JPWO2009047873A1 - 溶接用トーチ - Google Patents

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Abstract

内部に挿通される溶接用ワイヤに給電し、先端部にスリ割り部が形成された円筒状の給電コレット(6)と、内部に給電コレット(6)を収納するとともに、給電コレット(6)の先端が当接する当接部を有するコレットケース(7)と、溶接用ワイヤを給電コレット(6)へ導く、撓み性を有するインナーチューブ(4)と、インナーチューブ(4)が挿通され、先端にコレットケース(7)が着脱可能に設けられるトーチボディ(3)と、給電コレット(6)を溶接ワイヤの先端方向に加圧するバネ(5)とを備え、給電コレット(6)の先端およびコレットケース(7)の当接部のうち少なくともいずれか一方にテーパ面を設けたものであり、簡単な構造でカーブドトーチに適応できる。

Description

本発明は、例えば消耗電極ガスシールドアーク溶接に用いる強制給電機構を備えた溶接用トーチに関するものである。
強制給電機構としてコレットタイプの強制給電構造が知られている(特許文献1)。これは、給電部を円筒状とし、内径を溶接用ワイヤ(以下、ワイヤと記す)の外径とほぼ等しくすると共に、中心軸を含む平面で円筒状給電部を複数に分割したり、スリットによってスリ割りを設け、付勢手段によって円筒状給電部の内径面をワイヤに押しつける構造である。
以下、特許文献1に開示された、コレットタイプの強制給電構造を備えた溶接用トーチの構成と作用を簡単に説明する。
円筒状チップは、軸芯部に消耗電極であるワイヤの通路となる貫通孔が穿設され、両端部に円錐状凸部が設けられ、端部がスリットで少なくとも半割状に形成されている。円錐状凹部を有するチップ押さえと、トーチボディ基部に対して着脱自在に構成されたトーチボディ先端部の円錐状凹部との間に、この円筒状チップを配置する。トーチボディの後端部に軸方向の位置が例えばネジにより設定自在に配設されたバネ受け部材と、バネ受け部材とチップ押さえとの間に配設されたバネ部材とによって加圧手段を構成する。この加圧手段によってチップ押さえを円筒状チップに押しつけ、かつトーチボディに給電用部材が連接されている。
以上のような構成により、加圧手段による加圧力は円筒状チップの両端部に作用し、両端部の円錐状斜面により求心方向に変換されるため、円筒状チップが常にワイヤを挟持する。したがって、円筒状チップが摩耗した場合でもワイヤを軸芯上に拘束するためワイヤの位置が変化することがない。また、ワイヤへの給電が確実かつ一定位置で行われるために、良好な溶接結果を得ることができる。
しかしながら、上記した従来のコレットタイプの強制給電構造を備えた溶接用トーチは、以下のような課題の為に実際には殆ど普及していない。
特にロボット溶接に用いる溶接用トーチとしては、複雑なジグやワークに対応するため、トーチボディの一部を湾曲させワークやジグへの接近性に優れた所謂カーブドトーチが広く用いられている。しかしながら、特許文献1に記載の方法はそのままカーブドトーチに適応する事はできない。
そして、カーブドトーチへの適用を考える場合、容易に考えられるのは加圧手段をトーチボディの後部ではなく、トーチボディの湾曲部より先端側に配置する事である。しかし、先端部の構造が複雑になると共に特許文献1にも指摘されているように溶接時に発生するアーク熱の影響で加圧手段であるバネ部材が劣化する恐れがある。
また、上記した従来の溶接用トーチは、円筒状チップの内径面は徐々に摩耗するため、初期状態ではワイヤ径とほぼ等しい貫通孔が設けられることになるが、この場合円筒状チップの後端側すなわちワイヤ挿入側でワイヤが引っかかり、スムーズにワイヤを通せない。
さらに、上記した従来の溶接用トーチは、円筒状チップをスリットにより複数個に分割した場合、加圧手段による加圧力が作用していない場合でも内径が狭まる方向に変位してしまう。そのためワイヤを通す事ができず、ワイヤを通す場合、まず、円筒状チップや円筒状チップを保持するチップボディ先端部を完全に取り外さなければならない。その後、複数に分割された円筒状チップを個々にワイヤに当接させ、そしてそれらを保持したままチップボディ先端部にセットしなければならず、非常に作業性が悪い。
これに対し、円筒状チップを複数に分割せず半割状に形成した場合、加圧手段によって与えられる加圧力は円筒状チップの消耗に合わせて円筒状チップ自体を変形させ得るに十分な大きさが必要となる。そのため、消耗が進んでいない初期状態から円筒状チップの消耗に合わせて、加圧力を調整できるようにバネ受け部材の軸方向の位置が例えばネジにより設定自在に配設されている。しかし、外部より確認することができない円筒状チップの消耗に合わせて加圧力を調整するのは困難であり、生産中に常に良好な状態に調整することは事実上不可能である。
特公平2−27074号公報
上記課題を解決するために、本発明の溶接用トーチは、内部に挿通される溶接用ワイヤに給電し、先端部にスリット部が形成された円筒状の給電コレットと、内部に給電コレットを収納するとともに、給電コレットの先端部が当接する当接部を有するコレットケースと、溶接用ワイヤを給電コレットへ導く、撓み性を有するインナーチューブと、インナーチューブが挿通され、先端部にコレットケースが着脱可能に設けられるトーチボディと、給電コレットを溶接ワイヤの先端方向に加圧する加圧機構とを備え、給電コレットの先端部およびコレットケースの当接部のうち少なくともいずれか一方にテーパ面を設けたものである。
