JP2017217674A - 溶接給電用コンタクトチップ及びその製造方法 - Google Patents

溶接給電用コンタクトチップ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大電流領域で使用する際の通電摩耗を改善した溶接給電用コンタクトチップの提供。
【解決手段】略円筒状のチップ本体11と、チップ本体の軸芯に貫通して設けられたワイヤ挿通孔12を備え、チップ本体は軸方向に半割状に形成された一対の分割チップ部材14、15からなり、合わせ面13どうしを向かい合わせて組み合わせ、分割チップ部材の合わせ面間の間隙を後端部間隙>先端部間隙とするように、分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設され、ワイヤ挿通孔は、一対の分割チップ部材の合わせ面の長手方向に形成されたワイヤ挿通溝16を向かい合わせて成るとともに、ワイヤ挿通溝の先端部には耐熱及び耐摩耗性の添加合金13bが固着されており、チップ本体が、分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチT内に配設されていることにより、挿通するワイヤWに、添加合金13bから給電をするようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、アーク溶接機器のトーチ部品の1つである給電チップ(溶接給電用コンタクトチップ)に関し、
シールドガスを用いる、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接などのアーク溶接法における自動溶接や半自動溶接に適用される溶接給電用コンタクトチップ及びその製造方法に関する。
溶接給電用コンタクトチップの応用分野は多岐にわたり、自動車、航空機、車両、船舶、電子力プラント、機械部品、化学プラント、電機機器、事務機器などの溶接製造技術に関する。
従来から自動車部品や電機製品等の溶接作業において、溶接ロボットなどを用いたアーク溶接用トーチが用いられている。このようなアーク溶接用トーチに用いられる溶接給電用コンタクトチップは、ワイヤ状の消耗電極を溶接箇所まで導くためのガイドとしての機能の他に、消耗電極に通電を行うための接点としての機能を有している。
すなわち、溶接給電用コンタクトチップは、その本体の軸心部に軸方向に沿って溶接用の電極ワイヤが挿通されるワイヤ挿通孔を直線状に貫通して形成されるとともに、その入口端側にラッパ状の導入部を拡開して形成されている。そして、ワイヤ挿通孔の内径はこれに挿通される電極ワイヤの外径より若干大きく形成され、ワイヤ挿通孔に電極ワイヤを送給しつつ、その本体と電極ワイヤとの接触部から給電されるようになっている。
電極ワイヤはワイヤ挿通孔の内壁面に接触して給電されるが、このときの電極ワイヤの送出し時の摺動によりワイヤ挿通孔の内壁面が摩耗拡大し、コンタクトチップから電極ワイヤへの給電点が時々刻々変位し、コンタクトチップの給電部(接触部)−母材間距離が変動するので、アーク部の電圧が変動し電流がばらつき溶接ビードが不安定になったり、スパッタの発生が多くなる。 すなわち、溶接ビードが細くなったり、溶接部の強度が低下したりする要因と。さらに、コンタクトチップ先端部におけるワイヤ挿通孔の摩耗拡大により、電極ワイヤ先端の位置決めが不十分になったり溶接点を外れてしまったりするため、溶接不良を引き起こすこととなる。
さらに摩耗が一層発達すると、電圧および電流値を一定に維持しきれなくなり、被溶接部材にきれいな溶接ビードを形成することができなくなる。
さらに、電極ワイヤとの摺動による摩耗が著しくなると、その寿命も著しく短くなってしまうこととなる。
このような溶接給電用コンタクトチップにおける磨耗や給電の不安定さを防ぐための技術などに関連して、例えば以下の特許文献1、2,3ようなものが知られている。
特許文献1には、棒材を鍛圧加工により成形し、長手方向に断面半円状の溝部を形成した一対の分割チップ部材を、前記溝部どうしが対向して真円のワイヤ挿通孔を形成するように接合したことを特徴とするアーク溶接用電極チップが記載されている。
特許文献2には、電極ワイヤを挿通させる挿通孔が内部に形成され、該挿通孔の先端面開口部から前記電極ワイヤを送り出し可能とされた溶接用コンタクトチップにおいて、前記溶接用コンタクトチップが、コンタクトチップ本体の先端部外面に耐熱性樹脂のコーティングが施されてなる、ことを特徴とする溶接用コンタクトチップが記載されている。
特許文献3には、溶接トーチに配置される溶接ワイヤが本体ワイヤ貫通孔の後端側で板バネにより内壁側に押圧されて本体ワイヤ貫通孔の先端部との境界で内壁に接触するようにした溶接用コンタクトチップが記載されている。
また、従来、一体の円筒状の銅またはクロム銅の軸に、溶接ワイヤが通過できる穴を加工したコンタクトチップや、4分割、2分割型のコンタクトチップが使用されている。
従来型のコンタクトチップは、円筒状一体構造のチップに穴を開け、この穴とワイヤの接触により給電する方式であるために、ワイヤの曲がり等により穴内面に圧力がかかり、穴もワイヤに強く引掻かれ、磨耗し、楕円状の穴になりやすい。
このことがワイヤ先端と溶接線の位置ズレを起し、溶接欠陥を引起す原因ともなる。
