JPWO2009028136A1 - 蛍光観察装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定できる蛍光観察装置に関する。蛍光観察装置は、可視照明光を照射する照明光源と、励起光を照射する励起光源と、赤外光を照射する赤外光源と、観察領域からの反射光を可視光成分および蛍光成分を含む第一の分離光と赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する光分離手段と、第一の分離光から励起光成分を除去する励起光除去手段と、励起光成分を除去された第一の分離光を撮像する第一の撮像手段と、第二の分離光を撮像する第二の撮像手段と、第一の撮像手段および第二の撮像手段により撮像された画像を一の画像に合成する画像合成手段とを有する。蛍光観察装置は、赤外光像から血管の位置を特定し、可視光蛍光像から血液中の光感受性物質由来の蛍光成分を除去することで、病変領域の位置や範囲を正確に特定する。

Description

本発明は、生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置に関する。
脳腫瘍や肺癌などの重要臓器に発生した病変領域の位置や範囲を特定することは、単に病変領域を治療するだけでなく、重要臓器の機能をできるだけ温存して治療後の生活の質を向上させるために非常に重要である。特に手術中や内視鏡治療中にリアルタイムで病変領域の位置や範囲を知ることは、的確な治療に繋がり、治療効果を向上させることができる。
病変領域の位置や範囲を特定するために、病変領域からの蛍光を検出する診断装置が開発されている。例えば、病変領域に集積した光感受性物質からの蛍光を内視鏡を介して検出する蛍光観察装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。腫瘍親和性の光感受性物質を生体内に静脈投与すると、投与された光感受性物質は腫瘍組織に特異的に集積する。特許文献1の蛍光観察装置は、この腫瘍組織に集積した光感受性物質からの蛍光を検出することで、腫瘍組織を特定することができる。
一方、注射針や採血針の穿刺位置を決定するために、赤外光を用いて皮膚の上から血管の位置を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平8−224209号公報 特許第3663598号公報 特開2004−237051号公報
しかしながら、従来の蛍光観察装置には、病変領域以外からの蛍光も同時に検出してしまうため、病変領域の位置や範囲を明確に特定することができないという問題がある。
すなわち、従来の蛍光観察装置は、血液中に存在する光感受性物質からの蛍光も検出してしまうため、病変領域周辺の血管も含めた領域を病変領域と誤って特定してしまう可能性があるのである。このように、従来の蛍光観察装置では、病変領域の位置や範囲を正確に判断することが困難であった。
本発明の目的は、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる蛍光観察装置を提供することである。
本発明者は、光感受性物質が発する蛍光だけでなく、血液(赤血球のヘモグロビン)による赤外光の吸収も検出し、前記蛍光から得られる情報と前記赤外光から得られる情報とを組み合わせることにより、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の蛍光観察装置に関する。
[1]生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置であって、可視光を所望の観察領域に照射する照明光源と、ポルフィリン系光感受性物質またはクロリン系光感受性物質を励起して蛍光を発生させる励起光を前記観察領域に照射する励起光源と、赤外光を前記観察領域に照射する赤外光源と、前記観察領域からの反射光を、可視光成分および前記蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する光分離手段と、前記第一の分離光から励起光成分を除去する励起光除去手段と、前記励起光成分を除去された第一の分離光を撮像する第一の撮像手段と、前記第二の分離光を撮像する第二の撮像手段と、前記第一の撮像手段により撮像された画像と前記第二の撮像手段により撮像された画像を一の画像に合成する画像合成手段と、を有する蛍光観察装置。
[2]前記第一の撮像手段は、前記励起光成分を除去された第一の分離光を、前記蛍光成分を含む第三の分離光と、前記可視光成分を含む第四の分離光とに分離する第二の光分離手段と、前記第三の分離光を撮像する蛍光撮像手段と、前記第四の分離光を撮像する可視光撮像手段と、を有する、[1]に記載の蛍光観察装置。
[3]前記可視光は、概ね380〜660nmの範囲内の波長の光であり、前記励起光は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光であり、前記赤外光は、概ね800〜1200nmの範囲内の波長の光である、[1]または[2]に記載の蛍光観察装置。
[4]前記光分離手段は、700nm以下の波長の光を含む光を第一の分離光として分離し、800nm以上の波長帯域の光を含む光を第二の分離光として分離する、[3]に記載の蛍光観察装置。
[5]前記励起光は、概ね655〜670nmの範囲内の波長の光である、[3]または[4]に記載の蛍光観察装置。
[6]前記励起光は、半値幅が2nm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[7]前記励起光源は、半導体レーザである、[1]〜[6]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[8]前記赤外光は、概ね800〜960nmの範囲内の波長の光である、[1]〜[7]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[9]前記第一の撮像手段および前記第二の撮像手段は動画を撮像する、[1]〜[8]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[10]前記一の画像は、並列に並べられた前記第一の撮像手段により撮像された画像と前記第二の撮像手段により撮像された画像とを含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[11]前記一の画像は、前記第一の撮像手段により撮像された画像の輝度成分と前記第二の撮像手段により撮像された画像の輝度成分とを足し合わせて合成された画像である、[1]〜[9]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[12]前記第二の光分離手段は、670nm以上の波長の光を含む光を第三の分離光として分離し、660nm以下の波長の光を含む光を第四の分離光として分離する、[2]に記載の蛍光観察装置。
[13]前記蛍光撮像手段は、前記第二の撮像手段および前記可視光撮像手段よりも高感度である、[2]に記載の蛍光観察装置。
本発明により、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。したがって、病変領域を治療する際に本発明の蛍光観察装置を使用すれば、より的確な治療を行うことが可能となり、治療効果を向上させることができる。
可視光、蛍光および赤外光の波長の範囲を示す図 本発明の実施の形態1に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図 酸化ヘモグロビンおよびタラポルフィンナトリウムの光の吸収特性を示す図 ヒトの眼の波長感度特性を示す図 タラポルフィンナトリウムに対する励起光の波長とタラポルフィンナトリウムが発する蛍光の波長との関係を示す図 本発明の実施の形態1に係る蛍光観察装置の画像合成方法の一例を示す図 本発明の実施の形態1に係る蛍光観察装置の画像合成方法の異なる例を示す図 本発明の実施の形態2に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図
本発明の蛍光観察装置は、生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置であって、光感受性物質が発する蛍光を検出して病変領域(および血管)の位置や範囲を示す蛍光像を撮像するだけでなく、血液による赤外光の吸収を検出して血管の位置を示す赤外光像も撮像することを主な特徴とする。
光感受性物質は、励起光を照射されると蛍光を発する蛍光性と、病変領域親和性(例えば、腫瘍親和性)とを有するものであれば特に限定されない。光感受性物質は、例えば、光線力学的治療(Photodynamic Therapy: PDT)などで用いられるポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などである。これらの光感受性物質は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光を照射されると、概ね660〜800nmの範囲内の波長の蛍光を発する。
具体的には、本発明の蛍光観察装置は、照明光源、励起光源、赤外光源、光分離手段、励起光除去手段、第一の撮像手段、第二の撮像手段および画像合成手段を備える。
照明光源は、観察領域の全体像を観察するための可視光を観察領域に照射する。観察領域に照射する可視光は、ユーザが観察領域の全体像を観察しうる波長の光であれば特に限定されないが、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、この蛍光と同じ波長の光を含まないほうが好ましい。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、照明光源は、概ね380〜660nmの範囲内の波長の光を可視光として観察領域に照射すればよい。
励起光源は、光感受性物質を励起するための励起光を観察領域に照射する。観察領域に照射する励起光は、光感受性物質を励起しうる波長の光であれば特に限定されないが、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、この蛍光のピーク波長から離れた波長の光であることが好ましい(後述)。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、励起光源は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光を励起光として観察領域に照射すればよい。後述するように、使用する光感受性物質がクロリン系光感受性物質のタラポルフィンナトリウムの場合は、励起光源は、概ね655〜670nmの範囲内の波長の光を励起光として観察領域に照射することが特に好ましい。また、励起光は、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、その半値幅が2nm以下であることが好ましい(後述)。このような励起光を照射しうる光源としては、例えば半導体レーザが挙げられる。半導体レーザは、出力光の半値幅を2nm以下にできるだけでなく、出力光の波長を温度制御のみで制御できるため、励起光源として好適である。
