JP5271338B2 - 溶接用トーチ、溶接用チップ、および溶接用ロボット - Google Patents

溶接用トーチ、溶接用チップ、および溶接用ロボット Download PDF

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Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接に用いる溶接用トーチ、溶接用チップ、および溶接用ロボットに関するものである。
一般的にガスシールドアーク溶接では、溶接ワイヤへの給電部材として、コンタクトチップ(以下、溶接用チップという)と呼ばれる消耗品の銅製電極を用いる。この溶接用チップには貫通した孔が形成されており、その貫通孔に溶接ワイヤを連続送給するとともに、溶接用チップを介して溶接ワイヤに電流を流すことで、溶接用チップの先端から出てくる溶接ワイヤと溶接母材との間にアークを発生させる。
ガスシールドアーク溶接をおこなうと、溶接用チップの先端の貫通孔の内周面と溶接ワイヤとが摩擦することにより、当該部分が磨耗してしまう。その結果、貫通孔の内径が拡大して溶接位置のずれや溶接ワイヤへの通電不良を起こしてしまうため、溶接用チップは定期的に取り替えて使用する必要がある。
従来の溶接用チップは基端部分におねじが切られており、めねじ加工されている部分である溶接用トーチ本体の接続部に取り付けて使用していた。しかし、このねじ式の機構では、溶接用チップの着脱作業が面倒であるとともに、ねじ目が潰れてしまい着脱ができない場合があった。特に、大電流条件でガスシールドアーク溶接をおこなう場合は、溶接用チップを頻繁に取り替える必要があるため、この着脱作業に手間取ると、溶接効率にも悪影響を及ぼしてしまう。
さらに、溶接ワイヤと溶接用チップの先端内径部分との間で融着し、溶接ワイヤの送給不良を起こす「チップ融着」に対して、このねじ式の機構では、溶接用チップを取り外す際に溶接ワイヤをねじ切る力が必要となり、非常に取り外しが困難であった。
加えて、このねじ式の機構によると、溶接用チップを回転させるという動作が必要なことから、溶接用チップ着脱の自動化にはあまり適さず、特に、チップ融着に対応できるような溶接用チップ着脱の自動化に関する技術は、現時点では実用化されていない。
上記のような問題を解消するために、溶接用チップと溶接用トーチ本体との接続部が、ねじ式ではない機構の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、溶接用トーチ本体側に複数の割り込みスリットを入れ、この中に溶接用チップを挿入し、外側からOリングやスプリングで締め付ける機構の技術が開示されている。
また、特許文献2には、溶接用トーチ本体内部に嵌め込まれた溶接用チップを、螺杵により押さえつけ固定する機構の技術が開示されている。
特開2005−144548号公報 実開昭60−38673号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術によると、スリットの入った溶接用トーチ本体に溶接用チップを嵌めているだけであるので、着脱の繰り返しや、アークの熱により、溶接用トーチ本体の溶接用チップに対する締め付ける力が弱くなる。その結果、溶接用チップの固定が不十分となり、外れてしまう可能性がある。さらに、チップ融着が発生した場合は、溶接用チップを非常に強い力で引き抜く必要があるため、チップ融着の問題を解消できない。
また、特許文献2に開示された技術によると、溶接用トーチ本体と溶接用チップの両者を、直接的にねじにより接続してはいないものの、螺杵を溶接用トーチ本体にねじにより固定させている。したがって、溶接用チップを着脱する際には、螺杵を回転させるという動作が必要となり、着脱作業の簡易化という面では不十分である。さらに、通常、溶接用トーチの部材には通電性の高い銅が使用されるが、銅は比較的やわらかいため、螺杵のねじ目が潰れてしまい溶接用チップを適切に固定できなくなる可能性がある。
加えて、特許文献1に開示された技術は、溶接用チップを着脱する際の力加減が非常に難しいとともに、Oリングやスプリング等の取り外しが別途必要であり、特許文献2に開示された技術は、溶接用チップを着脱する際に螺杵を回転させるという複雑な動作を必要とするため、両技術とも、溶接用チップ着脱の自動化には適さない。
