JPWO2009054069A1 - 測位用受信装置及び移動端末の測位方法 - Google Patents

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Abstract

移動端末が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる測位用受信装置及び移動端末の測位方法。端末(UE)(100)は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データ及び搬送波のドップラーシフト量を算出し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データを位置座標算出に使用しないようにした上で、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データから位置座標を算出する。

Description

本発明は、移動端末の位置検出を実現する測位用受信装置及び移動端末の測位方法に関する。
近年、携帯電話などの移動体通信システムにおいて、地球の周回軌道を回る複数の人工衛星から送出される情報を受信し、各人工衛星との間の距離を測定し、受信側の装置の現在位置を計算するシステムとして、米国の国防総省が構築したGPS(Global Positioning System)が、このような衛星測位システムの代表的なものである。このGPSの特徴として、移動通信システムにおける基地局との位置関係を考慮することなく、移動端末の絶対的な位置を比較的高精度に求めることができる。
しかし、このGPSを用いた位置検出方法は、GPS衛星からの信号が受信できることが前提のシステムであるため、GPS信号が受信できない場所では、端末の位置検出をすることはできない。また、端末にGPS機能搭載により、コストがかさむ課題もある。
GPSなど衛星を用いない位置検出方法として、移動通信システムにおいて、移動端末が通信を行う基地局の位置を使う例もある。但し、1つの基地局では、どのあたりにいるかなどエリアの特定にしか使えず、精度を求める位置測位には使うことは困難である。
そこで、複数の基地局を用いた位置検出方法として、下記の従来技術がある。
特許文献1には、位置検出の際に、端末が基地局からの受信レベルを元にデータベース化し、端末と基地局間の距離を測定を平行して実施し、測位時間の短縮を図る位置検出システム及び装置が記載されている。
特許文献1記載の位置検出システムは、携帯電話などの基地局と移動端末間の無線通信システムを用いて基地局と端末間の通信により、複数の基地局との信号伝達時間(距離データ、いわゆる擬似距離)を測定し、個々の基地局と移動機間の相対的な位置関係と、個々の基地局の絶対位置に基づき、三角測量の原理で位置を算出する。伝播時間の検出として、移動端末と基地局間の信号の伝播時間(TOA:Time of Arrival)や移動機と各基地局との間で、送受信される信号の伝播時間の差(TDOA:Time Difference of Arrival)などにより求めることで位置測位が可能となる。また、そのときに、複数の基地局からの受信電力を測定し、前述の各基地局と移動端末間の信号伝達時間の結果を合わせてデータベース化し、データベース検索と三角測量の処理を並列に実施することで、位置測位時間短縮を図るものである。
特許文献2には、端末と基地局(ネットワーク)間の距離を複数回測定し、最小の距離データを選択し、三角測量の原理で位置を算出する移動通信システムにおける距離測定方法が記載されている。特許文献2記載の距離測定方法は、特許文献1記載の装置と同様に、携帯電話などの基地局と移動端末間の無線通信システムにおいて、三角測量により位置測位を行う。しかしこのままでは、ビルなどの反射波を距離データとして位置測位の際に用いると、位置の誤差増大につながる課題がある。そこで、複数のタイミングで距離データを測定し、そのときの距離データの最小を得られるようなシステム構成となっている。
特開2005−123662号公報 特開2001−275148号公報
しかしながら、このような従来の位置検出システムにあっては、高速移動等の条件など環境により、端末の位置算出の位置の誤差が大きくなるという課題がある。また、移動により、基地局との通信が難しくなる場合あり、この場合複数回測位を実施する必要がある。
すなわち、従来の位置測位において、移動端末側が静止もしくは、低速な移動には容易に適用可能である。しかし、移動端末が高速に移動する場合、基地局と移動機の相対位置関係により、例えば移動端末と基地局が同一直線長で遠ざかる、もしくは、近づく場合において、そのような基地局との端末間の距離データ(擬似距離)を位置測位に用いると、位置精度の誤差を増大させるという課題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、移動端末が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる測位用受信装置及び移動端末の測位方法を提供することを目的とする。
本発明の測位用受信装置は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出する擬似距離算出手段と、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出する位置座標算出手段と、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するドップラーシフト量算出手段と、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データを、前記位置座標算出手段による位置座標算出に使用しない制御手段とを備える構成を採る。
本発明の測位用受信装置は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出する擬似距離算出手段と、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出する位置座標算出手段と、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するドップラーシフト量算出手段と、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた前記擬似距離データに対し、前記擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標算出手段に供給する制御手段と、を備える構成を採る。
本発明の移動端末の測位方法は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出するステップと、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出するステップと、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するステップと、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データを、前記位置座標算出に使用しないように制御するステップとを有する。
本発明の移動端末の測位方法は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出するステップと、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出するステップと、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するステップと、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた前記擬似距離データに対し、前記擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標ステップに供給するステップとを有する。
本発明によれば、算出したドップラーシフト量が基準値より大きい基地局からの擬似距離データを3点測量の際に使用しないことにより、移動端末が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる。また、端末の移動により基地局との通信が難しくなる場合であっても複数回測位を実施を減らすことができる。
