JPH07111675A - 移動体の位置決め方法及びその装置、並びにそれを用いた移動体通信システム - Google Patents

移動体の位置決め方法及びその装置、並びにそれを用いた移動体通信システム

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JPH07111675A
JPH07111675A JP6211745A JP21174594A JPH07111675A JP H07111675 A JPH07111675 A JP H07111675A JP 6211745 A JP6211745 A JP 6211745A JP 21174594 A JP21174594 A JP 21174594A JP H07111675 A JPH07111675 A JP H07111675A
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frequency
doppler shift
mobile
detecting
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JP6211745A
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Takashi Matsuno
敬司 松野
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動通信システムに用いて好適であり、さら
にカーナビゲーションシステムや、工場内のロボットの
走行制御などに適用可能な、移動体の位置、移動速度及
び移動方向を同時に高い精度で検出できる移動体の位置
決め方法及びその装置を提供する。 【構成】 移動体が発信する一定の周波数の電波を、移
動体の移動可能な領域内の、複数の隔離した固定位置に
おいて設けられた複数の基地局が受信し、一定周波数の
電波を受信した基地局は受信電波の周波数を検出し、前
記複数の固定位置のそれぞれにおいて検出される受信電
波の周波数の前記一定の周波数からの変化量と、前記複
数の固定位置とに基づいて、前記移動体の位置を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の位置決め方法
及びその装置、並びにそれを用いた移動体通信システム
に関する。特に、移動体の位置、速度、及び移動方向を
高精度で検出する方法及びその装置と、それを用いた移
動体通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】TDMA(Time Division Multiple Acce
ss) セルラー方式による移動通信システムにおいては、
周波数の有効利用を図ったマイクロセル移動通信システ
ムが検討されており、その基本的なゾーン構成方法とし
て、半径約50m〜数百m程度の極小セルを連続的に配
置してサービスゾーンを構成するものがある。また、こ
のマイクロセルよりさらに小さなピコセルとも称される
極小セルによってサービスゾーンを構成する構想も提案
されている。これは、地下街やビル内のオフィス等に於
いて、半径10m〜50m程度の極小セルを連続的に配
置したもので、電波伝搬の比較的困難な場所への導入を
図ったシステムである。そしてこれらの極小セルと、従
来からの自動車電話等で実現しているマクロセルの両技
術を統合したいわゆる第3世代の移動通信システムの概
念が提案されている。
【0003】この第3世代システムの一つに国際的に検
討が開始されているFPLMTS(Future Public Land
Mobile Telecommunication Systems) がある。FPLM
TSは、サービスゾーンでのセル構成がマクロセル(mac
rocell) 、マイクロセル(microcell) 、ピコセル(picoc
ell)のように多種に及び、かつこれらが多層構造(複合
セル化)をなしているため、各セル間のゾーン切替え制
御や各セル間の利用周波数帯の割当とその切替え制御等
の高度な無線回線制御が不可欠となる。また、セルが極
小化するにつれて受信レベルの場所的変動の増大や、通
信中チャネル(周波数又はタイムスロット)の切替え頻
度の増大や、基地局設備コストの増大などの問題が顕在
化する。さらに、トラヒック集中の輻輳対策と同時に低
速移動体から高速移動体まで柔軟なサービスを提供でき
ることが課題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、これらの問題を
解決するために、例えば "Self-Orgamzed Reuse Partit
ioning(SORP), A Distributed Dynamic Channel Assign
ment Method" by H.Furukawa and Y.Akaiwa (Technical
Report of IEICE. A-P92-116,RCS92-126 1993-01, PP
61〜66) において示されているように、基地局が自律的
に使用可能なチャネルを決定して使用する自律分散(dec
entralized autonomous)制御技術や、トラヒックの時間
的、地域的変動に応じてダイナミックに周波数を利用す
るダイナミック・チャネル割当などが検討されてきた。
とくに、通信中の無線チャネル切替え(ハンドオーバ
ー)制御等においては、切替え頻度の増大対策として、
基地局間の各種タイミング同期方式や高速切換周波数シ
ンセサイザ等の検討が行われてきた。これらの提案され
ている問題解決手段においては移動体の移動速度・移動
方向等の検出が特に重要技術となる。しかしながら、こ
れまで実用化に耐えるだけの検出手段の提案はなかっ
た。
【0005】移動通信システムにおける移動体の速度の
検出方法としては、従来から間接的な測定によるドップ
ラー周波数の推定が行われてきた。例えば、1993年
電子情報通信学会春季大会の発表論文B−400とB−
401とに記載されたように、レイリー・フェージング
(Rayleigh fading) 下での包絡線の電力レベル交差回数
や受信ダイバーシチでのブランチの切替え頻度の測定値
から推定している。すなわち、レベル交差回数やブラン
チの切替え頻度が統計的にドップラー周波数に比例した
値として求まるという原理に基づいている。しかしなが
ら、これらの測定結果や推定結果は間接的であるため誤
差が大きく、十分満足できるものではなかった。また、
これらは単に移動体の移動速度の検出についてのみの応
用例であった。
【0006】また、移動通信におけるドップラー効果の
他の応用例としては、特開昭58−225741号公
報、特開昭63−199527号公報、特開平5−22
183号公報、特開平5−37438号公報などにも記
載されているように、移動体の移動に伴う好ましくない
通信波の周波数シフト量を補償して安定な通信を確保す
ることを目的としている。その他、自動車の位置や速度
等の情報を通信系に取り込んだVICS(Vehicle Info
rmation and Communication System:道路交通情報通信
システム)や、全世界測位システムとして衛星を使った
GPS(Global Positioning System) 等があるが、いず
れも大規模で、かつ複雑なシステムであった。
【0007】また、いわゆる事業所用コードレス電話の
応用として考えられている移動端末の位置検索システム
(Location Detection System) 等では、ビルの同一階だ
けではなく床や天井を透過した電波の強度に着目して位
置検索するため、電子情報通信学会RCS研究会「位置
検索(マンロケーション)システムの一検討」(RCS 90-
48) と題する伊藤氏の論文などにも記載されているよう
に、検索中の移動端末がどの固定無線基地局の近くに存
在するかを推定するためには、通路や階段に付加装置を
設置する等、サービスゾーンごとにさまざまな工夫を必
要としていた。
【0008】上記従来の解決方法では、移動体の動きや
新しい呼の発生に対応してネットワーク側又はユーザー
側で柔軟に対応すると言う考え方が基本となっている。
しかしながら、この対応方法には本質的な弱点があっ
た。すなわち、移動体の動きに対して適切な対応を実行
するためには、ロボットの自動制御の場合と同様に、移
動体の位置、速度及び移動方向をほぼ同時に検出するこ
とが不可欠である。それにもかかわらず、従来は、この
検出方法については、移動体の周りの基地局が移動体と
基地局間の相互通信に基づく電波の強度等を監視し、測
定することによって移動体の位置の推定等が行われてい
たに過ぎなかった。
【0009】しかしながら、電波の強度等が場所的、時
間的、空間的に変動しており、たとえ統計的手法によっ
たとしても検出確度を高めることが困難であった。この
ことはこれまで適当な検出方法が提案されていなかった
ことを意味している。このため、この問題の解決方法と
して考えられてきた柔軟なネットワーク制御による対策
では検出確度に自ら限界があった。また、前述したドッ
プラー効果の応用では単に周波数シフト量の間接的な検
出や移動体速度の検出のみに留まっており、位置、移動
速度及び移動方向の同時検出とこれを用いた移動通信シ
ステムは提案されていない。
【0010】本発明の一つの目的は、移動通信システム
に用いて好適であり、さらにカーナビゲーションシステ
ムや、工場内のロボットの走行制御などに適用可能な、
移動体の位置、移動速度及び移動方向を同時に高い精度
で検出できる移動体の位置決め方法及びその装置を提供
することである。
【0011】本発明の他の目的は、移動体の位置、移動
速度及び移動方向を同時に高い精度で検出できる機能を
備えた移動通信システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による移動体の位
置を決める方法は、移動体から所定の周波数の電波を発
信するステップと、前記移動体から発信される電波を受
信可能な領域内の離間した複数の位置にあって、それぞ
れ前記移動体から発信された電波を受信して、その受信
電波の周波数を検出するステップと、前記複数の位置の
それぞれにおいて検出される受信電波の周波数の前記所
定の周波数からの変化量と、前記複数の検出位置の情報
とに基づいて、前記移動体の位置を求めるステップと、
を具備する。
【0013】本発明による移動体の位置決め装置は、移
動体の移動可能な領域内の複数の離間した位置の各々に
おいて前記移動体から発信される所定周波数の電波を受
信し、受信電波の周波数の前記所定周波数からの変化量
を求める手段と、前記複数の位置においてそれぞれ受信
される前記移動体から発信される電波の周波数の変化量
と、前記複数の位置とに基づいて前記移動体の位置を決
める手段と、を具備する。
【0014】また、本発明による移動体通信システム
は、電波を送信する移動体と無線通信を行うために移動
体の移動可能な領域内に配置されている複数の基地局
と、これら各基地局にて受信した前記移動体から送信さ
れる所定の電波の受信周波数を検出するための周波数検
出手段と、この周波数検出手段の検出結果と前記移動体
から送信される前記所定の電波の送信周波数との差異、
および前記各基地局の位置とから前記移動体の位置を検
出するための移動体検出手段と、を備える。
【0015】
【作用】移動体から送出される電波は散在して配置され
た複数の基地局で受信される。この受信電波の周波数に
は、移動体の移動に伴うドップラーシフト量が含まれて
いる。各基地局で検出される受信電波のドップラーシフ
ト量は、移動体の速度だけでなく、移動体の移動方向と
各基地の位置との関係に応じて種々変化する。移動体の
移動経路に沿って位置する基地局などでは、移動体との
相対速度が大きくなるため、大きなドップラーシフト量
が検出される。これら大きなドップラーシフト量を検出
する基地局のうち、移動体が接近しつつある基地局では
周波数が上側にずれるアップシフト量が検出され、移動
体が遠ざかりつつある基地局では周波数が下側にずれる
ダウンシフト量が検出される。
【0016】これとは対照的に、移動体の移動方向に直
交する方向に位置する基地局などでは、移動体との相対
速度が小さくなるため、小さなドップラーシフト量が検
出される。各基地局で検出されたドップラーシフト量を
含む検出結果が有線又は無線伝送路を介して、好適には
移動加入者系交換局内などに設置されている移動体検出
手段に通知される。この移動体検出手段は、各基地局か
ら通知された検出結果にドップラーシフト量が含まれて
いるという予測に基づき、各基地局の検出結果とその既
知の位置とから、すなわち、各基地局で検出されたドッ
プラーシフト量の空間的な分布状況から移動体の位置を
検出し、必要に応じてその移動方向や、移動速度なども
検出する。
【0017】例えば、上記移動体検出手段は、ほぼ最大
のアップシフト量を含む検出結果を通知してきた少なく
とも一つの基地局又はその近傍と、ほぼ最大のダウンシ
フト量を含む検出結果を通知してきた少なくとも一つの
基地局又はその近傍とを通る第1の線分を設定すること
により、その移動体の移動方向を検出する。更に、移動
体検出手段は、ほぼゼロ又はほぼ最小のシフト量を含む
検出結果を通知してきた少なくとも一つの基地局又はそ
の近傍を通りかつ上記第1の線分にほぼ直交する第2の
線分との交点をその移動体の位置として検出する。
【0018】上記ドップラーシフト量を含む受信電波の
周波数の検出に際しては、各基地局内で発生される信号
の周波数安定度が問題になる。一般に、移動通信システ
ムでは、周波数の安定度が技術標準規格として制定され
ており、その値は、実用化が期待されているPHP(Pe
rsonal Handy Phone)において「絶対精度:3×10-6
以下であること」となっている。この値は絶対安定度で
あって、何時、いかなるときでもこの値を越えてはなら
ない値である。PHPにおいては、使用する周波数帯は
1.9GHz帯であり、1.9×109 ×3×10-6
計算から±5.7KHzとなる。この値は、送受信機の
いわゆるアップコンバージョン又はダウンコンバージョ
ンにおける周波数変換装置に用いる全ての局部発振器
(ローカルオッシレータ)の周波数安定度の和が±5.
