JP5994099B2 - 溶接用チップ - Google Patents

溶接用チップ Download PDF

Info

Publication number
JP5994099B2
JP5994099B2 JP2012011879A JP2012011879A JP5994099B2 JP 5994099 B2 JP5994099 B2 JP 5994099B2 JP 2012011879 A JP2012011879 A JP 2012011879A JP 2012011879 A JP2012011879 A JP 2012011879A JP 5994099 B2 JP5994099 B2 JP 5994099B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
end side
welding
tip member
rear end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012011879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013150993A (ja
Inventor
潤司 藤原
潤司 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2012011879A priority Critical patent/JP5994099B2/ja
Publication of JP2013150993A publication Critical patent/JP2013150993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5994099B2 publication Critical patent/JP5994099B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)

Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤに給電する溶接用チップに関するものである。
消耗電極式アーク溶接では、ワイヤ送給装置によって溶接ワイヤを溶接トーチに送り、溶接トーチの先端に設けられている溶接用チップから溶接ワイヤに対して溶接機から出力される溶接電流を供給する。
この溶接用チップに関し、近年、ロボットなどの自動溶接システムを使用している生産現場では、ランニングコストの低減の一環として、溶接用チップの交換頻度の低減が求められている。溶接用チップを交換する必要が出てくる現象としては、溶接位置ズレ(ビード位置ズレ)の発生や溶接不安定といった溶接不具合が挙げられる。溶接不具合の要因としては、溶接を繰り返し行うことで溶接用チップの先端が消耗して溶接用チップの先端孔が長孔に大きく変形することで、溶接ビードの位置ズレが発生する、あるいは、溶接開始時は溶接用チップの先端孔で溶接ワイヤに対して給電していたものが、先端孔の奥の方で給電するようになることでアーク不安定が生じることなどが挙げられる。
従来のワイヤ挿通孔が形成された導電体による溶接用チップの仕様として、図9に示すように、溶接用チップを構成するチップ本体101と先端チップ102において、少なくとも先端チップ102を、タングステンまたはモリブデン、もしくはタングステンまたはモリブデンと銅との合金で形成させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
これは、溶接ワイヤとの給電点である溶接用チップの孔先端に、耐摩耗性と給電特性とを兼ね備えた異材を形成することで、溶接用チップの先端孔が長孔に大きく変形することを抑制し、溶接用チップの交換頻度を低減することを目的とするものである。
実開昭64−15674号公報
上記従来の溶接用チップは、少なくとも先端チップ102をタングステンまたはモリブデン、若しくはタングステンまたはモリブデンと銅との合金を使用している。そのため、溶接用チップの消耗を抑制し、溶接用チップの交換頻度を1/2〜1/3程度に低減させることができる。しかし、溶接用チップの材料費が高くなる。そして、コスト単価が、材料によっては、従来のクロム銅などに比べて2〜4倍に高くなるものもある。よって、コストと効果を比較すると、ほとんどコストメリットがないのが実情である。
従って、本願発明は、タングステンまたはモリブデン、若しくはタングステンまたはモリブデンと銅との合金といった高価な異材を使うことなく、これまでの安価な材料で溶接用チップの交換頻度を低減できる溶接用チップを実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の溶接用チップは、溶接ワイヤに給電する溶接用チップであって、第1の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の先端側チップ部材と、第2の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の後端側チップ部材と、前記溶接ワイヤが前記第2の溶接ワイヤ挿通孔を通った後に前記第1の溶接ワイヤ挿通孔を通るように前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定する固定具を備え