そこで、本発明は、溶接用チップの着脱作業の簡易化、および、チップ融着に対応可能であるとともに、溶接用チップ着脱の自動化に適した溶接用トーチ、溶接用チップ、および溶接用ロボットを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る溶接用トーチは、側面に固定孔が貫通して形成される筒状のチップ接続ボディと、前記チップ接続ボディの外側に嵌め込まれ、内周面に、縮径部と拡径部とが形成される筒状の保持部材と、前記保持部材の内周面と前記チップ接続ボディの前記固定孔との間に、前記チップ接続ボディの軸方向に固定される固定部材と、前記チップ接続ボディの内側に嵌め込まれ、前記固定孔に対向する位置で外周面の周方向に沿って固定溝が形成される筒状の溶接用チップと、前記チップ接続ボディの先端部分の外周面に組み付けられ、前記保持部材の前記拡径部の内周面よりも前記チップ接続ボディの径方向外側に広がる環状のシールド部材と、を備える溶接用トーチであって、前記保持部材は、前記チップ接続ボディの軸方向に変位可能に組みつけられており、前記固定部材が前記縮径部に接する場合には、前記固定部材により前記溶接用チップが当該溶接用チップの軸方向に固定され、前記固定部材が前記拡径部に接する場合には、前記固定部材による前記溶接用チップの固定が解除されることを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、保持部材は、チップ接続ボディの軸方向に変位可能に組みつけられていることから、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけで、固定部材が接する保持部材の内周面を、縮径部の内周面から拡径部の内周面に、または、拡径部の内周面から縮径部の内周面に、変えることができる。つまり、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけで、溶接用チップが固定される状態と固定が解除される状態とを変更することができる。したがって、本発明に係る溶接用トーチによれば、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけというワンタッチで溶接用チップを着脱することができる。
また、この溶接用トーチによれば、チップ接続ボディの先端部分の外周面にシールド部材が組み付けられることにより、スパッタ等の異物がチップ接続ボディと保持部材との隙間に混入することを防止できる。
また、本発明に係る溶接用トーチは、側面に固定孔が貫通して形成される筒状のチップ接続ボディと、前記チップ接続ボディの外側に嵌め込まれ、内周面に、縮径部と拡径部とが形成される筒状の保持部材と、前記保持部材の内周面と前記チップ接続ボディの前記固定孔との間に、前記チップ接続ボディの軸方向に固定される固定部材と、前記チップ接続ボディの内側に嵌め込まれ、前記固定孔に対向する位置で外周面の周方向に沿って固定溝が形成される筒状の溶接用チップと、前記保持部材と前記チップ接続ボディとの間に設置され、一端が前記縮径部に他端が前記チップ接続ボディに接した弾性部材と、前記チップ接続ボディの先端部分の外周面に組み付けられ、前記保持部材の前記拡径部の内周面よりも前記チップ接続ボディの径方向外側に広がる環状のシールド部材と、を備える溶接用トーチであって、前記保持部材は、前記チップ接続ボディの軸方向に変位可能に組みつけられており、前記固定部材は、前記チップ接続ボディの径方向における幅が、前記縮径部の内周面と前記溶接用チップの外周面との間隔より大きく、前記拡径部の内周面と前記溶接用チップの外周面との間隔より小さく形成されることを特徴とする。
この溶接用トーチによれば、チップ接続ボディの径方向における固定部材の幅が、保持部材の縮径部の内周面と溶接用チップの外周面との間隔より大きくなるように形成されている。この構成により、固定部材の一端が保持部材の縮径部の内周面と接している状態において、固定部材の他端は、チップ接続ボディの固定孔を通過すると同時に、溶接用チップの固定溝に嵌まることとなる(以下、適宜、固定状態という)。その結果、溶接用チップを、チップ接続ボディに対して軸方向に固定させることができる。
さらに、チップ接続ボディの径方向における固定部材の幅が、保持部材の拡径部の内周面と溶接用チップの外周面との間隔より小さくなるように形成されている。この構成により、固定部材の一端が保持部材の拡径部の内周面と接している状態において、固定部材の他端は、溶接用チップの固定溝に嵌まらなくなる(以下、適宜、固定解除状態という)。その結果、溶接用チップをチップ接続ボディから溶接用チップの軸方向に取り外すことができる。
加えて、保持部材は、チップ接続ボディの軸方向に変位可能に組みつけられていることから、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけで、固定部材が接する保持部材の内周面を、縮径部の内周面から拡径部の内周面に、または、拡径部の内周面から縮径部の内周面に、変えることができる。つまり、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけで、固定状態と固定解除状態とを変更することができる。したがって、本発明に係る溶接用トーチによれば、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけというワンタッチで溶接用チップを着脱することができる。