7KHz以下であることを要求している。
【0019】局部発振器としては、通常、水晶発振器を
使用している。従って、実際に使用する局部発振器の周
波数安定度はこの値よりも数倍以上安定度が高い。とく
に電源投入直後を除いた短期(数秒〜数十秒程度)の周
波数安定度は近年の技術進歩により非常に高く、10-8
〜10-10 程度とることが出来る。そこで、この高周波
数安定度の局部発振器が使用されていることを利用し
て、いわゆるIF周波数にて高精度に周波数変動等を直
接測定することができる。
【0020】上述のように、短期の周波数安定度に着目
すれば、相当な確度で移動体の位置検出が可能になる。
しかしながら、この検出確度を更に高めるために、本発
明の一実施例の移動通信システムにおけるように、各基
地局間で周波数の較正が行われる。すなわち、この実施
例のシステムによれば、ドップラーシフト量を含む受信
電波の周波数の検出に先立って、ある基地局が所定周波
数の基準信号を周辺の各基地局に送出し、自局又は他の
基地局は受信した基準信号の周波数を検出・保存し、こ
の保存中の周波数でドップラーシフト量に関する検出結
果の修正ないしは較正を行う。
【0021】
【実施例】本発明による移動体の位置決め方法の一実施
例を、移動通信システムに用いた場合について説明す
る。
【0022】図6は、本発明の一実施例に係わる、移動
体に位置、移動速度及び移動方向の検出機能を備えたマ
イクロセル移動通信システムの構成の一例を示す図であ
る。この移動通信システムは、概略的には、移動加入者
系交換局 (MLS:Mobile Local Switch)50、固定電
話網への接続回線51、マイクロセルのサービスゾーン
A、B、C、D、E、F、G、各マイクロセルを構成す
る基地局(BS:BaseStation)53、54・・・5
9、移動体(MS:Mobile Station)60、61・・・
69を備えている。基地局53、54・・・59は、そ
れぞれの有線回線52で移動加入者系交換局50と接続
しており、この移動加入者系交換局50は無線アクセス
ノードとして無線回線の設定/解除や、ハンドオーバー
等の各種加入者系機能の制御を行う。
【0023】図5は、図6の基地局53、54・・・5
9の構成の一例を示すブロック図である。送信系では、
時分割多重化回路40により複数の有線チャネルから入
力される信号入力100が一定の時間ごとに区切られ、
各フレームに制御データが付加され、さらに、各チャネ
ルごとに割り当てられた短い時間内に送信処理をすませ
るために時間的に圧縮され、時間的に多重化される。こ
の多重化信号は、変調器41で変調されたのち、送信回
路42、アンテナ共用器43及びアンテナ44を通して
送信される。
【0024】一方、受信系では、アンテナ39に受信さ
れた制御用受信信号と、アンテナ44で受信されアンテ
ナ共用器43を経た通話用受信信号が、受信回路47を
通して復調器48に供給される。この復調器48は、受
信信号が伝搬路で受けた歪みを除去する機能の等化器を
含んでいる。復調された信号は、信号分離回路49に送
られ、ここで多重化回路40の逆動作によって多重分離
される。また、基地局制御装置(BCE)46は、フレ
ームタイミングを制御すると共に、発着信の制御や、安
定な周波数発信器を含む周波数シンセサイザ45の設定
/切替え制御を行う。ただし、信号入力100、信号分
離回路49の信号出力200や、各入出力制御データ1
11,112に接続するA/D変換器やD/A変換器な
どの、いわゆるコーデック(CODEC)回路の一部な
どについては図示が省略されている。
【0025】図3は、本発明の移動体の位置、移動速度
及び移動方向の検出に利用するドップラーシフト周波数
の検出の原理を説明する図である。自動車などの移動体
10が、速度vで矢印で示す方向に移動しながら周波数
0 (波長λ0 )の電波を放射するものとする。基地局
13,14で検出する受信電波の周波数fは、ドップラ
ー効果の原理から周波数シフトを含んだものとなる。こ
のドップラー効果に基づく周波数シフト量は、移動体と
基地局との相対速度に比例して増減する。また、移動体
が接近しつつある基地局では周波数が上側にずれるアッ
プシフトが生じ、移動体が遠ざかりつつある基地局では
周波数が下側にずれるダウンシフトが生ずる。ここで、
電波の伝播速度をC(=f0 λ0 )とおき、移動体の移
動方向(真っ直ぐ前方)に位置する基地局で生ずる周波
数の最大アップシフト量ΔFを(v/C)f0 =v/λ
0 (>0)とする。移動体10の移動方向と各基地局1
3と移動体を結ぶ線とのなす角をθとすれば、この基地
局への移動体の相対的接近速度はvcos θとなる。
【0026】従って、基地局13の受信電波に生じるド
ップラーシフト量Δfは、 Δf=(v/λ0 )cos θ =ΔFcos θ となる。同様にして、基地局14の受信電波に生ずるド
ップラーシフト量Δf′は、 Δf′=(v/λ0 )cos θ′ =−(v/λ0 )cos α =−ΔFcos α となる。また、ドップラーシフト量Δfとθ、あるいは
ドップラーシフト量Δf′とθ′とから基地局で検出さ
れる移動体の移動速度vが算定できる。すなわち、 v=ΔFλ0 cos θ ・・・・(1)
【0027】図4は、PHPで使用する1.9GHz
(λ0 ≒15.79cm)とその前後のいくつかの周波
数f0 について、最大周波数シフト量(ΔF)と、移動
体の移動速度(V)との関係を式(1)からθ=0とお
いて求めたものである。この結果から、人が歩く速度≒
4Km/h、自転車の速度≒10〜30Km/h、及び
自動車の速度≒30〜100Km/h、さらにそれ以上
の速度まで測定可能であることがわかる。ここで重要な
ことは、周波数シフト量を正確に検出するには検出方法
と共に、その検出に用いる各基地局内で発生する信号の
周波数の安定度が保証されることである。そこで、ま
ず、本実施例の移動通信システムで使用する各基地局内
の局部発振器の安定度について以下説明する。
【0028】一般に、局部発振器は、受信周波数を中間
周波数に変換するために使用する発振器であって、受信
電波と局部発振器の発信出力とを混合することで、二つ
の周波数の差の中間周波数を出力する。従って、各基地
局内の局部発振器の周波数安定度がそのままドップラー
シフト量の検出精度に影響を及ぼす。現在の移動通信シ
ステムの無線回線制御においては、いわゆるマルチチャ
ネルアクセスが一つの前提となっており、これを容易に
実現する手段として周波数シンセサイザが開発され、実
用に供されている。しかも、この周波数シンセサイザは
前述したようにハンドオーバー等の要請から、ますます
高速切替化の方向に技術開発が進行中である。
【0029】しかしながら、この高速切替周波数シンセ
サイザを周波数安定度の観点からみると、チャネル切替
えのために切替命令を設定してから周波数シンセサイザ
の出力周波数が±300Hz〜±1KHzの周波数誤差
範囲内におさまるまで、0.5ms〜2.0msかかる
というように、切替時間の短縮に技術開発の目的があ
り、最終的にどの程度の時間内にどの程度の周波数安定
度が達成できるかについては流動的である。特に、周波
数シンセサイザの構成ブロックである位相比較器の安定
度や位相分解能、さらには、電圧制御発振器(VCO)
の制御電圧の変化などに変動要因が考えられるため、総
合の周波数安定度は単なる水晶発振器の方が優れている
とも考えられる。このような状況にあって最近の技術進
歩により、前述したように、短期(数秒〜数十秒程度)
の周波数安定度に限って言えば10-8〜10-10 程度が
実現されている。そこで、マイクロセル移動通信システ
ム等における極小セルの特徴と短期の周波数安定度の実
現とに着目した本実施例の検出方法を以下説明する。
【0030】図2は、本発明の移動体の位置、移動速度
及び移動方向を検出する機能を説明するための概念図で
ある。図2において、六角形の各セルのほぼ中心に位置
する基地局20、21・・・35は、移動体10の移動
に伴って発生するドップラーシフト周波数を検出するた
めの検出点を兼ねている。また、図2中の直線群は移動
体10の移動方向を矢印で示した第1の直線11と、こ
の第1の直線にほぼ直角に交わる第2の直線12などを
表示している。
【0031】図5の基地局制御装置(BCE)46と、
図6の移動加入者系交換局(MLS)50とが実行する
移動体の位置、移動速度及び移動方向を検出する方法の
第1の実施例を図1のフローチャートを参照しながら説
明する。移動体(MS0 )が通信中に、在圏無線ゾーン
の基地局(BS0 )の基地局制御装置(BCE)46を
介して移動加入者系交換局(MLS)50に、ハンドオ
ーバーの実行要求があった場合などに、移動体(M
0 )の位置、移動速度及び移動方向を検出する必要が
生じたと移動加入者系交換局(MLS)50が判断した
ものとする。この場合、移動加入者系交換局(MLS)
50は、図1のフローチャートに従って移動体検出処理
を開始する。
【0032】図1中の移動体MS0 、この移動体の現在
位置しているサービスゾーンの基地局BS0 及びこの基
地局BS0 の周辺の基地局BS1 〜BS6 のそれぞれ
は、図2中の移動体10、基地局20、周辺の基地局2
1〜26に対応している。まず、移動体検出処理が開始
されると、移動加入者系交換局(MLS)50は、全て
の空きチャネル又はタイムスロット(以下「チャネル/
スロット」と表示する)の探索と探索結果の通知を基地
局BS0 〜BSn (ここでは基地局数n=6の例)に要
求する(ステップS1)。
【0033】基地局BS0 と周辺の基地局BS1 〜BS
n は、移動体(MS0 )から各基地局BS0 〜BSn
上り方向(MS0 送信・基地局BS0 〜BSn 受信)チ
ャネル/スロットの全ての空き状態を探索し、この探索
結果を移動加入者系交換局(MLS)50に直ちに通知
する(ステップS2)。この通知を受けた移動加入者系
交換局(MLS)50は、各基地局BS0 〜BSn に共
通の空きチャネル/スロットを探索し、そのうちの一つ
を選択して各基地局BS0 〜BSn に通知する(ステッ
プS3)。この通知を受けた各基地局BS0 〜BS
n は、指定された共通の空きチャネル/スロットで直ち
に受信待ち受け状態となる。
【0034】基地局BS0 は、指定された空きチャネル
/スロットを用いて、安定な周波数fC の無変調波、す
なわち実質的に周波数や位相の意図的な変化を伴う変調
を行わない電波を周辺の各基地局BS1 〜BSn に向け
て同時に送信する(ステップS4)。この場合、TDM
A方式では他のタイムスロットを用いて通話断を生じる
ことなく他の移動体との送受信が継続可能である。ま
た、基地局BS0 は、複数の受信が可能なように構成さ
れており、自局が送信した周波数fC の無変調波を自局
で受信できるように、基地局制御装置(BCE)46に
よる制御が行われる。さらに、この無変調電波の周波数
C は、一般的には、移動体(MS0 )が通信のために
現に使用している無線周波数(これをf0 とする。)と
同一の周波数でもよいし、他の無線周波数でもよい。た
だし、この無変調電波は、移動していない静止した装置
から送信した無線周波数であることが必要である。
【0035】各基地局BS0 〜BSn は、基地局BS0
から送信された周波数fC の無変調電波を受信し、検出
した周波数値fC0〜fCnを自局のメモリに記憶する(ス
テップS5)。図5を参照すれば、シンセサイザ方式
や、単なる水晶発振器で構成される安定な発振器を含む
周波数シンセサイザ45の出力は、局部発信信号として
受信回路47に供給される。受信された無変調電波(f
C )と局部発振信号とは受信回路47内の混合器で混合
され、差周波の中間周波信号に変換され、基地局制御装
置46に供給される。この中間周波信号の周波数が、基
地局制御装置(BCE)46内の周波数カウンタで検出
される。この場合において、安定な水晶発振器を用い
て、いわゆるダイレクトコンバージョン方式により直接
周波数変換する方式や、何段階かにわたる中間周波信号
の変換過程を経たものを検出してもよいことは明らかで
ある。
【0036】各基地局BS0 〜BSn は、検出した周波
数値fC0〜fCnを自局のメモリに記憶する。なお、検出
結果の確度を高めるための一般的手法、例えば繰り返し
検出して平均化するなどの統計的な処理方法や、いくつ
かのタイムスロットを連続してバースト状に送信するこ
とにより検出を容易にする方法などが適用できる。ま
た、この無変調電波の周波数の検出は、干渉の問題が生
じない限り、必ずしも共通の空きチャネル/スロットを
使用する必要がないことも明らかである。
【0037】各基地局BS0 〜BSn 内の基地局制御装
置(BCE)46は、前記空きチャネル/スロットの通
知を受けてから予め設定されている一定期間内に、受信
電波の周波数fC の検出と検出結果の記憶とを完了する
(ステップS6)。通常、この時間は数百ms以内であ
る。上記一定期間の経過後、測定対象である通話中の移
動体(MS0 )から、ステップS3で選択され指定され