また、溶接品質のバラツキを発生させる。 アークが不安定になるなどの給電性に問題がある。
また、チップ内部で接触するとそこからチップ先端までの溶接ワイヤ中にジュール発熱が生じ、鋼材ワイヤでは850℃にも達する。この発熱でチップ先端は非常に高温になり、チップ磨耗が加速され、短命となる。
これらの通電によるチップ内面の摩耗は、使用する溶接電流、アーク電圧、溶接法、スパッタの付着などにより異なる。溶接ワイヤの直径が1.2mmを例にしてあげると、ロボット溶接では約2時間〜8時間で1つの割合で通電摩耗のためにチップ交換を行っているのが現状である。
なぜなら、一体型コンタクトチップでは、ワイヤへの給電点がチップ内部で上下し、ワイヤのジュール発熱がチップ先端部を高温にして、通電によりチップの熱間摩耗が激しいためである。
例えば、特許文献4に示すように、2分割型コンタクトチップは、後部にバネを設け、2つの分割コンタクトチップを押すこすことにより、チップ先端部が常にワイヤの接するようにして通電することにより、チップの穴内部で通電することがないようにした。
この事により、内部通電があく、ジュール熱もなく、安定した良好な通電が可能になった。その結果、従来の一体型コンタクトチップに比べ、チップ先端でのジュール発熱による加熱もなく、また、円筒状の一体型コンタクトチップを2分割したことにより、チップ内面の給電部にかかる応力も低く、給電性もよく、従来品の約4〜10倍の寿命を実験で示した。
これらはマグ(MAG)溶接トーチに取り付けて溶接ロボットに使用して、180A〜210Aの溶接電流で、従来チップと比較してもらったところ、従来チップより4から10倍長い寿命を示した。
特開2004−306105号公報 特開平6−285645号公報 特開2003−33877号公報 特許第4683673号公報
しかしながら、前記従来の溶接給電用コンタクトチップに係る技術では以下のような問題があった。
特許文献1に記載のアーク溶接用電極チップは、一対の分割チップ部材を組み合わせてその軸芯にワイヤ挿通孔を形成したものであるが、ワイヤ挿通孔の孔径がその長さ方向に対して一様で電極ワイヤとの給電点が定まらないために、被溶接部との給電点との距離や給電点における電気抵抗が変動して、溶接アークが不安定になり易いという問題があった。
特許文献2に記載の耐熱性樹脂コーティングをその先端に施した溶接用コンタクトチップでは、その磨耗性が一時的に改良されるが、耐久性に乏しい上に、特許文献1の場合と同様に溶接ワイヤとコンタクトチップとの接触部位が定まらないという問題があった。
特許文献3に記載の先細り状のワイヤ貫通孔を設けた溶接用コンタクトチップは、そのワイヤ貫通孔内に板バネを保持させるので給電点の位置を固定できるが、板バネ自体が劣化して接触抵抗が変化しやすい。また、板バネを含む構造が複雑な上に棒状材のなかぐり加工や複雑な組み立て加工を要してコスト性に欠けるという問題があった。
特許文献4に記載の2分割型コンタクトチップは、造船業、橋梁、建築・鉄骨等の産業分野では 溶接電流が300A〜380Aと高く、輻射熱の増大、ジュール発熱の大きさ、などによりその寿命が、従来の一体型コンタクトチップと大差がなくなって、適用範囲が限られている。
例えば、ワイヤ径1.2mmの場合、溶接電流が300Aを超えると、通電領域のジュール発熱が急増するばかりでなく、アークによる輻射熱も大きくなり、コンタクトチップの先端部の温度が上昇するという問題があった。
現在の2分割型コンタクトチップでも、チップ先端が400℃〜500℃以上になり、加熱摩耗が激しくなり、4時間〜8時間の長時間使用が困難であるという課題がある。
また、耐熱性が高いタングステンベースの合金は、銅合金に比べて電気伝導度が低く、給電チップとして不向きであるという問題があるが、タングステンベースの合金は加工性、接合性に問題あること、タングステンが銅合金などに比べて、高価であることなど課題が多い。
本発明は前記従来の問題点を解決するためになされたもので、ワイヤ挿通孔内における溶接用の電極ワイヤの給電点を固定してその溶接作業を安定的に行うことができるとともに、耐久性に優れかつ構造が単純でコスト性にも優れた溶接給電用コンタクトチップを提供することを目的とする。
また、本発明が解決しようとする別の課題は、大電流領域で使用する際の通電摩耗を改善した溶接給電用コンタクトチップを提供することである。
(A)本発明の溶接給電用コンタクトチップは、導電性金属を素材として略円筒状に形成されたチップ本体と、前記チップ本体の軸芯に貫通して設けられ電極ワイヤを挿入保持するワイヤ挿通孔と、を備えた溶接給電用コンタクトチップであって、
前記チップ本体は、その軸方向に沿って半割状に形成された一対の分割チップ部材からなり、前記合わせ面どうしを向かい合わせて組み合わせ、前記分割チップ部材の合わせ面間の間隙を後端部間隙>先端部間隙とするように、前記分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設され、
前記ワイヤ挿通孔は、一対の分割チップ部材の合わせ面の長手方向に形成されたワイヤ挿通溝を向かい合わせて成るとともに、少なくともワイヤ挿通溝の先端部には耐熱及び耐摩耗性の添加合金が固着されており、
