JP2019030897A - 溶接トーチ、および、当該溶接トーチを備えた溶接システム - Google Patents

溶接トーチ、および、当該溶接トーチを備えた溶接システム Download PDF

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Tetsushi Minamoto
徹志 源元
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Abstract

【課題】溶接ワイヤとライナの摩擦により発生する削れ粉の付着を抑制することができる溶接トーチを提供する。
【解決手段】トーチ本体40と、長手筒状とされており、先端部にトーチ本体40が取り付けられたコンジットケーブル20と、コンジットケーブル20に内挿され、先端部がトーチ本体40に取り付けられており、溶接ワイヤWを案内するためのライナ30とを備えている溶接トーチ10において、ライナ30は、合成樹脂に炭素系材料を添加した樹脂材料からなるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶接トーチ、および、当該溶接トーチを備えた溶接システムに関する。
消耗電極式の溶接システムが知られている。消耗電極式の溶接システムには、溶接ロボットや走行台車を用いた自動溶接システムや、作業者が操作する半自動溶接システムなどがある。これらの溶接システムは、アークを発生させて溶接を行う溶接トーチ、溶接トーチに電力を供給する溶接電源装置、および、溶接トーチに溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置を備えている。
溶接トーチは、トーチ本体およびコンジットケーブルを備えている。コンジットケーブルは、筒状導体部に絶縁体が被覆された構成を有し、筒状導体部は多数の金属細線の撚り線構造とされている。コンジットケーブルの基端部はワイヤ送給装置側に取り付けられ、コンジットケーブルの先端部には、トーチ本体が取り付けられる。なお、トーチ本体とコンジットケーブルとを区別して呼称する場合もあり、この場合、トーチ本体が「溶接トーチ」と呼ばれるが、本明細書では、トーチ本体とコンジットケーブルとを合わせたものを「溶接トーチ」と呼んでいる。また、溶接トーチは、ライナを備えている。ライナは、コンジットケーブルに内挿されて、ワイヤ送給装置から送り出された溶接ワイヤをトーチ本体に案内する。溶接トーチの一例が、特許文献1に開示されている。
図7は、溶接トーチの一例を示す部分断面図である。図に示すように、溶接トーチ100は、トーチ本体40、コンジットケーブル20、およびライナ300を備えている。
ライナ300は、ワイヤ送給装置から送り出された溶接ワイヤを案内するものであり、コンジットケーブル20に内挿されている。ライナ300の基端部は、コンジットケーブル20の基端部に取り付けられている。ライナ300の先端部は、トーチ本体40の内部に挿入されて、取り付けられている。また、トーチ本体40内部には、ライナ300の先端部からトーチ本体40の先端部まで溶接ワイヤを案内するインナライナ440が備えられている。ライナ300は、たとえばポリエチレン樹脂からなる。また、インナライナ440は、アークによる高温に耐えられるように、金属線材をコイル状に巻回して構成されたコイルライナが用いられている。
ライナ300内では、溶接ワイヤとライナ300の内壁との摩擦により、溶接ワイヤの削れ粉やライナ300の内壁の削れ粉が発生する。特に、ライナ300の内壁の削れ粉は、粒子が比較的大きくなるので、排出されにくく、ライナ300の内部にとどまりやすい。これらの削れ粉は、溶接ワイヤに付着している油分によって固形物となってライナ300の内壁に付着する。堆積した削れ粉によって溶接ワイヤの送給抵抗が大きくなると、溶接不良が発生する場合がある。また、インナライナ440内でも、金属であるインナライナ440の内壁に接触することで、溶接ワイヤの削れ粉が発生する。特に、トーチボディ41の屈曲部分で発生しやすい。ライナ300およびインナライナ440の内径は、溶接ワイヤとの接触を減らすために、また、堆積した削れ粉によって送給抵抗が増加することを抑制するために、空間に余裕を持たせた大きさとしている。しかし、この空間により溶接ワイヤが座屈しやすいという問題も生じている。
特開2016−87628号公報
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、溶接ワイヤとライナの摩擦により発生する削れ粉の付着を抑制することができる溶接トーチを提供することをその課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