た共通の空きチャネル/スロットを用いて周波数f0
一つの無変調電波が各基地局BS0 〜BSn に向かって
送信される(ステップS7)。各基地局BS0 〜BSn
は、ステップS5の場合と同様にして、受信した無変調
電波の周波数を検出し、それぞれの検出結果f00〜f0n
をメモリに記憶する(ステップS8)。
【0038】各基地局BS0 〜BSn 内の基地局制御装
置(BCE)46は、内蔵の演算装置において、記憶済
みの二つの測定データfC0〜fCnと、f00〜f0nとを用
いて以下の減算を実行する。 (f00−fC0),(f01−fC1)・・・(f0n−fCn) この減算によって各基地局内の局部発振器の周波数変動
が除去され、ドップラーシフト量を含む周波数の検出精
度が向上する。以下、その理由を説明する。
【0039】一般に、各基地局BS0 〜BSn 内の局部
発振器の発信周波数は時間の経過と共に変動するため、
それぞれの発振周波数は同一ではない。理想的には、各
基地局BS0 〜BSn の局部発振器の発振周波数が同一
であることが望ましい。そこで、この理想的な同一周波
数をf1 として、各基地局の同一周波数f1 からのズレ
量をΔf10,Δf11・・・Δf1nとすれば、各基地局の
局部発振器の発振周波数は以下のように表される。 (f1 +Δf10),(f1 +Δf11)・・・・(f1
Δf1n) この場合、ステップS5で検出された無変調受信電波の
周波数fC0,fC1・・・・fCnは、以下のように表され
る。 fC0=fC −(f1 +Δf10) fC1=fC −(f1 +Δf11) ・ ・ ・ fCn=fC −(f1 +Δf1n
【0040】また、ステップS8で検出された無変調受
信電波の周波数f00,f01・・・・f0nは、以下のよう
に表される。 f00=f0 −(f1 +Δf10)+ΔFcos θ001=f0 −(f1 +Δf11)+ΔFcos θ1 ・ ・ ・ f0n=f0 −(f1 +Δf1n)+ΔFcos θn ただし、fC0〜fCnの検出時点とf00〜f0nの検出時点
とでは、Δf10〜Δf1nが同一と見做せる程度に、各基
地局の局部発振器の発振周波数の短期安定度が高いもの
としている。
【0041】そこで、前述の演算を実行すると、 (f00−fC0)=f0 −fC +ΔFcos θ0 (f01−fC1)=f0 −fC +ΔFcos θ1 ・ ・ ・ (f0n−fCn)=f0 −fC +ΔFcos θn となる。すなわち、各基地局の理想的な同一周波数f1
からのズレ量Δf10,Δf11・・・Δf1nが減算によっ
て相殺され、完全に消去されてしまうという顕著な効果
が奏される。この結果、各基地局BS0 〜BSn 内の局
部発振器の発振周波数は実質的に同一と見做せることに
なる。
【0042】上述のように、各BS0 〜BSn の基地局
制御装置(BCE)46は、メモリに記憶済みの検出結
果を用いて(f00−fC0),(f01−fC1)・・・・
(f0n−fCn)を演算し、この演算結果を移動加入者系
交換局(MLS)50に通知する(ステップS9)。
【0043】移動加入者系交換局(MLS)50は、各
基地局が通知してきた演算結果(f00−fC0),(f01
−fC1)・・・・(f0n−fCn)のうち、最大値Fmax
及び最小値Fmin を通知してきた基地局(これらをそれ
ぞれ基地局BSmax と基地局BSmin とする)を探索す
る。図2の例では、基地局BSmax と基地局BSminは
それぞれ、基地局30と基地局26に該当する。ここ
で、マイクロセル移動通信のサービスゾーンは、周波数
の有効利用のためにマイクロセルからピコセルへと一層
極小化しつつあるので、検出点としての基地局はその設
置間隔がかなり密になっている。このため、最大値Fma
x 及び最小値Fmin のΔFcos θn 成分は、θn ≒0又
はπと近似できる。
【0044】すなわち、この場合、cos θn ≒±1と近
似でき、 Fmax =f0 −fC +ΔF ・・・・(2) Fmin =f0 −fC −ΔF ・・・・(3) と近似できる。移動加入者系交換局(MLS)50は、
(2)式と(3)式の各辺どうしを減算することによ
り、最大ドップラーシフト周波数ΔFを ΔF=(Fmax −Fmin )/2 ・・・・(4) と算定する(ステップS10)。
【0045】移動加入者系交換局(MLS)50は、自
局に保存中の地図データを参照して、Fmax の検出結果
を通知してきた基地局(BSmax 局という)と、Fmin
の検出結果を通信してきた基地局(BSmin 局という)
の位置を識別し、これらを結ぶ第1の直線を設定する
(ステップS11)。
【0046】ただし、ほぼ等しい値のFmax を通知して
きたBSmax 局が二つ有る場合は、二つのBSmax の中
間点とFmin を通知してきたBSmin 局を結ぶ線、また
は二つのBSmax 局とBSmin 局が一直線上にあるとき
はその直線を第1の直線とする。同様に、二つのBSmi
n 局があるときは、二つのBSmin 局の中間点とBSma
x 局を結ぶ線、または二つのBSmin 局とBSmax 局が
一直線上にあるときはその直線を第1の直線とする。
【0047】更に、ほぼ等しい値のFmax を通知してき
た基地局が三つ存在する場合において、各基地局の位置
が三角形の3頂点上に配列されているときは、3頂点の
うち、基地局BSmin と一直線上に存在する2点を結ん
だ直線と、BSmin と残る一つの頂点とを結ぶ直線との
なす角の二等分線と一致するように第1の直線を設定す
る。三つの基地局BSmax がBSmin を通る一直線上に
存在する場合には、それぞれをBSmin と結んだ直線が
求める第1の直線となる。以下同様にして、公知の種々
の手法が適用可能である。例えば、周波数のドップラー
シフト量で重み付けして基地局間の中間の位置を算定
し、この点を通るように第1の直線を設定することもで
きる。このような手法の一つとして最尤法(Maximum Lik
elihood Sequence Estimation Method) を適用すること
もできる。
【0048】移動加入者系交換局(MLS)50は、局
内の演算装置を用いて、各基地局から通知された検出結
果(f00−fC0),(f01−fC1)・・・・・(f0n
Cn)からΔFcos θ0 ,ΔFcos θ1 ・・・・ΔFco
s θn を演算する。すなわち、(2)式と(3)式か
ら、 Fmax +Fmin =2(f0 −fC ) (f0 −fC )=(Fmax +Fmin )/2 ・・・・(5) が得られる。この(5)式の値(一定値)を、(f00
C0),(f01−fC1)・・・(f0n−fCn)のそれぞ
れから減算することにより、各基地局のΔFcosθ0
ΔFcos θ1 ・・・ΔFcos θn が演算できる。また、
θn =±π/2のときは(5)式の一定値は(f0n−f
Cn)=f0 −fC から求めることができる。
【0049】上記演算結果に含まれるほぼゼロの値又は
ほぼ最小値、すなわちθn ≒π/2又は3π/2の値を
通知してきた基地局を探索し、この基地局を通り第1の
直線にほぼ直交するように第2の直線を設定する。この
ようにほぼゼロのドップラーシフト量を検出した基地局
(図2の例では、基地局20,21,24,27等)の
探索には、ドップラーシフト量ΔFcos θn の符号が、
変化する基地局に着目してもよい(ステップS12)。
この場合にも上記した最尤法が有効である。
【0050】上述の処理によって求めた各種の値から、
以下のように目的とする移動体の位置、移動速度及び移
動方向が求まる。すなわち、移動体の位置は第1の直線
と第2の直線との交点として求められる。また、移動速
度は(4)式で求めたΔFの値と、cos θ=1とを
(1)式に代入することにより求められる。さらに、移
動方向は、基地局BSmin からBSmax に向かう方向と
して求められる(ステップS13)。
【0051】以上、ほぼゼロのドップラーシフト量を検
出した二つの基地局を通りかつ第1の直線にほぼ直行す
るように第2の直線を設定する場合を例示した。しかし
ながら、ドップラーシフト周波数量のシフト方向が逆で
シフト量がほぼ等しい基地局の対を探索し、これらの基
地局又はそれぞれの近傍を通る直線を第2の直線として
設定することもできる。例えば、図2の場合、基地局2
2では37Hzのアップシフト量が検出され、基地局3
3では37Hzのダウンシフト量が検出されたものとす
れば、これらの基地局を通る直線9を第2の直線として
設定し、第1の直線11と第2の直線9との交点を移動
体の位置として検出することができる。
【0052】また、最大のアップ周波数量を検出した基
地局と最大のダウンシフト量を検出した基地局を通るよ
うに第1の直線を設定する例を説明した。しかしなが
ら、移動体の位置のみを検出する場合には、上述した条
件を満たす直線9を2本以上設定しそれぞれの交点を移
動体の位置として検出する構成とすることもできる。例
えば、図2の場合、基地局28では7Hzのアップシフ
ト量が検出され、基地局25では7Hzのダウンシフト
量が検出されたものとすれば、これらの基地局を通る直
線8を設定し、直線8と上述した条件を満たす他の直線
9との交点を移動体の位置とし検出することができる。
つまり、移動体の位置は、移動体の移動方向を示す第1
の直線と、その第1の直線で分けられた二つの領域の異
なる領域に存在する絶対値が略同じで符号が反対の一対
の基地局を結んで引かれる第2の直線と、の交点を求め
ることにより検出できる。
【0053】図1のフローチャートに示した移動体検出
処理では、ステップS4、S5、S6及びS9によっ
て、いわゆる較正(キャリブレーション)を行う場合を
説明した。この較正時期は、ステップS8の後、ステッ
プS4、S5、S6、S9の順に行ってもよい。これ
は、各基地局内の局部発振器の発振周波数の短期的な安
定度合が十分であっても、一般に各発振周波数は技術標
準規格を満足する範囲内でズレている場合などに対処す
るためである。しかしながら、移動加入者系交換局(M
LS)50から各基地局に基準クロック信号を供給し、
各基地局内で発生する信号をこの基準クロック信号に同
期させることにより、各基地局内の信号を全て一致させ
る構成とすることもできる。
【0054】例えば、移動加入者系交換局(MLS)5
0から光ファイバー等の広帯域の伝送路(例えば図6の
回線52)を介して基準クロック信号で強度変調した光
信号を供給する。例えば、1.9GHzの光強度変調
(IM)の波形でよい。これにより、全ての基地局の局
部発振周波数をf1 に一致させることが可能となり、処
理手順が一層簡略化される。この場合のドップラーシフ
ト量の検出原理を前述の式を参考に以下に説明する。
【0055】図1のフローチャートにおいて、ステップ
S4、S5及びS6を省いた場合には、ステップS8の
検出結果は、 f00=f0 −f1 +ΔFcos θ001=f0 −f1 +ΔFcos θ1 ・ ・ ・ f0n=f0 −f1 +ΔFcos θn となる。
【0056】図1のフローチャートの場合と同様に、各
基地局BS0 〜BSn は、この測定結果を移動加入者系
交換局(MLS)50に通知する(ステップS9)。次
に、移動加入者系交換局(MLS)50は、これらの測
定結果のうち最大値Fmax と最小値Fmin を通知してき
た基地局(BSmax とBSmin )を探索し、選択する。
以下、ステップS10以降は図1の場合と同様に、 Fmax =f0 −f1 +ΔF ・・・・(2)′ Fmin =f0 −f1 −ΔF ・・・・(3)′ となる。また、(2)′−(3)′から、最大ドップラ
ーシフト周波数ΔFは、 ΔF=(Fmax −Fmin )/2 ・・・・(4)′ と算定される(ステップS10)。また、ステップS1
1は同様であり説明は省略する。
【0057】さらに、 (f0 −f1 )=(Fmax +Fmin )/2 ・・・・(6) としてf00,f01・・・f0nのそれぞれの値から(6)
式の値(一定値)を減算することにより、各基地局のΔ
Fcos θ0 ,ΔFcos θ1 ・・・ΔFcos θn が同様に
求まる(ステップS12)。以下、ステップS13も図
1の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
【0058】図1のフローチャートのステップS1−S
3、S8−S9は各基地局の制御装置(BCE)46で
実行される。ステップS1−S3は基地局の制御装置
(BCE)46と移動加入者系交換局(MLS)50間
の交信によって実行される。このため、制御装置46に
は、これらステップの実行のためのプログラムの格納さ
れたROM(図示せず)、プログラム実行のためのマイ
クロコンピュータ(図示せず)が設けられている。一
方、ステップS1−S3,S6,S10−S13は移動
加入者系交換局(MLS)50で実行される。交換局5
0は、図9に示すように構成されている。即ち、回線5
1によって上位交換局に接続された交換装置93、回線
52によって各基地に接続されたI/Oインターフェー