これにより、撓み性(曲がり性)を備えたインナーチューブを介して加圧手段により給電コレットを溶接ワイヤ送給方向に加圧することができ、給電コレットが溶接用ワイヤを安定して挟持できる。したがって、溶接用トーチを構成するトーチボディの少なくとも一部を湾曲させた所謂カーブドトーチにおいても、強制給電機構を実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における溶接用トーチを示す概略断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるコレットケースを示す拡大断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1におけるトーチボディの要部を示す拡大断面図である。 図4Aは、本発明の実施の形態1における給電コレットの上面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態1における給電コレットの正面図である。 図4Cは、本発明の実施の形態1における給電コレットの下面図である。 図5は、本発明の実施の形態2におけるトーチボディの要部を示す拡大断面図である。 図6は、本発明の実施の形態2におけるコレットケースを示す拡大断面図である。
符号の説明
1 トーチケーブル
1a トーチボディ接続部
1b,3c ワイヤガイド収納部
2 コンジットチューブ
3 トーチボディ
3a トーチケーブル接続部
3b コレットケース接続部
4,12 インナーチューブ
4a,12a ワイヤガイド接続部
4b,12b コンジットチューブ収納部
4c コイル状部
5 バネ
6 給電コレット
6a テーパ面
6b スリ割り部
6c 給電部
6d ワイヤ挿入口
7 コレットケース
7a 絶縁性ガイド
7b 当接部
8 絶縁筒
9 オリフィス
10 ノズル
11 ワイヤ
100 溶接用トーチ
(実施の形態1)
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図4を用いて説明する。図1は、本実施の形態における溶接用トーチを示す概略断面図である。図2は、本実施の形態におけるコレットケースとその周辺を示す拡大断面図である。図3は、本実施の形態におけるトーチボディの要部とその周辺を示す拡大断面図である。図4A〜4Cは、本実施の形態における給電コレットの上面図、正面図、および下面図である。
図1から図4Cにおいて、トーチケーブル1は後端部(図示せず)においてワイヤ送給装置(図示せず)に取り付けられている。このトーチケーブル1には、中心軸に溶接用ワイヤ11(以下、ワイヤと言う。図2参照)を挿通するための穴が設けてある。また、トーチケーブル1の先端部には、トーチボディ3を着脱可能に接続するためのトーチボディ接続部1aを設けている。そして、トーチボディ接続部1aの内部には、後述するワイヤガイド接続部4aを軸方向摺動可能に収納するための空間であるワイヤガイド収納部1bを設けている。
溶接用トーチ100を構成するトーチボディ3は、図1に示すように一部が湾曲しており、後端部に設けたトーチケーブル接続部3aによりトーチケーブル1のトーチボディ接続部1aと着脱可能に接続される。例えば、トーチボディ接続部1aは袋ナットであり、トーチケーブル接続部3aはトーチボディ接続部1aである袋ナットと螺合するねじ部として実現される。さらに、トーチボディ3には、トーチケーブル接続部3aの内部にワイヤガイド接続部4aを軸方向摺動可能に収納する空間であるワイヤガイド収納部3cを設けている。さらに、トーチボディ3には、トーチボディ3の中心軸に沿って、後述するインナーチューブ4を挿入するための穴が設けられている。さらに、トーチボディ3の先端部には、後述するコレットケース7を着脱可能に接続するコレットケース接続部3bを設けている。さらに、トーチボディ3の先端側には絶縁筒8が設けられ、絶縁筒8の先端側にはノズル10が設けられている。ノズル10の内部にはオリフィス9が設けられている。
コレットケース7は円筒形をなしており、後端部でトーチボディ3のコレットケース接続部3bに着脱可能に接続される。例えば、コレットケース7とトーチボディ3とは、互いに螺合することで接続固定される。コレットケース7の内部には、給電コレット6を軸方向摺動可能に収納するとともに、給電コレット6の先端部が当接するテーパ状の当接部7bを備えている(図2参照)。コレットケース7の先端部には、ワイヤ11の外径よりも僅かに大きいワイヤ挿通孔を設けた絶縁セラミック製の絶縁性ガイド7aが設けられている。
給電コレット6には、図4A〜4Cに示すように、先端にテーパ面6aを設けている。さらに、給電コレット6の先端部(ワイヤ給送方向の一部)には、内径をワイヤ11の外径とほぼ同径として、ワイヤ11と接触してワイヤ11に給電を行う給電部6cを設けている。さらに、給電コレット6の後端部(先端部以外の部分)には、内径を先端部の内径よりも大きくしたワイヤ挿入口6dを設けている。さらに、給電コレット6には、先端から軸方向に、長さが給電部6cよりも長いスリットを形成することによりスリ割り部6bを少なくとも一つ設けている。