後端側チップ部材は、先端側チップ部材の少なくとも一部が挿入される凹部を有し、前記後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、前記先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、同形状であり、
後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、多角形で三角形以上八角形以内であり、固定具による先端側チップ部材の後端側チップ部材への固定を解除した状態で、多角形の角度に応じて前記先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に対する相対位置を変更可能とし、前記相対位置を変更した後に、前記固定具により前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定したものである。
上記課題を解決するために、本発明の溶接用チップは、溶接ワイヤに給電する溶接用チップであって、第1の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の先端側チップ部材と、第2の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の後端側チップ部材と、前記溶接ワイヤが前記第2の溶接ワイヤ挿通孔を通った後に前記第1の溶接ワイヤ挿通孔を通るように前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定する固定具を備え、
後端側チップ部材は、先端側チップ部材の少なくとも一部が挿入される凹部を有し、前記後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、前記先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、同形状であり、後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、円形状であり、固定具による先端側チップ部材の後端側チップ部材への固定を解除した状態で、前記先端側チップ部材を第1のワイヤ挿通孔を中心に回転させて、前記先端側チップ部材の後端側チップ部材に対する相対位置を変更可能とし、前記相対位置を変更した後に、前記固定具により前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定し、先端側チップ部材と後端側チップ部材には、相対位置を視認可能な複数のしるしを設けたものである。
以上のように、本発明によれば、後端側チップ部材に対して先端側チップ部材を回転して使用できる構造とすることで、溶接ワイヤとの給電点である溶接用チップの先端孔が長孔に大きく変形しても、先端側チップ部材を回転させることで消耗していない部分を使用でき、溶接用チップを新品に近い状態から新たに使用することができる。
これにより、先端側チップ部材を回転させて使用する回数分だけ、溶接用チップをまるごと交換する頻度を低減させることができる。従って、溶接用チップをまるごと交換する場合のコストに対して、先端側チップ部材を回転して使用する回数分だけ、大きいコストメリットを得ることができる。
(a)本発明の実施の形態1における溶接用チップの側面図(b)本発明の実施の形態1における溶接用チップの下面図(c)本発明の実施の形態1における溶接用チップの側断面図(d)本発明の実施の形態1における溶接用チップの断面図 溶接用チップのチップ先端孔が長穴になった時の溶接状態を示す模式図 溶接用チップ先端孔が長孔になった時の溶接用チップの外観を示す図 (a)本発明の実施の形態1における溶接用チップの側面図(b)本発明の実施の形態1における溶接用チップの下面図(c)本発明の実施の形態1における溶接用チップの側断面図(d)本発明の実施の形態1における溶接用チップの断面図 (a)本発明の実施の形態1における溶接用チップの側面図(b)本発明の実施の形態1における溶接用チップの下面図(c)本発明の実施の形態1における溶接用チップの側断面図(d)本発明の実施の形態1における溶接用チップの断面図 (a)本発明の実施の形態2における溶接用チップの側面図(b)本発明の実施の形態2における溶接用チップの下面図(c)本発明の実施の形態2における溶接用チップの側断面図(d)本発明の実施の形態2における溶接用チップの断面図 (a)本発明の実施の形態2における溶接用チップの側面図(b)本発明の実施の形態2における溶接用チップの下面図(c)本発明の実施の形態2における溶接用チップの側断面図(d)本発明の実施の形態2における溶接用チップの断面図 (a)本発明の実施の形態2における溶接用チップの側面図(b)本発明の実施の形態2における溶接用チップの下面図(c)本発明の実施の形態2における溶接用チップの側断面図(d)本発明の実施の形態2における溶接用チップの断面図 従来の溶接用チップを示す図
