JP2009065848A - 遺伝子発現解析方法および遺伝子発現解析システム - Google Patents

遺伝子発現解析方法および遺伝子発現解析システム Download PDF

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Abstract

【課題】長期間にわたって細胞を追跡することができ、その細胞に導入された遺伝子の発現を精度よく解析することができる遺伝子発現解析方法および遺伝子発現解析システムを提供する。
【解決手段】発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核に特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、レポーター遺伝子の発現に伴って発生するレポーターシグナルを互いに異なる経過時間で検知する一方、マーカー遺伝子によって発生するマーカーシグナルを互いに異なる経過時間で検知し、検知した複数のマーカーシグナルを用いて異なる経過時間における細胞の同定を行い、同定した細胞の少なくとも一部に対して、レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生きた細胞に対して導入した遺伝子の発現を解析する遺伝子発現解析方法および遺伝子発現解析システムに関するものである。
近年、生きた細胞に導入した遺伝子の発現量の時間変化などを検出する目的で、細胞を生きたままの状態で長期間にわたって観察する実験用途が増えてきている。細胞を長期間にわたって観察する場合、細胞の成長や分裂によってその細胞の形態および位置が変化するため、同一の細胞を追跡することが難しいという問題があった。
上述した問題を解決するための技術として、従来、赤外光を利用して細胞を撮像し、撮像した画像の細胞画像データを用いて細胞の同一性を確認する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−238802号公報
しかしながら、上述した従来技術では、細胞全体を用いて同一性を評価しているため、時間の経過とともに細胞質の形状が大きく変化するような場合には細胞を追跡することが困難となり、遺伝子の発現を精度よく検出する上での障害となっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、長期間にわたって細胞を追跡することができ、その細胞に導入された遺伝子の発現を精度よく解析することができる遺伝子発現解析方法および遺伝子発現解析システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核で特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、前記レポーター遺伝子の発現を解析する遺伝子発現解析方法であって、前記レポーター遺伝子の発現によって上昇するレポーターシグナルおよび前記マーカー遺伝子の発現によって上昇するマーカーシグナルをそれぞれ検知可能であり、前記レポーターシグナルおよび前記マーカーシグナルに関する情報を記憶する記憶手段を備えた遺伝子発現解析システムが、前記レポーターシグナルを光学的に検知するレポーターシグナル検知ステップと、前記レポーターシグナル検知ステップで検知したレポーターシグナルのシグナル強度を測定し、この測定した結果を前記記憶手段に記憶するレポーターシグナル強度測定ステップと、前記マーカーシグナルを光学的に検知するマーカーシグナル検知ステップと、前記マーカーシグナル検知ステップで検知したマーカーシグナルのシグナル強度を測定し、この測定した結果を前記記憶手段に記憶するマーカーシグナル強度測定ステップと、を異なる経過時間ごとに繰り返し行った後、複数の前記マーカーシグナルのシグナル強度を含む情報を前記記憶手段から読み出し、この読み出した情報を用いて異なる経過時間における細胞の同定を行う細胞同定ステップと、前記細胞同定ステップで同定した複数の細胞の少なくとも一部に対し、前記レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行う解析ステップと、を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記細胞同定ステップの前に、前記レポーターシグナル検知ステップ、前記レポーターシグナル強度測定ステップ、前記マーカーシグナル検知ステップおよび前記マーカーシグナル強度測定ステップを繰り返し行うか否かを判定する判定ステップをさらに行うことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記細胞同定ステップの前に、前記レポーターシグナルの像と前記マーカーシグナルの像とを重ね合わせた画像を異なる経過時間ごとに生成する画像生成ステップと、前記画像生成ステップで生成した画像を出力する出力ステップと、をさらに行うことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記レポーター遺伝子はルシフェラーゼであることを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記マーカー遺伝子は、前記レポーター遺伝子と異なる色を示す波長の光を発する発光タンパク質であることを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記マーカー遺伝子はルシフェラーゼであることを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記解析ステップは、前記レポーターシグナルのシグナル強度を、同じ細胞における前記マーカーシグナルのシグナル強度を用いて補正するシグナル強度補正ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記マーカー遺伝子は蛍光タンパク質であることを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析方法は、上記発明において、前記細胞は、前記マーカー遺伝子が導入されてなり、前記細胞の成育または分裂の過程において、前記マーカーの発現量の変化は、前記レポーター遺伝子の発現量の変化と比較して無視しうることを特徴とする。
本発明に係る遺伝子発現解析システムは、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核で特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、前記レポーター遺伝子の発現を解析する遺伝子発現解析システムであって、前記レポーター遺伝子の発現に伴って発生するレポーターシグナルの光学的な検知を異なる経過時間ごとに繰り返し行うレポーターシグナル検知手段と、前記マーカー遺伝子によって発生するマーカーシグナルの光学的な検知を異なる経過時間ごとに繰り返し行うマーカーシグナル検知手段と、前記レポーターシグナル検知手段が検知したレポーターシグナルのシグナル強度および前記マーカーシグナル検知手段が検知したマーカーシグナルのシグナル強度をそれぞれ測定するシグナル強度測定手段と、複数の前記マーカーシグナルのシグナル強度を含む情報を用いることによって異なる経過時間における細胞の同定を行う細胞同定手段と、前記細胞同定手段で同定した細胞の少なくとも一部に対し、前記レポーターシグナル検知手段で検知したレポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行う解析手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析システムは、上記発明において