上述したインナーチューブ4は、ライナあるいはネックライナと称されることもある部材である。インナーチューブ4は、図1に示すように、断面が円形である線材を螺旋状に巻き付けたコイル状部4cを有しており、トーチボディ3の湾曲形状に沿うための撓み性(曲がり性)を有している。そして、トーチボディ3に対してトーチケーブル接続部3a側から挿入し、インナーチューブ4の先端は給電コレット6の後端に当接させる。さらに、インナーチューブ4は、トーチケーブル1を構成するコンジットチューブ2を軸方向摺動可能に収納する空間であるコンジットチューブ収納部4bを、内部に有している。さらに、インナーチューブ4は、後端に設けたワイヤガイド接続部4aが、トーチケーブル1のワイヤガイド収納部1bおよびトーチボディ3のワイヤガイド収納部3cのそれぞれの底部に当接しないように、長さが調整されている。なお、インナーチューブ4は、円形断面の線材を螺旋状に巻き付けたものではなく、ワイヤガイド接続部4aを備えた撓み性をもつチューブ状の部材であってもよい。
バネ5は圧縮バネからなる加圧機構としてのバネ部材であり、ワイヤガイド接続部4aの後端に一方端が固定される。そして、バネ5の他方端は、ワイヤガイド収納部1bの底部に当接される。これにより、インナーチューブ4および給電コレット6をワイヤ11の送給方向に加圧している。
コンジットチューブ2はトーチケーブル1の後端(図示せず)より挿入されており、先端部がインナーチューブ4のコンジットチューブ収納部4bの底部に当接しない長さに調節されている。
以上のように構成された溶接用トーチ100について、その動作を説明する。
ワイヤ11はワイヤ送給装置(図示せず)により供給され、トーチケーブル1の軸心にあるコンジットチューブ2と溶接用トーチ100のインナーチューブ4にガイドされる。そして、給電コレット6のワイヤ挿入口6d(図4B参照)から挿入されて給電部6c(図4B参照)を通り、コレットケース7の絶縁性ガイド7a通りその先端から排出される。このとき、給電コレット6は、インナーチューブ4を介して圧縮状態にあるバネ5により加えられる加圧力によりワイヤ11の送給方向に加圧される。この加圧力によりコレットケース7の内部に設けたテーパ状の当接部7bと当接する給電コレット6のテーパ面6aにより、スリ割り部6bを求心方向へと変形させ、給電部6cの内径面でワイヤ11を挟持する。これにより、溶接電源装置(図示せず)から供給される溶接電力は、トーチケーブル1とトーチボディ3とコレットケース7を介して、加圧力により接触した給電部6cからワイヤ11へ確実に供給される。
以上のように、本実施の形態によれば、撓み性(曲がり性)を備えたインナーチューブ4を介して加圧手段であるバネ5によって給電コレット6を加圧できる。これにより、トーチボディ3の少なくとも一部を湾曲させた、いわゆるカーブドトーチにおいても強制給電機構を実現することができる。
また、加圧力を提供するバネ5は、溶接用トーチ100の先端部から十分離れた位置に設けられていることから、溶接を行うことによって生じるアーク熱の影響が無く、アーク熱により劣化する恐れがない。
また、インナーチューブ4は円形断面の線材を螺旋状に巻き付けたコイル状であるので、安価に半径方向に撓み性を備えたインナーチューブ4を実現することができる。
また、トーチボディ3とトーチケーブル1との接続部分の空間内部にバネ5を備える構造である。したがって、トーチボディ3とトーチケーブル1とはトーチボディ接続部1aとトーチケーブル接続部3aにより容易に接続を外すことができる。そのため、バネ5の交換などメンテナンス性に優れる。
また、給電コレット6の先端部を給電部6cとして内径をワイヤ11の直径とほぼ同径すると共に、ワイヤ挿入口6dである後端の内径を先端の内径よりも大きくしてある。これにより、ワイヤ11を給電コレット6に簡単に通すことができ、作業性に優れた強制給電機構を備える溶接用トーチを実現することができる。
また、給電コレット6のスリ割り部6bに設けられたスリットの長さが、先端部内径がワイヤ11の直径とほぼ同径に構成された給電部6cの長さより長いので、変形抗力の小さい給電コレット6を実現することができる。したがって、ワイヤ11に対する送給抵抗が少なく、給電コレット6の消耗に合わせて加圧力を調整する必要のない強制給電機構を備えた溶接用トーチを実現することができる。
さらに、ワイヤ11をガイド(案内)すると共に、給電コレット6をスパッタから保護するために、ワイヤ外径よりも僅かに大きいワイヤ挿通孔を設けた絶縁セラミック製の絶縁性ガイド7aを、コレットケース7の先端に設けてある。これにより、スパッタによる給電コレット6の損傷を防止すると共に、スパッタの付着により本来の給電部以外の場所でワイヤ11に給電が行われる事を防止できる。したがって、長寿命かつ安定した強制給電機構を備えた溶接用トーチを実現することができる。
