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Description

本発明は、生体試料の画像を取得するための画像取得装置および方法に関する。
細胞等の生物由来の試料(生体試料)を顕微鏡下で解析する方法において、明視野画像と、発光画像(暗視野画像)と、を重ね合わせて解析を行う手法がある。この解析手法では、試料に対して可視光を照射した状態で試料にフォーカスを合わせて明視野画像を取得する。同様に、試料に可視光を当てない暗視野状態で、所定の露光時間をかけて撮影を行って、試料の自家発光の光等を取り込んだ発光画像を取得する。そして、2つの工程で取得した明視野画像と発光画像とを重ね合わせて、例えば、細胞の識別或いは細胞のピックアップ作業等の用途に利用される(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2007−93488号公報 特開2011−196867号公報
例えばオプシン遺伝子を発現する細胞など、いわゆる光感受性の生体試料を解析する場合には、明視野像を取得するために生体試料に可視光を照射すると、生体試料の性質が変化してしまう。このため、光感受性の生体試料の解析には、可視光を照射して明視野画像を取得する手法が適用できない。
一方、暗視野下において生体試料にフォーカスを合わせることは困難である。生体試料の自家発光は、通常極めて微弱であり、発光画像の取得には、数分から数十分の露光時間を要する。発光画像の取得後に、フォーカスが不良であった場合には、フォーカス位置を微調整した後に、再度発光画像の取得を行う。このような作業を複数回繰り返してフォーカスの調整を行う。その結果、暗視野下でのフォーカス調整には膨大な時間を要するか、或いはフォーカス調整がうまくいかず、鮮明な像が取得できないという問題を生ずる。
本発明の目的は、光感受性の生体試料を取り扱う際の利便性を向上した画像取得装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る顕微鏡装置は、暗室と、前記暗室内に設けられるとともに前記暗室内に保持された生体試料に赤外光を照射する光源と、を備える。顕微鏡装置は、前記生体試料に前記赤外光が照射された照明状態において当該生体試料から明視野画像を取得するとともに、非照明状態において前記生体試料の微弱光画像を取得する画像取得部と、前記明視野画像と前記微弱光画像とを重ね合わせて表示する表示部を有する制御装置と、を備える。
上記の構成によれば、光感受性の生体試料を取り扱う際の利便性を向上した画像取得装置を提供できる。
第1実施形態にかかる顕微鏡システムの全体構成を示した斜視図。 図1に示す顕微鏡システムの顕微鏡装置を示すブロック図。 可視光を用いて明視野画像を取得する従来型の顕微鏡装置を用いて、可視光および刺激光を照射した際の光感受性の生体試料のCa2+反応を示すグラフ。 実施形態の顕微鏡システムを用いて、赤外光および刺激光を照射した際の光感受性の生体試料のCa2+反応を示すグラフ。 図1に示す顕微鏡システムにおいて、赤外光を利用して取得した生体試料の明視野画像を示す図。 図1に示す顕微鏡システムにおいて、暗視野で取得した生体試料の微弱光画像(発光画像)を示す図。 図5に示す明視野画像と図6に示す微弱光画像と重ね合わせて表示部に表示された重ね合わせ画像を示す図。 第2実施形態の顕微鏡システムを用いて照射強度1で取得した画像を示す図。 第2実施形態の顕微鏡システムを用いて照射強度2で取得した画像を示す図。 第2実施形態の顕微鏡システムを用いて照射強度5で取得した画像を示す図。 第2実施形態の顕微鏡システムを用いて照射強度7で取得した画像を示す図。 第2実施形態の顕微鏡システムを用いて照射強度10で取得した画像を示す図。 第2実施形態の顕微鏡システムを用いて照射強度0ないし10で取得した画像および明視野画像中の発光細胞、非発光細胞、バックグラウンドの輝度を示したグラフ。 図13に示すグラフに示すデータからバックグラウンドの輝度に対する、発光細胞の自己発光の輝度の比と、非発光細胞の輝度の比と、を示すグラフ。
[第1実施形態]
以下、図1から図7を参照して、第1実施形態の顕微鏡システムについて説明する。この顕微鏡システム11は、例えば、生体試料(培養細胞)をディッシュ等の容器を用いて培養したり、経時的に該細胞の微弱光画像および明視野画像(位相差画像を含む)等を取得したり、該細胞の現在の状態を示す画像(ライブ画像)を取得したり、この微弱光画像、明視野画像およびライブ画像等に基づいて1つの細胞、細胞のコロニー、或いは細胞の凝集塊である胚様体をピックアップしたり、多目的に使用される。この顕微鏡システム11では、制御装置12の表示部13(表示画面14)上において、明視野画像と微弱光画像とを重ね合わせて表示することができる。顕微鏡システム11は、画像取得装置の一例である。