ス91、前記各ステップの実行のためのプログラムの格
納されたROM95、各ステップにおいて、基地局より
送られてきて、制御装置92を介して与えられるデータ
に所定の演算を施す演算装置94、演算装置の演算の実
行を制御する制御装置92が設けられる。
【0059】次に、本発明の第2の実施例について図1
0を参照して説明する。第1の実施例ではθ≒0または
πに対応する基地局を結ぶ第1の直線を求め、次にθ≒
π/2に対応する基地局を通り第1の直線に直交する第
2の直線を求めた。第2の実施例では、θ≒π/2に対
応する基地局を結ぶ第1の直線を先ず求め、次にθ≒0
またはπに対応する基地局を通り第1の直線に直交する
第2の直線を求めるようにしている。
【0060】図10に示すように、先ずドップラーシフ
ト量Δf≒0(θ≒π/2)の複数の基地局を決める
(ステップS101)。この場合のΔf≒0に対応する
基地局の求め方として、以下の二つの方法がある。 前述した第一の実施例と同様に、まず(4)式およ
び(5)式を求めて、次に各基地局のΔFcos θn から
求める方法である。この方法によっても、ドップラーシ
フト量Δf≒0(θn ≒π/2)に対応する基地局を探
索して選定することができることはこれまでの説明から
明らかであろう。しかしながら、(2)式と(3)式の
ΔFは実際には必ずしも等しいとは限らない場合がある
ためFmax とFmin は誤差を含むこととなる。この結
果、(4)式から求めたΔFや(5)式から求めた(f
0 −fc )が不正確な値となり、Δf≒0(θn ≒π/
2)に対応する基地局を探索する場合に、選定誤差を生
じる場合がある。そこで、(2)式と(3)式のΔFと
は無関係にΔf≒0(θn ≒π/2)に対応する基地局
を探索して選定するもう一つの方法を以下に説明する。
【0061】 移動加入者系交換局(MLS)50
が、それぞれの周波数を送信時にあらかじめ正確なfc
とf0 の周波数の通知を受けるようにすれば、(5)式
を用いずとも直ちに(5)式の演算結果に相当する(f
0 −fc )が求まる。したがって、この場合において各
基地局から移動加入者系交換局(MLS)50に通知さ
れた検出結果(f00−fc0),(f01−fc1)・・・
(f0n−fcn)の中で最も(f0 −fc )に近い値を示
した基地局をドップラーシフト量Δf≒0(θn ≒π/
2)に対応する基地局として選定することができる。こ
こで、正確なfc とf0 の周波数は、基地局や移動体の
具備する周波数シンセサイザの設定値または、周辺の基
地局の有する周波数カウンタの測定値により検出するこ
とができることは、これまでの説明から明らかであろ
う。
【0062】次にドップラーシフト量Δfの値が正で、
その絶対値が最小の基地局、及びΔfの値が負で、その
絶対値が最小の基地局を選び(ステップS102)、そ
の基地局を結ぶ第1の直線を求める(ステップS10
3)。ステップS102で、ドップラーシフト量Δfの
値が正で、その絶対値が最小の基地局、及び/またはΔ
fの値が負で、その絶対値が最小の基地局が2つ以上あ
るときは、基地局間の距離が最大となる2つの基地局を
選ぶ(ステップS102)。
【0063】次に、ドップラーシフト量の最大値 (Fma
x)と最小値 (Fmin)の中の絶対値が大きい方の値を選ぶ
(ステップS104)。選択した値に対応する基地局を
通り第1の直線に直交する第2の直線を引く(ステップ
S105)。第1の直線と第2の直線の交点を移動体の
位置と決定する(ステップS106)。ステップS10
4で選択した値、Fmax or Fmin の値からΔFを求
め、ΔFの値から移動体の移動速度を求め、第2の直線
の方向を移動体の移動方向とする(ステップS10
7)。
【0064】更に他の位置決定例を次に示す。ドップラ
ーシフト量が実質的に零である基地局を通りかつ移動体
の推定される前の位置の方向へ伸ばすように第1の仮直
線を引く。そしてS104で選択されたようなドップラ
ーシフト量を有する基地局を通りかつ移動体の前の位置
と推定される方向に伸ばすように第2の仮直線を引く。
その後、前記第1及び第2の仮直線が、もし必要なら互
いに直交するように少し調整される。このようにして第
1と第2の直線が互いに直角に交わる地点として移動体
の新しい位置が決定される。
【0065】上述の第2の実施例では、複数の基地局で
測定されたドップラーシフト量の最大値 (Fmax)と最小
値 (Fmin)のうち、絶対値の大きい方、例えばFmax か
ら移動体の移動速度を求めるようにしている。しかし、
ドップラーシフト量を測定する基地局の数は限られてい
るので、実際にドップラーシフト量の最大値または最小
値が選ばれるとは限らない。それによる誤差を補正して
移動体の移動速度の測定精度を向上する方法を図11を
参照して説明する。
【0066】図10のフローチャートのステップS10
4で求めたドップラーシフト量の最大値と最小値の絶対
値の大きい方、例えば|Fmax |=Aとする。ドップラ
ーシフト量の絶対値BがAに近く、かつB/Aの値が所
定の範囲内、例えば0.60≦B/A≦0.85にあ
る、ドップラーシフト量に対応する基地局BS(B)を
選ぶ。 cos θ=B/A を満足する角度θの値を求め、基地局BS(B)を通
り、第2の直線と角度θで交わる第3の直線を引く。図
11において、L1が第1の直線、L2が|Fmax|=
Aの基地局BS(A)を通る第2の直線、L3が基地局
BS(B)を通る第3の直線である。第1の直線L1と
第2の直線L2が正しいとすると、第3の直線L3はL
1とL2の交点Mまたはその近傍を通る筈である。も
し、第3の直線L3が前記交点Mから大きく外れている
と、|Fmax |=Aが実際の最大値から大きく外れてい
ると考えられる。従って、逆にcos θ=B/xを満足す
るxの値を求め、|Fmax |=Aの代わりに|Fmax |
=xを用いて、移動体の移動速度を求める。これによ
り、移動体の移動速度の測定精度を向上することができ
る。尚、第2の実施例においても、第1の実施例の場合
と同様に、移動体の位置は、最小ドップラーシフト量に
基づいて引かれた第1の直線と、その第1の直線で分け
られた二つの領域の異なる領域に存在する絶対値が略同
じで符号が反対の一対の基地局を結んで引かれる第2の
直線と、の交点を求めることにより検出できる。
【0067】次に本発明の第3の実施例を図12、図1
3及び図14を参照して説明する。第3の実施例は、第
1の実施例による測定を少なくとも2回繰り返して、そ
の結果から移動体の位置、移動速度、移動方向、移動方
向の変化量を求めるものである。
【0068】まず、各基地局は、その局部発振器の発振
周波数の変動に対するキャリブレーションを実行したの
ち、第1回の受信周波数の測定を行い、交換局50はそ
の測定値に基づき各基地局のドップラーシフト量Δf1n
(n=0,1,2,...n)を求め、記憶する(ステ
ップS201)。この測定は後述の如くある条件の下に
おいては繰り返され、ステップS201では一般には第
m回 (m=1,2,3,...)の測定が実行され、Δ
mnが求められ記憶される。各基地局における、測定の
実行は交換局50よりの指示にもとづき開始され、その
とき交換局の制御装置92のタイマ(図示せず)がセッ
トされる。次に、各基地局のドップラーシフト量から最
大ドップラーシフト量ΔFを計算し、ΔFから移動体の
速度を求め、その移動体の速度に対応する測定時間間隔
のランクを、予め作製した表から決定する(ステップS
202)。表1は、移動体の速度に対する測定時間間隔
のランクを示す表の一例である。移動通信システムのセ
ルの半径が小さいときは測定間隔を小さくしている。し
かし、この移動体の速度と測定の時間間隔との関係は、
移動体位置の測定の目的と、移動体の移動する空間の環
境によって任意に決められる。
【0069】
【表1】
【0070】次にステップS203に進み、前回の測定
結果が記憶されているか、否かをチェックし、前回の測
定結果が記憶されていないときはステップS204に進
み、今回の測定から、ステップS202で決められたラ
ンクに対応する時間間隔(制御装置92内のタイマによ
る計測)が経過したとき、ステップS201に戻り次の
測定を実行する。ステップS203で前回の測定結果が
記憶されていると判定されたときはステップS205に
進む。
【0071】ステップS205では、前回の測定で求め
られ記憶されているΔfmnと今回の測定で求めたΔf
(m+1)nとの差(最大ドップラーシフト量ΔFの差とは限
らない。各BSでの前回データとの差)、δfn =Δf
mn−Δf(m+1)nを(各BS0 〜BSn につき)求める。
次に、各基地局の差δfn のうち絶対値の小さいものを
複数選択する(ステップS206)。このδfn が小さ
いことは、対応する基地局から見た移動体の方向と、移
動体の移動方向とのなす角度θの変化が少ないことを意
味し、ΔFmn及びΔF(m+1)nの絶対値が共に小さいとき
は対応する基地局が移動体の移動方向の直線から大きく
離れていることを、これに反してΔFmn及びΔF(m+1)n
の絶対値が共に大きいときは対応する基地局がその移動
方向の直線上、またはその近傍にあることを示す。
【0072】次に、前記選択されたδfn に対応するΔ
mnまたはΔf(m+1)nの中で、絶対値の最小、かつ符号
が反対の2つの基地局を選択し、これを結ぶ第1の直線
を引く(ステップS207)。また、選択されたδfn
に対応するΔfmnまたはΔf(m+1)nの中で、絶対値が最
大、かつ符号が反対の2つの基地局を選択し、これを結
ぶ第2の直線を引く(ステップS208)。第1の直線
と第2の直線の交点を移動体の位置とする(ステップS
209)。
【0073】次に、ΔfmnまたはΔf(m+1)nの中で、絶
対値が最大のものから、移動体の移動速度を(1)式よ
りθ=0として求め、また第2の直線から移動体の移動
方向を決定する(ステップS210)。
【0074】次に、各基地局のδfn のうち絶対値の大
きいものを複数選択する(ステップS211)。このδ
n が大きいことは、対応する基地局から見た移動体の
方向と移動体の移動方向のなす角度θがπ/2に等しい
か近い場合、または、移動体の移動方向が前回の測定と
今回の測定で大きく変化したことを示す。
【0075】次に、前記選択されたδfn に対応する同
一符号のΔfmnとΔf(m+1)nの値を比較し、Δfmnの絶
対値よりΔf(m+1)nの絶対値が大きい基地局を結ぶ直線
の方向に移動体の移動方向(言い換えると第2の直線の
方向)が変化したと判定する(ステップS212)。こ
の様子を図14に示す。図14において、中→max ,小
→max は、Δfmnの絶対値よりΔf(m+1)nの絶対値が大
きいことを示し、max→中,中→小はΔfmnの絶対値よ
りΔf(m+1)n絶対値が小さいことを示す。
【0076】ステップS210で求めた移動体の移動方
向と、ステップS212で求めた移動体の新しい移動方
向を比較して、両者が大きく隔離していないときは、こ
の測定の結果が正しいものと判断できる。
【0077】次に、ステップS210で求めた移動体の
旧移動方向と、ステップS212で求めた移動体の新し
い移動方向を基に、コントローラ92は、移動体の移動
方向の変化量(図14における角αに対応する量)を検
出する(ステップS213,S214)。
【0078】この変化量が所定量より大きいときは、ス
テップS204に進み、コントローラ92は今回の測定
より所定時間経過後ステップS201に戻って、移動体
の移動をさらに追跡する。移動方向の変化量が所定量よ
り小さいときは、ステップS215に進みコントローラ
92は、この測定が連続モードに設定されているか、否
かをメモリの所定アドレスに設定されているフラッグに
より判定し、連続モードに設定されているときは、ステ
ップS204に進み、コントローラ92は今回の測定よ
り所定時間経過後ステップS201に戻って次回の測定
を実行する。連続モードが設定されていないときは、測
定を中断する。
【0079】移動加入者系交換局(MLS)50は、上
述のようにして検出した移動体の位置、移動方向、移動
速度などに基づき、移動体に対するゾーンの切替え制御
(いわゆるハンドオーバ等)を行う。好適には、このよ
うなゾーン切替え制御は道路地図情報も参照して行われ
る。例えば、移動加入者系交換局(MLS)50は、局
内に設置されている地図情報記憶装置から移動体の近傍
の地図情報を読み取った結果、図7に例示するように、
移動体10が曲線で表示された道路に沿って基地局20
のゾーン内を矢印の方向に移動中であることを検出する
と、移動加入者系交換局(MLS)50は、道路地図情
報を加味して基地局20から基地局24へのゾーン切替
えを準備する。この際、検出した移動体の位置が道路か
ら外れた位置に存在する場合には、これが道路上に存在
するように検出した移動体の位置を修正することもでき
る。この処理をマップマッチングという。
【0080】また、上記移動通信システムにカーナビゲ
ーション機能を付加する場合などには、移動加入者系交