赤外光源は、観察領域内の血管の位置を特定するための赤外光を観察領域に照射する。観察領域に照射する赤外光は、ヘモグロビンが吸収しうる波長の光であれば特に限定されないが、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、この蛍光と同じ波長の光を含まないほうが好ましく、生体内への深達性を高める観点から、生体組織に対する透過性が高い波長の光であることが好ましい。例えば、赤外光源は、概ね800nm〜1200nmの範囲内の波長の光、好ましくは概ね800nm〜960nmの範囲内の波長の光を赤外光として観察領域に照射すればよい。
光分離手段は、可視光、励起光および赤外光を照射した観察領域からの反射光(光感受性物質が発した蛍光を含む)を、可視光成分および光感受性物質が発した蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する。第一の分離光は、観察領域内の病変領域の位置や範囲を特定するための光である。一方、第二の分離光は、観察領域内の血管の位置を特定するための光である。第一の分離光と第二の分離光とを分離する際の分離境界の波長は、使用する光感受性物質などに応じて適宜設定することができる。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、光分離手段は、700nm以下の波長の光を含む光を第一の分離光として分離し、800nm以上の波長帯域の光を含む光を第二の分離光として分離すればよい。この場合、光分離手段は、700〜800nmの範囲内の任意の波長を第一の分離光と第二の分離光とを分離する際の分離境界とすることができる。光分離手段は、例えばホットミラーやコールドミラーなどのビームスプリッタである。
励起光除去手段は、光分離手段で分離された第一の分離光から励起光成分を除去する。励起光成分が除去された第一の分離光は、主に可視光成分および蛍光成分から構成される。励起光除去手段は、例えば励起光のみを減衰させるノッチフィルタである。
第一の撮像手段は、励起光成分が除去された第一の分離光から可視光像および蛍光像(可視光蛍光像)を撮像する。このとき、第一の撮像手段は、リアルタイムに可視光像および蛍光像(可視光蛍光像)を得るために動画で撮像することが好ましい。第一の撮像手段は、観察領域の全体像を示す可視光像と生体内の光感受性物質が発した蛍光の分布を示す蛍光像との重畳画像(可視光蛍光像)を撮像してもよいし(実施の形態1参照)、可視光像と蛍光像とを別個に撮像してもよい(実施の形態2参照)。第一の撮像手段により撮像された可視光像および蛍光像(可視光蛍光像)は、観察領域内の病変領域の位置や範囲を特定するのに使用されうる。第一の撮像手段が可視光像と蛍光像との重畳画像(可視光蛍光像)を撮像する場合、第一の撮像手段は、例えばCCDカメラである。
一方、第一の撮像手段が可視光像と蛍光像とを別個に撮像する場合、第一の撮像手段は、例えば、第二の光分離手段、蛍光撮像手段および可視光撮像手段を有する。
第二の光分離手段は、励起光成分が除去された第一の分離光を、光感受性物質が発した蛍光成分を含む第三の分離光と、可視光成分を含む第四の分離光とに分離する。第三の分離光と第四の分離光とを分離する際の分離境界の波長は、使用する光感受性物質などに応じて適宜設定することができる。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、第二の光分離手段は、660nm以下の波長の光を含む光を第三の分離光として分離し、670nm以上の波長帯域の光を含む光を第四の分離光として分離すればよい。この場合、第二の光分離手段は、660〜670nmの範囲内の任意の波長を第三の分離光と第四の分離光とを分離する際の分離境界とすることができる。第二の光分離手段は、例えば蛍光成分のみを反射させる反射型バンドパスフィルタである。
蛍光撮像手段は、第三の分離光から蛍光像を撮像する。このとき、蛍光撮像手段は、リアルタイムに蛍光像を得るために蛍光像を動画で撮像することが好ましい。また、可視光および赤外光に比べて蛍光の光強度は弱いため、蛍光撮像手段は、第二の撮像手段(赤外光撮像手段)および可視光撮像手段よりも高感度であることが好ましい。蛍光撮像手段を高感度にする態様には、撮像素子の感度を高める態様だけでなく、撮像した蛍光像を画像処理する態様も含まれる。蛍光撮像手段は、例えば画像強調機能(イメージインテンシファイア)を有するCCDカメラである。
可視光撮像手段は、第四の分離光から可視光像を撮像する。このとき、可視光撮像手段は、リアルタイムに可視光像を得るために可視光像を動画で撮像することが好ましい。可視光撮像手段は、例えばCCDカメラである。
第二の撮像手段は、第二の分離光から赤外光像を撮像する。このとき、第二の撮像手段は、リアルタイムに赤外光像を得るために赤外光像を動画で撮像することが好ましい。第二の撮像手段で撮像された赤外光像は、観察領域における赤外光の吸収分布を示す画像であり、観察領域内の血管の位置を特定するのに使用されうる。すなわち、赤外光は赤血球に含まれるヘモグロビンにより吸収されるため、血管は、赤外光像において赤外光を反射するその他の領域に比べて暗く表示され、ユーザによりその位置が容易に特定されうるのである。第二の撮像手段は、例えばCCDカメラである。
画像合成手段は、第一の撮像手段で撮像された可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)と第二の撮像手段で撮像された赤外光像とを一の画像に合成する。例えば、画像合成手段は、可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)と赤外光像とを並列に並べて一の画像を合成するようにしてもよい(後述)。この場合、ユーザは、蛍光像(または可視光蛍光像)と赤外光像とを比較することで、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。また、画像合成手段は、可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせて病変領域の位置や範囲を示す一の画像を合成するようにしてもよい(後述)。この場合、ユーザは、一の画像から病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
以下、上述のように構成された蛍光観察装置の動作を説明する。ここでは、腫瘍親和性の光感受性物質を投与した患者の病変領域を含む特定の領域を観察領域とした場合について説明する。この場合、病変領域および血管(血液)は、周囲の正常領域に比べて高い濃度で光感受性物質を含んでいる。
まず、照明光源、励起光源および赤外光源が、それぞれ可視光、励起光および赤外光を観察領域(正常領域、病変領域および血管を含む)に同時に照射する。観察領域からの反射光(光感受性物質が発した蛍光を含む)は、光分離手段に到達する。この反射光には、観察領域内の全体の様子を示す可視光イメージ情報と、励起した光感受性物質が発した蛍光の分布を示す蛍光イメージ情報と、赤外光の吸収分布を示す赤外光イメージ情報とが含まれている。これらの波長帯域の関係を図1に示す。
次いで、観察領域から光分離手段に到達した反射光は、光分離手段により、可視光成分および光感受性物質が発した蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離される。第一の分離光は、励起光除去手段で励起光成分が除去され、第一の撮像手段に到達する。この第一の分離光には、可視光イメージ情報および蛍光イメージ情報が含まれている。一方、第二の分離光は、第二の撮像手段に到達する。この第二の分離光には、赤外光イメージ情報が含まれている。
次いで、第一の撮像手段は第一の分離光から可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)を撮像し、第二の撮像手段は第二の分離光から赤外光像を撮像する。得られた可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)ならびに赤外光像は、画像合成手段により一の画像に合成される。合成された画像は、例えば、ディスプレイやプリンタなどの出力手段によりユーザが認識しうるように出力される。
前述のとおり、病変領域および血管(血液)は、正常領域に比べて高い濃度で光感受性物質を含むため、蛍光像(可視光蛍光像)では周囲の正常領域に比べて明るく表示される。一方、赤外光は赤血球に含まれるヘモグロビンにより吸収されるため、血管は、赤外光像では暗く表示される。したがって、ユーザは、出力された蛍光像(可視光蛍光像)と赤外光像との合成画像から、蛍光像(可視光蛍光像)の各地点における蛍光シグナルが病変領域を示しているのか血管を示しているのかを区別し、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
以上のように、本発明の蛍光観察装置は、赤外光の吸収特性から血管の位置を特定し、生体から発せられた蛍光像から血液中に含まれる光感受性物質由来の蛍光成分を除去することができる。これにより、本発明の蛍光観察装置は、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
なお、ここまでの説明では、観察領域からの反射光を可視光成分および蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する態様について説明したが、観察領域からの反射光を可視光成分を含む第一の分離光と、蛍光成分および赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する態様であっても同様の効果を得ることができる。この場合、第一の撮像手段は第一の分離光から可視光像を撮像し、第二の撮像手段は第二の分離光から蛍光像および赤外光像(または蛍光赤外光像)を撮像する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各実施の形態では、クロリン系光感受性物質のタラポルフィンナトリウムが発する蛍光を検出して病変領域を特定する蛍光観察装置の例を示す。タラポルフィンナトリウムは、腫瘍親和性を有する光感受性物質であり、概ね655〜670nmの範囲内の波長の励起光を照射されると、概ね672nmをピークとする概ね660〜800nmの範囲内の波長の蛍光を発する性質を有する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、第一の撮像手段(可視光蛍光撮像部)が可視光蛍光像を撮像し、第二の撮像手段(赤外光撮像部)が赤外光像を撮像する例を示す。