本発明の実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置測定の際のシステム構成を示す図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の端末(UE)の構成を示すブロック図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局の構成を示すブロック図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置関係と搬送波のドップラー周波数の関係を示す図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の端末(UE)の動作制御を示すフロー図 本発明の実施の形態2に係る端末(UE)の3点測位での端末(UE)の測位位置の算出方法を説明する図 上記実施の形態2に係る測位用受信装置の端末(UE)の動作制御を示すフロー図 本発明の実施の形態3に係る測位用受信装置の端末(UE)の動作制御を示すフロー図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局(BS:Base Station)と端末(UE:User Equipment)の位置測定の際のシステム構成を示す図である。構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、測位用受信装置として、GPSに対応する衛星測位システムに適用した例である。
図1において、位置検出システムは、端末(UE)100、端末(UE)100の周囲の複数の基地局200(BS−1,BS−2,BS−3,…)、交換局210、計算機装置220、ネットワーク230、及び端末装置240を備えて構成される。
端末(UE)100は、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)などの移動可能な端末であり、携帯ノート型パソコン,PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末でもよい。本実施の形態では、測位用受信装置を備える端末(UE)100が、携帯電話機である場合を例に採る。
端末(UE)100は、周囲の基地局200(BS−1,BS−2,BS−3,…)と通信を行い、その中で、受信レベルが一番高い基地局を主と認識し、その基地局を介して、他の端末装置240との通信を実施する。
基地局200(BS−1,BS−2,BS−3,…)は、端末(UE)100と無線通信を行う。基地局200は、交換局210に接続されている。
交換局210は、図示しない制御局の計算機装置220に接続されている。
計算機装置220は、公衆電話網、インターネットなどのネットワーク230を介して、コンピュータ端末などの端末装置240と通信が行えるようになっている。
図2は、端末(UE)100の構成を示すブロック図である。
図2において、測位用受信装置を備える端末(UE)100は、アンテナ110、送受信装置120、伝送系信号処理部130、CPU140、及び制御回路150を備えて構成される。
送受信装置120は、アンテナ110を介して、基地局200と信号の送受信を行う。この信号は、通信するために必要な制御信号や音声、データ通信である。
伝送系信号処理部130は、送受信装置120を制御し、送受信に必要な信号の処理を行い、信号処理した結果をCPU140及び制御回路150へ渡す。
CPU140は、装置全体の制御を行う制御部であり、制御プログラム、演算に使用するデータを記憶した記憶部(図示せず)を用いて端末(UE)100の通信制御を実行する。また、CPU140は、通信に必要な制御を伝送系信号処理130にゆだねる。
制御回路150は、伝送系信号処理部130からの送受信の信号を基に、測位用受信装置の位置測定を行う制御部であり、擬似距離算出手段151、位置座標算出手段152、ドップラーシフト量算出手段153、及び制御手段154を備えて構成される。
擬似距離算出手段151は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データを算出する。
位置座標算出手段152は、算出した各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データから位置座標を算出する。
ドップラーシフト量算出手段153は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の搬送波のドップラーシフト量を算出する。
制御手段154は、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データを、位置座標算出手段152による位置座標算出に使用しない制御を行う(実施の形態1の制御)。また、制御手段154は、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データに重み付けし、重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給する制御を行う(実施の形態2の制御)。また、制御手段154は、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた擬似距離データに対し、擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給する制御を行う(実施の形態3の制御)。
図3は、基地局200の構成を示すブロック図である。各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)は、同一構成を採るものとする。
図3において、基地局200は、アンテナ201、送受信装置202、伝送装置203を備え、伝送装置203は交換局210に接続されている。
送受信装置202は、アンテナ201を介して、端末(UE)100と信号の送受信を行っている。この信号は、通信するために必要な制御信号や、音声、データ通信である。
伝送装置203は、送受信装置202により受信した信号を、交換局210に伝送するとともに、交換局210からの通信に必要な制御を行う。
以下、上述のように構成された測位用受信装置を備える端末(UE)100の動作を説明する。
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。
端末(以下、原理説明においてUEと略称する)は、基地局(以下、原理説明においてBSと略称する)とUE間での送受信(BS⇔UE)、受信(BS→UE)、又は、送信(UE→BS)の電波伝播時間を算出する。伝播時間に光速を掛けると、個々のBSとUE間の距離(擬似距離)が算出できる。複数のBS−UE間の距離から、三点測量の原理により、UEの位置座標が求められる。ここで、UEの移動速度が上がると、BSとUE間の位置関係にもよるが、搬送波も見かけ上周波数がドップラーシフトする。
〔方法1〕
個々のBSとの通信において、UEでの受信処理で、搬送波のドップラー量を算出する。複数のBSとの通信において、ある基準値以上(例えば、絶対値もしくは、複数のBSでの平均値が所定値以上)のドップラー量である場合、そのBSとの相対移動距離が大きいと判断し、UEの位置算出の際に、そのBS−UE間の擬似距離データを使わない。
〔方法2〕
個々のBSとの通信において、UEでの受信処理で、搬送波のドップラー量を算出する。複数のBSとの通信において、ある基準値以上(例えば、絶対値もしくは、複数のBSでの平均値が所定値以上)のドップラー量である場合、そのBSとの相対移動距離が大きいと判断し、UEの位置算出の際に、そのBS−UE間の擬似距離に重み付けを行う。この重み付けは、UEの位置算出の際の重み付けの軽減化である。
〔方法3〕
個々のBSとの通信において、UEでの受信処理で、搬送波のドップラー量を算出する。複数のBSとの通信において、ある基準値以下(例えば、絶対値もしくは、複数のBSでの平均値が所定値以下)のドップラー量である場合、そのBSとの相対移動距離が小さいと判断し、UEの位置算出の際に、そのBS−UE間の擬似距離を使用する。そのときに、個々のBSとUE間の擬似距離を得た時間からの経過時間により、重み付けを行う。経過時間が経つと、UEが移動している可能性が大きくなるため、経過時間が大きいものに対し、UEの位置算出の際に、重み付けを軽くする。
次に、UE−BS間の信号伝達時間(距離データ)を使った位置測位原理を説明する。
図4は、基地局(BS)と端末(UE)の位置関係と搬送波のドップラー周波数の関係を示す図である。
図4において、UEは基地局(BS−1)からの位置測位要求を受けて、UEと各基地局BS−1,BS−2,…の擬似距離データD1,D2,D3,…,Diを算出する。UEとBS間で測位要求からUEと各基地局BS間の通信の到達時間(UE−BS−1間の到達時間をT1,UE−BS−2間をT2,…とする)、光速をCとすると、UEと各基地局BS−1,BS−2,…の擬似距離データD1,D2,D3,…,Diは、次式(1)で求められる。
Figure 2009054069
また、UEの座標を(X,Y,Z)、各BSの座標を(Xi,Yi,Zi)とすると、UEと各BS間の2点間の距離Diは、次式(2)で求められる。
Figure 2009054069
上記式(1)と式(2)は等しいから、次式(3)に示す関係となる。
Figure 2009054069
UEの位置は、未知数であるが、複数のBSとの距離データ(少なくとも3つ以上の基地局)により、上記式(3)を連立方程式として解くことで、UEの位置を算出することができる。