以下の実施形態でいう生体試料には、ルシフェラーゼやその他の発光性または蛍光性のあるタンパク質等を導入した各種の細胞(胚性幹細胞(ES細胞)、組織性幹細胞、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの培養細胞)、およびルシフェラーゼやその他の発光性または蛍光性のあるタンパク質等を導入した各種の生物が含まれる。本実施形態にいう微弱光画像には、細胞内のタンパク質(例えば、各種のルシフェラーゼ)などの自己発光の性質によって得られる発光画像が含まれる。本実施形態にいう微弱光画像には、例えば各種のGFP等のタンパク質を導入した細胞に励起光を照射して得られる蛍光画像が含まれていてもよい。
顕微鏡システム11は、顕微鏡装置15と、顕微鏡装置15に付属する周辺機器16と、を有している。顕微鏡装置15は、例えば発光を十分な時間(1分以上)露光する撮像素子(CCD、CMOS等)と、高NAの結像光学系(対物レンズ、結像レンズ等)と、を備え、これらによって細胞等から発せられる微弱光に基づいて微弱光画像を取得する。
図1、図2に示すように、顕微鏡装置15は、ディッシュ等に載置された生体試料21を保持可能な本体22と、本体22の頂部に設けられた暗箱23(暗室)と、暗箱23の上部を覆う蓋24と、暗箱23内に設けられたインキュベータ25と、インキュベータ25内に設けられ皿状をなしたステージ26と、ステージ26上に置かれるディッシュ等の容器27と、容器27内に保持された生体試料21と、を有している。
インキュベータ25およびステージ26には、観察用の孔が設けられている。図1に示すように、顕微鏡装置15は、暗箱23の下側に、例えば、ステージをX軸方向(前後方向)およびY軸方向(左右方向)に手動で移動させるためのハンドル28を有している。
顕微鏡装置15は、本体22の暗箱23の下部に、ステージ26の下方に設けられた対物光学系31と、対物光学系31を通る不要な光を遮断する第1のフィルタ32と、対物光学系31および第1のフィルタ32の下方に設けられて対物光学系31を通った光を検出できるCCDカメラ33(カラーCCDカメラ)と、を有している。また、対物光学系31には図示しないズーム機構を備えていてもよい。CCDカメラ33は、画像(生体試料21の微弱光画像および明視野画像、生体試料21のライブ画像等)を取得可能な画像取得部の一例である。CCDカメラ33には、いわゆるIRカットフィルターが取り外されたカラーCCDカメラが用いられる。
顕微鏡装置15に接続される周辺機器16には、明視野画像や蛍光画像を取得する際に利用される光源34と、光源34およびCCDカメラ33と接続された制御装置12(コンピュータ)と、が含まれる。
光源34は、暗箱23内に保持された生体試料21に赤外光を照射可能なランプまたはLED等を有している。光源34は、赤外光の中でも、近赤外光を照射可能な赤外線発光ダイオードを用いることが好ましい。なお、赤外光は、一般的には、0.78μmから1000μmまでの範囲の電磁波をいう。近赤外光は、一般的には0.78μmから2μmまでの範囲の電磁波をいう。本実施形態では、光源34の一例として、最大発光波長が0.90μmから1.00μmの赤外線発光ダイオードが用いられる。
光源34は、白色光を照射可能なランプやLED等を別途に有していてもよい。本実施形態では、光源34は、制御装置12の制御下でオン・オフ制御されるが、スイッチを設けて手動でオン・オフの操作を行ってもよい。
光源34は、例えば、暗箱23内(蓋24内)に設けられているが、光源34は必ずしも顕微鏡装置15内に搭載されている必要は無い。光源34は、顕微鏡装置15外に設置されてもよく、光源34からの光をミラーや光ファイバ等で伝達するようにして顕微鏡装置15の暗箱23内に入射させてもよい。光源34は、蛍光観察時に利用する励起光を照射可能な蛍光ユニットをさらに備えていても良い。本実施形態で用いることができる顕微鏡装置15には、例えばオリンパス株式会社製の発光イメージングシステムLUMINOVIEW LV200(LUMINOVIEW(登録商標)があるが、これに限定されるものではなく、他の顕微鏡装置を用いてもよい。