また、本発明に係る溶接用トーチは、前記固定部材について、前記チップ接続ボディの径方向における幅が、前記縮径部の内周面と前記固定溝の底面との間隔より小さく形成され、前記溶接用チップは、当該溶接用チップの軸方向を中心として回動自在に設けられることが好ましい。
この溶接用トーチは、チップ接続ボディの径方向における固定部材の幅が、保持部材の縮径部の内周面と固定溝の底面との間隔より小さくなるように形成されている。この構成により、固定部材の一端が保持部材の縮径部の内周面と接している状態において、固定部材の他端は、溶接用チップの固定溝の底面に圧力をかけることなく嵌まることとなる。その結果、溶接用チップを、当該溶接用チップの軸方向を中心として回動自在とすることができる。
また、本発明に係る溶接用トーチは、前記固定部材の前記固定溝との接触面が曲面を呈することが好ましい。
この溶接用トーチによれば、固定部材の固定溝との接触面が曲面を呈することにより、固定状態において、溶接用チップは回動し易くなる。したがって、固定状態であっても、溶接用チップを、当該溶接用チップの軸方向を中心としてより回動し易くすることができる。
また、本発明に係る溶接用トーチは、前記固定孔は、前記チップ接続ボディの側面に周方向に沿って複数設けられるとともに、前記固定部材は、前記固定孔に対向する位置にそれぞれ設けられることが好ましい。
この溶接用トーチによれば、チップ接続ボディに対して溶接用チップを、複数の固定部材により当該溶接用チップの軸方向に固定することができる。
そして、本発明に係る溶接用チップは、前記溶接用トーチを構成する溶接用チップであって、筒状を呈するとともに、外周面の周方向に沿って固定溝が1つまたは2つ形成されることを特徴とする。
この溶接用チップによれば、外周面の周方向に沿って固定溝が形成されていることから、当該固定溝に固定部材を嵌めることにより、溶接用チップを、軸方向に固定させることができる。
加えて、本発明に係る溶接用ロボットは、前記溶接用トーチを備えていることを特徴とする。
この溶接用ロボットは、前記溶接用トーチを備えることにより、溶接用トーチが奏する作用と同じ作用を発揮することができる。
本発明に係る溶接用トーチによれば、所定形状の保持部材と固定部材とを備えることにより、保持部材をチップ接続ボディの軸方向に変位させるだけというワンタッチで溶接用チップを着脱することができる。したがって、本発明に係る溶接用トーチは、溶接用チップの着脱作業を簡易化することができる。加えて、チップチェンジャー等の自動取替え機にも容易に適用することが可能であり、溶接用チップ着脱の自動化にも対応することができる。
また、本発明に係る溶接用トーチによれば、溶接用チップと溶接ワイヤとが融着してしまった場合であっても、固定を解除し、溶接用チップと溶接ワイヤとを一緒にワイヤインチング操作によって、チップ接続ボディの軸方向に取り外した後、溶接ワイヤを切断することにより対応することができる。したがって、本発明に係る溶接用トーチは、簡単に「チップ融着」の問題を解消することができる。
さらに、本発明に係る溶接用トーチは、固定部材の幅と、各部材の外周面、内周面の間隔との関係が規定されていることにより、溶接用チップを、当該溶接用チップの軸方向を中心として、回動自在とすることができる。したがって、溶接中に、本発明に係る溶接用トーチの溶接用チップを回動させることにより、溶接用チップと溶接ワイヤの摩擦箇所を、適宜、変更することができる。その結果、摩擦による磨耗を1箇所ではなく複数個所に分散することができることから、溶接位置のずれ、溶接ワイヤへの通電不良、チップ融着等の問題発生時期を遅らせ、溶接用チップの寿命を延ばすことができる。
加えて、本発明に係る溶接用トーチの固定部材の固定溝との接触面が曲面を呈することにより、溶接用チップを、固定状態において、より回動し易くすることができる。したがって、溶接用チップの回動作業をより容易におこなうことができる。
そして、本発明に係る溶接用トーチは、シールド部材を備えることにより、スパッタ等の異物がチップ接続ボディと保持部材との隙間に混入することを防止できる。その結果、溶接用トーチの寿命を延ばすことができる。
また、本発明に係る溶接用トーチは、複数の固定部材により溶接用チップを固定することにより、溶接用チップを当該溶接用チップの軸方向に安定的に固定することができる。
そして、本発明に係る溶接用チップによれば、溶接用トーチから簡単に溶接用チップを着脱することができる。
また、本発明に係る溶接用ロボットによれば、溶接用チップ着脱の簡易化、溶接用チップ着脱の自動化への対応、「チップ融着」の問題の解消、溶接用チップおよび溶接用トーチの長寿命化といった溶接用トーチが奏する効果と同じ効果を発揮することができる。
