JP2013192468A - 生物試料の画像解析方法、画像解析装置、画像撮影装置およびプログラム - Google Patents

生物試料の画像解析方法、画像解析装置、画像撮影装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】遺伝子発現の時間的・空間的分布を定量的に解析する汎用的な手法を提供する。
【解決手段】時間経過に従って撮影した複数枚の生物試料の細胞中の遺伝子発現の分布画像を取得し、取得したそれぞれの画像内に複数の小領域を設定し、取得した複数の画像から任意の2枚の画像を選択し、選択した2枚の画像について、対応する2つの小領域の画像間の相関を複数の小領域を対象として演算し、前記画像の選択と相関の演算とを繰り返して実行して、小領域ごとに遺伝子発現の移動速度と移動方向とを解析する生物試料の画像解析方法である。
【選択図】図14

Description

本発明は、生物試料の画像解析方法、画像解析装置、画像撮影装置およびプログラムに関する。
[遺伝子の発現]
細胞は、遺伝情報であるDNAから適切な時期に適切な箇所をRNAとして転写する。転写されたRNAの多くはmRNAであり、タンパク質に翻訳され、細胞構造や酵素として機能し、細胞の活動を支える。また、一部のRNAはタンパク質に翻訳されないが、細胞機能の維持に重要な役割を担っている。このように、DNAから機能を担うタンパク質やRNAが生み出される事は遺伝子の発現と呼ばれている。
遺伝子の発現を直接的に担っているのは、RNAの転写を担うRNAポリメラーゼである。RNAポリメラーゼは、DNA上のプロモータ領域と呼ばれる配列を認識して結合し、プロモータによって指定されている位置からRNAの転写を開始する。
転写因子と呼ばれる一群のタンパク質は、DNA配列上で固有のプロモータ領域やその周辺の領域(エンハンサー領域)に結合して、RNAポリメラーゼの結合を促進したり阻害したりする。そうする事によって、転写因子は対応する遺伝子の発現の量を調節する役割を担っている。
そのため、転写因子をコードする遺伝子の発現は、別の遺伝子の発現を制御する事になる。転写因子の中にはゲノムDNA上の複数の領域を認識・結合するものがあり、多くの場合、遺伝子発現はそれらの転写因子を介して多数の遺伝子が関与する複雑なネットワークを形成する。
遺伝子発現の端緒は様々であるが、その一つは、細胞外からのシグナル伝達である。細胞膜上のリセプターにリガンドが結合する事により、シグナル伝達が開始される。シグナル伝達経路の下流では、複数の転写因子を介して、それぞれのシグナルに対応する遺伝子発現ネットワークが誘起される。この機構により、細胞は外界に応答する事が出来る。
遺伝子発現ネットワークの別の例として、時計遺伝子ネットワークが挙げられる。時計遺伝子とは、生物の概日リズム(サーカディアンリズム)を司る一群の遺伝子である。
概日リズムは、単細胞生物・多細胞生物を問わず、ほとんどの生物に存在している。真核生物の場合、個々の細胞の概日リズムは、時計遺伝子を介した遺伝子発現ネットワークのフィードバックループによって実現されている。
多細胞生物の場合、個々の細胞の概日リズムは前述したシグナル伝達系を介して細胞間で同期を取る事によって、全体として同一のリズムを刻む事が出来る。特に、哺乳類では脳の視床下部に存在する視交叉上核に時計中枢が存在し、個体の概日リズムを同期させている。
遺伝子発現ネットワークは、細胞の維持・成長・分化に必要な機構であり、分子生物学や細胞生物学にとって、個々の現象に関連する遺伝子発現ネットワークを解明する事が主要な研究課題の一つである。
[生化学的・免疫学的遺伝子発現の解析方法]
従来から行われている、遺伝子発現の解析方法は、遺伝子発現の産物を生化学的・免疫化学的に検出し、その結果を解析する方法である。例えば、遺伝子発現の産物がタンパク質の場合、そのタンパク質に特異的な抗体で遺伝子発現を検出することができる。遺伝子発現の産物がRNAの場合、ハイブリダイゼーションや逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって遺伝子発現を検出することができる。
これらの検出方法は、生物試料の全体もしくは一部をホモジナイズして生化学的方法に用いられるほか、固定化した試料に対し免疫染色やin situハイブリダイゼーションによって発現分布を画像化する方法に用いられている。
しかしながら、これらの方法では、試料を調製した瞬間の遺伝子発現の情報しか得られない。即ち、同一の試料あるいは試料群から、経時的にその一部を取り出し、解析を行う事により、遺伝子発現量の経時的変化を追う事が出来るが、試料あるいは細胞群の一部についての測定であるため、厳密な意味での試料あるいは細胞群の経時的な変化を測定する事は出来なかった。
[発光タンパク質による遺伝子発現の解析]
遺伝子の発現産物が外部から光学的に観察可能なタンパク質である場合、生物試料を生きたまま観察する事が可能である。
ホタルルシフェラーゼタンパク質を細胞内で発現させ、D−ルシフェリン存在下で培養しながら試料からの発光強度を測定する事によって、試料を培養しながら発現したホタルルシフェラーゼタンパク質の量を測定する事が可能である(非特許文献1)。
GFPなどの蛍光タンパク質を細胞内で発現させ、励起光を当てて蛍光を測定する事によっても、発現したタンパク質の量を測定する事が可能である(非特許文献2)。
発現産物がRNAである場合も、特定のRNA配列と、それに結合する事によって蛍光を発する発色団の組み合わせによって生物試料を生きたまま観察する方法が考案されている(非特許文献3)。
これらの検出用のタンパク質やRNA配列をコードするDNA配列を、発現量を調べたい遺伝子のプロモータ下流の適切な位置に挿入する事によって、発現産物の量を発光現象によって観察する事が可能となる。
