成プロセスを組み合わせたものであり、数百μmオーダーの深さのエッチングが可能である。このような3次元構造体を製造する技術はバルクマイクロマシニングと呼ばれている。
エッチングによるダイヤモンド微細加工では、加工面の平坦性、マスク材料とのエッチング選択比、エッチング速度についてのさまざまな技術開発が行われている。ダイヤモンドの場合は、その化学的安定性の影響で、ウエットエッチングを行うことは非常に困難であり、かつ、ドライエッチングでも所望の3次元微細構造体を得ることは困難であるという問題がある。ダイヤモンドのディープエッチングで深い構造を作成する場合、エッチング中にハードマスク材がスパッタにより散乱し、これがダイヤモンド表面上に再付着して、微小なハードマスクとなるため、エッチング面が平坦とならず、意図しない針状構造となってしまう問題が知られている。
ダイヤモンドをドライエッチングする場合、ダイヤモンドの化学的安定性を考慮してハードマスク材を選択する必要がある。そこで、例えば、金属もしくは金属化合物をハードマスクとしてダイヤモンドとのエッチング選択比を向上させる方法(特許文献2)およびダイヤモンドに対する酸素と不活性ガスのエッチング性能差を利用してダイヤモンド表面の平坦性およびマスク材料に対するエッチング選択比を向上させるエッチング方法(特許文献3)が提案されている。しかし、いずれの場合も、ハードマスク材のスパッタが起こるため、ダイヤモンドのディープエッチングにこれらの技術を用いても上記問題の解決とはならない。そこで、たとえば、被エッチング材であるダイヤモンド試料近傍をダイヤモンドと同一元素である炭素系材料とすることにより、周辺からの異物による微小マスク効果を防ぎ、高いエッチング速度とエッチング選択比をたもったまま平坦なエッチング面を得る方法(特許文献4)が提案されている。しかし、これは、容器内壁等材料のスパッタによる微小マスク効果に関するもので、ハードマスク材の再付着を考慮したものではない。
このように、既存の技術では、ダイヤモンドのディープエッチングで所望の微細構造体を得ることは事実上不可能であった。
米国特許第5501893号明細書 特開昭63−220524号公報 特開平6−132254号公報 特開2003−68720号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ダイヤモンドのエッチング工程を用いずに、ダイヤモンド成膜によって製造されるダイヤモンド微細構造体の製造方法を提供する。
基板上にダイヤモンドを成膜する場合、前段階として、ダイヤモンド微粒子による種付け処理を行うことが知られている。表面に種付けされたダイヤモンド微粒子が核となり、その上にダイヤモンド膜が成膜される。本発明者らは、基板表面の終端が酸素終端である場合には、ダイヤモンド微粒子が表面上に種付けされ、水素終端表面である場合にはダイヤモンド微粒子が種付けされないことを見出した。すなわち、酸素終端表面ではその後のダイヤモンド膜が成膜され、水素終端表面ではダイヤモンド膜が成膜されない。本発明は、この効果を利用することにより、従来ダイヤモンドのエッチング工程が必要であったダイヤモンド微細構造体を、該エッチング工程を必要とせず、ダイヤモンド成膜のみという簡便な工程で製造する方法である。
すなわち、本発明は、酸素終端処理して形成された酸素終端領域の表面と、HF処理、水素プラズマ処理、水素雰囲気中の加熱処理、水素ラジカル処理、のうち少なくともひとつである水素終端処理して形成された水素終端領域の表面とを有する基板へのダイヤモンド微粒子の種付け処理方法であって、ナノダイヤモンド微粒子を用いることにより、基板表面を酸素終端処理して形成された酸素終端領域の基板表面のみ種付けが行われ、基板表面を水素終端処理して形成された水素終端領域の基板表面には、種付けが行われないことを特徴とする基板の特定箇所のみ種付けを行う基板への種付け処理方法(ただし、粉末表面に極性基と非極性基とが付着して共存分布する種ダイヤモンド粉末を用いる場合を除く。)である。
また、本発明においては、種付けされる基板をダイヤモンド若しくはシリコンとすることができる。
さらに、本発明は、ナノダイヤモンド微粒子のアルコール分散液若しくは水分散液に基板を入れ、10〜120分の超音波処理を行うことにより種付け処理をおこなうことができる。