本発明の実施形態に係る溶接用トーチの構造を示した断面図であって、(a)は保持部材が先端側に変位している状態を示した断面図、(b)は保持部材が基端側に変位している状態を示した断面図、(c)は溶接用チップが先端側に取り外された状態を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る溶接用トーチの構造を示した断面斜視図であって、(a)は保持部材が先端側に変位している状態を示した断面斜視図、(b)は保持部材が基端側に変位している状態を示した断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る溶接用トーチの組付手順を示した断面図である。 図3のX−X線に沿ったチップ接続ボディと固定部材の切断面である。 本発明の実施形態に係る溶接用トーチの保持部材の変形例を示した断面斜視図であって、(a)は保持部材が縮径している状態の断面斜視図、(b)は保持部材が縮径していない状態の断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る溶接用トーチの固定部材の変形例を示した断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る溶接用チップの変形例を示した断面図であって、(a)は、固定溝を2つ備えた溶接用チップの断面図、(b)は、固定溝を中心軸O方向の中心に備えた溶接用チップの断面図である。 実施例において、溶接を開始してから所定時間経過後の溶接用チップの先端の画像であって、(a)は実施例に係る溶接用チップの画像、(b)は比較例に係る溶接用チップの画像である。 実施例と比較例に係る溶接用トーチを用いて溶接をおこなった際の溶接時間と磨耗面積に関するグラフである。
以下、本発明の実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明において「先端、基端」を言うときは、図1、図2に示す方向を基準としている。
≪溶接用トーチの概略構成≫
溶接用トーチ10は、基端側において溶接ワイヤ供給部(図示せず)と接続され、溶接ワイヤ供給部から供給されてくる溶接ワイヤを、溶接用チップ1の先端から溶接箇所である溶接母材表面のアーク発生箇所に連続供給する構成になっている。
図1(a)に示すように、溶接用トーチ10は、中心軸O(以下、適宜、O軸という)を中心として実質的に左右対称の構造をしている。そして、溶接用トーチ10は、チップ接続ボディ3と、このチップ接続ボディ3の外周側に弾性部材5により支持される保持部材4とを備えるとともに、このチップ接続ボディ3の内部に固定部材2により着脱可能に溶接用チップ1を備えている。そして、溶接用トーチ10は、チップ接続ボディ3の先端部分の外周面にシールド部材6を備えることが好ましい。
なお、溶接用トーチ10を構成する各部材は、溶接電流が通電できるように、銅および真鍮等の銅合金、並びに、銀および銀合金等の通電性の高い部材により構成されていればよい。
≪各部材の構成≫
以下、溶接用トーチ10の各部材について図1または図2を参照して説明する。
<溶接用チップ>
溶接用チップ1は、溶接用チップ1の内部を通る溶接ワイヤ(図示せず)に対し給電するとともに、溶接ワイヤをアーク発生箇所まで適切に導く部材である。
溶接用チップ1は、内部に線状の溶接ワイヤ(図示せず)を通すことができるように、筒状を呈している。そして、外周面には、周方向に沿って固定溝1aが形成されている。この固定溝1aの形成位置は、溶接用チップ1をチップ接続ボディ3に嵌め込んだ場合(図1(a)の場合)に、固定孔3aに対向する位置、つまり、固定孔3aに対しO軸の垂直方向内側の位置である。
なお、溶接用チップ1の外周面の形状は、固定溝1aが形成される以外は特に限定されず、図2(a)のような寸胴形状を呈していてもよいし、先端側の外周面の径が小さくなっている砲弾形状を呈していてもよい。また、全体の大きさ、長さについても特に限定されない。
<チップ接続ボディ>
チップ接続ボディ3は、基端部分において、接続部材7を介して、または直接、溶接ワイヤ供給部材(図示せず)と接続するとともに、先端側から、溶接用チップ1を着脱可能に接続することで、両部材を着脱可能に連結する部材である。
チップ接続ボディ3は、内部に溶接用チップ1を嵌め込むことができるように、全体として筒状を呈しているとともに、側面に固定部材2を嵌め込むことができるように固定孔3aを備えている。そして、チップ接続ボディ3は、基端に行くに従って段状に外径が広がるように外周面が形成され、弾性部材5の基端部分と接する第1段差部3bと、保持部材4の基端部分と接する第2段差部3c(図2参照)とを備えている。
そして、固定孔3aは、周方向に沿って等間隔に4つ備えられている(図4参照)。チップ接続ボディ3は、このような構成を呈することで、溶接用チップ1を4方向から保持することによりO軸方向に安定に固定することができる。
そして、この固定孔3aは、固定部材2がチップ接続ボディ3の内部に脱落しないように、テーパ状を呈している。詳細には、固定孔3aは、O軸の垂直方向内側に行くに従って固定孔3aの直径が小さくなるとともに、チップ接続ボディ3の内周面の固定孔3aの直径が固定部材2の幅より小さい形状を呈している(図4参照)。