これらの方法を用いて遺伝子発現を発光現象として画像に記録する事によって、生物試料を生かしたまま、個体・組織・細胞集団中での遺伝子発現の空間的な分布を測定する事が可能である。更に、画像を経時的に撮影する事によって遺伝子発現の時間的・空間的分布を測定する事も可能である。
しかしながら、遺伝子発現の時間的・空間的分布を測定する事が可能となったにもかかわらず、その分布がどのように変化するかを定量的に解析する汎用的な手法は確立されていなかった。
特別な例を除いて、遺伝子発現を発光現象として記録した画像上の複数の点における信号強度の時間変化を規格化して並べて表示するなど、現象に応じて研究者が独自の方法で解析している状況である。
特別な例としては、長期にわたって一定の周期で発現量が増減する時計遺伝子がある。この時計遺伝子の場合、増減する周期の位相を定義する事が可能である。そこで、同じ位相領域の移動を数学的モデルによって解析する方法や、画像中の特定の線分に沿った位相の動きを解析する例が知られている。
[物質の移動速度の解析]
物質の移動速度を画像から導出する方法は以前から知られていた。
流体力学分野では、解析したい流体中に追跡粒子(トレーサー)を混入し、画像中の追跡粒子像の位置から流速分布を解析する方法が粒子画像流速測定法として良く知られている(非特許文献4)。
また、同一の粒子の経時的な移動を追跡する方法は粒子追跡法と呼ばれている。
[画像相関法]
一方、画像の相関関数の演算から物質の流速を求める方法もあり、画像相関法と呼ばれている。
画像相関法には、同一の撮像素子に二重露光した画像の自己相関関数を演算する方法と、異なる時刻に撮影された二枚の画像の相互相関関数を演算する方法がある。今日では、撮像素子の進歩に伴い、高速に画像を取得する事が容易となったため、相互相関関数を用いる事が主流となっている。
気象の分野では、衛星写真の雲の画像の解析から、雲の存在する位置・高度における風速を計測する方法に利用されている(非特許文献5)。
顕微鏡画像の画像解析方法の一環として、生物画像に対して画像相関法が適用されている(非特許文献6)。
溶液中の蛍光分子は、ブラウン運動によって絶えず運動している。この運動を解析する手法として、蛍光相関分光法(Fluoresce Correlation Spectroscopy;FCS)が開発された。
FCSは、顕微鏡の光学系を用いて試料溶液中に励起光を集光し、集光した小さな領域からの蛍光強度を測定する。集光した領域からの蛍光強度は、集光した領域内の多数の蛍光分子の運動によって絶えず揺らいでいる。この蛍光強度値の時間に対する自己相関関数を計算し、解析する事によって、焦点領域内の蛍光分子の濃度と拡散係数を推定する事が出来る。
FCSの手法を走査型顕微鏡や全反射顕微鏡の画像に拡張した一連の手法は画像相関分光法と呼ばれている。
Weismanらは、細胞移動に伴う足場タンパク質の移動を解析するために、時空間画像相関分光法(Spatio−temporal Image Correlation Spectroscopy;STICS)を開発した(非特許文献7)。
J. R. de Wet et al. (1987), "Firefly luciferase gene: structure and expression in mammalian cells", Mol. Cell. Biol. 7, 725-737. M. Chalfie et al. (1994), "Green fluorescent protein as a marker for gene expression", Science 263, 802-805. J. S. Paige et al. (2011), "RNA mimics of green fluorescent protein", Science 333, 642-646. A. K. Prasad (2000), "Particle image velocimetry", Current Sci. 79, 51-60. J. A. Leese et al. (1971), "An automated technique for obtaining cloud motion from geosynchronous satellite data using cross correlation", J. Appl. Meteol. 10, 118-132. D. L. Kolin and P. W. Wiseman (2007), "Advances in image correlation spectroscopy: measuring number densities, aggregation states, and dynamics of fluorescently labeled macromolecules in cells", Cell Biochem. Biophys. 49, 141-164. B. Hebert et al. (2005), "Spatiotemporal image correlation spectroscopy (STICS) theory, verification, and application to protein velocity mapping in living CHO cells", Biophys. J. 88, 3601-3614. N. O. Petersen et al. (1993), "Quantitation of membrane receptor distributions by image correlation spectroscopy: concept and application", Biophys. J. 65, 1135-1146.