図2は、実施の形態1に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図である。図2において、蛍光観察装置100は、照明光源110、励起光源120、赤外光源130、ビームスプリッタ140、励起光カットフィルタ150、可視光蛍光撮像部160、赤外光透過フィルタ170、赤外光撮像部180、画像合成部190、表示部200を備える。
照明光源110は、波長が概ね380〜660nmの範囲内の可視光を観察領域210に照射する。
励起光源120は、波長が概ね655〜670nmの範囲内でかつ半値幅が2nm以下の励起光を観察領域210に照射する。例えば、励起光源120は半導体レーザである。
赤外光源130は、波長が概ね800〜960nmの範囲内の赤外光を観察領域210に照射する。
ビームスプリッタ140は、概ね800nm付近の波長を分離境界として、当該波長未満の波長の光を透過させ、当該波長以上の波長の光を反射する光分離手段である。すなわち、ビームスプリッタ140は、可視光、励起光および赤外光を照射した観察領域210からの反射光220を、可視光成分(波長:概ね380〜660nm)、励起光成分(波長:概ね655〜670nm)およびタラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分(波長:概ね660〜800nm)を含む透過光(第一の分離光)230と、赤外光成分(波長:概ね800〜960nm)を含む反射光(第二の分離光)240とに分離する。
励起光カットフィルタ150は、ビームスプリッタ140で分離された透過光(第一の分離光)230から、励起光成分を除去する励起光除去手段である。励起光カットフィルタ150を通過した透過光250は、可視光成分および蛍光成分(の一部)から主に構成される。
可視光蛍光撮像部160は、励起光カットフィルタ150を通過した透過光250から可視光像と蛍光像とが重畳した可視光蛍光像を撮像する。
赤外光透過フィルタ170は、ビームスプリッタ140で分離された反射光(第二の分離光)240から、赤外光以外の光成分(波長:概ね800nm未満)を除去する。
赤外光撮像部180は、赤外光透過フィルタ170を通過した反射光260から赤外光像を撮像する。
画像合成部190は、可視光蛍光撮像部160で撮像された可視光蛍光像と赤外光撮像部180で撮像された赤外光像とを合成する。
表示部200は、画像合成部190で合成された画像を表示画面202に表示する。表示部200は、例えばディスプレイやプリンタなどである。
ここで、本実施の形態において励起光源120が照射する励起光の波長を概ね655〜670nmの範囲内とする理由を説明する。
図3は、酸化ヘモグロビンの光の吸収特性(図中「a」の曲線)およびタラポルフィンナトリウムの光の吸収特性(図中「b」の曲線)を示す図である。図3において、横軸は光の波長(nm)を示し、縦軸は各波長において吸収される光の相対量を対数軸で示している。
図3において酸化ヘモグロビンの吸収スペクトル(図中「a」の曲線)を見ると、概ね600nm未満の波長では相対吸収率が0.5以上であり、酸化ヘモグロビンはこの範囲の波長の光をよく吸収することがわかる。したがって、この範囲の波長の光は、酸化ヘモグロビンに吸収されやすく、生体組織内への透過性が低いことがわかる。一方、概ね600〜700nmの範囲内の波長では相対吸収率が0.5未満であり、この範囲の波長の光は、生体組織内への透過性が高いことがわかる。特に、概ね660〜680nmの範囲内の波長の光は、生体組織内への透過性が最も高くなる。
一方、タラポルフィンナトリウムの吸収スペクトル(図中「b」の曲線)を見ると、概ね405nm、510nmおよび664nmの波長に相対吸収率のピークがあることがわかる。これらの波長の光をタラポルフィンナトリウムに照射すると、その光のエネルギーは、タラポルフィンナトリウムに吸収されて励起エネルギーとして使用される。励起したタラポルフィンナトリウムは、そのエネルギーの一部を蛍光として放出する。本実施の形態の蛍光観察装置100は、このときに放出された蛍光を検出して病変領域の位置や範囲を特定する。
従来の蛍光観察装置では、相対吸収率が比較的大きい405nm付近の波長の光または664nm付近の波長の光が励起光として使用されてきた。しかしながら、405nm付近の波長の光には、図3に示すように酸化ヘモグロビンにより吸収されてしまうため生体組織内に深達しないという問題と、催奇性が強いという問題とがある。これらの理由により、405nm付近の波長の光は、励起光源120が照射する励起光には適さない。
また、波長510nm付近にもタラポルフィンナトリウムの相対吸収率の小さなピークがある。しかしながら、510nm付近の波長の光には、相対吸収率のピークが比較的小さいのに対し、ヘモグロビンによる吸収が比較的大きいという問題がある。この理由により、510nm付近の波長の光は、励起光源120が照射する励起光には適さない。
一方、664nm付近の波長の光には、上記各問題点がないだけでなく、励起光カットフィルタ150における可視光と励起光との分離が容易であるという長所がある。したがって、664nm付近(概ね655〜670nmの範囲内)の波長の光は、励起光源120が照射する励起光に好適である。
図4は、各波長の光に対するヒトの眼の相対感度(同一エネルギーの光に対する感度)を示した図である。図4から、650nm以上の波長の光に対するヒトの眼の感度は低いことがわかる。したがって、照明光源110が照射する可視光から664nm付近(概ね655〜670nmの範囲内)の波長の光を除去しても、ユーザにとっては大きな変化が感じられないと考えられる。このことからも、664nm付近(概ね655〜670nmの範囲内)の波長の光は、励起光源120が照射する励起光に好適である。
図5は、励起光源120が照射する励起光のスペクトル(図中「c」の曲線)と、タラポルフィンナトリウムが発する蛍光のスペクトル(図中「d」の曲線)と、励起光カットフィルタ(ノッチフィルタ)150の透過率特性(図中「e」の曲線)を示す図である。図5において、横軸は光の波長(nm)を示し、縦軸は各波長における光の相対強度(図中「c」の曲線および「d」の曲線)または光の相対透過率(図中「e」の曲線)を示している。図5に示すように、励起光を照射することによってタラポルフィンナトリウムが発する蛍光を観察するためには、励起光カットフィルタ150は、励起光成分のみを遮断し、蛍光成分をなるべく透過させることが好ましい。
タラポルフィンナトリウムが発する蛍光は、概ね672nmをピークとして、概ね660〜800nmの範囲内の波長の光を含んでいる(「d」の曲線参照)。励起光源120が照射する励起光の波長は、前述の通り664nm付近が適しているが、励起光の波長が蛍光のピーク波長(概ね672nm)に近くなると、励起光と蛍光とが重畳してこれらを分離することが困難となる。また、励起光の波長成分の分布(半値幅)が広くても、励起光と蛍光とが重畳してこれらを分離できなくなる。したがって、図5に示すように、励起光の半値幅はできるだけ狭く、かつ蛍光の波長分布となるべく重ならないことが好ましい。
以上のことから、本実施の形態では、波長が概ね655〜670nmの範囲内でかつ半値幅が概ね2nm以下の光を励起光としている。このような励起光を照射することで、蛍光観察装置100は、S/N比に優れた蛍光像(可視光蛍光像)を撮像することができる。
以下、上述のように構成された蛍光観察装置100の動作を説明する。ここでは、タラポルフィンナトリウムを投与した患者の病変領域を含む領域を観察領域210とした場合について説明する。この場合、病変領域および血管(血液)は、周囲の正常領域に比べて高い濃度でタラポルフィンナトリウムを含んでいる。
まず、照明光源110、励起光源120および赤外光源130が、それぞれ可視光(波長380〜660nm)、励起光(波長655〜670nm)および赤外光(波長800〜960nm)を観察領域210に同時に照射する。観察領域210からの反射光220は、ビームスプリッタ140に到達する。この反射光220には、観察領域210の全体の様子を示す可視光イメージ情報と、励起したタラポルフィンナトリウムが発した蛍光の分布を示す蛍光イメージ情報と、赤外光の吸収分布を示す赤外光イメージ情報とが含まれている(図1参照)。
次いで、反射光220は、ビームスプリッタ140により、可視光成分およびタラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分を含む透過光230と、赤外光成分を含む反射光240とに分離される。分離された透過光230(波長:概ね800nm未満)は、励起光カットフィルタ150で励起光成分が除去される。励起光成分が除去された透過光250は、可視光蛍光撮像部160に到達する。この透過光250には、可視光イメージ情報および蛍光イメージ情報が含まれている。一方、分離された反射光240(波長:概ね800nm以上)は、赤外光透過フィルタ170で赤外光以外の成分が除去される。赤外光以外の成分が除去された反射光260は、赤外光撮像部180に到達する。この反射光260には、赤外光イメージ情報が含まれている。
次いで、可視光蛍光撮像部160は、可視光イメージ情報および蛍光イメージ情報を含む透過光250から可視光蛍光像を撮像する。同様に、赤外光撮像部180は、赤外光イメージ情報を含む反射光260から赤外光像を撮像する。得られた可視光蛍光像および赤外光像は、画像合成部190により一の画像に合成される。合成された画像は、表示部200の表示画面202に表示される。
図6および図7は、表示部200の表示画面202に表示された合成画像の例を示す図である。
図6は、画像合成部190が可視光蛍光像と赤外光像とを並列に並べて一の画像を作成した場合の合成画像の例を示す図である。図6において、表示画面202には、可視光蛍光像300および赤外光像310が並列に表示されている。
可視光蛍光像300は、観察領域210内の正常領域320、病変領域330および血管340を示している。可視光蛍光像300では、可視光イメージ情報に蛍光イメージ情報が重畳されているため、タラポルフィンナトリウムが集積している病変領域330およびタラポルフィンナトリウムを血液中に含む血管340は、正常領域320よりも明るく(カラー画像の場合は赤く)表示される。ここで、タラポルフィンナトリウムを血液中に多く含む血管340は、病変領域330よりもより明るく(または赤く)表示されるため、ユーザが、病変領域330と血管340とを可視光蛍光像300のみで正確に区別することは困難である。
赤外光像310は、観察領域210内の血管340を示している。前述のとおり赤外光は血液(赤血球のヘモグロビン)により吸収されるため、赤外光像310では血管340は血管340以外の領域よりも暗く表示される。正常領域320および病変領域330を含む血管340以外の領域は、それぞれの赤外光の吸収度に応じた明るさで表示される。