図1に示される制御装置12は、一般的なパーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、液晶ディスプレイ等で構成される表示部13(表示画面14)と、入力手段としてのキーボード35およびマウス36など、を含んでいる。制御装置12は、CCDカメラ33の撮影条件の制御、取得像の画像化と表示部13への表示、および光源34の光量を制御することができる。制御装置12は、取得した微弱光画像および明視野画像の記憶のほか、これら微弱光画像および明視野画像の画像処理や画像解析をすることができる。制御装置12は、これら画像解析の結果のデータを観察条件とともに記憶することができる。制御装置12は、第1のフィルタ32を種類の異なる適切なフィルタに切り替える制御を行うことができる。さらに制御装置12は、対物光学系31のズーム制御を行うことができる。
顕微鏡装置15で明視野画像を取得する場合には、光源34から近赤外光が照射されるようにして生体試料21を照明し、透過した光が、対物光学系31を進み、第1のフィルタ32で光が遮断されないようにして、CCDカメラ33で検出される。CCDカメラ33で検出された光は、制御装置12に送られて画像化される。微弱光画像を取得する場合には、生体試料21から発せられた光は、対物光学系31に進み、第1のフィルタ32で不要な光が遮断されてCCDカメラ33で検出される。CCDカメラ33で検出された光は、制御装置12に送られて画像化される。また、蛍光画像を取得する場合は、光源34から射出された光は、光源34に設けられたフィルタで蛍光タンパク等を励起する波長の光のみを透過され、生体試料21に照射される。生体試料21で発せられた光は、対物光学系31を進み、第1のフィルタ32で不要な光が遮断されて、CCDカメラ33で検出される。CCDカメラ33で検出された光は、制御装置12に送られて画像化される。
なお、本実施形態のように赤外光(特に、近赤外光)を用いて取得した明視野画像は、バックグラウンドの色が薄紫色になるものの、可視光を用いて取得した明視野画像と遜色ない同等以上の画質を有する。むしろ、近赤外光を用いて取得した明視野画像は、生体試料21に厚みがある場合に、近赤外光の高い透過性により可視光で取得した明視野画像よりも鮮明な像を得ることができる。
続いて、図3、図4を参照して、可視光を用いて明視野画像を取得する従来型の顕微鏡装置を用いて観察した場合と、本実施形態のように赤外光を用いて明視野画像を取得する顕微鏡装置15を用いて観察した場合の、両方について光感受性の生体試料21に与える影響について評価した結果について説明する。
光感受性の生体試料21としては、様々な細胞(培養細胞)や生体組織、或いは光を感じることができる目や感覚器を持った動物等があるが、本評価では、例えば、オプシン遺伝子を発現させた培養細胞(HEK293細胞)を用いた。この培養細胞には、予めOPN5とCa2+発光インジケーターの発現ベクター(cpGL−CaM)を所定の方法で遺伝子導入してある。この培養細胞は、レチナール誘導体を添加した培地で予め培養されている。また、培養細胞の発光観察の前には、培養細胞に対してルシフェリンが最適な濃度で添加される。
この光感受性の生体試料を観察する実験系では、まず細胞観察用の光(可視光または赤外光)で20秒間生体試料21を観察し、その後OPN5の刺激光(青色光)を生体試料21に20秒間照射して、Ca2+の応答を観察した。この実験系では、光感受性の培養細胞に対して刺激光(青色光)を照射すると、Ca2+が放出され、細胞の発光量が低下する。
図3に示すように、細胞観察用の光に可視光を用いた場合には、可視光の照射時と刺激光の照射時の両方で培養細胞の発光量(相対発光量)が低下するCa2+の応答が見られた。これに対して、図4に示すように、細胞観察用の光に赤外光を用いた場合には、赤外光を照射時には発光量が低下せず、刺激光の照射時に発光量が低下した(すなわち、Ca2+の応答が見られた。)。この評価結果から、光感受性の生体試料21を評価する実験系でも、生体試料21に光刺激を与えることなく生体試料21の評価を行うことができることが確認された。
続いて、本実施形態の顕微鏡装置15を用いた生体試料21の観察手順および重ね合わせ画像の表示方法について説明する。
生体試料21を顕微鏡装置15に設置した後、生体試料21の種類や培養の条件に応じて、観察条件を設定する。続いて、生体試料21に赤外光を照射した状態で、制御装置12からCCDカメラ33を操作して生体試料21にフォーカスを合わせて明視野画像41を取得する(図5参照)。この明視野画像41は、制御装置12に内蔵される記憶装置に保存される。
