JP2009248131A - コンタクトチップ及びコンタクトチップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで製造することができ、高寿命でソリッドワイヤーに確実に給電することが可能なコンタクトチップ及びコンタクトチップの製造方法を提供する。
【解決手段】給電孔1a出口部分に、収納部1fを形成し、1f挿入孔に、先端側の外縁部が切り落とされた切欠部2bが形成された強化部材2を挿入し、先端部分を切欠部1bに塑性流動させて、強化部材2を収納部1fに固定する。なお、強化部材2はセラミックス等の高硬度の材質で構成することが好ましい。給電孔1aが摩耗した場合には、ネジ穴1gに押さえネジ3をねじ込んで、ソリッドワイヤーを給電孔1aの内面に押し当てて、ソリッドワイヤーへの給電を確実にする。
【選択図】図1

Description

ガスシールドアーク溶接をする際に用いられるコンタクトチップに関するものである。
従来から、自動車のホワイトボデーの溶接や、船舶、重機等を製造する際に、MAG溶接やMIG溶接等のガスシールドアーク溶接が利用されている。ガスシールドアーク溶接は、連続的に送出されるソリッドワイヤーを、コンタクトチップに挿通し、このコンタクトチップを介してソリッドワイヤーに電流を流して、前記ソリッドワイヤーと被溶接部材との間でアークを発生させ(放電させ)、その際に発生する熱により、前記ソリッドワイヤーや被溶接部材を溶かして、被溶接部材を溶接する溶接方法である。溶接を行う際には、アルゴン等の不活性ガスを溶接箇所に供給して、溶接箇所と空気との接触を防いで、ブローホールの発生を防止している。
コンタクトチップの給電孔は、連続的に送出されるソリッドワイヤーとの摩擦により摩耗し、給電穴の内径が大きくなってしまう。特に、コンタクトチップ先端は、溶接熱により雰囲気温度が約600℃となっているため、材料が軟化するので摩耗し易い。給電孔の出口部分の内径が大きくなると、溶接の狙い位置がずれてしまい、溶接不良となってしまう。このため、定期的にコンタクトチップを交換する必要があった。重機や船舶を溶接するソリッドワイヤーの線径は太く、コンタクトチップの給電孔が摩耗し易く、約1時間でコンタクトチップを交換する必要があることから、作業性が大幅に悪化してしまうという問題があった。また、自動車のホワイトボデーの溶接等の自動化ラインでアーク溶接する場合には、コンタクトチップを交換する度に、自動化ラインを止める必要があることから生産性が大幅に悪化してしまうという問題があった。
また、給電孔の給電部分が摩耗により内径が大きくなった場合には、ソリッドワイヤーへの給電が不安定となり、スパッターの発生が増大し、最悪の場合には、溶接不良となってしまうという問題があった。
そこで、特許文献1に示されるような電気溶接機のコンタクトチップが提案されている。このコンタクトチップは、コンタクトチップの先端に、ソリッドワイヤーが挿通するセラミックスチップを取り付けたものであるが、セラミックスチップを、コンタクトチップの先端に取り付けるために、コンタクトチップを2体構造とし、この2体構造のコンタクトチップで、前記セラミックスチップを挟み込んだ状態でねじ込んで固定する構造のものである。しかしながら、このような構造のコンタクトチップは、コンタクトチップ自体を2体構造とし、更に、両方の部材にネジ山を形成する必要があるので、消耗品であるコンタクトチップの製造コストが増大してしまうという問題があった。
また、特許文献1の図3に示されるように、セラミックスチップをコンタクトチップに圧入しただけでは、溶接による高温によりコンタクトチップが熱膨張し、セラミックスチップが緩みやすく、このセラミックスチップの後端面に僅かな隙間ができると、この隙間にソリッドワイヤーの切粉が次第にたまり、ソリッドワイヤーが引っかかって円滑な送出ができなくなるというという問題があった。
公開実用平1−172472
本発明は、上記問題を解決し、低コストで製造することができ、高寿命でソリッドワイヤーに確実に給電することが可能なコンタクトチップ及びコンタクトチップの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップであって、
前記給電孔の出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい収納部を形成し、
この挿入部に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を埋設し、先端を嵌めて強化部材を固定したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、強化部材の先端に、当該先端の外縁部を切り落とした形状の切欠部を形成し、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、側面に、給電孔に連通するネジ穴を形成し、このネジ穴に押さえネジを螺入したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載の発明において、強化部材を、銀タングステン合金又は銅タングステンで構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載の発明において、強化部材を、セラミックスで構成したことを特徴とする。
本発明のコンタクトチップを製造するのに最適な請求項7に記載の発明は、連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップの製造方法であって、
コンタクトチップの素材から、外形及び給電孔を形成する工程と、