、前記レポーターシグナル検知手段および前記マーカーシグナル検知手段における繰り返し処理を続行するか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記細胞同定手段は、前記判定手段が繰り返し処理を続行しないと判定した場合、異なる経過時間における細胞の同定を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析システムは、上記発明において、前記レポーターシグナルの像と前記マーカーシグナルの像とを重ね合わせた画像を異なる経過時間ごとに生成する画像生成手段と、前記画像生成手段が生成した画像を出力する出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析システムは、上記発明において、前記レポーターシグナル検知手段は、前記レポーターシグナルの像を結像する第1の結像光学系と、前記第1の結像光学系で結像した前記レポーターシグナルの像を撮像する第1の撮像手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析システムは、上記発明において、前記マーカーシグナル検知手段は、前記マーカーシグナルの像を結像する第2の結像光学系と、前記第2の結像光学系で結像した前記マーカーシグナルの像を撮像する第2の撮像手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子発現解析システムは、上記発明において、前記マーカー遺伝子は、前記レポーター遺伝子と異なる色を示す波長の光を発する発光タンパク質であり、前記解析手段は、前記レポーターシグナルのシグナル強度を、同じ細胞における前記マーカーシグナルのシグナル強度を用いて補正するシグナル強度補正手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核に特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、レポーター遺伝子の発現によって上昇するレポーターシグナルを互いに異なる経過時間で検知する一方、マーカー遺伝子の発現によって上昇するマーカーシグナルを互いに異なる経過時間で検知し、検知した複数のマーカーシグナルを用いて異なる経過時間における細胞の同定を行い、同定した細胞の少なくとも一部に対して、レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行うことにより、長期間にわたって細胞を追跡することができ、その細胞に導入された遺伝子の発現を精度よく解析することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る遺伝子発現解析システムの全体構成を模式的に示す図である。同図に示す遺伝子発現解析システム1は、複数の生きた細胞からなるサンプルSpを撮像することによってサンプルSpから発せられる遺伝子発現のシグナルを画像データとして光学的に観察する観察装置2と、観察装置2との間でデータの送受信が可能であり、観察装置2の駆動制御を行うとともに、観察装置2から送られてくる画像データを用いた演算処理を行うデータ処理装置3と、を有し、これら2つの装置が連携してサンプルSpの遺伝子発現量変化を検出する。
ここで、本実施の形態1で使用するサンプルSpについて説明する。サンプルSpを構成する複数の生きた細胞には、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子と、レポーター遺伝子とは異なる色を示す波長の光を発する発光タンパク質からなるマーカー遺伝子とが導入されている。本実施の形態1では、レポーター遺伝子およびマーカー遺伝子として、発現の際に互いに異なる色を示す波長の光を発する2種類のルシフェラーゼ遺伝子を導入する。ルシフェラーゼ遺伝子を細胞に導入する際には、リポフェクション法などのように、従来知られている遺伝子導入方法のいずれかを適用することができる。
ルシフェラーゼをレポーター遺伝子として細胞に導入し、ルシフェラーゼ活性を指標として発現の強さを調べる場合には、ルシフェラーゼ遺伝子の上流や下流に目的のDNA断片をつなぐことによってそのDNA断片の転写に及ぼす影響を調べることができる。また、転写に影響を及ぼすと思われる転写因子などの遺伝子を発現ベクターにつないでレポーター遺伝子と共発現させることにより、その遺伝子産物のレポーター遺伝子の発現に対する影響を調べることもできる。
サンプルSpに導入されるマーカー遺伝子は、細胞核に局在しており、細胞核で特異的に発現する。このようにマーカー遺伝子を細胞核に局在させるために、マーカー遺伝子を導入するベクターに、発光タンパク質を細胞核に移行させる核局在シグナル配列(NLS:Nuclear Localization Signal)を付与しておく。
マーカー遺伝子は、異なる経過時間における細胞の追跡、同定を行うために導入される。このため、マーカー遺伝子としては、細胞の成育や分裂の過程において、レポーター遺伝子よりも遺伝子発現量の変化が顕著に少ない遺伝子を用いることが好ましい。例えば、目的遺伝子の発現が薬剤などの刺激によってどのように変化するかを検出したい場合には、その薬剤の刺激によって遺伝子発現が左右されない遺伝子をマーカー遺伝子として用いるのが望ましい。また、時計遺伝子の遺伝子発現解析を行う場合には、時計遺伝子の発現量が昼と夜とで大きく変化するため、マーカー遺伝子としては、日内変動の影響を受けない遺伝子であることが望ましい。
以下、遺伝子発現解析システム1の構成を説明する。観察装置2は、サンプルSpを収納する容器21と、容器21を配置する可動式のステージ22と、サンプルSpから発せられるレポーターシグナルとしての発光の像を結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ユニット23と、サンプルSpから発せられるマーカーシグナルとしての発光の像を結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ユニット24と、ステージ22を2次元的に駆動するステージ駆動部25と、発光画像撮像ユニット23,24の各光路の切替を行う光路切替駆動部26と、を備える。発光画像撮像ユニット23は、レポーターシグナル検知手段の少なくとも一部の機能を有する一方、発光画像撮像ユニット24は、マーカーシグナル検知手段の少なくとも一部の機能を有する。
容器21としては、シャーレ、スライドガラス、マイクロプレートのほか、ゲル支持体、微粒子担体などを適用することもできる。
発光画像撮像ユニット23は、正立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ231と、対物レンズ231を介して入射してくる像を結像する結像レンズ232と、サンプルSpの発光画像や明視野画像を撮像する撮像装置233と、明視野画像用の白色光を発するハロゲンランプ等からなる光源234と、光源234から照射された透過光の透過および遮蔽を切り替えるシャッター235と、対物レンズ231、結像レンズ232およびシャッター235の間に挿脱可能に配置されるミラー236と、を有する。
対物レンズ231と結像レンズ232を含む結像光学系が極微弱な発光を画像化するための光学的条件として、投影倍率をβとするとき、(NA/β)2が0.01以上となるように対物レンズ231および結像レンズ232を組み合わせることが望ましい。