本願発明は、上述のように、遺伝子発現の時間的・空間的分布を定量的に解析する汎用的な手法が存在しないことに鑑みてなされたものであって、経時的に撮影された生物試料における遺伝子発現の空間分布画像から、遺伝子発現分布の時間変化を、現象や対象を限定せずに汎用的に適用可能な解析方法を提供する事を解決課題とする。
また、試料の遺伝子発現分布についての指標を提供し、試料の置かれた環境が、試料の遺伝子発現に与える影響を評価する方法を提供する事を解決課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、時間経過に従って撮影した複数枚の生物試料の細胞中の遺伝子発現の分布画像を取得し、取得したそれぞれの画像内に複数の小領域を設定し、取得した複数の画像から任意の2枚の画像を選択し、選択した2枚の画像について、対応する2つの小領域の画像間の相関を複数の小領域を対象として演算し、前記画像の選択と相関の演算とを繰り返して実行して、小領域ごとに遺伝子発現の移動速度と移動方向とを解析する生物試料の画像解析方法である。
この発明によれば、遺伝子発現の時間的・空間的分布を定量的に解析する汎用的な手法を提供することができる。
第1の実施の形態の画像解析方法を説明するための図。 第1の実施の形態の解析方法の一例を説明するための図。 第1の実施の形態の画像解析方法をシロイヌナズナの観測に適用した例を説明するための図。 ショウジョウバエの卵の胚発生の過程を連続的に撮影した透過光の画像を示す図。 図4に示す透過光画像を画像解析処理した結果を元の透過画像に重ねて示す図。 プラスミド溶液を注入されたショウジョウバエの卵の胚発生の過程を連続的に撮影した緑色発光の画像を示す図。 図6に示す緑色発光の画像を画像解析処理した結果を元の緑色発光の画像に重ねて示す図。 プラスミド溶液を注入されたショウジョウバエの卵の胚発生の過程を連続的に撮影した赤色発光の画像を示す図。 図8に示す赤色発光の画像を画像解析処理した結果を元の赤色発光の画像に重ねて示す図。 第1の実施の形態の画像解析方法を用いてarmadilloとshaggyの発現分布の移動の相関を説明するための図。 第1の実施の形態の画像解析方法を用いて各遺伝子の発現分布の移動から、細胞移動の影響を取り除く例を示す図。 第1の実施の形態の画像解析方法を用いて発現の移動速度の分布を解析した例を示す図。 第1の実施の形態の画像解析装置を含む画像解析システムの構成を示す図。 第1の実施の形態の画像解析装置の解析処理手順を示すフロー図。
〔第1の実施の形態〕
本発明の実施の形態に記載する遺伝子の発現は,個々の細胞で起きる現象であるが、それらが前述のシグナル伝達機構などの細胞間伝達機構により隣接する細胞に影響を及ぼすことによって、周囲に伝播していき発現分布が変化していく。本発明は、このような生物試料の遺伝子発現分布の推移変化を画像相関法を用いて解析する手法を提供する。
なお、本発明は、以下に述べる画像相関法に限定されない。以下に述べる画像相関法に適宜、改変を加えても良く、画像間の相関を求める処理を含む別の方法であっても良い。
第1の実施の形態では、説明のため、連続画像の空間座標xおよびyと時間座標tを整数として取り扱う。撮影倍率と撮影間隔から決定する比例係数を掛ける事により、容易に試料の実際の位置および撮影時間に換算する事が可能である。また、説明のために画像は二次元であるとしたが、共焦点顕微鏡などによって撮影された立体的な情報を持つ三次元画像に対しても、容易に拡張可能である。
図1は、第1の実施の形態の画像解析方法を説明するための図である。
生物試料を、M×M(ピクセル)の大きさの画像で一定時間間隔で撮影して、N枚の連続画像を取得する。このN枚の連続画像から時間間隔τである2枚(1組)の画像について画像相関演算を行う。N枚の連続画像からは、(N−τ)組の画像について画像相関演算が行われる。図1では、τ=2の場合を示している。
なお、説明のため,相関画像については,画像中心部が(0、0)となるように平行移動しているとしたが、計算方式によって任意の座標系を用いても良い。
次に、画像相関演算によって得られた(N−τ)枚の相関像を平均した平均画像相関像を求める。平均画像相関像は、それぞれの相関像の対応するピクセル位置の画像データを加算して平均値を演算することで求めることが出来る。
以上の処理を数式で表す。
時刻tに取得された座標(x、y)における画像の信号強度がI(x、y;t)である時、平均画像相関は、式(1)で表される。
Figure 2013192468
式(1)、式(2)中の〈I(x、y;t)〉は、M×M(ピクセル)の大きさの画像のxおよびyについて画像データを平均化することを示している。すなわちx、y、tの関数Fに対して、〈F(x、y;t)〉は式(3)で定義される。
Figure 2013192468
なお、xおよびyについて、周期的境界条件、すなわち、整数nおよびmについて、F(x+nM、y+mM;t)=F(x、y;t)が成立する場合は、式(1)の分子に記載される相互相関関数はフーリエ変換を用いて高速に計算する事が可能である。
また、時間とともに試料中の発現分布が移動する事を鋭敏に捕らえるために、解析する時間区分内で不動な成分、もしくは低速な成分を予め除去しておくことができる。除去の方法は、(非特許文献7)に記載されているように各座標ごとに信号強度変化の低周波成分を除去しても良い。あるいは、(非特許文献8)から直ちに類推されるように、定常成分を除去しても良い。すなわち、移動成分Imovを式(4)に従って計算し、Imovを式(1)のI(x、y;t)の代わりに用いても良い。
Figure 2013192468
次に、平均画像相関像を用いた解析方法について説明する。
図2は、第1の実施の形態の解析方法の一例を説明するための図である。
連続画像中の分布画像が時間とともに特定の方向へ移動しているとき、上述の方法によって得られる平均画像相関像R(ξ、η、τ)は画像の中心から外れた位置に極大値を持つ分布画像となる。この極大値の位置を決定する方法の一つとして、ガウシアン分布を仮定して、相互相関画像に対して当てはめを行う方法がある。