本実施の形態の蛍光観察装置100は、一の反射光220を一のビームスプリッタ140で分離して可視光蛍光像300および赤外光像310を作成しているため、作成された可視光蛍光像300および赤外光像310は、同一視点からの観察像である。図6に示すように、ユーザは、同一視点からの可視光蛍光像300と赤外光像310とを比較することで、可視光蛍光像300の各地点における蛍光シグナルが病変領域330を示しているのか血管340を示しているのかを区別し、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
図7は、画像合成部190が可視光蛍光像と赤外光像とを重畳して一の画像を作成した場合の合成画像の例を示す図である。図7において、表示画面202には、重畳画像350が表示されている。
重畳画像350は、可視光蛍光像の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせて合成された画像である。前述の通り、赤外光像では血管は血管以外の領域よりも暗く表示されるため(図6の赤外光像310参照)、可視光蛍光像の血管を示す部分の明るさ(高輝度)は、赤外光像の血管を示す部分の暗さ(低輝度)により相殺される。その結果、観察領域210内の血管は、重畳画像350では暗く表示される(またはほとんど表示されない)。一方、正常領域320および病変領域330は、それぞれの領域を示す部分の明るさがこのように相殺されることがほとんどない。その結果、可視光蛍光像において明るい病変領域は、重畳画像350でもそのまま明るく表示され、可視光蛍光像において暗い正常領域は、重畳画像350でもそのまま暗く表示される。このように、可視光蛍光像の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせることで、可視光蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した、病変領域330の外縁を明瞭に示す重畳画像350を合成することができる。
前述の通り、重畳画像350を合成する基となる可視光蛍光像および赤外光像は、同一視点からの観察像である。したがって、図7に示すように可視光蛍光像の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせて、可視光蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した重畳画像350を合成し、表示部200の表示画面202に表示することにより、ユーザは、病変領域の外縁が明瞭な重畳画像350を観察して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
以上のように、本実施の形態の蛍光観察装置は、可視光蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した重畳画像を表示することができる。これにより、本発明の蛍光観察装置は、病変領域の位置や範囲をより正確に特定しうる画像をユーザに提供することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、第一の撮像手段(蛍光撮像部および可視光撮像部)が蛍光像と可視光像とを別個に撮像し、第二の撮像手段(赤外光撮像部)が赤外光像を撮像する例を示す。
図8は、実施の形態2に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図である。図8において、蛍光観察装置400は、照明光源110、励起光源120、赤外光源130、ビームスプリッタ140、励起光カットフィルタ150、蛍光分離フィルタ410、蛍光撮像部420、可視光撮像部430、赤外光透過フィルタ170、赤外光撮像部180、画像合成部440、表示部200を備える。実施の形態1に係る蛍光観察装置と同じ構成要素については同一の符号を付し、重複箇所の説明を省略する。
蛍光分離フィルタ410は、波長が概ね670nm以上の光を反射させ、波長が概ね660nm未満の光を透過させる第二の光分離手段である。すなわち、蛍光分離フィルタ410は、励起光カットフィルタ150を通過した透過光250を、タラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分(波長:概ね670〜800nm)を含む反射光(第三の分離光)510と、可視光成分(波長:概ね380〜660nm)を含む透過光(第四の分離光)520とに分離する。
蛍光撮像部420は、蛍光分離フィルタ410で分離された第三の分離光(蛍光)510から蛍光像を撮像する。可視光および赤外光に比べて蛍光の光強度は弱いため、蛍光撮像部420は、可視光撮像部430および赤外光撮像部180よりも高感度であることが好ましい。
可視光撮像部430は、蛍光分離フィルタ410を通過した第四の分離光(可視光)520から可視光像を撮像する。
画像合成部440は、蛍光撮像部420で撮像された蛍光像と可視光撮像部430で撮像された可視光像と赤外光撮像部180で撮像された赤外光像とを合成する。
以下、上述のように構成された蛍光観察装置400の動作を説明する。実施の形態1と同様に、タラポルフィンナトリウムを投与した患者の病変領域を含む領域を観察領域210とした場合について説明する。
まず、照明光源110、励起光源120および赤外光源130が、それぞれ可視光(波長380〜660nm)、励起光(波長655〜670nm)および赤外光(波長800〜960nm)を観察領域210に同時に照射する。観察領域210からの反射光220は、ビームスプリッタ140に到達する。この反射光220には、観察領域210の全体の様子を示す可視光イメージ情報と、励起したタラポルフィンナトリウムが発した蛍光の分布を示す蛍光イメージ情報と、赤外光の吸収分布を示す赤外光イメージ情報とが含まれている(図1参照)。
次いで、反射光220は、ビームスプリッタ140により、可視光成分およびタラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分を含む透過光230と、赤外光成分を含む反射光240とに分離される。分離された透過光230(波長:概ね800nm未満)は、励起光カットフィルタ150で励起光成分が除去される。励起光成分が除去された透過光250は、蛍光分離フィルタ410により、タラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分(波長:概ね670〜800nm)を含む反射光(第三の分離光)510と、可視光成分(波長:概ね380〜660nm)を含む透過光(第四の分離光)520とに分離される。この第三の分離光510には蛍光イメージ情報が含まれており、第四の分離光520には可視光イメージ情報が含まれている。
一方、ビームスプリッタ140で分離された反射光240(波長:概ね800nm以上)は、赤外光透過フィルタ170で赤外光以外の成分が除去される。赤外光以外の成分が除去された反射光260は、赤外光撮像部180に到達する。この反射光260には、赤外光イメージ情報が含まれている。
次いで、蛍光撮像部420は、蛍光イメージ情報を含む第三の分離光510から蛍光像を撮像する。蛍光撮像部420が高感度であれば、蛍光撮像部420は微弱な蛍光も撮像することができる。また、蛍光撮像部420は、蛍光像に対して画像強調処理を行ってもよい。同様に、可視光撮像部430は、可視光イメージ情報を含む第四の分離光520から可視光像を撮像し、赤外光撮像部180は、赤外光イメージ情報を含む反射光260から赤外光像を撮像する。得られた蛍光像、可視光像および赤外光像は、画像合成部440により一の画像に合成される。合成された画像は、表示部200の表示画面202に表示される。
画像合成部440は、蛍光像と可視光像と赤外光像とを並列に並べて一の画像を作成してもよいが、蛍光像と可視光像と赤外光像とを重畳して一の画像を作成する方が好ましい(図7参照)。本実施の形態では、蛍光像、可視光像および赤外光像の3種類の画像情報を扱うため、それぞれを並列に並べて表示すると画面構成が複雑になり、直感的な理解を妨げることになるからである。手術などの瞬間的な判断が必要とされる状況では、このようにわかりやすく情報を表示することは重要である。
以上のように、本実施の形態の蛍光観察装置は、実施の形態1の蛍光観察装置と同様に、蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した重畳画像を表示することができ、病変領域の位置や範囲をより正確に特定しうる画像をユーザに提供することができる。また、本実施の形態の蛍光観察装置は、蛍光像と可視光像とを別個に撮像するため、蛍光が微弱な場合には蛍光像に対して個別に画像強調処理を行うことができ、病変領域の位置や範囲をより正確に特定しうる画像をユーザに提供することができる。
本出願は、2007年8月29日出願の特願2007−223084に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の蛍光観察装置は、例えば、神経膠腫(グリオーマ)や舌癌などの悪性腫瘍の位置や範囲を特定するための医療機器として有用である。例えば、本発明の蛍光観察装置は、手術などの処置中における病変領域およびその周辺領域の時々刻々と変化する様子を、血管由来の蛍光成分を低減したより的確な処置を行いうる情報としてユーザに随時提供できる。
[符号の説明]
100,400 蛍光観察装置
110 照明光源
120 励起光源
130 赤外光源
140 ビームスプリッタ
150 励起光カットフィルタ
160 可視光蛍光撮像部
170 赤外光透過フィルタ
180 赤外光撮像部
190,440 画像合成部
200 表示部
202 表示画面
210 観察領域
220 反射光
230 第一の分離光
240 第二の分離光
250 反射光の可視光成分および蛍光成分
260 反射光の赤外光成分
300 可視光蛍光像
310 赤外光像
320 正常領域
330 病変領域
340 血管
350 重畳画像
410 蛍光分離フィルタ
420 蛍光撮像部
430 可視光撮像部
510 第三の分離光
520 第四の分離光
本発明は、生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置に関する。
脳腫瘍や肺癌などの重要臓器に発生した病変領域の位置や範囲を特定することは、単に病変領域を治療するだけでなく、重要臓器の機能をできるだけ温存して治療後の生活の質を向上させるために非常に重要である。特に手術中や内視鏡治療中にリアルタイムで病変領域の位置や範囲を知ることは、的確な治療に繋がり、治療効果を向上させることができる。
病変領域の位置や範囲を特定するために、病変領域からの蛍光を検出する診断装置が開発されている。例えば、病変領域に集積した光感受性物質からの蛍光を内視鏡を介して検出する蛍光観察装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。腫瘍親和性の光感受性物質を生体内に静脈投与すると、投与された光感受性物質は腫瘍組織に特異的に集積する。特許文献1の蛍光観察装置は、この腫瘍組織に集積した光感受性物質からの蛍光を検出することで、腫瘍組織を特定することができる。