なお、本実施の形態では、コレットケース7の当接部7bおよび給電コレット6のテーパ面6aをテーパ形状とする例を示した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、給電コレット6のスリ割り部6bを求心方向へと変形させることができればよく、どちらか一方をテーパ形状とするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、インナーチューブ4は断面が円形である線材を螺旋状に巻き付けたコイル状のものを例に挙げたが、コイル状ではなく、筒状のものとしてもよい。
また、本実施の形態では、加圧機構としてバネ5を用いる例を示したが、バネ5の代わりに、内部にコンジットチューブ2が挿通可能であり、ワイヤ11の送給方向に弾性を有する弾性部材を用いても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態において実施の形態1と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態が、実施の形態1と異なるのは、実施の形態1におけるインナーチューブ4およびバネ5により給電コレット6に加圧力を加える代わりに、バネ5を有さず弾性を備えたインナーチューブ12により給電コレット6に加圧力を加えるようにした点である。
図5は、本実施の形態におけるトーチボディの要部を示す拡大断面図である。図6は、本実施の形態におけるコレットケースを示す拡大断面図である。図5および図6において、インナーチューブ12は、円形断面の線材を間隔を設けて螺旋状に巻き付け、軸方向(長手方向)に圧縮弾性を備えたコイル形状となっている。そして、実施の形態1と同様に、トーチボディ3の湾曲形状に沿うための撓み性(曲がり性)を有している。さらに、インナーチューブ12はトーチケーブル接続部3a側からトーチボディ(図示せず)に挿入され、インナーチューブ12の先端は給電コレット6の後端に当接する。一方インナーチューブ12の後端は、内部にコンジットチューブ2を軸方向摺動可能に収納するコンジットチューブ収納部12bを持つ。さらに、インナーチューブ12の後端に設けたワイヤガイド接続部12aが、トーチケーブル1のワイヤガイド収納部1bの底部に当接する。このように、弾性を有するインナーチューブ12が、後端がワイヤガイド収納部1bに当接し、先端が給電コレットに当接することにより、給電コレット6を軸方向前方に加圧する。なお、インナーチューブ12は、トーチボディ3とトーチケーブル1とを接続した際に圧縮される長さになっていればよい。
以上のように構成された溶接用トーチについて、その動作を説明する。ワイヤ11はワイヤ送給装置(図示せず)から供給され、トーチケーブル1の軸心にあるコンジットチューブ2と、溶接用トーチ100内にあるインナーチューブ12によりガイド(案内)される。そして、図4Bに示すように、給電コレット6のワイヤ挿入口6dから挿入されて給電部6cを通り、コレットケース7に設けられた絶縁性ガイド7aを通ってその先端から排出される。
このとき、給電コレット6は圧縮状態にあるインナーチューブ12の加圧力により軸方向前方に加圧され、コレットケース7の内部に設けたテーパ状の当接部7bと当接する。その結果、給電コレット6のテーパ面6a(図4B参照)によりスリ割り部6b(図4B参照)が求心方向へ変形し、給電部6c(図4B参照)の内径面でワイヤ11を挟持する。溶接電源(図示せず)から供給される溶接電力は、トーチケーブル1およびトーチボディ3およびコレットケース7を介し、加圧力により狭持された給電部6cから確実にワイヤ11へ供給される。
以上のように、本実施の形態によれば、撓み性(曲がり性)を備え、長手方向に弾性を有するインナーチューブ12によって給電コレット6を加圧することができる。これにより、トーチボディ3の少なくとも一部を湾曲させた、いわゆるカーブドトーチにおいても強制給電機構を実現することができる。
また、インナーチューブ12は円形断面の線材を螺旋状に巻き付けたコイル形状であり、加圧機構としての加圧機能も備えていることから、別途加圧機構を必要としない。したがって、安価に強制給電機構を実現することができる。
また、本実施の形態では、インナーチューブ12は円形が断面である線材を螺旋状に巻き付けたコイル状のものを例に挙げたが、コイル状ではなく、弾性があれば筒状のものとしてもよい。
なお、上記した実施の形態1と2において、実施の形態1では加圧機構としてバネ5を用いる例を示し、実施の形態2では、加圧機構として弾性を有するインナーチューブ12を用いる例を示した。しかし、加圧機構として、バネ5と弾性を有するインナーチューブ12の両方を用いる構成としても良い。
本発明は、カーブドトーチとしてワークやジグへの接近性に優れ、かつ安価で作業性やメンテナンス性にも優れ、さらに長寿命かつ安定した強制給電機構を備えているので、強制給電機構を備えた溶接用トーチとして産業上有用である。
本発明は、例えば消耗電極ガスシールドアーク溶接に用いる強制給電機構を備えた溶接用トーチに関するものである。
強制給電機構としてコレットタイプの強制給電構造が知られている(特許文献1)。これは、給電部を円筒状とし、内径を溶接用ワイヤ(以下、ワイヤと記す)の外径とほぼ等しくすると共に、中心軸を含む平面で円筒状給電部を複数に分割したり、スリットによってスリ割りを設け、付勢手段によって円筒状給電部の内径面をワイヤに押しつける構造である。
以下、特許文献1に開示された、コレットタイプの強制給電構造を備えた溶接用トーチの構成と作用を簡単に説明する。