すなわち、式(5)で表されるガウシアンをA、β、p、q、Cを可変パラメータとして平均画像相関像に対して最小二乗法によって当てはめを行う。
Figure 2013192468
当てはめによって得られたp、qが、時間間隔τにおける平均画像相関像の極大位置(pτ、qτ)である。従って、遅延時間τ(=1〜N−1)ごとに平均画像相関像の極大位置(pτ、qτ)が決定される。
[移動速度]
画像中の分布の移動速度(v、v)は、式(6)で表される極大位置と遅延時間の比例係数v、vとして決定される。
Figure 2013192468
統計的に正確なv、vを導出するため、図2に示すように、最小二乗法などを用いた回帰分析によって比例係数v、vを算出しても良い。
[移動速度の分布]
M×M(ピクセル)の全体画像に内包される、m×m(ピクセル)の部分領域内の画像に対して上述の解析を行う事により、その部分領域内での局所的な移動速度を導出する事が出来る。すなわち、xがxからx+m−1で、yがyからy+m−1である部分領域Aに対して画像相関を計算し、その部分領域に対する移動速度を決定することができる。多数の部分画像について局所的な移動速度を求める事によって、移動速度の分布を得る事が出来る。
[経時的解析]
撮影時刻の異なる複数枚の画像から、時刻t直近のn枚の画像からなる時間区分を取り出し、上記の解析を行う事により、時刻t時点での移動速度を導出する事が出来る。すなわち、tがtからt+n−1である画像に対して画像相関を計算し、例えば、この時間区分の中央の時刻t=t+(n−1)/2における移動速度として決定することができる。この時間区分を連続的、あるいは離散的にずらして移動速度を求めていく事により、変化する移動速度を把握することができ、移動速度の経時的な解析を行う事が出来る。
[ベクトル表示]
上述の解析方法によって得られた、移動速度は、画面上に表示する事によって、結果を可視化し、利用者が結果を視覚的に理解する事を補助する事が出来る。表示方法としては、例えば、図2の右下に示すように、連続画像上に速度ベクトルを表す図形を重ねて表示する方法が考えられる。速度ベクトルを表す図形としては、長さが移動速度の大きさに比例し、矢頭がベクトルの方向を示す矢印がある。また、矢印の色彩を速度の大きさに応じて表示する事も出来る。
画像中の部分領域内で解析を行い、局所的な発現分布の移動速度を解析した場合、各部分領域の中央にベクトル表示を行う事により、速度分布を可視化する事が出来る。経時的な解析を行った場合、時刻tの画像上に、その時刻tにおける速度ベクトルを重ねて表示する事によって、移動速度の系時的変化を可視化する事が出来る。
[ベクトル演算]
画像相関法によって求めた遺伝子発現分布の移動速度ベクトルvと、別の解析対象について求めたその時刻・座標における別のベクトルvとの間で演算を行い、その演算結果をその時刻・座標における解析結果とする事が出来る。
別の解析対象についてのベクトルvとしては、例えばvの解析対象である遺伝子(遺伝子1)とは異なる遺伝子(遺伝子2)の発現分布から導出した遺伝子発現分布の移動速度ベクトルが考えられる。同一の試料から同時に異なる遺伝子の発現分布画像を得る方法としては、それぞれの遺伝子から異なる波長の光を発する発光タンパク質を発現させる等の方法が考えられる。
別の解析対象についてのベクトルvを得る他の例としては、細胞分布の画像から導出した細胞の移動速度ベクトルが考えられる。同一の試料から、遺伝子の発現分布画像と細胞分布の画像を得る方法としては、撮影装置の光学系を切り替え、細胞分布は微分干渉顕微法によって撮影する等の方法が考えられる。
ベクトル同士の演算の一つの例として、2つのベクトルの内積演算が考えられる。二つの遺伝子の発現分布の移動速度ベクトルv1、v2の内積は、式(7)で表され、移動速度ベクトルv1、v2のなす角の余弦は、式(8)で表される。
Figure 2013192468
先に述べたように複数の遺伝子は互いの発現を制御するネットワークを形成している。そのため、ネットワーク下流の遺伝子の発現分布は、上流遺伝子の発現分布に従属した分布になる。即ち、遺伝子発現分布の移動方向に相関性があるかどうかは二つの遺伝子発現に関連性があるかどうかの指標と成り得る。従って、二つのベクトルの成す角θの余弦を指標とすることによって移動方向の相関性を表すことができる。
ベクトル同士の演算の他の例として、ベクトル同士の減算が考えられる。ベクトル同士の減算が有効な例としては、遺伝子の発現分布の移動速度ベクトルと、その遺伝子を含む細胞の移動速度ベクトル間の演算である。
胚発生の様に、細胞が活発に分裂・移動する場合、細胞内の遺伝子発現量が一定であったとしても、細胞の移動にともなって発現分布も移動する。そのため、遺伝子発現分布の移動から細胞移動による影響を除去するために、遺伝子発現分布の移動速度ベクトルvから細胞の移動速度ベクトルvを減算する。この演算によって、遺伝子発現の絶対的な移動速度ベクトルvrel(=v−v)を計算する事が出来る。
[遺伝子発現の指標]
上述した、生物試料の遺伝子発現分布の時間変化を解析し数値化した情報を、試料の置かれた環境中での遺伝子発現の指標として用いる事が出来る。
例えば、ある遺伝子Aのプロモータ活性を、発光タンパク質の発現によって検出する事が出来る生物試料があったとする。この生物試料の発光顕微鏡画像に対して上述の手法を適用する事によって、遺伝子Aの遺伝子発現分布の時間変化を解析する事が出来る。この生物試料の培養液に、遺伝子Aの発現を促進あるいは抑制する目的の各種の試薬を加え、同様に遺伝子発現分布の時間変化を解析して比較する事によって、単に発現量の増減だけでは解らなかった高次の情報を得る事が出来る。
遺伝子発現の分布変化の指標としては、例えば速度ベクトル分布を統計処理して求めた統計量がある。画像を小さな部分領域に分割し、本発明の解析方法によって速度ベクトルの分布を得る。そして、速度の大きさの分布{|v|}の平均値もしくは中央値を、その生物試料の置かれた環境における遺伝子発現の指標の一つとして、環境の影響評価を行う事が出来る。
続いて、上述の解析方法を適用した実施例を説明する。
[実施例1(植物組織・生体リズム)]