換局(MLS)50は、検出した移動体の位置などをそ
の在圏基地局を介してこの移動体に通知する。この場
合、移動体の位置などが移動加入者系交換局(MLS)
50からその移動体の在圏基地局に有線伝送路を介して
通知され、この在圏基地局からは無線によって移動体に
通知される。あるいは、移動加入者系交換局(MLS)
50は、検出した移動体の位置などをその在圏基地局を
介在させることなく、無線によって直接移動体に通知す
る構成とすることもできる。
【0081】最後に、前述した(1)式の導出方法につ
いて説明する。説明の便宜上、図8に示すように、速度
vm/sec で移動する移動体が地点Sで送信した周波数
0の電波の最初のレベルのピークを1/N秒後に受信
する基地局Lを想定する。この基地局Lは移動体の移動
方向と角θをなす方向に存在し、電波の速度をCm/se
c とすれば、この基地局Lと地点Sとの距離はC/Nm
である。この移動体は、1/N秒後に地点SからV/N
mだけ離れた地点S′まで移動し、基地局Lの方向は移
動方向と角θ′をなす方向に変化する。移動体が地点S
から地点S′まで移動する間に送信した電波のレベルの
ピークの総数はf0 /N個である。従って、地点S′と
基地局Lとの間には総数f0 /N個の電波のレベルのピ
ークが存在することになる。ここで、地点Sと地点S′
を結ぶ線上の各点から図示する矢印は、移動体の進行に
伴って発射された電波のレベルのピークの進行方向と進
んだ距離を示している。
【0082】すなわち、地点S′と基地局Lとの距離を
Rとすれば、この間を伝播する電波の波長λは、 λ=R/(f0 /N) ・・・・(A1) となる。また、移動体の移動速度は、一般に、 v=Δf・λ0 ・・・・(A2) となる。ここで、図8を参照すれば、 Rcos α=C/N−(v/N)cos θ ・・・・(A3) Rsin α=(v/N)sin θ ・・・・(A4) であるから、(A3)式と(A4)式とからαを消去す
ると、 R=(C/N)〔1−2(v/C)cos θ+(v/C)2 1/2 ・・・・(A5) を得る。(A5)式を(A1)式に代入すれば、 λ=(C/f0 )〔1−2(v/C)cos θ+(v/C)2 1/2 ・・・・(A6) この波長に該当する電波の周波数をfとすれば、f=C
/λであるから、 f=f0 /〔1−2(v/C)cos θ+(v/C)2 1/2 ・・・・(A7) を得る。
【0083】ドップラーシフト量Δfはf−f0 である
から、 Δf=〔1−〔1−2(v/C)cos θ+(v/C)2 1/2 〕f0 /〔1−2(v/C)cos θ+(v/C)2 1/2 ・・・・(A8) を得る。ここで、v/C≪1であることを考慮すれば、
分子と分母の根号中の第3項(v/C)2 を第1項と第
2項に対して省略できる。同様に、分子と分母の根号を
級数展開して第1項のみを残せば、 Δf≒(v/C)f0 cos θ/〔1−(v/C)cos θ〕 ≒(v/C)f0 cos θ =(v/λ0 )cos θ =ΔFcos θ ・・・・(A9) となる。(A2)式に(A9)式を代入して前述した
(1)式を得る。
【0084】以上の説明では、測定対象の移動体は一つ
であったが、少なくとも一つ以上の移動体が同一のサー
ビスゾーンに存在している場合にも、それぞれの移動体
について上記の移動体検出処理を並行して実行すること
により、それぞれの位置、移動速度及び移動方向を並行
して検出できることは明らかであろう。この場合におい
て、マイクロセルがオーバーラップしている状況のもと
ではオーバーラップしている各基地局に移動体検出処理
のための負荷を分散したり、他の移動加入者系交換局
(MLS)の制御の下に適切な検出点に対応するいくつ
かの基地局を割当て、限定して検出したりすることが、
網の制御や無線回線制御の最適化の観点から望ましい。
【0085】また、前述したVICSシステムやマンロ
ケーションシステムなどに適用する場合には、意図的な
観測点の設置場所としての道路や通路、階段、その他検
出したいゾーンの状況や検出に携わる基地局の間隔、検
出の分解能に対応して、基地局の設置密度や検出用の移
動体から送信する無変調電波の周波数を選定すべきであ
ることは上記の説明から明らかであろう。例えば、図4
を参照すれば、低速の移動体についても大きなドップラ
ーシフト量を発生させるために、無変調電波の周波数を
使用可能な最高周波数に設定すればよい。
【0086】上記実施例では、各基地局がほぼ平面上に
配置されている場合を例示した。しかしながら、各基地
局はビルの各階などに三次元的に配列されていてもよ
く、この場合、階段やエレベータで移動中のPHPの速
度や位置などを三次元的にも検出可能である。
【0087】また、上記実施例では、較正用の無変調電
波を在圈基地局から送信する構成を例示した。しかしな
がら、この較正用の無変調電波を、基地局とは別個に散
在して設置されている他の装置、あるいは移動加入者系
交換局など、適宜な静止状態にある装置から送信する構
成とすることもできる。
【0088】さらに、上記実施例では、TDMA方式の
場合を例にとって本発明の移動通信システムを説明し
た。しかしながら、本発明の移動通信システムがその他
のディジタル方式(CDMA(Code Division Multiple
Access) 方式等)またはアナログ方式(FDMA(Frequ
ency Division Multiple Access)方式等)にも適用可能
であることは明らかである。また、周波数の検出である
ため、従来の方式に比べて検出に必要な時間は数秒以内
と短時間である。
【0089】また、上記実施例では、移動体の送信する
周波数を周辺の多数の基地局が検出する場合を例示した
が、逆に基地局が定期的に送信するいわゆる報知信号な
どを順次移動体が受信する方式も可能であることは明ら
かである。しかしこの場合には、移動体での処理に要す
る負荷が大きくなり、小型化が要請される携帯電話等に
は不向きであろう。
【0090】また、PHPや自動車電話システムなどの
移動通信システムの場合を例にとって本発明を説明し
た。しかしながら、本発明は、工場内や屋外などを走行
するロボットや無人車両の位置検出や、道路上を走行す
る自動車のカーナビゲーションシステムなどの移動体の
位置決めシステムに適用できることは明らかである。
【0091】さらに、上記ロボットや車両などの移動体
の位置決めシステムにおいては、移動体に搭載している
電波の送信器をこの移動体に対してその進行方向に所定
速度で高速に移動させながら電波を送信させることによ
り、移動体の移動速度よりも大きなドップラーシフト量
を発生させる構成とすることもできる。これにより、静
止している機器の位置も決定することが可能となる。
【0092】以上、これまで説明したドップラーシフト
量Δfの検出においては、無変調波のドップラーシフト
量検出を基本としてきた。このことは、PHP等に用い
られる無変調の正弦波(搬送波)が送信され、マルチパ
スによる波形歪が生じても、受信される信号の振幅と位
相のみが変化するため、Δfの検出が容易となるという
公知の事実を適用することを狙ったからである。
【0093】しかしながら、振幅が極端に小さくなると
正確な周波数の検出が困難となる。この場合には、指向
性アンテナや各種のダイバーシチ方式の適用が有効とな
ることは明らかであろう。それでは、変調波においてド
ップラーシフト量の検出が不可能かというと、そうでは
なく、現実にGPSの受信機ではドップラーシフトが検
出できる。すなわちCDMA方式のBPSK(Binary Ph
ase Shift Keying) 信号を復調してキャリヤ周波数のド
ップラーシフト量が検出されている。
【0094】また、FSK(Frequency Shift Keying)
信号の中心周波数とシフト周波数とも同一のドップラー
シフトを受けるため、受信側で例えばディスクリミネー
タ(Discriminator) の出力シフト量から検出できること
は明らかであろう。しかしながら、変調波は信号帯域が
広がっているため空間伝搬中にこの電波がいわゆる選択
性フェージング(Selective Fading)を受けやすくなっ
ていると考えられるため、変復調方式に対応したドップ
ラーシフト量の検出を工夫する必要があろう。
【0095】さらにまた、マルチパスを受信する場合に
は、パスが異なるとドップラー周波数と伝搬時間が異な
るという問題がある。このとき、電波を測定する各基地
局のセクタアンテナのような指向性アンテナに対応し
て、電波伝搬における遅延プロファイルまたは遅延スプ
レッドを測定して、この伝搬遅延時間が最小値を示した
ときの指向性セクタアンテナで受信したデータを採用す
れば、上記マルチパスの問題は軽減される。すなわち、
最短距離で到来した電波を受信するためである。
【0096】例えば伝搬遅延時間の測定は以下のように
実施する。ここでは便宜上、基地局アンテナのセクタ数
を3〜12とし、予め定めたPN符号(疑似ランダム符
号)又は一定長の符号の適当な1,0のディジタル信号
(例えばユニークワード等)を変調して移動体から送信
する。そしてこのPN信号を受信基地局のセクタアンテ
ナで受信し、この受信復調信号と前記した予め定めたP
N符号との相関を取ることによって、この場合の相対的
伝搬遅延時間を各セクタアンテナにつき求めることがで
きる。このときの電波の遅延時間を横軸に、各電波の電
力を縦軸にプロットしたものが遅延プロファイルであ
る。また、各受信電波を受信電力で重み付けした、平均
遅延時間差の回りの2次モーメントの平方根を求めたも
のが遅延スプレッドである。以上説明したようにマルチ
パスの存在する環境では、本発明の位置決め精度が劣化
する場合が考えられる。しかしながら、実際のシステム
への応用を考える場合、特にマイクロセル無線通信や構
内無線通信システムのような基地局当たりのサービスエ
リアが狭い移動通信システムにおいては、低アンテナ高
でしかも電波の到達距離が短いため、遅延スプレッドは
一般に小さいことが分かっている。もちろん、直接波が
ほとんどというサービスエリアも多く存在しており、都
市部で移動体通信を行うストリートマイクロセルにおい
ては見通し内通信となる場合が多いと考えられるため、
伝搬遅延時間差や遅延スプレッドも小さく、上記マルチ
パスの問題は本発明の有効性を少しも阻害するものでは
ない。
【0097】次にマルチパスの問題を軽減ないし解決す
るための技術である第4の実施例について説明する。図
15は、遅延プロファイルの一例である。この遅延プロ
ファイルには、最短距離到来波の他マルチパスによる反
射波等が含まれている。受信基地局のセクタアンテナ毎
にこの遅延プロファイルを求めその中の最短距離到来波
を選択しドップラー周波数の測定に使用する。ここで遅
延プロファイルに代えて遅延スプレッドを用いてもよい
ことは明らかであろう。
【0098】図17は本実施例における基地局のセクタ
アンテナの一構成例を示す図である。ここで300はセ
クタアンテナシステム、その中の301〜312は各セ
クタに設置されたセクタアンテナである。図示するよう
に、360度の全方位を12のセクタに分け、指向性を
高めている。図18は本実施例における到来波の遅延時
間差の検出制御方法を説明するための移動機と基地局の
ブロック構成の一例である。ここで、移動機320は、
無指向性の送受信アンテナ321、送受信装置322、
送受信装置322の一部に含まれる変調器323、およ
びPN信号発生器324を含んで構成されている。
【0099】また基地局330は、セクタアンテナシス
テム300の中で遅延プロファイルの中から最短遅延波
を受信するために探索選定されるべきセクタアンテナ3
01〜312、送受信装置332、送受信装置332の
一部に含まれる復調器333、PN信号発生器334、
相関器335、遅延プロファイル記憶・評価装置33
6、制御装置337、および回線52によって移動加入
者系交換局(MLS)50に接続されたI/Oインター
フェイス338を含んで構成されている。
【0100】次に到来波の遅延時間差の検出制御方法を
図16に示す制御手順に従って説明する。尚、本実施例
においても、図1に示す制御手順が基本となる。すなわ
ち、図1で示すステップS1からS6の処理が実行され
た後に、本実施例の図16に示す処理が実行され、その
後再び図1に示すステップS7からS13の処理が実行
される。したがって、本実施例においては、図1のステ
ップS1からS13に関する説明は省略して図16に示
す処理のみを説明する。
【0101】図1に示すステップS6までの処理が実行
された後、図16に示すステップS6Aに移行する。す
なわち、移動機320においては、PN信号発生器32
4で生成したPN信号を送受信装置322の変調器32
3で変調し、送受信アンテナ321を介して周辺基地局
(BS0 〜BSn )に送信する。ここで基地局330
は、周辺基地局(BS0 〜BSn )の一つを代表して図
示したものである。また、送信キャリア周波数はf0
する(ステップS6A)。基地局330においては、制
御装置337が、選定されるべきセクタアンテナ301