続いて、上記の明視野画像41を取得した際のフォーカス状態のまま、生体試料21の微弱光画像42を取得する。発光画像を微弱光画像42として取得する場合には、生体試料21からの発光量が極めて少ないため、露出時間を十分に確保して鮮明な画像を取得(撮影)する。露光時間は、例えば、数分から数十分である。蛍光画像を微弱光画像42として取得する場合には、生体試料21に最適な光量の励起光を照射することで十分な発光量が得られるため、比較的短時間で鮮明な画像を取得できる。
微弱光画像42は、制御装置12からCCDカメラ33を操作して画像を取得する(図6参照)。取得された発光画像あるいは蛍光画像は、制御装置12に内蔵される記憶装置に保存される。
続いて、明視野画像41と微弱光画像42とを重ね合わせた重ね合わせ画像を表示部13に表示する。まず、ユーザは、重ね合わせ表示を行いたい明視野画像41を表示部13に表示させる。この明視野画像は、上記の工程で記憶装置に記憶されたものを選択してもよいし、生体試料21に再度赤外光(近赤外光)を照射して上記明視野画像41や微弱光画像42を取得した際と同じフォーカス位置でライブ画像を取得し、このライブ画像を明視野画像として表示部13に表示することもできる。
明視野画像41を表示した状態で、重ね合わせ表示を表示する設定にして、ユーザが明視野画像41に含まれている生体試料21の一部(コロニー、細胞、動物の一部等)と同じ部分を含んだ微弱光画像42の表示を制御装置12に指示すると、制御装置12が微弱光画像42を読み出す。これによって表示部13では、微弱光画像42が明視野画像41の一部に重ねて表示され、この微弱光画像42は、表示位置をマウス36等を介して手動で変更できるように表示部13に表示される。すなわち、本実施形態では、微弱光画像42内の生体試料21の一部の像が明視野画像41中の対応する生体試料21の一部の像と重なるように、ユーザがマウス36等を利用してマニュアルで微弱光画像42を移動させ、微調整しつつ微弱光画像42を配置する。この明視野画像41に対する微弱光画像42の重ね合わせは、画像認識等の手法によって自動的に制御装置12で行うようにしてもよい。なお、明視野画像41の倍率を変更した場合は、制御装置12は、それに合わせて微弱光画像42の縮小率も適宜に変更して明視野画像41に重ね合わせて表示することができる。
図7に示すように、明視野画像41に対して適切な位置で微弱光画像42が表示された場合には、明視野画像41に対して微弱光画像42の位置を固定して重ね合わせ画像43を作成し、必要に応じてこの重ね合わせ画像43を制御装置12の記憶装置に保存する。この重ね合わせ画像43は、特定の遺伝子を発現している細胞の選別あるいはピックアップ、分化している細胞の特定など、種々の用途に用いることができる。
第1実施形態によれば、画像取得装置は、暗室と、前記暗室内に設けられるとともに前記暗室内に保持された生体試料21に赤外光を照射する光源34と、生体試料21に前記赤外光が照射された照明状態において生体試料21から明視野画像41を取得するとともに、非照明状態において生体試料21の微弱光画像42を取得する画像取得部と、明視野画像41と微弱光画像42とを重ね合わせて表示する表示部13を有する制御装置12と、を備える。
本実施形態の画像取得方法は、赤外光を生体試料21に照射して生体試料21の明視野画像41を取得し、生体試料21の微弱光画像42を取得し、明視野画像41と微弱光画像42とを重ね合わせて表示する。
一般に、暗視野において細胞等の生体試料にフォーカスを合わせることは困難であり、微弱光画像42を取得するのに先だって明視野画像41を取得することが通常行われる。特に微弱光画像42として、細胞の自己発光の性質によって得られる発光画像を取得する際には、発光画像の取得に長時間の露光が必要であるため、フォーカスを合わせることがさらに困難であった。
上記の構成によれば、いわゆる光感受性の生体試料に対して、光刺激を与えることなく生体試料21の明視野画像41を取得することができる。これによって、例えば光刺激に生体試料21が反応する実験系、特に光刺激によって生体試料21が不可逆的に変化してしまうような実験系において、赤外光で明視野画像41を取得することで迅速なフォーカス合わせおよび観察領域の決定を行うことができる。また、赤外光(近赤外光)を生体試料21に照射することで、赤外光(近赤外光)の高い透過性(周囲の物質に近赤外光が吸収されない性質)によって、生体試料21(細胞)の輪郭がはっきりとした明視野画像41を得ることができる。これによって、特に厚みの大きい生体試料21において明瞭な明視野画像を得ることができる。
[第2実施形態]