以下に、消耗電極式アーク溶接に用いる本実施の形態における溶接用チップについて、図1から図8を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1から図5を用いて、本実施の形態1の溶接用チップについて説明する。
図1は、本実施の形態1における溶接用チップの概略構成を示す図である。本実施の形態1における溶接用チップは主に、第1の溶接ワイヤ挿通孔8を有する導電性の先端側チップ部材1と、第2の溶接ワイヤ挿通孔9を有する導電性の後端側チップ部材2と、図示しない溶接ワイヤが第2の溶接ワイヤ挿通孔9を通った後に第1の溶接ワイヤ挿通孔8を通るように先端側チップ部材1を後端側チップ部材2に固定する固定用ねじ3から構成される。
先端側チップ部材1は凸部を有しており、後端側チップ部材2は先端側チップ部材1の凸部と嵌合する凹部を有している。先端側チップ部材1の凸部と後端側チップ部材2の凹部は、溶接ワイヤの挿通方向に対する直交方向の断面形状は、共に六角形の同形状である。
後端側チップ部材2の側面には、固定用ねじ3と螺合するねじ溝が設けられており、先端側チップ部材1の凸部と後端側チップ部材2の凹部とを嵌合した状態で、ねじ溝に固定用ねじ3を螺合させ、固定用ねじ3により先端側チップ部材1を後端側チップ部材2に押し付けて、先端側チップ部材1と後端側チップ部材2とを固定する構造である。そして、先端側チップ部材1の凸部と後端側チップ部材2の凹部である嵌合部分の形状は六角形であるので、先端側チップ部材1を後端側チップ部材2に対して回転させて固定することが可能であり、後端側チップ部材2に対する先端側チップ部材1の回転方向の相対位置を変更することが可能である。
なお、先端側チップ部材1の凸部と後端側チップ部材2の凹部である嵌合部分の形状は、図1では六角形の例を示している。しかし、これに限るものではなく、多角形であればよく、三角形以上八角形以内であれば特に問題はない。八角形より大きくなると、先端側チップ部材1の回転角度が45°以下と小さくなってしまい、消耗して長孔になった溶接用チップの先端部分を避けて先端孔が消耗していない箇所を使用できなくなるため、先端側チップ部材1を回転して使用する本実施の形態1の溶接用チップの効果が低減してしまう。
ここで、先ず、溶接用チップの先端の孔が消耗して長穴になる理由について説明する。
溶接ワイヤは、樹脂などでできたスプールまたはリールに巻きつけられている、または、大きなドラム型のパック巻となっている。そのため、溶接ワイヤは、納入時から曲がり癖がついた状態になっている。また、溶接ワイヤへの給電状態を安定させるため、故意に溶接ワイヤに曲がり癖をつけて溶接用チップの先端孔に溶接ワイヤを押し付けて溶接することが多い。
上記のことから、溶接ワイヤに曲がり癖がついた状態で溶接が行われる。そのため、図2に示すように、溶接用チップが新品状態では、溶接用チップの先端孔の角に溶接ワイヤが当たり、給電点が安定し、狙った溶接位置にビードが形成される。しかしながら、溶接を繰り返し行い溶接用チップの消耗が進むと、溶接用チップの先端孔の角が消耗し、溶接ワイヤの曲がり癖の形状に応じてチップ先端孔が変形していく。これにより、給電点が変動してアークが不安定になり、狙った溶接位置にビードが形成されないといったビードズレが発生する。図3は、先端孔が長孔に消耗した実際の溶接用チップを示している。
次に、本実施の形態1の溶接用チップの使用方法について説明する。
基本的な使用方法としては、先端側チップ部材1の先端孔が消耗した場合、固定用ねじ3を解除して後端側チップ部材2から先端側チップ部材1を一旦取り外し、後端側チップ部材2に対して先端側チップ部材1を所定位置まで回転させて嵌め込み、固定用ねじ3により再度先端側チップ部材1を後端側チップ部材2に取り付けるというものである。
本実施の形態1の溶接用チップでは、先端側チップ部材1が六角形の凸形状を有し、後端側チップ部材2が六角形の凹形状を有し、先端側チップ部材1の凸形状と後端側チップ部材2の凹形状とを嵌合させる嵌合部分を有しており、図1(b)に示すように、a〜fまで60°間隔に先端側チップ部材1と後端側チップ部材2とを相対的に回転させることで、給電箇所を6箇所確保できる。
先端側チップ部材1の先端孔が消耗によりa部方向に長孔になった場合、例えば、消耗したa部の隣のb部が給電点となるように先端側チップ部材1を回転させ、さらに、給電点がc部、d部へとなるように順に使用することや、または、a部の対角線上のd部が給電点となるように先端側チップ部材1を回転させ、さらにb部、e部へと交互に回転させて規則性を持って使用することも可能である。