一方、注射針や採血針の穿刺位置を決定するために、赤外光を用いて皮膚の上から血管の位置を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平8−224209号公報 特許第3663598号公報 特開2004−237051号公報
しかしながら、従来の蛍光観察装置には、病変領域以外からの蛍光も同時に検出してしまうため、病変領域の位置や範囲を明確に特定することができないという問題がある。
すなわち、従来の蛍光観察装置は、血液中に存在する光感受性物質からの蛍光も検出してしまうため、病変領域周辺の血管も含めた領域を病変領域と誤って特定してしまう可能性があるのである。このように、従来の蛍光観察装置では、病変領域の位置や範囲を正確に判断することが困難であった。
本発明の目的は、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる蛍光観察装置を提供することである。
本発明者は、光感受性物質が発する蛍光だけでなく、血液(赤血球のヘモグロビン)による赤外光の吸収も検出し、前記蛍光から得られる情報と前記赤外光から得られる情報とを組み合わせることにより、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の蛍光観察装置に関する。
[1]生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置であって、可視光を所望の観察領域に照射する照明光源と、ポルフィリン系光感受性物質またはクロリン系光感受性物質を励起して蛍光を発生させる励起光を前記観察領域に照射する励起光源と、赤
外光を前記観察領域に照射する赤外光源と、前記観察領域からの反射光を、可視光成分および前記蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する光分離手段と、前記第一の分離光から励起光成分を除去する励起光除去手段と、前記励起光成分を除去された第一の分離光を撮像する第一の撮像手段と、前記第二の分離光を撮像する第二の撮像手段と、前記第一の撮像手段により撮像された画像と前記第二の撮像手段により撮像された画像を一の画像に合成する画像合成手段と、
を有する蛍光観察装置。
[2]前記第一の撮像手段は、前記励起光成分を除去された第一の分離光を、前記蛍光成分を含む第三の分離光と、前記可視光成分を含む第四の分離光とに分離する第二の光分離手段と、前記第三の分離光を撮像する蛍光撮像手段と、前記第四の分離光を撮像する可視光撮像手段と、を有する、[1]に記載の蛍光観察装置。
[3]前記可視光は、概ね380〜660nmの範囲内の波長の光であり、前記励起光は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光であり、前記赤外光は、概ね800〜1200nmの範囲内の波長の光である、[1]または[2]に記載の蛍光観察装置。
[4]前記光分離手段は、700nm以下の波長の光を含む光を第一の分離光として分離し、800nm以上の波長帯域の光を含む光を第二の分離光として分離する、[3]に記載の蛍光観察装置。
[5]前記励起光は、概ね655〜670nmの範囲内の波長の光である、[3]または[4]に記載の蛍光観察装置。
[6]前記励起光は、半値幅が2nm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[7]前記励起光源は、半導体レーザである、[1]〜[6]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[8]前記赤外光は、概ね800〜960nmの範囲内の波長の光である、[1]〜[7]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[9]前記第一の撮像手段および前記第二の撮像手段は動画を撮像する、[1]〜[8]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[10]前記一の画像は、並列に並べられた前記第一の撮像手段により撮像された画像と前記第二の撮像手段により撮像された画像とを含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[11]前記一の画像は、前記第一の撮像手段により撮像された画像の輝度成分と前記第二の撮像手段により撮像された画像の輝度成分とを足し合わせて合成された画像である、[1]〜[9]のいずれかに記載の蛍光観察装置。
[12]前記第二の光分離手段は、670nm以上の波長の光を含む光を第三の分離光として分離し、660nm以下の波長の光を含む光を第四の分離光として分離する、[2]に記載の蛍光観察装置。
[13]前記蛍光撮像手段は、前記第二の撮像手段および前記可視光撮像手段よりも高感度である、[2]に記載の蛍光観察装置。
本発明により、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。したがって、病変領域を治療する際に本発明の蛍光観察装置を使用すれば、より的確な治療を行うことが可能となり、治療効果を向上させることができる。
本発明の蛍光観察装置は、生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置であって、光感受性物質が発する蛍光を検出して病変領域(および血管)の位置や範囲を示す蛍光像を撮像するだけでなく、血液による赤外光の吸収を検出して血管の位置を示す赤外光像も撮像することを主な特徴とする。
光感受性物質は、励起光を照射されると蛍光を発する蛍光性と、病変領域親和性(例えば、腫瘍親和性)とを有するものであれば特に限定されない。光感受性物質は、例えば、光線力学的治療(Photodynamic Therapy: PDT)などで用いられるポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などである。これらの光感受性物質は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光を照射されると、概ね660〜800nmの範囲内の波長の蛍光を発する。
具体的には、本発明の蛍光観察装置は、照明光源、励起光源、赤外光源、光分離手段、励起光除去手段、第一の撮像手段、第二の撮像手段および画像合成手段を備える。
照明光源は、観察領域の全体像を観察するための可視光を観察領域に照射する。観察領域に照射する可視光は、ユーザが観察領域の全体像を観察しうる波長の光であれば特に限定されないが、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、この蛍光と同じ波長の光を含まないほうが好ましい。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、照明光源は、概ね380〜660nmの範囲内の波長の光を可視光として観察領域に照射すればよい。
励起光源は、光感受性物質を励起するための励起光を観察領域に照射する。観察領域に照射する励起光は、光感受性物質を励起しうる波長の光であれば特に限定されないが、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、この蛍光のピーク波長から離れた波長の光であることが好ましい(後述)。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、励起光源は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光を励起光として観察領域に照射すればよい。後述するように、使用する光感受性物質がクロリン系光感受性物質のタラポルフィンナトリウムの場合は、励起光源は、概ね655〜670nmの範囲内の波長の光を励起光として観察領域に照射することが特に好ましい。また、励起光は、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、その半値幅が2nm以下であることが好ましい(後述)。このような励起光を照射しうる光源としては、例えば半導体レーザが挙げられる。半導体レーザは、出力光の半値幅を2nm以下にできるだけでなく、出力光の波長を温度制御のみで制御できるため、励起光源として好適である。
赤外光源は、観察領域内の血管の位置を特定するための赤外光を観察領域に照射する。観察領域に照射する赤外光は、ヘモグロビンが吸収しうる波長の光であれば特に限定されないが、光感受性物質が発する蛍光を検出する観点から、この蛍光と同じ波長の光を含まないほうが好ましく、生体内への深達性を高める観点から、生体組織に対する透過性が高い波長の光であることが好ましい。例えば、赤外光源は、概ね800nm〜1200nmの範囲内の波長の光、好ましくは概ね800nm〜960nmの範囲内の波長の光を赤外光として観察領域に照射すればよい。
光分離手段は、可視光、励起光および赤外光を照射した観察領域からの反射光(光感受性物質が発した蛍光を含む)を、可視光成分および光感受性物質が発した蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する。第一の分離光は、観察領域内の病変領域の位置や範囲を特定するための光である。一方、第二の分離光は、観察領域内の血管の位置を特定するための光である。第一の分離光と第二の分離光とを分離する際の分離境界の波長は、使用する光感受性物質などに応じて適宜設定することができる。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、光分離手段は、700nm以下の波長の光を含む光を第一の分離光として分離し、800nm以上の波長帯域の光を含む光を第二の分離光として分離すればよい。この場合、光分離手段は、700〜800nmの範囲内の任意の波長を第一の分離光と第二の分離光とを分離する際の分離境界とすることができる。光分離手段は、例えばホットミラーやコールドミラーなどのビームスプリッタである。
励起光除去手段は、光分離手段で分離された第一の分離光から励起光成分を除去する。励起光成分が除去された第一の分離光は、主に可視光成分および蛍光成分から構成される。励起光除去手段は、例えば励起光のみを減衰させるノッチフィルタである。
