JPWO2009034829A1 - 速度検出方法とそれを用いたモータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、速度検出の分解能を向上させるため、速度の検出は、図2に示した速度検出装置にて周期測定方式を用いた速度演算によって行っている(例えば、特許文献1参照)。
図2において、1はパルス発生回路であり、位置パルス信号7を出力している。2はカウンタであり、位置パルス信号7のアップ、ダウンを計測する。3は位置レジスタであり、カウンタ2の値を一時記憶する。4はタイマ、5はタイマレジスタであり、位置パルス信号7によってタイマ4の値をラッチする。6は速度演算器であり、リード・イネーブル信号10を発することによって位置レジスタ3から位置パルス値、タイマレジスタ5からラッチされたタイマ値を読み込み、速度を演算する。
Δn(k)=n(k)−n(k−1) (1)
Δt(k)=t(k)−t(k−1) (2)
f(k)=Δn(k)/Δt(k) (3)
図3より分かるように、変化タイマ値Δt(k)は正確にモータが変化パルス値Δn(k)の変位をした時間を表しているので、このように求めたモータの速度はビート現象が生じず精度が高くリップルが小さい。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、高速度領域において、高精度かつ低リップルの速度を検出するとともに、低速度領域においてノイズが多い場合でも、制御性能を劣化させることなく速度を演算することができる速度検出方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の速度検出方法の発明は、位置パルスを出力するパルス発生回路と、前記位置パルスを計数するカウンタと、前記カウンタの値をラッチして位置情報を記憶する位置レジスタと、タイマと、前記タイマの値を前記位置パルスのアップダウンによって記憶するタイマレジスタと、リード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから位置パルス値を、前記タイマレジスタからタイマ値を読み込んで速度を演算する速度演算器と、を備えた速度検出装置を用いた速度検出方法において、
1サンプリング周期の間の変化パルス値が連続的に所定の変化パルス閾値以上となった回数である多パルス連続回数と、前回位置パルス値および前回タイマ値を0とし、
前記速度演算器がリード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから今回位置パルス値を、また前記タイマレジスタから今回タイマ値を読み込み、
前記今回位置パルス値から前記前回位置パルス値を差し引いた値を前記変化パルス値とし、
前記今回タイマ値から前記前回タイマ値を差し引いた値を変化タイマ値とし、
前記変化パルス値を前記変化パルス閾値と比較し、
前記変化パルス値が前記変化パルス閾値以上である場合、前記多パルス連続回数に1を足して新たな多パルス連続回数とし、前記多パルス連続回数を多パルス連続回数閾値と比較し、前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値以上である場合、前記変化パルス値を前記変化タイマ値で除算することで位置パルス周波数を計算し、
前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値より小さい場合、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、
前記変化パルス値が前記変化パルス閾値より小さい場合、前記多パルス連続回数を0とし、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、
前記前回位置パルス値を前記今回位置パルス値とし、前記前回タイマ値を前記今回タイマ値とする、
という手順で速度演算処理をすることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の速度検出方法において、前記変化パルス閾値を、2以上の自然数とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の速度検出方法において、前記多パルス連続回数閾値を、1以上の自然数とするものである。
1サンプリング周期の間の変化パルス値が連続的に所定の変化パルス閾値以上となった回数である多パルス連続回数と、前回位置パルス値および前回タイマ値を0とし、前記速度演算器がリード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから今回位置パルス値を、また前記タイマレジスタから今回タイマ値を読み込み、前記今回位置パルス値から前記前回位置パルス値を差し引いた値を前記変化パルス値とし、前記今回タイマ値から前記前回タイマ値を差し引いた値を変化タイマ値とし、前記変化パルス値を前記変化パルス閾値と比較し、前記変化パルス値が前記変化パルス閾値以上である場合、前記多パルス連続回数に1を足して新たな多パルス連続回数とし、前記多パルス連続回数を多パルス連続回数閾値と比較し、前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値以上である場合、前記変化パルス値を前記変化タイマ値で除算することで位置パルス周波数を計算し、前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