撮像装置233は、CCD、CMOS等の固体撮像素子を有し、この固体撮像素子の撮像面上に結像された像を光電変換することによって画像データを生成し、データ処理装置3に出力する。撮像装置233は、発光画像撮像時、サンプルSpのレポーター遺伝子による発光を撮像可能である。この意味で、撮像装置233は第1の撮像手段を構成し、撮像装置233を除く発光画像撮像ユニット23は、第1の結像光学系をなす。なお、撮像装置233が有する固体撮像素子としては、高感度のモノクロームCCD、例えば0℃以下の冷却CCDを利用することができ、好ましくは−80〜−30℃の冷却CCDであればよく、さらに好ましくは−60℃程度の冷却CCDであればよい。
ミラー236は、データ処理装置3の制御のもと、光路切替駆動部26によって移動する。具体的には、ミラー236は、明視野照明用の透過光をサンプルSpに照射する場合には発光画像撮像ユニット23の光路上に挿入される一方、撮像装置233が発光画像を撮像する際にはその光路から離脱される。なお、ミラー236を手動によって動かす構成としてもよい。
発光画像撮像ユニット24は、倒立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ241と、対物レンズ241を介して入射してくる像を結像する結像レンズ242と、サンプルSpの発光画像や明視野画像を撮像する撮像装置243と、明視野画像用の白色光を発するハロゲンランプ等からなる光源244と、光源244から発せられた白色光の透過および遮蔽を切り替えるシャッター245と、対物レンズ241、結像レンズ242およびシャッター245の間に挿脱可能に配置されるミラー246と、を有する。発光画像撮像ユニット24は、正立型と倒立型の違いを除いて、上述した発光画像撮像ユニット23と同様の構成を有する。
対物レンズ241は、サンプルSp、容器21およびステージ22を挟んで対物レンズ231と対向する位置に配置される。
撮像装置243は、撮像装置233とは異なる色の発光を測定するために設けられている。すなわち、撮像装置243は、発光画像撮像時、サンプルSpのマーカー遺伝子による発光を撮像可能である。この意味で、撮像装置243は第2の撮像手段を構成し、撮像装置243を除く発光画像撮像ユニット24は、第2の結像光学系をなす。
光路切替駆動部26は、データ処理装置3の制御のもと、ミラー236および246の各光路上における挿脱を行う一方、シャッター235および245の開閉を個別に行う。なお、シャッター235および245の開閉を行う代わりに、光源234および244を点滅させるようにしてもよい。
ところで、発光画像撮像ユニット23および発光画像撮像ユニット24では、結像倍率を変更することができる。例えば、レポーターシグナル検出用の発光画像撮像ユニット23の結像倍率を相対的に高くし、マーカーシグナル検出用の発光画像撮像ユニット24の結像倍率を相対的に低くすることにより、個々の細胞のレポーター発光量の変化を細かく検出する一方、追跡用のマーカー遺伝子の発光量の変化を大雑把にとらえることができる。
次に、データ処理装置3の機能構成を、図2に示すブロック図を参照して説明する。データ処理装置3は、観察装置2から画像データを含む情報を受信するとともに、観察装置2に対して制御信号を含む情報を送信する送受信部31と、キーボードやマウスなどによって実現され、観察装置2における測定条件等の情報や各種操作指示信号が外部から入力される入力部32と、観察装置2から受信した情報に基づいた演算を行うとともに、遺伝子発現解析システム1の動作制御を行う制御部33と、画像データや制御部33における演算結果を含む情報を記憶する記憶部34と、制御部33における演算結果を含む情報を出力する出力部35と、を備える。
制御部33は、画像データをもとに細胞の発光量(発光強度)を測定する発光量測定部331(シグナル強度測定手段)と、遺伝子発現解析システム1が行う処理の中で所定の条件を満足しているか否かの判定を行う条件判定部332(判定手段)と、観察装置2から入力された画像データおよび発光量測定部331で測定した発光量に基づいて出力部35が表示する画像を生成する画像生成部333と、マーカー遺伝子の発光量を用いることによってサンプルSp中に含まれる細胞を同定する細胞同定部334と、解析対象の細胞を含む解析対象領域を選択する領域選択部335と、を有する。制御部33は、演算機能および制御機能を有するCPUなどを用いて実現される。以上の機能構成を有する制御部33は、レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行う解析手段の少なくとも一部の機能を具備している。
記憶部34は、画像生成部333が生成した画像データを記憶する画像データ記憶部341と、入力部32から入力されたサンプルSpの測定条件を記憶する測定条件記憶部342と、発光量測定部331が測定した発光量を記憶する発光量記憶部343と、を有する。記憶部34は、本実施の形態1に係る処理や所定のOSを起動するプログラムなどを予め記憶するROM、制御部33が演算を行う際に使用する情報を一時的に記憶するRAMなどを用いて実現され、記憶手段の少なくとも一部を構成する。また、記憶部34として、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、PCカード等の記録媒体に記録された情報を読み取ることができる補助記憶装置をさらに備えてもよい。
出力部35は、制御部33からの制御信号に基づいて画像を生成し、この生成した画像を表示する機能を有しており、液晶、プラズマ、有機EL等のディスプレイを具備する。なお、出力部35として、紙などを媒体とした情報の出力が可能なプリンタを具備してもよい。
図3は、本実施の形態1に係る遺伝子発現解析方法の処理の概要を示すフローチャートである。本実施の形態1では、生物発光を用いて遺伝子発現を定量的に検出するレポーターアッセイを用いた発現量変化の検出を行う。以下の処理に先立って、サンプルSpには、ルシフェラーゼの発光基質であるルシフェリンをサンプルSpの培養液に添加する処理や、解析内容に応じた処理(刺激光を加える処理等)が適宜施されているものとする。また、発光画像撮像ユニット23の光源234および発光画像撮像ユニット24の光源244は予め点灯しており、一連の処理中は点灯状態を維持するものとする。
まず、データ処理装置3は、入力部32から測定条件の入力を受け付け、記憶部34の測定条件記憶部342に記憶する(ステップS1)。測定条件は、観察装置2における撮影の際の条件やサンプルSpの培養の条件などである。このステップS1で入力を受け付ける際、出力部35が所定の条件入力画面を表示し、各種条件の選択入力を利用者に促すようにしてもよい。
この後、観察装置2は、発光画像撮像ユニット23、24の各光路を明視野画像用の光路へ切り替える(ステップS2)。具体的には、光路切替駆動部26が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を開くとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上に挿入する一方、発光画像撮像ユニット24のシャッター245を閉じるとともにミラー246を発光画像撮像ユニット24の光路上から離脱させる。これにより、光源234が発する白色光はミラー236で反射され、サンプルSpを透過し、対物レンズ241、結像レンズ242を介して撮像装置243に入射する。
撮像装置243は、制御部33から送信されてくる制御信号に応じて明視野画像を撮像する(ステップS3)。撮像した画像データはデータ処理装置3に送信される。
続いて、ステップS3で撮像した明視野画像の画像データをもとに、撮像装置243が撮像する明視野画像の撮像領域の設定が行われる(ステップS4)。この際の設定は、制御部33が、画像データに対して所定の画像処理を施し、自動的に撮像領域を設定してもよいし、画像データに基づく明視野画像を出力部35が表示し、この表示された明視野画像を見た利用者が入力部32によって所望の撮像領域を設定入力してもよい。制御部33は、設定された撮像領域を含む制御信号を観察装置2に送信する。観察装置2では、ステージ駆動部25が、受信した制御信号に基づいてステージ22を駆動する。なお、ステージ22は、手動で動かすことができるようにしておいてもよい。