第一の撮像手段は、励起光成分が除去された第一の分離光から可視光像および蛍光像(可視光蛍光像)を撮像する。このとき、第一の撮像手段は、リアルタイムに可視光像および蛍光像(可視光蛍光像)を得るために動画で撮像することが好ましい。第一の撮像手段は、観察領域の全体像を示す可視光像と生体内の光感受性物質が発した蛍光の分布を示す蛍光像との重畳画像(可視光蛍光像)を撮像してもよいし(実施の形態1参照)、可視光像と蛍光像とを別個に撮像してもよい(実施の形態2参照)。第一の撮像手段により撮像された可視光像および蛍光像(可視光蛍光像)は、観察領域内の病変領域の位置や範囲を特定するのに使用されうる。第一の撮像手段が可視光像と蛍光像との重畳画像(可視光蛍光像)を撮像する場合、第一の撮像手段は、例えばCCDカメラである。
一方、第一の撮像手段が可視光像と蛍光像とを別個に撮像する場合、第一の撮像手段は、例えば、第二の光分離手段、蛍光撮像手段および可視光撮像手段を有する。
第二の光分離手段は、励起光成分が除去された第一の分離光を、光感受性物質が発した蛍光成分を含む第三の分離光と、可視光成分を含む第四の分離光とに分離する。第三の分離光と第四の分離光とを分離する際の分離境界の波長は、使用する光感受性物質などに応じて適宜設定することができる。例えば、使用する光感受性物質がポルフィリン系光感受性物質やクロリン系光感受性物質などの場合は、第二の光分離手段は、660nm以下の波長の光を含む光を第三の分離光として分離し、670nm以上の波長帯域の光を含む光を第四の分離光として分離すればよい。この場合、第二の光分離手段は、660〜670nmの範囲内の任意の波長を第三の分離光と第四の分離光とを分離する際の分離境界とすることができる。第二の光分離手段は、例えば蛍光成分のみを反射させる反射型バンドパスフィルタである。
蛍光撮像手段は、第三の分離光から蛍光像を撮像する。このとき、蛍光撮像手段は、リアルタイムに蛍光像を得るために蛍光像を動画で撮像することが好ましい。また、可視光および赤外光に比べて蛍光の光強度は弱いため、蛍光撮像手段は、第二の撮像手段(赤外光撮像手段)および可視光撮像手段よりも高感度であることが好ましい。蛍光撮像手段を高感度にする態様には、撮像素子の感度を高める態様だけでなく、撮像した蛍光像を画像処理する態様も含まれる。蛍光撮像手段は、例えば画像強調機能(イメージインテンシファイア)を有するCCDカメラである。
可視光撮像手段は、第四の分離光から可視光像を撮像する。このとき、可視光撮像手段は、リアルタイムに可視光像を得るために可視光像を動画で撮像することが好ましい。可視光撮像手段は、例えばCCDカメラである。
第二の撮像手段は、第二の分離光から赤外光像を撮像する。このとき、第二の撮像手段は、リアルタイムに赤外光像を得るために赤外光像を動画で撮像することが好ましい。第二の撮像手段で撮像された赤外光像は、観察領域における赤外光の吸収分布を示す画像であり、観察領域内の血管の位置を特定するのに使用されうる。すなわち、赤外光は赤血球に含まれるヘモグロビンにより吸収されるため、血管は、赤外光像において赤外光を反射するその他の領域に比べて暗く表示され、ユーザによりその位置が容易に特定されうるのである。第二の撮像手段は、例えばCCDカメラである。
画像合成手段は、第一の撮像手段で撮像された可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)と第二の撮像手段で撮像された赤外光像とを一の画像に合成する。例えば、画像合成手段は、可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)と赤外光像とを並列に並べて一の画像を合成するようにしてもよい(後述)。この場合、ユーザは、蛍光像(または可視光蛍光像)と赤外光像とを比較することで、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。また、画像合成手段は、可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせて病変領域の位置や範囲を示す一の画像を合成するようにしてもよい(後述)。この場合、ユーザは、一の画像から病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
以下、上述のように構成された蛍光観察装置の動作を説明する。ここでは、腫瘍親和性の光感受性物質を投与した患者の病変領域を含む特定の領域を観察領域とした場合について説明する。この場合、病変領域および血管(血液)は、周囲の正常領域に比べて高い濃度で光感受性物質を含んでいる。
まず、照明光源、励起光源および赤外光源が、それぞれ可視光、励起光および赤外光を観察領域(正常領域、病変領域および血管を含む)に同時に照射する。観察領域からの反射光(光感受性物質が発した蛍光を含む)は、光分離手段に到達する。この反射光には、観察領域内の全体の様子を示す可視光イメージ情報と、励起した光感受性物質が発した蛍光の分布を示す蛍光イメージ情報と、赤外光の吸収分布を示す赤外光イメージ情報とが含まれている。これらの波長帯域の関係を図1に示す。
次いで、観察領域から光分離手段に到達した反射光は、光分離手段により、可視光成分および光感受性物質が発した蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離される。第一の分離光は、励起光除去手段で励起光成分が除去され、第一の撮像手段に到達する。この第一の分離光には、可視光イメージ情報および蛍光イメージ情報が含まれている。一方、第二の分離光は、第二の撮像手段に到達する。この第二の分離光には、赤外光イメージ情報が含まれている。
次いで、第一の撮像手段は第一の分離光から可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)を撮像し、第二の撮像手段は第二の分離光から赤外光像を撮像する。得られた可視光像および蛍光像(または可視光蛍光像)ならびに赤外光像は、画像合成手段により一の画像に合成される。合成された画像は、例えば、ディスプレイやプリンタなどの出力手段によりユーザが認識しうるように出力される。
前述のとおり、病変領域および血管(血液)は、正常領域に比べて高い濃度で光感受性物質を含むため、蛍光像(可視光蛍光像)では周囲の正常領域に比べて明るく表示される。一方、赤外光は赤血球に含まれるヘモグロビンにより吸収されるため、血管は、赤外光
像では暗く表示される。したがって、ユーザは、出力された蛍光像(可視光蛍光像)と赤外光像との合成画像から、蛍光像(可視光蛍光像)の各地点における蛍光シグナルが病変領域を示しているのか血管を示しているのかを区別し、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
以上のように、本発明の蛍光観察装置は、赤外光の吸収特性から血管の位置を特定し、生体から発せられた蛍光像から血液中に含まれる光感受性物質由来の蛍光成分を除去することができる。これにより、本発明の蛍光観察装置は、血液中に含まれる光感受性物質からの蛍光の影響を除去して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
なお、ここまでの説明では、観察領域からの反射光を可視光成分および蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する態様について説明したが、観察領域からの反射光を可視光成分を含む第一の分離光と、蛍光成分および赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する態様であっても同様の効果を得ることができる。この場合、第一の撮像手段は第一の分離光から可視光像を撮像し、第二の撮像手段は第二の分離光から蛍光像および赤外光像(または蛍光赤外光像)を撮像する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各実施の形態では、クロリン系光感受性物質のタラポルフィンナトリウムが発する蛍光を検出して病変領域を特定する蛍光観察装置の例を示す。タラポルフィンナトリウムは、腫瘍親和性を有する光感受性物質であり、概ね655〜670nmの範囲内の波長の励起光を照射されると、概ね672nmをピークとする概ね660〜800nmの範囲内の波長の蛍光を発する性質を有する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、第一の撮像手段(可視光蛍光撮像部)が可視光蛍光像を撮像し、第二の撮像手段(赤外光撮像部)が赤外光像を撮像する例を示す。
図2は、実施の形態1に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図である。図2において、蛍光観察装置100は、照明光源110、励起光源120、赤外光源130、ビームスプリッタ140、励起光カットフィルタ150、可視光蛍光撮像部160、赤外光透過フィルタ170、赤外光撮像部180、画像合成部190、表示部200を備える。
照明光源110は、波長が概ね380〜660nmの範囲内の可視光を観察領域210に照射する。
励起光源120は、波長が概ね655〜670nmの範囲内でかつ半値幅が2nm以下の励起光を観察領域210に照射する。例えば、励起光源120は半導体レーザである。
赤外光源130は、波長が概ね800〜960nmの範囲内の赤外光を観察領域210に照射する。
ビームスプリッタ140は、概ね800nm付近の波長を分離境界として、当該波長未満の波長の光を透過させ、当該波長以上の波長の光を反射する光分離手段である。すなわち、ビームスプリッタ140は、可視光、励起光および赤外光を照射した観察領域210からの反射光220を、可視光成分(波長:概ね380〜660nm)、励起光成分(波長:概ね655〜670nm)およびタラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分(波長:概ね660〜800nm)を含む透過光(第一の分離光)230と、赤外光成分(波長:概ね800〜960nm)を含む反射光(第二の分離光)240とに分離する。
励起光カットフィルタ150は、ビームスプリッタ140で分離された透過光(第一の分離光)230から、励起光成分を除去する励起光除去手段である。励起光カットフィルタ150を通過した透過光250は、可視光成分および蛍光成分(の一部)から主に構成される。
可視光蛍光撮像部160は、励起光カットフィルタ150を通過した透過光250から可視光像と蛍光像とが重畳した可視光蛍光像を撮像する。
赤外光透過フィルタ170は、ビームスプリッタ140で分離された反射光(第二の分離光)240から、赤外光以外の光成分(波長:概ね800nm未満)を除去する。
赤外光撮像部180は、赤外光透過フィルタ170を通過した反射光260から赤外光像を撮像する。
画像合成部190は、可視光蛍光撮像部160で撮像された可視光蛍光像と赤外光撮像部180で撮像された赤外光像とを合成する。
表示部200は、画像合成部190で合成された画像を表示画面202に表示する。表示部200は、例えばディスプレイやプリンタなどである。
ここで、本実施の形態において励起光源120が照射する励起光の波長を概ね655〜670nmの範囲内とする理由を説明する。