図3は、第1の実施の形態の画像解析方法をシロイヌナズナの観測に適用した例を説明するための図である。
この実施例は、植物(シロイヌナズナ)を対象とし時計遺伝子を介した遺伝子発現ネットワークを観測した例である。明暗周期(13時間明/11時間暗)で2週間育てたpcab2:luc系統のシロイヌナズナから葉を切除してアガロースゲル上に置き、2.5mM D−ルシフェリンをスプレーした。発光シグナルの変化を正立型発光顕微鏡によって2時間ごとに連続観察した。
図3の上部の連続画像に示されるように、ルシフェリン存在下でシロイヌナズナ内で発現したホタルルシフェラーゼが発光する。このホタルルシフェラーゼは、cab2遺伝子の発現に伴って産生される。ルシフェラーゼの発光状態が時間とともに変化することは、cab2遺伝子の発現量の推移を表している。
このようにして得た発光イメージの連続画像について、一辺が340ピクセルである正方形の画像16枚から構成される連続画像に対して、32×32の小領域(ROI:Region of Interest)を縦横方向に6ピクセルずつずらしながら、各ROIについて処理を実行した。
各ROI中の処理は以下のように行った。
ステップ1:時間間隔τがτ=1から5(枚)である二枚の画像についての相互相関画像を計算し、τ=1の場合は15枚、τ=2の場合は14枚のように(16−τ)枚について平均化して相互相関平均画像を得た。
ステップ2:各τ値に対する相互相関平均画像から、ピーク値の位置を求めた。ピーク値の位置は、二次元ガウシアン関数を元の画像に対して最小二乗法によるフィッティングを行い、ガウシアンの頂点の位置から決定した。
ステップ3:各τ値に対するピークの位置(xτ、yτ)から、そのROIでのシグナル移動速度を導出した。シグナル移動速度のx軸成分値vの導出は、各τ値に対するx軸ピーク位置xτに対してxτ=v×τを最小二乗法によって当てはめる事によって行った。y軸成分についても同様の方法によってvを導出した。
ステップ4:ピーク位置が同定できない場合は、同定出来た時間間隔の範囲のデータに基づいて速度を導出した。ピーク位置がτ>0について同定出来なかった場合は、有意な速度成分が無いものとみなし、そのROIについての速度成分は不定とした。
ステップ5:各ROIにおけるシグナル移動速度は、ROIの中心座標から、速度の向きで速度の大きさに比例する長さの矢印を描画する事によって表示を行った。
図3の下部には、連続画像上にシグナル移動速度を表す矢印を重ねて描画した図を示している。矢印の大きさは、表示が見やすいように任意に選ぶ事が出来るが、この画像の場合は、1ピクセル/枚の速度成分が4ピクセルの長さで表示される様に選んだ。また、速度を表す矢印の色は、速度成分の小さい方から大きいほうへ虹の色彩にしたがって紫から赤に彩色した。そして、画像の倍率と取得時間の間隔から計算した実際のスケールでの速度値と矢印の長さ・色彩の対応は、画像上の任意の位置に対応スケールを表示する事で表現した。
連続画像上にシグナル移動速度を表す矢印を合成して描画することにより、特定の遺伝子が生成される状況をより詳細に把握することが出来る。
図中の中央付近で白く光っている部分には、シロイヌナズナの葉脈が含まれている。そして、この葉脈から外側に向かって広がるようにシグナルの移動が行われていることが把握できる。更に、矢印で表される速度と距離とから伝達時間を見積もることもできる。
従って、本解析方法を適用することで、単にある時間断面における遺伝子の発現の有無を判断するに留まらず、シグナルの移動がどのように行われるかをより詳細に把握することが可能となる。
[実施例2(動物組織・胚発生)]
次に、第1の実施の形態の画像解析方法をジョウジョウバエの観測に適用した例を図4乃至図12を参照しつつ説明する。
ショウジョウバエの産卵直後の卵の尾部に、実体顕微鏡下で2種類の発現プラスミドを含む水溶液(それぞれ200ng/μLの濃度の2種類の発現プラスミドと2.5mMのD−ルシフェリン、0.5%ブリリアントブルーFCF)をマイクロインジェクターで注入した。発現プラスミドの一つは、ショウジョウバエからクローニングした1.8kbのarmadilloプロモータを市販の発現プラスミドpCBR−Basic(Promega社)のCBR(ヒカリコメツキムシ由来赤色発光ルシフェラーゼ)遺伝子上流に挿入したものであり、もう一つはショウジョウバエからクローニングした3.0kbのshaggyプロモータを市販の発現プラスミドpCBG99−Basic(Promega社)のCBG(ヒカリコメツキムシ由来緑色発光ルシフェラーゼ)遺伝子上流に挿入したものである。
プラスミド溶液を注入後のショウジョウバエの卵は、25℃に保たれ加湿された観察容器内に静置され、発光顕微鏡LUMINOVIEW LV200(オリンパス製)によって胚発生の過程を連続的に撮影した。対物レンズはNA値1.25の60倍、カメラはImagEM EM−CCDカメラ(浜松ホトニクス)を用いた。撮影は、照明透過光と緑色および赤色の発光を光学系とフィルターを自動的に切り替えながら、それぞれのチャンネルを10分間隔で撮影した。透過光は170ミリ秒露光、緑色光はBP515−560バンドパスフィルタを用いて390秒露光、赤色光は610ALPロングパスフィルタを用いて180秒露光によって撮影した。
このようにして得たそれぞれ3種類の発光イメージの512×256ピクセルの画像150枚から構成される連続画像について、発光チャンネルについては64×64のROIを8ピクセルずつずらしながら、各ROIについて処理を実行した。
各ROI中の処理は、150枚中から連続する15枚の画像の同じ位置から切り出した64×64ピクセルの15枚の画像に対して画像解析を行い、解析から得られたベクトル値を15枚の中心である8枚目の時刻における移動速度とした。
図4は、ショウジョウバエの卵の胚発生の過程を連続的に撮影した透過光の画像を示す図である。これらの画像には、卵内において胚発生初期の細胞(図中白い点で表されている)が分裂し、移動する様子が表されている。