本発明の第1の側面によって提供される溶接トーチは、トーチ本体と、長手筒状とされており、先端部に前記トーチ本体が取り付けられたコンジットケーブルと、前記コンジットケーブルに内挿され、先端部が前記トーチ本体に取り付けられており、溶接ワイヤを案内するためのライナとを備えており、前記ライナは、合成樹脂に炭素系材料を添加した樹脂材料からなることを特徴とする。この構成によると、ライナが合成樹脂に炭素系材料を添加した樹脂材料からなるので、ライナの削れ粉は、粒子が比較的小さくなる。よって、ライナの削れ粉は、排出されやすくなるので、ライナの内部にとどまりにくい。したがって、ライナの内壁にライナの削れ粉が付着することを抑制できる。
好ましい実施の形態においては、前記合成樹脂はナイロンである。この構成によると、ライナの削れ粉の粒子を比較的小さいものとすることができる。
好ましい実施の形態においては、前記樹脂材料における前記炭素系材料の添加割合は、5〜20質量%である。この構成によると、ライナの削れ粉の粒子を比較的小さいものとすることができ、かつ、ライナが脆くなりすぎないようにすることができる。
好ましい実施の形態においては、前記ライナに前記溶接ワイヤを内挿したときの空間率が45〜60%である。この構成によると、ライナ内での溶接ワイヤの座屈を抑制することができる。
好ましい実施の形態においては、前記トーチ本体は、前記トーチ本体の内部に配置され、前記溶接ワイヤを前記トーチ本体の先端部に案内するためのインナライナを備えており、前記インナライナは、前記樹脂材料からなる。この構成によると、インナライナを従来の合成樹脂製とした場合と比べて、インナライナの削れ粉は、粒子が比較的小さくなる。よって、インナライナの削れ粉は、排出されやすくなる。また、インナライナを従来のコイルライナとした場合と比べて、溶接ワイヤの削れ粉の発生が減少する。したがって、インナライナの内壁に削れ粉が付着することを抑制できる。
好ましい実施の形態においては、前記トーチ本体は、前記トーチ本体の先端部に配置され、前記溶接ワイヤに接触して電流を通電する給電チップと、前記インナライナの先端部と前記給電チップとの間に配置されるアダプタとをさらに備えている。この構成によると、給電チップの熱がインナライナに伝わることを抑制できる。
好ましい実施の形態においては、前記ライナの先端部は、前記トーチ本体の先端部に取り付けられている。この構成によると、ライナとは別にインナライナを配置する場合と比べて、構造および製造工程をより簡易にすることができる。
好ましい実施の形態においては、前記トーチ本体は、前記トーチ本体の先端部に配置され、前記溶接ワイヤに接触して電流を通電する給電チップと、前記ライナの先端部と前記給電チップとの間に配置されるアダプタとをさらに備えている。この構成によると、給電チップの熱がライナに伝わることを抑制できる。
本発明の第2の側面によって提供される溶接システムは、本発明の第1の側面によって提供される溶接トーチと、前記溶接トーチの前記コンジットケーブルの基端部が取り付けられたワイヤ送給装置とを備えており、前記ワイヤ送給装置は、前記溶接ワイヤを導くガイドを備えており、前記ガイドは、前記樹脂材料からなることを特徴とする。この構成によると、ガイドの削れ粉は、粒子が比較的小さくなる。また、削れ粉の発生を抑制できる。したがって、ガイドの内壁に削れ粉が付着することを抑制できる。また、下流側に配置されるライナおよびインナライナの内壁に削れ粉が付着することも抑制できる。
本発明によると、ライナが合成樹脂に炭素系材料を添加した樹脂材料からなるので、ライナの削れ粉は、粒子が比較的小さくなる。よって、ライナの削れ粉は、排出されやすくなるので、ライナの内部にとどまりにくい。したがって、ライナの内壁にライナの削れ粉が付着することを抑制できる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に係る溶接システムの全体構成を示す概要図である。 本発明の第1実施形態に係る溶接トーチの部分断面図である。 ワイヤの外径とライナの内径との関係を示す表である。 本発明の第1実施形態に係るワイヤ送給装置の内部構成を示す図である。 溶接トーチの変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接トーチの部分断面図である。 溶接トーチの一例を示す部分断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る溶接トーチを備える溶接システムの全体構成を示す概要図である。
図1に示すように、溶接システムは、溶接トーチ10、ワイヤ送給装置50および溶接電源装置60を備えている。溶接電源装置60は、アーク溶接のための電力を溶接トーチ10に供給するものである。溶接電源装置60は、電力系統Pから入力される三相交流電力をアーク溶接に適した電力に変換して出力する。ワイヤ送給装置50は、溶接ワイヤWを溶接トーチ10に送給するものである。溶接ワイヤWは、たとえばアルミニウムやアルミニウム合金からなる。なお、溶接ワイヤWの材質は限定されない。溶接ワイヤWは、溶接トーチ10の内部を通って、溶接トーチ10の先端に導かれる。当該溶接システムは、溶接時にシールドガスを用いる。ガスボンベGのシールドガスは、ワイヤ送給装置50を介して、溶接トーチ10の先端に供給される。