また、本発明においては、基板の酸素終端処理が、大気中の自然酸化処理、酸素雰囲気中の加熱処理、酸素プラズマ処理、オゾン処理、のうち少なくともひとつであることができる。
さらに、本発明は、本発明の種付け処理方法により得られたダイヤモンド種付け基板を600〜1000℃に保持し、プラズマ状態の、炭素源ガスと水素ガスを導入し、ダイヤモンド結晶成長を行うダイヤモンド微細構造体の製造方法であり、炭素源ガスと水素ガスのほかにさらに酸素源ガス、アルゴンガス、窒素ガス、ホウ素源ガス、リン源ガスから選ばれるガスを導入することもできる。
本発明は、基板表面にあらかじめ酸素終端領域と水素終端領域を製造しておき、両表面上でのダイヤモンド微粒子種付け挙動を制御して、ダイヤモンド成膜を行うことによる、ダイヤモンド微細構造体製造方法に関するものである。これにより、従来、ダイヤモンド微細構造体製造に不可欠であったダイヤモンドのエッチングプロセスを用いることなく簡便にダイヤモンド微細構造体を製造することが可能となり、パワー半導体デバイス、電子放出源、電極、MEMS、バイオデバイス、切削・研磨工具、ヒートシンク、触媒担体等デバイスへの応用が可能となる。
本発明は、基板表面の終端が酸素終端である場合には、ダイヤモンド微粒子が表面上に種付けされ、水素終端表面である場合にはダイヤモンド微粒子が種付けされないことを見出し、この現象を利用して、ダイヤモンドのエッチング工程を用いずにダイヤモンド微細構造体を製造するものである。
本発明のダイヤモンド微細構造体製造方法では、表面の終端構造を、酸素終端および水素終端でパターニングすることにより、両表面へのダイヤモンド微粒子の種付け挙動の違いを利用して、ダイヤモンドのエッチング工程を用いずに、ダイヤモンド成膜工程だけで、ダイヤモンド微細構造体を製造することが可能となる。表面終端構造のパターニング、種付け処理、ダイヤモンド成膜処理に加えて、随時、表面保護層の形成等MEMS技術を用いることにより、単純な柱および壁構造だけでなく、中空構造等の任意の3次元的微細構造体も製造可能である。
また、本発明では、種付けされる基板として、シリコンを用いることができる。シリコン表面は、種々の処理により、酸素終端表面および水素終端表面の作成が可能であり、それぞれの領域をパターニングすれば、一度のダイヤモンド成膜で、ダイヤモンド膜が成膜される領域と、成膜されない領域を微細に製造することができる。
また、本発明では、種付けされる基板として、ダイヤモンドを用いることができる。ダイヤモンド表面は、種々の処理により、酸素終端表面および水素終端表面の作成が可能である。ダイヤモンド表面を基板として用いた場合、酸素終端表面および水素終端表面の両表面で、ダイヤモンド膜が成膜される。しかし、たとえば、ダイヤモンド基板として、単結晶ダイヤモンドを用いることにより、ダイヤモンド微粒子が種付けされる酸素終端表面ではナノダイヤモンド膜もしくは多結晶ダイヤモンド膜を、ダイヤモンド微粒子が種付けされない水素終端表面では単結晶ダイヤモンドを、微細に成膜することが可能である。
さらに本発明は、種付けするダイヤモンド微粒子として、ナノダイヤモンド微粒子を用いることにより、微細構造体を正確に製造することが可能である。代表的にはナノダイヤモンド微粒子のアルコール分散液に基板を入れ、10〜120分の超音波処理を行うことにより種付けを行う。アルコール以外の有機溶剤も用いることができるが、アルコールが好ましく用いられる。アルコールとしてはメタノール、エタノールなどを用いることができるが、エタノールがとくに好ましく用いられる。
また、本発明では、基板の酸素終端処理として、大気中の自然酸化処理、酸素雰囲気中の加熱処理、酸素プラズマ処理、オゾン処理、のうち少なくともひとつを用いることにより、ダイヤモンド微粒子の種付けに良好な酸素終端表面を製造することができる。
また、本発明では、基板の水素終端処理として、HF処理、水素プラズマ処理、水素雰囲気中の加熱処理、水素ラジカル処理、のうち少なくともひとつを用いることにより、ダイヤモンド微粒子が種付けされない水素終端表面を製造することができる。