次に、データ処理装置3は、撮像領域設定処理の後に撮像した明視野画像の画像データを撮像時刻の情報とともに記憶部34の画像データ記憶部341に格納して記憶する(ステップS5)。図4は、撮像装置243が撮像した明視野画像(領域設定後)の出力部35における表示出力例を示す模式図である。図4に示す明視野画像P1においては、撮像領域内に5つの細胞が撮像された場合を示している。
続いて、観察装置2は、発光画像撮像ユニット23、24の各光路を発光画像用の光路へ切り替える(ステップS6)。具体的には、光路切替駆動部26が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を閉じるとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上から離脱させる。これにより、光源244に加えて光源234が照射する光もサンプルSpに照射されなくなり、撮像装置233、243は、サンプルSpから発せられる発光を撮像することが可能な状態となる。
この後、撮像装置233、243は、サンプルSpの発光画像を撮像し、この撮像した発光画像の画像データをデータ処理装置3へ送信する。データ処理装置3は、受信した発光画像の画像データを撮像時刻の時刻情報とともに画像データ記憶部341に書き込んで記憶する(ステップS7)。
続いて、データ処理装置3は、ステップS7で撮像した発光画像が一連の処理の中で初めて撮像した発光画像である場合(ステップS8,Yes)、撮像領域内に発光している細胞があるか否かを判定する(ステップS9)。この判定の結果、撮像領域内に発光している細胞が存在している場合(ステップS9,Yes)には、後述するステップS10に進む。他方、判定の結果、撮像領域内に発光している細胞が存在していない場合(ステップS9,No)、ステップS2に戻って明視野画像の撮像処理からやり直す。
なお、ステップS9において発光している細胞の有無を判定する際には、利用者が撮像した発光画像を出力部35で表示出力したものを目視することによって判定し、この判定結果に基づいて処理を選択するようにしてもよい。
データ処理装置3は、ステップS7で撮像した発光画像が一連の処理の中で初めて撮像した発光画像ではない場合(ステップS8,No)、後述するステップS10に進む。
ステップS10において、発光量測定部331は、画像データ記憶部341で記憶する発光画像の画像データを用いて細胞ごとの発光量(発光強度)を測定し、撮像領域内での位置情報(座標等で識別)および時刻情報とともに発光量記憶部343に書き込んで記憶する(ステップS10)。
この後、条件判定部332は、ステップS10終了後の状態が所定の画像生成条件を満たしているか否かを判定する(ステップS11)。ここでいう画像生成条件とは、例えば以下に示す条件(1)〜(3)のいずれか1つを用いて定義される。
(1)発光画像の撮像回数が所定回数に到達。
(2)発光画像の発光量が所定値より大。
(3)最初の発光画像の撮像時刻から一定時間が経過。
条件判定部332が判定した結果、画像生成条件を満たしていない場合(ステップS11,No)、条件判定部332は、明視野画像の撮像を再度行うか否かを判定する(ステップS12)。ここでの判定は、測定条件記憶部342で記憶する測定条件を用いることによって行われる。条件判定部332の判定の結果、明視野画像を再度撮像するとき(ステップS12,Yes)、観察装置2は、データ処理装置3の制御のもと、明視野画像用光路への切り替えを行う(ステップS13)。ステップS13における光路切替は、上述したステップS2で説明したのと同じ光路への切替である。
この後、観察装置2は、撮像領域を変更することなく明視野画像を撮像し、この撮像した明視野画像の画像データをデータ処理装置3へ送信する。データ処理装置3は、受信した明視野画像の画像データを撮像時刻の時刻情報とともに画像データ記憶部341に書き込んで記憶する(ステップS14)。
続いて、遺伝子発現解析システム1は、ステップS6に戻って発光画像用光路への切替を行った後、それに続くステップS7以降の処理を繰り返し行う。
ステップS12における条件判定部332の判定の結果、明視野画像を再度撮像しないとき(ステップS12,No)、遺伝子発現解析システム1は、発光画像の撮像処理(ステップS7)を再度行い、それに続くステップS8以降の処理を繰り返し行う。
なお、ステップS12において、条件判定部332が明視野画像を撮像するか否かの判定を行う際には、利用者に対して明視野画像を撮像するか否かの選択をその都度促すようにしてもよい。
次に、ステップS11における条件判定部332の判定の結果、画像生成条件を満たしている場合(ステップS11,Yes)について説明する。この場合、データ処理装置3では、制御部33の画像生成部333が、互いに対応する明視野画像および発光画像を画像データ記憶部341から読み出し、この読み出した明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像を生成する(ステップS15)。本実施の形態1では、発光画像として、撮像装置233、234がそれぞれ撮像した2種類の発光画像がある。そこで、画像生成部333は、明視野画像と2種類の発光画像との重ね合わせを行う。この際、撮像装置233で撮像した発光画像は、撮像装置243で撮像した明視野画像や発光画像と上下逆方向から撮像しているため、画像生成部333は、この発光画像に対しては、重ね合わせを行う前に鏡映(鏡像変換)を施す。
この後、出力部35が、画像生成部333で生成した重ね合わせ画像を表示する(ステップS16)。図5は、明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像の表示例を示す模式図である。同図に示す重ね合わせ画像P2では、サンプルSpの細胞は、レポーター遺伝子とマーカー遺伝子の各発現に伴う2色の発光を生じる。例えば、細胞C1において、点状領域Mが細胞核に局在したマーカー遺伝子としてのルシフェラーゼの発光を示し、細胞質に対応する面状領域Rがレポーター遺伝子としてのルシフェラーゼの発光を示している。なお、細胞C5は、レポーター遺伝子およびマーカー遺伝子の各発現に伴う発光を生じていない。図5では、マーカー遺伝子の発光が細胞核に局在しているのに対して、レポーター遺伝子の発光が細胞全体にわたっている状況を模式的に示している。なお、重ね合わせ画像P2におけるマーカー遺伝子やレポーター遺伝子の各発光部分に対して、互いに異なる擬似カラーを付与してもよい。
図6は、明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像の出力部35における表示出力例(第2例)を示す模式図である。図6においては、出力部35が、発光画像の取得時刻(t1,t2,t3,t4)に応じて明視野画像と発光画像との重ね合わせ画像P3をアニメーション表示した場合を模式的に示している。このように出力部35がアニメーション表示を行うことにより、利用者は、サンプルSpの細胞ごとの発光量の時間変化を視覚的に把握することができる。
続いて、細胞同定部334は、マーカー遺伝子の発光量や形状を認識することによって異なる経過時間における細胞の同定を行う(ステップS17)。