溶接トーチ10は、溶接電源装置60から供給される溶接電力によってアークを発生させて溶接を行う。溶接トーチ10は、自動溶接システムの場合、溶接ロボットや走行台車に取り付けられ、半自動溶接の場合、作業者に把持されて操作される。
図2は、溶接トーチ10の部分断面図である。図2に示すように、溶接トーチ10は、コンジットケーブル20、ライナ30およびトーチ本体40を備えている。
コンジットケーブル20は、ワイヤ送給装置50(図1参照)から送り出された溶接ワイヤWをトーチ本体40に導くものであり、全体として長手筒状とされている。溶接トーチ10を自動溶接に用いる場合において、コンジットケーブル20の長さは比較的に長くされる。図2では中間部を省略しているが、コンジットケーブル20の全長は、たとえば2m〜30m程度である。
コンジットケーブル20は、ケーブル本体21、ホルダ22,23、および接続部材24を備えている。ケーブル本体21は、筒状導体部が絶縁カバーによって被覆された構成を有し、筒状導体部は多数の金属細線の撚り線構造とされている。接続部材24は、ケーブル本体21の一方の端部(基端部)に連結固定されている。接続部材24は、ホルダ22によって保持されている。接続部材24は、本発明でいう「コンジットケーブルの基端部」に相当する部分である。接続部材24は、概略円筒状とされており、後述するライナ30の一方の端部(基端部)を支持している。接続部材24は、ワイヤ送給装置50に設けられた、溶接ワイヤWを送出する筒状の送出口に接続されている。ホルダ23は、ケーブル本体21の他方の端部(先端部)に設けられており、トーチ本体40を保持している。なお、コンジットケーブル20は、トーチ本体40へ電力およびシールドガスを供給する役割も担う。コンジットケーブル20の適所には、シールドガスを供給するためのホース、ならびに、電力供給用、スイッチ用、および制御用の各ケーブルが連結されている。
ライナ30は、可撓性を有し、長手筒状とされ、ワイヤ送給装置50から送り出される溶接ワイヤWをトーチ本体40まで案内するものであり、コンジットケーブル20に内挿されている。ライナ30の基端部は、コンジットケーブル20の基端部の接続部材24に取り付けられている。また、ライナ30の先端部は、トーチ本体40の内部に挿入されて、取り付けられている。詳細な図示説明は省略するが、ケーブル本体21とライナ30との間の空間はシールドガスを流すための通路として機能する。
本実施形態において、ライナ30は、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。ナイロンの例としては、たとえば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、および、これらの共重合体などのポリアミド系樹脂があげられる。また、炭素系材料の例としては、たとえば、グラフェン、グラファイト、フラーレン、カーボンブラックなどがあげられる。
また、本実施形態において、ライナ30の内径は、ライナ30に溶接ワイヤWを内挿したときに占める空間の割合である空間率が45〜60%となるように設定される。空間率は、ライナ30の延びる方向に直交する断面における内側の空間の断面積と、溶接ワイヤWの延びる方向に直交する断面積とから算出される。具体的には、ライナ30および溶接ワイヤWの断面を真円とした場合、ライナ30の内径をd1、溶接ワイヤWの外径をd2とすると、空間率Rは、下記(1)式によって算出される。
R=(d12−d22)/d12 ・・・・ (1)
図3は、溶接ワイヤWの外径とライナ30の内径との関係を示す表である。左の欄は、使用される溶接ワイヤWの外径を示している。中央の欄は、左の欄の外径の溶接ワイヤWに適するライナ30の内径を示している。右の欄は、左の欄の溶接ワイヤWの外径と中央の欄のライナ30の内径とから上記(1)式により算出した空間率を示している。たとえば、外径が1.2mmの溶接ワイヤWを使用いる場合は、内径が1.8mmのライナ30を使用するようになっている。ポリエチレン樹脂からなるライナ300(図7参照)の場合、溶接ワイヤWとの接触を減らすために、また、堆積した削れ粉によって送給抵抗が増加することを抑制するために、外径が1.2mmの溶接ワイヤWに対して、内径が2.5mm(空間率77%)のものを使用していた。これと比べると、空間率を大幅に削減している。なお、溶接ワイヤWの外径に対して用いるライナ30の内径は、図3に示す表に限定されるものではないが、空間率が45〜60%となるライナ30を用いるのが望ましい。より好ましくは、空間率は54〜58%とするのが望ましい。なお、溶接ワイヤWが比較的軟らかい軟質アルミニウムのワイヤである場合、空間率がより小さくてもよい。この場合、空間率が40〜55%となるライナ30を用いるのが望ましい。
