JP2009248131A - コンタクトチップ及びコンタクトチップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給電孔1a出口部分に、収納部1fを形成し、1f挿入孔に、先端側の外縁部が切り落とされた切欠部2bが形成された強化部材2を挿入し、先端部分を切欠部1bに塑性流動させて、強化部材2を収納部1fに固定する。なお、強化部材2はセラミックス等の高硬度の材質で構成することが好ましい。給電孔1aが摩耗した場合には、ネジ穴1gに押さえネジ3をねじ込んで、ソリッドワイヤーを給電孔1aの内面に押し当てて、ソリッドワイヤーへの給電を確実にする。
【選択図】図1
Description
前記給電孔の出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい収納部を形成し、
この挿入部に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を埋設し、先端を嵌めて強化部材を固定したことを特徴とする。
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成したことを特徴とする。
コンタクトチップの素材から、外形及び給電孔を形成する工程と、
給電孔出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい内径の収納部を形成する工程と、
前記挿入孔に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を挿入する工程と、
先端部分を嵌めて、前記強化部材を前記収納部に固定する工程を含むことを特徴とする。
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成し、
収納部に挿入された強化部材に、収納部の底部側に押し込む力を作用させる工程を含むことを特徴とする。
前記給電孔の出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい収納部を形成し、
この挿入部に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を埋設し、先端を嵌めて強化部材を固定したことを特徴とする。
このように、ソリッドワイヤーが挿通する強化部材を別体とし、強化部材を高硬度で耐摩耗性に優れた材料にすることが可能となり、ソリッドワイヤーの送給による給電孔の摩耗を低減することが可能となり、溶接狙い位置がずれることがなく、コンタクトチップが長寿命となる。また、先端を嵌めて強化部材をコンタクトチップに固定することにしたので、強化部材がコンタクトチップから外れることがなく、従来に比べて製造コストを大幅に低減することが可能となる。
このため、強化部材を確実に固定することが可能となり、強化部材が外れることを確実に防止することが可能となる。
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成したことを特徴とする。
このため、コンタクトチップの先端を嵌める際に、強化部材が収納部の奥側に押圧されて、強化部材がセンタリングされ、給電孔と挿通孔の中心が合致し、ソリッドワイヤーを円滑に送出することが可能となる。また、強化部材の後端と収納部の底面との間に隙間が生じることがなく、ソリッドワイヤーの切粉が溜まることがない。
このため、ソリッドワイヤーの供給により、給電孔が摩耗した場合であっても、ネジ穴に押さえネジをねじ込んで、押さえネジの先端でソリッドワイヤーを給電孔の内面に押し当てることにより、ソリッドワイヤーへの給電が確実になり、給電不良による溶接不良の発生を防止することが可能となる。このような構造は、強化部材が高硬度で摩耗し難い本発明のコンタクトチップには、コンタクトチップの寿命を延ばす点で絶大な効果がある。
銀タングステン合金又は銅タングステンは、高硬度で耐摩耗性に優れた材料であるので、従来1時間でコンタクトチップの交換を要していた溶接条件であっても、約10日間コンタクトチップを交換することなく溶接を続けることができ、ガスシールドアーク溶接の作業性及び生産性を飛躍的に向上させることが可能となる。
タングステン合金又は銅タングステンは、高硬度で耐摩耗性に優れた材料であるので、従来1時間でコンタクトチップの交換を要していた溶接条件であっても、約1ヶ月間コンタクトチップを交換することなく溶接を続けることができ、ガスシールドアーク溶接の作業性及び生産性を飛躍的に向上させることが可能となる。
コンタクトチップの素材から、外形及び給電孔を形成する工程と、
給電孔出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい内径の収納部を形成する工程と、
前記挿入孔に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を挿入する工程と、
先端部分を嵌めて、前記強化部材を前記収納部に固定する工程を含むことを特徴とする。
このため、長寿命なコンタクトチップを、低い製造コストで製作することが可能となる。
このため、強化部材を確実に固定することが可能となる。
このため、コンタクトチップの先端を嵌める際に、リング状部材が塑性変形して、切欠部に充填されて、強化部材が固定されるので、強化部材に大きな力が作用することなく、強化部材の破損を防止することが可能となる。
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成し、
収納部に挿入された強化部材に、収納部の底部側に押し込む力を作用させる工程を含むことを特徴とする。