本発明におけるダイヤモンド微細構造体製造方法では、表面終端構造のパターニングに、フォトリソグラフィーや電子線リソグラフィー等を用いた既存のパターンニングが利用できる。また、マスクには、有機レジストを利用することができる。また、シリコン酸化膜、アルミニウム酸化物、チタン酸化物タングステン酸化物、モリブデン酸化物等のグループから選ばれる1種類ないしは2種類以上の物質も利用できる。マスクパターンを形成する際には、ドライエッチング、ウエットエッチング、リフトオフプロセス等が利用できる。
また、本発明は、種付けされる基板がシリコンであることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド微細構造体製造方法を要旨とする。シリコン表面の酸素終端領域にはダイヤモンド微粒子が種付けされ、その後のダイヤモンド膜が成膜可能である。一方、シリコン表面の水素終端領域にはダイヤモンド微粒子は種付けされず、したがって、ダイヤモンド膜が成膜されない。このため、酸素終端および水素終端領域をパターニングすることにより、ダイヤモンドのエッチング工程を用いずにダイヤモンド微細構造体が製造可能である。
また、本発明は、種付けされる基板がダイヤモンドであることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド微細構造体製造方法を要旨とする。ダイヤモンド表面の場合、酸素終端領域には、ダイヤモンド微粒子が種付けされ、その後のナノダイヤモンド膜もしくは多結晶ダイヤモンド膜が成膜可能である。一方、ダイヤモンド表面の水素終端領域の場合、ダイヤモンド微粒子は種付けされないが、ホモエピタキシャル成長により、単結晶ダイヤモンド膜が成膜される。このため、酸素終端および水素終端領域をパターニングすることにより、ダイヤモンドのエッチング工程を用いずに、種類の異なるダイヤモンド微細構造体が製造可能である。
さらに、本発明は、種付けするダイヤモンド微粒子が直径1〜100nmのナノダイヤモンド微粒子であることを特徴とするダイヤモンド微細構造体製造方法を要旨とする。粒子径のそろった微小なナノダイヤモンド微粒子を種付けすることにより、正確な微細構造体の製造が可能となる。
また、本発明は、基板の酸素終端処理が、大気中の自然酸化処理、酸素雰囲気中の加熱処理、酸素プラズマ処理、オゾン処理、のうち少なくともひとつであることを特徴とするダイヤモンド微細構造体製造方法を要旨とする。酸素終端表面を用いることにより、ダイヤモンド微粒子の種付けが可能であり、その上にナノダイヤモンド膜あるいは多結晶ダイヤモンド膜が成膜できる。酸素終端表面と水素終端表面を同一表面にパターニングすることにより、任意のダイヤモンド微細構造体が製造可能である。
また、本発明は、基板の水素終端処理が、HF処理、水素プラズマ処理、水素雰囲気中の加熱処理、水素ラジカル処理、のうち少なくともひとつであることを特徴とするダイヤモンド微細構造体製造方法を要旨とする。水素終端表面を用いることにより、ダイヤモンド微粒子が種付けされず、その上にダイヤモンド膜は成膜されない、あるいは基板にダイヤモンドを用いた場合、ホモエピタキシャル成長により、単結晶ダイヤモンド膜が成膜できる。水素終端表面と酸素終端表面を同一表面にパターニングすることにより、任意のダイヤモンド微細構造体が製造可能である。
さらに、本発明におけるダイヤモンド微細構造体製造方法では、ダイヤモンド成膜に、プラズマCVD、熱フィラメント等の既存の手法および装置が利用できる。ダイヤモンド成膜時には、ダイヤモンド種付け基板を600〜1000℃に保持し、炭素源ガスおよび水素ガスを任意の混合比で混ぜ合わせたガスを使用することができる。さらに、これに加えて、酸素源ガス、アルゴンガス、窒素ガスを用いることができる。これにより、成膜されるダイヤモンドの粒径を制御することができる。また、n型およびp型の半導体ダイヤモンドを成膜する場合には、ホウ素源ガス、リン源ガスを用いることができる。