続いて、図8から図14を参照して、顕微鏡システム11の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の顕微鏡システム11は、生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41を1回で取得する点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については説明を省略する。第2の実施形態の顕微鏡システム11は、図1に示すものと同様の外観を有する。顕微鏡システム11は、画像取得装置の一例である。
顕微鏡システム11の周辺機器には、明視野画像41を取得する際に利用される光源34と、光源34およびCCDカメラ33(画像取得部)と接続された制御装置12(コンピュータ)と、が含まれている。
光源34は、生体試料21に赤外光を照射可能なランプまたはLED等を有している。光源34は、特に、近赤外光を照射可能な赤外線発光ダイオードを用いることが好ましい。
光源34は、明視野画像41を取得する際の全露光時間中の一部の時間で短時間点灯することで、結果として生体試料21に対して微弱な赤外光(近赤外光)を照射することができる。このとき、光源の1回の点灯時間を例えば、0.5〜1秒とし、露光時間中に光源を複数回点灯させることで、微弱な赤外光を実現する。この微弱な赤外光は、例えば、表示部13の表示画面14上で(生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41中で)、バックグラウンドの輝度が生体試料21の自己発光の輝度よりも1.25倍以上暗くなる程度に微弱な光である。
光源のオン・オフの制御は、例えば光源34に接続された制御装置12によってなされるが、光源34に接続されたスイッチによって手動でオン・オフの切り替え操作を行ってもよい。また、微弱な赤外光は、極めて微弱な赤外光(近赤外光)を露光時間の全体で連続的に点灯させることで実現してもよい。
続いて、本実施形態の顕微鏡システム11を使用して生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41を取得する手順について説明する。
生体試料21の自己発光の光を含んだ明視野画像41の取得に先立って、生体試料21に赤外光を照射した状態で対物光学系31およびハンドル28を操作して生体試料21の観察したい地点にフォーカスを合わせる。
続いて、生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41をCCDカメラ33で取得する。通常、生体試料21の自己発光の光は微弱であるため、このような明視野画像41の取得には、数分から数十分の露光時間を要する。本実施形態では、露光時間は、例えば3分間である。露光時間中において、制御装置12によって光源34のオン・オフ制御を行って、生体試料21に微弱な赤外光を照射する。本実施形態では、露光時間中の光源34の点灯回数を例えば、2回とした。このような手順によって、例えば図9に示すような生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41を取得することができる。
さらに発明者らは、微弱な赤外光の強度をどの程度に設定すればよいかについて検討を行った。図8から図14では、露光時間中の光源34の点灯回数を変化させることで、微弱な赤外光の照射強度を操作して、これの最適な強度を見出すことにした。本検討では、光源34の点灯回数が1回の場合、照射強度1となり、光源34の点灯回数がn回の場合、照射強度nとなる。光源34の点灯回数が0回の場合、照射強度0となる。このようにして、照射強度0〜10までの条件で生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41をCCDカメラ33で取得した。
図8から図12のそれぞれに、照射強度1、2、5、7、10で取得した画像を示す。これらのすべての画像において、円で囲まれた領域1〜3は、自己発光している細胞を示す。領域4〜6は発光していない細胞を示し、領域7〜9はバックグラウンドを示している。図13に、表示画面14上に表示された照射強度1〜10の各画像における、生体試料21(発光細胞)の自己発光の輝度、非発光細胞の輝度、バックグラウンドの輝度を示した表を示す。図14に、バックグラウンドの輝度に対する生体試料21(発光細胞)の自己発光の輝度の比と、バックグラウンドの輝度に対する非発光細胞の輝度の比と、を示す。