トーチ本体40は、コンジットケーブル20(ケーブル本体21)の先端部に取り付けられている。トーチ本体40は、トーチボディ41、ノズル42、給電チップ43、およびインナライナ44を備えている。
トーチボディ41は、金属製の筒状の部材であり、溶接ワイヤWが挿通されたインナライナ44が、内部に配置されている。トーチボディ41の先端には、ノズル42が取り付けられている。本実施形態では、トーチボディ41は、被加工物に対してノズル42を向けやすいように、湾曲部分を有している。給電チップ43は、金属製の部材であって、トーチ本体40の先端部に配置されている。給電チップ43は、溶接ワイヤWを挿通するための挿通孔が形成されており、当該挿通孔を通過する溶接ワイヤWに接触して、溶接用の電流を通電する。給電チップ43は、トーチボディ41とは電気的に絶縁されている。
インナライナ44は、長手筒状とされ、トーチボディ41に内挿されて、ライナ30の先端部からトーチ本体40の先端部まで溶接ワイヤWを案内するものである。ライナ30の先端部は、トーチボディ41の基端部に挿入されて取り付けられている。インナライナ44の基端部は、ライナ30の先端部の手前で、トーチボディ41の基端部に取り付けられている。また、インナライナ44の先端部は、その先端が給電チップ43の基端に接するようにして、トーチ本体40の先端部に取り付けられている。
本実施形態において、インナライナ44は、ライナ30と同じ樹脂材料からなる。つまり、インナライナ44は、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。また、本実施形態において、インナライナ44の内径は、ライナ30の内径と同じ寸法にされている。つまり、インナライナ44の内径は、空間率が45〜60%となるように設定されている。
図4は、ワイヤ送給装置50の内部構成を示す図である。ワイヤ送給装置50は、送給ロール51、加圧ロール52、インレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、およびアウトレットガイド56を備えている。
送給ロール51は、2つ設けられており、駆動機構によって回転駆動する。加圧ロール52は、各送給ロール51とそれぞれ対をなすように2つ設けられている。各加圧ロール52は、それぞれ対応する送給ロール51との間で溶接ワイヤWを挟み込むように加圧する。これにより、各送給ロール51の回転に応じて、溶接ワイヤWが送り出される。
インレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、およびアウトレットガイド56は、いずれも筒状のガイド部材であって、溶接ワイヤWを導くものである。インレットライナ53は、例えばワイヤリールから溶接ワイヤWをワイヤ送給装置50の挿入口に導く。インレットガイド54は、ワイヤ送給装置50の挿入口から、送給ロール51および加圧ロール52まで、溶接ワイヤWを導く。センタガイド55は、上流側の送給ロール51および加圧ロール52と、下流側の送給ロール51および加圧ロール52との間で、溶接ワイヤWを導く。アウトレットガイド56は、送給ロール51および加圧ロール52によって送り出される溶接ワイヤWを、ワイヤ送給装置50の送出口まで導く。ワイヤ送給装置50の送出口には、溶接トーチ10のコンジットケーブル20の接続部材24が接続されており、溶接ワイヤWは、溶接トーチ10に送り出される。
本実施形態において、インレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、およびアウトレットガイド56は、いずれも、ライナ30と同じ樹脂材料からなり、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。また、本実施形態において、インレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、およびアウトレットガイド56の内径は、ライナ30の内径と同じ寸法であり、空間率が45〜60%となるように設定される。インレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、またはアウトレットガイド56は、本発明でいう「ガイド」に相当する。なお、インレットガイド54およびセンタガイド55は、ジュラコン樹脂(登録商標)などのポリアセタール樹脂からなる従来のものでも、削り粉があまり発生しないので、従来のものを用いるようにしてもよい。
次に、上記した実施形態に係る溶接システムの作用について説明する。