〜312のうちの一つをアンテナ切替器331で切り替
えながら順に選択する。さらに制御装置337は、移動
機から送信された変調波を受信し、このときの受信電力
レベルを測定する。ここで、受信レベルが最大となるセ
クタアンテナとその両隣のセクタアンテナの少なくとも
3つのセクタアンテナを探索する(ステップS6B)。
なお、この場合においてセクタアンテナの探索数を3つ
としたが、要求される計算時間や測定精度との関連で探
索数を増減できることは明らかであろう。
【0102】次に、送受信装置332の復調器333で
復調されたPN信号は、基地局330に内蔵するPN信
号発生器334で生成した信号と共に相関器335およ
び制御装置337に入力される。ここでは、PN信号の
生成タイミングを少しずつずらしながら復調されたPN
信号との相関をとる。この処理を探索した3つの各セク
タアンテナにつき繰り返し行うと、遅延プロファイル記
憶・評価装置336に遅延プロファイルのデータベース
が得られる(ステップS6C)。そこで、横軸に相対遅
延時間をとり縦軸に受信レベルをとった遅延プロファイ
ルのデータの中から最短距離到来波を探索する(ステッ
プS6D)。この時の最短距離到来波を受信したセクタ
アンテナを3つのなかから選んで、前述のドップラー周
波数の測定に用いる。制御装置337は以上の処理に必
要な制御を行うとともに、I/Oインターフェイス33
8と回線52を介して移動加入者系交換局(MLS)5
0との接続制御を行う。ここで遅延プロファイル記憶・
評価装置336の遅延プロファイルのデータベースを活
用することを考える。すなわち、移動機の既知の位置に
おける遅延プロファイルのデータとステップS6Cで得
られた遅延プロファイルのデータベースとのマッチング
を取ることにより、移動局の位置・速度・移動方向の変
化等をより精度よく検出することが出来ることは、公知
の技術として明らかである。さらに、fC 測定時にマル
チパスの最短到来波を受信するアンテナを選択すること
もできる。
【0103】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の移
動通信システムと位置決めシステムによれば、移動体の
運動に起因して発生するドップラー効果に基づく周波数
シフト量の検出を移動体から送信される移動体の送信電
波を周囲の基地局が測定することによって実現する構成
であるから、移動体での処理負荷が最小限にとどめら
れ、しかも位置、移動速度、移動方向の三つの量を同時
に測定可能になるという従来システムにない顕著な効果
が奏される。
【0104】また、上記本発明の移動通信システムによ
れば、これまで一般的に用いられてきた電波の電力(電
界強度)に着目した測定方法とは異なり、電波の周波数
と周辺基地局(測定点)の高密度化に着目した測定方法
であるため、検出確度、検出所要時間、検出分解能及び
検出精度の大幅な向上が実現できるという顕著な効果が
奏される。
【0105】さらに、上記本発明の移動通信システムに
よれば、検出所要時間が大幅に短縮されると共に、検出
分解能と検出精度とが大幅に向上されるため、マイクロ
セルなどの極小セルシステムにおいて従来特に問題とな
っていたハンドオーバーの迅速化や、いわゆるSMD
(Speed and Moving Direction)法などのダイナミック
チャネル割当法を適用するに当たって通信網等の制御を
容易にできるという顕著な効果を奏する。
【0106】また、本発明の移動通信システムによれ
ば、移動体の位置、移動速度及び移動方向を迅速かつ高
精度で検出できるため、いわゆるハンドオーバー等の技
術に関する網の柔軟な制御において、あるいはVICS
やマンロケーションシステムなどにおいて、移動体への
高度なサービスを一層容易に実現できる移動通信システ
ムを提供することができる。特に、1992年電子情報
通信学会秋季大会B−320に記載されたようなSMD
法などに好適な検出手段となるものと考えられる。さら
に、将来的には移動体の正確な識別によって可能となる
きめ細かいサービスや、インテリジェントネットワーク
上での網制御が一層容易になった移動通信システムを提
供することができる。
【0107】さらに、本発明の移動通信システムによれ
ば、いわゆるVICSシステムやマンロケーションシス
テムにおいて、また、ビル等の三次元的サービスゾーン
を構成する移動通信システムにおいて、移動体の位置、
移動速度及び移動方向の情報が、従来よりも迅速かつ正
確に得られるため、多数の移動体をサービス対象とした
場合においても、システムのスループットを低下させず
に運用できるという効果を奏する。
【0108】上記本発明の移動通信システムによれば、
ドップラー効果に基づく周波数シフト量が全てほぼゼロ
の場合には、測定対象の移動体が実質的に移動していな
い(停止している)ことが検知できるという利点もあ
る。
【0109】また、上記本発明の移動通信システムによ
れば、マルチパスが存在する場合においても、マルチパ
スの悪影響を低減して測定できるので、マイクロセルか
らマクロセルまで全てのセル構成に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による移動体の位置を決
める方法の制御手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例による移動通信システムにお
ける、各基地局のサービスゾーンの配置と、移動体の位
置、移動方向、及び移動速度を検出する方法との関係を
示す図である。
【図3】本発明の一実施例による移動通信システムにお
いて、各基地局が移動体から受信した電波の周波数から
移動体の位置、移動方向、及び移動速度を検出する原理
を説明する図である。
【図4】移動体の移動速度と、基地局で観察される最大
ドップラーシフト量との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による移動通信システムを構
成する各基地局の主要部分の回路構成を示すブロック図
である。
【図6】本発明の一実施例による移動通信システムの典
型例であるマイクロセル移動通信システムの概略構成を
示す図である。
【図7】本発明の一実施例において、道路地図情報を用
いたゾーン切替えの制御を説明する図である。
【図8】ドップラーシフト量の検出の原理を説明する図
である。
【図9】移動加入者系交換局の構成を示すブロック図で
ある。
【図10】本発明の第2の実施例による移動体の位置決
め方法の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施例の変形例を説明する図である。
【図12】本発明の第3の実施例の制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図13】本発明の第3の実施例の制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図14】移動体の移動方向の変化量を測定する方法を
説明する図である。
【図15】遅延プロファイルの一例を示す図である。
【図16】第4の実施例におけるマルチパス対応時の制
御手順を示す図である。
【図17】第4の実施例で用いる基地局のセクタアンテ
ナの構成例を示す図である。
【図18】到来波の遅延時間差の検出制御方法を説明す
るための移動機と基地局のブロック図である。
【符号の説明】
10 移動体 20 移動体の在圏基地局 21〜35 周辺の基地局 40 多重化回路 41 変調器 42 送信器 43 アンテナ共用器 45 シンセサイザ 46 制御回路 47 受信器 48 復調器 49 信号分離回路 50 移動加入者系交換局(MLS) 52 回線 53〜59 基地局(BS) 60〜69 移動体 91 I/Oインターフェース 92 制御装置 93 交換装置 94 演算装置 95 ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7304−5K H04B 7/26 106 B

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体から所定の周波数の電波を発信す
    るステップと、 前記移動体から発信される電波を受信可能な領域内の離
    間した複数の位置にあって、それぞれ前記移動体から発
    信された電波を受信して、その受信電波の周波数を検出
    するステップと、 前記複数の位置のそれぞれにおいて検出される受信電波
    の周波数の前記所定の周波数からの変化量と、前記複数
    の検出位置の情報とに基づいて、前記移動体の位置を求
    めるステップと、 を具備することを特徴とする移動体の位置を決める方
    法。
  2. 【請求項2】 移動体から所定の周波数の電波を発信す
    るステップと、 前記移動体から発信される電波を受信可能な領域内の、
    離間した複数の位置において、それぞれ前記移動体から
    発信された電波を受信して、その受信電波の周波数を検
    出するステップと、 前記複数の位置において検出される受信電波の周波数に
    基づいて、それぞれの位置において観測される前記移動
    体の移動に伴うドップラーシフト量を示すドップラーシ
    フト信号を求めるステップと、 前記それぞれのドップラーシフト信号の中から、予め定
    めた条件を満足する少なくとも2種のドップラーシフト
    信号を選択するステップと、 前記選択されたドップラーシフト信号に対応する前記検
    出位置の情報から前記移動体の位置を求めるステップ
    と、 を具備することを特徴とする移動体の位置を決める方
    法。
  3. 【請求項3】 前記選択されるドップラーシフト信号
    は、前記複数のドップラーシフト信号で表されるアップ
    ワードドップラーシフト量の最大のものを与える第1の
    ドップラーシフト信号、ダウンワードドップラーシフト
    量の最大のものを与える第2のドップラーシフト信号、
    及びドップラーシフト量の最小のものを与える第3のド
    ップラーシフト信号を含むことを特徴とする請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 前記移動体の位置は、前記第1のドップ
    ラーシフト信号に対応する検出位置と、前記第2のドッ
    プラーシフト信号に対応する検出位置とを結ぶ第1の直
    線と、前記第3のドップラーシフト信号に対応する検出
    位置を通り、前記第1の線に直角な第2の直線との交点
    より決められることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記選択されるドップラーシフト信号
    は、前記複数のドップラーシフト信号で表されるアップ
    ワードドップラーシフト量の最大のものを与える第1の
    ドップラーシフト信号、ダウンワードドップラーシフト
    信号、及びほぼ等しいアップワードシフト量とダウンワ
    ードシフト量を与える第3、第4のドップラーシフト信
    号を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記移動体の位置は、前記第1のドップ
    ラーシフト信号に対応する検出位置と、前記第2のドッ
    プラーシフト信号に対応する検出位置とを結ぶ第1の直
    線と、前記第3のドップラーシフト信号に対応する検出
    位置と、前記第4のドップラーシフト信号に対応する検
    出位置とを結ぶ第2の直線との交点より決められること
    を特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 移動体の移動可能な領域内の複数の離間
    した位置の各々において前記移動体から発信される所定
    周波数の電波を受信し、受信電波の周波数の前記所定周
    波数からの変化量を求める手段と、 前記複数の位置においてそれぞれ受信される前記移動体
    から発信される電波の周波数の変化量と、前記複数の位
    置とに基づいて前記移動体の位置を決める手段と、 を具備することを特徴とする移動体の位置決め装置。
  8. 【請求項8】 複数の離間した固定位置のそれぞれに設
    けられた、移動体から発信される所定周波数の電波を受
    信して、その周波数を検出する手段と、 前記複数の固定位置において検出された受信電波の周波
    数に基づいて、それぞれの固定位置において観察される
    前記移動体の移動に伴うドップラーシフト量を示すドッ
    プラーシフト信号を作る手段と、 前記それぞれのドップラーシフト信号の中から、予め定
    めた条件を満足する少なくとも2種のドップラーシフト
    信号を選択する手段と、 前記選択されたドップラーシフト信号に対応する前記固
    定位置の情報から前記移動体の位置を求める手段と、 を具備することを特徴とする移動体の位置決め装置。