但し、UE−BS間の到達時間(Ti)には、測定誤差などが含まれるため、一般に、最小二乗法などにより、誤差を最小となるように、UEの位置を求める。また、各BSが時刻同期されている場合(携帯電話機では、3GPP2のシステム)は問題ないものの、時刻同期がされていない場合(携帯電話機では、3GPPのシステム)においては、基地局間時刻差も上記距離データ(擬似距離)の誤差となる。
また、上記距離算出において、各BS間のあらかじめ決めたタイミング差(3GPPでいうSFN(System Flame Number)−SFN間)により、到達時間差を算出しても同様な距離データ(擬似距離)が求められる。
ここで、図4aに示すように、UEが高速に移動する場合、特に、UEが基地局(BS−4)に対して、同一直線長で遠ざかる、もしくは、近づく場合、搬送波のドップラーシフト量は、他の基地局(BS−1〜BS−3)に対して大きい。なお従来例では、そのような基地局(BS−4)とのUE間の距離データ(擬似距離)を位置測位に用いていたため、位置精度の誤差増大させていた。
図5は、端末(UE)100の動作制御を示すフローチャートである。本フローは、端末(UE)100の制御回路150の動作フローである。
ステップS1では、端末(UE)100はUEを使うユーザ、もしくは、第3者からUEの位置を探したいという測位開始要求を発行する。
ステップS2では、端末(UE)100は測位開始要求を受信した基地局(BS)との間で、端末(UE)−基地局(BS)間の通信を行う。基地局200との送受信の信号としては、通信するために必要な制御信号や音声、データ通信がある。ここでは、図1のUE100と各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間で通信が行われるものとする。
ステップS3では、端末(UE)100の制御回路150は受信した際の搬送波からドップラーシフト量算出、及び擬似距離測定を行う。この場合、擬似距離算出手段151が各BS−1と端末(UE)100間で、前述の擬似距離データの測定を実施する。そのときに、ドップラーシフト量算出手段153が各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)と端末(UE)100間で、通信したときに搬送波のドップラーシフト量の絶対値を算出する。これは、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)から端末(UE)100への通信による端末(UE)100側での処理、もしくは、端末(UE)100から各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)への通信により、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)側での処理で算出が可能である。図2においては、端末(UE)100の制御回路150のドップラーシフト量算出手段153が、アンテナ110で受信した信号(搬送波)を基に、送受信装置120、伝送系信号処理部130及びCPU140により、搬送波のドップラーシフト量の絶対値を算出する。このドップラーシフト値の絶対値は、UEの対地速度の増加により、そのドップラーシフト量の絶対値は増大し、例えば、100km/hで移動した場合、光速(3.0*10m/s)から、ドップラーシフト値の絶対値は、おおよそ0.092ppmとなる。
この作業をUE100が通信可能な各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)と可能まで繰り返す。上記繰り返しにより、複数のBSとのドップラーシフト量の絶対値を求めることができる。但し、3点測量を実施するには、上記試行を最低3つのBSとの間で実施する必要がある。
図5のフローに戻って、ステップS4では、制御回路150の制御手段154は他の基地局で試行可能か否かを判別し、他の基地局で試行可能である場合は、上記ステップS2に戻り、他の基地局で試行不可能である場合は、上記ステップS5に進む。
ステップS5では、制御回路150の制御手段154は複数の基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とのドップラーシフト量に基づき、基準値以上の基地局200からの擬似距離は排除する。基準値の判断方法として、例えば(1)平均値、(2)平均値とオフセット値α、(3)固定値、(4)過去の実績値の平均がある。ここでは、複数の基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とのドップラーシフト量の絶対値から、基準値として、それぞれドップラーシフト量の絶対値の平均値、その平均値にオフセット値、もしくは、固定値(例えば0.1ppm)を設定する。その基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値の結果を持つ端末(UE)100と基地局200間の距離データ(擬似距離)については、そのBSに対して、UEは高速移動していると判断して、上記式(3)に基づく位置算出の際に、使わないようにする。
ステップS6では、制御回路150の位置座標算出手段152は上記排除以外の複数の基地局において得られた擬似距離に基づき端末(UE)100の位置を算出する。具体的には、位置座標算出手段152は上記基準値を超えない範囲のUE100と基地局200間の距離データ(擬似距離)とそれぞれのBSの位置座標から、上記(3)に基づき、残差が最小になるような最小二乗法等により、UEの位置座標を求める。
ステップS7では、制御回路150の制御手段154は以上より得られた位置座標の結果を、CPU140を介してUEのユーザ、もしくは第3者へ位置情報を提供して本フローを終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末(UE)100は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データ及び搬送波のドップラーシフト量を算出し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データを位置座標算出に使用しないようにした上で、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データから位置座標を算出するので、ドップラーシフト量の絶対値の大きいBSからの擬似距離データを3点測量の際に使用しないことで、UEの測位位置の精度向上につながる。これにより、端末(UE)100が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる。また、端末(UE)100の移動により基地局との通信が難しくなる場合であっても複数回測位を実施を減らすことができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置測定の際のシステム構成は、図1乃至図4と同一であるため説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る端末(UE)100の3点測位での端末(UE)の測位位置の算出方法を説明する図であり、図6Aはその基地局(BS)と端末(UE)の擬似距離を、図6Bはその位置算出計算例を示す。
図6Aは、3点測量の際に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)からの距離データ(擬似距離)を半径とした円を描いており、それぞれの円の交点にUEが位置する。但し、実際の距離データには誤差が含まれており、実際は円の交点には、ある幅(図6Aのa参照)が存在する。
実施の形態1では、ある基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局200とUE100間の擬似距離データについて、位置算出の際に使用しなかった。実施の形態2は、ある基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局200とUE100間の擬似距離データに、以下のような重み付けを実施する。前述の連立方程式により、UEの位置を求める際に、最小二乗法などにより、残差が最小となるように算出をする。
ここで、その残差が最小となるための算出式において、基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つBSに関する残差係数に重み付けを実施する。
重み付けの方法として、測位算出の際に、ドップラーシフト量の絶対値の少ないものから測位演算に順次利用し、位置が求められるまで続ける。
また、別の重み付けの方法として、次式(4)で示すように係数α、β、γ、…に重み付けを実施し、ドップラーシフト量の絶対値の絶対値が大きいほど重み付けを大きくする。
Figure 2009054069