チップ接続ボディ3は、基端側において、チップ接続ボディ3の内径よりも小さな内径を呈する接続部材7と接続する。これにより、溶接用チップ1をチップ接続ボディ3に嵌め込んだ状態(図1(a)の状態)において、溶接用チップ1の基端が接続部材7の先端に接することにより、溶接用チップ1のO軸方向の位置を決定することができる。
なお、図1、2では、チップ接続ボディ3と、接続部材7とは、別体として構成されているが、一体として構成されているものであってもよい。
<固定部材>
固定部材2は、チップ接続ボディ3に対して、溶接用チップ1をO軸方向に固定する部材である。そして、固定部材2は、球状を呈している。固定部材2が球状を呈することにより、固定部材2は回動することができるとともに、溶接用チップ1の固定溝1aと線ではなく点で接することとなるため、溶接用チップ1をO軸方向を中心として回動し易く固定することができる。
この固定部材2は、チップ接続ボディ3の径方向における幅Wが、保持部材4の縮径部4aの内周面と溶接用チップ1の外周面との間隔Lより大きくなるように、詳細には、W>Lとなるように形成されている。この構成により、固定部材2の一端が保持部材4の縮径部4aの内周面と接している状態(図1、2(a)の状態)において、固定部材2の他端は、チップ接続ボディ3の固定孔3aを通過すると同時に、溶接用チップ1の固定溝1aに嵌まることとなる。その結果、溶接用チップ1は、チップ接続ボディ3に対してO軸方向に固定されることとなる。
また、固定部材2は、チップ接続ボディ3の径方向における幅Wが、保持部材4の縮径部4aの内周面と固定溝1aの底面との間隔Lより小さくなるように、詳細には、W≦Lとなるように形成されている。この構成により、固定部材2の一端が保持部材4の縮径部4aの内周面と接している状態(図1、2(a)の状態)において、固定部材2の他端は、溶接用チップ1の固定溝1aの底面に圧力をかけることなく嵌まることとなる。その結果、溶接用チップ1は、O軸方向に固定されるとともに、O軸方向を中心として回動自在となる。
そして、固定部材2は、チップ接続ボディ3の径方向における幅Wが、保持部材4の拡径部4bの内周面と溶接用チップ1の外周面との間隔Lより小さくなるように、詳細には、W≦Lとなるように形成されている。この構成により、固定部材2の一端が保持部材4の拡径部4bの内周面と接している状態(図1、2(b)の状態)において、固定部材2の他端は、溶接用チップ1の固定溝1aに嵌まらなくなる。その結果、溶接用チップ1をチップ接続ボディ3からO軸方向に取り外す(図1(c)の状態)ことができる。
さらに、固定部材2は、チップ接続ボディ3の径方向における幅Wが、保持部材4の拡径部4bの内周面とチップ接続ボディ3の外周面との間隔L4より大きくなるように、詳細には、W>L4となるように形成されている。この構成により、固定部材2の一端が保持部材4の拡径部4bの内周面と接している状態(図1、2(b)の状態)において、固定部材2の他端が、チップ接続ボディ3の固定孔3aに嵌まった状態となる。その結果、固定部材2がチップ接続ボディ3の固定孔3aによって、O軸方向に保持され、固定部材2のO軸方向への移動を防止することができる。
固定部材2の設置位置は、チップ接続ボディ3の固定孔3aに対向する位置、つまり、固定孔3aに対しO軸の垂直方向外側の位置である。
<保持部材>
保持部材4は、固定部材2をO軸の垂直方向に保持する部材である。
保持部材4は、内部にチップ接続ボディ3を嵌め込むことができるように、全体として筒状を呈しているとともに、先端側に拡径部4b、拡径部4bより基端側に縮径部4aを有する。
保持部材4の縮径部4aと拡径部4bは、保持部材4が先端方向に変位している状態(図1、2(a)の状態)において、固定部材2の一端が縮径部4aの内周面と接し、保持部材4が基端方向に変位している状態(図1、2(b)の状態)において、固定部材2の一端が拡径部4bの内周面と接するように構成している。
保持部材4が基端方向に変位している状態(図1、2(b)の状態)において、保持部材4の基端がチップ接続ボディ3の第2段差部3cに接する構成となっていることにより(図2(b)参照)、保持部材4の基端側への変位終端を決定している。
また、保持部材4が先端方向に変位している状態(図1、2(a)の状態)において、保持部材4の縮径部4aがシールド部材6に接する構成となっていることにより、保持部材4の先端側への変位終端を決定している。
<弾性部材>
弾性部材5は、保持部材4をチップ接続ボディ3に対しO軸方向に変位可能に支持する部材である。なお、弾性部材5としてはばねを用いる。
弾性部材5は、チップ接続ボディ3と保持部材4との間に設けられるとともに、一端が保持部材4の縮径部4a、他端がチップ接続ボディ3の第1段差部3bに接するように設けられる(図2参照)。
弾性部材5が伸びている状態(図1、2(a)の状態)において、固定部材2の一端が保持部材4の縮径部4aの内周面と接し、弾性部材5が縮んでいる状態(図1、2(b)の状態)において、固定部材2の一端が保持部材4の拡径部4bの内周面と接する。