なお、溶接用チップの先端孔の消耗具合によっては、a部、b部、c部と使用する場合には、a部の隣であるb部ではなく、c部まで回転させる方が良い場合もある。溶接用チップの先端孔の消耗面積が大きいほど、60°間隔である1箇所毎ではなく、120°間隔となる2箇所毎に回転させることが必要な場合もある。
なお、固定用ねじ3は、虫ねじや六角穴付きねじなど、どのようなねじでも問題はない。但し、固定用ねじ3が、溶接用チップの外形よりはみ出すことは避けた方が良い。その理由は、溶接用チップの外表面はシールドガスが通過する部分であり、溶接用チップの外形よりはみ出す部分があるとシールドガスを乱すことになり、溶接性を悪化させるためである。また、固定用ねじ3にスパッタが付着する可能性もあり、固定用ねじ3にスパッタが付着すると固定用ねじ3を回すことができなくなる場合もある。
また、図1に示すような固定用ねじ3を使用する構造ではなく、図4に示すように先端側チップ部材1を後端側チップ部材2と固定用部材4とで挟み込むように固定する構造としても良い。この構造の方が、図1に示す構造に比べて固定の安定性が向上するとともに、先端側チップ部材1を一旦取り外して再度取り付ける際の作業性も向上する。なお、この構造の場合、後端側チップ部材2にねじ部を設け、固定用部材4に後端側チップ部材2のねじ部と螺合するねじ部を設け、後端側チップ部材2のねじ部と固定用部材4のねじ部とを螺合させて、先端側チップ部材1を後端側チップ部材2と固定用部材4とで挟み込むようにしてもよい。
また、先端側チップ部材1の凸部分の形状と、後端側チップ部材2の凹部分の形状を、図1や図4に示すような多角形ではなく、図5に示すような円形状としても良い。円形状とすることで、先端側チップ部材1を後端側チップ部材2から一旦取り外さなくても、固定用ねじ3を解除するだけで先端側チップ部材1を回転させることができ、作業性を向上することができる。
但し、円形状の場合、先端側チップ部材1をどの程度回転させたのかわからなくなるため、例えば、図5に示すように、刻印などによる相対位置を視認可能なしるし5を先端側チップ部材1と後端側チップ部材2とに設けるようにしても良い。
図5に示す溶接用チップは、図1や図4に示す溶接用チップに比べ、先端側チップ部材1を回転させる作業性を向上させることができ、また、回転の自由度も向上させることができる。
以上のように、本実施の形態1の溶接用チップは、先端側チップ部材1を回転させるだけで回転させる回数分だけ溶接のランニングコストの低減に貢献することができる。また、使用済みの溶接用チップを廃棄する数量を大幅に低減できるため、環境にもやさしいものである。
(実施の形態2)
本実施の形態2について、図6から図8を用いて説明する。本実施の形態2において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態1と異なる主な点は、実施の形態1では溶接用チップを先端側チップ部材1と後端側チップ部材2に2分割し、先端側チップ部材1を凸形状とし、後端側チップ部材2を凹形状として嵌合させるチップ構造であったが、本実施の形態2では、溶接用チップ6は分割構造とせず、溶接用チップ6を凸形状とし、溶接用トーチのチップボディ7を凹形状とし、凸形状の溶接用チップ6と凹形状のチップボディ7とを嵌合させる構造とした点である。
図6は、本実施の形態2における溶接用チップ6とチップボディ7の概略構成を示す図である。
溶接用チップ6は凸部を有しており、チップボディ7は溶接用チップ6の凸部と嵌合する凹部を有している。溶接用チップ6の凸部とチップボディ7の凹部は、溶接ワイヤの挿通方向に対して直交方向の断面形状は、共に六角形の同形状である。
チップボディ7の側面には、固定用ねじ3と螺合するねじ溝が設けられており、溶接用チップ6の凸部とチップボディ7の凹部とを嵌合した状態で、ねじ溝に固定用ねじ3を螺合させ、固定用ねじ3により溶接用チップ6をチップボディ7に押し付けて、溶接用チップ6とチップボディ7とを固定する構造である。そして、溶接用チップ6の凸部とチップボディ7の凹部である嵌合部分の形状は六角形であるので、溶接用チップ6をチップボディ7に対して回転させて固定することが可能であり、チップボディ7に対する溶接用チップ6の回転方向の相対位置を変更することが可能である。
なお、溶接用チップ6の凸部とチップボディ7の凹部である嵌合部分の形状は、図6では六角形の例を示している。しかし、これに限るものではなく、多角形であればよく、三角形以上八角形以内であれば特に問題はない。八角形より大きくなると、溶接用チップ6の回転角度が45°以下と小さくなってしまい、消耗して長孔になった溶接用チップの先端部分を避けて先端孔が消耗していない箇所を使用できなくなるため、溶接用チップ6を回転して使用する本実施の形態2の効果が低減してしまう。
次に、本実施の形態2の溶接用チップの使用方法について説明する。