  9. 【請求項9】 前記選択されるドップラーシフト信号
    は、前記複数のドップラーシフト信号で表されるアップ
    ワードドップラーシフト量の最大のものを与える第1の
    ドップラーシフト信号、ダウンワードドップラーシフト
    量の最大のものを与える第2のドップラーシフト信号、
    及びドップラーシフト量の最小のものを与える第3のド
    ップラーシフト信号を含むことを特徴とする請求項8記
    載の移動体の位置決め装置。
  10. 【請求項10】 前記移動体の位置は、前記第1のドッ
    プラーシフト信号に対応する固定位置と、前記第2のド
    ップラーシフト信号に対応する固定位置とを結ぶ第1の
    直線と、前記第3のドップラーシフト信号に対応する固
    定位置を通り、前記第1の線に直角な第2の直線との交
    点より決められることを特徴とする請求項9記載の移動
    体の位置決め装置。
  11. 【請求項11】 前記選択されるドップラーシフト信号
    は、前記複数のドップラーシフト信号で表されるアップ
    ワードドップラーシフト量の最大のものを与える第1の
    ドップラーシフト信号、ダウンワードドップラーシフト
    量の最大のものを与える第2のドップラーシフト信号、
    及びほぼ等しいアップワードシフト量とダウンワードシ
    フト量を与える第3、第4のドップラーシフト信号を含
    むことを特徴とする請求項8記載の移動体の位置決め装
    置。
  12. 【請求項12】 前記移動体の位置は、前記第1のドッ
    プラーシフト信号に対応する固定位置と前記第2のドッ
    プラーシフト信号に対応する固定位置とを結ぶ第1の直
    線、及び前記第3のドップラーシフト信号に対応する固
    定位置と前記第4のドップラーシフト信号に対応する固
    定位置とを結ぶ第2の直線の交点より決められることを
    特徴とする請求項11記載の移動体の位置決め装置。
  13. 【請求項13】 与えられた領域内を移動する移動体と
    無線通信するため前記領域内の複数の離間した位置に基
    地局を備え、それぞれの基地局の通信サービスゾーンに
    よって前記領域がカバーされて構成される移動体通信シ
    ステムであって、 前記基地局の各々に設けられ、前記移動体から発信され
    る所定周波数の電波を受信して、その受信電波の周波数
    を検出する手段と、 前記複数の基地局において検出された受信電波の周波数
    に基づいて、それぞれの基地局において観測される前記
    移動体の移動に伴うドップラーシフト量を示す複数のド
    ップラーシフト信号を求める手段と、 前記複数のドップラーシフト信号の中から、予め定めた
    条件を満足する少なくとも2種のドップラーシフト信号
    を選択する手段と、 前記選択されたドップラーシフト信号に対応する前記位
    置情報とその位置におけるドップラーシフト量とから前
    記移動体の位置を求める手段と、 を具備することを特徴とする移動体通信システム。
  14. 【請求項14】 電波を送信する移動体と無線通信を行
    うために移動体の移動可能な領域内に配置されている複
    数の基地局と、 これら各基地局にて受信した前記移動体から送信される
    所定の電波の受信周波数を検出するための周波数検出手
    段と、 この周波数検出手段の検出結果と前記移動体から送信さ
    れる前記所定の電波の送信周波数との差異、および前記
    各基地局の位置とから前記移動体の位置を検出するため
    の移動体検出手段と、 を備えたことを特徴とする移動体通信システム。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段は、前記周波数検出手段の検出結果
    に基づき前記移動体の移動方向を検出する移動方向検出
    手段を更に備えていることを特徴とする移動体通信シス
    テム。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段は、前記周波数検出手段の検出結果
    に基づき前記移動体の移動速度を検出する移動速度検出
    手段を更に備えていることを特徴とする移動体通信シス
    テム。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段は、前記周波数検出手段が検出した
    周波数の差異をドップラーシフトによる変化量を含むも
    のとして取り扱うことを特徴とする移動体通信システ
    ム。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段は、ほぼ最大のアップシフト量を含
    む検出値を得た少なくとも一つの基地局またはその近傍
    と、ほぼ最大のダウンシフト量を含む検出値を得た少な
    くとも一つの基地局またはその近傍とを通る第1の直線
    と、ほぼゼロまたは最小のシフト量を含む検出値を得た
    少なくとも一つの基地局またはその近傍を通りかつ前記
    第1の直線にほぼ直交する第2の直線との交点を前記移
    動体の位置として検出する手段を備えたことを特徴とす
    る移動体通信システム。
  19. 【請求項19】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段は、ほぼ最大のアップシフト量を含
    む検出値を得た少なくとも一つの基地局またはその近傍
    とほぼ最大のダウンシフト量を含む検出値を得た少なく
    とも一つの基地局またはその近傍とを通る第1の直線
    と、ほぼ等しいアップシフト量とダウンシフト量のそれ
    ぞれを含む検出値を得た少なくとも二つの基地局または
    それぞれの近傍を通る第2の直線との交点を前記移動体
    の位置として検出する手段を備えたことを特徴とする移
    動体通信システム。
  20. 【請求項20】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記検出された移動体の位置、移動方向及び移動速度の
    少なくとも一つに基づき前記移動体の通信に係わるゾー
    ンの切り替え制御をするための切替え制御手段を更に備
    えていることを特徴とする移動体通信システム。
  21. 【請求項21】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記各基地局と有線又は無線伝送路を介して接続される
    移動加入者系交換局を更に備えていることを特徴とする
    移動体通信システム。
  22. 【請求項22】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段は、前記移動加入者系交換局に備え
    ていることを特徴とする移動体通信システム。
  23. 【請求項23】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記各基地局は、前記受信電波の検出に先立ってまたは
    検出の後に所定周波数の基準信号を周辺の各基地局に送
    信する基準信号送信手段と、自局又は他の基地局から受
    信した基準信号の周波数を検出し保存する手段と、この
    保存中の周波数で前記検出結果を修正する手段とを更に
    備えていることを特徴とする移動体通信システム。
  24. 【請求項24】 請求項14記載の移動体通信システム
    において、前記周波数検出手段は、前記移動体から前記
    所定周波数の電波が発信される直前、または直後におい
    て非移動体から発信される前記所定周波数の電波を受信
    してその受信周波数を検出し、記憶する手段を含み、該
    記憶された周波数を前記所定の周波数とする移動体通信
    システム。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の移動体通信システム
    において、 前記非移動体は、前記移動体の在圏する基地局を含むこ
    とを特徴とする移動体通信システム。
  26. 【請求項26】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記各基地局は、前記移動体検出手段に有線伝送路を介
    して接続され、この有線伝送路を通して前記移動体検出
    手段が送信した信号を用いて前記移動体の送信電波の周
    波数の検出を行うことを特徴とする移動体通信システ
    ム。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記有線伝送路は広帯域伝送路を含むことを特徴とする
    移動体通信システム。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記広帯域伝送路は、光ファイバーケーブルを含むこと
    を特徴とする移動体通信システム。
  29. 【請求項29】 請求項19に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記切り替え制御手段は地図情報記憶手段を更に備え、
    この地図情報記憶手段に記憶されている地図と前記移動
    体の検出結果との比較により前記移動体の通信に係わる
    ゾーンを切り替え制御することを特徴とする移動体通信
    システム。
  30. 【請求項30】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記移動体検出手段が検出した移動体の位置、移動方向
    及び移動速度のうち少なくとも一つをこの移動体に通知
    する通知手段を更に備えたことを特徴とする移動体通信
    システム。
  31. 【請求項31】 請求項14に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、 前記各基地局と前記移動体とはTDMA方式、CDMA
    方式又はFDMA方式の通信を行うと共に、前記移動体
    からの周波数検出対象の電波の送信は、前記各基地局に
    共通の空きタイムスロット又は空きチャネルを使用して
    行われることを特徴とする移動体通信システム。
  32. 【請求項32】 所定周波数の電波を送信する移動体と
    無線通信を行うために移動体から送信される電波を受信
    可能な領域内に複数の基地局を配置し、 これら各基地局で受信した前記移動体からの電波の受信
    周波数を検出するための周波数検出ステップと、 この周波数検出ステップによる検出結果と前記移動体か
    ら送信される前記所定周波数の電波の送信周波数との差
    異及び前記各基地局の位置とから前記移動体の位置を検
    出するためのステップと、 を備えたことを特徴とする移動体検出方法。
  33. 【請求項33】 電波を送信する移動体と無線通信を行
    うために移動体から送信される電波を受信可能な領域内
    に配置されている複数の無線局と、 これら各無線局にて受信した前記移動体から送信される
    所定の電波の受信周波数を検出するための周波数検出手
    段と、 この周波数検出手段の検出結果と前記移動体から送信さ
    れる前記所定の電波の送信周波数との差異、及び前記各
    無線局の位置から前記移動体の位置を検出するための移
    動体検出手段と、 を備えたことを特徴とする移動体の位置決め装置。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記移動体検出手段は、前記周波数検出手段の検出結果
    に基づき前記移動体の移動方向を検出する移動方向検出
    手段を更に備えていることを特徴とする移動体の位置決
    め装置。
  35. 【請求項35】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記移動体検出手段は、前記周波数検出手段の検出結果
    に基づき前記移動体の移動速度を検出する移動速度検出
    手段を更に備えていることを特徴とする移動体の位置決
    め装置。
  36. 【請求項36】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記移動体検出手段は、前記周波数検出手段が検出した
    周波数の差異をドップラーシフトによる変化量を含むも
    のとして取り扱うことを特徴とする移動体の位置決め装
    置。
  37. 【請求項37】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記移動体検出手段は、ほぼ最大のアップシフト量を含
    む検出値を得た少なくとも一つの無線局の近傍と、ほぼ
    最大のダウンシフト量を含む検出値を得た少なくとも一
    つの無線局の近傍とを通る第1の直線と、ほぼゼロの又