円筒状チップは、軸芯部に消耗電極であるワイヤの通路となる貫通孔が穿設され、両端部に円錐状凸部が設けられ、端部がスリットで少なくとも半割状に形成されている。円錐状凹部を有するチップ押さえと、トーチボディ基部に対して着脱自在に構成されたトーチボディ先端部の円錐状凹部との間に、この円筒状チップを配置する。トーチボディの後端部に軸方向の位置が例えばネジにより設定自在に配設されたバネ受け部材と、バネ受け部材とチップ押さえとの間に配設されたバネ部材とによって加圧手段を構成する。この加圧手段によってチップ押さえを円筒状チップに押しつけ、かつトーチボディに給電用部材が連接されている。
以上のような構成により、加圧手段による加圧力は円筒状チップの両端部に作用し、両端部の円錐状斜面により求心方向に変換されるため、円筒状チップが常にワイヤを挟持する。したがって、円筒状チップが摩耗した場合でもワイヤを軸芯上に拘束するためワイヤの位置が変化することがない。また、ワイヤへの給電が確実かつ一定位置で行われるために、良好な溶接結果を得ることができる。
しかしながら、上記した従来のコレットタイプの強制給電構造を備えた溶接用トーチは、以下のような課題の為に実際には殆ど普及していない。
特にロボット溶接に用いる溶接用トーチとしては、複雑なジグやワークに対応するため、トーチボディの一部を湾曲させワークやジグへの接近性に優れた所謂カーブドトーチが広く用いられている。しかしながら、特許文献1に記載の方法はそのままカーブドトーチに適応する事はできない。
そして、カーブドトーチへの適用を考える場合、容易に考えられるのは加圧手段をトーチボディの後部ではなく、トーチボディの湾曲部より先端側に配置する事である。しかし、先端部の構造が複雑になると共に特許文献1にも指摘されているように溶接時に発生するアーク熱の影響で加圧手段であるバネ部材が劣化する恐れがある。
また、上記した従来の溶接用トーチは、円筒状チップの内径面は徐々に摩耗するため、初期状態ではワイヤ径とほぼ等しい貫通孔が設けられることになるが、この場合円筒状チップの後端側すなわちワイヤ挿入側でワイヤが引っかかり、スムーズにワイヤを通せない。
さらに、上記した従来の溶接用トーチは、円筒状チップをスリットにより複数個に分割した場合、加圧手段による加圧力が作用していない場合でも内径が狭まる方向に変位してしまう。そのためワイヤを通す事ができず、ワイヤを通す場合、まず、円筒状チップや円筒状チップを保持するチップボディ先端部を完全に取り外さなければならない。その後、複数に分割された円筒状チップを個々にワイヤに当接させ、そしてそれらを保持したままチップボディ先端部にセットしなければならず、非常に作業性が悪い。
これに対し、円筒状チップを複数に分割せず半割状に形成した場合、加圧手段によって与えられる加圧力は円筒状チップの消耗に合わせて円筒状チップ自体を変形させ得るに十分な大きさが必要となる。そのため、消耗が進んでいない初期状態から円筒状チップの消耗に合わせて、加圧力を調整できるようにバネ受け部材の軸方向の位置が例えばネジにより設定自在に配設されている。しかし、外部より確認することができない円筒状チップの消耗に合わせて加圧力を調整するのは困難であり、生産中に常に良好な状態に調整することは事実上不可能である。
特公平2−27074号公報
上記課題を解決するために、本発明の溶接用トーチは、内部に挿通される溶接用ワイヤに給電し、先端部にスリット部が形成された円筒状の給電コレットと、内部に給電コレットを収納するとともに、給電コレットの先端部が当接する当接部を有するコレットケースと、溶接用ワイヤを給電コレットへ導く、撓み性を有するインナーチューブと、インナーチューブが挿通され、先端部にコレットケースが着脱可能に設けられるトーチボディと、給電コレットを溶接ワイヤの先端方向に加圧する加圧機構とを備え、給電コレットの先端部およびコレットケースの当接部のうち少なくともいずれか一方にテーパ面を設けたものである。
これにより、撓み性(曲がり性)を備えたインナーチューブを介して加圧手段により給電コレットを溶接ワイヤ送給方向に加圧することができ、給電コレットが溶接用ワイヤを安定して挟持できる。したがって、溶接用トーチを構成するトーチボディの少なくとも一部を湾曲させた所謂カーブドトーチにおいても、強制給電機構を実現することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図4を用いて説明する。図1は、本実施の形態における溶接用トーチを示す概略断面図である。図2は、本実施の形態におけるコレットケースとその周辺を示す拡大断面図である。図3は、本実施の形態におけるトーチボディの要部とその周辺を示す拡大断面図である。図4A〜4Cは、本実施の形態における給電コレットの上面図、正面図、および下面図である。
図1から図4Cにおいて、トーチケーブル1は後端部(図示せず)においてワイヤ送給装置(図示せず)に取り付けられている。このトーチケーブル1には、中心軸に溶接用ワイヤ11(以下、ワイヤと言う。図2参照)を挿通するための穴が設けてある。また、トーチケーブル1の先端部には、トーチボディ3を着脱可能に接続するためのトーチボディ接続部1aを設けている。そして、トーチボディ接続部1aの内部には、後述するワイヤガイド接続部4aを軸方向摺動可能に収納するための空間であるワイヤガイド収納部1bを設けている。