基本的な使用方法としては、溶接用チップ6の先端孔が消耗した場合、固定用ねじ3を解除してチップボディ7から溶接用チップ6を一旦取り外し、チップボディ7に対して溶接用チップ6を所定位置まで回転させて嵌め込み、固定用ねじ3により再度溶接用チップ6をチップボディ7に取り付けるというものである。
本実施の形態2では、溶接用チップ6が六角形の凸形状を有し、チップボディ7が六角形の凹形状を有し、溶接用チップ6の凸形状とチップボディ7の凹形状とを嵌合させる嵌合部分を有しており、図6(b)に示すように、a〜fまで60°間隔に溶接用チップ6とチップボディ7とを相対的に回転させることで、給電箇所を6箇所確保できる。
溶接用チップ6の先端孔が消耗によりa部方向に長孔になった場合、例えば、消耗したa部の隣のb部が給電点となるように溶接用チップ6を回転させ、さらに、給電点がc部、d部へとなるように順に使用することや、または、a部の対角線上のd部が給電点となるように溶接用チップ6を回転させ、さらにb部、e部へと交互に回転させて規則性を持って使用することも可能である。
なお、溶接用チップ6の先端孔の消耗具合によっては、a部、b部、c部と使用する場合には、a部の隣であるb部ではなく、c部まで回転させる方が良い場合もある。溶接用チップ6の先端孔の消耗面積が大きいほど、60°間隔である1箇所毎ではなく、120°間隔となる2箇所毎に回転させることが必要な場合もある。
なお、固定用ねじ3は、虫ねじや六角穴付きねじなど、どのようなねじでも問題はない。但し、固定用ねじ3が、チップボディ7の外形よりはみ出すことは避けた方が良い。その理由は、チップボディ7の外表面はシールドガスが通過する部分であり、チップボディ7の外形よりはみ出す部分があるとシールドガスを乱すことになり、溶接性を悪化させるためである。また、固定用ねじ3にスパッタが付着する可能性もあり、固定用ねじ3にスパッタが付着すると固定用ねじ3を回すことができなくなる場合もある。
また、図6に示すような固定用ねじ3を使用する構造ではなく、図7に示すように溶接用チップ6をチップボディ7と固定用部材4とで挟み込むように固定する構造としても良い。この構造の方が、図6に示す構造に比べて固定の安定性が向上するとともに、溶接用チップ6を一旦取り外して再度取り付ける際の作業性も向上する。なお、この構造の場合、チップボディ7にねじ部を設け、固定用部材4にチップボディ7のねじ部と螺合するねじ部を設け、チップボディ7のねじ部と固定用部材4のねじ部とを螺合させて、溶接用チップ6をチップボディ7と固定用部材4とで挟み込むようにしてもよい。
また、溶接用チップ6の凸部分の形状と、チップボディ7の凹部分の形状を、図6に示すような多角形ではなく、図8に示すような円形状としても良い。円形状とすることで、溶接用チップ6をチップボディ7から一旦取り外さなくても、固定用ねじ3を解除するだけで溶接用チップ6を回転させることができ、作業性を向上することができる。
但し、円形状の場合、溶接用チップ6をどの程度回転させたのかわからなくなるため、例えば、図8に示すように、刻印などによる相対位置を視認可能なしるし5を溶接用チップ6とチップボディ7とに設けるようにしても良い。
図8に示す溶接用チップは、図6や図7に示す溶接用チップに比べ、溶接用チップ6を回転させる作業性を向上させることができ、また、回転の自由度も向上させることができる。
以上のように、本実施の形態2では、溶接用チップ6を回転させるだけで回転させる回数分だけ溶接のランニングコストの低減に貢献することができる。また、使用済みの溶接用チップ6を廃棄する数量を大幅に低減できるため、環境にもやさしいものである。
また、実施の形態1に対する本実施の形態2のメリットは、溶接用チップ6が2分割されていないことから、溶接トーチ内部の継ぎ手箇所の数を少なくできることである。継ぎ手箇所が少ないことが良い理由は、アークの輻射熱を受けた溶接用チップ6の先端の温度を先端から離れた部分まで放熱させる熱伝導性が良く、冷却効果が大きいことである。また、水冷仕様の溶接トーチを使用した場合には、より冷却効果が大きく、溶接用チップ6の消耗具合を抑制することもできる。
溶接用チップ6は、溶接用チップ6の温度が高いほど消耗しやすいので、いかに放熱や冷却できるかが溶接用チップ6の消耗を低減できるかのポイントでもある。
本発明の溶接用チップは、先端孔を有する箇所を回転させる構造とすることで、溶接用チップの先端孔が長孔になっても、消耗していない箇所に回転させることで溶接用チップを長く使用することができ、溶接用チップの交換頻度を低減でき、溶接に関するランニングコストを低減でき、また、溶接用チップの廃棄量も低減することができるので環境にやさしく、特にロボットなどの自動溶接システムにおいて、溶接ワイヤに給電する溶接用チップとして産業上有用である。
1 先端側チップ部材
2 後端側チップ部材
3 固定用ねじ
4 固定用部材
5 しるし
6 溶接用チップ
7 チップボディ
8 第1の溶接ワイヤ挿通孔
9 第2の溶接ワイヤ挿通孔
101 チップ本体
102 先端チップ