以下に、図面を参照して従来法および本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明と同様のダイヤモンド微細構造体を得るために必要であった従来方法の一例である。(1)P1はダイヤモンドを成膜するための基板である。(2)ダイヤモンドの核形成に必要な種付け処理もしくは表面加工P2を施す。(3)CVD法などを用いてダイヤモンド膜P3を成膜する。(4)微細なパターニングのためのフォトリソグラフィ法には平坦な表面が必要であるため、表面の研磨を行う。(5)ダイヤモンドエッチング時に必要なハードマスク材P4の成膜を行う。(6)フォトレジストP5を用いて微細なパターニングを行う。(7)フォトレジストP5をマスクにして、ハードマスク材P4のエッチングを行う。(8)フォトレジストを除去する。(9)ハードマスク材P4をマスクとして、ダイヤモンドのエッチングを行う。(10)酸を用いて、ハードマスク材P4を除去する。このように従来法は、一旦成膜したダイヤモンド膜をエッチングによって削るという効率の悪さがある。また、フォトリソグラフィ法の制約から表面研磨を必要とする。さらに、(7)および(9)に示されるように、目的物のエッチング時にハードマスク材も同時にエッチングされる。ダイヤモンドで深い構造を得るためには、ハードマスク材の厚みも厚いものが必要となるが、そのためには、フォトレジストの厚みも要求される。すなわち、いくつかの工程にわたるフォトレジストやハードマスク材の選定および成膜・エッチング条件の最適化が必要となる。このため、ダイヤモンドのディープエッチングは、非常に困難であり、いまだ成功していない。
図2は、本発明に係るダイヤモンド微細構造体の製造方法である。(1)P1はダイヤモンドを成膜するための基板である。(2)表面を水素終端(もしくは酸素終端)する。例えばP6は水素終端面である。(3)フォトレジストP5を用いて微細なパターニングを行う。(4)フォトレジストで覆われていない表面を酸素終端(もしくは水素終端)する。例えばP7は酸素終端面である。(5)フォトレジストを除去する。(6)ダイヤモンド微粒子P8を種付けする。このとき、酸素終端表面にのみ種付けされる。(7)CVD法等を用いてダイヤモンドを成膜する。種付けされた領域にのみ成膜される。このように、本発明では、工程が簡素化されており、製造効率が良い。また、長時間の成膜により、エッチングでは製造不可能な高い構造が製造可能である。
図3は、本発明に係るダイヤモンド微細構造体の製造方法により、製造可能な構造を示した図である。(1)図2(7)のあとに酸素終端処理を行い、再びダイヤモンド微粒子の種付けを行ってダイヤモンドを成膜することにより、任意の高さを持つダイヤモンド微細構造体が製造可能である。(2)さらに、凹部分をシリコン酸化物等で埋め、ダイヤモンドを成膜することにより、3次元的なダイヤモンド微細構造体も製造可能である。シリコン酸化物を酸で除去すれば、中空構造が製造可能である。
次に本発明の実施例を詳述するが、本発明はこれらの実施例に拘束されるものではない。
基板として、シリコン単結晶基板を用いた。試料Aでは、シリコン表面の酸素終端として、大気中自然酸化膜を用いた。試料Bでは、シリコン表面の水素終端を作成するために、フッ化水素酸に5分間浸漬した。ナノダイヤモンド微粒子のエタノール分散液にシリコン基板を入れ、超音波洗浄機にて、30分間種付け処理を行った。基板を取り出して、乾燥窒素を吹き付けて乾燥させた。基板表面の観察は、日本電子(株)製の走査型電子顕微鏡(SEM)、を用いて行った。試料Aでは、図4に示すように、ナノダイヤモンド微粒子がに種付けされていた。一方、試料Bでは、図5に示すようにまったくナノダイヤモンド微粒子が種付けされておらず、シリコン表面の傷が観察された。試料Aおよび試料Bをセキテクノトロン社製マイクロ波プラズマCVD装置により、ダイヤモンド成膜を行った。成膜ガスとして、水素およびメタンを用いた。マイクロ波プラズマは、1000W、ガス圧力は30Torrとした。図6に示すように、試料Aの表面には、粒子径100nm程度のナノダイヤモンド薄膜が成膜された。一方、図7に示すように、試料Bの表面には、ダイヤモンド薄膜は成膜されなかった。このように、シリコンを基板として用いた場合、酸素終端表面では、ナノダイヤモンド微粒子の種付けが可能であり、その後のダイヤモンド薄膜の成膜が可能であった。一方、水素終端表面では、ナノダイヤモンド微粒子の種付けが起こらず、したがって、ダイヤモンド薄膜は成膜されなかった。