溶接用トーチ100を構成するトーチボディ3は、図1に示すように一部が湾曲しており、後端部に設けたトーチケーブル接続部3aによりトーチケーブル1のトーチボディ接続部1aと着脱可能に接続される。例えば、トーチボディ接続部1aは袋ナットであり、トーチケーブル接続部3aはトーチボディ接続部1aである袋ナットと螺合するねじ部として実現される。さらに、トーチボディ3には、トーチケーブル接続部3aの内部にワイヤガイド接続部4aを軸方向摺動可能に収納する空間であるワイヤガイド収納部3cを設けている。さらに、トーチボディ3には、トーチボディ3の中心軸に沿って、後述するインナーチューブ4を挿入するための穴が設けられている。さらに、トーチボディ3の先端部には、後述するコレットケース7を着脱可能に接続するコレットケース接続部3bを設けている。さらに、トーチボディ3の先端側には絶縁筒8が設けられ、絶縁筒8の先端側にはノズル10が設けられている。ノズル10の内部にはオリフィス9が設けられている。
コレットケース7は円筒形をなしており、後端部でトーチボディ3のコレットケース接続部3bに着脱可能に接続される。例えば、コレットケース7とトーチボディ3とは、互いに螺合することで接続固定される。コレットケース7の内部には、給電コレット6を軸方向摺動可能に収納するとともに、給電コレット6の先端部が当接するテーパ状の当接部7bを備えている(図2参照)。コレットケース7の先端部には、ワイヤ11の外径よりも僅かに大きいワイヤ挿通孔を設けた絶縁セラミック製の絶縁性ガイド7aが設けられている。
給電コレット6には、図4A〜4Cに示すように、先端にテーパ面6aを設けている。さらに、給電コレット6の先端部(ワイヤ給送方向の一部)には、内径をワイヤ11の外径とほぼ同径として、ワイヤ11と接触してワイヤ11に給電を行う給電部6cを設けている。さらに、給電コレット6の後端部(先端部以外の部分)には、内径を先端部の内径よりも大きくしたワイヤ挿入口6dを設けている。さらに、給電コレット6には、先端から軸方向に、長さが給電部6cよりも長いスリットを形成することによりスリ割り部6bを少なくとも一つ設けている。
上述したインナーチューブ4は、ライナあるいはネックライナと称されることもある部材である。インナーチューブ4は、図1に示すように、断面が円形である線材を螺旋状に巻き付けたコイル状部4cを有しており、トーチボディ3の湾曲形状に沿うための撓み性(曲がり性)を有している。そして、トーチボディ3に対してトーチケーブル接続部3a側から挿入し、インナーチューブ4の先端は給電コレット6の後端に当接させる。さらに、インナーチューブ4は、トーチケーブル1を構成するコンジットチューブ2を軸方向摺動可能に収納する空間であるコンジットチューブ収納部4bを、内部に有している。さらに、インナーチューブ4は、後端に設けたワイヤガイド接続部4aが、トーチケーブル1のワイヤガイド収納部1bおよびトーチボディ3のワイヤガイド収納部3cのそれぞれの底部に当接しないように、長さが調整されている。なお、インナーチューブ4は、円形断面の線材を螺旋状に巻き付けたものではなく、ワイヤガイド接続部4aを備えた撓み性をもつチューブ状の部材であってもよい。
バネ5は圧縮バネからなる加圧機構としてのバネ部材であり、ワイヤガイド接続部4aの後端に一方端が固定される。そして、バネ5の他方端は、ワイヤガイド収納部1bの底部に当接される。これにより、インナーチューブ4および給電コレット6をワイヤ11の送給方向に加圧している。
コンジットチューブ2はトーチケーブル1の後端(図示せず)より挿入されており、先端部がインナーチューブ4のコンジットチューブ収納部4bの底部に当接しない長さに調節されている。
以上のように構成された溶接用トーチ100について、その動作を説明する。
ワイヤ11はワイヤ送給装置(図示せず)により供給され、トーチケーブル1の軸心にあるコンジットチューブ2と溶接用トーチ100のインナーチューブ4にガイドされる。そして、給電コレット6のワイヤ挿入口6d(図4B参照)から挿入されて給電部6c(図4B参照)を通り、コレットケース7の絶縁性ガイド7a通りその先端から排出される。このとき、給電コレット6は、インナーチューブ4を介して圧縮状態にあるバネ5により加えられる加圧力によりワイヤ11の送給方向に加圧される。この加圧力によりコレットケース7の内部に設けたテーパ状の当接部7bと当接する給電コレット6のテーパ面6aにより、スリ割り部6bを求心方向へと変形させ、給電部6cの内径面でワイヤ11を挟持する。これにより、溶接電源装置(図示せず)から供給される溶接電力は、トーチケーブル1とトーチボディ3とコレットケース7を介して、加圧力により接触した給電部6cからワイヤ11へ確実に供給される。
以上のように、本実施の形態によれば、撓み性(曲がり性)を備えたインナーチューブ4を介して加圧手段であるバネ5によって給電コレット6を加圧できる。これにより、トーチボディ3の少なくとも一部を湾曲させた、いわゆるカーブドトーチにおいても強制給電機構を実現することができる。
また、加圧力を提供するバネ5は、溶接用トーチ100の先端部から十分離れた位置に設けられていることから、溶接を行うことによって生じるアーク熱の影響が無く、アーク熱により劣化する恐れがない。