この後、領域選択部335は、ステップS17で同定した細胞の中で解析対象とする細胞を含む解析対象領域を選択する(ステップS18)。領域選択部335が解析対象領域を選択する際には、レポーター遺伝子やマーカー遺伝子の発光量の閾値に基づいて測定領域を自動的に指定してもよいし、画像のS/N比に基づいて測定領域を自動的に指定してもよい。このステップS18で選択した解析対象領域は、その領域に含まれる細胞のマーカー遺伝子によって特定されるため、細胞が移動すれば解析対象領域の位置も移動する。なお、重ね合わせ画像を見た利用者が入力部32から所望の解析対象領域を入力し、この入力に応じて領域選択部335が解析対象領域を選択するようにすることも可能である。
続いて、画像生成部333は、解析対象領域の経過時間ごとの発光強度を順次読み出し、この読み出した発光強度を用いて解析対象領域の発光強度の時間変化を示すグラフを生成し、この生成したグラフを出力部35が表示する(ステップS19)。
図7は、解析対象領域に含まれる細胞のレポーター遺伝子の発光量の時間変化を示す図である。図7においては、図5に示す4つの細胞C1〜C4の時間変化が示されている(細胞C5は発現していない)。このようなグラフを出力部35が表示出力することにより、利用者は、発光量の時間変化を視覚的に把握することができる。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核に特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、レポーター遺伝子の発現によって上昇するレポーターシグナルを互いに異なる経過時間で検知する一方、マーカー遺伝子の発現によって上昇するマーカーシグナルを互いに異なる経過時間で検知し、検知した複数のマーカーシグナルを用いて異なる経過時間における細胞の同定を行い、同定した細胞の少なくとも一部に対して、レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行うことにより、長期間にわたって細胞を追跡することができ、その細胞に導入された遺伝子の発現を精度よく解析することが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、細胞核は細胞質に比べて形状の変化が少ない細胞核にマーカー遺伝子を局在させたため、細胞の同定が容易となる。したがって、ソフトウェアによる自動認識にも好適である。
さらに、本実施の形態1によれば、マーカー遺伝子として発光タンパク質を適用しているため、定量性に優れ、細胞へのダメージも極力抑えた観察を行うことが可能となる。特に、レポーター遺伝子やマーカー遺伝子としてルシフェラーゼを用いる場合、ルシフェラーゼは励起光を照射せずに観察できる化学的励起型の発光酵素であるため、サンプルに損傷を与えることがなく、数日〜数週間程度の長期的な観察が可能となる。
なお、本実施の形態1では、マーカー遺伝子も発光タンパク質であることに鑑み、マーカー遺伝子をレポーター遺伝子の補正の指標として用いてもよい。レポーター遺伝子やマーカー遺伝子として一過性の発現細胞を用いる場合、レポーター遺伝子およびマーカー遺伝子の各導入効率や発現に個々の細胞で大きなばらつきが生じる。そこで、恒常的に発現するハウスキーピング遺伝子(βアクチン、GAPDH(Glyceraldehyde-3-phosphate Dehydrogenase)など)をマーカー遺伝子として適用し、レポーター遺伝子の発光強度を同じ細胞のマーカー遺伝子の発光強度を用いて補正することにより、細胞間の遺伝子発現のばらつきを抑えて平均化することができる。このようなシグナル強度補正手段としての機能は、制御部33に具備させることができる。
また、本実施の形態1では、一方の撮像装置243のみが明視野画像を撮像する場合を説明したが、撮像装置233側でも明視野画像を撮像することができる。これにより、2つの明視野画像間で補正を行うこともでき、より高精度な明視野画像を得ることが可能となる。
また、本実施の形態1では、発光画像撮像ユニット23がマーカー遺伝子による発光を検知して撮像する一方、発光画像撮像ユニット24がレポーター遺伝子による発光を検知して撮像するようにしてもよい。
(変形例)
図8は、本実施の形態1の一変形例に係る遺伝子発現解析システムの構成を示す図である。同図に示す遺伝子発現解析システム4は、上述した実施の形態1と観察装置の構成が異なり、一つの発光画像撮像ユニットがレポーター遺伝子による発光とマーカー遺伝子による発光とをともに撮像可能である。なお、実施の形態1と同じ構成を有する部位については、図1等と同じ符号を付してある。
観察装置5は、サンプルSpを収納する容器21と、容器21を配置する可動式のステージ22と、複数の生きた細胞からなるサンプルSpの発光画像を撮像する発光画像撮像ユニット51と、明視野画像用の白色光をサンプルSpに照射する透過照明ユニット52と、ステージ22を2次元的に駆動するステージ駆動部25と、透過照明ユニット52の光路の切替を行う光路切替駆動部53と、を備える。
発光画像撮像ユニット51は、具体的には正立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ511と、サンプルSpから発せられた発光を色別に分離するダイクロイックミラー512と、ダイクロイックミラー512によって分離された2色の成分ごとの像をそれぞれ結像する結像レンズ513a、513bと、結像レンズ513a、513bでそれぞれ結像された2色の成分の発光画像を撮像する撮像装置514a、514bと、を備える。なお、ダイクロイックミラー512を用いる代わりに、スプリットイメージユニットまたはフィルターホイールを用いてもよい。
透過照明ユニット52は、透過照明用の白色光を発するハロゲンランプ等の光源521と、白色光の照射および未照射を切り換えるシャッター522と、光源521からの白色光をサンプルSp上に集光させる照明レンズ系523とを備え、サンプルSpに対して発光画像撮像ユニットと反対側に配置されている。
照明レンズ系523は、コレクタレンズ523aおよびコンデンサーレンズ523bを有し、サンプルSpに対してクリティカル照明を行う。なお、照明レンズ系523は、サンプルSpに対してケーラー照明を行うようにしてもよい。
以上の構成を有する遺伝子発現解析システム4によれば、上記実施の形態1に係る遺伝子発現解析システム1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る遺伝子発現解析システムの全体構成を模式的に示す図である。同図に示す遺伝子発現解析システム6は、複数の生きた細胞からなるサンプルSpを撮像することによってサンプルSpから発せられる遺伝子発現のシグナルを画像データとして光学的に測定する観察装置7と、観察装置7との間でデータの送受信が可能であり、観察装置7の駆動制御を行うとともに、観察装置7から送られてくる画像データを用いた演算処理を行うデータ処理装置3と、を有し、これら2つの装置が連携してサンプルSpの遺伝子発現量変化を検出する。なお、図9において、図1に示す遺伝子発現解析システム1と同じ構成部位については、図1と同じ符号を付してある。
サンプルSpを構成する複数の生きた細胞には、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子と、蛍光タンパク質からなり、細胞核で特異的に発現するマーカー遺伝子とが導入されている。本実施の形態2では、レポーター遺伝子としてルシフェラーゼを適用する。ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質を細胞に導入する際には、従来知られている方法のいずれかを適用することができる。なお、マーカー遺伝子としての蛍光タンパク質を細胞に導入する代わりに、蛍光色素を用いて細胞核を染色してもよい。