図5は、図4に示す透過光画像を画像解析処理した結果を元の透過画像に重ねて示す図である。透過画像のみを参照して、例えば、腸を形成する際の元になる細胞が現れるなどの現象を表現しようとしたときは、その現象は叙述的に表現されることになる。これに対し、透過光画像と画像処理した結果とを合成して表すことによって、細胞の動きを詳細かつ定量的に把握することができるため、その現象をより的確に表現することができる。
図6は、プラスミド溶液を注入されたショウジョウバエの卵の胚発生の過程を連続的に撮影した緑色発光の画像を示す図である。
上述のように、CBG(ヒカリコメツキムシ由来緑色発光ルシフェラーゼ)遺伝子をshaggyプロモータの下流に接続した合成遺伝子を作成して、ショウジョウバエの卵に注入している。ショウジョウバエの卵では胚発生時に、shaggyが生成(複製)されるが、その際、注入された合成遺伝子も複製される。図6に示す連続画像では、注入された合成遺伝子が複製される状況が緑色に光る領域として表されている。
図7は、図6に示す緑色発光の画像を画像解析処理した結果を元の緑色発光の画像に重ねて示す図である。これによって、shaggyが生成される状況を、その動き(向き、速度など)と共に把握することが出来る。
図8は、プラスミド溶液を注入されたショウジョウバエの卵の胚発生の過程を連続的に撮影した赤色発光の画像を示す図である。
上述のように、CBR(ヒカリコメツキムシ由来赤色発光ルシフェラーゼ)遺伝子をarmadilloプロモータの下流に接続した合成遺伝子を生成して、ショウジョウバエの卵に注入している。ショウジョウバエの卵では胚発生時に、shaggyが生成されるとそれに付随してarmadilloが生成されるといわれている。図8に示す連続画像では、armadilloが生成される状況が赤色に光る領域として表されている。
図9は、図8に示す赤色発光の画像を画像解析処理した結果を元の赤色発光の画像に重ねて示す図である。これによって、armadilloが生成される状況を、その動き(向き、速度など)と共に把握することが出来る。
[速度分布の相関]
図10は、第1の実施の形態の画像解析方法を用いてarmadilloとshaggyの発現分布の移動の相関を説明するための図である。
図10の(1)は、図8に示すarmadilloの7時30分近傍の連続画像を解析して速度ベクトルを求めた結果を示している。図10の(2)は、図6に示すshaggyの7時30分近傍の連続画像を解析して速度ベクトルを求めた結果を示している。
図10の(3)は、ROI毎に速度ベクトル同士の方向の相関性を、2つの速度ベクトルのなす角の余弦(式(8))を用いて表している。図10の(3)では、ほとんどの2つの速度ベクトルのなす角の余弦=+1、即ち、2つの速度ベクトルは大きさが同じで、移動する方向も同じであることが示されている。従って、shaggyが生成されるとそれに付随してarmadilloが生成されることが裏付けられている。
[相対的移動速度]
図11は、第1の実施の形態の画像解析方法を用いて各遺伝子の発現分布の移動から、細胞移動の影響を取り除く例を示す図である。
図11の(1)は、図6に示すshaggyの7時30分近傍の9枚の連続画像を解析して速度ベクトルを求めた結果を示している。図11の(2)は、図4に示す透過光画像の7時30分近傍の9枚の連続画像を解析して速度ベクトルを求めた結果を示している。
図11の(3)は、ROI毎にshaggyの速度ベクトルから透過光画像の速度ベクトルを減算処理した結果を示している。これにより、実質的な遺伝子発現分布の移動速度を評価することができる。
[発現の指標]
図12は、第1の実施の形態の画像解析方法を用いて発現の移動速度の分布を解析した例を示す図である。
図7で示したshaggyの7時30分近傍の速度ベクトルについて、その移動速度の大きさの分布を解析した結果として、分布の中央値=18μm/hを得た。
従来、遺伝子発現の指標としては、試料全体の発現量、あるいは細胞数を別途計測した上で一細胞あたりの発現量などが求められていた。しかし、遺伝子の培地、あるいは試薬などを変更したことによる微細な差を判断する指標としては不十分な場合があった。
これに対し、本解析結果を用いることで、そのような評価を行なう際の精度の良い裏づけデータとすることができる。例えば、最高速度の変化、中央値の変化、分布の形状の変化、偏差値の変化など、統計量を用いた定量的な評価が可能となる。
なお、上述の画像解析方法は、人手(マニュアル)で実施するのみならず、当該画像解析処理機能を搭載した画像解析装置によって自動で実施することができる。以下、自動で実施する態様について説明する。
図13は、第1の実施の形態の画像解析装置を含む画像解析システムの構成を示す図である。
画像解析システム1は、画像撮影装置2、画像解析装置3及び入出力装置4を備えている。画像撮影装置2は、画像解析装置3からの動作指示に従って生物試料を撮影し、撮影した画像を画像解析装置3に出力する。画像解析装置3は、画像撮影装置2が撮影した画像を解析して生物試料の遺伝子発現分布の時間的変化を解析する。入出力装置4は、画像解析装置3が解析した結果を表示し、また作業者の操作入力に基づいて画像解析装置3に種々の動作指示を与える。
画像解析装置3には、入出力インターフェース11、撮影制御部12、撮影画像取得部13、画像解析部14、編集出力部15、及び記憶部16が設けられている。
入出力インターフェース11は、画像撮影装置2及び入出力装置4との間での情報を授受するためのインターフェースである。撮影制御部12は、画像撮影装置2に対して撮影動作を指示する。撮影画像取得部13は、画像撮影装置2から生物試料を撮影した連続画像を取得して記憶部16に格納する。画像解析部14は、連続画像を解析して生物試料の遺伝子発現分布の時間的変化を表す種々のデータを演算する。編集出力部15は、解析結果を編集して入出力装置4に出力する。記憶部16は、連続画像、解析結果の編集画像などのデータを記憶する。
続いて、画像解析システムの動作について説明する。