前記チップ本体が、前記分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設されていることにより、挿通するワイヤに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に固着されている添加合金から給電をするようにしたことを特徴とする。
(B)本発明の溶接給電用コンタクトチップは、上記(A)において、
前記添加合金は、
(1)銅:10〜80質量%、タングステン:残の、Cu−W合金、
(2)銅:1〜6質量%、ニッケル:1〜6質量%、タングステン:残の、Cu−Ni−W合金、
(3)クロム:0.1〜3質量%、ジルコニウム:1〜6質量%、タングステン:残の、Cr−Zr−W合金、
のいずれかであることを特徴とする。
(C)本発明の溶接給電用コンタクトチップは、上記(A)又は(B)において、
前記チップ本体は、
(1)銅、
(2)クロム:0.1〜3質量%、銅:残の、Cr−Cu合金、
(3)クロム:0.1〜3質量%、ジルコニウム:0.1〜1質量%、銅:残の、Cr−Zr−Cu合金、
(4)銅:10〜80質量%、タングステン:残の、Cu−W合金、
のいずれかであることを特徴とする。
(D)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(A)〜(C)の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
前記チップ本体を、塑性加工により形成するとともに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に、耐熱及び耐摩耗性の添加合金を、溶融接合法、固相接合法、ろう付け法、肉盛法、嵌合法のうちのいずれかの方法により固着させることを特徴とする。
(E)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(A)〜(C)の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
前記チップ本体を、塑性加工により形成するとともに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に、耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末をあらかじめ添着し、その後加熱して該添加合金の粉末を該前記ワイヤ挿通溝に固着させることを特徴とする。
(F)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(A)〜(C)の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
前記チップ本体を、塑性加工により形成するとともに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に、耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末を、あらかじめ射出成形又はプレス成形した後、焼結したものを、該前記ワイヤ挿通溝に固着させることを特徴とする。
(G)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(A)〜(C)の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
前記チップ本体を、塑性加工により形成するとともに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に、耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末を、3Dプリンターによる精密肉盛り法により、該前記ワイヤ挿通溝に固着させることを特徴とする。
(H)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(C)において、
前記溶融接合法が、溶融接合法、固相接合法、ろう付け法、肉盛法、嵌合法のうちのいずれかの方法により固着させたものであることを特徴とする。
(I)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(C)において、
前記溶融接合法が、レーザ(ビーム)溶接法、電子ビーム溶接法、液相膜拡散接合法、抵抗溶接法のいずれかを用いて固着させたものであることを特徴とする。
(J)本発明の溶接給電用コンタクトチップの製造方法は、上記(C)において
前記先端部を含めたチップ本体を、耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末を、あらかじめ射出成形またはプレス成形した後、焼結することを特徴とする。
本発明によれば、一対の分割チップ部材の合わせ面に配置されたワイヤ挿通溝を形成して、組み立てた時にコンタクトチップのワイヤ挿通溝に傾斜を形成させるので、ワイヤ挿通孔内における先端部に電極ワイヤの給電点を固定することができ、コンタクトチップのワイヤ挿通孔が摩耗して拡大してもアーク発生を安定させ、しかも溶接位置のねらいを容易にして溶接作業を安定的に行うことができる。
さらに、分割チップ部材を用いてワイヤ挿通溝をロール成形などによって高速で加工できるのでコスト性に優れた溶接給電用コンタクトチップを提供することができる。
また、本発明によれば、ワイヤ挿通溝をロール成形して形成するとともに、そのロール成形後における導電性金属の表面粗度及び表面硬さをそれぞれ所定範囲にすることもできるので、従来のようにワイヤ挿通孔をドリル加工する場合のような加工表面の凸凹を少なくできる上に、溶接のねらい位置不良の原因となる電極ワイヤの摺動に伴う摩耗や抵抗の変動を適正範囲に抑制することができる。すなわち、加工面が粗度及び硬度が限度を超えて大きくなって溶接条件が厳しくなるとコンタクトチップと電極ワイヤとの接触面でスパークして給電不良や電極ワイヤ送給の不安定さにより溶接不良を起こすことになるが、このような電極ワイヤとの接触面における粗度及び硬度を適正範囲に設定することでこれを回避することができる。
また、本発明によれば、前記チップ本体の先端部に、
Cu−W合金、Cu−Ni−W合金、Cr−Zr−W合金などの耐熱、耐摩耗性にすぐれた素材により形成された添加合金取り付けることもできるので、
チップ本体の先端部を被着するこれらの素材が高温においても耐摩耗性を有することから偏摩耗することが少なく、電極ワイヤを安定的に繰り出すことができる。
さらに、耐熱−耐摩耗素材表面にはスパッタが付着しにくく、また付着したとしてもエアーや刷毛などで容易に除去することができる。
さらに、本発明の溶接給電用コンタクトチップを用いれば、
電極ワイヤ先端の位置決めを確実にすることができるので溶接点を外すことがなく、溶接不良を引き起こすことがない。
本発明の実施例1の、レーザ溶接などの接合法を用いて添加合金を固着させた分割チップ部材の構造を示す図である。 本発明で実施例2の、焼結法を用いて添加合金を固着させた分割チップ部材の構造を示す図である。 実施例1の分割チップ部材の摩耗性能を従来チップと比較した図である。 溶接給電用コンタクトチップの交換または清掃までの溶接時間を比較した図である。 本発明の実施の形態に係る溶接給電用コンタクトチップを用いた溶接トーチの全体断面図である。 本発明の実施の形態に係る溶接給電用コンタクトチップを用いた溶接トーチの組み立て分解図である。 本発明の実施の形態に係る溶接給電用コンタクトチップにおけるチップ本体の拡大説明図である。 分割チップ部材の合わせ面を傾斜させる例を示す説明図である。 本発明の溶接給電用コンタクトチップにおける分割チップ部材の平面図である。 電極ワイヤと接触するワイヤ挿通孔の先端部の接触状態を説明する概略図である。
<実施の形態>
実施の形態の溶接給電用コンタクトチップは、2分割型コンタクトチップの先端部のみに、小量のタングステンベースの合金をいろいろな方法で添加または接合することにより、課題を解決するものである。また、チップ本体を請求項3に示す添加合金の粉末を用いて、射出成形またはプレス成形した後、焼結して製造することにより解決するものである。
すなわち、本発明の実施の形態の溶接給電用コンタクトチップは、導電性金属を素材として略円筒状に形成されたチップ本体と、前記チップ本体の軸芯に貫通して設けられ電極ワイヤを挿入保持するワイヤ挿通孔と、を備えた溶接給電用コンタクトチップであって、
前記チップ本体は、その軸方向に沿って半割状に形成された一対の分割チップ部材からなり、前記合わせ面どうしを向かい合わせて組み合わせ、前記分割チップ部材の合わせ面間の間隙を後端部間隙>先端部間隙とするように、前記分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設され、
前記ワイヤ挿通孔は、一対の分割チップ部材の合わせ面の長手方向に形成されたワイヤ挿通溝を向かい合わせて成るとともに、少なくともワイヤ挿通溝の先端部には耐熱及び耐摩耗性の添加合金が固着されており、
前記チップ本体が、前記分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設されていることにより、挿通するワイヤに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に固着されている添加合金から給電をするようにしたことを特徴とする。
例えば、従来の一体型のチップ(銅合金製)はその重量が約14gから18gくらいあり、全体をタングステンベースとすると、非常に高価なものになる。一体型コンタクトチップは約60円から70円であるのに、全体をタングステンベースの合金で製作すると、3500円くらいになる。
また、現在の2分割型コンタクトチップは小型で、その重量は約3.2g位であり、軽量である。チップ全体をタングステンベースの合金にしたものは、約600円くらいになる。
このタイプの給電チップは通電点がチップ先端部のみに限定されているのでタングステンベースの添加合金をこの先端の通電部に用いて、全体の10%以下の重量として(重量にして約0.32g)添加できれば、比較的安価で長寿命のチップが製造でき、上述の問題が解決できる。
すなわち、銅または銅合金製のアーク溶接用2分割型コンタクトチップの先端部に、
図1に示すように、先端から0.3mm〜5mmの範囲で、銅製または銅合金製は2分割型コンタクトチップと同じ断面形状をもつ高い通電性と耐熱性をもつ添加合金を溶融接合、固相接合、ろう付、肉盛または嵌合により製造すれば、300A以上高溶接電流域でも50時間以上の長寿命をもつ2分割型コンタクトチップを製造できる。
例えば、溶融接合として、レーザ(ビーム)溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接、液相膜拡散接合、または抵抗溶接を用いた方法を用いることで添加合金を接合できるが、この場合は仕上げ加工が要求される。
また、図2に示すように、コンタクトチップ先端部の内面部半周に先端からの長さ0.3mmから10mm、肉厚0.1mm〜2mmの範囲にわたって、高い通電性と耐熱性をもつ添加合金を焼結法で埋め込んだ2分割コンタクトチップが製造できる。
焼結時に合金粉末の分布を調整することにより、局部的に成分を変えることができるため、このようなチップ造形が可能となる。
添加合金としては、以下の合金が挙げられる。
(1)銅:10〜80質量%、タングステン:残の、Cu−W合金、
(2)銅:1〜6質量%、ニッケル:1〜6質量%、タングステン:残の、Cu−Ni−W合金、
(3)クロム:0.1〜3質量%、ジルコニウム:1〜6質量%、タングステン:残の、Cr−Zr−W合金、
である。
タングステンをベースとするこのような合金は800℃〜1000℃の温度範囲で硬く、耐熱性があり、通電時にも摩耗し難い特性を有する。
また、固相接合法としては、拡散接合、熱間圧接、摩擦圧接、または冷間圧接等を用いることができる。
嵌合法としては、はめ込み、機械的嵌合、またはボルト結合を用いることができる。
2分割型コンタクトチップのチップ本体としては、以下の合金が挙げられる。
(1)銅、
(2)クロム:0.1〜3質量%、銅:残の、Cr−Cu合金、
(3)クロム:0.1〜3質量%、ジルコニウム:0.1〜1質量%、銅:残の、Cr−Zr−Cu合金、
(4)銅:10〜80質量%、タングステン:残の、Cu−W合金、
である。
2分割型コンタクトチップ本体の形状としては、分割チップ部材を円筒状に向かい合わせて形成されており、本体の軸芯に貫通して設けられた電極ワイヤを挿入保持するワイヤ挿通溝をもつもので、この本体の先端部に図1(実施例1の2分割型コンタクトチップの概略斜視図)又は図2(実施例2の2分割型コンタクトチップの概略斜視図)に示すように、添加合金を固着している。
ただし、図2(実施例2の分割チップ部材)では先端部内面に焼結で固めた添加合金を示す。
また、焼結技術を用いて製造する方法は高精度のチップを製造できるのでのぞましい。
2分割型コンタクトチップの本体部分は、形状としては概略円筒状に形成されており、本体の軸芯に貫通して設けられた電極ワイヤを挿入保持するワイヤ挿通溝をもつもので、純銅、クロム銅(0.1〜3%のクロムを含む)またはクロム銅に0.1%〜1%のジルコニウムを含む合金の粉末を素材としており、2分割型コンタクトチップの先端部(0.3mm〜10mmの範囲内)の内面半周に上記添加合金粉末を用いて、局部的に添加合金を焼結成形することで2分割型コンタクトチップを製造する。
この方法では部品精度を±0.02〜0.05mmの精度で製造できるので、ふさわしい。
実施形態の給電溶接用コンタクトチップにおいて、分割チップ部材の先端部の形状、とりわけ、付加された添加合金からなるチップ先端部の溝内面と先端端面とはほぼ直角をなしているが、その角は幾分滑らかな方が溶接ワイヤの送給性の観点から望ましいので、この角部を全周にわたって、高エネルギー密度のレーザ溶接または電子ビーム溶接により局部的に溶融した方が望ましい。角がまるくなることにより、ワイヤの送給がスムーズになり、ワイヤに傷がつくこともなくなる。
本発明の実施形態の溶接給電用コンタクトチップによって、以下の効果が得られる。
これまで、コンタクトチップは消耗品であったが、今後は6ケ月も10ケ月も使用できる工具となりうる。よって 多くのアーク溶接ラインが1日の作業を中断なく、稼働させることができる。
また、コンタクトチップ先端部の1点で通電がなされ、溶接電流が安定化して、スパッタの付着も少なくなる。チップの消耗が少なくなり、1台のロボットで約17gのチップを年間300本から500本使用していた。すなわち8.5kgの銅を使用していたが、本発明のチップを用いると、年間5本から10本の使用となるので、32gの消耗ですみ、銅資源の確保に役立つ、などがありうる。
また、近年、アーク溶接用の電源として、スパッタの発生を極少にするため、ワイヤを機械的に出し入れするタイプの溶接機が市販されている。この場合、ジュール発熱で赤熱したワイヤがチップ先端に引き入れられるため、チップの消耗が著しい。
このような溶接機にも本発明のチップを用いれば、耐熱温度が800℃〜1000℃であるので、チップの摩耗も少なく、寿命が長くなる。
また、造船業や建築・鉄骨業界では、鋼材の板厚が厚く、溶接電流が300A〜450Aの範囲で溶接作業がすすめられるが、従来の2分割型コンタクトチップでは、摩耗が大きく採用が困難であったが、本発明のチップはこのような場合にも、十分な耐熱性、耐摩耗性を持っているので、使用が可能になる。
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る溶接給電用コンタクトチップの使用方法を述べる。
図5は本発明の実施の形態に係る溶接給電用コンタクトチップを配設した溶接トーチの全体断面図であり、図6は溶接トーチの組み立て分解図であり、図7は溶接給電用コンタクトチップにおけるチップ本体の拡大説明図であり、(a)はチップ本体の上面図、(b)はチップ本体の側面図、(c)はチップ本体の底面図である。
図8は分割チップ部材の合わせ面を傾斜させる構造の実施例を示す説明図である。
図9は合わせ面及びワイヤ挿通溝が見えるようにした片方の分割チップ部材の平面図である。
図5〜図9において、実施の形態の溶接給電用コンタクトチップは、導電性金属を素材として概略円筒状に形成されたチップ本体11と、チップ本体11の軸芯に貫通して設けられ電極ワイヤを挿入保持するワイヤ挿通孔12を有し、
チップ本体11は、その軸方向に沿って半割状に形成された一対の分割チップ部材14、15を、それぞれの合わせ面13,13どうしを対面させて組合せて形成され、
合わせ面13,13の長手方向にはワイヤ挿通孔12を形成するワイヤ挿通溝16、16が設けられている。
また、実施の形態では、ワイヤ挿通孔12の後端部を拡大して形成した窪み状の基部11aに、スペーサ部材18を介挿し、分割チップ部材14、15の基端部14a、15aの合わせ面間に所定の間隙S32を確保するとともに、分割チップ部材14、15の合わせ面間の間隔を、基端部14a、15aでの後端部間隔S32から先端部14b、15bでの先端部間隔S31へ順次縮小させるようにしている。
そして、分割チップ部材14、15の合わせ面13、13を向かい合わせて組み立ててその外周をチップ押さえ19によって一体的に結合させてチップ本体11としている。
また、スペーサ部材18の基部11a側はトーチアダプタ20によって支持され、コンタクトチップ及びトーチアダプタ20は、その外周をノズル部21及び絶縁ブッシュ22によってカバーされて溶接トーチTを構成する。
ワイヤ挿通孔12は、チップ本体11の中心線と同一の中心線を有する断面円形状であり、ワイヤ挿通孔12の直径は概略電極ワイヤWの太さに合わせた口径を有している。
溶接給電用コンタクトチップを構成するチップ本体11は、分割チップ部材14、15のワイヤ挿通溝16、16どうしを向かい合わせて一体的に結合し円筒形状としたものである。
分割チップ部材14、15のそれぞれの平面に形成された断面半円状のワイヤ挿通溝16、16どうしを向かい合わせてワイヤ挿通孔12を形成する。
また、図8(a)に示すように、スペーサ部材18をチップ本体11の基部11aに介挿し分割チップ部材14、15の合わせ面13、13間の間隙を拡開させ、分割チップ部材の先端部はチップ押さえ19の内径で合わせ面13、13間の間隙の拡開を拘束することにより、分割チップ部材14、15の合わせ面13,13を、後端部間隙S32>先端部間隙S31となるようにして傾斜させてチップ本体11に組み立てる。
このように合わせ面13,13を傾斜させて、分割チップ部材14、15それぞれの先端部14b、15bに電極ワイヤWを確実に接触させるようにする。
図8(b)に、スペーサ部材18をチップ本体11の基部11aに介挿して分割チップ部材14、15の合わせ面13、13間の間隙を拡開させる構造を拡大して示す。
図に示すように、スペーサ部材18の先端の凸条テーパ部110,111を、基部11aに形成された凹状テーパ部112,113に接触させながら挿入すると、分割チップ部材14、15の下方部の合わせ面13、13間の間隙が拡開される。
なお、基部11aの窪み形状を縦長にした理由は、スペーサ部材18の先端部に同形の凸形状を設け、基部11aとの嵌合により分割チップ部材の合わせ面の向きの位置決めをするためである。
すなわち、電極ワイヤWに、予め曲がり癖がついている場合などにおいては、電極ワイヤWの繰り出し方向が、分割チップ部材の合わせ面13と平行にならないようにする。
分割チップ部材の合わせ面に直角に繰り出すように、スペーサ部材18をチップ本体11の基部11aに介挿して位置決めする。図5で示すと、図面の右方向か左方向に曲がるように繰り出させるのがよい。
チップ押さえ19は、外径が先細りした概略円筒状に形成されており、その概略円筒状の内部にチップ本体11及びスペーサ部材18がリング材18aを介して挿入固定されることで、合わせ面13で対面させたチップ本体11の分割チップ部材14、15に所定の結合力を付与するとともに、ワイヤ挿通溝16を対面させて形成したワイヤ挿通孔12を形成させている。
なお、チップ押さえ19の外壁部及びノズル部21の内壁部間に、CO2やCO2+アルゴンガスなどのガスを供給して、アーク溶接を行うことができるようにしている。
以上のように、溶接給電用コンタクトチップは、基部11aからワイヤ挿通孔12に電極ワイヤWを挿入して使用される。
電極ワイヤWは、分割チップ部材14,15の先端部14b、15bで挟持されるとともに、この挟持された位置を給電点としてコンタクトチップから電極ワイヤWに電流が供給される。
こうして、電極ワイヤWは溶接対象物との間でのアーク放電により溶融され溶接を行うことができる。
なお、分割チップ部材14、15の合わせ面13、13間の間隙を拡開させ、分割チップ部材14、15の合わせ面13,13を、後端部間隙S32>先端部間隙S31となるように傾斜させる方法として、以下の実施の形態がある。
例えば図8(c)に示すように、スペーサ部材18をチップ本体11の基部11aに介挿する変わりに、分割チップ部材14,15の後端部にテーパ面14c、15cを形成し、一方、チップ受け部材17がテーパ面14c、15cと当接する面17aは略平面として(テーパ面14c、15cよりも緩い角度の面として)、分割チップ部材14,15の外縁でテーパ面14c、15cと当接するようにする。
このように分割チップ部材14,15のワイヤ挿通孔12寄りに間隙を形成させることにより、チップ押さえ19で分割チップ部材14,15の下部に環状の形成されている鍔部14d、15dを押さえつけることで分割チップ部材14,15の後端部間隙S32を拡開させることができる。
この場合は、分割チップ部材の下部に基部11aを設ける必要はなく、ワイヤ挿通溝16を設けることで足りる。
次に、図10に示すように、電極ワイヤWと接触してワイヤ挿通孔12の先端部の内壁の摩耗が進んだときには、分割チップ部材14,15の先端部間隔S31をチップ押さえ19によって締め付け狭めることで、電極ワイヤWとワイヤ挿通孔12との接触を保つようにしている(図10(b)参照)。
このことにより、コンタクトチップの給電点は当初の位置と変わることなく電極ワイヤWとコンタクトチップとの接触が保たれ、給電性が低下することなく安定した電流供給がなされる。
分割チップ部材14、15は、丸棒を素材として、例えばプレス加工を用いて、断面円形の丸棒の一方の円形曲面を平面に変形するとともに、その変形された平面(他方の円筒面ではない)の長手方向中心にワイヤ挿通溝16を形成する。
また、プレス加工で、分割チップ部材14、15の外面にワイヤ挿通溝16を形成した場合は、ドリルなどを用いての穿削と異なりワイヤ挿通溝16の形成が容易である。
また、ワイヤ挿通溝16の成形にプレス加工を適用した場合は、ワイヤ挿通溝16の表面粗度を小さくし、加工硬化により表面硬度も高くし、平滑なワイヤ挿通孔12を得ることができ、溶接給電用コンタクトチップとして高い品質を保持することができる。
実施の形態の溶接給電用コンタクトチップはアーク溶接用のノズル部21内に交換自在に装着され、ロボットを用いた精密操作を要求される自動溶接に適用される他、溶接箇所を観察しながらノズル部21を操作して被溶接物を溶接する半自動溶接にも好適に用いることができる。
また、電極ワイヤWを、ワイヤ挿通孔12の先端部で挟持しているため、コンタクトチップ先端部の位置で給電でき、コンタクトチップ、母材間距離を一定に維持してアーク電圧電流の変動が少なくできるために安定し、溶接の作業性に優れている。
さらに、コンタクトチップ先端部に押圧力を加えて給電できるため、アークが安定して高速溶接ができ品質向上、コストダウンになる。
またさらに、コンタクトチップが磨耗量しても、電極ワイヤの送給方向が変化しにくく溶接個所のねらい位置ズレが起こらず、操作性にも優れている。
<評価結果>
本発明の実施例の溶接給電用コンタクトチップの評価について以下に述べる。
マグ溶接(80%Ar+20%CO2の混合ガスを使用)を用いたロボット溶接において比較した。
すなわち、従来の銅合金からなる2分割型の溶接給電用コンタクトチップを内蔵した給電チップユニットをトーチに取付けて鋼材をアーク溶接した場合と、
本発明の実施例1のタングステン系添加合金をチップ先端部に固着した2分割型コンタクトチップを用いて同様の溶接をした場合の溶接結果を比較した。
鋼板は、SS400鋼で、板厚9mm、200mm×600mmの寸法のものを用いた。その上に、溶接ワイヤMG−50(1.2mm径)を用いてビードオン溶接した。
1.8m長さの溶接ビードを3分間溶接した後、約2分休み、残り1.8m長さを3分間で溶接した。
溶接条件は いずれも、溶接電流290A〜310A、アーク電圧31V〜33V、溶接速度600mm/分、ワイヤ突出し長さ16〜18mm、シールドガス流量20L/分のとした。
いずれも、アークタイム120分溶接した後は、給電チップユニットを取り外し、給電チップを取り出し通電側(内側)の溝の深さをレーザ顕微鏡で正確に計測した。
溶接給電用コンタクトチップの内面の摩耗量をレーザ顕微鏡で観察して測定した結果を図3に示す。
図中に示す従来の一体型コンタクトチップの摩耗量は他の実験結果より引用してプロットしてある。
2分割型チッップはいずれも摩耗量が少ないが、とりわけ、タングステン系添加合金を固着させた実施例1の2分割型コンタクトチップは、24時間のアーク時間の溶接において、20μmと極小であることが確認された。
銅合金を用いた2分割型コンタクトチップは、100μmであり、約5倍の差がみとめられた。
本発明の溶接給電用コンタクトチップは、ワイヤ挿通孔が摩耗して拡大してもアーク発生を安定させ、しかも溶接位置のねらいを容易にして溶接作業を安定的に行うことができる。
11 チップ本体
11a 基部
12 ワイヤ挿通孔
13 合わせ面
13a、23a 分割チップ部材の先端部
13b、23b 添加合金(ハッチングした部分は分割チップ部材の先端部に固着した添加合金)
13c、23c 分割チップ部材の根元部
14、15 分割チップ部材
14a、15a 基端部
14b、15b 先端部
14c、15c テーパ面
14d、15d 鍔部
16 ワイヤ挿通溝
17 チップ受け部材
17a 当接する面
18 スペーサ部材
18a リング材
19 チップ押さえ
20 トーチアダプタ
21 ノズル部
22 絶縁ブッシュ
110、111 凸条テーパ部
112,113 凹状テーパ部
S31 先端部間隔
S32 後端部間隔
T 溶接トーチ
W 電極ワイヤ

Claims (10)

  1. 導電性金属を素材として略円筒状に形成されたチップ本体と、
    前記チップ本体の軸芯に貫通して設けられ電極ワイヤを挿入保持するワイヤ挿通孔と、
    を備えた溶接給電用コンタクトチップであって、
    前記チップ本体は、
    その軸方向に沿って半割状に形成された一対の分割チップ部材からなり、
    前記合わせ面どうしを向かい合わせて組み合わせ、
    前記分割チップ部材の合わせ面間の間隙を後端部間隙>先端部間隙とするように、
    前記分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設され、
    前記ワイヤ挿通孔は、
    一対の分割チップ部材の合わせ面の長手方向に形成されたワイヤ挿通溝を向かい合わせて成るとともに、
    少なくともワイヤ挿通溝の先端部には耐熱及び耐摩耗性の添加合金が固着されており、
    前記チップ本体が、
    前記分割チップ部材の合わせ面を傾斜させて溶接トーチ内に配設されていることにより、
    挿通するワイヤに、前記ワイヤ挿通溝の先端部に固着されている添加合金から給電をするようにしたことを特徴とする溶接給電用コンタクトチップ。
  2. 前記添加合金は、
    (1)銅:10〜80質量%、タングステン:残の、Cu−W合金、
    (2)銅:1〜6質量%、ニッケル:1〜6質量%、タングステン:残の、Cu−Ni−W合金、
    (3)クロム:0.1〜3質量%、ジルコニウム:1〜6質量%、タングステン:残の、Cr−Zr−W合金、
    のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の溶接給電用コンタクトチップ。
  3. 前記チップ本体は、
    (1)銅、
    (2)クロム:0.1〜3質量%、銅:残の、Cr−Cu合金、
    (3)クロム:0.1〜3質量%、ジルコニウム:0.1〜1質量%、銅:残の、Cr−Zr−Cu合金、
    (4)銅:10〜80質量%、タングステン:残の、Cu−W合金、
    のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接給電用コンタクトチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
    前記チップ本体を、
    塑性加工により形成するとともに、
    前記ワイヤ挿通溝の先端部に、
    耐熱及び耐摩耗性の添加合金を、
    溶融接合法、固相接合法、ろう付け法、肉盛法、嵌合法のうちのいずれかの方法により固着させることを特徴とする溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
    前記チップ本体を、
    塑性加工により形成するとともに、
    前記ワイヤ挿通溝の先端部に、
    耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末をあらかじめ添着し、
    その後加熱して該添加合金の粉末を該前記ワイヤ挿通溝に固着させることを特徴とする溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
    前記チップ本体を、
    塑性加工により形成するとともに、
    前記ワイヤ挿通溝の先端部に、
    耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末を、あらかじめ射出成形又はプレス成形した後、焼結し固着させることを特徴とする溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
    前記チップ本体を、
    塑性加工により形成するとともに、
    前記ワイヤ挿通溝の先端部に、
    耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末を、3Dプリンターによる精密肉盛り法により、該前記ワイヤ挿通溝に固着させることを特徴とする溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
  8. 前記溶融接合法が、
    溶融接合法、固相接合法、ろう付け法、肉盛法、嵌合法のうちのいずれかの方法により固着させたものであることを特徴とする請求項3に記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
  9. 前記溶融接合法が、
    レーザ(ビーム)溶接法、電子ビーム溶接法、液相膜拡散接合法、抵抗溶接法のいずれかを用いて固着させたものであることを特徴とする請求項3に記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶接給電用コンタクトチップの製造方法であって、
    前記先端部を含めたチップ本体を、耐熱及び耐摩耗性の添加合金の粉末を、あらかじめ射出成形またはプレス成形した後、焼結することを特徴とする溶接給電用コンタクトチップの製造方法。
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