    はほぼ最小のシフト量を含む検出値を得た少なくとも一
    つの無線局の近傍を通りかつ前記第1の直線にほぼ直交
    する第2の直線との交点を前記移動体の位置として検出
    する手段を備えていることを特徴とする移動体の位置決
    め装置。
  38. 【請求項38】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記各無線局は、前記受信電波の周波数の検出に先立っ
    て、または検出の後に、所定周波数の基準信号を周辺の
    各無線局に送出する基準信号送出手段と、自局又は他の
    無線局から受信した基準信号の周波数を検出し保存する
    手段と、この保存中の周波数で前記検出結果を修正する
    手段とを更に備えていることを特徴とする移動体の位置
    決め装置。
  39. 【請求項39】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において 前記移動体検出手段は、ほぼ最大のアップシフト量を含
    む検出値を得た少なくとも一つの無線局またはその近傍
    とほぼ最大のダウンシフト量を含む検出値を得た少なく
    とも一つの無線局またはその近傍とを通る第1の直線
    と、ほぼ等しいアップシフト量とダウンシフト量のそれ
    ぞれを含む検出値を得た少なくとも二つの無線局または
    それぞれの近傍を通る第2の直線との交点を前記移動体
    の位置として検出する手段を備えたことを特徴とする移
    動体の位置決め装置。
  40. 【請求項40】 請求項33に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記移動体検出手段が検出した移動体の位置、移動方向
    及び移動速度のうち少なくとも一つを無線伝送路を介し
    て直接又は前記各無線局を介してこの移動体に通知する
    通知手段を更に備えていることを特徴とする移動体の位
    置決め装置。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記移動体検出手段及び前記通知手段は、前記各無線局
    と無線又は有線伝送路を介して接続される上位局内に設
    置されていることを特徴とする移動体の位置決め装置。
  42. 【請求項42】 移動体から送信される電波を受信する
    複数の無線局を有し、これら各無線局が受信した前記移
    動体からの電波に基づいて移動体検出手段により前記移
    動体の位置を検出する移動体の位置決め方法において、 前記移動体検出手段は、前記各無線基地局で受信した前
    記移動体からの電波の受信周波数を検出する周波数検出
    ステップと、 この周波数検出ステップにおける検出結果と前記移動体
    から送信される所定の電波の送信周波数との差異、及び
    前記各無線局の位置から前記移動体の位置を検出する移
    動体の検出ステップと、 を有することを特徴とする移動体の位置決め方法。
  43. 【請求項43】 所定周波数の電波信号を送信する移動
    体からの電波を受信するために前記移動体が移動可能な
    空間に、ある間隔を隔てて配置されている複数の受信手
    段と、 これらの受信手段が受けた前記電波信号の周波数変化量
    を測定するための周波数変化量測定手段と、 この周波数変化量測定手段の測定した前記各電波信号の
    周波数変化量と前記受信手段の配置位置とに基づき前記
    移動体の位置を検出する位置検出手段と、 を備えたことを特徴とする移動体の位置決め装置。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、前記周波数変化量測定手段が測定
    した周波数変化量をドップラーシフトによる変化量を含
    むものとして取り扱うことを特徴とする移動体の位置決
    め装置。
  45. 【請求項45】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、前記周波数変化量検出手段の検出
    結果にもとづき前記移動体の移動方向を検出する移動方
    向検出手段を更に備えていることを特徴とする移動体の
    位置決め装置。
  46. 【請求項46】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、前記周波数変化量検出手段の検出
    結果にもとづき前記移動体の移動速度を検出する移動速
    度検出手段を更に備えていることを特徴とする移動体の
    位置決め装置。
  47. 【請求項47】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、ほぼ最大のアップシフト量を含む
    検出値を得た少なくとも一つの受信手段またはその近傍
    と、ほぼ最大のダウンシフト量を含む検出値を得た少な
    くとも一つの受信手段またはその近傍とを通る第1の直
    線と、ほぼゼロまたは最小のシフト量を含む検出値を得
    た少なくとも一つの受信手段またはその近傍を通りかつ
    前記第1の直線にほぼ直交する第2の直線との交点を前
    記移動体の位置として検出する手段を備えたことを特徴
    とする移動体の位置決め装置。
  48. 【請求項48】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、ほぼ最大のアップシフト量を含む
    検出値を得た少なくとも一つの受信手段またはその近傍
    と、ほぼ最大のダウンシフト量を含む検出値を得た少な
    くとも一つの受信手段またはその近傍とを通る第1の直
    線と、ほぼ等しいアップシフト量とダウンシフト量のそ
    れぞれを含む検出値を得た少なくとも二つの受信手段ま
    たはそれぞれの近傍を通る第2の直線との交点を、前記
    移動体の位置として検出する手段を備えたことを特徴と
    する移動体の位置決め装置。
  49. 【請求項49】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、地図情報を記憶してなる地図情報
    記憶手段を備え、前記周波数変化量検出手段からの周波
    数変化量に基づく位置測定結果を前記地図情報記憶手段
    の情報に基づいて修正する位置修正手段を更に備えたこ
    とを特徴とする移動体の位置決め装置。
  50. 【請求項50】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段は、前記移動体の位置、移動方向及び
    移動速度を同時に測定する手段を更に有することを特徴
    とする移動体の位置決め装置。
  51. 【請求項51】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記位置検出手段が検出した移動体の位置、移動方向及
    び移動速度のうち少なくとも一つをこの移動体に通知す
    る通知手段を更に備えたことを特徴とする移動体の位置
    決め装置。
  52. 【請求項52】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記各受信手段は、 前記移動体からの電波の受信に先立って、または検出の
    後に、所定周波数の基準信号を周辺の各受信手段に送信
    する基準信号送信手段と、 この基準信号送信手段から受信した基準信号の周波数を
    記憶する記憶手段と、 この記憶手段に記憶されている周波数値で前記周波数変
    化量検出手段の測定結果を修正する修正手段と、 を備えたことを特徴とする移動体の位置決め装置。
  53. 【請求項53】 請求項43に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記各受信手段は、前記位置検出手段に有線伝送路を介
    して接続され、この有線伝送路を通して前記位置検出手
    段から受信した信号を用いて前記移動体の送信電波の周
    波数を検出することを特徴とする移動体の位置決め装
    置。
  54. 【請求項54】 請求項53に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記有線伝送路は広帯域有線伝送路を含むことを特徴と
    する移動体の位置決め装置。
  55. 【請求項55】 請求項54に記載の移動体の位置決め
    装置において、 前記広帯域有線伝送路は光ファイバーケーブルを含むこ
    とを特徴とする移動体の位置決め装置。
  56. 【請求項56】 前記受信手段は、前記移動体からの最
    短到来波を検出するための指向性アンテナを有すること
    を特徴とする請求項7,33又は43の何れか1項に記
    載の移動体の位置決め装置。
  57. 【請求項57】 前記指向性アンテナは、受信感度方向
    を特定するために電解放射部を分割したセクタアンテナ
    である請求項56記載の移動体の位置決め装置。
  58. 【請求項58】 移動体の移動可能な領域内の、複数の
    離間した位置において、移動体から発信される所定周波
    数の電波を受信してその受信電波の周波数を検出し、そ
    の受信周波数と前記所定周波数からの変移を検出し記憶
    するとともに、前記複数の位置の各々について同様の処
    理を所定回数繰り返す第1のステップと、 前記複数の位置の各々について、前記第1のステップの
    第1回の実行によって検出された前記受信周波数の変移
    と、引き続く第2回の実行によって検出された前記受信
    周波数の変移との差を示す差データを求める第2のステ
    ップと、 前記複数の位置の各々について、前記第2のステップで
    求められた前記差データの中で、所定の条件を満たす差
    データに対応する複数の位置を選択する第3のステップ
    と、 前記選択された位置と、該選択された位置で求められた
    差データに基づき前記移動体の位置を決める第4のステ
    ップと、 を具備することを特徴とする移動体の位置を決める方
    法。
  59. 【請求項59】 移動体から所定の周波数の電波を発信
    するステップと、 移動体の移動可能な領域内の、複数の離間した位置にお
    いて、それぞれ前記移動体から発信された電波を受信し
    て、その受信電波の周波数を検出するステップと、 前記複数の位置において検出される受信電波の周波数に
    基づいて、それぞれの位置において観察される前記移動
    体の移動に伴うドップラーシフト量を示す複数のドップ
    ラーシフト信号を求めるステップと、 前記複数のドップラーシフト信号の中から、予め定めた
    条件を満足する少なくとも2つのドップラーシフト信号
    を選択するステップと、 前記選択されたドップラーシフト信号に対応する前記位
    置から前記移動体の位置を求めるステップと、 を備えてなることを特徴とする測定前の位置が特定され
    ている移動体の移動後の位置を検出するための方法。
  60. 【請求項60】 請求項59の方法において、 選択されるドップラーシフト信号は、前記複数のドップ
    ラーシフト信号で表されるアップワードまたはダウンワ
    ードドップラーシフト量の最大のものを与える最大ドッ
    プラーシフト信号と、ドップラーシフト量の最小のもの
    を与える最小ドップラーシフト信号とを含むことを特徴
    とする測定前の位置が特定されている移動体の移動後の
    位置を検出するための方法。
  61. 【請求項61】 請求項60の方法において、 前記移動体の位置は、前記最大ドップラーシフト信号に
    対応する位置と、前記最小ドップラーシフト信号に対応
    する位置とを個々に通って測定前の移動体の位置の方向
    に向けて引き出された各直線が直交する点により決めら
    れることを特徴とする測定前の位置が特定されている移
    動体の移動後の位置を検出するための方法。
  62. 【請求項62】 移動体から所定の周波数の電波を発信
    するステップと、 移動体の移動可能な領域内の、複数の離間した位置にお
    いて、それぞれ前記移動体から発信された電波の前記最
    短到来波を検出するステップと、 前記複数の位置のそれぞれにおいて検出される受信電波
    の周波数の前記一定の周波数からの変化量と、前記複数
    の位置とに基づいて、前記移動体の位置を求めるステッ
    プと、 を具備することを特徴とする移動体の位置を決める方
    法。
  63. 【請求項63】 前記最短到来波の検出は遅延プロファ
    イル又は遅延スプレッドを用いて行うものである請求項
    62記載の移動体の位置を決める方法。
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