本実施形態によると、溶接トーチ10のライナ30は、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。ライナ30は、ポリエチレン樹脂からなるライナ300(図7参照)に比べて硬く、細かく削れやすいので、溶接ワイヤWとライナ30の内壁との摩擦によって発生するライナ30の削れ粉は、粒子が比較的小さくなる。よって、ライナ30の削れ粉は、排出されやすくなるので、ライナ30の内部にとどまりにくい。また、ライナ30はライナ300に比べて、摩擦抵抗が小さい。よって、溶接ワイヤWとライナ30の内壁との摩擦が減少するので、溶接ワイヤWおよびライナ30の内壁の削れ粉の発生が減少する。したがって、ライナ30の内壁に削れ粉が付着することを抑制できる。これにより、溶接ワイヤWの送給抵抗が大きくなることを抑制でき、溶接不良を削減できる。また、ライナ30の清掃の頻度を少なくすることも可能である。
また、本実施形態によると、溶接トーチ10のインナライナ44も、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。インナライナ44は、コイルライナであるインナライナ440(図7参照)に比べて摩擦抵抗が小さい。よって、溶接ワイヤWとインナライナ44の内壁との摩擦が減少するので、溶接ワイヤWの削れ粉の発生が減少する。したがって、インナライナ44の内壁に削れ粉が付着することを抑制できる。これにより、溶接ワイヤWの送給抵抗が大きくなることを抑制でき、溶接不良を削減できる。また、インナライナ44の清掃の頻度を少なくすることも可能である。インナライナ44は、ポリエチレン樹脂からなるライナ300(図7参照)に比べて耐熱性が高いので、コイルライナの代わりに、アークにより高温になるトーチボディ41に配置することができる。また、インナライナ44は、電気を通さないので、コイルライナのように給電チップ43との間で絶縁する必要がなく、給電チップ43に接するように配置することができる。
本実施形態によると、ワイヤ送給装置50のインレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、およびアウトレットガイド56(以下では、これらをまとめて「インレットライナ53等」とする。)も、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。したがって、ライナ30と同様に、インレットライナ53等の削れ粉は、粒子が比較的小さくなる。また、削れ粉の発生を抑制できる。したがって、インレットライナ53等の内壁に削れ粉が付着することを抑制できる。また、下流側に配置されるライナ30およびインナライナ44の内壁に削れ粉が付着することも抑制できる。これにより、溶接ワイヤWの送給抵抗が大きくなることを抑制でき、溶接不良を削減できる。また、清掃の頻度を少なくすることも可能である。
本実施形態によると、ライナ30、インナライナ44、インレットライナ53、インレットガイド54、センタガイド55、およびアウトレットガイド56(以下では、これらをまとめて「ライナ30等」とする。)の内径は、空間率が45〜60%となるように設定される。上述したように、溶接ワイヤWとライナ30等との摩擦による削れ粉の発生を減少できるので、空間率を比較的小さく設定することが可能になっている。空間率の小さいライナ30等を用いることにより、ライナ30等内での溶接ワイヤWの座屈を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、ライナ30の材料を、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料とした場合について説明したが、これに限られない。樹脂材料における炭素系材料の添加割合は限定されない。ただし、炭素系材料の添加による機能が発揮でき、かつ、脆くなりすぎないように、5〜20重量%とするのが望ましい。また、ナイロンに代えて、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの他の合成樹脂を用いるようにしてもよい。
本実施形態においては、インナライナ44と給電チップ43とが接する場合について説明したが、これに限られない。溶接時の高熱からインナライナ44を保護するため、図5に示すように、インナライナ44と給電チップ43との間に、アダプタ45を配置するようにしてもよい。アダプタ45は、ステンレス製の筒状の部材であり、溶接ワイヤWが挿通される。アダプタ45の基端はインナライナ44の先端に接し、アダプタ45の先端は給電チップ43の基端に接しており、給電チップ43の熱がインナライナ44に伝わることを抑制する。アダプタ45は、ステンレス製に限定されないが、熱伝導率が低く、電気伝導率も低いものが望ましい。たとえば、チタンなどの金属や、セラミックなどでもよい。