作業者は、入出力装置4から画像撮影装置2の動作条件などを入力する。例えば、撮影時刻、撮影周期、撮影間隔、撮影枚数、撮影条件(光源種類、露光時間、フィルタ種類など)、使用する光学系の種類などの情報を入力する。撮影制御部12は、入力された動作条件に従って、画像撮影装置2を制御して生物試料を撮影し、連続画像を画像解析装置3に出力する。撮影画像取得部13は、画像撮影装置2から送られる連続画像を受信して記憶部16に当該連続画像を識別する情報と共に保存する。
所定の撮影動作(例えば1サイクルの連続画像の撮影を終了したときなど)が実行されたときは、画像解析部14が、記憶部16に格納された連続画像の解析を実行する。
図14は、第1の実施の形態の画像解析装置の解析処理手順を示すフロー図である。
ステップS01において、画像解析部14は、画像撮影装置2によって撮影されたN枚の連続画像を記憶部16から読み込む。ステップS02において、画像解析部14は、間隔τに値を設定する。ここで、τは1〜(N−1)の自然数をとることができる。そして、画像解析部14は、間隔τの2つの連続画像を解析対象として取り出す。
ステップS03において、画像解析部14は、取り出した2つの連続画像中の同じ位置に小領域であるROIを設定する。ステップS04において、画像解析部14は、2つのROIの相互相関画像を求める。相互相関画像を求める手法としては、式(1)に限られず、種々の公知の手法を用いても良い。ステップS05において、画像解析部14は、相互相関画像からピーク位置の座標を取得する。ピーク位置の座標を取得する手法として、ガウシアン分布を仮定して、相互相関画像に対して当てはめを行うフィッティング方法が挙げられる。
ステップS06において、全てのROIについてピーク位置の座標を取得したかどうかを調べる。全てのROIについてピーク位置の座標を取得していない場合(S06 NO)は、ROIを連続画像の縦または横方向に所定ピクセルだけ移動させた新たなROIを設定して、この新たなROIを対象としてステップS04、S05の処理を実行する。
全てのROIについてピーク位置の座標を取得している場合(S06 Yes)は、ステップS07において、間隔τに新たな値を設定して、ステップS03からステップS06の処理を実行する。間隔τが取り得る全ての値についてステップS03からステップS06の処理を実行している場合(S07 Yes)は、ステップS08において、全てのROIについて、速度ベクトル(移動速度、移動方向)を求める。ステップS09において、画像解析部09は、ROIごとの速度ベクトルを連続画像と対応付けて記憶部16に保存する。なお、上述の解析で用いるROIのサイズ、ROIを移動させるピクセル数などは、作業者が予め入出力装置4から設定している。
生物試料の撮影が終了した後、作業者が入出力装置4から解析結果を出力する要求を入力すると、編集出力部15は、解析結果を要求内容に対応して編集して入出力装置4に出力する。
編集出力部15は、例えば、次のような解析結果画像を編集して入出力装置4に出力する。
[速度分布画像]
生物試料の全体画像(連続画像)上に、その全体画像に内包される複数の部分領域毎の移動速度を表す矢印を重ねて表示する速度分布画像を編集する。ここで、矢印を表す図形は、長さが移動速度の大きさに比例し、矢頭が移動方向を示している。また、矢印の色彩は、速度の大きさに対応して表示する。
[経時的画像]
上記速度分布画像を時間区分ごとに作成する。そして、作成した時間区分ごとの速度分布画像を1フレームの画像とする動画像として表示する。
[関連性解析画像]
同一の生物試料について異なる撮像手段によって全体画像(連続画像)を撮影する。そしてそれぞれの全体画像について上述の速度分布画像を編集する。そして、対応する部分領域の移動速度同士についてベクトル解析(2つの速度ベクトルのなす角の余弦演算、減算など)を行い、その解析結果を全体画像に重ねた関連性解析画像を表示する。
[指標値画像]
生物試料の全体画像(連続画像)に内包される複数の部分領域毎の移動速度を求める。そして、求めた複数の移動速度から指標値を解析(統計解析)により算出する。そして、算出した指標値を表す指標値画像を表示する。
以上説明した画像解析システムによれば、生物試料の撮影終了後、短時間で(直ちに)解析結果を得ることができる。
なお、上述の実施の形態では、画像撮影装置2と画像解析装置3が分離して構成しているが、画像撮影装置2がこれらの機能を一体として装備しても良い。
[第1の実施の形態のバリエーション]
なお、上述の第1の実施の形態で開示された内容は、その開示された態様に限定されず、種々のバリエーションとして構成することができる。
上述の実施の形態では、連続画像は二次元であるとしたが、共焦点顕微鏡などによって撮影された立体的な情報を持つ三次元画像であっても良い。従って、撮像装置は、二次元空間、三次元空間を表す画像、即ち、生物試料の空間座標における遺伝子発現の分布を記録する装置であるとして把握することができる。
また、細胞中の遺伝子発現は、蛍光のみによって観測されるものでなく、ルシフェラーゼなどを用いた発光によっても観測されることから、一般に発光現象として把握することができる。従って、細胞中の遺伝子発現は、細胞からの発光強度の違いとして取得される。
また、上述の実施の形態で発光するタンパク質は、特に明示されない限り、一般に蛍光タンパク質、発光タンパク質と呼ばれるタンパク質には限定されない。
また、上述の実施の形態で発光するタンパク質は、遺伝子を発現させる目印となっている部位に設けられていてもよい(プロモータ解析)。
なお、この発光するタンパク質は、遺伝子を発現させる目印となっている部位に全体が設けられている態様の他に、プロモータ下流にもともと当該生物試料が有しているタンパク質に、発光するタンパク質の一部を設ける態様(キメラタンパク質あるいは融合タンパク質)で存在することができる。
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、経時的に撮影された生物試料における遺伝子発現の空間分布画像から、遺伝子発現分布の時間変化を、現象や対象を限定せずに汎用的に適用可能な解析方法を提供する事ができる。また、試料の遺伝子発現分布についての指標を提供し、試料の置かれた環境が、試料の遺伝子発現に与える影響を評価する方法を提供する事ができる。