図3は、酸化ヘモグロビンの光の吸収特性(図中「a」の曲線)およびタラポルフィンナトリウムの光の吸収特性(図中「b」の曲線)を示す図である。図3において、横軸は光の波長(nm)を示し、縦軸は各波長において吸収される光の相対量を対数軸で示している。
図3において酸化ヘモグロビンの吸収スペクトル(図中「a」の曲線)を見ると、概ね600nm未満の波長では相対吸収率が0.5以上であり、酸化ヘモグロビンはこの範囲の波長の光をよく吸収することがわかる。したがって、この範囲の波長の光は、酸化ヘモグロビンに吸収されやすく、生体組織内への透過性が低いことがわかる。一方、概ね600〜700nmの範囲内の波長では相対吸収率が0.5未満であり、この範囲の波長の光は、生体組織内への透過性が高いことがわかる。特に、概ね660〜680nmの範囲内の波長の光は、生体組織内への透過性が最も高くなる。
一方、タラポルフィンナトリウムの吸収スペクトル(図中「b」の曲線)を見ると、概ね405nm、510nmおよび664nmの波長に相対吸収率のピークがあることがわかる。これらの波長の光をタラポルフィンナトリウムに照射すると、その光のエネルギーは、タラポルフィンナトリウムに吸収されて励起エネルギーとして使用される。励起したタラポルフィンナトリウムは、そのエネルギーの一部を蛍光として放出する。本実施の形態の蛍光観察装置100は、このときに放出された蛍光を検出して病変領域の位置や範囲を特定する。
従来の蛍光観察装置では、相対吸収率が比較的大きい405nm付近の波長の光または664nm付近の波長の光が励起光として使用されてきた。しかしながら、405nm付近の波長の光には、図3に示すように酸化ヘモグロビンにより吸収されてしまうため生体組織内に深達しないという問題と、催奇性が強いという問題とがある。これらの理由により、405nm付近の波長の光は、励起光源120が照射する励起光には適さない。
また、波長510nm付近にもタラポルフィンナトリウムの相対吸収率の小さなピークがある。しかしながら、510nm付近の波長の光には、相対吸収率のピークが比較的小さいのに対し、ヘモグロビンによる吸収が比較的大きいという問題がある。この理由により、510nm付近の波長の光は、励起光源120が照射する励起光には適さない。
一方、664nm付近の波長の光には、上記各問題点がないだけでなく、励起光カットフィルタ150における可視光と励起光との分離が容易であるという長所がある。したがって、664nm付近(概ね655〜670nmの範囲内)の波長の光は、励起光源120が照射する励起光に好適である。
図4は、各波長の光に対するヒトの眼の相対感度(同一エネルギーの光に対する感度)を示した図である。図4から、650nm以上の波長の光に対するヒトの眼の感度は低いことがわかる。したがって、照明光源110が照射する可視光から664nm付近(概ね655〜670nmの範囲内)の波長の光を除去しても、ユーザにとっては大きな変化が感じられないと考えられる。このことからも、664nm付近(概ね655〜670nmの範囲内)の波長の光は、励起光源120が照射する励起光に好適である。
図5は、励起光源120が照射する励起光のスペクトル(図中「c」の曲線)と、タラポルフィンナトリウムが発する蛍光のスペクトル(図中「d」の曲線)と、励起光カットフィルタ(ノッチフィルタ)150の透過率特性(図中「e」の曲線)を示す図である。図5において、横軸は光の波長(nm)を示し、縦軸は各波長における光の相対強度(図中「c」の曲線および「d」の曲線)または光の相対透過率(図中「e」の曲線)を示している。図5に示すように、励起光を照射することによってタラポルフィンナトリウムが発する蛍光を観察するためには、励起光カットフィルタ150は、励起光成分のみを遮断し、蛍光成分をなるべく透過させることが好ましい。
タラポルフィンナトリウムが発する蛍光は、概ね672nmをピークとして、概ね660〜800nmの範囲内の波長の光を含んでいる(「d」の曲線参照)。励起光源120が照射する励起光の波長は、前述の通り664nm付近が適しているが、励起光の波長が蛍光のピーク波長(概ね672nm)に近くなると、励起光と蛍光とが重畳してこれらを分離することが困難となる。また、励起光の波長成分の分布(半値幅)が広くても、励起光と蛍光とが重畳してこれらを分離できなくなる。したがって、図5に示すように、励起光の半値幅はできるだけ狭く、かつ蛍光の波長分布となるべく重ならないことが好ましい。
以上のことから、本実施の形態では、波長が概ね655〜670nmの範囲内でかつ半値幅が概ね2nm以下の光を励起光としている。このような励起光を照射することで、蛍光観察装置100は、S/N比に優れた蛍光像(可視光蛍光像)を撮像することができる。
以下、上述のように構成された蛍光観察装置100の動作を説明する。ここでは、タラポルフィンナトリウムを投与した患者の病変領域を含む領域を観察領域210とした場合について説明する。この場合、病変領域および血管(血液)は、周囲の正常領域に比べて高い濃度でタラポルフィンナトリウムを含んでいる。
まず、照明光源110、励起光源120および赤外光源130が、それぞれ可視光(波長380〜660nm)、励起光(波長655〜670nm)および赤外光(波長800〜960nm)を観察領域210に同時に照射する。観察領域210からの反射光220は、ビームスプリッタ140に到達する。この反射光220には、観察領域210の全体の様子を示す可視光イメージ情報と、励起したタラポルフィンナトリウムが発した蛍光の
分布を示す蛍光イメージ情報と、赤外光の吸収分布を示す赤外光イメージ情報とが含まれている(図1参照)。
次いで、反射光220は、ビームスプリッタ140により、可視光成分およびタラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分を含む透過光230と、赤外光成分を含む反射光240とに分離される。分離された透過光230(波長:概ね800nm未満)は、励起光カットフィルタ150で励起光成分が除去される。励起光成分が除去された透過光250は、可視光蛍光撮像部160に到達する。この透過光250には、可視光イメージ情報および蛍光イメージ情報が含まれている。一方、分離された反射光240(波長:概ね800nm以上)は、赤外光透過フィルタ170で赤外光以外の成分が除去される。赤外光以外の成分が除去された反射光260は、赤外光撮像部180に到達する。この反射光260には、赤外光イメージ情報が含まれている。
次いで、可視光蛍光撮像部160は、可視光イメージ情報および蛍光イメージ情報を含む透過光250から可視光蛍光像を撮像する。同様に、赤外光撮像部180は、赤外光イメージ情報を含む反射光260から赤外光像を撮像する。得られた可視光蛍光像および赤外光像は、画像合成部190により一の画像に合成される。合成された画像は、表示部200の表示画面202に表示される。
図6および図7は、表示部200の表示画面202に表示された合成画像の例を示す図である。
図6は、画像合成部190が可視光蛍光像と赤外光像とを並列に並べて一の画像を作成した場合の合成画像の例を示す図である。図6において、表示画面202には、可視光蛍光像300および赤外光像310が並列に表示されている。
可視光蛍光像300は、観察領域210内の正常領域320、病変領域330および血管340を示している。可視光蛍光像300では、可視光イメージ情報に蛍光イメージ情報が重畳されているため、タラポルフィンナトリウムが集積している病変領域330およびタラポルフィンナトリウムを血液中に含む血管340は、正常領域320よりも明るく(カラー画像の場合は赤く)表示される。ここで、タラポルフィンナトリウムを血液中に多く含む血管340は、病変領域330よりもより明るく(または赤く)表示されるため、ユーザが、病変領域330と血管340とを可視光蛍光像300のみで正確に区別することは困難である。
赤外光像310は、観察領域210内の血管340を示している。前述のとおり赤外光は血液(赤血球のヘモグロビン)により吸収されるため、赤外光像310では血管340は血管340以外の領域よりも暗く表示される。正常領域320および病変領域330を含む血管340以外の領域は、それぞれの赤外光の吸収度に応じた明るさで表示される。
本実施の形態の蛍光観察装置100は、一の反射光220を一のビームスプリッタ140で分離して可視光蛍光像300および赤外光像310を作成しているため、作成された可視光蛍光像300および赤外光像310は、同一視点からの観察像である。図6に示すように、ユーザは、同一視点からの可視光蛍光像300と赤外光像310とを比較することで、可視光蛍光像300の各地点における蛍光シグナルが病変領域330を示しているのか血管340を示しているのかを区別し、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
図7は、画像合成部190が可視光蛍光像と赤外光像とを重畳して一の画像を作成した場合の合成画像の例を示す図である。図7において、表示画面202には、重畳画像35
0が表示されている。
重畳画像350は、可視光蛍光像の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせて合成された画像である。前述の通り、赤外光像では血管は血管以外の領域よりも暗く表示されるため(図6の赤外光像310参照)、可視光蛍光像の血管を示す部分の明るさ(高輝度)は、赤外光像の血管を示す部分の暗さ(低輝度)により相殺される。その結果、観察領域210内の血管は、重畳画像350では暗く表示される(またはほとんど表示されない)。一方、正常領域320および病変領域330は、それぞれの領域を示す部分の明るさがこのように相殺されることがほとんどない。その結果、可視光蛍光像において明るい病変領域は、重畳画像350でもそのまま明るく表示され、可視光蛍光像において暗い正常領域は、重畳画像350でもそのまま暗く表示される。このように、可視光蛍光像の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせることで、可視光蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した、病変領域330の外縁を明瞭に示す重畳画像350を合成することができる。
前述の通り、重畳画像350を合成する基となる可視光蛍光像および赤外光像は、同一視点からの観察像である。したがって、図7に示すように可視光蛍光像の輝度成分と赤外光像の輝度成分とを足し合わせて、可視光蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した重畳画像350を合成し、表示部200の表示画面202に表示することにより、ユーザは、病変領域の外縁が明瞭な重畳画像350を観察して、病変領域の位置や範囲をより正確に特定することができる。