Claims (2)

  1. 溶接ワイヤに給電する溶接用チップであって、
    第1の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の先端側チップ部材と、
    第2の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の後端側チップ部材と、
    前記溶接ワイヤが前記第2の溶接ワイヤ挿通孔を通った後に前記第1の溶接ワイヤ挿通孔を通るように前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定する固定具を備え
    後端側チップ部材は、先端側チップ部材の少なくとも一部が挿入される凹部を有し、前記後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、前記先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、同形状であり、
    後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、多角形で三角形以上八角形以内であり、固定具による先端側チップ部材の後端側チップ部材への固定を解除した状態で、多角形の角度に応じて前記先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に対する相対位置を変更可能とし、前記相対位置を変更した後に、前記固定具により前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定した溶接用チップ。
  2. 溶接ワイヤに給電する溶接用チップであって、
    第1の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の先端側チップ部材と、
    第2の溶接ワイヤ挿通孔を有する導電性の後端側チップ部材と、
    前記溶接ワイヤが前記第2の溶接ワイヤ挿通孔を通った後に前記第1の溶接ワイヤ挿通孔を通るように前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定する固定具を備え、
    後端側チップ部材は、先端側チップ部材の少なくとも一部が挿入される凹部を有し、前記後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、前記先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、同形状であり、
    後端側チップ部材の凹部の溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状と、先端側チップ部材の前記後端側チップ部材に挿入される部分の前記溶接ワイヤ挿通方向に対して直交方向の断面形状は、円形状であり、
    固定具による先端側チップ部材の後端側チップ部材への固定を解除した状態で、前記先端側チップ部材を第1のワイヤ挿通孔を中心に回転させて、前記先端側チップ部材の後端側チップ部材に対する相対位置を変更可能とし、前記相対位置を変更した後に、前記固定具により前記先端側チップ部材を前記後端側チップ部材に固定し、
    先端側チップ部材と後端側チップ部材には、相対位置を視認可能な複数のしるしを設けた溶接用チップ。
JP2012011879A 2012-01-24 2012-01-24 溶接用チップ Expired - Fee Related JP5994099B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011879A JP5994099B2 (ja) 2012-01-24 2012-01-24 溶接用チップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011879A JP5994099B2 (ja) 2012-01-24 2012-01-24 溶接用チップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013150993A JP2013150993A (ja) 2013-08-08
JP5994099B2 true JP5994099B2 (ja) 2016-09-21