上記式(4)のΔLi(I=1,2,…)は、UEの真の座標から、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)からの距離データ(擬似距離)で描かれる半径からの差を示す。
これらの情報を基に、前述の連立方程式を用いて最小二乗法等を適用することによって、UEの位置座標を求める。
図7は、本発明の実施の形態2に係る端末(UE)100の動作制御を示すフローチャートである。図5の制御動作フローと同一処理には同一ステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS4で他の基地局で試行不可能である場合、ステップS11に進む。
ステップS11では、制御回路150の制御手段154は複数の基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とのドップラーシフト量に基づき、基準値以上の基地局200からの擬似距離に対して重み付けする。基準値の判断方法として、例えば(1)平均値、(2)平均値とオフセット値α、(3)固定値、(4)過去の実績値がある。
ステップS12では、制御回路150の位置座標算出手段152は上記排除以外の複数の基地局において得られた擬似距離に基づき端末(UE)100の位置を算出する。但し、重み付けの高いものから位置算出を実施する。具体的には、位置座標算出手段152は前述の連立方程式により、UEの位置を求める際に、最小二乗法などにより、残差が最小となるように位置算出計算を実施する。
ステップS7では、制御回路150の制御手段154は以上より得られた位置座標の結果を、CPU140を介してUEのユーザ、もしくは第3者へ位置情報を提供して本フローを終了する。
このように、本実施の形態例によれば、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データに重み付けし、重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給するので、ドップラーシフト量の絶対値の大きい基地局(BS)からの擬似距離データを3点測量の際に重み付けをすることで、端末(UE)100の測位位置の精度向上につながる。実施の形態1では、ある基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局200とUE100間の擬似距離データについては、位置算出の際に使用しなかった。本実施の形態では、この擬似距離データを重み付けを実施して使用することで、実施の形態1と比較して端末(UE)100の測位位置の精度をより一層向上させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態2に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置測定の際のシステム構成は、図1乃至図4と同一であるため説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態3に係る端末(UE)100の動作制御を示すフローチャートである。図5の制御動作フローと同一処理には同一ステップ番号を付して説明を省略する。
測位開始要求に基づき、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とUE間の擬似距離データと、そのときの個々の基地局との搬送波のドップラーシフト量の絶対値を算出する。ここで、ある基準値以上のドップラーシフト量の絶対値を持つBSとUE間の擬似距離データを位置算出に使わないことも、実施の形態1と同様である。
ステップS21では、制御回路150の制御手段154は各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)との擬似距離を測定した時間からの経過時間により重み付けをつける。測定からの経過時間が少なければ、重み付けを大きく、経過時間が大きくなるほど、重み付けを小さくする。具体的には、制御手段154は、位置算出に使用するべき、ある基準値以下のドップラーシフト量の絶対値を持つ擬似距離データと、その擬似距離データを取得した時間を関連付ける。例えば、位置算出を行うCPUなどに距離データと時間のデータ関係を蓄える。その後、定期的に(例えば、1sごと)に再度、UEが各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)と擬似距離を測定する。そのときに、過去のBSとUE間で実施して得られた(ある基準値よりもドップラーシフト量の絶対値が少ないBSとUE間)距離データに対し、ある時間経過後(例えば、5s経過)した場合、そのBSとUE間の距離データは、測位算出の際に使用しない、もしくは、実施の形態2のように、最小二乗法算出の際に係数に重み付けを実施する。
ステップS22では、制御回路150の位置座標算出手段152は上記複数の基地局において得られた擬似距離に基づき端末(UE)100の位置を算出する。
ステップS7では、制御回路150の制御手段154は以上より得られた位置座標の結果を、CPU140を介してUEのユーザ、もしくは第3者へ位置情報を提供して本フローを終了する。
このように、本実施の形態例によれば、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた擬似距離データに対し、擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給するので、ある基準値以下のドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局(BS)と端末(UE)100間の距離データの測定した経過時間を考慮して、位置算出をすることで測位精度向上を図ることができる。また、本実施の形態は、実施の形態1又は実施の形態2に併せて実施することで、実施の形態1,2の測位位置の精度をより一層向上させることができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
例えば、上記各実施の形態では、基地局(BS)−端末(UE)間の擬似距離に基づいて、端末(UE)100の位置を算出したいたが、GPSなどの測位衛星を使った測位システムと組合わせた、Hybrid測位でも実施可能である。
また、上記各実施の形態では測位用受信装置及び移動端末の測位方法という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、測位システム、受信装置及び位置測定方法等であってもよいことは勿論である。
さらに、上記測位用受信装置を構成する各回路部、例えば送受信装置、その方式及び接続方法など、さらには伝送系信号処理部の種類などは前述した各実施の形態に限られない。
本発明に係る測位用受信装置及び移動端末の測位方法は、携帯端末及び、基地局間の無線システムにおいて、互いに送受信する通信システムに有用である。また、携帯端末と基地局間の無線システムに加え、GPSなどの測位衛星を使った測位システムと組合したものにも有用である。また、GPS及びガリレオシステムだけでなく複数の測位システム、例えばロシアのGLONAS、米国のWAAS、日本のMSAS、欧州のEGNOSなど同期した複数の変調コードによってスペクトラム拡散された複数の衛星信号が送信される測位システムに広く適用することができる。
本発明は、移動端末の位置検出を実現する測位用受信装置及び移動端末の測位方法に関する。
近年、携帯電話などの移動体通信システムにおいて、地球の周回軌道を回る複数の人工衛星から送出される情報を受信し、各人工衛星との間の距離を測定し、受信側の装置の現在位置を計算するシステムとして、米国の国防総省が構築したGPS(Global Positioning System)が、このような衛星測位システムの代表的なものである。このGPSの特徴として、移動通信システムにおける基地局との位置関係を考慮することなく、移動端末の
絶対的な位置を比較的高精度に求めることができる。
しかし、このGPSを用いた位置検出方法は、GPS衛星からの信号が受信できることが前提のシステムであるため、GPS信号が受信できない場所では、端末の位置検出をすることはできない。また、端末にGPS機能搭載により、コストがかさむ課題もある。
GPSなど衛星を用いない位置検出方法として、移動通信システムにおいて、移動端末が通信を行う基地局の位置を使う例もある。但し、1つの基地局では、どのあたりにいるかなどエリアの特定にしか使えず、精度を求める位置測位には使うことは困難である。
そこで、複数の基地局を用いた位置検出方法として、下記の従来技術がある。
特許文献1には、位置検出の際に、端末が基地局からの受信レベルを元にデータベース化し、端末と基地局間の距離を測定を平行して実施し、測位時間の短縮を図る位置検出システム及び装置が記載されている。