値より小さい場合、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、前記変化パルス値が前記変化パルス閾値より小さい場合、前記多パルス連続回数を0とし、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、前記前回位置パルス値を前記今回位置パルス値とし、前記前回タイマ値を前記今回タイマ値とする、速度演算器を備えたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のモータ制御装置において、前記変化パルス閾値を、2以上の自然数とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項4記載のモータ制御装置において、前記多パルス連続回数閾値を、1以上の自然数とするものである。
このように高速度、中速度および低速度の各運転領域によって、速度検出方式を選択的に切り替えることによって、より高精度で低リップルかつ高性能なモータ制御装置を提供することが可能となる。
2 カウンタ
3 位置レジスタ
4 タイマ
5 タイマレジスタ
6 速度演算器
7 位置パルス信号
8 カウンタ値
9 位置レジスタの出力値
10 リード・イネーブル信号
11 タイマ値
12 タイマレジスタの出力値
はじめにステップ1で初期化処理を行うため、変化パルス値が連続的に変化パルス閾値nm(2以上の自然数)以上となった回数である多パルス連続回数N、前回位置パルス値n(k−1)および前回タイマ値t(k−1)をすべて0とする。
次に、ステップ2で速度演算器6がリード・イネーブル信号10を発することによって位置レジスタ3から今回位置パルス値n(k)を、またタイマレジスタ5から今回タイマ値t(k)を読み込む。
ステップ3で従来技術と同じく式(1)および式(2)に示すようにして変化パルス値Δn(k)および変化タイマ値Δt(k)を求める。
ステップ4でΔn(k)がnm以上であるかどうか判断し、もしそうであれば、ステップ5に進む。もしそうでなければ、ステップ6に進む。
ステップ5で多パルス連続回数Nに1を足して新たな多パルス連続回数Nとし、ステップ7に進む。
ステップ6では多パルス連続回数Nを0とし、ステップ9に進む。
ステップ7で多パルス連続回数Nが多パルス連続回数閾値Nm以上であるかどうか判断し、もしそうであれば、ステップ8に進む。もしそうでなければ、ステップ9に進む。
ステップ8で式(3)のように変化パルス値Δn(k)を変化タイマ値Δt(k)で除算することで位置パルス周波数f(k)を計算してモータの速度を求める。
また、ステップ9で式(4)のように変化パルス値Δn(k)をサンプリング周期Tで除算することで位置パルス周波数f(k)を計算してモータの速度を求める。
f(k)=Δn(k)/T (4)
最後に、ステップ10で前回位置パルス値n(k−1)を今回位置パルス値n(k)とし、前回タイマ値t(k−1)を今回タイマ値t(k)とし、ステップ2に戻る。
すなわち、高速度運転時(1サンプリング周期の間の実際の変位量が常にnmパルス以上である場合)は、周期測定方式を用いて速度を検出しているので、ビート現象が起こらず検出速度の精度が高くリップルも小さい。
図4は横軸をサンプリング周期Tで基準化した時間軸、縦軸をサンプリング周期T当りのパルス数(Δn(k)/Tに相当)で基準化した値で表した検出速度のシミュレーション結果を示すものである。周期測定方式(長い点線)の速度リップルは、パルス計数方式(短い点線)の場合と比較して1/10以下に抑えられており大幅に低下している。
また、nmの大きさはノイズ環境によって決まる。ノイズが少ない場合には、低速運転でも速度演算の精度を高くかつリップルを小さくするために、nmをできるだけ小さく設定した方が良い。
仮に演算方式の切り替えがなく常にパルス計数方式を用いて速度を検出するものとすれば、変化パルス値がnmとなる際に演算した速度VHighは実際の速度VMotorより大きく、変化パルス値が(nm−1)となる際に演算した速度VLowは実際の速度より小さいが、検出速度の平均値VAveは実際の速度VMotorと等しい。
本発明の速度検出方式では、多パルス連続回数Nが多パルス連続回数閾値Nm以上である場合には、周期測定方式を用いて速度を検出するので、その検出速度はその時点の実際の速度VMotorと等しいが、パルス計数方式を用いて演算した値VHighより小さな値となるので、検出速度の平均値VAveは実際の速度VMotorより小さくなる。
中速度運転時におけるこのような誤差の問題は、多パルス連続回数閾値Nmを大きくすることでその影響を減らすことができる。すなわち、Nmを大きくした場合、一定時間内で周期測定方式を用いた回数が減るので、検出速度の平均値と実際の速度との誤差も小さくなる。ただし、Nmを大きくした場合は、パルス計数方式固有の問題であるビートによる脈動が大きくなるので、Nmの値は誤差と脈動のトレードオフを考慮して要求される駆動系の特性に合わせて決定する必要がある。
図6は中速度運転時において、検出速度がパルス計数方式と周期測定方式とで交互に切り替わっている状況をシミュレーションよって示したものである。長い点線が本発明の速度検出方式での検出速度であり、短い点線は比較のためパルス計数方式による検出速度を示している。また、一点鎖線は本発明での検出速度を、ローパスフィルタを通して見た平均値を示している。なお、図6では、nm=2、Nm=2である。