観察装置7は、サンプルSpを収納する容器21と、容器21を配置する可動式のステージ22と、サンプルSpから発せられるレポーターシグナルとしての発光の像を結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ユニット23と、ステージ22を2次元的に駆動するステージ駆動部25と、サンプルSpから発せられるマーカーシグナルとしての蛍光の像を結像した蛍光画像を撮像する蛍光画像撮像ユニット71と、発光画像撮像ユニット23および蛍光画像撮像ユニット71の各光路の切替を行う光路切替駆動部72と、を備える。
蛍光画像撮像ユニット71は、倒立型の蛍光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ711と、対物レンズ711を介して入射してくる像を結像する結像レンズ712と、サンプルSpの蛍光画像や明視野画像を撮像する撮像装置713と、サンプルSpを励起する励起光を発する光源714と、光源714から照射された透過光の透過および遮蔽を切り替えるシャッター715と、対物レンズ711、結像レンズ712およびシャッター715の間に挿脱可能に配置され、励起光と蛍光を分離するダイクロイックミラー716と、を備える。
撮像装置713は、蛍光画像撮像時、サンプルSpのマーカー遺伝子による蛍光の発光を撮像する。この意味で、撮像装置713は第2の撮像手段を構成し、撮像装置713を除く蛍光画像撮像ユニット71は、第2の結像光学系をなす。この第2の結像光学系は、蛍光の像を40倍以上の高倍率で結像する。
光源714は、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、レーザー等のいずれかによって実現される。本実施の形態2における蛍光の波長領域は可視光領域であり、400〜800nm程度の領域である。
ダイクロイックミラー716は、光源714から発せられた励起光を反射してサンプルSpへ照射する一方、サンプルSpから発せられた蛍光を透過する。
光路切替駆動部72は、データ処理装置3の制御のもと、ミラー236およびダイクロイックミラー716の各光路上における挿脱を行う一方、シャッター235および715の開閉を個別に行う。なお、シャッター235および715の開閉を行う代わりに、光源234および714を点滅させるようにしてもよい。
図10は、本実施の形態2に係る遺伝子発現解析方法の処理の概要を示すフローチャートである。本実施の形態2の場合も、サンプルSpには、所定の化合物を添加する処理や刺激光を加える処理等が施されているものとする。また、発光画像撮像ユニット23の光源234および蛍光画像撮像ユニット71の光源714は予め点灯しており、一連の処理中は点灯状態を維持するものとする。
まず、データ処理装置3は、入力部32から測定条件の入力を受け付け、記憶部34の測定条件記憶部342に記憶する(ステップS21)。
この後、観察装置7は、発光画像撮像ユニット23および蛍光画像撮像ユニット71の各光路を明視野画像用の光路へ切り替える(ステップS22)。具体的には、光路切替駆動部72が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を開くとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上に挿入する一方、蛍光画像撮像ユニット71のシャッター715を閉じるとともにダイクロイックミラー716を蛍光画像撮像ユニット71の光路上から離脱させる。これにより、光源234が発する白色光はミラー236で反射され、サンプルSpを透過し、対物レンズ711、結像レンズ712を介して撮像装置713に入射する。
撮像装置713は、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて明視野画像を撮像する(ステップS23)。撮像した画像データはデータ処理装置3に送信される。
続いて、ステップS23で撮像した明視野画像の画像データをもとに、撮像装置713が撮像する明視野画像の撮像領域の設定が、上記実施の形態1に係る遺伝子発現解析方法のステップS4と同様に行われる(ステップS24)。制御部33は、設定された撮像領域を含む制御信号を観察装置7に送信する。観察装置7では、ステージ駆動部25が、受信した制御信号に基づいてステージ22を駆動する。
次に、データ処理装置3は、撮像領域設定処理の後に撮像した明視野画像の画像データを撮像時刻の情報とともに画像データ記憶部341に格納して記憶する(ステップS25)。
続いて、観察装置7は、発光画像撮像ユニット23および蛍光画像撮像ユニット71の各光路を蛍光画像用の光路へ切り替える(ステップS26)。具体的には、光路切替駆動部72が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を閉じるとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上から離脱させる一方、蛍光画像撮像ユニット71のダイクロイックミラー716を蛍光画像撮像ユニット71の光路上に挿入する。これにより、光源234からの光が遮蔽される一方、光源714が照射する励起光がサンプルSpに照射され、撮像装置713は、サンプルSpから発せられる蛍光を撮像することが可能な状態となる。
この後、撮像装置713は、サンプルSpの蛍光画像を撮像し、データ処理装置3の記憶部34の画像データ記憶部341に撮像時刻の時刻情報とともに記憶する(ステップS27)。
続いて、データ処理装置3は、ステップS27で撮像した蛍光画像が一連の処理の中で初めて撮像した蛍光画像である場合(ステップS28,Yes)、撮像領域内に蛍光を発している細胞があるか否かを判定する(ステップS29)。この判定の結果、撮像領域内に蛍光を発している細胞が存在している場合(ステップS29,Yes)には、続くステップS30に進む。他方、判定の結果、撮像領域内に蛍光を発している細胞が存在していない場合(ステップS29,No)、ステップS22に戻って明視野画像の撮像処理からやり直す。
なお、ステップS29において蛍光により発光している細胞の有無を判定する際には、撮像した蛍光画像を出力部35で表示出力したものを利用者が目視して判断し、その判断結果に応じて以後の処理を選択するようにしてもよい。
データ処理装置3は、ステップS27で撮像した発光画像が一連の処理の中で初めて撮像した発光画像ではない場合(ステップS28,No)、後述するステップS30に進む。
ステップS30において、発光量測定部331は、画像データ記憶部341で記憶する蛍光画像を用いて細胞ごとの発光量(発光強度)を測定し、撮像領域内での位置情報(座標等で識別)および時刻情報とともに発光量記憶部343に書き込んで記憶する(ステップS30)。
続いて、観察装置7は、発光画像撮像ユニット23および蛍光画像撮像ユニット71の各光路を発光画像用の光路へ切り替える(ステップS31)。具体的には、光路切替駆動部26が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を閉じるとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上から離脱させる一方、蛍光画像撮像ユニット71のシャッター715を閉じるとともにダイクロイックミラー716を蛍光画像撮像ユニット71の光路上から離脱させる。これにより、光源234に加えて光源714が照射する光もサンプルSpに照射されなくなり、撮像装置233、713は、サンプルSpから発せられる発光を撮像することが可能な状態となる。
この後、撮像装置233は、サンプルSpの発光画像を撮像し、データ処理装置3の記憶部34の画像データ記憶部341に撮像時刻の時刻情報とともに記憶する(ステップS32)。