給電孔出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい内径の収納部を形成する工程と、
前記挿入孔に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を挿入する工程と、
先端部分を嵌めて、前記強化部材を前記収納部に固定する工程を含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、先端側の外縁部が切り落とされた切欠部が形成された強化部材を収納部に挿入した後に、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、切欠部にリング状部材を配置した状態で、先端部分を嵌めることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜請求項9に記載の発明において、収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成し、
収納部に挿入された強化部材に、収納部の底部側に押し込む力を作用させる工程を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップであって、
前記給電孔の出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい収納部を形成し、
この挿入部に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を埋設し、先端を嵌めて強化部材を固定したことを特徴とする。
このように、ソリッドワイヤーが挿通する強化部材を別体とし、強化部材を高硬度で耐摩耗性に優れた材料にすることが可能となり、ソリッドワイヤーの送給による給電孔の摩耗を低減することが可能となり、溶接狙い位置がずれることがなく、コンタクトチップが長寿命となる。また、先端を嵌めて強化部材をコンタクトチップに固定することにしたので、強化部材がコンタクトチップから外れることがなく、従来に比べて製造コストを大幅に低減することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、強化部材の先端に、当該先端の外縁部を切り落とした形状の切欠部を形成し、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定したことを特徴とする。
このため、強化部材を確実に固定することが可能となり、強化部材が外れることを確実に防止することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成したことを特徴とする。
このため、コンタクトチップの先端を嵌める際に、強化部材が収納部の奥側に押圧されて、強化部材がセンタリングされ、給電孔と挿通孔の中心が合致し、ソリッドワイヤーを円滑に送出することが可能となる。また、強化部材の後端と収納部の底面との間に隙間が生じることがなく、ソリッドワイヤーの切粉が溜まることがない。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、側面に、給電孔に連通するネジ穴を形成し、このネジ穴に押さえネジを螺入したことを特徴とする。
このため、ソリッドワイヤーの供給により、給電孔が摩耗した場合であっても、ネジ穴に押さえネジをねじ込んで、押さえネジの先端でソリッドワイヤーを給電孔の内面に押し当てることにより、ソリッドワイヤーへの給電が確実になり、給電不良による溶接不良の発生を防止することが可能となる。このような構造は、強化部材が高硬度で摩耗し難い本発明のコンタクトチップには、コンタクトチップの寿命を延ばす点で絶大な効果がある。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載の発明において、強化部材を、銀タングステン合金又は銅タングステンで構成したことを特徴とする。
銀タングステン合金又は銅タングステンは、高硬度で耐摩耗性に優れた材料であるので、従来1時間でコンタクトチップの交換を要していた溶接条件であっても、約10日間コンタクトチップを交換することなく溶接を続けることができ、ガスシールドアーク溶接の作業性及び生産性を飛躍的に向上させることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載の発明において、強化部材を、セラミックスで構成したことを特徴とする。
タングステン合金又は銅タングステンは、高硬度で耐摩耗性に優れた材料であるので、従来1時間でコンタクトチップの交換を要していた溶接条件であっても、約1ヶ月間コンタクトチップを交換することなく溶接を続けることができ、ガスシールドアーク溶接の作業性及び生産性を飛躍的に向上させることが可能となる。
本発明のコンタクトチップを製造するのに最適な請求項7に記載の発明は、連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップの製造方法であって、
コンタクトチップの素材から、外形及び給電孔を形成する工程と、
給電孔出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい内径の収納部を形成する工程と、
前記挿入孔に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を挿入する工程と、
先端部分を嵌めて、前記強化部材を前記収納部に固定する工程を含むことを特徴とする。