特許文献1記載の位置検出システムは、携帯電話などの基地局と移動端末間の無線通信システムを用いて基地局と端末間の通信により、複数の基地局との信号伝達時間(距離データ、いわゆる擬似距離)を測定し、個々の基地局と移動機間の相対的な位置関係と、個々の基地局の絶対位置に基づき、三角測量の原理で位置を算出する。伝播時間の検出として、移動端末と基地局間の信号の伝播時間(TOA:Time of Arrival)や移動機と各基地局との間で、送受信される信号の伝播時間の差(TDOA:Time Difference of Arrival)などにより求めることで位置測位が可能となる。また、そのときに、複数の基地局からの受信電力を測定し、前述の各基地局と移動端末間の信号伝達時間の結果を合わせてデータベース化し、データベース検索と三角測量の処理を並列に実施することで、位置測位時間短縮を図るものである。
特許文献2には、端末と基地局(ネットワーク)間の距離を複数回測定し、最小の距離データを選択し、三角測量の原理で位置を算出する移動通信システムにおける距離測定方法が記載されている。特許文献2記載の距離測定方法は、特許文献1記載の装置と同様に、携帯電話などの基地局と移動端末間の無線通信システムにおいて、三角測量により位置測位を行う。しかしこのままでは、ビルなどの反射波を距離データとして位置測位の際に用いると、位置の誤差増大につながる課題がある。そこで、複数のタイミングで距離データを測定し、そのときの距離データの最小を得られるようなシステム構成となっている。
特開2005−123662号公報 特開2001−275148号公報
しかしながら、このような従来の位置検出システムにあっては、高速移動等の条件など環境により、端末の位置算出の位置の誤差が大きくなるという課題がある。また、移動により、基地局との通信が難しくなる場合あり、この場合複数回測位を実施する必要がある。
すなわち、従来の位置測位において、移動端末側が静止もしくは、低速な移動には容易に適用可能である。しかし、移動端末が高速に移動する場合、基地局と移動機の相対位置関係により、例えば移動端末と基地局が同一直線長で遠ざかる、もしくは、近づく場合において、そのような基地局との端末間の距離データ(擬似距離)を位置測位に用いると、位置精度の誤差を増大させるという課題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、移動端末が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる測位用受信装置及び移動端末の測位方法を提供することを目的とする。
本発明の測位用受信装置は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出する擬似距離算出手段と、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出する位置座標算出手段と、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するドップラーシフト量算出手段と、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データを、前記位置座標算出手段による位置座標算出に使用しない制御手段とを備える構成を採る。
本発明の測位用受信装置は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出する擬似距離算出手段と、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出する位置座標算出手段と、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するドップラーシフト量算出手段と、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた前記擬似距離データに対し、前記擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標算出手段に供給する制御手段と、を備える構成を採る。
本発明の移動端末の測位方法は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出するステップと、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出するステップと、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するステップと、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データを、前記位置座標算出に使用しないように制御するステップとを有する。
本発明の移動端末の測位方法は、複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出するステップと、算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出するステップと、複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するステップと、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた前記擬似距離データに対し、前記擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標ステップに供給するステップとを有する。
本発明によれば、算出したドップラーシフト量が基準値より大きい基地局からの擬似距離データを3点測量の際に使用しないことにより、移動端末が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる。また、端末の移動により基地局との通信が難しくなる場合であっても複数回測位を実施を減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局(BS:Base Station)と端末(UE:User Equipment)の位置測定の際のシステム構成を示す図である。構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態は、測位用受信装置として、GPSに対応する衛星測位システムに適用した例である。
図1において、位置検出システムは、端末(UE)100、端末(UE)100の周囲の複数の基地局200(BS−1,BS−2,BS−3,…)、交換局210、計算機装置220、ネットワーク230、及び端末装置240を備えて構成される。
端末(UE)100は、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)などの移動可能な端末であり、携帯ノート型パソコン,PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末でもよい。本実施の形態では、測位用受信装置を備える端末(UE)100が、携帯電話機である場合を例に採る。
端末(UE)100は、周囲の基地局200(BS−1,BS−2,BS−3,…)と通信を行い、その中で、受信レベルが一番高い基地局を主と認識し、その基地局を介して、他の端末装置240との通信を実施する。
基地局200(BS−1,BS−2,BS−3,…)は、端末(UE)100と無線通信を行う。基地局200は、交換局210に接続されている。
交換局210は、図示しない制御局の計算機装置220に接続されている。
計算機装置220は、公衆電話網、インターネットなどのネットワーク230を介して、コンピュータ端末などの端末装置240と通信が行えるようになっている。
図2は、端末(UE)100の構成を示すブロック図である。
図2において、測位用受信装置を備える端末(UE)100は、アンテナ110、送受信装置120、伝送系信号処理部130、CPU140、及び制御回路150を備えて構成される。
送受信装置120は、アンテナ110を介して、基地局200と信号の送受信を行う。この信号は、通信するために必要な制御信号や音声、データ通信である。
伝送系信号処理部130は、送受信装置120を制御し、送受信に必要な信号の処理を行い、信号処理した結果をCPU140及び制御回路150へ渡す。
CPU140は、装置全体の制御を行う制御部であり、制御プログラム、演算に使用するデータを記憶した記憶部(図示せず)を用いて端末(UE)100の通信制御を実行する。また、CPU140は、通信に必要な制御を伝送系信号処理130にゆだねる。
制御回路150は、伝送系信号処理部130からの送受信の信号を基に、測位用受信装置の位置測定を行う制御部であり、擬似距離算出手段151、位置座標算出手段152、ドップラーシフト量算出手段153、及び制御手段154を備えて構成される。
擬似距離算出手段151は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データを算出する。
位置座標算出手段152は、算出した各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データから位置座標を算出する。