また、インナーチューブ4は円形断面の線材を螺旋状に巻き付けたコイル状であるので、安価に半径方向に撓み性を備えたインナーチューブ4を実現することができる。
また、トーチボディ3とトーチケーブル1との接続部分の空間内部にバネ5を備える構造である。したがって、トーチボディ3とトーチケーブル1とはトーチボディ接続部1aとトーチケーブル接続部3aにより容易に接続を外すことができる。そのため、バネ5の交換などメンテナンス性に優れる。
また、給電コレット6の先端部を給電部6cとして内径をワイヤ11の直径とほぼ同径すると共に、ワイヤ挿入口6dである後端の内径を先端の内径よりも大きくしてある。これにより、ワイヤ11を給電コレット6に簡単に通すことができ、作業性に優れた強制給電機構を備える溶接用トーチを実現することができる。
また、給電コレット6のスリ割り部6bに設けられたスリットの長さが、先端部内径がワイヤ11の直径とほぼ同径に構成された給電部6cの長さより長いので、変形抗力の小さい給電コレット6を実現することができる。したがって、ワイヤ11に対する送給抵抗が少なく、給電コレット6の消耗に合わせて加圧力を調整する必要のない強制給電機構を備えた溶接用トーチを実現することができる。
さらに、ワイヤ11をガイド(案内)すると共に、給電コレット6をスパッタから保護するために、ワイヤ外径よりも僅かに大きいワイヤ挿通孔を設けた絶縁セラミック製の絶縁性ガイド7aを、コレットケース7の先端に設けてある。これにより、スパッタによる給電コレット6の損傷を防止すると共に、スパッタの付着により本来の給電部以外の場所でワイヤ11に給電が行われる事を防止できる。したがって、長寿命かつ安定した強制給電機構を備えた溶接用トーチを実現することができる。
なお、本実施の形態では、コレットケース7の当接部7bおよび給電コレット6のテーパ面6aをテーパ形状とする例を示した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、給電コレット6のスリ割り部6bを求心方向へと変形させることができればよく、どちらか一方をテーパ形状とするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、インナーチューブ4は断面が円形である線材を螺旋状に巻き付けたコイル状のものを例に挙げたが、コイル状ではなく、筒状のものとしてもよい。
また、本実施の形態では、加圧機構としてバネ5を用いる例を示したが、バネ5の代わりに、内部にコンジットチューブ2が挿通可能であり、ワイヤ11の送給方向に弾性を有する弾性部材を用いても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態において実施の形態1と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態が、実施の形態1と異なるのは、実施の形態1におけるインナーチューブ4およびバネ5により給電コレット6に加圧力を加える代わりに、バネ5を有さず弾性を備えたインナーチューブ12により給電コレット6に加圧力を加えるようにした点である。
図5は、本実施の形態におけるトーチボディの要部を示す拡大断面図である。図6は、本実施の形態におけるコレットケースを示す拡大断面図である。図5および図6において、インナーチューブ12は、円形断面の線材を間隔を設けて螺旋状に巻き付け、軸方向(長手方向)に圧縮弾性を備えたコイル形状となっている。そして、実施の形態1と同様に、トーチボディ3の湾曲形状に沿うための撓み性(曲がり性)を有している。さらに、インナーチューブ12はトーチケーブル接続部3a側からトーチボディ(図示せず)に挿入され、インナーチューブ12の先端は給電コレット6の後端に当接する。一方インナーチューブ12の後端は、内部にコンジットチューブ2を軸方向摺動可能に収納するコンジットチューブ収納部12bを持つ。さらに、インナーチューブ12の後端に設けたワイヤガイド接続部12aが、トーチケーブル1のワイヤガイド収納部1bの底部に当接する。このように、弾性を有するインナーチューブ12が、後端がワイヤガイド収納部1bに当接し、先端が給電コレットに当接することにより、給電コレット6を軸方向前方に加圧する。なお、インナーチューブ12は、トーチボディ3とトーチケーブル1とを接続した際に圧縮される長さになっていればよい。
以上のように構成された溶接用トーチについて、その動作を説明する。ワイヤ11はワイヤ送給装置(図示せず)から供給され、トーチケーブル1の軸心にあるコンジットチューブ2と、溶接用トーチ100内にあるインナーチューブ12によりガイド(案内)される。そして、図4Bに示すように、給電コレット6のワイヤ挿入口6dから挿入されて給電部6cを通り、コレットケース7に設けられた絶縁性ガイド7aを通ってその先端から排出される。
このとき、給電コレット6は圧縮状態にあるインナーチューブ12の加圧力により軸方向前方に加圧され、コレットケース7の内部に設けたテーパ状の当接部7bと当接する。その結果、給電コレット6のテーパ面6a(図4B参照)によりスリ割り部6b(図4B参照)が求心方向へ変形し、給電部6c(図4B参照)の内径面でワイヤ11を挟持する。溶接電源(図示せず)から供給される溶接電力は、トーチケーブル1およびトーチボディ3およびコレットケース7を介し、加圧力により狭持された給電部6cから確実にワイヤ11へ供給される。