このため、長寿命なコンタクトチップを、低い製造コストで製作することが可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、先端側の外縁部が切り落とされた切欠部が形成された強化部材を収納部に挿入した後に、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定することを特徴とする。
このため、強化部材を確実に固定することが可能となる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、切欠部にリング状部材を配置した状態で、先端部分を嵌めることを特徴とする。
このため、コンタクトチップの先端を嵌める際に、リング状部材が塑性変形して、切欠部に充填されて、強化部材が固定されるので、強化部材に大きな力が作用することなく、強化部材の破損を防止することが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜請求項9に記載の発明において、収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成し、
収納部に挿入された強化部材に、収納部の底部側に押し込む力を作用させる工程を含むことを特徴とする。
このため、収納部の底部側に押し込む力が作用する際に、強化部材がセンタリングされ、給電孔と挿通孔の中心を簡単に且つ確実に合致させることが可能となる。
(本発明のコンタクトチップの構造)
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。図1に本発明のコンタクトチップ10の説明図を示して、以下、本発明のコンタクトチップ10の構造について説明をする。本発明のコンタクトチップ10は、コンタクトチップ本体1と、強化部材2と、押さえネジ3とから構成されている。コンタクトチップ本体1は、クロム銅、ベリリウム銅、ジリコニウム銅、アルミナ分散強化銅等の銅合金で構成されている。コンタクトトップ1の先端部分は、先端側に向かって外径が小さくなる略砲弾形状をしている。コンタクトチップ1には、軸線方向に連通する給電孔1aが貫通形成されている。この給電孔1aにソリッドワイヤーを挿通して、給電孔1aの内面でソリッドワイヤーを接触させて、ソリッドワイヤーに電流を供給するようにしている。コンタクトチップ1の基端部は、他の部分に比べて外径が小さくなっていて、当該部分にネジ山が螺刻されていて、取付部1bとなっている。
給電孔1aの取付部1bには、給電孔1aに連通する導入部1cが形成されている。導入部1cは、コンタクトチップ本体1の基端側に向かって徐々に外径が大きくなっていて、テーパー状となっている(テーパー面が形成されている)。この導入部1cからソリッドワイヤーが給電部1aに導かれるようになっている。
コンタクトチップ1の外表面には、面取り部1eが形成されている。この面取り部1eにスパナ等の工具を係合させて、取付部1bを、ガスシールドアーク溶接用トーチのチップホルダに螺入して、コンタクトチップ10を、チップホルダに取り付けるようにしている。ガスシールドアーク溶接時には、ソリッドワイヤーは、チップホルダ側から連続的に供給されるようになっている。
コンタクトチップ本体1の先端、すなわち、給電孔1aの出口部分には、収納部1fが給電孔1aと同心に形成されている。収納部1fの内径は、給電孔1aの内径よりも大きくなっている。
コンタクトチップ本体1の収納部1fには、強化部材2が埋設されている。図2に強化部材2の詳細図を示す。本実施形態では、強化部材2は円柱形状をしていて、強化部材2の外径は、収納部1fの内径よりも僅かに小さくなっている。強化部材2には、軸線方向を連通する挿通孔2aが連通形成されている。挿通孔2aの内径は、給電孔1aの内径と、同一若しくは殆ど同じ内径となっている。強化部材2がコンタクトチップ本体1の収納部1fに埋設された状態で、給電孔1aと挿通孔2aは、同心となっていて、互いに連通している。挿通孔2aには、ソリッドワイヤーが挿通し、この挿通孔2aからソリッドワイヤーが溶接箇所に供給されるようになっている。強化部材2は、銀タングステン合金、銅タンスステン、セラミックス等の高硬度で耐摩耗性に優れた材質で構成されている。
強化部材2に使用される銀タングステン合金は、例えば、15〜45質量%の銀と、残部がタングステン及び不純物から構成されるものであり、銀及びタングステンの粉末を焼結したものである。
また、強化部材2に使用される銅タングステン合金は、例えば、15〜45質量%の銅と、残部がタングステン及び不純物から構成されるものであり、銅及びタングステンの粉末を焼結したものである。
強化部材2に使用されるセラミックスには、アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、窒化珪素セラミックス、炭化珪素セラミックス等が含まれる。
或いは、強化部材2を超硬合金(炭化タングステン等の硬質の金属を、結合材であるコバルトで焼結したもの)で構成しても差し支えない。
なお、強化部材2を金属等で構成し、強化部材2の挿通孔2aをセラミックコーティングして、挿通孔2aの耐摩耗性を向上させる構成にしても差し支えない。
図2に示されるように、強化部材2の先端には、当該先端の外縁部を切り落とした形状の切欠部2bが形成されている。図2に示される実施形態では、切欠部2bは、テーパー状に形成されているが、切欠部2bはこの形状に限定されず、円弧形状等、強化部材2の先端の外縁部を切り落とした形状は全て含まれる。