このため、収納部の底部側に押し込む力が作用する際に、強化部材がセンタリングされ、給電孔と挿通孔の中心を簡単に且つ確実に合致させることが可能となる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。図1に本発明のコンタクトチップ10の説明図を示して、以下、本発明のコンタクトチップ10の構造について説明をする。本発明のコンタクトチップ10は、コンタクトチップ本体1と、強化部材2と、押さえネジ3とから構成されている。コンタクトチップ本体1は、クロム銅、ベリリウム銅、ジリコニウム銅、アルミナ分散強化銅等の銅合金で構成されている。コンタクトトップ1の先端部分は、先端側に向かって外径が小さくなる略砲弾形状をしている。コンタクトチップ1には、軸線方向に連通する給電孔1aが貫通形成されている。この給電孔1aにソリッドワイヤーを挿通して、給電孔1aの内面でソリッドワイヤーを接触させて、ソリッドワイヤーに電流を供給するようにしている。コンタクトチップ1の基端部は、他の部分に比べて外径が小さくなっていて、当該部分にネジ山が螺刻されていて、取付部1bとなっている。
また、強化部材2に使用される銅タングステン合金は、例えば、15〜45質量%の銅と、残部がタングステン及び不純物から構成されるものであり、銅及びタングステンの粉末を焼結したものである。
図3と図4に第1の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法の説明図を示し、以下第1の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法について説明をする。図3の(1)に示されるように、コンタクトチップの素材から、コンタクトチップ本体1の外形を形成するとともに、給電孔1aを形成する。
図5に第2の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法の説明図を示して、以下、第2の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法について説明をする。第2の実施形態のコンタクトチップ10の製造方法は、強化部材2をコンタクトチップ本体1の収納部1fに収納する工程(図4の(3)に示される工程)までは、第1の実施形態と同一である。
次に、本発明のコンタクトチップ10の使用方法について説明をする。本発明のコンタクトチップ10は、先端部分にソリッドワイヤーが挿通する強化部材2を埋設したので、コンタクトチップ10のソリッドワイヤーの出口部分(本発明における挿通孔2a)が殆ど摩耗することがない。一方で、給電孔1aは、ソリッドワイヤーの供給に伴い、徐々に摩耗し、内径が大きくなってしまう。この場合には、押さえネジ3をねじ込んで、押さえネジ3の先端でソリッドワイヤーを押圧して、給電孔1aの壁面に押し当てる。このようにすれば、給電孔1aが摩耗した場合であっても、ソリッドワイヤーへの給電が不十分となることがなく、溶接不良の発生を防止することが可能となる。なお、押さえネジ3をねじ込んだ後に、押さえネジ3のネジ頭を、ポンチ等で叩くと、ネジ穴1gが僅かに変形し、押さえネジ3がネジ穴1gから緩むことがない。
1a 給電孔
1b 取付部
1c 導入部
1e 面取り部
1f 収納部
1g ネジ穴
1h テーパー部
2 強化部材
2a 挿通孔
2b 切欠部
2c 基端部
3 押さえネジ
5 リング状部材
10 コンタクトチップ
50 ダイ
Claims (10)
- 連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップであって、
前記給電孔の出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい収納部を形成し、
この挿入部に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を埋設し、先端を嵌めて強化部材を固定したことを特徴とするコンタクトチップ。 - 強化部材の先端に、当該先端の外縁部を切り落とした形状の切欠部を形成し、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定したことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトチップ。
- 収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のコンタクトチップ。 - 側面に、給電孔に連通するネジ穴を形成し、このネジ穴に押さえネジを螺入したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のコンタクトチップ。
- 強化部材を、銀タングステン合金又は銅タングステンで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のコンタクトチップ。
- 強化部材を、セラミックスで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のコンタクトチップ。
- 連続的に供給されるソリッドワイヤーが挿通される給電孔を有し、この給電孔の内面で前記ソリッドワイヤーと接触させて、電流を前記ソリッドワイヤーに供給するガスシールドアーク溶接のコンタクトチップの製造方法であって、
コンタクトチップの素材から、外形及び給電孔を形成する工程と、
給電孔出口部分に、給電孔と同心に、給電孔よりも内径が大きい内径の収納部を形成する工程と、
前記挿入孔に、ソリッドワイヤーが挿通する挿通孔が連通形成された強化部材を挿入する工程と、
先端部分を嵌めて、前記強化部材を前記収納部に固定する工程を含むことを特徴とするコンタクトチップの製造方法。 - 先端側の外縁部が切り落とされた切欠部が形成された強化部材を収納部に挿入した後に、前記切欠部に、先端部分を塑性流動させて強化部材を固定することを特徴とする請求項
7に記載のコンタクトチップの製造方法。 - 切欠部にリング状部材を配置した状態で、先端部分を嵌めることを特徴とする請求項8に記載のコンタクトチップの製造方法。
- 収納部の底部に、奥に向かって徐々に内径が小さくなる、すり鉢状のテーパー部を形成するとともに、
強化部材の基端に、基端側に向かって徐々に外径が小さくなる、前記テーパー部のテーパー角よりも小さい角度のテーパー角の基端部を形成し、
収納部に挿入された強化部材に、収納部の底部側に押し込む力を作用させる工程を含むことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載のコンタクトチップの製造方法。
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