以上のように、本実施の形態によれば、撓み性(曲がり性)を備え、長手方向に弾性を有するインナーチューブ12によって給電コレット6を加圧することができる。これにより、トーチボディ3の少なくとも一部を湾曲させた、いわゆるカーブドトーチにおいても強制給電機構を実現することができる。
また、インナーチューブ12は円形断面の線材を螺旋状に巻き付けたコイル形状であり、加圧機構としての加圧機能も備えていることから、別途加圧機構を必要としない。したがって、安価に強制給電機構を実現することができる。
また、本実施の形態では、インナーチューブ12は円形が断面である線材を螺旋状に巻き付けたコイル状のものを例に挙げたが、コイル状ではなく、弾性があれば筒状のものとしてもよい。
なお、上記した実施の形態1と2において、実施の形態1では加圧機構としてバネ5を用いる例を示し、実施の形態2では、加圧機構として弾性を有するインナーチューブ12を用いる例を示した。しかし、加圧機構として、バネ5と弾性を有するインナーチューブ12の両方を用いる構成としても良い。
本発明は、カーブドトーチとしてワークやジグへの接近性に優れ、かつ安価で作業性やメンテナンス性にも優れ、さらに長寿命かつ安定した強制給電機構を備えているので、強制給電機構を備えた溶接用トーチとして産業上有用である。
本発明の実施の形態1における溶接用トーチを示す概略断面図 本発明の実施の形態1におけるコレットケースを示す拡大断面図 本発明の実施の形態1におけるトーチボディの要部を示す拡大断面図 本発明の実施の形態1における給電コレットの上面図 本発明の実施の形態1における給電コレットの正面図 本発明の実施の形態1における給電コレットの下面図 本発明の実施の形態2におけるトーチボディの要部を示す拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるコレットケースを示す拡大断面図
符号の説明
1 トーチケーブル
1a トーチボディ接続部
1b,3c ワイヤガイド収納部
2 コンジットチューブ
3 トーチボディ
3a トーチケーブル接続部
3b コレットケース接続部
4,12 インナーチューブ
4a,12a ワイヤガイド接続部
4b,12b コンジットチューブ収納部
4c コイル状部
5 バネ
6 給電コレット
6a テーパ面
6b スリ割り部
6c 給電部
6d ワイヤ挿入口
7 コレットケース
7a 絶縁性ガイド
7b 当接部
8 絶縁筒
9 オリフィス
10 ノズル
11 ワイヤ
100 溶接用トーチ

Claims (11)

  1. 内部に挿通される溶接用ワイヤに給電し、先端から軸方向にスリットが形成された円筒状の給電コレットと、
    内部に前記給電コレットを収納するとともに、前記給電コレットの先端が当接する当接部を有するコレットケースと、
    前記溶接用ワイヤを前記給電コレットへ導く、撓み性を有するインナーチューブと、
    前記インナーチューブが挿通され、先端に前記コレットケースが着脱可能に設けられるトーチボディと、
    前記給電コレットを前記溶接ワイヤの先端方向に加圧する加圧機構とを備え、
    前記給電コレットの先端および前記コレットケースの前記当接部のうち少なくともいずれか一方にテーパ面を設けたことを特徴とする溶接用トーチ。
  2. 前記トーチボディは、一部が湾曲している請求項1記載の溶接用トーチ。
  3. 前記インナーチューブは、断面円形の線材を螺旋状に券回したコイル形状を有する請求項1記載の溶接用トーチ。
  4. 前記インナーチューブは、長手方向に弾性を有し、前記加圧機構は、前記インナーチューブの弾性を用いる請求項1記載の溶接用トーチ。
  5. 前記加圧機構は、前記インナーチューブの後端に設けられる弾性部材からなる請求項1記載の溶接用トーチ。
  6. 前記トーチボディは、前記溶接用ワイヤを給送するトーチケーブルの先端部に設けられたトーチボディ接続部と着脱可能に後端に設けられたトーチケーブル接続部を有し、
    前記インナーチューブは、前記トーチケーブルを挿通するコンジットチューブの先端と着脱自在に後端に設けられたワイヤガイド接続部を有し、
    前記加圧機構は、一端が前記トーチボディ接続部に当接し、他端が前記ワイヤガイド接続部と当接するバネ部材からなる請求項1記載の溶接用トーチ。
  7. 前記バネ部材は、前記ワイヤガイド接続部に固定された請求項6記載の溶接用トーチ。
  8. 前記給電コレットの先端部に、前記溶接用ワイヤに給電する給電部を有し、前記給電部の内径を前記溶接用ワイヤの径と同径とし、前記給電コレットの後端部の内径を前記溶接用ワイヤの径よりも大きくした請求項1記載の溶接用トーチ。
  9. 前記スリット部の長さが、前記給電部の長さよりも長い請求項8記載の溶接用トーチ。
  10. 前記コレットケースは、前記溶接用ワイヤの径よりも大きい径を有する絶縁性ガイドを先端に有する請求項1記載の溶接用トーチ。
  11. 前記インナーチューブは撓み性を有し、前記トーチボディの湾曲形状に沿って曲がる請求項2記載の溶接用トーチ。
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