本発明では、強化部材2を収納部1fに挿入した後に、コンタクトチップ本体1の先端をダイ等で嵌めて、コンタクトチップ本体1の先端を、切欠部2bにより構成される空間に塑性流動させて、強化部材2を収納部1fに固定している。このため、ソリッドワイヤーを、強化部材2の挿通孔2aに挿通させて、ソリッドワイヤーを溶接箇所に供給したとしても、強化部材2がコンタクトチップ本体1から外れることがない。なお、詳細な製造方法については後述する。
図2に示されるように、強化部材2の基端には、基端部2cが形成されている。基端部2cは、強化部材2の基端側に向かって徐々に外径が小さくなっているテーパー形状をしている(テーパー面が形成されている)。基端部2cのテーパー角(側面角度)は、βとなっている。この基端部2cの役割については後述する。
図1に示されるように、コンタクトチップ本体1の側面には、給電孔1aに連通するネジ穴1gが形成されている。このネジ穴1gには、押さえネジ3が螺入されている。押さえネジ3の先端は、給電孔1a内に進出し、給電孔1a内に挿通されたソリッドワイヤーを押圧し、押さえネジ3と反対側の給電孔1aの壁面にソリッドワイヤーを押し当てるようになっている。
(第1の実施形態のコンタクトチップの製造方法)
図3と図4に第1の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法の説明図を示し、以下第1の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法について説明をする。図3の(1)に示されるように、コンタクトチップの素材から、コンタクトチップ本体1の外形を形成するとともに、給電孔1aを形成する。
次に図3の(2)に示されるように、コンタクトチップ本体1の先端側から、ドリル加工で収納部1fを形成する。収納部1fの底部には、ドリル刃の先端形状により、奥側に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部1hが形成される。テーパー部1hのテーパー角(側面角度)はαとなっている。基端部2cのテーパー角βは、テーパー部1hのテーパー角αより小さくなっている。なお、本実施形態では、テーパー部1hのテーパー角αは120°であり、基端部2cのテーパー角βは110°である。
次に図3の(3)に示されるように、強化部材2を収納部1fに挿入して収納する。図4の(4)に示されるように、強化部材2には、切欠部2bが形成されているので、強化部材2が収納部1fに収納された状態で、当該切欠部2bに空間が形成されている。
図4の(4)に示されるように、凹部が形成されたダイ50をコンタクトチップ本体1の先端に押し当てて、コンタクトチップ本体1の先端をかしめる。すると、図4の(5)に示されるように、ダイ50の凹部の底部の内径は、コンタクトチップ本体1先端の外径よりも小さくなっているので、コンタクトチップ本体1の先端部分が、切欠部2bにより形成された空間に塑性流動する。この際に、強化部材2には、収納部1fの奥側に押し込む力が作用し、前述したように、基端部2cのテーパー角βは、テーパー部1hのテーパー角αより小さくなっているので、強化部材2の基端部2cが、コンタクトチップ本体1のテーパー部1hの奥側に摺動する際にセンタリングされ、給電孔1aの中心と挿通孔2aの中心が合致するようになる。強化部材2が、収納部1fの奥側に押圧されるので、強化部材2の後端面と、収納部1fの底面との間には、僅かの空間も生じないようになっている。
図4の(6)に示されるように、コンタクトチップ本体1の先端部分が、切欠部2bにより形成された空間に塑性流動して充填されるので、強化部材2がコンタクトチップ本体1に強固に固定され、強化部材2がコンタクトチップ本体1から外れることがない。
(第2の実施形態のコンタクトチップの製造方法)
図5に第2の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法の説明図を示して、以下、第2の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法について説明をする。第2の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法は、強化部材2をコンタクトチップ本体1の収納部1fに収納する工程(図4の(3)に示される工程)までは、第1の実施形態と同一である。
図5の(1)に示されるように、第2の実施形態では、強化部材2が収納部1fに収納された状態で、切欠部2bにより形成される空間に、リング状部材5を配置する。このリング状部材5は、純銅等の柔らかく塑性変形し易い材料で構成されている。第2の実施形態は、この状態で、ダイ50をコンタクトチップ本体1先端に押し当てて、コンタクトチップ本体1の先端部分を嵌める。コンタクトチップ本体1先端が、切欠部2bにより構成される空間に塑性流動しようとする際に、リング状部材5が変形して切欠部2bにより構成される空間に充填される。強化部材2は柔らかいリング状部材5を介して、収納部1fの奥側に押圧されるので、強化部材2に大きな力が作用することがない。このように、第2の実施形態では、リング状部材5は、コンタクトチップ本体1の先端を嵌める際に、緩衝材としての役割をするので、強化部材2に大きな力が作用することがなく、挿通孔2aの内径が小さく、肉厚が薄い強化部材2であっても、強化部材2が破損することがない。このため、線径が細いソリッドワイヤー用のコンタクトチップ10を製造することが可能となる。
なお、この第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、強化部材2の基端部2cが、コンタクトチップ本体1のテーパー部1hの奥側に摺動し、センタリングされ、給電孔1aの中心と挿通孔2aの中心が合致するようになる。また、強化部材2の後端面と、収納部1fの底面との間には、僅かの空間も生じないようになる。