従って、本実施の形態によれば、遺伝子発現の時間的・空間的分布を定量的に解析する汎用的な手法を提供することができる。
なお、本発明により、生物学の研究や医療における検査・診断において、生物試料の遺伝子発現分布の解析を行う際に、汎用的かつ定量的な解析を行う事が可能となる。その結果、現象を定量的・統計的に取り扱う事が可能になる事から、従来の方法では見逃していた現象を発見する事が可能となる。また、本発明によれば、遺伝子発現分布の移動という現象を可視化する事が可能となる。その結果、実験を行うものが、実験結果が指し示す現象を理解するのを補助するとともに、他者との情報交換を容易にする。
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウェアを用いて構成するに留まらず、ソフトウェアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウェア、ハードウェアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
尚、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明は、遺伝子発現の時間的・空間的分布を定量的に解析する汎用的な手法を提供する産業で利用することができる。
1…画像解析システム、2…画像撮影装置、3…画像解析装置、4…入出力装置、11…入出力インターフェース、12…撮影制御部、13…撮影画像取得部、14…画像解析部、15…編集出力部、16…記憶部。

Claims (12)

  1. 時間経過に従って撮影した複数枚の生物試料の細胞中の遺伝子発現の分布画像を取得し、
    取得したそれぞれの画像内に複数の小領域を設定し、
    取得した複数の画像から任意の2枚の画像を選択し、
    選択した2枚の画像について、対応する2つの小領域の画像間の相関を複数の小領域を対象として演算し、
    前記画像の選択と相関の演算とを繰り返して実行して、小領域ごとに遺伝子発現の移動速度と移動方向とを解析すること
    を特徴とする生物試料の画像解析方法。
  2. 前記小領域ごとの遺伝子発現の移動速度と移動方向とを表す矢印画像を、前記分布画像上の対応する位置に重ねた合成画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の生物試料の画像解析方法。
  3. 前記解析で得られた小領域ごとの遺伝子発現の移動速度を統計処理した値を、当該生物試料の置かれた環境における前記遺伝子発現の指標として出力することを特徴とする請求項1に記載の生物試料の画像解析方法。
  4. 時間経過に従って撮影した複数枚の生物試料の細胞中の遺伝子発現の第1の分布画像と、前記第1の分布画像と同時に撮影した複数枚の生物試料の細胞の第2の分布画像とに請求項1に記載の画像解析方法を適用し、
    前記第1および第2の分布画像から小領域ごとの移動速度と移動方向とからなるそれぞれ第1および第2の速度ベクトルを求め、
    前記第1の速度ベクトルから前記第2の速度ベクトルを減算して小領域ごとに新たな移動速度と移動方向とを求めること
    を特徴とする生物試料の画像解析方法。
  5. 時間経過に従って撮影した複数枚の生物試料の細胞中の遺伝子発現の第1の分布画像と、前記第1の分布画像と同時に撮影した複数枚の生物試料の細胞中の他の遺伝子発現の第2の分布画像とに請求項1に記載の画像解析方法を適用し、
    前記第1および第2の分布画像から小領域ごとの移動速度と移動方向とからなるそれぞれ第1および第2の速度ベクトルを求め、
    前記第1の速度ベクトルと前記第2の速度ベクトルとの相関性を演算すること
    を特徴とする生物試料の画像解析方法。
  6. 前記撮影された画像には、細胞中の遺伝子発現が発光強度として表されることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の生物試料の画像解析方法。
  7. 前記細胞からの発光は、前記細胞内で発現したタンパク質からの発光であることを特徴とする請求項6に記載の生物試料の画像解析方法。
  8. 前記発現したタンパク質は、前記遺伝子のプロモータ制御下にあることを特徴とする請求項7に記載の生物試料の画像解析方法。
  9. 前記遺伝子のプロモータ制御下にあるタンパク質が、発光タンパク質の全体もしくは一部を含むことを特徴とする請求項8に記載の生物試料の画像解析方法。
  10. 時間経過に従って撮影した複数枚の生物試料の細胞中の遺伝子発現の分布画像を取得する取得手段と、
    取得したそれぞれの画像内に複数の小領域を設定する設定手段と、
    取得した複数の画像から任意の2枚の画像を選択する選択手段と、
    選択した2枚の画像について、対応する2つの小領域の画像間の相関を複数の小領域を対象として演算する演算手段と、
    前記画像の選択と相関の演算とを繰り返して実行して、小領域ごとに遺伝子発現の移動速度と移動方向とを解析する解析手段と
    を備えたことを特徴とする生物試料の画像解析装置。
  11. コンピュータを、
    請求項10に記載の画像解析装置に備えられた取得手段、設定手段、選択手段、演算手段、解析手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 時間経過に従って生物試料の細胞中の遺伝子発現の分布画像を撮影する撮影手段と、
    撮影された複数枚の前記分布画像を取得する取得手段と、
    取得したそれぞれの画像内に複数の小領域を設定する設定手段と、
    取得した複数の画像から任意の2枚の画像を選択する選択手段と、
    選択した2枚の画像について、対応する2つの小領域の画像間の相関を複数の小領域を対象として演算する演算手段と、
    前記画像の選択と相関の演算とを繰り返して実行して、小領域ごとに遺伝子発現の移動速度と移動方向とを解析する解析手段と
    を備えたことを特徴とする生物試料の画像撮影装置。
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