<シールド部材>
シールド部材6は、スパッタ等の異物がチップ接続ボディ3と保持部材4との隙間に混入することを防止する部材である。
シールド部材6は、全体として環状を呈するとともに、保持部材4の拡径部4bの内周面よりもO軸の垂直方向外側に広がる形状を呈する。そして、シールド部材6は、チップ接続ボディ3の先端部分の外周面に組み付けられる。
このシールド部材6を備えることにより、シールド部材6の先端面6aが、チップ接続ボディ3と保持部材4との隙間へのスパッタ等の異物の混入を防止する。
≪溶接用チップの着脱方法≫
次に、チップ接続ボディ3に対する溶接用チップ1の着脱方法について図1を参照して説明する。
溶接用チップ1を装着する場合は、まず、保持部材4を基端側に変位させる。これにより、固定部材2がO軸の垂直方向外側に移動する。ここで、固定部材2の一端が保持部材4の拡径部4bの内周面と接すると、固定部材2の他端は、チップ接続ボディ3の内周面より内側に突出しなくなる。この状態において、先端側から、溶接用チップ1をチップ接続ボディ3に嵌め込めばよい。
その後、保持部材4を先端側に変位させることにより、固定部材2の一端が保持部材4の縮径部4aの内周面と接するとともに、固定部材2の他端が、チップ接続ボディ3の固定孔3aを通過すると同時に、溶接用チップ1の固定溝1aに嵌まる。これにより、溶接用チップ1を、チップ接続ボディ3に対してO軸方向に固定させることができる。
溶接用チップ1を取り外す場合は、保持部材4を基端側に変位させることにより、固定部材2をO軸の垂直方向外側に移動可能な状態にし、この状態において、先端方向に溶接用チップ1を移動させればよい。
≪溶接用トーチの組み付け手順≫
次に、溶接用トーチ10の組み付け手順について図3を参照して説明する。
まず、チップ接続ボディ3の基端部分を接続部材7の先端部分に接続する。この接続の方法については、特に限定されず、ねじによる固定であってもよいし、圧入であってもよい。また、前述したようにチップ接続ボディ3と接続部材7とは、一体として構成されていてもよい。
そして、固定部材2をチップ接続ボディ3の固定孔3aに装着し、弾性部材5をチップ接続ボディ3の第1段差部3bに接するようにチップ接続ボディ3に装着する。その後、保持部材4を先端側からチップ接続ボディ3に嵌め込む。そして、シールド部材6を先端側からチップ接続ボディ3の先端部分に接続する。この接続の方法についても、特に限定されず、ねじによる固定であってもよいし、圧入であってもよい。
最後に、溶接用チップ1を先端側からチップ接続ボディ3に嵌め込む。
この溶接用トーチ10の基端部分を溶接ワイヤ供給部(図示せず)に接続し、使用することとなる。なお、この接続の方法についても、特に限定されず、ねじによる固定であってもよいし、圧入であってもよい。
≪溶接用ロボット≫
本発明に係る溶接用トーチ10は、従来の溶接用ロボットに適用することができる。例えば、溶接用ロボットとは、複数の関節を有するアーム等のマニピュレータと、溶接ワイヤ供給部と、電源と、溶接用トーチ10と、を備える溶接用ロボットであって、溶接用トーチ10の基端部と前記溶接ワイヤ供給部とが接続されるとともに、溶接用トーチ10が前記アームの先端に取り付けられるという構成のものである。なお、溶接用ロボットは、複数のアームの各先端に、溶接用トーチ10がそれぞれ設けられているものであってもよい。
また、溶接用ロボットは、所定のシステムにより、溶接位置、電源出力、溶接ワイヤ供給量(m/min)等を制御される構成のものであってもよい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、発明の主旨に応じた以下のような適宜の変更実施が可能である。
チップ接続ボディ3の固定孔3aの数が4つの場合について説明したが、固定孔3aの数は特に限定されず、周方向に沿って複数備えられていることが好ましい。チップ接続ボディ3は、このような構成を呈することで、溶接用チップ1を複数方向から保持することによりO軸方向に安定に固定することができるからである。
また、固定部材2が球状を呈する場合について説明したが、固定部材2の形状は球状に限定されず、固定部材2の固定溝1aとの接触面が曲面を呈するものであってもよい。例えば、図6に示す円柱状の固定部材21、両端部がテーパ状である円柱状の固定部材22、両端部が半球状である円柱状の固定部材23である。このような形状を呈することにより、固定部材2は、O軸と平行な軸を中心として回動することができるため、溶接用チップ1がO軸方向に固定されている状態(図1、2(a)の状態)であっても、溶接用チップ1をO軸方向を中心として回動自在とすることができる。
また、保持部材4は、図5に示すように、内径が縮径可能(図5(a)→(b))な構成の保持部材41であってもよい。例えば、O軸の垂直方向の断面がC状となるように保持部材41の周方向の一部が切り離されており、保持部材41を締め付け部材等により締め付けることにより内径を縮径可能な構成とするものでもよい。