本シミュレーション結果より、周期測定方式に切り替わっている間は、その検出速度の値は実際の速度にほぼ等しくなるが、パルス計数方式による検出値を含めた検出速度全体の平均値は実際の速度より低目の値となっている。
また、図7はシミュレーション条件においてnm=2とし、Nmを2から4に変更した場合を示しており、この場合、上述したように一定時間内で周期測定方式を用いる回数が減るので、実際の速度(実線)に対する検出速度の平均値のずれは、図6の場合より小さくなっていることが分かる。
Claims (6)
- 位置パルスを出力するパルス発生回路と、前記位置パルスを計数するカウンタと、前記カウンタの値をラッチして位置情報を記憶する位置レジスタと、タイマと、前記タイマの値を前記位置パルスのアップダウンによって記憶するタイマレジスタと、リード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから位置パルス値を、前記タイマレジスタからタイマ値を読み込んで速度を演算する速度演算器と、を備えた速度検出装置を用いた速度検出方法において、
1サンプリング周期の間の変化パルス値が連続的に所定の変化パルス閾値以上となった回数である多パルス連続回数と、前回位置パルス値および前回タイマ値を0とし、
前記速度演算器がリード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから今回位置パルス値を、また前記タイマレジスタから今回タイマ値を読み込み、
前記今回位置パルス値から前記前回位置パルス値を差し引いた値を前記変化パルス値とし、
前記今回タイマ値から前記前回タイマ値を差し引いた値を変化タイマ値とし、
前記変化パルス値を前記変化パルス閾値と比較し、
前記変化パルス値が前記変化パルス閾値以上である場合、前記多パルス連続回数に1を足して新たな多パルス連続回数とし、前記多パルス連続回数を多パルス連続回数閾値と比較し、前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値以上である場合、前記変化パルス値を前記変化タイマ値で除算することで位置パルス周波数を計算し、
前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値より小さい場合、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、
前記変化パルス値が前記変化パルス閾値より小さい場合、前記多パルス連続回数を0とし、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、
前記前回位置パルス値を前記今回位置パルス値とし、前記前回タイマ値を前記今回タイマ値とする、
という手順で速度演算処理をすることを特徴とする速度検出方法。 - 前記変化パルス閾値を、2以上の自然数とすることを特徴とする請求項1記載の速度検出方法。
- 前記多パルス連続回数閾値を、1以上の自然数とすることを特徴とする請求項1記載の速度検出方法。
- 位置パルスを出力するパルス発生回路と、前記位置パルスを計数するカウンタと、前記カウンタの値をラッチして位置情報を記憶する位置レジスタと、タイマと、前記タイマの値を前記位置パルスのアップダウンによって記憶するタイマレジスタと、リード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから位置パルス値を、前記タイマレジスタからタイマ値を読み込んで速度を演算する速度演算器と、を備えたモータ制御装置において、
1サンプリング周期の間の変化パルス値が連続的に所定の変化パルス閾値以上となった回数である多パルス連続回数と、前回位置パルス値および前回タイマ値を0とし、前記速度演算器がリード・イネーブル信号を発することによって前記位置レジスタから今回位置パルス値を、また前記タイマレジスタから今回タイマ値を読み込み、前記今回位置パルス値から前記前回位置パルス値を差し引いた値を前記変化パルス値とし、前記今回タイマ値から前記前回タイマ値を差し引いた値を変化タイマ値とし、前記変化パルス値を前記変化パルス閾値と比較し、前記変化パルス値が前記変化パルス閾値以上である場合、前記多パルス連続回数に1を足して新たな多パルス連続回数とし、前記多パルス連続回数を多パルス連続回数閾値と比較し、前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値以上である場合、前記変化パルス値を前記変化タイマ値で除算することで位置パルス周波数を計算し、前記多パルス連続回数が前記多パルス連続回数閾値より小さい場合、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、前記変化パルス値が前記変化パルス閾値より小さい場合、前記多パルス連続回数を0とし、前記変化パルス値を前記サンプリング周期で除算することで位置パルス周波数を計算し、前記前回位置パルス値を前記今回位置パルス値とし、前記前回タイマ値を前記今回タイマ値とする、速度演算器を備えたことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記変化パルス閾値を、2以上の自然数とすることを特徴とする請求項4記載のモータ制御装置。
- 前記多パルス連続回数閾値を、1以上の自然数とすることを特徴とする請求項4記載のモータ制御装置。
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