続いて、データ処理装置3は、ステップS32で撮像した発光画像が一連の処理の中で初めて撮像した発光画像である場合(ステップS33,Yes)、撮像領域内に発光している細胞があるか否かを判定する(ステップS34)。この判定の結果、撮像領域内に発光している細胞が存在している場合(ステップS34,Yes)には、後述するステップS35に進む。他方、判定の結果、撮像領域内に発光している細胞が存在していない場合(ステップS34,No)、ステップS22に戻って明視野画像の撮像処理からやり直す。
データ処理装置3は、ステップS37で撮像した発光画像が一連の処理の中で初めて撮像した発光画像ではない場合(ステップS33,No)、後述するステップS35に進む。
ステップS35において、発光量測定部331は、画像データ記憶部341で記憶する発光画像を用いて細胞ごとの発光量(発光強度)を測定し、撮像領域内での位置情報(座標等で識別)および時刻情報とともに発光量記憶部343に書き込んで記憶する(ステップS35)。
この後、条件判定部332は、ステップS35終了後の状態が所定の画像生成条件を満たしているか否かを判定する(ステップS36)。ここでいう画像生成条件とは、上記実施の形態1で説明した条件と同様である。
条件判定部332が判定した結果、画像生成条件を満たしていない場合(ステップS36,No)、条件判定部332は、明視野画像の撮像を再度行うか否かを判定する(ステップS37)。条件判定部332の判定の結果、明視野画像を再度撮像するとき(ステップS37,Yes)、観察装置7は、データ処理装置3の制御のもと、明視野画像用光路への切り替えを行う(ステップS38)。ステップS38における光路切替は、上述したステップS22で説明したのと同じ光路への切替である。
この後、観察装置7は、撮像領域を変更することなく明視野画像を撮像し、この撮像した明視野画像の画像データをデータ処理装置3へ送信する。データ処理装置3は、受信した明視野画像の画像データを撮像時刻の時刻情報とともに画像データ記憶部341に書き込んで記憶する(ステップS39)。
続いて、遺伝子発現解析システム6は、ステップS26に戻って発光画像用光路への切替を行った後、それに続くステップS26以降の処理を繰り返し行う。
ステップS37における条件判定部332の判定の結果、明視野画像を再度撮像しないとき(ステップS37,No)、遺伝子発現解析システム6は、ステップS26に戻って発光画像用光路への切替を行った後、それに続くステップS26以降の処理を繰り返し行う。
次に、ステップS36における条件判定部332の判定の結果、画像生成条件を満たしている場合(ステップS36,Yes)について説明する。この場合、データ処理装置3では、制御部33の画像生成部333が、互いに対応する明視野画像、蛍光画像および発光画像を画像データ記憶部341から読み出し、この読み出した明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像を生成する(ステップS40)。重ね合わせを行う際、撮像装置233で撮像した発光画像は、撮像装置713で撮像した明視野画像や蛍光画像と上下逆方向から撮像しているため、画像生成部333は、この発光画像に対しては、重ね合わせを行う前に鏡映(鏡像変換)を施す。
この後、出力部35が、画像生成部333で生成された重ね合わせ画像を表示する(ステップS41)。この際には、上記実施の形態1で説明した図5や図6に示すのと同様の表示を行う。
以降のステップS42〜S44の処理は、上記実施の形態1に係る遺伝子発現解析方法で説明したステップS16〜S19の処理と同様である。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核に特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、レポーター遺伝子の発現によって上昇するレポーターシグナルを互いに異なる経過時間で検知する一方、マーカー遺伝子の発現によって上昇するマーカーシグナルを互いに異なる経過時間で検知し、検知した複数のマーカーシグナルを用いて異なる経過時間における細胞の同定を行い、同定した細胞の少なくとも一部に対して、レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行うことにより、長期間にわたって細胞を追跡することができ、その細胞に導入された遺伝子の発現を精度よく解析することが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、マーカー遺伝子として蛍光タンパク質を適用したことにより、発光強度が大きく、より鮮明な画像が得られ、細胞の同定を行いやすい。このため、細胞が何層にも重なっている場合の検出などにおいても、立体的な解析を行うことができる。加えて、撮像装置の撮像時間(露出時間)がミリ秒程度と短時間で済むため、レポーター遺伝子の発現が低く、観察のインターバル時間中はできるだけレポーター遺伝子観察のための露出時間を確保したい場合などに好適である。
なお、発光画像撮像ユニットと蛍光画像撮像ユニットの配置を上下入れ替えてもよい。この場合には、蛍光よりも微弱な発光を測定するための発光画像撮像ユニットを下側に配置することとなるため、観察装置のカバーの開閉によるサンプル上方からの外乱光を完全に遮断することができ、発光画像のS/N比を増すことができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として、実施の形態1、2を詳述してきたが、本発明はそれらの実施の形態によって限定されるべきものではない。すなわち、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明の実施の形態1に係る遺伝子発現解析システムの全体構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1に係る遺伝子発現解析システムが備えるデータ処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る遺伝子発現解析方法の処理の概要を示すフローチャートである。 明視野画像の表示例を示す模式図である。 明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像の表示例(第1例)を示す模式図である。 明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像の表示例(第2例)を示す模式図である。 解析対象の細胞のレポーター遺伝子の発光量の時間変化を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る遺伝子発現解析システムの全体構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2に係る遺伝子発現解析システムの全体構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2に係る遺伝子発現解析方法の処理の概要を示すフローチャートである。
符号の説明
1、4、6 遺伝子発現解析システム
2、5、7 観察装置
3 データ処理装置
21 容器
22 ステージ
23、24、51 発光画像撮像ユニット
25 ステージ駆動部
26、53、72 光路切替駆動部
31 送受信部
32 入力部
33 制御部
34 記憶部
35 出力部
52 透過照明ユニット
71 蛍光画像撮像ユニット
231、241、511、711 対物レンズ
232、242、513a、513b、712 結像レンズ
233、243、514a、514b、713 撮像装置
234、244、521、714 光源
235、245、522、715 シャッター
236、246 ミラー
331 発光量測定部
332 条件判定部