基板として、ダイヤモンド単結晶Ib(100)基板を用いた。はじめに、表面全体を水素プラズマにより水素終端化した。次に表面の半分をフォトレジストAZ1500で覆った。この状態で酸素プラズマ処理を行うことにより、フォトレジストで覆われていない領域のみ酸素終端化した。このようにして、1枚の基板上に水素終端構造と酸素終端構造を得た。図8は酸素終端面のAFM像である。ナノダイヤモンド微粒子が種付けされていることがわかる。図9は水素終領域のAFM像である。図8と比較しても明らかなようにナノダイヤモンド微粒子は種付けされていない。
本発明のダイヤモンド微細構造体製造方法はダイヤモンドのエッチング工程を含まず、非常に簡便であり、本発明のダイヤモンド微細構造体製造方法で作成したダイヤモンド構造体は、パワー半導体デバイス、電子放出源、電極、MEMS、バイオデバイス、切削工具、研磨工具、プローブ、ヒートシンク、触媒担体等のダイヤモンドデバイスとして利用可能であり、非常に重要な技術である。
従来法によるダイヤモンド微細構造体製造プロセスを示す図である。 本発明に係るダイヤモンド微細構造体製造プロセスを示す図である。 本発明のダイヤモンド微細構造体製造法で製造可能なダイヤモンド微細構造体の例を示す図である。 実施例1の酸素終端面にダイヤモンド微粒子種付け処理を行った後のSEM像である。 実施例1の水素終端面にダイヤモンド微粒子種付け処理を行った後のSEM像である。 実施例1のダイヤモンド微粒子種付け処理を行った後の酸素終端表面上にダイヤモンド成膜を行った表面のSEM像である。 実施例1のダイヤモンド微粒子種付け処理を行った後の水素終端表面上にダイヤモンド成膜を行った表面のSEM像である。 実施例2の酸素終端面にダイヤモンド微粒子種付け処理を行った後のAFM像である。 実施例2の水素終端面にダイヤモンド微粒子種付け処理を行った後のAFM像である。
符号の説明
P1・・・基板、P2・・・表面処理、P3・・・ダイヤモンド膜、P4・・・ハードマスク材、P5・・・フォトレジスト、P6・・・水素終端面、P7・・・酸素終端面、P8・・・ダイヤモンド微粒子。

Claims (6)

  1. 酸素終端処理して形成された酸素終端領域の表面と、HF処理、水素プラズマ処理、水素雰囲気中の加熱処理、水素ラジカル処理、のうち少なくともひとつである水素終端処理して形成された水素終端領域の表面とを有する基板へのダイヤモンド微粒子の種付け処理方法であって、ナノダイヤモンド微粒子を用いることにより、基板表面を酸素終端処理して形成された酸素終端領域の基板表面のみ種付けが行われ、基板表面を水素終端処理して形成された水素終端領域の基板表面には、種付けが行われないことを特徴とする基板の特定箇所のみ種付けを行う基板への種付け処理方法(ただし、粉末表面に極性基と非極性基とが付着して共存分布する種ダイヤモンド粉末を用いる場合を除く。)。
  2. 種付けされる基板がダイヤモンド若しくはシリコンであることを特徴とする請求項1に記載の基板への種付け処理方法。
  3. ナノダイヤモンド微粒子のアルコール分散液若しくは水分散液に基板を入れ、10〜120分の超音波処理を行う請求項1又は請求項2に記載した基板への種付け処理方法。
  4. 基板の酸素終端処理が、大気中の自然酸化処理、酸素雰囲気中の加熱処理、酸素プラズマ処理、オゾン処理、のうち少なくともひとつであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板への種付け処理方法。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれかひとつの基板への種付け処理方法により得られたダイヤモンド種付け基板を600〜1000℃に保持し、プラズマ状態の、炭素源ガスと水素ガスを導入し、ダイヤモンド結晶成長を行うダイヤモンド微細構造体の製造方法。
  6. 炭素源ガスと水素ガスのほかにさらに酸素源ガス、アルゴンガス、窒素ガス、ホウ素源ガス、リン源ガスから選ばれるガスを導入する請求項に記載したダイヤモンド微細構造体の製造方法。
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