ドップラーシフト量算出手段153は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の搬送波のドップラーシフト量を算出する。
制御手段154は、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データを、位置座標算出手段152による位置座標算出に使用しない制御を行う(実施の形態1の制御)。また、制御手段154は、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データに重み付けし、重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給する制御を行う(実施の形態2の制御)。また、制御手段154は、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた擬似距離データに対し、擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給する制御を行う(実施の形態3の制御)。
図3は、基地局200の構成を示すブロック図である。各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)は、同一構成を採るものとする。
図3において、基地局200は、アンテナ201、送受信装置202、伝送装置203を備え、伝送装置203は交換局210に接続されている。
送受信装置202は、アンテナ201を介して、端末(UE)100と信号の送受信を行っている。この信号は、通信するために必要な制御信号や、音声、データ通信である。
伝送装置203は、送受信装置202により受信した信号を、交換局210に伝送するとともに、交換局210からの通信に必要な制御を行う。
以下、上述のように構成された測位用受信装置を備える端末(UE)100の動作を説明する。
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。
端末(以下、原理説明においてUEと略称する)は、基地局(以下、原理説明においてBSと略称する)とUE間での送受信(BS⇔UE)、受信(BS→UE)、又は、送信(UE→BS)の電波伝播時間を算出する。伝播時間に光速を掛けると、個々のBSとUE間の距離(擬似距離)が算出できる。複数のBS−UE間の距離から、三点測量の原理により、UEの位置座標が求められる。ここで、UEの移動速度が上がると、BSとUE間の位置関係にもよるが、搬送波も見かけ上周波数がドップラーシフトする。
〔方法1〕
個々のBSとの通信において、UEでの受信処理で、搬送波のドップラー量を算出する。複数のBSとの通信において、ある基準値以上(例えば、絶対値もしくは、複数のBSでの平均値が所定値以上)のドップラー量である場合、そのBSとの相対移動距離が大きいと判断し、UEの位置算出の際に、そのBS−UE間の擬似距離データを使わない。
〔方法2〕
個々のBSとの通信において、UEでの受信処理で、搬送波のドップラー量を算出する。複数のBSとの通信において、ある基準値以上(例えば、絶対値もしくは、複数のBSでの平均値が所定値以上)のドップラー量である場合、そのBSとの相対移動距離が大きいと判断し、UEの位置算出の際に、そのBS−UE間の擬似距離に重み付けを行う。この重み付けは、UEの位置算出の際の重み付けの軽減化である。
〔方法3〕
個々のBSとの通信において、UEでの受信処理で、搬送波のドップラー量を算出する。複数のBSとの通信において、ある基準値以下(例えば、絶対値もしくは、複数のBSでの平均値が所定値以下)のドップラー量である場合、そのBSとの相対移動距離が小さいと判断し、UEの位置算出の際に、そのBS−UE間の擬似距離を使用する。そのときに、個々のBSとUE間の擬似距離を得た時間からの経過時間により、重み付けを行う。経過時間が経つと、UEが移動している可能性が大きくなるため、経過時間が大きいものに対し、UEの位置算出の際に、重み付けを軽くする。
次に、UE−BS間の信号伝達時間(距離データ)を使った位置測位原理を説明する。
図4は、基地局(BS)と端末(UE)の位置関係と搬送波のドップラー周波数の関係を示す図である。
図4において、UEは基地局(BS−1)からの位置測位要求を受けて、UEと各基地局BS−1,BS−2,…の擬似距離データD1,D2,D3,…,Diを算出する。UEとBS間で測位要求からUEと各基地局BS間の通信の到達時間(UE−BS−1間の到達時間をT1,UE−BS−2間をT2,…とする)、光速をCとすると、UEと各基地局BS−1,BS−2,…の擬似距離データD1,D2,D3,…,Diは、次式(1)で求められる。
Figure 2009054069
また、UEの座標を(X,Y,Z)、各BSの座標を(Xi,Yi,Zi)とすると、UEと各BS間の2点間の距離Diは、次式(2)で求められる。
Figure 2009054069
上記式(1)と式(2)は等しいから、次式(3)に示す関係となる。
Figure 2009054069
UEの位置は、未知数であるが、複数のBSとの距離データ(少なくとも3つ以上の基地局)により、上記式(3)を連立方程式として解くことで、UEの位置を算出することができる。
但し、UE−BS間の到達時間(Ti)には、測定誤差などが含まれるため、一般に、最小二乗法などにより、誤差を最小となるように、UEの位置を求める。また、各BSが時刻同期されている場合(携帯電話機では、3GPP2のシステム)は問題ないものの、時刻同期がされていない場合(携帯電話機では、3GPPのシステム)においては、基地局間時刻差も上記距離データ(擬似距離)の誤差となる。
また、上記距離算出において、各BS間のあらかじめ決めたタイミング差(3GPPでいうSFN(System Flame Number)−SFN間)により、到達時間差を算出しても同様な距離データ(擬似距離)が求められる。
ここで、図4aに示すように、UEが高速に移動する場合、特に、UEが基地局(BS−4)に対して、同一直線長で遠ざかる、もしくは、近づく場合、搬送波のドップラーシフト量は、他の基地局(BS−1〜BS−3)に対して大きい。なお従来例では、そのような基地局(BS−4)とのUE間の距離データ(擬似距離)を位置測位に用いていたため、位置精度の誤差増大させていた。
図5は、端末(UE)100の動作制御を示すフローチャートである。本フローは、端末(UE)100の制御回路150の動作フローである。
ステップS1では、端末(UE)100はUEを使うユーザ、もしくは、第3者からUEの位置を探したいという測位開始要求を発行する。
ステップS2では、端末(UE)100は測位開始要求を受信した基地局(BS)との間で、端末(UE)−基地局(BS)間の通信を行う。基地局200との送受信の信号としては、通信するために必要な制御信号や音声、データ通信がある。ここでは、図1のUE100と各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間で通信が行われるものとする。
ステップS3では、端末(UE)100の制御回路150は受信した際の搬送波からドップラーシフト量算出、及び擬似距離測定を行う。この場合、擬似距離算出手段151が各BS−1と端末(UE)100間で、前述の擬似距離データの測定を実施する。そのときに、ドップラーシフト量算出手段153が各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)と端末(UE)100間で、通信したときに搬送波のドップラーシフト量の絶対値を算出する。これは、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)から端末(UE)100への通信による端末(UE)100側での処理、もしくは、端末(UE)100から各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)への通信により、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)側での処理で算出が可能である。図2においては、端末(UE)100の制御回路150のドップラーシフト量算出手段153が、アンテナ110で受信した信号(搬送波)を基に、送受信装置120、伝送系信号処理部130及びCPU140により、搬送波のドップラーシフト量の絶対値を算出する。このドップラーシフト値の絶対値は、UEの対地速度の増加により、そのドップラーシフト量の絶対値は増大し、例えば、100km/hで移動した場合、光速(3.0*10m/s)から、ドップラーシフト値の絶対値は、おおよそ0.092ppmとなる。
この作業をUE100が通信可能な各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)と可能まで繰り返す。上記繰り返しにより、複数のBSとのドップラーシフト量の絶対値を求めることができる。但し、3点測量を実施するには、上記試行を最低3つのBSとの間で実施する必要がある。