以上のように、本実施の形態の蛍光観察装置は、可視光蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した重畳画像を表示することができる。これにより、本発明の蛍光観察装置は、病変領域の位置や範囲をより正確に特定しうる画像をユーザに提供することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、第一の撮像手段(蛍光撮像部および可視光撮像部)が蛍光像と可視光像とを別個に撮像し、第二の撮像手段(赤外光撮像部)が赤外光像を撮像する例を示す。
図8は、実施の形態2に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図である。図8において、蛍光観察装置400は、照明光源110、励起光源120、赤外光源130、ビームスプリッタ140、励起光カットフィルタ150、蛍光分離フィルタ410、蛍光撮像部420、可視光撮像部430、赤外光透過フィルタ170、赤外光撮像部180、画像合成部440、表示部200を備える。実施の形態1に係る蛍光観察装置と同じ構成要素については同一の符号を付し、重複箇所の説明を省略する。
蛍光分離フィルタ410は、波長が概ね670nm以上の光を反射させ、波長が概ね660nm未満の光を透過させる第二の光分離手段である。すなわち、蛍光分離フィルタ410は、励起光カットフィルタ150を通過した透過光250を、タラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分(波長:概ね670〜800nm)を含む反射光(第三の分離光)510と、可視光成分(波長:概ね380〜660nm)を含む透過光(第四の分離光)520とに分離する。
蛍光撮像部420は、蛍光分離フィルタ410で分離された第三の分離光(蛍光)510から蛍光像を撮像する。可視光および赤外光に比べて蛍光の光強度は弱いため、蛍光撮像部420は、可視光撮像部430および赤外光撮像部180よりも高感度であることが好ましい。
可視光撮像部430は、蛍光分離フィルタ410を通過した第四の分離光(可視光)520から可視光像を撮像する。
画像合成部440は、蛍光撮像部420で撮像された蛍光像と可視光撮像部430で撮像された可視光像と赤外光撮像部180で撮像された赤外光像とを合成する。
以下、上述のように構成された蛍光観察装置400の動作を説明する。実施の形態1と同様に、タラポルフィンナトリウムを投与した患者の病変領域を含む領域を観察領域210とした場合について説明する。
まず、照明光源110、励起光源120および赤外光源130が、それぞれ可視光(波長380〜660nm)、励起光(波長655〜670nm)および赤外光(波長800〜960nm)を観察領域210に同時に照射する。観察領域210からの反射光220は、ビームスプリッタ140に到達する。この反射光220には、観察領域210の全体の様子を示す可視光イメージ情報と、励起したタラポルフィンナトリウムが発した蛍光の分布を示す蛍光イメージ情報と、赤外光の吸収分布を示す赤外光イメージ情報とが含まれている(図1参照)。
次いで、反射光220は、ビームスプリッタ140により、可視光成分およびタラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分を含む透過光230と、赤外光成分を含む反射光240とに分離される。分離された透過光230(波長:概ね800nm未満)は、励起光カットフィルタ150で励起光成分が除去される。励起光成分が除去された透過光250は、蛍光分離フィルタ410により、タラポルフィンナトリウムが発した蛍光成分(波長:概ね670〜800nm)を含む反射光(第三の分離光)510と、可視光成分(波長:概ね380〜660nm)を含む透過光(第四の分離光)520とに分離される。この第三の分離光510には蛍光イメージ情報が含まれており、第四の分離光520には可視光イメージ情報が含まれている。
一方、ビームスプリッタ140で分離された反射光240(波長:概ね800nm以上)は、赤外光透過フィルタ170で赤外光以外の成分が除去される。赤外光以外の成分が除去された反射光260は、赤外光撮像部180に到達する。この反射光260には、赤外光イメージ情報が含まれている。
次いで、蛍光撮像部420は、蛍光イメージ情報を含む第三の分離光510から蛍光像を撮像する。蛍光撮像部420が高感度であれば、蛍光撮像部420は微弱な蛍光も撮像することができる。また、蛍光撮像部420は、蛍光像に対して画像強調処理を行ってもよい。同様に、可視光撮像部430は、可視光イメージ情報を含む第四の分離光520から可視光像を撮像し、赤外光撮像部180は、赤外光イメージ情報を含む反射光260から赤外光像を撮像する。得られた蛍光像、可視光像および赤外光像は、画像合成部440により一の画像に合成される。合成された画像は、表示部200の表示画面202に表示される。
画像合成部440は、蛍光像と可視光像と赤外光像とを並列に並べて一の画像を作成してもよいが、蛍光像と可視光像と赤外光像とを重畳して一の画像を作成する方が好ましい(図7参照)。本実施の形態では、蛍光像、可視光像および赤外光像の3種類の画像情報を扱うため、それぞれを並列に並べて表示すると画面構成が複雑になり、直感的な理解を妨げることになるからである。手術などの瞬間的な判断が必要とされる状況では、このようにわかりやすく情報を表示することは重要である。
以上のように、本実施の形態の蛍光観察装置は、実施の形態1の蛍光観察装置と同様に
、蛍光像から血管由来の蛍光成分のみを低減した重畳画像を表示することができ、病変領域の位置や範囲をより正確に特定しうる画像をユーザに提供することができる。また、本実施の形態の蛍光観察装置は、蛍光像と可視光像とを別個に撮像するため、蛍光が微弱な場合には蛍光像に対して個別に画像強調処理を行うことができ、病変領域の位置や範囲をより正確に特定しうる画像をユーザに提供することができる。
本出願は、2007年8月29日出願の特願2007−223084に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の蛍光観察装置は、例えば、神経膠腫(グリオーマ)や舌癌などの悪性腫瘍の位置や範囲を特定するための医療機器として有用である。例えば、本発明の蛍光観察装置は、手術などの処置中における病変領域およびその周辺領域の時々刻々と変化する様子を、血管由来の蛍光成分を低減したより的確な処置を行いうる情報としてユーザに随時提供できる。
可視光、蛍光および赤外光の波長の範囲を示す図 本発明の実施の形態1に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図 酸化ヘモグロビンおよびタラポルフィンナトリウムの光の吸収特性を示す図 ヒトの眼の波長感度特性を示す図 タラポルフィンナトリウムに対する励起光の波長とタラポルフィンナトリウムが発する蛍光の波長との関係を示す図 本発明の実施の形態1に係る蛍光観察装置の画像合成方法の一例を示す図 本発明の実施の形態1に係る蛍光観察装置の画像合成方法の異なる例を示す図 本発明の実施の形態2に係る蛍光観察装置の構成を示す模式図
100,400 蛍光観察装置
110 照明光源
120 励起光源
130 赤外光源
140 ビームスプリッタ
150 励起光カットフィルタ
160 可視光蛍光撮像部
170 赤外光透過フィルタ
180 赤外光撮像部
190,440 画像合成部
200 表示部
202 表示画面
210 観察領域
220 反射光
230 第一の分離光
240 第二の分離光
250 反射光の可視光成分および蛍光成分
260 反射光の赤外光成分
300 可視光蛍光像
310 赤外光像
320 正常領域
330 病変領域
340 血管
350 重畳画像
410 蛍光分離フィルタ
420 蛍光撮像部
430 可視光撮像部
510 第三の分離光
520 第四の分離光

Claims (13)

  1. 生体内の光感受性物質が発する蛍光を観察する蛍光観察装置であって、
    可視光を所望の観察領域に照射する照明光源と、
    ポルフィリン系光感受性物質またはクロリン系光感受性物質を励起して蛍光を発生させる励起光を前記観察領域に照射する励起光源と、
    赤外光を前記観察領域に照射する赤外光源と、
    前記観察領域からの反射光を、可視光成分および前記蛍光成分を含む第一の分離光と、赤外光成分を含む第二の分離光とに分離する光分離手段と、
    前記第一の分離光から励起光成分を除去する励起光除去手段と、
    前記励起光成分を除去された第一の分離光を撮像する第一の撮像手段と、
    前記第二の分離光を撮像する第二の撮像手段と、
    前記第一の撮像手段により撮像された画像と前記第二の撮像手段により撮像された画像を一の画像に合成する画像合成手段と、
    を有する蛍光観察装置。
  2. 前記第一の撮像手段は、
    前記励起光成分を除去された第一の分離光を、前記蛍光成分を含む第三の分離光と、前記可視光成分を含む第四の分離光とに分離する第二の光分離手段と、
    前記第三の分離光を撮像する蛍光撮像手段と、
    前記第四の分離光を撮像する可視光撮像手段と、
    を有する、請求項1に記載の蛍光観察装置。
  3. 前記可視光は、概ね380〜660nmの範囲内の波長の光であり、前記励起光は、概ね600〜700nmの範囲内の波長の光であり、前記赤外光は、概ね800〜1200nmの範囲内の波長の光である、請求項1に記載の蛍光観察装置。
  4. 前記光分離手段は、700nm以下の波長の光を含む光を第一の分離光として分離し、800nm以上の波長帯域の光を含む光を第二の分離光として分離する、請求項3に記載の蛍光観察装置。
  5. 前記励起光は、概ね655〜670nmの範囲内の波長の光である、請求項3に記載の蛍光観察装置。
  6. 前記励起光は、半値幅が2nm以下である、請求項5に記載の蛍光観察装置。
  7. 前記励起光源は、半導体レーザである、請求項1に記載の蛍光観察装置。
  8. 前記赤外光は、概ね800〜960nmの範囲内の波長の光である、請求項3に記載の蛍光観察装置。
  9. 前記第一の撮像手段および前記第二の撮像手段は動画を撮像する、請求項1に記載の蛍光観察装置。
  10. 前記一の画像は、並列に並べられた前記第一の撮像手段により撮像された画像と前記第二の撮像手段により撮像された画像とを含む、請求項1に記載の蛍光観察装置。
  11. 前記一の画像は、前記第一の撮像手段により撮像された画像の輝度成分と前記第二の撮像手段により撮像された画像の輝度成分とを足し合わせて合成された画像である、請求項1に記載の蛍光観察装置。
  12. 前記第二の光分離手段は、670nm以上の波長の光を含む光を第三の分離光として分離し、660nm以下の波長の光を含む光を第四の分離光として分離する、請求項2に記載の蛍光観察装置。
  13. 前記蛍光撮像手段は、前記第二の撮像手段および前記可視光撮像手段よりも高感度である、請求項2に記載の蛍光観察装置。
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