図6は、本発明の第2実施形態に係る溶接トーチ11の部分断面図である。図6において、第1実施形態に係る溶接トーチ10(図2参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図6に示すように、溶接トーチ11は、ライナ30およびインナライナ44に代えて、ライナ31を備えている点で、第1実施形態に係る溶接トーチ10と異なる。
ライナ31は、ライナ30およびインナライナ44を繋げて1つにしたものに相当し、材質および内径はライナ30およびインナライナ44と同じである。つまり、第1実施形態において、インナライナ44をなくして、ライナ30の先端をトーチ本体40の先端部まで延長したものと考えることもできる。ライナ31は、ナイロンに炭素系材料を10質量%程度添加した樹脂材料からなる。また、ライナ31の内径は、ライナ31に溶接ワイヤWを内挿したときの空間率が45〜60%となるように設定される。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第1実施形態に係るライナ30およびインナライナ44のように部材が分かれていないので、構造及び製造工程をより簡易にすることができる。第2実施形態においても、第1実施形態の変形例(図5参照)と同様にして、ライナ31と給電チップ43との間に、アダプタ45を配置するようにしてもよい。この場合、給電チップ43の熱がライナ31に伝わることを抑制できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本発明の範囲に包摂される。
10,11 溶接トーチ
20 コンジットケーブル
21 ケーブル本体
22,23 ホルダ
24 接続部材
30,31 ライナ
40 トーチ本体
41 トーチボディ
42 ノズル
43 給電チップ
44 インナライナ
45 アダプタ
50 ワイヤ送給装置
51 送給ロール
52 加圧ロール
53 インレットライナ
54 インレットガイド
55 センタガイド
56 アウトレットガイド
60 溶接電源装置
W 溶接ワイヤ
P 電力系統
G ガスボンベ

Claims (9)

  1. トーチ本体と、
    長手筒状とされており、先端部に前記トーチ本体が取り付けられたコンジットケーブルと、
    前記コンジットケーブルに内挿され、先端部が前記トーチ本体に取り付けられており、溶接ワイヤを案内するためのライナと、
    を備えており、
    前記ライナは、合成樹脂に炭素系材料を添加した樹脂材料からなる、
    ことを特徴とする溶接トーチ。
  2. 前記合成樹脂はナイロンである、
    請求項1に記載の溶接トーチ。
  3. 前記樹脂材料における前記炭素系材料の添加割合は、5〜20質量%である、
    請求項1または2に記載の溶接トーチ。
  4. 前記ライナに前記溶接ワイヤを内挿したときの空間率が45〜60%である、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接トーチ。
  5. 前記トーチ本体は、前記トーチ本体の内部に配置され、前記溶接ワイヤを前記トーチ本体の先端部に案内するためのインナライナを備えており、
    前記インナライナは、前記樹脂材料からなる、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の溶接トーチ。
  6. 前記トーチ本体は、
    前記トーチ本体の先端部に配置され、前記溶接ワイヤに接触して電流を通電する給電チップと、
    前記インナライナの先端部と前記給電チップとの間に配置されるアダプタと、
    をさらに備えている、
    請求項5に記載の溶接トーチ。
  7. 前記ライナの先端部は、前記トーチ本体の先端部に取り付けられている、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の溶接トーチ。
  8. 前記トーチ本体は、
    前記トーチ本体の先端部に配置され、前記溶接ワイヤに接触して電流を通電する給電チップと、
    前記ライナの先端部と前記給電チップとの間に配置されるアダプタと、
    をさらに備えている、
    請求項7に記載の溶接トーチ。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の溶接トーチと、
    前記溶接トーチの前記コンジットケーブルの基端部が取り付けられたワイヤ送給装置と、
    を備えており、
    前記ワイヤ送給装置は、前記溶接ワイヤを導くガイドを備えており、
    前記ガイドは、前記樹脂材料からなる、
    ことを特徴とする溶接システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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