図5のフローに戻って、ステップS4では、制御回路150の制御手段154は他の基地局で試行可能か否かを判別し、他の基地局で試行可能である場合は、上記ステップS2に戻り、他の基地局で試行不可能である場合は、上記ステップS5に進む。
ステップS5では、制御回路150の制御手段154は複数の基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とのドップラーシフト量に基づき、基準値以上の基地局200からの擬似距離は排除する。基準値の判断方法として、例えば(1)平均値、(2)平均値とオフセット値α、(3)固定値、(4)過去の実績値の平均がある。ここでは、複数の基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とのドップラーシフト量の絶対値から、基準値として、それぞれドップラーシフト量の絶対値の平均値、その平均値にオフセット値、もしくは、固定値(例えば0.1ppm)を設定する。その基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値の結果を持つ端末(UE)100と基地局200間の距離データ(擬似距離)については、そのBSに対して、UEは高速移動していると判断して、上記式(3)に基づく位置算出の際に、使わないようにする。
ステップS6では、制御回路150の位置座標算出手段152は上記排除以外の複数の基地局において得られた擬似距離に基づき端末(UE)100の位置を算出する。具体的には、位置座標算出手段152は上記基準値を超えない範囲のUE100と基地局200間の距離データ(擬似距離)とそれぞれのBSの位置座標から、上記(3)に基づき、残差が最小になるような最小二乗法等により、UEの位置座標を求める。
ステップS7では、制御回路150の制御手段154は以上より得られた位置座標の結果を、CPU140を介してUEのユーザ、もしくは第3者へ位置情報を提供して本フローを終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末(UE)100は、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間における通信を基に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データ及び搬送波のドップラーシフト量を算出し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データを位置座標算出に使用しないようにした上で、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)間の擬似距離データから位置座標を算出するので、ドップラーシフト量の絶対値の大きいBSからの擬似距離データを3点測量の際に使用しないことで、UEの測位位置の精度向上につながる。これにより、端末(UE)100が高速移動する環境においても端末の位置算出の位置の誤差を減少させることができ、位置精度の向上を図ることができる。また、端末(UE)100の移動により基地局との通信が難しくなる場合であっても複数回測位を実施を減らすことができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置測定の際のシステム構成は、図1乃至図4と同一であるため説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る端末(UE)100の3点測位での端末(UE)の測位位置の算出方法を説明する図であり、図6Aはその基地局(BS)と端末(UE)の擬似距離を、図6Bはその位置算出計算例を示す。
図6Aは、3点測量の際に、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)からの距離データ(擬似距離)を半径とした円を描いており、それぞれの円の交点にUEが位置する。但し、実際の距離データには誤差が含まれており、実際は円の交点には、ある幅(図6Aのa参照)が存在する。
実施の形態1では、ある基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局200とUE100間の擬似距離データについて、位置算出の際に使用しなかった。実施の形態2は、ある基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局200とUE100間の擬似距離データに、以下のような重み付けを実施する。前述の連立方程式により、UEの位置を求める際に、最小二乗法などにより、残差が最小となるように算出をする。
ここで、その残差が最小となるための算出式において、基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つBSに関する残差係数に重み付けを実施する。
重み付けの方法として、測位算出の際に、ドップラーシフト量の絶対値の少ないものから測位演算に順次利用し、位置が求められるまで続ける。
また、別の重み付けの方法として、次式(4)で示すように係数α、β、γ、…に重み付けを実施し、ドップラーシフト量の絶対値の絶対値が大きいほど重み付けを大きくする。
Figure 2009054069
上記式(4)のΔLi(I=1,2,…)は、UEの真の座標から、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)からの距離データ(擬似距離)で描かれる半径からの差を示す。
これらの情報を基に、前述の連立方程式を用いて最小二乗法等を適用することによって、UEの位置座標を求める。
図7は、本発明の実施の形態2に係る端末(UE)100の動作制御を示すフローチャートである。図5の制御動作フローと同一処理には同一ステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS4で他の基地局で試行不可能である場合、ステップS11に進む。
ステップS11では、制御回路150の制御手段154は複数の基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とのドップラーシフト量に基づき、基準値以上の基地局200からの擬似距離に対して重み付けする。基準値の判断方法として、例えば(1)平均値、(2)平均値とオフセット値α、(3)固定値、(4)過去の実績値がある。
ステップS12では、制御回路150の位置座標算出手段152は上記排除以外の複数の基地局において得られた擬似距離に基づき端末(UE)100の位置を算出する。但し、重み付けの高いものから位置算出を実施する。具体的には、位置座標算出手段152は前述の連立方程式により、UEの位置を求める際に、最小二乗法などにより、残差が最小となるように位置算出計算を実施する。
ステップS7では、制御回路150の制御手段154は以上より得られた位置座標の結果を、CPU140を介してUEのユーザ、もしくは第3者へ位置情報を提供して本フローを終了する。
このように、本実施の形態例によれば、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた擬似距離データに重み付けし、重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給するので、ドップラーシフト量の絶対値の大きい基地局(BS)からの擬似距離データを3点測量の際に重み付けをすることで、端末(UE)100の測位位置の精度向上につながる。実施の形態1では、ある基準値よりも大きいドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局200とUE100間の擬似距離データについては、位置算出の際に使用しなかった。本実施の形態では、この擬似距離データを重み付けを実施して使用することで、実施の形態1と比較して端末(UE)100の測位位置の精度をより一層向上させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態2に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置測定の際のシステム構成は、図1乃至図4と同一であるため説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態3に係る端末(UE)100の動作制御を示すフローチャートである。図5の制御動作フローと同一処理には同一ステップ番号を付して説明を省略する。
測位開始要求に基づき、各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)とUE間の擬似距離データと、そのときの個々の基地局との搬送波のドップラーシフト量の絶対値を算出する。ここで、ある基準値以上のドップラーシフト量の絶対値を持つBSとUE間の擬似距離データを位置算出に使わないことも、実施の形態1と同様である。