照射強度1〜10の各画像を検討した結果、照射強度1、2の画像について明視野画像41中で生体試料21の自己発光(発光細胞)を確認することができた。一方、図10から図12に示すように照射強度3〜10の画像については、バックグラウンドの輝度が上がり、発光細胞と非発光細胞とを区別することが難しくなった。
図14に示すように、非発光細胞は、バックグラウンドの輝度に対して1.25倍程度の輝度を有する。そして、上記のように発光細胞を明確に区別できる照射強度1、2の画像では、バックグラウンドの輝度に対する生体試料21の自己発光の輝度は、いずれも1.25倍よりも高い数値を示した。
このため、生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41を取得するには、バックグラウンドの輝度が生体試料21の自己発光(発光細胞)の輝度よりも1.25倍以上暗くなるように微弱な赤外光を照射することが好ましいことが分かった。また、赤外光の強度の下限としては、生体試料21(発光細胞)の輪郭が把握できる程度の強度ということができる。
本実施形態によれば、画像取得装置は、暗室と、前記暗室内に設けられるとともに前記暗室内に保持された生体試料21に微弱な赤外光を照射する光源34と、前記微弱な赤外光が照射された生体試料21から、生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41を取得する画像取得部と、を備える。
また、本実施形態の方法では、生体試料21に微弱な赤外光を照射して生体試料21の自己発光の光を含む明視野画像41を取得する。
これらの構成によれば、第1実施形態のように、明視野画像41と微弱光画像42とを重ね合わせる工程を必要とせず、重ね合わせ画像を得るための手順を簡略化することができる。同様に、第1実施形態では、明視野画像41を取得する時と、微弱光画像42を取得する時と、の間でタイムラグがあり、動いている生体試料21(例えば動物等)の場合には両画像の間でずれを生じることがある。本実施形態によれば、動いている生体試料21であっても、生体試料21の自己発光の光を含んだ明視野画像41(重ね合わせ画像)をずれなく簡単に取得することができる。
微弱な赤外光は、バックグラウンドの輝度が生体試料21の自己発光の輝度よりも1.25倍以上暗くなるように微弱である。この構成によれば、生体試料21の自己発光がバックグラウンドの光に埋もれない範囲で、赤外光によって生体試料21の輪郭を明らかにした明視野画像41を取得することができる。
光源34は、微弱光画像42を取得する際の露光時間中の一部の時間で生体試料21に赤外光を照射することで前記微弱な赤外光を実現する。この構成によれば、微弱な赤外光を低コストで簡単に実現することができる。また、赤外光は、近赤外光である。このため、近赤外光の高い透過性によって、生体試料21のクリアな像を得ることができる。このため、生体試料21に多少の厚みがある場合でも、生体試料21の輪郭を透過的に示したクリアな像を得ることができる。
本実施形態に記載した顕微鏡システム11は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、顕微鏡装置15には、生体試料21としての細胞や組織等を生きた状態に保つためのインキュベータ25が設けられているが、このようなインキュベータ25がない顕微鏡装置15にも適用することができる。また、上記実施形態では、明視野画像41をライブ画像と区別して説明しているが、明視野画像41をライブ画像に置き換えて実施することも当然にできる。さらに、第1実施形態中の構成要素と第2実施形態中の構成要素とを組み合わせて1個の発明を構成することもできる。
11…顕微鏡システム、12…制御装置、13…表示部、14…表示画面、21…生体試料、23…暗箱、33…CCDカメラ、34…光源、41…明視野画像、42…微弱光画像、43…重ね合わせ画像

Claims (3)

  1. 赤外光を生体試料としての細胞に照射して前記細胞にフォーカスしたフォーカス状態で前記細胞の明視野画像を取得し、
    前記フォーカス状態のまま前記細胞の微弱光画像を取得し、前記細胞が光感受性であり、さらに刺激光として青色光を前記細胞に照射し、前記刺激光が照射された前記細胞の微弱光画像を取得し、
    前記明視野画像と前記微弱光画像とを重ね合わせて表示する方法。
  2. 前記赤外光は、近赤外光である請求項に記載の方法。
  3. 前記フォーカス状態で再度赤外光を前記細胞に照射してライブ画像を取得する請求項に記載の方法。
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