333 画像生成部
334 細胞同定部
335 領域選択部
341 画像データ記憶部
342 測定条件記憶部
343 発光量記憶部
512、716 ダイクロイックミラー
523 照明レンズ系
523a コレクタレンズ
523b コンデンサーレンズ
P1 明視野画像
P2、P3 重ね合わせ画像
Sp サンプル

Claims (15)

  1. 発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核で特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、前記レポーター遺伝子の発現を解析する遺伝子発現解析方法であって、
    前記レポーター遺伝子の発現によって上昇するレポーターシグナルおよび前記マーカー遺伝子の発現によって上昇するマーカーシグナルをそれぞれ検知可能であり、前記レポーターシグナルおよび前記マーカーシグナルに関する情報を記憶する記憶手段を備えた遺伝子発現解析システムが、
    前記レポーターシグナルを光学的に検知するレポーターシグナル検知ステップと、
    前記レポーターシグナル検知ステップで検知したレポーターシグナルのシグナル強度を測定し、この測定した結果を前記記憶手段に記憶するレポーターシグナル強度測定ステップと、
    前記マーカーシグナルを光学的に検知するマーカーシグナル検知ステップと、
    前記マーカーシグナル検知ステップで検知したマーカーシグナルのシグナル強度を測定し、この測定した結果を前記記憶手段に記憶するマーカーシグナル強度測定ステップと、
    を異なる経過時間ごとに繰り返し行った後、
    複数の前記マーカーシグナルのシグナル強度を含む情報を前記記憶手段から読み出し、この読み出した情報を用いて異なる経過時間における細胞の同定を行う細胞同定ステップと、
    前記細胞同定ステップで同定した複数の細胞の少なくとも一部に対し、前記レポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行う解析ステップと、
    を行うことを特徴とする遺伝子発現解析方法。
  2. 前記細胞同定ステップの前に、
    前記レポーターシグナル検知ステップ、前記レポーターシグナル強度測定ステップ、前記マーカーシグナル検知ステップおよび前記マーカーシグナル強度測定ステップを繰り返し行うか否かを判定する判定ステップ
    をさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の遺伝子発現解析方法。
  3. 前記細胞同定ステップの前に、
    前記レポーターシグナルの像と前記マーカーシグナルの像とを重ね合わせた画像を異なる経過時間ごとに生成する画像生成ステップと、
    前記画像生成ステップで生成した画像を出力する出力ステップと、
    をさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の遺伝子発現解析方法。
  4. 前記レポーター遺伝子はルシフェラーゼであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析方法。
  5. 前記マーカー遺伝子は、前記レポーター遺伝子と異なる色を示す波長の光を発する発光タンパク質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析方法。
  6. 前記マーカー遺伝子はルシフェラーゼであることを特徴とする請求項5に記載の遺伝子発現解析方法。
  7. 前記解析ステップは、
    前記レポーターシグナルのシグナル強度を、同じ細胞における前記マーカーシグナルのシグナル強度を用いて補正するシグナル強度補正ステップを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の遺伝子発現解析方法。
  8. 前記マーカー遺伝子は蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析方法。
  9. 前記細胞は、前記マーカー遺伝子が導入されてなり、
    前記細胞の成育または分裂の過程において、前記マーカーの発現量の変化は、前記レポーター遺伝子の発現量の変化と比較して無視しうることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析方法。
  10. 発光タンパク質からなるレポーター遺伝子を導入するとともに、細胞核で特異的に発現するマーカー遺伝子によって標識した複数の生きた細胞に対し、前記レポーター遺伝子の発現を解析する遺伝子発現解析システムであって、
    前記レポーター遺伝子の発現に伴って発生するレポーターシグナルの光学的な検知を異なる経過時間ごとに繰り返し行うレポーターシグナル検知手段と、
    前記マーカー遺伝子によって発生するマーカーシグナルの光学的な検知を異なる経過時間ごとに繰り返し行うマーカーシグナル検知手段と、
    前記レポーターシグナル検知手段が検知したレポーターシグナルのシグナル強度および前記マーカーシグナル検知手段が検知したマーカーシグナルのシグナル強度をそれぞれ測定するシグナル強度測定手段と、
    複数の前記マーカーシグナルのシグナル強度を含む情報を用いることによって異なる経過時間における細胞の同定を行う細胞同定手段と、
    前記細胞同定手段で同定した細胞の少なくとも一部に対し、前記レポーターシグナル検知手段で検知したレポーターシグナルのシグナル強度の時間変化に基づく解析を行う解析手段と、
    を備えたことを特徴とする遺伝子発現解析システム。
  11. 前記レポーターシグナル検知手段および前記マーカーシグナル検知手段における繰り返し処理を続行するか否かを判定する判定手段
    をさらに備え、
    前記細胞同定手段は、
    前記判定手段が繰り返し処理を続行しないと判定した場合、異なる経過時間における細胞の同定を行うことを特徴とする請求項10に記載の遺伝子発現解析システム。
  12. 前記レポーターシグナルの像と前記マーカーシグナルの像とを重ね合わせた画像を異なる経過時間ごとに生成する画像生成手段と、
    前記画像生成手段が生成した画像を出力する出力手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項10または11に記載の遺伝子発現解析システム。
  13. 前記レポーターシグナル検知手段は、
    前記レポーターシグナルの像を結像する第1の結像光学系と、
    前記第1の結像光学系で結像した前記レポーターシグナルの像を撮像する第1の撮像手段と、
    を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析システム。
  14. 前記マーカーシグナル検知手段は、
    前記マーカーシグナルの像を結像する第2の結像光学系と、
    前記第2の結像光学系で結像した前記マーカーシグナルの像を撮像する第2の撮像手段と、
    を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析システム。
  15. 前記マーカー遺伝子は、前記レポーター遺伝子と異なる色を示す波長の光を発する発光タンパク質であり、
    前記解析手段は、前記レポーターシグナルのシグナル強度を、同じ細胞における前記マーカーシグナルのシグナル強度を用いて補正するシグナル強度補正手段を有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の遺伝子発現解析システム。
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