ステップS21では、制御回路150の制御手段154は各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)との擬似距離を測定した時間からの経過時間により重み付けをつける。測定からの経過時間が少なければ、重み付けを大きく、経過時間が大きくなるほど、重み付けを小さくする。具体的には、制御手段154は、位置算出に使用するべき、ある基準値以下のドップラーシフト量の絶対値を持つ擬似距離データと、その擬似距離データを取得した時間を関連付ける。例えば、位置算出を行うCPUなどに距離データと時間のデータ関係を蓄える。その後、定期的に(例えば、1sごと)に再度、UEが各基地局(BS−1,BS−2,BS−3,…)と擬似距離を測定する。そのときに、過去のBSとUE間で実施して得られた(ある基準値よりもドップラーシフト量の絶対値が少ないBSとUE間)距離データに対し、ある時間経過後(例えば、5s経過)した場合、そのBSとUE間の距離データは、測位算出の際に使用しない、もしくは、実施の形態2のように、最小二乗法算出の際に係数に重み付けを実施する。
ステップS22では、制御回路150の位置座標算出手段152は上記複数の基地局において得られた擬似距離に基づき端末(UE)100の位置を算出する。
ステップS7では、制御回路150の制御手段154は以上より得られた位置座標の結果を、CPU140を介してUEのユーザ、もしくは第3者へ位置情報を提供して本フローを終了する。
このように、本実施の形態例によれば、算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた擬似距離データに対し、擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、重み付けした擬似距離データを位置座標算出手段152に供給するので、ある基準値以下のドップラーシフト量の絶対値を持つ基地局(BS)と端末(UE)100間の距離データの測定した経過時間を考慮して、位置算出をすることで測位精度向上を図ることができる。また、本実施の形態は、実施の形態1又は実施の形態2に併せて実施することで、実施の形態1,2の測位位置の精度をより一層向上させることができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
例えば、上記各実施の形態では、基地局(BS)−端末(UE)間の擬似距離に基づいて、端末(UE)100の位置を算出したいたが、GPSなどの測位衛星を使った測位システムと組合わせた、Hybrid測位でも実施可能である。
また、上記各実施の形態では測位用受信装置及び移動端末の測位方法という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、測位システム、受信装置及び位置測定方法等であってもよいことは勿論である。
さらに、上記測位用受信装置を構成する各回路部、例えば送受信装置、その方式及び接続方法など、さらには伝送系信号処理部の種類などは前述した各実施の形態に限られない。
本発明に係る測位用受信装置及び移動端末の測位方法は、携帯端末及び、基地局間の無線システムにおいて、互いに送受信する通信システムに有用である。また、携帯端末と基地局間の無線システムに加え、GPSなどの測位衛星を使った測位システムと組合したものにも有用である。また、GPS及びガリレオシステムだけでなく複数の測位システム、例えばロシアのGLONAS、米国のWAAS、日本のMSAS、欧州のEGNOSなど同期した複数の変調コードによってスペクトラム拡散された複数の衛星信号が送信される測位システムに広く適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置測定の際のシステム構成を示す図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の端末(UE)の構成を示すブロック図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局の構成を示すブロック図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の基地局(BS)と端末(UE)の位置関係と搬送波のドップラー周波数の関係を示す図 上記実施の形態1に係る測位用受信装置の端末(UE)の動作制御を示すフロー図 本発明の実施の形態2に係る端末(UE)の3点測位での端末(UE)の測位位置の算出方法を説明する図 上記実施の形態2に係る測位用受信装置の端末(UE)の動作制御を示すフロー図 本発明の実施の形態3に係る測位用受信装置の端末(UE)の動作制御を示すフロー図

Claims (11)

  1. 複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出する擬似距離算出手段と、
    算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出する位置座標算出手段と、
    複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するドップラーシフト量算出手段と、
    算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データを、前記位置座標算出手段による位置座標算出に使用しない制御手段と、
    を備える測位用受信装置。
  2. 前記制御手段は、あらかじめ決めた固定値を前記基準値として設定する請求項1記載の測位用受信装置。
  3. 前記制御手段は、前記算出されたドップラーシフト量の平均値を前記基準値として設定する請求項1記載の測位用受信装置。
  4. 前記制御手段は、前記算出されたドップラーシフト量の平均値から所定のオフセット値を加減算した値を前記基準値として設定する請求項1記載の測位用受信装置。
  5. 前記制御手段は、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データに重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標算出手段に供給する請求項1記載の測位用受信装置。
  6. 複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出する擬似距離算出手段と、
    算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出する位置座標算出手段と、
    複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するドップラーシフト量算出手段と、
    算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた前記擬似距離データに対し、前記擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標算出手段に供給する制御手段と、
    を備える測位用受信装置。
  7. 前記制御手段は、あらかじめ決めた固定値を前記基準値として設定する請求項6記載の測位用受信装置。
  8. 前記制御手段は、前記算出されたドップラーシフト量の平均値を前記基準値として設定する請求項6記載の測位用受信装置。
  9. 前記制御手段は、前記算出されたドップラーシフト量の平均値から所定のオフセット値を加減算した値を前記基準値として設定する請求項6記載の測位用受信装置。
  10. 複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出するステップと、
    算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出するステップと、
    複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するステップと、
    算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも大きい基地局間で得られた前記擬似距離データを、前記位置座標算出に使用しないように制御するステップと
    を有する移動端末の測位方法。
  11. 複数の基地局間における通信を基に電波伝搬時間を算出し、算出した電波伝搬時間から前記複数の基地局間の擬似距離データを算出するステップと、
    算出した複数の基地局間の擬似距離データから位置座標を算出するステップと、
    複数の基地局間における通信を基に、前記複数の基地局間の搬送波のドップラーシフト量を算出するステップと、
    算出したドップラーシフト量を基準値と比較し、算出したドップラーシフト量が基準値よりも小さい基地局間で得られた前記擬似距離データに対し、前記擬似距離データを取得した時間からの経過時間により重み付けし、該重み付けした擬似距離データを前記位置座標ステップに供給するステップと
    を有する移動端末の測位方法。
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