なお、弾性部材5としてばねを用いた場合について説明したが、O軸方向に伸縮可能な部材であれば特に限定されない。
また、溶接用チップ1は、図7(a)に示すように、固定溝1aが2つ形成されている溶接用チップ11であってもよい。詳細には、溶接用チップ11の一端をチップ接続ボディ3に嵌め込んだ際に、一方の固定溝1aがチップ接続ボディ3の固定孔3aに対向する位置に形成されるとともに、溶接用チップ11の他端をチップ接続ボディ3に嵌め込んだ際に、他方の固定溝1aがチップ接続ボディ3の固定孔3aに対向する位置に形成されるという構成である。
溶接用チップ11の外周面に2つの固定溝1aが設けられることにより、溶接ワイヤをアーク発生箇所まで導くように支持する溶接用チップ11の先端部分が摩擦により磨耗しても、溶接用チップ11の接続方向を逆にすることで、もう片方の先端部分により溶接ワイヤを支持することができる。つまり、1つの溶接用チップ11を従来の溶接用チップの2倍の時間使用することができるようになるため、非常に経済的である。
なお、溶接用チップとチップ接続ボディをねじにより接続する従来の機構のものでは、溶接用チップの両端におねじを切ったとしても、溶接中においてアーク発生箇所に近いおねじにスパッタが付着してしまう。その結果、溶接用チップの接続方向を逆にしようとしても、おねじに付着したスパッタが邪魔となり、チップ接続ボディのめねじ部分に接続できなくなってしまう。したがって、従来のねじ式の機構では、このような溶接用チップの両端を利用する構成は考えられなかった。
また、溶接用チップ1は、図7(b)に示すように、固定溝1aがO軸方向の中央に形成されている溶接用チップ12であってもよい。詳細には、溶接用チップ12のどちらの先端をチップ接続ボディ3に嵌め込んだ場合であっても、固定溝1aがチップ接続ボディ3の固定孔3aに対向する位置に形成されるという構成である。
溶接用チップ12が、このような構成であることにより、固定溝1aが2つ形成されている溶接用チップ11と同様、溶接用チップの長寿命化という効果を発揮する。
次に、本発明に係る溶接用トーチについて、本発明の規定する構成の溶接用トーチ(実施例)を用いて溶接を行った結果と、本発明の規定する構成ではない従来の溶接用トーチ(比較例)を用いて溶接を行った結果とを対比して具体的に説明する。
<溶接用トーチ>
実施例に係る溶接用トーチは、図1に示すように、固定溝が形成される溶接用チップと、固定孔が形成されるチップ接続ボディと、縮径部と拡径部とが形成される保持部材と、弾性部材と、球状を呈する固定部材と、環状を呈するシールド部材と、接続部材と、から構成されるものであった。
一方、比較例に係る溶接用トーチは、基端部分の外周面におねじが形成される溶接用チップと、先端部分の内周面にめねじが形成されるチップ接続ボディと、から構成され、2つの部材は、ねじにより接続する従来の溶接用トーチであった。
<溶接条件>
溶接ワイヤは、JIS Z 3312 YGW16(AWS A5.18 ER70S−G該当)を用いた。そして、溶接対象となる母材は、JIS SS400を用いた。溶接方法は、パルスMAG溶接(溶接電流−電圧:平均250A−29V、シールドガス流量比:80%Ar−20%CO)であった。そして、溶接ワイヤの突き出し長さを25mmとした。
<磨耗試験>
磨耗試験は、板状の母材(厚さ20mm×長さ600mm×幅600mm)に連続溶接をおこない、1時間ごとに溶接用チップの先端の状態を確認し磨耗面積を算出するというものであった。磨耗面積は、溶接用チップ先端面を光学顕微鏡で撮影し、撮影した画像から算出した。
なお、実施例に係る溶接用トーチは、溶接用チップを固定した状態であっても、溶接用チップの軸方向に回動可能であるため、1時間ごとに、溶接用チップを所定角度(約45°)回動させて使用した。
<試験結果>
通常、前記の溶接条件で溶接を行った場合、約2時間で溶接用チップと溶接ワイヤとの融着が発生する。また、磨耗面積が図9の斜線箇所に到達すると、溶接位置のずれや、溶接ワイヤへの通電不良が発生する。
比較例に係る溶接用トーチは、溶接開始から105分経過時に溶接ワイヤへの通電不良が発生し(図8(b)参照)、溶接開始から120分以内にチップ融着が発生してしまった(図9参照)。
一方、実施例に係る溶接用トーチは、1時間ごとに、溶接用チップを所定角度回動させていたことから、溶接用チップと溶接ワイヤとの摩擦箇所を1時間ごとに変更することができた(図8(a)の(1)、(2)、(3)、(4))。よって、チップ融着が発生する2時間を経過する前に、各箇所におけるチップ融着の発生を回避することができたため、溶接開始から240分後もチップ融着が発生しなかった。