(本発明のコンタクトチップの使用方法)
次に、本発明のコンタクトチップ10の使用方法について説明をする。本発明のコンタクトチップ10は、先端部分にソリッドワイヤーが挿通する強化部材2を埋設したので、コンタクトチップ10のソリッドワイヤーの出口部分(本発明における挿通孔2a)が殆ど摩耗することがない。一方で、給電孔1aは、ソリッドワイヤーの供給に伴い、徐々に摩耗し、内径が大きくなってしまう。この場合には、押さえネジ3をねじ込んで、押さえネジ3の先端でソリッドワイヤーを押圧して、給電孔1aの壁面に押し当てる。このようにすれば、給電孔1aが摩耗した場合であっても、ソリッドワイヤーへの給電が不十分となることがなく、溶接不良の発生を防止することが可能となる。なお、押さえネジ3をねじ込んだ後に、押さえネジ3のネジ頭を、ポンチ等で叩くと、ネジ穴1gが僅かに変形し、押さえネジ3がネジ穴1gから緩むことがない。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うコンタクトチップ及びコンタクトチップの製造方法もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の実施の形態を示すコンタクトチップの説明図である。 強化部材の詳細図である。 コンタクトチップの製造方法の説明図である。(第1の実施形態) コンタクトチップの製造方法の説明図である。(第1の実施形態) コンタクトチップの製造方法の説明図である。(第2の実施形態)
符号の説明
1 コンタクトチップ本体
1a 給電孔
1b 取付部
1c 導入部
1e 面取り部
1f 収納部
1g ネジ穴
1h テーパー部
2 強化部材
2a 挿通孔
2b 切欠部
2c 基端部
3 押さえネジ
5 リング状部材
10 コンタクトチップ
50 ダイ

Claims (10)

  1. 連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップであって、
    前記給電孔の出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい収納部を形成し、
    この挿入部に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を埋設し、先端を嵌めて強化部材を固定したことを特徴とするコンタクトチップ。
  2. 強化部材の先端に、当該先端の外縁部を切り落とした形状の切欠部を形成し、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定したことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトチップ。
  3. 収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
    強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のコンタクトチップ。
  4. 側面に、給電孔に連通するネジ穴を形成し、このネジ穴に押さえネジを螺入したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のコンタクトチップ。
  5. 強化部材を、銀タングステン合金又は銅タングステンで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のコンタクトチップ。
  6. 強化部材を、セラミックスで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のコンタクトチップ。
  7. 連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップの製造方法であって、
    コンタクトチップの素材から、外形及び給電孔を形成する工程と、
    給電孔出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい内径の収納部を形成する工程と、
    前記挿入孔に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を挿入する工程と、
    先端部分を嵌めて、前記強化部材を前記収納部に固定する工程を含むことを特徴とするコンタクトチップの製造方法。
  8. 先端側の外縁部が切り落とされた切欠部が形成された強化部材を収納部に挿入した後に、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定することを特徴とする請求項
    7に記載のコンタクトチップの製造方法。
  9. 切欠部にリング状部材を配置した状態で、先端部分を嵌めることを特徴とする請求項8に記載のコンタクトチップの製造方法。
  10. 収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
    強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成し、
    収納部に挿入された強化部材に、収納部の底部側に押し込む力を作用させる工程を含むことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載のコンタクトチップの製造方法。
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