Family

ID=49047828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012011879A Expired - Fee Related JP5994099B2 (ja) 2012-01-24 2012-01-24 溶接用チップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5994099B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7443289B2 (ja) 2021-06-14 2024-03-05 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 放射線遮蔽体

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021059707A1 (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 新光機器株式会社 コンタクトチップ

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5123525Y2 (ja) * 1974-04-20 1976-06-17
JPS5123525U (ja) * 1974-08-12 1976-02-20
JPS60113177U (ja) * 1983-07-21 1985-07-31 北川 彰弥 ハイ.コンタクトチツプ
JPS6415674U (ja) * 1987-07-13 1989-01-26
JP3833044B2 (ja) * 2000-04-13 2006-10-11 株式会社日立製作所 内燃機関のバランサーユニット
JP3075166U (ja) * 2000-07-26 2001-02-09 サンライズエンタープライズ有限会社 アーク溶接ヘッド
JP2002045968A (ja) * 2000-08-01 2002-02-12 Sango Co Ltd コンタクトチップ
JP5371138B2 (ja) * 2008-09-19 2013-12-18 日本山村硝子株式会社 キャップ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7443289B2 (ja) 2021-06-14 2024-03-05 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 放射線遮蔽体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013150993A (ja) 2013-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5271338B2 (ja) 溶接用トーチ、溶接用チップ、および溶接用ロボット
KR101497460B1 (ko) 가스 용접토치용 컨택트 팁
CN110248762A (zh) 用于焊炬的喷嘴和气体扩散器组装件
JP5994099B2 (ja) 溶接用チップ
US20180036825A1 (en) Wire aiming guide and welding device
ES2532003T3 (es) Antorcha de soldadura por arco metálico con gas para ranura estrecha
CN102883847A (zh) 焊接吹管及适配器套件
TWI573653B (zh) 非自耗電極焊接系統以及其焊接方法
US20150048056A1 (en) Welding system and method
JPWO2016103917A1 (ja) 溶接用コンタクトチップ
JP5764864B2 (ja) 溶射皮膜形成装置及びワイヤへの給電方法
JP2010104996A (ja) プラズマ電極及びプラズマミグ溶接トーチ
US20140374400A1 (en) Welding torch
JP6359585B2 (ja) スパークプラグ
JP7281786B2 (ja) 溶接用チップ
JP5477957B2 (ja) ガスシールドアーク用トーチの給電部
CN102974929A (zh) 一种防护型焊枪
JP5985202B2 (ja) 給電チップ及び消耗電極ガスシールドアーク溶接トーチ
JP2005169396A (ja) アーク溶接用トーチおよびアーク溶接方法
JP2021084125A (ja) 溶接ノズルチップ用アタッチメント及びその使用方法
JP3128155U (ja) 保護材取付部材
KR101039342B1 (ko) 용접와이어의 길이 측정장치
JP2012148284A (ja) 溶接トーチ
KR101465050B1 (ko) 용접 토치용 교체식 콘택트 팁
KR20120005823U (ko) 이산화탄소 용접기의 토치헤드

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20141020

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141215

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160208

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20160518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160725

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5994099

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees