JP2023037160A - ライナ押圧機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ライナ交換時の不都合を解消するのに適したライナ押圧機構を提供する。【解決手段】先端部にトーチ本体が接続されたケーブルの基端部に設けられる給電アダプタ3(支持体)と、ライナ基端部41およびライナ先端部を有し、前記ライナ先端部が前記トーチ本体の内部に通じるように前記ケーブルに挿通されるライナ4と、を備え、給電アダプタ3は、第1方向Xに延びる第1筒部31を有し、ライナ基端部41は、第1筒部31に収容され、且つ第1方向Xの一方側を向く第1端面411を有し、第1筒部31にねじ接続されており、且つ第1筒部31に対して第1方向Xに沿って移動可能な筒状の第1部材5と、第1部材5に対して第1方向Xに移動可能とされ、且つ第1端面411を第1方向Xの他方側に押圧することが可能な筒状の第2部材6と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、先端側にトーチ本体が接続されたケーブルに挿通されるライナの押圧機構に関する。
消耗電極式アーク溶接において、溶接ロボットや走行台車を用いた自動溶接や、作業者が溶接トーチを操作する半自動溶接の手法が採用されている。これら自動溶接等の溶接作業時においては、溶接ワイヤがワイヤ送給装置から送り出され、当該溶接ワイヤはコンジットケーブルによってガイドされてトーチ本体まで送給される。コンジットケーブルの内部にはコイルライナが挿入され、このコイルライナによって溶接ワイヤがガイドされる。コンジットケーブルの先端部にはトーチ本体が接続されており、コンジットケーブルの基端部は、ワイヤ送給装置側に取り付けられる(たとえば特許文献1を参照)。
コイルライナは、コンジットケーブルに挿通されるとともにトーチ本体の内部に通じる。コイルライナの先端部は、たとえばトーチ本体におけるチップボディの先端部付近に当接している。コイルライナの基端部は、たとえばコンジットケーブルの基端側に設けられた給電アダプタ(支持体)に固定される。給電アダプタは、コイルライナの基端部を収容する筒状部を有する。筒状部にはナットが装着されている。
コイルライナの交換の際には、交換用のコイルライナを所定長さ切断して長さを調整し、当該コイルライナの先端部はトーチ本体内に当接させつつ、コイルライナの基端部は給電アダプタの筒状部において所定位置となるように収容される。上記筒状部に装着される上記ナットを締め付けると、コイルライナの基端部が当該ナットに押圧され、コイルライナは、トーチ本体と給電アダプタとの間で押圧されて、突っ張った状態になる。
しかしながら、コイルライナの切断前の全長寸法には多少のばらつきがある。そのため、コイルライナの切断後において、給電アダプタの筒状部に収容されるコイルライナ基端部の位置は、所望位置からずれが生ずる。このようにコイルライナ基端部の収容位置にずれが生ずると、コイルライナが突っ張らずにコンジットケーブル内で遊びを有する状態となり、あるいはコイルライナの突っ張りが過度となる。この場合、コイルライナの突っ張り状態が不適当となり、溶接ワイヤの送給抵抗が増加するといった不都合が生じ得た。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、ライナ交換時の不都合を解消するのに適したライナ押圧機構を提供することを主たる課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
本発明によって提供されるライナ押圧機構は、先端部にトーチ本体が接続されたケーブルの基端部に設けられる支持体と、ライナ基端部およびライナ先端部を有し、前記ライナ先端部が前記トーチ本体の内部に通じるように前記ケーブルに挿通されるライナと、を備え、前記支持体は、第1方向に延びる第1筒部を有し、前記ライナ基端部は、前記第1筒部に収容され、且つ前記第1方向の一方側を向く第1端面を有し、前記第1筒部にねじ接続されており、且つ前記第1筒部に対して前記第1方向に沿って移動可能な筒状の第1部材と、前記第1部材に対して前記第1方向に移動可能とされ、且つ前記第1端面を前記第1方向の他方側に押圧することが可能な筒状の第2部材と、を備える。
好ましい実施の形態においては、前記第1筒部は、第1雄ねじ部を有し、前記第1部材は、前記第1雄ねじ部に螺合する第1雌ねじ部を有する。
好ましい実施の形態においては、前記第1部材は、前記第1雌ねじ部に対して前記第1方向の一方側に位置する第2雌ねじ部を有し、前記第2部材は、前記第2雌ねじ部に螺合する第2雄ねじ部と、前記第2雄ねじ部に対して前記第1方向の他方側に位置する円筒軸部と、を有し、前記円筒軸部は、前記第1筒部に内挿されるとともに前記第1端面を押圧し得る。
好ましい実施の形態においては、前記円筒軸部と前記ライナ基端部との間に介在し、前記第1端面を弾性的に押圧する弾性部材をさらに備える。
好ましい実施の形態においては、前記弾性部材は、圧縮コイルばねである。
本発明に係るライナ押圧機構によれば、第1部材は、第1筒部にねじ接続されて当該第1筒部に対して第1方向に移動可能であり、且つ第2部材は、第1部材に対して第1方向に移動可能である。したがって、第1部材および第2部材を適宜位置に配置することにより、ライナ基端部が所望位置からずれても、ライナ基端部が所望位置にある場合と同程度の押圧力でライナを押圧することが可能である。したがって、交換後のライナの取り付け状態が良好となり、ライナの突っ張り状態の過不足を解消することができる。その結果、溶接ワイヤの送給性能を適切に維持することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るライナの押圧機構を具備する溶接トーチを示す概略図である。図1に示した溶接トーチB1は、ケーブル1と、トーチ本体2と、給電アダプタ3と、ライナ4と、第1部材5と、第2部材6とを含んで構成される。本実施形態の溶接トーチB1は、たとえば作業者がトーチ本体2を操作する、いわゆる半自動溶接に用いられるものである。
ケーブル1は、ワイヤ送給装置(図示略)から送り出される溶接ワイヤ(図示略)をトーチ本体2に導くものであり、全体として長手筒状とされている。また、ケーブル1は、トーチ本体2へ電力およびシールドガスを供給する役割も担うものであり、いわゆるコンジットケーブルである。図1では中間部を省略しているが、半自動溶接の場合、ケーブル1の全長は、たとえば1~10m程度である。
トーチ本体2は、ケーブル1の先端部に接続されている。トーチ本体2は、ハンドル21、トーチボディ22、チップボディ23および給電チップ24を有する。ハンドル21は、作業者が手で把持するための部位である。トーチボディ22は筒状であり、基端部がハンドル21に保持されている。図1に示した例では、トーチボディ22は、作業者が溶接作業を行いやすいように、湾曲部分を有する。なお、トーチボディ22については、図1に示した湾曲部分を有する構成に限定されず、全体がストレート状の構成でもよい。チップボディ23は、筒状であり、トーチボディ22の先端に取り付けられている。チップボディ23の先端部付近には、テーパ部231が形成されている。当該テーパ部231は、チップボディ23の先端に向かうにつれて縮径する先細り形状とされている。給電チップ24は、チップボディ23の先端に取り付けられている。給電チップ24には、溶接ワイヤを通すためのワイヤ挿通孔が基端から先端まで貫通状に形成されている。
給電アダプタ3は、ケーブル1の基端部に設けられている。図1、図2に示すように、ケーブル1の基端部はホルダ35により包囲されており、給電アダプタ3は当該ホルダ35に支持されている。給電アダプタ3は、導電性金属によって構成されており、ケーブル1側に溶接電流を流す役割を担う。給電アダプタ3は、概略円筒状とされており、後述するライナ4のライナ基端部41を支持している。より詳細には、図2に示すように、給電アダプタ3は、第1筒部31を有する。第1筒部31は、概略円筒状であり、第1方向Xに沿って延びている。この第1筒部31の内部にライナ基端部41が収容される。給電アダプタ3は、本発明の「支持体」に相当する。なお、給電アダプタ3には、電気絶縁性を有するアダプタナット36がねじ接続されている。給電アダプタ3の外周部は、このアダプタナット36に覆われている。
第1筒部31は、第1雄ねじ部311を有する。第1雄ねじ部311は、第1筒部31の外周部に形成されている。本実施形態では、第1雄ねじ部311は、第1筒部31において第1方向Xの一方側(図2における図中左側)に配置されており、第1筒部31の長手方向(第1方向X)における所定長さ範囲に形成されている。本実施形態において、第1筒部31の第1方向Xにおける寸法は、ライナ基端部41の第1方向Xにおける寸法よりも大とされている。図2に示した例では、第1筒部31の第1方向Xにおける寸法は、ライナ基端部41の第1方向Xにおける寸法の2倍程度である。
ライナ4は、ワイヤ送給装置から送り出される溶接ワイヤをトーチ本体2まで案内するものであり、ケーブル1に挿通している。図2に示すように、ライナ4は、ライナ基端部41およびコイル部42を有する。ライナ基端部41は、たとえば筒状の金属製金具である。コイル部42は、ライナ基端部41に接続されている。コイル部42は、金属線材が螺旋状に巻回された構成であり、概略円筒状である。コイル部42の基端部は、圧着等の適宜手段によってライナ基端部41に接続固定されている。本実施形態のライナ4は、いわゆるコイルライナとして構成されている。なお、コイル部42の外周は、ライナ基端部41に近接する部位から軸方向へ所定長さの範囲において樹脂カバー43に覆われている。詳細な図示説明は省略するが、ケーブル1とコイル部42との間の空間はシールドガスを流すための通路として機能する。
ライナ基端部41は、概略円筒状とされており、コイル部42よりも外径寸法が大きい。ライナ基端部41は、ライナ4の装着時において給電アダプタ3(第1筒部31)に支持される部分である。ライナ基端部41の外径寸法は、第1筒部31の内径寸法よりも僅かに小さい。ライナ4を装着する際には、コイル部42の先端(図1に示すライナ先端部44)を第1筒部31の基端から挿入し、ライナ基端部41を第1筒部31に挿入する。ライナ4の装着時には、ライナ4(コイル部42)はトーチ本体2の内部にまで通じており、ライナ先端部44がチップボディ23の先端部(テーパ部231)に当接する。
図2に示すように、ライナ基端部41は、第1端面411およびガイド面412を有する。第1端面411は、第1方向Xの一方側(図中左側)を向く。ガイド面412は、第1端面411につながり、第1方向Xの他方側(図中右側)に向かうにつれて小径となるテーパ面である。
第1部材5は、第1雌ねじ部51にねじ接続される筒状のナット部材である。第1部材5は、第1雌ねじ部51および第2雌ねじ部52を有する。第1雌ねじ部51および第2雌ねじ部52はそれぞれ、第1部材5の内周部に形成されている。
第1雌ねじ部51は、第1筒部31の第1雄ねじ部311に螺合している。これにより、第1部材5を第1筒部31の軸心周りに回転させることによって、第1部材5は、第1筒部31に対して第1方向Xに沿って移動可能である。
第2雌ねじ部52は、第1雌ねじ部51に対して第1方向Xの一方側(図2における図中左側)に位置する。第2雌ねじ部52は、第1雌ねじ部51よりも直径(呼び径)が小である。第1部材5の外周部は、たとえば工具を嵌合するのに適した横断面六角形状とされている。
第2部材6は、筒状の軸部材であり、第2雄ねじ部61、円筒軸部62および頭部63を有する。第2雄ねじ部61は、第2部材6の外周部に形成されている。第2雄ねじ部61は、第1部材5の第2雌ねじ部52に螺合している。これにより、第2部材6を第2部材6の軸心周りに回転させることによって、第2部材6は、第1部材5に対して第1方向Xに沿って移動可能である。
円筒軸部62は、第2雄ねじ部61に対して第1方向Xの他方側(図2における図中右側)に位置する。円筒軸部62は、第1筒部31に内挿されるとともに、ライナ基端部41の第1端面411に当接し得る。
頭部63は、第2雄ねじ部61に対して第1方向Xの一方側(図2における図中左側)に位置する。頭部63の外周部は、たとえば工具を嵌合するのに適した横断面六角形状とされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ライナ4を交換する際には、交換用のライナ4(コイル部42)の先端を所定長さ切断する。次に、コイル部42をケーブル1に挿通させて、ライナ先端部44をチップボディ23の先端部(テーパ部231)に当接させる。ここで、ライナ基端部41は、第1筒部31に収容されている。次いで、給電アダプタ3(支持体)の第1筒部31に第1部材5を装着し、第1部材5(第1雌ねじ部51)を第1雄ねじ部311に対して締め込む。ここでは、図2において、第1筒部31に対して第1部材5が図中右側(第1方向Xの他方側)に移動するように回す。次いで、第2部材6を第1部材5に対して締め込む。ここで、図2において、第1部材5に対して第2部材6が図中右側(第1方向Xの他方側)に移動するように回す。このとき、第2部材6の円筒軸部62は、ライナ基端部41の第1端面411に当接し、第1端面411(ライナ基端部41)が第2部材6によって第1方向Xの他方側(図中右側)に押圧される。ライナ4は、トーチ本体2(チップボディ23)と第2部材6との間で押圧されて、突っ張った状態になる。上記構成の本実施形態において、給電アダプタ3、ライナ4、第1部材5および第2部材6は、ライナ押圧機構A1を構成する。
交換用のライナ4は、切断前の全長寸法には多少のばらつきがある。そのため、ライナ4の切断後において、給電アダプタ3の第1筒部31に収容されるライナ基端部41の位置は、所望位置からずれが生じ得る。図3は、切断後のライナ4の全長寸法が設定値よりも長い場合を示す。図3においては、図2に示す場合と比べて、ライナ基端部41(第1端面411)が第1筒部31に対して図中左側にずれた位置にある。図3に示した第1部材5は、図2に示す場合と比べて、第1方向Xの一方側(図中左側)に位置する。また、図3に示した第2部材6は、図2に示す場合と比べて、第1部材5に対する位置関係が第1方向Xの一方側(図中左側)に位置する。図4は、切断後のライナ4の全長寸法が設定値よりも短い場合を示す。図4においては、図2に示す場合と比べて、ライナ基端部41(第1端面411)が第1筒部31に対して図中右側にずれた位置にある。図4に示した第2部材6は、図2に示す場合と比べて、第1方向Xの他方側(図中右側)に位置する。
本実施形態のライナ押圧機構A1において、第1部材5は、第1筒部31にねじ接続されて当該第1筒部31に対して第1方向Xに移動可能であり、且つ第2部材6は、第1部材5に対して第1方向Xに移動可能である。したがって、第1部材5および第2部材6を適宜位置に配置することにより、ライナ基端部41が所望位置からずれても、ライナ基端部41が所望位置にある場合と同程度の押圧力でライナ4を押圧することが可能である。したがって、交換後のライナ4の取り付け状態が良好となり、ライナ4の突っ張り状態の過不足を解消することができる。その結果、溶接ワイヤの送給性能を適切に維持することができる。
本実施形態において、給電アダプタ3(支持体)の第1筒部31は第1雄ねじ部311を有し、第1部材5は、第1雄ねじ部311に螺合する第1雌ねじ部51を有する。また、第1部材5は、第1雌ねじ部51に対して第1方向Xの一方側(図中左側)位置する第2雌ねじ部52を有する。第2部材6は、第2雌ねじ部52に螺合する第2雄ねじ部61と、円筒軸部62とを有する。円筒軸部62は、第1筒部31に内挿されるとともに第1端面411を押圧し得る。このような構成によれば、第1筒部31および第1部材5、ならびに第1部材5および第2部材6は、それぞれ互いにねじ接続されている。これにより、第1部材5および第2部材6の双方は、第1筒部31に対して第1方向Xに沿って細かな位置調整が可能である。また、第2部材6の締め付け時のトルクを管理することにより、ライナ4を適度な突っ張り状態となるように押圧することができる。したがって、ライナ4交換時の作業性が向上する。
図5は、本発明のライナ押圧機構の第2実施形態を示している。なお、図5以降の図面において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
図5に示したライナ押圧機構A2は、弾性部材7をさらに備えており、かかる点が上記実施形態と異なっている。弾性部材7は、第2部材6の円筒軸部62とライナ4のライナ基端部41との間に介在している。弾性部材7は、ライナ基端部41の第1端面411を弾性的に押圧するものである。本実施形態において、弾性部材7は、圧縮コイルばねである。弾性部材7は、好ましくは円筒軸部62の先端に固定されている。なお、弾性部材7は、圧縮コイルばねに限定されず、たとえば円筒状のゴム部材など他の構成を採用してもよい。
本実施形態において、ライナ4を交換する際には、交換用のライナ4(コイル部42)の先端を所定長さ切断する。次に、コイル部42をケーブル1(図1参照)に挿通させて、ライナ先端部44をチップボディ23の先端部(テーパ部231)に当接させる。ここで、ライナ基端部41は、第1筒部31に収容されている。次いで、給電アダプタ3(支持体)の第1筒部31に第1部材5を装着し、第1部材5(第1雌ねじ部51)を第1雄ねじ部311に対して締め込む。ここでは、図5において、第1筒部31に対して第1部材5が図中右側(第1方向Xの他方側)に移動するように回す。次いで、第2部材6を第1部材5に対して締め込む。ここで、図5において、第1部材5に対して第2部材6が図中右側(第1方向Xの他方側)に移動するように回す。このとき、円筒軸部62とライナ基端部41との間に介在する弾性部材7は、ライナ基端部41の第1端面411に当接し、第1端面411(ライナ基端部41)が弾性部材7によって第1方向Xの他方側(図中右側)に弾性的に押圧される。ライナ4は、トーチ本体2(チップボディ23)と弾性部材7との間で押圧されて、突っ張った状態になる。
交換用のライナ4は、切断前の全長寸法には多少のばらつきがある。そのため、ライナ4の切断後において、給電アダプタ3の第1筒部31に収容されるライナ基端部41の位置は、所望位置からずれが生じ得る。図6は、切断後のライナ4の全長寸法が設定値よりも長い場合を示す。図6においては、図5に示す場合と比べて、ライナ基端部41(第1端面411)が第1筒部31に対して図中左側にずれた位置にある。図6に示した第1部材5は、図5に示す場合と比べて、第1方向Xの一方側(図中左側)に位置する。また、図6に示した第2部材6は、図5に示す場合と比べて、第1部材5に対する位置関係が第1方向Xの一方側(図中左側)に位置する。
本実施形態のライナ押圧機構A2において、第1部材5は、第1筒部31にねじ接続されて当該第1筒部31に対して第1方向Xに移動可能であり、且つ第2部材6は、第1部材5に対して第1方向Xに移動可能である。したがって、第1部材5および第2部材6を適宜位置に配置することにより、ライナ基端部41が所望位置からずれても、ライナ基端部41が所望位置にある場合と同程度の押圧力でライナ4を押圧することが可能である。したがって、交換後のライナ4の取り付け状態が良好となり、ライナ4の突っ張り状態の過不足を解消することができる。その結果、溶接ワイヤの送給性能を適切に維持することができる。
本実施形態において、給電アダプタ3(支持体)の第1筒部31は第1雄ねじ部311を有し、第1部材5は、第1雄ねじ部311に螺合する第1雌ねじ部51を有する。また、第1部材5は、第1雌ねじ部51に対して第1方向Xの一方側(図中左側)位置する第2雌ねじ部52を有する。第2部材6は、第2雌ねじ部52に螺合する第2雄ねじ部61と、円筒軸部62とを有する。円筒軸部62は、第1筒部31に内挿されるとともに、弾性部材7を介して第1端面411を押圧し得る。このような構成によれば、第1筒部31および第1部材5、ならびに第1部材5および第2部材6は、それぞれ互いにねじ接続されている。これにより、第1部材5および第2部材6の双方は、第1筒部31に対して第1方向Xに沿って細かな位置調整が可能である。また、第2部材6の締め付け時のトルクを管理することにより、ライナ4を適度な突っ張り状態となるように押圧することができる。したがって、ライナ4交換時の作業性が向上する。
本実施形態のライナ押圧機構A2は、弾性部材7をさらに備える。弾性部材7は、第2部材6の円筒軸部62とライナ4のライナ基端部41との間に介在しており、ライナ基端部41の第1端面411を弾性的に押圧する。ライナ押圧機構A2を備えて構成された溶接トーチB1の使用時において、ケーブル1に曲げや捻じりなどの動作が加わるとケーブル1の全長寸法が変動する場合がある。本実施形態のライナ押圧機構A2によれば、弾性部材7がケーブル1の全長の変動に追従し、ライナ4の突っ張り状態の変化を吸収することができる。したがって、ケーブル1の全長に変動が生じても、溶接ワイヤの送給性能を維持することができる。また、本実施形態では、弾性部材7が圧縮コイルばねにより構成される。このような構成によれば、弾性部材7の第1方向Xおける長さの変化を比較的大きく設定することができる。したがって、ケーブル1の全長寸法の変動量が比較的大きい場合でも、ライナ4の突っ張り状態の変化を吸収することが可能である。
図7は、本発明のライナ押圧機構の第3実施形態を示している。図7に示したライナ押圧機構A3は、第2部材6の構成が上記実施形態と異なっている。ライナ押圧機構A3において、第2部材6は、弾性部材によって構成されており、たとえば圧縮コイルばねである。第1部材5は、上記実施形態の第2雌ねじ部52を有しておらず、第2部材6は、第1部材5とライナ基端部41との間に介在している。本実施形態の第2部材6は、ライナ基端部41の第1端面411に当接しており、第1端面411(ライナ基端部41)を第1方向Xの他方側(図中右側)に弾性的に押圧する。第2部材6は、好ましくは第1部材5に固定されている。なお、第2部材6を構成する弾性部材については、圧縮コイルばねに限定されず、たとえば円筒状のゴム部材など他の構成を採用してもよい。
本実施形態において、ライナ4を交換する際には、交換用のライナ4(コイル部42)の先端を所定長さ切断する。次に、コイル部42をケーブル1(図1参照)に挿通させて、ライナ先端部44をチップボディ23の先端部(テーパ部231)に当接させる。ここで、ライナ基端部41は、第1筒部31に収容されている。次いで、給電アダプタ3(支持体)の第1筒部31に第1部材5を装着し、第1部材5(第1雌ねじ部51)を第1雄ねじ部311に対して締め込む。ここでは、図5において、第1筒部31に対して第1部材5が図中右側(第1方向Xの他方側)に移動するように回す。このとき、第1部材5とライナ基端部41との間に介在する第2部材6は、ライナ基端部41の第1端面411に当接し、第1端面411(ライナ基端部41)が第2部材6によって第1方向Xの他方側(図中右側)に弾性的に押圧される。ライナ4は、トーチ本体2(チップボディ23)と第2部材6との間で押圧されて、突っ張った状態になる。
交換用のライナ4は、切断前の全長寸法には多少のばらつきがある。そのため、ライナ4の切断後において、給電アダプタ3の第1筒部31に収容されるライナ基端部41の位置は、所望位置からずれが生じ得る。図8は、切断後のライナ4の全長寸法が設定値よりも長い場合を示す。図8においては、図6に示す場合と比べて、ライナ基端部41(第1端面411)が第1筒部31に対して図中左側にずれた位置にある。図8に示した第1部材5は、図7に示す場合と比べて、第1方向Xの一方側(図中左側)に位置する。
本実施形態のライナ押圧機構A3において、第1部材5は、第1筒部31にねじ接続されて当該第1筒部31に対して第1方向Xに移動可能であり、且つ第2部材6は、第1部材5に対して第1方向Xに移動可能である。したがって、第1部材5および第2部材6を適宜位置に配置することにより、ライナ基端部41が所望位置からずれても、ライナ基端部41が所望位置にある場合と同程度の押圧力でライナ4を押圧することが可能である。したがって、交換後のライナ4の取り付け状態が良好となり、ライナ4の突っ張り状態の過不足を解消することができる。その結果、溶接ワイヤの送給性能を適切に維持することができる。
ライナ押圧機構A3において、第2部材6は、弾性部材(圧縮コイルばね)によって構成されている。第2部材6は、第1部材5とライナ基端部41との間に介在しており、ライナ基端部41の第1端面411を弾性的に押圧する。ライナ押圧機構A3を備えて構成された溶接トーチB1の使用時において、ケーブル1に曲げや捻じりなどの動作が加わるとケーブル1の全長寸法が変動する場合がある。本実施形態のライナ押圧機構A3によれば、第2部材6がケーブル1の全長の変動に追従し、ライナ4の突っ張り状態の変化を吸収することができる。したがって、ケーブル1の全長に変動が生じても、溶接ワイヤの送給性能を維持することができる。また、本実施形態では、第2部材6が圧縮コイルばねにより構成される。このような構成によれば、第2部材6の第1方向Xおける長さの変化を比較的大きく設定することができる。したがって、ケーブル1の全長寸法の変動量が比較的大きい場合でも、ライナ4の突っ張り状態の変化を吸収することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本発明の範囲に包摂される。
A1,A12,A3:ライナ押圧機構、1:ケーブル、2:トーチ本体2、3:給電アダプタ(支持体)、31:第1筒部、311:第1雄ねじ部、4:ライナ、41:ライナ基端部、411:第1端面、44:ライナ先端部、5:第1部材、51:第1雌ねじ部、52:第2雌ねじ部、6:第2部材、61:第2雄ねじ部、62:円筒軸部、7:弾性部材、x:第1方向X
Claims (4)
- 先端部にトーチ本体が接続されたケーブルの基端部に設けられる支持体と、
ライナ基端部およびライナ先端部を有し、前記ライナ先端部が前記トーチ本体の内部に通じるように前記ケーブルに挿通されるライナと、を備え、
前記支持体は、第1方向に延びる第1筒部を有し、
前記ライナ基端部は、前記第1筒部に収容され、且つ前記第1方向の一方側を向く第1端面を有し、
前記第1筒部にねじ接続されており、且つ前記第1筒部に対して前記第1方向に沿って移動可能な筒状の第1部材と、
前記第1部材に対して前記第1方向に移動可能とされ、且つ前記第1端面を前記第1方向の他方側に押圧することが可能な筒状の第2部材と、を備える、ライナ押圧機構。 - 前記第1筒部は、第1雄ねじ部を有し、
前記第1部材は、前記第1雄ねじ部に螺合する第1雌ねじ部を有する、請求項1に記載のライナ押圧機構。 - 前記第1部材は、前記第1雌ねじ部に対して前記第1方向の一方側に位置する第2雌ねじ部を有し、
前記第2部材は、前記第2雌ねじ部に螺合する第2雄ねじ部と、前記第2雄ねじ部に対して前記第1方向の他方側に位置する円筒軸部と、を有し、
前記円筒軸部は、前記第1筒部に内挿されるとともに前記第1端面を押圧し得る、請求項2に記載のライナ押圧機構。 - 前記円筒軸部と前記ライナ基端部との間に介在し、前記第1端面を弾性的に押圧する弾性部材をさらに備える、請求項3に記載のライナ押圧機構。
Priority Applications (1)
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JP2021143730A JP2023037160A (ja) | 2021-09-03 | 2021-09-03 | ライナ押圧機構 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2023037160A true JP2023037160A (ja) | 2023-03-15 |
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ID=85509218
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2023037160A (ja) |
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2021
- 2021-09-03 JP JP2021143730A patent/JP2023037160A/ja active Pending
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