また、1時間ごとに、溶接用チップを所定角度回動させていたことにより、摩擦による磨耗を1箇所ではなく4個所に分散することができた。その結果、各箇所における磨耗面積を抑えることができたため、溶接開始から240分後も溶接位置のずれや、溶接ワイヤの通電不良も発生しなかった。
以上の結果より、本発明に係る溶接用トーチは、溶接用チップを固定した状態であっても、溶接用チップの軸方向に回動可能であるため、従来の溶接用トーチと比較し、溶接位置のずれ、溶接ワイヤへの通電不良、チップ融着等の問題発生時期を遅らせ、溶接用チップの寿命を大幅に延ばすことができることがわかった。
1、11、12 溶接用チップ
1a 固定溝
2、21、22、23 固定部材
3 チップ接続ボディ
3a 固定孔
3b 第1段差部
3c 第2段差部
4、41 保持部材
4a 縮径部
4b 拡径部
5 弾性部材
6 シールド部材
7 接続部材
10 溶接用トーチ
W 固定部材のチップ接続ボディの径方向における幅
縮径部の内周面と溶接用チップの外周面との間隔
縮径部の内周面と固定溝の底面との間隔
拡径部の内周面と溶接用チップの外周面との間隔
拡径部の内周面とチップ接続ボディの外周面との間隔

Claims (7)

  1. 側面に固定孔が貫通して形成される筒状のチップ接続ボディと、
    前記チップ接続ボディの外側に嵌め込まれ、内周面に、縮径部と拡径部とが形成される筒状の保持部材と、
    前記保持部材の内周面と前記チップ接続ボディの前記固定孔との間に、前記チップ接続ボディの軸方向に固定される固定部材と、
    前記チップ接続ボディの内側に嵌め込まれ、前記固定孔に対向する位置で外周面の周方向に沿って固定溝が形成される筒状の溶接用チップと、
    前記チップ接続ボディの先端部分の外周面に組み付けられ、前記保持部材の前記拡径部の内周面よりも前記チップ接続ボディの径方向外側に広がる環状のシールド部材と、を備える溶接用トーチであって、
    前記保持部材は、前記チップ接続ボディの軸方向に変位可能に組みつけられており、
    前記固定部材が前記縮径部に接する場合には、前記固定部材により前記溶接用チップが当該溶接用チップの軸方向に固定され、前記固定部材が前記拡径部に接する場合には、前記固定部材による前記溶接用チップの固定が解除されることを特徴とする溶接用トーチ。
  2. 側面に固定孔が貫通して形成される筒状のチップ接続ボディと、
    前記チップ接続ボディの外側に嵌め込まれ、内周面に、縮径部と拡径部とが形成される筒状の保持部材と、
    前記保持部材の内周面と前記チップ接続ボディの前記固定孔との間に、前記チップ接続ボディの軸方向に固定される固定部材と、
    前記チップ接続ボディの内側に嵌め込まれ、前記固定孔に対向する位置で外周面の周方向に沿って固定溝が形成される筒状の溶接用チップと、
    前記保持部材と前記チップ接続ボディとの間に設置され、一端が前記縮径部に他端が前記チップ接続ボディに接した弾性部材と、
    前記チップ接続ボディの先端部分の外周面に組み付けられ、前記保持部材の前記拡径部の内周面よりも前記チップ接続ボディの径方向外側に広がる環状のシールド部材と、を備える溶接用トーチであって、
    前記保持部材は、前記チップ接続ボディの軸方向に変位可能に組みつけられており、
    前記固定部材は、前記チップ接続ボディの径方向における幅が、
    前記縮径部の内周面と前記溶接用チップの外周面との間隔より大きく、前記拡径部の内周面と前記溶接用チップの外周面との間隔より小さく形成されることを特徴とする溶接用トーチ。
  3. 前記固定部材は、前記チップ接続ボディの径方向における幅が、
    前記縮径部の内周面と前記固定溝の底面との間隔より小さく形成され、
    前記溶接用チップは、当該溶接用チップの軸方向を中心として回動自在に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶接用トーチ。
  4. 前記固定部材の前記固定溝との接触面が曲面を呈することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の溶接用トーチ。
  5. 前記固定孔は、前記チップ接続ボディの側面に周方向に沿って複数設けられるとともに、
    前記固定部材は、前記固定孔に対向する位置にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の溶接用トーチ。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の溶接用トーチを構成する前記溶接用チップであって、
    筒状を呈するとともに、外周面の周方向に沿って固定溝が1つまたは2つ形成されることを特徴とする溶接用チップ。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の溶接用トーチを備えることを特徴とする溶接用ロボット。
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